(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】シールおよび外径エキステンダを備えるリードスルー
(51)【国際特許分類】
F16L 5/02 20060101AFI20240104BHJP
F16L 5/08 20060101ALI20240104BHJP
H02G 3/22 20060101ALI20240104BHJP
E04B 1/684 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
F16L5/02 C
F16L5/08
H02G3/22
E04B1/684 Z
(21)【出願番号】P 2020570574
(86)(22)【出願日】2019-06-19
(86)【国際出願番号】 SE2019050585
(87)【国際公開番号】W WO2020005141
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-04-19
(32)【優先日】2018-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】506259461
【氏名又は名称】ロックステック アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100206335
【氏名又は名称】太田 和宏
(74)【代理人】
【識別番号】100120857
【氏名又は名称】渡邉 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】ストラング ダニエル
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-112138(JP,A)
【文献】特開2014-109366(JP,A)
【文献】米国特許第04993724(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0169341(US,A1)
【文献】国際公開第2010/089289(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 5/00 - 5/10
H02G 3/22
E04B 1/684
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル、ワイヤ、または管のためのリードスルーであって、円筒状シール(4)と外径エキステンダ(1、12、24、28)とを備え、前記外径エキステンダ(1、12、24、28)は、前記円筒状シール(4)の外面に取り付けられるように適合され、前記外径エキステンダ(1、12、24、28)は、2つの部分を備え、前記2つの部分のそれぞれが、少なくとも1つの突出部と、少なくとも1つの凹部(3、21、27、31)と、を有し、前記外径エキステンダ(1、12、24、28)の一方の部分の少なくとも1つの突出部が、前記外径エキステンダ(1、12、24、28)の他方の部分の前記少なくとも1つの凹部(3、21、27、31)に受け入れられ
、
前記円筒状シール(4)は、円筒状圧縮可能本体(5、5a)と、前部取付具(6、6a)と、後部取付具(7、7a)と、ねじ(11)と、ナット(8、8a)と、を備え、前記前部取付具(6、6a)と前記後部取付具(7、7a)とは、前記円筒状圧縮可能本体(5、5a)の両端に配置され、前記ねじは、前記円筒状圧縮可能本体(5、5a)と、前記前部取付具(6、6a)と、前記後部取付具(7、7a)と、の開口を通り、前記円筒状圧縮可能本体(5、5a)は、ケーブル、ワイヤ、または管を受け入れるように適合された中心貫通開口を有する、ことを特徴とする、リードスルー。
【請求項2】
請求項
1に記載のリードスルーであって、複数の剥離シート(9、9a)が、前記円筒状シール(4)の前記
円筒状圧縮可能本体(5、5a)の中心貫通開口の内側に配置される、リードスルー。
【請求項3】
請求項1
または2に記載のリードスルーであって、前記外径エキステンダ(1、12、24、28)の前記少なくとも1つの突出部と前記少なくとも1つの凹部(3、21、27、31)とは、円周方向に延在する、リードスルー。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか1項に記載のリードスルーであって、前記外径エキステンダ(24、28)は、互いの上に配置された複数の剥離シート(25、29)から形成される、リードスルー。
【請求項5】
請求項1から
4のいずれか1項に記載のリードスルーであって、前記外径エキステンダ(1、24、28)のそれぞれの部分の1つ以上の前記突出部は、舌片(2、26、30)である、リードスルー。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか1項に記載のリードスルーであって、前記外径エキステンダ(1、24、28)は、接着剤によって前記
円筒状シール(4)に固定される、リードスルー。
【請求項7】
請求項1から
3のいずれか1項に記載のリードスルーであって、前記外径エキステンダ(12)は、円筒状部(13)と、前記円筒状部(13)の一端にあるフランジ(14)と、を備え、前記フランジ(14)は、前記円筒状部(13)に対して垂直であり、前記外径エキステンダ(12)の中心に向かって内側に向けられ、前記フランジ(14)は、複数の貫通開口(17)を有し、前記フランジ(14)は、前記円筒状部(13)の円周に沿って延在する、リードスルー。
【請求項8】
請求項
7に記載のリードスルーであって、ヒンジ部(15)が、前記外径エキステンダ(1
2)の前記2つの部分間で前記円筒状部(13)に配置されている、リードスルー。
【請求項9】
請求項
8に記載のリードスルーであって、前記ヒンジ部(15)は、前記円筒状部(13)全体に沿って軸方向に延在する弱化の形態を有する、リードスルー。
【請求項10】
請求項
8または
9に記載のリードスルーであって、前記円筒状部(13)は、前記ヒンジ部(15)に対向する間隙を有し、前記間隙によって、第1軸方向縁部(18)と第2軸方向縁部(19)とが、前記円筒状部(13)に形成され、前記外径エキステン
ダ(1
2)のそれぞれの部分の前記少なくとも1つの突出部は、前記円筒状部(13)の第1軸方向縁部(18)と第2軸方向縁部(19)とからそれぞれ円周方向に延在する複数のフィンガー(16)である、リードスルー。
【請求項11】
請求項
10に記載のリードスルーであって、前記外径エキステンダ(1
2)のそれぞれの部分の前記少なくとも1つの凹部(21)は、隣り合うフィンガー(16)間の距離によって形成され、前記外径エキステンダ(1
2)の一方の部分のフィンガー(16)は、前記外径エキステンダ(1
2)の他方の部分のフィンガー(16)間に受け入れられる、リードスルー。
【請求項12】
請求項
10または
11に記載のリードスルーであって、前記外径エキステンダ(1
2)のそれぞれの部分は、前記第1軸方向縁部(18)と前記第2軸方向縁部(19)とからそれぞれ延びる3つのフィンガー(16)を有する、リードスルー。
【請求項13】
請求項
10から
12のいずれか1項に記載のリードスルーであって、前記フランジ(14)
の一方の端部は、前記外径エキステンダ(12)の前記円筒状部(13)の前記第2軸方向縁部(19)と同じ
平面上であり、前記フランジ(14)
の他方の端部は、前記外径エキステンダ(12)の前記第1軸方向縁部(18)の前記フィンガー(16)の自由外端と同じ
平面上である、リードスルー。
【請求項14】
請求項
7から
13のいずれか1項に記載のリードスルーであって、前記外径エキステンダ(12)の前記フランジ(14)は、前記
円筒状シール(4)の一端において、前部取付具(6)または後部取付具(7)と前記
円筒状シール(4)の圧縮可能本体(5)との間に配置されるように適合され、前記
円筒状シール(4)のねじ(11)は、前記フランジ(14)の前記開口(17)に受け入れられる、リードスルー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁または他の仕切りを通るケーブル、ワイヤまたは管のためのリードスルーに関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブル、ワイヤ、または管が、壁、屋根、または他の仕切りを通る場合、ケーブル、ワイヤ、または管は、壁または同様のものの開口に配置されたシールに受け入れられることが多い。シールは、壁または同様のものの開口に配置されたスリーブ内に配置されてもよい。説明を容易にするために、「ケーブル」という表現がこの説明で主に使用されるが、それは広く解釈されるべきであり、また、当業者は、通常、管およびワイヤをもカバーしていることを理解する。対応して、「壁」という表現がこの説明で主に使用されるが、それは広く解釈されるべきであり、通常、任意の種類の仕切りをカバーすると解釈されるべきである。
【0003】
ケーブル移行のためのシールは、円筒状圧縮可能本体を有することが多い。圧縮可能本体は、圧縮可能本体の両端に配置された取付具間で軸方向に圧縮される。軸方向圧縮によって、圧縮可能本体は、内側にも外側にも径方向に膨張する。外側へ向かう径方向の膨張により、シールは、ある直径範囲を有する開口またはスリーブ内に受け入れられることができる。所望の方法で機能させるために、シールは、スリーブまたはそれが受け入れられる壁の開口にぴったりと嵌合すべきである。
【0004】
上記の種類のシールは、キャビネット、技術的シェルター、接続箱および機械などの多くの異なる環境において封止するために使用される。自動車、電気通信、発電および配電、ならびに船舶および海洋などの異なる産業環境において使用される。シールは、流体、気体、火、齧歯類、シロアリ、ほこり、湿気等に対して封止しなければならないこともあり、電気、通信、コンピュータ等のためのケーブルまたはワイヤ、水、圧縮空気、油圧油、および調理ガスなどの異なる気体または液体のための管または負荷保持のためのワイヤを受け入れることもある。
【0005】
現在使用されているシールは、通常、一定の範囲内の内径を有する穴に使用可能である。内径の広い範囲をカバーするために、複数のシールが、使用され、保管されていなければならない。従って、壁またはスリーブの開口の直径は、どのシールが使用されるべきかを決定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、円筒状シールの直径範囲を増加させることであり、それによって、保管されるべきシールの数を減少させることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によると、ケーブル、ワイヤまたは管のためのリードスルーが提供される。リードスルーは、円筒状シールおよび外径エキスパンダを備える。外径エキスパンダは、円筒状シールの外面に取り付けられるように適合される。外径エキステンダは、2つの部分から形成される。前記の2つの部分のそれぞれは、少なくとも1つの突出部と、少なくとも1つの凹部とを有する。外径エキステンダの一方の部分の少なくとも1つの突出部は、外径エキステンダの他方の部分の少なくとも1つの凹部に受け入れられる。
【0008】
本発明の別の態様によると、外径エキスパンダは、円筒状部と、円筒状部の一端にあるフランジとを備える。前記のフランジは、前記の円筒状部に対して垂直であり、外径エキステンダの中心に向かって内側に向けられる。フランジは、複数の貫通口を有し、円筒状部の円周に沿って延びている。
【0009】
本発明の外径エキステンダによって、それぞれのシールについて可能な範囲が増加し、これは、保管しなければならない異なるサイズのシールを減らすことを意味する。それぞれの直径範囲について、外径エキステンダは、範囲の小さい部分には使用されず、一方、外径の範囲の大きい部分には使用される。
【0010】
本発明のさらなる目的および利点は、本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読めば、当業者には明らかになるであろう。
【0011】
本発明は、添付図面を参照して、例として以下にさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明による外径エキステンダを備えたシールの斜視図である。
【
図3】
図1のシールおよび外径エキスパンダの半分の斜視図である。
【
図4】
図1のシールおよび外径エキスパンダの端面図である。
【
図6】壁に取り付けられた
図1のシールおよび外径エキステンダの断面図である。
【
図7】本発明による外径エキステンダの第2の実施形態の斜視図である。
【
図8】
図7の外径エキステンダを
図2のシールに取り付ける段階を示す斜視図である。
【
図9】本発明による外径エキステンダのさらなる実施形態の半分を有する
図2によるシールの半分の斜視図である。
【
図10】
図9の外径エキステンダに対応するが異なるサイズの外径エキステンダの半分を有するシールの半分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用されるとき、用語「軸方向」、「径方向」、「円周方向」および同様の表現は、シールの内側に受け入れられるケーブル、ワイヤまたはパイプを考慮している。
【0014】
一般的な半円筒形状を有する外径エキスパンダ1は、円筒状シール4の外側に配置され、リードスルーを形成する。
図1に示される実施形態では、外径エキスパンダ1は、外径エキステンダ1を形成するように、シール4の周囲に配置された2つの部分で形成される。外径エキスパンダ1を形成する2つの部分はそれぞれ、一方の縁部に舌片2の形態の突出部を有し、反対側の縁部に凹部3を有している。舌片2も凹部も円周方向に延びている。2つの部分の外径エキステンダ1を形成するとき、部分の1つの舌片2は、他方の部分の凹部3の内側に受け入れられ、逆もまた同様である。形成された外径エキステンダ1は、中心貫通口を有する円筒形状を有することになる。外径エキスパンダの他の実施態様において、外径エキスパンダの各部分は、1つよりも多い舌片と、対応する数の凹部とを有する。
【0015】
外径エキステンダ1は、異なる種類の円筒状シールと共に使用することができる。
図2では、円筒状シール4の一実施形態が示されている。シール4は、圧縮可能本体5、前部取付具6、後部取付具7、ねじ11、ナット8、剥離シート9およびブラインド10を備えている。剥離シート9は、シール4の内径を、ケーブル23またはシール4の内側に受け入れられる同様のものに適合させるのに使用される。1枚以上のシート9を剥がすことにより、シール4の内径が大きくなる。
【0016】
外径エキステンダ1は、接着剤によってシール4の外側に取り付けられる。外径エキステンダ1は、通常、シール4の圧縮可能本体5と同じ材料で作られる。
【0017】
シール4および外径エキステンダ1を備えるリードスルーは、壁22または他の仕切りの開口またはスリーブに受け入れられる。壁22内へのリードスルーの配置の一例を、
図6に示す。前部取付具6および後部取付具7は、圧縮可能本体5の両端に配置され、ねじ11およびナット8によって互いに接続される。ねじ11は、後部取付具7の開口を通り、シール4の開口20を通り、前部取付具6の開口を通り、受け入れられる。ナット8は、前部取付具6から出ているねじ11の一部に配置される。ねじ11およびナット8によって、前部取付具6および後部取付具7は、互いに近づいたり離れたりして動かされてよい。示されている実施形態では、シール4は、2つの同一の半体で形成され、各半体は、圧縮可能本体5の半体、取付具6、7、ねじ11、ナット8、およびシート9を備える。さらに、半体の一方にブラインド10が受け入れられ、このブラインド10は、ケーブル23またはシール4の内側の同様のものを受け入れるときに取り外される。シール4の2つの半分が組み立てられるとき、圧縮可能本体5は、中心貫通口を有する円筒形状を有する。剥離シート9は、前記の中心貫通口の内側に配置される。圧縮可能本体5の両側の取付具6、7間の距離を減少させることによって、圧縮可能本体5は軸方向に圧縮され、それによって径方向に内側および外側の両方の径方向に膨張することになる。シール4の径方向の膨張は、外径エキステンダ1の各部分の舌片2が、外径エキステンダ1の各部分の凹部3に対して円周方向に移動するという点において、外径エキステンダ1によって取り込まれる。径方向の前記の膨張により、シール4は、外径エキステンダ1と共に、シール4の内側に受け入れられたケーブル23、ワイヤまたは管に対してシールするのと同時に、開口またはスリーブの内側の適所に保持される。
【0018】
別の実施形態では、圧縮可能本体は、一体に作られ、開くことができるまたは完全に閉じられる。さらなる実施形態では、シールの内側に剥離シートがない。
【0019】
使用時には、外径エキステンダ1はシール4の外側に固定され、シール4を包囲する。外径エキステンダ1は、通常、接着剤によってシール4に取り付けられ、リードスルーを形成する。リードスルーをケーブル23または同様のものに配置する前に、シール4の内径を、シール4の内側に受け入れられるケーブル、ワイヤまたは管の外径に適合させるために、複数の剥離シート9がシール4の内側から剥がされてよい。リードスルーは、次に壁22の開口またはスリーブに組み込まれる。その後、シール4の圧縮可能本体5は、ねじ11へのナット8の締め付けによって軸方向に圧縮される。軸方向の圧縮によって、圧縮可能本体5の径方向への膨張が生じることになり、この径方向膨張は、外径エキスパンダ1の各部分の舌片2が、外径エキスパンダ1の他の部分の凹部3に移動することによって取り込まれる。
【0020】
図7および
図8には、代替実施形態による外径エキステンダ12が示されている。前記の外径エキステンダ12は、シェルの形態の円筒状部13を有する。円筒状部13の一端には、円周フランジ14がある。フランジ14は、円筒状部13に対して垂直に配置され、フランジ14は、外径エキステンダ12の中心に向かって内側に向けられる。フランジ14は、複数の貫通口17を有する。外径エキステンダ12は、軸方向に延在するヒンジ部15によってつながれた2つの部分から形成される。ヒンジ部15により、外径エキステンダ12は開かれてよい。ヒンジ部15は、外径エキステンダ12の軸方向の全長に沿った軸方向凹部によって形成される。円筒状部13のヒンジ部15に対向する側では、円筒状部13が開かれることができ、これにより、円筒状部13の第1軸方向縁部18と対向する第2軸方向縁部19との間に間隙が形成される。それぞれの軸方向縁部18、19には、フィンガー16の形態の複数の突出部が、円筒状部13から円周方向に突出して配置されている。フィンガー16は、隣り合うフィンガー16との距離を有して、第1および第2軸方向縁部18,19のそれぞれに配置されている。フィンガー16間の距離は、外径エキステンダ12の円筒状部13の対向する軸方向縁部のフィンガー16の幅に対応する凹部21を形成する。円筒状部13のそれぞれの軸方向縁部18、19におけるフィンガー16は、一方の軸方向縁部18、19における一方のフィンガー16が、他方の軸方向縁部18、19における2つのフィンガー16間の凹部21内に受け入れられることができるように、交互の位置に配置される。示されている実施形態では、第1軸方向縁部18および第2軸方向縁部19からそれぞれ突出する3つのフィンガー16が存在する。当業者は、外径エキステンダ12がそれぞれの軸方向縁部18、19において他の数のフィンガー16を有することができることを理解する。
【0021】
第1軸方向縁部18において、フランジ14の外側自由縁部が第1軸方向縁部18におけるフィンガー16の外側自由端と一致するように、フランジ14は周方向に延在する。第1軸方向縁部18における1つのフィンガー16は、フランジ14と一体になっている。円筒状部13の第2軸方向縁部19において、フランジ14は第2軸方向縁部19で終わる。従って、円筒状部13の第2軸方向縁部19においてフィンガー16の上に配置されたフランジがない。フランジ14およびフィンガー16の寸法および配置は、外径エキステンダ12の閉位置において、フィンガー16の外端がそれぞれの対向する軸方向縁部18、19に当接し、フランジ14の縁部も互いに当接するようになっている。従って、外径エキスパンダ12の前記の閉位置において、円筒状部13は、フィンガー16と共に完全な円筒を形成し、フランジ14は完全なリングを形成する。
【0022】
円周方向の円筒状部13のフィンガー16の長さは、少なくとも、シール4が径方向に最大限に膨張したときに、フィンガー16が対向するフィンガー16間の凹部21を離れないように、長くなければならない。
【0023】
使用時には、外径エキステンダ12はシール4の周りに配置される。外径エキステンダ12は、外径エキステンダ12のフランジ14が、前部取付具6または後部取付具7とシール4の圧縮可能本体5との間に配置されるという点で、シール4に固定される。外径エキステンダ12をシール4に取り付けるために、シール4のナット8が緩められ、前部取付具6および/または後部取付具7が取り外される。その後、外径エキスパンダ12がシール4に配置され、これにより、フランジ14の貫通口17がシール4のネジ11に受け取られ、外径エキステンダ12の円筒状部13がシール4の圧縮可能本体5の外側に配置される。次に、前部取付具6および/または後部取付具7がシール4のねじ11に配置され、次にナット8がねじ11に配置されて締め付けられる。外径エキステンダ12のヒンジ部15によって、固定された外径エキステンダ12を有するシール4は、ケーブル、ワイヤ、または管上に配置するように開かれ、これにより、外径エキステンダ12のそれぞれの軸方向縁部18、19にあるフィンガー16が、インターリーブされた位置に配置される。取り付けられた外径エキステンダ12を有するシール4をケーブル、ワイヤまたは管上に最終的に配置する前に、シール4の内径を、シール4の内側に受け入れられるケーブルまたは同様のものの外径に適合させるために、複数の剥離シート9がシール4の内側から剥がされてよい。外径エキステンダ2を有するシール4は、次に、壁の開口またはスリーブに組み込まれ、その後、圧縮可能本体5は、ねじ11へのナット8の締め付けによって軸方向に圧縮される。圧縮可能本体5の径方向膨張は、外径エキステンダ12によって取り込まれ、これにより、それぞれの軸方向縁部18、19のフィンガー16間で周方向に相互に動くことになる。第1および第2軸方向縁部18、19間の距離は、それによって増加する。
【0024】
完全に閉じた状態では、外径エキステンダ12の円筒状部分13の内径は、シール4が非圧縮状態で、シール4の圧縮可能本体5の外径と一致しなければならない。外径エキステンダ12が完全に閉じた位置において、外径エキステンダ12の円筒状部13の第1軸方向縁部18と第2軸方向縁部19とは互いに当接する。
【0025】
外径エキステンダは、それが協働するシールに適合される。通常、フランジ14の穴パターンのみが、使用されるシールの種類に応じて修正される必要がある。
【0026】
本発明の外径エキステンダ1、12は、シール4の外径範囲を拡大する。例えば、外径エキスパンダのないシールが、70から75mmの範囲の内径を有する開口に受け入れられるように適合され、外径エキステンダ1、12が2.5mmの肉厚を有する場合、外径エキステンダ1、12を有するシール4は、75から80mmの範囲の内径を有する開口に受け入れられるように適合される。従って、シール4は、70から80mmの範囲の直径を有する開口に受け入れられるように適合され、これにより、外径エキステンダ1、12は、前記の範囲の上部についてシール4に固定され、シール4は、前記の範囲の下部において外径エキステンダ1、12なしで使用される。
【0027】
図9では、リードスルーの半分が示され、シールの半分の外側に配置された外径エキステンダ24を有している。上述したのと同様に、外径エキステンダ24は、2つの部分から形成され、そのうちの1つが
図9に示されている。外径エキステンダ24は、互いの上に配置された複数の剥離シート25を備える。外径エキステンダ24の2つの部分のそれぞれは、舌片26および凹部27を有する。外径エキステンダ24の一方の部分の舌片26は、外径エキステンダ24の他方の部分の凹部27に受け入れられる。外径エキステンダ24は、接着剤によってシール4に固定される。
【0028】
図10では、リード-スルーの半分が示され、外径エキステンダ28を有している。外径エキステンダ28は、2つの部分で作られ、そのうちの1つが
図10に示されている。外径エキステンダ28は、
図4のシールに対応するが異なるサイズのシールに配置されて示されている。従って、
図10のシールは、圧縮可能本体5a、前部取付具6a、後部取付具7a、ナット8a、ねじおよび内側剥離可能シート9aを有する。シールは、いくつかのねじ上にプレート32を有し、プレート32は、壁または他の仕切りに固定される。外径エキステンダ28は、互いの上に配置された複数の剥離シート29を含む。外径エキステンダ28の2つの部分のそれぞれは、舌片30および凹部31を有する。外径エキステンダ28の一方の部分の舌片28は、外径エキステンダ28の他方の部分の凹部31に受け入れられる。外径エキステンダは、接着剤によってシールに固定される。
【0029】
複数の剥離シート25、29の外径エキステンダ24、28を形成することによって、外径エキステンダ24、28を有するシール4を受け入れるのに適した開口の直径範囲がさらに増加する。外側剥離シート25、29を有する外径エキステンダ24、28を有するリードスルーを壁の開口の内径に適合させるために、1つ以上の剥離シート25、29が剥がされる。
【0030】
外径エキステンダ1、12の壁の厚さは、使用されるシールの寸法および種類に応じて異なる値を有してよい。