(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】送込み部保護装置
(51)【国際特許分類】
B02C 4/28 20060101AFI20240104BHJP
【FI】
B02C4/28 A
(21)【出願番号】P 2021565934
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(86)【国際出願番号】 EP2020060845
(87)【国際公開番号】W WO2020224933
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-11-05
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501003320
【氏名又は名称】ビューラー・アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Buehler AG
【住所又は居所原語表記】Gupfenstrasse 5, CH-9240 Uzwil, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】トーマス フェアスニク
【審査官】高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202015101947(DE,U1)
【文献】英国特許出願公告第01008065(GB,A)
【文献】中国特許出願公開第104190496(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第102671737(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105057069(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 1/00 - 7/18
15/00 - 17/24
9/00 - 11/08
19/00 - 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロールミル用の送込み部保護装置であって、前記ロールミルは、ハウジング(9)と、複数の平行な回転ロール(7)とを備えており、互いに平行に配置された回転軸線(71)を中心として回転し、かつ調節可能なロール間隔をおいて互いに配置された前記回転ロール(7)のうちの2つの回転ロール(7)の間に、供給開口としての製品送込み部(8)が形成されており、前記送込み部保護装置は、
前記製品送込み部(8)を形成する前記回転ロール(7)に対して平行に配置され、かつ前記製品送込み部(8)の長さにわたって延在する、2つの棒材(3)を有しており、前記2つの棒材(3)は、前記回転ロール(7)の送込み方向で、前記製品送込み部(8)を形成している前記回転ロール(7)の上流側に位置していて、
前記2つの棒材(3)の間のギャップ(s)には、少なくとも1つの垂直な貫通開口が形成されており、
前記2つの棒材(3)の各々と前記回転ロール(7)との間にはスペース(d)が形成されており、さらに
前記送込み部保護装置は、前記送込み部保護装置を、前記ロールミルの前記ハウジング(9)に固定するためのホルダ(4)を有しており、
前記2つの棒材(3)は、ロッドアッセンブリ(1)によって前記ホルダ(4)に接続されており、
前記2つの棒材(3)は、前記ロッドアッセンブリ(1)と前記ホルダ(4)とによって、上方から前記製品送込み部(8)内へと導入されて、当該製品送込み部(8)に取り付けられている、
ロールミル用の送込み部保護装置。
【請求項2】
前記棒材(3)は長方形の横断面を有している、請求項1記載のロールミル用の送込み部保護装置。
【請求項3】
前記スペース(d)は調節可能である、請求項1または2記載のロールミル用の送込み部保護装置。
【請求項4】
前記送込み部保護装置は、前記回転ロール(7)および/または前記棒材(3)のクリーニングのために、かつ/または前記回転ロール(7)上での製品の分配のために、取外し可能なスパチュラ(2)をさらに備え、
前記スパチュラ(2)は、前記ギャップ(s)を
上下方向に貫通する幅狭部分と、該幅狭部分に接続していて、前記2つの棒材(3)の
上側及び下側に位置し、かつ、前記ギャップ(s)よりも大きい幅を有する幅広部分とを有しており、前記スパチュラ(2)が、前記ギャップ(s)に取り外し可能に配置されている、
請求項1から3までのいずれか1項記載のロールミル用の送込み部保護装置。
【請求項5】
前記送込み部保護装置は、ステンレス金属から形成されており、かつ
前記送込み部保護装置は、前記送込み部保護装置に製品が付着するのを阻止するために、コーティングされているまたは研磨されている、
請求項1から4までのいずれか1項記載のロールミル用の送込み部保護装置。
【請求項6】
前記回転軸線(71)
方向に見た場合に、前記ロッドアッセンブリ(1)と前記ホルダ(4)
を通る水平面との間に、90°
未満の角度が形成されている、
請求項1から5までのいずれか1項記載のロールミル用の送込み部保護装置。
【請求項7】
前記送込み部保護装置は、前記送込み部保護装置が正しく配置されていない場合に、または前記送込み部保護装置が設けられていない場合に、前記ロールミルを停止させるための磁気スイッチ(41)をさらに備える、請求項1から6までのいずれか1項記載のロールミル用の送込み部保護装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項記載の送込み部保護装置を備えたロールミル。
【請求項9】
前記ロールミルは2つの制御エレメントを備えており、該2つの制御エレメントは、同時に操作されたときに、前記ロールミルの回転速度を減速させるように構成されており、前記2つの制御エレメントは、片手では同時に操作することができないように、互いに離間されている、請求項8記載のロールミル。
【請求項10】
請求項1から7までのいずれか1項記載の送込み部保護装置を、ロールミルに組み込む方法であって、当該方法は、
ロールミルを設けるステップ、
前記製品送込み部(8)の上方に、前記送込み部保護装置を導入するステップ、
高さ調節装置(6)によって前記スペース(d)を調節するステップ、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の回転ロールを備えたロールミル、特に3本ロールミル用の送込み部保護装置に関する。
【0002】
3本ロールミルは、様々な使用分野に適している。ミルは、中粘度から高粘度の材料を処理するために設計されている。あらゆる種類の印刷用インキまたはプリンタのカラーインク、芸術家、産業、および建築物用の塗料、トナーのみならずコーティング用の材料、油脂類、電子産業および化粧品産業用の製品を製造するために、3本ロールミルを使用することができる。ロールミルの作動中、物質または物質の混合物は、供給され、2つの回転ロールの間で分散され、これらのロールの間にはギャップが形成される。最終製品は、製品出口側で、例えばドクターブレードによって、ロールから除去され、排出される。
【0003】
原則として、ロールミルも、作動中またはクリーニング中の操作上の安全性を保証するために、様々な安全機構を備える。例えば、必要時に機械を迅速に停止させることができるように、ハウジングに、1つ以上の緊急スイッチを設けることができる。これは、例えば、動的なブレーキシステムを有するACコンバータによって実現することができる。さらに、機械を完全に閉鎖するカバーを設けることができ、これにより、オペレータが機械で怪我をすることが、または異物が製品送込み部に侵入することが阻止される。
【0004】
例えば、従来技術には、ロールの供給開口の上方に取り付けられている安全カバーが開示されている。しかしながら、安全カバーが閉じられているときは、製品を供給または分配することは、さらには空運転状態を認識することは困難であり、不可能でさえある。したがって、製品を供給し、ロールの幅全体にわたって分配することができるようにするために、作業は、開放されているロールによって行われる。しかしながら、この場合、ロール間に異物または人体の一部が入ってしまうリスクがある。したがって、本発明の課題は、オペレータと装置とを保護するために、改善された操作上の安全性を保証することである。
【0005】
この課題は、独立請求項1による送込み部保護装置により達成される。従属請求項には、好適な実施例が記載されている。
【0006】
特に、本発明は、ロールミル用の送込み部保護装置を有していて、このロールミルは、ハウジングと、複数の平行な回転ロールとを備えており、この場合、互いに平行に配置された回転軸線を中心として回転し、かつ互いに対して調節可能なロール間隔で配置されたロールのうちの2つによって製品送込み部が形成されている。送込み部保護装置は、製品送込み部を形成するロールと平行に配置されていて、製品送込み部の長さにわたって延在するプロフィール(外郭)を備える。回転ロールの送込み方向で、このプロフィールは、製品送込み部を形成するロールの上流側に位置している。プロフィールには、少なくとも1つの垂直な貫通開口が形成されている。プロフィールとロールとの間にはスペースが形成されている。送込み部保護装置は、送込み部保護装置を、ロールミルのハウジングに固定するためのホルダをさらに有している。
【0007】
送込み部保護装置は、製品送込み部を形成するロールと平行に配置された2つの棒材をさらに有していてよく、回転ロールの送込み方向で、これらの棒材は、製品送込み部を形成するロールの上流側にある。棒材の間にはギャップを設けることができる。さらに、棒材とロールとの間にはスペースを形成することができる。
【0008】
棒材は、好適には、長方形の横断面を有している。棒材とロールとの間のスペースは調節可能であり得る。送込み部保護装置は、ロールおよび/または棒材のクリーニングのために、かつ/またはロール上に製品を分配するために、取外し可能なスパチュラ(へら)をさらに備える。スパチュラは好適には、棒材の間のギャップに配置することができるように構成されている。
【0009】
送込み部保護装置は、好適には、ステンレス金属から形成されている。さらには、製品が送込み部保護装置に付着するのを阻止するために、送込み部保護装置をコーティングまたは研磨することができる。棒材を、ロッドアッセンブリによって、ホルダに接続することができる。好適には、ロッドアッセンブリとホルダとの間の角度は、90°以下である。送込み部保護装置は、送込み部保護装置が正しく配置されていない、または送込み部保護装置自体が配置されていない場合に、ロールミルを停止させるための装置をさらに備えることができる。ロールミルを停止させるための装置は、磁気スイッチとして構成されていてよい。
【0010】
本発明はさらに、本発明による送込み部保護装置を備えたロールミルを含む。ロールミルは、同時に操作されたときに、ロールミルの回転速度を減速させるエンプティ運転モードを開始するための2つのボタンをさらに備えていてよい。これらのボタンは、好適には、片手では同時に操作することができないように、互いに離間されている。
【0011】
本発明はさらに、本発明による送込み部保護装置を、ロールミルに組み込む方法を含む。この目的で、ロールミルを設け、送込み部保護装置をホルダによってロールミルに取り付け、ロールと棒材との間のスペースを、高さ調節装置によって調節する。
【0012】
本発明を、図面につきさらに詳しく説明する。図面において、同じ参照符号は、同じまたは類似のエレメントに関して用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例による送込み部保護装置を備えたロールミルの断面図である。
【
図4】本発明による送込み部保護装置を備えたロールミルの側面図である。
【
図5】本発明による送込み部保護装置を備えたロールミルの正面図である。
【0014】
図1には、本発明の実施例によるロールミルの部分側面図が示されている。明瞭にする目的で、2つのロール7しか示されていないが、用途に応じて3つ以上のロールを設けることができる。このロールミルは、ハウジング9と、回転軸線71を中心としてそれぞれ回転するロール7とを備えており、これらのロールの間の間隔は調節することができる。さらに、2つのロール7の間に形成された供給開口または製品送込み部8が設けられていて、この供給開口から出発物質または物質の混合物がロール7に供給され、これらのロールの間でばらばらに分散される。この目的で、隣接するロール7は、逆回転式に作動されて、原則として上方から装入されるようになっている。製品送込み部8はさらに、例えば漏斗形状の装置のような、ロール7間に製品を案内するための手段も有していてよい。
【0015】
例えば、油脂類または高粘度物質を分散させる場合、これらはロールミルの側壁に付着する場合があるので、オペレータの介入が必要になる。したがって、本発明によれば、開放型機械で作業する場合に、可能な限り高い安全性を保証する送込み部保護装置が提供される。これにより、作動中、容易に、スパチュラ(へら)を使用してロール7上に製品を分配することができる、またはさらに製品を追加することができる、またはオペレータを危険にさらすことなく空運転状態を検出することができる。
【0016】
送込み部保護装置は、製品送込み部8を形成するロール7と平行に配置されていて、製品送込み部8の長さにわたって延在するプロフィール(外郭)を備える。回転ロール7の送込み方向で、このプロフィールは、製品送込み部8を形成するロール7の上流側に位置している。このプロフィールには、少なくとも1つの垂直な貫通開口が形成されている。プロフィールとロール7との間にはスペース(隙間)dが形成されている。送込み部保護装置は、送込み部保護装置を、ロールミルのハウジング9に固定するためのホルダ4をさらに有している。
【0017】
複数の離間した貫通開口がプロフィールに設けられていてもよい。これらの貫通開口により、
図2を参照して以下に説明するような、製品の流れまたは製品の循環が可能とされ得る。貫通開口は、例えば、スリットとしてまたは穴として形成することができるが、別の形状も適している場合がある。好適には、このプロフィールは、製品送込み部8の長さ全体にわたって延在しているが、それより短くてもよい。
【0018】
図1に例として示した好適な実施例によれば、送込み部保護装置は、製品送込み部8を形成するロール7に平行に配置され、送込み方向で、ロール7の上流側にある2つの棒材3を有している。換言すると、貫通開口は、送込み部保護装置のプロフィールの長さ全体にわたって延在している。以下では、および図面では、この実施例を参照する。棒材3の間にはギャップsが設けられている。ギャップsは、好適には、人間の指または物体がロール7の間に入り込むのを阻止するために十分小さく、製品供給を可能にするためには十分広い。
【0019】
プロフィールまたは棒材3は、製品送込み部8の側壁側で、ハウジング9に直接取り付けられていてよく、またはロッドアッセンブリ1とホルダ4とによって、上方から製品送込み部8内へと導入されて、製品送込み部8に取り付けられてもよい。したがって、プロフィールまたは棒材3と各ロール7との間には、
図2に示したように、スペースdが形成されている。好適には、このスペースdは、高さ調節装置6によって調節することができる。高さ調節装置6は例えば、回転されると送込み部保護装置全体を上下に動かす回転ハンドル5によって、またはスペーサディスクによって、調節することができる。したがって、スペースdを通してロール7へと製品を供給することも可能となる。スペースdは、好適には3~10mm、好適には4~6mm、特に好適には5mmである。
【0020】
製品の充填を監視するために、ロール7の間のギャップの上方または製品送込み部8の上方に、レベル測定器を設けることができる。レベル測定器は、例えば、超音波測定器として構成されてよい。測定器が、製品送込み部8の上方に垂直に配置される場合には、レベル測定器と干渉することがないように、ロッドアッセンブリ1が、ホルダ4に対して角度的にずらされて配置されることが適切であり得る。したがって、好適には、ロッドアッセンブリ1とホルダ4との間の角度および/またはロッドアッセンブリ1とホルダ4を通る水平面との間の角度は、90°未満である。
【0021】
図2は、
図1の区分Dの詳細図を示す。ここでは、
図2は、平行に配置された2つの棒材3を備える実施例を示しており、これらの棒材の間にはギャップsが形成されている。しかしながらこの説明は、1つだけのプロフィールを備えた送込み部保護装置にも同様に適用可能である。作動中、製品は、ロール7の回転によりスペースdを通って供給される。次いで、製品は、送込み部保護装置の貫通開口またはギャップsを通って上方に出ていくことができ、プロフィールまたは棒材3の上を通って、スペースdの方向へと滑ることができ、今度はロール7へと供給される。製品送込み部に面していないプロフィールまたは棒材3の上面は、換言すると好適には凸状であってまたは上向きに先細りしていて、これによりギャップsまたは貫通開口を通って出る製品は、滑り落ちて、ロール7へと供給され得る。特に、好適には、上面には水平面が形成されていないので、そこに製品は付着しないまたは保持されない。したがって、製品は、送込み部保護装置の周りを循環する。棒材3の長方形のプロフィールは、製品付着の観点から最良の結果をもたらすことがわかった。すなわち、平坦なプロフィールと比較すると長方形のプロフィールに付着する製品は明らかに少ない。特に、長方形のプロフィールの1つの頂点(角部)が、製品送込み部8の方向を指し、また1つの頂点が、上方とは反対方向を指すと好適である。これにより上面には、屋根型の構造が形成される。さらに、製品が循環する場合、底部から高い圧力が、送込み部保護装置へと加えられて、送込み部保護装置が変形することがある。したがって、好適には、送込み部保護装置の長さ全体にわたって、逃がし開口が形成される。換言すると、プロフィールは、2つ以上の部品から形成されている。円形のプロフィールも良好な特性を示し、殆ど付着しなかったが、円形のプロフィールをクリーニングするのはより困難であるため、あまり好ましくない。棒材3は、好適には、ステンレス鋼から形成されている。ステンレス鋼は、製品の付着をさらに低減するために、ガラスブラストされてよく、かつ研磨されてよい。
【0022】
プロフィールが、ギャップsを形成する2つの部分として構成されている場合には、送込み部保護装置はさらに、ギャップsに取外し可能に配置されるスパチュラ2を有していてよい。スパチュラ2の形状は、好適には、ギャップsに、および棒材3の形状に適合されている。したがって、スパチュラを、通常運転中に、またはクリーニング運転中に使用することができ、これにより製品送込み部8において製品を均一に分配すること、または送込み部保護装置をクリーニングするために、ロール7および棒材3から製品を除去することができる。
【0023】
図2には、ギャップsに配置された、棒材3および/またはロール7をクリーニングするための取外し可能なスパチュラ2も示されている。
【0024】
図3は、2つの部分プロフィールを有した実施例による、取り外された送込み部保護装置の斜視図を示す。送込み部保護装置が取り付けられた状態でのみ、ロールミルが作動することを保証する安全機構41を片側に設けることができる。安全機構41は、例えば、対応するカウンタ部材をハウジング9に有していてよく、磁気スイッチとして構成されていてよい。これにより、ロール7は、送込み部保護装置が取り付けられた状態でのみ回転することができ、運転中、送込み部保護装置が取り外されると停止させられる。
【0025】
図4は、上述したように、送込み部保護装置が取り付けられた状態のロールミルを示す斜視図である。
【0026】
図5は、取り付けられた送込み部保護装置を備えたロールミルを示す正面図である。この図では、プロフィールまたは棒材3は、製品送込み部8の長さ全体にわたって延在している。製品送込み部8の横方向制限壁は、ロール7間のスペースを楔状に制限するので、楔とも呼ばれる。好適には、ロッドアッセンブリ1は、ロールミルの作動中、安定性を保証するために、ホルダ4とプロフィールまたは棒材3との間の2つの接続棒として構成されている。スパチュラを使用して、製品送込み部8の幅全体にわたって、製品を分配することができるように、製品送込み部8とロッドアッセンブリ1との間に、またはロッドアッセンブリ1とロッドアッセンブリ1との間に、またはロッドアッセンブリ1と製品送込み部8との間に形成されるスペースb
1、b
2、およびb
3は、好適には同じサイズを有している。スペースb
1、b
2、およびb
3のサイズは、機械サイズに依存する。しかしながら特に、スペースb
1およびb
3は、オペレータが側方で、スパチュラを使用して製品を容易に分配することができるように構成されている。
【0027】
ロールミルはさらに、製品の残留物を除去し機械を空にするために、ロール7が減速された回転速度で作動させられる、エンプティ運転モードを有していてよい。回転速度は、例えば、300~400rpmであり得る。さらに、機械は、製品送込み部8の上方に送込み部保護装置を懸吊するためのホルダ4を有していてよい。懸吊された後、送込み部保護装置は、好適には、オペレータが、送込み部保護装置に容易に近付くことができるように、作動中よりも高いところに配置される。これにより、オペレータは、スパチュラを使用して、送込み部保護装置から製品の残留物を容易に除去し、クリーニングすることができる。落下した製品残留物またはロール7にまだ付着している製品を、次いで、エンプティ運転モードを利用して機械から除去することができる。エンプティ運転モードを実行するためには、同時に操作されなければならない2つのボタン(図示せず)が、ハウジングに、ロールミルの前面で設けられていてよい。これらのボタンは、好適には、片手では操作することができないように、互いに離間されている。このようにして、オペレータの指が回転ロール7内に入り込むのを阻止することもできる。
【0028】
本発明はさらに、送込み部保護装置を、ロールミルに組み込む方法を含む。この目的で、送込み部保護装置がロールミル内に導入される。好適には、送込み部保護装置は、製品送込み部8内に、すなわちロール7の上方に、特に、製品送込み部を形成するロールの上方に導入される。ロール7と棒材3との間のスペースdは、高さ調節装置6によって調節することができる。
【0029】
本発明によれば、このようにして、作動中の安全性を改善することができ、オペレーションを単純にすることができる。特に、オペレータが怪我をするリスク、または機械が損傷するリスクなしに、開放型機械に対して作業することができる。したがって、製品を追加すること、または製品が側壁に付着している場合には、製品をロール上に均一に分配するためにスパチュラを使用して、製品を側壁から除去することがより簡単に可能となり、空運転状態をより簡単に認識することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 ロッドアッセンブリ
2 スパチュラ
3 棒材
4 ホルダ
41 安全機構
5 ハンドル
6 高さ調節装置
7 ロール
71 回転軸線
8 製品送込み部
9 ハウジング
b1~b3 ロッドアッセンブリのスペース
d スペース
s ギャップ