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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】コンパクトな材料除去機
(51)【国際特許分類】
   B24B 41/02 20060101AFI20240104BHJP
   B23D 47/12 20060101ALI20240104BHJP
   B23D 45/04 20060101ALI20240104BHJP
   B24B 27/06 20060101ALI20240104BHJP
   B24B 47/12 20060101ALI20240104BHJP
   B23Q 5/04 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
B24B41/02
B23D47/12
B23D45/04 B
B24B27/06 J
B24B47/12
B23Q5/04 510C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021512842
(86)(22)【出願日】2019-09-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 US2019049996
(87)【国際公開番号】W WO2020051485
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-09-05
(31)【優先権主張番号】62/728,552
(32)【優先日】2018-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/538,994
(32)【優先日】2019-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ジョン コーダス
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-104433(JP,A)
【文献】中国実用新案第205703658(CN,U)
【文献】中国実用新案第206010742(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第101767374(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 41/00 - 51/00
B23D 45/00 - 65/04
B24B 27/06
B23Q 5/00 - 5/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料除去装置において、
上部支持レールと、
前記上部支持レールに対して平行に延設された下部支持レールと、
前記上部支持レールおよび下部支持レールの各々の各端部に結合されたエンドプレートと、
前記エンドプレートの間で、前記上部支持レールおよび下部支持レールに沿って移動可能に設けられた支持体と、
前記支持体に回転可能に支持された材料除去工具と、
前記支持体によって保持され前記材料除去工具を作動させる工具アクチュエータと
前記下部支持レールを転回させるレールアクチュエータとを具備し、
前記下部支持レールが転回することによって、該下部支持レールが規定する軸を中心として、前記上部支持レール、前記支持体、前記材料除去工具および前記工具アクチュエータが転回する材料除去装置。
【請求項2】
前記材料除去工具は、切断ディスク、研削ディスク、又は研磨ディスクを含み、前記工具アクチュエータはモーターを含む請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記工具アクチュエータは前記支持体のアクチュエータハウジング内に収容される請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記工具アクチュエータは前記支持体によって保持された機械的リンク機構を通じて前記材料除去工具に連結される請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記材料除去工具は前記支持体によって保持された主軸固定され、前記工具アクチュエータは、前記主軸を転回することによって前記材料除去工具を作動させる請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記工具アクチュエータは、前記支持体によって保持された機械的リンク機構を通じて前記主軸に連結される請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記機械的リンク機構は、前記主軸に結合された主軸プーリーと、前記工具アクチュエータに結合されたアクチュエータプーリーと、前記主軸プーリーを前記アクチュエータプーリーに接続するベルトとを含む請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ベルト、前記主軸プーリー、及び前記アクチュエータプーリーは、前記支持体のアーム内に収容される請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記支持体は前記下部支持レールを収容するスリーブを備える請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記支持体は前記上部支持レールを収納する第2のスリーブを更に備える請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、「COMPACT MATERIAL REMOVAL MACHINES」と題される2018年9月7日付けで出願された米国仮出願第62/728,552号及び「COMPACT MATERIAL REMOVAL MACHINES」と題される2019年8月13日付けで出願された米国出願第16/538,994号による優先権及びその利益を主張するものである。米国仮出願第62/728,552号及び米国出願第16/538,994号の全体が本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、包括的には、材料除去機に関し、より詳細には、コンパクトな材料除去機に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の材料除去機(例えば、鋸、研削機、及び/又は研磨機)は、固定であるか、又は、人間の手によって移動及び/又は操作するように構成される。より現代的な材料除去システムの中には、機械組立体を介して移動するように構成された材料除去機を有するものがある。しかしながら、材料除去機の動作に必要な部品は、別個及び/又は固定のままである。これにより、必要な部品が自らは動くことなく材料除去機の動きに対応しなければならない、使いにくい及び/又は能率の悪いシステムが生じ得る。
【0004】
このようなシステムを、図面を参照して本出願の残りの部分で述べられる本開示と比較することによって、従来の手法及び伝統的な手法の限界及び不利な点が当業者に明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、例えば、実質的に複数の図面のうちの少なくとも1つに関連して例示及び/又は説明されるとともに請求項でより完全に記述される、コンパクトな材料除去機を対象とする。
【0006】
本開示のこれらの並びに他の利点、態様、及び新規な特徴に加えて、本開示の図示した例の詳細な内容は、以下の説明及び図面からより十分に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の態様に係る、一例示の材料除去システムの斜視図である。
図2a】本開示の態様に係る、図1の材料除去システムの一例示の材料除去組立体の背面斜視図である。
図2b】本開示の態様に係る、図1の材料除去システムのテーブルとともに、図2aの例示の材料除去組立体を示す正面図である。
図3a】本開示の態様に係る、図2aの材料除去組立体の一例示の材料除去機の拡大背面斜視図である。
図3b】本開示の態様に係る、図3aの例示の材料除去機の側面図である。
図3c】本開示の態様に係る、図3aの例示の材料除去機の反対側の側面図である。
図3d】本開示の態様に係る、図3cの線3d-3dに沿った、図3aの例示の材料除去機の一部の断面図である。
図4】本開示の態様に係る、図3の材料除去機の回転運動を示す図である。
図5】本開示の態様に係る、図3の材料除去機の回転運動を示す図である。
図6】本開示の態様に係る、図3の材料除去機の回転運動を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図は必ずしも縮尺通りではない。適切な場合、図において類似又は同一の構成要素を参照するために同一又は類似の参照番号が使用される。例えば、文字を利用する参照番号(例えば、上部支持レール202a、下部支持レール202b)は、文字を有さない同じ参照番号(例えば、支持レール202)の事例を指す。
【0009】
本開示の好ましい例は、添付図面を参照して以下で説明することができる。以下の説明では、既知の機能又は構成は、不必要に詳細に説明すると本開示を不明瞭にする場合があるので、詳細に説明されない。本開示について、以下の用語及び定義が適用される。
【0010】
本明細書において使用する場合、用語「約」及び/又は「およそ」は、値(又は値の範囲)、位置、向き、及び/又は動作を修飾又は記述するために使用されるときは、その値、値の範囲、位置、向き、及び/又は動作に合理的に近いことを意味する。したがって、本明細書において記載した例は、列挙された値、値の範囲、位置、向き、及び/又は動作にのみ限定されるものではなく、逆に、合理的に実現可能な偏差を含むことになる。
【0011】
本明細書において使用する場合、「結合される("coupled," "coupled to," and/or “coupled with”)」という用語は、それぞれ、取り付け、付着、接続、接合、締結、連結、及び/又は別様な固定であるかを問わず、構造的及び/又は電気的接続を意味する。「取り付ける」という用語は、付着、結合、接合、締結、連結、及び/又は別様に固定することを意味する。「接続する」という用語は、取り付け、付着、結合、接合、締結、連結、及び/又は別様に固定することを意味する。
【0012】
本明細書で使用する場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。
【0013】
本明細書で利用する場合、用語「例えば」は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを強調する。
【0014】
本明細書で使用する「回路」及び「回路部」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書で用いる場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの第1の1つ以上のラインを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの第2の1つ以上のラインを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本明細書で使用する場合、回路部は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かに関わりなく、回路部はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0015】
本明細書において使用する場合、制御回路及び/又はコントローラーは、コントローラーの一部又は全てを構成し、及び/又は材料除去組立体を制御するのに使用される1つ以上の基板上に位置する、デジタル及び/又はアナログ回路類、ディスクリート及び/又は集積回路類、マイクロプロセッサ、DSP等、ソフトウェア、ハードウェア及び/又はファームウェアを含むことができる。
【0016】
便宜上、「電力」という用語を本明細書全体にわたって使用するが、この用語は、エネルギー、電流、電圧、及び/又はエンタルピー等の関連する測定値も含む。例えば、「電力」の測定及び/又は制御は、電力、電流、エネルギー、及び/又はエンタルピーの測定及び/又は制御を含むことができる。
【0017】
本開示のいくつかの例は、材料除去装置であって、材料除去工具と、移動組立体に結合するように構成された支持体と、材料除去工具を作動させるように構成された、支持体によって保持される工具アクチュエータとを備える、材料除去装置に関する。
【0018】
いくつかの例において、材料除去工具は、切断ディスク、研削ディスク、又は研磨ディスクを含み、工具アクチュエータはモーターを含む。いくつかの例において、工具アクチュエータは、支持体のアクチュエータハウジング内に収容される。いくつかの例において、工具アクチュエータは、支持体によって保持された機械的リンク機構を通じて材料除去工具に連結される。いくつかの例において、材料除去工具は、支持体によって保持された主軸上で固定され、工具アクチュエータは、主軸を転回することによって材料除去工具を作動させる。いくつかの例において、工具アクチュエータは、支持体によって保持された機械的リンク機構を通じて主軸に連結される。いくつかの例において、機械的リンク機構は、主軸に結合された主軸プーリーと、工具アクチュエータに結合されたアクチュエータプーリーと、主軸プーリーをアクチュエータプーリーに接続するベルトとを含む。いくつかの例において、ベルト、主軸プーリー、及びアクチュエータプーリーは、支持体のアーム内に収容される。いくつかの例において、支持体は、移動組立体に結合するように構成されたナット又はスリーブを備える。いくつかの例において、支持体は、移動組立体のガイドシャフトを収納する第2のスリーブを更に備える。
【0019】
本開示のいくつかの例は、材料除去システムであって、移動組立体と、移動組立体を介して移動するように構成された材料除去機であって、材料除去工具と、材料除去工具を作動させるように構成された工具アクチュエータとを備える、材料除去機とを備える、材料除去システムに関する。
【0020】
いくつかの例において、材料除去工具は、切断ディスク、研削ディスク、又は研磨ディスクを含み、工具アクチュエータはモーターを含む。いくつかの例において、材料除去機は、アクチュエータハウジングを有する支持体を更に備え、工具アクチュエータはアクチュエータハウジング内に収容される。いくつかの例において、工具アクチュエータは、支持体によって保持された機械的リンク機構を通じて材料除去工具に連結される。いくつかの例において、材料除去工具は、支持体によって保持された主軸上で固定され、機械的リンク機構は主軸に連結されている。いくつかの例において、機械的リンク機構は、主軸に結合された主軸プーリーと、工具アクチュエータに結合されたアクチュエータプーリーと、主軸プーリーをアクチュエータプーリーに接続するベルトとを含む。いくつかの例において、ベルト、主軸プーリー、及びアクチュエータプーリーは、支持体のアーム内に収容される。いくつかの例において、材料除去機は、シャフトカプラーを更に備え、移動組立体は、シャフトカプラーに機械連結した作動シャフトを備え、作動シャフトは、シャフトカプラーを介して材料除去機を移動させるように構成される。いくつかの例において、材料除去機は、移動組立体の支持レールを収納するスリーブを更に備える。いくつかの例において、移動組立体は、第1のエンドプレートと、第2のエンドプレートと、第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートを移動させるように構成されたプレートアクチュエータとを更に備え、支持レールは、第1のエンドプレートと第2のエンドプレートとの間で延在し、第1のエンドプレート及び第2のエンドプレートによって保持される。
【0021】
従来の材料除去システムでは、材料除去工具が何らかの移動組立体を介して動かされ、機械的リンク機構(例えば、様々な歯車、プーリー、ベルト等)を通じて材料除去工具に連結される工具アクチュエータを介して作動される。しかしながら、従来では、工具アクチュエータ及び/又は機械的リンク機構は、例えば、サイズ及び/又は電力要件等の様々な理由で、別個及び/又は固定である。このように別個である結果、工具アクチュエータ及び/又は機械的リンク機構が自らは移動することなく材料除去工具の移動に対応することができる必要があった。結果としてもたらされる装置は、使いにくい、複雑、及び/又は能率の悪いものであった。
【0022】
本開示のいくつかの例は、例えば、鋸、研削機、研磨機、及び/又はより一般的な材料調製及び/又は試験システム等、よりコンパクトな及び/又は能率の良い材料除去システムに関する。いくつかの例では、材料除去システムは、材料除去組立体を介して動くように構成された材料除去機を備える。いくつかの例では、材料除去機は、機械的リンク機構を通じて材料除去工具に連結された工具アクチュエータによって作動される材料除去工具を備える。工具アクチュエータは、機械的リンク機構とともに材料除去機内に一体化され、その結果、工具アクチュエータ及び機械的リンク機構は、材料除去機とともに動くようになる。
【0023】
図1は、一例示の材料除去システム100の簡略説明図を示す。図示するように、材料除去システム100は、材料除去組立体200及びテーブル102を備え、それらは実質的にキャビネット104(及び/又はハウジング)内に囲まれる。テーブル102は材料サンプル(図示せず)を保持するように構成され、これに対して材料除去組立体200が動作することができる。図1の例において、材料除去組立体200は、ユーザーインターフェース(UI)106、制御回路類109、及び電源108を更に備えることができる。図1ではキャビネットの外部に示したが、いくつかの例では、UI106、制御回路類109、及び/又は電源108は、キャビネット104の内部に位置することができ、及び/又は材料除去組立体200の一部とすることができる。
【0024】
いくつかの例では、UI106は、ユーザーがアクセス可能な入力部及び/又は出力部を有することができる。例えば、UI106は、1つ以上の視覚出力部(例えば、タッチディスプレイスクリーン、ビデオモニター、発光ダイオード、白熱灯、及び/又は他の光等)及び/又は1つ以上の聴覚出力部(例えば、オーディオスピーカー)を有することができる。いくつかの例では、UI106は、1つ以上の視覚入力部(例えば、タッチディスプレイスクリーン、ボタン、ノブ、スイッチ等)及び/又は1つ以上の聴覚入力部(例えば、マイクロフォン)を更に有することができる。いくつかの例では、UI106は、1つ以上の入力ポート及び/又は出力ポート及び/又はデバイス(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、オーディオポート、HDMI(登録商標)ポート、ネットワークポート、ディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、デジタルビデオディスクドライブ等)を更に有することができる。いくつかの例では、UI106は、サードパーティデバイスとユーザーインターフェース106との間のワイヤレス通信を可能にするように構成された1つ以上のワイヤレス通信デバイス(例えば、短距離通信デバイス、無線デバイス、ワイヤレスネットワークデバイス等)を更に有することができる。
【0025】
いくつかの例では、制御回路類109は、UI106に接続(及び/又は電気通信)される。いくつかの例では、更に後述するように、制御回路類109は、材料除去組立体200の様々なアクチュエータ及び/又はコントローラーに更に接続(及び/又は電気通信)される。いくつかの例では、制御回路類は、UI106及び/又は材料除去組立体200の様々なアクチュエータ及び/又はコントローラーから1つ以上の入力信号を受信するように構成される。いくつかの例では、制御回路類は、UI106及び/又は材料除去組立体200の様々なアクチュエータ及び/又はコントローラーに1つ以上の制御信号(及び/又はコマンド)を出力するように更に構成される。
【0026】
いくつかの例では、更に後述するように、電源108は、UI106、制御回路類109、及び/又は材料除去組立体200の様々なアクチュエータ及び/又はコントローラーに電力を提供するように構成することができる。いくつかの例では、UI106、制御回路類109、及び/又は材料除去組立体200の様々なアクチュエータ及び/又はコントローラーは、自らに電力を提供するように構成された1つ以上の電源を備えることができる。いくつかの例では、材料除去組立体200のコントローラーは、材料除去組立体200の1つ以上のアクチュエータに電力を送達することができる。
【0027】
図2a及び図2bは、それぞれ、例示の材料除去組立体200の背面斜視図及び正面図を示している。図示のように、材料除去組立体200は、第1のエンドプレート204aと第2のエンドプレート204bとの間の上部支持レール202a及び下部支持レール202b上に保持された材料除去機300を備える。図2bの例では、テーブル102も、第1のエンドプレート204aと第2のエンドプレート204bとの間に位置する。支持レール202は、材料除去機300を通って延在し、エンドプレート204によって保持される。より詳細には、例えば図2a~図3aに示すように、支持レール202は、材料除去機のスリーブ308を通って延在する。
【0028】
図2a及び図2bの例では、作動シャフト206は、エンドプレート204の間で材料除去機300を通って延在する。より詳細には、作動シャフト206は、材料除去機300のナット302(例えば、図3b参照)を通って延在する。図示はしないが、作動シャフト206は、例えば、ネジ山等の係合機構を含むことができる。係合機構は、材料除去機300のナット302の相補的な係合機構(例えば、ネジ溝)に係合することができる。図示のように、作動シャフト206は、支持レール202の間で鉛直に位置し、第2のエンドプレート204bに回転可能に取り付けられる。より詳細には、作動シャフト206は、軸受208において第2のエンドプレート204bに取り付けられる。軸受208は、作動シャフト206が軸受208内で回転することを可能にしながら、作動シャフト206の一端を第2のエンドプレート204bに対して保持するように構成される。作動シャフト206の他端は、第1のエンドプレート204aに回転可能に取り付けられる。
【0029】
図2a及び図2bの例では、作動ハウジング210も、作動シャフト206の取り付け点の近位で第1のエンドプレート204aに取り付けられる。作動ハウジング210内には、シャフトアクチュエータ212(例えば、モーター)が、作動シャフト206に機械連通している。図示のように、シャフトアクチュエータ212は、シャフトアクチュエータコントローラー214に電気通信している。シャフトアクチュエータ212は、シャフトアクチュエータコントローラー212からの入力(例えば、1つ以上の制御信号)に応答して作動シャフト206を転回するように構成される。転回すると、作動シャフト206の係合機構は、ナット302の相補的な係合機構に係合し、材料除去機300を第1のエンドプレート204a、第2のエンドプレート204b、及び/又はテーブル102に向かって及び/又はそこから離れるように支持レール202に沿って動かす(例えば、押す及び/又は引く)。いくつかの例では、材料除去機300の移動方向は、作動シャフト206の回転方向によって左右される。支持レール202は、材料除去機300が直線的に移動するように構成される軸を規定する。いくつかの例では、シャフトアクチュエータ212及び/又はシャフトアクチュエータコントローラー212は、別様に位置決めすることができる。
【0030】
図2aの例では、材料除去組立体200は、下部支持レール202を転回するように構成されたレールアクチュエータユニット216を更に備える。図示のように、レールアクチュエータユニット216は、レールアクチュエータ218(例えば、サーボモーター及び/又は他のモーター)及びレールアクチュエータコントローラー220を備える。レールアクチュエータ218は、レールアクチュエータコントローラー220からの入力(例えば、1つ以上の制御信号)に応答して下部支持レール202を転回するように構成される。
【0031】
図2aの例では、レールアクチュエータユニット216は、リニアアクチュエータである。より詳細には、レールアクチュエータユニット216のレールアクチュエータ218は、変速機224を通じて作動ロッド222と機械連通しており、その結果、変速機224は、レールアクチュエータ218の作動を作動ロッド222の直線運動(及び/又は直線往復運動)に変換する。作動ロッド222の一端は、下部支持レール202bの電機子226に結合されたカプラー224に取り付けられる。カプラー224及び/又は電機子226は、作動ロッド222の直線運動を下部支持レール202bの回転運動に変換する。下部支持レール202bが転回すると、下部支持レール202bは、下部支持レール202bを中心にエンドプレート204を移動させる。次に、エンドプレート204は、下部支持レール202bを中心に上部ガイドレール202a及び作動シャフト206を移動させる。上部ガイドレール202aの移動により、材料除去機300も下部支持レール202bを中心に移動する。したがって、下部支持レール202bの回転により、下部支持レール202bが規定した軸を中心に材料除去機300が回転する。
【0032】
図4図6は、レールアクチュエータ218を介した材料除去機300の例示の回転運動を、材料除去機300の側面図で示している。図4の例では、材料除去機300は、後方に回転して収縮位置にある。図5の例では、材料除去機300は、幾分か前方に回転し、図2a~図3dに示したような位置に移る。図6の例では、材料除去機300は、更に前方に回転している。
【0033】
図3a~図3cは、材料除去機300の様々な図を示している。図3aは、材料除去機300の拡大背面斜視図であり、図3b及び図3cは側面図である。簡潔にするために材料除去組立体200の他の要素のうちの一部が除去されている。図示のように、材料除去機300は、支持体306に結合された材料除去工具304(例えば、鋸歯、研磨鋸、研削機、研磨機、等)を備える。図3a~図3dの例では、材料除去工具304はディスクである。
【0034】
図3aの例では、支持体306は、2つの略平行な支持プレート307、すなわち、第1の支持プレート307a及び第2の支持プレート307bを備える。支持プレート307は、スリーブ308(上部スリーブ308a及び下部スリーブ308b)、主軸ハウジング330、及び工具アクチュエータハウジング322を通じて連結される。工具アクチュエータハウジング322は、更に後述するように、工具アクチュエータ320及び/又は工具アクチュエータコントローラー324を収容する。主軸ハウジング330は、主軸310の少なくとも一部を収容し、材料除去工具300は主軸310上で固定される。スリーブ308は、支持プレート307に取り付けられ、及び/又は支持プレート307を通って延在する。スリーブ308は、支持レール202の部分を更に包囲する。これにより、アクチュエータシャフト206が材料除去機を直線的に移動させるときに、スリーブ308が材料除去機300を支持レール202に沿って誘導することが可能になり、支持レール202が回転して移動するときに、材料除去機300が支持レール上に更に保持される。
【0035】
図3a~図3dの例では、材料除去機300は、支持プレート307aに連結されたシールド332を更に備える。シールド332は、材料除去工具300を部分的に包囲(及び/又は収容)する。シールド332の上部には、冷媒マニホールド334が取り付けられる。図示のように、冷媒マニホールド334は、いくつかの冷媒出口338に流体連通した冷媒入口336を有する。また、支持プレート307aは、ナット302を備える。例えば図3dに示すように、材料除去工具304は、主軸310を介して支持体306に結合される。
【0036】
図3a~図3dの例に示すように、主軸310は、材料除去工具304の中心(及び/又は中心穴)を通って延在する。図示のように、主軸310は、略円柱形であり、及び/又は、支持体のアーム340及び略円柱形の主軸ハウジング330内に収容される。主軸ハウジング330は、支持プレート307の間に延在し、及び/又は支持プレート307に取り付けられる。主軸310の一端に取り付けられる締結具312は、材料除去工具304を主軸310上に固定する。図示のように、締結具312はナットであるが、他の例では、締結具312は、ナット、ボルト、ネジ、釘、及び/又は他の任意のタイプの適切な締結具とすることができる。図3dの例では、主軸310は、締結具312からの主軸310の他端にある主軸プーリー314の中心(及び/又は中心穴)も通って延在する。主軸プーリー314が転回すると、主軸プーリー314は、主軸310に係合(例えば、付勢、移動、押し込み、作用等)し、主軸310及び材料除去工具304を転回する。
【0037】
図3bの例では、アクチュエータプーリー316がベルト318を介して主軸プーリー314に機械的に連結され、その結果、ベルト318は、アクチュエータプーリー316の回転を主軸プーリー314の回転に変換する。図示のように、アクチュエータプーリー316は、アクチュエータプーリーを転回するように構成された工具アクチュエータ320(例えば、電気モーター)に機械連結される。図3bの例では、工具アクチュエータ320は、支持体306の工具アクチュエータハウジング322内に収容される。いくつかの例では、工具アクチュエータ320は、サーボモーターとすることができる。図示のように、工具アクチュエータコントローラー324もアクチュエータハウジング322内に収容される。いくつかの例では、工具アクチュエータコントローラー324は、別様に位置決めすることができる。工具アクチュエータコントローラー324は、工具アクチュエータ320と電気通信している。工具アクチュエータ320は、工具アクチュエータコントローラー324からの入力(例えば、1つ以上の制御信号)に応答してアクチュエータプーリー316を転回するように構成される。転回すると、ベルト318は、アクチュエータプーリー316の回転を主軸プーリー314の回転に変換し、主軸310は、主軸プーリー314の回転を材料除去工具304の回転に変換する。
【0038】
図3a~図3dの例では、工具アクチュエータ320及び工具アクチュエータコントローラー324は、支持体306内に収容される。工具アクチュエータ320を主軸310に連結する関連する機械的リンク機構(例えば、アクチュエータプーリー316、ベルト318、及び/又は主軸プーリー314)は、支持体306のアーム340内に収容(及び/又は保持)される。いくつかの例では、アクチュエータプーリー316は、支持体306に取り付けられた工具アクチュエータハウジング322内に部分的に収容(及び/又は保持)することができる。したがって、材料除去機300がレールアクチュエータ218及び/又はシャフトアクチュエータ212を介して移動するとき、関連する機械的リンク機構とともに、工具アクチュエータ320及び工具アクチュエータコントローラー324は材料除去機300とともに移動し、その結果、手際良くコンパクトなシステムがもたらされ、従来システムの使いにくさ及び/又は能率の悪さの大半が回避される。
【0039】
本装置、システム及び/又は方法を、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本装置、システム及び/又は方法の範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。したがって、本装置、システム及び/又は方法は、開示されている特定の実施態様に限定されず、本装置、システム及び/又は方法は、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含むことが意図される。
本発明の態様の一部を以下記載する。
[態様1]
材料除去装置において、
材料除去工具と、
移動組立体に結合するように構成された支持体と、
前記支持体によって保持され前記材料除去工具を作動させる工具アクチュエータとを具備する材料除去装置。
[態様2]
前記材料除去工具は、切断ディスク、研削ディスク、又は研磨ディスクを含み、前記工具アクチュエータはモーターを含む態様1に記載の装置。
[態様3]
前記工具アクチュエータは前記支持体のアクチュエータハウジング内に収容される態様1に記載の装置。
[態様4]
前記工具アクチュエータは前記支持体によって保持された機械的リンク機構を通じて前記材料除去工具に連結される態様1に記載の装置。
[態様5]
前記材料除去工具は前記支持体によって保持された主軸上で固定され、前記工具アクチュエータは、前記主軸を転回することによって前記材料除去工具を作動させる態様1に記載の装置。
[態様6]
前記工具アクチュエータは、前記支持体によって保持された機械的リンク機構を通じて前記主軸に連結される態様5に記載の装置。
[態様7]
前記機械的リンク機構は、前記主軸に結合された主軸プーリーと、前記工具アクチュエータに結合されたアクチュエータプーリーと、前記主軸プーリーを前記アクチュエータプーリーに接続するベルトとを含む態様6に記載の装置。
[態様8]
前記ベルト、前記主軸プーリー、及び前記アクチュエータプーリーは、前記支持体のアーム内に収容される態様7に記載の装置。
[態様9]
前記支持体は、前記移動組立体に結合するように構成されたナット又はスリーブを備える態様1に記載の装置。
[態様10]
前記支持体は、前記移動組立体のガイドシャフトを収納する第2のスリーブを更に備える態様9に記載の装置。
[態様11]
材料除去システムにおいて、
移動組立体と、
前記移動組立体を介して移動するように構成された材料除去機であって、
材料除去工具と、
前記材料除去工具を作動させるように構成された工具アクチュエータとを備える材料除去機とを具備する材料除去システム。
[態様12]
前記材料除去工具は、切断ディスク、研削ディスク、又は研磨ディスクを含み、前記工具アクチュエータはモーターを含む態様11に記載のシステム。
[態様13]
前記材料除去機はアクチュエータハウジングを有する支持体を更に備え、前記工具アクチュエータは前記アクチュエータハウジング内に収容される態様11に記載のシステム。
[態様14]
前記工具アクチュエータは、前記支持体によって保持された機械的リンク機構を通じて前記材料除去工具に連結される態様13に記載のシステム。
[態様15]
前記材料除去工具は前記支持体によって保持された主軸上で固定され、前記機械的リンク機構は前記主軸に連結されている態様14に記載のシステム。
[態様16]
前記機械的リンク機構は、前記主軸に結合された主軸プーリーと、前記工具アクチュエータに結合されたアクチュエータプーリーと、前記主軸プーリーを前記アクチュエータプーリーに接続するベルトとを含む態様15に記載のシステム。
[態様17]
前記ベルト、前記主軸プーリー、及び前記アクチュエータプーリーは、前記支持体のアーム内に収容される態様16に記載のシステム。
[態様18]
前記材料除去機は、シャフトカプラーを更に備え、前記移動組立体は、前記シャフトカプラーに機械連結した作動シャフトを備え、該作動シャフトは、前記シャフトカプラーを介して前記材料除去機を移動させるように構成される態様11に記載のシステム。
[態様19]
前記材料除去機は、前記移動組立体の支持レールを収納するスリーブを更に備える態様11に記載のシステム。
[態様20]
前記移動組立体は、第1のエンドプレートと、第2のエンドプレートと、前記第1のエンドプレート及び前記第2のエンドプレートを移動させるように構成されたプレートアクチュエータとを更に備え、前記支持レールは、前記第1のエンドプレートと前記第2のエンドプレートとの間で延在し、前記第1のエンドプレート及び前記第2のエンドプレートによって保持される態様19に記載のシステム。
【符号の説明】
【0040】
100 材料除去システム
102 テーブル
104 キャビネット
106 ユーザーインターフェース
108 電源
109 制御回路類
200 材料除去組立体
202 支持レール
202a 上部支持レール
202b 下部支持レール
204 エンドプレート
204a 第1のエンドプレート
204b 第2のエンドプレート
206 アクチュエータシャフト
208 軸受
210 作動ハウジング
212 シャフトアクチュエータコントローラー
214 シャフトアクチュエータコントローラー
216 レールアクチュエータユニット
218 レールアクチュエータ
220 レールアクチュエータコントローラー
222 作動ロッド
224 変速機
226 電機子
300 材料除去機
302 ナット
304 材料除去工具
306 支持体
307 支持プレート
307a 第1の支持プレート
307b 第2の支持プレート
308 スリーブ
308a 上部スリーブ
308b 下部スリーブ
310 主軸
312 締結具
314 主軸プーリー
316 アクチュエータプーリー
318 ベルト
320 工具アクチュエータ
322 工具アクチュエータハウジング
324 工具アクチュエータコントローラー
330 主軸ハウジング
332 シールド
334 冷媒マニホールド
336 冷媒入口
338 冷媒出口
340 アーム
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図3c
図3d
図4
図5
図6