(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】調節可能な音響インターフェース拡声器
(51)【国際特許分類】
H04R 1/32 20060101AFI20240105BHJP
H04R 1/30 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H04R1/32 310Z
H04R1/30 A
H04R1/32 310A
(21)【出願番号】P 2018246570
(22)【出願日】2018-12-28
【審査請求日】2021-12-17
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592051453
【氏名又は名称】ハーマン インターナショナル インダストリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ライリー ウィントン
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド モシントン
(72)【発明者】
【氏名】クリス ルドウィグ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー マイケル トレステン
【審査官】渡邊 正宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0123156(US,A1)
【文献】特開2010-177724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00
H04R 1/02
H04R 1/20- 1/40
H04R 5/02
H04R 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバと、
バスケット構造と、
前記ドライバを取り囲む音響インターフェースであって、前記音響インターフェースの外側部分が、前記バスケット構造によって支持され、かつ、前記バスケット構造に固定され、前記音響インターフェースの内側部分が、前記ドライバの外側部分に結合される、音響インターフェースと、
前記ドライバを
前記バスケット構造に対する第1の位置と、
前記バスケット構造に対する第2の位置のうちの少なくとも一方に位置決めするように構成された位置決め要素と
を備え
、
前記第1の位置は、前記音響インターフェースの平坦な構成である、拡声器。
【請求項2】
前記音響インターフェースは、平坦なバッフルと、ホーンインターフェースのうちの少なくとも一方のために面を提供するように構成されたバッフル材である、請求項1に記載の拡声器。
【請求項3】
前記位置決め要素は、線形アクチュエータ及び多重運動アクチュエータのうちの少なくとも一方である、請求項1に記載の拡声器。
【請求項4】
前記位置決め要素は、前記ドライバの位置及び方向のうちの少なくとも一方を調節するように構成されている、請求項1に記載の拡声器。
【請求項5】
前記位置決め要素は、前記音響インターフェースに関するホーン構成を形成するために、前記ドライバを前記第1の位置から前記第2の位置に後退させるように構成される、請求項1に記載の拡声器。
【請求項6】
前記音響インターフェースは、ガスケット要素によって前記バスケット構造に固定される、請求項1に記載の拡声器。
【請求項7】
前記音響インターフェースは、前記バスケット構造の中に後退させられる際、前記バスケット構造の内面に適合するように構成されている、請求項1に記載の拡声器。
【請求項8】
ドライバと、
バスケット構造と、
前記ドライバを取り囲む音響インターフェースであって、前記音響インターフェースの外側部分が、前記バスケット構造によって支持され、かつ、前記バスケット構造に固定され、前記音響インターフェースの内側部分が、前記ドライバの外側部分に結合される、音響インターフェースと、
前記ドライバを
前記バスケット構造に対する第1の位置と、
前記バスケット構造に対する第2の位置のうちの少なくとも一方に位置決めするように構成された位置決め要素と
を備え、
前記バスケット構造に対する前記第1の位置は、前記音響インターフェースに関するバッフル構成であり、前記バスケット構造に対する前記第2の位置は、前記音響インターフェースに関するホーン構成である
、拡声器。
【請求項9】
前記バスケット構造を有するように形成される筐体構造をさらに備え、前記筐体構造は、前記位置決め要素を収容するように構成されている、請求項1に記載の拡声器。
【請求項10】
ドライバと、
筐体構造と、
前記ドライバを取り囲む可撓性の音響インターフェースであって、前記可撓性の音響インターフェースの外側部分が、前記筐体構造によって支持され、かつ、前記筐体構造に固定され、前記可撓性の音響インターフェースの内側部分が、前記ドライバの外側部分に結合される、可撓性の音響インターフェースと、
前記ドライバを
前記筐体構造に対する第1の位置と、
前記筐体構造に対する第2の位置のうちの少なくとも一方に位置決めするように構成された位置決め要素と
を備え
、
前記第1の位置は、前記可撓性の音響インターフェースの平坦な構成である、拡声器。
【請求項11】
前記可撓性の音響インターフェースは、平坦なバッフルと、ホーンインターフェースのうちの少なくとも一方のために面を提供するように構成されたバッフル材である、請求項
10に記載の拡声器。
【請求項12】
前記位置決め要素は、線形アクチュエータ及び多重運動アクチュエータのうちの少なくとも一方である、請求項
10に記載の拡声器。
【請求項13】
前記位置決め要素は、前記ドライバの位置及び方向のうちの少なくとも一方を調節するように構成されている、請求項
10に記載の拡声器。
【請求項14】
前記位置決め要素は、前記可撓性の音響インターフェースに関するホーン構成を形成するために、前記ドライバを前記第1の位置から前記第2の位置に後退させるように構成される、請求項
10に記載の拡声器。
【請求項15】
前記可撓性の音響インターフェースは、ガスケット要素によって前記筐体構造に固定される、請求項
10に記載の拡声器。
【請求項16】
前記可撓性の音響インターフェースは、前記筐体構造の中に後退させられる際、前記筐体構造の内面に適合するように構成されている、請求項
10に記載の拡声器。
【請求項17】
ドライバと、
筐体構造と、
前記ドライバを取り囲む可撓性の音響インターフェースであって、前記可撓性の音響インターフェースの外側部分が、前記筐体構造によって支持され、かつ、前記筐体構造に固定され、前記可撓性の音響インターフェースの内側部分が、前記ドライバの外側部分に結合される、可撓性の音響インターフェースと、
前記ドライバを
前記筐体構造に対する第1の位置と、
前記筐体構造に対する第2の位置のうちの少なくとも一方に位置決めするように構成された位置決め要素と
を備え、
前記筐体構造に対する前記第1の位置は、前記可撓性の音響インターフェースに関するバッフル構成であり、前記筐体構造に対する前記第2の位置は、前記可撓性の音響インターフェースに関するホーン構成である
、拡声器。
【請求項18】
前記筐体構造は、前記位置決め要素を収容するように構成されている、請求項
10に記載の拡声器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、発明の名称がADJUSTABLE ACOUSTIC INTERFACE LOUDSPEAKER、2017年12月29日に出願された米国仮出願第62/612,001号に対して優先権を主張しており、この出願の内容は、その全体が参照により明白に組み込まれている。
【0002】
本開示は、音声出力装置に関し、より詳細には調節可能な音響インターフェースを有する拡声器に関する。
【背景技術】
【0003】
拡声器は、固定された位置で作動するように通常構成されている。これに加えて、設計者等は典型的には、特定の用途のためにスピーカー構成を選んでいる。多くの用途に関してスピーカーを完全に変更せずに音響的特性を変えることは極めて難しい場合がある。一例として、乗り物のスピーカーの取り付け位置及び構成は、時間、パッケージング、質量または他の同様の制約によって実施するのに手間がかかる場合がある。さらに、ひとたび構成されると、このような取り付け位置及び音響インターフェースは、永久に固定されることが多く、そのため、拡声器の適応性を1つの特定の利用の実例またはかなり限定された一セットの利用の実例に縮小している。一部の音響インターフェースからの品質の低下は、空間的/指向性の拡声器の特徴を果たすのが不十分になる、または他のhigh-Q(急峻な)周波数による影響として通常現れる。このような問題は、音響学及び物理学によって純粋に断定されるため、電気的等化または任意の他のソフトウェア技術によってなくすことはできない。改善され調節可能な音響出力を備えた拡声器構成を求める要望が実在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書には、拡声器構成が開示されクレーム主張されている。一実施形態は、ドライバと、バスケット構造と、ドライバを取り囲む音響インターフェースとを含む拡声器を対象としている。音響インターフェースの外側部分は、バスケット構造によって支持されている。拡声器は、ドライバをバスケット構造に対する第1の位置と、バスケット構造に対する第2の位置のうちの少なくとも一方に位置決めするように構成された位置決め要素を含む。
【0005】
一実施形態において、音響インターフェースは、平坦なバッフルと、ホーンインターフェースのうちの少なくとも一方のために面を提供するように構成されたバッフル材である。
【0006】
一実施形態において、位置決め要素は、線形アクチュエータ及び多重運動アクチュエータのうちの少なくとも一方である。
【0007】
一実施形態において、位置決め要素は、ドライバの位置及び方向のうちの少なくとも一方を調節するように構成されている。
【0008】
一実施形態において、第1の位置は、音響インターフェース要素の平坦な構成である。
【0009】
一実施形態において、位置決め要素は、音響インターフェースに関するホーン構成を形成するために、ドライバを第1の位置から第2の位置に後退させるように構成されている。
【0010】
一実施形態において、音響インターフェースは、ガスケット要素によってバスケット構造に固定される。
【0011】
一実施形態において、音響インターフェースは、バスケット構造の中に後退させられる際、バスケット構造の内面に適合するように構成されている。
【0012】
一実施形態において、バスケット構造に対する第1の位置は、音響インターフェースに関するバッフル構成であり、バスケット構造に対する第2の位置は、音響インターフェースに関するホーン構成である。
【0013】
一実施形態において、拡声器は、バスケット構造を有するように形成される筐体構造を含み、筐体構造は、位置決め要素を収容するように構成されている。
【0014】
一実施形態は、ドライバと、筐体構造と、ドライバを取り囲む可撓性の音響インターフェースとを含む拡声器を対象としており、可撓性の音響インターフェースの外側部分は筐体構造によって支持される。拡声器は、ドライバを筐体構造に対する第1の位置と、筐体構造に対する第2の位置のうちの少なくとも一方に位置決めするように構成された位置決め要素を含む。
【0015】
他の態様、特徴及び技術は、実施形態の以下の詳細な記載を鑑みることで当業者にとって明白であろう。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
ドライバと、
バスケット構造と、
前記ドライバを取り囲む音響インターフェースであって、外側部分が前記バスケット構造によって支持される、前記音響インターフェースと、
前記ドライバを
前記バスケット構造に対する第1の位置と、
前記バスケット構造に対する第2の位置のうちの少なくとも一方に位置決めするように構成された位置決め要素と、を備える、拡声器。
(項目2)
前記音響インターフェースは、平坦なバッフルと、ホーンインターフェースのうちの少なくとも一方のために面を提供するように構成されたバッフル材である、上記項目に記載の拡声器。
(項目3)
前記位置決め要素は、線形アクチュエータ及び多重運動アクチュエータのうちの少なくとも一方である、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目4)
前記位置決め要素は、前記ドライバの位置及び方向のうちの少なくとも一方を調節するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目5)
前記第1の位置は、前記音響インターフェース要素の平坦な構成である、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目6)
前記位置決め要素は、前記音響インターフェースに関するホーン構成を形成するために、前記ドライバを前記第1の位置から前記第2の位置に後退させるように構成される、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目7)
前記音響インターフェースは、ガスケット要素によって前記バスケット構造に固定される、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目8)
前記音響インターフェースは、前記バスケット構造の中に後退させられる際、前記バスケット構造の内面に適合するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目9)
前記バスケット構造に対する前記第1の位置は、前記音響インターフェースに関するバッフル構成であり、前記バスケット構造に対する前記2の位置は、前記音響インターフェースに関するホーン構成である、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目10)
前記バスケット構造を有するように形成される筐体構造をさらに備え、前記筐体構造は、前記位置決め要素を収容するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目11)
ドライバと、
筐体構造と、
前記ドライバを取り囲む可撓性の音響インターフェースであって、外側部分が前記筐体構造によって支持される、前記音響インターフェースと、
前記ドライバを
前記筐体構造に対する第1の位置と、
前記筐体構造に対する第2の位置のうちの少なくとも一方に位置決めするように構成された位置決め要素と、を備える、拡声器。
(項目12)
前記可撓性の音響インターフェースは、平坦なバッフルと、ホーンインターフェースのうちの少なくとも一方のために面を提供するように構成されたバッフル材である、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目13)
前記位置決め要素は、線形アクチュエータ及び多重運動アクチュエータのうちの少なくとも一方である、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目14)
前記位置決め要素は、前記ドライバの位置及び方向のうちの少なくとも一方を調節するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目15)
前記第1の位置は、前記可撓性の音響インターフェース要素の平坦な構成である、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目16)
前記位置決め要素は、前記可撓性の音響インターフェースに関するホーン構成を形成するために、前記ドライバを前記第1の位置から前記第2の位置に後退させるように構成される、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目17)
前記可撓性の音響インターフェースは、ガスケット要素によって前記筐体構造に固定される、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目18)
前記可撓性の音響インターフェースは、前記筐体構造の中に後退させられる際、前記筐体構造の内面に適合するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目19)
前記筐体構造に対する前記第1の位置は、前記可撓性の音響インターフェースに関するバッフル構成であり、前記筐体構造に対する前記2の位置は、前記可撓性の音響インターフェースに関するホーン構成である、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(項目20)
前記筐体構造は、前記位置決め要素を収容するように構成されている、上記項目のいずれか一項に記載の拡声器。
(摘要)
本開示は、拡声器及び拡声器構成に関する。一実施形態において、拡声器は、ドライバと、バスケット構造と、ドライバを取り囲む音響インターフェースとを含む。音響インターフェースの外側部分は、バスケット構造によって支持することができる。本明細書において提供される拡声器構成は、ドライバをバスケット構造に対する第1の位置と、バスケット構造に対する第2の位置のうちの少なくとも一方に位置決めするように構成された位置決め要素を含むことができる。他の実施形態は、拡声器の構成要素及び構成を対象としている。一実施形態において、拡声器は、筐体構造と、拡声器のドライバを取り囲むための可撓性の(例えば伸張式)音響インターフェースとを含む。
【0016】
本開示の特徴、目的及び利点は、図面と併せて利用される際、以下に記載される詳細な説明からより明らかになると思われ、図面における同様の参照符号は、全体を通して対応するように特定している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1Aは、1つまたは複数の実施形態による拡声器を描いている。
図1Bは、1つまたは複数の実施形態による拡声器を描いている。
【
図2A】1つまたは複数の実施形態による拡声器の断面図を描いている。
【
図2B】1つまたは複数の実施形態による拡声器の断面図を描いている。
【
図3-1】
図3Aは、1つまたは複数の実施形態による拡声器の図式的な表現を描いている。
【
図3-2】
図3Bは、1つまたは複数の実施形態による拡声器の図式的な表現を描いている。
図3Cは、1つまたは複数の実施形態による拡声器の図式的な表現を描いている。
【
図4】
図4Aは、1つまたは複数の実施形態による拡声器の調節の図式的な表現を描いている。
図4Bは、1つまたは複数の実施形態による拡声器の調節の図式的な表現を描いている。
図4Cは、1つまたは複数の実施形態による拡声器の調節の図式的な表現を描いている。
図4Dは、1つまたは複数の実施形態による拡声器の調節の図式的な表現を描いている。
【発明を実施するための形態】
【0018】
概要及び専門用語
本開示の一態様は、拡声器のための調節可能な音響インターフェースを提供するための拡声器の機構を対象としている。
実施形態は、1つまたは複数の拡声器の構造に関して本明細書で考察される。
一例として、拡声器構成は、拡声器の筐体構造(例えばバスケット構造)に対して1つまたは複数の位置を有するドライバと、ドライバの調節によって調節するための可撓性の音響インターフェースとを含むように提供される。一実施形態において、音響インターフェースは、平坦なバッフル構成と、ホーン構成とを提供するように構成されてよい。本開示の実施形態は、同一の拡声器装置から複数の音響的音声構成を可能にする。
【0019】
一実施形態は、ドライバと、筐体構造と、ドライバを取り囲む音響インターフェースとを有する拡声器を対象としている。筐体構造は、ドライバの位置決めを可能にするための内部空間と、1つまたは複数の可動要素とを有するバスケット構造であってよい。音響インターフェースは、ドライバを取り囲んでよく、音響インターフェースの外側部分はバスケット構造によって固定される。位置決め要素は、ドライバをバスケット構造に対する位置の少なくとも1つに位置決めするように構成されてよい。ドライバ要素の位置決め作業は、ドライバの方向及び/またはドライバ要素の後退に対する調節を含んでよい。
【0020】
別の実施形態は、ドライバ用の調節可能な音響インターフェースを有する拡声器を対象としている。音響インターフェースは、平坦なバッフルと、ホーンインターフェースのうちの少なくとも一方のために面を提供するように構成されたバッフル材である。
【0021】
実施形態は、拡声器構成及び構成要素を対象としている。一実施形態において、拡声器は、筐体構造と、1つまたは複数の調節可能要素とを含む。
【0022】
別の実施形態は、調節可能な音響インターフェースのために移動機構を提供することを対象としている。本明細書で考察される拡声器は、拡声器の音響インターフェースを調節するための可動要素、例えば機械化された構成を含んでよい。可動要素は、1つまたは複数の最適化された音響インターフェースを表現するために、拡声器、拡声器筐体、または取り囲む音響インターフェース基体を移動させるために1つまたは複数の駆動要素、例えば電動式の組立体を含んでよい。1つの例示の実施形態では、拡声器バッフルとして存在する伸張可能な材料(例えばシリコン、ゴム、一般的な伸張材料)を有するシリンダ内にツィーターを設置することができる。スピーカーはこのとき後方に移動させることができ、これにより、バッフル材を所与の形態にわたって引き伸ばし、拡声器に特有のホーンまたは導波管音響インターフェースを提供することができる。この構成の1つの利点は、拡声器の指向性を提供することであってよい。例えば、拡声器を標準的な音響体験のための従来のバッフル付きの取り付け位置に配置することができる、及び/またはスピーカーが、隔離された音響体験環境において指向性を制御するために、管状またはホーン状の音響インターフェースの中に後退させられる場合もある。
【0023】
本明細書で考察される実施形態及び構成は、時間、パッケージング、質量または他の同様の制約によって実施するのに手間がかかる可能性がある乗り物のスピーカーの取り付け位置及び構成の1つまたは複数の欠点を克服することができる。加えて、乗り物における一部の利用の実例は、完全に正反対のスピーカー音響インターフェースを必要とする場合もある。本明細書で考察される実施形態は、拡声器を追加せずに多くの要件を満たすための解決策を提供する。
【0024】
実施形態は、拡声器の出力(例えば固有の音響特性など)をモジュラー式で調節可能なシステムに調節する作業を対象としている。より具体的には、実施形態は、乗り物の客室に拡声器の音響インターフェースの作用を誘導することを対象としている。
【0025】
拡声器構成は、特定の用途に関して本明細書で考察されているが、本明細書で考察される拡声器構成は、他の装置に、かつ付加的な用途のために適用される場合もあることを理解されたい。
【0026】
本明細書で使用される際、用語「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1つ、または2つ以上を意味すべきである。用語「複数の」は、2つ、または3つ以上を意味すべきである。用語「別の」は、第2の、またはそれ以上として定義される。用語「含む」及び/または「有する」は、オープンエンドである(例えば備える)。本明細書で使用される際、用語「または」は、包括的である、または任意の1つもしくは任意の組み合わせを意味するものとして解釈すべきである。したがって、「A、BまたはC」は、「以下のA;B;C;AとB;AとC;BとC;A、B及びCのいずれか」を意味する。この定義に対する例外は、要素、機能、ステップまたは行為の組み合わせが一部のやり方において本質的に相互に排他的である場合に限って生じる。
【0027】
「一つの実施形態」、「特定の実施形態」、「一実施形態」または同様の用語に対する本文献を通しての参照は、その実施形態に関連して記載される特定の機構、構造または特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よってそのようなフレーズが本明細書を通して様々な場所に現れることは、必ずしも同一の実施形態を全て参照しているとは限らない。さらに、特定の機構、構造または特徴は、限定せずに1つまたは複数の実施形態において任意の好適なやり方で組み合わされる場合もある。
【0028】
例示の実施形態
図1A~
図1Bは、1つまたは複数の実施形態による拡声器を描いている。まず
図1Aを参照すると、拡声器100は、ドライバ105と、音響インターフェース110と、筐体構造115とを含む。一実施形態によると、拡声器100の音響インターフェース110は、複数の音声プロファイルを提供するように構成されている。
図1Aでは、音響インターフェース110は、第1の位置で示されている。一実施形態において、第1の位置は、音響インターフェース110の平坦な構成であってよい。別の実施形態によると、ドライバ105と、音響インターフェース110のうちの少なくとも一方は、移動及び/または方向の向け直しを利用して調節されてよい。
図1Aは、1つまたは複数の実施形態によるバッフル構成における音響インターフェース110を描いている。音響インターフェース110は、1つまたは複数の他の位置まで移動されてよく、調節は、ドライバ105の方向を変えることを含んでよい。
【0029】
一実施形態によると、音響インターフェース110は、平坦なバッフルまたはホーンインターフェースのうちの少なくとも一方のために面を提供するように構成されたバッフル材である。本明細書で考察されるように、音響インターフェース110は、調節のため、及びドライバ105の調節に基づいて少なくとも1つの音響プロファイルを提供するためにその形状を変えるように構成された可撓性または伸張可能な材料に関連する。音響インターフェース110の例示の材料は、ビニール、シリコン及び他の織物材料を含む。ドライバ105は、1つまたは複数の実施形態によると、ツィーターなどの動的スピーカーに関連してよい。
【0030】
一実施形態によると、拡声器100は、拡声器に関する構造上の構成を提供する。拡声器100は、概ね楕円形の外形を有するように示されている。筐体構造115は、拡声器100のためのバスケット構造であってよい。ガスケット120は、音響インターフェース110、詳細には音響インターフェース110の外側部分を筐体構造115に対して保持するように構成されている。音響インターフェース110の内側部分は、ドライバ105の外側部分に結合される、またはそれに対して保持されてよい。音響インターフェース110は、ガスケット120によって、バスケット構造に関連し得る筐体構造115に固定される場合もある。拡声器100はまた、裏板125も含んでよい。
【0031】
図1Bは、第2の位置における音響インターフェース110を示している。一実施形態によると、第2の位置は、後退した位置へのドライバ105の調節及び音響インターフェース110の調節に対応付けられる。一実施形態によると、音響インターフェース110は、ドライバ105の外側部分及び/またはドライバ105を支持する1つまたは複数の要素に結合されてよい。特定の実施形態において、拡声器100は、
図2A~
図2Bに示されるように音響インターフェース110の裏に構造的要素を含んでおり、これは、音響インターフェース110の内側部分を支持することを可能にし得る。一実施形態によると、音響インターフェース110は、ドライバ105が後退させられる際、筐体構造115の内壁に適合する。
【0032】
図2A~
図2Bは、1つまたは複数の実施形態による拡声器の断面図を描いている。一実施形態によると、拡声器200は、
図1A~
図1Bの拡声器100の断面図に関連してよい。
【0033】
拡声器200は、ドライバ205と、音響インターフェース210と、筐体構造215とを含む。拡声器200の音響インターフェース210は、ガスケット220と、筐体構造215との間に保持されてよい。筐体構造215は、内壁235を有するホーンセクション230と、円筒形の部分240と、裏板であってよいベース245とを含む。一実施形態によると、ドライバ205は、取り付け台260を含む可動要素255によって位置決めされてよい。取り付け台260は、ドライバ205に結合されてよい。可動要素255及び取り付け台260のうちの少なくとも一方が、ドライバ205の複数方向の移動を可能にし、これにより音響インターフェース210の調節を実現することができる。一実施形態によると、筐体構造215は、筐体内での垂直方向かつ指向性の移動(例えば傾斜など)を可能にするように構成されている。加えて、筐体構造215の内壁235は、ドライバ205が位置決めされる際、音響インターフェース210と結合することができる。例えばドライバ支持部250は、ドライバ205及び音響インターフェース210の内側部分を保持するように構成されてよい。加えて、ドライバ支持部250は、可動要素255及び取り付け台260と結合することができる。可動要素255は、線形アクチュエータ及び多重運動アクチュエータのうちの一方など、位置決め要素であってよい。可動要素255は、ドライバ205の位置及び方向の少なくとも一方を調節するように構成されてよい。例えば可動要素255は、拡声器200を音響インターフェース要素の平坦な構成に調節するように構成されてよい。同様に、可動要素255は、音響インターフェース210のホーン構成を形成するために第2の位置までドライバ205を後退させるように拡声器200を調節するように構成されてよい。拡声器200は、
図2Aにおけるバッフル位置でのドライバ205の構成における音響出力構成を実現する。
【0034】
図2Bは、1つまたは複数の実施形態による、第2の位置における拡声器200の断面図である。
図2Bにおいて、ドライバ205は、音響インターフェース210が内壁235と接触するように、筐体構造215の中に下降するように調節される。加えて、音響インターフェースは、ドライバ205のためにホーン形状の面を形成し、結果として、
図2Aのバッフル配置に対して拡声器200に関する異なる音響出力構成が生じることになる。音響インターフェース210は、筐体構造の中に後退させられる際、内壁235に適合するように構成されており、この内壁は、バスケット構造の内面であってよい。別の実施形態によると、
図2Aは、音響インターフェース210のためのバッフル構成としてバスケット構造に対する第1の位置を示してよく、
図2Bは、音響インターフェース210のためのホーン構成としてバスケット構造に対する第2の位置を示してよい。筐体構造215は、バスケット構造を有するように形成されてよい、またドライバ205のための位置決め要素を収容するように構成される場合もある。
【0035】
音響インターフェース210は、引き戻される際、筐体215のホーン形状に適合するように構成されたシリコンであってよい。一実施形態によると、音響インターフェース210がさらに後退するほど、ホーンの中心領域にさらに向かって音響インターフェースは適合する。例えば、半分後退された状態は、ドライバ205の中央のツィーター組立体に向かってホーン形状をたどって同一地点を横切る単なる橋になるであろう。
【0036】
図3A~
図3Cは、1つまたは複数の実施形態による拡声器の図式的な表現を描いている。拡声器300は、音響インターフェース310と、筐体構造315と、ガスケット320とを含む。拡声器300の音響インターフェース310は、締め具325などの1つまたは複数の締め具によってガスケット320と、筐体構造315との間に保持されてよい。筐体構造315は、ホーンセクション330と、アクチュエータシャフト部分335と、アクチュエータ本体部分340と、ベース345とを含む。一実施形態によると、筐体構造315のホーンセクション330は、湾曲される、及び/または1つまたは複数の湾曲した部分を含むことで、拡声器300のドライバ要素がホーンセクション330内に位置決めされる、及び/または誘導されることを可能にし得る内面を含む。
【0037】
一実施形態によると、筐体構造315は、拡声器300のドライバ要素の配置のためのアクチュエータを収容するために、アクチュエータシャフト部分335、アクチュエータ本体部分340及びベース345によって形成される細長いセクションを含む。アクチュエータシャフト部分335は、線形アクチュエータを収容するために、ホーンセクション330のベースから延出する。アクチュエータ本体部分340は、歯車モータなどの1つまたは複数の駆動要素を収容するように構成される。ベース345は、駆動要素の設置、交換及び保守を可能にするために取り外される場合がある。
【0038】
図3Bは、拡声器300のドライバ305及びドライバ取り付け台の少なくとも一方に取り付けられた端部355を有するアクチュエータ要素350を含む拡声器300の断面図を描いている。
図3Bでは、拡声器300は、アクチュエータ350が延長された第1の位置またはバッフル位置に構成されている。
図3Cでは、拡声器は、アクチュエータがドライバ305を引っ張り、音響インターフェース310を調節する第2の位置で示されている。音響インターフェース310は、ホーンセクション330の内面などの筐体構造の内面と適合する。
図3A~
図3Cに示されるように、アクチュエータシャフト部分335は、延長したり収縮したりすることを可能にするために細長くなっている。
【0039】
図4A~
図4Dは、1つまたは複数の実施形態による拡声器の作動の図式的な表現を描いている。一実施形態によると、拡声器のドライバは、アクチュエータによって1つまたは複数の位置及び方向に調節されてよい。複数の音響の音声構成を提供し、指向性を制御するために、音響インターフェース(例えば音響インターフェース110)などの拡声器の構造的要素がドライバの調節を可能にする。
【0040】
図4Aは、第1の位置に配置された、バスケット構造405と、ドライバ410とを含む拡声器400を示している。ドライバ410は、方向415によって示されるように前方に向いている。バスケット構造405に対するドライバ410の位置の基準点として参照ライン420が
図4A~
図4Bに示されている。方向415は前方方向である。
図4Bは、ドライバ410が参照ライン420より下に後退させられるように、バスケット構造405の中に後退させられるように調節されたドライバ410を示している。
図4Bでは、ドライバ410は、前方方向416に向いている。
【0041】
図4Cは、方向415からずらした方向417に向くように調節されたドライバ410を示している。したがって、
図4Cは、第1の位置を維持しながらの指向性の調節を描いている。
図4Dは、方向415からずらした方向418を向くように調節され、基準ライン420より下にあるドライバ410を示している。したがって
図4Dは、指向性の調節と、筐体構造405内への後退とを描いている。
【0042】
本開示は、その例示の実施形態を参照して詳細に示され、説明されているが、クレーム主張される実施形態の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更がその中でなされる可能性があることは当業者によって理解されるであろう。