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特許7412893水素化ホウ素ナトリウムの製造方法、及び水素化ホウ素ナトリウム製造装置
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  • 特許-水素化ホウ素ナトリウムの製造方法、及び水素化ホウ素ナトリウム製造装置 図1
  • 特許-水素化ホウ素ナトリウムの製造方法、及び水素化ホウ素ナトリウム製造装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】水素化ホウ素ナトリウムの製造方法、及び水素化ホウ素ナトリウム製造装置
(51)【国際特許分類】
   C01B 6/21 20060101AFI20240105BHJP
   C01B 3/10 20060101ALI20240105BHJP
   H01M 8/04 20160101ALN20240105BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALN20240105BHJP
【FI】
C01B6/21
C01B3/10
H01M8/04 J
H01M8/0606
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019071942
(22)【出願日】2019-04-04
(65)【公開番号】P2020169106
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】520320022
【氏名又は名称】津田 訓範
(74)【代理人】
【識別番号】110001782
【氏名又は名称】弁理士法人ライトハウス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津田 訓範
(72)【発明者】
【氏名】藤野 正勝
(72)【発明者】
【氏名】吉田 八左右
【審査官】佐藤 慶明
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-013290(JP,A)
【文献】特開2002-080202(JP,A)
【文献】特開2004-200138(JP,A)
【文献】特表2005-532241(JP,A)
【文献】特開2012-206932(JP,A)
【文献】特開2019-043791(JP,A)
【文献】特開2014-181174(JP,A)
【文献】特開2004-224593(JP,A)
【文献】特開2019-199368(JP,A)
【文献】特表2018-536616(JP,A)
【文献】特開2004-224684(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105502291(CN,A)
【文献】特開平08-109003(JP,A)
【文献】特開2017-190275(JP,A)
【文献】特表2019-529319(JP,A)
【文献】米国特許第04883595(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 3/00 - 6/34
H01M 8/04 - 8/0668
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタホウ酸ナトリウムが投入された反応容器内で、メタホウ酸ナトリウムと水素ガスを接触させて、以下の化学反応式(1)により、水素化ホウ素ナトリウムを生成する生成ステップと、
生成ステップの後に反応容器内を真空にする真空ステップと
を有する、
水素化ホウ素ナトリウムの製造方法。
NaBO+4H → NaBH+2HO ・・・(1)
【請求項2】
反応容器内にアルミ及びマグネシウムを含まない、
請求項1に記載の水素化ホウ素ナトリウムの製造方法。
【請求項3】
反応容器内の温度が100~500℃である、
請求項1または2に記載の水素化ホウ素ナトリウムの製造方法。
【請求項4】
水素ガスは、水素吸蔵性能を有する金属と水蒸気との反応により生成した水素ガスである、
請求項1~3のいずれかに記載の水素化ホウ素ナトリウムの製造方法。
【請求項5】
反応容器内を冷却装置により冷却する冷却ステップ
を有する、
請求項1~4のいずれかに記載の水素化ホウ素ナトリウムの製造方法。
【請求項6】
水素ガスを充填したタンクから、マスフロメータを介して流量を調整しながら反応容器内へ水素ガスを供給する供給ステップ
を有する、
請求項1~5のいずれかに記載の水素化ホウ素ナトリウムの製造方法。
【請求項7】
メタホウ酸ナトリウムを投入する反応容器と、
該反応容器に水素ガスを供給する水素ガス供給手段と、
反応容器内において、供給した水素ガスとメタホウ酸ナトリウムとを、以下の化学反応式(1)のように反応させる反応制御手段と
水素ガスとメタホウ酸ナトリウムを反応させた後に、反応容器内を真空にする真空生成装置と
を備えた、
水素化ホウ素ナトリウム製造装置。
NaBO+4H → NaBH+2HO ・・・(1)
【請求項8】
水素ガス供給手段が、水素吸蔵性能を有する金属と水蒸気との反応により生成した水素ガスを加圧条件下に供給する手段である、
請求項に記載の水素化ホウ素ナトリウム製造装置。
【請求項9】
反応容器内を冷却する冷却装置
を備えた、
請求項7又は8に記載の水素化ホウ素ナトリウム製造装置。
【請求項10】
水素ガスを充填したタンクと、
タンクから反応容器内へ水素ガスを供給する際に、水素ガスの流量を調整するマスフロメータと
を備えた、
請求項7~9のいずれかに記載の水素化ホウ素ナトリウム製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素固定化方法及び水素固定化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水素は、多くの化学プロセスにおいて重要な材料であり、近年では、自動車用の燃料電池をはじめとしたクリーンエネルギー源としての利用が期待されている。
【0003】
水素をエネルギー源として利用する場合に、水素を固定化した水素貯蔵材として水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)を利用する方法が検討されている(特許文献1)。この水素化ホウ素ナトリウムは、水と容易に加水分解反応し、水素とメタホウ酸ナトリウムとになることから、水素ガスの取り出しやメタホウ酸ナトリウムの再利用による、エネルギー源の効率的な利用が図られるものである。
【0004】
特許文献1では、メタホウ酸ナトリウム(NaBO)と金属アルミ単体とを含む混合物を水素雰囲気下で加熱し、金属アルミ表面にプロタイド(H)を生成させて、水素貯蔵材としての水素化ホウ素ナトリウムを製造している(下式(1))。
NaBO+4/3Al+2H → NaBH+2/3Al ・・・(1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-181174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、特許文献1の水素化ホウ素ナトリウムの製造においては、メタホウ酸ナトリウムとアルミとを混在させるため、反応後に副生成物である酸化アルミを分離する必要があった。
【0007】
本発明は、触媒を用いなくても、メタホウ酸ナトリウムと水素との反応効率に優れる水素固定方法及び水素固定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の[1]~[6]のいずれかにより、上記課題を解決するものである。
[1]メタホウ酸ナトリウムが投入された反応容器内で、メタホウ酸ナトリウムと水素ガスを接触させて水素化ホウ素ナトリウムを生成することで水素を固定化する水素固定化方法;
[2]反応容器内に触媒を含まない、上記[1]に記載の水素固定化方法;
[3]応容器内の温度が100~500℃である、上記[1]または[2]に記載の水素固定化方法;
[4]水素ガスは、水素吸蔵性能を有する金属と水蒸気との反応により生成した水素ガスである、上記[1]~[3]のいずれかに記載の水素固定化方法;
[5]メタホウ酸ナトリウムを投入する反応容器と、該反応容器に水素ガスを供給する水素ガス供給手段と、反応容器内において、供給した水素ガスとメタホウ酸ナトリウムとを反応させる反応制御手段とを備えた、水素固定化装置;
[6]水素ガス供給手段が、水素吸蔵性能を有する金属と水蒸気との反応により生成した水素ガスを加圧条件下に供給する手段である、上記[5]に記載の水素固定化装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、触媒を用いなくても、メタホウ酸ナトリウムと水素との反応効率に優れる水素固定方法及び水素固定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、水素固定化方法の実施に用いる装置の構成を示す概略図である。
図2】水素化固定化方法の実施に用いる反応容器の構造を説明するための概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。以下、効果に関する記載は、本発明の実施の形態の効果の一側面であり、ここに記載するものに限定されない。
【0012】
[第一の実施の形態]
本発明の水素固定化方法の第一の実施の形態の概要について説明をする。本発明の水素固定化方法は、メタホウ酸ナトリウム(NaBO)の水素化による水素固定化方法であって、以下の化学反応式(1)により表される。
NaBO+4H → NaBH+2HO ・・・(1)
【0013】
上記反応は、メタホウ酸ナトリウムを充填した反応容器内に加圧条件下で水素ガスを接触させて反応を進行させ水素化ホウ素ナトリウムを生成することにより実施する。図1は、本発明の実施の形態の少なくとも1つに対応する、水素固定化方法の実施に用いる装置の構成を示す概略図である。水素固定化装置100は、メタホウ酸ナトリウムを投入する反応容器1と、該反応容器1に水素ガスを供給する水素ガス供給手段2と、反応容器1内において、供給した水素ガスとメタホウ酸ナトリウムとを反応させる反応制御手段4を少なくとも備える。
【0014】
(メタホウ酸ナトリウム)
原料となる金属ホウ素塩であるメタホウ酸ナトリウムは、水和物でも無水物であってもよい。例えば、メタホウ酸ナトリウムと水素とを接触させる前段階として、メタホウ酸ナトリウムの水和物を除去して無水メタホウ酸ナトリウムとする工程を備えてもよい。除去方法は特に限定されないが、たとえば、加熱により除去することができる。
【0015】
メタホウ酸ナトリウムは、反応容器1に原料粉を直接投入して反応に供することができる。または、反応容器1に原料タンクを備え、所定量をタンクなどから自動で投入できるように構成してもよい。
【0016】
本実施の形態1では、原料であるメタホウ酸ナトリウムをカートリッジに充填し、このカートリッジに充填した状態で、後述の反応容器に自動で搭載し、反応に供する場合について詳述する。
【0017】
カートリッジに充填した状態で反応に供することで、カートリッジ内で反応により生成した水素化ホウ素ナトリウムを水素供給源としての利用を容易なものとすることができる。すなわち、生成した水素化ホウ素ナトリウムは、水と容易に反応し水素を生成することから、例えば、燃料電池自動車に搭載される燃料電池への水素供給源としてカートリッジのまま活用することが可能である。
【0018】
カートリッジ3の形状は特に限定されるものではないが、充填された水素化ホウ素ナトリウムを水素発生源として運搬し、利用する点から、円筒状であることが望ましい。また、カートリッジ3の材質としては、水素化ホウ素ナトリウムが運搬中に水分と接触することを防いだり、生成する水素ガスの圧力に耐えるために、ステンレス系の金属や、耐熱耐水素性を持つ樹脂が好ましい。
【0019】
(反応容器)
反応容器1としては、上記水素化反応に耐性のある材料を内壁に用いるものであれば、いずれの形状も採用することができる。反応容器1には、反応容器内の温度が所定の範囲を超える場合に冷却する、冷却装置6などを備えることができる。また、反応容器1には、原料となるメタホウ酸ナトリウムが投入されていない状態では運転ができなくなるインターロック機構(不図示)や、反応容器1全体の接地、反応容器1内の圧力を調整する安全弁7を設けるなどの安全装置を適宜備える。
【0020】
反応容器1は、図2に示すように、水素ガス供給口21を備えた蓋部22と、カートリッジ3を保持するカートリッジ保持部24を備えた反応室23とを含む。図では4つのカートリッジを垂直に保持した状態を示しているが、反応室23の体積にあわせて、適宜より多数のカートリッジを保持するようにしたり、また、カートリッジを水平に保持するように構成してもよい。
【0021】
反応室23には、カートリッジ3および反応室23全体を加熱する、ヒーター等による加熱手段や、温度センサを備えることができる。また、水冷等による冷却手段を備えていてもよい。さらに、反応室23内のメタホウ酸ナトリウムと水素ガスとを攪拌する攪拌翼を反応室23底部に備えても良い。加熱条件下で攪拌しながら反応させることで、水素固定化反応を効率良く進行させることができる。また、反応室23内の反応が後述の制御手段により制御される構成とすることが好ましい。
【0022】
(水素ガス供給手段)
反応容器1には、反応に用いられる水素ガスを供給する水素ガス供給手段2を備える。水素ガスは、例えばタンク5に充填されており、このタンク5から流量を調整した水素ガスを、水素ガスフィルタ装置8などを通して水素ガス濃度を調整する。濃度が調整された水素ガスは、適宜、マスフロメータ9や電磁バブル10を介して反応容器1に供給される。マスフロメータ9は流量を調整し、電磁バルブ10は反応容器への水素ガスの吸気と排気の調整に用いられる。
【0023】
これらのタンク5、水素ガスフィルタ装置8、マスフロメータ9、電磁バルブ10や、上述の冷却装置6などは、いずれも反応制御手段4に接続され、水素化反応時の反応容器1内の温度や圧力、水素ガス濃度を反応が効率的に進行するように制御される。この制御は事前入力により自動化してもよい。
【0024】
本発明においては、上記タンク5に充填される水素ガスを、水素吸蔵性能を有する金属と水蒸気との反応により生成した水素ガスとすることが望ましい。具体的には、特開2017-190275号公報に記載される副生水素製造方法による、水素吸蔵性能を有する金属Mと高圧水蒸気との反応であって、金属Mの酸化物Mαβ(α、βはそれぞれ1~4のいずれかの整数であり、αとβは同じあっても異なるものであってもよい。)を生成する反応により発生する水素ガスである。このような反応により発生した水素ガスを、配管によりタンク5に供給できるようにすることで、プラント全体の効率を向上させることができる。
【0025】
上記金属Mは、粒状金属をペレット化したものであることが好ましく、マグネシウム、アルミニウム及び鉄からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であることが好ましい。
【0026】
高圧水蒸気の温度は、用いる金属Mによって適宜調節する。金属Mに接触する水蒸気の温度が、用いる金属Mの融点以上となることで、上記式(1)の反応が進行する。それゆえ、金属Mがマグネシウムの場合、マグネシウムに接触する際の水蒸気の温度は650℃以上であることが好ましく、金属Mがアルミニウムの場合、アルミニウムに接触する際の水蒸気の温度は、660℃以上であることが好ましく、金属Mが鉄の場合は、鉄に接触する際の水蒸気の温度が、1535℃以上であることが好ましい。
【0027】
水素吸蔵性能を有する金属と高圧水蒸気との反応により生成した水素ガスをタンク5に貯留し、反応容器1への水素ガスの供給流量を調整する。
【0028】
(反応制御手段)
反応制御手段4は、反応容器1内において、供給した水素ガスとメタホウ酸ナトリウムとの反応を進行させるために、主としてタンク5からの水素ガスの反応容器1への供給量の調整や、反応室の加熱などにより、反応容器内の温度及び容器内の圧力を調整するものである。
【0029】
本発明においては、上記反応式(1)は、水素ガスとメタホウ酸ナトリウムを接触させることによって、従来のように反応容器1内にメタホウ酸ナトリウムと混合させておくアルミやマグネシウムなどの触媒が存在しなくても、十分に水素固定化反応を進行させることができる。
【0030】
反応容器内の温度は100℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることがさらに好ましい。また、反応容器内の温度は、500℃以下であることが好ましく、400℃以下であることがより好ましく、350℃以下であることがさらに好ましい。反応容器1の内圧にもよるが、反応容器1内の温度をこのような温度範囲とすることによって、上記水素固定化反応を効率よく進行させることができる。
【0031】
(水素固定化方法)
上記のような水素固定化装置の構成を用いた具体的な水素固定化方法のフローについて説明する。
【0032】
まず、原料となるメタホウ酸ナトリウムを充填したカートリッジ3を反応容器2内のカートリッジ保持部24に保持させる。このような操作は、自動化により行なうことができる。
【0033】
反応容器1の蓋部22を占めて反応容器1を密閉する。反応容器1に接続した水素ガス供給手段から水素ガス供給口21を通じて、水素ガスを反応容器1内に供給開始する。反応容器1内の圧力が所定の圧力となったところで、反応室23とカートリッジ3とが所定の温度となるまで、反応容器1内を加熱する。所定の温度を維持するように加熱条件を制御しながら、メタホウ酸ナトリウム1モルに対して水素ガス4モルとなるまで、水素ガスの供給を継続する。
【0034】
上記のように水素化を行うことにより、水素化ホウ素ナトリウムが生成する。投入したメタホウ酸ナトリウムの反応量は、反応容器に供給した全水素ガス流量により概算することができる。
【0035】
反応が終了すれば、反応容器からカートリッジを取り出すことが可能となり、一連の工程が終了する。反応炉からカートリッジを取り出す方法として、自動的にカートリッジを取り出す機構を搭載しても良い。その後、新たなカートリッジが搭載され、連続的に固定化方法を実施することができる。
【0036】
(その他工程)
生成する水素化ホウ素ナトリウムは反応活性が高いことから、例えば、水素化反応後に反応容器1内を真空生成装置11により真空にする工程を備えてもよい。また、水素化ホウ素ナトリウムをカートリッジなどの容器に充填する工程を備えてもよい。
【実施例
【0037】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0038】
(実施例1)
原料として、直径20cmの円筒形のカートリッジ3本に、それぞれメタホウ酸ナトリウムを充填した。反応容器の上蓋を開け、全てのカートリッジを反応容器内の所定位置(カートリッジ保持部)に搭載した。次に、水素ガス供給手段2から反応容器1内に水素ガスを供給した。該水素ガスは別途の金属マグネシウムと高圧水蒸気との反応によりタンク5に貯留されたものを用いた。
【0039】
カートリッジに充填したホウ酸ナトリウムと、水素ガスの温度が200℃になるようにカートリッジと反応容器とを加熱し、その後、反応系を200℃に維持した。水素ガス供給手段2から反応容器1内に、カートリッジ3に充填したメタホウ酸ナトリウム1モルに対して4モル以上の水素ガスが供給されたところで水素ガスの供給を停止し、反応を終了させた。反応によりメタホウ酸ナトリウムが水素化され、水素化ホウ素ナトリウムが得られ、水素が固定化された。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の水素固定方法及び水素固定装置によれば、原料であるメタホウ酸ナトリウムのみが反応容器内で水素ガスと反応し、水素化ホウ素ナトリウムを生成することができるので、従来のような分離工程を必要としない、効率化された水素化ホウ素ナトリウムの製造に有用である。
【符号の説明】
【0041】
100 水素固定化装置
1 反応容器
2 水素ガス供給手段
3 カートリッジ
4 反応制御手段
図1
図2