(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】タッチセンシング機能を有する表示パネルを駆動するドライバ回路
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20240104BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
G09G3/20 612G
G06F3/041 410
G06F3/041 510
G09G3/20 691D
G09G3/20 621A
G09G3/20 611C
G09G3/20 670L
G09G3/20 612E
G09G3/20 621L
G09G3/20 612D
G09G3/20 611F
G09G3/20 622D
G09G3/20 622G
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022018723
(22)【出願日】2022-02-09
【審査請求日】2022-02-09
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506084058
【氏名又は名称】奇景光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100093997
【氏名又は名称】田中 秀佳
(72)【発明者】
【氏名】張 倍耀
(72)【発明者】
【氏名】張 耀光
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-056889(JP,A)
【文献】特開2018-018156(JP,A)
【文献】特開2019-121357(JP,A)
【文献】特開2019-082995(JP,A)
【文献】特開2001-282208(JP,A)
【文献】特開2014-142819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルを駆動して、表示動作及びタッチセンシング動作を行うように構成されたドライバ回路であって、
前記表示パネルを駆動して、表示期間及びタッチセンシング期間に、前記表示動作及び前記タッチセンシング動作をそれぞれ行うように構成された、基準信号を出力するタッチ及び表示ドライバ集積(TDDI)回路と、
前記表示パネルと前記TDDI回路の外部に配置され、前記TDDI回路からの前記基準信号に基づいて第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力して前記表示パネルが前記表示動作と前記タッチセンシング動作をするように構成された外部回路であり、前記第1の出力電圧が前記第2の出力電圧よりも大きい、前記外部回路
と、
前記外部回路に結合され、第1の入力電圧及び第2の入力電圧を出力するように構成された電源回路であって、前記外部回路が前記電源回路から前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧を受け取り、前記第1の入力電圧が前記第2の入力電圧よりも大きい、電源回路、を備え、
前記外部回路が
第1の制御信号によって制御され、前記表示期間の間、前記第1の制御信号によってターンオンされ、前記タッチセンシング期間の間、前記第1の制御信号によってターンオフされるスイッチデバイスと、
第1の端部及び第2の端部を備えるダイオードデバイスであって、前記ダイオードデバイスの前記第1の端部が、前記電源回路に結合され、前記第1の入力電圧を受け取るための入力端として機能し、前記ダイオードデバイスの前記第2の端部が前記第1の出力電圧を出力するための出力端として機能する、ダイオードデバイスと、
第1の端部及び第2の端部を備える第1のキャパシタであって、前記第1のキャパシタの前記第1の端部が前記ダイオードデバイスの前記第2の端部に結合され、前記第1のキャパシタの前記第2の端部が前記TDDI回路に結合されて前記基準信号を受け取る、前記第1のキャパシタと、
第1の端部及び第2の端部を備える第2のキャパシタであって、前記第2のキャパシタの前記第1の端部が前記第1のキャパシタの前記第2の端部に結合され、前記第2のキャパシタの前記第2の端部が前記スイッチデバイスに結合されている、前記第2のキャパシタと、
を備え、
前記スイッチデバイスが第1の端部、第2の端部、及び制御端部を含み、前記スイッチデバイスの前記第1の端部が、前記第2のキャパシタの前記第2の端部に結合され、前記第2の出力電圧を出力するための出力端として機能し、前記スイッチデバイスの前記第2の端部が前記第2の入力電圧を受け取るための入力端として機能し、前記スイッチデバイスの前記制御端部が前記第1の制御信号に結合されている、ドライバ回路。
【請求項2】
前記外部回路が前記第1の入力電圧に応じて前記基準信号を基準とする前記第1の出力電圧を生成し、前記外部回路が前記第2の入力電圧に応じて前記基準信号を基準とする前記第2の出力電圧を生成する、請求項
1に記載のドライバ回路。
【請求項3】
前記スイッチデバイスが第1の耐圧を有し、前記TDDI回路が第2の耐圧を有し、前記第1の耐圧が前記第2の耐圧よりも大きい、請求項
1に記載のドライバ回路。
【請求項4】
表示パネルを駆動して、表示動作及びタッチセンシング動作を行うように構成されたドライバ回路であって、
前記表示パネルを駆動して、表示期間及びタッチセンシング期間に、前記表示動作及び前記タッチセンシング動作をそれぞれ行うように構成された、基準信号を出力するタッチ及び表示ドライバ集積(TDDI)回路と、
前記表示パネルと前記TDDI回路の外部に配置され、前記TDDI回路からの前記基準信号に基づいて第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力して前記表示パネルが前記表示動作と前記タッチセンシング動作をするように構成された外部回路であり、前記第1の出力電圧が前記第2の出力電圧よりも大きい、前記外部回路と、
前記外部回路に結合され、第1の入力電圧及び第2の入力電圧を出力するように構成された電源回路であって、前記外部回路が前記電源回路から前記第1の入力電圧及び前記第2の入力電圧を受け取り、前記第1の入力電圧が前記第2の入力電圧よりも大きい、電源回路、を備え、
前記外部回路が、
第1の端部、第2の端部、及び制御端部を含み、
前記第1の端部が、前記電源回路に結合され、前記第1の入力電圧を受け取るための入力端として機能し、
前記第2の端部が前記第1の出力電圧を出力するための出力端として機能
し、第1の制御信号によって制御され、前記表示期間の間、前記第1の制御信号によってターンオンされ、前記タッチセンシング期間の間、前記第1の制御信号によってターンオフされるスイッチデバイスと、
第1の端部及び第2の端部を備える第1のキャパシタであって、前記第1のキャパシタの前記第1の端部が前記スイッチデバイスの前記第2の端部に結合され、前記第1のキャパシタの前記第2の端部が前記TDDI回路に結合されて前記基準信号を受け取る、前記第1のキャパシタと、
第1の端部及び第2の端部を備える第2のキャパシタであって、前記第2のキャパシタの前記第1の端部が前記第1のキャパシタの前記第2の端部に結合されている、前記第2のキャパシタと、
第1の端部及び第2の端部を含むダイオードデバイスであって、前記ダイオードデバイスの前記第1の端部が、前記第2のキャパシタの前記第2の端部に結合され、前記第2の出力電圧を出力するための出力端として機能し、前記ダイオードデバイスの前記第2の端部が前記第2の入力電圧を受け取るための出力端として機能する、前記ダイオードデバイスと、
を
備える、
ドライバ回路。
【請求項5】
前記TDDI回路に結合された第1のレベルシフタをさらに備え、前記TDDI回路が第2の制御信号を前記第1のレベルシフタに出力し、前記第1のレベルシフタが、前記第2の制御信号を受け取り、前記第1の入力電圧又は前記第2の入力電圧をさらに受け取るように構成され、
前記第1のレベルシフタが前記第2の制御信号に応じて前記第1の入力電圧又は前記第2の入力電圧に基づいて前記第1の制御信号を生成する、請求項
1に記載のドライバ回路。
【請求項6】
前記第1のレベルシフタが前記外部回路に配置されている、請求項
5に記載のドライバ回路。
【請求項7】
前記外部回路に結合され、前記外部回路の外部に配置され、前記外部回路から前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧を受け取る第2のレベルシフタを備え、
前記第1のレベルシフタが、前記外部回路の外部に配置され、前記第2のレベルシフタと一体化されて半導体チップを構成する、請求項
5に記載のドライバ回路。
【請求項8】
前記TDDI回路と前記電源回路が互いに異なる半導体チップとして実装されている、請求項
1に記載のドライバ回路。
【請求項9】
前記基準信号が前記表示期間の間は接地電圧である、請求項1に記載のドライバ回路。
【請求項10】
前記基準信号が前記タッチセンシング期間の間は同期駆動電圧である、請求項1に記載のドライバ回路。
【請求項11】
前記第1の出力電圧及び前記第2の出力電圧が前記基準信号と同じ振幅、位相及び周波数を有する、請求項
10に記載のドライバ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバ回路に関し、より詳細には、表示パネルを駆動して、表示動作及びタッチセンシング動作を行うドライバ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の用途では、電子デバイスは、より良好なユーザ体験のために表示機能及びタッチセンシング機能を有することがある。ユーザは、タッチセンサ付き表示パネルに触れることによって電子デバイスを操作して、何らかの所望の機能を行うことができる。このような用途では、タッチセンサ付き表示パネルを駆動して、表示動作及びタッチセンシング動作を行うために、2つのドライバチップが必要とされる。関連技術では、コスト低減の問題のために、2つのドライバチップが、タッチ及び表示ドライバ集積(TDDI:touch and display driver integration)チップに一体化されている。TDDIチップは、タッチセンサ付き表示パネルを駆動して、表示動作及びタッチセンシング動作を行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のTDDIチップは、通常、表示パネルに駆動信号を供給するための高電圧デバイスを含む。しかしながら、高電圧デバイスは、電磁干渉を生成する可能性があり、TDDIチップの他の構成要素が影響を受ける可能性がある。加えて、高電圧デバイスは、TDDIチップの温度変動も増大させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、表示パネルを駆動して、表示動作及びタッチセンシング動作を行うように構成されたドライバ回路を提供する。ドライバ回路は、TDDI回路及び外部回路を含む。TDDI回路は、表示パネルを駆動して、表示期間及びタッチセンシング期間に、表示動作及びタッチセンシング動作をそれぞれ行うように構成されている。TDDI回路は、基準信号を出力する。外部回路は、TDDI回路の外部に配置されている。外部回路は、TDDI回路からの基準信号に基づいて、第1の出力電圧及び第2の出力電圧を出力するように構成されている。第1の出力電圧は、第2の出力電圧よりも大きい。
【0005】
本発明の一実施形態では、ドライバ回路は、電源回路をさらに含む。電源回路は、外部回路に結合されている。電源回路は、第1の入力電圧及び第2の入力電圧を出力するように構成されている。外部回路は、電源回路から第1の入力電圧及び第2の入力電圧を受け取る。第1の入力電圧は、第2の入力電圧よりも大きい。
【0006】
本発明の一実施形態では、外部回路は、第1の入力電圧に応じて基準信号を基準とする第1の出力電圧を生成する。外部回路は、第2の入力電圧に応じて基準信号を基準とする第2の出力電圧を生成する。
【0007】
本発明の一実施形態では、外部回路は、第1の制御信号によって制御されるスイッチデバイスを含む。スイッチデバイスは、表示期間の間、第1の制御信号によってターンオンされている。スイッチデバイスは、タッチセンシング期間の間、第1の制御信号によってターンオフされている。
【0008】
本発明の一実施形態では、スイッチデバイスは、第1の耐圧を有し、TDDI回路は、第2の耐圧を有する。第1の耐圧は、第2の耐圧よりも大きい。
【0009】
本発明の一実施形態では、外部回路は、ダイオードデバイスと、第1のキャパシタと、第2のキャパシタとをさらに含む。ダイオードデバイスは、第1の端部及び第2の端部を含む。ダイオードデバイスの第1の端部は、電源回路に結合されている。ダイオードデバイスの第1の端部は、第1の入力電圧を受け取るための入力端として機能する。ダイオードデバイスの第2の端部は、第1の出力電圧を出力するための出力端として機能する。第1のキャパシタは、第1の端部及び第2の端部を含む。第1のキャパシタの第1の端部は、ダイオードデバイスの第2の端部に結合され、第1のキャパシタの第2の端部は、TDDI回路に結合されて基準電圧を受け取る。第2のキャパシタは、第1の端部及び第2の端部を含む。第2のキャパシタの第1の端部は、第1のキャパシタの第2の端部に結合され、第2のキャパシタの第2の端部は、スイッチデバイスに結合されている。スイッチデバイスは、第1の端部、第2の端部、及び制御端部を含む。スイッチデバイスの第1の端部は、第2のキャパシタの第2の端部に結合されている。スイッチデバイスの第1の端部は、第2の出力電圧を出力するための出力端として機能する。スイッチデバイスの第2の端部は、第2の入力電圧を受け取るための入力端として機能する。スイッチデバイスの制御端部は、第1の制御信号に結合されている。
【0010】
本発明の一実施形態では、スイッチデバイスは、第1の端部、第2の端部、及び制御端部を含む。スイッチデバイスの第1の端部は、電源回路に結合されている。スイッチデバイスの第1の端部は、第1の入力電圧を受け取るための入力端として機能する。スイッチデバイスの第2の端部は、第1の出力電圧を出力するための出力端として機能する。外部回路は、第1のキャパシタ、第2のキャパシタ及びダイオードデバイスをさらに含む。第1のキャパシタは、第1の端部及び第2の端部を含む。第1のキャパシタの第1の端部は、スイッチデバイスの第2の端部に結合され、第1のキャパシタの第2の端部は、TDDI回路に結合されて基準電圧を受け取る。第2のキャパシタは、第1の端部及び第2の端部を含む。第2のキャパシタの第1の端部は、第1のキャパシタの第2の端部に結合されている。ダイオードデバイスは、第1の端部及び第2の端部を含む。ダイオードデバイスの第1の端部は、第2のキャパシタの第2の端部に結合されている。ダイオードデバイスの第1の端部は、第2の出力電圧を出力するための出力端として機能する。ダイオードデバイスの第2の端部は、第2の入力電圧を受け取るための出力端として機能する。
【0011】
本発明の一実施形態では、ドライバ回路は、第1のレベルシフタをさらに含む。第1のレベルシフタは、TDDI回路に結合されている。TDDI回路は、第2の制御信号を第1のレベルシフタに出力する。第1のレベルシフタは、第2の制御信号を受け取り、第1の入力電圧又は第2の入力電圧をさらに受け取るように構成されている。第1のレベルシフタは、第2の制御信号に応じて第1の入力電圧又は第2の入力電圧に基づいて第1の制御信号を生成する。
【0012】
本発明の一実施形態では、第1のレベルシフタは、外部回路に配置されている。
【0013】
本発明の一実施形態では、ドライバ回路は、第2のレベルシフタをさらに含む。第2のレベルシフタは、外部回路に結合され、外部回路の外部に配置されている。第2のレベルシフタは、外部回路から第1の出力電圧及び第2の出力電圧を受け取るように構成されている。第1のレベルシフタは、外部回路の外部に配置され、第2のレベルシフタと一体化されて半導体チップを形成する。
【0014】
本発明の一実施形態では、TDDI回路と電源回路は、異なる半導体チップとして実装される。
【0015】
本発明の一実施形態では、基準信号は、表示期間の間は接地電圧である。
【0016】
本発明の一実施形態では、基準信号は、タッチセンシング期間の間は同期駆動電圧である。
【0017】
本発明の一実施形態では、第1の出力電圧及び第2の出力電圧は、基準信号と同じ振幅、位相及び周波数を有する。
【0018】
上述したことをより理解しやすくするために、図面を伴ういくつかの実施形態を以下に詳細に説明する。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、TDDIチップの温度変動及び高電圧デバイスによる電磁干渉を低減することができるドライバ回路を対象とする。
【0020】
添付の図面は、本開示についてのさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成する。これらの図面は、本開示の実施形態を例示し、説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態による表示装置を示す概略ブロック図である。
【0022】
【
図2】本発明の一実施形態による
図1のドライバ回路を示す概略ブロック図である。
【0023】
【
図3】本発明の別の実施形態によるドライバ回路を示す概略ブロック図である。
【0024】
【
図4A】本発明の一実施形態による、表示期間に動作するドライバ回路を示す概略ブロック図である。
【0025】
【
図4B】本発明の一実施形態による、タッチセンシング期間に動作する
図4Aのドライバ回路を示す概略ブロック図である。
【0026】
【
図5】本発明の別の実施形態によるドライバ回路を示す概略ブロック図である。
【0027】
【
図6】本発明の別の実施形態によるドライバ回路を示す概略ブロック図である。
【0028】
【
図7】本発明の一実施形態によるTDDI回路を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に実施形態を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、これらの実施形態を適切に組み合わせることが可能である。本出願の明細書(特許請求の範囲を含む)で使用される「結合する/結合された」又は「結合する/結合された」という用語は、任意の直接的又は間接的な接続手段を指すことができる。例えば、「第1のデバイスが第2のデバイスに結合される」は、「第1のデバイスが第2のデバイスに直接接続される」又は「第1のデバイスが他のデバイス又は接続手段を介して第2のデバイスに間接的に接続される」と解釈されるべきである。さらに、「信号」という用語は、電流、電圧、電荷、温度、データ、電磁波、又は任意の1つ若しくは複数の信号を指すことができる。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置を示す概略ブロック図である。
図1を参照すると、本実施形態の表示装置100は、ドライバ回路110及び表示パネル120を含む。表示パネル120は、タッチセンサ及び表示画素(図示せず)を含む。ドライバ回路110は、表示パネル120に結合されるように構成可能である。ドライバ回路110は、表示パネル120を駆動して、表示動作及びタッチセンシング動作を行うように適合されている。
【0031】
図2は、本発明の一実施形態による
図1のドライバ回路を示す概略ブロック図である。
図2を参照すると、ドライバ回路110は、表示パネル120を駆動して、表示動作及びタッチセンシング動作を行う。ドライバ回路110は、タッチ及び表示ドライバ集積(TDDI)回路112と外部回路114とを有する。外部回路114は、TDDI回路112の外部に配置されている。一実施形態において、TDDI回路112は、単一の半導体チップとして実装されてもよい。
【0032】
具体的には、TDDI回路112は、表示パネル120を駆動して、表示期間及びタッチセンシング期間に、表示動作及びタッチセンシング動作をそれぞれ行うように構成されている。TDDI回路112は、外部回路114に基準信号VMDを出力する。外部回路114は、TDDI回路112からの基準信号VMDを基準として第1の出力電圧VGH_LS及び第2の出力電圧VGL_LSを出力するように構成されている。本実施形態では、第1の出力電圧VGH_LSは、第2の出力電圧VGL_LSよりも大きい。
【0033】
図3は、本発明の別の実施形態によるドライバ回路を示す概略ブロック図である。
図3を参照すると、ドライバ回路200は、TDDI回路112と、外部回路114と、電源回路211と、第2のレベルシフタ213_2と、ゲートドライバ回路215とを含む。電源回路211は、外部回路114に結合されている。一実施形態では、TDDI回路112、外部回路114、電源回路211、第2のレベルシフタ213_2、及びゲートドライバ回路215は、異なる半導体チップとして実装されてもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0034】
具体的には、電源回路211は、第1の入力電圧VGH及び第2の入力電圧VGLを外部回路114に出力するように構成されている。第1の入力電圧VGHは、第2の入力電圧VGLよりも大きい。外部回路114は、電源回路211から第1の入力電圧VGH及び第2の入力電圧VGLを受け取る。外部回路114は、第1の入力電圧VGHに応じて基準信号VMDを基準とする第1の出力電圧VGH_LSを生成する。外部回路114は、第2の入力電圧VGLに応じて基準信号VMDを基準とする第2の出力電圧VGL_LSを生成する。外部回路114は、第1の出力電圧VGH_LS及び第2の出力電圧VGL_LSを、第2のレベルシフタ213_2及びゲートドライバ回路215に出力する。
【0035】
第2のレベルシフタ213_2は、外部回路114及びTDDI回路112に結合されている。第2のレベルシフタ213_2は、外部回路114の外部に配置されている。第2のレベルシフタ213_2は、外部回路114から第1の出力電圧VGH_LS及び第2の出力電圧VGL_LSを受け取る。TDDI回路112は、選択信号MUXを第2のレベルシフタ213_2に出力する。第2のレベルシフタ213_2は、第1の出力電圧VGH_LS及び第2の出力電圧VGL_LSのうちいずれか1つを出力LS_OUTとして選択して表示パネル120を駆動する。一実施形態において、第2のレベルシフタ213_2は、単一の半導体チップとして実装されてもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0036】
ゲートドライバ回路215は、外部回路114及びTDDI回路112に結合されている。ゲートドライバ回路215は、外部回路114から第1の出力電圧VGH_LS及び第2の出力電圧VGL_LSの受け取るように構成されている。TDDI回路112は、スタートパルス信号STV及びクロック信号CKVをゲートドライバ回路215に出力する。ゲートドライバ回路215は、スタートパルス信号STV及びクロック信号CKVに応じて表示パネル120の走査線を駆動するための出力GCK_OUTを生成する。一実施形態において、ゲートドライバ回路215は、単一の半導体チップとして実装され、表示パネル120上に配置されてもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0037】
図4Aは、本発明の一実施形態による、表示期間に動作するドライバ回路を示す概略ブロック図である。
図4Aを参照すると、ドライバ回路300は、TDDI回路112と、外部回路114と、電源回路211と、第1のレベルシフタ213_1とを含む。第1のレベルシフタ213_1は、TDDI回路112に結合され、外部回路114内に配置されている。
【0038】
外部回路114は、ダイオードデバイスDと、第1のキャパシタC1と、第2のキャパシタC2と、スイッチデバイスT1とを含む。ダイオードデバイスD、第1のキャパシタC1、第2のキャパシタC2及びスイッチデバイスT1は直列に接続されている。具体的には、ダイオードデバイスDは、第1の端部及び第2の端部を有する。ダイオードデバイスDの第1の端部は、電源回路211に結合されている。ダイオードデバイスDの第1の端部は、入力端として機能し、第1の入力電圧VGHを受け取る。ダイオードデバイスDの第2の端部は、第1のキャパシタC1の第1の端部に結合されている。ダイオードデバイスDの第2の端部は、出力端として機能し、第1の出力電圧VGH_LSを出力する。第1のキャパシタC1は、第1の端部及び第2の端部を含む。第1のキャパシタC1の第1の端部は、ダイオードデバイスDの第2の端部に結合されている。第1のキャパシタC1の第2の端部は、TDDI回路112に結合され、TDDI回路112の出力バッファ400から基準電圧VMDを受け取る。第2のキャパシタC2は、第1の端部及び第2の端部を含む。第2のキャパシタC2の第1の端部は、第1のキャパシタC1の第2の端部に結合されている。第2のキャパシタC2の第2の端部は、スイッチデバイスT1に結合されている。
【0039】
スイッチデバイスT1は、第1の端部、第2の端部、及び制御端部を含む。スイッチデバイスT1の第1の端部は、第2のキャパシタC2の第2の端部に結合されている。スイッチデバイスT1の第1の端部は、出力端として機能し、第2の出力電圧VGL_LSを出力する。スイッチデバイスT1の第2の端部は、電源回路211に結合されている。スイッチデバイスT1の第2の端部は、第2の入力電圧VGLを受け取るための入力端として機能する。スイッチデバイスT1の制御端部は、第1の制御信号TP_CONに結合されている。
【0040】
スイッチデバイスT1は、第1の制御信号TP_CONによって制御される。スイッチデバイスT1は、表示期間の間、第1の制御信号TP_CONによってターンオンされており、スイッチデバイスT1は、タッチセンシング期間の間、第1の制御信号TP_CONによってターンオフされている。
【0041】
TDDI回路112は、第2の制御信号TP_ENを第1のレベルシフタ213_1に出力する。第1のレベルシフタ213_1は、第2の制御信号TP_EN及び第2の入力電圧VGLを受け取る。第1のレベルシフタ213_1は、第2の制御信号TP_ENに応じて第2の入力電圧VGLに基づいて第1の制御信号TP_CONを生成する。
【0042】
本実施形態では、ドライバ回路300は、表示期間に動作する。TDDI回路112は、第2の制御信号TP_ENを出力して、第1のレベルシフタ213_1が表示期間に動作するように制御する。表示期間では、基準信号VMDは、接地電圧Vgに設定されている。すなわち、TDDI回路112は、基準信号VMDとして接地電圧Vgを出力する。第1の出力電圧VGH_LSは、第1の入力電圧VGHと実質的に同一である。第1の出力電圧VGH_LSと第1の入力電圧VGHとの電圧差ΔV1は、ダイオードデバイスDのターンオン電圧である。本実施例において、ダイオードデバイスDは、ショットキーダイオードであってもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0043】
一方、表示期間では、スイッチデバイスT1は、第1の制御信号TP_CONによってターンオンされている。第2の出力電圧VGL_LSは、第2の入力電圧VGLと実質的に同一である。第2の出力電圧VGL_LSと第2の入力電圧VGLとの電圧差ΔV2は、スイッチデバイスT1のドレイン-ソース間電圧である。本実施形態において、スイッチデバイスT1は、高電圧N型金属酸化物半導体(HVNMOS)トランジスタであってもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0044】
図4Bは、本発明の一実施形態による、タッチセンシング期間に動作する
図4Aのドライバ回路を示す概略ブロック図である。
図4Bを参照すると、ドライバ回路300は、タッチセンシング期間に動作する。TDDI回路112は、タッチセンシング期間に第2の制御信号TP_ENを出力して、第1のレベルシフタ213_1が動作するように制御する。タッチセンシング期間では、基準信号VMDは、同期駆動電圧Vsである。すなわち、TDDI回路112は、同期駆動電圧Vsを基準信号VMDとして出力する。本実施形態では、
図4Bに示すように、同期駆動電圧Vsは、三角波であってもよいが、本発明はこれに限定されない。一実施形態において、同期駆動電圧Vsは、矩形波又は正弦波であってもよい。同期駆動電圧Vsは、正電圧であっても負電圧であってもよい。
【0045】
第1の出力電圧VGH_LSは、第1の入力電圧VGHに応じて同期駆動電圧Vsに基づいて生成される。第1の出力電圧VGH_LSも、最小基準レベルが第1の入力電圧VGHと等しい三角波である。
【0046】
一方、スイッチデバイスT1は、タッチセンシング期間に第1の制御信号TP_CONによってターンオフされる。第2の出力電圧VGL_LSは、第2の入力電圧VGLに応じて同期駆動電圧Vsに基づいて生成される。第1の出力電圧VGH_LSも、最小基準レベルが第2の入力電圧VGLと等しい三角波である。
【0047】
第1の出力電圧VGH_LS及び第2の出力電圧VGL_LSは、
図4Bに示すように、基準信号である同期駆動電圧Vsと同じ振幅、位相及び周波数を有する。タッチセンシング期間に、TDDI回路112からの同期駆動電圧Vsが表示パネル120に出力されて、走査線及び/又はデータ線を駆動し、タッチセンシング動作時のノイズを低減する。
【0048】
図5は、本発明の別の実施形態によるドライバ回路を示す概略ブロック図である。
図5を参照すると、ドライバ回路500は、TDDI回路112と、外部回路514と、電源回路211と、第1のレベルシフタ213_1とを含む。第1のレベルシフタ213_1は、TDDI回路112に結合され、外部回路514内に配置されている。
【0049】
外部回路514は、スイッチデバイスT2と、第1のキャパシタC1と、第2のキャパシタC2と、ダイオードデバイスDとを含む。スイッチデバイスT2、第1のキャパシタC1、第2のキャパシタC2及びダイオードデバイスDは、直列に接続されている。具体的には、スイッチデバイスT2は、第1の端部と、第2の端部と、制御端部とを含む。スイッチデバイスT2の第1の端部は、電源回路211に結合されている。スイッチデバイスT2の第1の端部は、入力端として機能し、第1の入力電圧VGHを受け取る。スイッチデバイスT2の第2の端部は、第1のキャパシタC1の第1の端部に結合されている。スイッチデバイスT2の第2の端部は、出力端として機能し、第1の出力電圧VGH_LSを出力する。スイッチデバイスT2の制御端部は、第1の制御信号TP_CONに結合されている。
【0050】
スイッチデバイスT2は、第1の制御信号TP_CONによって制御される。スイッチデバイスT2は、表示期間の間、第1の制御信号TP_CONによってターンオンされており、スイッチデバイスT1は、タッチセンシング期間の間、第1の制御信号TP_CONによってターンオフされている。本実施形態において、スイッチデバイスT2は、高電圧P型金属酸化物半導体(HVPMOS)トランジスタであってもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0051】
TDDI回路112は、第2の制御信号TP_ENを第1のレベルシフタ213_1に出力する。第1のレベルシフタ213_1は、第2の制御信号TP_EN及び第1の入力電圧VGHを受け取る。第1のレベルシフタ213_1は、第2の制御信号TP_ENに応じて第1の入力電圧VGHに基づいて第1の制御信号TP_CONを生成する。
【0052】
第1のキャパシタC1は、第1の端部及び第2の端部を含む。第1のキャパシタC1の第1の端部は、スイッチデバイスT2の第2の端部に結合されている。第1のキャパシタC1の第2の端部は、TDDI回路112に結合されて、TDDI回路112の出力バッファ400から基準電圧VMDを受け取る。第2のキャパシタC2は、第1の端部及び第2の端部を含む。第2のキャパシタC2の第1の端部は、第1のキャパシタC1の第2の端部に結合されている。第2のキャパシタC2の第2の端部は、ダイオードデバイスDに結合されている。ダイオードデバイスDは、第1の端部及び第2の端部を含む。ダイオードデバイスDの第1の端部は、第2のキャパシタC2の第2の端部に結合されている。ダイオードデバイスDの第1の端部は、第2の出力電圧VGL_LSを出力するための出力端として機能する。ダイオードデバイスDの第2の端部は、電源回路211に結合されている。ダイオードデバイスDの第2の端部は、第2の入力電圧VGLを受け取るための入力端として機能する。
【0053】
図6は、本発明の別の実施形態によるドライバ回路を示す概略ブロック図である。
図6を参照すると、ドライバ回路600は、TDDI回路112と、外部回路614と、電源回路211と、レベルシフタ回路800とを含む。レベルシフタ回路800は、第1のレベルシフタ213_1と、第2のレベルシフタ213_2とを有する。第1のレベルシフタ213_1は、外部回路614の外部に配置され、第2のレベルシフタ213_2と一体化されて半導体チップを形成する。
【0054】
本実施形態では、外部回路614は、直列に接続されたダイオードデバイスDと、第1のキャパシタC1と、第2のキャパシタC2と、スイッチデバイスT1とを含む。スイッチデバイスT1は、第1のレベルシフタ213_1からの第1の制御信号TP_CONによって制御される。スイッチデバイスT1は、高電圧N型金属酸化物半導体(HVNMOS)トランジスタであってもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0055】
TDDI回路112は、第2の制御信号TP_ENを第1のレベルシフタ213_1に出力する。第1のレベルシフタ213_1は、第2の制御信号TP_EN及び第2の入力電圧VGLを受け取る。第1のレベルシフタ213_1は、第2の制御信号TP_ENに応じて第2の入力電圧VGLに基づいて第1の制御信号TP_CONを生成する。
【0056】
図7は、本発明の一実施形態によるTDDI回路を示す概略ブロック図である。
図4A及び
図7を参照すると、
図4AのスイッチデバイスT1は、第1の耐圧を有し、TDDI回路700は、第2の耐圧を有する。第1の耐圧は、第2の耐圧よりも大きい。
【0057】
具体的には、外部回路114は、例えばHVNMOSトランジスタであるスイッチデバイスT1を含む。TDDI回路700は、ソースドライバ回路710と、インターフェース回路720と、デジタル回路730と、アナログフロントエンド(AFE)回路740と、出力バッファ回路750と、ゲートドライバ回路760とを含む。ソースドライバ回路710、AFE回路740、及び出力バッファ回路750は、中電圧(MV)デバイスを含む。インターフェース回路720、デジタル回路730、及びゲートドライバ回路760は、低電圧(LV)デバイスを含む。
【0058】
本実施形態では、スイッチデバイスT1は、高電圧(HV)デバイスである。TDDI回路700は、MVデバイス及びLVデバイスを含む。したがって、スイッチデバイスT1の耐圧は、TDDI回路700の耐圧よりも大きい。
【0059】
加えて、関連技術の一般的な知識を参照して、ソースドライバ回路710、インターフェース回路720、デジタル回路730、AFE回路740、出力バッファ回路750、及びゲートドライバ回路760のハードウェア構成についての十分な教示、示唆、及び実装の例示を得ることができる。
【0060】
一実施形態において、出力バッファ回路750は、デジタル-アナログ変換器(DAC)及び出力バッファ400を含むことができる。DACは、デジタル形式の制御信号を受け取り、アナログ形式の制御信号に変換する。出力バッファ400は、アナログ形式の制御信号を増幅して基準信号VMDを生成し、外部回路114に出力する。
【0061】
一実施形態において、TDDI用途では、低電圧は、1.0V~1.5Vの間にある電圧であってもよく、中電圧は、3.3V~7Vの間にある電圧であってもよく、高電圧は、8V~32Vの間にある電圧であってもよい。
【0062】
要約すると、本発明の実施形態では、TDDI回路は、外部回路を介して、タッチセンシング期間の間、HVの同期駆動電圧を供給する。TDDI回路は、MVデバイス及び/又はLVデバイスを含むだけであるため、HVプロセスによって製造されることに限定されない。TDDI回路は、より安価でより効率的なレベルシフタ又はゲートドライバで動作させることができる。TDDI回路は、MVデバイス及び/又はLVデバイスを含むだけであるため、チップの温度変動及びHVデバイスによる電磁干渉が低減され、TDDI回路の複雑さが単純になる。
【0063】
本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、開示された実施形態に様々な修正及び変更を加えることができることは当業者に明らかであろう。前述の事項に鑑みて、本開示は、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内にある限り、修正及び変更を網羅することが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本ドライバ回路は、表示パネルに適用することができる。
【符号の説明】
【0065】
100:表示装置
110、200、215、300、500、600、710、760:ドライバ回路
120 表示パネル
112、700、800:タッチ及び表示ドライバ集積(TDDI)回路
114、514、614:外部回路
211:電源回路
213_1:第1のレベルシフタ
213_2:第2のレベルシフタ
400:出力バッファ
720:インターフェース回路
730:デジタル回路
740:アナログフロントエンド(AFE)回路
750:出力バッファ回路
C1:第1のキャパシタ
C2:第2のキャパシタ
D:ダイオードデバイス
T1、T2:スイッチデバイス
TP_CON:第1の制御信号
TP_EN:第2の制御信号
Vg:接地電圧
VGH:第1の入力電圧
VGL:第2の入力電圧
VGH_LS:第1の出力電圧
VGL_LS:第2の出力電圧
VMD:基準信号
Vs:同期駆動電圧