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特許7412362トルクリップルを低減するロータ形態を伴う回転電気機械
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】トルクリップルを低減するロータ形態を伴う回転電気機械
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/22 20060101AFI20240104BHJP
   H02K 1/06 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
H02K1/22 A
H02K1/06 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020572409
(86)(22)【出願日】2019-06-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 FR2019051565
(87)【国際公開番号】W WO2020002827
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】1855653
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】508075579
【氏名又は名称】ヴァレオ エキプマン エレクトリク モトゥール
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217836
【弁理士】
【氏名又は名称】合田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】ラデュ、フラティラ
(72)【発明者】
【氏名】アドハム、カルーン
【審査官】稲葉 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-119287(JP,A)
【文献】特開2010-183648(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/22
H02K 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
り欠き(18)を画定する歯(17)が設けられるステータ本体(14)と、前記ステータ本体(14)の前記切り欠き(18)内に収容される巻線(15)と、を備えステータ(11)と、
ロータ本体(21)と、永久磁石(23)により形成される極(22)と、を備えロータ(12)と、
を備えた回転電気機械(10)であって、
れぞれが2つの隣り合う極(22)の周方向範囲に対応する2つの連続する二重極角(Ax)が、ステータピッチ(sp)と関連付けられる角度オフセットパラメータ(δ)に依存する互いからの角度差を有し、
前記二重極角(Ax)が以下の式によって規定され、
Ax=360/P-δ/2+x*δ/(P-1)
ここで、
xは、前記二重極角のランク、すなわち、0~P-1の間に含まれる整数であり、
Pは極(22)の対の数であり、
δは前記角度オフセットパラメータである、
回転電気機械(10)。
【請求項2】
切り欠き(18)を画定する歯(17)が設けられるステータ本体(14)と、前記ステータ本体(14)の前記切り欠き(18)内に収容される巻線(15)と、を備えたステータ(11)と、
ロータ本体(21)と、永久磁石(23)により形成される極(22)と、を備えたロータ(12)と、
を備えた回転電気機械(10)であって、
それぞれが1つの極(22)の周方向範囲に対応する2つの連続する極角(Ax’)が、ステータピッチ(sp)と関連付けられる角度オフセットパラメータ(δ)に依存する互いからの角度差を有し、
前記極角(Ax’)が以下の式によって規定され、
Ax’=180/P-δ/2+x*δ/(2P-1)
ここで、
xは、極角のランクであり、すなわち、0~2P-1の間に含まれる整数であり、
Pは極(22)の対の数であり、
δは前記角度オフセットパラメータである、
回転電気機械。
【請求項3】
前記角度オフセットパラメータ(δ)が前記ステータピッチ(sp)の0.5~1.5倍の間に含まれることを特徴とする、請求項1または2に記載の回転電気機械。
【請求項4】
前記二重極角(Ax)のランクは、前記ロータ(12)の外周にしたがって所定の進行方向(S1)に進むときに増大することを特徴とする、請求項に記載の回転電気機械。
【請求項5】
前記極角(Ax’)のランクは、前記ロータ(12)の外周にしたがって所定の進行方向(S1)に進むときに増大することを特徴とする、請求項2に記載の回転電気機械。
【請求項6】
各極(22)が「V」の形状の形態を有する2つの永久磁石(23)によって形成されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の回転電気機械。
【請求項7】
各極(22)は、前記ロータ(12)の軸(X)に対して径方向に直交する方向に向けられる永久磁石(23)によって形成されることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の回転電気機械。
【請求項8】
極(22)ごと及び相ごとの切り欠き(18)の数が1~3の間に含まれることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の回転電気機械。
【請求項9】
極(22)の対の数が3~10の間に含まれることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の回転電気機械。
【請求項10】
前記巻線(15)が3~6の間に含まれる数の相を備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の回転電気機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクリップルを低減するロータ形態を伴う回転電気機械に関する。本発明は、自動車両で使用される回転電気機械を伴う特に有利であるが非排他的な用途を有する。
【背景技術】
【0002】
既知の態様において、回転電気機械は、ステータと、シャフトと一体のロータと、を備える。ロータは、駆動シャフト及び/又は被駆動シャフトと一体を成すことができるとともに、オルタネータ、電気モータ、又は、両方のモードで動作できる可逆機械の形態を成す回転電気機械に属することができる。
【0003】
ロータは、適切な固定システムによって組を成して保持される金属板シートの積層体により形成される本体を備える。ロータは、ロータ本体に設けられるキャビティ内に収容される永久磁石によって形成される極を備える。
【0004】
更に、ロータは、例えばローラベアリングによって、ロータシャフトを回転させるように構成されるハウジングに取り付けられる。ステータは、切り欠きを画定する複数の歯が設けられた本体と、ステータの切り欠き内に挿入される巻線と、を備える。巻線は、例えばエナメルで覆われる連続する配線から又は溶接によって互いに接続されるピンの形態を成す導電素子から得られる。
【0005】
三相巻線の少なくとも1つのグループを備えるステータが埋め込まれた磁石によって形成される極が設けられたロータと組み合わせて使用される場合には、電気機械の性能に有害なトルクリップルが観察される。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、
-ステータであって、切り欠きを画定する歯が設けられる本体と、ステータ本体の切り欠き内に収容される巻線と、を備えるステータと、
-本体と、永久磁石により形成される極と、を備えるロータと、
を備える、特に自動車両用の回転電気機械であって、
-それぞれが1つの極の周方向範囲に対応する2つの連続する極角、又は、
-それぞれが2つの隣り合う極の周方向範囲に対応する2つの連続する二重極角が、
-ステータピッチと関連付けられる角度オフセットパラメータに依存する互いからの角度差を有する、
ことを特徴とする回転電気機械を提案することによって、この不都合を効率的に排除することである。
【0007】
2つの極角間又は2つの連続する二重極角間の角度差の導入のため、本発明は、トルクリップルを低減するために、及び、特にフラックスの漏れの問題と関連付けられる技術的制限を伴うことなく、ロータ場の歪み(ロータスキューイング)の影響を補償することを可能にする。また、本発明は、計算及びシミュレーションを2次元で実行できるため、開発の継続時間を過度に増大させないという利点も有する。
【0008】
1つの実施形態によれば、角度オフセットパラメータがステータピッチの0.5~1.5倍の間に含まれる。
【0009】
1つの実施形態によれば、二重極角が以下の式によって規定される。
Ax=360/P-δ/2+x*δ/(P-1)
-xは、二重極角のランクであり、すなわち、0~P-1の間に含まれる整数であり、
-Pは極の対の数であり、
-δは角度オフセットパラメータである。
【0010】
1つの実施形態によれば、極角が以下の式によって規定される。
Ax’=180/P-δ/2+x*δ/(2P-1)
-xは、極角のランクであり、すなわち、0~2P-1の間に含まれる整数であり、
-Pは極の対の数であり、
-δは角度オフセットパラメータである。
【0011】
1つの実施形態によれば、二重極角又は極角のランクは、ロータの外周にしたがって所定の進行方向に進むときに増大する。
【0012】
1つの実施形態によれば、各極は、「V」の形状の形態を有する2つの永久磁石によって形成される。
【0013】
1つの実施形態によれば、各極は、ロータの軸に対して径方向に直交する方向に向けられる永久磁石によって形成される。
【0014】
1つの実施形態によれば、極ごと及び相ごとの切り欠きの数が1~3の間に含まれる。
【0015】
1つの実施形態によれば、極の対の数が3~10の間に含まれる。
【0016】
1つの実施形態によれば、巻線が3~6の間に含まれる数の相を備える。
【0017】
本発明は、以下の明細書本文を読むとともにこの明細書本文に添付の図を検討することによってより良く理解され得る。これらの図は、単なる例示として与えられ、決して本発明を限定しない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る回転電気機械の横断面図である。
図2】本発明に係る回転電気機械に属するロータを示す。
図3a】3対の極を伴うロータにおける、2つの連続する二重極角間の角度オフセットの導入を示す。
図3b】5対の極を伴うロータにおける、2つの連続する二重極角間の角度オフセットの導入を示す。
図4a】3対の極を伴うロータにおける、2つの連続する極角間の角度オフセットの導入を示す。
図4b】5対の極を伴うロータにおける、2つの連続する極角間の角度オフセットの導入を示す。
図5a】極角オフセット及び一対の極における角度オフセットのそれぞれに関する、角度オフセットパラメータにしたがったトルクリップルの推移を示す。
図5b】極角オフセット及び一対の極における角度オフセットのそれぞれに関する、角度オフセットパラメータにしたがったトルクの推移を示す。
図5c】極角オフセット及び一対の極における角度オフセットのそれぞれに関する、角度オフセットパラメータにしたがった全高調波歪みの推移を示す。
図5d】従来のロータ及び2つの連続する極角間の角度オフセットを組み込むロータのそれぞれに関して得られた電気機械の無負荷電圧のグラフ表示である。
図6】径方向に直交する方向に向けられた磁石を備える本発明に係るロータの変形実施形態を示す。
図7a】無作為に選択された角度オフセットパラメータの導入を示す図である。
図7b】無作為に選択された角度オフセットパラメータの導入を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
これらの図にわたって、同一、同様、又は、類似の要素は同じ参照符号を保有する。
【0020】
図1は、回転軸Xを有するロータ12を同軸的に取り囲む、多相であり得る巻回ステータ11を備える回転電気機械10を示している。ステータ11及びロータ12は、ロータ12の外周とステータ11の内周との間で延びる空隙によって互いに分離されている。
【0021】
より具体的には、ステータ11は、本体14と、×印によって概略的に表わされる巻線15と、を備えている。ステータ本体14は、平坦な金属板の軸方向積層体から成る。本体14は、一定の角度間隔で分布される歯17を備えている。これらの歯17は、2つの連続する歯17によって各切り欠き18が画定されるように、切り欠き18を画定している。切り欠き18は、本体14の軸方向端面に軸方向で開口している。また、切り欠き18は、本体14の内部に向かって径方向でも開口している。
【0022】
ステータ11には、歯17の自由端の側に歯根20が設けられている。各歯根20は、対応する歯17の両側で周方向に延びている。
【0023】
切り欠き18内に収容される巻線15は、例えば、エナメルで覆われる連続する配線から又は溶接によって互いに接続されるピンの形態を成す導電素子から得られる。
【0024】
巻線15は、3~6の間に含まれる数の相を備えている。極ごと及び相ごとの切り欠き18の数は、厳密に言えば1よりも大きく3以下であることが好ましい。
【0025】
更に、図2に見られるように、軸Xを有するロータ12は、フーコー電流を減少させるために、平坦な金属板の軸方向積層体によって形成される本体21を備えている。本体21は磁性材料から形成されている。
【0026】
また、ロータ12は、断面において「V」の形状の形態を規定する少なくとも2つの永久磁石23によって形成される極22も備えている。これらの磁石23は、対応するキャビティ25の内部に配置されている。
【0027】
「「V」の形状の形態」とは、横断面において、極22の2つの磁石23の少なくとも1つのアセンブリの長手方向軸X1同士が互いの間に非ゼロの角度を形成するという事実を意味している。この場合、極22と関連付けられるキャビティ25は、互いに別個である。変形例として、キャビティ25は、「V」の頂部で互いに結合され得る。
【0028】
永久磁石23は、機械から求められる用途と動力とに応じてフェライト又は希土類から形成され得る。変形例として、コストを低減するために、永久磁石23が異なるグレードを有することができる。
【0029】
図3a及び図3bの実施形態において、それぞれが2つの隣り合う極22の周方向範囲に対応する2つの連続する二重極角Axは、ステータピッチと関連付けられる角度オフセットパラメータに依存する互いからの角度差を有している。
【0030】
角度Axは、極22によって互いから分離される極の2つの対称軸X2間で測定される。
【0031】
「スロットピッチ」に関して「sp」と略記されるステータピッチは、360をステータ11の歯17の数で割ったものに等しいとして規定される。角度オフセットパラメータδは、ステータピッチspの0.5~1.5倍の間に含まれる。したがって、図1は、ステータピッチの半分(δ=0.5sp)、ステータピッチsp(δ=sp)、及び、ステータピッチの1.5倍(δ=1.5sp)の値をそれぞれ有するパラメータδを示している。
【0032】
この場合、二重極角Axは以下の式によって規定される。
Ax=360/P-δ/2+x*δ/(P-1)
-xは、二重極角のランクであり、すなわち、0~P-1の間に含まれる整数であり、
-Pは、特に3~10の間に含まれ得る、ロータ12の極22の対の数であり、
-δは角度オフセットパラメータである。
【0033】
二重極角Axのランクxは、ロータ12の外周にしたがって所定の進行方向S1に進むときに増大する。例えば、xが0に等しい第1の角度A0が選択され、進行方向S1で直面される第2の角度A1はXが1に等しいことに対応し、進行方向S1で直面される第3の角度A2はxが2に等しいことに対応するというように、xがP-1に等しい最終角度A(P-1)まで続く。進行方向S1は、時計回り又は反時計回りの方向で選択され得る。
【0034】
図3aは、3対の極(P=3)を伴うロータ12に関する実施形態を示し、一方、図1及び図3bは、5対の極(P=5)を有するロータ12に関する実施形態を示している。したがって、第1の角度A0は360/P-δ/2の値を有し、最終角度A(P-1)は360/P-δ/2の値を有し、この場合、中間角度Axは、角度オフセットパラメータδに依存する機械的角度だけ、すなわち、x*δ/(P-1)の値だけ変化する。
【0035】
図4a及び図4bの実施形態において、それぞれが極22の周方向範囲に対応する2つの連続する極角Ax’は、ステータピッチspと関連付けられる角度オフセットパラメータδに依存する互いに対する角度差を有している。角度Ax’は、2つの隣り合う極22の2つの連続する対称軸X2間で測定される。
【0036】
この場合、極角Ax’は以下の式によって規定される。
Ax’=180/P-δ/2+x*δ/(P-1)
-xは、極角のランクであり、すなわち、0~2P-1の間に含まれる整数であり、
-Pは極22の対の数であり、
-δは角度オフセットパラメータである。
【0037】
極角Ax’のランクxは、ロータ12の外周にしたがって所定の進行方向S1に進むときに増大する。例えば、xが0に等しい第1の角度A0’が選択され、進行方向S1で直面される第2の角度A1’はXが1に等しいことに対応し、進行方向S1で直面される第3の角度A2’はxが2に等しいことに対応するというように、xが2P-1に等しい最終角度まで続く。進行方向S1は、時計回り又は反時計回りの方向で選択され得る。
【0038】
図5a~図5cは、極角オフセット(曲線C1参照)又は一対の極における角度オフセット(曲線C2参照)のそれぞれに関する、角度オフセットパラメータδに応じたトルクリップルTr、トルクT、及び、全高調波歪みTHDの推移をそれぞれ示している。これらの曲線は、1000rpmの最大トルクを伴って3対の極と、54個の切り欠きと、ピンを有する二重三相巻線と、を有する機械に関して得られたものである。値δ=0が対称極を有する従来のロータに対応することに留意すべきである。
【0039】
トルクリップル低減Tr及び全高調波歪みTHDの観点において、0.5spに等しい角度オフセットパラメータ値δを発端としてセービングが重要であることが分かり得る。
【0040】
また、図5dは、本発明に係るロータ12に関して得られた無負荷電圧が従来のロータ12に関するもの(曲線C0参照)よりも規則的であることを示している。
【0041】
図6は、径方向に直交する方向に向けられた磁石23が設けられた本発明に係るロータ12の変形実施形態を示している。したがって、横断面において、磁石23の長手方向軸X1は、ロータ12の軸Xに対して径方向に直交する方向に向けられている。
【0042】
変形例として、各極は、断面が「V」の形状の形態を規定する2つの永久磁石と、ロータ12の軸Xに対して径方向に直交する方向に向けられる追加の磁石と、によって形成される。
【0043】
変形例として、各極は、断面が「V」の形状の形態を規定する2つの永久磁石と、断面が「V」の形状の他の形態を規定する他の2つの永久磁石と、によって形成され、この他の形態は、「V」の形状の最初の形態で瓦状に重ねられる、すなわち、横断面において、極22の4つの磁石23の少なくとも1つのアセンブリの長手方向軸X1は、互いの間に非ゼロの角度を形成する。
【0044】
図6におけるロータ12の場合、トルクリップルTrは、供給されるトルクの大幅な減少を伴うことなく11%から4%未満まで低下してしまっている(図示せず)。全高調波歪みTHDは、角度オフセットを伴うことなく(δ=0)その初期値と比べて半分に減少される(図示せず)。
【0045】
図7a及び図7bは、無作為に選択された極角Axの導入を示す図である。以下の表から明らかなように、無作為な分布も電気機械の向上された性能レベル得ることを可能にする。
【0046】
【表1】
【0047】
ケース1は図7aの角度分布に基づいており、また、ケース2は図7bの角度分布に基づいている。無作為な分布は、0.5*sp~1.5*spの間で変化する異なるオフセット角度値を伴って具体化され得る。ケース1及びケース2は、1.5spに等しい角度オフセットパラメータδを選択するとともに、ロータ12の外周にしたがって角度のランクを無作為に変更することによって、得られた。そのため、進行方向S1にしたがって無作為な角度でランクxをとることによって角度Ax,Ax’を規定することを可能にする前述の式を使用することが可能であり得る。
【0048】
図7aでは、角度A’0、A’1、A’2、A’3、A’4、及びA’5がロータの外周上に無作為に分布されるように、既に規定された極角A’xが無作為に選択される。進行方向S1にしたがって、角度は連続してA’0、A’2、A’4、A’1、A’3、A’5である。
【0049】
図7bにおいて、極角A’xの無作為な分布は、進行方向S2にしたがって角度が連続してA’0、A’5、A’1、A’4、A’3、A’2となるようになっている。
【0050】
本発明がロータ12の回転方向とは独立して実施され得ることに留意すべきである。更に、得られる結果は、回転電気機械10の動作モードに関係なく、すなわち、モータモード又は発電機モードで同じである。
【0051】
前述の説明が、単に一例として与えられたにすぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の範囲からの逸脱が異なる要素を他の均等物で置き換えることによって構成されないことが理解されるであろう。
【0052】
更に、本発明の異なる特徴、変形例、及び/又は、実施形態は、それらが不適合又は相互に排他的でなければ、様々な組み合わせにしたがって互いと関連付けられ得る。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図5d
図6
図7a
図7b