(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】レンジフード
(51)【国際特許分類】
F24F 7/007 20060101AFI20240105BHJP
F24F 7/06 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F7/06 101Z
(21)【出願番号】P 2021131352
(22)【出願日】2021-08-11
(62)【分割の表示】P 2020074923の分割
【原出願日】2016-02-01
【審査請求日】2021-08-12
【審判番号】
【審判請求日】2022-11-24
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 販売(平成27年8月3日、フジテックメンテナンス株式会社に販売)
(73)【特許権者】
【識別番号】000237374
【氏名又は名称】富士工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】小木原 吉紀
(72)【発明者】
【氏名】小松 俊明
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】岩▲崎▼ 則昌
【審判官】水野 治彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-318112(JP,A)
【文献】特開2003-294283(JP,A)
【文献】特開平9-296947(JP,A)
【文献】特開2015-224821(JP,A)
【文献】特開2005-166507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/007
F24F 7/06
F24C 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フードと、排気ファンと、照明と、前記照明を点灯、消灯、前記排気ファンを駆動する運転制御部を有したレンジフードであって、
前記運転制御部は、第1の制御モードと第2の制御モードを備えると共に、前記排気ファンの風量と、
レンジフード運転停止信号を受信してから排気ファンが停止するまでの停止遅延時間と、前記各制御モードを記憶し、レンジフード運転開始時に、最後に記憶した前記排気ファンの風量と
前記停止遅延時間と前記制御モードでレンジフードの運転を行い、
前記第1の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号を受信してから消灯遅延時間経過後に自動で消灯し、
前記第2の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号に関係なく手動操作で消灯し、
切替え操作により前記第1の制御モードと前記第2の制御モードのいずれかの制御モードを選択して照明を消灯するようにしたことを特徴とするレンジフード。
【請求項2】
フードと、排気ファンと、照明と、前記照明を点灯、消灯、前記排気ファンを駆動する運転制御部を有したレンジフードであって、
前記運転制御部は、第2の制御モードと第3の制御モードを備えると共に、前記排気ファンの風量と
レンジフード運転停止信号を受信してから排気ファンが停止するまでの停止遅延時間と前記各制御モードを記憶し、レンジフード運転開始時に、最後に記憶した前記排気ファンの風量と
前記停止遅延時間と前記制御モードでレンジフードの運転を行い、
前記第2の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号に関係なく手動操作で消灯し、
前記第3の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号を受信すると直ちに自動で消灯し、
切替え操作により前記第2の制御モードと前記第3の制御モードのいずれかの制御モードを選択して照明を消灯するようにしたことを特徴とするレンジフード。
【請求項3】
フードと、排気ファンと、照明と、前記照明を点灯、消灯、前記排気ファンを駆動する運転制御部を有したレンジフードであって、
前記運転制御部は、第1の制御モードと第2の制御モードと第3の制御モードを備えると共に、前記排気ファンの風量と
レンジフード運転停止信号を受信してから排気ファンが停止するまでの停止遅延時間と前記各制御モードを記憶し、レンジフード運転開始時に、最後に記憶した前記排気ファンの風量と
前記停止遅延時間と前記制御モードでレンジフードの運転を行い、
前記第1の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号を受信してから消灯遅延時間経過後に自動で消灯し、
前記第2の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号に関係なく手動操作で消灯し、
前記第3の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号を受信すると直ちに自動で消灯し、
切替え操作により前記第1の制御モードと前記第2の制御モードと前記第3の制御モードのいずれか一つの制御モードを選択して照明を消灯するようにしたことを特徴とするレンジフード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器の近傍に設置され調理器による加熱調理で発生した油煙等を回収し排気するレンジフード、詳しくは調理器を照らす照明の消灯制御に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フードと、フードに設けた排気ファンと、調理器を照らす照明を備え、調理器の近傍に設置され調理器による加熱調理で発生した油煙等を回収し排気すると共に、調理器による加熱調理時に照明で調理器を照らすことで調理をやり易くしたレンジフードが提案されている。
特許文献1には排気ファンの動作が開始すると照明が点灯し、排気ファンの動作が停止すると照明が消灯するようにしたレンジフードが提案されている。
【0003】
特許文献2には排気ファンの動作が停止してから一定の時間経過後に照明が消灯するようにしたレンジフードが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-166507号公報
【文献】特開2015-224821号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で開示されたレンジフードによれば、照明は排気ファンの動作と連動して点灯、消灯するので、照明を点灯、消灯する手間がかからないが、排気ファンの動作が停止すると照明が消灯するので、調理器の上での調理品の後処理がやりずらい。例えば、調理鍋から器への盛り付けがやり難い。
【0006】
特許文献2で開示されたレンジフードによれば、排気ファンの動作が停止してから一定時間だけ照明が点灯しているので、調理器の上での調理品の後処理がやり易いが、調理器の上での調理品の後処理をしない場合は、照明は無駄に点灯し、電力を無駄に消費してしまう。
【0007】
この様に、照明を備えた従来のレンジフードによれば、使用者の要求を満足するように照明を消灯することができないことがある。
【0008】
本発明は、従来の課題を解決するためになされたもので、その目的は、使用者の要求を満足するように照明を消灯できるレンジフードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のレンジフードは、フードと、排気ファンと、照明と、前記照明を点灯、消灯、前記排気ファンを駆動する運転制御部を有したレンジフードであって、
前記運転制御部は、第1の制御モードと第2の制御モードを備えると共に、前記排気ファンの風量と、レンジフード運転停止信号を受信してから排気ファンが停止するまでの停止遅延時間と、前記各制御モードを記憶し、レンジフード運転開始時に、最後に記憶した前記排気ファンの風量と前記停止遅延時間と前記制御モードでレンジフードの運転を行い、
前記第1の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号を受信してから消灯遅延時間経過後に自動で消灯し、
前記第2の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号に関係なく手動操作で消灯し、
切替え操作により前記第1の制御モードと前記第2の制御モードのいずれかの制御モードを選択して照明を消灯するようにしたことを特徴とするレンジフードである。
【0010】
このレンジフードによれば、レンジフード運転停止信号によりレンジフードの運転が停止した後消灯遅延時間だけ照明を継続して点灯し、その後自動で消灯したり、レンジフードの運転停止に関係なく、使用者の操作で照明を消灯することができるから、使用者の要求を満足するように照明を消灯できる。
【0011】
本発明のレンジフードは、フードと、排気ファンと、照明と、前記照明を点灯、消灯、前記排気ファンを駆動する運転制御部を有したレンジフードであって、
前記運転制御部は、第2の制御モードと第3の制御モードを備えると共に、前記排気ファンの風量とレンジフード運転停止信号を受信してから排気ファンが停止するまでの停止遅延時間と前記各制御モードを記憶し、レンジフード運転開始時に、最後に記憶した前記排気ファンの風量と前記停止遅延時間と前記制御モードでレンジフードの運転を行い、
前記第2の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号に関係なく手動操作で消灯し、
前記第3の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号を受信すると直ちに自動で消灯し、
切替え操作により前記第2の制御モードと前記第3の制御モードのいずれかの制御モードを選択して照明を消灯するようにしたことを特徴とするレンジフードとすることもできる。
【0012】
このレンジフードによれば、レンジフードの運転停止に関係なく、使用者の操作で照明を消灯したり、レンジフードの運転が停止すると直ちに照明を自動で消灯することができるから、使用者の要求を満足するように照明を消灯できる。
【0013】
本発明のレンジフードは、フードと、排気ファンと、照明と、前記照明を点灯、消灯、前記排気ファンを駆動する運転制御部を有したレンジフードであって、
前記運転制御部は、第1の制御モードと第2の制御モードと第3の制御モードを備えると共に、前記排気ファンの風量とレンジフード運転停止信号を受信してから排気ファンが停止するまでの停止遅延時間と前記各制御モードを記憶し、レンジフード運転開始時に、最後に記憶した前記排気ファンの風量と前記停止遅延時間と前記制御モードでレンジフードの運転を行い、
前記第1の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号を受信してから消灯遅延時間経過後に自動で消灯し、
前記第2の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号に関係なく手動操作で消灯し、
前記第3の制御モードは、前記レンジフードが運転状態で点灯している照明を、レンジフード運転停止信号を受信すると直ちに自動で消灯し、
切替え操作により前記第1の制御モードと前記第2の制御モードと前記第3の制御モードのいずれか一つの制御モードを選択して照明を消灯するようにしたことを特徴とするレンジフードとすることもできる。
【0014】
このレンジフードによれば、レンジフード運転停止信号によりレンジフードの運転が停止した後消灯遅延時間だけ照明を継続して点灯し、その後自動で消灯したり、レンジフードの運転停止に関係なく、使用者の操作で照明を消灯したり、レンジフードの運転が停止すると直ちに照明を自動で消灯することができるから、使用者の要求を満足するように照明を消灯できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のレンジフードによれば、使用者の要求を満足するように照明を消灯できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態を示すレンジフードと調理器を概略的に示す正面図である。
【
図2】レンジフードの運転操作部の拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のレンジフードの実施の形態を
図1に基づいて説明する。
図1はレンジフードと調理器を概略的に示す正面図である。
レンジフード1はフード2と、排気ファン3と、運転操作部4と、照明5等を備えている。
フード2は調理器6の近傍、例えば
図1に示す通り調理器6の上方に設置される。排気ファン3はファン3aとファン3aを回転駆動するモータ3bを有している。そしてモータ3bでファン3aを回転駆動することで排気ファン3が駆動する。排気ファン3が駆動することで、調理器6による加熱調理で発生した油煙などをフード2内に回収し屋外などに排気する。
【0019】
運転操作部4は運転スイッチ40と、風量スイッチ41と、タイマースイッチ42と、照明スイッチ43等を有する。
照明5は調理器6を照らす。照明5としてはLEDランプを用いているが、これに限ることはない。
【0020】
調理器6は調理器スイッチ7をオンすることで調理動作開始し、調理器スイッチ7をオフすることで調理動作停止する。つまり、調理器スイッチ7は調理動作開始信号と調理動作停止信号を調理器内部に備える制御部(図示せず)へ出力する。調理動作開始信号により調理器6は調理動作を開始し、調理動作停止信号により調理器6は調理動作を停止する。
【0021】
運転操作部4を
図2に基づいて説明する。
図2は運転操作部4の拡大正面図である。
運転スイッチ40はレンジフード運転開始信号とレンジフード運転停止信号を運転制御部8(
図3参照)に出力する。例えば、レンジフード1が運転停止状態で運転スイッチ40を押すこと(操作すること)でレンジフード運転開始信号を運転制御部8に出力する。
これと同時にランプ40aが点灯し、レンジフード1が運転状態であることを使用者が知ることができるようにしてある。
レンジフード運転状態で運転スイッチ40を押すこと(操作すること)でレンジフード運転停止信号を運転制御部8に出力する。これと同時にランプ40aが消灯し、レンジフード1が停止状態であることを使用者が知ることができるようにしてある。
この様に、運転スイッチ40はレンジフード運転開始信号、レンジフード運転停止信号を出力する手段である。運転スイッチを二つとし一方をレンジフード運転開始信号を出力するものとし、他方をレンジフード運転停止信号を出力するものとしても良い。
つまり、運転スイッチ40はレンジフード運転開始信号を出力する手段、レンジフード運転停止信号を出力する手段である。
【0022】
運転制御部8は
図3に示すように、運転スイッチ40、風量スイッチ41、タイマースイッチ42、照明スイッチ43等からの信号に基づき排気ファン3(モータ3b)を駆動、停止し、照明5を点灯、消灯する。
【0023】
風量スイッチ41は排気ファン3の風量を増減する信号を運転制御部8に出力する。つまり、風量スイッチ41を押すことで排気ファン3の風量を弱、中、強とする信号を運転制御部8に出力する。
風量スイッチ41を押して弱の信号を運転制御部8に出力すると、運転制御部8はモータ3bを低速回転し、排気ファン3の風量を弱とする。この時第1ランプ41aが点灯し、弱の信号を出力していることを使用者が知ることができるようにしてある。
弱の信号を運転制御部8に出力している状態で風量スイッチ41を押して中の信号を運転制御部8に出力すると、運転制御部8はモータ3bを中速回転し、排気ファン3の風量を中とする。この時は第1ランプ41aと第2ランプ41bが点灯し、中の信号を出力していることを使用者が知ることができるようにしてある。
中の信号を運転制御部8に出力している状態で風量スイッチ41を押して強の信号を運転制御部8に出力すると、運転制御部8はモータ3bを高速回転し、排気ファン3の風量を強とする。この時は第1ランプ41aと第2ランプ41bと第3ランプ41cが点灯し、強の信号を出力していることを使用者が知ることができるようにしてある。
風量スイッチ41による排気ファン3の風量の増減はレンジフードの運転中に行うことができる。
【0024】
タイマースイッチ42は、レンジフード運転停止信号が運転制御部8に入力されてから排気ファン3を停止するまでの時間、つまり、レンジフード運転停止信号が運転制御部8に入力されてから排気ファン3を継続して駆動する時間である排気ファン3の停止遅延時間を設定する。
これにより、排気ファン3は停止遅延機能を有する。
例えば、タイマースイッチ42を押すことで運転制御部8に第1停止遅延時間(例えば3分)を設定する。これとともに第1ランプ42aを点灯する。これによりレンジフード運転停止信号が運転制御部8に入力されてから3分間は排気ファン3が継続して駆動し、3分経過後に排気ファン3が停止するようにする。排気ファンが停止すると、第1ランプ42aは消灯する。
【0025】
第1停止遅延時間を設定している状態(第1ランプ42aでが点灯している状態)でタイマースイッチ42を押すと第2停止遅延時間(例えば15分)を運転制御部8に設定する。これとともに第1ランプ42aを消灯して第2ランプ42bを点灯する。これによりレンジフード運転停止信号が運転制御部8に入力されてから15分間は排気ファン3が継続して駆動し、15分経過後に排気ファン3が停止するようにする。排気ファン3が停止すると、第2ランプ42bは消灯する。
【0026】
第2停止遅延時間を設定している状態(第2ランプ42bが点灯している状態)でタイマースイッチ42を押すと第3停止遅延時間(例えば30分)を運転制御部8に設定する。これとともに第2ランプ42bを消灯して第3ランプ42cを点灯する。これによりレンジフード運転停止信号が運転制御部8に入力されてから30分間は排気ファン3が継続して駆動し、30分経過後に排気ファン3が停止するようにする。排気ファンが停止すると、第3ランプ42cは消灯する。
【0027】
第3停止遅延時間を設定している状態(第3ランプ42cが点灯している状態)でタイマースイッチ42を押すと運転制御部8は第3停止遅延時間の設定を解除し、排気ファン3は停止遅延機能を有さないようにする。これによりレンジフード運転停止信号が運転制御部8に入力されると直ちに排気ファン3が停止する。これとともに第3ランプ42cを消灯する。つまり、レンジフード運転中に第1、第2、第3ランプ42a,42b,42cが消灯している状態では排気ファン3の停止遅延機能を有さない。
【0028】
つまり、タイマースイッチ42は排気ファン3の停止遅延機能を設定したり、解除したりする手段である。
これらのタイマースイッチ42の操作はレンジフード運転中に行うことができる。
図1、
図2、
図3に示すレンジフード1では運転制御部8が停止遅延機能を有するようにしたが、タイマーを用いても良い。
【0029】
照明スイッチ43は照明5を点灯、消灯するものである。
つまり、照明スイッチ43は運転制御部8に入力されたレンジフード運転開始信号、レンジフード運転停止信号に基づいて照明5を点灯、消灯する状態と、各信号に関係なく照明スイッチ43を操作することにより照明5を点灯、消灯する状態に切り替えできる。
例えば、照明スイッチ43を長い時間(例えば、約3秒)押すと運転制御部8を第1の設定状態とし、かつ第1の設定音(例えば、ピピッの音)が鳴る。
この状態で、照明スイッチ43を長い時間(例えば、約3秒)押すと運転制御部8を第2の設定状態とし、かつ第2の設定音(例えば、ピピピッの音)が鳴る。
この状態で、照明スイッチ43を長い時間(例えば、約3秒)押すと運転制御部8の設定状態を解除し、照明スイッチ43を押すことで照明5の点灯信号、消灯信号を運転制御部8に出力する状態とする。これとともに第3の設定音(例えば、ピーッの音)が鳴る。
【0030】
運転制御部8が第1の設定状態であると、運転制御部8にレンジフード運転開始信号が入力されると排気ファン3が駆動し、同時に照明5は点灯する。レンジフード運転停止信号が入力されると同時に照明5は消灯する。タイマースイッチ42で第1停止遅延時間、第2停止遅延時間、第3停止遅延時間が設定されている場合もレンジフード運転停止信号が入力されると同時に照明5は消灯する。
つまり、第1の設定状態とは、照明5がレンジフード運転開始信号により直ちに点灯し、レンジフード運転停止信号により直ちに消灯する状態である。
【0031】
運転制御部8が第2の設定状態であると、運転制御部8にレンジフード運転信号が入力されると同時に照明5は点灯する。レンジフード運転停止信号が入力されるとタイマースイッチ42による第1停止遅延時間又は、第2停止遅延時間又は、第3停止遅延時間経過後に照明5は消灯する。タイマースイッチ42で設定した第1停止遅延時間、第2停止遅延時間、第3停止遅延時間が照明5を消灯する時の第1消灯遅延時間、第2消灯遅延時間、第3消灯遅延時間である。
つまり、第2の設定状態とは、照明5がレンジフード運転開始信号により直ちに点灯し、レンジフード運転停止信号を受信してから設定した消灯遅延時間経過後に消灯する状態である。
タイマースイッチ42により第1停止遅延時間(第1消灯遅延時間)、第2停止遅延時間(第2消灯遅延時間)、第3停止遅延時間(第3消灯遅延時間)のいずれも設定されていない場合はレンジフード運転停止信号が入力されると直ちに照明5は消灯する。
【0032】
運転制御部8が照明5の設定を解除した状態であると、照明5はレンジフード運転開始信号、レンジフード運転停止信号を受信しても点灯、消灯することがなく、照明スイッチ43の操作により点灯、消灯する。例えば、照明5が消灯している状態で短い時間だけ照明スイッチ43を押すと点灯信号を運転制御部8に出力し、照明5は点灯する。照明5が点灯している状態で短い時間だけ照明スイッチ43を押すと消灯信号を運転制御部8に出力し、照明5は消灯する。
つまり、設定解除状態とは、レンジフード運転開始信号、レンジフード運転停止信号に関係なく照明5を手動操作で点灯、消灯する状態である。
【0033】
この様であるから、レンジフードが運転状態(排気ファン3が駆動している状態)で点灯している照明3を消灯する制御モードは次の3つの制御モードがあり、いずれか一つの制御モードを選択することができる。
第1の制御モードは、レンジフード運転停止信号を受信してから消灯遅延時間(タイマースイッチ42で設定した停止遅延時間)経過後に照明5を消灯する。つまり、第2の設定状態を指すもので、消灯遅延機能を有する。
この場合は、照明5は排気ファン3の停止遅延の時間と同じ時間だけ点灯状態を維持し、排気ファン3の遅延駆動が終了すると同時に照明5は消灯する。
【0034】
第2の制御モードは、レンジフード運転停止信号を受信後に照明5は消灯しないで点灯状態を保持する。つまり、照明の設定解除状態を指す。
この場合は、照明スイッチ43を手動操作して照明5を消灯する。
【0035】
第3の制御モードは、レンジフード運転停止信号を受信すると直ちに照明5を消灯する。つまり、第1の設定状態を指す。
この場合は、排気ファン3のみが停止遅延時間だけ継続駆動する。
【0036】
この様に、照明5を3つの制御モードのいずれか一つで選択的に消灯することができるので、使用者の要求を満足するように照明5を消灯できる。
また、第2の制御モードを選択すれば排気ファン3の停止、駆動に関係なく使用者が照明を必要とする時に点灯し、照明を必要としない時には消灯することができる。
【0037】
また、排気ファン3の停止遅延時間の設定と照明5の消灯遅延時間の設定は一つのタイマースイッチ42で行うので、その時間設定を簡単に行うことができると共に、時間設定する構成を簡単にできる。
この場合は、排気ファン3の停止遅延時間と照明5の消灯遅延時間は同一で、排気ファン3の停止と同時に照明5が停止する。
【0038】
点灯している照明5を消灯する制御モードは一つの照明スイッチ43を複数回押すことで設定し、音により設定した制御モードを判別できるので、スイッチを複数個用意する必要がなく一つのスイッチでよいため、使用者が迷うことなくスイッチを操作して制御モードを簡単で、正確に設定できる。
【0039】
レンジフード1の運転制御部8は、風量スイッチ41による排気ファン3の風量、タイマースイッチ42による停止遅延時間、照明スイッチ43による制御モードを記憶し、次回レンジフード1を運転開始する時は、記憶している風量、停止遅延時間、制御モードでレンジフード1を運転するようにしてある。
これにより、レンジフード1を運転開始する毎に風量、停止遅延時間、制御モードを設定する手間が省けて、使い勝手が良い。
【0040】
レンジフード運転開始信号、レンジフード運転停止信号、風量の増減信号、停止遅延時間、制御モードの選択信号は運転スイッチ40、風量スイッチ41、タイマースイッチ42、照明スイッチ43の手動操作ではなく、リモートコントローラ等で運転制御部8と遠隔した場所から入力するようにしても良い。
【0041】
図1、
図2、
図3に示すレンジフード1は、排気ファン3の停止遅延時間と照明5の消灯遅延時間を一つのタイマースイッチ42で設定するようにしたが、排気ファン3の停止遅延時間と照明5の消灯遅延時間を別々の設定手段でそれぞれ設定するようにしても良い。
例えば、排気ファン用タイマースイッチと照明用タイマースイッチを設け、排気ファン5の停止遅延時間と照明5の消灯遅延時間を別々に設定する。
この様にすれば、照明5を第1の制御モードで消灯する場合、レンジフード運転停止信号を受信すると排気ファン3は停止遅延時間経過後に停止し、照明5は消灯遅延時間経過後に消灯するので、排気ファン3の停止遅延時間と照明5の消灯遅延時間を異ならせることで、排気ファン3と照明5を各々使用者の好みや使用条件に応じた最適時間だけ遅延して停止、消灯することが出来る。
この場合は、照明5の消灯遅延時間は排気ファン3の停止遅延時間と同じ,又は短時間とすることが好ましい。
例えば、照明5の消灯遅延時間を排気ファン3の停止遅延時間よりも短時間とし、照明5が消灯して後に排気ファン3が停止するようにする。
この場合の消灯遅延時間は一つのパターン(一つの消灯遅延時間)であり、排気ファン3の停止遅延時間の設定に依らず所定の遅延時間、例えば3分とする。
これに限らず、照明5の消灯遅延時間を複数パターン、例えば3分,5分,7分等、あらかじめ設定された複数の時間から選べるようにしても良い。この場合、排気ファン5の停止遅延時間を長い時間の設定にしているほど照明5の消灯遅延時間も連動して3パターンのうちから消灯遅延時間が長いものが選択されるものとしても良い。例えば、停止遅延時間を3分に設定している時に照明5を第1制御モードで消灯する場合は連動して消灯遅延時間が3分に設定され、同様に停止遅延時間が15分の時は消灯遅延時間が5分、停止遅延時間が30分の時は消灯遅延時間が7分となるようにしても良い。
【0042】
また、排気ファン3の停止遅延時間を設定せずに照明5の消灯遅延時間のみを設定してもよい。
この場合は、第1の制御モードであると、レンジフード運転停止信号を受信したら排気ファン3は直ちに停止し、消灯遅延時間経過後に照明5が消灯する。
第2の制御モードであると、レンジフード運転停止信号を受信したら排気ファン3は直ちに停止するが、照明5は消灯せずに点灯し続ける。
第3の制御モードであると、レンジフード運転停止信号を受信したら排気ファン3は直ちに停止し、照明5は直ちに消灯する。
なお、排気ファン3は停止遅延機能を有さないようにし、照明5は消灯遅延機能を有するようにすることで、先に述べたと同様の第1、第2、第3の制御モードを有するようにできる。
【0043】
すなわち、本発明におけるレンジフードが運転状態(排気ファン3が駆動している状態)で点灯している照明3をレンジフード運転停止信号を受信後に消灯する制御モードは次の3つの制御モードで、いずれか一つの制御モードを選択することができる。
第1の制御モードは、レンジフード運転停止信号を受信してから消灯遅延時間経過後に照明5を消灯する。つまり、消灯遅延制御モード。
第2の制御モードは、レンジフード運転停止信号を受信後に照明5は消灯しないで点灯状態を保持する。つまり、照明5は手動操作で消灯する。
第3の制御モードは、レンジフード運転停止信号を受信すると直ちに照明5を消灯する。
【0044】
図1、
図2、
図3に示すレンジフード1は調理器6と連動して運転制御される。
例えば、調理器6の調理器スイッチ7を操作することで発信される調理動作開始信号と、調理動作停止信号をレンジフード1(運転制御部8)に伝達する信号伝達手段9を有する。
信号伝達手段9は、調理器6に設けた信号発信器9aとレンジフード1に設けた信号受信器9bを有する。信号伝達手段9はこの構成に限ることはない。
つまり、調理器スイッチ7がレンジフード1におけるレンジフード運転信号、レンジフード運転停止信号を出力する手段に相当する。
【0045】
調理器6とレンジフード1の運転動作を説明する。
調理器スイッチ7をオンすると調理器6が調理動作を開始し、信号発信機9aが調理動作開始信号を発信し、信号受信機9bが受信して運転制御部8に送る。
運転制御部8は調理動作開始信号が入力されることで排気ファン3を駆動開始しレンジフード1は運転状態となる。つまり、運転制御部8は調理開始信号をレンジフード運転開始信号として運転スイッチ40を押したと同様に排気ファン3を駆動する。
風量スイッチ41、タイマースイッチ42はレンジフード運転開始信号が入力された場合と同様に操作することができる。
【0046】
調理器スイッチ7をオフすると調理器6が調理動作を停止し、信号発信機9aが調理動作停止信号を発信し、信号受信機9bが受信して運転制御部8に送る。
運転制御部8は調理動作停止信号が入力されることでタイマースイッチ42による設定状態に基づいて排気ファン3を停止し、レンジフード1は運転停止状態となる。つまり、運転制御部8は調理動作停止信号をレンジフード運転停止信号として運転スイッチ40を操作したと同様に排気ファン3を停止する。
【0047】
この様であるから、調理器6を操作することでレンジフード1は自動的に運転、停止するので、調理する人は調理器スイッチ7を操作すれば良く、操作が簡単で、調理時にレンジフード1の操作を忘れることがない。
【0048】
照明5は次のように点灯、消灯する。
運転制御部8が第1の設定状態の時は、運転制御部8に調理動作開始信号が入力されると照明5は点灯し、調理動作停止信号が入力されると照明5は直ちに消灯する。
これにより、調理器6の点火(調理動作開始)、消火(調理動作停止)に合わせて照明5は点灯、消灯する。
【0049】
運転制御部8が第2の設定状態の時は、運転制御部8に調理動作開始信号が入力されると照明5は点灯し、調理動作停止信号が入力されると照明5はタイマースイッチ42で設定した第1消灯遅延時間、第2消灯遅延時間、第3消灯遅延時間のいずれかの時間経過後に消灯する。
これにより、調理器6の点火に合わせて照明5は点灯し、調理器6の消火後消灯遅延時間経過すると照明5は消灯する。
【0050】
照明スイッチ43の操作により運転制御部8が設定解除状態の時は、運転制御部8に調理動作開始信号、調理動作停止信号が入力されても照明5は点灯、消灯することはなく、照明スイッチ43を手動で操作することで照明5は点灯、消灯する。
【0051】
この様であるから、レンジフード1が運転状態(排気ファン3が駆動している状態)で点灯している照明3を消灯する制御モードは、レンジフード1を単独で運転制御する場合と同様に次の3つの制御モードがあり、いずれか一つの制御モードを選択することができる。
第1の制御モードは、調理動作停止信号を受信してから消火遅延時間経過後に照明5を消灯する。
これにより、調理器6が調理動作を停止し後に照明5は消火遅延時間だけ継続して点灯するので、調理器6の上での調理品の後処理がやり易い。この時排気ファン3も停止遅延時間だけ継続して駆動しているので調理器6から発生している調理後の油煙を排気出来、調理品を使用者が上から目視確認し易い。
【0052】
第2の制御モードは、調理動作停止信号を受信後に照明5を消灯しないで点灯状態を保持する。照明スイッチ43を手動操作して照明5を消灯する。
これにより、使用者の好みに応じて照明5を点灯、消灯することができ、使用者の幅広い好みに合わせて照明5を点灯、消灯させることができる。
【0053】
第3の制御モードは、調理動作停止信号を受信すると直ちに照明5を消灯する。これにより、照明5を無駄に点灯して電気を消費することがない。
【0054】
図1、
図2、
図3に示すレンジフード1は調理器6と連動して運転制御するが、これに限ることはなくレンジフード1を調理器6とは関係なく単独で運転制御するようにしても良い。
【0055】
以上の実施の形態では、運転制御部8が照明5の第1又は、第2の設定状態である時に、その運転制御部8にレンジフード運転開始信号が入力されると排気ファン3が駆動し、同時に照明5が点灯するようにしたが、これに限らず、照明5の点灯はレンジフード運転開始信号に依存しない構成としても良い。つまり、運転制御部8が照明5の第1又は、第2の設定状態である時に、その運転制御部8にレンジフード運転開始信号が入力されると排気ファン3は駆動するが、照明5は点灯せず照明5は手動操作で点灯するようにし、照明5の消灯はレンジフード運転停止信号に依り各実施の形態と同様とする。
【0056】
また、以上の実施の形態ではレンジフードが運転状態(排気ファン3が駆動している状態)で点灯している照明3を消灯する制御モードは3つの制御モードがあり、いずれか一つの制御モードを選択することができるとしたが、これに限らず、制御モードは2つの制御モードがあり、その2つのうちいずれか一方の制御モードを選択することができるとものとしても良い。すなわち、例えば第1の制御モードと第2の制御モードがあり、いずれか一方の制御モードを選択することが可能な構成にしても良いし、第2の制御モードと第3の制御モードがあり、いずれか一方の制御モードを選択することが可能な構成にしても良い。
【符号の説明】
【0057】
1…レンジフード、2…フード、3…排気ファン、4…運転操作部、5…照明、6…調理器、7…調理器スイッチ、8…運転制御部、9…信号伝達手段、40…運転スイッチ、41…風量スイッチ、42…タイマースイッチ、43…照明スイッチ。