(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】高アスペクト比構造のスティクションを防ぐためのシステムおよび方法、および/または、高アスペクト比の構造を修復するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240104BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240104BHJP
H01L 21/302 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
H01L21/304 645B
H01L21/304 651B
H01L21/304 651H
H01L21/304 651M
H01L21/302 102
H01L21/302 201A
(21)【出願番号】P 2020542530
(86)(22)【出願日】2018-10-11
(86)【国際出願番号】 US2018055436
(87)【国際公開番号】W WO2019083735
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-10-05
(32)【優先日】2017-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510141648
【氏名又は名称】ラム・リサーチ・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH AG
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ディクトゥス・ドリース
(72)【発明者】
【氏名】ロ・ター-イー
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-118026(JP,A)
【文献】特開平08-213357(JP,A)
【文献】特開平08-316189(JP,A)
【文献】特開2015-088619(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/3065
H01L 21/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面上に配置された高アスペクト比(HAR)構造を処理するための方法であって、
a)第1のリンス液を用いて前記基板の前記表面をスピン洗浄することと、
b)前記第1のリンス液を前記基板の前記表面から振り落とすことと、
c)前記第1のリンス液が分配された後に、フッ化水素含有ガス混合物を前記基板の前記表面に導くことによって、前記HAR構造に作用するファンデルワールス力、水素結合、および共有結合酸化物架橋のいずれかのスティクション力を除去し、前記HAR構造の倒壊を修復することと、
を含み、
a)、b)、およびc)は、単一のチャンバにおいて、前記基板が900hPaから1100hPaの範囲の所定圧力で維持されるときに、実施され
、
c)において、フッ化アンモニウムの形成を抑制するために、処理温度が所定の温度を超える場合に、前記フッ化水素含有ガス混合物にアンモニアが加えられる、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記フッ化水素は第1の反応性成分であり、前記ガス混合物は第2の反応性成分をさらに含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記第2の反応性成分は、陽子受容体である、および/または、
前記第2の反応性成分は、OH基を含む
の少なくともいずれかである、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記第2の反応性成分は、水蒸気、アルコール蒸気、アンモニア、およびアミンからなる群より選択される、方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法であって、
c)は、b)の後に実施される、方法。
【請求項6】
請求項2に記載の方法であって、
c)は、a)の後の60秒以内に実施される、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、アルコールおよび不活性キャリアガスをさらに含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記不活性キャリアガスは分子状窒素を含み、前記アルコールはイソプロピルアルコールを含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、前記基板の前記表面から1mmから40mmの範囲に位置するノズルによって供給される、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、1m/sから50m/sの範囲の分配速度でノズルから供給される、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、1slmから20slmの流量でノズルから供給される、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記ガス混合物を供給するノズルの開口部の断面積は、3mm
2から30mm
2の範囲である、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、
a)、b)、およびc)は、20℃から400℃の範囲の温度で実施される、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、
a)、b)、およびc)は、50℃から150℃の範囲の温度で実施される、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、
a)、b)、およびc)は、前記基板が装置の回転チャックに配置された状態で実施される、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記装置は、さらに、
第1のリンス液源に接続された第1の液体分配器と、
溶剤蒸気を供給するための蒸気供給器と、
前記ガス混合物を前記基板の表面に分配するためにガス源および前記蒸気供給器に接続されたガス分配器と、を備える、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記ガス分配器は、シャワーヘッドを備える、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、
前記ガス分配器は、
アームと、
ノズルと、
前記ガス混合物が供給される間に前記アームを前記基板にわたって走査するモータと、
を備える、方法。
【請求項19】
請求項1に記載の方法であって、
a)、b)、およびc)は、100℃を超える温度で実施され、
前記ガス混合物は、アンモニアをさらに含む、方法。
【請求項20】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のリンス液は、有機水混和性溶剤を含む、方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、0.05体積%から10体積%の範囲の前記フッ化水素、0.05体積%から10体積%の範囲のアルコール、および80体積%から99.9体積%の範囲の不活性ガスを含む、方法。
【請求項22】
請求項1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、0.5体積%から5体積%の範囲の前記フッ化水素、0.5体積%から2.5体積%の範囲のアルコール、および92.5体積%から99体積%の範囲の不活性ガスを含む、方法。
【請求項23】
請求項1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、0.1体積%から5体積%の範囲の前記フッ化水素、0.1体積%から5体積%の範囲のアルコール、および90体積%から99.8体積%の範囲の不活性ガスを含む、方法。
【請求項24】
基板の表面上に配置された高アスペクト比(HAR)構造を処理するためのチャンバであって、
前記基板を回転させるために前記チャンバに配置された回転チャックと、
前記回転チャックが前記基板を回転させている際に、第1のリンス液を用いて、900hPaから1100hPaの範囲の所定圧力の前記チャンバにおいて前記基板の前記表面を洗浄するための第1のノズルと、
前記第1のリンス液が分配された後に、900hPaから1100hPaの範囲の前記所定圧力の前記チャンバにおいてフッ化水素含有ガス混合物を前記基板の前記表面に導くことによって、前記HAR構造に作用するファンデルワールス力、水素結合、および共有結合酸化物架橋のいずれかのスティクション力を除去し、前記HAR構造の倒壊を修復するための第2のノズル
であって、フッ化アンモニウムの形成を抑制するために、処理温度が所定の温度を超える場合に、前記フッ化水素含有ガス混合物にアンモニアが加えられる、第2のノズルと、
を備える、チャンバ。
【請求項25】
請求項24に記載のチャンバであって、さらに、
第1のリンス液源に接続された第1の液体分配器と、
第2の反応性成分を供給するための蒸気供給器と、
前記ガス混合物を前記基板の表面に分配するためにガス源および前記蒸気供給器に接続されたガス分配器と、
を備える、チャンバ。
【請求項26】
請求項25に記載のチャンバであって、さらに、
前記フッ化水素と前記第2の反応性成分とを混合するための混合マニホルドを備える、チャンバ。
【請求項27】
請求項24に記載のチャンバであって、さらに、
前記回転チャックを取り囲む開放チャンバを備える、チャンバ。
【請求項28】
請求項24に記載のチャンバであって、さらに、
前記回転チャックを取り囲む密閉チャンバを備える、チャンバ。
【請求項29】
請求項24に記載のチャンバであって、さらに、
溶剤蒸気を供給するための蒸気供給器を備え、
前記ガス混合物は、前記溶剤蒸気をさらに含む、チャンバ。
【請求項30】
請求項29に記載のチャンバであって、
前記溶剤蒸気は、水蒸気およびアルコール蒸気からなる群より選択される、チャンバ。
【請求項31】
請求項24に記載のチャンバであって、
前記第1のリンス液が前記基板から振り落とされた後に、前記第2のノズルは、前記フッ化水素含有ガス混合物を前記基板の前記表面に導く、チャンバ。
【請求項32】
請求項24に記載のチャンバであって、
前記第2のノズルは、前記第1のリンス液が分配された後の60秒以内に、前記フッ化水素含有ガス混合物を前記基板の前記表面に導く、チャンバ。
【請求項33】
請求項24に記載のチャンバであって、さらに、
前記基板を20℃から400℃の範囲の温度まで加熱する加熱器を備える、チャンバ。
【請求項34】
請求項24に記載のチャンバであって、さらに、
前記基板を50℃から150℃の範囲の温度まで加熱する加熱器を備える、チャンバ。
【請求項35】
請求項24に記載のチャンバであって、さらに、
前記基板を100℃を超える温度まで加熱する加熱器を備え、
前記ガス混合物は、アンモニアをさらに含む、チャンバ。
【請求項36】
請求項24に記載のチャンバであって、さらに、
前記回転チャックの回転と、前記第1のノズルからの前記第1のリンス液の分配と、前記第2のノズルからの前記ガス混合物の分配とを制御するコントローラを備える、チャンバ。
【請求項37】
請求項24に記載のチャンバであって、
前記第2のノズルは、前記基板の前記表面から1mmから40mmの範囲に位置する、チャンバ。
【請求項38】
請求項24に記載のチャンバであって、
前記ガス混合物は、1m/sから50m/sの範囲の分配速度で前記第2のノズルから供給される、チャンバ。
【請求項39】
請求項24に記載のチャンバであって、
前記ガス混合物は、1slmから20slmの流量で前記第2のノズルから供給される、チャンバ。
【請求項40】
請求項24に記載のチャンバであって、
前記第2のノズルの開口部の断面積は、3mm
2から30mm
2の範囲である、チャンバ。
【請求項41】
基板の表面上に配置された高アスペクト比(HAR)構造を処理するためのチャンバであって、
前記チャンバは、処理中に開放されており、前記チャンバ内に配置された回転チャックと、
第1のノズルと、
第2のノズルと、
コントローラであって、
前記回転チャックの回転を制御して前記基板を回転させ、
前記回転チャックが前記基板を回転させている際に、前記第1のノズルを制御して第1のリンス液を分配し、900hPaから1100hPaの範囲の所定圧力の前記チャンバ内の前記基板の前記表面を洗浄し、
前記第1のリンス液が分配された後に、前記第2のノズルを制御してフッ化水素含有ガス混合物を分配し、前記ガス混合物を900hPaから1100hPaの範囲の前記所定圧力の前記チャンバにおいて前記基板の前記表面に導
き、フッ化アンモニウムの形成を抑制するために、処理温度が所定の温度を超える場合に、前記フッ化水素含有ガス混合物にアンモニアを加える、ように構成されたコントローラと、
を備え、
前記第1及び第2のノズルは、それぞれ、第1及び第2の走査ノズルを有し、
前記チャンバは、更に、前記第1及び第2の走査ノズルにそれぞれ接続された第1及び第2のモータ、を備え、
前記コントローラは、
前記回転チャックの回転を制御して前記基板を回転させ、
前記回転チャックが前記基板を回転させている際に、前記第1のモータを制御し、前記第1のリンス液を前記第1の走査ノズルから分配して、900hPaから1100hPaの範囲の前記所定圧力の前記チャンバにおいて前記基板の前記表面を洗浄し、
前記第1のリンス液が分配された後に、前記第2のモータを制御し、前記第2の走査ノズルから前記フッ化水素含有ガス混合物を分配し、前記ガス混合物を900hPaから1100hPaの範囲の前記所定圧力の前記チャンバにおいて前記基板の前記表面に導
き、フッ化アンモニウムの形成を抑制するために、前記処理温度が前記所定の温度を超える場合に、前記フッ化水素含有ガス混合物にアンモニアを加える、ように構成された、
チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2017年10月23日出願の米国仮出願第62/575,705号の利益を主張する。上記出願の全ての開示は、参照として本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、基板の処理に関し、特に、高アスペクト比(HAR)構造のスティクション(stiction)を防ぐ、および/または、HAR構造を修復するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄だけでなく、出願時における先行技術に該当しないだろう記載の態様において説明される範囲において、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板上に成膜するため、または、基板の表面をエッチング、洗浄、および/もしくは、そうでなければ処理するために用いられてよい。いくつかのプロセスでは、基板は、ウェット処理が施されてよい。これらのプロセスでは、基板は、回転チャック上に搭載されてよい。回転チャックが回転される間に、液体または気体などの流体を分配するために流体ノズルが用いられてよい、および/または、基板を処理するために熱が加えられてよい。
【0005】
いくつかの基板は、高アスペクト比(HAR)構造を備える。例えば、HAR構造は、ナノピラー、トレンチ、またはビアを含んでよい。HAR構造は、フィーチャの深さ(基板の表面に垂直)より大幅に小さい幅(基板の表面に平行)を有する。5:1より大きいアスペクト比を有するHAR構造も珍しくない。より高度なプロセスは、さらに高いアスペクト比を有するHAR構造を含む。パターン倒壊は、1つ以上のHAR構造が、崩壊し、基板の表面に対して横方向に移動する、および/または、隣接するHAR構造に直接接触するときに起きる。パターン倒壊は、ウェット洗浄プロセス後の乾燥時に起きることが多い。
【0006】
基板乾燥時のパターン倒壊を低減するためにいくつかのプロセスが用いられてきた。例えば、基板は、超臨界CO2を用いて乾燥されうる。しかし、超臨界CO2は、比較的高価で、実行性に問題がある。基板の表面は、スティクションを防ぐために層によって改質されうる。しかし、表面改質は、追加のケミストリを用いる必要があるため、高価であることが多い。表面改質は、改質層が除去される必要があるため、材料ロスも引き起こす。基板は、沸点に近い温度で基板の表面に供給されるイソプロピルアルコール(IPA)を用いて乾燥されることもできる。しかし、いくつかのアスペクト比は、パターン倒壊なしで沸騰したIPAを用いて乾燥されることはできない。
【0007】
基板は、真空圧で操作される真空装置においてフッ化水素(HF)蒸気圧エッチングを用いて処理されることもできる。しかし、真空装置は、通常、高価であり、ウェット洗浄を実施するために用いられることができない。前述のウェット洗浄工程は、有機汚染物質または金属汚染物質を基板の表面から除去するために必要であることが多い。
【0008】
崩壊した構造の修復は、真空装置でプラズマエッチングを用いることによって実施されうる。しかし、要求されるプラズマエッチングハードウェアは高価である。
【発明の概要】
【0009】
基板の表面上に配置された高アスペクト比(HAR)構造を処理するための方法は、a)第1のリンス液を用いて基板の表面をスピン洗浄することと、b)第1のリンス液を基板の表面から振り落とすことと、c)第1のリンス液が分配された後に、フッ化水素含有ガス混合物を基板の表面に導くことと、を含む。
【0010】
他の特徴では、フッ化水素は、第1の反応性成分であり、ガス混合物は、第2の反応性成分をさらに含む。少なくとも、第2の反応性成分は陽子受容体である、および/または、第2の反応性成分はOH基を含む。
【0011】
第2の反応性成分は、水蒸気、アルコール蒸気、アンモニア、およびアミンからなる群より選択される。
【0012】
他の特徴では、c)は、b)の後に実施される、または、a)の後の60秒以内に実施される。ガス混合物は、不活性キャリアガスおよびアルコール蒸気をさらに含む。不活性キャリアガスは分子状窒素を含み、アルコール蒸気はイソプロピルアルコールを含む。ガス混合物は、基板の表面から1mmから40mmの範囲に位置するノズルによって供給される。ガス混合物は、1m/sから50m/sの範囲の分配速度でノズルから供給される。ガス混合物は、1slmから20slmの流量でノズルから供給される。
【0013】
他の特徴では、ノズルの開口部の断面積は、3mm2から30mm2の範囲である。a)、b)、およびc)は、20℃から400℃の範囲の温度で実施される。a)、b)、およびc)は、50℃から150℃の範囲の温度で実施される。a)、b)、およびc)は、基板が900hPaから1100hPaの範囲の所定圧力で維持されるときに実施される。a)、b)、およびc)は、基板が装置の回転チャック上に配置された状態で実施される。
【0014】
他の特徴では、装置は、さらに、第1のリンス液源に接続された第1の液体分配器、溶剤蒸気を供給するための蒸気供給器、ならびに、ガス源および蒸気供給器に接続されて基板の表面にガス混合物を分配するガス分配器を備える。ガス分配器は、シャワーヘッドを含む。
【0015】
他の特徴では、ガス分配器は、アーム、ノズル、および、ガス混合物が供給される時に基板にわたってアームを走査するためのモータを備える。
【0016】
他の特徴では、a)、b)、およびc)は、100℃を超える温度で実施される。ガス混合物は、アンモニアをさらに含む。
【0017】
他の特徴では、第1のリンス液は、有機水混和性溶剤を含む。
【0018】
他の特徴では、ガス混合物は、0.05体積%から10体積%の範囲のフッ化水素、0.05体積%から10体積%の範囲のアルコール、および80体積%から99.9体積%の範囲の不活性ガスを含む。ガス混合物は、0.5体積%から5体積%の範囲のフッ化水素、0.5体積%から2.5体積%の範囲のアルコール、および92.5体積%から99体積%の範囲の不活性ガスを含む。ガス混合物は、0.1体積%から5体積%の範囲のフッ化水素、0.1体積%から5体積%の範囲のアルコール、および90体積%から99.8体積%の範囲の不活性ガスを含む。
【0019】
基板の表面上に配置された高アスペクト比(HAR)構造を処理するための装置は、基板を回転させるための回転チャックを備える。第1のノズルは、回転チャックが基板を回転させている際に、第1のリンス液を用いて基板の表面を洗浄する。第2のノズルは、第1のリンス液が分配された後に、フッ化水素含有ガス混合物を基板の表面に導く。
【0020】
他の特徴では、第1の液体分配器は、第1のリンス液源に接続されている。蒸気供給器は、第2の反応性成分を供給する。ガス分配器はガス源に接続され、蒸気供給器は、ガス混合物を基板の表面に分配する。
【0021】
他の特徴では、混合マニホルドは、フッ化水素と第2の反応性成分とを混合する。開放チャンバは、回転チャックを取り囲む。密閉チャンバは、回転チャックを取り囲む。蒸気供給器は、溶剤蒸気を供給する。ガス混合物は、溶剤蒸気をさらに含む。
【0022】
他の特徴では、溶剤蒸気は、水蒸気およびアルコール蒸気からなる群より選択される。第2のノズルは、第1のリンス液が基板から振り落とされた後に、フッ化水素含有ガス混合物を基板の表面に導く。第2のノズルは、第1のリンス液が分配された後の60秒以内に、フッ化水素含有ガス混合物を基板の表面に導く。
【0023】
他の特徴では、加熱器は、基板を20℃から400℃の範囲の温度まで加熱する。加熱器は、基板を50℃から150℃の範囲の温度まで加熱する。基板は、900hPaから1100hPaの範囲の所定圧力で維持される。加熱器は、基板を100℃を超える温度まで加熱し、ガス混合物はアンモニアをさらに含む。
【0024】
他の特徴では、コントローラは、回転チャックの回転、第1のノズルからの第1のリンス液の分配、および、第2のノズルからのガス混合物の分配を制御する。
【0025】
他の特徴では、第2のノズルは、基板の表面から1mmから40mmの範囲に位置する。ガス混合物は、1m/sから50m/sの範囲の分配速度で第2のノズルから供給される。ガス混合物は、1slmから20slmの流量で第2のノズルから供給される。第2のノズルの開口部の断面積は、3mm2から30mm2の範囲である。
【0026】
他の特徴では、ガス混合物は、0.5体積%から5体積%の範囲のフッ化水素、0.5体積%から2.5体積%の範囲のアルコール、および92.5体積%から99体積%の範囲の不活性ガスを含む。
【0027】
他の特徴では、ガス混合物は、80体積%から99.9体積%の範囲の不活性ガス、0.05体積%から10体積%の範囲のフッ化水素、および0.05体積%から10体積%の範囲のアルコールを含む。ガス混合物は、90体積%から99.8体積%の範囲の不活性ガス、0.1体積%から5体積%の範囲のフッ化水素、および0.1体積%から5体積%の範囲のアルコールを含む。
【0028】
本開示のさらなる適用範囲は、発明を実施するための形態、請求項、および図面から明らかになるだろう。発明を実施するための形態および特定の例は、例示のみを目的とすることを意図し、本開示の範囲を限定する意図はない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本開示は、発明を実施するための形態および付随の図面からより深く理解されるだろう。
【0030】
【
図1】
図1A~1Cは、本開示によるウェット洗浄および乾燥の前後ならびに修復後の基板を表す側面断面図である。
【0031】
【
図2A】
図2Aは、本開示による基板を処理するための密閉チャンバに配置された回転チャックの例を示す機能ブロック図である。
【0032】
【0033】
【
図2C】
図2Cは、本開示による基板を処理するための開放チャンバに配置された回転チャックの例を示す機能ブロック図である。
【0034】
【
図3】
図3は、本開示による基板を処理するための回転チャックの別の例を示す機能ブロック図である。
【0035】
【
図4】
図4は、本開示による基板を処理するための方法の例を表すフローチャートである。
【0036】
【
図5】
図5は、本開示による基板を処理するための方法の別の例を表すフローチャートである。
【0037】
【
図6】
図6は、本開示によるウェット処理装置および別個の崩壊修復装置を表す機能ブロック図である。
【0038】
【
図7】
図7は、本開示によるアームおよびノズルを用いる崩壊修復装置の機能ブロック図である。
【0039】
【
図8】
図8は、本開示によるシャワーヘッドを用いる崩壊修復装置の機能ブロック図である。
【0040】
図面では、参照番号は、類似および/または同一の要素を特定するために何度も用いられてよい。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本開示によるシステムおよび方法は、高アスペクト比(HAR)構造を有する基板のウェット処理およびドライエッチングに関する。ウェット処理およびドライエッチングは、基板が処理された後に、ウェット洗浄ツールにおいて大気圧でまたはほぼ大気圧で実施されうる。単一のハードウェア装置においてウェット処理およびドライエッチングを組み合わせることは、他のドライプロセスに代わる安価な手段であり、処理時間がほとんどまたは全くかからない。あるいは、ウェット処理はウェット処理ツールで完了されることができ、修復プロセスは別個の修復ツールで実施されることができる。
【0042】
いくつかの例では、ガス混合物は、イソプロピルアルコール(IPA)などのリンス液への曝露後に基板の表面に分配される。ガス混合物は、フッ化水素(HF)ガスを含む。いくつかの例では、ガス混合物は、第2の反応性成分(溶剤蒸気、もしくは陽子受容体、もしくはOH基を有する成分など)および/またはキャリアガスをさらに含んでよい。
【0043】
いくつかの例では、キャリアガスは、分子状窒素(N2)などの不活性ガスを含む。しかし、他の不活性ガスも用いられうる。いくつかの例では、第2の反応性成分は、水またはアルコール(メタノール、IPA、または他のアルコール)を含む。他のアルコールも用いられうる。例えば、1から4の炭素c)原子を有するアルコールが用いられうる。例えば、2-プロパノール(IPA)が用いられうる。いくつかの例では、ガスの混合方法は、N2をIPAと混合し、次に純HFガスをIPA/N2混合物に加えることを含む。
【0044】
例えば、溶剤の吸着層が形成され、HF2が生成される。SiO2はHF2と反応し、SiF4が形成され、SiO2層の蒸発(エッチング)をもたらす。いくつかの例では、ガス混合物は、0.5体積%から5体積%の範囲のHF、0.5体積%から2.5体積%の範囲のアルコール、および92.5体積%から99体積%の範囲の不活性ガスを含む。
【0045】
いくつかの例では、ガス混合物は、N2ガスをキャリアガスとして高濃度水性HF(45体積%から55体積%の範囲(例えば、49体積%)のHF濃度を有する)の中を流すことによって生成される。他の例では、ガス混合物は、不活性ガス(分子状窒素など)をアルコールと混合させ、次に純HFを不活性ガスとアルコールとの混合物に加えることによって作られる。
【0046】
他の例では、ガス混合物は、80体積%から99.9体積%の範囲の不活性ガス、0.05体積%から10体積%の範囲のHF、および0.05体積%から10体積%の範囲のアルコールを含む。他の例では、ガス混合物は、90体積%から99.8体積%の範囲の不活性ガス、0.1体積%から5体積%の範囲のHF、および0.1体積%から5体積%の範囲のアルコールを含む。
【0047】
他の例では、アンモニア(NH3)またはあらゆるアミン(例えば、エチルアミン、エチレンジアミン、ピロリジン)は、処理温度が100℃を超えるときに必要に応じてガス混合物に加えられる。NH3の追加は、特に、NH4Fの形成が抑制され(昇華温度を超える場合)、揮発性(NH4)2SiF4が形成される100℃を超える温度で機能する。
【0048】
別の方法として、このプロセスは、リンス液が基板から振り落とされ、基板が比較的乾いた後に基板に加えられることもできる。いくつかの例では、このプロセスは、リンス液が存在する間の曝露であって、再びリンス液が振り落とされて乾燥された後の曝露を含みうる。このプロセスは、1回以上繰り返されうる。
【0049】
いくつかの例では、プロセスは、大気圧でまたはほぼ大気圧で実施される。例えば、基板表面は、処理の間、900ヘクトパスカル(hPa)から1100hPaの範囲の圧力で維持されてよい。いくつかの例では、ガス混合物は、基板の表面にわたって走査されるノズルを用いて基板に供給される。あるいは、ガス混合物は、基板の表面上方に配置されたシャワーヘッドを用いて基板に供給されることもできる。また、プロセスを促進する可能性がある、水もしくはアンモニアNH3の蒸気(気体)またはアミンなどの蒸気が供給されうる。
【0050】
いくつかの例では、プロセスは、20℃から400℃の範囲の所定温度で実施される。他の例では、プロセスは、50℃から150℃の範囲の所定温度で実施される。HFおよび溶剤蒸気の分圧は、1mTorrから特定のプロセス温度におけるそれぞれの飽和蒸気圧までの間で変化しうる。
【0051】
ドライプロセスへの反応性蒸気(例えば、HF/溶剤蒸気の組み合わせ)の追加は、他のIPAドライプロセスに対して向上した結果を提供する。いくつかの例では、蒸気エッチングの可制御性は、径方向の加熱を含む基板加熱器、および/または、基板にわたって走査されうるノズルを用いて実施される。本明細書に記載の方法は、ハードウェアおよびケミストリのコストの削減に加えて、プロセスの歩留まりを向上させる。
【0052】
次に
図1A~
図1Cを参照すると、基板の処理が示されている。
図1Aでは、ウェット処理および乾燥以前の基板10が示されている。基板10は、1つ以上の下地層14に規定された高アスペクト比(HAR)構造12-1、HAR構造12-2、HAR構造12-3、およびHAR構造12-4(総称して、HAR構造12)を有する。例えば、HAR構造12は、ピラー、ビア、トレンチ、および/または、他のフィーチャを含む。
図1Aの基板10には、ウェット処理および乾燥が施される。
【0053】
図1Bでは、ウェット処理および乾燥後の基板10が示されている。HAR構造12-2およびHAR構造12-3は、部分的に倒壊し、互いに向かって傾いている。いくつかの例では、HAR構造12-2とHAR構造12-3との間に架橋酸化物20が形成される。形成されうる架橋酸化物の例は、酸化シリコン(SiO
x)、酸窒化シリコン(SiO
xN
y)、酸化チタン(TiO
x)などを含む。
図1Cでは、架橋酸化物20が除去され、倒壊したHAR構造12-2およびHAR構造12-3が修復されるように本明細書に記載の方法を用いた処理後の基板10が示されている。
【0054】
次に
図2Aを参照すると、ウェット処理および基板修復のための回転チャック50の例が示されている。回転チャック50は、回転チャック56を収容するチャンバ52を備える。基板58は、回転チャック50の表面上に配置されている。回転チャック50は、液体が基板58に分配される間、および/または、液体を振り落とすために基板58を回転させる。基板58は、任意の適した機構を用いて回転チャック50に取り付けられてよい。例えば、基板58は、把持ピン59を用いて回転チャック50に取り付けられうる。把持ピンの適した例は、その全てが参照により本明細書に援用される、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願シリアル番号第15/232,594号(代理人整理番号3877-1US)の「Method and Apparatus for Processing Wafer-Shaped Articles」に示され説明されている。
【0055】
いくつかの例では、回転チャック56の表面60は透明で、加熱器61は表面60の下に配置される。いくつかの例では、加熱器61は、基板60の径方向の加熱を可能にするように1つ以上の径方向領域に配置される複数の発光ダイオード(LED)を備える。いくつかの例では、加熱器61は、基板の中心位置からその径方向外端に向かって外向きに移動する移動熱波を提供するように操作されうる。いくつかの例では、回転チャック56は回転し、加熱器61は動かない。基板の径方向の加熱を行う回転チャックの適した例は、米国特許出願シリアル番号第15/232,594号に示され説明されている。
【0056】
いくつかの例では、回転チャック56は、図のように駆動軸63を介してモータ62によって回転される。他の例では、モータ62はロータおよびステータを含み、ロータは物理的接触なしで磁気駆動される。適した例は、その全てが参照によって本明細書に援用される、本発明の譲受人によって譲渡された米国特許第6,485,531号に示されている。リンス液は、モータ70によって基板58にわたって走査されるアーム64およびノズル66によって供給される。弁72は、リンス液を液体供給器74からアーム64に選択的に供給する。
【0057】
別のアーム84(
図2Aにおいて非作動位置に示される)およびガスノズル86は、以下にさらに説明されるように、フッ化水素(HF)ガス、キャリアガス、および第2の反応性成分(例えば、溶剤蒸気および/またはアンモニア(NH
3))のうちの1つ以上を含むガス混合物を供給するために用いられてよい。いくつかの例では、ガスノズル86の出口は、基板58の表面から所定距離内に配置される。いくつかの例では、所定距離は、1mmから40mmの範囲である。いくつかの例では、所定距離は、2mmから2cmの範囲である。いくつかの例では、ガス混合物は、1m/sから50m/sの範囲の所定速度で供給される。いくつかの例では、ガス混合物は、1分あたりの基準リットル(slm)が1slmから20slmの範囲の所定流量で供給される。いくつかの例では、ノズル86の開口部の断面積は、3mm
2から30mm
2の範囲である。
【0058】
モータ90は、ノズル86を基板58にわたって走査するために用いられてよく、弁92は、ガス混合物を選択的に供給するために用いられてよい。ガス供給システム100は、蒸気供給器102および弁104を備える。いくつかの例では、蒸気供給器102は、加熱液体アンプル、バブラ、または他の蒸発器を備える。ガス供給システム100は、1つ以上のガス供給器112-1、ガス供給器112-2、・・・、およびガス供給器112-N(総称して、ガス供給器112)、ならびに、弁114-1、弁114-2、・・・、および弁114-N(総称して、弁114)をさらに備える。任意のマニホルド110は、任意の弁92を介する供給より前にガスおよび蒸気を混合できるように用いられてよい。いくつかの例では、マスフローコントローラ(図示せず)は、ガスおよび/または溶剤蒸気をより正確に制御するために設けられる。コントローラ130は、弁、モータ、およびガス供給システム100を制御する。
【0059】
図2Bでは、アーム64およびアーム84が平面図で示されている。アーム64は、基板58上方の分配位置に示されているが、アーム84は、非動作位置に示されている。アーム64はリンス液を基板に分配し、リンス液は振り落とされる。リンス液の分配後、以下にさらに説明されるように、アーム64は非動作位置に移動し、アーム84はガス混合物を分配する。
【0060】
次に
図2Cを参照すると、開放チャンバを有する回転チャックが用いられることもできる。開放チャンバの回転チャックのさらなる詳細は、その全てが参照により本明細書に援用される、本発明の譲受人から譲渡された米国特許第9,484,229号に示されている。回転チャック150は、その上部が開放されているチャンバ151に配置されている。チャンバ151の底部は、開放または密閉されうる。チャンバ151は、1つ以上の排気経路152を規定する。いくつかの例では、1つ以上の排気経路152は、基板58を含む平面に位置し、径方向外向きに向けられ、真空源に接続される。いくつかの例では、真空源は、1つ以上の排気経路152と流体連通する弁153およびポンプ154を備える。
【0061】
いくつかの例では、回転チャック150は、その上に配置された複数の把持ピン155、および、基板58の下方に配置された透明板156を備える。発光ダイオード(LED)を含むプリント回路基板などの加熱器157は、基板58を加熱するために透明板156の下方に配置されてよい。いくつかの例では、加熱器157は、洗浄および/または修復の間に用いられる移動熱波を生成する。移動熱波は、基板の中心位置からその径方向外端に向かって外向きに移動する。いくつかの例では、加熱器157は動かず、回転チャック150は回転する。基板の径方向の加熱を行う回転チャックの適した例は、米国特許出願シリアル番号第15/232,594号に示され説明されている。いくつかの例では、ファン158は、処理の間、気流159をチャンバ151の上面に供給する。
【0062】
次に
図3を参照すると、基板を処理するための回転チャックの別の例が示されている。アーム84およびノズル86を用いる代わりに、ガス混合物は、基板58の表面上方に配置されたシャワーヘッド136を用いて分配される。シャワーヘッドを通じてガスを回転チャックに供給する他の適した例は、その全てが参照として本明細書に援用される、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第8,926,788号、ならびに、本発明の譲受人に譲渡された米国特許公開第US2012/0131815号および第US2014/0026926号に示され説明されている。
【0063】
いくつかの例では、シャワーヘッド136は、複数のスルーホールを有するプレートを備える。ガス混合物は、ガス供給システム100および弁92によってガスプレナム134に供給される。ガス混合物は、ガスプレナム134に流入し、シャワーヘッド136を通ってチャンバ52に入り、基板58を曝露する。いくつかの例では、シャワーヘッド136およびガスプレナム134の垂直位置は、倒壊を修復または防止するときに、ガス混合物の供給より前に1つ以上のモータ170によって基板により近い位置に調節される。
【0064】
次に
図4~
図5を参照すると、基板を処理するための方法の例が示されている。
図4では、基板を処理するための方法180が示されている。
図5の184では、基板は回転チャック上に配置される。188では、回転チャックが回転される。192では、リンス液が基板上に分配される。194では、リンス液が振り落とされる。
【0065】
所定期間(198における)の後に、ガス混合物は、202において供給される。他の例では、ガス混合物は、194の間に重複して加えられうる。基板は、ガス混合物を加えるときは回転しているまたは回転していないのいずれかでありうる。
【0066】
いくつかの例では、所定期間は、0秒から60秒の範囲である。いくつかの例では、ガス混合物は、洗浄工程192が終了する前に供給され始める。いくつかの例では、ガス混合物は、フッ化水素(HF)ガスおよびキャリアガスを含む。ガス混合物は所定期間に供給されて、架橋酸化物を除去することによって倒壊が防止される、および/または、HAR構造が修復される。
【0067】
図5では、基板を処理するための方法210が示されている。工程184から工程198は、上述の工程に類似する。所定期間(198における)の後に、ガス混合物は、214において供給される。ガス混合物は、フッ化水素(HF)ガス、キャリアガス、ならびに、溶剤蒸気およびアンモニアガスのうちの少なくとも1つを含む。ガス混合物は、倒壊を防ぐ、および/または、HAR構造を修復するために、所定期間に供給される。特定の論理に限定されることなく、倒壊および/またはHAR構造の修復は、HFガスを基板に注いで、ファンデルワールス力、水素結合、および共有結合酸化物架橋などのスティクション力を除去することによって生じる。
【0068】
一例では、本開示による修復プロセスは、ナノピラー(30nmの直径、90nmのピッチ、600nmの高さを有するシリコン(Si)円柱)を含むHAR構造を有する基板でテストされた。修復プロセスは、本開示による修復プロセスによって、倒壊率をおよそ90%から10%未満に低減した。
【0069】
次に
図6~
図8を参照すると、ウェット処理および倒壊修復は、別々の装置において実施されうる。
図6では、システム288は、ウェット処理工程を実施するウェット処理装置290を備える。ウェット処理装置290でのウェット処理後に、基板は、倒壊修復装置300に移される。いくつかの例では、ウェット処理工程は、ウェット洗浄を含む。いくつかの例では、ウェット処理工程は、回転チャックによって実施される。
【0070】
図7では、倒壊修復装置300が示されている。倒壊修復装置300は、チャンバ310、および、基板314を支持するための基板支持体312を備える。基板支持体312は、処理の間に基板314の温度を制御するために、抵抗発熱体などの加熱器320、および/または、冷却経路を備える。コントローラ130は、倒壊修復を実施するために、モータ90、弁92、およびガス供給システム100を制御する。倒壊修復装置300はウェット洗浄を実施しないため、ウェット処理装置と関連付けられたノズルおよび回転チャックは省略され、倒壊修復装置300は簡素化されうる。
【0071】
図8では、倒壊修復装置350の別の例が示されている。
図7の倒壊修復装置のノズル86、アーム84、およびモータ90は、基板314の表面上方に配置されたシャワーヘッド360に置き換えられる。いくつかの例では、シャワーヘッド360は、複数のスルーホールを有するプレートを備える。ガス混合物は、ガス供給システム100および/または弁92によってガスプレナム362に供給される。ガス混合物は、ガスプレナム362に流入し、シャワーヘッド360を通って基板314を曝露する。
【0072】
前述の説明は、本質的に単なる例示であり、本開示、その適用、または使用を限定する意図はない。本開示の広範囲の教示は、様々な形態で実施されうる。よって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、以下の請求項を検討すると他の変形例が明らかになるため、本開示の真の範囲はそれほど限定されるべきでない。方法内の1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく異なる順序で(または、同時に)実行されてよいことを理解されたい。さらに、各実施形態は特定の特徴を有するように上述されているが、本開示のいずれかの実施形態に関して記載された1つ以上のこれらの特徴は、他の実施形態において、および/または、他の実施形態の特徴と組み合わせて(その組み合わせが明記されていないとしても)実施されうる。つまり、記載の実施形態は相互に排他的ではなく、1つ以上の実施形態を互いに並べ替えることは、本開示の範囲内にある。
【0073】
要素間(例えば、モジュール間、回路素子間、半導体層間など)の空間的および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「近接する」、「上に」、「上方」、「下方」、および「配置された」を含む様々な用語を用いて説明される。第1の要素と第2の要素との関係が上記の開示で説明されるときは、「直接的」であると明記されない限り、その関係は、他の要素が第1の要素と第2の要素との間に介在しない直接的関係でありうるが、1つ以上の介在要素が第1の要素と第2の要素との間に(空間的または機能的に)存在する間接的関係でもありうる。本明細書では、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理、または、を用いる論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。本開示は以下の適用例としても実現できる。
[適用例1]
基板の表面上に配置された高アスペクト比(HAR)構造を処理するための方法であって、
a)第1のリンス液を用いて前記基板の前記表面をスピン洗浄することと、
b)前記第1のリンス液を前記基板の前記表面から振り落とすことと、
c)前記第1のリンス液が分配された後に、フッ化水素含有ガス混合物を前記基板の前記表面に導くことと、
を含む、方法。
[適用例2]
適用例1に記載の方法であって、
前記フッ化水素は第1の反応性成分であり、前記ガス混合物は第2の反応性成分をさらに含む、方法。
[適用例3]
適用例2に記載の方法であって、
前記第2の反応性成分は、陽子受容体である、および/または、
前記第2の反応性成分は、OH基を含む
の少なくともいずれかである、方法。
[適用例4]
適用例3に記載の方法であって、
前記第2の反応性成分は、水蒸気、アルコール蒸気、アンモニア、およびアミンからなる群より選択される、方法。
[適用例5]
適用例2に記載の方法であって、
c)は、b)の後に実施される、方法。
[適用例6]
適用例2に記載の方法であって、
c)は、a)の後の60秒以内に実施される、方法。
[適用例7]
適用例1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、アルコールおよび不活性キャリアガスをさらに含む、方法。
[適用例8]
適用例7に記載の方法であって、
前記不活性キャリアガスは分子状窒素を含み、前記アルコールはイソプロピルアルコールを含む、方法。
[適用例9]
適用例1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、前記基板の前記表面から1mmから40mmの範囲に位置するノズルによって供給される、方法。
[適用例10]
適用例1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、1m/sから50m/sの範囲の分配速度でノズルから供給される、方法。
[適用例11]
適用例1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、1slmから20slmの流量でノズルから供給される、方法。
[適用例12]
適用例1に記載の方法であって、
前記ガス混合物を供給するノズルの開口部の断面積は、3mm
2
から30mm
2
の範囲である、方法。
[適用例13]
適用例1に記載の方法であって、
a)、b)、およびc)は、20℃から400℃の範囲の温度で実施される、方法。
[適用例14]
適用例1に記載の方法であって、
a)、b)、およびc)は、50℃から150℃の範囲の温度で実施される、方法。
[適用例15]
適用例1に記載の方法であって、
a)、b)、およびc)は、前記基板が900hPaから1100hPaの範囲の所定圧力で維持されるときに実施される、方法。
[適用例16]
適用例1に記載の方法であって、
a)、b)、およびc)は、前記基板が装置の回転チャックに配置された状態で実施される、方法。
[適用例17]
適用例16に記載の方法であって、
前記装置は、さらに、
第1のリンス液源に接続された第1の液体分配器と、
溶剤蒸気を供給するための蒸気供給器と、
前記ガス混合物を前記基板の表面に分配するためにガス源および前記蒸気供給器に接続されたガス分配器と、を備える、方法。
[適用例18]
適用例17に記載の方法であって、
前記ガス分配器は、シャワーヘッドを備える、方法。
[適用例19]
適用例17に記載の方法であって、
前記ガス分配器は、
アームと、
ノズルと、
前記ガス混合物が供給される間に前記アームを前記基板にわたって走査するモータと、
を備える、方法。
[適用例20]
適用例1に記載の方法であって、
a)、b)、およびc)は、100℃を超える温度で実施され、
前記ガス混合物は、アンモニアをさらに含む、方法。
[適用例21]
適用例1に記載の方法であって、
前記第1のリンス液は、有機水混和性溶剤を含む、方法。
[適用例22]
適用例1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、0.05体積%から10体積%の範囲のフッ化水素、0.05体積%から10体積%の範囲のアルコール、および80体積%から99.9体積%の範囲の不活性ガスを含む、方法。
[適用例23]
適用例1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、0.5体積%から5体積%の範囲のフッ化水素、0.5体積%から2.5体積%の範囲のアルコール、および92.5体積%から99体積%の範囲の不活性ガスを含む、方法。
[適用例24]
適用例1に記載の方法であって、
前記ガス混合物は、0.1体積%から5体積%の範囲のフッ化水素、0.1体積%から5体積%の範囲のアルコール、および90体積%から99.8体積%の範囲の不活性ガスを含む、方法。
[適用例25]
基板の表面上に配置された高アスペクト比(HAR)構造を処理するための装置であって、
前記基板を回転させるための回転チャックと、
前記回転チャックが前記基板を回転させている際に、第1のリンス液を用いて前記基板の前記表面を洗浄するための第1のノズルと、
前記第1のリンス液が分配された後に、フッ化水素含有ガス混合物を前記基板の前記表面に導くための第2のノズルと、
を備える、装置。
[適用例26]
適用例25に記載の装置であって、さらに、
第1のリンス液源に接続された第1の液体分配器と、
第2の反応性成分を供給するための蒸気供給器と、
前記ガス混合物を前記基板の表面に分配するためにガス源および前記蒸気供給器に接続されたガス分配器と、
を備える、装置。
[適用例27]
適用例25に記載の装置であって、さらに、
前記フッ化水素と第2の反応性成分とを混合するための混合マニホルドを備える、装置。
[適用例28]
適用例25に記載の装置であって、さらに、
前記回転チャックを取り囲む開放チャンバを備える、装置。
[適用例29]
適用例25に記載の装置であって、さらに、
前記回転チャックを取り囲む密閉チャンバを備える、装置。
[適用例30]
適用例25に記載の装置であって、さらに、
溶剤蒸気を供給するための蒸気供給器を備え、
前記ガス混合物は、前記溶剤蒸気をさらに含む、装置。
[適用例31]
適用例30に記載の装置であって、
前記溶剤蒸気は、水蒸気およびアルコール蒸気からなる群より選択される、装置。
[適用例32]
適用例25に記載の装置であって、
前記第1のリンス液が前記基板から振り落とされた後に、前記第2のノズルは、前記フッ化水素含有ガス混合物を前記基板の前記表面に導く、装置。
[適用例33]
適用例25に記載の装置であって、
前記第2のノズルは、前記第1のリンス液が分配された後の60秒以内に、前記フッ化水素含有ガス混合物を前記基板の前記表面に導く、装置。
[適用例34]
適用例25に記載の装置であって、さらに、
前記基板を20℃から400℃の範囲の温度まで加熱する加熱器を備える、装置。
[適用例35]
適用例25に記載の装置であって、さらに、
前記基板を50℃から150℃の範囲の温度まで加熱する加熱器を備える、装置。
[適用例36]
適用例25に記載の装置であって、
前記基板は、900hPaから1100hPaの範囲の所定圧力で維持される、装置。
[適用例37]
適用例25に記載の装置であって、さらに、
前記基板を100℃を超える温度まで加熱する加熱器を備え、
前記ガス混合物は、アンモニアをさらに含む、装置。
[適用例38]
適用例25に記載の装置であって、さらに、
前記回転チャックの回転と、前記第1のノズルからの前記第1のリンス液の分配と、前記第2のノズルからの前記ガス混合物の分配とを制御するコントローラを備える、装置。
[適用例39]
適用例25に記載の装置であって、
前記第2のノズルは、前記基板の前記表面から1mmから40mmの範囲に位置する、装置。
[適用例40]
適用例25に記載の装置であって、
前記ガス混合物は、1m/sから50m/sの範囲の分配速度で前記第2のノズルから供給される、装置。
[適用例41]
適用例25に記載の装置であって、
前記ガス混合物は、1slmから20slmの流量で前記第2のノズルから供給される、装置。
[適用例42]
適用例25に記載の装置であって、
前記第2のノズルの開口部の断面積は、3mm
2
から30mm
2
の範囲である、装置。