(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】ズームレンズおよび光学機器
(51)【国際特許分類】
G02B 15/20 20060101AFI20240105BHJP
【FI】
G02B15/20
(21)【出願番号】P 2019138892
(22)【出願日】2019-07-29
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】中原 誠
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-078788(JP,A)
【文献】特開2010-204178(JP,A)
【文献】特開2019-008012(JP,A)
【文献】特開2012-047814(JP,A)
【文献】特開2015-145914(JP,A)
【文献】国際公開第2015/075943(WO,A1)
【文献】特開2020-154288(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00-17/08
G02B 21/02-21/04
G02B 25/00-25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、
少なくとも4つのレンズ群を含む後群と、からなり、
ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記後群は、開口絞りと、該開口絞りよりも像側において配置された負の屈折力を有する少なくとも1つのレンズ群のうち最も物体側に配置された負レンズ群と、前記第2レンズ群と前記負レンズ群との間に配置された正レンズ群とを含み、
前記負レンズ群は、正レンズを含み、
前記正レンズのd線に対するアッベ数をνdp、前記正レンズのg線とF線に対する部分分散比をθgFp、広角端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDwp、望遠端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDtp、前記第1レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングに際しての移動量をM1、前記正レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングに際しての移動量をMLpとするとき、
-0.1000<θgFp-(-1.665×10
-7×νdp
3+5.213×10
-5×νdp
2-5.656×10
-3×νdp+0.7268)<-0.0001
25<νdp<50
0.10<Dwp/Dtp<0.70
0<|MLp/M1|≦0.35
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
前記正レンズのd線に対する屈折率をndpとするとき、
1.65<ndp<2.10
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記ズームレンズの広角端でのバックフォーカスをSKw、前記ズームレンズの全系の広角端での焦点距離をfwとするとき、
0.05<SKw/fw<0.50
なる条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記ズームレンズの広角端での光学全長をLDw、前記ズームレンズの全系の広角端での焦点距離をfwとするとき、
1.0<LDw/fw<3.5
なる条件を満足することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記正レンズの焦点距離をfGp、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とするとき、
0.10<fGp/f1<1.20
なる条件を満足することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2とするとき、
-0.80<f2/f1<-0.10
なる条件を満足することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項7】
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記後群のうち最も像側のレンズ群の焦点距離をfRnとするとき、
-3.00<fRn/f1<-0.10
なる条件を満足することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項8】
前記負レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングに際しての移動量をMLn、前記第1レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングに際しての移動量をM1とするとき、
0<|MLn/M1|<0.40
なる条件を満足することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項9】
前記第1レンズ群に含まれる少なくとも2つの正レンズのd線に対するアッベ数の平均値をνdL1Pave.とするとき、
65<νdL1Pave.<99
なる条件を満足することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項10】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、複数のレンズ群を含む後群と、からなり、
ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記後群は、開口絞りと、該開口絞りよりも像側において配置された負の屈折力を有する少なくとも1つのレンズ群のうち最も物体側に配置された負レンズ群と、前記第2レンズ群と前記負レンズ群との間に配置された正レンズ群とを含み、
前記負レンズ群は、正レンズを含み、
前記正レンズのd線に対するアッベ数をνdp、前記正レンズのg線とF線に対する部分分散比をθgFp、広角端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDwp、望遠端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDtp、前記第1レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングに際しての移動量をM1、前記正レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングに際しての移動量をMLp、前記第1レンズ群に含まれる少なくとも2つの正レンズのd線に対するアッベ数の平均値をνdL1Pave.とするとき、
-0.1000<θgFp-(-1.665×10-7×νdp3+5.213×10-5×νdp2-5.656×10-3×νdp+0.7268)<-0.0001
25<νdp<50
0.10<Dwp/Dtp<0.70
0<|MLp/M1|≦0.35
65<νdL1Pave.<99
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項11】
ズーミングに際して前記正レンズ群と前記開口絞りとが一体で移動することを特徴とする請求項1から
10のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項12】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、複数のレンズ群を含む後群と、からなり、
ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記後群は、開口絞りと、該開口絞りよりも像側において配置された負の屈折力を有する少なくとも1つのレンズ群のうち最も物体側に配置された負レンズ群と、前記第2レンズ群と前記負レンズ群との間に配置された正レンズ群とを含み、
ズーミングに際して前記正レンズ群と前記開口絞りとが一体で移動し、
前記負レンズ群は、正レンズを含み、
前記正レンズのd線に対するアッベ数をνdp、前記正レンズのg線とF線に対する部分分散比をθgFp、広角端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDwp、望遠端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDtp、前記第1レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングに際しての移動量をM1、前記正レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングに際しての移動量をMLpとするとき、
-0.1000<θgFp-(-1.665×10-7×νdp3+5.213×10-5×νdp2-5.656×10-3×νdp+0.7268)<-0.0001
25<νdp<50
0.10<Dwp/Dtp<0.70
0<|MLp/M1|≦0.35
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項13】
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正、負、正、負および負の屈折力を有する5つのレンズ群からなることを特徴とする請求項
1から12のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項14】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、後群と、からなり、
ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群と、負の屈折力を有する第6レンズ群と、負の屈折力を有する第7レンズ群と、からなり、
前記後群は、前記第4レンズ群よりも物体側に配置された開口絞りを含み、
前記第4レンズ群は、正レンズを含み、
前記正レンズのd線に対するアッベ数をνdp、前記正レンズのg線とF線に対する部分分散比をθgFp、広角端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDwp、望遠端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDtpとするとき、
-0.1000<θgFp-(-1.665×10
-7×νdp
3+5.213×10
-5×νdp
2-5.656×10
-3×νdp+0.7268)<-0.0001
25<νdp<50
0.10<Dwp/Dtp<0.70
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項15】
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正、負、正、負、正および負の屈折力を有する6つのレンズ群からなることを特徴とする請求項
1から12のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項16】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、後群と、からなり、
ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群と、負の屈折力を有する第6レンズ群と、正の屈折力を有する第7レンズ群と、負の屈折力を有する第8レンズ群と、からなり、
前記後群は、前記第4レンズ群よりも物体側に配置された開口絞りを含み、
前記第4レンズ群は、正レンズを含み、
前記正レンズのd線に対するアッベ数をνdp、前記正レンズのg線とF線に対する部分分散比をθgFp、広角端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDwp、望遠端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDtpとするとき、
-0.1000<θgFp-(-1.665×10
-7×νdp
3+5.213×10
-5×νdp
2-5.656×10
-3×νdp+0.7268)<-0.0001
25<νdp<50
0.10<Dwp/Dtp<0.70
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項17】
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正、負、正および負の屈折力を有する4つのレンズ群からなることを特徴とする請求項
1から12のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項18】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、後群と、からなり、
ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力を有する第3レンズ群と、負の屈折力を有する第4レンズ群と、正の屈折力を有する第5レンズ群と、負の屈折力を有する第6レンズ群と、からなり、
前記後群は、前記第4レンズ群よりも物体側に配置された開口絞りを含み、
前記第4レンズ群は、正レンズを含み、
前記正レンズのd線に対するアッベ数をνdp、前記正レンズのg線とF線に対する部分分散比をθgFp、広角端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDwp、望遠端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDtpとするとき、
-0.1000<θgFp-(-1.665×10
-7×νdp
3+5.213×10
-5×νdp
2-5.656×10
-3×νdp+0.7268)<-0.0001
25<νdp<50
0.10<Dwp/Dtp<0.70
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項19】
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、負、正、負、正および負の屈折力を有する5つのレンズ群からなることを特徴とする請求項
1から12のいずれか一項に記載のズームレンズ。
【請求項20】
物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、後群と、からなり、
ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記後群は、物体側から像側へ順に配置された、負の屈折力を有する第3レンズ群と、正の屈折力を有する第4レンズ群と、負の屈折力を有する第5レンズ群と、正の屈折力を有する第6レンズ群と、負の屈折力を有する第7レンズ群と、からなり、
前記後群は、前記第5レンズ群よりも物体側に配置された開口絞りを含み、
前記第5レンズ群は、正レンズを含み、
前記正レンズのd線に対するアッベ数をνdp、前記正レンズのg線とF線に対する部分分散比をθgFp、広角端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDwp、望遠端における前記開口絞りから前記正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDtpとするとき、
-0.1000<θgFp-(-1.665×10
-7×νdp
3+5.213×10
-5×νdp
2-5.656×10
-3×νdp+0.7268)<-0.0001
25<νdp<50
0.10<Dwp/Dtp<0.70
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項21】
請求項1から
20のいずれか一項に記載のズームレンズと、
前記ズームレンズにより形成される光学像を光電変換する撮像素子と、を有することを特徴とする光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、放送用カメラ、監視カメラ、銀塩フィルム用カメラ等の撮像装置や交換レンズを含む光学機器に好適なズームレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなズームレンズとして、最も物体側に正の屈折力を有するレンズ群が配置されたポジティブリード型のものがある。特許文献1には、ポジティブリード型のズームレンズとして、物体側から像側に順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群および複数のレンズ群を含む後群を有するズームレンズが開示されている。一般に、ポジティブリード型のズームレンズは、全系の小型化と高ズーム比化が容易である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ポジティブリード型のズームレンズにおいて、望遠端での焦点距離を長くすると、軸上色収差や倍率色収差が増大する。これらの色収差を低減するには、ズームレンズを構成する各レンズ群の材料の特性(アッベ数や部分分散比)を適切に設定することが重要である。
【0005】
本発明は、軸上色収差や倍率色収差を低減することができるズームレンズを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としてのズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、少なくとも4つのレンズ群を含む後群とからなり、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。後群は、開口絞りと、該開口絞りよりも像側において配置された負の屈折力を有する少なくとも1つのレンズ群のうち最も物体側に配置された負レンズ群と、第2レンズ群と負レンズ群との間に配置された正レンズ群とを含む。負レンズ群は、正レンズを含む。そして、正レンズのd線に対するアッベ数をνdp、正レンズのg線とF線に対する部分分散比をθgFp、広角端における開口絞りから正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDwp、望遠端における開口絞りから正レンズの物体側の面までの光軸上の距離をDtp、第1レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングに際しての移動量をM1、正レンズ群の広角端から望遠端へのズーミングに際しての移動量をMLpとするとき、
-0.1000<θgFp-(-1.665×10-7×νdp3+5.213×10-5×νdp2-5.656×10-3×νdp+0.7268)<-0.0001
25<νdp<50
0.10<Dwp/Dtp<0.70
0<|MLp/M1|≦0.35
なる条件を満足することを特徴とする。なお、上記ズームレンズを用いた光学機器も、本発明の他の一側面を構成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、軸上色収差や倍率色収差を低減することができるズームレンズを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施例1のズームレンズの広角端での断面図。
【
図2】実施例1のズームレンズの(A)広角端と(B)望遠端での縦収差図。
【
図3】本発明の実施例2のズームレンズの広角端での断面図。
【
図4】実施例2のズームレンズの(A)広角端と(B)望遠端での縦収差図。
【
図5】本発明の実施例3のズームレンズの広角端での断面図。
【
図6】実施例3のズームレンズの(A)広角端と(B)望遠端での縦収差図。
【
図7】本発明の実施例4のズームレンズの広角端での断面図。
【
図8】実施例4のズームレンズの(A)広角端と(B)望遠端での縦収差図。
【
図9】本発明の実施例5のズームレンズの広角端での断面図。
【
図10】実施例5のズームレンズの(A)広角端と(B)望遠端での縦収差図。
【
図11】本発明の実施例6である撮像装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1、
図3、
図5、
図7および
図9はそれぞれ、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4および実施例5のズームレンズの無限遠に合焦した状態(無限遠合焦状態)での断面図である。各実施例のズームレンズは、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等の撮像装置や交換レンズを含む光学機器に用いられる。
【0010】
各断面図において、左側が物体側で、右側が像側である。各実施例のズームレンズは、複数のレンズ群により構成されている。各実施例において、レンズ群とは、ズーミングに際して一体的に移動する又は不動のレンズのまとまりである。各実施例のズームレンズでは、広角端から望遠端へのズームレンズに際して、隣り合うレンズ群間の間隔が変化する。広角端と望遠端は、ズーミングに際して移動するレンズ群が、機構上、光軸方向に移動可能な範囲の両端に位置したときのズーム状態である。なお、レンズ群は1枚のレンズにより構成されていてもよいし、複数枚のレンズにより構成されていてもよい。また、レンズ群は開口絞りを含んでいてもよい。
【0011】
各断面図において、i(自然数)は物体側から数えたときの順番を示し、Liは第iレンズ群を示す。SPは開口絞りである。FPはフレアーカット絞りであり、不要光をカットする。IPは像面であり、各実施例の光学系L0をデジタルビデオカメラやデジタルスチルカメラ用の撮像光学系として用いる際には該像面IPにCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。各実施例の光学系L0を銀塩フィルム用カメラ用の撮像光学系として用いる際には像面IPにはフィルムの感光面が配置される。
【0012】
各実施例のズームレンズでは、広角端から望遠端へのズーミングに際して、各断面図に実線矢印で示すように各レンズ群を移動させる。また、無限遠から至近へのフォーカシングに際して点線矢印で示すように各レンズ群を移動させる。
【0013】
図2、
図4、
図6、
図8および
図10はそれぞれ、実施例1、実施例2、実施例3、実施例4および実施例5のズームレンズの縦収差図である。各収差図において、(A)は広角端での無限遠合焦状態での収差図であり、(B)は至近合焦状態での縦収差図である。
【0014】
球面収差図においてFnoはFナンバーであり、球面収差図にはd線(波長587.6nm)とg線(波長435.8nm)に対する球面収差量をそれぞれ実線と二点鎖線で示す。非点収差図においてΔSはサジタル像面における非点収差量(実線)、ΔMはメリディオナル像面における非点収差量(破線)を示す。歪曲収差図にはd線に対する歪曲収差量を示す。色収差図ではg線における色収差量を示す。ωは半画角(°)である。
【0015】
次に各実施例のズームレンズの特徴的な構成および条件について説明する。各実施例のズームレンズは、物体側か像側に順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群L1と、負の屈折力を有する第2レンズ群L2と、複数のレンズ群L3,L4,L5,…を含む後群からなる。ズーミングに際して、第1、第2および複数のレンズ群のうち隣り合うレンズ群間の間隔が変化する。後群は、開口絞りSPと、該開口絞りSPよりも像側において負の屈折力を有する少なくとも1つのレンズ群のうち最も物体側に配置された負レンズ群Lnとを含む。実施例1~4において負レンズ群Lnは第4レンズ群L4であり、実施例5では第5レンズ群L5である。負レンズ群Lnは、正レンズGpを含む。
【0016】
そして上記構成を有する各実施例のズームレンズは、正レンズGpのd線に対するアッベ数をνdp、正レンズGpのg線とF線に対する部分分散比をθgFp、広角端における開口絞りSPから正レンズGpの物体側頂点までの光軸上での距離をDwp、望遠端における開口絞りSPから正レンズGpの物体側頂点までの光軸上の距離をDtpとするとき、
-0.1000<θgFp-(-1.665×10-7×νdp3+5.213×10-5×νdp2-5.656×10-3×νdp+0.7268)<-0.0010 (1)
20<νdp<50 (2)
0.10<Dwp/Dtp<0.70 (3)
なる条件を満足する。
アッベ数νdと部分分散比θgFは、フラウンホーファ線のd線、F線、C線、g線における屈折率をそれぞれNd、NF、NC、Ngとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
θgF=(Ng-NF)/(NF-NC)
で定義される。
【0017】
ズームレンズを、その全長を短縮するために、物体側から像側に順に配置された正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群および複数のレンズ群を含む後群により構成にすると、一般に望遠端にてg線の倍率色収差がアンダー側に発生する。このため各実施例では、開口絞りSPよりも像側に配置された負レンズ群Lnに含まれる正レンズGpに異常分散度ΔθgFが小さな材料を用いることで、レンズ全長の短縮により増加した望遠端での色収差を良好に補正する。
【0018】
近軸理論によれば、倍率色収差は近軸軸上光線の入射高さと瞳近軸光線の入射高さの積に比例する。ここで近軸軸上光線とは、光学系全系の焦点距離を1に正規化し、光学系の光軸と平行に、光軸からの入射高さ1の光を入射させたときの近軸光線である。また、瞳近軸光線とは、光学系全系の焦点距離を1に正規化し、光軸に対して-45°で入射する光線のうち光学系の入射瞳と光軸との交点を通過する近軸光線である。ここでは、光学系への入射角度は、光軸に対して時計回り方向の角度を正、反時計回り方向の角度を負とする。
【0019】
各実施例のズームレンズは、望遠端において近軸軸上光線の入射高さと瞳近軸光線の入射高さの積が大きくなる箇所に負レンズ群Lnを配置することで倍率色収差を補正する。また、開口絞りよりも像側に配置された負レンズ群Lnは、望遠端において、該負レンズ群Lnより物体側のレンズ群で発生した諸収差を効果的に補正する。
【0020】
条件式(1)は、正レンズGpのアッベ数νdpと部分分散比θgFpに関する条件を示す。θgFp-(-1.665…×νdp2…+0.7268)が条件式(1)の下限値を下回ると広角端および望遠端において軸上色収差および倍率色収差の補正が困難となり、条件式(1)の上限値を上回ると望遠端において倍率色収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0021】
条件式(2)は、正レンズGpのアッベ数νdpに関する条件を示す。νdpが条件式(2)の下限値を下回ると、正レンズGpのガラスの光線透過性および安定性が低下するため、好ましくない。また条件式(2)の上限値を上回ると、分散が小さくなりすぎて開口絞りSPよりも像側に配置された負レンズ群Ln内の負レンズで発生する一次の色収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0022】
条件式(1),(2)をともに満足する光学材料としては、例えばHOYA株式会社の商品名NBFD13がある。商品名NBFD13のアッベ数は40.73であり、部分分散比は0.5671である。
【0023】
負レンズ群Lnに含まれる正レンズGpにΔθgFが小さな材料を用いると、広角端においてg線の倍率色収差がオーバー側に発生する。前述した近軸理論のもと、広角端にて瞳近軸光線の入射高さが低くなる開口絞りSP付近に負レンズ群Lnを配置することで、倍率色収差の影響を少なくしている。
【0024】
条件式(3)は、広角端と望遠端における開口絞りSPから正レンズGpの物体側頂点までの光軸上の距離Dwp,Dtpに関する条件を示す。Dwp/Dtpが条件式(3)の下限値を下回ると、望遠端において開口絞りSPから負レンズ群Lnまでの光軸上の距離が長くなり、ズームレンズの小型化が困難となるため、好ましくない。Dwp/Dtpが条件式(3)の上限値を上回ると、広角端において瞳近軸光線の入射高さが高くなり、倍率色収差を補正することが困難となるため、好ましくない。
【0025】
条件式(1)~(3)の数値範囲を、以下の条件式(1a)~(3a)の範囲とすることが好ましい。
-0.0800<θgFp-(-1.665×10-7×νdp3+5.213×10-5×νdp2-5.656×10-3×νdp+0.7268)<-0.0012 (1a)
22<νdp<45 (2a)
0.11<Dwp/Dtp<0.67 (3a)
さらに条件式(1)~(3)の数値範囲を、以下の条件式(1b)~(3b)の範囲とすることがより好ましい。
-0.0600<θgFp-(-1.665×10-7×νdp3+5.213×10-5×νdp2-5.656×10-3×νdp+0.7268)<-0.0014 (1b)
24<νdp<43 (2b)
0.12<Dwp/Dtp<0.65 (3b)
以上の光学構成において条件式(1)を満足することにより、ズームレンズに発生する軸上色収差や倍率色収差を低減することができる。
【0026】
各実施例のズームレンズは、以下の構成を有することが好ましい。最も物体側の正の屈折力を有する第1レンズ群L1は、広角端から望遠端へのズーミングに際して物体側へ移動することが好ましい。これにより、ズームレンズの広角端での光学全長を短くし、ズームレンズの小型化を図ることが可能となる。さらに正の屈折力を有する第1レンズ群L1と開口絞りSPよりも像側に配置された負レンズ群Lnは、3枚以下のレンズで構成されることが好ましい。これにより、負レンズ群Lnの小型化を図ることが可能となる。また、第2レンズ群L2よりも像側に開口絞りSPを配置することで、第1レンズ群L1の有効径と後群の有効径の大きさのバランスを良好に設定することができるため、高性能化と全系の小型化を図ることが可能となる。
【0027】
さらに第2レンズ群L2と負レンズ群Lnとの間に正レンズ群Lpを配置することが好ましい。これにより、負レンズ群Lnのレンズ径を小さくすることができ、負レンズ群Lnの小型化を図ることが可能となる。実施例1~4において正レンズ群Lpは第3レンズ群L3であり、実施例5では第4レンズ群L4である。
【0028】
また、最も像側に負レンズ群LRnを配置し、テレフォトの配置を採ることが好ましい。これにより、ズームレンズの全長に対して主点を長くとり、焦点距離に比べて全長が短いズームレンズが得られる。実施例1,3,5において最も像側の負レンズ群LRnは第7レンズ群L7であり、実施例2では第8レンズ群L8であり、実施例4では第6レンズ群L6である。
【0029】
また、ズーミングに際して、第2レンズ群L2と負レンズ群Lnとの間に配置された正レンズ群Lpと開口絞りSPとが一体で移動するように構成することが好ましい。これにより、ズーミングに伴う片絞り状態の発生を回避することができる。
【0030】
各実施例のズームレンズは、以下の条件式(4)から(12)のうち少なくとも1つを満足することが好ましい。
1.65<ndp<2.10 (4)
0.05<SKw/fw<0.50 (5)
1.0<LDw/fw<3.5 (6)
0.10<fGp/f1<1.20 (7)
-0.80<f2/f1<-0.10 (8)
-3.00<fRn/f1<-0.10 (9)
0<|MLp/M1|<0.50 (10)
0<|MLn/M1|<0.40 (11)
65<νdL1Pave.<99 (12)
条件式(4)は、負レンズ群Lnに含まれる正レンズGpのd線に対する屈折率ndpに関する条件を示す。ndpが条件式(4)の下限値を下回ると、正レンズGpに必要な屈折力を持たせるために曲率半径が小さくなり、非点収差の補正が困難となるので、好ましくない。ndpが条件式(4)の上限値を上回ると、正レンズGpの曲率半径が大きくなり、広角端において球面収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0031】
条件式(5)は、ズームレンズの広角端におけるバックフォーカスSKwと広角端における全系の焦点距離fwに関する条件を示す。SKw/fwが条件式(5)の下限値を下回ると、バックフォーカスSKwが短くなり、このズームレンズにより形成される光学像を光電変換する撮像素子の近傍にローパスフィルター等の光学素子を配置することが困難となるため、好ましくない。SKw/fwが条件式(5)の上限値を上回ると、バックフォーカスSKwが長くなり、広角端でのズームレンズの光学全長が長くなり、小型化が困難となるため、好ましくない。
【0032】
条件式(6)は、ズームレンズの広角端における光学全長LDwと広角端における全系の焦点距離fwに関する条件を示す。LDw/fwが条件式(6)の下限値を下回ると、広角端における全系の焦点距離fwが長くなり、ズームレンズの高変倍比化が困難となるため、好ましくない。LDw/fwが条件式(6)の上限値を上回ると、広角端の光学全長LDwが長くなり、ズームレンズの小型化が困難となるため、好ましくない。
【0033】
条件式(7)は、正レンズGpの焦点距離fGpと第1レンズ群L1の焦点距離f1に関する条件を示す。fGp/f1が条件式(7)の下限値を下回ると、正レンズGpの焦点距離fGpが短くなり、球面収差の補正が困難となるため、好ましくない。fGp/f1の条件式(7)の上限値を上回ると、正レンズGpの焦点距離fGpが長くなり、望遠端における倍率色収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0034】
条件式(8)は、第1レンズ群L1の焦点距離f1と第2レンズ群L2の焦点距離f2に関する条件である。f2/f1が条件式(8)の下限値を下回ると、第1レンズ群L1の焦点距離f1が長くなって広角端から望遠端へのズーミングに際しての第1レンズ群L1の移動量が大きくなり、ズームレンズの小型化が困難となるため、好ましくない。f2/f1が条件式(8)の上限値を上回ると、第1レンズ群L1の焦点距離f1が短くなり、第1レンズ群L1で発生する球面収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0035】
条件式(9)は、最も像側のレンズ群LRnの焦点距離fRnと第1レンズ群L1の焦点距離f1に関する条件を示す。fRn/f1が条件式(9)の下限値を下回ると、最も像側のレンズ群LRnの焦点距離fRnが長くなり、ズームレンズの全長に対して主点を長くすることが困難となり、ズームレンズの小型化が困難となるため、好ましくない。fRn/f1が条件式(9)の上限値を上回ると、最も像側のレンズ群LRnの焦点距離fRnが短くなり、像面湾曲や歪曲の補正が困難となるため、好ましくない。
【0036】
条件式(10)は、第1レンズ群L1の広角端から望遠端へのズーミングに際しての移動量M1と、開口絞りSPと負レンズ群Lnとの間に配置された正レンズ群Lpの同ズーミングに際しての移動量MLpに関する条件を示す。|MLp/M1|が条件式(10)の下限値を下回ると、第1レンズ群L1の移動量M1が長くなり、ズームレンズの小型化が困難となるため、好ましくない。|MLp/M1|が条件式(10)の上限値を上回ると、正レンズ群Lpの移動量MLpが長くなり、ズームレンズの小型化が困難となるため、好ましくない。
【0037】
条件式(11)は、第1レンズ群L1の広角端から望遠端へのズーミングに際しての移動量M1と負レンズ群Lnの同ズーミングに際しての移動量MLnに関する条件を示す。を規定している。|MLn/M1|が条件式(11)の下限値を下回ると、第1レンズ群L1の移動量M1が長くなり、ズームレンズの小型化が困難となるため、好ましくない。|MLn/M1|が条件式(11)の上限値を上回ると、負レンズ群Lnの移動量MLnが長くなり、ズームレンズの小型化が困難となるため、好ましくない。
【0038】
条件式(12)は、第1レンズ群L1群に含まれる少なくとも2つの正レンズのd線に対するアッベ数の平均値νdL1Pave.に関する条件である。νdL1Pave.が条件式(12)の下限値を下回ると、望遠端における軸上色収差および倍率色収差の補正が困難となるため、好ましくない。νdL1Pave.が条件式(12)の上限値を上回ると、正レンズの分散が小さくなりすぎて広角端での倍率色収差を補正することが困難となるため、好ましくない。
【0039】
条件式(4)~(12)の数値範囲を、以下の条件式(4a)~(12a)の範囲とすることがより好ましい。
1.66<ndp<2.07 (4a)
0.10<SKw/fw<0.45 (5a)
1.2<LDw/fw<3.0 (6a)
0.12<fGp/f1<1.10 (7a)
-0.70<f2/f1<-0.20 (8a)
-2.50<fN/f1<-0.20 (9a)
0<|MLp/M1|<0.40 (10a)
0<|MLn/M1|<0.30 (11a)
70<νdL1Pave.<98 (12a)
また、条件式(4)~(12)の数値範囲を、以下の条件式(4b)~(12b)の範囲とすることがさらに好ましい。
1.67<ndp<2.00 (4b)
0.14<SKw/fw<0.43 (5b)
1.5<LDw/fw<2.6 (6b)
0.15<fGp/f1<1.00 (7b)
-0.65<f2/f1<-0.30 (8b)
-2.20<fN/f1<-0.23 (9b)
0<|MLp/M1|<0.36 (10b)
0<|MLn/M1|<0.25 (11b)
75<νdL1Pave.<95 (12b)
以下、実施例1~6にそれぞれ対応する数値実施例1~5を示す。各数値実施例において、光学系の各面には物体側からの面番号i(iは自然数)を付している。rは各面の曲率半径(mm)、dは面番号iの面と面番号(i+1)の面との間の光軸上のレンズ厚または距離(空気間隔)(mm)、ndは各面を有する光学部材の材料のd線に対する屈折率である。νdは各面を有する光学部材の材料のd線に対するアッベ数である。ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd、NF、NCとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
で表される。
【0040】
焦点距離(mm)、Fナンバーおよび半画角(°)は光学系が無限遠物体に合焦した状態での値である。レンズ全長は、光学系の最前面(最も物体側のレンズ面)から最終面(最も像側のレンズ面)までの光軸上の距離にバックフォーカスSKを加えた長さである。バックフォーカスSKは、光学系の最終面から像面までの距離である。
【0041】
面番号に付された「*」は、その面が非球面形状を有する面であることを意味する。非球面形状は、xを光軸方向の面頂点からの変位量、hを光軸に直交する方向における光軸からの高さ、光の進行方向を正とし、Rを近軸曲率半径、kを円錐定数、A4,A6,A8を非球面係数とするとき、以下の式で表される。非球面係数の「e-x」は10-xを意味する。
【0042】
x=(h2/R)/[1+{1-(1+k)(h/R)2}1/2+A4×h4+A6×h6
+A8×h8+A8×h8+A10×h10+A12×h12
数値例1~5における前述した条件式(1)~(12)に対応する値を表1にまとめて示す。
[数値実施例1]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 90.644 5.00 1.48749 70.2
2 729.457 0.15
3 118.536 1.72 1.61340 44.3
4 44.444 7.63 1.49700 81.5
5 701.885 (可変)
6 ∞ 1.55
7 61.503 1.45 1.51633 64.1
8 30.444 4.90
9 -46.693 1.45 1.54072 47.2
10 42.460 2.40 2.00069 25.5
11 129.562 (可変)
12(絞り) ∞ 0.27
13 30.808 5.46 1.49700 81.5
14 -114.560 (可変)
15 -34.891 0.76 1.76385 48.5
16 21.946 5.06 1.80610 40.7
17 -157.249 (可変)
18 215.866 0.86 2.05090 26.9
19 32.638 6.46 1.49700 81.5
20 -41.283 0.15
21 40.548 4.63 1.83481 42.7
22 -194.106 (可変)
23 -110.386 0.90 1.83481 42.7
24 32.543 3.04 1.72825 28.5
25 77.918 (可変)
26 -27.078 1.55 1.49700 81.5
27 -77.278 0.15
28 133.694 2.87 1.85478 24.8
29 -465.663 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 2.68
広角 中間 望遠
焦点距離 72.27 135.02 193.89
Fナンバー 4.08 4.08 4.12
画角 16.67 9.10 6.37
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 137.50 175.84 193.12
SK 14.44 24.23 29.66
d 5 1.04 39.38 56.66
d11 14.15 7.90 3.56
d14 5.42 9.82 13.52
d17 9.21 4.80 1.11
d22 18.91 9.71 2.24
d25 15.94 21.59 27.98
d29 14.44 24.23 29.66
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 151.61
2 6 -58.12
3 12 49.47
4 15 -69.02
5 18 37.79
6 23 -49.00
7 26 -295.37
[数値実施例2]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 130.951 6.78 1.43875 94.7
2 5156.894 0.20
3 132.263 2.00 1.61340 44.3
4 69.599 9.09 1.43875 94.7
5 524.473 (可変)
6 261.347 1.50 1.59282 68.6
7 70.880 3.69
8 -97.743 1.50 1.49700 81.5
9 60.846 2.73 1.72047 34.7
10 138.808 (可変)
11 55.392 4.94 1.49700 81.5
12 -204.607 0.10
13 50.366 3.47 1.75211 25.1
14 458.842 1.00 2.05090 26.9
15 61.423 3.25
16(絞り) ∞ (可変)
17 -47.182 1.10 1.83400 37.2
18 80.000 3.48 1.85025 30.1
19 -138.294 (可変)
20 -221.431 3.92 1.69895 30.1
21 -42.400 0.10
22 108.557 5.41 1.49700 81.5
23 -39.324 1.00 2.05090 26.9
24 -159.423 0.10
25 46.337 3.43 1.49700 81.5
26 ∞ (可変)
27 -518.107 1.50 1.53172 48.8
28 -135.940 1.20 1.61800 63.4
29 41.451 (可変)
30 105.992 3.70 1.51742 52.4
31 -89.325 (可変)
32 -187.453 1.40 1.59282 68.6
33 66.735 5.91
34 -41.898 1.40 1.49700 81.5
35 256.102 4.27 1.72047 34.7
36 -77.338 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 4.76
広角 中間 望遠
焦点距離 103.04 198.65 489.97
Fナンバー 4.60 5.20 7.20
画角 11.86 6.22 2.53
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 219.06 268.17 319.06
SK 14.98 38.95 82.80
d 5 1.00 50.12 101.00
d10 35.44 23.54 0.48
d16 9.27 14.63 23.48
d19 14.92 9.56 0.72
d26 13.13 10.67 1.15
d29 17.29 19.75 29.28
d31 34.85 22.78 1.99
d36 14.98 38.95 82.80
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 217.47
2 6 -77.56
3 11 91.63
4 17 -90.45
5 20 47.52
6 27 -60.23
7 30 94.29
8 32 -76.45
[数値実施例3]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 103.053 7.52 1.49700 81.5
2 725.524 0.20
3 112.009 1.80 1.61340 44.3
4 52.969 12.50 1.43875 94.7
5 ∞ (可変)
6 ∞ 1.08
7 -2555.714 1.40 1.59282 68.6
8 68.931 4.02
9 -82.201 1.30 1.76385 48.5
10 48.635 4.99 1.85478 24.8
11 406.572 (可変)
12(絞り) ∞ 0.30
13* 55.885 6.56 1.49700 81.5
14 -109.609 (可変)
15 -36.129 1.00 1.60342 38.0
16 63.489 4.84 1.73800 32.3
17 -77.556 (可変)
18 179.554 1.00 2.05090 26.9
19 54.696 6.07 1.49700 81.5
20 -65.807 0.15
21 102.171 5.62 1.49700 81.5
22 -55.362 1.00 2.05090 26.9
23 -87.700 0.15
24 57.524 4.17 1.88300 40.8
25 554.215 (可変)
26 144.214 2.88 1.66565 35.6
27 -251.120 1.00 1.69680 55.5
28 28.677 (可変)
29 -445.944 6.31 1.85478 24.8
30 -41.161 3.64
31* -22.920 1.90 1.80100 35.0
32 -70.502 (可変)
像面 ∞
非球面データ
第13面
K = 0.00000e+000 A 4=-8.76146e-007 A 6= 5.67123e-010 A 8= 1.84872e-013
第31面
K = 0.00000e+000 A 4= 1.18552e-005 A 6= 1.25785e-008 A 8= 3.61618e-012 A10= 1.46291e-014 A12= 7.87900e-017
各種データ
ズーム比 2.69
広角 中間 望遠
焦点距離 72.10 135.00 194.00
Fナンバー 2.89 2.89 2.91
画角 16.70 9.10 6.36
像高 21.64 21.64 21.64
レンズ全長 163.87 208.65 224.89
SK 14.23 24.02 29.52
d 5 1.00 45.78 62.02
d11 11.47 8.33 3.88
d14 12.05 18.97 23.08
d17 12.17 5.26 1.14
d25 14.88 7.07 1.10
d28 16.67 17.84 22.76
d32 14.23 24.02 29.52
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 158.38
2 6 -53.20
3 12 75.47
4 15 -219.32
5 18 41.85
6 26 -51.16
7 29 -337.91
[数値実施例4]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 63.487 1.70 1.95375 32.3
2 46.145 5.50 1.49700 81.5
3 -412.764 (可変)
4 -291.337 1.00 1.51742 52.4
5 20.318 5.63 1.67300 38.3
6 -59.893 0.74
7 -52.272 1.00 1.77250 49.6
8 44.080 (可変)
9 29.952 3.28 1.49700 81.5
10 -171.152 0.50
11(絞り) ∞ (可変)
12 -28.710 0.80 1.70300 52.4
13 34.075 2.00 1.67300 38.3
14 134.433 (可変)
15 141.263 1.20 2.05090 26.9
16 39.129 4.11 1.49700 81.5
17 -28.244 0.33
18 44.211 3.21 1.65844 50.9
19 -78.835 (可変)
20 -143.738 2.45 1.78880 28.4
21 -35.836 3.43
22 -28.098 1.00 1.75500 52.3
23 44.815 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 4.27
広角 中間 望遠
焦点距離 56.85 153.09 242.93
Fナンバー 4.50 6.80 7.10
画角 13.51 5.10 3.22
像高 13.66 13.66 13.66
レンズ全長 123.69 176.37 188.73
SK 21.47 42.70 66.84
d 3 2.12 54.79 67.15
d 8 23.94 16.78 1.93
d11 2.63 8.76 11.13
d14 10.39 4.26 1.89
d19 25.27 11.20 1.92
d23 21.47 42.70 66.84
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 155.79
2 4 -69.66
3 9 51.57
4 12 -32.69
5 15 29.20
6 20 -40.09
[数値実施例5]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 57.496 1.20 1.85150 40.8
2 40.223 6.14 1.49700 81.5
3 -457.189 (可変)
4 79.212 1.00 2.00100 29.1
5 40.897 (可変)
6 -44.478 1.00 1.77250 49.6
7 300.870 2.02 1.85478 24.8
8 -78.566 (可変)
9 39.166 2.86 1.48749 70.2
10 -265.887 0.50
11(絞り) ∞ (可変)
12 -29.254 0.80 1.61800 63.4
13 61.405 1.67 1.85478 24.8
14 -243.699 (可変)
15 222.427 0.80 2.05090 26.9
16 30.476 5.19 1.59282 68.6
17 -35.498 0.33
18 31.929 4.57 1.51633 64.1
19 -86.557 (可変)
20 -92.521 2.49 1.85478 24.8
21 -34.205 3.40
22 -27.375 1.00 1.77250 49.6
23 39.674 (可変)
像面 ∞
各種データ
ズーム比 4.89
広角 中間 望遠
焦点距離 49.72 153.03 242.97
Fナンバー 4.50 6.80 7.10
画角 15.36 5.10 3.22
像高 13.66 13.66 13.66
レンズ全長 124.87 174.19 189.86
SK 20.72 38.30 55.23
d 3 2.02 51.34 67.00
d 5 2.57 4.77 2.02
d 8 21.59 3.53 1.92
d11 2.66 21.80 25.14
d14 17.81 8.32 1.62
d19 22.52 11.16 1.95
d23 20.72 38.30 55.23
ズームレンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 140.25
2 4 -85.58
3 6 -169.39
4 9 70.24
5 12 -73.37
6 15 34.12
7 20 -33.63
【0043】
【0044】
図11は、実施例1~5のいずれかのズームレンズを撮像光学系として用いた実施例6としてのデジタルスチルカメラ(撮像装置、光学機器)を示している。10はカメラ本体、11は撮影光学系である。12はカメラ本体10に内蔵され、撮像光学系11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。
【0045】
カメラ本体10はクイックリターンミラーを有する一眼レフカメラでもよいし、クイックリターンミラーを有さないミラーレスカメラでもよい。
【0046】
実施例1~5のいずれかのズームレンズをデジタルスチルカメラ等の撮像装置に用いることにより、レンズが小型である撮像装置を得ることができる。また、実施例1~5のいずれかのズームレンズを交換レンズ(光学機器)に搭載すれば、小型の交換レンズを得ることができる。
【0047】
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群
L5 第5レンズ群
L6 第6レンズ群
L7 第7レンズ群
L8 第8レンズ群
SP 開口絞り
IP 像面