(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】ガスタービンエンジンのフランジ冷却構造
(51)【国際特許分類】
F02C 7/18 20060101AFI20240104BHJP
【FI】
F02C7/18 C
(21)【出願番号】P 2022501967
(86)(22)【出願日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2021006116
(87)【国際公開番号】W WO2021167001
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-08-10
(32)【優先日】2020-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣田 隼人
(72)【発明者】
【氏名】▲崎▼本 建城
(72)【発明者】
【氏名】新井 篤典
(72)【発明者】
【氏名】大▲桑▼ 達也
(72)【発明者】
【氏名】前里 晃
【審査官】古▲瀬▼ 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-077983(JP,A)
【文献】実開昭59-148445(JP,U)
【文献】特公昭53-016042(JP,B1)
【文献】特表2011-522152(JP,A)
【文献】特開2007-138933(JP,A)
【文献】特開2017-057838(JP,A)
【文献】特開2013-256950(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0219014(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C7/14-7/18
F01D25/08-25/14
25/24
9/00-9/06
F23R3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、燃焼器及びタービンが回転軸に沿って配置されたガスタービンエンジンのフランジ冷却構造であって、
第1空間を形成する第1本体と、前記第1本体から突出した第1フランジとを有し、前記燃焼器の熱が伝達される第1部材と、
前記第1本体との間に第2空間を形成する第2本体と、前記第2本体から突出した第2フランジと、を有し、前記ガスタービンエンジンの運転時に前記第1部材よりも低温となる第2部材と、
前記第1フランジ及び前記第2フランジを締結し、前記第2空間を仕切るフランジ積層体を形成する複数の締結具と、を備え、
前記第2空間は、前記ガスタービンエンジンの運転時に前記第1空間よりも低温となり、
前記第2空間は、前記フランジ積層体の一方側の第1領域と、前記フランジ積層体の他方側の第2領域と、を含み、
前記第1領域は、前記ガスタービンエンジンの運転時に前記第2領域よりも高圧となり、
前記第1フランジ及び前記第2フランジのうち一方は、前記第1領域に面する高圧側フランジであり、前記第1フランジ及び前記第2フランジのうち他方は、前記第2領域に面する低圧側フランジであり、
前記高圧側フランジ又は前記低圧側フランジの合わせ面は、前記第1領域に連通し且つ前記第2領域に連通する冷却溝を有
し、
前記第1部材は、前記燃焼器のハウジングと、前記タービンの静翼ユニットと、を含み、
前記第2部材は、前記燃焼器の外側に配置された燃焼器ケースを含み、
前記第1フランジは、前記燃焼器の燃焼器フランジと、前記静翼ユニットの静翼ユニットフランジと、を含み、
前記第2フランジは、前記燃焼器ケースのケースフランジを含み、
前記ケースフランジと前記静翼ユニットフランジとの間に、前記燃焼器フランジが挟まれている、ガスタービンエンジンのフランジ冷却構造。
【請求項2】
前記高圧側フランジは、前記第1領域を前記冷却溝に連通させる連通空間を有する、請求項1に記載のガスタービンエンジンのフランジ冷却構造。
【請求項3】
前記連通空間は、前記第1領域から前記低圧側フランジに向けて開口した少なくとも1つの冷却ジェット孔又は切欠である、請求項2に記載のガスタービンエンジンのフランジ冷却構造。
【請求項4】
前記冷却ジェット孔又は切欠は、前記複数の締結具のうち互いに隣り合う2つの締結具の間に配置されている、請求項3に記載のガスタービンエンジンのフランジ冷却構造。
【請求項5】
前記少なくとも1つの冷却ジェット孔又は切欠は、前記2つの締結具の間に配置された複数の冷却ジェット孔又は切欠を含む、請求項4に記載のガスタービンエンジンのフランジ冷却構造。
【請求項6】
前記ケースフランジ、前記燃焼器フランジ及び前記静翼ユニットフランジは、この順に前記第1領域から前記第2領域に向けて重ねられ、
前記冷却ジェット孔又は切欠は、前記ケースフランジに形成されており、
前記冷却溝は、前記ケースフランジ及び前記燃焼器フランジの合わせ面の一方に形成されている、請求項
3乃至5のいずれか1項に記載のガスタービンエンジンのフランジ冷却構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ガスタービンエンジンのフランジ冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮機、燃焼器及びタービンが回転軸に沿って配置されたガスタービンエンジンが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-145116号公報
【文献】特開2007-138933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガスタービンエンジンでは、エンジン全体、ひいては部品単位での低コスト化、省スペース化が非常に重要になる場合がある。ニッケル基、コバルト基などを主とした耐熱材料は、材料費が高く被削性も悪く、製造コストが高額になりがちである。よって、ガスタービンエンジンの高温部においても、なるべく耐熱材料を選定しない手法が求められる。
【0005】
例えば、タービンノズルは、比較的低温な部品となる燃焼器ケースとフランジ締結される又はピン支持される。フランジ締結の場合は、タービンノズルからの熱影響を避けるため、フランジ締結構造をタービンノズルから距離を離すか、又は、燃焼器ケースの材料を耐熱材料にしている。前者の場合は、余分な距離の分だけ占有スペースが大きくなる。後者の場合は、ピンの材料が耐熱材料である必要があると共に、構造も複雑となり、大型化する傾向がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るガスタービンエンジンのフランジ冷却構造は、圧縮機、燃焼器及びタービンが回転軸に沿って配置されたガスタービンエンジンのフランジ冷却構造であって、第1空間を形成する第1本体と、前記第1本体から突出した第1フランジとを有し、前記燃焼器の熱が伝達される第1部材と、前記第1本体との間に第2空間を形成する第2本体と、前記第2本体から突出した第2フランジと、を有し、前記ガスタービンエンジンの運転時に前記第1部材よりも低温となる第2部材と、前記第1フランジ及び前記第2フランジを締結し、前記第2空間を仕切るフランジ積層体を形成する複数の締結具と、を備え、前記第2空間は、前記ガスタービンエンジンの運転時に前記第1空間よりも低温となり、前記第2空間は、前記フランジ積層体の一方側の第1領域と、前記フランジ積層体の他方側の第2領域と、を含み、前記第1領域は、前記ガスタービンエンジンの運転時に前記第2領域よりも高圧となり、前記第1フランジ及び前記第2フランジのうち一方は、前記第1領域に面する高圧側フランジであり、前記第1フランジ及び前記第2フランジのうち他方は、前記第2領域に面する低圧側フランジであり、前記高圧側フランジ又は前記低圧側フランジの合わせ面は、前記第1領域に連通し且つ前記第2領域に連通する冷却溝を有する。
【0007】
前記構成によれば、省スペース及び高剛性のためにフランジ締結構造を用いながらも、フランジ合わせ面における空冷により、高温の第1部材から低温の第2部材への伝熱が抑制される。よって、第2部材の材料選定の自由度が向上し、製造コストを低減できる。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、第2部材の材料選定の自由度が向上し、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るガスタービンエンジンの概略図である。
【
図2】
図2は、
図1のガスタービンエンジンの要部断面図である。
【
図3】
図3は、
図2のフランジ積層体の他の位相での断面図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態のフランジ積層体の
図3相当の断面図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態のフランジ積層体の
図3相当の断面図である。
【
図8】
図8は、第4実施形態のフランジ積層体の
図4相当の図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0011】
図1は、第1実施形態に係るガスタービンエンジン1の概略図である。
図1に示すように、ガスタービンエンジン1は、回転軸2に沿って配置された、圧縮機3、燃焼器4及びタービン5を備える。圧縮機3で圧縮された空気が燃焼器4にて燃焼し、その燃焼ガスがタービン5を回転させて回転軸2が駆動される。なお、回転軸2の軸線が延びる方向を軸線方向Xと称し、軸線方向Xに直交する方向を径方向Yと称し、回転軸2周りの方向を周方向Zと称する。
【0012】
図2は、第1実施形態に係るガスタービンエンジン1の要部断面図である。
図2に示すように、ガスタービンエンジン1は、燃焼器4のハウジング11及びタービン5の静翼ユニット12を有する主流部材10(第1部材)と、燃焼器4の外側に配置された燃焼器ケース13と、を備える。
【0013】
燃焼器4のハウジング11は、燃焼ガス空間S1(第1空間)を画定するハウジング本体11a(第1本体)と、ハウジング本体11aから突出した燃焼器フランジ11b(第1フランジ)と、を有する。ハウジング11は、例えば、Fe基を主とする超合金で形成されている。
【0014】
静翼ユニット12は、静翼ユニット本体12a(第1本体)と、静翼ユニット本体12aから突出した静翼ユニットフランジ12b(第1フランジ)と、を有する。静翼ユニット本体12aは、内筒12aa、内筒12aaから径方向Yに離れた外筒12acと、内筒12aaと外筒12acとの間に設けられたタービンノズル12abと、を有する。タービンノズル12abは、燃焼ガス空間S1に連通している。タービンノズル12abは、ガスタービンエンジン1の運転時に燃焼ガス空間S1から流入する燃焼ガスによって高温になる。
【0015】
静翼ユニット12は、ハウジング11よりも耐熱性の高い材料で形成されている。静翼ユニット12は、ハウジング11よりも融点の高い材料で形成されている。ハウジング11は、例えば、Fe基を主とする超合金で形成されている。静翼ユニット12は、例えば、Ni基を主とする超合金、又は、Co基を主とする超合金で形成されている。
【0016】
燃焼器ケース13は、主流部材10から径方向Yに離れたケース本体13a(第2本体)と、ケース本体13aから突出したケースフランジ13b(第2フランジ)と、を有する。燃焼器ケース13は、ガスタービンエンジン1の運転時に主流部材10よりも低温となる。
【0017】
ケースフランジ13b、燃焼器フランジ11b及び静翼ユニットフランジ12bは、この順に重ねられ、互いに周方向Zに間隔をあけた複数組のボルトB及びナットN(締結具)によって互いに締結されている。ケースフランジ13b、燃焼器フランジ11b及び静翼ユニットフランジ12bは、フランジ積層体15を構成している。
【0018】
主流部材10の外側には、圧縮機3から流入する圧縮空気が通流する圧縮空気空間S2(第2空間)が設けられている。圧縮空気空間S2は、ガスタービンエンジン1の運転時に燃焼ガス空間S1よりも低温となる。圧縮空気空間S2は、フランジ積層体15によって、高圧領域S2a(第1領域)と低圧領域S2b(第2領域)とに仕切られている。即ち、圧縮空気空間S2は、フランジ積層体15の一方側の高圧領域S2aと、フランジ積層体15の他方側の低圧領域S2bと、を有する。
【0019】
高圧領域S2aは、燃焼器ケース13の内面とハウジング11の外面とフランジ積層体15とによって画定されている。低圧領域S2bは、燃焼器ケース13の外面と静翼ユニット12の外面とフランジ積層体15とによって画定されている。燃焼器4には、高圧領域S2aの圧縮空気が供給される。低圧領域S2bは、外気に連通している。高圧領域S2aは、ガスタービンエンジン1の運転時に低圧領域S2bよりも高圧となる。
【0020】
ケースフランジ13bは、高圧領域S2aに面する高圧側フランジであり、燃焼器フランジ11b及び静翼ユニットフランジ12bの群は、低圧領域S2bに面する低圧側フランジである。ケースフランジ13b、燃焼器フランジ11b及び静翼ユニットフランジ12bは、この順に、高圧領域S2aから低圧領域S2bに向けて重ねられている。即ち、ケースフランジ13bと静翼ユニットフランジ12bとの間に、燃焼器フランジ11bが挟まれている。
【0021】
図3は、
図2のフランジ積層体15の他の位相での断面図である。
図4は、
図3のフランジ積層体15のIV矢視図である。
図3及び4に示すように、燃焼器フランジ11bのうちケースフランジ13bに面する合わせ面は、複数の冷却溝Gを有する。複数の冷却溝Gは、燃焼器フランジ11bの径方向Y外方に向けて開放されて低圧空間S2bに連通している。燃焼器フランジ11の径方向Yにおいて、冷却溝Gの径方向Yの長さは、燃焼器フランジ11の径方向Yの長さの半分より長い。
【0022】
ケースフランジ13bは、高圧領域S2aから燃焼器フランジ11bに向けて開口した複数の冷却ジェット孔Hを有する。冷却ジェット孔Hは、高圧領域S2aを冷却溝Gに連通させる連通空間である。冷却ジェット孔Hは、ボルトBが挿通されるケースフランジ13bのボルト孔よりも小径である。冷却ジェット孔Hの流路軸線は、燃焼器フランジ11bの冷却溝Gの底面と実質的に直交している。
【0023】
フランジ積層体15の積層方向(軸線方向X)から見て、冷却ジェット孔Hは、冷却溝Gに包含されるように配置されている。複数のボルトBのうち互いに隣り合う2つのボルトBの間には、少なくとも1つの冷却ジェット孔Gが配置されている。
図4の例では、複数のボルトBのうち互いに隣り合う2つのボルトBの間には、複数の冷却ジェット孔Gが配置されている。
【0024】
以上に説明した構成によれば、高圧領域S2aの圧縮空気が、燃焼器ケース13のケースフランジ13bの冷却ジェット孔Hを通して燃焼器フランジ11b(の冷却溝Gの底面)に高圧で衝突し、冷却溝Gから低圧領域S2bに流出する。これにより、燃焼器フランジ11b及び静翼ユニットフランジ12bが冷却され、高温のタービンノズル12abからの熱によるケースフランジ13bの昇温が抑制される。即ち、省スペース及び高剛性のためにフランジ締結構造を用いながらも、フランジ合わせ面における空冷により、高温の静翼ユニット12から低温の燃焼器ケース13への伝熱が抑制される。よって、燃焼器ケース13の材料に耐熱材料を選定する必要がなくなり安価な材料を選定することができる。
【0025】
また、ケースフランジ13bと静翼ユニットフランジ12bとの間に、燃焼器フランジ11bが挟まれている。即ち、タービンノズル12abからの熱で高温になる静翼ユニットフランジ12bは、燃焼器フランジ11bによってケースフランジ13bから離されている。そのため、高温のタービンノズル12abからの熱によるケースフランジ13bの昇温が更に抑制される。
【0026】
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態のフランジ積層体115の
図3相当の断面図である。
図6は、
図5のフランジ積層体115のVI矢視図である。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図5及び6に示すように、第2実施形態のフランジ積層体115では、冷却ジェット孔H(
図3)の代わりに、冷却ジェット切欠Cが用いられる。
【0027】
ケースフランジ113bは、周方向Zに間隔をあけた配置された複数の冷却ジェット切欠Cを有する。冷却ジェット切欠Cは、ケースフランジ113の径方向Yの端面を局所的に切り欠いてなり、高圧領域S2aから燃焼器フランジ111bに向けて開口している。冷却ジェット切欠Cは、フランジ積層体15の積層方向(軸線方向X)から見て、燃焼器フランジ111bの合わせ面に形成された冷却溝G1に重なっている。
図5の例では、燃焼器フランジ11の径方向Yにおいて、冷却溝G1の径方向Yの長さは、燃焼器フランジ11の径方向Yの長さと実質的に同じであるが、燃焼器フランジ11の径方向Yの長さよりも短くてもよい。
【0028】
以上の構成によれば、高圧領域S2aの圧縮空気が、ケースフランジ113bの冷却ジェット切欠Cを通して燃焼器フランジ111bに高圧で衝突し、冷却溝G1から低圧領域S2bに流出する。これにより、燃焼器フランジ111b及び静翼ユニットフランジ12bが冷却され、高温のタービンノズル12abからの熱によるケースフランジ113bの昇温が抑制される。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0029】
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態のフランジ積層体215の
図3相当の断面図である。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。
図7に示すように、第3実施形態のフランジ積層体215では、冷却溝G2が、燃焼器フランジ211ではなくケースフランジ213bに設けられている。即ち、ケースフランジ213bのうち燃焼器フランジ211bに対向する合わせ面に、冷却溝G2が形成されている。燃焼器フランジ211bのうちケースフランジ213bに対向する合わせ面は、全体的に平坦面である。
【0030】
ケースフランジ213bは、高圧領域S2aから燃焼器フランジ211bに向けて開口した複数の冷却ジェット孔Hを有する。冷却ジェット孔Hは、高圧領域S2aを冷却溝G2に連通させる連通空間である。冷却ジェット孔Hの流路軸線は、燃焼器フランジ211bの合わせ面と実質的に直交している。
【0031】
以上の構成によれば、高圧領域S2aの圧縮空気が、ケースフランジ213bの冷却ジェット孔Hを通して燃焼器フランジ211bに高圧で衝突し、冷却溝G2から低圧領域S2bに流出する。これにより、燃焼器フランジ211b及び静翼ユニットフランジ12bが冷却され、高温のタービンノズル12abからの熱によるケースフランジ213bの昇温が抑制される。なお、燃焼器フランジ211bのうちケースフランジ213bに対向する合わせ面を平坦面とせずに、燃焼器フランジ211bの当該合わせ面にも冷却溝が形成されてもよい。他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0032】
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態のフランジ積層体315の
図4相当の図面である。
図8に示すように、第4実施形態のフランジ積層体315では、ケースフランジ313b又は燃焼器フランジ311bの合わせ面に形成された冷却溝G3は、フランジ積層体315の径方向Yに直線状に延びずに、フランジ積層体315の周方向Zにも延びている。これにより、冷却溝G3を長くすることができ、冷却効果を高めることができる。なお、
図8では、冷却ジェット切欠Cを図示したが、冷却ジェット孔Hであってもよい。
【0033】
なお、本開示は前述した実施形態に限定されるものではなく、その構成を変更、追加、又は削除することができる。例えば、1つの実施形態中の一部の構成又は方法を他の実施形態に適用してもよく、実施形態中の一部の構成は、その実施形態中の他の構成から分離して任意に抽出可能である。前述した各実施形態では、ケースフランジ13b,113b,213bと静翼ユニットフランジ12bとの間に、燃焼器フランジ11b,111b,211bが挟まれた構成であるが、ケースフランジ13b,113b,213bと燃焼器フランジ11b,111b,211bとの間に、静翼ユニットフランジ12bが挟まれた構成としてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 ガスタービンエンジン
2 回転軸
3 圧縮機
4 燃焼器
5 タービン
10 主流部材(第1部材)
11 燃焼器のハウジング(第1部材)
11a ハウジング本体(第1本体)
11b 燃焼器フランジ(第1フランジ)
12 静翼ユニット(第1部材)
12a 静翼ユニット本体(第1本体)
12aa 内筒
12ab タービンノズル
12ac外筒
12b 静翼ユニットフランジ(第1フランジ)
13 燃焼器ケース(第2部材)
13a ケース本体(第2本体)
13b ケースフランジ(第2フランジ)
15 フランジ積層体
20 フランジ冷却構造
B ボルト(締結具)
C 冷却ジェット切欠
G 冷却溝
H 冷却ジェット孔
N ナット(締結具)
S1 燃焼ガス空間(第1空間)
S2 圧縮空気空間(第2空間)
S2a 高圧領域(第1領域)
S2b 低圧領域(第2領域)