IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ NECマグナスコミュニケーションズ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-データ転送システム 図1
  • 特許-データ転送システム 図2
  • 特許-データ転送システム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】データ転送システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/42 20180101AFI20240105BHJP
   B61L 25/04 20060101ALI20240105BHJP
   H04L 67/00 20220101ALI20240105BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20240105BHJP
【FI】
H04W4/42
B61L25/04
H04L67/00
H04W4/06 170
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019204110
(22)【出願日】2019-11-11
(65)【公開番号】P2021078029
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】390010386
【氏名又は名称】NECマグナスコミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115738
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲頭 光宏
(74)【代理人】
【識別番号】100121681
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 和文
(72)【発明者】
【氏名】張野 健二
(72)【発明者】
【氏名】古野 博之
【審査官】倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-091993(JP,A)
【文献】特開2004-135138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
B61L 25/04
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電車に設置された移動体用データ管理装置と、
前記電車が停止するに設けられた外部データ管理装置とを備え、
前記移動体用データ管理装置は、前記電車に設置された移動体用ストレージと、移動体用ストレージ内のデータを管理する管理サーバと、前記外部データ管理装置側と5Gによるデータ通信を行う無線子機と、前記無線子機のアンテナとを含み、
前記外部データ管理装置は、前記駅のプラットフォームに設置され、前記無線子機と5Gによるデータ通信を行う無線親機と、前記無線親機のアンテナと、前記無線親機に接続されたストレージサーバとを含み、
前記無線子機のアンテナは、前記電車の車両外壁に設置され、
前記無線親機のアンテナは、前記駅のプラットフォームに設けられたホームドアの壁面外側であって、前記電車が前記駅のプラットフォームの所定の停止位置に停止したときに前記無線子機のアンテナと相対向する位置に設置されており、
前記電車内には、複数台の高精度カメラが多方向から撮影するよう設置され、
前記管理サーバは、前記カメラが撮影した動画データを前記移動体用ストレージに保存し、
前記移動体が直前に停止した駅のプラットフォームを出発して以降に撮影され前記移動体用ストレージ内に保存された動画データを、次の駅のプラットフォームで前記電車が停止したときに、前記無線子機及び前記無線親機を介して前記ストレージサーバに転送することを特徴とするデータ転送システム。
【請求項2】
前記電車内に設置され、前記移動体用ストレージに保存されたコンテンツデータを再生表示する一又は複数のディスプレイ装置をさらに備え、
前記管理サーバは、前記電車が前記駅のプラットフォームに停車したとき前記外部データ管理装置側から前記無線親機及び前記無線子機を介して転送されたコンテンツデータを受け取って前記移動体用ストレージに保存し当該コンテンツデータを前記ディスプレイ装置が再生表示し、前記電車が次の駅のプラットフォームに停車したとき、前記コンテンツデータの続きである新たなコンテンツデータを受け取って前記移動体用ストレージに保存し当該コンテンツデータを直前の駅のプラットフォームで受け取ったコンテンツデータに続けて前記ディスプレイ装置が再生表示する、請求項1に記載のデータ転送システム。
【請求項3】
前記無線子機は、前記電車の複数の車両の各々に設けられている、請求項1又は2に記載のデータ転送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電車などの移動体内のデータを外部に転送するデータ転送システムに関し、特に第5世代移動通信システム(5G)を利用した高速データ転送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電車内の迷惑行為防止対策として防犯カメラの設置が進められている。また車両内にはディスプレイ装置が設置され、広告表示、ニュース、天気予報なども提供されている。
【0003】
電車内の迷惑行為防止対策に関し、例えば特許文献1には、不特定多数の人が出入りする空間内における迷惑行為者を推定することができる迷惑行為者推定システムが記載されている。このシステムは、空間に入場する人物を撮影する第1撮影部と、当該空間内に設けられ、通報端末からの通報信号により当該位置の周辺を撮影する第2撮影部と、第1撮影部が撮影したが画像及び第2撮影部が撮影した画像をそれぞれ分析し顔データを抽出する画像分析部と、第1撮影部が撮影した画像から抽出された顔データを格納する第1データベース部と、第2撮影部が撮影した画像から抽出された顔データを格納する第2データベース部と、第1データベース部及び第2データベース部の顔データを分析し、第3データベース部に格納する顔データを選別して頻度スコアの算出を行う顔データ解析部と、規定期間の経過後に、対応する頻度スコアが閾値を超えた顔データの人物を迷惑行為者と推定する判断部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-62594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年では、撮影した画像の証拠能力を高めると共に抑止力を向上するため、電車の各車両により高精細な動画撮影が可能な4K/8Kカメラなどの高精度カメラを複数台設置して多方向から撮影することが求められている。この場合、各車両には多数の防犯カメラが撮影した動画データを格納する大容量のストレージが必要となるため、システムコストが増加する。また録画した大容量の動画データを電車から鉄道会社が管理する防犯システムのデータセンタに転送する必要があるが、大容量データであることから、電車側からデータセンタへのデータの取り込みに非常に時間がかかるという問題がある。
【0006】
一方、乗客向けの宣伝媒体として液晶ディスプレイを設置した車両が普及しつつある。近年では、複数の液晶ディスプレイを整列配置し、これらを連携して1つの大画面としてダイナミックな広告を表示するといった利用が進んでいる。例えば、大きなスポーツイベントなどをこの大画面に表示して乗客に提供するといった利用も考えられるが、リアルタイムに大容量の動画データを電車内に安定して伝送することが困難であるという問題がある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、電車等の移動体と外部システムとの間で大容量データを高速転送して移動体内のストレージ容量を低く抑えることが可能なデータ転送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明によるデータ転送システムは、移動体に設置された移動体用データ管理装置と、前記移動体が停止するターミナルに設けられた外部データ管理装置とを備え、前記移動体用データ管理装置は、前記移動体に設置された移動体用ストレージと、移動体用ストレージ内のデータを管理する管理サーバと、前記外部データ管理装置側と5Gによるデータ通信を行う無線子機とを含み、前記外部データ管理装置は、前記ターミナルの移動体停止位置付近に設置され、前記無線子機と5Gによるデータ通信を行う無線親機と、前記無線親機に接続されたストレージサーバとを含み、前記無線子機のアンテナは、前記移動体が前記ターミナルの所定の停止位置に停止したときに前記無線親機のアンテナと相対向する位置に配置され、前記管理サーバは、前記移動体が前記ターミナルに停止したとき前記移動体用ストレージ内のデータを前記無線子機及び前記無線親機を介して前記ストレージサーバに転送するアップロード処理及び前記ストレージサーバ内のデータを前記無線親機及び前記無線子機を介して前記移動体用ストレージに転送するダウンロード処理の少なくとも一方を実施することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、電車などの移動体が駅などのターミナルに停止したときにターミナル側の無線親機のアンテナと最も近づくように移動体側の無線子機のアンテナを設置し、5Gの高速データ通信を比較的近距離で利用することで高速大容量の通信を実現することができる。したがって、例えば移動体に設置した高精度カメラが撮影した動画データをターミナル到着時の短い時間内にターミナル側に転送することができる。したがって、カメラが撮影した動画データの一時保存等に利用される移動体用ストレージの容量を小さくすることができ、移動体用データ管理装置の構築コストを低く抑えることができる。また、移動体側からの保存データの取り込みにかかる時間を短くすることができる。
【0010】
本発明によるデータ転送システムは、前記移動体内に設置された一又は複数のカメラをさらに備え、前記管理サーバは、前記カメラが撮影した動画データを前記移動体用ストレージに保存し、前記移動体が直前に停止したターミナルを出発して以降に撮影され前記移動体用ストレージ内に保存された動画データを、次のターミナルで前記移動体が停止したときに、前記無線子機及び前記無線親機を介して前記ストレージサーバに転送することが好ましい。このように、移動体がターミナルに停止したときにカメラの撮影データをターミナル側に吐き出すことにより、車載ストレージの容量を小さくすることができる。
【0011】
本発明によるデータ転送システムは、前記移動体内に設置され、前記移動体用ストレージに保存されたコンテンツデータを再生表示する一又は複数のディスプレイ装置をさらに備え、前記管理サーバは、前記移動体が前記ターミナルに停止したとき前記外部データ管理装置側から転送されたコンテンツデータを受け取って前記移動体用ストレージに保存し当該コンテンツデータを前記ディスプレイ装置が再生表示し、前記移動体が次のターミナルに停車したとき、前記コンテンツデータの続きである新たなコンテンツデータを受け取って前記移動体用ストレージに保存し当該コンテンツデータを直前のターミナルで受け取ったコンテンツデータに続けて前記ディスプレイ装置が再生表示することが好ましい。これにより、常に最新のコンテンツをディスプレイ装置に表示することができる。
【0012】
本発明において、前記移動体は電車であり、前記ターミナルは前記電車の駅であることが好ましい。この場合において、前記無線子機のアンテナは、前記電車の車両外壁に設置され、前記無線親機のアンテナは、駅のプラットホームに設けられたホームドアの壁面外側に設置されていることが好ましい。
【0013】
本発明において、前記無線子機は、前記電車の複数の車両の各々に設けられていることが好ましい。このように、車両ごとに動画データを吸い上げることでデータ転送の高速化と車載ストレージの低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、電車等の移動体と外部システムとの間で大容量データを高速転送して移動体内のストレージ容量を低く抑えることが可能なデータ転送システムを提供することができる。なお、通信キャリア各社が提供する5G通信サービスで本発明を実現することも可能であるが、本発明は所謂「ローカル5G」を有効活用する上で好適である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態によるデータ転送システムの構成を概略的に示すブロック図である。
図2図2は、電車2が駅3に停車したときの、電車2側の無線子機15と駅側の無線親機21との位置関係を示す模式図である。
図3図3は、本実施形態によるデータ転送システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態によるデータ転送システムの構成を概略的に示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、このデータ転送システム1は、電車2側に設置された車載データ管理装置10と、電車2が停車する駅3側に設けられ、車載データ管理装置10との間で5Gによる高速データ通信を行って電車2側のデータを管理する外部データ管理装置20とを備えている。
【0019】
車載データ管理装置10は、電車2の車両2A内に設置された複数の防犯カメラ11と、各防犯カメラ11が撮影した動画データを保存された車載ストレージ13と、車載ストレージ13内のデータを管理する管理サーバ14と、外部データ管理装置20側と5Gのデータ通信を行う無線子機15とを備えている。外部データ管理装置20は、電車2が停車する駅3の電車停車位置付近に設置され、車載データ管理装置10側の無線子機15と5Gのデータ通信を行う無線親機21と、無線親機21に接続されたストレージサーバ22とを備えている、ストレージサーバ22は通信回線、例えばインターネット30を介してデータセンタ31に接続されており、ストレージサーバ22内の保存データは必要に応じてデータセンタ31に転送される。
【0020】
複数の防犯カメラ11は、電車2の車両ごとに複数台設けられているが、1台ずつであってもよい。また、車載ストレージ13、管理サーバ14及び無線子機15も車両2Aごとに設けられることが好ましいが、全車両に対して共通に設けられていてもよい。車載ストレージ13は図示のように一つの車両2A内の複数の防犯カメラ11に対して共通に設けられていてもよく、個別に設けられていてもよい。
【0021】
電車2の運行中、防犯カメラ11は車両内を撮影し、撮影された動画データは車載ストレージ13に一時保存される。防犯カメラ11から出力される撮影データの保存やディスプレイ装置12に表示する動画データの再生は管理サーバ14によって行われる。
【0022】
図2は、電車2が駅3に停車したときの、電車2側の無線子機15と駅側の無線親機21との位置関係を示す模式図である。
【0023】
図2に示すように、電車2の各車両の無線子機15は、各車両の既定の位置に1台ずつ設けられている。無線子機15の設置位置は、電車2が既定の停車位置で停車したときに、駅側に設置された対応する無線親機21と対向する車両2Aの側壁面である。言い換えると、駅側の無線親機21は、各車両の既定の位置に設置された無線子機15と相対向する位置に設置されている。
【0024】
なお、図2においては無線子機15と無線親機21の夫々が、無線機本体にアンテナを一体化したものを例示しているが、無線機本体とアンテナが分離されており両者をケーブルで接続したものである場合は、無線子機15のアンテナと無線親機21のアンテナとを相対向する位置に設置すれば良いことはいうまでもない。
【0025】
上記のように、無線子機15及び無線親機21は5G規格の無線装置である。5Gは1~50Gbpsの超高速かつ超大容量の無線通信を実現する第5世代移動通信システムであるが、ミリ波を用いているため電波の直進性が強く、回折波による通信は望めない。そのため、5Gの通信では親機から子機へ直接波が到達するかどうかが重要となるが、上記のように無線子機15のアンテナ15aと無線親機21のアンテナ21aとをできるだけ近づけて相対向させることにより、5Gデータ通信のパフォーマンスを最大限に引き出すことができる。
【0026】
図示のように、最近の駅3のプラットホームには安全のためにホームドアが設けられ、車両2Aの出入口3Aの位置以外には壁3Bが設けられていることが多い。この場合、無線親機21はこの壁3Bの線路側の壁面に設けられることが好ましい。無線親機21をこのように設置することで、無線子機15のアンテナ15aと無線親機21のアンテナ21aとをできるだけ近づけて相対向させることができ、障害物が介在する余地をなくして高速通信の信頼性を高めることができる。
【0027】
次に、図3を参照しながら、車載データ管理装置10と外部データ管理装置20との間のデータ転送について詳細に説明する。上記のように、電車2の運行中に防犯カメラ11は車両2A内を撮影し続ける(ステップS1~S3)。防犯カメラ11が撮影した動画データは車載ストレージ13に保存される。
【0028】
電車2が次の駅に到着したとき、管理サーバ14は、対応する車両2Aの車載ストレージ13に保存されている各防犯カメラ11の撮影データを外部データ管理装置20側に一気に転送する(ステップS3,S4)。このとき転送されるデータは、電車2が前の駅を出発してから次の駅に停車するまでの間に撮影された動画データであることが好ましい。無線子機15は無線親機21に向けて転送データを送信し、外部データ管理装置20側のストレージサーバ22は無線親機21が受信したデータを保存する。通常、電車2は所定の停車位置で正確に停車し、無線子機15も無線親機21に対して正確に位置合わせされるので、大容量の動画データもすべて外部データ管理装置20側へ高速でアップロードすることが可能である。
【0029】
以上説明したように、本実施形態によるデータ転送システム1は、電車2側に設置された車載データ管理装置10と、駅3側に設けられた外部データ管理装置20とを備え、車載データ管理装置10は、電車2が駅3の既定の停車位置に停車したとき、電車2側の無線子機15が駅3側の無線親機21と対向する位置に配置され、管理サーバ14は、防犯カメラ11が撮影した動画データを外部データ管理装置20側に転送するので、車載ストレージ13を大容量化することなく、車両内の防犯システムを構築することができる。特に、5G規格の無線子機15と無線親機21とを車両外壁とホームドアの壁面外側という比較的近距離で利用することで高速大容量の通信を実現することができ、電車2内に設置した高精度カメラが撮影した動画データを駅到着時の短い時間内に駅側に転送することができる。したがって、防犯カメラ11が撮影した動画データを一時保存しておく車載ストレージ13の容量を小さくすることができ、車載データ管理装置10の構築コストを低く抑えることができる。また、電車2側からの保存データの取り込みにかかる時間を短くすることができる。
【0030】
以上、説明した実施形態においては、電車2側から駅3側に向けて5G規格の無線子機15と無線親機21を介して大容量データを高速に伝送するアップロード処理を示したが、駅3側から電車2側に向けて大容量データを転送するダウンロード処理にも利用できる。
【0031】
図1に示すように、車載データ管理装置10には、電車2の車両2A内に複数のディスプレイ装置12を設置している。各ディスプレイ装置12は、車載ストレージ13に保存されたコンテンツデータを再生表示する。例えば、電車2の運行中、ディスプレイ装置12からは広告、ニュース、天気予報、スポーツ中継動画などが乗客に向けて放映される。複数のディスプレイ装置12は、電車2の車両ごとに複数台設けられているが、1台ずつであってもよい。
【0032】
管理サーバ14は、電車2が停車している間に外部データ管理装置20側から新たなコンテンツデータを受け取り、車載ストレージ13に保存する。即ち、車載ストレージ13内のコンテンツを駅3に停車する度に更新することができる。例えば、新しいニュース、天気予報、スポーツ中継動画を再生することができる。
【0033】
特に、スポーツ中継動画などはリアルタイム性が求められるが、電車2が走行している最中は、沿線のビルやトンネルを通過する際に外部からの無線通信が遮られるなど、通信キャリア各社が提供する5G通信サービスを受信する形態では通信状況が刻々と変化するので安定した生中継の放映を行うことは容易ではない。
【0034】
そこで、本実施形態では、外部データ管理装置20側のストレージサーバ22に、前の駅から次の駅へ移動している間のスポーツ生中継を新たなスポーツ中継動画として保存し、駅に到着する度に保存されている新たなスポーツ中継動画を外部データ管理装置20側からダウンロードして車載ストレージ13に保存する。車載ストレージ13に直前に保存されたスポーツ中継動画の再生が終わると引き続き新たなスポーツ中継動画を連続再生することで擬似的な生中継を実現することができる。
【0035】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0036】
例えば、上記実施形態においては、電車2の各車両2Aに1台ずつ車載ストレージ13及び無線子機15が設けられているが、例えば2両の車両に共通する1つの車載ストレージ13及び1つの無線子機15を設けてもよく、あるいは全車両に共通する1つの車載ストレージ13及び1つの無線子機15を設けてもよい。また、管理サーバ14は1つの車載ストレージ13及び1つの無線子機15に対して個別に設けられてもよく、複数の車載ストレージ13及び複数の無線子機15に対して共通に設けられてもよい。
【0037】
また上記実施形態においては、電車と駅との間の通信を例として本発明を説明してきたが、他の移動体(モノレール、ケーブルカー、ロープウエイ、バス、船舶、航空機)とターミナル(停車場、停留所、船つき場、桟橋、埠頭、飛行場、ヘリポート)との間の通信に適用してもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 データ転送システム
2 電車
2A 車両
3 駅
3A 出入口
3B 壁
10 車載データ管理装置
11 防犯カメラ
12 ディスプレイ装置
13 車載ストレージ
14 管理サーバ
15 無線子機
20 外部データ管理装置
21 無線親機
22 ストレージサーバ
30 インターネット
31 データセンタ
図1
図2
図3