(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】半導体製造装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240105BHJP
【FI】
H01L21/68 C
(21)【出願番号】P 2023091789
(22)【出願日】2023-06-02
【審査請求日】2023-06-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510052285
【氏名又は名称】株式会社 天谷製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】関口 勝美
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-181968(JP,A)
【文献】特開2006-303125(JP,A)
【文献】特開平05-304196(JP,A)
【文献】特開2018-181969(JP,A)
【文献】特開2009-135315(JP,A)
【文献】特開2008-021945(JP,A)
【文献】特開2006-054388(JP,A)
【文献】特開2017-187610(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の半導体ウエハを載置する載置部を有し、該載置部に載置した前記半導体ウエハを搬送する搬送装置と、
前記載置部に載置した状態で前記半導体ウエハを下側から加熱する下側加熱部と、
前記載置部に載置した前記半導体ウエハと吸着面とを相対的に接近させる接近手段と、
前記半導体ウエハの上面に不活性ガスを噴射する一方、前記接近手段により前記半導体ウエハと前記吸着面とを相対的に接近させた前記吸着面に前記半導体ウエハを吸着させる噴射吸着手段と、
前記半導体ウエハを上側から前記下側加熱部よりも高い温度で加熱する上側加熱部と、
前記半導体ウエハを前記吸着面に吸着させた状態で加工する加工手段と、
前記搬送装置、前記接近手段、前記下側加熱部、前記噴射吸着手段、前記上側加熱部、及び加工手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記載置部に前記半導体ウエハを載置して前記搬送装置により前記吸着面まで搬送するまでの間、前記下側加熱部によって前記半導体ウエハの下面を加熱して該半導体ウエハを下方に湾曲させるように制御し、
前記下側加熱部及び前記上側加熱部で前記半導体ウエハの下面及び上面を加熱するとともに、
前記半導体ウエハの径が小さい場合、それよりも径が大きい場合に比べて前記不活性ガスの噴射量が多くなるように前記噴射吸着手段で前記半導体ウエハの上面に不活性ガスを噴射して前記半導体ウエハを下方に湾曲した状態から平坦化するように制御し、
前記平坦化した前記半導体ウエハと前記吸着面とを前記接近手段により相対的に接近させて前記噴射吸着手段で前記吸着面に前記半導体ウエハを吸着させて該半導体ウエハを前記加工手段で加工する制御を行うように構成されていることを特徴とする半導体製造装置。
【請求項2】
前記
制御手段は、前記接近手段によって前記半導体ウエハと前記吸着面とを相対的に接近させた状態で、前記下側加熱部及び前記上側加熱部で前記半導体ウエハの下面及び上面を所定時間加熱するように制御するとともに、前記噴射吸着手段で前記半導体ウエハの上面に不活性ガスを噴射するように制御することを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記
接近手段は、前記載置部に前記半導体ウエハを載置した状態で前記半導体ウエハと前記吸着面との隙間を0.1mm/secの速度で前記半導体ウエハと前記吸着面が密着するまで相対移動するように前記制御手段によって制御されることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記
半導体ウエハがSiCであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体製造装置。
【請求項5】
板状の半導体ウエハを載置部に載置する載置部を有し、該載置部に載置した前記半導体ウエハを搬送装置により搬送する搬送工程と、
前記載置部に載置した前記半導体ウエハを下側から下側加熱部で加熱する下側加熱工程と、
前記載置部に載置した前記半導体ウエハと吸着面とを接近手段により相対的に接近させる接近工程と、
前記半導体ウエハの上面に不活性ガスを噴射吸着手段で噴射する一方、前記接近手段により前記半導体ウエハと前記吸着面とを相対的に接近させた前記吸着面に前記半導体ウエハを前記噴射吸着手段により吸着させる噴射吸着工程と、
前記半導体ウエハを上側から前記下側加熱部よりも高い温度で上側加熱部により加熱する上側加熱工程と、
前記半導体ウエハを前記吸着面に吸着させた状態で加工手段により加工する加工工程と、
前記搬送装置、前記接近手段、前記下側加熱部、前記噴射吸着手段、前記上側加熱部、及び加工手段を制御する制御工程と、を有し、
前記制御工程は、
前記載置部に前記半導体ウエハを載置して前記搬送装置により前記吸着面まで搬送するまでの間、前記下側加熱部によって前記半導体ウエハの下面を加熱して該半導体ウエハを下方に湾曲させるように制御し、
前記下側加熱部及び前記上側加熱部で前記半導体ウエハの下面及び上面を加熱するとともに、前記半導体ウエハの径が小さい場合、それよりも径が大きい場合に比べて前記不活性ガスの噴射量が多くなるように前記噴射吸着手段で前記半導体ウエハの上面に不活性ガスを噴射して前記半導体ウエハを下方に湾曲した状態から平坦化するように制御し、
前記平坦化した前記半導体ウエハと前記吸着面とを前記接近手段により相対的に接近させて前記噴射吸着手段で前記吸着面に前記半導体ウエハを吸着させて該半導体ウエハを前記加工手段で加工する制御を行うように構成されていることを特徴とする半導体製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の半導体ウエハを用いた半導体製造装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造装置には、例えば特許文献1に記載された技術がある。この半導体製造装置は、サファイア基板を大気中で昇温させるホットプレートと、ホットプレートと所定の間隔を隔てて設置された支持板と、サファイア基板をホットプレートと支持板との間に所定の間隔を隔てて支持すると共に、ホットプレートとサファイア基板の裏面とが対向するように支持する支持部を設けた支持台と、支持台を昇降させる昇降装置と、支持板上に、サファイア基板と所定の間隔を隔てると共に、サファイア基板のおもて面と対向するように配置され、ホットプレートからの輻射熱を吸収する輻射熱吸収プレートと、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された技術は、ホットプレートからサファイア基板を透過した輻射熱を輻射熱吸収プレートで吸収してサファイア基板の周囲の空気をサファイア基板の表裏の面から加熱するようにしている。すなわち、特許文献1に記載された技術は、空気を介した熱伝達によってサファイア基板を予熱してサファイア基板の反りを抑制するようにしているため、サファイア基板を平坦化するための作業時間が長くかかるとともに、サファイア基板の望ましい平坦度が得られないという問題がある。その結果、半導体ウエハを吸着面に吸着させにくい不具合がある。
【0005】
そこで、本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、半導体ウエハを平坦化するための作業時間を短縮し、吸着面に半導体ウエハを吸着させ易くし、その結果、製品の歩留まりを向上させることができる半導体製造装置及び方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、板状の半導体ウエハを載置する載置部を有し、該載置部に載置した前記半導体ウエハを搬送する搬送装置と、前記載置部に載置した状態で前記半導体ウエハを下側から加熱する下側加熱部と、前記載置部に載置した前記半導体ウエハと吸着面とを相対的に接近させる接近手段と、前記半導体ウエハの上面に不活性ガスを噴射する一方、前記接近手段により前記半導体ウエハと前記吸着面とを相対的に接近させた前記吸着面に前記半導体ウエハを吸着させる噴射吸着手段と、前記半導体ウエハを上側から前記下側加熱部よりも高い温度で加熱する上側加熱部と、前記半導体ウエハを前記吸着面に吸着させた状態で加工する加工手段と、前記搬送装置、前記接近手段、前記下側加熱部、前記噴射吸着手段、前記上側加熱部、及び加工手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記載置部に前記半導体ウエハを載置して前記搬送装置により前記吸着面まで搬送するまでの間、前記下側加熱部によって前記半導体ウエハの下面を加熱して該半導体ウエハを下方に湾曲させるように制御し、前記下側加熱部及び前記上側加熱部で前記半導体ウエハの下面及び上面を加熱するとともに、前記半導体ウエハの径が小さい場合、それよりも径が大きい場合に比べて前記不活性ガスの噴射量が多くなるように前記噴射吸着手段で前記半導体ウエハの上面に不活性ガスを噴射して前記半導体ウエハを下方に湾曲した状態から平坦化するように制御し、前記平坦化した前記半導体ウエハと前記吸着面とを前記接近手段により相対的に接近させて前記噴射吸着手段で前記吸着面に前記半導体ウエハを吸着させて該半導体ウエハを前記加工手段で加工する制御を行うように構成されていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記制御手段は、前記接近手段によって前記半導体ウエハと前記吸着面とを相対的に接近させた状態で、前記下側加熱部及び前記上側加熱部で前記半導体ウエハの下面及び上面を所定時間加熱するように制御するとともに、前記噴射吸着手段で前記半導体ウエハの上面に不活性ガスを噴射するように制御することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記接近手段は、前記載置部に前記半導体ウエハを載置した状態で前記半導体ウエハと前記吸着面との隙間を0.1mm/secの速度で前記半導体ウエハと前記吸着面が密着するまで相対移動するように前記制御手段によって制御されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の構成に加え、前記半導体ウエハがSiCであることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、板状の半導体ウエハを載置部に載置する載置部を有し、該載置部に載置した前記半導体ウエハを搬送装置により搬送する搬送工程と、前記載置部に載置した前記半導体ウエハを下側から下側加熱部で加熱する下側加熱工程と、前記載置部に載置した前記半導体ウエハと吸着面とを接近手段により相対的に接近させる接近工程と、前記半導体ウエハの上面に不活性ガスを噴射吸着手段で噴射する一方、前記接近手段により前記半導体ウエハと前記吸着面とを相対的に接近させた前記吸着面に前記半導体ウエハを前記噴射吸着手段により吸着させる噴射吸着工程と、前記半導体ウエハを上側から前記下側加熱部よりも高い温度で上側加熱部により加熱する上側加熱工程と、前記半導体ウエハを前記吸着面に吸着させた状態で加工手段により加工する加工工程と、前記搬送装置、前記接近手段、前記下側加熱部、前記噴射吸着手段、前記上側加熱部、及び加工手段を制御する制御工程と、を有し、前記制御工程は、前記載置部に前記半導体ウエハを載置して前記搬送装置により前記吸着面まで搬送するまでの間、前記下側加熱部によって前記半導体ウエハの下面を加熱して該半導体ウエハを下方に湾曲させるように制御し、前記下側加熱部及び前記上側加熱部で前記半導体ウエハの下面及び上面を加熱するとともに、前記半導体ウエハの径が小さい場合、それよりも径が大きい場合に比べて前記不活性ガスの噴射量が多くなるように前記噴射吸着手段で前記半導体ウエハの上面に不活性ガスを噴射して前記半導体ウエハを下方に湾曲した状態から平坦化するように制御し、前記平坦化した前記半導体ウエハと前記吸着面とを前記接近手段により相対的に接近させて前記噴射吸着手段で前記吸着面に前記半導体ウエハを吸着させて該半導体ウエハを前記加工手段で加工する制御を行うように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1及び請求項5に記載の発明によれば、載置部に半導体ウエハを載置して搬送装置により吸着面まで搬送するまでの間、下側加熱部によって半導体ウエハの下面を加熱して該半導体ウエハを下方に湾曲させるように制御し、下側加熱部及び上側加熱部で半導体ウエハの下面及び上面を加熱するとともに、噴射吸着手段で半導体ウエハの上面に不活性ガスを噴射して半導体ウエハを下方に湾曲した状態から平坦化するように制御し、この平坦化した半導体ウエハに接近手段により半導体ウエハと吸着面とを相対的に接近させて噴射吸着手段で吸着面に半導体ウエハを吸着して加工手段で加工する制御を行うように構成されたことにより、半導体ウエハを平坦化するための作業時間を短縮し、吸着面に半導体ウエハを吸着させ易くし、その結果、製品の歩留まりを向上させることができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、噴射吸着手段は、半導体ウエハの径が小さい場合、それよりも径が大きい場合に比べて不活性ガスの噴射量が多くなるように制御手段によって制御することにより、半導体ウエハの破損を未然に防止することが可能となる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明によれば、制御手段は、接近手段によって半導体ウエハと吸着面とを相対的に接近させた状態で、下側加熱部及び上側加熱部で半導体ウエハの下面及び上面を所定時間加熱するように制御するとともに、噴射吸着手段で半導体ウエハの上面に不活性ガスを噴射するように制御することにより、半導体ウエハを高精度に平坦化することができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明によれば、接近手段は、載置部に半導体ウエハを載置した状態で半導体ウエハと吸着面との隙間を0.1mm/secの速度で半導体ウエハと吸着面が密着するまで相対移動するように制御手段によって制御されることにより、半導体ウエハと吸着面が密着するまで低速度で相対移動させるため、半導体ウエハの破損を未然に防止することが可能となる。
【0016】
また、請求項4に記載の発明によれば、半導体ウエハがSiCであることから、半導体ウエハに反りがあっても、その反りを軽減させるための材料として好適である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る半導体製造装置を示す概略平面図である。
【
図2】同実施形態に係る半導体製造装置のチャンバ内の構造を示す概略縦断面図である。
【
図3】同実施形態に係る半導体製造装置のチャンバ内で半導体ウエハが下側に凸形状に反った状態で載置された例を示す概略縦断面図である。
【
図4】同実施形態に係る半導体製造装置のチャンバ内で半導体ウエハが上側に凸形状に反った状態で載置された例を示す概略縦断面図である。
【
図5】同実施形態に係る半導体製造装置のチャンバ内で半導体ウエハをサセプタに真空吸着するときの状態を示す概略縦断面図である。
【
図6】同実施形態に係る半導体製造装置のチャンバ内で半導体ウエハに熱酸化で成膜するときの状態を示す概略縦断面図である。
【
図7】同実施形態に係る半導体製造装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【
図8】同実施形態に係る半導体製造装置の動作1を示すフローチャートである。
【
図9】同実施形態に係る半導体製造装置の動作2を示すフローチャートである。
【
図10】同実施形態の変形例に係る半導体製造装置のチャンバ内の構造を示す概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[一実施形態]
図1~
図6には、本発明の一実施形態を示す。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体製造装置を示す概略平面図である。
図2は、同実施形態に係る半導体製造装置のチャンバ内の構造を示す概略縦断面図である。
図3は、同実施形態に係る半導体製造装置のチャンバ内で半導体ウエハが下側に凸形状に反った状態で載置された例を示す概略縦断面図である。
図4は、同実施形態に係る半導体製造装置のチャンバ内で半導体ウエハが上側に凸形状に反った状態で載置された例を示す概略縦断面図である。
図5は、同実施形態に係る半導体製造装置のチャンバ内で半導体ウエハをサセプタに真空吸着するときの状態を示す概略縦断面図である。
図6は、同実施形態に係る半導体製造装置のチャンバ内で半導体ウエハに熱酸化で成膜するときの状態を示す概略縦断面図である。
【0019】
以下、本実施形態の半導体製造装置10について説明する。
【0020】
本実施形態の半導体製造装置10は、半導体ウエハ1を搬送装置30で搬送して、チャンバ50内で熱酸化処理を行って表面に熱酸化による成膜を施す装置である。なお、本実施形態の半導体ウエハ1は、SiC(シリコンカーバイド)からなるものを使用している。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の半導体製造装置10は、壁面12で囲まれた内部にクリーンルーム11を有しており、このクリーンルーム11内には、ロードポート20と、搬送装置30と、チャンバ50とが設置されている。
【0022】
本実施形態では、
図1に示すように、ロードポート20が1つの壁面に2箇所設けられている。これらのロードポート20には、それぞれウエハカセット5が載置され、各ウエハカセット5に複数の半導体ウエハ1が収容されている。
【0023】
また、
図1に示すように、搬送装置30は、半導体製造装置10の内部で半導体ウエハ1を搬送する装置であり、搬送ロボット31と、ロードスライダ41と、アンロードスライダ45とを有している。
【0024】
このうち、搬送ロボット31は、半導体ウエハ1を保持して移動させることが可能な搬送アーム32を備えている。この搬送アーム32は、半導体ウエハ1を、ロードポート20のウエハカセット5と、センタリング部25と、ロードスライダ41の開始位置と、アンロードスライダ45の終了位置との間において移動可能に構成されている。
【0025】
また、搬送アーム32は、半導体ウエハ1の上下を反転させる機能を有している。そのため、搬送アーム32は、ウエハカセット5に収納されていたときの半導体ウエハ1の上下方向を反転させた上でロードスライダ41に載置することができる一方、アンロードスライダ45に載置されていたときの半導体ウエハ1の上下方向を反転させた上でウエハカセット5に収納させることができる。
【0026】
センタリング部25は、半導体ウエハ1の位置出しを行う部位であり、搬送ロボット31の搬送アーム32がここに半導体ウエハ1を一旦載置して、位置出しを行って再度取り出すことで、搬送ロボット31の搬送アーム32がロードスライダ41の正確な位置に半導体ウエハ1を搬送可能となる。そして、本実施形態では、センタリング部25に半導体ウエハ1を一旦載置するときに、搬送アーム32が半導体ウエハ1の上下方向を反転させるように構成されている。
【0027】
ロードスライダ41は、チャンバ50の外部と内部の所定位置との間で半導体ウエハ1を載せて移動する装置である。このロードスライダ41は、レール部材49に対してスライド移動可能に構成されており、その先端に「載置部」としてのスライダ載置部(以下、載置部ともいう。)42が設けられている。そして、ロードスライダ41は、スライダ載置部42に半導体ウエハ1を載置した状態で、レール部材49に沿って移動する。
【0028】
また、本実施形態では、半導体ウエハ1をチャンバ50の外部から内部に移動させる際にロードスライダ41を用い、このロードスライダ41の下側に、半導体ウエハ1をチャンバ50の内部から外部に移動させる際に使用するアンロードスライダ45を有している。このアンロードスライダ45もロードスライダ41と同様の構成であり、レール部材49に対してスライド移動可能に構成されており、その先端にスライダ載置部46が設けられている。そして、アンロードスライダ45は、スライダ載置部46に半導体ウエハ1を載置した状態で、レール部材49に沿って移動する。
【0029】
このように本実施形態では、チャンバ50に対して外部から内部と、この内部から外部とで異なる搬送機構(ロードスライダ41,アンロードスライダ46)が設けられている。これにより、本実施形態によれば、チャンバ50に対する半導体ウエハ1の出し入れの動作を同時に行うことができ、作業効率を向上させることができる。
【0030】
図2~
図6に示すように、ロードスライダ41のスライダ載置部42の下方には、「下側加熱部」としてリングヒータ43が設けられている。このリングヒータ43を所定の温度、例えば200℃に制御して、半導体ウエハ1の下面2を加熱する。
【0031】
チャンバ50は、その内部で半導体ウエハ1に対して成膜加工を行うものである。このチャンバ50は、
図2~
図6に示すように、「噴射吸着手段」としての噴射吸着部60と、「加工手段,成膜手段」としてのガス供給装置70と、同じく「加工手段,成膜手段」としての半導体ウエハ回動装置80と、を備えている。
【0032】
噴射吸着部60には、下側を向いた「吸着面」としてのサセプタ62が設けられており、このサセプタ62に半導体ウエハ1を真空吸引によって吸着させる。また、「所定位置」としてのサセプタ62の下方位置に、ロードスライダ41でチャンバ50の外部から半導体ウエハ1を搬送するように構成されている。一方、アンロードスライダ45でサセプタ62の下方位置からチャンバ50の外部まで半導体ウエハ1を搬送するように構成されている。
【0033】
チャンバ50は、
図2~
図6に示すように、噴射吸着部60が「接近手段」としての上下動機構82によって上下方向に移動可能に構成されている。噴射吸着部60は、上側加熱部61と、真空吸引を行う吸引装置(図示省略)の吸引路63とを有している。この吸引路63は、噴射吸着部60のサセプタ62における平面視略中心部に配設されている。本実施形態では、噴射吸着部60を下方に移動させてロードスライダ41の載置部42に載せられた半導体ウエハ1に密着させて、図示しない吸引装置の吸引路63により真空吸引することで、サセプタ62に半導体ウエハ1を吸着する。
【0034】
本実施形態では、真空吸引を行う吸引路63が不活性ガス(本実施形態では窒素(N
2)ガス)を噴射する噴射装置(図示省略)の噴射路を兼ねている。この噴射路は、半導体ウエハ1をサセプタ62に吸着させる前の状態で不活性ガスを噴射することで、半導体ウエハ1の上面3を冷却する。なお、この不活性ガスは、
図2に示すように、サセプタ62の周囲に配設された排気口51から排気される。
【0035】
本実施形態は、半導体ウエハ1が載置部42に載せられた状態で、ロードスライダ41によりチャンバ50の内部のサセプタ62の下方の所定位置まで移動されるときに、載置部42のリングヒータ43で半導体ウエハ1の下面2が加熱される。このとき、リングヒータ43は例えば200℃程度に加熱される。
【0036】
図6に示すように、チャンバ50には、ガス供給装置70と、半導体ウエハ回動装置80とが設けられている。このうちガス供給装置70は、ガス発生部71から発生したガスを、ノズルプレート72を通して半導体ウエハ1の下面2に供給する。具体的に、本実施形態では、中央の第1ガス発生部73でO
2及びSiH
4を発生させ、第1ガス発生部73の周囲の第2ガス発生部74でN
2を発生させる。
【0037】
半導体ウエハ回動装置80には、回動機構81が設けられており、この回動機構81が噴射吸着部60と一体に固定され、成膜時にサセプタ62を回動させるように構成されている。また、半導体ウエハ回動装置80は、常に噴射吸着部60の上部に固定されており、噴射吸着部60、排気管75及び半導体ウエハ回動装置80は、固定状態のガス供給装置70に対し上下動機構82によって同時に上下動可能に構成されている。
【0038】
そして、本実施形態では、吸着面であるサセプタ62に真空吸引で吸着された半導体ウエハ1に対して、上側加熱部61で半導体ウエハ1を例えば400℃程度に加熱し、半導体ウエハ回動装置80の回動機構81でサセプタ62を回動させながら、ガス供給装置70からSiH4,O2,N2を供給することで、熱酸化処理によりサセプタ62に吸着された半導体ウエハ1の下面2に成膜処理を行う。
【0039】
なお、この成膜処理時には、サセプタ62が回転するようになっているため、半導体ウエハ1を回転させながらガスを供給することができる。これにより、半導体ウエハ1に均等に成膜を行うことができる。また、この成膜処理時のガスは、排気口51を通して排気管75より排出される。
【0040】
次に、本実施形態の制御系について説明する。
【0041】
図7は、同実施形態に係る半導体製造装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【0042】
図7に示すように、制御装置90は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)からなる記憶部91、I/O(Input / Output)等を備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、タイマー92も備えている。
【0043】
このうち、上記ROMは、電源を切断しても記憶内容を保持する必要のあるデータやプログラムを記憶する。上記RAMは、データを一時的に格納する。上記CPUは、上記ROMにインストールされているプログラムを実行することで各機能を実現する。記憶部91には、ROM以外に例えば、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、ハードディスク等のコンピュータ読み取り可能な電子媒体を含む。なお、上記データは、上記ROMに記憶することなく、別途設けたデータベースに記憶するようにしてもよい。
【0044】
制御装置90は、入力部93からの各種入力信号を得る一方、センタリング部25、搬送装置30、リングヒータ43、噴射吸着部60、上下動機構82、半導体ウエハ回動装置80の回動機構81、上側加熱部61、及びガス供給装置70等の各部の動作を制御する。
【0045】
制御装置90は、スライダ載置部42に半導体ウエハ1を載置して搬送装置30によりサセプタ62の下方位置まで搬送するまでの間、リングヒータ43によって半導体ウエハ1の下面2を例えば200℃に加熱して半導体ウエハ1を下方に湾曲させるように制御する。ここで、スライダ載置部42に順次載置される半導体ウエハ1において、その反りは一様ではなく、互いに複雑な反りの形状に形成されている。
【0046】
そこで、本実施形態の制御装置90は、スライダ載置部42に半導体ウエハ1を載置してサセプタ62の下方位置まで搬送するまでの間、リングヒータ43によって半導体ウエハ1の下面2を加熱することで、半導体ウエハ1を一様に下方に湾曲させるように制御する。
【0047】
また、制御装置90は、リングヒータ43及び上側加熱部61で半導体ウエハ1の下面2を約200℃、上面3を約400℃に加熱するとともに、噴射吸着部60で半導体ウエハ1の上面3に不活性ガスを噴射して半導体ウエハ1を下方に湾曲した状態から平坦化するように制御する。
【0048】
さらに、制御装置90は、平坦化した半導体ウエハ1に上下動機構82を駆動することにより半導体ウエハ1にサセプタ62を接近させて噴射吸着部60でサセプタ62に半導体ウエハ1を吸着してガス供給装置70及び半導体ウエハ回動装置80を作動することで半導体ウエハ1を成膜加工するように制御する。
【0049】
次に、本実施形態の半導体製造装置10の動作について説明する。
【0050】
図8は、同実施形態に係る半導体製造装置の動作1を示すフローチャートである。
図9は、同実施形態に係る半導体製造装置の動作2を示すフローチャートである。
【0051】
まず、
図1に示すように、ロードポート20に載置されたウエハカセット5から、搬送ロボット31の搬送アーム32が1枚の半導体ウエハ1を取り出す(
図8のステップS1)。そして、その半導体ウエハ1を反転させてセンタリング部25に載置して位置出しを行う(ステップS2)。
【0052】
次に、位置出しを行った半導体ウエハ1がロードスライダ41の手前側の開始位置に位置するスライダ載置部42に載置された場合(ステップS3:Yes)、スライダ載置部42の保持部(図示省略)で半導体ウエハ1が保持され、半導体ウエハ1の下面2をリングヒータ43で加熱して
図3に示すように半導体ウエハ1を下方に湾曲させるように制御した状態で、ロードスライダ41がチャンバ50内にスライド移動して噴射吸着部60の下方の所定位置、すなわちサセプタ62の下方位置まで搬送される(ステップS4)。
【0053】
このように本実施形態では、半導体ウエハ1を搬送している間に半導体ウエハ1の下面2をリングヒータ43で約200℃に加熱することで、半導体ウエハ1の反りが様々に形成されていたとしても、半導体ウエハ1を一様に下方に湾曲させるようにしている。
【0054】
そして、半導体ウエハ1が噴射吸着部60のサセプタ62の下方位置まで到達したかを判定する(ステップS5)。半導体ウエハ1がサセプタ62の下方位置まで到達した状態(ステップS5:Yes)では、半導体ウエハ1とサセプタ62との間隔が本実施形態において3mmである。この状態で上下動機構82を駆動してその間隔dが3mmから1mmになるように噴射吸着部60を下降させる(ステップS6)。
【0055】
次いで、半導体ウエハ1とサセプタ62との間隔dが1mmになったら(ステップS7:Yes)、「所定時間」としての60秒間半導体ウエハ1の上面3を上側加熱部61で約400℃に加熱するとともに、噴射吸着部60の噴射吸引路63から冷却用に常温の不活性ガス(窒素ガス)を噴射する(ステップS8)。この状態では、半導体ウエハ1の下面2はリングヒータ43で上記温度に加熱されたままである。
【0056】
これにより半導体ウエハ1は、下方に湾曲した状態から平坦化される。すなわち、
図4に示すように、半導体ウエハ1は、下方に湾曲した状態から上方に湾曲するような反りが生じるようになり、上記のように下面2を加熱するとともに上面3を加熱及び冷却することで反りを軽減させて平坦化させることができる。
【0057】
ここで、噴射吸引路63から噴射される噴射量は、半導体ウエハ1の径が小さい場合、それよりも径が大きい場合に比べて不活性ガスの噴射量が多くなるように制御装置90によって制御される。また、噴射吸引路63から噴射される噴射量は、半導体ウエハ1の反り量をあらかじめ検出手段によって検出し、この検出手段によって得られた反り量に基づいて制御装置90によって制御するようにしてもよい。具体的には、反り量が大きい場合には、小さい場合に比べて噴射量が多くなるように制御される。
【0058】
上記の60秒間経過した後(ステップS9:Yes)は、冷却用の窒素ガスの供給を停止すると同時に、上下動機構82を駆動して半導体ウエハ1とサセプタ62とのとの間の1mm間隔dを10秒かけて半導体ウエハ1にサセプタ62が密着するまで噴射吸着部60を下降させる(ステップS10)。
【0059】
すなわち、本実施形態では、噴射吸着部60を0.1mm/secの速度、すなわち極めて遅い速度で下降させることにより、半導体ウエハ1が破損するのを未然に防止しつつ、平坦化させることができる。この場合、噴射吸着部60を0.1mm/secを超える速度で下降させると、不活性ガスを噴射させたとしても半導体ウエハ1が破損することがある。なお、上記と同様に反り量をあらかじめ検出手段によって検出し、この検出手段によって得られた反り量に基づいて制御装置90によって半導体ウエハ1にサセプタ62が密着するまでの時間を制御するようにしてもよい。
【0060】
そして、半導体ウエハ1にサセプタ62が密着する(
図9のステップS11:Yes)と、噴射路63を吸引路としての役割に切り替え、真空吸引を開始し、
図5に示すように下側を向いたサセプタ62に半導体ウエハ1を吸着させる(ステップS12)。
【0061】
なお、
図4のように下方に反っている場合には、そのままではサセプタ62に接触する面積が小さいため、吸着できない場合が多いが、本実施形態のように加熱及び冷却を行って半導体ウエハ1を平坦化させることで、サセプタ62に確実に吸着することが可能となる。
【0062】
その後、ステップS13において、ロードスライダ41と載置部42をチャンバ50の外部に退避させ、
図6に示すように、固定状態のガス供給装置70に対して噴射吸着部60と半導体ウエハ回動装置80を近づけるように移動させ(ステップS14)、これらの構成により、上側加熱部61で半導体ウエハ1を加熱し、半導体ウエハ回動装置80でサセプタ62を回転させながら、半導体ウエハ1の下面2にSiH
4,O
2,N
2を吹き付け、熱酸化処理による成膜を行う(ステップS15)。
【0063】
半導体ウエハ1の下面2への成膜が終了する(ステップS16:Yes)と、上下動機構82を駆動させ、噴射吸着部60及び半導体ウエハ回動装置80を成膜時の位置より上方に移動させ(ステップS17)、チャンバ50の外部からアンロードスライダ46を噴射吸着部60の下方に移動させ、成膜が終わった半導体ウエハ1をアンロードスライダ45の載置部46に載せてチャンバ50から外部に搬送する(ステップS18)。
【0064】
その後、所定時間の冷却を行った(ステップS19:Yes)後、搬送ロボット31の搬送アーム32によって半導体ウエハ1の上下方向を反転させつつ、ロードポート20のウエハカセット5に収納する(ステップS20)。その後、ウエハカセット5のシャッタ(図示省略)を閉じて、次の工程を行う装置に搬送する。
【0065】
以上のように、本実施形態の半導体製造装置10によれば、載置部42に半導体ウエハ1を載置してロードスライダ41によりサセプタ62まで搬送するまでの間、リングヒータ43によって半導体ウエハ1の下面2を加熱して半導体ウエハ1を下方に湾曲させるように制御し、リングヒータ43及び上側加熱部61で半導体ウエハ1の下面2及び上面3を加熱するとともに、噴射吸着部60で半導体ウエハ1の上面3に不活性ガスを噴射して半導体ウエハ1を下方に湾曲した状態から平坦化するように制御し、この平坦化した半導体ウエハ1に上下動機構82によりサセプタ62を下降して接近させて噴射吸着部60でサセプタ62に半導体ウエハ1を吸着してガス供給装置70及び半導体ウエハ回動装置80で加工するように制御することにより、半導体ウエハ1を平坦化するための作業時間を短縮し、サセプタ62に半導体ウエハ1を吸着させ易くし、その結果、製品の歩留まりを向上させることができる。
【0066】
また、本実施形態の半導体製造装置10によれば、噴射吸着部60は、半導体ウエハ1の径が小さい場合、それよりも径が大きい場合に比べて不活性ガスの噴射量が多くなるように制御装置90によって制御することにより、半導体ウエハ1の破損を未然に防止することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態の半導体製造装置10によれば、制御装置90は、上下動機構82によって半導体ウエハ1にサセプタ62を下降して接近させた状態で、リングヒータ43及び上側加熱部61で半導体ウエハ1の下面2及び上面3を所定時間加熱するように制御するとともに、噴射吸着部60で半導体ウエハ1の上面3に不活性ガスを噴射するように制御することにより、半導体ウエハ1を高精度に平坦化することができる。
【0068】
また、本実施形態の半導体製造装置10によれば、上下動機構82は、載置部42に半導体ウエハ1を載置した状態でサセプタ62を0.1mm/secの速度で半導体ウエハ1とサセプタ62が密着するまで移動するように制御装置90によって制御されることにより、半導体ウエハ1とサセプタ62が密着するまで低速度で移動させるため、半導体ウエハ1の破損を未然に防止することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態の半導体製造装置10によれば、半導体ウエハ1がSiCであることから、半導体ウエハ1に反りがあっても、その反りを軽減させるための材料として好適である。
[一実施形態の変形例]
図10は、同実施形態の変形例に係る半導体製造装置のチャンバ内の構造を示す概略縦断面図である。
【0070】
上記実施形態では、噴射吸着部60の中心部分に設けた噴射吸引路63から不活性ガスを噴射するように構成した。本変形例では、
図10に示すように噴射吸着部60の外周側から不活性ガス(窒素(N
2)ガス)を噴射するように構成している。
【0071】
このように構成することにより、半導体ウエハ1の上面3の隅々まで不活性ガスが行き届くように噴射されるので、半導体ウエハ1の反りを効果的に軽減させることが可能となる。
【0072】
なお、本変形例では、噴射吸着部60の外周側から不活性ガスを噴射するように構成し、また上記実施形態では、噴射吸着部60の中心部分に設けた噴射路63から噴射するようにしたが、これらに限定することなく、噴射吸着部60の任意の位置又は噴射吸着部60の外周側の少なくとも一方から不活性ガスを噴射するように構成してもよい。
[他の実施形態の変形例]
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。
【0073】
例えば、上記実施形態では、SiCからなる半導体ウエハ1を用いた例について説明したが、これに限定するものではなく、反りが問題となるものであればシリコン等の適宜の材質のものも適用することができる。また、ワークとしては半導体ウエハに限らず、その他の基板等に適用してもよい。また、上記実施形態では、半導体ウエハ成膜装置に対して本発明の技術を用いるようになっていたが、これに限るものではなく、成膜装置以外の半導体製造装置であっても適用可能である。
【0074】
また、上記実施形態では、接近手段としての上下動機構82によって半導体ウエハ1にサセプタ62を接近させるように構成したが、これに限らずロードスライダ41とスライダ載置部42との間に上下動機構を設置し、上記とは逆にサセプタ62に半導体ウエハ1を接近させるように構成してもよい。加えて、半導体ウエハ1にサセプタ62を接近させると同時に、サセプタ62に半導体ウエハ1を接近させるようにしてもよい。つまり、半導体ウエハ1及びサセプタ62の少なくとも一方を相対的に接近させるように構成すればよい。
【符号の説明】
【0075】
1 半導体ウエハ
2 下面
3 上面
10 半導体製造装置
20 ロードポート
30 搬送装置
31 搬送ロボット(搬送装置)
41 ロードスライダ(搬送装置)
42 載置部
43 リングヒータ(下側加熱部)
45 アンロードスライダ(搬送装置)
46 載置部
50 チャンバ
60 噴射吸着部
61 上側加熱部
62 サセプタ(吸着面)
63 吸引路,噴射路
70 ガス供給装置(成膜手段,加工手段)
80 半導体ウエハ回動装置(成膜手段,加工手段)
81 回動機構
82 上下動機構(接近手段)
90 制御装置(制御手段)
91 記憶部
92 タイマー
【要約】
【課題】半導体ウエハを平坦化するための作業時間を短縮し、吸着面に半導体ウエハを吸着させ易くし、その結果、製品の歩留まりを向上させることができる半導体製造装置を提供する。
【解決手段】載置部42に半導体ウエハ1を載置して搬送装置30により吸着面まで搬送するまでの間、下側加熱部によって半導体ウエハ1の下面を加熱して該半導体ウエハ1を下方に湾曲させるように制御し、下側加熱部及び上側加熱部で半導体ウエハ1の下面及び上面を加熱するとともに、噴射吸着手段で半導体ウエハ1の上面に不活性ガスを噴射して半導体ウエハ1を下方に湾曲した状態から平坦化するように制御し、この平坦化した半導体ウエハ1と吸着面とを接近手段により相対的に接近させて噴射吸着手段で吸着面に半導体ウエハ1を吸着させて半導体ウエハ1を加工手段で加工するように制御する。
【選択図】
図1