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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】環境情報伝送システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/414 20110101AFI20240105BHJP
   H04N 21/437 20110101ALI20240105BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H04N21/414
H04N21/437
G08B25/04 K
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020059629
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021158616
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000227892
【氏名又は名称】日本アンテナ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102635
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 保男
(74)【代理人】
【識別番号】100199820
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 博志
(72)【発明者】
【氏名】小林 憲一
(72)【発明者】
【氏名】小野 豊
(72)【発明者】
【氏名】有賀 英明
【審査官】大西 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-232573(JP,A)
【文献】特開2002-199541(JP,A)
【文献】特開2004-215144(JP,A)
【文献】特開2012-119743(JP,A)
【文献】特開2017-085582(JP,A)
【文献】特開2020-025267(JP,A)
【文献】登録実用新案第3008904(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 -21/858
G08B 23/00 -31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレビ信号を下り信号として伝送する伝送線路と、
該伝送線路から伝送されてきたテレビ信号を分岐・分配する分岐・分配手段と、
該分岐・分配手段において分岐・分配されたテレビ信号がそれぞれ供給されるセンサーを有するテレビ端子と、
前記伝送線路を上ってきた前記センサーを有するテレビ端子からの情報信号を受け取り、該情報信号で送られた環境情報をインターネット上のクラウドに送出するゲートウェイとを備え、
前記センサーを有するテレビ端子は、環境の情報を物理量として検出するセンサーと、該センサーが検出した物理量に基づく環境情報を送る前記情報信号をテレビ信号の入力端子から前記伝送線路に送出する通信手段とを備えることを特徴とする環境情報伝送システム。
【請求項2】
前記環境情報には一意の識別情報が付加されており、前記クラウドは識別情報に基づく宛先へ前記環境情報を送出することを特徴とする請求項1に記載の環境情報伝送システム。
【請求項3】
前記通信手段は、テレビ信号が用いていない周波数帯域を利用して前記情報信号を前記入力端子から送出し、前記ゲートウェイは受信した前記情報信号から前記環境情報を復調することを特徴とする請求項1または2に記載の環境情報伝送システム。
【請求項4】
環境の情報を物理量として検出する第2のセンサーを搭載している通信モジュールと前記ゲートウェイとが無線通信手段により接続可能とされており、前記通信モジュールから送信された前記第2のセンサーが検出した物理量の第2情報信号を、前記ゲートウェイが受信可能とされていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の環境情報伝送システム。
【請求項5】
環境の情報を物理量として検出する第3のセンサーを搭載している第2の通信モジュールと前記テレビ端子とが有線/無線の通信手段により接続可能とされており、前記第2の通信モジュールから送信された前記第3のセンサーが検出した物理量に基づく第3情報信号を、前記テレビ端子から前記伝送線路に送出し、該第3情報信号を前記ゲートウェイが受信可能とされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の環境情報伝送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、見守り対象者に関する環境情報を見守り者に伝送する環境情報伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住居に設置されたセンサーの感知によって見守り対象者の安否確認を行う、見守りサービスが提供されている。見守りサービスでは、センサーが感知すると、ネットワークを介して見守り者のパーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)やスマートフォンなどに感知された情報に基づいて安否確認の通知がされる(特許文献1,2参照)。この見守りサービスでは、見守り対象者に関する環境情報を見守り者に伝送するためのインターネット環境等のネット環境が住居に必要とされる。住居で利用できるネット環境としては、光回線やモバイル回線あるいはケーブルテレビの回線が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-175371号公報
【文献】WO2019/058590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自宅や共同住宅などの住居にネット環境を新たに構築することは価格や維持費などから困難とされる場合がある。
そこで、本発明は、ネット環境を新たに構築することなく既存のネットワークを主に利用してセンサーが検出した物理量に基づく情報を伝送できる環境情報伝送システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の環境情報伝送システムは、テレビ信号を下り信号として伝送する伝送線路と、該伝送線路から伝送されてきたテレビ信号を分岐・分配する分岐・分配手段と、該分岐・分配手段において分岐・分配されたテレビ信号がそれぞれ供給されるセンサーを有するテレビ端子と、前記伝送線路を上ってきた前記センサーを有するテレビ端子からの情報信号を受け取り、該情報信号で送られた環境情報をインターネット上のクラウドに送出するゲートウェイとを備え、前記センサーを有するテレビ端子は、環境の情報を物理量として検出するセンサーと、該センサーが検出した物理量に基づく環境情報を送る前記情報信号をテレビ信号の入力端子から前記伝送線路に送出する通信手段とを備えることを主要な特徴としている。
また、本発明の環境情報伝送システムにおいて、前記環境情報には一意の識別情報が付加されており、前記クラウドは識別情報に基づく宛先へ前記環境情報を送出している。
さらに、本発明の環境情報伝送システムにおいて、前記通信手段は、テレビ信号が用いていない周波数帯域を利用して前記情報信号を前記入力端子から送出し、前記ゲートウェイは受信した前記情報信号から前記環境情報を復調している。
さらにまた、本発明の環境情報伝送システムにおいて、環境の情報を物理量として検出する第2のセンサーを搭載している通信モジュールと前記ゲートウェイとが無線通信手段により接続可能とされており、前記通信モジュールから送信された前記第2のセンサーが検出した物理量の第2情報信号を、前記ゲートウェイが受信可能とされている。
さらにまた、本発明の環境情報伝送システムにおいて、環境の情報を物理量として検出する第3のセンサーを搭載している第2の通信モジュールと前記テレビ端子とが有線/無線の通信手段により接続可能とされており、前記第2の通信モジュールから送信された前記第3のセンサーが検出した物理量に基づく第3情報信号を、前記テレビ端子から前記伝送線路に送出し、該第3情報信号を前記ゲートウェイが受信可能とされている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の環境情報伝送システムにおいて、テレビ信号を下り信号として伝送する伝送線路と、該伝送線路から伝送されてきたテレビ信号を分岐・分配する分岐・分配手段と、該分岐・分配手段において分岐・分配されたテレビ信号がそれぞれ供給されるテレビ端子からは共聴装置が構成される。共聴装置は、ビルやマンションなどに設置されていると共に、小規模の場合は住宅にも設置されており、テレビ端子は各住居内において複数設けられて互いに伝送線路で接続されて、ネットワークが構築されている。本発明の環境情報伝送システムは、共聴装置におけるネットワークを利用してセンサーを有するテレビ端子においてセンサーが検出した物理量に基づく情報を、ゲートウェイがインターネットなどへ伝送するようにしている。これにより、本発明の環境情報伝送システムでは、新たにネットワークを構築する必要をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1実施例の環境情報伝送システムの構成を示す機能ブロック図である。
図2】本発明の第2実施例の環境情報伝送システムの構成を示す機能ブロック図である。
図3】本発明の環境情報伝送システムにおけるゲートウェイの構成を示す機能ブロック図である。
図4】本発明の環境情報伝送システムにおける通信モジュールの構成を示す機能ブロック図である。
図5】本発明の環境情報伝送システムにおけるテレビ端子の構成を示す正面図である。
図6】本発明の環境情報伝送システムにおけるテレビ端子の構成を示す斜視図である。
図7】本発明の環境情報伝送システムにおけるテレビ端子の構成を斜視図で示す分解図である。
図8】本発明の環境情報伝送システムにおけるテレビ端子の電気的構成を示す機能ブロック図である。
図9】本発明の環境情報伝送システムにおけるテレビ端子におけるカブラの構成を示す回路図である。
図10】本発明の環境情報伝送システムにおける他のテレビ端子の構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<本発明の第1実施例の環境情報伝送システム>
本発明の第1実施例の環境情報伝送システムの構成を示す機能ブロック図を図1に示す。
図1に示す本発明の第1実施例の環境情報伝送システム01は、棟内共聴装置1と、クラウド103と、インターネット104はと通信モジュール210とを備えている。棟内共聴装置1は、BS・CSアンテナ10とFMアンテナ11aとUHFアンテナ11bと混合器11と混合器12とゲートウェイ13とを備え、混合器15と双方向増幅装置17と分岐・分配器18と双方向増幅装置19と分岐・分配器20とが縦続接続された伝送線路と、伝送線路に挿入された電源部(PS)30,31,32と、双方向増幅装置22と分岐・分配器23とが縦続接続された第1系統と、双方向増幅装置24と分岐・分配器25とが縦続接続された第2系統とから構成されている。センサーを有するテレビ端子100が、分岐・分配器23と分岐・分配器25とにおける複数の分岐信号または分配信号を出力する端子として設けられている。伝送線路で伝送される伝送信号は、伝送線路損失や分配や分岐されることで減衰され、この減衰を補償するために、双方向増幅装置17,19,22,24が設けられている。BS・CS放送を受信してBS・CS-IF信号を出力するBS・CSアンテナ10と、FM放送を受信するFMアンテナ11aと、地上波デジタル放送を受信するUHFアンテナ11bとは、棟内共聴装置1が設置された棟の屋上などに設置されている。
【0009】
棟内共聴装置1では、第2入力端子にゲートウェイ13が接続されている混合器12の第1入力端子にBS・CSアンテナ10よりのBS・CS-IF信号が入力され、混合器12の出力端子は混合器15の第2入力端子に接続されている。第1入力端子にFMアンテナ11aで受信されたFM放送信号が入力され、第2入力端子にUHFアンテナ11bで受信された地上波デジタル放送信号が入力されている混合器11において、FM放送信号と地上デジタル放送信号とが混合されて出力端子から出力されている。混合器11の出力端子は混合器15の第1入力端子に接続されて混合器11の出力端子から出力されているFM放送信号と地上デジタル放送信号との混合信号に、第2入力端子に入力されたBS・CS-IF信号が混合されて共聴信号とされて混合器15の出力端子から出力される。
【0010】
混合器15の出力端子から出力された共聴信号は双方向増幅装置17に入力されて所定のレベルになるよう増幅される。双方向増幅装置17の出力は分岐・分配器18に供給され、分岐・分配器18において複数に分岐・分配される。分岐・分配器18を通過した共聴信号は、双方向増幅装置19に入力されて所定のレベルになるよう増幅される。双方向増幅装置19の出力は分岐・分配器20に供給され、分岐・分配器20において複数に分岐・分配される。分岐・分配器20を通過した共聴信号は、さらに、分岐・分配器21で第1系統と第2系統の共聴信号に分配される。また、混合器15と双方向増幅装置17との間にPS30が設けられており、PS30から伝送線路上に電源が供給されている。伝送線路を上り方向に伝わった電源はBS・CSアンテナ10およびゲートウェイ13に動作電源として供給される。第1系統に分配された共聴信号は、双方向増幅装置22に入力されて所定のレベルになるよう増幅されて、双方向増幅装置22の出力は分岐・分配器23に供給される。分岐・分配器23で分岐・分配された共聴信号は宅内の各部屋等に設けられているセンサーを有するテレビ端子100の入力端子に入力され、入力端子に入力された共聴信号を出力するテレビ端子100の出力端子にはテレビジョン受像機等に接続されるケーブルをそれぞれ接続できる。この場合、双方向増幅器22と分岐・分配器23との間にPS31が設けられており、PS31から伝送線路を下り方向に伝わった電源が複数のテレビ端子100に動作電源として供給される。また、第2系統に分配された共聴信号は、双方向増幅装置24に入力されて所定のレベルになるよう増幅されて、双方向増幅装置24の出力は分岐・分配器25に供給されて複数に分岐・分配される。分岐・分配器25で分岐・分配された共聴信号は宅内の各部屋等に設けられているセンサーを有するテレビ端子100の入力端子に入力され、入力端子に入力された共聴信号を出力するテレビ端子100の出力端子にはテレビジョン受像機等に接続されるケーブルをそれぞれ接続できる。この場合は、双方向増幅器24と分岐・分配器25との間にPS32が設けられており、PS32から伝送線路を下り方向に伝わった電源が複数のテレビ端子100に動作電源として供給される。
【0011】
センサーを有するテレビ端子100は、後述するように例えば見守り情報とされる920MHzの情報信号とされた見守り情報を送出しており、第1系統および第2系統におけるそれぞれのテレビ端子100から送出された920MHzの情報信号は上り信号として伝送線路を上っていく。伝送線路を上っていった920MHzの情報信号はゲートウェイ13で受け取られる。ゲートウェイ13は、棟内共聴装置1とインターネット104との間でデータの送受を行える機能を有しており、920MHzの情報信号をベースバンドのパケット信号に戻してTCPやHTTPSにより見守り情報をインターネット104上のクラウド103に送出することができる。また、ゲートウェイ13は無線の通信機能を備えており、通信モジュール210から送信された見守り情報とされる送信情報信号を受信可能とされている。通信モジュール210は、通信手段220とMCU(Micro Controller Unit)225と複数のセンサー230とを備え、MCU225がセンサー230において検出された物理量に基づいて見守り情報を求めて、この見守り情報をMCU225の制御の下で通信手段220から送信情報信号として送信している。ゲートウェイ13が送信情報を受信すると、ゲートウェイ13は受信した送信情報信号をベースバンドのパケット信号に戻してTCPやHTTPSにより見守り情報をインターネット104上のクラウド103に送出することができる。
【0012】
ゲートウェイ13から送出されてクラウド103で受信された見守り情報はクラウド103に保存される。なお、ゲートウェイ13は、所定時間ごとに見守り情報をクラウド103に送出したり、見守り情報が更新されるごとに見守り情報をクラウド103に送出している。また、センサーを有するテレビ端子100および通信モジュール210には特有の一意の識別情報(以下、「ID」という)が割り当てられており、見守り情報には、当該テレビ端子100あるいは通信モジュール210のIDが付加されている。クラウド103は、見守り情報に付加されたIDに基づいて宛先とされる見守り者を検索し、検索された宛先の見守り者のPCやスマートフォンなどに見守り情報とされる見守り情報を送出する。これにより、見守り者は見守り情報とされる見守り情報を受信することにより、見守り対象者の安否確認を行うことができる。
【0013】
上記説明した本発明の第1実施例の環境情報伝送システム01では、棟内共聴装置1において、既設のテレビ端子をセンサーを有するテレビ端子100に交換すると共に、ゲートウェイ13を新設することだけで、棟内共聴装置1と云う既存のネットワークを利用して見守り情報を見守り者に送ることができるようになる。このように、本発明の第1実施例の環境情報伝送システム01では、ネットワークを新たに構築することなく見守り情報を見守り者に送ることができるようになる。なお、センサーを有するテレビ端子100では、各種のセンサーからの環境の情報から見守り情報を得るだけではなく、温度や湿度や振動などの情報から環境の推移の変化情報を得るようにして、この変化情報を棟内共聴装置1のネットワークを介してゲートウェイ13からクラウド103に送るようにしてもよい。この場合、クラウド103では変化情報から環境の推移を予測して、その予測情報を発信するようにしてもよい。
また、棟内共聴装置1の伝送線路は、一般に同軸ケーブルとされており、本発明の第1実施例の環境情報伝送システム01では、同軸ケーブルで構築されているネットワークを介して、見守り情報などをゲートウェイ13からクラウド103に送ることができる。
【0014】
<ゲートウェイ>
ここで、本発明の第1実施例の環境情報伝送システム01におけるゲートウェイ13の構成を示す機能ブロック図を図3に示す。
図3に示すゲートウェイ13は、MCU70と入力装置75と表示器76と広域通信I/F77と通信I/F78とを備え、入力装置75はI/O74に接続され、表示器76と広域通信I/F77と通信I/F78はMCU70のバス79に接続されている。広域通信I/F77は、インターネット104などの公衆通信網に接続可能な通信インタフェースである。通信I/F78は伝送線路から伝送されてきた情報信号を受信してベースバンドに復調する機能を有すると共に、無線通信機能も有しており、例えばLPWA(Low Power Wide Area)の通信インタフェースとされている。MCU70はマイクロコントローラーであり、MCU70は、CPU71、ROM72、RAM73、I/O74を備え、これらをバス79で接続して構成されている。CPU71は、ROM72に記憶されたゲートウェイ処理プログラムを実行することによりゲートウェイ処理を実行する。
【0015】
ゲートウェイ処理では、通信信号で用いている通信規格 (プロトコル)と、インターネット104上のクラウド103に接続するプロトコル(HTTPSあるいはTCP)との相互変換を行っている。伝送線路を上ってきた情報信号は通信I/F78で受信され、CPU71の制御の基でID付きの見守り情報に復調されてRAM73のテンポラリメモリ領域に格納される。また、通信モジュール210から送信された送信情報信号も通信I/F78で受信され、CPU71の制御の基でID付きの見守り情報に復調されてRAM73のテンポラリメモリ領域に格納される。CPU71の制御の基で所定時間毎にID付きの見守り情報がRAM73から読み出されて、広域通信I/F77において所定のプロトコルの書式に変更されてパケット化され、インターネット104上のクラウド103に送出される。
【0016】
<通信モジュール>
次に、通信モジュール210の構成を示す機能ブロック図を図4に示す。
図4に示す通信モジュール210は、MCU225とアナログ/デジタル変換器(A/D)216と通信I/F217とを備え、A/D216と通信I/F217はMCU225のバス218に接続されている。通信I/F78は無線通信機能の通信インタフェースとされ、例えばLPWA(Low Power Wide Area)の通信インタフェースとされている。MCU225はマイクロコントローラーであり、MCU225は、CPU211、ROM212、RAM213、I/O214を備え、これらをバス218で接続して構成されている。CPU211は、ROM212に記憶された通信モジュール処理プログラムを実行することにより通信モジュール処理を実行する。図1に示す通信モジュール210の通信手段220は、MCU225の制御の基で通信を行う通信I/F217により実現される。
【0017】
通信モジュール210が備える複数のセンサー230は、周囲の環境の様々な情報を物理量として検出する検出装置とされている。センサー230としては、検出しようとする情報の種類に応じて様々な種類のものが用いられ、例えば、温度センサー、湿度センサー、照度センサー、においセンサー、速度センサー、振動センサー等が、単体あるいは組み合わせて用いられる。においや室温や部屋の明るさや振動等の環境の情報が物理量としてセンサー230で検出され、MCU225の制御の下で検出された物理量に基づいて人の行動などの見守り情報を求めて、この見守り情報をMCU225の制御の下で通信I/F217から送信情報信号として送信できるようにしている。送信情報信号は、LPWAの通信で送信することができる。
【0018】
<本発明の第2実施例の環境情報伝送システム>
本発明の第2実施例の環境情報伝送システムの構成を示す機能ブロック図を図2に示す。
図2に示す本発明の第2実施例の環境情報伝送システム02は、棟内共聴装置2と、クラウド103と、インターネット104はと通信モジュール210とを備えている。棟内共聴装置2は、屋上などに設置されたBS・CSアンテナ10と混合器12とゲートウェイ13とを備え、混合器15と双方向増幅装置17と分岐・分配器18と双方向増幅装置19と分岐・分配器20とが縦続接続された伝送線路と、伝送線路に挿入された電源部(PS)30,31,32と、双方向増幅装置22と分岐・分配器23とが縦続接続された第1系統と、双方向増幅装置24と分岐・分配器25とが縦続接続された第2系統とから構成されている。センサーを有するテレビ端子100が、分岐・分配器23と分岐・分配器25とにおける複数の分岐信号または分配信号を出力する端子として設けられている。伝送線路で伝送される伝送信号は、伝送線路損失や分配や分岐されることで減衰され、この減衰を補償するために、双方向増幅装置17,19,22,24が設けられている。
棟内共聴装置2には、CATV局1010から幹線に設置されている増幅装置や分岐・分配装置などの幹線機器1011を介してCATV信号の伝送路に挿入されている分岐・分配装置などにより分岐されたCATV信号の下り信号(以下、「CATV下り信号」という)がタップオフ(TAP OFF )1012および保安器1013を介して棟内に引き込まれている。そして、保安器1013までのメンテナンスはCATV局1010が行うが、保安器1013以降のメンテナンスは加入者が行うこととされている。
【0019】
棟内共聴装置2では、第2入力端子にゲートウェイ13が接続されている混合器12の第1入力端子にBS・CSアンテナ10よりのBS・CS-IF信号が入力され、混合器12の出力端子は混合器15の第2入力端子に接続されている。棟内共聴装置2に入力されたCATV下り信号は、混合器15の第1入力端子に入力され、混合器15の第1入力端子に入力されたCATV下り信号および第2入力端子に入力されたBS・CS-IF信号が混合されて共聴信号とされて出力端子から出力される。CATV下り信号には、地上デジタル放送信号が含まれている。
【0020】
混合器15の出力端子から出力された共聴信号は双方向増幅装置17に入力されて所定のレベルになるよう増幅される。双方向増幅装置17の出力は分岐・分配器18に供給され、分岐・分配器18において複数に分岐・分配される。分岐・分配器18を通過した共聴信号は、双方向増幅装置19に入力されて所定のレベルになるよう増幅される。双方向増幅装置19の出力は分岐・分配器20に供給され、分岐・分配器20において複数に分岐・分配される。分岐・分配器20を通過した共聴信号は、さらに、分岐・分配器21で第1系統と第2系統の共聴信号に分配される。また、混合器15と双方向増幅装置17との間にPS30が設けられており、PS30から伝送線路上に電源が供給されている。伝送線路を上り方向に伝わった電源はBS・CSアンテナ10およびゲートウェイ13に動作電源として供給される。第1系統に分配された共聴信号は、双方向増幅装置22に入力されて所定のレベルになるよう増幅されて、双方向増幅装置22の出力は分岐・分配器23に供給される。分岐・分配器23で分岐・分配された共聴信号は宅内の各部屋等に設けられているセンサーを有するテレビ端子100の入力端子に入力され、入力端子に入力された共聴信号を出力するテレビ端子100の出力端子にはテレビジョン受像機等に接続されるケーブルをそれぞれ接続できる。この場合、双方向増幅器22と分岐・分配器23との間にPS31が設けられており、PS31から伝送線路を下り方向に伝わった電源が複数のテレビ端子100に動作電源として供給される。また、第2系統に分配された共聴信号は、双方向増幅装置24に入力されて所定のレベルになるよう増幅されて、双方向増幅装置24の出力は分岐・分配器25に供給されて複数に分岐・分配される。分岐・分配器25で分岐・分配された共聴信号は宅内の各部屋等に設けられているセンサーを有するテレビ端子100の入力端子に入力され、入力端子に入力された共聴信号を出力するテレビ端子100の出力端子にはテレビジョン受像機等に接続されるケーブルをそれぞれ接続できる。この場合は、双方向増幅器24と分岐・分配器25との間にPS32が設けられており、PS32から伝送線路を下り方向に伝わった電源が複数のテレビ端子100に動作電源として供給される。
【0021】
また、第1系統のテレビ端子100から送出された上り信号は分岐・分配器23を介して双方向増幅装置22で所定のレベルになるよう増幅されて、分岐・分配器21に供給される。さらに、第2系統のテレビ端子100から送出された上り信号は分岐・分配器25を介して双方向増幅装置24で所定のレベルになるよう増幅されて、分岐・分配器21に供給される。分岐・分配器21から出力された上り信号は、分岐・分配器20-双方向増幅装置19-分岐・分配器18-双方向増幅装置17の経路で上っていき、混合器15を介して保安器1013に入力される。保安器1013を通過した上り信号は、タップオフ1012、CATVの幹線および幹線機器1011を介してCATV局1010に上っていき受信される。
【0022】
センサーを有するテレビ端子100は、後述するように例えば見守り情報とされる920MHzの情報信号とされた見守り情報を送出しており、第1系統および第2系統におけるそれぞれのテレビ端子100から送出された920MHzの情報信号は上り信号として伝送線路を上っていく。伝送線路を上っていった920MHzの情報信号はゲートウェイ13で受け取られる。ゲートウェイ13は、棟内共聴装置2とインターネット104との間でデータの送受を行える機能を有しており、920MHzの情報信号をベースバンドのパケット信号に戻してTCPやHTTPSにより見守り情報をインターネット104上のクラウド103に送出することができる。また、ゲートウェイ13は無線の通信機能を備えており、通信モジュール210から送信された見守り情報とされる送信情報信号を受信可能とされている。通信モジュール210は、通信手段220とMCU(Micro Controller Unit)225と複数のセンサー230とを備え、MCU225がセンサー230において検出された物理量に基づいて見守り情報を求めて、この見守り情報をMCU225の制御の下で通信手段220から送信情報信号として送信している。ゲートウェイ13が送信情報を受信すると、ゲートウェイ13は受信した送信情報をベースバンドのパケット信号に戻してTCPやHTTPSにより見守り情報をインターネット104上のクラウド103に送出することができる。
【0023】
ゲートウェイ13から送出されてクラウド103で受信された見守り情報はクラウド103に保存される。なお、ゲートウェイ13は、所定時間ごとに見守り情報をクラウド103に送出したり、見守り情報が更新されるごとに見守り情報をクラウド103に送出している。また、センサーを有するテレビ端子100および通信モジュール210には特有の一意の識別情報(以下、「ID」という)が割り当てられており、見守り情報には、当該テレビ端子100あるいは通信モジュール210のIDが付加されている。クラウド103は、見守り情報に付加されたIDに基づいて宛先とされる見守り者を検索し、検索された宛先とされる見守り者のPCやスマートフォンなどに見守り情報とされる見守り情報を送出する。これにより、見守り者は見守り情報とされる見守り情報を受信することにより、見守り対象者の安否確認を行うことができる。
【0024】
上記説明した本発明の第2実施例の環境情報伝送システム02では、棟内共聴装置2において、既設のテレビ端子をセンサーを有するテレビ端子100に交換すると共に、ゲートウェイ13を新設することだけで、棟内共聴装置2と云う既存のネットワークを利用して見守り情報を見守り者に送ることができるようになる。このように、本発明の第2実施例の環境情報伝送システム02では、ネットワークを新たに構築することなく見守り情報を見守り者に送ることができるようになる。なお、センサーを有するテレビ端子100では、各種のセンサーからの環境の情報から見守り情報を得るだけではなく、温度や湿度や振動などの情報から環境の推移の変化情報を得るようにして、この変化情報を棟内共聴装置1のネットワークを介してゲートウェイ13からクラウド103に送るようにしてもよい。この場合、クラウド103では変化情報から環境の推移を予測して、その予測情報を発信するようにしてもよい。
また、棟内共聴装置2の伝送線路は、一般に同軸ケーブルとされており、本発明の第2実施例の環境情報伝送システム02では、同軸ケーブルで構築されているネットワークを介して、見守り情報などをゲートウェイ13からクラウド103に送ることができる。
なお、ゲートウェイ13および通信モジュール210の機能ブロック図は図3図4に示す通りであるので、その説明は省略する。
【0025】
<センサーを有するテレビ端子>
本発明の第1実施例の環境情報伝送システム01および第2実施例の環境情報伝送システム02におけるセンサーを有するテレビ端子100の構成を示す正面図を図5に、センサーを有するテレビ端子100の構成を示す斜視図を図6に、センサーを有するテレビ端子100の構成を斜視図で示す分解図を図7に示す。
これらの図に示すセンサーを有するテレビ端子100は、一般に屋内の壁面に埋め込まれた箱状のボックス131に取り付けて使用する。テレビ端子100には、屋内のテレビ受信機等と同軸ケーブルで接続するための出力用の同軸端子である出力端子113Aおよび出力端子113Bと、アンテナ等の受信信号を導く壁の内部空間に配置された同軸ケーブルが接続される入力用の同軸端子である入力端子112を備えている。センサーを有するテレビ端子100をボックス131に取り付ける場合は、ボックス131が壁面内に埋め込まれることから、壁面に矩形の開口を設けることによりボックス131が壁面内に埋め込まれ、テレビ端子100が埋め込まれたボックス131に図7に示すように取り付けられるようになる。テレビ端子100の前面には、テレビ端子100の前面を覆うように化粧プレート130が装着される。化粧プレート130には矩形の2つの開口が上下に並んで形成されており、この開口に出力端子113Aと出力端子113Bとが設けられている端子台110が突出するよう臨んでいる。
【0026】
センサーを有するテレビ端子100は、T字状とされた縦長のシールドケース111と、シールドケース111の前面に装着された端子台110とから構成され、端子台110の上部と下部とにそれぞれ設けられている円筒孔から、テレビ端子100の前面に設けられている出力端子113Aと出力端子113Bとが突出するようになる。端子台110における円筒孔の周囲は断面矩形状に突出しており、矩形状に突出する部位が化粧プレート130に形成された矩形の開口に嵌合される。シールドケース111の前面の上部と下部とに出力端子113Aと出力端子113Bとが前面から突出するよう形成されており、シールドケース111はT字状に形成されており、T字状の横棒にあたる部分の下面から下方へ突出して入力端子112が形成されている。
テレビ端子100において特徴的な構成は、端子台110の前面における上部と下部との間の凹状の部位にセンサー120が設けられている構成とされている。センサー120は、周囲の環境の様々な情報を物理量として検出する検出装置とされている。センサー120としては、検出しようとする情報の種類に応じて様々な種類のものが用いられ、例えば、温度センサー、湿度センサー、照度センサー、においセンサー、速度センサー、振動センサー等が、単体あるいは組み合わせて用いられる。シールドケース111の内部には回路基板が収納されており、においや室温や部屋の明るさや振動等の環境の情報が物理量としてセンサー120で検出され、検出された物理量が回路基板に設けられた情報処理手段に入力される。情報処理手段では、入力された物理量に基づいて人の行動などの情報を得て、この情報を入力端子112から送出できるようにしている。
【0027】
センサーを有するテレビ端子100におけるシールドケース111の内部に収納された回路基板に組み込まれている回路構成の機能ブロック図を図8に示す。なお、センサー120はシールドケース111の外側に設けられている。
図8に示すように、テレビ端子100はセンサー120で検出された物理量のデータが制御部121に入力される。制御部121は情報処理手段として機能している中央処理装置(CPU)を備えており、情報処理手段が入力されたセンサー120で検出された物理量に基づいて情報処理を行うことにより、人の行動などの見守り情報を求めている。求められたデジタルデータの見守り情報は通信部122からDATAとして送出される。DATAは、テレビ信号では使用されていない周波数帯域の周波数、例えば920MHzの情報信号とされる。一方、入力端子112に入力されたテレビ信号は直流カットのコンデンサC1を介してカプラ123に入力され、カプラ123から出力されたテレビ信号はコンデンサC2を介して出力端子113A,113Bから出力される。なお、テレビ信号においては、地上デジタル放送の周波数帯域が70~770MHzとされ、BS・CS-IFの周波数帯域が1000~3224MHzとされ、上り信号の周波数帯域が10~60MHzとされている。
【0028】
センサー120と制御部121と通信部122とにはDC/DCコンバータ124で所定電圧になるよう変換された直流電圧が動作電源として供給されている。DC/DCコンバータ124には、入力端子112に供給された直流が高周波信号を遮断するチョークコイルL1を介して供給されている。カプラ123には、テレビ信号が入力端子112側の端子から入力されると共にDATAが通信部122側の端子から入力されている。そして、テレビ信号を出力端子113A,113B側の端子から出力し、DATAの情報信号を入力端子112側の端子から出力している。
【0029】
ここで、カプラ123の回路構成を図9(a)~(d)に示す。図9(a)に示すカプラ123は分波・混合回路で構成されている。図9(a)の回路構成とされたカプラ123は、分波器DM1と分波器DM2と分波器DM3とにより構成されている。分波器DM1は、ハイパスフィルタ(HPF)とローパスフィルタ(LPF)とを備えており、端子aと端子bとの間に1032~3224MHzの周波数帯域を通過させるHPFが設けられ、端子aと端子cとの間に10~930MHzの周波数帯域を通過させるLPFが設けられている。分波器DM2は、HPFとLPFとを備えており、端子aと端子bとの間に10~770MHzの周波数帯域を通過させるLPFが設けられ、端子aと端子cとの間に920~3224MHzの周波数帯域を通過させるHPFが設けられている。分波器DM3は、HPFとLPFとを備えており、端子aと端子bとの間に1032~3224MHzの周波数帯域を通過させるHPFが設けられ、端子aと端子cとの間に10~770MHzの周波数帯域を通過させるLPFが設けられている。
【0030】
これにより、入力端子112からのテレビ信号が分波器DM1の端子aに入力されると、テレビ信号は分波されて1032~3224MHzの周波数帯域のテレビ信号が端子bから出力され、端子cから10~770MHzのテレビ信号が出力される。分波器DM2では、端子aに分波器DM1で分波された10~770MHzの周波数帯域のテレビ信号が入力され、端子cから10~770MHzの周波数帯域のテレビ信号が出力される。分波器DM2の端子bには、通信部122からの920MHzの情報信号とされたDATAが入力され、端子aから920MHzの情報信号とされたDATAが出力される。分波器DM2の端子aから出力された920MHzの情報信号とされたDATAは、分波器DM1の端子cに入力され、端子aから920MHzの情報信号とされたDATAが出力される。また、分波器DM3では、端子cに10~770MHzの周波数帯域のテレビ信号が入力され、端子bに1032~3224MHzの周波数帯域のテレビ信号が入力され、入力された2つのテレビ信号が混合されて端子aから出力される。なお、分波器DM3の端子aに入力された上り信号は端子cから出力されて、分波器DM2の端子bに入力される。そして、分波器DM2の端子aから上り信号が出力されて分波器DM1の端子cに入力され、端子aから出力されるようになる。
これにより、カプラ123では、入力端子112側の端子に入力されたテレビ信号が出力端子113A,113B側の端子から出力され、通信部122側の端子に入力された920MHzの情報信号とされたDATAが、入力端子112側の端子から出力されるようになる。また、出力端子113A,113B側の端子に入力された上り信号は、入力端子112側の端子から出力される。
【0031】
図9(b)に示すカプラ123は分配器の回路で構成されている。図9(b)の回路構成とされたカプラ123では、分配器DVの入力端子112側の端子aに入力されたテレビ信号は出力端子113A,113B側の端子bと通信部122側の端子cとに分配されて出力される。また、分配器DVの通信部122側の端子cに入力された920MHzの情報信号とされたDATAは入力端子112側の端子aから出力される。また、出力端子113A,113B側の端子bに入力された上り信号は、入力端子112側の端子aから出力される。
図9(c)に示すカプラ123は分岐器の回路で構成されている。図9(c)の回路構成とされたカプラ123では、分岐器DSの入力端子112側の端子aに入力されたテレビ信号は出力端子113A,113B側の端子bから出力されると共に、一部が分岐されて通信部122側の端子cから出力される。また、分岐器DSの通信部122側の端子cに入力された920MHzの情報信号とされたDATAは入力端子112側の端子aから出力される。また、出力端子113A,113B側の端子bに入力された上り信号は、入力端子112側の端子aから出力される。
図9(d)に示すカプラ123は抵抗分岐回路で構成されている。図9(d)の回路構成とされたカプラ123では、カプラ123の入力端子112側の端子aに入力されたテレビ信号は出力端子113A,113B側の端子bから出力されると共に、抵抗Rで減衰されて一部が通信部122側の端子cから出力される。また、通信部122側の端子cに入力された920MHzの情報信号とされたDATAは抵抗Rで減衰されて入力端子112側の端子aから出力されると共に。出力端子113A,113B側の端子bから出力される。また、出力端子113A,113B側の端子bに入力された上り信号は、入力端子112側の端子aから出力されると共に、抵抗Rで減衰されて一部が通信部122側の端子cから出力される。
以上の通り、図9(b)~(d)に示すカプラ123においては、入力端子112側の端子に入力されたテレビ信号が出力端子113A,113B側の端子から少なくとも出力され、通信部122側の端子に入力された920MHzの情報信号とされたDATAが、入力端子112側の端子から少なくとも出力されるようになる。また、出力端子113A,113B側の端子に入力された上り信号は、入力端子112側の端子から少なくとも出力される。
【0032】
<センサーを有する他のテレビ端子>
本発明の第1実施例の環境情報伝送システム01および第2実施例の環境情報伝送システム02に備えることができるセンサーを有する他のテレビ端子200の構成を示す正面図を図10に示す。なお、他のテレビ端子200の構成を示す斜視図および斜視図で示す分解図は図示していないが、正面の構成を除いて図6に示すテレビ端子100の斜視図および図7に示すテレビ端子100の構成を斜視図で示す分解図と同様となる。
図10に示すセンサーを有する他のテレビ端子200は、テレビ端子100と同様に一般に屋内の壁面に埋め込まれた箱状のボックスに取り付けて使用する。このボックスの構成は前述したボックス131と同じ構成とされている。他のテレビ端子200には、屋内のテレビ受信機等と同軸ケーブルで接続するための出力用の同軸端子である出力端子113Aと出力端子113Bと、アンテナ等の受信信号を導く壁の内部空間に配置された同軸ケーブルが接続される入力用の同軸端子である入力端子を備えている。他のテレビ端子200をボックスに取り付ける場合は、ボックスが壁面内に埋め込まれていることから、壁面に矩形の開口を設けることによりボックスが壁面内に埋め込まれ、他のテレビ端子200が埋め込まれたボックスに前記した図7に示すように取り付けられるようになる。他のテレビ端子200の前面には、他のテレビ端子200の前面を覆うように化粧プレート260が装着される。化粧プレート260には縦長の矩形状の開口が形成されており、この開口に出力端子113Aおよび出力端子113Bとが設けられている端子台250が突出するよう臨んでいる。
【0033】
他のテレビ端子200は、図示していないが図7に示すようにT字状とされた縦長のシールドケースと、シールドケースの前面に装着された端子台250とから構成され、端子台250の前面は縦長の矩形状とされており、上部と下部に設けられている円筒孔から、他のテレビ端子200の前面に設けられている出力端子113Aと出力端子113Bとが突出するようになる。端子台250における前面は縦長の矩形状に突出しており、縦長の矩形状に突出する部位が化粧プレート132に形成された縦長の矩形の開口に嵌合される。シールドケースの前面の上部と下部とに出力端子113Aと出力端子113Bとが前面から突出するよう形成され、シールドケースはT字状に形成されており、T字状の横棒にあたる部分の下面から下方へ突出して入力端子が形成されている。
他のテレビ端子200は、内部に設けられているセンサーと制御部と通信部とを備えており、センサーで検出された物理量のデータが制御部に入力される。制御部は情報処理手段として機能しているCPUを備えており、情報処理手段が入力されたセンサーで検出された物理量に基づいて情報処理を行うことにより、人の行動などの見守り情報を求めている。求められたデジタルデータの見守り情報は通信部からDATAとして送出される。DATAは、テレビ信号では使用されていない周波数帯域の周波数、例えば920MHzの情報信号とされる。
【0034】
他のテレビ端子200おいて特徴的な構成は、端子台250の前面の中央部に接続端子251とUSB端子252とジャック253とが設けられ、内部にセンサーが設けられている構成とされている。接続端子251は、外部センサーを接続可能な端子とされており、各種の外部センサーを接続することができる。ジャック253は、センサーを備える通信モジュールを接続したり、電源の供給端子として利用できる。USB端子252は、ユーザが外部機器を接続することができ、接続したPCやスマートフォンで他のテレビ端子200が出力する見守り情報とされるDATAを受信して活用することができる。また、内部のセンサーは、周囲の環境の様々な情報を物理量として検出する検出装置とされている。内部のセンサーおよび外部接続されるセンサーとしては、検出しようとする情報の種類に応じて様々な種類のものが用いられ、例えば、温度センサー、湿度センサー、照度センサー、においセンサー、速度センサー、振動センサー等が、単体あるいは組み合わせて用いられる。シールドケースの内部には回路基板が収納されており、においや室温や部屋の明るさ等の環境の情報が物理量としてセンサーで検出され、検出された物理量が回路基板に設けられた情報処理手段に入力される。情報処理手段では、入力された物理量に基づいて人の行動などの情報を得て、この情報を入力端子から送出できるようにしている。
【0035】
ジャック253にセンサーを備える通信モジュールを接続すると、当該通信モジュールから送信された送信情報信号を他のテレビ端子200が受信して、送信情報信号をベースバンドの見守り情報に戻して自機で求められた見守り情報と共に、920MHzの情報信号とされたDATAとして入力端子から送出することができる。この場合、センサーを備える通信モジュールの構成は、前述したセンサーを備える通信モジュール210とほぼ同様とされるが、通信部が有線による通信を行える構成において相違している。
【0036】
他のテレビ端子200におけるシールドケースの内部に収納されている回路基板に組み込まれている回路構成は、テレビ端子100と同様とされるのでその説明は省略するが、この回路構成により、内部のセンサーおよび外部センサーで検出された物理量に基づいて情報処理を行うことにより、人の行動などの見守り情報を求めて、求められたデジタルデータの見守り情報を920MHzの情報信号とされたDATAとして入力端子から送出している。また、入力端子に入力されたテレビ信号が出力端子113A,113B側の端子から少なくとも出力され、出力端子113A,113Bに入力された上り信号は、入力端子から少なくとも出力される。
なお、ジャック253にセンサーを備える通信モジュールを接続することに替えて、他のテレビ端子200における通信部にLPWAの無線通信機能を有させることにより、センサーを備える通信モジュール210から送信された送信情報信号を他のテレビ端子200が受信して、送信情報信号をベースバンドの見守り情報に戻して自機で求められた見守り情報と共に、920MHzの情報信号とされたDATAとして入力端子から送出するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0037】
自宅などの住居にネット環境を新たに構築することは価格や維持費などから困難とされる場合があるが、住居の壁面等に設置されているテレビ信号が出力されるテレビ端子を備えており、住居にテレビ端子は複数設けられて、テレビ端子間はケーブルで接続されている。本発明の環境情報伝送システムでは、センサーを有するテレビ端子間を接続するケーブルで構築された既存のネットワークを利用してセンサー信号に基づく情報を伝送することができる。
本発明の環境情報伝送システムでは、テレビ端子が有するセンサーにより、室温や部屋の明るさ等の環境情報、血圧や脈拍、呼吸等の生体情報、水道やガス、電気等の設備、電気製品、家具など生活に伴って使用される対象の使用状況、対象物の位置や動作状態を特定する情報等の様々な情報を取得するようにして、センサーにより取得された情報をゲートウェイからクラウドに送出するようにしてもよい。
本発明の環境情報伝送システムが備えるセンサーを有するテレビ端子においては、通信部を備えており、この通信部はDATAをテレビ信号では使用されていない周波数帯域の周波数、例えば920MHzの情報信号として送出している。そして、通信部に無線通信機能をさらに持たせることにより、センサーを備える無線通信機能を有する通信モジュールをテレビ端子にワイヤレスで接続できる。この場合、テレビ端子の通信部と通信モジュールとをLPWAなどの通信方式で接続するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
01 環境情報伝送システム、02 環境情報伝送システム、1 棟内共聴装置、2 棟内共聴装置、10 BS・CSアンテナ、11,12,15 混合器、11a FMアンテナ、11b UHFアンテナ、13 ゲートウェイ、17,19,22,24 双方向増幅装置、18,20,21,23,25 分配器、30,31,32 PS、70,225 MCU、71,211 CPU、72,212 ROM、73,213 RAM、74,214 I/O、75 入力装置、76 表示器、77 広域通信I/F、78,217 通信I/F、79 バス、100 テレビ端子、103 クラウド、104 インターネット、110 端子台、111 シールドケース、112 入力端子、113A,113B 出力端子、120 センサー、121 制御部、122 通信部、123 カプラ、124 DC/DCコンバータ、130 化粧プレート、131 ボックス、132 化粧プレート、200 テレビ端子、210 通信モジュール、216 A/D、218 バス、220 通信手段、230 センサー、250 端子台、251 接続端子、252 USB端子、253 ジャック、260 化粧プレート、1010 CATV局、1011 幹線機器、1012 タップオフ、1013 保安器
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