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特許7412858駐車場の出入口構造およびシャッター警告方法
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  • 特許-駐車場の出入口構造およびシャッター警告方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】駐車場の出入口構造およびシャッター警告方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/10 20060101AFI20240105BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240105BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240105BHJP
   G09F 13/18 20060101ALI20240105BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240105BHJP
   F21W 111/02 20060101ALN20240105BHJP
【FI】
E04H6/10 A
F21S2/00 663
F21V23/00 110
F21S2/00 430
G09F13/18 D
F21Y115:10
F21W111:02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020071720
(22)【出願日】2020-04-13
(65)【公開番号】P2021167544
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-01-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)公開日:令和 2年 2月 7日 公開場所:飯田橋ファーストタワー(東京都文京区後楽2-6-1) (2)公開日:令和 2年 2月13日 公開場所:住友不動産青葉台タワー(東京都目黒区青葉台3-6-28)
(73)【特許権者】
【識別番号】592040826
【氏名又は名称】住友不動産株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087491
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 享
(74)【代理人】
【識別番号】100104271
【弁理士】
【氏名又は名称】久門 保子
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 弘幸
(72)【発明者】
【氏名】辻村 義弘
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-011129(JP,A)
【文献】実開平02-025691(JP,U)
【文献】特開平11-081835(JP,A)
【文献】特開2018-145655(JP,A)
【文献】特開平09-179512(JP,A)
【文献】特開平02-062586(JP,A)
【文献】特開平05-290235(JP,A)
【文献】実開昭47-020179(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0012481(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00
E04H 6/10
E04H 6/42
E06B 9/00
E01F 9/00
E01F 13/00
F21S 2/00
F21V 23/00
G08B 5/00
G09F 13/00-13/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の出入口に設置された電動式のシャッターと、前記シャッターを常時開放状態とする開放モードと、特定時間帯に閉鎖状態とし車両通過時のみ開放する閉鎖モードとの間で切替えを行うモード切替手段と、前記出入口に通じる車路に設けられ前記出入口に向かう車両の通過を感知するセンサーと、前記閉鎖モード時に前記センサーからの信号により前記シャッターを一時的に開放する自動開閉手段とを備えた駐車場の出入口構造であって、前記シャッターと前記センサーとの間の車路の壁面の1または複数個所に、前記閉鎖モード時に前記シャッターが作動している間点灯もしくは点滅し、車両の運転者に前記シャッターが開閉動作中であることを警告するためのシャッター警告用照明パネルが取り付けられていることを特徴とする駐車場の出入口構造。
【請求項2】
請求項1記載の駐車場の出入口構造において、前記シャッター警告用照明パネルは、該照明パネルの側端に設けられたLED光源と、該照明パネルの内側に前記LED光源の光を導入する導光板と、前記導光板の裏面側に配置され前記LED光源から前記導光板の面内へ照射された光を反射させる反射板と、前記導光板の表面側に配置され警告表示のための発光部分を透明または半透明として導光板の表面側からの面発光を透過させて警告を表示する警告表示板と、該照明パネルを前記車路の壁面に取り付けるための取付金具とを備えたものであることを特徴とする駐車場の出入口構造。
【請求項3】
請求項記載の駐車場の出入口構造において、前記警告表示板の上面に暗色の半透明板を設けて、前記シャッター警告用照明パネルの消灯状態において、前記警告表示板の発光部分が見えにくくなるようにしてあることを特徴とする駐車場の出入口構造。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載の駐車場の出入口構造において、前記出入口に通じる車路に曲線区間を設け、前記シャッター警告用照明パネルを前記曲線区間の外側の側壁面に取り付けてあることを特徴とする駐車場の出入口構造。
【請求項5】
請求項1~4の何れかに記載の駐車場の出入口構造において、前記シャッターの手前の車路に停止線を設けたことを特徴とする駐車場の出入口構造。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載の駐車場の出入口構造において、前記シャッターの手前の車路の壁面に前記シャッターが作動している間は一時停止しておくように車両の運転者へ警告するための提示板を設けたことを特徴とする駐車場の出入口構造。
【請求項7】
請求項1~6の何れかに記載の駐車場の出入口構造を利用して、前記閉鎖モード時に車両の運転者に前記シャッターが開閉動作中であることを警告するためのシャッター警告方法であって、前記センサーが前記出入口に向かう車両の通過を感知したときに、前記シャッター警告用照明パネルを前記シャッターが動作している時間点灯もしくは点滅させることを特徴とする駐車場の出入口のシャッター警告方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の出入口にセンサーで開閉するシャッターが設けられている駐車場におけるシャッターの開閉動作中のシャッターへの車両の衝突を防止するための駐車場の出入口構造およびシャッター警告方法に関するものである。
【0002】
従来、文字などを表示する薄肉の照明パネルとして、LED等の光源を利用した照明パネルが開発されており、例えば特許文献1~3がある。
【0003】
特許文献1には、LED光源と、LED光源の光を側面側より導入して上面意匠面より放出する導光体と、を備えた照明装置が記載されている。導光体には、側面側より導入した光の中でLED光源近傍に位置する導光体の裏面に向かう光を遮断する光遮断面が形成されている。
【0004】
特許文献2には、導光板と、その導光板の端面に光を照射する光源と、光透過性の透明体および導光板の間に表示体を介在させた状態で導光板を透明体に保持する第1保持手段と、を備える導光板ユニットが記載されている。
【0005】
特許文献3には、表示体が載置されている光照射面と、その光照射面へ向けて光を反射する光反射面とを両面に有し平板上に形成された導光板と、その導光板の光照射面側に配設され、その導光板との間に表示体を挟持する平板状に形成された押さえ板と、導光板の側面に配設され厚さがその側面以下に形成されると共に、その側面へ向けて光を照射する発光体とを備えたライトパネルが記載されている。発光体から導光板の側面へ照射された光を光照射面から照射して導光板と押さえ板との間に挟持された表示体を照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-279817号公報
【文献】特開2018-013778号公報
【文献】特開2007-123133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的なビルなどの駐車場には、出入口にセンサーで開閉することのできる管理用シャッターが車路に設けられている。昼間はシャッターが開けられたままのことが多いが、夜間になるとシャッターが閉鎖されており、車がシャッターに近付くとセンサーが感知して、作動を開始する。
【0008】
しかし、シャッターが上がりきらないうちに車が通過しようとして、シャッターに車の荷台などをぶつける事故が多発している。そこで、警告表示を行う必要があるが、既存の信号や照明付きの物は厚さが300mm以上あるものが多く、それらを設置した場合に車路を狭めてしまうことになる。車路の余裕が左右各100mm程度しかない車路幅が限られている車路に設けるのは難しい。また、LEDを集積した薄肉の信号灯などが開発されているがコストが高い。
【0009】
特許文献1記載の照明装置は、LED光源が砲弾型、チップ型等、種々のタイプのLEDを採用できるが、パネルとしては厚く、駐車場の車路にこの照明装置を設けると車路を狭めてしまう。
【0010】
そこで本発明は、センサーを感知して開閉するシャッターが設けられている駐車場の出入口において、シャッターが上がり切らないうちにシャッターの下を通過しないように警告することができ、車路を狭めることのない警告板を設けた駐車場の出入口構造およびシャッター警告方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る駐車場の出入口構造は、駐車場の出入口に設置された電動式のシャッターと、シャッターを常時開放状態とする開放モードと、特定時間帯に閉鎖状態とし車両通過時のみ開放する閉鎖モードとの間で切替えを行うモード切替手段と、出入口に通じる車路に設けられ出入口に向かう車両の通過を感知するセンサーと、閉鎖モード時にセンサーからの信号によりシャッターを一時的に開放する自動開閉手段とを備えた駐車場の出入口構造であって、シャッターとセンサーとの間の車路の壁面の1または複数個所に、閉鎖モード時に前記シャッターが作動している間点灯し、車両の運転者に前記シャッターが開閉動作中であることを警告するためのシャッター警告用照明パネルが取り付けられていることを特徴とするものである。
【0012】
シャッターが作動している間、車路の壁面に設けたシャッター警告用照明パネルを点灯させることで、シャッターが上がりきる前に車両の運転者が車両を通過しないように警告することができる。シャッター警告用照明パネルを取り付ける位置は、車両の運転者の目線を考慮して、低い位置に取りつけることが必要であり、例えば高さ1.5m程度を中心とした位置に取り付けるとよい。
【0013】
シャッター警告用照明パネルは、照明パネルの側端に設けられたLED光源と、照明パネルの内側にLED光源の光を導入する導光板と、導光板の裏面側に配置されLED光源から導光板の面内へ照射された光を反射させる反射板と、導光板の表面側に配置され警告表示のための発光部分を透明または半透明として導光板の表面側からの面発光を透過させて警告を表示する警告表示板と、照明パネルを車路の壁面に取り付けるための取付金具とを備えたものであることを特徴とするものである。
【0014】
LED光源を照明パネルの側端にのみ設けることで、コストが安く、薄くて軽い照明パネルを作ることができる。導光板の裏側に反射板を設けて、側端にあるLED光源から導光板に導入して照射した光を反射板で反射させる。反射させた光は、警告表示板の発光部分を透明または半透明として導光板の表面側からの面発光を透過させることによって、警告表示板に記載した表示体の視認性を高めることができる。また、シャッター警告用照明パネルの裏面に取付金具を設けて、車路の壁に取り付けられるようにし、車路を狭めないようにシャッター警告用照明パネルを設置する。
【0015】
警告表示板の上面に暗色の半透明板を設けて、シャッター警告用照明パネルの消灯状態において、警告表示板の発光部分が見えにくくするとよい。
【0016】
日中は、シャッターが開放されていることが多く、シャッター警告用照明パネルの表示体を表示させる必要がない。シャッターが開放されている間は、シャッター警告用照明パネルのLED光源を消しておけば、警告表示板の上面に設けた暗色の半透明板(スモーク板)によって、シャッター警告用照明パネルに表示される表示体がほぼ消えている状態にすることができる。
【0017】
本発明に係る駐車場の出入口構造において、出入口に通じる車路に曲線区間を設け、シャッター警告用照明パネルを曲線区間の外側の側壁面に取り付けてあるとよい。
【0018】
出入口に通じる車路に曲線区間を設けて、その曲線区間にもシャッター警告用照明パネルを設けることによって、走行速度が減速され、駐車場における共連れ防止にも効果的である。
【0019】
本発明に係る駐車場の出入口構造では、シャッターの手前の車路に停止線を設けるとよい。昼間、シャッターが開いている状態では、一時停止の必要性は少ないが、シャッター作動時において、シャッター警告用照明パネルの他に、車路に停止線があることで、車両の運転者にシャッターの手前で一時停止をしなければならないという意識を持たせることができる。
【0020】
また、シャッターの手前の車路の壁面にシャッターが作動している間は一時停止しておくように車両の運転者へ警告するための提示板を設けてもよい。シャッター警告用照明パネルや停止線の他に、「一時停止」などと記載した掲示板をシャッターの手前の車路の壁面に設けると、車両の運転者に目につき、一時停止しようと意識させようとするとよい。
【0021】
本発明に係る駐車場の出入口構造を利用して、閉鎖モード時に車両の運転者にシャッターが開閉動作中であることを警告するためのシャッター警告方法であって、センサーが出入口に向かう車両の通過を感知したときに、シャッター警告用照明パネルをシャッターが動作している時間点灯もしくは点滅させることを特徴とする駐車場の出入口のシャッター警告方法である。
【0022】
駐車場の出入口構造において、センサーで出入口に向かう車両を感知し、シャッターが開閉動作を始めたら、シャッター警告用照明パネルを点灯もしくは点滅させて、車両の運転者にシャッターが開閉動作中であることを警告し、シャッターの開閉動作が終わったら、シャッター警告用照明パネルを消灯すればよい。特に、単に点灯させるだけでなく、点滅させることで、シャッター警告用照明パネルが周囲の照明や提示板に比較して特別に目立つ状態となるため、運転者に対する注意喚起の効果が大きい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の駐車場の出入口構造では、シャッター警告用照明パネルをシャッターの手前の壁に1または複数箇所に設けることによって、シャッターが作動中にシャッターの下を車両が通過しようとして、車の荷台がぶつかってしまう事故を未然に防ぐことができる。
【0024】
本発明のシャッター警告用照明パネルは、片側の側面にしかLED光源のない導光板を用いることで、コストが安く、薄くて軽いパネルとなり、車路の壁に取り付けても車路を狭めることがない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係る駐車場の出入口構造の一実施形態を示した概略図である。
図2図1の実施形態において、出入口に通じる車路を示した概略図である。
図3図1とは異なる駐車場の出入口構造の一実施形態を示した概略図である。
図4】本発明に係るシャッター警告用照明パネルの一実施形態を示したものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は(c)のA-A断面図である。
図5図4とは別のシャッター警告用照明パネルの一実施形態を示したものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は(a)のA-A断面詳細図である。
図6】本発明に係るシャッター警告用照明パネルの例を示した概略図であり、(a)は「シャッター動作中」という表示体、(b)は信号タイプ、(c)は踏切タイプの信号を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の駐車場の出入口構造における具体的な実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1、2は、本発明の駐車場の出入口構造の一実施形態を示した概略図である。
【0027】
図1は、駐車場の出口付近を示している。出口にはセンサーで感知して開閉するシャッター2が設けられている。車路は曲線になっており、シャッター2の手前に、「止まれ」の停止線5がある。停止線5の横の壁沿いには、「一時停止 シャッター自動降下注意」と記載された提示板4が設けられている。提示板4の両側2か所には、縦長の照明3が取り付けられている。
【0028】
また、シャッター2の手前の壁沿いには、「シャッター作動中」という表示体のシャッター警告用照明パネル1が取り付けられている。シャッター警告用照明パネル1の取付位置は、運転者の視界に入る必要があり、図1に示したように、車両が停止線5で停止した時に正面の視界に入るような位置、例えば高さ1.5m程度を中心とした位置に取り付けるとよい。
【0029】
図2は、図1に示した出口に通じる車路を示した概略図であり、図2で示している掲示板4と停止線5は、図1に示したものである。図1の出口に通じる車路に曲線区間を設けており、複数の照明3が壁沿いに取り付けられている。図2に示した車路の中間あたりの壁に、シャッター警告用照明パネル1が取り付けられている。出口に通じる車路に曲線区間を設けることで、車両の走行速度が減速される。また、この曲線区間にもシャッター警告用照明パネル1を設けることで、シャッター警告用照明パネル1が視界に入り、シャッター2が作動中であることをより運転者に意識づけることができる。
【0030】
車路に設けられたセンサー(図示せず)が車両の通過を感知し、センサーからの信号によって、シャッターが作動を開始すると、シャッター警告用照明パネル1を点灯または点滅を始める。シャッター2が作動中の間は、シャッター警告用照明パネル1の点灯または点滅を続けるとよい。
【0031】
図3は、図1、2とは異なる駐車場の出口構造を示した概略図であり、車両をセンサーが感知して、シャッター2が作動している様子を示したものである。出口に向かう車路は、車両が減速するように上り坂になっており、シャッター2の手前に「止まれ」の停止線5がある。
【0032】
右側の側壁には、照明3が3か所に取り付けられており、停止線の左側の壁には「シャッター注意」の提示板4が設けられている。出口には、シャッター2が設けられており、シャッター2の上には、横長のシャッター警告用照明パネル1が取り付けられ、点灯または点滅している。
【0033】
図4は、シャッター警告用照明パネル1の一実施形態を概略的に示したものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は(c)のA-A断面図である。図4(a)に示したようにシャッター警告用照明パネル1は、パネルの四方をフレーム1gで囲んでいる。比較的サイズの大きいものを想定しており、例えば2m位のパネルである。シャッター警告用照明パネル1の上端部と下端部、その中間部に取付金具1fを設けており、取付金具1fは、L型断面のものをボルトでパネル1に取り付けている。
【0034】
図5は、図4よりも小さいサイズを想定したシャッター警告用照明パネル1の一実施形態を示したものであり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は(a)のA-A断面詳細図である。図2(a)、(c)に示したように、LED光源1aはシャッター警告用照明パネル1の片方の側面だけに設けられている。LED光源1aを片側だけにすることで、薄くて軽く、コストを安く抑えることができる。シャッター警告用照明パネル1が薄いため、車路幅が限られている車路にでも取り付けることができる。
【0035】
図5のパネル1は、例えば1.2m程度の大きさを想定しており、片側一方だけフレーム1gを取り付けず、フレーム1gを三方とした。フレーム1gを三方にすることによって、フレームがない一方からLED光源の光が放射される。シャッター警告用照明パネル1をシャッター付近に取り付けた場合、その放射された光が、シャッターを照らし、シャッターの作動を意識する効果が高まる。特にシャッター2がリングシャッターの場合、地下駐車場では見えにくく、シャッター警告用照明パネル1から放射される光がリングシャッターに当たり、運転者からシャッターが確認しやすくなって有効的である。
【0036】
シャッター警告用照明パネル1の背面には、上端部と下端部に取付金具1fが取り付けられている。取付金具1fは、L字型の金具を向かい合わせにしたレール状であるが、駐車場の壁に取り付けられる金具であれば、形状や材質などは特に限定されない。
【0037】
シャッター警告用照明パネル1の断面を図5(d)に示した。シャッター警告用照明パネル1の片側の側方にLED光源1aが設けられている。シャッター警告用照明パネル1の内側には、LED光源1aの光を導入するための導光板1dがある。導光板1dの外側には、文字などの表示体を記載した警告表示板1cがある。LED光源1aの周囲には放熱板1bが設けられており、LED光源1aの熱を放熱させる。
【0038】
導光板1dの背面に設けた反射板1eは、LED光源1aから導光板1dへ照射された光を反射させ、警告表示板1cに記載した表示体の視認性を高める効果がある。
【0039】
また、駐車場の出入口などに設けたシャッター2は、日中開放しておくことが多く、シャッター警告用照明パネル1を表示させる必要がない。例えば、警告表示板1bの表面を暗色の半透明板(スモーク板)で覆い、LED光源1aの電源を切っておくと、警告表示板1cの表示体にスモークがかかり、運転者から表示体が見えないようになる。
【0040】
色については、スモーク板を付ける場合は例えば黒地に白い文字とし、その他シャッターが作動していない時も目立たせたい場合は黄地に黒文字としたり、赤地に白い文字としたりするとよい。また、文字に縁取りを付ける場合と付けない場合とがある。
【0041】
図6には、シャッター警告用照明パネル1の実施例を概略図で示した。図6(a)は、縦長のパネルであり、「シャッター作動中」という表示体が記載されている。また、表示体の縁取り部分を透明もしくは半透明にしておけば、縁取り部分から発光され、表示体の視認性が高まる。
【0042】
シャッター警告用照明パネル1の色は、運転者の目につくような色であればどんな色でもよい。表示体はどのようなものでもよいが、例えば「シャッター作動中」、「シャッター可動中」という表示体などシャッターが作動していることがわかるような表示体であることが好ましい。
【0043】
図6(b)は図6(a)の看板タイプとは異なり、信号タイプを示した。上には「止まれ」の文字、下には「進め」の文字を記載している。また、図6(c)のような踏切の信号のようなものでもよい。図6(b)、(c)のような信号タイプのシャッター警告用照明パネル1であれば、青信号になったらシャッターの下を通過すればよい。色は、図6(a)と同様に運転者の目につくような色であればどんな色でもよいが、例えば上を赤、下を青とすると、日常で目にする信号と同様の配色でわかりやすい。
【0044】
また、シャッター付近に設けるものとして、シャッター警告用照明パネル1の他に掲示板4、停止線5、回転灯(図示せず)などを設けると、事故防止により効果的である。実際に、掲示板4、停止線5、回転灯を全て設けると、作動中のシャッターに車両の荷台がぶつかる事故が減る傾向がみられた。
【0045】
シャッター警告用照明パネル1の設置方法は、例えばシャッター警告用照明パネル1の取付位置上下2本ずつに固定するためのアンカーボルトを取り付ける。壁から突き出たアンカーボルトを取付金具1fに貫通させ、ナットで締めて固定すればよい。また、シャッター警告用照明パネル1が壁に沿った状態ではなく、シャッター警告用照明パネル1が運転者に向かって正面を向くように設置するために、長いアンカーボルトと短いアンカーボルトを使用するとよい。
【0046】
また、LED光源1aの配線は、例えば、シャッター警告用照明パネル1の上部もしくは近くにコントロールボックスを設置して、LED光源1aの端末と配線を接続すればよく、シャッター警告用照明パネル1のLED光源1aを電源に繋げることができればどのような方法でもよい。
【符号の説明】
【0047】
1:シャッター警告用照明パネル
1a:LED光源
1b:放熱板
1c:警告表示板
1d:導光板
1e:反射板
1f:取付金具
1g:フレーム
2:シャッター
3:照明
4:提示板
5:停止線
図1
図2
図3
図4
図5
図6