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特許7412547光学効果層を備えたセキュリティエレメント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-28
(45)【発行日】2024-01-12
(54)【発明の名称】光学効果層を備えたセキュリティエレメント
(51)【国際特許分類】
   B42D 25/328 20140101AFI20240104BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20240104BHJP
   G02B 5/02 20060101ALI20240104BHJP
【FI】
B42D25/328
G02B5/18
G02B5/02 C
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022520561
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2020076008
(87)【国際公開番号】W WO2021063693
(87)【国際公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-05-17
(31)【優先権主張番号】19201226.8
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】511214727
【氏名又は名称】ヒュック・フォーリエン・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100126848
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 昭雄
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン トラスル
(72)【発明者】
【氏名】マルティン エッギンガー
(72)【発明者】
【氏名】マルコ マイアーホーファー
(72)【発明者】
【氏名】アニータ フックスバウアー
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/216810(WO,A1)
【文献】特表2005-533290(JP,A)
【文献】特表2017-505926(JP,A)
【文献】特開2019-038141(JP,A)
【文献】特表2016-513028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 25/00-25/485
G02B 5/02
G02B 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
証対象用のセキュリティエレメント(1)であって、前記セキュリティエレメントが、構造体(4)を備えた少なくとも1つの第1領域(2)を有し、光源(6)の移動時及び/又は観察角度の変更時に、観察者に対して対応する移動像が生じるように、前記構造体(4)が像モチーフ(5)を種々異なる空間領域内へ反射させるようになっており、前記光源(6)の移動時及び/又は観察角度の変更時に同時に像モチーフ(5)の移動が生じるようになっているセキュリティエレメント(1)において、
- 光学効果層(7)が設けられており、前記光学効果層(7)が第2領域(3)を画定し、
- 前記構造体(4)が全面的又は部分的に前記光学効果層(7)によって覆われており、
前記光学効果層(7)が、色変化顔料(12)を有し、
前記色変化顔料(12)が、少なくとも1つの吸収層(13)と、誘電材料から成る少なくとも1つのスペーサ層(14)と、少なくとも1つの反射層(15)とを有し、前記スペーサ層(14)が前記反射層(15)と前記吸収層(13)との間に配置されているか、或いは、前記反射層(15)が内側に配置され且つ前記スペーサ層(14)に取り囲まれており、前記スペーサ層(14)が前記吸収層(13)に取り囲まれていること、
を特徴とする、セキュリティエレメント(1)。
【請求項2】
前記光学効果層が、少なくとも1つの液晶層有していることを特徴とする、請求項に記載のセキュリティエレメント。
【請求項3】
前記光学効果層の、観察側とは反対側には、前記光学効果層は、少なくとも1つの色変化効果増強層を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のセキュリティエレメント。
【請求項4】
前記光源(6)の移動時及び/又は前記観察角度の変更時に、前記光学効果層(7)内で色変化効果が生じることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項5】
前記光学効果層(7)が、金属顔料及び/又は磁性顔料及び/又は色顔料及び/又は色素を含んでいることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項6】
前記光学効果層(7)に加えて、蛍光顔料及び/又は蛍光素材を含有する、光学的非線形層又は光学的非線形の重層及び/又は層が設けられている、ことを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項7】
前記光学効果層(7)が、前記構造体(4)上に印刷且つ/又は蒸着されていることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項8】
前記セキュリティエレメント(1)が、プラスチックから成る支持層(8)を有しており、記プラスチックが光透過性及び/又は熱可塑性プラスチックから形成されてることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項9】
支持層(8)が、下限が5μmあり、且つ上限が1000μmある厚さ値範囲に由来する厚さ値を有していることを特徴とする、請求項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの吸収層(13)が、少なくとも1種の金属材料を含み、は前記金属材料のうちの少なくとも1種から製造されていることを特徴とする、請求項からまでのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのスペーサ層(14)が、屈折率が1.65以下の少なくとも1種の低屈折率誘電材料を含み、又は、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折率誘電材料を含み、は前記低屈折率誘電材料及び前記高屈折率誘電材料のうちの少なくとも1種から製造されていることを特徴とする、請求項から10までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項12】
少なくとも1つの反射層(15)が、少なくとも1種の金属材料を含み、は、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折率誘電材料を含み、は前記金属材料及び前記高屈折率誘電材料のうちの少なくとも1種から製造されていることを特徴とする、請求項から11までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項13】
前記構造体(4)が、回折構造体として、マイクロミラーとして、放射光学的に有効なファセットとして、又は無彩色反射型構造体として形成されていることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項14】
前記構造体(4)が、支持層(8)内に成されていることを特徴とする、請求項から13までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項15】
前記構造体(4)が、支持層(8)上に直接に、又は少なくとも1つの中間層(10)の介在下で被着された層(9)に成形されてることを特徴とする、請求項から14までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項16】
前記構造体(4)が成形された追加の層(9)が、下限が0.5μmあり、且つ上限が300μmある層厚値範囲に由来する層厚値の層厚を有していることを特徴とする、請求項15に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項17】
前記セキュリティエレメント(1)が機械可読なフィーチャを備えており、前記機械可読なフィーチャが、気コード、導電層、電磁波吸収性素材及び/又は電磁波再放射性素材であることを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【請求項18】
前記セキュリティエレメント(1)が付加的な層を有しており、前記付加的な層が、色ラッカー、保護ラッカー、熱シールラッカー、接着剤、プライマー、及び/又は金属箔を含むことを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セキュリティエレメントに関し、特に、有価証券、セキュリティペーパー(Sicherheitspapiere)、又は、紙幣、証明書、クレジットカード、キャッシュカード、チケット等の保証対象用のセキュリティエレメントに関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭で述べた種類のセキュリティエレメントは通常の場合、証券用紙又はセキュリティペーパー、例えば紙幣、身分証明書、クレジットカード、キャッシュカード、チケットなどの偽造に対する安全性を高めるために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】欧州特許第2782765号明細書
【文献】欧州特許第2885135号明細書
【文献】国際公開第2015/107347号
【文献】米国特許出願公開第10189294号明細書
【文献】欧州特許出願公開第3362827号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2632739号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、偽造に対する安全性が高められたセキュリティエレメントを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題は、冒頭で述べた本発明に係る種類のセキュリティエレメントによって解決され、本発明に係るセキュリティエレメントは、構造体を備えた少なくとも1つの第1領域を有しており、前記構造体は、光源の移動時及び/又は観察角度の変更時に、対応する移動像が観察者に見えるように、像モチーフを種々異なる空間領域内へ反射させ、光源の移動時及び/又は観察角度の変更時に、同時に像モチーフの移動及び色変化効果が生じ、そしてさらに、
- 光学効果層が設けられており、前記光学効果層が第2領域を画定しており、そして
- 前記構造が全面的又は部分的に前記光学効果層によって覆われている。
【発明の効果】
【0006】
これにより達成される利点は、移動像として形成された像モチーフを形成するための第1領域の位置と、少なくとも1つの光学的外観又は光学的効果を形成するための第2領域の位置とを、互いにオーバーラップすることによって、組み合わせ・構成の高い多様性が形成されることにある。これにより、こうして形成されたセキュリティエレメントの偽造に対する安全性がさらに高められる。このように、構造体によって形成された移動像は、光学効果層によって生じさせられるか又は引き起こされた光学効果と直接に組み合わされて全体像になる。セキュリティエレメントの観察者はこれにより補助手段の補助なしに、純粋に視覚的な検査によって迅速且つ確実に真偽を確認することができる。
【0007】
さらに、前記光学効果層が色変化顔料、特に、干渉顔料、色変化薄層構造を備えた顔料、又は液晶顔料を含んでいると有利であり得る。
【0008】
別の実施態様は、前記色変化顔料が少なくとも1つの吸収層と、誘電材料から成る少なくとも1つのスペーサ層と、少なくとも1つの反射層とを有しており、前記スペーサ層が反射層と吸収層との間に配置されていることを特徴とする。
【0009】
さらに、前記光学効果層が少なくとも1つの液晶層、特に、少なくとも1つのコレステリック液晶層を有していてよい。
【0010】
前記光学効果層の、観察側とは反対側の、少なくとも1つの色効果増強層が設けられていると有利である。色効果増強層によって、例えば、色変化顔料又は液晶層を使用したときに、色変化効果を増強することができる。利用者の視線方向からは、色効果増強層は、色変化顔料又は液晶層の裏側に位置している。
【0011】
考えられ得るさらなる実施形態の特徴は、前記光源の移動時及び/又は前記観察角度の変更時に、前記光学効果層内で色変化効果が生じることである。
【0012】
別の構成は、前記光学効果層が金属顔料及び/又は磁性顔料及び/又は色顔料及び/又は色素を含んでいることである。
【0013】
さらなる実施形態は、セキュリティエレメントが、前記光学効果層に加えて、蛍光顔料及び/又は蛍光素材を有する層を含んでいることを特徴とする。
【0014】
考えられ得るさらなる実施形態は、セキュリティエレメントが、前記光学効果層に加えて、光学的非線形層又は光学的非線形の重層を有していることを特徴とする。
【0015】
別の有利な実施形態は、前記光学効果層が前記構造体上に印刷且つ/又は蒸着されていることを特徴とする。
【0016】
さらに、セキュリティエレメントが、プラスチックから成る支持層を有しており、特に、前記プラスチックが光透過性及び/又は熱可塑性プラスチックから形成されており、そして前記支持層が有利には、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリルニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びエチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、及び/又は前記材料の混合物及び/又はコポリマーの群から成る材料のうちの少なくとも1種を含み、あるいは前記材料のうちの少なくとも1種から製造されていると有利であり得る。
【0017】
別の代わりの実施形態は、前記支持層が、下限が5μm、有利には10μmであり、且つ上限が1000μm、有利には50μmである厚さ値範囲に由来する厚さを有していることを特徴とする。
【0018】
考えられ得るさらなる実施形態、そして任意選択的な代わりの実施形態の特徴は、前記少なくとも1つの吸収層が、少なくとも1種の金属材料を含み、特に、ニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、パラジウム、鉄、タングステン、モリブデン、ニオブ、アルミニウム、銀、銅、及び/又は前記材料の合金、の群から選択された少なくとも1種の金属材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種から製造されていることである。
【0019】
さらなる構成では、前記少なくとも1つのスペーサ層は、屈折率が1.65以下の少なくとも1種の低屈折率誘電材料、特に、酸化アルミニウム(Al23)、金属フッ化物、例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、酸化ケイ素(SIOx)、二酸化ケイ素(SiO2)、フッ化セリウム(CeF3)、フッ化アルミニウムナトリウム(例えば、Na3AlF6又はNa5Al314)、フッ化ネオジム(NdF3)、フッ化ランタン(LaF3)、フッ化サマリウム(SmF3)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化リチウム(LiF)、低屈折率有機モノマー及び/又は低屈折率有機ポリマーの群から選択された、屈折率が1.65以下の少なくとも1種の低屈折率誘電材料、又は、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折率誘電材料、特に、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO2)、炭素(C)、酸化インジウム(In23)、インジウムスズ酸化物(ITO)、五酸化タンタル(Ta25)、酸化セリウム(CeO2)、酸化イットリウム(Y23)、酸化ユーロピウム(Eu23)、酸化鉄(II,III)(Fe34)及び酸化鉄(III)(Fe23)等の酸化鉄、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La23)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd23)、酸化プラセオジム(Pr611)、酸化サマリウム(Sm23)、三酸化アンチモン(Sb23)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si34)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se23)、酸化錫(SnO2)、三酸化タングステン(WO3)、高屈折率有機モノマー及び/又は高屈折率有機ポリマー、の群から選択された、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折率誘電材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種から製造されている。
【0020】
別の実施形態は、前記少なくとも1つの反射層は、少なくとも1種の金属材料、特に、銀、銅、金、白金、アルミニウム、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、特に、コバルト-ニッケル合金、の群から選択された少なくとも1種の金属材料、又は、特に、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO2)、炭素(C)、酸化インジウム(In23)、インジウムスズ酸化物(ITO)、五酸化タンタル(Ta25)、酸化セリウム(CeO2)、酸化イットリウム(Y23)、酸化ユーロピウム(Eu23)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe34)及び酸化鉄(III)(Fe23)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La23)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd23)、酸化プラセオジム(Pr611)、酸化サマリウム(Sm23)、三酸化アンチモン(Sb23)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si34)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se23)、酸化錫(SnO2)、三酸化タングステン(WO3)、高屈折率有機モノマー及び/又は高屈折率有機ポリマー、の群から選択された、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折率誘電材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種から製造されていることを特徴とする。
【0021】
さらなる有利な実施形態は、前記構造体が回折構造体として、マイクロミラーとして、放射光学的(strahlenoptisch)に有効なファセットとして、又は無彩色反射型構造体として形成されていることを特徴とする。
【0022】
さらに、前記構造体が前記支持層内に、成形装置を用いて、特に、エンボス加工によって形成されていると有利であり得る。
【0023】
別の実施形態は、前記構造体が、前記支持層上に直接に、又は少なくとも1つの中間層の介在下で被着された層、特に、エンボス加工されたラッカー層内に成形されており、特に、成形装置によってエンボス加工されていることを特徴とする。
【0024】
考えられ得るさらなる実施形態の特徴は、前記構造体が成形された追加の層が、下限が0.5μm、特に、0.8μm、有利には1μmであり、且つ上限が300μm、特に、50μm、有利には20μmである層厚値の範囲に由来する層厚値を有する層厚を有していることである。
【0025】
さらなる構成によれば、前記セキュリティエレメントが機械可読なフィーチャを備えており、前記機械可読なフィーチャは、特に、磁気コード、導電層、電磁波吸収性素材及び/又は電磁波再放射性素材とすることが可能である。
【0026】
さらに、前記セキュリティエレメントが付加的な層を有してもよく、前記付加的な層が、特に、着色ラッカー、保護ラッカー、熱シールラッカー、接着剤、プライマー、及び/又は金属箔を含むと目的にかなうことがある。
【0027】
本発明のよりよい理解のために、下記図面に基づき本発明を詳述する。
【0028】
図面はそれぞれ著しく簡略化された概略図である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明によるセキュリティエレメントの考えられ得る1実施形態を示す断面図である。
図2図2は、本発明によるセキュリティエレメントの別の実施形態を示す断面図である。
図3図3は、セキュリティエレメントの考えられ得る第1の層構造及び/又は重層構造を見た様子を図案化して示す図である。
図4図4は、セキュリティエレメントの考えられ得る第2の層構造及び/又は重層構造を見た様子を図案化して示す図である。
図5図5は、セキュリティエレメントの考えられ得る第3の層構造及び/又は重層構造を見た様子を図案化して示す図である。
図6図6は、セキュリティエレメントの考えられ得る第4の層構造及び/又は重層構造を見た様子を図案化して示す図である。
図7図7は、セキュリティエレメントの考えられ得る第5の層構造及び/又は重層構造を見た様子を図案化して示す図である。
図8図8は、セキュリティエレメントの考えられ得る第6の層構造及び/又は重層構造を見た様子を図案化して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
最初に書き留めておくが、種々異なるものとして記載される実施形態において、同一部分には同一参照符号もしくは同一構成部分符号を付す。説明全体に含まれる開示内容は、同一参照符号もしくは同一構成部分符号を有する同一部分に相応して転用することができる。また、説明において選択された位置に関する記述、例えば上、下、側方などは、直接に説明され図示された図面に関するものであり、そして位置が変化したときには、これらの位置に関する記述は相応して新しい位置に転用することができる。
【0031】
「特に」(insbesondere)という概念は、対象物又は方法工程の考えられ得る特定の構成又は詳細な仕様ではあり得るが、しかしこれが必須の、有利な実施形態又は必須の実施態様である必要は必ずしもないと理解される。
【0032】
図面について総合的に説明する。常に同じ構成部材又は同じ構成部分は同じ符号を有する。さらに、「層」という概念は、基本的に、重層(mehrlagigen)、関連のある構成部材複合体に対して用いられる。したがって、後述される層のそれぞれの層は、複数の層、好ましくは互いに接続された、又は互いに付着させられた重層を含むこともあり得る。
【0033】
図1は、特に、有価証券、紙幣、カード用途、又はセキュリティペーパーのためのセキュリティエレメント1を、著しく図案化された、原寸に比例していない図として示している。
【0034】
セキュリティエレメント1は、少なくとも1つの第1領域2と、第1領域を少なくとも部分的に覆う少なくとも1つの第2領域3とを有している。前記少なくとも1つの第1領域2は、セキュリティエレメント1の図示された位置もしくは場所において、第2領域3の下側に配置されている。両領域2,3もしくはこれらの領域を形成する層又は重層は、互いに種々異なる形で形成されており、これについて以下に詳述する。
【0035】
前記少なくとも1つの第1領域2は構造体4を有するか、又は構造体4によって形成されている。第1領域2の構造体4によって像モチーフ5が種々異なる空間領域内へ反射させられるので、光源6の移動時及び/又は観察角度の変更時には、観察者に対していわゆる移動像(Bewegungsbild)が相応に生じる。
【0036】
このような実施形態において、前記第1領域2に少なくとも部分的にオーバーラップするか又は重なる第2領域3は、光学効果層7によって形成されている。この光学効果層7は光学可変層として形成されていてよく、あるいは光学可変層と呼ぶこともできる。構造体4を形成又は支持する層もしくは重層は効果層7によって全面的又は部分的に覆われている。「覆われている」という概念は以下において、構造体4を形成又は支持する層もしくは重層の表面のうちの少なくとも1つの少なくとも一部が、効果層7によって覆われている、その配置関係と理解される。以下に、層及び重層の配置関係に関する考えられ得るいくつかの実施形態を示し、説明する。
【0037】
光学効果層7は、観察角度及び/又は照明角度及び/又は照明の種類に応じた光学可変効果を有し、あるいはこれを形成することができる。光学可変効果は、例えばトップビュー(Aufsicht)/シースルー(Durchsicht)効果及び/又は色変化効果及び/又は蛍光効果又はこれに類するものであってよい。
【0038】
なお、構造体4は、表面上に部分的に又は全表面上に亘って設けられていてよい。このことは光学効果層7にも当てはまる。光学効果層も、表面上に部分的又は全表面上に設けられていてよい。光学効果層7は、複数の重層で形成されていてもよく、あるいはこれらの重層を含むこともできる。
【0039】
セキュリティエレメント1は、さらに支持層8を有することもできる。支持層8は、プラスチック材料から形成されていてよい。さらに、複数の重層が支持層8を形成することもできる。プラスチックは光透過性及び/又は熱可塑性プラスチックから形成されていてよい。支持層8用の材料としては、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリルニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びエチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、及び/又は前記材料の混合物及び/又はコポリマーの群から成る材料のうちの少なくとも1種を含み、あるいは前記材料のうちの少なくとも1種から製造されていてよい。
【0040】
支持層8は、下限が5μm、好ましくは10μmであり、且つ上限が1000μm、好ましくは50μmである厚さ値範囲に由来する厚さ値の層厚を有することができる。
【0041】
前述の構造体4は、例えば回折構造体として、マイクロミラーとして、放射光学的に有効なファセットとして、又は無彩色反射型構造体として形成されていてよい。回折構造体としての構造体4の形成は、例えば特許文献1及び特許文献2並びに特許文献3に基づいて公知である。これに対して、マイクロミラーとしての構造体4の形成は、例えば、特許文献4並びに特許文献5から当業者に周知である。構造体4のファセット状の成形は、例えば特許文献6から明らかになる。さらに、構造体4は支持層8内に、成形装置を用いて、特に、エンボス加工によって形成されていてよく、又は形成されてよい。
【0042】
さらなる代替として、構造体4を形成するために、固有の追加の層9を設けることが可能である。前記追加の層9は、支持層8上に直接に被着されていてよい。前記追加の層9は、支持層8上に直接に被着されていてよい。前記追加の層9は、破線で示唆されている。例えば、前記追加の層9は、ラッカーをエンボス加工することによって形成されていてよく、エンボス加工されたラッカーは、構造体4を形成するように相応に変形させられている。このことは成形装置又は成形要素を用いて、エンボス加工で行うことができる。これにより、構造体4を成形することができる。構造体4が成形された前記追加の層9は、下限が0.5μm、特に、0.8μm、有利には1μmであり、且つ上限が300μm、特に、50μm、有利には20μmである層厚値の範囲に由来する層厚を有することができる。
【0043】
図2にさらに示されているように、構造体4は、前記追加の第2層9によって形成されてはいるものの、前記追加の層9は支持層8上に直接には被着されていない。このために中間層10が設けられていてよい。中間層は例えば接着促進剤、プライマー、接着剤、又はこれに類するものによって形成されていてよい。
【0044】
中間層10に加えて、さらに例えば反射層11が設けられていてもよい。反射層11は、破線で示唆されている。反射層11が設けられる場合、この反射層11の両側にそれぞれ、好ましくは接着促進剤又はプライマーから形成された中間層10が設けられていてもよい。しかしながら、中間層10の代わりに、反射層11だけを全表面上に亘って又は表面上に部分的に設けてもよく、あるいは中間層10を反射層又は反射型の重層として、全表面上に亘って又は表面上に部分的に形成することも可能である。
【0045】
光学効果層7は、例えば、色変化顔料12を含有することができる。図1の横側には、色変化顔料12のうちの1つが、大きく拡大された図に示されている。このように色変化顔料12は、それぞれ少なくとも1つの吸収層13と、誘電材料から成るスペーサ層14と、少なくとも1つの反射層15とを有することができる。この実施形態では、色変化顔料12の個々の層は、上下に配置されている。この実施形態では、スペーサ層14は、反射層15と吸収層13との間に配置されている。
【0046】
しかし、反射層15が内側に配置され、スペーサ層14によって取り囲まれており、特に、全周にわたって包囲されている、層の相互の物理的配置を選択することも可能である。そしてスペーサ層14は、吸収層13によって取り囲まれ、特に、全周にわたって包囲されてもよい。
【0047】
これにより、光源6の移動時及び/又は観察角度の変更時には、光学効果層7内に色変化顔料12によって、色変化効果(Farbkippeffekt)が生じることになる。
【0048】
少なくとも1つの吸収層13が、少なくとも1種の金属材料を含み、特に、ニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、パラジウム、鉄、タングステン、モリブデン、ニオブ、アルミニウム、銀、銅、及び/又は前記材料の合金の群から選択された少なくとも1種の金属材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種から製造されていてよい。
【0049】
前記少なくとも1つのスペーサ層は、屈折率が1.65以下の少なくとも1種の低屈折率誘電材料、特に、酸化アルミニウム(Al23)、金属フッ化物、例えばフッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化アルミニウム(AlF3)、酸化ケイ素(SIOx)、二酸化ケイ素(SiO2)、フッ化セリウム(CeF3)、フッ化アルミニウムナトリウム(例えばNa3AlF6又はNa5Al314)、フッ化ネオジム(NdF3)、フッ化ランタン(LaF3)、フッ化サマリウム(SmF3)、フッ化バリウム(BaF2)、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化リチウム(LiF)、低屈折率有機モノマー及び/又は低屈折率有機ポリマー、の群から選択された、屈折率が1.65以下の少なくとも1種の低屈折率誘電材料、又は屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折率誘電材料、特に、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO2)、炭素(C)、酸化インジウム(In23)、インジウムスズ酸化物(ITO)、五酸化タンタル(Ta25)、酸化セリウム(CeO2)、酸化イットリウム(Y23)、酸化ユーロピウム(Eu23)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe34)及び酸化鉄(III)(Fe23)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La23)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd23)、酸化プラセオジム(Pr611)、酸化サマリウム(Sm23)、三酸化アンチモン(Sb23)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si34)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se23)、酸化錫(SnO2)、三酸化タングステン(WO3)、高屈折率有機モノマー及び/又は高屈折率有機ポリマー、の群から選択された、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折率誘電材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種から製造されていてよい。
【0050】
前記少なくとも1つの反射層は、特に、銀、銅、金、白金、アルミニウム、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、特に、コバルト-ニッケル合金の群から選択された少なくとも1種の金属材料、又は、特に、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO2)、炭素(C)、酸化インジウム(In23)、インジウムスズ酸化物(ITO)、五酸化タンタル(Ta25)、酸化セリウム(CeO2)、酸化イットリウム(Y23)、酸化ユーロピウム(Eu23)、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe34)及び酸化鉄(III)(Fe23)、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ランタン(La23)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd23)、酸化プラセオジム(Pr611)、酸化サマリウム(Sm23)、三酸化アンチモン(Sb23)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si34)、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se23)、酸化錫(SnO2)、三酸化タングステン(WO3)、高屈折率有機モノマー及び/又は高屈折率有機ポリマー、の群から選択された、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折率誘電材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種から製造されていてよい。
【0051】
さらに又はこれに加えて、光学効果層7が金属顔料及び/又は磁性顔料及び/又は色顔料及び/又は色素を含むことも可能である。
【0052】
光学効果層7内の金属顔料は、Al及び/又はCu及び/又はAg及び/又はAu及び/又はNi及び/又はCr及び/又はPt及び/又はPd及び/又はTiO2及び/又はCr酸化物及び/又はZnS及び/又はITO及び/又はBi酸化物及び/又はATO及び/又はFTO及び/又はZnO及び/又はAl23及び/又はZn-クロム酸塩及び/又はFe酸化物CuOから選択されていてよい。印刷像を光学効果層7又はその重層として形成するために、金属顔料を例えばインク中に混和することができる。
【0053】
金属顔料、特に、AI及び/又はCu及び/又はAg及び/又はAu及び/又はNi及び/又はCr及び/又はPt及び/又はPd及び/又はTiO2及び/又はCr酸化物及び/又はZnS及び/又はITO及び/又はBi酸化物及び/又はATO及び/又はFTO及び/又はZnO及び/又はAI23及び/又はZnクロム酸塩及び/又はFe-Oxide及び/又はCuO及び/又は色変化干渉顔料及び/又はSiO2顔料をラッカーに添加することもできる。これらは、一般に光学効果層7又はその重層を形成する。
【0054】
光学効果層7に加えて、追加の層又は重層、例えば光学的非線形層又は光学的非線形の重層が設けられていてよい。このような層又はこの層を形成するこのような材料又は重層は、IRアップコンバーター又はUVダウンコンバーターとも呼ばれる。これは、光の可視波長領域外の電磁放射線の影響下で可視色を有する材料であってよい。このような材料は、このような条件下で、例えば赤外線(IR)(λ>780nm)及び/又は紫外線(UV)光(λ<380)の入射時に、可視光を発光するように励起させることができる。前記追加の層は、さらに蛍光顔料及び/又は蛍光素材を含有することができる。
【0055】
光学効果層7又はその重層は、例えば印刷プロセス及び/又は蒸着プロセス又はこれらの複数の過程によって、構造体4上に配置又は被着することができる。しかしながら、反射層15の前述の材料又は添加剤が、光学効果層7の構成部分又は重層を形成することもできる。これらは特に、印刷又は蒸着されていてよく、ひいては光学効果層7の固有の層を形成することができる。
【0056】
セキュリティエレメント1用の光学効果層7として例えば印刷像が設けられる場合、例えば部分的に不透明な印刷色、例えば白色、及び/又は半透明金属被覆を用いることができる。特につや消しの且つ/又は光沢のある光沢度を形成することができる。
【0057】
光学効果層7上の最も上側の層として、例えば保護層16が設けられていてよい。保護層は層構造及び/又は重層構造を機械的損傷、例えば引掻き傷、筋、又はこれに類するものから保護する。保護層16は、支持層8の面上において光学効果層7とは反対側に配置されていてもよい。両側の配置も考えられる。図1に破線で示唆されているように、好ましくは、保護層16によって、セキュリティエレメント1の平面状の構成を得ることもできる。
【0058】
続いて、図3~8には、多くの場合構造体4から始まるセキュリティエレメント1の考えられ得る層構造が、それぞれ単純化された図で示されている。このような層又は重層は、前述の支持層8上に被着されることが好ましい。なお、前述の材料及び/又は添加剤は、これらの実施形態における光学効果層7を形成するための個々の重層のために適用することができ、且つ/又は使用することができる。
【0059】
念のために述べておくと、個々の重層及び/又は層の構成に応じて、観察者の観察方向は、セキュリティエレメント1の一方の側にだけ向けられてよく、あるいは両側からセキュリティエレメント1に向けられてもよい。一般に光学効果層7と呼ばれる層は複数の層及び/又は重層を有することができるので、光学効果層7を構造体4又は構造体4を形成する層又は重層の表面のうちの一方にのみ設けることが可能である。しかしながら、光学効果層7及び/又は付加的な層又は重層を、構造体4又は構造体4を形成する層又は重層の表面の両側に設けることもできる。これにより、例えば、光学効果層7の個々の重層又は層を構造体4の一方の側に、そして光学効果層7のさらなる可能な重層又は層を、構造体4の対向側に配置することが可能になる。こうして光学効果層7を分割することができる。しかしながら、光学効果層7を構造体4の一方の側にのみ、もしくは構造体4の表面の一方にのみ配置すること、そして付加的な層又は重層のうちの少なくとも1つを構造体4の対向側に配置することも可能である。これにより、高い変更可能性を提供することができる。
【0060】
図3は、構造体4と光学効果層7とを有するセキュリティエレメント1の存在し得る層及び/又は重層構造を示している。支持層8も輪郭が示されている。光学効果層7は、高屈折率(HRI)を有するか又は高屈折率を形成する層17を有している。層17は、構造体4の近くに位置するか又は直接的に隣接して配置されている。しかしながらここで明示的に述べておくが、層17はその構成にかかわりなく、任意の実施形態及び実施態様に過ぎない。
【0061】
しかしこれとは無関係に、層17は、半透明金属化された層によって形成されていてもよい。さらに、光学効果層7は追加の層18を有している。このさらなる追加の層は、色変化顔料12を含有する印刷色から形成されている。さらなる追加の層18は、高屈折率を有する層17の、構造体4とは反対側に配置されている。
【0062】
図3~6に示された実施形態の場合、光学効果層7、特に、光学効果層を形成する重層及び/又は層は、構造体4を形成又は支持する層又は重層の一方の側にのみ配置されている。ここでは一方の側での、光学効果層7の配置について言及される。これは好ましくは、空間的な構造化をも有し又は空間的な構造を形成する構造体4の側又は表面である。これは大抵の場合、観察者に向いた側でもある。しかし、光学効果層7は、観察者から離反する側に配置されることも可能である。
【0063】
図4には、構造体4と光学効果層7とを有するセキュリティエレメント1のさらなる可能な層及び/又は重層構造が示されている。支持層8も示唆されている。光学効果層7はここでは、図3において前述された層17を有している。層17は高屈折率(HRI)を有するか又は高屈折率を形成する。層17は構造体4の近くに位置するか又は直接的に隣接して配置されている。
【0064】
しかしこれとは無関係に、層17は、半透明金属化された層によって形成されていてもよい。さらに、追加の薄い層19が金属顔料から形成されている。金属顔料から成る追加の層19の可能な変化実施形態として、念のために述べておくならば、このような追加の層は、色素及び/又は色顔料で着色されていてもよい。追加の層19は、高屈折率を有する層17の、構造体4とは反対側に配置されている。
【0065】
図5は、構造体4と光学効果層7とを有するセキュリティエレメント1のさらなる可能な層及び/又は重層構造を示している。支持層8も輪郭が示されている。光学効果層7は、ここでも、図3及び図4において前述された層17を有している。層17は高屈折率(HRI)を有するか又は高屈折率を形成する。層17は構造体4の近くに位置するか又は直接的に隣接して配置されている。
【0066】
さらに、光学効果層7はなおも追加の層20を有している。追加の層20は、この実施形態では、色層によって形成されている。この追加の層20を形成する色層は、例えば印刷工程で被着することができる。この追加の層20は、高屈折率を有する層17の、構造体4とは反対側に配置されている。
【0067】
図6には、構造体4と光学効果層7とを有するセキュリティエレメント1のさらなる可能な層及び/又は重層構造が示されている。支持層8も、輪郭が示されている。光学効果層7は、構造体4に直接的に隣接する層21を有している。層21は、部分的に配置された、又は部分的に被着された不透明な色層によって形成されている。この追加の層21を形成する色層は、例えば印刷プロセスで被着することができる。
【0068】
追加の層として、前述の層17が設けられている。層17は高屈折率(HRI)を有するか又は高屈折率を形成する。層17は、この実施形態では、好ましくは全面的に形成されているか、又は全面的に設けられている。しかし、高屈折率を有する層17の代わりに、半透明の金属化部から形成された層22を設けることもできる。したがって、符号22が符号17に並んで括弧付きで示されている。ここで念のため述べるならば、この文脈において一般的には、高屈折率を有する材料から成る各層の代わりに、半透明金属被覆を使用することができる。
【0069】
前述の実施形態すべてにおいて、例えば構造体4のそれぞれは、反射材料又は反射物質からそれ自体により形成されていてよい。しかしながら、特に、反射層11を有する図2において説明されたように、反射素材又は反射材料から成る別個の層を設けることもできる。
【0070】
図7及び8は、前に示唆された、構造体4を支持するか又は構造体4を形成する層又は重層における、層及び重層の両側への可能な配置を示している。構造体4は、ここでも、少なくとも光学効果層7によって、全面的又は部分的に覆われていてよい。光学効果層7を形成する層又は重層、及び/又は存在し得る追加の層又は重層は、完全に重複し、且つ/又は部分的に重複するように、互いに対向する側もしくは表面上に配置することができる。しかしながら、これとは無関係に、構造体4が全面的に覆われてはいるものの、その両側に位置する層又は重層は全く又はわずかにのみでしか互いに重なり合わないように、両側の配置を選択することもできる。
【0071】
図7に示された実施形態の場合、構造体4を有する層又は重層には両側に、さらなる前述の層又は重層が配置されている。大抵の場合、構造体4を有する層又は重層は一方の側ではほぼ平面状であり、そして対向する側に構造体4を備えている。構造体4は、存在するのであれば、好ましくは、支持層8とは反対側に配置又は形成されている。
【0072】
高屈折率(HRI)を有するか又は高屈折率を形成する層17は、図3~5に示されているように、構造体4の一方の側に配置されている。層17の代わりに、半透明の金属化部から形成された重層22を設けることも可能である。
【0073】
前記さらなる可能な重層18及び/又は19及び/又は20及び/又は21のうちの少なくとも1つが、ここでは構造体4を有する層又は重層の対向側に設けられている。このような層構造全体は、破線で示唆されているような支持層8上に配置されていてよい。
【0074】
図8に示された実施形態の場合、図7の実施形態と同様に、高屈折率(HRI)を有するか又は高屈折率を形成する層17は、図3~5においても説明されたように、構造体4の一方の側に配置されている。層17の代わりに、半透明の金属化部から形成された重層22を設けることもできる。
【0075】
構造体4を有する層又は重層の対向側には、もし存在するならば、支持層8が設けられている。このことは、構造体4が支持層内に直接には形成されていない場合に当てはまる。支持層8の面であって、構造体4を有する層又は重層から反対側には、重層18及び/又は19及び/又は20及び/又は21のうちの少なくとも1つの別の重層が設けられていてよい。
【0076】
これらの実施形態は、考えられ得る実施変更形を示す。ここで念のため述べておくと、本発明は特に示された実施変更形に限定されることはなく、むしろ個々の実施変更形の交互の種々の組み合わせも可能であり、そしてこのような変更は、この技術分野の当業者の能力範囲内で、当該発明による技術的行為のための教示内容に基づいて可能である。
【0077】
保護範囲は請求項によって規定される。しかしながら、明細書及び図面は請求項を解釈するために利用することができる。図示され説明された種々異なる実施形態の個々の特徴又は特徴の組み合わせは、それ自体独立した、本発明の解決手段であり得る。本発明の独立した解決手段の根底を成す課題は、明細書から明らかである。
【0078】
当該記述における値範囲に関する全ての数値は、これらの任意の、及び全ての部分範囲を含むことを意味する。例えば、数値1~10は、下限値1及び上限値10から出発する全ての部分範囲が一緒に含まれる、すなわち、全ての部分範囲が下限値1以上で始まり、そして上限値10以下で終わる、例えば1~1.7、又は3.2~8.1、又は5.5~10であることを意味する。
【0079】
なお最後に形式的なことであるが、構造をより良く理解するために、エレメントは部分的に一定の尺度でなく、且つ/又は拡大し、且つ/又は縮小して示したことを指摘しておく。
なお、本発明の実施形態の態様として、以下に示すものがある。
[態様1]
特に、有価証券、セキュリティペーパー、又は、紙幣、証明書、クレジットカード、キャッシュカード、チケット等の保証対象用のセキュリティエレメント(1)であって、前記セキュリティエレメントが、構造体(4)を備えた少なくとも1つの第1領域(2)を有し、光源(6)の移動時及び/又は観察角度の変更時に、観察者に対して対応する移動像が生じるように、前記構造体(4)が像モチーフ(5)を種々異なる空間領域内へ反射させるようになっており、前記光源(6)の移動時及び/又は観察角度の変更時に同時に像モチーフ(5)の移動が生じるようになっているセキュリティエレメント(1)において、
- 光学効果層(7)が設けられており、前記光学効果層(7)が第2領域(3)を画定し、
- 前記構造体(4)が全面的又は部分的に前記光学効果層(7)によって覆われていること、
を特徴とする、セキュリティエレメント(1)。
[態様2]
前記光学効果層(7)が、色変化顔料(12)、特に、干渉顔料、又は液晶顔料を含んでいることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様3]
前記色変化顔料(12)が、少なくとも1つの吸収層(13)と、誘電材料から成る少なくとも1つのスペーサ層(14)と、少なくとも1つの反射層(15)とを有しており、前記スペーサ層(14)が反射層(15)と吸収層(13)との間に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様4]
前記光学効果層が、少なくとも1つの液晶層、特に、少なくとも1つのコレステリック液晶層を有していることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント。
[態様5]
前記光学効果層の、観察側とは反対側には、前記光学効果層は、少なくとも1つの色変化効果増強層を有していることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント。
[態様6]
前記光源(6)の移動時及び/又は前記観察角度の変更時に、前記光学効果層(7)内で色変化効果が生じることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様7]
前記光学効果層(7)が、金属顔料及び/又は磁性顔料及び/又は色顔料及び/又は色素を含んでいることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様8]
前記光学効果層(7)に加えて、蛍光顔料及び/又は蛍光素材を含有する、光学的非線形層又は光学的非線形の重層及び/又は層が設けられている、ことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様9]
前記光学効果層(7)が、前記構造体(4)上に印刷且つ/又は蒸着されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様10]
前記セキュリティエレメント(1)が、プラスチックから成る支持層(8)を有しており、特に、前記プラスチックが光透過性及び/又は熱可塑性プラスチックから形成されており、そして前記支持層(8)が有利には、ポリイミド(PI)、ポリプロピレン(PP)、一軸延伸ポリプロピレン(MOPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエチレンイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリオキシメチレン(POM)、アクリルニトリル-ブタジエン-スチロール(ABS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びエチレン-テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン-フルオロターポリマー(EFEP)、及び/又は前記材料の混合物及び/又はコポリマーの群から成る材料のうちの少なくとも1種を含み、あるいは前記材料のうちの少なくとも1種から製造されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様11]
支持層(8)が、下限が5μm、好ましくは10μmであり、且つ上限が1000μm、好ましくは50μmである厚さ値範囲に由来する厚さ値を有していることを特徴とする、請求項10に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様12]
少なくとも1つの吸収層(13)が、少なくとも1種の金属材料を含み、特に、ニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、パラジウム、鉄、タングステン、モリブデン、ニオブ、アルミニウム、銀、銅、及び/又は前記材料の合金の群から選択された少なくとも1種の金属材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種から製造されていることを特徴とする、請求項3から11までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様13]
少なくとも1つのスペーサ層(14)が、屈折率が1.65以下の少なくとも1種の低屈折率誘電材料を含み、特に、酸化アルミニウム(Al )、金属フッ化物、例えばフッ化マグネシウム(MgF )、フッ化アルミニウム(AlF )、フッ化セリウム(CeF )、フッ化アルミニウムナトリウム(例えばNa AlF 又はNa Al 14 )、酸化ケイ素(SIO )、二酸化ケイ素(SiO )、フッ化ネオジム(NdF )、フッ化ランタン(LaF )、フッ化サマリウム(SmF )、フッ化バリウム(BaF )、フッ化カルシウム(CaF )、フッ化リチウム(LiF)、低屈折率有機モノマー及び/又は低屈折率有機ポリマーの群から選択された、屈折率が1.65以下の少なくとも1種の低屈折率誘電材料、又は、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折率誘電材料を含み、特に、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO )、炭素(C)、酸化インジウム(In )、インジウムスズ酸化物(ITO)、五酸化タンタル(Ta )、酸化セリウム(CeO )、酸化イットリウム(Y )、酸化ユーロピウム(Eu )、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe )及び酸化鉄(III)(Fe )、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO )、酸化ランタン(La )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd )、酸化プラセオジム(Pr 11 )、酸化サマリウム(Sm )、三酸化アンチモン(Sb )、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si )、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se )、酸化錫(SnO )、三酸化タングステン(WO )、高屈折率有機モノマー及び/又は高屈折率有機ポリマーの群から選択された、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折率誘電材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種から製造されていることを特徴とする、請求項3から12までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様14]
少なくとも1つの反射層(15)が、少なくとも1種の金属材料を含み、特に、銀、銅、金、白金、アルミニウム、ニオブ、スズ、又はニッケル、チタン、バナジウム、クロム、コバルト、及びパラジウム、又は前記材料の合金、特に、コバルト-ニッケル合金、の群から選択された少なくとも1種の金属材料、又は、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折率誘電材料を含み、特に、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化チタン(TiO )、炭素(C)、酸化インジウム(In )、インジウムスズ酸化物(ITO)、五酸化タンタル(Ta )、酸化セリウム(CeO )、酸化イットリウム(Y )、酸化ユーロピウム(Eu )、酸化鉄、例えば酸化鉄(II,III)(Fe )及び酸化鉄(III)(Fe )、窒化ハフニウム(HfN)、炭化ハフニウム(HfC)、酸化ハフニウム(HfO )、酸化ランタン(La )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ネオジム(Nd )、酸化プラセオジム(Pr 11 )、酸化サマリウム(Sm )、三酸化アンチモン(Sb )、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si )、一酸化ケイ素(SiO)、三酸化セレン(Se )、酸化錫(SnO )、三酸化タングステン(WO )、高屈折率有機モノマー及び/又は高屈折率有機ポリマー、の群から選択された、屈折率が1.65超の少なくとも1種の高屈折率誘電材料を含み、又は前記材料のうちの少なくとも1種から製造されていることを特徴とする、請求項3から13までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様15]
前記構造体(4)が、回折構造体として、マイクロミラーとして、放射光学的に有効なファセットとして、又は無彩色反射型構造体として形成されていることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様16]
前記構造体(4)が、支持層(8)内に、成形装置を用いて、特に、エンボス加工によって形成されていることを特徴とする、請求項10から15までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様17]
前記構造体(4)が、支持層(8)上に直接に、又は少なくとも1つの中間層(10)の介在下で被着された層(9)、特に、エンボス加工されたラッカー層内に成形されており、特に、成形装置によってエンボス加工されていることを特徴とする、請求項10から16までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様18]
前記構造体(4)が成形された追加の層(9)が、下限が0.5μm、特に、0.8μm、好ましくは1μmであり、且つ上限が300μm、特に、50μm、好ましくは10μmである層厚値範囲に由来する層厚値の層厚を有していることを特徴とする、請求項17に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様19]
前記セキュリティエレメント(1)が機械可読なフィーチャを備えており、前記機械可読なフィーチャが、特に、磁気コード、導電層、電磁波吸収性素材及び/又は電磁波再放射性素材であることを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
[態様20]
前記セキュリティエレメント(1)が付加的な層を有しており、前記付加的な層が、特に、着色ラッカー、保護ラッカー、熱シールラッカー、接着剤、プライマー、及び/又は金属箔を含むことを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項に記載のセキュリティエレメント(1)。
【符号の説明】
【0080】
1 セキュリティエレメント
2 第1領域
3 第2領域
4 構造体
5 像モチーフ
6 光源
7 光学効果層
8 支持層
9 追加の層
10 中間層
11 反射層
12 色変化顔料
13 吸収層
14 スペーサ層
15 反射層
16 保護層
17 層
18 層
19 層
20 層
21 層
22 層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8