(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/105 20200101AFI20240105BHJP
H05B 47/11 20200101ALI20240105BHJP
H05B 47/115 20200101ALI20240105BHJP
H05B 47/12 20200101ALI20240105BHJP
H05B 47/125 20200101ALI20240105BHJP
H05B 47/13 20200101ALI20240105BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20240105BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B47/11
H05B47/115
H05B47/12
H05B47/125
H05B47/13
H05B47/165
(21)【出願番号】P 2020005208
(22)【出願日】2020-01-16
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】721011659
【氏名又は名称】KKテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】加賀谷 史央
【審査官】坂口 達紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-257611(JP,A)
【文献】特開2018-197701(JP,A)
【文献】特開2019-062465(JP,A)
【文献】特開2019-114128(JP,A)
【文献】特開2018-173777(JP,A)
【文献】特開2011-044384(JP,A)
【文献】特開2013-182820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 39/00-39/10
45/00-45/58
47/00-47/29
F24F 1/00-11/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の居住空間を変更する1以上の環境機器に与える1以上のパラメータの集
合であって、
1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた各時のデフォルト設定として用いられる情報である2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部と、
1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信部と、
前記1以上の各エリア毎に、
1以上の各センサ毎の時系列の2以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の
標準環境情報である補正環境情報を取得する補正部と、
前記補正部が取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御部とを具備する制御装置。
【請求項2】
人の居住空間を変更する1以上の環境機器に与える1以上のパラメータの集合であって、1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた各時のデフォルト設定として用いられる情報である2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部と、
1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信部と、
前記1以上の各エリア毎に、前記1以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の標準環境情報である補正環境情報を取得する補正部と、
前記補正部が取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御部と、
前記環境機器の制御のモードであり、自動的に制御を行う自動モード、人手による設定を優先する強制モード、補正環境情報を固定的に使用する相対モードのうちの2以上のモードのうちのいずれのモードであるかを示すカレントモードが格納されるカレントモード格納部とを具備し、
前記制御部は、前記カレントモードに従ったモードに対応する制御を行う制御装置。
【請求項3】
前記環境機器の制御の2以上のモードは、相対モードを含み、
前記環境機器の現在の制御に用いられている補正環境情報を固定的に利用する指示を受信する指示情報受信部を備え、
前記制御部は、
前記指示情報受信部が補正環境情報を固定的に利用する指示を受信した場合に、環境機器の制御に用いられていた補正環境情報を固定し、この固定された補正環境情報を用いて、環境機器を制御する請求項
2記載の制御装置。
【請求項4】
前記環境機器の制御の2以上のモードは、相対モードを含み、
前記制御部は、
前記標準環境情報とは別に、前記補正環境情報または前記補正環境情報と前記標準環境情報との差に関する差情報を蓄積し、
前記相対モードにおいて、前記蓄積された前記補正環境情報、または前記差情報と前記標準環境情報とを用いて取得される補正環境情報を用いて、環境機器を制御する請求項
2または請求項
3記載の制御装置。
【請求項5】
人の居住空間を変更する1以上の環境機器に与える1以上のパラメータの集合であって、1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた各時のデフォルト設定として用いられる情報である2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部と、
1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信部と、
前記1以上の各エリア毎に、前記1以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の標準環境情報である補正環境情報を取得する補正部と、
前記補正部が取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御部と、
環境機器に対する制御の指示であり、ユーザが入力した指示を特定する指示情報を受信する指示情報受信部と、
1以上の各エリア毎に、前記センサ値受信部が受信した1以上のセンサ値と前記指示情報とを用いて、前記1以上のセンサ値を入力とし、前記指示情報を出力とする予測処理に使用する学習器を、機械学習のアルゴリズムにより取得し、当該学習器を蓄積する学習部と
を具備す
る制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記センサ値受信部が受信した1以上のセンサ値と、前記学習器とを用いて、機械学習のアルゴリズムにより予測処理を行い、指示情報を取得し、当該指示情報を用いて、前記環境機器を制御する請求項
5記載の制御装置。
【請求項7】
人の居住空間を変更する1以上の環境機器に与える1以上のパラメータの集合であって、1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた各時のデフォルト設定として用いられる情報である2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部と、
1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信部と、
前記1以上の各エリア毎に、前記1以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の標準環境情報である補正環境情報を取得する補正部と、
前記補正部が取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御部とを具備し、
前記1以上のセンサは、湿度センサ、音センサ、振動センサ、色を検出するカラーセンサ、ガスの組成または濃度を検出するガスセンサ、浮遊粒子検出センサ、およびイメージセンサのうちの1以上である制御装置。
【請求項8】
前記センサ値受信部が受信する1以上のセンサ値は、制御機器を制御することにより制御可能な環境値以外のセンサ値を含む請求項1から請求項7いずれか一項記載の制御装置。
【請求項9】
前記環境機器は、室内の居住空間を変更する室内環境機器である請求項1から請求項8いずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
前記室内環境機器は、照明機器である請求項9記載の制御装置。
【請求項11】
前記室内環境機器は、空調機器である請求項9記載の制御装置。
【請求項12】
前記室内環境機器は、ブラインド装置である請求項9記載の制御装置。
【請求項13】
前記室内環境機器は、換気装置である請求項9記載の制御装置。
【請求項14】
人の居住空間を変更する1以上の環境機器に与える1以上のパラメータの集
合であって、
1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた各時のデフォルト設定として用いられる情報である2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部と、センサ値受信部と、補正部と、制御部とを用いて行われる制御方法であって、
前記センサ値受信部が、1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信ステップと、
前記補正部が、前記1以上の各エリア毎に、
1以上の各センサ毎の時系列の2以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の
標準環境情報である補正環境情報を取得する補正ステップと、
前記制御部が、前記補正ステップで取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御ステップとを具備する制御方法。
【請求項15】
人の居住空間を変更する1以上の環境機器に与える1以上のパラメータの集合であって、1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた各時のデフォルト設定として用いられる情報である2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部と、センサ値受信部と、補正部と、制御部と、カレントモード格納部とを用いて行われる制御方法であって、
前記センサ値受信部が、1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信ステップと、
前記補正部が、前記1以上の各エリア毎に、前記1以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の標準環境情報である補正環境情報を取得する補正ステップと、
前記制御部が、前記補正ステップで取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御ステップとを具備し、
前記カレントモード格納部には、前記環境機器の制御のモードであり、自動的に制御を行う自動モード、人手による設定を優先する強制モード、補正環境情報を固定的に使用する相対モードのうちの2以上のモードのうちのいずれのモードであるかを示すカレントモードが格納され、
前記制御ステップは、前記カレントモードに従ったモードに対応する制御を行う制御方法。
【請求項16】
人の居住空間を変更する1以上の環境機器に与える1以上のパラメータの集合であって、1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた各時のデフォルト設定として用いられる情報である2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部と、センサ値受信部と、補正部と、制御部と、指示情報受信部と、学習部とを用いて行われる制御方法であって、
前記センサ値受信部が、1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信ステップと、
前記補正部が、前記1以上の各エリア毎に、前記1以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の標準環境情報である補正環境情報を取得する補正ステップと、
前記制御部が、前記補正ステップで取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御ステップと、
前記指示情報受信部が、環境機器に対する制御の指示であり、ユーザが入力した指示を特定する指示情報を受信する指示情報受信ステップと、
前記学習部が、1以上の各エリア毎に、前記センサ値受信部が受信した1以上のセンサ値と前記指示情報とを用いて、前記1以上のセンサ値を入力とし、前記指示情報を出力とする予測処理に使用する学習器を、機械学習のアルゴリズムにより取得し、当該学習器を蓄積する学習ステップとを具備する制御方法。
【請求項17】
人の居住空間を変更する1以上の環境機器に与える1以上のパラメータの集合であって、1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた各時のデフォルト設定として用いられる情報である2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部と、センサ値受信部と、補正部と、制御部とを用いて行われる制御方法であって、
前記センサ値受信部が、1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信ステップと、
前記補正部が、前記1以上の各エリア毎に、前記1以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の標準環境情報である補正環境情報を取得する補正ステップと、
前記制御部が、前記補正ステップで取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御ステップとを具備し、
前記1以上のセンサは、湿度センサ、音センサ、振動センサ、色を検出するカラーセンサ、ガスの組成または濃度を検出するガスセンサ、浮遊粒子検出センサ、およびイメージセンサのうちの1以上である制御方法。
【請求項18】
人の居住空間を変更する1以上の環境機器に与える1以上のパラメータの集
合であって、
1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた各時のデフォルト設定として用いられる情報である2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部にアクセス可能なコンピュータを、
1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信部と、
前記1以上の各エリア毎に、
1以上の各センサ毎の時系列の2以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の
標準環境情報である補正環境情報を取得する補正部と、
前記補正部が取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項19】
人の居住空間を変更する1以上の環境機器に与える1以上のパラメータの集合であって、1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた各時のデフォルト設定として用いられる情報である2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部と、カレントモード格納部とにアクセス可能なコンピュータを、
1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信部と、
前記1以上の各エリア毎に、前記1以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の標準環境情報である補正環境情報を取得する補正部と、
前記補正部が取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御部として機能させ、
前記カレントモード格納部には、前記環境機器の制御のモードであり、自動的に制御を行う自動モード、人手による設定を優先する強制モード、補正環境情報を固定的に使用する相対モードのうちの2以上のモードのうちのいずれのモードであるかを示すカレントモードが格納され、
前記制御部は、前記カレントモードに従ったモードに対応する制御を行うプログラム。
【請求項20】
人の居住空間を変更する1以上の環境機器に与える1以上のパラメータの集合であって、1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた各時のデフォルト設定として用いられる情報である2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部にアクセス可能なコンピュータを、
1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信部と、
前記1以上の各エリア毎に、前記1以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の標準環境情報である補正環境情報を取得する補正部と、
前記補正部が取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御部と、
環境機器に対する制御の指示であり、ユーザが入力した指示を特定する指示情報を受信する指示情報受信部と、
1以上の各エリア毎に、前記センサ値受信部が受信した1以上のセンサ値と前記指示情報とを用いて、前記1以上のセンサ値を入力とし、前記指示情報を出力とする予測処理に使用する学習器を、機械学習のアルゴリズムにより取得し、当該学習器を蓄積する学習部と
して機能させるためのプログラム。
【請求項21】
人の居住空間を変更する1以上の環境機器に与える1以上のパラメータの集合であって、1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた各時のデフォルト設定として用いられる情報である2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部にアクセス可能なコンピュータを、
1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信部と、
前記1以上の各エリア毎に、前記1以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の標準環境情報である補正環境情報を取得する補正部と、
前記補正部が取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御部として機能させ、
前記1以上のセンサは、湿度センサ、音センサ、振動センサ、色を検出するカラーセンサ、ガスの組成または濃度を検出するガスセンサ、浮遊粒子検出センサ、およびイメージセンサのうちの1以上であるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境機器を制御する制御装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、調光信号を受信する受信部と、受信した調光信号に応じて調光制御を行なう調光制御部とを備えた調光制御装置を含む照明装置が知られていた。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-238539号公報(第1頁、第1図等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来においては、照明装置等の環境機器を適切に制御することができない、という課題があった。例えば、従来においては、様々な居住空間の変化に応じて適切に環境機器を制御することができなかった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解消するためになされたものであり、環境機器を適切に制御することができる制御装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の制御装置は、1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた情報であり、人の居住空間を変更する1以上環境機器に与える1以上のパラメータの集合である環境情報であって、標準となる2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部と、1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信部と、1以上の各エリア毎に、1以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の環境情報である補正環境情報を取得する補正部と、補正部が取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御部とを具備する制御装置である。
【0007】
かかる構成により、各エリアの環境機器を適切に制御することができる。
【0008】
また、本発明の制御装置は、前記制御装置において、センサ値受信部が受信する1以上のセンサ値は、制御対象の環境値以外のセンサ値を含むようにしてもよい。
【0009】
かかる構成により、環境機器が制御対象とする環境値以外のセンサ値を用いて、環境機器をより適切に制御することができる。例えば、環境機器が制御対象とする環境値であるセンサ値を用いた場合においては行うことができないような制御を、環境機器に対して行うことができる
【0010】
また、本発明の制御装置は、前記制御装置において、補正部は、1以上の各センサ毎の時系列の2以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の環境情報である補正環境情報を取得するようにしてもよい。
【0011】
かかる構成により、環境機器を制御する際に、エリアの環境値等の一時的な変動の影響等を受けにくくして、適切な制御を行うことができる。
【0012】
また、本発明の制御装置は、前記制御装置において、環境機器の制御のモードであり、自動的に制御を行う自動モード、人手による設定を優先する強制モード、補正環境情報を固定的に使用する相対モードのうちの2以上のモードのうちのいずれのモードであるかを示すカレントモードが格納されるカレントモード格納部をさらに具備し、制御部は、カレントモードに従ったモードに対応する制御を行うようにしてもよい。
【0013】
かかる構成により、カレントモードに応じて各環境機器を適切に制御することができる。
【0014】
また、本発明の制御装置は、前記制御装置において、環境機器の制御の2以上のモードは、相対モードを含み、制御部は、一の時に固定された補正環境情報を用いて、環境機器を制御するようにしてもよい。
【0015】
かかる構成により、補正された状態に固定して環境機器を適切に制御することができる。
【0016】
また、本発明の制御装置は、前記制御装置において、環境機器の制御の2以上のモードは、相対モードを含み、制御部は、標準環境情報とは別に、補正環境情報または補正環境情報と標準環境情報との差に関する差情報を蓄積し、相対モードにおいて、蓄積された補正環境情報、または差情報と標準環境情報とを用いて取得される補正環境情報を用いて、環境機器を制御するようにしてもよい。
【0017】
かかる構成により、補正環境情報を用いて、環境機器を適切に制御することができる。
【0018】
また、本発明の制御装置は、前記制御装置において、環境機器に対する制御の指示であり、ユーザが入力した指示を特定する指示情報を受信する指示情報受信部と、1以上の各エリア毎に、センサ値受信部が受信した1以上のセンサ値と指示情報とを用いて、1以上のセンサ値を入力とし、指示情報を出力とする予測処理に使用する学習器を、機械学習のアルゴリズムにより取得し、学習器を蓄積する学習部とをさらに具備するようにしてもよい。
【0019】
かかる構成により、ユーザが環境機器を制御するために入力した指示に対応する指示情報と、環境機器に対応するエリアのセンサ値とを用いて、ユーザの入力の予測処理に使用可能な学習器を取得することができる。
【0020】
また、本発明の制御装置は、前記制御装置において、制御部は、センサ値受信部が受信した1以上のセンサ値と、学習器とを用いて、機械学習のアルゴリズムにより予測処理を行い、指示情報を取得し、指示情報を用いて、環境機器を制御するようにしてもよい。
【0021】
かかる構成により、機械学習を利用した予測処理を用いて、環境機器を適切に制御することができる。
【0022】
また、本発明の制御装置は、前記制御装置において、環境機器は、室内の居住空間を変更するようにしてもよい。
【0023】
かかる構成により、室内に対応する環境機器を適切に制御することができる。
【0024】
また、本発明の制御装置は、前記制御装置において、室内環境機器は、照明機器であってもよい。
【0025】
かかる構成により、各エリアの照明機器を適切に制御することができる。
【0026】
また、本発明の制御装置は、前記制御装置において、室内環境機器は、空調機器であってもよい。
【0027】
かかる構成により、各エリアの空調機器を適切に制御することができる。
【0028】
また、本発明の制御装置は、前記制御装置において、室内環境機器は、ブラインド装置であってもよい。
【0029】
かかる構成により、各エリアのブラインド装置を適切に制御することができる。
【0030】
また、本発明の制御装置は、前記制御装置において、室内環境機器は、換気装置であってもよい。
【0031】
かかる構成により、各エリアの換気装置を適切に制御することができる。
【0032】
また、本発明の制御装置は、前記制御装置において、1以上のセンサは、照度センサ、人感センサ、カメラ、温度センサ、湿度センサ、およびCO2センサのうちの1以上であってもよい。
【0033】
かかる構成により、各エリアの照度、人の有無や人数、温度、湿度、CO2濃度の1以上に応じて、各エリアの環境機器を適切に制御することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明による制御装置等によれば、環境機器を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の実施の形態における制御装置を有する環境制御システムのブロック図
【
図2】同制御装置の動作について説明するフローチャート
【
図3】同制御装置の動作について説明するフローチャート
【
図4】同制御装置を有する環境制御システムの具体例を説明するための平面模式図
【
図5】同制御装置のルックアップテーブルを示す図(
図5(a)~
図5(f))
【
図7】同制御装置のカレントモード管理表を示す図(
図7(a)~
図7(d))
【
図8】同制御装置のカレント環境情報管理表を示す図(
図8(a)~
図8(b))
【
図11】本発明の実施の形態におけるコンピュータシステムの外観の一例を示す図
【
図12】同コンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、制御装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0037】
(実施の形態)
図1は、本実施の形態における環境制御システム1000のブロック図である。
【0038】
環境制御システム1000は、制御装置1、1または2以上の環境機器2、端末装置3、および1または2以上のセンサ4を備える。制御装置1と、1以上の環境機器2および1以上のセンサ4とは、情報の通信が可能となるよう、有線または無線の通信回線や信号線等を介して接続されている。
図1においては、一例として、3以上の環境機器2と、3以上のセンサ4とを備えている場合を例に挙げて示している。
【0039】
制御装置1は、格納部11、受信部12、処理部13を備える。格納部11は、LUT格納部111、補正環境情報格納部112、学習器格納部113、およびカレントモード格納部114を備える。受信部12は、センサ値受信部121、指示情報受信部122を備える。処理部13は、補正部131、制御部132、および学習部133を備える。
【0040】
端末装置3は、端末格納部31、端末受付部32、端末処理部33、および端末送信部34を備える。
【0041】
まず、環境機器2およびセンサ4について説明する。
【0042】
環境機器2は、人の居住空間を変更する機器である。居住空間とは、例えば、人が利用する空間と考えてもよい。居住空間の変更とは、例えば、居住空間の状態を変更することである。居住空間の変更とは、例えば、居住空間内の環境を変更することと考えてもよい。環境機器2は、例えば、人の居住空間の1以上のエリアの居住空間を変更する機器であり、変更を行うエリアに対応付けられて配置される。
【0043】
居住空間は、屋内であってもよく、屋外であってもよい。例えば、屋内の居住空間は、例えば建物内や、地下街等の空間である。乗り物の内部を、屋内の居住空間と考えてもよい。屋外の居住空間は、公園や、広場、道路、駐車場、屋外競技場、屋上等である。
【0044】
エリアとは、居住空間内のエリアである。例えば、屋内の居住空間内のエリアは、部屋や、通路、共有スペース等の建物内の区切られた空間である。ここでの区切られた空間は、壁や仕切り等により物理的に区切られたエリアであってもよく、論理的に区切られたエリア等の物理的に区切られていない領域であってもよい。物理的に区切られていない領域とは、例えば、一の部屋内の左右のエリア等の、複数のエリアである。例えば、屋外の居住空間内のエリアは、公園等の遊具が配置されているエリアや、喫煙エリア、屋外競技場の観覧席および競技フィールド、道路の予め決められた区間等である。
【0045】
環境機器2は、例えば、照明機器や、空調機器、ブラインド装置、換気装置である。空調機器は、例えば、冷暖房機や、加湿器、空気清浄機等である。環境制御システム1000は、複数の同じ環境機器2を有していてもよい。複数の異なる環境機器2を有していてもよい。ここでの同じ環境機器2は、例えば、機能が同じである環境機器2であってもよく、同じ製品であってもよい。例えば、異なるメーカーの照明機器や、異なるワット数の照明機器を、同じ照明機器と考えても良く、異なる照明機器と考えてもよい。なお、一のエリアの居住空間を変更する環境機器2を、一のエリアに対応する環境機器2や、一のエリアや環境機器2と場合がある。また、環境機器2が居住空間を変更可能なエリアを、環境機器2に対応するエリアと呼ぶ場合がある。一のエリアに対応する環境機器2は1つであってもよく2以上であってもよい。通常、一のエリアに対応する環境機器2は、この一のエリアに配置される。なお、複数のエリアの居住空間を個別に変更可能な一の環境機器システムの、各エリアの居住空間を個別に変更可能とする各構成を環境機器2と考えてもよい。
【0046】
環境機器2は、室内の居住空間を変更する室内環境機器であることが好ましいが、室外の居住空間を変更する室外環境機器であってもよい。ここでの室内及び室外は、屋内および屋外と考えてもよい。
【0047】
環境機器2は、制御装置1により動作を制御可能なものである。例えば、環境機器2は、図示しない受信部等を備えており、この受信部が受信した指示等に応じた動作を行う。受信する指示は、例えば、環境機器2を制御するための指示パラメータ等のパラメータを有する情報である。受信する指示は、環境機器2を制御するための制御信号等であってもよい。受信部は、有線または無線通信により制御装置1から指示等を受信する。
【0048】
環境機器2は、例えば、機器識別子と対応付けられている。機器識別子は、環境機器2に割り当てられたコードや、環境機器2の製造番号や、環境機器2のネットワーク上のアドレス情報等である。各環境機器2は、各環境機器2が変更可能なエリアと対応付けられていることが好ましい。環境機器2がエリアと対応付けられているということは、例えば、制御装置1の格納部11に環境機器2の機器識別子と、エリア識別子とを対応付けた情報が格納されていることである。制御装置1は、この情報を用いることで、1または2以上の各エリアと対応付けられた環境機器2を特定できる。なお、以下、本実施の形態においては、説明の便宜上、主として、一のエリアに対応する環境機器2が1つである場合を例に挙げて説明する。
【0049】
センサ4は、センサ値を取得する。一のセンサ4は、一のエリアについてセンサ値を取得する。センサ4が一のエリアについて取得するセンサ値は、一のエリアの環境値である。通常、一のエリアについてセンサ値を取得するセンサは、この一のエリア内に配置される。ただし、エリア内に配置されていなくてもよい。一のエリアについてセンサ値を取得するセンサ4の数は問わないが、二以上であることが好ましい。環境値とは、環境に関する値である。環境値は、例えば、照度、温度、および湿度である。また、環境値は、人の有無や、人数、人の動きの速度等であってもよく、照明の色や、風量、音量、ノイズレベル等の情報であってもよい。センサ4としては、例えば、温度センサ、照度センサ、湿度センサ、音センサ、振動センサ、赤外線センサ、色を検出するカラーセンサ、ガスの組成や濃度を検出するガスセンサ、浮遊粒子検出センサ、およびイメージセンサ等のうちの1以上が利用可能である。センサ4は、イメージセンサを備えたカメラであってもよい。ここでのセンサ4は、取得した環境に関する物理量を電気信号に変換して得た値をセンサ値として取得するものであってもよく、電気信号に変換して得た値を用いて、増幅や演算等を行って取得した値を、センサ値として取得するものであってもよい。例えば、センサ値は、赤外線センサであるセンサ4が取得した情報を用いて検出した人の有無を示す値であってもよい。センサ4を用いて、様々なセンサ値を取得する処理等は公知技術であるため、詳細な説明は省略する。一のエリアの環境値をセンサ値として取得するセンサ4は、一のエリアに対応するセンサと考えてもよい。また、一のエリアに対応するセンサ4が取得するセンサ値は、一のエリアに対応するセンサ値と考えてもよい。
【0050】
複数のセンサ4は、同じ種類の環境値を取得するものであってもよく、異なる種類の環境値を取得するものであってもよく、これらが混在していてもよい。例えば、一のエリア対し、異なる複数の種類の環境値を取得する1または2以上のセンサ4が配置されていてもよい。また、一のエリアに対し、同じ種類の環境値を取得する複数のセンサ4が配置されていてもよい。なお、複数のセンサで構成されるセンサ群を、一のセンサと考えてもよい。
【0051】
各センサ4は、例えば、取得したセンサ値と、各センサ4を識別するセンサ識別子と対応付けて制御装置1に送信してもよい。また、各センサ4は、取得したセンサ値を、各センサ4が環境値を取得するエリアと対応付けて制御装置1に送信してもよい。また、各センサは、取得したセンサ値が示す環境値の属性名(例えば、温度や、照度等の環境値名)を、取得したセンサ値と対応付けて送信してもよい。エリアと対応付けてセンサ値を送信することは、例えば、エリア識別子とセンサ値とを送信することであってもよく、エリア識別子と対応付けられたセンサ識別子とセンサ値とを、制御装置1に送信することであってもよい。この場合、エリア識別子とセンサ識別子との対応関係を示す情報を、制御装置1の図示しない格納部等に予め格納されているようにすることで、制御装置1は、センサ値とともに受信したセンサ識別子から、エリア識別子を取得することが可能となる。
【0052】
センサ4は、例えば、異なる時刻においてそれぞれセンサ値を取得する。センサ4は、例えば、時系列に沿って複数のセンサ値を取得する。例えば、センサ4は時系列に沿った連続したセンサ値を取得する。センサ4は、取得したセンサ値を、取得する毎に送信してもよく、予め決められた時間内に取得したセンサ値や、予め決められた数のセンサ値等の複数のセンサ値をまとめて送信してもよい。
【0053】
センサ4は、例えば、取得したセンサ値を制御装置1に有線または無線通信により送信する。センサ4は、例えば、取得したセンサ値を送信するための送信手段を有している。
【0054】
制御装置1は、例えば、コンピュータやサーバ装置等で実現可能である。ただし、制御装置1は、専用機器であってもよい。
【0055】
格納部11には、複数の情報が格納される。格納部11には、例えば、LUT格納部111および補正環境情報格納部112に格納される情報が格納される。格納部11には、LUT格納部111および補正環境情報格納部112に格納される情報と、これら以外の情報が格納されてもよい。
【0056】
格納部11は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。また、格納部11は、物理的に一つの記録媒体であってもよく、複数の記録媒体であってもよい。かかることは、他の格納部についても同様である。
【0057】
LUT(ルックアップテーブル)格納部111には、1または2以上のルックアップテーブルが格納される。各ルックアップテーブルは、1または2以上のエリア毎に格納される情報である。各ルックアップテーブルは、2以上の標準環境情報を有する情報である。各ルックアップテーブルが有する2以上の標準環境情報は、各エリアの2以上の各時に応じた環境情報であって、標準となる環境情報である。エリア毎に格納されるルックアップテーブルは、例えば、1または2以上のエリアとそれぞれ対応付けて格納される情報である。環境情報は、人の居住空間を変更する1以上の環境機器2に与えられる1以上のパラメータの集合である。環境機器2に対応する環境情報は、例えば、環境機器2の制御に用いられる環境情報と考えてもよい。例えば、標準環境情報は、環境機器2と対応付けて格納される。例えば、一のエリアと対応付けて格納されるルックアップテーブルは、この一のエリアに対応する環境機器2の標準環境情報を有している。標準環境情報は、例えば、この標準環境情報を有するルックアップテーブルに対応付けられた環境機器2に与えるパラメータの集合を有する環境情報である。複数の環境機器2に対して1つの標準環境情報が設けられていてもよい。例えば、標準環境情報は、一のエリア内の2以上の環境機器に対してそれぞれ与える1以上のパラメータを有していてもよい。
【0058】
エリアとエリアに対応するルックアップテーブルとは、結果的に対応付けられていれば、どのように対応付けられていても良く、例えば、直接対応付けられていても間接的に対応付けられていてもよい。例えば、LUT格納部111には、エリアの識別子(以下、エリア識別子と称す)と、エリアに対応するルックアップテーブルと、が対応付けられて格納されていてもよい。エリア識別子とは、エリアを特定可能な情報であり、エリアに割り当てられたコードや、エリアの名称等である。例えば、LUT格納部111に格納される一のエリアと対応付けられたルックアップテーブルは、この一のエリアに対応する環境機器2の機器識別子と、この環境機器2に対応する2以上の標準環境情報を有する。機器識別子とは、環境機器2を特定可能な情報であり、環境機器2のシリアル番号等の、環境機器2に割り当てられたコードや、環境機器2のMACアドレス等のアドレス情報等である。なお、同じエリアに対応付けられた協働する複数の同じ種類の環境機器2が環境機器群を構成している場合、この環境機器群を一の環境機器と考えて、この環境機器群の識別子を機器識別子として用いてもよく、機器識別子として用いないようにしてもよい。また、LUT格納部111には、エリアに対応する1または2以上のセンサの識別子等と、エリアのルックアップテーブルと、が対応付けられて格納されていてもよい。センサの識別子とは、センサを特定可能な情報であり、センサのシリアル番号等の、センサに割り当てられたコードや、センサのMACアドレス等のアドレス情報等である。エリアに対応するセンサとは、例えば、エリアに配置されるセンサや、エリアの環境値示すセンサ値を取得するセンサである。
【0059】
なお、エリアの識別子がエリアに対応するルックアップテーブルと対応付けられているということは、エリアに対応するルックアップテーブルが、対応するエリアの識別子を有することであってもよく、エリアに対応するルックアップテーブルと、エリアの識別子とを有する情報が格納されていることであってもよい。かかることは、環境機器の識別子や、センサの識別子が、エリアに対応するルックアップテーブルと対応付けられていることについても同様である。
【0060】
各時に応じた標準環境情報は、例えば、各時のデフォルト設定として用いられる環境情報である。2以上の各時に応じた標準環境情報は、例えば、2以上の重複しない異なる期間に対応した標準環境情報である。ここでの期間は、時間帯であってもよく、日や、曜日、週、月、季節等で表される期間であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。具体例として、2以上の各時に応じた標準環境情報は、1年のうちの1月から6月までの期間内の、各日の午前9時から午後5時までの期間と、1年のうちの7月から12月までの期間内の、各日の午前10時から午後4時までの期間とに応じた環境情報であってもよい。また、例えば、ここでの期間は、季節と、時間帯で表される期間との組み合わせで表される期間であってもよい。季節は、例えば、春夏秋冬や、梅雨等であり、それぞれの季節には、例えば、季節の開始日と終了日とが対応付けられている。例えば、ここでの期間は、月で表される期間と、時間帯で表される期間との組み合わせで表される期間であってもよい。標準環境情報は、例えば、各時に対応する期間を示す期間識別子と対応付けられて格納されている。期間識別子は、例えば、春夏秋冬等の季節識別子や、5月、11月等の月識別子、月曜、水曜等の曜日識別子、第1週、第4週等の週識別子、2日、15日等の日識別子、および午前、午後、10時~12時等の時間帯識別子のうちの1つまたは2以上の組み合わせであってもよい。ただし、各時に応じた標準環境情報と、各時と、はどのように対応付けられているかは問わない。
【0061】
環境情報が有するパラメータは、例えば、環境情報に対応する環境機器2に設定可能なパラメータである。環境情報に対応する環境機器2は、例えば、環境情報が有するパタメータが与えられる環境機器2である。例えば、標準環境情報に対応する環境機器2は、この標準環境情報を有するカラールックアップテーブルに対応付けられた環境機器2である。
【0062】
例えば、環境機器2である照明機器に対応する環境情報が有するパラメータは、照度、色温度、および照明のON/OFFのうちの1以上である。環境機器2である冷暖房機に対応する環境情報が有するパラメータは、例えば、温度、風量、および風向きのうちの1以上である。環境機器2である加湿器に対応する環境情報が有するパラメータは、例えば、湿度、風量、除菌の有無、およびON/OFFのうちの1以上である。環境機器2である空気清浄機に対応する環境情報が有するパラメータは、例えば、風量、除菌の有無、およびON/OFFのうちの1以上である。環境機器2であるブラインド装置に対応する環境情報が有するパラメータは、例えば、ブラインドの高さ、およびブラインドの角度のうちの1以上である。環境機器2である換気装置に対応する環境情報が有するパラメータは、例えば、換気のON/OFF、およびファンの回転速度(例えば、高速、普通、低速等)のうちの1以上である。標準環境情報は、例えば、上記のパラメータについての、各時における標準となる値を有している。なお、上記の環境情報が有するパラメータは一例であり、これらに限定されるものではない。
【0063】
補正環境情報格納部112には、1または2以上の補正環境情報が格納される。補正環境情報は、標準環境情報を変更した環境情報である。ここでの変更は、補正と考えてもよい。補正環境情報の詳細については後述する。補正環境情報は、例えば、この補正環境情報の変更元の標準環境情報や、この補正環境情報の変更元の標準環境情報と対応付けられた環境機器2や、この補正環境情報を用いて制御される環境機器2等と対応付けられて補正環境情報格納部112に格納される。例えば、補正環境情報は、変更元の標準環境情報の識別子や、対応する環境機器2の機器識別子等と対応付けられて、補正環境情報格納部112に格納される。標準環境情報の識別子は、例えば、標準環境情報に割り当てられたコードである。なお、補正環境情報は、結果的に変更元の標準環境情報と対応付けられて格納されれば、どのように標準環境情報と対応付けられているかは問わない。
【0064】
なお、補正環境情報格納部112には、1または2以上の補正環境情報の代わりに、補正環境情報と、この補正環境情報の変更元の標準環境情報との差情報が、例えば、変更元の標準環境情報と対応付けられて格納されるようにしてもよい。差情報は、補正環境情報と、この補正環境情報の変更元の標準環境情報との差に関する情報である。この場合、例えば、補正環境情報は、差情報とこれに対応する標準環境情報とを用いて取得することができる。例えば、後述する制御部132等は、差情報とこれに対応する標準環境情報を用いて補正部131等が取得した補正環境情報を用いて対応する環境機器2を制御する。
【0065】
補正環境情報格納部112には、1以上の環境機器2の制御に現在用いられている環境情報が格納されていてもよい。制御に現在用いられている環境情報は、例えば、制御に現在用いられる標準環境情報または補正環境情報である。例えば、補正環境情報格納部112に環境機器2に対応付けて格納されている環境情報は、この環境機器2の制御に現在利用されている環境情報と考えてもよい。補正環境情報格納部112には、例えば、1以上の環境機器2の制御に現在用いられている標準環境情報がLUT格納部111等から読み出されて、1以上の環境機器2の機器識別子等と対応付けて格納されていてもよい。
【0066】
学習器格納部113には、学習部133が取得する学習器が格納される。学習器に関する詳細については、後述する。
【0067】
カレントモード格納部114には、カレントモードが格納される。カレントモードは、1または2以上の環境機器2のそれぞれの制御のモードである。制御のモードとは、例えば、制御の方式や形式である。ここでの1または2以上の環境機器2は、例えば、制御装置1が制御可能な環境機器2である。カレントモードは、例えば、自動モード、強制モード、および相対モードのうちの2以上のモードのうちのいずれのモードであるかを示すものである。カレントモードは、例えば、これらの2以上のモードのうちの、制御装置1が環境機器2の制御に現在利用しているモードと考えてもよい。カレントモードが格納されるということは、カレントモードを示す情報が格納されることと考えてもよい。
【0068】
自動モードとは、環境機器2を自動的に制御するモードである。例えば、自動モードは、標準環境情報と、1または2以上のセンサ値に応じて後述する補正部131が取得する補正環境情報とを用いて1または2以上の環境機器2を制御するモードである。自動モードは、例えば、補正環境情報が取得されていない状態においては標準環境情報を用いて制御され、補正環境情報が取得されている状態においては補正環境情報を用いて制御されるモードである。
【0069】
強制モードは、人手による設定を優先するモードである。人手による設定とは、例えば、端末装置3を介してユーザから入力される設定である。人手による設定とは、例えば、指示情報受信部122が端末装置3から受信する指示情報が示す制御を行うための設定である。人手による設定とは、例えば、各端末装置3を制御するための1または2以上のパラメータの設定である。強制モードは、端末装置3から受信する指示情報を用いた制御を行うモード、具体的には指示情報が示す制御を優先して行うモードと考えてもよい。指示情報については後述する。人手による設定を優先するということは、例えば、人手による設定があるパラメータについては、このパラメータを環境機器2に与えて制御を行い、人手による設定がないパラメータについては、標準環境情報が有するパラメータや、人手による設定を受け付ける直前に取得されていた補正環境情報が有するパラメータを環境機器2に与えて制御を行うことである。かかることは、指示情報が示す指示を優先することについても同様である。
【0070】
相対モードは、補正環境情報を固定的に使用して制御するモードである。例えば、補正環境情報を用いて環境機器2が制御されている状態において、この補正環境情報に固定する指示をユーザから受け付けた場合に、相対モードとなり、この補正環境情報を固定的に使用して制御が行われる。
【0071】
なお、カレントモードはさらに学習利用モードを含んでいてもよい。学習利用モードは、例えば、学習部133が環境機器2について取得した学習器を、この環境機器2の制御に利用するモードである。
【0072】
カレントモード格納部114には、カレントモードが、環境機器2のそれぞれに対応付けられて格納されていてもよい。例えば、カレントモードが環境機器2の機器識別子と対応付けられて格納されていてもよい。
【0073】
受信部12は、1以上の情報を受信する。受信部12が受信する情報は、例えば、1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値および指示情報受信部122が受信する指示情報である。受信部12は、1以上のセンサ値および指示情報に加えて、これら以外の情報を受信してもよい。例えば、受信部12は、1以上の環境機器2のカレントモードを自動モードや相対モードに切り替える切替指示を受信してもよい。例えば、指示情報受信部122は、一の環境機器2の現在の制御に用いられている補正環境情報を、固定して利用する指示を端末装置3等から受信してもよい。この指示は、カレントモードを相対モードに切り替える切替指示に相当するものと考えてよい。
【0074】
センサ値受信部121は、1または2以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信する。センサ値受信部121は、例えば、1または2以上の各センサが送信または出力するセンサ値を受信する。センサ値受信部121は、例えば、センサ値が対応するエリアのエリア識別子と対応付けられたセンサ値を受信する。センサ値受信部121が受信する1以上のセンサ値は、制御対象の環境値以外のセンサ値を含んでいてもよい。制御対象の環境値とは、1以上のセンサ値を用いて後述する制御部132等により1または2以上の環境機器2を制御することにより制御可能な(例えば、変更可能な)環境値である。例えば、環境機器2である照明機器によって制御可能な環境値は、照度や、照明の色温度、照明のオン・オフであり、制御可能でない環境値とは、例えば、気温(室温も含む)や、湿度、特定のガスの濃度、エリア内の人の有無や人数、混雑の度合い等である。また、例えば、環境機器2である冷暖房機によって制御可能な環境値とは、温度や、風量や、湿度等であり、制御可能でない環境値とは、エリア内の照度や、照明の色、エリア内の人の有無、CO2濃度等である。
【0075】
指示情報受信部122は、指示情報を受信する。指示情報は、環境機器2に対する制御の指示であり、ユーザが入力した指示を特定する情報である。指示情報は、ユーザが入力した指示によって特定される環境機器2に対する制御の指示と考えてもよい。指示情報は、例えば、機器識別子等の制御対象となる1以上の環境機器2を特定可能な情報を有していてもよい。
【0076】
指示情報とは、例えば、指示パラメータを有する情報である。指示パラメータとは、例えば、温度を1度アップ、明るさをプラス、等の指示内容を示す数値等を有する情報である。指示パラメータを有する指示情報は、人手による設定を用いて環境機器2を制御するための情報と考えてもよい。
【0077】
受信部12、センサ値受信部121および指示情報受信部122は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されてもよい。受信部12、センサ値受信部121および指示情報受信部122は、通信デバイスを含むと考えても、含まないと考えてもよい。
【0078】
処理部13は、複数の処理を行う。処理部13が行う処理は、例えば、補正部131、制御部132、および学習部がそれぞれ行う処理である。処理部13は、これらの処理に加えて、これら以外の処理を行うようにしてもよい。
【0079】
補正部131は、1以上のエリア毎に、1以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更して補正環境情報を取得する。補正部131は、例えば、1以上の各エリアに対応する1以上のセンサ値を用いて、各エリアの環境機器2に対応する標準環境情報であって、現在の時に対応する標準環境情報を変更して補正環境情報を取得する。補正環境情報は、1以上のセンサ値を用いて変更された変更後の環境情報である。現在の時に対応する標準環境情報とは、例えば、現在の時を含む期間と対応付けられた標準環境情報である。
【0080】
補正部131は、例えば、一のエリアについての環境値を取得する1以上のセンサ4が取得したセンサ値を用いて、この一のエリアの環境機器2に対応する補正環境情報を取得する。例えば、補正部131は、一のエリアと対応付けられた1以上のセンサ4が取得したセンサ値を用いて、同じエリアと対応付けられた環境機器2に対応する標準環境情報を変更して補正環境情報を取得する。例えば、補正部131は、一のエリア識別子と対応付けられた1以上のセンサ4が取得したセンサ値を用いて、ルックアップテーブル等により、同じエリア識別子と対応付けられた環境機器2に対応付けられた標準環境情報を変更して補正環境情報を取得する。なお、補正部131は、例えば、補正部131は、一のエリアと対応付けられた1以上のセンサ4が取得したセンサ値を用いて、同じエリアと対応付けられた環境機器2の制御に用いられている補正環境情報をさらに変更してもよく、このように変更された補正環境情報も補正環境情報と考えてもよい。
【0081】
補正部131が、1以上のセンサ値を用いて、どのように補正環境情報を取得するかは問わない。補正部131は、例えば、センサ値を用いて、センサ値に対応するエリアの環境機器2に対応付けられた標準環境情報の少なくとも一部を変更して補正環境情報を取得する。センサ値を用いて変更される標準環境情報の少なくとも一部とは、例えば、1以上のセンサ4に対応する標準環境情報が有する1以上の環境機器に与えるパラメータのうちの、1以上のセンサ値に対応するパラメータである。なお、一のエリアの環境機器2が1つである場合、例えば、センサ値に対応するエリアに対応付けられた標準環境情報を変更することで、このエリアの環境機器2に対応する標準環境情報を変更して補正環境情報を取得することができる。
【0082】
補正部131は、例えば、一のエリアに対応付けられたセンサ4がこの一のエリアについて取得する1以上のセンサ値に応じて、LUT格納部111に格納されたルックアップテーブル等によりこの一のエリアの環境機器2に対応付けられた標準環境情報が有する、この環境機器2に与えられる1以上のパラメータを変更し、変更したパラメータを有する補正環境情報をこの環境機器2に対応する補正環境情報として取得する。以下、センサ値と、環境機器2と、標準環境情報の変更されるパラメータ等の組み合わせの例について説明する。
【0083】
例えば、補正部131は、センサ4である照度センサの取得するセンサ値である照度の値に応じて、標準環境情報が有する照明機器に与える照度のパラメータを変更し、変更した照度のパラメータを有する補正環境情報を取得する。例えば、補正部131は、センサ4が取得する照度の値が、予め決められた照度の値よりも、低くなるにしたがって、標準環境情報が有する照明機器に与える照度のパラメータを、連続的または段階的に高くなる値に変更した補正環境情報を取得する。エリア内の照度の値が変化する状況とは、例えば、エリアに入射される自然光の変化等により照度が変化する状況である。照度の値が連続的に変更する場合、補正部131は、センサ値とパラメータ値とが比例するように変更してもよい。かかることは、以下においても同様である。
【0084】
例えば、補正部131は、センサ4である温度センサが取得するセンサ値である温度の値に応じて、標準環境情報が有する空調機器(例えば、冷暖房機)に与える温度のパラメータを変更し、変更した温度のパラメータを有する補正環境情報を取得する。例えば、センサ4が取得する温度が、標準環境情報が有する冷暖房機に与えるパラメータが示す温度よりも高くなるに従って、冷暖房機に与える温度のパラメータを、標準環境情報が有する冷暖房機に与えるパラメータが示す温度に対して連続的または段階的に低くなる温度の値に変更した補正環境情報を取得する。
【0085】
例えば、補正部131は、センサ4である湿度センサが取得するセンサ値である湿度の値に応じて、標準環境情報が有する空調機器(例えば、加湿器)に与える湿度のパラメータを変更し、変更した湿度を設定するパラメータを有する補正環境情報を取得する。例えば、センサ4が取得する湿度が、標準環境情報が有する加湿器に与えるパラメータが示す湿度よりも低くなるに従って、加湿器に設定する湿度のパラメータを、標準環境情報が有する加湿器に与えるパラメータが示す湿度に対して連続的または段階的に高くなる湿度の値に変更した補正環境情報を取得する。
【0086】
例えば、補正部131は、センサ4であるガスセンサが取得するセンサ値である特定の組成のガスの濃度(例えば、CO2(二酸化炭素)濃度)や、浮遊粒子検出センサが検出するハウスダストの濃度の値等に応じて、標準環境情報が有する空調機器(例えば、空気清浄機)に与えるオン・オフや、ファンの回転速度等のパラメータを変更し、変更したオン・オフや、ファンの回転速度等のパラメータを有する補正環境情報を取得する。例えば、センサ4が取得するハウスダストの濃度の値が、予め決められた濃度よりも高い場合、標準環境情報が有する空気清浄機に与えるオフ状態(すなわち動作しない状態)とするパラメータを、オン状態(すなわち動作する状態)とするパラメータに変更した補正環境情報を取得する。
【0087】
例えば、補正部131は、センサ4である照度センサが取得するセンサ値である照度の値に応じて、標準環境情報が有するブラインド装置に与える高さのパラメータを変更し、変更した高さを設定するパラメータを有する補正環境情報を取得する。例えば、センサ4が取得する照度の値が、予め決められた照度よりも低くなるにしたがって、標準環境情報が有するブラインド装置の高さを示すパラメータを、連続的または段階的に高く変更した補正環境情報を取得する。
【0088】
例えば、補正部131は、センサ4であるガスセンサが取得するセンサ値である特定の組成のガスの濃度(例えば、二酸化炭素濃度)や、浮遊粒子検出センサが検出するタバコの煙の濃度の値等に応じて、標準環境情報が有する換気装置に与えるオン・オフや、ファンの回転速度等のパラメータを変更し、変更したオン・オフや、ファンの回転速度等のパラメータを有する補正環境情報を取得する。例えば、センサ4が取得するタバコの煙の濃度の値が、予め決められた濃度よりも高い場合、標準環境情報が有する空気清浄機に与えるオフ状態(すなわち動作しない状態)とするパラメータを、オン状態(すなわち動作する状態)とするパラメータに変更した補正環境情報を取得する。
【0089】
例えば、補正部131は、複数の異なる種類のセンサがそれぞれ取得するセンサ値の組み合わせに応じて、現在の時に対応する標準環境情報を変更して補正環境情報を取得してもよい。例えば、補正部131は、温度センサであるセンサ4と、湿度センサであるセンサ4とがそれぞれ取得するセンサ値の組み合わせに応じて、現在の時に対応する標準環境情報が有する冷暖房機の設定温度を示すパラメータを変更し、変更したパラメータを有する補正環境情報を取得するようにしてもよい。
【0090】
また、補正部131は、複数の同じ種類のセンサがそれぞれ取得する2以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の環境情報である補正環境情報を取得してもよい。例えば、補正部131は、複数の同じ種類のセンサがそれぞれ取得する2以上のセンサ値の代表値を取得し、この代表値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の環境情報である補正環境情報を取得してもよい。代表値は、例えば、統計処理により取得される値であり、具体例は、2以上のセンサ値の最大値、最小値、中間値、平均値、中央値等である。代表値を用いて補正環境情報を取得する処理は、一のセンサ値を用いて補正環境情報を取得する処理と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。かかることは、以下においても同様である。
【0091】
また、補正部131は、1以上の各センサ毎の時系列の2以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の環境情報である補正環境情報を取得してもよい。1以上の各センサ毎の時系列の2以上のセンサ値とは、例えば、1以上のセンサのそれぞれについて異なる時刻に取得された2以上のセンサ値である。時系列の2以上のセンサ値は、連続した時系列の2以上のセンサ値であることが好ましく、最新のセンサ値を含む2以上のセンサ値であることが好ましい。補正部131は、1以上の各センサがそれぞれ取得した時系列の2以上のセンサ値の代表値を取得し、この代表値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の環境情報である補正環境情報を取得してもよい。また、補正部131は、1以上の各センサがそれぞれ取得した時系列の2以上のセンサ値を用いて、センサ値の予測値を取得し、予測値を、上記の代表値の代わりに用いて補正環境情報を取得してもよい。例えば、補正部131は、一のセンサが取得した時系列の2以上のセンサ値を用いて、時刻とセンサ値との近似曲線を取得し、この近似曲線を用いて、現在の時刻のセンサ値の予測値を取得し、この予測値を用いて、補正環境情報を取得してもよい。また、補正部131は、2以上のセンサが異なる時刻に取得したセンサ値の代表値を時刻毎に取得し、取得した時刻ごとの代表値を用いて、時刻とセンサ値との近似曲線を取得し、この近似曲線を用いて、現在の時刻のセンサ値の予測値を取得し、この予測値を用いて、補正環境情報を取得してもよい。
【0092】
補正部131は、センサ値受信部121が受信する1または2以上のセンサ値であって、制御対象の環境値以外の1または2以上のセンサ値を用いて、補正環境情報を取得してもよい。制御対象の環境値以外の1または2以上のセンサ値を用いて、補正環境情報を取得する、ということは、例えば、標準環境情報が有する1または2以上の環境機器2に与えられるパラメータを、この環境機器2が制御可能な環境値以外の環境値を示すセンサ値を用いて変更することである。この場合の2以上のセンサ値は、上記と同様に、異なる種類のセンサ値であってもよく、同じ種類の異なるセンサ4が取得したセンサ値であってもよく、1または2以上のセンサ4がそれぞれ取得した時系列の2以上のセンサ値であってもよい。以下、補正部131が、環境機器2について、制御対象の環境値以外の1または2以上のセンサ値を用いて、補正環境情報を取得する例について説明する。
【0093】
(1)温度および湿度の一方に応じて、照明機器に与えるパラメータを変更
補正部131は、例えば、センサ値受信部121が受信するセンサ値である温度(例えば、気温や室温)および湿度の少なくとも一方の値を用いて、このセンサ値に応じて、標準環境情報が有するパラメータのうちの、環境機器2である照明機器に与えられる照度および色温度の少なくとも一方のパラメータを変更した補正環境情報を取得する。センサ値に応じて取得する、とは、例えば、センサ値と予め決められた基準値との差に応じて取得することである。
【0094】
例えば、補正部131は、センサ値である温度が、予め決められた基準値よりも高い場合に、環境機器2である照明機器に与えられる照明の色温度のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す色温度よりも低い色温度の値となるように変更した補正環境情報を取得してもよい。また、センサ値である温度が、予め決められた基準値よりも低い場合に、照明機器に与えられる照明の色温度のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す色温度よりも高い色温度の値となるように変更した補正環境情報を取得してもよい。例えば、補正部131は、センサ値である温度が高くなるに比例して、色温度のパラメータを低くした補正環境情報を取得してもよい。照明の色温度が低くなると、照明の色が暖色系に変化するため、照明の色を、センサ値が示す温度(例えば、気温や室温の高さ)に合わせた色にすることができる。すなわち、温度が高い場合は、温かみのある色にすることができ、温度が低い場合は、涼しそうな色にすることができる。
【0095】
また、上記において、色温度を高くなるような補正環境情報を取得する代わりに、照明の照度が高くなるような補正環境情報を取得するようにし、色温度を低くなるような補正環境情報を取得する代わりに、照明の照度が低くなるような補正環境情報を取得するようにしてもよい。これにより、温度が高い場合は、照明を明るくすることができ、温度が低い場合は、照明を暗くすることができ、照明の照度を、センサ値が示す温度に合わせた照度にすることができる。
【0096】
なお、例えば、補正部131は、センサ値である温度が、予め決められた基準値よりも高い場合に、環境機器2である照明機器に与えられる照明の色温度のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す色温度よりも高い色温度の値となるように変更した補正環境情報を取得してもよく、センサ値である温度が、予め決められた基準値よりも低い場合に、照明機器に与えられる照明の色温度のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す色温度よりも低い色温度の値となるように変更した補正環境情報を取得するようにしてもよい。これにより、センサ値が示す気温や室温が基準値よりも高い場合には、照明の色を、センサ値が示す温度の高さ(例えば、気温の高さ)を打ち消すような寒色系に変更して、気温や室温の高さによる不快感等の軽減を図ることができ、センサ値が示す気温や室温が基準値よりも低い場合には、照明の色を、センサ値が示す温度の低さ(例えば、気温の低さ)を打ち消すような暖色系に変更して、気温や室温の低さによる不快感等の軽減を図ることができる。
【0097】
また、同様に、上記において、色温度を高くなるような補正環境情報を取得する代わりに、照明の照度が高くなるような補正環境情報を取得するようにし、色温度を低くなるような補正環境情報を取得する代わりに、照明の照度が低くなるような補正環境情報を取得するようにしてもよい。これにより、照明の照度を、センサ値が示す温度の変化を打ち消すように変化させることができる。
【0098】
なお、上記において、センサ値として温度の代わりに湿度を用いてもよい。湿度を用いる場合、例えば、上記の処理において、温度を湿度と読み替えるようにすればよい。また、上記において、色温度を高くする代わりに、照明の照度を高くし、色温度を低くする代わりに、照明の照度を低くしてもよい。
【0099】
(2)人の混雑度に応じて、照明機器に与えるパラメータを変更
また、補正部131は、例えば、センサ値受信部121が受信するセンサ値である人の混雑度を示す値を用いて、このセンサ値に応じて、標準環境情報が有するパラメータのうちの、環境機器2である照明機器に与えられる照度および色温度の少なくとも一方のパラメータを変更した補正環境情報を取得する。人の混雑度とは、例えば、センサ4が検出する人数であってもよく、センサ4が検出する単位時間あたりの人数や、単位面積あたりの人数であってもよい。人の混雑度をセンサ値とするセンサ4は、例えば、カメラ等のイメージセンサや、赤外線センサを用いた人感センサ等である。例えば、補正部131は、センサ4であるイメージセンサを用いて撮影された画像において、顔認識等を行い、認識された顔の数を人数等として検出することで、人数等の混雑度を取得してもよい。また、センサ4である赤外線センサが検出した温度分布を示す情報において、体温程度の温度を示す領域を検出し、その数を人数等として検出することで、人数等の混雑度を取得してもよい。
【0100】
例えば、補正部131は、センサ値である人の混雑度が、予め決められた基準値よりも高い場合に、環境機器2である照明機器に与えられる照明の色温度のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す色温度よりも高い色温度の値となるように変更した補正環境情報を取得するようにしてもよい。また、混雑度が予め決められた基準値よりも低い場合に、照明機器に与えられる照明の色温度のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す色温度よりも低い色温度の値となるように変更した補正環境情報を取得してもよい。これにより、混雑しているエリアにおいては、照明の色を一般的に鎮静効果があると考えられている寒色系として、混在している状況においてもユーザを落ち着かせることができ、人が少ないエリアにおいては、照明の色を、ユーザを活性化する効果があると考えられている暖色系として、ユーザ数が少ないエリアを活気付けることができる。また、上記において、色温度を高くなるような補正環境情報を取得する代わりに、照明の照度が高くなるような補正環境情報を取得するようにし、色温度を低くなるような補正環境情報を取得する代わりに、照明の照度が低くなるような補正環境情報を取得するようにしてもよい。
【0101】
(3)騒音の値に応じて、照明機器に与えるパラメータを変更
なお、(2)と同様にして、補正部131は、センサ値である騒音の値が、予め決められた基準値よりも高い場合に、環境機器2である照明機器に与えられる照明の色温度のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す色温度よりも高い色温度の値となるように変更した補正環境情報を取得するようにしてもよく、センサ値である騒音の値が、予め決められた基準値よりも低い場合に、照明機器に与えられる照明の色温度のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す色温度よりも低い色温度の値となるように変更した補正環境情報を取得してもよい。また、上記において、色温度を高くなるような補正環境情報を取得する代わりに、照明の照度が高くなるような補正環境情報を取得するようにし、色温度を低くなるような補正環境情報を取得する代わりに、照明の照度が低くなるような補正環境情報を取得するようにしてもよい。
【0102】
(4)人の混雑度に応じて、空調機器に与えるパラメータを変更
補正部131は、例えば、センサ値受信部121が受信するセンサ値である人の混雑度を示す値を用いて、このセンサ値に応じて、標準環境情報が有するパラメータのうちの、環境機器2である空調機器に与えられる温度や、湿度、風量、除菌の有無等の少なくとも1以上のパラメータを変更した補正環境情報を取得する。
【0103】
例えば、補正部131は、センサ値である人の混雑度が、予め決められた基準値よりも高い場合に、環境機器2である冷暖房機に与えられる温度(例えば、室温)のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す温度よりも低い温度の値となるように変更した補正環境情報を取得するようにしてもよい。また、予め決められた基準値よりも低い場合に、照明機器に与えられる照明の色温度のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す温度よりも高い温度の値となるように変更した補正環境情報を取得してもよい。これにより、混雑しているエリアにおいては、人が発する熱によって暑くなりすぎないよう温度を低く制御でき、人が少ないエリアにおいては、寒くならないように温度を高く制御できる。
【0104】
また、上記において、温度のパラメータを低い温度の値に変更する代わりに、風量のパラメータを強くし、温度のパラメータを高い温度の値に変更する代わりに、風量のパラメータを弱くしてもよい。
【0105】
また、上記において、冷暖房機の温度のパラメータを低い温度の値に変更する代わりに、環境機器2である加湿器の湿度のパラメータを高くし、冷暖房機の温度のパラメータを高い温度の値に変更する代わりに、加湿器の湿度のパラメータを弱くしてもよい。
【0106】
また、上記において、冷暖房機の温度のパラメータを低い温度の値に変更する代わりに、環境機器2である空気清浄機の処理能力のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す処理能力よりも高い値となるように変更した補正環境情報を取得するようにし、冷暖房機の温度のパラメータを高い温度の値に変更する代わりに、環境機器2である空気清浄機の処理能力のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す処理能力よりも低い値となるように変更した補正環境情報を取得するようにしてもよい。
【0107】
(5)騒音の値、またはCO2の値に応じて、空調機器に与えるパラメータを変更
補正部131は、センサ値である騒音の値またはCO2の値が、予め決められた基準値よりも高い場合に、環境機器2である空調機器に与えられるパラメータを、上記の(4)において説明した人の混雑度が基準値よりも多い場合に取得されるパラメータと同様のパラメータに変更した補正環境情報を取得するようにし、センサ値である騒音の値またはCO2の値が、予め決められた基準値よりも低い場合に、環境機器2である空調機器に与えられるパラメータを、上記の(4)において説明した人の混雑度が基準値よりも少ない場合に取得されるパラメータと同様のパラメータに変更した補正環境情報を取得するようにしてもよい。
【0108】
(6)照度の値に応じて、空調機器に与えるパラメータを変更
補正部131は、センサ値である照度の値が、予め決められた基準値よりも高い場合に、環境機器2である空調機器に与えられるパラメータを、上記の(4)において説明した人の混雑度が基準値よりも多い場合に取得されるパラメータと同様のパラメータに変更した補正環境情報を取得するようにし、センサ値である照度の値が、予め決められた基準値よりも低い場合に、環境機器2である空調機器に与えられるパラメータを、上記の(4)において説明した人の混雑度が基準値よりも少ない場合に取得されるパラメータと同様のパラメータに変更した補正環境情報を取得するようにしてもよい。
【0109】
(7)人の混雑度または騒音の値に応じて、ブラインド装置に与えるパラメータを変更
補正部131は、例えば、センサ値受信部121が受信するセンサ値である人の混雑度を示す値または騒音の値を用いて、このセンサ値に応じて、標準環境情報が有するパラメータのうちの、環境機器2であるブラインド装置に与えられる高さや、ブラインド装置の開閉量(すなわち、ブラインドを開く量)の少なくとも1以上のパラメータを変更した補正環境情報を取得する。
【0110】
例えば、補正部131は、センサ値である人の混雑度または騒音の値が、予め決められた基準値よりも高い場合に、環境機器2であるブラインド装置に与えられる高さ、および開閉量の少なくとも一方のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す高さおよび開閉量よりも高い高さおよび大きい開閉量の値となるように変更した補正環境情報を取得するようにしてもよい。また、予め決められた基準値よりも低い場合に、環境機器2であるブラインド装置に与えられる高さ、および開閉量の少なくとも一方のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す高さおよび開閉量よりも低い高さおよび小さい開閉量の値となるように変更した補正環境情報を取得するようにしてもよい。
【0111】
(8)人の混雑度または騒音の値に応じて、換気装置に与えるパラメータを変更
補正部131は、例えば、センサ値受信部121が受信するセンサ値である人の混雑度を示す値または騒音の値を用いて、このセンサ値に応じて、標準環境情報が有するパラメータのうちの、環境機器2である換気装置に与えられる風量および動作のオン・オフ等の少なくとも1以上のパラメータを変更した補正環境情報を取得する。
【0112】
例えば、補正部131は、センサ値である人の混雑度または騒音の値が、予め決められた基準値よりも高い場合に、環境機器2である換気装置に与えられる風量のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す風量よりも強い風量の値となるように変更した補正環境情報を取得するようにしてもよい。また、予め決められた基準値よりも低い場合に、換気装置に与えられる風量のパラメータを、標準環境情報が有するパラメータが示す風量よりも弱い風量の値となるように変更した補正環境情報を取得してもよい。
【0113】
上記において、風量のパラメータを風量が強いことを示す値に変更する代わりに、換気をオンにするパラメータに変更し、風量のパラメータを風量が弱いことを示す値に変更する代わりに、換気をオフにするパラメータに変更するようにしてもよい。
【0114】
なお、補正部131が、制御対象の環境値以外の1または2以上のセンサ値を用いて、補正環境情報を取得する処理は、上記の処理に限定されるものではない。
【0115】
上記において、1または2以上のセンサ4のセンサ値に応じて、標準環境情報が有する1以上のパラメータの値を変更して、この変更したパラメータを有する補正環境情報を取得する場合において、補正部131は、どのようにセンサ4の値に応じて変更した1以上のパラメータの値を取得するようにしてもよい。例えば、特定の1または2以上のセンサ4のセンサ値と、特定の1以上のパラメータの変更後の値との関係を示す関係式を用いて、特定の1または2以上のセンサ4のセンサ値を引数等として用いて演算を行うことにより、変更後のパラメータの値を取得してもよい。また、特定の1または2以上のセンサ4のセンサ値と、特定の1以上のパラメータの変更後の値との対応関係を示す対応表や、対応関係を示すグラフから、特定の1または2以上のセンサ4のセンサ値に対応する変更後のパラメータの値を取得してもよい。また、特定の1または2以上のセンサ4のセンサ値に対応する2以上の値の範囲と、各値の範囲に対応する特定の1以上のパラメータの変更後の値とを用いて、特定の1または2以上のセンサ4のセンサ値が含まれる値の範囲に対応する特定の1以上のパラメータの変更後の値を取得してもよい。
【0116】
なお、上記において、特定の1または2以上のセンサ4のセンサ値として、センサ4が実際に取得するセンサ値と、このセンサ値に対応する予め決められた基準値との差を用いてもよい。同様に、上記において、特定の1以上のパラメータの変更後の値として、標準環境情報が有する特定のパラメータの値との差の値を用いてもよい。
【0117】
なお、補正部131が、1以上のセンサ4のセンサ値に応じて、環境情報の1以上のパラメータを取得する処理は、上記のような処理に限定されるものではない。
【0118】
なお、補正部131は、カレントモード格納部114に格納されている一の環境機器2に対応するカレントモードが強制モードおよび相対モードのいずれかである場合には、この環境機器2に対応する補正環境情報の取得や更新を行わないようにしてもよい。
【0119】
補正部131が、各環境機器2について補正環境情報を取得する際に利用するセンサ値や、センサ値に応じて、各環境機器2に対応する標準環境情報や補正環境情報等の環境情報を変更する際に行う変更内容等については、補正部131に予め設定されていてもよい。変更内容は、例えば、1以上のセンサ値と、これに応じて変更するパラメータとの関係式等であってもよい。また、補正環境情報を取得する際に利用するセンサ値や変更内容等の情報を有するルール情報等が、各環境機器と対応付けて格納部11に予め格納されているようにして、各環境機器2について補正環境情報を取得する際に、各環境機器2に対応付けられたルール情報を読み出して、このルール情報が示すセンサ値を用いて、このルール情報が示すように標準環境情報や補正環境情報等の環境情報を変更するようにしてもよい。各環境機器2に対応するルール情報は、例えば、機器識別子と対応付けて格納部11に格納される。
【0120】
制御部132は、1または2以上の環境機器2を制御する。制御部132は、例えば、1または2以上の各エリアの居住空間を変更する1または2以上の環境機器2を、各エリアに対応する環境情報である標準環境情報または補正環境情報を用いて制御する。例えば、各エリアの居住空間を変更する1または2以上の環境機器2を、各環境機器2に対応する標準環境情報であって、一の時に対応する標準環境情報を用いて制御する。環境機器2に対応する標準環境情報とは、例えば、一のルックアップテーブルにより、環境機器2と対応付けられた標準環境情報である。ここでの一の時とは、通常、現在の時である。制御部132は、図示しない時計やカレンダー等から現在の時(例えば、時刻や日時や日付等)を取得し、環境機器2に対応する2以上の標準環境情報のうちの、取得した時刻に対応する期間と対応付けられた標準環境情報を用いて、環境機器2を制御する。例えば、制御部132は、補正部131が補正環境情報を取得した場合には、補正環境情報を用いて環境機器2を制御し、補正部131が補正環境情報を取得していない場合においては、標準環境情報を用いて環境機器2を制御する。また、補正部131は、人手による設定を用いて、環境機器2を制御してもよい。
【0121】
制御部132は、例えば、一の環境機器2を、標準環境情報を用いて制御していた場合において、現在の時に対応する標準環境情報が、直前の標準環境情報とは異なるものとなった場合に、現在の時に対応する標準環境情報を用いてこの一の環境機器の制御を行う。また、制御部132は、例えば、一の環境機器を、補正環境情報を用いて制御している場合においても、この補正環境情報の変更元の標準環境情報が、現在の時に対応する標準環境情報と異なるものとなった場合に、現在の時に対応する標準環境情報を用いてこの一の環境機器の制御を行うようにしてもよい。ただし、相対モードで環境機器2が動作している場合、補正環境情報からの標準環境情報への変更は行わないようにしてもよい。
【0122】
標準環境情報または補正環境情報を用いて一の環境機器2を制御するということは、例えば、標準環境情報または補正環境情報が有する一の環境機器2に対応するパラメータを、この一の環境機器2に与えて制御することである。また、人手による設定を用いて一の環境機器2を制御することは、例えば、人手による設定が示すパラメータをこの一の環境機器2に与えて制御することである。制御部132は、パラメータ等の制御に必要な情報を送信する送信部(図示せず)を有していてもよい。
【0123】
制御部132は、カレントモード格納部114に格納されているカレントモードに従って、カレントモードに対応する環境機器2の制御を行うようにしてもよい。例えば、カレントモード格納部114に、環境機器2ごとのカレントモードが格納されている場合、各環境機器2を、各環境機器2に対応するカレントモードが示すモードで制御してもよい。
【0124】
例えば、環境機器2に対応するカレントモードが、自動モードである場合、制御部132は、補正部131が環境機器2に与えられるパラメータを有する補正環境情報を取得していない時には、環境機器2に与えられるパラメータを有する標準環境情報を用いて環境機器2を制御し、補正部131が環境機器2に与えられるパラメータを有する補正環境情報を取得している時には、補正環境情報を用いて環境機器2を制御する。環境機器2に与えられるパラメータを有する補正環境情報が更新された場合、この更新された補正環境情報を用いて環境機器2を制御する。
【0125】
例えば、環境機器2に対応するカレントモードが、相対モードである場合、制御部132は、一の時に固定された補正環境情報を固定的に使用して、環境機器2を制御する。例えば、制御部132が、上述したような自動モードで制御されており、補正部131が環境機器2に与えられるパラメータを有する補正環境情報を取得していない時には、環境機器2に与えられるパラメータを有する標準環境情報を用いて環境機器2を制御し、補正部131が環境機器2に与えられるパラメータを有する補正環境情報を取得している時には、補正環境情報を用いて環境機器2を制御していたとする。このように一の環境機器2が自動モードで制御されている場合であって、補正環境情報を用いて環境機器2が制御されている時において、受信部12が、現在、環境機器2の制御に用いられている補正環境情報を固定的に利用する指示を受信した場合に、制御部132は、環境機器2の制御に現在用いられていた補正環境情報を固定し、この補正環境情報を使用して、環境機器2を制御する。また、制御部132は、例えば、補正環境情報が固定された場合に、カレントモード格納部114に格納されているカレントモードを、相対モードに更新する。例えば、補正環境情報が固定されたエリアに対応するカレントモードや、補正環境情報が固定された環境機器2に対応するカレントモードを更新する。環境機器2の制御に現在用いられている補正環境情報を固定的に利用する指示は、例えば、カレントモードを相対モードに切り替える指示である切替指示であってもよい。
【0126】
例えば、環境機器2に対応するカレントモードが、強制モードである場合、制御部132は、人手による設定を使用して、環境機器2を制御する。例えば、環境機器2が動作していない状態や、環境機器2が、上記のような自動モードや相対モードで制御されている場合において、1以上の環境機器2を制御するために用いる人手による設定を有する指示情報を指示情報受信部122が受信した場合に、制御部132は、この指示情報が有する設定を使用して環境機器2を制御する。このような人手による設定を有する指示情報を、指示情報受信部122が受信した場合に、制御部132は、カレントモード格納部114に格納されているカレントモードを強制モードに更新するようにしてもよい。
【0127】
制御部132は、例えば、標準環境情報とは別に、補正環境情報または補正環境情報と標準環境情報との差に関する差情報を蓄積してもよい。標準環境情報とは別に格納するということは、例えば、格納部11内の、標準環境情報を有するルックアップテーブルが格納されるLUT格納部111以外の部分に格納することである。例えば、制御部132は、相対モードで固定的に利用する補正環境情報、または、この補正環境情報に対応する標準環境情報との差に関する差情報を、標準環境情報とは別に蓄積する。また、例えば、制御部132は、自動モードで標準環境情報を変更して取得した補正環境情報、または取得した補正環境情報とこの補正環境情報に対応する標準環境情報との差に関する差情報を、この補正環境情報で制御される環境機器2と対応付けて(例えば、機器識別子と対応付けて)蓄積する。補正環境情報に対応する標準環境情報とは、補正環境情報の変更前の標準環境情報である。制御部132は、例えば、補正環境情報格納部112に、補正環境情報または差情報を蓄積する。補正環境情報に対応する標準環境情報とは、例えば、補正環境情報の変更元となる標準環境情報である。差情報は、例えば、補正環境情報が有するパラメータのうちの変更があったパラメータと、対応する標準環境情報の変更前のパラメータとの差分の情報(例えば、パラメータの属性と、値の差)であってもよく、補正環境情報が有するパラメータのうちの変更があったパラメータであってもよい。補正環境情報または差情報は、例えば、補正環境情報または差情報に対応する標準環境情報に対応するエリアや環境機器2等と対応付けて蓄積される。
【0128】
なお、制御部132は、例えば、1以上の環境機器2の制御に現在利用されている環境情報(例えば、標準環境情報または補正環境情報)、または現在利用されている環境情報と対応する標準環境情報との差情報を、格納部11に(例えば、格納部11の補正環境情報格納部112等に)蓄積するようにしてもよく、格納部11以外のメモリ等(図示せず)に読み出して格納するようにしてもよい。標準環境情報が現在の制御に用いられている場合、標準環境情報と現在の制御に用いられている環境情報とは、同一の標準環境情報となり、その差情報は、差がないことを示す値となる。現在の制御に利用されている環境情報が標準環境情報である場合、環境機器2の制御に現在利用されている標準環境情報は、補正環境情報格納部112に蓄積しないようにしてもよい。この場合、この標準環境情報の識別子等を補正環境情報格納部112に、対応する環境機器2の機器識別子と対応付けて蓄積してもよい。この場合でも、標準環境情報の識別子を用いて、対応する標準環境情報を取得可能である。
【0129】
制御部132は、対応する環境機器2のモードが自動モードである場合であって、補正環境情報または補正環境情報と標準環境情報との差に関する差情報を用いて取得した補正環境情報を用いて、対応する環境機器2を制御していた場合において、補正環境情報に対応する標準環境情報に対応付けられていた期間が、現在の時を含む期間ではなくなった場合に、環境機器2の制御に直前に用いられていた環境情報(例えば、標準環境情報または補正環境情報)を、現在の時を含む期間と対応付けられた標準環境情報に切り替えて、対応する環境機械2の制御を行うようにすることが好ましい。現在の時刻とは、日等の情報を有していてもよい。また、現在の時刻の最小単位は問わない。時刻の最小単位は、秒であっても、分であっても、時間であってもよい。
【0130】
制御部132は、カレントモードが相対モードである場合、上記のように補正環境情報格納部112等に蓄積した補正環境情報、または上記のように補正環境情報格納部112等に蓄積した差情報とこれに対応する標準環境情報とを用いて取得した補正環境情報とを用いて、環境機器2を制御してもよい。
【0131】
制御部132は、指示情報受信部122が指示情報を受信した場合に、この指示情報や、この指示情報に対応して変更した環境情報を、指示情報に対応する環境機器2の機器識別子と対応付けて蓄積してもよい。このとき、この環境機器2に対応するカレントモードを強制モードに変更するようにしてもよい。
【0132】
なお、制御装置1が強制モードで制御されている場合や、相対モードで制御されている場合において、制御装置1の電源等をオフにする際には、カレントモードと、現在の制御に用いられている補正環境情報または指示情報等とを、格納部11に格納したまま保存し、再度、制御装置1を起動した場合には、保存したカレントモードと、補正環境情報または指示情報等とを用いて対応する環境機器2を制御するようにしてもよい。
【0133】
また、制御部132は、受信部12が、対応する環境機器2を自動モードに切り替えて制御する切替指示を受信した場合に、環境機器2に対応するカレントモードを自動モードに変更して対応する環境機器2を制御するようにしてもよい。自動モードに変更する際には、対応する環境機器2と、現在の時を含む期間とに対応付けられた標準環境情報、またはこの標準環境情報を用いて取得した補正環境情報とを用いて環境機器2の制御を行う。
【0134】
なお、制御部132は、センサ値受信部121が、一の環境機器2に対応するエリアについて受信した1または2以上のセンサ値と、この一の環境機器2について学習部133が取得する学習器とを用いて、機械学習のアルゴリズムにより予測処理を行って指示情報を取得し、この指示情報を用いて、環境機器2を制御してもよい。この指示情報は、例えば、機械学習により取得される予測される指示情報である。この学習器の詳細については後述する。例えば、制御部132は、センサ値受信部121が予め決められた1または2以上のセンサ4から受信した1または2以上のセンサ値を、学習部133が取得した学習器に適用(例えば、入力)し、学習器の出力として、環境機器2に与えられる設定を有する指示情報を取得する。学習器の出力として得られる指示情報は、例えば、1または2以上の指示パラメータを有する指示情報である。そして、学習器を用いて取得した指示情報が有する設定を優先して、環境機器2を制御する。学習器を用いて取得した指示情報が有する設定を優先する、ということは、学習器を用いて取得した指示情報が有するパラメータについては、このパラメータを環境機器2に与えて制御を行い、学習器を用いて取得した指示情報が有するパラメータ以外のパラメータについては、現在の時に対応する標準環境情報が有するパラメータや、学習器を用いてパラメータを取得する直前に取得されていた補正環境情報が有するパラメータを環境機器2に与えて制御を行うことである。このような学習器を利用して環境機器2を制御するモードを学習利用モードと考えてもよい。この場合、制御部132は、カレントモードとして学習利用モードをカレントモード格納部114に蓄積するようにしてもよい。
【0135】
学習部133は、1または2以上の各エリア毎に、予測処理に使用する学習器を取得し、取得した学習器を学習器格納部113等に蓄積する。学習部133は、例えば、1または2以上の各エリアに対応する環境機器2毎に、予測処理に使用する学習器を取得し、取得した学習器を学習器格納部113等に蓄積する。学習部133は、センサ値受信部121がエリア毎に受信した1または2以上のセンサ値と指示情報とを用いて、エリア毎に、具体的にはエリアに対応する環境機器2毎に、予測処理に使用する学習器を取得する。センサ値受信部121が受信した1または2以上のセンサ値と指示情報とは、例えば、指示情報受信部122が受信した指示情報と、この指示情報の受信時やその直前または直後等に、センサ値受信部121が受信した1または2以上のセンサ値との1または2以上の組である。センサ値は、各センサ4が取得する時系列のセンサ値の代表値であってもよい。学習部133は、エリア毎に受信した1以上のセンサ値を入力とし、エリア毎に受信した指示情報を出力とする予測処理に使用する学習器を、機械学習のアルゴリズムにより取得する。学習部133は、例えば、センサ値受信部121がエリア毎に受信した1または2以上のセンサ値と指示情報との組を教師データとして用いて機械学習を行うことにより学習器を取得する。学習部133は、例えば、センサ値受信部121がエリア毎に受信したセンサ値を訓練用の入力データとし、センサ値受信部121がエリア毎に受信した指示情報を訓練用の出力データとして用いて、ニューラルネットワークの学習を行うことにより学習器を取得する。制御部132は、このような学習器に、センサ値受信部121が受信したセンサ値を適用して指示情報を取得する。取得される指示情報は、例えば、センサ値から予測される指示情報である。学習器の取得の際に利用される1以上のセンサ値と、学習器を用いて指示情報を取得する際に利用される1以上のセンサ値とは、同じ1以上のセンサ4がそれぞれ取得するセンサ値であることが好ましい。また、学習器を用いて取得される指示情報は、センサ値を取得したエリアの居住区間を変更する環境機器2の制御に利用することが好ましい。
【0136】
上記のニューラルネットワークとしては、例えば、全結合層を有するニューラルネットワークや、畳み込み層とプーリング層とを一段以上(例えば、多段以上)連結したニューラルネットワーク等が利用可能である。例えば、上記のニューラルネットワークとしては、例えば、物体検出に用いられるCNN(Convolutional Neural Network)等と同様のものが利用可能である。なお、この場合、プーリング層は省略してもよい。なお、学習器は、上記のような教師データを用いて、SVRや、深層学習、決定木、ランダムフォレスト等のアルゴリズムを用いた学習を行って生成された学習器であってもよい。
【0137】
なお、学習器が学習器格納部113に格納されているとは、例えば、学習器そのもの(例えば、入力に対して値を出力する関数や学習結果のモデル等)が格納されていることであってもよく、学習器を構成するために必要なパラメータ等の情報が格納されていることであってもよい。後者の場合であっても、そのパラメータ等の情報を用いて学習器を構成できるため、実質的に学習器が図示しない格納部に格納されていると考えることができるからである。
【0138】
学習部133が、上記のような学習を行って学習器を取得するタイミングは問わない。例えば、一のエリアについて、予め決められた期間(例えば、予め決められた時間帯)に、センサ値受信部121が受信したセンサ値と指示情報との組が閾値以上(例えば、10以上)になった場合に、学習器を取得するタイミングと判断して、学習器を取得してもよい。また、例えば、予め決められた日時等に学習器を取得する処理を行ってもよい。センサ値受信部121が受信したセンサ値と指示情報との組は、上述したように教師データと考えてもよい。
【0139】
端末装置3は、指示情報を送信する装置である。端末装置3は、例えば、リモートコントローラである。端末装置3は、例えば、専用の装置や、スマートフォンやタブレット端末やコンピュータ等により実現可能である。なお、端末装置3は、環境機器2に取り付けられていてもよい。
【0140】
端末格納部31には、指示情報の生成に用いられる情報が格納されている。指示情報の生成に用いられる情報は、例えば、指示を特定するために利用される情報であり、例えば、指示の属性を示す情報や、指示の属性値を有する情報である。指示の属性は指示パラメータの属性(例えば、パラメータ名等)であってもよく、指示の属性値は、指示パラメータの値であってもよい。パラメータの値は、ユーザが入力したり変更したりすることが可能な値であってもよい。また、端末格納部31には、端末装置3が送信する指示情報に対応する環境機器2を特定可能な情報(例えば、環境機器2の識別子等)が格納されていてもよい。端末装置3が送信する指示情報に対応する環境機器2とは、例えば、端末装置3が送信する指示情報により制御等を行うことが可能な環境機器である。また、端末格納部31には、指示情報により設定等を行うことが可能なエリアのエリア識別子等が格納されていてもよい。端末格納部31は、1以上の環境機器2のカレントモードを相対モードや自動モードに切り替える切替指示の生成に用いられる情報が格納されていてもよい。
【0141】
端末受付部32は、ユーザからの入力を受け付ける。端末受付部32は、例えば、1以上の環境機器2に対する指示の入力を受け付ける。端末受付部32は、例えば、環境機器2に与える指示パラメータの入力を受け付ける。例えば、指示パラメータの入力は、温度や、照度等の指示パラメータの属性と、指示パラメータの値との1または2以上の組の入力である。端末装置3が、複数の環境機器2や複数の種類の環境機器2に指示情報を送信可能なものである場合、1以上の指示情報に対応する環境機器2や環境機器2の種類を指定する情報をさらに受け付けてもよい。また、端末装置3が、複数のエリアに対して指示情報を送信できる場合、送信先となるエリア識別子等をさらに受け付けるようにしてもよい。また、端末受付部32は、1以上の環境機器2のカレントモードを相対モードや自動モードに切り替える切替指示を送信する指示の入力を受け付けてもよい。
【0142】
端末受付部32の入力手段は、テンキーやキーボード、タッチパネルや、メニュー画面によるもの等、何でもよい。端末受付部32は、テンキーやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0143】
端末処理部33は、端末受付部32が受け付けた入力に応じた情報を取得する。例えば、端末処理部33は、端末受付部32が受け付けた1以上の環境機器2への指示の入力に応じた指示情報を取得する。指示情報の取得は、指示情報の生成と考えてもよい。端末処理部33が取得する指示情報は、例えば、端末受付部32が受け付けた指示パラメータを有する指示情報である。端末処理部33が取得する指示情報は、例えば、端末受付部32が受け付けた温度を1度アップや、照度をプラスする等の指示パラメータを有する指示情報である。端末処理部33が取得する指示情報は、さらに、端末受付部32が受けつけた1以上の環境機器2や環境機器2の種類を指定する情報や、エリア識別子を有していてもよい。また、例えば、端末処理部33は、端末受付部32が、1以上の環境機器2のカレントモードを相対モードや自動モードに切り替える切替指示を送信する指示の入力を受け付けた場合に、対応する切替指示を取得する。
【0144】
端末送信部34は、例えば、端末処理部33が取得した指示情報を制御装置1に送信する。また、端末送信部34は、例えば、端末処理部33が取得した切替指示を制御装置1に送信する。端末送信部34は、通常、無線または有線の通信手段で実現される。端末送信部34は、通信デバイスを含むと考えても、含まないと考えてもよい。
【0145】
次に、環境制御システム1000の制御装置1の動作の一例について
図2のフローチャートを用いて説明する。ここでは、カレントモード格納部114に格納されている各環境機器2のカレントモードの初期値が、自動モードであるとする。
【0146】
(ステップS101)センサ値受信部121は、1または2以上のセンサ4がそれぞれ送信するセンサ値の受信を開始する。例えば、各センサ4は、一定または不定の間隔で取得したセンサ値を、順次送信し、センサ値受信部121は、このセンサ値を順次受信する。例えば、センサ値受信部121は、エリアと対応付けられたセンサ値を受信する。センサ値の受信は、例えば、以下の制御装置1の動作に並列して、あるいは動作の合間等に順次行われる。センサ値は、例えば、受信した時刻またはセンサ値を取得した時刻と対応付けられて、格納部11に蓄積される。
【0147】
(ステップS102)制御部132は、図示しない時計等から、現在の時の情報(例えば、時刻等)を取得し、LUT格納部111に格納されているカレントモードが自動モードである環境機器2に対応するルックアップテーブルから、環境機器2毎に、取得した現在の時を含む期間と対応付けられた標準環境情報を取得する。現在の時は、日時等の情報を含んでいてもよい。そして、1または2以上の環境機器2を、取得した環境機器2に対応する標準環境情報を用いて制御する。例えば、標準環境情報が有する1または2以上の環境機器2に対応するパラメータを、対応する環境機器2に与えることにより、環境機器2を制御する。取得した標準環境情報は、例えば、各環境機器2と対応付けて補正環境情報格納部112等に蓄積する。
【0148】
(ステップS103)制御部132は、カレントモード格納部114に格納されているカレントモードが自動モードである環境機器2があるか否かを判断する。ある場合、ステップS104に進み、ない場合、ステップS108に進む。
【0149】
(ステップS104)制御部132は、図示しない時計等から、現在の時の情報(例えば、時刻等)を取得し、LUT格納部111に格納されているカレントモードが自動モードである各環境機器2について、対応するルックアップテーブルを用いて、現在の時を含む期間に対応付けられた標準環境情報が、直前の時を含む期間と対応付けられた標準環境情報(例えば、直前の制御に用いられた標準環境情報または直前の制御に用いられた補正環境情報の変更元となる標準環境情報と)は異なるものとなった環境機器2を検出する。例えば、カレントモードが自動モードである環境機器2ついて、直前のステップS102やステップS120等で取得された標準環境情報と、現在の時に対応する標準環境情報とが異なるか否かを判断することで、標準環境情報が異なるものとなったか判断するようにしてもよい。
【0150】
(ステップS105)制御部132は、ステップS104で検出した各環境機器2について、各環境機器2に対応する標準環境情報であって、現在の時を含む期間に対応付けられた標準環境情報を、LUT格納部111に格納されているルックアップテーブルから取得する。そして、取得した標準環境情報を用いて、ステップS104で検出した各環境機器2を制御する。また、取得した標準環境情報を用いて、各環境機器2と対応付けて補正環境情報格納部112等に蓄積する。蓄積されていた標準環境情報を更新する。
【0151】
(ステップS106)制御部132は、カレントモードが自動モードである各環境機器2の制御に用いている環境情報(例えば、現在制御に用いている標準環境情報または補正環境情報)を変更するタイミングであるか否かを判断する。変更するタイミングをどのように判断するかは問わない。例えば、制御装置1の動作が開始してから、一定の時間が経過する毎に変更するタイミングであると判断してもよく、現在の時刻が、予め決められた1または2以上の時刻のいずれかと一致した場合に、変更するタイミングであると判断してもよい。変更のタイミングである場合、ステップS107に進み、変更のタイミングでない場合、ステップS108に進む。
【0152】
(ステップS107)補正部131は、カレントモードが自動モードである各環境機器2のそれぞれについて、現在制御に用いている環境情報を変更して補正環境情報を取得する処理を行う。そして、制御部132は、補正環境情報を取得した各環境機器2を、取得した補正環境情報を用いて制御する。ここでの補正環境情報の取得は、補正環境情報の更新も含む概念である。この処理の詳細については、後述する。
【0153】
(ステップS108)指示情報受信部122は、指示情報を受信したか否かを判断する。受信した場合、ステップS109に進み、受信していない場合、ステップS112に進む。
【0154】
(ステップS109)制御部132は、ステップS108において受信した指示情報に対応する環境機器2を、指示情報を用いて制御する。
【0155】
(ステップS110)制御部132は、ステップS108で受信した指示情報と、指示情報を受信した際の、直前や直後等に、センサ値受信部121が受信した、この指示情報により制御される環境機器2に対応するエリアの1または2以上のセンサ値と、を対応付けて格納部11に蓄積する。なお、一のセンサ4から取得したセンサ値として、一のセンサ4から指示情報を受信した際の直前や直後等に取得した時系列の複数のセンサ値の代表値を取得し蓄積してもよい。指示情報と対応付けて蓄積される1または2以上のセンサ値は、例えば、エリア毎に、あるいは、指示情報により制御される環境機器2毎に予め決められている。
【0156】
(ステップS111)制御部132は、ステップS108において受信した指示情報に対応する環境機器2のカレントモードを、強制モードに変更する。具体的には、カレントモード格納部114に格納されているステップS109において受信した指示情報に対応する環境機器2のカレントモードを強制モードに更新する。なお、既に対応する環境機器2のカレントモードが強制モードである場合、更新は行わなくてもよい。
【0157】
(ステップS112)受信部12は、一の環境機器2に対するカレントモードを相対モードへ切り替える切替指示を受信したか否かを判断する。受信した場合、ステップS113に進み、受信していない場合、ステップS121に進む。この指示は、一の環境機器2の制御に現在利用している補正環境情報を、固定して利用するための指示であってもよい。
【0158】
(ステップS113)制御部132は、ステップS113で受信した切替指示に対応する環境機器2と対応付けられてカレントモード格納部114に格納されているカレントモードが自動モードであるか否かを判断する。自動モードである場合、ステップS114に進み、自動モードでない場合、ステップS117に進む。
【0159】
(ステップS114)制御部132は、ステップS112で受信したモード切替指示に対応する環境機器2の制御が補正環境情報を用いて行われているか否かを判断する。例えば、この環境機器2と対応付けられた補正環境情報が、格納部11等に格納されているか否かを判断する。補正環境情報を用いて制御されている場合、ステップS115に進み、制御されていない場合、対応する環境機器2のカレントモードを変更せずに、ステップS117に進む。
【0160】
(ステップS115)制御部132は、相対モードへの切替指示に対応する環境機器2のカレントモードを、相対モードに変更する。そして、ステップS116に進む。
【0161】
(ステップS116)制御部132は、一の環境機器2の制御に用いられている補正環境情報、または差情報を、この環境機器2と対応付けて、補正環境情報格納部112に蓄積する。ただし、既に一の環境機器2の制御に用いられている補正環境情報、または差情報が蓄積されている場合は、この処理は省略してもよい。
【0162】
(ステップS117)受信部12は、一の環境機器2に対するカレントモードを自動モードへ切り替える切替指示を受信したか否かを判断する。受信した場合、ステップS118に進み、受信していない場合、ステップS121に進む。
【0163】
(ステップS118)制御部132は、ステップS113で受信した切替指示に対応する環境機器2と対応付けられてカレントモード格納部114に格納されているカレントモードが自動モードであるか否かを判断する。自動モードである場合、環境機器2のカレントモードを変更せずに、ステップS121に進み、自動モードでない場合、ステップS119に進む。
【0164】
(ステップS119)制御部132は、自動モードへの切替指示に対応する環境機器2のカレントモードを、自動モードに変更する。そして、ステップS120に進む。
【0165】
(ステップS120)制御部132は、現在の時を示す情報を取得し、ステップS117で受信した自動モードへの切替指示に対応する環境機器2に対応する標準環境情報であって、現在の時に対応する標準環境情報を、例えば、ルックアップテーブルから取得し、この標準環境情報で、この自動モードへの切替指示に対応する環境機器2を制御する。取得した標準環境情報を、環境機器2と対応付けて、補正環境情報格納部112等に蓄積する。既に同じ環境機器2と対応付けて補正環境情報等が蓄積されている場合、この補正環境情報等を、取得した標準環境情報等で更新する。
【0166】
(ステップS121)学習部133は、機械学習のタイミングとなった環境機器2があるか否かを判断する。例えば、ステップS110で蓄積した指示情報と1以上のセンサ値との組の数が、予め決められた閾値以上となった環境機器2がある場合、学習部133は、この環境機器2を機械学習のタイミングとなった環境機器2と判断する。ここでの1以上のセンサ値は、時系列の複数のセンサ値の代表値であってもよい。機械学習のタイミングとなった環境機器2がある場合、ステップS122に進み、ない場合、ステップS124に進む。
【0167】
(ステップS122)学習部133は、機械学習のタイミングとなった各環境機器2についてステップS110で蓄積した指示情報と1以上のセンサ値との複数の組を用いて、機械学習を行うことにより、各環境機器2毎に学習器を取得する。学習部133は、取得した学習器を学習器格納部113に蓄積する。
【0168】
(ステップS123)制御部132は、学習器を取得した環境機器2のカレントモードを、学習利用モードに変更する。
【0169】
(ステップS124)制御部132は、学習利用モードに対応付けられた環境機器があるか否かを判断する。ある場合、ステップS125に進み、ない場合、ステップS103に戻る。
(ステップS125)制御部132は、学習利用モードに対応付けられた各環境機器2に対応するエリアについて取得された1または2以上のセンサ値またはセンサ値の代表値と、各環境機器2に対応付けられた学習器を用いて、予測される指示情報を取得し、取得した指示情報を用いて、各環境機器2を制御する。そして、ステップS103に戻る。
【0170】
なお、
図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0171】
次に、環境制御システム1000の制御装置1の、補正環境情報を取得する処理の一例について
図3のフローチャートを用いて説明する。この処理は、
図2のステップS107に相当する処理である。
【0172】
(ステップS201)補正部131は、カウンターkに値1を代入する。
【0173】
(ステップS202)補正部131は、制御を行う環境機器2に、k番目の環境機器2があるか否かを判断する。ある場合、ステップS202に進み、ない場合、上位の処理にリターンする。
【0174】
(ステップS203)補正部131は現在k番目の環境機器2の制御に用いられている環境情報、すなわち標準環境情報または補正環境情報を取得する。
【0175】
(ステップS204)補正部131は、k番目の環境機器2に対応する環境情報を変更するルール情報を取得する。例えば、格納部11に予め格納されているk番目の環境機器2と対応付けられたルール情報を取得する。ここでのルール情報とは、ルールを示す情報や、ルールに相当するアルゴリズム等を示す情報である。
【0176】
(ステップS205)補正部131は、k番目の環境機器2について受信した1以上のセンサ値の代表値を取得する。k番目の環境機器2について受信したセンサ値とは、k番目の環境機器2に対応するエリアについて取得された1または2以上のセンサ値である。例えば、補正部131は、直前にセンサ値受信部121が受信していた1または2以上のセンサ値について、現在の時までの予め決められた期間内にセンサ値受信部121が受信した時系列の複数のセンサ値の代表値を取得する。ただし、代表値の代わりに、最新のセンサ値等を用いてもよい。
【0177】
(ステップS206)補正部131は、ステップS204で取得したルール情報と、ステップS205で取得したセンサ値の代表値とを用いて、ステップS203で取得した環境情報を変更した補正環境情報を取得する。例えば、ステップS203で取得した環境情報内の1以上のパラメータをルール情報にしたがって変更した補正環境情報を取得する。補正部131は、この補正環境情報を、これ以降のk番目の環境機器2の制御に用いる補正環境情報として、k番目の環境機器2と対応付けて蓄積する。例えば、k番目の環境機器2と対応付けられて補正環境情報格納部112に格納されていた標準環境情報や補正環境情報等の環境情報を更新する。
【0178】
(ステップS207)制御部132は、ステップS206で取得した補正環境情報を用いて、k番目の環境機器2を制御する。
【0179】
(ステップS108)補正部131は、カウンターkの値を1インクリメントする。そして、ステップS202に戻る。
【0180】
次に、環境機器2の動作の一例について簡単に説明する。環境機器2は、制御装置1から制御を行うための情報を受信すると、この情報に応じて、居住空間を変更するための予め決められた動作を行う。例えば、環境機器2は、制御装置1から1以上のパラメータを受信すると、このパラメータを用いて、居住空間を変更するための予め決められた動作を行う。与えられたパラメータが、1以上の環境値の目標値等である場合(例えば、設定温度や、設定湿度や、設定照度等である場合)、環境機器2が居住空間を変更可能なエリア内の1以上の環境値が目標値となるような制御を行う。
【0181】
次に、端末装置3の動作の一例について簡単に説明する。端末装置3の端末受付部32が、ユーザから、端末装置3と対応付けられた環境機器2を制御するための指示を受け付けると、端末処理部33は、端末格納部31に格納されている情報等を用いて、対応する端末装置3に対する指示を特定する指示情報を取得し、端末送信部34が、この指示情報を制御装置1に送信する。また、端末受付部32が、ユーザから、端末装置3と対応付けられた環境機器2のカレントモードを、相対モードや自動モードに切り替える指示を受け付けると、端末処理部33は、端末格納部31に格納されている情報等を用いて、対応する端末装置3のカレントモードを相対モードまたは自動モードに切り替える切替指示を取得し、端末送信部34が、この切替指示を制御装置1に送信する。
【0182】
次に、センサ4の動作の一例について簡単に説明する。センサ4は、一定または不定の期間毎に、特定の環境値を示すセンサ値を取得し、取得したセンサ値を制御装置1に送信する。センサ値を送信する際に、センサ4に対応するエリアを特定可能な情報(例えば、エリア識別子や、エリア識別子と対応付けられているセンサ識別子等)をセンサ値とともに制御装置1に送信することが好ましい。なお、センサ4が、例えば、制御装置1の特定の入力端子(図示せず)や、ポート等に接続されている場合、エリアを特定可能な情報の送信は行わなくてもよい。
【0183】
以下、本実施の形態における環境制御システム1000の具体的な動作について一例を挙げて説明する。
【0184】
図4は、環境制御システム1000が設置されている商業施設5の屋内のフロアマップを示す平面模式図である。この商業施設5内は、6つの異なるエリア50a~50fを有しているものとする。なお、個々のエリア50a~50fを区別しない場合、単にエリア50と呼ぶ場合がある。なお、隣り合うエリア50の境界は、パーテーション等で区切られていてもよく、区切られていなくてもよい。制御装置1は、エリア50以外の領域に設置されているものとする。なお、
図4においては、制御装置1および端末装置4の図示は省略している。
【0185】
商業施設5内には、複数の環境機器2として、6つの環境機器2a~2fが設置されているとする。また、商業施設5内には、複数のセンサ4として6つのセンサ4a~4fが設置されているとする。なお、環境機器2a~2fのそれぞれを区別しない場合は、単に環境機器2と呼ぶ。同様に、センサ4a~4fを区別しない場合は、単にセンサ4と呼ぶ。
【0186】
環境機器2aとセンサ4aとは、エリア50aに設置されている。環境機器2aは、照明機器であり、センサ4aは、室温を検知する温度センサであるとする。ここでは、図示を簡略化しているが、環境機器2aである照明機器は、エリア50a内の複数の異なる位置に配置された複数のLED光源等の光源(図示せず)を有するものであり、複数の光源を制御することで、照度および色温度を変更可能なものであるとする。
【0187】
環境機器2bとセンサ4bとは、エリア50bに設置されている。環境機器2bは、照明機器であり、センサ4bは、人感センサであり、この人感センサはエリア50b内の人数を検出可能な人感センサであるとする。環境機器2bは、環境機器2aと同様の照明機器であるとする。
【0188】
環境機器2cとセンサ4cとは、エリア50cに設置されている。環境機器2cは、冷暖房機であり、センサ4aは、室内の照明の色温度を検出可能なカラーセンサであるとする。冷暖房機である環境機器2cは、設定温度を制御可能なものであるとする。
【0189】
環境機器2dとセンサ4dとは、エリア50dに設置されている。環境機器2dは、高さとスラットの角度とを制御可能なブラインド機器であり、センサ4dは、湿度センサであるとする。ブラインド機器の高さとは、例えば、ボトムレールの高さ位置である。
【0190】
環境機器2eとセンサ4eとは、エリア50eに設置されている。環境機器2eは、除湿器であり、センサ4eは、人感センサであるとする。この人感センサはエリア50b内の人数を検出可能な人感センサであるとする。除湿機である環境機器2eは、設定湿度を制御可能なものであるとする。
【0191】
環境機器2fとセンサ4fとは、エリア50fに設置されている。環境機器2fは、換気装置であり、センサ4fは、照度センサであるとする。換気装置である環境機器2fは、ファンの回転速度を制御可能な換気装置であるとする。
【0192】
図5(a)~
図5(f)は、LUT格納部111にエリア50毎に格納されているルックアップテーブルを示す図である。各ルックアップテーブルは、「エリアID」、「機器ID」、「期間」、「標準環境ID」、「標準環境」という属性を有している。「エリアID」はエリア識別子である。「機器ID」エリア内の居住空間を変更する環境機器2の機器識別子である。「light01」は、環境機器2aの機器識別子であり、「light02」は、環境機器2bの機器識別子であり、「air01」は、環境機器2cの機器識別子であり、「dehum01」は、環境機器2dの機器識別子であり、「blind01」は、環境機器2eの機器識別子であり、「vent01」は、環境機器2fの機器識別子であるとする。「期間」は、標準環境識別子に対応する期間の範囲を示す。ここでは、「期間」は時間帯であるとする。例えば、「0-10」は、0時から10時までの示し、「10-17」は、10時から17時までを示す。「標準環境ID」は、各期間毎の標準環境情報の識別子であり、「標準環境」は、各期間毎の標準環境情報である。標準環境情報を構成する情報は、標準環境情報が対応する環境機器2毎に異なっている。
【0193】
図5(a)および
図5(b)のルックアップテーブルの「標準環境」は、照明の照度を示す属性である「照度」と、照明の色温度を示す属性である「色温度」とをさらに有している。「照度」は、ここでは、強、中、弱の3段階の値のいずれかであるとする。
図5(c)のルックアップテーブルの「標準環境」は、冷暖房の設定温度を示す属性である「温度」と、冷暖房の風量を示す属性である「風量」とをさらに有している。「風量」は、ここでは、強、中、弱の3段階の値のいずれかであるとする。
図5(d)のルックアップテーブルの「標準環境」は、除湿の設定湿度を示す属性である「湿度」をさらに有している。設定湿度は、湿度の目標値である。
図5(e)のルックアップテーブルの「標準環境」は、ブラインド機器の高さを示す属性である「高さ」と、スラットの角度を示す属性である「角度」とをさらに有している。「角度」は、スラットを閉じた状態を0度とした角度で表される。「高さ」は、ブラインド機器を完全に下ろした状態を基準とした高さで表される。
【0194】
図5(f)のルックアップテーブルの「標準環境」は、換気装置のファンの回転速度を示す属性である「回転」をさらに有している。「回転」の属性値は、ここでは、高速、中速、低速の3段階の値のいずれかであるとする。
【0195】
まず、環境制御システム1000を起動すると、各センサ4は、一定または不定のタイミング毎に、それぞれに対応するセンサ値である各エリアの環境値を取得して、センサ値を取得したセンサ4が設定されているエリアのエリア識別子と、取得したセンサ値の属性名と、取得したセンサ値とを対応付けて、制御装置1に無線通信等により順次送信する。センサ値の属性名は、例えば、ここでは、センサ4が取得するセンサ値の種類(例えば、温度、人数、湿度等)であるとする。
【0196】
センサ値受信部121は、各センサ4からセンサ値、エリア識別子、および属性名を受信するごとに、これらの情報を、図示しない時計等から取得した受信時刻と対応付けて、格納部11に蓄積する。
【0197】
図6は、センサ値受信部121が順次受信して格納部11に蓄積したセンサ値等を管理するセンサ値管理表である。センサ値管理表は、「時刻」、「エリアID」、「センサ属性」、および「センサ値」という属性を有している。「時刻」はセンサ値の受信時刻、「エリアID」はセンサ値に対応付けられていたエリア識別子、「センサ属性」はセンサ値に対応付けられていたセンサ値の属性名、「センサ値」は、受信したセンサ値である。なお、「時刻」のt1,t2等は任意の時刻を示すものとする。
【0198】
カレントモード格納部114には、各環境機器2のカレントモードの初期値である自動モードが、各環境機器2の機器識別子と対応付けられて予め格納されているものとする。
【0199】
図7(a)は、カレントモード格納部114に格納されているカレントモードを管理するカレントモード管理表である。カレントモード管理表は、「機器ID」と「モード」という属性を有している。「機器ID」は、制御装置1が制御可能な環境機器2の機器識別子であり、
図5等の機器識別子と対応している。「モード」はカレントモードである。
【0200】
制御部132は、現在の時刻を時計等から取得し、各エリア50に設置された各環境機器2に対応する標準環境情報であって、取得した時刻に対応した標準環境情報を、
図5に示したルックアップテーブルから取得する。例えば、取得した現在の時刻が、10時12分であったとする。制御部132は、環境機器2aに対応する標準環境情報として、LUT格納部111に格納されているエリア50aに対応するルックアップテーブルから、環境機器2aに対応する標準環境情報であって現在の時刻に対応する標準環境情報を取得する。すなわち
図5(a)に示したエリア識別子「001」に対応するルックアップテーブルの、環境機器2aに対応する標準環境情報、すなわち「機器ID」が「light01」であるレコードであって、「期間」が現在の時刻「10時12分」を含むレコード(行)から、標準環境情報である照度「中」および色温度「6500K」を取得する。取得した照度および色温度は、環境機器2aを制御する際に与えられるパラメータである。そして、取得した標準環境情報を用いて、対応する環境機器2aを制御する。具体的には、上記で取得した照度および色温度の値を有する制御信号を、環境機器2aに送信する。また、制御部132は、標準環境情報を取得したレコードと同じレコードの標準環境情報の識別子である標準環境ID「0012」も取得する。そして、この具体例では、各環境機器2の制御に現在利用されている環境情報を管理するため、上記で取得した標準環境情報を現在の環境機器2aの制御に用いられる環境情報として、環境機器2aの識別子と、上記で取得した標準環境情報の識別子とに対応付けて、補正環境情報格納部112に蓄積する。
【0201】
制御部132は、同様に、
図5(b)~
図5(f)に示したルックアップテーブルから、エリア50b~50fにそれぞれ設置された環境機器2b~2fにそれぞれ対応する標準環境情報を取得し、取得した標準環境情報を用いて、対応する環境機器2b~2fを制御する。また、上記と同様に、標準環境情報の識別子も取得して、環境機器2b~2fの機器識別子と、環境機器2b~2fのそれぞれについて取得した標準環境情報と標準環境情報の識別子と、を対応付けて、補正環境情報格納部112に蓄積する。
【0202】
図8(a)は、制御部132が各環境機器2について取得して補正環境情報格納部112に蓄積した現在の制御に用いられている環境情報を管理するカレント環境情報管理表を示す図である。「機器ID」は、機器識別子であり、
図5等の機器識別子と対応している。「カレント環境情報」は、制御部132が各環境機器2について取得した各環境機器2の制御に現在用いられる環境情報である。ここでは、標準環境情報が格納されている。制御に用いられる環境情報は、例えば、標準環境情報または補正環境情報である。ここでは、標準環境情報が有するパラメータの属性名と、パラメータ値とを「:」を挟んで並べている。また、異なるパラメータ間は、「,」(カンマ)を区切っている。例えば「温度:26度」は、温度を26度に設定するパラメータである。なお、「カレント環境情報」として、現在環境機器2の制御に用いられている環境情報、すなわち標準環境情報または補正環境情報と、同じ環境機器2に対応する標準環境情報との差情報が格納されていてもよい。差情報が格納されていれば、対応する標準環境情報を用いて、現在の制御に利用される補正環境情報を取得可能である。「対応標準環境ID」は、現在利用されている標準環境情報、または現在利用されている補正環境情報の変更元となる標準環境情報の識別子である。標準環境情報の識別子である。なお、
図8において、現在の制御に利用されている環境情報が標準環境情報である場合、「カレント環境情報」の値は空欄や、NULLとしてもよい。この場合でも、「対応標準環境ID」を用いて、「カレント環境情報」の属性値に対応する標準環境情報を
図5に示したルックアップテーブルから取得可能である。
【0203】
ここで、カレントモードが「自動モード」である環境機器2の制御に現在用いている環境情報、すなわち「カレント環境情報」が示している環境情報を、変更するタイミングになったとする。例えば、補正部131は、環境制御システム1000の起動から、一定の時間(例えば、10分)が経過する毎に、環境情報を変更するタイミングであると判断する。
【0204】
図9は、格納部11に予め格納されている、環境機器2の制御に用いられている環境情報を変更する際に用いられるルールを示すルール情報を管理するルール管理表である。ルール管理表は、「機器ID」と、「ルール」という属性を有している。「機器ID」は、機器識別子であり、
図5等の機器識別子と対応している。「ルール」は、対応する機器識別子が示す環境機器2の制御に用いられる環境情報を変更するためのルール情報である。なお、ここでは、説明の便宜上、ルール情報を、自然言語で表しているが、ルール情報は、例えば、これらの自然言語に相当する一以上の関数や、メソッド名や、「if」、「then」等で示される制御構文等で構成されていてもよい。また、ルール情報は、これらの自然言語に対応する判断処理等を行うためのアルゴリズムであってもよい。
【0205】
補正部131は、まず、エリア50aに設置されている環境機器2aの制御に用いられている環境情報(ここでは、
図8に示した標準環境情報)を変更するための処理を行う。
【0206】
まず、補正部131は、
図8に示したカレント環境情報管理表から、機器識別子が「light01」である環境機器2aに対応する「カレント環境情報」の値を読み出す。
【0207】
次に、補正部131は、環境機器2aの制御に用いられている環境情報を変更する処理に用いられるルール情報を
図9に示したルール管理表から取得する。具体的には、
図9に示したルール管理表の、「機器ID」の属性値が、環境機器2aの機器識別子「light01」と一致するレコードの「ルール」の属性値である「センサ値である温度が26度を超えた場合、色温度を4000Kに変更、超えない場合、標準環境情報の色温度に設定」を取得する。
【0208】
補正部131は、環境機器2aに対応するエリア50aのエリア識別子「001」を、
図5(a)に示したルックアップテーブル等から取得し、このエリア識別子「001」と対応付けられたセンサ値であって、上記で取得したルール情報が示す「温度」のセンサ値を、
図6に示したようなセンサ値管理表から取得する。すなわち「エリアID」が「001」であり、「センサ属性」が「温度」であるレコードの「センサ値」の属性値を取得する。このとき、「時刻」の属性値が示す時刻が最も新しいレコードから順に、予め決められた2以上の数のセンサ値を取得する。そして、取得したセンサ値の平均値を、センサ値の代表値として取得する。この代表値は、エリア50aに設置されたセンサ4aが直近に取得した時系列の温度のセンサ値の代表値となる。この代表値は、「26.2度」であったとする。
【0209】
補正部131は、取得した温度のセンサ値が「26.2度」であり、上記で取得したルール情報が示す「26度」を超えているため、このルール情報に従って、上記で読みだした「カレント環境情報」の値のうちの色温度のパラメータの値を、「6500K」から「4000K」に変更する。変更した「カレント環境情報」の値が、補正環境情報である。
【0210】
そして、制御部132は、この変更した補正環境情報を用いて、環境機器2aを制御する。具体的には、変更した補正環境情報が有するパラメータを有する制御信号を、環境機器2aに送信して、環境機器2aを制御する。これにより、環境機器2aは、色温度が4000Kとなるように調光を行う。なお、上記で取得した温度のセンサ値が、ルール情報が示す温度である「26度」を超えていない場合、上記の「カレント環境情報」の値は更新しない。
【0211】
補正部131は、変更した補正環境情報で、
図8に示したカレント環境情報管理表の、「機器ID」が「light01」のレコードの「カレント環境情報」の属性を更新する。
【0212】
また、補正部131は、
図9に示したルール管理表から、環境機器2bの制御に用いられている環境情報を変更する処理に用いられるルール情報である「センサ値である人数が10人を超えた場合、照度を高に変更、超えない場合、標準環境情報の照度に設定」を取得する。
【0213】
補正部131は、環境機器2bに対応するエリア50bのエリア識別子「002」を、
図5(b)に示したルックアップテーブル等から取得し、このエリア識別子「002」と対応付けられたセンサ値であって、上記で取得したルール情報が示す「人数」のセンサ値を、
図6に示したようなセンサ値管理表から取得する。すなわち「エリアID」が「002」であり、「センサ属性」が「人数」であるレコードの「センサ値」の属性値を取得する。このとき、「時刻」の属性値が示す時刻が最も新しいレコードから順に、予め決められた2以上の数のセンサ値を取得する。そして、取得したセンサ値の平均値を、センサ値の代表値として取得する。この代表値は、12人であったとする。
【0214】
補正部131は、取得した人数のセンサ値が12人であり、上記で取得したルール情報が示す10人を超えているため、このルール情報に従って、上記で読みだした「カレント環境情報」の値のうちの照度のパラメータの値を、「中」から「高」に変更して補正環境情報を得る。
【0215】
そして、制御部132は、この変更した補正環境情報を用いて、環境機器2bを制御する。これにより、環境機器2bは、照度が「高」となるように調光を行う。
【0216】
補正部131は、変更した補正環境情報で、
図8に示したカレント環境情報管理表の、「機器ID」が「light02」のレコードの「カレント環境情報」の属性を更新する。
【0217】
補正部131は、同様にして、他の各エリア50のカレントモードが「自動モード」である環境機器2の現在の制御に用いられている環境情報である「カレント環境情報」の値を適宜更新する。対応するセンサ値が対応するルールを満たさない等により、更新が不要である場合は、更新を行わない。
【0218】
これにより得られたカレント環境情報管理表は、
図8(b)のようになる。
【0219】
ここで、ユーザが、環境機器2bを、ユーザ自身が指定する設定で制御したいと考えて、端末装置3を操作して、環境機器2bを制御するための指示パラメータ等の入力を含む操作を行ったとすると、端末受付部32がこの操作を受け付け、端末処理部33が、端末格納部31に格納されている情報等を用いて、指示パラメータ等を有する操作に応じた指示情報を生成し、端末送信部34がこの指示情報を、環境機器2bの機器識別子「light02」と対応付けて、制御装置1に送信する。
【0220】
指示情報受信部122がこの指示情報を受信すると、制御部132は、指示情報に対応付けられた機器識別子が示す環境機器2bを、指示情報に応じて制御する。また、制御部132は、指示情報と、この指示情報を受信した際の直前や直後にセンサ値受信部121が受信して、センサ値管理表に蓄積したセンサ値のうちの、環境機器2bに対応するエリア識別子「002」と対応付けられたセンサ値とを対応付けて、格納部11に蓄積する。なお、環境機器2bに対応するエリア識別子と対応付けられたセンサ値として、指示情報を受信した際の直前または直後に受信したセンサ値の代表値を蓄積してもよい。また、制御部132は、新たな指示情報を指示情報受信部122が受信するごとに、同様の指示情報とセンサ値とを、追記していく。
【0221】
また、制御部132は、
図7(a)に示したカレントモード管理表の、機器識別子「light02」に対応付けられた「モード」の属性値を「強制モード」に変更する。これによりカレントモード管理表は、
図7(b)のようになる。なお、すでに属性値が「強制モード」である場合は、変更しなくてよい。また、なお、この指示情報が有する制御に利用するパラメータ等の情報により、
図8(b)に示したカレント環境情報管理表の、機器識別子「light02」に対応する「カレント環境情報」の値を更新してもよい。
【0222】
また、ユーザが、環境機器2cの制御に現在用いられている設定を、これ以降も利用したいと考えて、端末装置3を操作して、環境機器2cのカレントモードを、相対モードに切り替えるための操作を行ったとすると、端末装置3は、環境機器2cのカレントモードを、相対モードに切り替える切替指示を送信し、受信部12がこの切替指示を受信する。制御部132は、この切替指示に応じて、
図8(b)のカレント環境情報管理表において、環境機器2cの機器識別子「air01」に対応付けられた「カレント環境情報」の値が、の機器識別子「air01」に対応付けられた「対応標準環境ID」の属性値「0032」に対応する標準環境情報と一致しているか否かを判断する。この属性値「0032」に対応した標準環境情報が、
図5(c)に示したルックアップテーブルから取得できる。ここでは一致しないため、環境機器2cは補正環境情報で現在制御されていると判断される。このため、制御部132は、
図7(b)に示したカレントモード管理表の、機器識別子「air01」に対応付けられた「モード」の属性値を「相対モード」に変更する。これにより、カレントモード管理表は、
図7(c)のようになり、環境機器2cが現在利用している環境情報、すなわち
図8(b)のカレント環境情報管理表の環境機器2cの機器識別子「air01」に対応付けられた「カレント環境情報」の属性値である補正環境情報が、これ以降の環境機器2cの制御に利用される補正環境情報として固定されることとなる。なお、固定する補正環境情報を、機器識別子「air01」と対応付けて補正環境情報格納部112に蓄積するようにしてもよい。
【0223】
また、相対モードや、強制モードで制御されている環境機器2を自動モードに切り替える場合、その環境機器2を自動モードに切り替える切替操作を端末装置3に対して行うことで、自動モードに切り替える切替指示が切替対象の環境機器2の識別子と対応付けられて制御装置1に送信される。受信部12が、自動モードへの切替指示を受信すると、制御部132は、切替指示に対応付けられた環境機器2に対応するカレントモードが、自動モードであるか判断し、自動モードでなければ、カレントモード格納部114に格納されている切替指示に対応付けられた環境機器2に対応するカレントモードを自動モードに更新する。また、切替指示に対応付けられた環境機器2の機器識別子に対応付けられた標準環境情報であって、図示しない時計等から取得した現在の日時に対応付けられた標準環境情報を、この環境機器2に対応するルックアップテーブルから取得し、この標準環境情報で、環境機器2を制御する。また、この標準環境情報と、この標準環境情報の識別子とを用いて、
図8に示したようなカレント環境情報管理表の、この環境機器2に対応するレコード(行)の「カレント環境情報」の属性値および「対応標準環境ID」の属性値を更新する。
【0224】
制御部132は、適宜、カレントモードが自動モードである環境機器2があるか否かを判断し、自動モードである環境機器2がある場合、図示しない時計等から現在の時刻を取得し、自動モードである環境機器2のそれぞれについて、対応するルックアップテーブルから、現在の時刻に対応する標準環境情報の識別子、すなわち「標準環境ID」の値を取得する。そして、自動モードである環境機器2のそれぞれについて取得した標準環境情報の識別子と、同じ環境機器2の機器識別子と対応付けられた
図8に示すようなカレント環境情報管理表が有する「標準環境ID」の値である標準環境情報の識別子が一致するか判断する。一致しない場合、対応する環境機器2の制御に用いられる現在の時刻に対応する標準環境情報が異なるものとなっているため、この標準環境情報の識別子が示す標準環境情報をルックアップテーブルから取得し、取得した標準環境情報で対応する環境機器2を制御する。また、
図8に示すようなカレント環境情報管理表の、この環境機器2に対応する「カレント環境情報」の属性値と、「標準環境ID」の属性値とを、取得した標準環境情報と、標準環境情報の識別子とを用いて更新する。
【0225】
また、制御部132が格納部11に蓄積した一の環境機器2の識別子と対応付けられた指示情報とセンサ値との組の数が、予め決められた閾値以上(例えば、10以上)となった場合、学習部133は、この指示情報とセンサ値との複数の組を用いて学習器を生成する。例えば、センサ値を学習データの入力データとし、指示情報を学習データの出力データとして、学習器を生成して、生成した学習器を、学習器格納部113に蓄積する。
【0226】
例えば、上記においては、エリア50bに設置されたセンサ4が人感センサであるセンサ4bのみである場合を説明したが、仮にエリア50bに、異なる複数のセンサ4、例えば、温度センサ、人感センサ、湿度センサ、騒音センサが配置されており、これらのセンサ4のセンサ値が、環境機器2bに対する指示情報を指示情報受信部122が受信するごとに、指示情報と対応付けて格納されていたとする。そして、この指示情報数が、10を超えたとする。ここでの指示情報は、照明機器である環境機器2bの照度を設定する値と、色温度を設定する値とを有する情報であるとする。
【0227】
図10は、環境機器2の識別子と対応付けて格納部11に蓄積された指示情報と、センサ値とを管理する指示情報管理表である。指示情報管理表は、「機器ID」と、「指示情報」と、「センサ値」という属性を有している。「指示情報」は、さらに、「照度」、「色温度」という属性を有している。「センサ値」は、「温度」、「人数」、「湿度」、「騒音」という属性を有している。「機器ID」は機器識別子である。「指示情報」は指示情報であり、「照度」は照度の設定値、「色温度」は色温度の設定値である。「センサ値」は環境機器2に対応するエリア50に設置された複数のセンサ4が取得するセンサ値であり、「温度」は、温度センサが取得する温度のセンサ値、「人数」は人間センサが取得する人数を示すセンサ値、「湿度」は、湿度センサが取得する湿度を示すセンサ値、「騒音」は騒音センサが取得する騒音の大きさを示すセンサ値である。
【0228】
学習部133は、
図10に示した指示情報管理表において、「機器ID」が同じであるレコード(行)の数を順次カウントする。そして、「機器ID」が「light02」であるレコード(行)の数が、10を超えたことを検出したとする。学習部133は、「機器ID」が「light02」である各レコードの「指示情報」の属性値を学習データの入力データとし、「センサ値」の属性値を学習データの出力データとしてCNN等による機械学習を行って学習器を取得する。取得した学習器は、環境機器2bの機器識別子「light02」と対応付けて学習器格納部113に蓄積する。そして、カレントモード格納部114に格納されている機器識別子「light02」に対応するカレントモードを「学習利用モード」に更新する。これにより、カレントモード管理表は、
図7(d)のようになる。
【0229】
そして、これ以降は、カレントモードが「学習利用モード」である環境機器2bについては、環境機器2bに対応付けられて学習器格納部113に蓄積された学習器に、環境機器2bに対応するエリア50bに設置された複数のセンサ4である温度センサ、人感センサ、湿度センサ、騒音センサが取得したセンサ値の代表値を入力することで、予測される指示情報を取得して、この指示情報を用いて、制御部132が、環境機器2bを制御する。
【0230】
なお、補正環境情報格納部112に格納された補正環境情報や、指示情報受信部122が受信した指示情報や、カレントモード格納部114に格納されたカレントモードや、学習器格納部113等に格納された学習器等は、環境制御システム1000の電源等を落とした場合でも削除しないようにし、再度起動した場合は、これらの情報を用いて、制御装置1が、環境機器2等を制御するようにしてもよい。
【0231】
以上、本実施の形態によれば、各エリアに配置されたセンサ4が取得するセンサ値を用いて、各エリアの環境機器を適切に制御することができる。
【0232】
また、特に、環境機器が制御対象とする環境値以外のセンサ値を用いて、この環境機器を制御することにより、より適切な制御を行うことができる。
【0233】
なお、上記実施の形態においては、各エリアの環境機器2が1つである場合を主として説明したが、1以上のエリアの環境機器2は複数であってもよい。例えば、エリアの環境機器2が複数である場合、このエリアに対応付けるルックアップテーブルとしては、このエリアの複数の環境機器のそれぞれに対して対応する期間が異なる複数の標準環境情報を有するルックアップテーブルを用いるようにすればよい。また、このエリアの複数の環境機器2のそれぞれの制御に用いられる標準環境情報等の環境情報のセンサ値を用いた変更の処理は、環境機器2毎に異なるものとしてよい。また、このエリア内に、環境機器2毎に異なるセンサ4を設けて、それぞれの環境機器2の標準環境情報等を、それぞれの環境機器2に対応付けられたセンサ値を用いて変更するようにしてもよい。また、一のエリアの異なる環境機器2は、同じエリアから取得される1以上のセンサ値を共用してもよい。なお、一のエリアに配置される複数の環境機器2が同一の環境機器2である場合のように、一のエリアに配置される複数の環境機器2が同じ標準環境情報を用いて制御可能な場合、このエリアに対応付けるルックアップテーブルとしては、複数の環境機器2が共通して利用可能な、複数の期間と対応付けられた複数の標準環境情報を有するルックアップテーブルを用いるようにしてもよい。
【0234】
また、上記実施の形態においては、各エリアのセンサ4が1つである場合を主として説明したが、1以上のエリアには、複数のセンサが配置されていてもよい。複数のセンサが、同じ環境値をセンサ値として取得する場合、複数のセンサが取得したセンサ値の代表値(例えば、平均値等)を、1つのセンサ値として扱うようにしてもよい。また、一のエリアに、複数のセンサ4が設けられている場合であって、この一のエリアの環境機器2が複数である場合、各環境機器2が標準環境情報の変更等に利用するセンサ値は、少なくとも一部が同じであってもよく、異なっていてもよい。また、各環境機器2は、必ずしも一のエリアの複数のセンサ値のすべてを利用する必要はなく、少なくとも一部のセンサ値を利用すればよい。標準環境情報の変更等に利用するセンサ値は、例えば、環境機器2と予め対応付けておくようにすればよい。例えば、上記具体例において説明した環境機器2に対応付けられたルール情報等によって、利用するセンサ値が特定されるようにすればよい。なお、ここでの変更に利用するセンサ値の説明は、変更に利用するセンサ4の説明と考えてもよい。
【0235】
また、上記実施の形態においては、端末装置3が送信する指示情報等が、制御装置1に
送信されるようにしたが、指示情報に対応する環境機器2に、端末装置3から指示情報が送信されるようにし、この指示情報を受信した環境機器2が、この指示情報を制御装置1に送信するようにしてもよい。この場合、指示情報を受信した環境機器2は、指示情報を受信した場合に、受信した指示情報に応じて、自身の処理についての制御を行うようにしてもよい。
【0236】
また、各エリアの環境機器2が1つである場合、エリア識別子を、このエリア識別子が示すエリア内の環境機器2の機器識別子としても用いるようにしてもよい。例えば、この場合、
図5に示したルックアップテーブルにおいて、機器識別子の属性値である「機器ID」を省略してもよい。
【0237】
なお、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0238】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(センサ受信部121や、指示情報受信部122など)は、物理的に一の媒体で実現されてもよいことは言うまでもない。
【0239】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、格納部(例えば、ハードディスクやメモリ等の記録媒体)にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。
【0240】
なお、上記各実施の形態における制御装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、1以上の各エリア毎の2以上の各時に応じた情報であり、人の居住空間を変更する1以上環境機器に与える1以上のパラメータの集合である環境情報であって、標準となる2以上の標準環境情報を有するルックアップテーブルが、エリア毎に格納されるLUT格納部にアクセス可能なコンピュータを、1以上の各センサが取得した1以上のセンサ値を受信するセンサ値受信部と、1以上の各エリア毎に、1以上のセンサ値を用いて、現在の時に対応する標準環境情報を変更し、変更後の環境情報である補正環境情報を取得する補正部と、補正部が取得した補正環境情報を用いて、環境機器を制御する制御部として機能させるためのプログラムである。
【0241】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には含まれない。
【0242】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0243】
図11は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による制御装置を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0244】
図11において、コンピュータシステム900は、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0245】
図12は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。
図12において、コンピュータ901は、CD-ROMドライブ905に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0246】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による制御装置等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM921に記憶されて、CD-ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD-ROM921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0247】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による制御装置の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0248】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0249】
以上のように、本発明にかかる制御装置等は、環境機器を制御する装置等として適しており、特に、センサ値を用いて環境機器を制御する装置等として有用である。
【符号の説明】
【0250】
1 制御装置
2、2a~2f 環境機器
50、50a~50f エリア
3 端末装置
4、4a~4f センサ
11 格納部
12 受信部
13 処理部
31 端末格納部
32 端末受付部
33 端末処理部
34 端末送信部
111 LUT格納部
112 補正環境情報格納部
113 学習器格納部
114 カレントモード格納部
121 センサ値受信部
122 指示情報受信部
131 補正部
132 制御部
133 学習部
1000 環境制御システム