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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】ロール保持盤
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/672 20060101AFI20240105BHJP
【FI】
B65D85/672
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020031120
(22)【出願日】2020-02-27
(65)【公開番号】P2021133963
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】西村 翔馬
【審査官】家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-347354(JP,A)
【文献】特開2005-022660(JP,A)
【文献】特開2010-070233(JP,A)
【文献】特開2003-089477(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/671-85/672
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2個1組で使用し、ロール状の保持対象物の芯材を前記芯材の両側から挟み込むことによって、前記保持対象物の運搬保管に供する、矩形状のロール保持盤であって、
前記保持対象物の端側平面と対向し、垂直方向に延在する平板部と、
前記平板部の中央から前記平板部の厚み方向へ突出し、前記保持対象物の前記芯材を支持する芯材支持部と、
前記平板部の周縁外側に隣接する前記ロール保持盤の4隅のそれぞれから前記芯材支持部の突出方向側へ突出する4個の脚部と、
前記4個の脚部のそれぞれから前記ロール保持盤の隅に沿って2個ずつ前記平板部の周縁外側と連なる状態で延出する8個の補強部であって、それぞれが前記平板部とは前記平板部の厚み方向で隔離する補強面を有する補強部と、を備え
前記補強部のそれぞれは、前記脚部から離れるに連れて、前記平板部からの突出長が小さくなり、
前記脚部と前記補強部は、内壁面を介して前記平板部と離れ隔たれ、
前記内壁面は、曲面であって、前記平板部へ向かうに連れて、前記平板部の周縁の中心点に少しずつ近接する傾斜面であり、
前記補強部のそれぞれの延出先端は、前記ロール保持盤の4つの側辺の各辺における中央領域まで達し、前記中央領域は、前記平板部上で前記芯材支持部とその外側から前記中心点を挟んで接する2個の接線が、前記ロール保持盤の相対する一対の辺と直交する際において、その2個の接線で囲まれる領域であることを特徴とするロール保持盤。
【請求項2】
前記芯材支持部は、円筒であり、
前記脚部及び前記補強部と前記平板部とを区画する前記平板部の周縁は、前記円筒と同心の円形状であることを特徴とする請求項1に記載のロール保持盤。
【請求項3】
記脚のそれぞれは、
前記芯材支持部以上に前記平板部から突出し、
記脚部のうち、前記ロール保持盤の一方の対角線上に位置する2個の脚部の突出端面に設ける凸部と、
記脚部のうち、前記ロール保持盤の他方の対角線上に位置する2個の脚部の突出端面に設ける凹部と、を備え、
一のロール保持盤と他のロール保持盤とが向かい合った状態で重ね合う際に、前記一のロール保持盤の前記凸部と前記他のロール保持盤の前記凹部とが篏合することを特徴とする請求項に記載のロール保持盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状の保持対象物を保持するロール保持盤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、上記のロール保持盤に関し、種々の技術が提案されている。例えば、下記特許文献1に記載のロール製品用プロテクターは、広幅の帯状製品を中空心部に巻回してなるロール製品を輸送・保管するためのプロテクターにおいて、裏面で前記ロール製品の端面を押える方形の基板部と、前記ロール製品の中空心部の中空孔に挿入可能に前記基板部の裏面中央に突設した円筒部からなり該円筒部内周に複数個の補強リブを軸方向に設けたロール製品支持用円筒部と、前記基板部の裏面四角に突設した、三角形の断面形状を有する筒状体からなる段積み用脚部と、該脚部の先端を挿入可能に前記基板部の表面四角に設けた段積み用凹部とを具備してなる硬質合成樹脂成形体であって、前記基板部の各辺長を前記ロール製品の外径よりも長くするとともに、前記脚部の脚長を前記円筒部の全長よりも長くしたことを特徴とするものである。また、前記基板部の各側面中央に梱包用バンド溝を設けると、輸送や保管中の荷崩れを防止することができる。
【0003】
上記構成のプロテクターをロール製品に適用するには、一対のプロテクターの基板部裏面でロール製品の両端面を押えて挟持するとともに、円筒部をロール製品の中空心部の中空孔に挿入してロール製品を支持し、必要に応じ、バンド溝に2本の梱包用バンドを十字状に掛けて全体を緊締する。この作業は、基板部と円筒部とが一体成形されているので簡単である。このようにプロテクターを適用したロール製品は、水平状態に段積みした時、上段のプロテクターの基板部及び脚部の下面が対応する下段のプロテクターの基板部及び脚部の上面に載る。そのため、ロール製品どうしが水平方向に少々ずれても荷崩れするおそれはない。使用しないプロテクターは、段積みして輸送・保管する。その際、上段のプロテクターの脚部先端を下段のプロテクターの基板部表面に設けた凹部に挿入し、必要に応じて、バンド溝に梱包用バンドを掛けて全体を緊締しておく。これにより、プロテクターどうしのずれがなくなり、荷崩れが防止される。なお、プロテクターは、硬質合成樹脂からなるので耐久性に富む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第2604907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ロール製品を水平状態に段積みした時、下段のプロテクターの基板部には、その円筒部に支持されたロール製品の荷重に加えて、上段のプロテクターの円筒部に支持されたロール製品の荷重も作用する。それらの荷重にプロテクターの基板部が耐えるためには、例えば、基板部を厚くすることが考えられるが、そのような場合、プロテクターの重量や、ロール製品の挟持時における一対のプロテクター間の長さが増加する。
【0006】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、平板部の厚みを増すことなく剛性を高める形状によって、耐荷重の向上を図ったロール保持盤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するためになされた請求項1に係る発明は、2個1組で使用し、ロール状の保持対象物の芯材を芯材の両側から挟み込むことによって、保持対象物の運搬保管に供する、矩形状のロール保持盤であって、保持対象物の端側平面と対向し、垂直方向に延在する平板部と、平板部の中央から平板部の厚み方向へ突出し、保持対象物の芯材を支持する芯材支持部と、平板部の周縁外側に隣接するロール保持盤の4隅のそれぞれから芯材支持部の突出方向側へ突出する4個の脚部と、4個の脚部のそれぞれからロール保持盤の隅に沿って2個ずつ平板部の周縁外側と連なる状態で延出する8個の補強部であって、それぞれが平板部とは平板部の厚み方向で隔離する補強面を有する補強部と、を備え、補強部のそれぞれは、脚部から離れるに連れて、平板部からの突出長が小さくなり、脚部と補強部は、内壁面を介して平板部と離れ隔たれ、内壁面は、曲面であって、平板部へ向かうに連れて、平板部の周縁の中心点に少しずつ近接する傾斜面であり、補強部のそれぞれの延出先端は、ロール保持盤の4つの側辺の各辺における中央領域まで達し、中央領域は、平板部上で芯材支持部とその外側から中心点を挟んで接する2個の接線が、ロール保持盤の相対する一対の辺と直交する際において、その2個の接線で囲まれる領域であることを特徴とする。
【0010】
請求項に係る発明は、請求項1に記載のロール保持盤であって、芯材支持部は、円筒であり、脚部及び補強部と平板部とを区画する平板部の周縁は、円筒と同心の円形状であることを特徴とする。
【0011】
請求項に係る発明は、請求項に記載のロール保持盤であって、脚のそれぞれは、芯材支持部以上に平板部から突出し、脚部のうち、ロール保持盤の一方の対角線上に位置する2個の脚部の突出端面に設ける凸部と、脚部のうち、ロール保持盤の他方の対角線上に位置する2個の脚部の突出端面に設ける凹部と、を備え、一のロール保持盤と他のロール保持盤とが向かい合った状態で重ね合う際に、一のロール保持盤の凸部と他のロール保持盤の凹部とが篏合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明のロール保持盤では、平板部上のいずれの位置においても、その位置から平板部に沿って水平方向へ向かうと、芯材支持部、下方側の脚部、及び下方側の補強部のうち、少なくとも1つの一部が存在するので、平板部が変形し難い。このようにして、ロール保持盤は、平板部、芯材支持部、脚部、及び補強部で構成される形状によって、芯材支持部に支持される保持対象物の荷重に対する剛性を高めている。つまり、請求項1に係る発明のロール保持盤では、平板部の厚みを増すことなく剛性を高める形状によって、耐荷重の向上を図っている。
【0013】
請求項に係る発明のロール保持盤では、平板部上のいずれの位置においても、その位置から平板部に沿って水平方向へ向かうと、芯材支持部、下方側と上方側の脚部、及び下方側と上方側の補強部のうち、少なくとも1つの一部が存在するので、平板部が変形し難い。このようにして、ロール保持盤は、平板部、芯材支持部、脚部、及び補強部で構成される形状によって、芯材支持部に支持される保持対象物の荷重や、段積み時の上段のロール保持盤において支持される保持対象物の荷重に対する剛性を高めている。つまり、請求項に係る発明のロール保持盤では、平板部の厚みを増すことなく剛性を高める形状によって、耐荷重の向上を図っている。
【0014】
そのため、請求項1に係る発明のロール保持盤は、平板部の厚みの増加によって剛性を高める場合と比べて、軽量であり、保持対象物の運搬保管時における2個のロール保持盤間の長さが短い。
【0015】
また、請求項1に係る発明のロール保持盤では、その水平方向で相対する一対の側辺で延在する補強部が、芯材支持部の基端に作用する保持対象物の荷重の一部を支えるので、芯材支持部の基端における応力増大が抑制される。
【0016】
請求項に係る発明のロール保持盤では、補強部が、芯材支持部の突出方向側へ突出しており、脚部から離れるに連れて、平板部からの突出長が小さくなることによって、ロール保持盤の重量が削減されている。
【0017】
請求項に係る発明のロール保持盤では、芯材支持部は、円筒であり、脚部及び補強部と平板部とを区画する平板部の周縁は、円筒と同心の円形状であることによって、脚部及び補強部と接する程度の外径を有するロール状の保持対象物を運搬保管することが可能である。
【0018】
請求項に係る発明のロール保持盤では、一のロール保持盤と他のロール保持盤とが向かい合った状態で重ね合わされると、一のロール保持盤の凸部と他のロール保持盤の凹部とが篏合する。従って、ロール保持盤の未使用時には、ユーザは、一のロール保持盤と他のロール保持盤を向かい合わせた状態で重ね合わせると、凸部及び凹部の嵌合関係によって、双方のロール保持盤の相対的な位置決めがなされるので、ロール保持盤自体の運搬保管を安定して行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態のロール保持盤で保持対象物を保持する際の状態が表された斜視図である。
図2】同ロール保持盤が表された斜視図である。
図3】同ロール保持盤が表された平面図である。
図4】同ロール保持盤が表された側面図である。
図5】同ロール保持盤が平板部の裏面側から表された斜視図である。
図6】同ロール保持盤を使用した状態の一例が表された斜視図である。
図7図6の使用状態にあるロール保持盤を図6の線I-Iに相当する線で切断した断面が表された図である。
図8】同ロール保持盤が積み重ねられた状態で表された斜視図である。
図9】同ロール保持盤の変更例が表された斜視図である。
図10】同変更例が表された平面図である。
図11】同変更例が表された側面図である。
図12】同変更例が平板部の裏面側から表された斜視図である。
図13】同変更例を使用した状態の一例が表された斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るロール保持盤について、具体化した本実施形態に基づき、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1に表されたように、本実施形態のロール保持盤1は、ロール状の保持対象物100をその端側平面102から一対で挟んだ状態で保持するものであって、ポリプロピレン等の樹脂を材料として金型成形されたものである。保持対象物100は、円筒形状の芯材104に対して、例えば、フィルム等が巻回されたものである。芯材104は、保持対象物100において、端側平面102から突出している。
【0022】
尚、図面において、符号D1の方向は、後述する平板部10の厚み方向を示している。符号D2の方向は、垂直方向を示している。符号D3の方向は、後述する平板部10の延在方向の一つを示している。各方向D1,D2,D3は、互いに直交する関係にある。従って、方向D1及び方向D3は、水平方向をも示している。
【0023】
図2及び図3に表されたように、ロール保持盤1は、平板部10、芯材支持部20、脚部30、及び補強部40等を備えている。ロール保持盤1は、平板部10の厚み方向D1から視て、4個の辺3で構成される略正方形状をなしている。平板部10は、その厚み方向D1から視て、円形状をなしている。つまり、平板部10の周縁12は、平板部10の厚み方向D1から視て、円形状である。平板部10の周縁12は、ロール保持盤1の各辺3に内接するように設けられている。
【0024】
芯材支持部20は、円筒形状をなしており、平板部10の中央において、平板部10に対して垂直に設けられている。これにより、芯材支持部20は、平板部10の厚み方向D1へ突出して設けられている。芯材支持部20は、その円筒中心線(不図示)が、円形状である平板部10の周縁12の中心点CPを通過するように設けられている。つまり、芯材支持部20の円形部分は、平板部10の周縁12と同心の関係にある。
【0025】
脚部30は、ロール保持盤1の4隅において、芯材支持部20と同じ方向側(以下、「芯材支持部20の突出方向側」という)へ突出して設けられている。これにより、ロール保持盤1は、4個の脚部30を備えている。各脚部30は、平板部10の周縁12と、その外側から隣り合って接している。
【0026】
各脚部30は、ロール保持盤1の自立安定性を確保する。具体的には、ロール保持盤1の平板部10が垂直方向D2に平行な状態、つまり、単独でロール保持盤1が立った状態(図1乃至図5に表された状態)は、垂直方向D2の下方側に位置する2個の脚部30でロール保持盤1を支えることによって、保持される。
【0027】
各脚部30には、芯材支持部20の突出方向側において、突出端面32が設けられている。各脚部30のうち、ロール保持盤1の一方の対角線DL1上に位置する2個の脚部30の突出端面32には、凸部34が設けられている。凸部34は、その突き出し高さが比較的低い円柱形状をなしている。これに対して、ロール保持盤1の他方の対角線DL2上に位置する2個の脚部30の突出端面32には、凹部36が設けられている。凹部36は、凸部34と嵌合可能な空洞を有する円筒形状をなしている。凹部36の空洞は、中心点CPの周りを90°回転すると、凸部34と重なるように配されている。
【0028】
各脚部30において、平板部10から突出端面32までの距離は、平板部10から芯材支持部20の先端までの距離と同じである(図4参照)。つまり、各脚部30は、芯材支持部20と同等に平板部10から突出している。
【0029】
補強部40は、ロール保持盤1の各辺3、各脚部30、及び平板部10の周縁12で囲まれた区域に延在するものであって、各脚部30から延出し、平板部10の周縁12と、その外側で連なった状態に設けられている。これにより、平板部10は、その周縁12によって、各脚部30及び補強部40から画される。1個の脚部30からは、2個の補強部40が、ロール保持盤1の隅に沿って延出している。従って、ロール保持盤1には、8個の補強部40が設けられている。
【0030】
各脚部30及び各補強部40の外壁面は、ロール保持盤1の各辺3において、芯材支持部20の突出方向側とは反対側へ、平板部10の厚み方向D1に沿って延びることによって、ロール保持盤1の周面を構成している。ロール保持盤1の周面には、複数のバンド掛け部50が設けられている。各バンド掛け部50は、その凹状断面が平板部10の厚み方向D1に沿って連続する溝部である。
【0031】
各補強部40には、芯材支持部20の突出方向側において、補強面42が設けられている。従って、各補強部40は、単なるリブとは異なり、補強面42の幅に相当する厚みを有するものである。補強面42は、脚部30の突出端面32とは連なっているが、平板部10とは、その厚み方向D1において、内壁面52を介して離れ隔たれている。つまり、補強面42及び突出端面32と、平板部10との間には、内壁面52が形成されている。内壁面52は、曲面であって、平板部10へ向かうに連れて、平板部10の周縁12の中心点CPに少しずつ接近する傾斜面である。
【0032】
各補強部40では、その延出先端44が、ロール保持盤1の各辺3における中央領域CRにまで達している。中央領域CRとは、平板部10上で芯材支持部20とその外側から中心点CPを挟んで接する2個の接線TL1,TL2が、ロール保持盤1の相対する一対の辺3と直交する際において、その2個の接線TL1,TL2で挟まれる領域をいう。このようにして、4個の脚部30のうち隣り合う2個の脚部30の間では、中央領域CRが、その2個の脚部30が隣接するロール保持盤1の1個の辺3とは直交関係にある、平板部10上の芯材支持部20の2個の接線TL1,TL2で挟まれている。
【0033】
尚、ロール保持盤1の各辺3には、5個のバンド掛け部50が設けられている。5個のバンド掛け部50のうち、1個のバンド掛け部50は、各辺3の中央領域CRの中央に位置し、平板部10と連なっている。また、2個のバンド掛け部50は、各辺3に隣接する2個の補強部40において、中央領域CR寄りに位置し、補強面42と連なっている。更に、2個のバンド掛け部50は、各辺3に隣接する2個の脚部30と2個の補強部40との境界に位置し、突出端面32及び補強面42の双方と連なっている。このようにして、各バンド掛け部50は、中心点CPの周りを90°回転すると、他のバンド掛け部50と重なるように配されている。
【0034】
図4に表されたように、各補強部40は、芯材支持部20の突出方向側へ突出して設けられている。各補強部40の補強面42は、傾斜しており、脚部30から離れるに連れて、平板部10に接近している。つまり、各補強部40は、その平板部10からの突出長46が、脚部30から離れるに連れて小さくなる。
【0035】
尚、各補強部40の延出先端44は、各脚部30及び各補強部40の外壁面で構成されるロール保持盤1の周面と向き合ってロール保持盤1を視た場合、芯材支持部20と重なり正対している。
【0036】
図5に表されたように、平板部10の裏面には、格子リブ5、円状リブ7、及び斜めリブ9等が、芯材支持部20及び各脚部30の突出方向側とは反対側へ突出するようにして、平板部10の裏面に対して垂直に設けられている。格子リブ5は、縦リブと横リブとが交差した状態で設けられたものである。円状リブ7は、平板部10の裏面の中央に設けられたものであって、円筒形状をなし、芯材支持部20と連なっている。斜めリブ9は、円状リブ7と各脚部30との間に渡し設けられたものである。
【0037】
このようにして、本実施形態のロール保持盤1は、各リブが平板部10の裏面に集中しているため、金型成形され易い。
【0038】
ロール保持盤1は、例えば、図6及び図7に表されたように、1個の保持対象物100を保持することが可能である。あるいは、ロール保持盤1は、図示されていないが、2個の保持対象物100を段積み状態で保持することが可能である。そのためには、ロール保持盤1は、平板部10の厚み方向D1が保持対象物100の芯材104の円筒高さ方向と平行になる状態(つまり、ロール保持盤1が立った状態)において、芯材支持部20が保持対象物100の芯材104に嵌入され、平板部10が保持対象物100の芯材104に当接又は近接するまで、保持対象物100の端側平面102に向けて移動させられる。これにより、芯材支持部20が保持対象物100の芯材104を支持すると共に、平板部10が保持対象物100の端側平面102と離隔した状態で対向する。その際、保持対象物100の端側平面102は、平板部10の周縁12内(つまり、内壁面52よりも内方側)に収まる。
【0039】
このようにして、保持対象物100は、一対のロール保持盤1で挟まれる。更に、一対のロール保持盤1の間では、各脚部30と各補強部40との境界において、相対するバンド掛け部50にバンドBが掛け渡される。これにより、バンド掛け部50には、バンドBが圧接した状態で掛けられるので、保持対象物100は、一対のロール保持盤1に挟まれた状態で緊締される。もっとも、バンドBは、各補強部40等において、相対するバンド掛け部50に掛け渡されてもよい。
【0040】
このようにして、一対のロール保持盤1は、保持対象物100の運搬保管に供される。図7では、保持対象物100の運搬保管時における一対のロール保持盤1間の長さを、符号Lで示している。尚、保持対象物100は、一対のロール保持盤1に挟まれた状態で、段ボールで梱包されてもよい。そのような場合には、保持対象物100は、一対のロール保持盤1によって、段ボール内で浮いた状態になるので、外部からの衝撃から保護され、傷付きが防止される。
【0041】
尚、ロール保持盤1が2個の保持対象物100を段積み状態で保持する場合には、上段のロール保持盤1と下段のロール保持盤1との間において、バンドBが掛け渡される。
【0042】
2個のロール保持盤1は、例えば、図8に表されたようにして、双方の平板部10の厚み方向D1が垂直方向D2と平行にされ、更に、双方の芯材支持部20及び各脚部30が向かい合わされた状態になると、積み重ねられることが可能である。尚、以下の説明では、図8に表されたように、積み重ねられた2個のロール保持盤1のうち、上側のロール保持盤に関する符号には「X」を付し、下側のロール保持盤に関する符号には「Y」を付す。
【0043】
上側のロール保持盤1Xが下側のロール保持盤1Yに積み重ねられると、上側のロール保持盤1Xの芯材支持部20Xが、下側のロール保持盤1Yの芯材支持部20Yに載置される。その際、上側のロール保持盤1Xの脚部30Xの凸部34Xが、下側のロール保持盤1Yの脚部30Yの凹部36Yの空洞に嵌め合わされる。更に、上側のロール保持盤1Xの脚部30Xの凹部36Xの空洞に、下側のロール保持盤1Yの脚部30Yの凸部34Yが嵌め合わされる。これにより、上側のロール保持盤1Xと下側のロール保持盤1Yの相対的な位置決めがなされると共に、ガタつきが防止される。
【0044】
尚、このようして積み重ねられた1組のロール保持盤1X,1Yと、他の1組のロール保持盤1X,1Yは、垂直方向D2(上下方向)において段積みすることが可能である。その際、各組のロール保持盤1X,1Yでは、一方の組の上側のロール保持盤1Xの平板部10Xの裏面側に対して、他方の組の下側のロール保持盤1Yの平板部10Yの裏面側が載置される。図8では、4組のロール保持盤1X,1Yが、垂直方向D2(上下方向)に段積みされている。
【0045】
以上詳細に説明した通り、本実施形態のロール保持盤1は、矩形状であり、ロール状の保持対象物100の運搬保管に供される際には、一対で使用され、保持対象物100の芯材104を、各個が立った状態で芯材104の両側から挟み込むことによって、芯材支持部20で支持している。平板部10は、保持対象物100の運搬保管時において、保持対象物100の端側平面102と対向している。平板部10又は平板部10の周囲には、芯材支持部20、4個の脚部30、及び補強部40が設けられている。
【0046】
芯材支持部20は、平板部10の中央から平板部10の厚み方向D1へ突出している。4個の脚部30は、平板部10の周縁12の外側に隣接するロール保持盤1の4隅から、芯材支持部20の突出方向側へ突出している。補強部40は、各脚部30から平板部10の周縁12の外側と連なる状態で延出しており、平板部10とはその厚み方向D1で隔離する補強面42を有している。更に、4個の脚部30のうち隣り合う2個の脚部30の間では、補強部40が、その2個の脚部30が隣接するロール保持盤1の1個の辺3とは直交関係にある、平板部10上の芯材支持部20の2個の接線TL1,TL2で挟まれる中央領域CRにまで延在している。
【0047】
このような平板部10、芯材支持部20、4個の脚部30、及び補強部40で形作られるロール保持盤1が、保持対象物100の運搬保管時の立った状態になる場合、平板部10上のいずれの位置においても、その位置から平板部10に沿った水平方向D3や垂直方向D2に向かうと、芯材支持部20、脚部30、及び補強部40のうち、少なくとも1つの一部が存在するので、平板部10が変形し難い。
【0048】
このようにして、ロール保持盤1は、平板部10、芯材支持部20、4個の脚部30、及び補強部40で構成される形状によって、芯材支持部20に支持される保持対象物100の荷重や、段積み時の上段のロール保持盤1において支持される保持対象物100の荷重に対する剛性を高めている。つまり、本実施形態のロール保持盤1では、平板部10の厚みを増すことなく剛性を高める形状によって、耐荷重の向上を図っている。
【0049】
そのため、本実施形態のロール保持盤1は、平板部10の厚みの増加によって剛性を高める場合と比べて、軽量であり、保持対象物100の運搬保管時における2個のロール保持盤1間の長さLが短い。
【0050】
また、本実施形態のロール保持盤1では、ロール保持盤1の各辺3の中央領域CRにまで延在する補強部40が、芯材支持部20の基端に作用する保持対象物100の荷重の一部を支えるので、芯材支持部20の基端における応力増大が抑制される。
【0051】
本実施形態のロール保持盤1では、補強部40が、芯材支持部20の突出方向側へ突出しており、脚部30から離れるに連れて、平板部10からの突出長46が小さくなることによって、ロール保持盤1の重量が削減されている。
【0052】
本実施形態のロール保持盤1では、芯材支持部20は、円筒であり、4個の脚部30及び8個の補強部40と平板部10とを区画する平板部10の周縁12は、芯材支持部20の円筒と同心の円形状である。そのため、4個の脚部30及び8個の補強部40と接する程度の外径を有するロール状の保持対象物100を運搬保管することが可能である。
【0053】
本実施形態のロール保持盤1では、一のロール保持盤1と他のロール保持盤1とが向かい合った状態で重ね合わされると、一のロール保持盤1の凸部34と他のロール保持盤1の凹部36の空洞とが篏合する。従って、ロール保持盤1の未使用時には、ユーザは、一のロール保持盤1と他のロール保持盤1を向かい合わせた状態で重ね合わせると、凸部34及び凹部36の嵌合関係によって、双方のロール保持盤1の相対的な位置決めがなされるので、ロール保持盤1自体の運搬保管を安定して行うことが可能である。
【0054】
ちなみに、本実施形態において、垂直方向D2の下方側に位置する2個の脚部30は、「下方側の脚部」の一例である。垂直方向D2の下方側に位置する2個の脚部30から垂直方向の上方側へ延びた補強部40は、「下方側の補強部」の一例である。垂直方向D2の上方側に位置する2個の脚部30は、「上方側の脚部」の一例である。垂直方向D2の上方側に位置する2個の脚部30から垂直方向の下方側へ延びた補強部40は、「上方側の補強部」の一例である。
【0055】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、各脚部30は、芯材支持部20よりも大きく平板部10から突出してもよい。
【0056】
また、本発明は、本実施形態のロール保持盤1に代えて、図9乃至図13に表された変更例のロール保持盤1に適用されてもよい。図9乃至図13は、上記の図2乃至図6に対応する。以下の説明において、変更例のロール保持盤1は、本実施形態のロール保持盤1と同じ部分には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0057】
変更例のロール保持盤1では、各脚部30の突出端面32において、凸部34と凹部36の双方が設けられている。凸部34は、その突き出し高さが比較的低い円柱形状をなしている。これに対して、凹部36は、その窪みが凸部34と嵌合可能な円柱状の空洞をなしている。凸部34及び凹部36は、中心点CPの周りを90°回転すると、他の凸部34及び凹部36と重なるように配されている。更に、各凸部34及び各凹部36は、平板部10の周縁12の中心点CPからの距離が等しくなるように配されている。
【0058】
そのため、変更例のロール保持盤1に関し、上側のロール保持盤1Xが下側のロール保持盤1Yに積み重ねられると、上側のロール保持盤1Xの脚部30Xの凸部34X及び凹部36Xが、下側のロール保持盤1Yの脚部30Yの凹部36Y及び凸部34Yに嵌め合わされる。更に、上側のロール保持盤1Xの脚部30Xの突出端面32Xが、下側のロール保持盤1Yの脚部30Yの突出端面32Yに載置される。
【0059】
変更例のロール保持盤1では、ロール保持盤1の各辺3における中央領域CRにおいて、双方の補強部40を連結する連結部48が設けられている。連結部48は、その基端が平板部10と連なった状態で設けられている。これにより、内壁面52は、平板部10上で環状に形成されると共に、平板部10に対して垂直に設けられている。また、連結部48の外壁面は、変更例のロール保持盤1の各辺3において、芯材支持部20の突出方向側とは反対側へ、平板部10の厚み方向D1に沿って延び、更に、双方の補強部40の外壁面と連なることによって、変更例のロール保持盤1の周面を構成している。
【0060】
変更例のロール保持盤1では、補強部40の補強面42が、芯材支持部20の突出方向側とは反対側、つまり平板部10の裏面側において、平板部10(の裏面)と平行に設けられている。更に、補強面42とバンド掛け部50とが連なる角部には、その角部の外方へ張り出すように大きく曲がった曲面部49が設けられている。これにより、バンド掛け部50に圧接した状態で掛けられたバンドBは、曲面部49に受け止めながら湾曲する。そのため、バンド掛け部50の破損やバンドBの擦り切れが抑制される。
【0061】
尚、変更例のロール保持盤1では、その各辺3において、4個のバンド掛け部50が設けられている。つまり、変更例のロール保持盤1では、本実施形態のロール保持盤1とは異なり、ロール保持盤1の各辺3における中央領域CRにおいて、バンド掛け部50は設けられていない。
【0062】
また、本実施形態及び変更例のロール保持盤1とは異なり、補強部40は、垂直方向D2の下方側に位置する2個の脚部30から垂直方向の上方側へ延びたもののみが設けられてもよいし、あるいは、4個の脚部30から垂直方向へ延びたもののみが設けられてもよい。但し、使用時の方向性を問わない観点からすれば、本実施形態及び変更例のロール保持盤1が好ましい。
【符号の説明】
【0063】
1 ロール保持盤
3 ロール保持盤の各辺
10 平板部
12 平板部の周縁
20 芯材支持部
30 脚部
32 突出端面
34 凸部
36 凹部
40 補強部
42 補強面
46 補強部の平板部からの突出長
100 保持対象物
102 端側平面
104 芯材
D1 平板部の厚み方向
DL1 一方の対角線
DL2 他方の対角線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13