(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】医療用処置具
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20240105BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B18/14
(21)【出願番号】P 2020015351
(22)【出願日】2020-01-31
【審査請求日】2023-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】316019440
【氏名又は名称】豊光産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】番 靖博
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第6558380(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0368910(US,A1)
【文献】特開平8-196542(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/114349(US,A1)
【文献】国際公開第2020/178939(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12-18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ第1端部と第2端部とを有すると共に、前記第2端部同士の距離が調整可能なように前記第1端部同士が互いに連結された第1アーム及び第2アームを備え、
前記第1アーム及び前記第2アームは、それぞれ、
前記第1端部から前記第2端部まで延伸する導体と、
樹脂と強化材との複合材を主成分とすると共に、前記導体に沿って延伸する支持体と、
前記導体及び前記支持体を被覆するカバーと、
を有し、
前記導体は、
前記支持体と共に前記カバーに被覆された導電部と、
前記導電部と電気的に接続されると共に、前記第2端部において露出する先端部と、
を有し、
前記先端部は、前記支持体及び前記カバーの少なくとも一方と接触する凹凸部を有する、医療用処置具。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用処置具であって、
前記先端部は、前記凹凸部として、前記導体の延伸方向と交差する方向に凹んだ切り欠きを有する、医療用処置具。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の医療用処置具であって、
前記先端部は、前記凹凸部として、前記支持体及び前記カバーの少なくとも一方と接合された粗面を有する、医療用処置具。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の医療用処置具であって、
前記導電部は、前記支持体及び前記カバーの少なくとも一方の一部が充填された貫通孔を有する板材である、医療用処置具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療用処置具に関する。
【背景技術】
【0002】
被処置物である生体組織に高周波電圧を印加することで、生体組織を切開したり、凝固させたりする医療用処置具が知られている。このような医療用処置具の1種として、被処置物において2つの作用点に電圧を印加するバイポーラピンセットがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のバイポーラピンセットは、アーム(つまり把持部)の骨格が導体を兼ねた金属で形成されているため、重量が比較的大きい。また、剛性を保つために、アームが一定の大きさに形成されているため、使用者の手のサイズによってはアームが把持しにくいことがある。このように、従来のバイポーラピンセットは、使用者への負担が大きい。
【0005】
本開示の一局面は、剛性を維持しつつ、軽量化及び小型化が可能な医療用処置具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、それぞれ第1端部と第2端部とを有すると共に、第2端部同士の距離が調整可能なように第1端部同士が互いに連結された第1アーム及び第2アームを備える医療用処置具である。
【0007】
第1アーム及び第2アームは、それぞれ、第1端部から第2端部まで延伸する導体と、樹脂と強化材との複合材を主成分とすると共に、導体に沿って延伸する支持体と、導体及び支持体を被覆するカバーと、を有する。導体は、支持体と共にカバーに被覆された導電部と、導電部と電気的に接続されると共に、第2端部において露出する先端部と、を有する。先端部は、支持体及びカバーの少なくとも一方と接触する凹凸部を有する。
【0008】
このような構成によれば、複合材で構成される支持体によって導体を支持することで第1アーム及び第2アームが軽量化及び小型化される。また、カバーによって、医療用処置具の色、形状等の設計自由度を高めることができる。さらに、導体の先端部が凹凸部を有することで、先端部と支持体又はカバーとの接合強度を高めることができる。その結果、第1アーム及び第2アームを軽量化及び小型化しつつ、先端部の支持体又はカバーからの脱離を抑制することができる。
【0009】
本開示の一態様では、先端部は、凹凸部として、導体の延伸方向と交差する方向に凹んだ切り欠きを有してもよい。このような構成によれば、切り欠きに支持体又はカバーの一部が充填されることで、先端部の支持体又はカバーからの脱離をより的確に抑制できる。
【0010】
本開示の一態様では、先端部は、凹凸部として、支持体及びカバーの少なくとも一方と接合された粗面を有してもよい。このような構成によれば、先端部と支持体又はカバーとの接合面積が増大するため、先端部の支持体又はカバーからの脱離をより的確に抑制できる。
【0011】
本開示の一態様では、導電部は、支持体及びカバーの少なくとも一方の一部が充填された貫通孔を有する板材であってもよい。このような構成によれば、第1アーム及び第2アームの厚みを小さくしつつ、導体と、支持体又はカバーとの接合強度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態の医療用処置具の模式図である。
【
図2】
図2は、
図1の医療用処置具における第1アームの模式的な正面図である。
【
図3】
図3Aは、
図2のIIIA-IIIA線での模式的な断面図であり、
図3Bは、
図2のIIIB-IIIB線での模式的な断面図であり、
図3Cは、
図2のIIIC-IIIC線での模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す医療用処置具1は、高周波電圧によって、生体組織の切開、凝固等を行うための処置具である。
【0014】
医療用処置具1は、第1アーム2と、第2アーム3と、連結部4と、コード5と、差し込みプラグ6とを備える。医療用処置具1は、バイポーラ電極を有する電気メス(いわゆるバイポーラピンセット)である。
【0015】
<アーム>
第1アーム2は、第1端部2Aと第2端部2Bとを有し、第1端部2Aから第2端部2Bまで延伸する板状又は棒状の部材である。同様に、第2アーム3は、第1端部3Aと第2端部3Bとを有し、第1端部3Aから第2端部3Bまで延伸する板状又は棒状の部材である。
【0016】
第1アーム2と第2アーム3とは、第2端部2B,3B同士の距離が調整可能なように、第1端部2A,3A同士が互いに連結部4によって連結されている。つまり、第1アーム2と第2アーム3とは、連結部4を支点として開閉するピンセットを構成している。
【0017】
第1アーム2の第2端部2B及び第2アーム3の第2端部3Bは、不使用時には互いに離間され、使用時(つまり処置の実行時)には近接される。
【0018】
(第1アーム)
図2に示すように、第1アーム2は、導体21と、支持体22と、カバー23とを有する。
【0019】
(導体)
導体21は、第1アーム2の第1端部2Aから第2端部2Bまで延伸する部材である。導体21には、後述するコード5から電流が供給される。導体21は、導電部21Aと、先端部21Bとを有する。
【0020】
導電部21Aは、
図3Aに示すように、後述する支持体22に支持された板状の部材である。導電部21Aは、
図2に示すように、支持体22の一部が充填された貫通孔21Cを有する。貫通孔21Cは、導電部21Aを厚み方向に貫通している。
【0021】
導電部21Aは、コード5と先端部21Bとを連結するように第1アーム2の長手方向に延伸している。また、導電部21Aの全体は、支持体22と共に後述するカバー23に被覆されている。そのため、導電部21Aは、第1アーム2において露出しておらず、外部から視認されない。
【0022】
先端部21Bは、導電部21Aの第2端部2Bに近い端部において、導電部21Aと電気的に接続されている。また、先端部21Bは、第1アーム2の第2端部2Bにおいて露出している。
【0023】
図4A,4B,4Cに示すように、先端部21Bは、施術部211と、接続部212と、第1凹凸部213と、第2凹凸部214とを有する。なお、
図4A,4B,4C中の「前」は、第2端部2Bに近づく方向、「後」は、第1端部2Aに近づく方向を指す。また、「左」は、第2アーム3に近づく方向、「右」は、第2アーム3から離れる方向を指す。「上」は、医療用処置具1の使用時に上方となる方向、「下」は、医療用処置具1の使用時に上方となる方向である。
【0024】
施術部211は、生体組織に接触し、高周波電圧を印加する作用点を構成する部位である。施術部211は、第2端部2Bに位置する。施術部211は、支持体22及びカバー23に被覆されておらず、露出している。
【0025】
第1アーム2の施術部211は、第2アーム3の施術部211と共に、つまむ、切る等の機能を奏する。本実施形態の施術部211は、先端に向かって細くなる(つまり長手方向と垂直な断面積が小さくなる)針状の形状を有する。
【0026】
接続部212は、導電部21Aと接続される部位である。接続部212は、施術部211の先端とは反対側(つまり導電部21Aに近い側)の端部に連結されている。接続部212は、施術部211に向かって幅が小さくなる柱状の形状を有する。
【0027】
接続部212は、少なくとも外面の一部が支持体22及びカバー23で被覆されている。
図3Bに示すように、本実施形態では、接続部212のうち、第2アーム3とは反対側の面が支持体22によって覆われ、さらにこの支持体22の外面をカバー23が覆っている。また、接続部212のうち、第2アーム3と対向する面は、支持体22及びカバー23で被覆されずに露出している。
【0028】
接続部212は、導電部21Aに対し、例えば半田付け、溶接等によって接合される。また、接続部212は、導電部21Aと機械的に連結されてもよい。また、導電部21Aと先端部21Bとは一体に構成されていてもよい。つまり、接続部212が導電部21Aから延伸し、さらに施術部211が接続部212から延伸していてもよい。
【0029】
第1凹凸部213は、導体21の延伸方向(つまり第1アーム2の長手方向)と交差する方向に凹んだ切り欠きである。第1凹凸部213は、施術部211と接続部212との連結部分におけるくびれによって構成されている。
【0030】
施術部211及び接続部212は、第1凹凸部213に近づくに連れて、第1アーム2と第2アーム3との対向方向の幅(つまり厚み)が大きくなっている。つまり、施術部211の接続部212との連結端における厚みは、施術部211の他の部位における厚みより大きい。また、接続部212の先端における厚みは、接続部212の他の部位における厚みより大きい。これにより、第1凹凸部213において先端部21Bが折れることが抑制される。
【0031】
第2凹凸部214は、接続部212を被覆する支持体22と接合された粗面である。第2凹凸部214は、接続部212の表面に設けられている。
【0032】
第2凹凸部214は、互いに平行に配置された突条又は溝、互いに交差するように配置された突条又は溝、互いに離間して配置された微小な凹部又は凸部、及びこれらの組み合わせによって構成される。
【0033】
導電部21A及び先端部21Bの材質としては、例えば、銅、金、アルミニウム、白金、モリブデン、ニッケル、タングステン、クロム、チタン等の金属が使用できる。先端部21Bは、貴金属によってメッキされてもよい。また、導電部21Aと先端部21Bとで、材質を変えてもよい。
【0034】
(支持体)
支持体22は、樹脂(つまりマトリクス)と強化材との複合材(いわゆる強化プラスチック)を主成分とする層である。ここで、「主成分」とは、90質量%以上含まれる成分である。
【0035】
複合材に用いられる樹脂は、特に限定されず、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂が使用できる。複合材に用いられる強化材としては、例えば、繊維、粒体等が挙げられる。複合材に用いられる繊維としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。粒体の形状としては、球体、多面体、筒体等が挙げられる。
【0036】
支持体22は、導体21に沿って第1端部2Aから第2端部2Bに向かって延伸している。支持体22は、第1アーム2の長手方向において、複数の部位に分割されていてもよい。つまり、第1アーム2は、第2端部2B以外の部分において、支持体22が存在しない領域を有してもよい。
【0037】
本実施形態では、
図3Aに示すように、支持体22は、導体21の導電部21Aの表面に重ね合わされるように配置され、導電部21Aの表面に当接している。支持体22は、導電部21Aの表面の周方向における一部を被覆している。
【0038】
支持体22は、導体21に対し第2アーム3とは反対側(つまり、ピンセットが開く方向側)に配置されている。また、
図3Cに示すように、支持体22の一部は、導電部21Aの貫通孔21Cに侵入している。
【0039】
支持体22の一部は、先端部21Bの接続部212を被覆している。支持体22は、先端部21Bの第1凹凸部213と第2凹凸部214と接触している。換言すれば、支持体22は、第1凹凸部213を構成する切り欠き又は段差と、第2凹凸部214を構成する凹部とに充填されている。
【0040】
本実施形態の支持体22は、後述するカバー23によって被覆されている。そのため、支持体22は、生体組織には接触しない。
【0041】
(カバー)
カバー23は、導体21及び支持体22を被覆する部材である。カバー23は、使用者が把持する把持部を構成する。
【0042】
カバー23は、支持体22の全体と、導体21のうち先端部21Bの施術部211以外の部分とを被覆している。つまり、先端部21Bのうち接続部212の一部は支持体22を介してカバー23によって被覆されている。
【0043】
カバー23の材質は、特に限定されない。カバー23は、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の樹脂を主成分とするとよい。なお、カバー23に絶縁性を持たせる(つまり、カバー23が絶縁性樹脂を主成分とする)ことで、導電性の強化材を含む複合材(例えば、カーボンナノチューブ等の炭素繊維を含む繊維強化プラスチック)で支持体22を形成することが可能となる。
【0044】
カバー23の主成分を絶縁性の樹脂とすることで、第1アーム2のさらなる軽量化を図ることができる。また、カバー23の成形が容易になるため、第1アーム2の生産性が向上する。
【0045】
(第2アーム)
第2アーム3は、第1アーム2と同様の導体21と、支持体22と、カバー23とを有する。ただし、第2アーム3では、支持体22は、導体21に対し第1アーム2とは反対側に配置される。
【0046】
つまり、第2アーム3の形状は、第1アーム2と第2アーム3との対向方向と垂直で、かつ第1アーム2及び第2アーム3それぞれの先端部21Bからの距離が等しい仮想面S(
図1参照)を基準として、第1アーム2と対称な形状である。
【0047】
(製造方法)
第1アーム2及び第2アーム3は、例えば、以下の手順で製造できる。まず、導電部21Aと先端部21Bとが接続された導体21に、支持体22を構成する複合材シートを重ねる。
【0048】
次に、導体21と複合材シートとを挟むように、カバー23を構成する2つの樹脂シートを重ね合わせる。この積層体を加熱しながら各部材を圧着させることで、第1アーム2及び第2アーム3が得られる。
【0049】
また、導体21と支持体22との接合体を作製し、この接合体をカバー23で被覆してもよい。カバー23による被覆の具体的な手法としては、上記接合体への樹脂の吹き付け、上記接合体に対する樹脂のインサート成形、上記接合体への収縮チューブの被覆等が挙げられる。
【0050】
<連結部>
連結部4は、
図1に示すように、第1アーム2の第1端部2Aと、第2アーム3の第1端部3Aとに取付けられている。
【0051】
連結部4は、第1アーム2と第2アーム3とによって構成されるピンセットの支点を構成する。また、連結部4内には、コード5が引き込まれている。なお、第1アーム2の導体21と、第2アーム3の導体21とは、連結部4内にて互いに絶縁されている。
【0052】
<コード>
コード5は、2つの電線を有するバイポーラコードである。各電線は、連結部4内にて、それぞれ第1アーム2の導体21と、第2アーム3の導体21とに電気的に接続されている。
【0053】
<差し込みプラグ>
差し込みプラグ6は、コード5に電気的に接続されている。差し込みプラグ6は、高周波電流発生装置(図示省略)に接続される。
【0054】
高周波電流発生装置で生成された高周波電流は、コード5を介して、第1アーム2の導体21に流れる。第1アーム2の導体21に流れた高周波電流は、この導体21の先端部21Bから生体組織を経由して第2アーム3の導体21の先端部21Bに流れ、高周波電流発生装置に戻る。なお、第2アーム3の導体21から第1アーム2の導体21に電流が流れてもよい。
【0055】
[1-2.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1a)複合材で構成される支持体22によって導体21を支持することで第1アーム2及び第2アーム3が軽量化及び小型化される。また、カバー23によって、医療用処置具1の色、形状等の設計自由度を高めることができる。
さらに、導体21の先端部21Bが第1凹凸部213及び第2凹凸部214を有することで、先端部21Bと支持体22との接合強度を高めることができる。その結果、第1アーム2及び第2アーム3を軽量化及び小型化しつつ、先端部21Bの支持体22からの脱離を抑制することができる。
【0056】
(1b)第1凹凸部213の切り欠きに支持体22の一部が充填されるため、先端部21Bの支持体22からの脱離をより的確に抑制できる。
(1c)第2凹凸部214によって先端部21Bと支持体22との接合面積が増大するため、先端部21Bの支持体22からの脱離をより的確に抑制できる。
【0057】
(1d)導電部21Aが貫通孔21Cを有する板材であることで、第1アーム2及び第2アーム3の厚みを小さくしつつ、導体21と支持体22との接合強度を高めることができる。
【0058】
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0059】
(2a)上記実施形態の医療用処置具1における先端部21Bの形状は一例である。例えば、
図5A,5B,5Cに示すように、先端部21Bは、先端に向かって幅が一定の板状の施術部211Aを有してもよい。
図5Aの施術部211Aでは、先端は正面視で(つまり第1アーム2と第2アーム3との対向方向から視て)円弧状に面取りされている。
【0060】
(2b)上記実施形態の医療用処置具1において、先端部21Bは、必ずしも、第1凹凸部213と第2凹凸部214との双方を有しなくてもよい。つまり、先端部21Bは、第1凹凸部213及び第2凹凸部214の一方のみを有してもよい。
【0061】
さらに、例えば、
図6A,6B,6Cに示すように、先端部21Bは、第1凹凸部213及び第2凹凸部214に加えて、又は、第1凹凸部213及び第2凹凸部214に代えて、第3凹凸部215及び第4凹凸部216を有してもよい。
【0062】
第3凹凸部215は、接続部212に設けられた貫通孔である。第4凹凸部216は、接続部212の導電部21Aとの接続端から施術部211に向かって凹んだスリットである。第3凹凸部215及び第4凹凸部216には、それぞれ、支持体22が充填される。特に、第4凹凸部216内では、支持体22が接続部212に圧着されるため、支持体22と接続部212との接合強度が向上する。
【0063】
(2c)上記実施形態の医療用処置具1において、各凹凸部は、支持体22と接触する代わりにカバー23と接触してもよい。また、各凹凸部は、支持体22とカバー23との双方に接触してもよい。
【0064】
(2d)上記実施形態の医療用処置具1において、貫通孔21Cには、カバー23が充填されてもよい。さらに、導電部21Aは、必ずしも貫通孔21Cを有しなくてもよい。また、導電部21Aは、必ずしも板材に限定されない。つまり、導電部21Aは、棒材又は線材であってもよい。
【0065】
(2e)上記実施形態の医療用処置具1において、第1アーム2の支持体22は、必ずしも導体21に対し第2アーム3とは反対側に配置されなくてもよい。同様に、第2アーム3の支持体22は、必ずしも導体21に対し第1アーム2とは反対側に配置されなくてもよい。
【0066】
また、支持体22は、長手方向から視て導電部21Aの全周を包むように導電部21Aを被覆してもよい。さらに、支持体22は、必ずしも導体21と接触しなくてもよい。つまり、支持体22と導体21との間に他の部材(例えばカバー23の一部)が配置されてもよい。
【0067】
(2f)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
【符号の説明】
【0068】
1…医療用処置具、2…第1アーム、2A…第1端部、2B…第2端部、
3…第2アーム、3A…第1端部、3B…第2端部、4…連結部、5…コード、
6…差し込みプラグ、21…導体、21A…導電部、21B…先端部、
21C…貫通孔、22…支持体、23…カバー、211,211A…施術部、
212…接続部、213…第1凹凸部、214…第2凹凸部、215…第3凹凸部、
216…第4凹凸部。