(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】ストラッピング工具
(51)【国際特許分類】
B65B 13/34 20060101AFI20240104BHJP
【FI】
B65B13/34
(21)【出願番号】P 2021564271
(86)(22)【出願日】2020-04-22
(86)【国際出願番号】 US2020029207
(87)【国際公開番号】W WO2020226894
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-12-28
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314009641
【氏名又は名称】シグノード インダストリアル グループ リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ケラー
(72)【発明者】
【氏名】ギード レイネ
(72)【発明者】
【氏名】クルト ボリガー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ベットシュタイン
(72)【発明者】
【氏名】ザームエル ホーホシュトラッサー
(72)【発明者】
【氏名】ミルコ ネーサー
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02336264(US,A)
【文献】特表2019-501835(JP,A)
【文献】米国特許第03211186(US,A)
【文献】米国特許第02941782(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0127124(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 13/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
前記支持体に取り付けられ、緊張組立体ストラップ緊張位置と緊張組立体ストラップ挿入位置との間で前記支持体に対して移動可能な緊張組立体と、
ゲート定位置とゲートストラップ挿入位置との間で前記支持体に対して移動可能なゲートであって、前記ゲートと前記支持体との間に規定されているストラップ収容開口部の高さは、前記ゲートが前記ゲート定位置にあるとき、第1の高さであり、前記ゲートが前記ゲートストラップ挿入位置にあるとき、前記第1の高さよりも高い第2の高さであるゲートと
、
前記緊張組立体を前記ゲートに動作可能に接続する連結器とを具備し、
前記緊張組立体ストラップ緊張位置から前記緊張組立体ストラップ挿入位置への前記緊張組立体の移動により、
前記連結器が前記ゲートを伴って上方に移動し、前記ゲートが前記ゲート定位置から前記ゲートストラップ挿入位置に移動す
るストラッピング工具。
【請求項2】
前記ゲートは前記支持体に取り付けられている請求項1に記載のストラッピング工具。
【請求項3】
前記支持体は、前記ゲートの少なくとも一部を位置決めするゲート収容凹部を有している請求項1に記載のストラッピング工具。
【請求項4】
前記連結器
が、第1の連結器、第2の連結器および第3の連結器を含み、前記第1の連結器は、
第1の端部で前記緊張組立体
に固定接続され、
第2の端部で前記第2の連結器の第1の端部
に枢動可能に接続されており、前記第2の連結器の第2の端部は、前記第3の連結器の第1の端部に枢動可能に接続されており、前記第3の連結器の第2の端部は、前記ゲートに固定接続されている請求項
1に記載のストラッピング工具。
【請求項5】
前記緊張組立体ストラップ緊張位置から前記緊張組立体ストラップ挿入位置に前記緊張組立体を移動させることにより、前記第2の連結器が回転し、これによって、前記ゲートを押し込み、前記ゲートストラップ挿入位置に移動
させる請求項
4に記載のストラッピング工具。
【請求項6】
前記緊張組立体は、前記緊張組立体ストラップ緊張位置と前記緊張組立体ストラップ挿入位置との間で
、前記支持体に対して枢動可能である請求項
5に記載のストラッピング工具。
【請求項7】
前記ゲートは、前記第1の高さを変更するため
に1または複数の
前記連結器に対して再配置可能である請求項
1に記載のストラッピング工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
この特許出願は、2019年9月27日に提出された米国仮特許出願第62/907,248号明細書、および、2019年5月7日に提出された米国仮特許出願第62/844,389号明細書の優先権および利益を主張する2020年4月20日に提出された米国非仮特許出願第16/852,797号明細書の優先権および利益を主張し、その各々の内容全体を参照により本明細書に引用したものとする。
【0002】
本開示は、ストラッピング工具に関し、より詳細には、荷物の周囲にストラップを緊張させ、ストラップの重複部分を互いに取着して荷物の周囲に緊張ストラップループを形成するように構成されているストラッピング工具に関する。
【背景技術】
【0003】
電池式ストラッピング工具は、荷物の周囲にストラップを緊張させ、ストラップの重複部分を互いに取着して荷物の周囲に緊張ストラップループを形成するように構成されている。これらのストラッピング工具のうち1つを使用して荷物の周囲に緊張ストラップループを形成するために、オペレーターは、まず、ストラップ供給器からストラップの先端を引っ張り、ストラップを荷物に巻き付け、ストラップの先端をストラップの別の部分の下に位置決めする。次に、オペレーターは、これらの重複ストラップ部分のうち1または複数(ストラッピング工具の種類に応じて)をストラッピング工具に導入し、1または複数のボタンを作動させ、(1)緊張組立体が荷物の周囲にストラップを緊張させる緊張サイクル、そして(2)緊張サイクルの終了後、固定組立体が重複ストラップ部分を互いに取着し(これによって、荷物の周囲に緊張ストラップループを形成する)、切断組立体がストラップをストラップ供給器から切断する固定サイクルを開始する。
【0004】
ストラッピング工具が固定サイクル中にストラップの重複部分を互いに取着する方法は、ストラッピング工具の種類およびストラップの種類に左右される。プラスチックストラップ(例えば、ポリプロピレンストラップまたはポリエステルストラップ)用に構成されている特定のストラッピング工具は、ストラップの重複部分を互いに取着する摩擦溶接機、加熱ブレードまたは超音波溶接機を含む。プラスチックストラップまたは金属ストラップ(例えば、鋼ストラップ)用に構成されている幾つかのストラッピング工具は、ストラップの重複部分の周囲に位置決めされた固定要素への切り込みを機械的に変形させて(ストラッピング業界で「圧着」と呼ばれる)或いは切断して(ストラッピング業界で「切り込み」と呼ばれる)、ストラップの重複部分を互いに取着する顎部を含む。金属ストラップ用に構成されている他のストラッピング工具は、機械的連動切り込みのセットをストラップの重複部分に形成してストラップの重複部分を互いに取着する(ストラッピング業界で「シールレス」取着と呼ばれる)ように構成されているパンチおよびダイスを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の様々な実施形態は、荷物の周囲に金属ストラップを緊張させ、緊張後、ストラップの重複部分の周囲に位置決めされた固定要素、および、ストラップ自体の重複部分への切り込みを切断することによって、ストラップの重複部分を互いに取着するように構成されているストラッピング工具を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】本開示のストラッピング工具の1つの例示的実施形態の斜視図である。
【
図1B】本開示のストラッピング工具の1つの例示的実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1Aのストラッピング工具の作業組立体の支持体の正面斜視図である。
【
図3A】
図1Aのストラッピング工具の作業組立体の斜視図である。
【
図3B】
図1Aのストラッピング工具の作業組立体の斜視図である。
【
図3C】
図1Aのストラッピング工具の作業組立体の斜視図である。
【
図3D】
図1Aのストラッピング工具の作業組立体の斜視図である。
【
図4】
図3Aの作業組立体および
図1Aのストラッピング工具の可動ハンドル組立体の拡大部分斜視図である。
【
図6A】
図5Aの固定組立体の顎部組立体の物体阻止組立体の分解斜視図である。
【
図7A】
図6Aの物体阻止組立体の物体阻止体の斜視図である。
【
図7B】
図6Aの物体阻止組立体の物体阻止体の斜視図である。
【
図9A】固定組立体の定位置における固定組立体、および、物体阻止組立体の後退位置における
図6Aの物体阻止組立体の物体阻止体を示す、
図5Aの固定組立体の一部の正面図である。
【
図9B】固定組立体の定位置から固定組立体の固定位置に半分ほど移動された固定組立体、および、物体阻止組立体の阻止位置における
図6Aの物体阻止組立体の物体阻止体を示す、
図5Aの固定組立体の一部の正面図である。
【
図10A】
図3Aの作業組立体の緊張組立体およびゲート組立体の一部の側面図であり、緊張組立体およびゲート組立体のゲートは各ストラップ緊張および定位置にある。
【
図10B】
図3Aの作業組立体の緊張組立体およびゲート組立体の一部の斜視図であり、緊張組立体およびゲート組立体のゲートは各ストラップ緊張および定位置にある。
【
図11A】
図10A、10Bに示す緊張組立体およびゲート組立体の一部の側面図であり、緊張組立体およびゲート組立体のゲートは、各々のストラップ挿入位置にある。
【
図11B】
図10A、10Bに示す緊張組立体およびゲート組立体の一部の側面図および斜視図であり、緊張組立体およびゲート組立体のゲートは、各々のストラップ挿入位置にある。
【
図12A】
図3Aの作業組立体の駆動組立体の変換組立体の斜視図である。
【
図13A】
図2の支持体の一部、
図5Aの固定組立体の一部、および、変換組立体の連結器の有効長が最小である
図12Aの変換組立体の一部の断面斜視図である。
【
図13B】
図2の支持体の一部、
図5Aの固定組立体の一部、および、変換組立体の連結器の有効長が最大である
図12Aの変換組立体の一部の断面斜視図である。
【
図14A】変換組立体の連結器の有効長が固定サイクル中に変わる方法を例示する
図12Aの変換組立体の一部の斜視図である。
【
図14B】変換組立体の連結器の有効長が固定サイクル中に変わる方法を例示する
図12Aの変換組立体の一部の斜視図である。
【
図14C】変換組立体の連結器の有効長が固定サイクル中に変わる方法を例示する
図12Aの変換組立体の一部の斜視図である。
【
図14D】変換組立体の連結器の有効長が固定サイクル中に変わる方法を例示する
図12Aの変換組立体の一部の斜視図である。
【
図14E】変換組立体の連結器の有効長が固定サイクル中に変わる方法を例示する
図12Aの変換組立体の一部の斜視図である。
【
図14F】変換組立体の連結器の有効長が固定サイクル中に変わる方法を例示する
図12Aの変換組立体の一部の斜視図である。
【
図14G】変換組立体の連結器の有効長が固定サイクル中に変わる方法を例示する
図12Aの変換組立体の一部の斜視図である。
【
図14H】変換組立体の連結器の有効長が固定サイクル中に変わる方法を例示する
図12Aの変換組立体の一部の斜視図である。
【
図15】ストラッピング工具によって緊張、固定される前の荷物の周囲に位置決めされたストラップおよび固定要素の略側面図である。
【
図16A】
図2の支持体の一部、および、固定組立体と、顎部とが、固定組立体および顎部の定位置にある状態の
図5Aの固定組立体の一部の正面図である。
【
図16B】
図2の支持体の一部、および、固定組立体が固定組立体の固定位置にあり、顎部が顎部の定位置にある状態の
図5Aの固定組立体の一部の正面図である。
【
図16C】
図2の支持体の一部、および、固定組立体が固定組立体の固定位置にあり、顎部が固定要素およびストラップにおける切り込みの切断後の顎部の固定位置にある状態の
図5Aの固定組立体の一部の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ここに記載のシステム、デバイスおよび方法は、様々な形態で具体化することができるが、図面は、特定の例示的な限定されない実施形態を示し、明細書は、これらの実施形態を説明する。図面に示され明細書に記載の構成要素の全てが必要であるとは限らず、特定の実装形態は、追加の、異なる或いはより少ない構成要素を含むことができる。特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、構成要素の配置および種類、構成要素の形状、サイズおよび材料および構成要素の接続方法を変更することができる。他に指示がない限り、明細書で参照される任意の方向は、対応する図面に示す構成要素の向きを反映し、本開示の範囲を限定しない。更に、取り付け方法(例えば、取り付け、接続など)を意味する用語は、直接取り付け方法に限定されるように意図されず、間接的および動作可能に取り付けられ、接続される同じ取り付け方法を含むように広く解釈されるべきである。この明細書は、全体として見られ、本開示の原理に従って解釈され、当業者によって理解されるように意図されている。
【0008】
図1A、1Bは、本開示のストラッピング工具50(略して詳細な説明で「工具」と呼ばれることもある)、および、ストラッピング工具の特定の組立体および構成要素の実施形態の1つの例を示す。ストラッピング工具50は、荷物の周囲にストラップ(例示的実施形態では、金属ストラップ)を緊張させ、緊張後、ストラップの重複部分の周囲に位置決めされた固定要素への切り込み、そしてストラップ自体の重複部分への切り込みを切断することによって(ストラッピング業界およびこの詳細な説明で「切り込み」と呼ばれる)、ストラップの重複部分を互いに取着し、ストラップをストラップ供給器から切断するように構成されている。
【0009】
ストラッピング工具50は、ハウジング100、作業組立体200、可動ハンドル組立体1100、表示組立体1200、制御器1300(図示されていないけれども、明確にするために番号付けされている)および電力供給器1400を含む。
【0010】
図1A、1Bに最も良く示すハウジング100は、ストラッピング工具50の他の組立体および構成要素の一部(若しくは全部)を少なくとも部分的に包囲し或いは支持する。例示的実施形態において、ハウジング100は、作業組立体200、および、可動ハンドル組立体1100の構成要素の少なくとも一部を少なくとも部分的に包囲し或いは支持する前ハウジング部110と、制御器1300、および、電力供給器1400を少なくとも部分的に包囲し或いは支持する後ハウジング部120と、前ハウジング部110、および、後ハウジング部120の下部の間に延在し、これらの下部を接続するコネクタハウジング部130と、前ハウジング部110、および、後ハウジング部120の上部の間に延在し、これらの上部を接続する固定ハンドル140とを含む。任意の適切な方法で一緒に接合された任意の適切な量の構成要素から、ハウジング100を形成してもよい。例示的実施形態において、ハウジング100をプラスチックから形成するけれども、他の実施形態で任意の他の適切な材料からハウジング100を形成してもよい。
【0011】
図2~
図14Hおよび
図16A~
図16Cに最も良く示す作業組立体200、部分組立体および構成要素は、荷物の周囲にストラップを緊張させ、ストラップの重複部分を互いに取着し、ストラップをストラップ供給器から切断するように構成されているストラッピング工具50の構成要素の大部分を含む。作業組立体200は、支持体300、緊張組立体400、固定組立体500、駆動組立体700、ロッカーレバー組立体900およびゲート組立体1000を含む。
【0012】
図2~
図4および
図10A~
図11Bに最も良く示す支持体300は、緊張組立体400、固定組立体500、駆動組立体700、ロッカーレバー組立体900およびゲート組立体1000のための直接的に或いは間接的に共通取付け具としての機能を果たす。支持体300は、本体310、本体310の下部から横方向に延在する足部320、本体310から後方に延在する緊張組立体取り付け要素330、および、本体310から上方に延在する駆動、変換組立体取り付け要素340を含む。本体310の前側は、ゲート組立体1000のゲート1010を収容し、ゲート1010が下定位置と上ストラップ挿入位置(後述)との間で移動することができるように、サイズ調整、形成、方向付けその他の方法で構成されているゲート収容凹部350が形成されている。本体310は、ゲート収容凹部350の一方の側に整列された第1と第2の固定組立体取り付け舌部372a、372bを含み、ゲート収容凹部350の他方の側に整列された第3と第4の固定組立体取り付け舌部374a、374bを含む。ローラー380は、足部320に結合され、足部320に対して自由に回転可能である。
【0013】
図3C、
図10Aおよび
図11Aに最も良く示す緊張組立体400は、荷物の周囲にストラップを緊張させるように構成されている。緊張組立体400は、緊張軸(図示せず)、緊張軸と共に回転するように緊張軸に固定取着された緊張輪440(
図10A、11A)、緊張軸に動作可能に接続され、緊張軸(および緊張軸に取着された緊張輪440)を回転させるように構成された緊張組立体歯車装置(図示せず)、および、これらの構成要素を少なくとも部分的に密閉する緊張組立体ハウジング410を含む。
【0014】
緊張組立体400は、支持体300の緊張組立体取り付け要素320に移動可能に取り付けられ、ストラップ緊張位置(
図10A、10B)とストラップ挿入位置(
図11A、11B)との間のロッカーレバー組立体900(後述)の制御下で、支持体300に対して、特に支持体300の足部320に対して枢動するように構成されている。緊張組立体400がストラップ緊張位置にあるとき、緊張輪440は、支持体300(或いはストラップがストラッピング工具50に挿入されている場合、ストラップの上面)のローラー380に隣接する(およびこの実施形態で接触する)。緊張組立体400がストラップ挿入位置にあるとき、緊張輪440は、ストラップの上部位置(後述)を緊張輪440とローラー280との間に挿入することができるようにローラー380から離れている。ねじりバネ、圧縮バネその他の適切なタイプのバネなどの緊張組立体付勢要素(図示せず)は、緊張組立体400をストラップ緊張位置に付勢する。
【0015】
図3Cに最も良く示すロッカーレバー組立体900は、緊張組立体400に動作可能に接続され、ストラップ緊張位置からストラップ挿入位置に支持体300に対して緊張組立体400を移動させるように構成されている。ロッカーレバー組立体900は、ロッカーレバー910、ロッカーレバー歯車装置(符号なし)およびバネクラッチ組立体920を含む。定位置(
図3Cに最も良く示す)から作動位置(図示せず)への支持体300、および、ハウジング100に対するロッカーレバー910の移動(ここで、枢動)により、ロッカーレバー歯車装置は、緊張組立体400が、ストラップ緊張位置からストラップ挿入位置に移動させるように、ロッカーレバー歯車装置は、ロッカーレバー910を緊張組立体400に動作可能に接続する。作動位置から定位置(例えば、緊張組立体付勢要素の制御下で)に戻るロッカーレバー910の移動により、ロッカーレバー歯車装置は、緊張組立体400が、ストラップ緊張位置に戻るようにする。換言すれば、(ロッカーレバー歯車装置を介して)緊張組立体400がストラップ緊張位置とストラップ挿入位置との間でそれぞれ移動するようにするために、ロッカーレバー910は、定位置と作動位置との間で移動可能である。バネクラッチ組立体920は、緊張、固定後にストラップの滑らかな解放を容易にするために緊張組立体歯車装置の歯車構成要素に作用するように構成されている。具体的には、ロッカーレバー910がロッカーレバーの定位置から作動位置に移動する時に、バネクラッチ組立体920は、緊張組立体歯車装置を緊張輪440から分離する。これにより、緊張輪440は、緊張組立体歯車装置(従って、モーター710)から分離されながら、緊張方向と逆方向に回転することができる。これにより、緊張、固定工程の完了後に工具50をストラップから容易に取り外すことができる。
【0016】
図5A~
図9Bに最も良く示す固定組立体500は、ストラップの重複部分の周囲に位置決めされた固定要素、および、ストラップ自体の重複部分の両方を切り込むことによって、ストラップの重複部分を互いに取着して荷物の周囲に緊張ストラップループを形成するように構成されている。固定組立体500は、前カバー502、後カバー506、コネクタ512、514、516、518、顎部組立体520および物体阻止組立体600を含む。
【0017】
前カバー502は、大体U字形である。後カバー506は、大体平面のベース506a、ベース506aの対向側端部から後方および内方に延在する2つの取り付け翼部506b、506c、および、ベース506aから(顎部組立体520の方へ)前方に延在する唇部506dを含む。
図5Cに最も良く示すように、前カバー502および後カバー506は、コネクタ512、514、516、518、および、適切な締結具(符号なし)を介して互いに接続され、顎部組立体520および物体阻止組立体600を部分的に密閉するように協働する。
【0018】
固定組立体500は、後カバー506を介して支持体300に移動可能に(より詳細には、摺動可能に)取り付けられる。具体的には、支持体300の第1と第2の固定組立体取り付け舌部372a、372bを、ベース506aと第1の取り付け翼部506bとの間に規定された溝に収容し、支持体300の第3と第4の固定組立体取り付け舌部374a、374bを、ベース506aと第2の取り付け翼部506cとの間に規定された溝に収容するように、後カバー506を位置決めする。この取り付け構成により、固定組立体500は、支持体300に対して垂直に移動することができ、固定組立体500は、支持体300に対して側方に或いは前方および後方に移動するのを防止する。
図9A、9Bに最も良く示すように、側方に離れている第1と第2の固定組立体取り付け要素390a、390bは、支持体300の本体310に固定取着され、後カバー506のベース506aを介して規定された垂直に延在する各スロット(符号なし)を通る。これらのスロットおよび固定組立体取り付け要素390a、390bは、固定組立体取り付け要素390a、390bがスロットの下端部にある(上)定位置(
図9A、16A)と固定組立体取り付け要素390a、390bがスロットの上端部にある(下)固定位置(
図9B、
図16Bおよび
図16C)との間で、支持体300に対して固定組立体500の垂直移動を抑制するように協働する。後述のように、駆動組立体700は、定位置と固定位置との間で固定組立体500の移動を制御する。
【0019】
図5C、5Dに最も良く示すように、顎部組立体520は、結合器522、枢動ピン524、第1と第2の上連結器526、528、第1と第2の内顎部530、534、第1と第2の外顎部538、542、内顎部コネクタ546、中心顎部コネクタ550および外顎部コネクタ566を含む。
【0020】
枢動ピン524が結合器522に対して回転可能であるように、枢動ピン524を結合器522に接続する。
図5A、5Bに最も良く示すように、スロットが上位置と下位置との間の垂直移動に枢動ピン524を制限するように、枢動ピン524の対向端部を、前カバー502および後カバー506に規定されたスロット(符号なし)に位置決めする。第1と第2の上連結器526、528の各々を、それらの上連結器の各上端部の近くで枢動ピン524に枢動可能に接続する。この枢動可能な接続により、第1と第2の上連結器526、528は、枢動ピン524(図示せず)の縦軸の周りに結合器522および枢動ピン524に対して枢動することができる。各第1と第2の内顎部530、534の各上部分を、それぞれ枢動ピン556、558を介して上連結器526、528の各下端部に枢動可能に接続する。各第1と第2の外顎部538、542の各上部分を、枢動ピン556、558を介して上連結器526、528の各下端部に枢動可能に接続する。これらの枢動可能な接続により、第1の内顎部530および外顎部538は、枢動ピン556(図示せず)の縦軸の周りに上連結器526に対して枢動することができ、第2の内顎部534および外顎部542は、枢動ピン558の縦軸(図示せず)の周りに上連結器528に対して枢動することができる。
【0021】
各第1と第2の内顎部530、534の各下部分を、コネクタ516、518によって、前カバー502、後カバー506、内顎部コネクタ546、中心顎部コネクタ550および外顎部コネクタ566に枢動可能に接続する。各第1と第2の外顎部538、542の各下部分を、コネクタ516、518によって、前カバー502、後カバー506、内顎部コネクタ546、中心顎部コネクタ550および外顎部コネクタ566に枢動可能に接続する。枢動可能な接続により、第1の内顎部530および外顎部538は、それぞれの定位置(
図16A)と固定位置(
図16C)との間でコネクタ516の縦軸(図示せず)の周りに前後カバー502、506および顎部コネクタ546、550、566に対して枢動することができる。枢動可能な接続により、第2の内顎部534および外顎部546は、それぞれの定位置(
図16A)と固定位置(
図16C)との間でコネクタ518の縦軸(図示せず)の周りに前後カバー502、506および顎部コネクタ546、550、566に対して枢動することができる。
【0022】
図5Dおよび
図8Cに最も良く示すように、各顎部は、固定サイクル中に固定要素、および、ストラップ重複部分における切り込みを切断する下歯と、物体阻止体605が固定サイクルの開始時に阻止位置(後述)にある場合に物体阻止組立体600(後述)の物体阻止体605を係合させ、顎部が顎部の各固定位置に移動するにつれて後退位置の方へ物体阻止体605を移動させる上歯とを有する。これにより、顎部は、物体阻止体605を損傷するのを防止する。より具体的には、第1の内顎部530は、下歯530aおよび上歯530bを有し、第2の内顎部534は、下歯534aおよび上歯534bを有し、第1の外顎部538は、下歯538aおよび上歯538bを有し、第2の外顎部542は、下歯542aおよび上歯542bを有する。
【0023】
物体阻止組立体600は、顎部組立体520(より詳細には、中心顎部コネクタ550)に取り付けられ、第1と第2の内顎部530、534と第1と第2の外顎部538、542との間の空間(ここで、固定要素収容空間と呼ばれることもある)に物体が不注意に入るのを防止するように構成されている。これにより、物体がストラッピング工具の動作を妨げる可能性が減少する。更に、これにより、ストラッピング工具の顎部は、物体を損傷するのを防止する(逆もまた同様)。
図6A、6Bに最も良く示すように、物体阻止組立体600は、第1の物体阻止体部分610、および、第2の物体阻止体部分620から形成された物体阻止体605、物体阻止体持上げ要素630、持上げ要素取り付けピン640、物体阻止体締結具650、物体阻止体取り付けピン660、複数の付勢要素670a、670b、670c、670d、付勢要素保持器680および締結具690を含む。
【0024】
物体阻止体605は、
図7A、7Bに最も良く示されるように、物体阻止体取り付けピン660および物体阻止体締結具650によって結合された第1と第2の物体阻止体部分610、620から形成される。第1の物体阻止体部分610は、本体612および本体612の後面から延在する嵌合突起614を含む。本体612は、本体612の上面から下方に延在する円筒付勢要素収容孔612a、612bを有している。付勢要素収容孔は、それぞれ付勢要素670d、670cを部分的に収容するように、サイズ調整、形成、方向付けその他の方法で構成されている。本体612の下側は、湾曲物体係合面612c(しかし、この面は、他の実施形態で平面であってもよい)を含む。本体612の対向側面には、垂直に延在するスロット612d、612eが形成されている。歯係合ピン616a、616bは、前後に本体612に規定された孔に収容され、それぞれスロット612d、612eにまたがるように位置決めされる。
【0025】
第2の物体阻止体部分620は、本体622および本体622の前面から延在する嵌合突起624を含む。本体622は、本体622の上面から下方に延在する円筒付勢要素収容孔622a、622bを有している。付勢要素収容孔は、それぞれ付勢要素670b、670aを部分的に収容するように、サイズ調整、形成、方向付けその他の方法で構成されている。本体622の下側は、湾曲物体係合面622c(しかし、この面は、他の実施形態で平面であってもよい)を含む。本体622の対向側面は、垂直に延在するスロット622d、622eを有している。歯係合ピン626a、626bは、前後に本体612に規定された孔に収容され、それぞれスロット622d、622eにまたがるように位置決めされる。
【0026】
物体阻止体605を、中心顎部コネクタ550に摺動可能に取り付ける。より具体的には、
図6A、6Bに最も良く示すように、中心顎部コネクタ550は、本体552および本体552の中心から上方に延在する首部554を含む。本体552および首部554は、物体阻止体取り付けスロット556を形成する。取り付け要素614、624、物体阻止体締結具650および物体阻止体取り付けピン660が、物体阻止体取り付けスロット556を通るように、物体阻止体605を組み立てる。組み立て後、物体阻止体605は、(上)後退位置(
図9A)と(下)阻止位置(
図9B)との間で中心顎部コネクタ550に対して垂直移動可能である(そして、物体阻止体取り付けスロット556のサイズによって抑制される)。付勢要素保持器680を、締結具690を介して中心顎部コネクタ550に取着し、物体阻止体605における各付勢要素収容孔622b、622a、612b、612aに付勢要素670a、670b、670c、670dを適所に抑制する。付勢要素670は、物体阻止体605を物体阻止体の阻止位置に付勢する。
【0027】
物体阻止体持上げ要素630は、物体阻止体605に動作可能に接続され、固定組立体500が固定組立体の定位置にあるとき、物体阻止体605を物体阻止体の後退位置に維持し、ストラップ挿入時およびストラップ緊張中に、物体阻止体605が固定要素およびストラップを妨げるのを防止する。例示的実施形態において、
図6A、6Bに最も良く示すように、物体阻止体持上げ要素630は、第1の(取着)端部632a、第2の(自由)端部632b、および、第1と第2の端部632a、632bの間に延在する排動面632cを有する本体を含むレバーアームである。物体阻止体持上げ要素630を、持上げ要素取り付けピン640によって第1の端部632aで第2の物体阻止体部分620に枢動可能に取り付ける。物体阻止体持上げ要素630は、持上げ要素取り付けピン640(図示せず)の縦軸の周りに物体阻止体605に対して枢動可能である。
図8B、
図9Aおよび
図9Bに最も良く示すように、物体阻止体605に取り付けられた後、物体阻止体持上げ要素630を、固定組立体500の後カバー506の唇部506dと第1の固定組立体取り付け要素390aとの間に位置決めする。物体阻止体持上げ要素630の排動面632cは、唇部506dのうち1つを係合させ、唇部506dのうち1つに置かれている。物体阻止体持上げ要素630は、定位置(
図9B)と持上げ位置(
図9A)との間で支持体組立体500の残りに対して枢動可能である。
【0028】
物体阻止体持上げ要素630は、物体阻止体持上げ要素630の位置が物体阻止体605の位置を部分的に制御するように位置決めされ構成されている。具体的には、物体阻止体持上げ要素630が持上げ位置にあるとき、物体阻止体持上げ要素630は、付勢要素670の付勢力に打ち勝ち、物体阻止体605を物体阻止体の後退位置に維持する力を物体阻止体605に与える。逆に、物体阻止体持上げ要素630が物体阻止体持上げ要素の定位置にあるとき、物体阻止体持上げ要素630は、この力を物体阻止体605に与えず、物体阻止体605は、物体阻止体の後退位置と阻止位置との間で移動することができる。付勢要素670は、物体阻止体持上げ要素630を物体阻止体持上げ要素の定位置に付勢する。
【0029】
固定組立体500の位置は、物体阻止体持上げ要素630の位置(従って、部分的に、物体阻止体605の位置)を制御する。
図9Aに最も良く示すように、固定組立体500が固定組立体の定位置にあるとき、第1の固定組立体取り付け要素390aは、物体阻止体持上げ要素630を係合させ、物体阻止体持上げ要素630を物体阻止体持上げ要素の持上げ位置に押し込む。次に、上述のように、これは、物体阻止体605を物体阻止体の後退位置に押し込む。固定組立体500が固定組立体の定位置から固定組立体の固定位置に移動する時に、唇部506と第1の固定組立体取り付け要素390aとの間に空間が生成される。この空間が生成される時に、付勢要素670により、物体阻止体605が物体阻止体の後退位置の方へ強制移動する。物体阻止体605へのピン接続のために、これにより、物体阻止体持上げ要素630は、物体阻止体持上げ要素630が第1の固定組立体取り付け要素390aと接触したままであるように枢動する。
図9Bは、物体阻止体持上げ要素630、および、物体阻止体605がそれぞれの定位置および阻止位置に達した後の物体阻止体持上げ要素630および物体阻止体605を示す。
【0030】
物体阻止体605が物体阻止体の阻止位置にあり、顎部530、534、538、542が顎部の定位置にあるとき、物体阻止体605および顎部は、阻止配置にある。これらの構成要素が阻止配置にある場合、物体阻止体605は、対の顎部530、538と対の顎部534、542との間に規定され、顎部コネクタ546、550、566の下の固定要素収容空間(符号なし)の大部分を占める。後で詳述するように、付勢要素670の付勢力に打ち勝つのに十分な力の印加に応じて、物体阻止体605は、物体阻止体の阻止位置から物体阻止体の後退位置に移動し、この力が除去されるまでそこにとどまる。物体阻止体の後退位置にあるとき、固定のために、固定要素およびストラップをそこに位置決めすることができるように、物体阻止体605を固定要素収容空間に位置決めしない。
【0031】
物体阻止体605および顎部530、534、538、542が阻止配置にあるとき、固定サイクル(後述)が開始される場合、顎部は、固定サイクル中に顎部組立体520またはストラッピング工具50の任意の他の構成要素を損傷しないように、物体阻止体605を物体阻止体の後退位置の方へ移動させるように構成されている。具体的には、物体阻止体605が伸長位置にあるとき、顎部530、534、538、542の上歯530b、534b、538b、542bは、それぞれ物体阻止体605のピン626b、626a、616b、616aに隣接する。顎部が、顎部の各定位置から顎部の各固定位置に枢動し始める時に、上歯は、各ピンを係合させる。顎部の各固定位置への顎部の連続移動により、上歯は、付勢要素670の付勢力に打ち勝つのに十分な力をピンに加え、物体阻止体605を物体阻止体の後退位置の方へ移動させる。これが行われると、下歯は、物体阻止体605の側面に規定されたスロットに入る。
【0032】
ストラップおよび(適用できる場合)固定要素を圧着する、或いは、切り込むために顎部を使用する特定の既知のストラッピング工具に関する1つの問題は、ストラップおよび(適用できる場合)固定要素の代わりに、或いは、ストラップおよび(適用できる場合)固定要素に加えて、顎部の間の空間に異物が(不注意に)入ることがあることである。これは、幾つかの理由で問題がある。物体は、ストラッピング工具の動作を妨げることがあり、重複ストラップ部分の相互取着を介して形成される接合部は、最適以下の強度を有することがあり、その結果、予期せぬ接合不良および製品損失を引き起こすこともある。更に、物体は、固定工程中に固定組立体の顎部および/または他の構成要素を損傷することもあり、その結果、工具の修理を必要とし、休止時間を引き起こす。更に、固定組立体は、物体を損傷または破壊することもある。
【0033】
物体阻止組立体600は、異物を排除することによって、或いは、顎部の間の固定要素収容空間に異物が不注意に入るのを防止することによって、この問題を解決する。具体的には、固定組立体500が固定組立体の固定位置に達した時に、自由な異物(例えば、ねじ回しの軸)が顎部の間の固定要素収容空間にある場合、物体阻止体605が、物体阻止体の後退位置から物体阻止体の阻止位置に移動する時に、物体阻止体605は、その異物を固定要素収容空間から押し出す。一旦物体阻止体605が物体阻止体の阻止位置に達すると、最小空間が、物体阻止体605と顎部の下歯との間に存在し、これによって、顎部の間の固定要素収容空間に異物が入るのを防止する。
【0034】
ここに図示されていないけれども、切断機は、後カバー506(
図5Bに最も良く示す)における凹部に位置決めされ、後カバー506の凹部内で移動可能であり、枢動ピン524に取り付けられる。枢動ピン524を下方に移動すると、枢動ピン524は、切断機を下方に押し込み、ストラップをストラップ供給器から切断し、枢動ピン524を後部上方に移動すると、切断機は、後部上方に移動する。
【0035】
図3A~
図3Dおよび
図12A~
図14Hに最も良く示す駆動組立体700は、緊張輪440を回転させてストラップを緊張させるように動作可能に接続され構成されており、ストラップの重複部分を互いに取着するように、固定組立体500に動作可能に接続されている。駆動組立体700は、アクチュエータ710、第1の伝達装置720、第2の伝達装置730、第1のベルト740、第3の伝達装置750、第2のベルト760および変換組立体800を含む。
【0036】
例示的実施形態において、アクチュエータ710は、モーター(ここで、モーター710と呼ばれる)であり、特に、モーター出力軸(符号なし)を含むブラシレス直流モーターである(しかし、モーター710は、他の実施形態で任意の他の適切なタイプのモーターであってもよい)。モーター710は、(後述のように)モーター710の出力を緊張組立体400または固定組立体500に選択的に伝達する第1の伝達装置720を駆動するように(モーター出力軸を介して)動作可能に接続され構成されている。他の実施形態において、ストラッピング工具は、緊張組立体および固定組立体の両方を作動させるように構成されている単一アクチュエータではなく、緊張組立体と固定組立体とを作動させる独立の緊張アクチュエータおよび固定アクチュエータを含む。
【0037】
第1の伝達装置720は、第1のベルト740を介して第2の伝達装置730に、或いは、第2のベルト760を介して第3の伝達装置750にモーター710の出力を選択的に伝達する任意の適切な歯車装置および/または他の構成要素を含む。より具体的には、(1)第1の回転方向におけるモーター出力軸により、第1の伝達装置720が、モーター710の出力を、第1のベルト740を介して第2の伝達装置730に伝達し、第3の伝達装置750に伝達せず、そして(2)第1の回転方向と逆の第2の回転方向におけるモーター出力軸により、第1の伝達装置720が、モーター710の出力を、第2のベルト760を介して第3の伝達装置750に伝達し、第2の伝達装置730に伝達しないように、第1の伝達装置720は構成されている。従って、この実施形態において、単一モーター(モーター710)は、緊張組立体400および固定組立体500の両方を作動させるように構成されている。
【0038】
モーター出力のこの選択的伝達を達成するために、第1の伝達装置720は、モーター出力軸に取り付けられた第1のフリーホイール(符号なし)に取り付けられた第1のベルト車(或いは他の適切な歯車装置構成要素)(符号なし)、および、モーター出力軸に取り付けられた第2のフリーホイール(符号なし)に取り付けられた第2のベルト車(或いは適切な歯車装置構成要素)(符号なし)を含む。第1のベルト車は、第2の伝達装置730に(第1のベルト740を介して)動作可能に接続されており、第2のベルト車は、第3の伝達装置750に(第2のベルト760を介して)動作可能に接続されている。モーター出力軸が第1の回転方向に回転する場合、(1)第1のフリーホイールおよび第1のベルト車は、モーター出力軸と共に回転し、これによって、第1のベルト740を介してモーター出力を第2の伝達装置730に伝達し、(2)モーター出力軸は、第2のフリーホイールを介して自由に回転し、その結果、第2のベルト車を回転させない。逆に、モーター出力軸が第2の回転方向に回転する場合、(1)第2のフリーホイールおよび第2のベルト車は、モーター出力軸と共に回転し、これによって、第2のベルト760を介してモーター出力を第3の伝達装置750に伝達し、(2)モーター出力軸は、第1のフリーホイールを介して自由に回転し、その結果、第1のベルト車を回転させない。これは、第1の伝達装置720の実施形態の単に1つの例であり、他の実施形態で任意の他の適切な構成要素を含んでもよい。
【0039】
第2の伝達装置730は、第1の伝達装置720の出力を緊張組立体400に伝達し、緊張輪440が回転するように構成されている。より詳細には、第2の伝達装置730は、第1の伝達装置720の出力を緊張組立体400の緊張組立体歯車装置に伝達し、そこで緊張軸および緊張輪440を回転させるように構成されている。従って、モーター710は、(第1の伝達装置720、第1のベルト740、第2の伝達装置730、緊張組立体歯車装置および緊張軸を介して)緊張輪440に動作可能に結合され、緊張輪440を回転させるように構成されている。第2の伝達装置730は、任意の適切な方法で配置された任意の適切な構成要素を含んでもよい。
【0040】
第3の伝達装置750は、第1の伝達装置720の出力を変換組立体800に伝達する。第3の伝達装置750は、任意の適切な方法で配置された任意の適切な構成要素(例えば、1または複数の歯車および1または複数の軸)を含んでもよい。
【0041】
変換組立体800は、第3の伝達装置750の出力を固定組立体500に伝達し、固定サイクルを実行するように構成されている。この固定サイクルは、固定組立体を固定組立体の定位置から固定組立体の固定位置に移動させ、固定組立体の顎部が顎部の定位置から顎部の固定位置に移動して固定要素およびストラップにおける切り込みを切断し、顎部が顎部の定位置に戻って切込み固定要素およびストラップを解放し、固定組立体を固定組立体の定位置に戻って移動させることを含む。こうすることで、この実施形態において、変換組立体800は、回転出力(軸および歯車の回転)を線形出力(結合器の往復並進運動)に変換するように構成されている。
【0042】
変換組立体800は、
図12A~
図14Hに最も良く示され、駆動輪810、軸受815、管状軸820、連結器取付け具830、保持リング835、変換組立体連結器840および有効長変更デバイス850を含む。
【0043】
図12Bに最も良く示すように、駆動輪810は、円筒ベース812、および、ベース812の一方の端部の中心に置かれた円盤状ヘッド814を含む。連結器駆動軸816は、ヘッド814の周囲の近くでヘッド814から延在する(即ち、ヘッド814の縦軸から半径方向に離れている)。連結器取付け具830は、半径方向外向きに延在する第1の指部832aを含む円盤状ベース832を含む。円盤状ヘッド834は、ベース832の一方の端部の中心に置かれる。駆動軸取り付け開口部(符号なし)は、ベース832およびヘッド834を介して規定され、ベース832およびヘッド834の共通縦軸から半径方向に離れている。半径方向内向きに延在する第2の指部834aは、駆動軸取り付け開口部の前に延在する。連結器840は、一方の端部に環状ヘッド844および他方の端部に足部846を有する本体842を含む。止めタブ844aは、ヘッド844から半径方向外向きに延在する。
【0044】
図3Aに最も良く示すように、駆動輪810のベース812は、軸受815(例示的実施形態では、ころ軸受)を介して、支持体300の駆動、変換組立体取り付け要素340に軸支されており、駆動輪810は、駆動輪回転軸(図示せず)の周りに支持体300に対して回転することができる。
図12Aに最も良く示すように、管状軸820を、連結器駆動軸816に位置決めし、管状軸820を、連結器取付け具830における駆動軸取り付け開口部に収容して、連結器取付け具830を駆動輪810に取り付ける。保持リング835を、連結器駆動軸816の周囲の周りに規定された溝(符号なし)に挿入して、これらの構成要素を適所に保持する。一旦取り付けられると、連結器取付け具830は、連結器駆動軸816の縦軸と同軸である回転軸A
U(
図12A)の周りに駆動輪810に対して回転可能である。連結器取付け具830のヘッド834を、連結器840のヘッド844に収容して、連結器840を連結器取付け具830に取り付ける。一旦取り付けられると、連結器840は、ヘッド844の中心軸(図示せず)の周りに連結器取付け具830に対して回転可能である。
【0045】
図12A、12Cに最も良く示すように、有効長変更デバイス850は、取り付けブラケット852、第1の固定指部856および第2の固定指部854を含む。
図3Aに最も良く示すように、有効長変更デバイス850が、駆動輪810、連結器取付け具830および連結器840に対して固定されているように、有効長変更デバイス850を、支持体300の駆動、変換組立体取り付け要素340に固定接続する。
【0046】
図示されていないけれども、第3の伝達装置750は、(例えば、軸および適切な歯車装置を介して)駆動輪810に動作可能に接続され、駆動輪回転軸の周りに駆動輪810を回転させるように構成されている。
図3A、
図13Aおよび
図13Bに最も良く示すように、連結器840の足部846を、固定組立体500の結合器522に枢動可能に接続し、その結果、連結器840は、軸A
L(
図12A)の周りに結合器522に対して枢動可能である。従って、モーター710は、(第3の伝達装置750、第2のベルト760および変換組立体800を介して)固定組立体500に動作可能に結合され、後述のように、固定組立体500を制御して固定サイクルを実行するように構成されている。
【0047】
より具体的には、第2の回転方向におけるモーター710のモーター出力軸の回転により、第1の伝達装置720の第2のベルト車を回転させる。第2のベルト760は、第1の伝達装置720の出力(この場合、第2のベルト車の回転)を第3の伝達装置750に伝達し、次に、第1の伝達装置720の出力を変換組立体800伝達する。より具体的には、第3の伝達装置750は、第1の伝達装置720の出力を変換組立体800の駆動輪810に伝達し、その結果、駆動輪810は、駆動輪回転軸の周りに回転し、駆動輪810と共に連結器840のヘッド844を支える。
【0048】
駆動輪810は定位置を有する(そして、この定位置にある該駆動輪を制御器1300に伝える定位置センサーによって検知するようにできる)。
図13Aに最も良く示すように、駆動輪810が定位置にある、即ち、連結器840の足部846が足部の定位置(例示的実施形態では、足部の最上位置)にある場合、固定組立体500は、固定組立体の定位置にあり、顎部530、534、538、542は、固定に備えて顎部の各定位置にある。固定サイクルの開始時に、駆動輪810は、駆動輪の定位置から駆動輪の固定位置(
図13Bに示す)に回転し始める(例示的実施形態では、反時計回り)。駆動輪810が回転する時に、連結器840は、固定組立体500を固定組立体の固定位置の方へ移動させる力を結合器522に与える。固定組立体500が固定組立体の固定位置に達した後、駆動輪810の連続回転により、連結器840は、結合器522を押し込み、(前板および後板に規定されたスロットに収容された枢動ピン524によって案内された)固定組立体500の前板502および後板506に対して顎部の方へ移動する。これは、第1と第2の上連結器526、528の上端部の下向き移動を引き起こし、その結果、第1と第2の上連結器526、528の下端部の外向き移動を引き起こす。これは、顎部の上部分の外向き移動を引き起こす。これは、顎部の下部分の内向き移動を引き起こす。換言すれば、これにより、顎部は、顎部の各定位置から顎部の各固定位置に枢動する。連結器840の足部846が足部の固定位置(例示的実施形態では、足部の最下位置)に達した場合、顎部は、顎部の各固定位置にある。駆動輪の定位置に戻る駆動輪810の連続回転は、上述の移動を逆にする。顎部は、顎部の固定位置から顎部の定位置に戻り、その後、固定組立体は、固定組立体の定位置に戻る。
【0049】
変換組立体800の構成要素は、固定サイクル中に連結器840の有効長(軸A
Uと軸A
Lとの間の距離D)を変更し、(連結器840の有効長を増加することによって)固定組立体500を固定組立体の固定位置の方へ迅速に移動し、切り込み後、(連結器840の有効長を減少することによって)、固定組立体500を固定組立体の定位置の方へ戻って迅速に移動するように、サイズ調整、形成、位置決め、方向付けその他の方法で構成されている。
図13A、13Bに示すように、連結器840の最小有効長は、D
MINであり、連結器840の最大有効長は、D
MAXである。
【0050】
図14A~
図14Hは、固定サイクル中に、変換組立体800の構成要素が協働して連結器840の有効長を変更する方法を例示する。固定サイクルの開始時に、
図14Aに示すように、駆動輪810および連結器840の足部846は、駆動輪および足部の各定位置にある。駆動輪810は、駆動輪の定位置から駆動輪の固定位置に回転し始め、連結器取付け具830のヘッド834の第2の指部834aが、有効長変更デバイス850の第2の固定指部854と接触する。駆動輪810が回転し続ける時に、第2の指部834aと第2の固定指部854との間の係合により、駆動輪810および連結器840が連結器取付け具830に対して回転し続ける時に、連結器取付け具830は、固定されたままである。
図14Bに示すように、これが行われると、第1の指部832aは、連結器840のヘッド844の止めタブ844aの方へ連結器840に対して回転する。駆動輪810への連結器取付け具830の偏心取り付けと組み合わせた連結器840に対する連結器取付け具830のこの相対的回転により、連結器840の有効長は、D
MINから増加する。
図14Cに示すように、連結器840の有効長が最大値D
MAXに達し、第1の指部832aが止めタブ844aに達すると同時に、第2の指部834aは、第2の固定指部854を離脱させる。例示的実施形態において、連結器840の有効長が最大値D
MAXに達すると同時に、固定組立体500は、固定組立体の固定位置に達する。
【0051】
連結器840の有効長がD
MAXに達した後、駆動輪810が駆動輪の固定位置の方へ回転し続ける時に、
図14Dに示すように、連結器840は、同じ有効長のままであり、顎部は、顎部の定位置から顎部の固定位置に移動し始める。
図14Eは、顎部が、顎部の固定位置に達し、固定要素およびストラップを切り込んでいる点で、駆動輪の固定位置における駆動輪810を示す。その後、
図14Fに示すように、駆動輪810の連続回転は、第1の指部832aを有効長変更デバイス850の第1の固定指部856と接触させる。駆動輪810が、駆動輪の定位置に戻って回転し続ける時に、第1の指部832aと第1の固定指部856aとの間の係合により、駆動輪810および連結器840が連結器取付け具830に対して回転し続ける時に、連結器取付け具830は、固定されたままである。
図14Gに示すように、これが行われると、第1の指部832aは、連結器840のヘッド844の止めタブ844aから離れて連結器840に対して回転する。駆動輪810への連結器取付け具830の偏心取り付けと組み合わせた連結器840に対する連結器取付け具830のこの相対的回転により、連結器840の有効長は、D
MAXから減少する。
図14Hに示すように、連結器840の有効長が最小値D
MINに達すると同時に、第1の指部832aは、第1の固定指部856を離脱させる。例示的実施形態において、連結器840の有効長が最小値D
MINに達すると同時に、固定組立体500は、固定組立体の定位置に達する。
【0052】
固定サイクル中に連結器840の有効長を変更すると、固定有効長を有する連結器を用いた先行技術工具に比べて幾つかの利益が得られる。固定サイクルの開始の直後に、固定組立体500は、固定組立体の固定位置に達するので、連結器駆動軸816が連結器駆動軸の定位置から連結器駆動軸の固定位置に回転する時に、(先行技術工具に比べて)連結器駆動軸816のより多くの移動を使用して、固定要素およびストラップにおける切り込みを切断する。これは、切り込みを切断するために、より小さい力を必要とすることを意味する。その結果、顎部組立体520の構成要素(例えば、顎部、歯車、連結器など)は、先行技術工具の構成要素よりも軽く(場合によっては、より小さく)、この工具を、より軽くし(場合によっては、よりコンパクト)、従って、より扱いやすい。切り込みを切断するために、より小さい力を必要とするので、モーターが供給する必要があるトルク量は、先行技術工具よりも小さく、これは、モーターは、先行技術工具よりも小さい電流を引き込み、より効率的であることを意味する。更に、これにより、モーターは、より速く動作することができ、従って、先行技術工具に比べて固定サイクルの速度を増加することができる。
【0053】
図10A~
図11Bに最も良く示すゲート組立体1000は、ストラップの簡単な挿入を促進するように構成され、異なる厚さのストラップを収容できるように調整可能である。ゲート組立体1000は、ゲート1010および複数の連結器1012、1014、1016を含む。
【0054】
ゲート1010は、支持体300の本体310のゲート収容凹部350に摺動可能に収容され、保持ブラケット(明確にするために図示せず)を介してその凹部に保持される。ストラップ収容開口部(符号なし)が、ゲート1010の下部と支持体300の足部320の上面との間に形成されている。ゲート1010は、定位置(
図10A、10B)と後退位置(
図11A、11B)との間で支持体300に対して移動可能である。定位置にあるとき、ストラップ収容開口部の高さH
1が、緊張および固定されるべき特定のストラップの厚さ以上であるように、ゲート1010を、足部320に対して位置決めする。後退位置にあるとき、ストラップ収容開口部の高さH
2が、高さH
1よりも大きいように、ゲート1010を、足部320に対して位置決めする。緊張組立体400の位置は、ゲート1010の位置を制御する。
【0055】
連結器1016を、緊張組立体400に一方の端部で固定接続し、連結器1014の一方の端部に他方の端部で枢動可能に接続する。連結器1014の他方の端部を、連結器1012の一方の端部に枢動可能に接続する。連結器1012の他方の端部を、ゲート1010に固定接続する。連結器1012、1014、1016は、(1)緊張組立体400がストラップ緊張位置にあるとき、ゲート1010がゲートの定位置にあり(ストラップ収容開口部が高さH1を有し)、(2)緊張組立体400がストラップ挿入位置にあるとき、ゲート1010がゲートの後退位置にある(ストラップ収容開口部が高さH2を有する)ように、サイズ調整、形成、位置決め、方向付けその他の方法で構成されている。より具体的には、緊張組立体400を、ストラップ緊張位置からストラップ挿入位置に枢動する場合、連結器1016を、反時計回りに枢動する。これにより、連結器1014は、時計回りに枢動し、連結器1012を押し込み、上方に移動し、連結器1012と共にゲート1010を支える。
【0056】
特定の既知のストラッピング工具に関する1つの問題は、ストラップをストラッピング工具に挿入するのが難しいことである。これらの既知のストラッピング工具は、緊張サイクル中に固定体がゲートを係合させるように、或いは、ゲートは固定体が緊張輪と接触するのを防止するように、緊張輪の前方に位置決めされたゲートを含む。ゲートの下部と(動作中にストラップを位置決めする)ストラッピング工具の足部の上部との間に規定されたストラップ収容開口部が、ストラップの厚さと同じ高さ或いはストラップの厚さよりも僅かに大きい高さを有するように、ゲートを、適所に固定して位置決めする。これにより、ストラッピング工具の動作中にストラップが上下に移動するのを防止する。問題は、オペレーターが、ストラップをストラップ収容開口部に整列させ、ストラップの厚さよりもせいぜい僅かに大きい高さを有するストラップ収容開口部にストラップを挿入するのが難しく、時間のかかることである。
【0057】
本開示のゲート組立体1000は、緊張組立体400を緊張組立体のストラップ挿入位置に移動させる場合、ストラップ収容開口部の高さを増加することによって、この問題を解決する。換言すれば、ストラップ緊張位置からストラップ挿入位置への緊張組立体400の移動により、ゲート1010がゲートの定位置からゲートの後退位置に移動してストラップ収容開口部を拡大するように、緊張組立体400を、(連結器を介して)ゲート1010に結合する。これにより、オペレーターは、ストラップをストラップ収容開口部に一層容易に挿入することができ、ストラッピング工具の動作を効率化する。
【0058】
更に、足部320に対するゲート1010の位置は、可変である。具体的には、ゲート1010を、幾つかの異なる垂直位置の何れかで連結器1012に固定することができる。連結器1012に対するゲート1010の垂直位置を変更することによって、オペレーターは、ゲート1010が定位置にあるとき、ストラップ収容開口部の高さH1を変更することができる。例えば、この実施形態において、1または複数のねじを介して、連結器1012をゲート1010に接続する。ねじは、ゲート1010の長さに沿って延在する細長いスロットを通る。ゲート1010がゲートの定位置にあるとき、ストラップ収容開口部の高さH1を変更するために、オペレーターは、ねじを緩め、(スロットを利用して)ゲート1010を連結器1012に対して上または下に摺動させ、ねじを締め直す。
【0059】
特定の既知のストラッピング工具に関する1つの問題は、異なる厚さのストラップ用のストラッピング工具を再構成するのに時間がかかることである。異なる厚さを有するストラップ用のストラッピング工具を再構成するために、オペレーターは、新しいストラップ用にサイズ調整された別のゲート(例えば、(より薄いストラップの場合)より長い、或いは(より厚いストラップの場合)より短いゲート)に既存のゲートを交換する必要がある。これは、ストラッピング工具を部分的に分解するようにオペレーターに要求し、その結果、休止時間を引き起こすだけでなく、異なるゲートを手元に持ち、異なるゲートを必要とする場合に認識し、ゲートを異なるストラップ厚さに適切に一致させるように、オペレーターに要求する。誤ったゲートを使用すると、失敗または最適以下のストラッピング動作(最適以下の動作の場合、最適以下の接合強度)を引き起こすことがある。
【0060】
本開示のゲート組立体1000は、ゲート1010がゲートの定位置にあるとき、連結器1012に対するゲート1010の位置、従って、ストラップ収容開口部の高さH1をオペレーターが変更することができることによって、この問題を解決する。これは、オペレーターが、1つのゲートを別のゲートに交換する必要もなく、ゲートを迅速かつ容易に移動させ、異なる厚さのストラップに対応することができることによって、先行技術ストラッピング工具を改良する。
【0061】
ストラッピング工具50の第2のハンドル組立体1100を、支持体300に移動可能に取り付ける。この例において、第2のハンドル組立体1100は、
図4に示す枢動組立体1150によって支持体300に枢動可能に取り付けられた第2のハンドル(符号なし)を含む。枢動組立体1150は、周囲に沿って半径方向に延在する孔を有する枢動位置決め輪およびバネ荷重ボール組立体を含む。バネは、孔のうち1つにボールを押し込み、ハンドルを適所に保持する。オペレーターは、十分な力でハンドルを枢動し、ボールを押し込み、バネ力に逆らって移動して孔から出ることによって、ハンドルを再配置することができる。ハンドルの連続枢動により、最終的に、バネは、孔のうち別の1つにボールを押し込む。バネ力を、ねじ込みプラグその他の適切な構成要素で調整することができる。
【0062】
表示組立体1200は、タッチパネルを有する適切な表示画面を含む。表示画面は、(この実施形態で少なくとも)ストラッピング工具に関する情報を表示するように構成されており、タッチ画面は、オペレーター入力を受信するように構成されている。表示制御器は、表示画面およびタッチパネルを制御してもよく、これらの実施形態において、表示制御器は、制御器1300に通信可能に接続され、信号を制御器1300に送信し、信号を制御器1300から受信する。
【0063】
制御器1300は、メモリデバイスに通信可能に接続された処理デバイスを含む。例えば、制御器は、プログラマブル論理制御器であってもよい。処理デバイスは、例えば、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、1または複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサコアに関連した1または複数のマイクロプロセッサ、1または複数の特定用途向け集積回路、1または複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ回路、1または複数の集積回路および/または状態機械(但し、これらに限定されない)などの任意の適切な処理デバイスを含んでもよい。メモリデバイスは、例えば、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、1または複数のデジタルレジスタ、キャッシュメモリ、1または複数の半導体メモリデバイス、磁気媒体(例えば、統合ハードディスクおよび/または取り外し可能メモリ)、磁気光学媒体および/または光学媒体(但し、これらに限定されない)などの任意の適切なメモリデバイスを含んでもよい。メモリデバイスは、ストラッピング工具50の動作を制御するために、処理デバイスによって実行可能な命令を記憶する。制御器1300は、モーター710および表示組立体1200に通信、操作可能に接続され、これらの構成要素から信号を受信してこれらの構成要素を制御するように構成されている。更に、制御器1300は、外部デバイスに情報を送信し、外部デバイスから情報を受信するために、外部デバイス(例えば、計算デバイス)に(例えば、WiFi(ワイファイ)、ブルートゥース、近距離通信その他の適切な無線通信プロトコルを介して)通信可能に接続可能であってもよい。
【0064】
電力供給器1400は、モーター710、表示組立体1200および制御器1300を含むストラッピング工具50の幾つかの構成要素に(適切な配線その他の構成要素を介して)電気的に接続され、ストラッピング工具50の幾つかの構成要素に電力を供給するように構成されている。電力供給器1400は、例示的実施形態において、再充電可能電池(例えば、リチウムイオンまたはニッケルカドミウム電池)であるけれども、他の実施形態で、任意の他の適切な電力供給器であってもよい。電力供給器1400は、ハウジング100の後ハウジング部120によって規定された容器(符号なし)に収容されるように、サイズ調整、形成その他の方法で構成されている。ストラッピング工具は、容器への収容時に、適所に電力供給器1400を解除可能にロックするために、1または複数の電池固定デバイス(図示せず)を含む。ストラッピング工具110または電力供給器1400の解放デバイスの作動により、電力供給器1400は、後ハウジング部120からロック解除され、オペレーターは、電力供給器1400を後ハウジング部120から取り外すことができる。
【0065】
(1)ストラッピング工具50が荷物Lの周囲にストラップSを緊張させる緊張サイクル、そして(2)ストラッピング工具50が、ストラップSの重複上下部分の周囲に位置決めされた固定要素SE、および、ストラップ自体の上下部分の両方を切り込み、ストラップをストラップ供給器から切断する固定サイクルを含むストラッピングサイクルを実行するストラッピング工具50の使用について、
図16A~
図16Cに従って説明する。最初に、緊張組立体400は、緊張組立体のストラップ緊張位置にあり、固定組立体500は、固定組立体の定位置にあり、顎部は、顎部の各定位置にあり、物体阻止体605は、物体阻止体の後退位置にあり、駆動輪810は、駆動輪の定位置にあり、ロッカーレバー910は、ロッカーレバーの定位置にあり、ゲート1010は、ゲートの定位置にある。
【0066】
オペレーターは、まず、ストラップ供給器(図示せず)からストラップSの先端を引っ張り、固定要素SEにストラップSの先端を通す。固定要素SEを保持しながら、オペレーターは、ストラップを荷物Lに巻き付け、ストラップSの先端をストラップSの別の部分の下に位置決めし、再度、固定要素SEにストラップSの先端を通す。その後、固定要素SEを、ストラップSの重複上下部分の周囲に位置決めする。次に、オペレーターは、ストラップSの先端を後方に屈曲させ、固定要素SEが屈曲部と接触するまで、ストラップSに沿って固定要素SEを摺動させる。
図15は、この点における屈曲部および固定要素SEの位置を示す。
【0067】
次に、オペレーターは、ロッカーレバー910をロッカーレバーの定位置からロッカーレバーの作動位置に引っ張り、その結果、緊張組立体400は、緊張組立体のストラップ緊張位置から緊張組立体のストラップ挿入位置に移動し、ゲート1010は、ゲートの定位置からゲートのストラップ挿入位置に移動し、これによって、ストラップ収容開口部を高さH
2まで拡大する。次に、オペレーターは、ストラップSの上部分が緊張輪440と支持体300の足部320のローラー380との間にあるように、ストラップSの上部分をストラップ収容開口部に固定要素SEの後方へ導入する。次に、オペレーターは、ストラップSを手動で引っ張って緩みをなくし、固定要素SEが、ゲート1010を係合させ、ストラップSの下部分における屈曲部とゲート1010との間に捕捉されるまで、ストラッピング工具50を固定要素SEの方へ押す。
図16Aに示すように、この点で、固定要素SEは、物体阻止体605の下にある。
【0068】
次に、オペレーターは、ロッカーレバー910を解放し、その結果、緊張組立体付勢要素は、緊張組立体400をストラップ緊張位置に戻って付勢することができる。これにより、緊張輪440は、ストラップSの上部分を係合させ、ローラー380に逆らってストラップSの上部分を挟む。この点で、ストラップSの下部分は、足部320の下にある。ストラップ緊張位置に戻る緊張組立体400の移動により、ゲート1010は、ゲートの定位置に戻り、この定位置では、ゲート1010が、ストラップの上部分と辛うじて接触する、或いはストラップの上部分の真上にある。
【0069】
次に、オペレーターは、入力デバイス(機械的押しボタン(図示せず)、または仮想ボタンを規定する表示組立体1200のタッチ画面の特定の領域であってもよい)を作動させて、ストラッピングサイクルを開始する。そのオペレーター入力の受信時に、制御器1300は、モーター710を制御してモーター出力軸を第1の回転方向に回転し始めることによって、緊張サイクルを開始し、その結果、緊張輪440は回転し始める。緊張輪440が回転する時に、緊張輪440は、ストラップSの上部分を引っ張り、これによって、荷物Lの周囲にストラップSを緊張させる。緊張サイクル全体にわたって、制御器1300は、モーター710によって引き込まれる電流を監視する。この電流が、このストラッピングサイクルに対して設定された事前設定緊張レベルと相関性がある事前設定値に達した場合、制御器1300は、モーター710を停止し、これによって、緊張サイクルを終了させる。事前設定緊張レベルを、工具50の入力デバイスを介してオペレーターによって設定してもよい。
【0070】
次に、制御器1300は、モーター710を制御してモーター出力軸を第2の回転方向に回転し始めることによって、固定サイクルを開始する。詳細に上述のように、これにより、固定組立体500は、固定組立体の固定位置に移動する。固定組立体500が固定組立体の固定位置に移動する時に、物体阻止体持上げ要素630は、物体阻止体605を解放し、物体阻止体の阻止位置の方へ移動する。
図16Bに示すように、物体阻止体605は、固定要素SEと接触し、押し込まれて、固定要素SEによって適所にとどまる。固定組立体の固定位置にあるとき、固定要素SEが、固定組立体500の固定要素収容空間内にあるように、固定組立体500を、固定要素SEに対して位置決めする。固定組立体500が固定組立体の固定位置に達した後、顎部は、(1)
図16Cに示すように、顎部の各定位置から顎部の各固定位置に枢動し、固定要素SEおよび固定要素SE内のストラップSの上下部分における切り込みを切断し、次に、(2)顎部の各固定位置から顎部の各定位置に戻って枢動し、ストラッピング工具50をストラップSから取り外すことができる。
図17は、切込み固定要素SEおよびストラップSを示す。
【0071】
固定組立体は、固定要素に切り込んでストラップの2つの部分をストラップ自体に取着するように構成されている顎部を含むけれども、固定組立体は、他の実施形態で他の固定機構(例えば、摩擦溶接組立体またはシールレス取着組立体)を含んでもよい。
【0072】
ストラッピング工具の他の実施形態は、図面に示す上述のストラッピング工具50に含まれる組立体よりも少ない組立体を含んでもよい。例えば、他のストラッピング工具は、変換組立体、物体阻止組立体およびゲート組立体の1つを含むことができる。更に、ストラッピング工具は、変換組立体、物体阻止組立体およびゲート組立体のうち2つを含んでもよい。換言すれば、ストラッピング工具50は、これらの組立体の3つを全て含むけれども、これらの組立体は、互いに無関係であり、他のストラッピング工具に無関係に含まれてもよい。
【0073】
様々な実施形態において、本開示のストラッピング工具は、支持体と、支持体に取り付けられ、緊張組立体ストラップ緊張位置と緊張組立体ストラップ挿入位置との間で支持体に対して移動可能な緊張組立体と、ゲート定位置とゲートストラップ挿入位置との間で支持体に対して移動可能なゲートとを含む。ゲートと支持体との間に規定されているストラップ収容開口部の高さは、ゲートがゲート定位置にあるとき、第1の高さであり、ゲートがゲートストラップ挿入位置にあるとき、第1の高さよりも高い第2の高さである。緊張組立体ストラップ緊張位置から緊張組立体ストラップ挿入位置への緊張組立体の移動により、ゲートがゲート定位置からゲートストラップ挿入位置に移動するように、緊張組立体は、ゲートに動作可能に接続されている。
【0074】
特定のこのような実施形態では、ゲートは支持体に取り付けられている。
【0075】
特定のこのような実施形態では、支持体はゲートの少なくとも一部を位置決めするゲート収容凹部を有している。
【0076】
特定のこのような実施形態では、ストラッピング工具は緊張組立体をゲートに動作可能に接続する1または複数の連結器を更に含む。
【0077】
特定のこのような実施形態では、1または複数の連結器は、第1の連結器、第2の連結器および第3の連結器を含む。第1の連結器は、緊張組立体に第1の端部で固定接続され、第2の連結器の第1の端部に第2の端部で枢動可能に接続されている。第2の連結器の第2の端部は、第3の連結器の第1の端部に枢動可能に接続されている。第3の連結器の第2の端部は、ゲートに固定接続されている。
【0078】
特定のこのような実施形態では、緊張組立体ストラップ緊張位置から緊張組立体ストラップ挿入位置に緊張組立体を移動させることにより、第2の連結器が回転し、これによって、ゲートを押し込み、ゲートストラップ挿入位置に移動する。
【0079】
特定のこのような実施形態では、緊張組立体は、緊張組立体ストラップ緊張位置と緊張組立体ストラップ挿入位置との間で支持体に対して枢動可能である。
【0080】
特定のこのような実施形態では、ゲートは、第1の高さを変更するために1または複数の連結器に対して再配置可能である。
【0081】
他の実施形態では、本開示のストラッピング工具は、支持体と、支持体に取り付けられている固定組立体であって、複数の顎部と顎部の間の物体阻止体とを含み、物体阻止体阻止位置と物体阻止体後退位置との間で顎部に対して移動可能な固定組立体と、固定組立体に動作可能に結合され、顎部を各顎部定位置から各顎部固定位置に枢動する駆動組立体とを含む。顎部は、顎部の間に固定要素収容空間を形成する。物体阻止体は、物体阻止体阻止位置にあるとき、固定要素収容空間内にある。物体阻止体は、物体阻止体後退位置にあるとき、固定要素収容空間から取り出されている。
【0082】
特定のこのような実施形態では、固定組立体は、物体阻止体を物体阻止体阻止位置に付勢する付勢要素を更に含む。
【0083】
特定のこのような実施形態では、物体阻止体は、付勢要素の少なくとも一部を収容する付勢要素収容開口部を有している。
【0084】
特定のこのような実施形態では、固定組立体は、付勢要素を付勢要素収容開口部に保持する付勢要素保持器を更に含む。
【0085】
特定のこのような実施形態では、物体阻止体が物体阻止体阻止位置にあり、顎部が顎部定位置から顎部固定位置に移動する場合、顎部のうち少なくとも1つは、物体阻止体を係合させ、物体阻止体を物体阻止体後退位置の方へ駆動する。
【0086】
特定のこのような実施形態では、固定組立体は物体阻止体に動作可能に接続され、持上げ要素定位置と持上げ要素持上げ位置との間で物体阻止体に対して移動可能な物体阻止体持上げ要素を更に含む。物体阻止体は、物体阻止体持上げ要素が持上げ要素持上げ位置にあるとき、物体阻止体後退位置にある。
【0087】
特定のこのような実施形態では、物体阻止体は、物体阻止体持上げ要素が持上げ要素定位置にあるとき、物体阻止体後退位置と物体阻止体阻止位置との間で移動可能である。
【0088】
特定のこのような実施形態では、固定組立体は、固定組立体定位置と固定組立体固定位置との間で支持体に対して移動可能である。物体阻止体持上げ要素は、固定組立体が固定組立体定位置にあるとき、持上げ要素持上げ位置にある。物体阻止体持上げ要素は、固定組立体が固定組立体固定位置にあるとき、持上げ要素定位置に付勢されている。
【0089】
特定のこのような実施形態では、固定組立体は、物体阻止体を物体阻止体阻止位置に付勢し、物体阻止体持上げ要素を持上げ要素定位置に付勢する付勢要素を更に含む。
【0090】
特定のこのような実施形態では、固定組立体は、固定組立体取り付け要素によって支持体に取り付けられている。固定組立体は、唇部を含むカバーを含む。物体阻止体持上げ要素は、排動面を含む。物体阻止体持上げ要素を唇部と固定組立体取り付け要素との間に抑制するように、排動面は唇部を係合させる。
【0091】
特定のこのような実施形態では、固定組立体は中心顎部コネクタを更に含む。顎部は、第1の対の顎部および第2の対の顎部を含む。第1と第2の対の顎部の顎部は、中心顎部コネクタに枢動可能に取り付けられている。中心顎部コネクタは、第1の対の顎部と第2の対の顎部との間に位置決めされている。
【0092】
特定のこのような実施形態では、物体阻止体は中心顎部コネクタに移動可能に取り付けられている。
【0093】
本開示のストラッピング工具の他の実施形態は、支持体と、支持体に取り付けられ、固定組立体定位置と固定組立体固定位置との間で支持体に対して移動可能な固定組立体であって、各顎部定位置から各顎部固定位置に枢動可能な複数の顎部を含む固定組立体と、固定組立体に動作可能に接続され、固定組立体定位置と固定組立体固定位置との間で固定組立体を移動させるように構成され、顎部定位置と顎部固定位置との間で顎部を移動させるように構成されている連結器を含む変換組立体であって、固定組立体定位置および固定組立体固定位置から固定組立体を移動させながら、連結器の有効長を変更するように構成されている変換組立体と、変換組立体に動作可能に接続され、連結器を駆動するように構成されている駆動組立体とを含む。
【0094】
特定のこのような実施形態では、変換組立体は、駆動輪の回転軸から半径方向に離れている駆動軸を含む駆動輪を更に含む。駆動組立体は、駆動輪に動作可能に接続され、駆動輪を回転させるように構成されている。連結器は、駆動軸に取り付けられている。
【0095】
特定のこのような実施形態では、変換組立体は、駆動軸に取り付けられ、駆動軸に対して回転可能な連結器取付け具を更に含む。連結器は、連結器取付け具に取り付けられ、連結器取付け具に対して回転可能である。
【0096】
特定のこのような実施形態では、連結器の有効長は、連結器取付け具が連結器に対して第1の回転位置にあるとき、最小有効長であり、連結器取付け具が連結器に対して第2の異なる回転位置にあるとき、最大有効長である。
【0097】
特定のこのような実施形態では、連結器取付け具は、第1と第2の指部を更に含む。変換組立体は、駆動輪に対して固定されている有効長変更デバイスと、連結器と、連結器取付け具とを更に含む。有効長変更デバイスは、第1と第2の固定指部を含む。
【0098】
特定のこのような実施形態では、有効長変更デバイスは支持体に取り付けられている。
【0099】
特定のこのような実施形態では、駆動輪定位置から駆動輪固定位置への駆動輪の回転中に、第2の指部が第2の固定指部を係合させ、連結器取付け具が連結器に対して回転し、連結器の有効長を増加するように、第1と第2の固定指部は位置決めされている。
【0100】
特定のこのような実施形態では、駆動輪固定位置から駆動輪定位置への駆動輪の回転中に、第1の指部が第1の固定指部を係合させ、連結器取付け具が連結器に対して回転し、連結器の有効長を減少するように、第1と第2の固定指部は位置決めされている。
【0101】
特定のこのような実施形態では、連結器の有効長が最小有効長である場合、固定組立体は固定組立体定位置にあり、顎部は顎部定位置にある。
【0102】
特定のこのような実施形態では、連結器の有効長が最大有効長である場合、固定組立体は固定組立体固定位置にあり、顎部は顎部固定位置にある。
本発明の態様の一部を以下記載する。
[態様1]
支持体と、
前記支持体に取り付けられ、緊張組立体ストラップ緊張位置と緊張組立体ストラップ挿入位置との間で前記支持体に対して移動可能な緊張組立体と、
ゲート定位置とゲートストラップ挿入位置との間で前記支持体に対して移動可能なゲートであって、前記ゲートと前記支持体との間に規定されているストラップ収容開口部の高さは、前記ゲートが前記ゲート定位置にあるとき、第1の高さであり、前記ゲートが前記ゲートストラップ挿入位置にあるとき、前記第1の高さよりも高い第2の高さであるゲートとを具備し、
前記緊張組立体ストラップ緊張位置から前記緊張組立体ストラップ挿入位置への前記緊張組立体の移動により、前記ゲートが前記ゲート定位置から前記ゲートストラップ挿入位置に移動するように、前記緊張組立体が前記ゲートに動作可能に接続されているストラッピング工具。
[態様2]
前記ゲートは前記支持体に取り付けられている態様1に記載のストラッピング工具。
[態様3]
前記支持体は、前記ゲートの少なくとも一部を位置決めするゲート収容凹部を有している態様1に記載のストラッピング工具。
[態様4]
前記緊張組立体を前記ゲートに動作可能に接続する1または複数の連結器を更に含む態様1に記載のストラッピング工具。
[態様5]
前記1または複数の連結器は、第1の連結器、第2の連結器および第3の連結器を含み、前記第1の連結器は、前記緊張組立体に第1の端部で固定接続され、前記第2の連結器の第1の端部に第2の端部で枢動可能に接続されており、前記第2の連結器の第2の端部は、前記第3の連結器の第1の端部に枢動可能に接続されており、前記第3の連結器の第2の端部は、前記ゲートに固定接続されている態様4に記載のストラッピング工具。
[態様6]
前記緊張組立体ストラップ緊張位置から前記緊張組立体ストラップ挿入位置に前記緊張組立体を移動させることにより、前記第2の連結器が回転し、これによって、前記ゲートを押し込み、前記ゲートストラップ挿入位置に移動する態様5に記載のストラッピング工具。
[態様7]
前記緊張組立体は、前記緊張組立体ストラップ緊張位置と前記緊張組立体ストラップ挿入位置との間で前記支持体に対して枢動可能である態様6に記載のストラッピング工具。
[態様8]
前記ゲートは、前記第1の高さを変更するために前記1または複数の連結器に対して再配置可能である態様4に記載のストラッピング工具。
[態様9]
支持体と、
前記支持体に取り付けられている固定組立体であって、複数の顎部と前記顎部の間の物体阻止体とを含み、物体阻止体阻止位置と物体阻止体後退位置との間で前記顎部に対して移動可能な固定組立体と、
前記固定組立体に動作可能に結合され、前記顎部を各顎部定位置から各顎部固定位置に枢動する駆動組立体とを具備し、
前記顎部は、前記顎部の間に固定要素収容空間を有しており、
前記物体阻止体は、前記物体阻止体阻止位置にあるとき、前記固定要素収容空間内にあり、
前記物体阻止体は、前記物体阻止体後退位置にあるとき、前記固定要素収容空間から取り出されているストラッピング工具。
[態様10]
前記固定組立体は、前記物体阻止体を前記物体阻止体阻止位置に付勢する付勢要素を更に含む態様9に記載のストラッピング工具。
[態様11]
前記物体阻止体は、前記付勢要素の少なくとも一部を収容する付勢要素収容開口部を有している態様10に記載のストラッピング工具。
[態様12]
前記固定組立体は、前記付勢要素を前記付勢要素収容開口部に保持する付勢要素保持器を更に含む態様11に記載のストラッピング工具。
[態様13]
前記物体阻止体が前記物体阻止体阻止位置にあり、前記顎部が前記顎部定位置から前記顎部固定位置に移動する場合、少なくとも1つの前記顎部が前記物体阻止体を係合させ、前記物体阻止体を前記物体阻止体後退位置の方へ駆動する態様9に記載のストラッピング工具。
[態様14]
前記固定組立体は、前記物体阻止体に動作可能に接続され、持上げ要素定位置と持上げ要素持上げ位置との間で前記物体阻止体に対して移動可能な物体阻止体持上げ要素を更に含み、前記物体阻止体は、前記物体阻止体持上げ要素が前記持上げ要素持上げ位置にあるとき、前記物体阻止体後退位置にある態様9に記載のストラッピング工具。
[態様15]
前記物体阻止体は、前記物体阻止体持上げ要素が前記持上げ要素定位置にあるとき、前記物体阻止体後退位置と前記物体阻止体阻止位置との間で移動可能である態様14に記載のストラッピング工具。
[態様16]
前記固定組立体は、固定組立体定位置と固定組立体固定位置との間で前記支持体に対して移動可能であり、前記物体阻止体持上げ要素は、前記固定組立体が前記固定組立体定位置にあるとき、前記持上げ要素持上げ位置にあり、前記物体阻止体持上げ要素は、前記固定組立体が前記固定組立体固定位置にあるとき、前記持上げ要素定位置に付勢されている態様15に記載のストラッピング工具。
[態様17]
前記固定組立体は、前記物体阻止体を前記物体阻止体阻止位置に付勢し、前記物体阻止体持上げ要素を前記持上げ要素定位置に付勢する付勢要素を更に含む態様16に記載のストラッピング工具。
[態様18]
前記固定組立体は、固定組立体取り付け要素によって前記支持体に取り付けられており、前記固定組立体は、唇部を含むカバーを含み、前記物体阻止体持上げ要素は、排動面を含み、前記物体阻止体持上げ要素を前記唇部と前記固定組立体取り付け要素との間に抑制するように、前記排動面は前記唇部を係合させる態様16に記載のストラッピング工具。
[態様19]
前記固定組立体は、中心顎部コネクタを更に含み、前記顎部は、第1の対の顎部および第2の対の顎部を含み、前記第1と第2の対の顎部の前記顎部は、前記中心顎部コネクタに枢動可能に取り付けられており、前記中心顎部コネクタは、前記第1の対の顎部と前記第2の対の顎部との間に位置決めされている態様9に記載のストラッピング工具。
[態様20]
前記物体阻止体は、前記中心顎部コネクタに移動可能に取り付けられている態様19に記載のストラッピング工具。
[態様21]
支持体と、
前記支持体に取り付けられ、固定組立体定位置と固定組立体固定位置との間で前記支持体に対して移動可能な固定組立体であって、各顎部定位置から各顎部固定位置に枢動可能な複数の顎部を含む固定組立体と、
前記固定組立体に動作可能に接続され、前記固定組立体定位置と前記固定組立体固定位置との間で前記固定組立体を移動させるように構成され、前記顎部定位置と前記顎部固定位置との間で前記顎部を移動させるように構成されている連結器を含む変換組立体であって、前記固定組立体定位置、および、前記固定組立体固定位置から前記固定組立体を移動させながら、前記連結器の有効長を変更する変換組立体と、
前記変換組立体に動作可能に接続され、前記連結器を駆動する駆動組立体とを具備するストラッピング工具。
[態様22]
前記変換組立体は、駆動輪の回転軸から半径方向に離れている駆動軸を含む駆動輪を更に含み、前記駆動組立体は、前記駆動輪に動作可能に接続され、前記駆動輪を回転させるように構成されており、前記連結器は、前記駆動軸に取り付けられている態様21に記載のストラッピング工具。
[態様23]
前記変換組立体は、前記駆動軸に取り付けられ、前記駆動軸に対して回転可能な連結器取付け具を更に含み、前記連結器は、前記連結器取付け具に取り付けられ、前記連結器取付け具に対して回転可能である態様22に記載のストラッピング工具。
[態様24]
前記連結器の前記有効長は、前記連結器取付け具が前記連結器に対して第1の回転位置にあるとき、最小有効長であり、前記連結器取付け具が前記連結器に対して第2の異なる回転位置にあるとき、最大有効長である態様23に記載のストラッピング工具。
[態様25]
前記連結器取付け具は第1と第2の指部を更に含み、前記変換組立体は、前記駆動輪に対して固定されている有効長変更デバイスと、前記連結器と、前記連結器取付け具とを更に含み、前記有効長変更デバイスは第1と第2の固定指部を含む態様24に記載のストラッピング工具。
[態様26]
前記有効長変更デバイスは前記支持体に取り付けられている態様25に記載のストラッピング工具。
[態様27]
駆動輪定位置から駆動輪固定位置への前記駆動輪の回転中に、前記第2の指部が前記第2の固定指部を係合させ、前記連結器取付け具が前記連結器に対して回転し、前記連結器の前記有効長を増加するように、前記第1と第2の固定指部は位置決めされている態様25に記載のストラッピング工具。
[態様28]
前記駆動輪固定位置から前記駆動輪定位置への前記駆動輪の回転中に、前記第1の指部が前記第1の固定指部を係合させ、前記連結器取付け具が前記連結器に対して回転し、前記連結器の前記有効長を減少するように、前記第1と第2の固定指部は位置決めされている態様24に記載のストラッピング工具。
[態様29]
前記連結器の前記有効長が前記最小有効長である場合、前記固定組立体は前記固定組立体定位置にあり、前記顎部は前記顎部定位置にある態様24に記載のストラッピング工具。
[態様30]
前記連結器の前記有効長が前記最大有効長である場合、前記固定組立体は前記固定組立体固定位置にあり、前記顎部は前記顎部固定位置にある態様29に記載のストラッピング工具。
【符号の説明】
【0103】
50 ストラッピング工具
110 前ハウジング部
120 後ハウジング部
130 コネクタハウジング部
140 固定ハンドル
200 作業組立体
280 ローラー
300 支持体
310 本体
320 足部
330 緊張組立体取り付け要素
340 駆動、変換組立体取り付け要素
350 ゲート収容凹部
372a 舌部
372b 舌部
374a 舌部
374b 舌部
380 ローラー
390a 要素
390b 要素
400 緊張組立体
410 緊張組立体ハウジング
440 緊張輪
500 固定組立体
502 前カバー
506 後カバー
506 唇部
506a ベース
506b 翼部
506c 翼部
506d 唇部
512 コネクタ
514 コネクタ
516 コネクタ
518 コネクタ
520 顎部組立体
522 結合器
524 枢動ピン
526 第1の上連結器
528 第2の上連結器
530 第1の内顎部
530a 下歯
530b 上歯
534 第2の内顎部
534a 下歯
534b 上歯
538 第1の外顎部
538a 下歯
538b 上歯
542 第2の外顎部
542a 下歯
542b 上歯
546 内顎部コネクタ
550 中心顎部コネクタ
552 本体
554 首部
556 枢動ピン
558 枢動ピン
566 外顎部コネクタ
600 物体阻止組立体
605 物体阻止体
610 第1の物体阻止体部分
612 本体
612a 円筒付勢要素収容孔
612b 円筒付勢要素収容孔
612c 湾曲物体係合面
612d スロット
612e スロット
614 嵌合突起
616a 歯係合ピン
616b 歯係合ピン
620 第2の物体阻止体部分
622 本体
622a 円筒付勢要素収容孔
622b 円筒付勢要素収容孔
622c 湾曲物体係合面
622d スロット
622e スロット
624 嵌合突起
626a 歯係合ピン
626b 歯係合ピン
630 物体阻止体持上げ要素
632a 第1の端部
632b 第2の端部
632c 排動面
640 持上げ要素取り付けピン
650 物体阻止体締結具
660 物体阻止体取り付けピン
670 付勢要素
670a 付勢要素
670b 付勢要素
670c 付勢要素
670d 付勢要素
680 付勢要素保持器
690 締結具
700 駆動組立体
710 モーター
720 第1の伝達装置
730 第2の伝達装置
740 第1のベルト
750 第3の伝達装置
760 第2のベルト
800 変換組立体
810 駆動輪
812 円筒ベース
814 円盤状ヘッド
815 軸受
816 連結器駆動軸
820 管状軸
830 連結器取付け具
832 円盤状ベース
832a 第1の指部
834 円盤状ヘッド
834a 第2の指部
835 保持リング
840 変換組立体連結器
842 本体
844 環状ヘッド
844a タブ
846 足部
850 有効長変更デバイス
852 ブラケット
854 第2の固定指部
856 第1の固定指部
856a 第1の固定指部
900 ロッカーレバー組立体
910 ロッカーレバー
920 バネクラッチ組立体
1000 ゲート組立体
1010 ゲート
1012 連結器
1014 連結器
1016 連結器
1100 第2のハンドル組立体
1150 枢動組立体
1200 表示組立体
1300 制御器
1400 電力供給器