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特許7412673水力発電所の工事計画の最適化支援サーバ、水力発電所の工事計画の最適化支援システムおよび水力発電所の工事計画の最適化支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】水力発電所の工事計画の最適化支援サーバ、水力発電所の工事計画の最適化支援システムおよび水力発電所の工事計画の最適化支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240105BHJP
【FI】
G06Q50/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019160601
(22)【出願日】2019-09-03
(65)【公開番号】P2021039550
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003687
【氏名又は名称】東京電力ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】徳永 悟
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 貴道
(72)【発明者】
【氏名】八重沢 友之
(72)【発明者】
【氏名】勝又 彰仁
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-241869(JP,A)
【文献】特開2013-125369(JP,A)
【文献】特開2015-146065(JP,A)
【文献】特開2014-186503(JP,A)
【文献】特開2008-202983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水力発電所の設備内の機器に対して工事を希望する工事時期である希望工事時期を含む希望の工事計画の入力を受け付ける工事計画入力部と、
前記入力を受け付けた希望の工事計画の対象となる機器を停止させた場合に、発電の停止を必要とする発電設備を判定する停止設備判定部と、
前記停止設備判定部において停止が必要と判定された発電設備がある場合に、停止が必要と判定された発電設備に関する水量実績に基づいて発電設備の停止による溢水量を算出する溢水量算出部と、
前記算出した溢水量に基づいて、前記希望工事時期を別の工事時期に変更することを提案する提案部と、
前記提案部で提案された別の工事時期に応じた工事時期の変更を確定する入力を受け付けて、該確定を受け付けた工事時期を確定工事時期として工事計画を確定する工事計画確定部と、
前記工事計画確定部で確定された工事計画を出力する工事計画出力部と、
を備え
停止設備判定部は、工事計画の対象となる機器と、当該機器を停止する場合に発電の停止が必要となる発電設備とを対応付けた停止項目テーブルを参照することにより停止が必要となる設備の判定を行い、
前記提案部は、希望工事時期における溢水量より溢水量が小さくなる工事時期を優先的に提案し、溢水量が小さいと判断した溢水量と同じ溢水量の工事時期が複数ある場合は、当該複数の工事時期のうちで前記希望工事時期に最も近い工事時期を優先的に提案することを特徴とする水力発電所の工事計画の最適化支援サーバ。
【請求項2】
前記工事計画確定部は、前記停止設備判定部において発電の停止を必要とする発電設備がないと判定した場合に、前記工事計画入力部で入力を受け付けた工事計画を確定することを特徴とする請求項1に記載の水力発電所の工事計画の最適化支援サーバ。
【請求項3】
前記溢水量算出部は、前記発電設備に関する水量の所定年数に亘る実績を格納した水量データベースを参照することにより前記発電設備に関する水量実績を取得することを特徴とする請求項1または2に記載の水力発電所の工事計画の最適化支援サーバ。
【請求項4】
前記水力発電所における所定年数に亘る発電量の月ごとの実績である発電量実績を金額に換算した月ごとの発電量実績額と、前記工事計画出力部から出力された工事計画に含まれる工事費用である予想工事費用とを取得して、前記月ごとの発電量実績額から換算された当該工事計画の確定工事時期に対応する時期の発電量実績額に、前記取得した予想工事費用を加えた値を予想の発電所評価指標として提供する発電所評価指標提供部とをさらに備えることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の水力発電所の工事計画の最適化支援サーバ。
【請求項5】
前記発電所評価指標提供部は、前記水力発電所における実際の発電量である月ごとの実際発電量を金額に換算した月ごとの発電量実際額を取得し、月ごとの発電量実際額と前記月ごとの発電量実績額との比較表示を、評価指標として提供することを特徴とする請求項に記載の水力発電所の工事計画の最適化支援サーバ。
【請求項6】
請求項1からのいずれか1項に記載された水力発電所の工事計画の最適化支援サーバと、
工事計画の対象となる機器と、該機器を停止する場合に発電の停止が必要となる発電設備とを対応付けた停止項目テーブルを格納した停止情報提供サーバと、
前記発電設備に関する水量の所定年数に亘る実績を格納した実績データベースを格納した実績管理サーバとを備えたことを特徴とする水力発電所の工事計画の最適化支援システム。
【請求項7】
水力発電所の工事計画の最適化支援サーバが各工程を実行する水力発電所の工事計画の最適化支援方法であって、
水力発電所の設備内の機器に対して工事を希望する工事時期である希望工事時期を含む希望の工事計画の入力を受け付ける工事計画入力工程と、
前記入力を受け付けた希望の工事計画の対象となる機器を停止させた場合に、発電の停止を必要とする発電設備があるか否かを判定する停止設備判定工程と、
前記停止設備判定工程において停止が必要と判定された発電設備がある場合に、停止が必要と判定された発電設備に関する水量実績に基づいて発電設備の停止による溢水量を算出する溢水量算出工程と、
前記算出した溢水量に基づいて、前記希望工事時期を別の工事時期に変更することを提案する提案工程と、
前記提案工程で提案された別の工事時期に応じた工事時期の変更を確定する入力を受け付けて、該確定を受け付けた工事時期を確定工事時期として工事計画を確定する工事計画確定工程と、
前記工事計画確定工程で確定された工事計画を出力する工事計画出力工程と、
を含み、
停止設備判定工程は、工事計画の対象となる機器と、当該機器を停止する場合に発電の停止が必要となる発電設備とを対応付けた停止項目テーブルを参照することにより停止が必要となる設備の判定を行い、
前記提案工程は、希望工事時期における溢水量より溢水量が小さくなる工事時期を優先的に提案し、溢水量が小さいと判断した溢水量と同じ溢水量の工事時期が複数ある場合は、当該複数の工事時期のうちで前記希望工事時期に最も近い工事時期を優先的に提案することを特徴とする水力発電所の工事計画の最適化支援方法。
【請求項8】
前記工事計画確定工程は、前記停止設備判定工程において発電の停止を必要とする発電設備がないと判定した場合に、前記工事計画入力工程で入力を受け付けた工事計画を確定することを特徴とする請求項に記載の水力発電所の工事計画の最適化支援方法。
【請求項9】
前記溢水量算出工程は、前記発電設備に関する水量の所定年数に亘る実績を格納した水量データベースを参照することにより前記発電設備に関する水量実績を取得することを特徴とする請求項7または8のいずれか1項に記載の水力発電所の工事計画の最適化支援方法。
【請求項10】
前記水力発電所における所定年数に亘る発電量の月ごとの実績である発電量実績を金額に換算した月ごとの発電量実績額と、前記工事計画出力工程において出力された工事計画に含まれる工事費用である予想工事費用とを取得して、前記月ごとの発電量実績額から換算された当該工事計画の確定工事時期に対応する時期の前記発電量実績額に、前記取得した予想工事費用を加えた値を予想の発電所評価指標として提供する発電所評価指標提供工程とをさらに含むことを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載の水力発電所の工事計画の最適化支援方法。
【請求項11】
前記発電所評価指標提供工程は、前記水力発電所における実際の発電量である月ごとの実際発電量を金額に換算した月ごとの発電量実際額を取得し、月ごとの発電量実際額と前記月ごとの発電量実績額との比較表示を、評価指標として提供することを特徴とする請求項10に記載の水力発電所の工事計画の最適化支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水力発電所の工事計画の最適化支援サーバ、水力発電所の工事計画の最適化支援システムおよび水力発電所の工事計画の最適化支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力や火力等の発電所における設備管理、作業管理などを実施するために、各種管理業務で使用される予算件名や工事件名などの情報をデータベースにより管理する管理システムが提案されている(特許文献1参照)。従来の管理システムにおいては、システムごとにその用途によって独立した件名が割り当てられ、管理されている。特許文献1では、別々のシステムで管理されていたデータを統合する際に現場の機器との照合がつきやすく管理しやすくしたことにより、作業や処理の上で効率よく、誤りも発生しにくい管理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-143759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発電所においては機器に対して工事が計画され、特許文献1のような管理システムを用いて管理することができる。発電所の機器に対する工事は、場合によっては発電所の停止が必要になることがある。
【0005】
ところで、近年では、電力取引の自由化が導入され、各種発電所において効率よく発電を行うことが求められている。効率よく発電を行うためには、発電所の停止を伴う工事計画を適切な時期に予定することが好ましいといえる。
【0006】
原子力や火力等の発電所では、何らかの燃料を用いて発電を行っているので、たとえば、夏の昼間などのように電力消費量が増加する場合は燃料を増加し、夜間などの電力消費量が低下する時期には燃料を抑制することにより、需要に合わせて発電量を調整することは容易である。ところが水力発電所では、自然に存在する水を用いて発電を行っているため、貯水池や調整池を持つ一部の水力発電所以外では、需要に応じた発電量の調整は困難といえる。
【0007】
したがって、水力発電所においては、原子力や火力等の発電所とは異なる観点から工事計画を予定することが求められているといえる。
【0008】
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、発電効率が高くなるように水力発電所における工事計画を設定することを支援することができる水力発電所の工事計画の最適化支援サーバ、水力発電所の工事計画の最適化支援システムおよび水力発電所の工事計画の最適化支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、一実施形態に記載された水力発電所の工事計画の最適化支援サーバは、水力発電所の設備内の機器に対して工事を希望する工事時期である希望工事時期を含む希望の工事計画の入力を受け付ける工事計画入力部と、前記入力を受け付けた希望の工事計画の対象となる機器を停止させた場合に、発電の停止を必要とする発電設備を判定する停止設備判定部と、前記停止設備判定部において停止が必要と判定された発電設備がある場合に、停止が必要と判定された発電設備に関する水量実績に基づいて発電設備の停止による溢水量を算出する溢水量算出部と、前記算出した溢水量に基づいて、前記希望工事時期を別の工事時期に変更することを提案する提案部と、前記提案部で提案された別の工事時期に応じた工事時期の変更を確定する入力を受け付けて、該確定を受け付けた工事時期を確定工事時期として工事計画を確定する工事計画確定部と、前記工事計画確定部で確定された工事計画を出力する工事計画出力部と、を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態にかかる水力発電所の工事計画の最適化支援サーバを備えた水力発電所の工事計画の最適化支援システムを示す図である。
図2】水力発電所の工事計画の最適化支援システムの機能ブロックを示す図である。
図3】年間の工事計画を概観的に表示する例を示すブロック図である。
図4】年間の工事計画を概観的に表示する例を示すブロック図である。
図5】特定の発電所の特定の時期における工事計画を詳細に表示する例を示す図である。
図6】発電量実績額の表示例を示す図である。
図7】予定する工事計画に基づく発電量と実際の発電量との比較表示の例を示す図である。
図8】停止情報提供サーバに格納される停止項目テーブルの一例を示す図である。
図9】実績データベースに格納された水量実績データの一例を示す図である。
図10】実績データベースに格納された水量実績データの一例を示す図である。
図11】本実施形態にかかる水力発電所の工事計画の最適化支援サーバの動作を示すフローチャートである。
図12】ワークオーダ入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
【0012】
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る水力発電所の工事計画の最適化支援サーバ(10)は、水力発電所の設備内の機器に対して工事を希望する工事時期である希望工事時期を含む希望の工事計画の入力を受け付ける工事計画入力部(11)と、前記入力を受け付けた希望の工事計画の対象となる機器を停止させた場合に、発電の停止を必要とする発電設備を判定する停止設備判定部(12)と、前記停止要設備判定部(12)において停止が必要と判定された発電設備がある場合に、停止が必要と判定された発電設備に関する水量実績に基づいて発電設備の停止による溢水量を算出する溢水量算出部(13)と、前記算出した溢水量に基づいて、前記希望工事時期を別の工事時期に変更することを提案する提案部(14)と、前記提案部(14)で提案された別の工事時期に応じた工事時期の変更を確定する入力を受け付けて、該確定を受け付けた工事時期を確定工事時期として工事計画を確定する工事計画確定部(15)と、前記工事計画確定部(15)で確定された工事計画を出力する工事計画出力部(16)と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
〔2〕上記水力発電所の工事計画の最適化支援サーバにおいて、前記工事計画確定部(15)は、前記停止設備判定部において発電の停止を必要とする発電設備がないと判定した場合に、前記工事計画入力部で入力を受け付けた工事計画を確定することを特徴とする。
【0014】
〔3〕上記水力発電所の工事計画の最適化支援サーバにおいて、停止設備判定部は、工事計画の対象となる機器と、該機器を停止する場合に発電の停止が必要となる発電設備とを対応付けた停止項目テーブルを参照することにより停止が必要となる設備の判定を行うことを特徴とする。
【0015】
〔4〕上記水力発電所の工事計画の最適化支援サーバにおいて、前記溢水量算出部は、前記発電設備に関する水量の所定年数に亘る実績を格納した水量データベースを参照することにより前記発電設備に関する水量実績を取得することを特徴とする。
【0016】
〔5〕上記水力発電所の工事計画の最適化支援サーバにおいて、前記提案部は、溢水量が小さい工事時期を優先的に提案し、溢水量が同じ複数の工事時期がある場合は、当該複数の工事時期のうちで前記希望工事時期に最も近い工事時期を優先的に提案することを特徴とする。
【0017】
〔6〕上記水力発電所の工事計画の最適化支援サーバにおいて、前記水力発電所における所定年数に亘る発電量の実績である発電量実績を金額に換算した発電量実績額と、前記工事計画出力部から出力された工事計画に含まれる工事費用である予想工事費用とを取得して、当該工事計画の確定工事時期に対応する時期の前記発電量実績額に、前記取得した予想工事費用を加えた値を予想の発電所評価指標として提供する発電所評価指標提供部とをさらに備えることを特徴とする。
【0018】
〔7〕上記水力発電所の工事計画の最適化支援サーバにおいて、前記発電所評価指標提供部は、前記水力発電所における実際の発電量である実際発電量を金額に換算した発電量実際額を取得し、該発電量実際額と前記発電量実績額との比較表示を、評価指標として提供することを特徴とする。
【0019】
〔8〕本発明の他の実施の形態に係る水力発電所の工事計画の最適化支援システムは、上記された水力発電所の工事計画の最適化支援サーバと、工事計画の対象となる機器と、該機器を停止する場合に発電の停止が必要となる発電設備とを対応付けた停止項目テーブルを格納した停止情報提供サーバと、前記発電設備に関する水量の所定年数に亘る実績を格納した実績データベースを格納した実績管理サーバとを備えたことを特徴とする。
【0020】
〔9〕本発明の他の実施の形態に係る水力発電所の工事計画の最適化支援方法は、水力発電所の設備内の機器に対して工事を希望する工事時期である希望工事時期を含む希望の工事計画の入力を受け付ける工事計画入力工程と、前記入力を受け付けた希望の工事計画の対象となる機器を停止させた場合に、発電の停止を必要とする発電設備があるか否かを判定する停止設備判定工程と、前記停止設備判定工程において停止が必要と判定された発電設備がある場合に、停止が必要と判定された発電設備に関する水量実績に基づいて発電設備の停止による溢水量を算出する溢水量算出工程と、前記算出した溢水量に基づいて、前記希望工事時期を別の工事時期に変更することを提案する提案工程と、前記提案工程で提案された別の工事時期に応じた工事時期の変更を確定する入力を受け付けて、該確定を受け付けた工事時期を確定工事時期として工事計画を確定する工事計画確定工程と、前記工事計画確定工程で確定された工事計画を出力する工事計画出力工程と、を含むことを特徴とする。
【0021】
〔10〕上記水力発電所の工事計画の最適化支援方法において、前記工事計画確定工程は、前記停止設備判定工程において発電の停止を必要とする発電設備がないと判定した場合に、前記工事計画入力工程で入力を受け付けた工事計画を確定することを特徴とする。
【0022】
〔11〕上記水力発電所の工事計画の最適化支援方法において、停止設備判定工程は、工事計画の対象となる機器と、該機器を停止する場合に発電の停止が必要となる発電設備とを対応付けた停止項目テーブルを参照することにより停止が必要となる設備の判定を行うことを特徴とする。
【0023】
〔12〕上記水力発電所の工事計画の最適化支援方法において、前記溢水量算出工程は、前記発電設備に関する水量の所定年数に亘る実績を格納した水量データベースを参照することにより前記発電設備に関する水量実績を取得することを特徴とする。
【0024】
〔13〕上記水力発電所の工事計画の最適化支援方法において、前記提案工程は、溢水量が小さくなる工事時期を優先的に提案し、溢水量が同じ複数の工事時期がある場合は、当該複数の工事時期のうちで前記希望工事時期に最も近い工事時期を優先的に提案することを特徴とする。
【0025】
〔14〕上記水力発電所の工事計画の最適化支援方法において、前記水力発電所における所定年数に亘る発電量の実績である発電量実績を金額に換算した発電量実績額と、前記工事計画出力工程において出力された工事計画に含まれる工事費用である予想工事費用とを取得して、当該工事計画の確定工事時期に対応する時期の前記発電量実績額に、前記取得した予想工事費用を加えた値を予想の発電所評価指標として提供する発電所評価指標提供工程とをさらに含むことを特徴とする。
【0026】
〔15〕上記水力発電所の工事計画の最適化支援方法において、前記発電所評価指標提供工程は、前記水力発電所における実際の発電量である実際発電量を金額に換算した発電量実際額を取得し、該発電量実際額と前記発電量実績額との比較表示を、評価指標として提供することを特徴とする。
【0027】
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
【0028】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかる水力発電所の工事計画の最適化支援サーバを備えた水力発電所の工事計画の最適化支援システムを示す図である。本実施形態にかかる水力発電所の工事計画の最適化支援システムは、工事計画の最適化支援サーバ10と、停止情報提供サーバ20と、実績管理サーバ30とを備えて構成される。工事計画の最適化支援サーバ10と、停止情報提供サーバ20と、実績管理サーバ30とはそれぞれ記憶装置や演算処理装置を備えたコンピュータによって構成することができる。
【0029】
工事計画の最適化支援サーバ10は、停止情報提供サーバ20および実績管理サーバ30と協働することにより、水力発電所の工事計画の最適化支援サーバとして機能するサーバである。水力発電所において発電設備が停止する作業計画としては、保全計画と工事計画とがある。水力発電においては、保全計画は、設備の保守・保全を目的として定期的に点検や補修を行う計画であり、必要に応じて突発的に計画される工事計画とは区別されている。工事計画の最適化支援サーバ10では、水力発電所の工事計画を最適な時期に計画する支援をする。
【0030】
停止情報提供サーバ20は、工事計画の対象となる機器と、工事計画の対象とした機器を停止する場合に発電の停止が必要となる発電設備とを対応付けた停止項目テーブルを格納したデータベースを有している。停止情報提供サーバ20は、工事計画の最適化支援サーバ10に接続されており、工事計画の最適化支援サーバ10の要求に基づいて必要な情報データを提供する。
【0031】
実績管理サーバ30は、発電設備に関する水量の所定年数に亘る水量実績データと発電設備における発電量の実績である発電量実績データとを格納した実績データベースを有している。実績管理サーバ30は、工事計画の最適化支援サーバ10に接続されており、工事計画の最適化支援サーバ10の要求に基づいて実績データベースに格納した情報データを提供する。
【0032】
図2は水力発電所の工事計画の最適化支援システムの機能ブロックを示す図である。図2に示すように、工事計画の最適化支援サーバ10は、入力部11と、停止設備判定部12と、溢水量算出部13と、提案部14と、工事計画確定部15と、出力部16と、発電所評価指標提供部17と、保全・工事・停止計画格納部18とを有している。
【0033】
入力部11は、水力発電所の設備内の機器に対して工事を希望する工事時期である希望工事時期を含む希望の工事計画の入力を受け付ける工事計画入力部として機能することができる。入力部11としては、キーボード、マウス、マイクなどの任意のユーザインタフェースとこれらを制御して入力された情報を適宜処理するプロセッサなどの処理装置とを用いることができる。入力された希望の工事計画は、保全・工事・停止計画格納部18に一時的に格納し、必要に応じて参照することができる。
【0034】
停止設備判定部12は、入力を受け付けた希望の工事計画の対象となる機器を停止させた場合に、発電の停止を必要とする発電設備を判定する。停止設備判定部12は、対象となる機器を工事する場合に、停止すべき発電設備が何になるかを停止情報提供サーバ20に問い合わせる。問い合わせの結果、停止すべき発電設備がある場合は、停止設備判定部12は、溢水量算出部13に停止すべき発電設備についての情報を送る。問い合わせの結果、停止すべき発電設備がない場合は、停止設備判定部12は、工事計画確定部15に停止すべき発電設備がないことを送る。
【0035】
溢水量算出部13は、停止設備判定部12において停止が必要と判定された発電設備がある場合に、停止が必要と判定された発電設備に関する水量実績に基づいて発電設備の停止による溢水量を算出する。溢水量算出部13は、停止すべき発電設備があることを受け取ると、入力を受け付けた希望の工事計画を参照して、工事計画の期間を取得し、取得した期間(日数)において溢水量を算出する。溢水量算出部13は、停止すべき発電設備に関する水量実績データを実績管理サーバ30に問い合わせて、停止すべき発電設備に関する水量実績データを取得する。水量実績データはたとえば水量を発電量に換算したものが用いられる。
【0036】
停止すべき発電設備を収容した発電所に複数の発電設備が存在する場合などでは、水量実績データが個々の発電設備に直接的に対応していないことがある。この場合、溢水量算出部13は、発電所内の発電設備の能力を考慮して、溢水量を算出することができる。たとえば、A発電所には発電出力が等しい1号機と2号機とが設けられており、1号機と2号機共に最大発電量は1000kw/日であるA発電所において、5月10日から5月14日の5日間の期間において1号機の停止を必要とする工事計画について溢水量を算出することを考える。この場合、溢水量算出部13は、A発電所の水量実績データを実績管理サーバ30から取得して、連続する5日間ごとの溢水量を算出する。たとえば、希望する工事計画どおりの日程における溢水量を算出するときは、取得した水量実績データが、5月10日から5月12日は1300kw/日であり、5月13日から5月14日が1500kw/日であった場合、1000kw/日は2号機で消費可能であるので、溢水量は、300kw×3+500kw×2=1900kwと算出することができる。
【0037】
溢水量算出部13は、保全・工事・停止計画格納部18に格納されている保全・工事・停止計画を参照して溢水量を算出することができる。この場合、保全・工事・停止計画を参照して停止すべき発電設備の停止計画がすでに計画されている発電設備の溢水量は「0」として計算することができる。保全計画による溢水時期(停止が予定されている時期)に合わせて工事計画を計画しやすくなる。
【0038】
溢水量算出部13は、算出した溢水量を提案部14に出力する。
提案部14は、溢水量算出部13において算出した溢水量に基づいて、希望工事時期を別の工事時期に変更することを提案する。別の工事時期としては、溢水量が小さい順番で工事時期を提案することができる。提案部14は、溢水量が一番小さくなる時期が希望工事時期と一致する場合は、別の工事時期に変更することの提案は行わなくてもよい。溢水量が複数の工事時期で同じである場合は、希望工事時期に近い工事時期を別の工事時期として提案することができる。したがって、最初は溢水量が最も小さい工事時期を提案することができる。溢水量が最も小さい工事時期をすでに提案しており、再度の提案の場合は、次に溢水量が小さい工事時期を提案することができる。たとえば、希望工事時期である5月10日から5月14日までの5日間の溢水量が1900kwであるのに対し、10月3日から10月7日までの5日間の溢水量が0kwであり、最も小さい場合について考える。この場合、提案部14は、10月3日から10月7日までの5日間を別の工事時期としてこの工事時期に変更することを提案する。提案部14による提案は、出力部16のディスプレイに表示することなどによって行ってもよい。
図3は提案部14により、出力部16に表示される提案の表示例である。図3の例では、変更後の工事時期によって発電所の停止期間が短くなることを示すことによって提案がなされている。すなわち、図3において、当初の工事時期による発電所の停止が「ベースプラン」、変更後の工事時期が「変更プラン」とそれぞれ表示されており、変更プランの工事時期がベースプランの工事時期よりも短くなることが一目でわかる。この表示を参照することにより、視覚的に確認しながら工事時期を変更することができる。
【0039】
工事計画確定部15は、提案部14で提案された別の工事時期に応じた工事時期の変更を確定する入力を受け付けて、確定を受け付けた工事時期を確定工事時期として工事計画を確定する。工事時期の変更を確定する入力は、入力部11を用いて行うことができる。
【0040】
工事計画確定部15は、停止すべき発電設備がないことを停止設備判定部12から受け取った場合にも、工事計画を確定することができる。停止すべき発電設備がない場合は、工事計画確定部15は、当初の工事計画に含まれる希望工事時期で工事計画を確定する入力を受け付けると、確定を受け付けた工事時期を確定工事時期として工事計画を確定する。希望工事時期で確定する場合は、確定の受付を省略してもよい。確定した工事計画は、保全・工事・停止計画格納部18に格納することができる。
【0041】
出力部16は、工事計画確定部で確定された工事計画を出力する工事計画出力部として機能することができる。出力部16としては、ディスプレイ、スピーカなどの任意のユーザインタフェースとこれらを制御して所定の情報を適宜処理してユーザインタフェースに出力するプロセッサなどの処理装置とを用いることができる。
【0042】
図4、5はディスプレイである出力部16における出力表示例を示す図である。図4は、年間の工事計画を概観的に表示する例であり、図5は、特定の発電所の特定の時期における工事計画を詳細に表示する例である。図4において、「A発電所」と「B発電所」が示されており、「A発電所」には発電設備として「1号機」と「2号機」とがあり、その発電設備はそれぞれ「機器a」、「機器b」、「機器c」、「機器d」を有していることがわかる。図4によれば、例えば「A発電所」の「1号機」には、5月に「機器b」、「機器c」について作業(保全作業か工事作業)が計画されており、発電が停止することが計画されていることが示されている。さらにこの5月の作業内容・停止時期を参照したい場合は、入力部11であるマウスなどを用いてこの「A発電所」の5月を選択すると、図5に示す詳細表示に切り替わり、5月の2日から12日に発電停止が計画されており(濃く塗りつぶしたバーで図示)、そのうち5月2日から5月9日には「機器b」に保全計画が予定されており(薄く塗りつぶしたバーで図示)、「機器c」には5月2日から7日までは工事計画が予定され(塗りつぶしなしのバーで図示)、5月8日から5月12日には保全計画が予定されている(薄く塗りつぶしたバーで図示)ことが示されている。
【0043】
発電所評価指標提供部17は、発電量実績額と予想工事費用とを取得して、予想の発電所評価指標を提供する。発電量実績額は、水力発電所における所定年数に亘る発電量の実績である発電量実績を金額に換算した値を用いることができる。予想工事費用は、工事計画出力部から出力された工事計画に含まれる工事費用を用いることができる。
【0044】
発電所評価指標提供部17は、工事計画の確定工事時期に対応する時期の発電量実績額に、前記取得した予想工事費用を加えた値を予想の発電所評価指標として出力することができる。この発電所評価指標は、工事時期に本来は発電できたであろう発電量実績を溢水量として考えて、損失として計上し、それに工事費用を損失として加えて計上するものである。
【0045】
図6は発電量実績額の表示例を示す図であり、図7は予定する発電量実績額と実際の発電量を金額に換算した値との比較表示の例を示す図である。図6に示すように、発電所評価指標提供部17は、発電量の実績を表示することによって、発電所の採算性などを評価する指標を発電所評価指標として提供することができる。また、図7に示すように、発電所評価指標提供部17は、予定の発電量(発電量実績額)と実際の発電量(発電量実際額)とを比較表示させて評価指標として表示することによって、工事計画が効率よく設定されたかなどを評価することができる。ここで発電量実際額は、実際の発電量である実際発電量を金額に換算した値である。図6、7に示すように、発電量を金額に換算して表示してもよいし、発電量をMWなどの電力量のまま表示してもよい。
【0046】
保全・工事・停止計画格納部18は、水力発電所の保全計画、工事計画、停止計画の情報を格納する格納部である。確定する前の工事計画である希望工事計画を一時的に格納することもできる。また、水力発電所には、発電が止まる要素として、工事計画と保全計画とがある。工事計画は、突発的に発生する故障などを原因とした設備に対する作業の計画である。保全計画は、設備の定期点検などのあらかじめスケジュールされた設備に対する作業の計画である。
【0047】
図8は、停止情報提供サーバ20に格納される停止項目テーブルの一例を示す図である。図8に示すように、停止項目テーブルは、工事計画の対象となる機器と、工事計画の対象とした機器を停止する場合に発電の停止が必要となる発電設備とを対応付けたテーブルである。停止情報提供サーバ20は、停止設備判定部12の要求に応じて、停止項目テーブルを参照して必要な情報を渡す。たとえば、停止設備判定部12から、「1号機配電盤」を工事する場合に停止対象機器が何になるかを問い合わせる要求を受け取ると、図3のテーブルを参照して、停止対象の機器が「1号機停止」であるということを停止設備判定部12に渡す。
【0048】
図2に戻って、実績管理サーバ30は、水量実績データ31と発電量実績データ32とを格納した実績データベースを有している。
【0049】
図9、10は、実績データベースに格納された水量実績データ31の一例を示す図である。水量実績データ31は、水力発電所において利用可能な水量が過去どのぐらいであったかを示す水量の変動実績である。変動実績は、時間軸に対して水量がどのように変動したかがわかればよく、日ごとの実績でもよいし、時間ごとの実績でもよい。また、変動実績は複数年の水量の平均値を用いることが好ましい。
水量実績データは、溢水量算出部13において取得した際に、ディスプレイである出力部16において表示してもよい。表示する場合、図9に示すように年間を通じた水量の変動実績(河川自流)を1つの画面で表示した後に、選択した月における日ごとの水量の変動実績の詳細を図10に示すようにしてもよい。
【0050】
次に、本実施形態にかかる水力発電所の工事計画の最適化支援サーバの動作について説明する。図11は本実施形態にかかる水力発電所の工事計画の最適化支援サーバの動作を示すフローチャートである。図12はワークオーダ入力画面の一例を示す図である。
工事計画の最適化支援サーバ10は、入力部11においてワークオーダの入力を受け付けることができる(ステップS91)。ワークオーダとは、希望する工事計画を入力するフォーマットであり、たとえば、作業件名、発電所名、対象機器、要求日時などの項目を入力することができる。工事計画の最適化支援サーバ10は、ワークオーダの入力を受け付ける際に、図12に示すように、これらの項目を入力するフォーマットを出力部16において表示することができる。
【0051】
ワークオーダの入力を受け付けると、停止設備判定部12は、発電の停止が必要となる発電設備があるかを判定する(ステップS92)。停止設備判定部12は、発電の停止が必要となる発電設備があると判定した場合(ステップS92:Yes)は、停止すべき発電設備の情報を溢水量算出部13に送る。一方で、停止設備判定部12は、発電の停止が必要となる発電設備がないと判定した場合(ステップS92:Yes)は、停止すべき発電設備がないことを工事計画確定部15に送る。
【0052】
発電の停止が必要となる発電設備があると判定された場合(ステップS92:Yes)、溢水量算出部13は、停止が必要とされた発電設備に関する水量実績に基づいて発電設備の停止による溢水量を算出する(ステップS93)。溢水量算出部13は、算出した溢水量を提案部14に渡す。
【0053】
提案部14は、溢水量算出部13で算出した溢水量に基づいて希望の工事時期を別の工事時期に変更することを提案する(ステップS94)。提案部14は、溢水量が小さい順に別の工事時期を提案することができる。提案の順番は効率よく工事計画を設定できるものであればよい。
【0054】
工事計画確定部15は、工事時期の変更を確定する入力を受け付けることができる(ステップS95)。確定する入力を受け付けた場合(ステップS95:Yes)、工事計画確定部15は、確定した工事時期で入力された工事計画を確定する(ステップS96)。工事計画確定部15は、確定した工事計画を保全・工事・停止計画格納部18に格納することができる。一方で、確定する入力を受けなかった場合(ステップS95:No)は、工事計画確定部15は、提案部14に再度の提案を実行するように指示する。
【0055】
以上説明した水力発電所の工事計画の最適化支援サーバを備えた水力発電所の工事計画の最適化支援システムによれば、水力発電所における工事計画を管理する際に、水力発電において発電効率低下の要因として考えられる溢水量を算出して、算出結果に基づいて最適な時期を提案することができるので、効率的な発電を行うための工事計画を設定することを支援することができる。
【0056】
なお、以上の実施形態では、提案部14は、別の工事時期を提案する手法として、溢水量が小さい順番で工事時期を提案していたが、これとは異なる手法で提案してもよい。たとえば、溢水量算出部13で算出した複数の時期における溢水量を出力部16において視覚的に表現(ディスプレイ表示)することもできる。
【0057】
なお、以上の実施形態では、水力発電所の工事計画の最適化支援システムを複数のサーバで構成した例を示したが、これに限定されない。停止項目テーブルと水量実績データおよび発電量実績データとを格納した実績データベースとを工事計画の最適化支援サーバ内に設けてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10 工事計画の最適化支援サーバ
11 入力部
12 停止設備判定部
13 溢水量算出部
14 提案部
15 工事計画確定部
16 出力部
17 発電所評価指標提供部
18 保全・工事・停止計画格納部
20 停止情報提供サーバ
30 実績管理サーバ
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
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図12