(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20240105BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
G03G15/08 222
G03G21/00 512
(21)【出願番号】P 2019196568
(22)【出願日】2019-10-29
【審査請求日】2022-10-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 真寛
(72)【発明者】
【氏名】古川 三洋
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 俊一
(72)【発明者】
【氏名】井上 達也
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-151612(JP,A)
【文献】特開2015-155965(JP,A)
【文献】特開2008-197489(JP,A)
【文献】特開2010-243963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体と、
トナーとキャリアを含む現像剤を収容し且つ現像剤の循環経路を形成する現像容器と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像する現像位置にトナーを担持搬送する現像スリーブと、前記現像スリーブに対向して配置され且つ前記循環経路から供給された現像剤を担持搬送し且つ前記現像スリーブにトナーのみを供給する供給スリーブと、前記現像スリーブから落下するトナーを受けるトナー受け部材と、
前記現像容器に収容された前記現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサと、を有する現像装置と、
前記トナー受け部材を振動させる振動手段と、
前記振動手段を制御して前記トナー受け部材を振動させる振動モードを実行する制御手段と、
制御用トナー像の画像濃度を検知する濃度検知手段と、
前記トナー濃度センサによって検知された前記トナー濃度と、前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度とに基づいて、前記現像容器にトナーを補給するトナー補給手段と、
を備え、
前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度が第1の濃度であ
り、且つ、画像比率が所定の比率であるトナー像を所定枚数連続して画像形成した場合に、前記制御手段によって実行される前記振動モードの実行間隔よりも、前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度が前記第1の濃度よりも高い第2の濃度であ
り、且つ、画像比率が前記所定の比率であるトナー像を前記所定枚数連続して画像形成した場合に、前記制御手段によって実行される前記振動モードの実行間隔の方が短い、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度に基づいて、前記現像容器に収容された前記現像剤のトナー濃度の目標値を決定する決定手段と、を更に備え、
前記トナー補給手段は、前記トナー濃度センサによって検知された前記トナー濃度と、前記決定手段によって決定された前記目標値とに基づいて、前記現像容器にトナーを補給する、
ことを特徴とする
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
像担持体と、
トナーとキャリアを含む現像剤を収
容する現像容器と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像する
ために前記現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、前記現像容器に収容された前記現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサと、を有する現像装置と、
前記
現像装置を振動させる振動手段と、
前記振動手段を制御して前記
現像装置を振動させる振動モードを実行する制御手段と、
制御用トナー像の画像濃度を検知する濃度検知手段と、
前記トナー濃度センサによって検知された前記トナー濃度と、前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度とに基づいて、前記現像容器にトナーを補給するトナー補給手段と、
を備え、
前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度が第1の濃度であり、且つ、画像比率が所定の比率であるトナー像を所定枚数連続して画像形成した場合に、前記制御手段によって実行される前記振動モードの実行間隔よりも、前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度が前記第1の濃度よりも高い第2の濃度であり、且つ、画像比率が前記所定の比率であるトナー像を前記所定枚数連続して画像形成した場合に、前記制御手段によって実行される前記振動モードの実行間隔の方が短い、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度に基づいて、前記現像容器に収容された前記現像剤のトナー濃度の目標値を決定する決定手段と、を更に備え、
前記トナー補給手段は、前記トナー濃度センサによって検知された前記トナー濃度と、前記決定手段によって決定された前記目標値とに基づいて、前記現像容器にトナーを補給する、
ことを特徴とする
請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらの複数の機能を有する複合機などの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を用いた画像形成装置に使用される現像剤としては、非磁性トナー(以下、トナーという)と、磁性キャリア(以下、キャリアという)と、を含む二成分現像剤が普及している。この二成分現像剤を利用して像担持体の一例である感光ドラムに形成された静電潜像を現像する現像方式として、ハイブリッド現像方式が知られている。ハイブリッド現像方式では、トナーを担持して回転することで感光ドラムを現像する現像スリーブと、現像容器内の現像剤を担持して回転することで現像スリーブにトナーを供給する供給スリーブと、が用いられる。
【0003】
ハイブリッド現像方式では、供給スリーブと現像スリーブとの対向部分やその周囲からトナーが飛散する場合があり、現像容器内で飛散したトナーは、現像容器内の気流に乗り、規制ブレードや現像スリーブに対向する現像容器の内壁に堆積する場合がある。堆積したトナーが凝集し現像スリーブへ付着すると、凝集したトナーが感光ドラム上へ供給され、画像不良を発生する虞がある。そこで、トナーが堆積する部分にトナー受け部材を設け、このトナー受け部材を振動手段により振動可能にした現像装置が提案されている(特許文献1参照)。この現像装置を備える画像形成装置では、一定の印字枚数毎の非画像形成時にトナー受け部材を振動させる振動モードを実行し、堆積したトナーをふるい落として、供給スリーブに担持された現像剤により回収するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された現像装置を備える画像形成装置では、一定の印字枚数毎の非画像形成時に振動モードを実行してトナー受け部材を振動させているので、振動間隔が適正でない場合がある。即ち、現像容器内で飛散するトナーの量は、供給スリーブ及び現像スリーブの対向位置に供給されるトナーの量と、供給スリーブ及び現像スリーブの周りの気流の強さと、トナーの単位質量あたりの帯電量(以下、トナー帯電量という)等に依存する。このうち、トナー帯電量が小さいとトナーが飛散し易くなり、トナー受け部材へのトナーの堆積が早くなる。トナー帯電量は、画像比率や現像装置の空回転時間に依存する。例えば、画像比率が高くなるほどトナーの入れ替わりが促進され、空回転が十分にされていないため、トナー帯電量は小さくなる。また、トナー帯電量を検知する方法としては、例えば、パッチ画像を形成してパッチ濃度を検知する方法や、所定枚数分の画像形成した画像比率から算出する方法がある。
【0006】
ここで、画像比率の高い印刷が連続して行われるなどしてトナー帯電量が小さくなった場合は、トナーの堆積が早くなる。このとき、上述した一定の印字枚数毎に振動モードを実行する構成では、トナー受け部材を振動させる間隔がトナーの堆積する早さに対して長すぎて、トナーのふるい落としが追い付かなくなる場合がある。この場合、現像容器の内壁にトナーの堆積と凝集が進んでしまい、凝集したトナーが現像スリーブへ付着して感光ドラムへ凝集したトナーが供給されることで、画像不良を生じてしまう虞がある。一方、画像比率の低い印刷が連続して行われるなどしてトナー帯電量が大きくなった場合は、トナーの堆積が遅くなる。このとき、上述した一定の印字枚数毎に振動モードを実行する構成では、トナー受け部材を振動させる間隔がトナーの堆積する早さに対して短すぎて、その度に画像形成を中断することで生産性が低下してしまう虞がある。
【0007】
本発明は、振動モードの実行間隔を適正化できる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の画像形成装置は、像担持体と、トナーとキャリアを含む現像剤を収容し且つ現像剤の循環経路を形成する現像容器と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像する現像位置にトナーを担持搬送する現像スリーブと、前記現像スリーブに対向して配置され且つ前記循環経路から供給された現像剤を担持搬送し且つ前記現像スリーブにトナーのみを供給する供給スリーブと、前記現像スリーブから落下するトナーを受けるトナー受け部材と、前記現像容器に収容された前記現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサと、を有する現像装置と、前記トナー受け部材を振動させる振動手段と、前記振動手段を制御して前記トナー受け部材を振動させる振動モードを実行する制御手段と、制御用トナー像の画像濃度を検知する濃度検知手段と、前記トナー濃度センサによって検知された前記トナー濃度と、前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度とに基づいて、前記現像容器にトナーを補給するトナー補給手段と、を備え、前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度が第1の濃度であり、且つ、画像比率が所定の比率であるトナー像を所定枚数連続して画像形成した場合に、前記制御手段によって実行される前記振動モードの実行間隔よりも、前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度が前記第1の濃度よりも高い第2の濃度であり、且つ、画像比率が前記所定の比率であるトナー像を前記所定枚数連続して画像形成した場合に、前記制御手段によって実行される前記振動モードの実行間隔の方が短いことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の画像形成装置は、像担持体と、トナーとキャリアを含む現像剤を収容する現像容器と、前記像担持体に形成された静電潜像を現像するために前記現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、前記現像容器に収容された前記現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサと、を有する現像装置と、前記現像装置を振動させる振動手段と、前記振動手段を制御して前記現像装置を振動させる振動モードを実行する制御手段と、制御用トナー像の画像濃度を検知する濃度検知手段と、前記トナー濃度センサによって検知された前記トナー濃度と、前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度とに基づいて、前記現像容器にトナーを補給するトナー補給手段と、を備え、前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度が第1の濃度であり、且つ、画像比率が所定の比率であるトナー像を所定枚数連続して画像形成した場合に、前記制御手段によって実行される前記振動モードの実行間隔よりも、前記濃度検知手段によって検知された前記画像濃度が前記第1の濃度よりも高い第2の濃度であり、且つ、画像比率が前記所定の比率であるトナー像を前記所定枚数連続して画像形成した場合に、前記制御手段によって実行される前記振動モードの実行間隔の方が短いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、振動モードの実行間隔を適正化できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の概略構成断面図。
【
図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の制御ブロック図。
【
図3】第1の実施形態に係る現像装置の概略構成断面図。
【
図4】第1の実施形態に係る現像装置の概略縦断面図。
【
図5】第1の実施形態に係る現像装置の振動モータ及び加振ウェイトであり、(a)は側面図、(b)は正面図。
【
図6】第1の実施形態に係る現像装置の回収モード実行時の概略縦断面図。
【
図7】第1の実施形態に係る現像装置で使用される現像剤のトナー帯電量とトナー堆積量との関係を示すグラフ。
【
図8】第1の実施形態に係る画像形成装置による回収モードの実行手順を示すフローチャート。
【
図9】第1の実施形態に係る現像装置のパッチ画像の画像濃度と積算係数αとの関係を示すグラフ。
【
図10】第2の実施形態に係る画像形成装置による回収モードの実行手順を示すフローチャート。
【
図11】第3の実施形態に係る画像形成装置による回収モードの実行手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の実施形態>
第1の実施形態について、
図1~
図9を用いて説明する。まず、本実施形態の画像形成装置の概略構成について、
図1を用いて説明する。
【0013】
[画像形成装置]
図1に示す画像形成装置1は、装置本体内に4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像形成部PY、PM、PC、PKを有する電子写真方式のフルカラープリンタである。本実施形態では、画像形成部PY、PM、PC、PKを後述する中間転写ベルト7の回転方向に沿って配置した中間転写タンデム方式としている。画像形成装置1は、装置本体に接続された不図示の原稿読み取り装置又は装置本体に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)を記録材Sに形成する。記録材としては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。
【0014】
トナー像の形成プロセスについて説明する。まず、画像形成部PY、PM、PC、PKについて説明する。但し、画像形成部PY、PM、PC、PKは、トナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外、ほぼ同一に構成される。そこで、以下では代表してイエローの画像形成部PYを例に説明し、その他の画像形成部PM、PC、PKについては説明を省略する。
【0015】
画像形成部PYは、主に感光ドラム2、帯電装置3、露光装置4、現像装置5等から構成される。回転駆動される像担持体の一例としての感光ドラム2の表面は、帯電装置3により予め表面を一様に帯電され、その後、画像情報の信号に基づいて駆動される露光装置4によって静電潜像が形成される。即ち、感光ドラム2には、静電潜像が形成される。感光ドラム2上に形成された静電潜像は、現像装置5によってトナーにより現像され、トナー像として可視像化される。また、画像形成で消費された現像剤中のトナーは、不図示のトナーカートリッジからキャリアと共に補給される。
【0016】
その後、感光ドラム2と中間転写ベルト7を挟んで対向配置される一次転写ローラ6により所定の加圧力及び一次転写バイアスが与えられ、感光ドラム2上に形成されたトナー像が中間転写ベルト7上に一次転写される。一次転写後の感光ドラム2上に僅かに残る転写残トナーは、クリーニング装置8により除去され、再び次の画像形成プロセスに備える。
【0017】
中間転写ベルト7は、テンションローラ10、二次転写内ローラ11、駆動ローラ12によって張架されている。中間転写ベルト7は、駆動ローラ12によって図中矢印R1方向へと移動するように駆動される。上述の画像形成部PY、PM、PC、PKにより処理される各色の画像形成プロセスは、中間転写ベルト7上に一次転写された移動方向上流の色のトナー像上に順次重ね合わせるタイミングで行われる。その結果、最終的にはフルカラーのトナー像が中間転写ベルト7上に形成され、二次転写部T2へと搬送される。二次転写部T2は、中間転写ベルト7の二次転写内ローラ11に張架された部分と二次転写外ローラ13とにより形成される転写ニップ部である。なお、二次転写部T2を通過した後の転写残トナーは、転写クリーナ装置14によって中間転写ベルト7から除去される。
【0018】
二次転写部T2まで送られて来るトナー像の形成プロセスに対して、同様のタイミングで二次転写部T2までの記録材Sの搬送プロセスが実行される。搬送プロセスでは、記録材Sは、不図示のシートカセット等から給送され、画像形成タイミングに合わせて二次転写部T2へと送られる。二次転写部T2では、二次転写内ローラ11に二次転写電圧が印加される。
【0019】
以上、画像形成プロセス及び搬送プロセスにより、二次転写部T2において中間転写ベルト7から記録材Sにトナー像が二次転写される。その後、記録材Sは定着装置15へと搬送され、定着装置15により加熱及び加圧されることにより、トナー像が記録材S上に溶融固着される。こうしてトナー像が定着された記録材Sは、排出ローラにより排出トレイに排出される。
【0020】
[制御部]
画像形成装置1は、上記した画像形成動作などの各種制御を行うための制御部20を備えている。画像形成装置1の各部の動作は、画像形成装置1に設けられた制御部20によって制御される。一連の画像形成動作は、装置本体の上面の操作部、あるいは、ネットワークを経由した各入力信号に従って制御部20が制御している。
【0021】
図2に示すように、制御部20は、演算制御手段としてのCPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23等を有する。CPU21は、ROM22に格納された制御手順に対応するプログラムを読み出しながら画像形成装置1の各部の制御を行う。RAM23には、作業用データや入力データが格納されており、CPU21は、前述のプログラム等に基づいてRAM23に収納されたデータを参照して制御を行う。制御部20は、画像処理部24で画像情報を処理して各部の駆動信号を生成し、画像形成制御部25で各部の動作を制御し、補給制御部26で現像装置5に対するトナー補給制御を行う。制御部20には、トナー濃度センサ58と、光学センサ80と、温湿度センサ81とが接続されている。トナー濃度センサ58と、光学センサ80とについては後述する。尚、温湿度センサ81は、温度検知手段の一例として現像装置5の内部の温度及び湿度に関する情報を検知するために、例えば、撹拌室53の壁部のトナー搬送方向下流側の一部に設けられている(
図3参照)。
【0022】
[二成分現像剤]
次に、本実施形態にて用いられる現像剤について説明する。本実施形態では、現像剤として、非磁性トナー粒子(トナー)と磁性キャリア粒子(キャリア)を含む二成分現像剤を使用している。トナーは、結着樹脂、着色剤、及び、必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子であり、その表面にコロイダルシリカ微粉末のような外添剤が外添されている。本実施形態で用いたトナーは、負帯電性のポリエステル系樹脂であり、体積平均粒径は約7.0μmである。本実施形態で用いたキャリアは、例えば表面が酸化処理された鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属粒子からなり、体積平均粒径は約50μmである。
【0023】
[現像装置]
次に、現像装置5について、
図3乃至
図6を用いて詳細に説明する。
図3及び
図4に示すように、現像装置5は、現像容器50と、現像スリーブ60と、供給スリーブ61と、回収機構70(
図4参照)と、を備えている。
【0024】
現像容器50には、非磁性トナー及び磁性キャリアを含む現像剤が収容される。現像容器50内の略中央部は、現像室52と撹拌室53とが水平方向に隣接するように隔壁51によって区画されている。現像剤は、現像室52及び撹拌室53に収容されている。現像室52及び撹拌室53には、現像剤を撹拌して循環させるために回転可能な第1搬送スクリュ54及び第2搬送スクリュ55が、それぞれ配置されている。第1搬送スクリュ54及び第2搬送スクリュ55は、現像容器50内の現像剤を撹拌しつつ搬送する撹拌部材の一例に相当する。第1搬送スクリュ54は、現像室52の底部に供給スリーブ61の軸方向に沿ってほぼ平行に対向して配置されており、第2搬送スクリュ55は撹拌室53内の底部に第1搬送スクリュ54とほぼ平行に配置されている。第1搬送スクリュ54及び第2搬送スクリュ55を回転することで、現像剤を搬送する。なお、現像室52において現像剤が搬送される搬送路を現像搬送路52pとし、撹拌室53において現像剤が搬送される搬送路を撹拌搬送路53pとする。第1搬送スクリュ54及び第2搬送スクリュ55の回転によって搬送された現像剤は、隔壁51の両端部の開口部である連通部56、57を通じて現像室52と撹拌室53とを循環する。
【0025】
撹拌室53には、第2搬送スクリュ55と対面して、トナー濃度センサ58が配置されている。トナー濃度センサ58としては、例えば、現像容器50内の現像剤の透磁率を検出する透磁率センサが用いられる。制御部20は、トナー濃度センサ58の検知結果に基づいて、トナーカートリッジからトナー補給口59を介して撹拌室53にトナーを補給する。
【0026】
図4に示すように、供給スリーブ61の回転軸線方向から視て供給スリーブ61の斜め上方で感光ドラム2との間には、現像スリーブ60が設けられている。供給スリーブ61と現像スリーブ60とは、回転軸線をほぼ平行にして、対向部分Ar2において互いに対向して配置されている。現像スリーブ60は、現像容器50の開口側において感光ドラム2に対向している。現像スリーブ60及び供給スリーブ61は、それぞれ回転軸周りに関して回動自在に設けられている。現像スリーブ60及び供給スリーブ61は、装置本体に設けられた駆動部9(
図2参照)によって、
図4中の反時計回りに回転駆動される。即ち、現像スリーブ60及び供給スリーブ61は、対向部分Ar2で反対方向に回転すると共に、駆動部9により回転速度を可変としている。
【0027】
供給スリーブ61は、
図4において反時計方向に回転する非磁性のスリーブからなり、内周側に設けられた磁界発生手段である回転しないマグネットローラ61aの周囲を回転可能に設けられている。マグネットローラ61aは、複数の磁極を有しており、現像極S1と現像剤を搬送する磁極S3、N2、N1、S2を有している。このうち同極である磁極S2、S3は、隣り合って現像容器50の内側に設置され、極間では反発磁界が形成される。供給スリーブ61は、現像容器50の内部の現像剤を担持して回転することで、現像スリーブ60にトナーを供給可能である。
【0028】
現像スリーブ60は、
図4において反時計回り方向に回転する非磁性のスリーブからなり、内周側に設けられた1つの磁極を持つ回転しないマグネット60aの周囲を回転可能に設けられている。現像スリーブ60は、トナーを担持して回転することで感光ドラム2に対向する対向領域である現像領域Ar1において感光ドラム2上の静電潜像を現像可能である。供給スリーブ61と現像スリーブ60とは、その対向部分Ar2において所定のギャップをもって対向している。現像スリーブ60内のマグネット60aの磁極N3は、対向する現像極S1と異極性である。
【0029】
現像容器50には、規制ブレード62が供給スリーブ61に対向して長手方向に沿って取り付けられている。規制ブレード62は、供給スリーブ61の回転方向(
図4中、反時計回転方向)において、現像スリーブ60と供給スリーブ61との対向部分Ar2よりも上流側に位置付けられている。規制ブレード62の先端と供給スリーブ61の表面との間には、僅かな隙間(ギャップ)が形成されている。
【0030】
[トナーの供給と回収]
現像スリーブ60には、直流電圧と交流電圧とが重畳された現像電圧(以下、現像バイアスという)が印加されている。供給スリーブ61には、直流電圧と交流電圧とが重畳された供給電圧(以下、供給バイアスという)が印加されている。これらの電圧は、電圧印加部の一例としてのバイアス電源82(
図2参照)からバイアス制御回路を経由して現像スリーブ60及び供給スリーブ61に印加される。即ち、バイアス電源82は、現像スリーブ60と供給スリーブ61との間に直流成分及び交流成分を含む電圧を印加する。
【0031】
現像室52内の現像剤は、第1搬送スクリュ54によって供給スリーブ61に搬送され、供給スリーブ61上に発生している磁界によって穂立ちした磁気穂を形成する。供給スリーブ61上の磁気穂は、規制ブレード62によって層厚規制された後、供給スリーブ61の回転によって供給スリーブ61と現像スリーブ60との対向部分Ar2に搬送される。供給スリーブ61に印加される供給バイアスの直流電圧と現像スリーブ60に印加される現像バイアスの直流電圧との電位差ΔVにより、供給スリーブ61と現像スリーブ60との対向部分Ar2に電界が生ずる。この生じた電界によって、現像スリーブ60上にトナー薄層が形成される。
【0032】
現像スリーブ60上のトナー層厚は、例えば、供給スリーブ61と現像スリーブ60との回転速度差により変化する。これは、供給スリーブ61が供給するトナーの量と現像スリーブ60が供給されるトナーの量とが、回転速度差により変化することに起因する。現像スリーブ60上に形成されるトナー層の厚さは、現像スリーブ60上の単位面積当たりに供給されたトナーの量で表すことができる。このことから、現像スリーブ60の回転速度に対して供給スリーブ61の回転速度を大きくするほど、現像スリーブ60上に形成されるトナー層は厚くなる。一般的に現像スリーブ60と供給スリーブ61との回転速度の関係は、現像スリーブ60の回転速度を分母とし、供給スリーブ61の回転速度を分子とした場合の回転速度の比で表される。この回転速度の比は、感光ドラム2上の潜像を現像するために必要十分なトナー層を形成できるように選定され、本実施形態では1.6としている。よって、供給スリーブ61の回転速度が速くなるほど、または、現像スリーブ60の回転速度が遅くなるほど、現像スリーブ60上のトナー層厚は厚くなる。また、現像スリーブ60上のトナー層厚は、供給バイアスの直流電圧と現像バイアスの直流電圧との電位差ΔVでも制御することができる。この電位差ΔVを大きくすることで、現像スリーブ60上のトナー層は厚くなる。現像時における電位差ΔVの範囲は、一般的に100V~350V程度が適切である。
【0033】
供給スリーブ61上の磁気穂との接触によって現像スリーブ60上に形成されたトナー薄層は、現像スリーブ60の回転によって感光ドラム2と現像スリーブ60との対向部分(以下、現像領域Ar1という)に搬送される。現像スリーブ60には現像バイアスが印加されているため、感光ドラム2との間の電位差によって現像スリーブ60から感光ドラム2にトナーが飛翔し、感光ドラム2上の静電潜像が現像される。
【0034】
現像に用いられずに残ったトナーは、再び現像スリーブ60と供給スリーブ61との対向部分Ar2に搬送され、供給スリーブ61上の磁気穂によって摺擦されて回収される。磁気穂は、マグネットローラ61aの反発磁界が形成される剥ぎ取り部で供給スリーブ61から現像室52内に落下して、現像容器50内を循環している現像剤と混合される。その後、トナー濃度センサ58の検知結果に基づいてトナー補給口59から所定量のトナーが補給され、撹拌室53と現像室52を循環し、現像容器50内を循環している現像剤と混合される。混合された現像剤が、供給スリーブ61上へ再び供給される。
【0035】
[回収機構]
次に
図4~
図6を用いて、堆積したトナーを回収する回収機構70について詳細に説明する。
図4に示すように、現像容器50の現像スリーブ60の近傍には、回収機構70が設けられている。回収機構70は、現像スリーブ60とほぼ平行に配置され、現像スリーブ60の回転軸線方向から視て現像スリーブ60の下方から供給スリーブ61に向けて下方に傾斜する壁部を構成している。回収機構70は、トナー受け部材71と、トナー受け部材71を振動させる振動手段の一例である振動機構72とを有している。
【0036】
トナー受け部材71は、回収機構70の上面において長手方向に沿って設けられ、飛散したトナーが堆積するトナーを受ける。即ち、トナー受け部材71は、現像スリーブ60と供給スリーブ61との少なくとも一方の下方に対向して配置される。トナー受け部材71は金属製の板材であり、圧縮コイルばねからなるコイルばね73を介して、合成樹脂製の底部74に支持されている。コイルばね73は、底部74に一体形成された台座75に装着されている。
【0037】
振動機構72は、トナー受け部材71の裏面に固定されて設けられている。振動機構72は、モータホルダ76と、振動モータ77と、加振ウェイト78とを有している。トナー受け部材71の裏面には、モータホルダ76を介して振動モータ77が固定されている。モータホルダ76内には、振動モータ77の駆動を制御するための不図示の回路基板や電子部品が実装されている。
【0038】
図5(a)、(b)は、振動機構72の振動モータ77と加振ウェイト78との概略図である。
図5(a)、(b)に示すように、振動機構72の加振ウェイト78は、円柱形状の周側面の一部に中心軸線に沿った平面部78aを有する所謂Dカット形状をなしている。即ち、加振ウェイト78は、中心軸線に重なる位置に嵌入された振動モータ77の回転軸77aに対して非対称な形状となっている。振動モータ77の回転軸77aが所定の回転速度以上の回転速度で回転するとき、平面部78aに作用する遠心力は加振ウェイト78の他の部分に比べて小さいため、加振ウェイト78には偏心した不均一な遠心力が加わる。この遠心力が回転軸77aに伝達されることにより、振動モータ77が振動する。なお、加振ウェイト78の形状はDカット形状に限定されず、回転軸77aに対して重心が中心軸線上から外れる任意の形状とすることができる。
【0039】
図6は、現像装置5の駆動中におけるトナー受け部材71の動作を示す概略側面図である。振動モータ77の回転軸77aを例えば10000rpm程度に高速回転させることにより、加振ウェイト78も回転軸77aと共に高速回転する。尚、振動モータ77の回転軸77aの回転方向は、
図6中、反時計回り方向としている。このとき、加振ウェイト78には偏心した不均一な遠心力が加わるため、回転軸77aを介して振動モータ77及びモータホルダ76が振動する。この振動に伴い、モータホルダ76が固定されたトナー受け部材71も振動する。トナー受け部材71の振動により、トナー受け部材71に堆積したトナーTはトナー受け部材71の表面から離れ、傾斜した下方側に向けてふるい落とされる。
【0040】
これにより、現像装置5内の供給スリーブ61及び現像スリーブ60が高速で回転し、トナー浮遊量が大きい場合であっても、トナー受け部材71上でのトナーの堆積を抑制できる。トナー受け部材71の振動により、トナー受け部材71に堆積したトナーTはトナー受け部材71の傾斜に沿って下方(
図6中、白矢印方向)に滑り落ち、トナー落下面79と供給スリーブ61とで挟まれた領域Ar3に落下する。本実施形態では、トナー受け部材71はトナー落下面79が略垂直となるように配置されるため、領域Ar3のトナーTが自由落下し易くなる。
【0041】
本実施形態では、制御部20は、非画像形成時に、振動機構72を制御することにより、トナー受け部材71に堆積したトナーを振動機構72の振動によってふるい落とす振動モードの一例である回収モードを実行可能である。なお、本実施形態では、非画像形成時とは、感光ドラム2にトナー像を形成していないときを意味しており、例えば、画像形成ジョブ中の紙間、前回転時、後回転時や、画像形成ジョブが実行されていないときを含むものとする。
【0042】
また、本実施形態では、領域Ar3に落下したトナーTを現像室52へ戻すために、非画像形成時に供給スリーブ61を画像形成時とは逆方向(
図6中、時計回り方向)に回転させる。供給スリーブ61を逆方向に回転させることにより、領域Ar3に落下して堆積したトナーTは供給スリーブ61の表面に連れ回りして供給スリーブ61と規制ブレード62との隙間を通過し、現像室52へ強制的に戻される。
【0043】
[トナー補給制御]
現像装置5に対するトナー補給制御について説明する。画像形成装置1は、現像によって消費した分に見合う量のトナーを現像装置5に補給する自動トナー補給制御(ATR:Auto Toner Replenisher)を行う。本実施形態では、出力画像の濃度を安定させるために、次のような方式のATR制御を採用している。制御部20は、画像形成時の画像比率、トナー濃度センサ58の検知結果、パッチ画像の濃度の検知結果等に応じて、トナーカートリッジとトナー補給口59の間に設けられたトナーホッパの補給スクリュの回転回数を制御し、現像容器50にトナーを補給する。即ち、画像形成時の画像比率に基づいて、予測されるトナー消費量に見合う分のトナー補給量を求める。また、トナー濃度センサ58の検知結果に基づいて、上記画像比率に基づくトナー補給量を補正する。また、所定の頻度で形成されるパッチ画像の濃度検知結果を用いて、上記トナー濃度センサ58の検知結果の目標値を補正する。本実施形態では、任意の補給量を随時補給するのではなく、予め設定された1回分(例えば、トナーホッパの補給スクリュの1回転分)の補給量まで補給を控え、1回分の補給量ごとに補給スクリュを1回転させる。これにより、安定した補給量を得ることができる。
【0044】
更に、制御部20の画像処理部24は、画像読み取り装置やネットワークなどを介して接続されたパーソナルコンピュータから受信した画像情報に基づいて、画像形成によるトナー消費量を算出する。本実施形態では、トナーの消費量は、画像情報に基づいて積算されるビデオカウント値(画像信号値)に基づく画像比率から求められ、画像出力1枚ごとに積算される。制御部20の補給制御部26は、トナー消費量に見合う分のトナー量をトナー補給量として求めるが、トナー濃度センサ58で検知されたT/DがT/Dの目標値に対しずれている場合は、そのずれを小さくするようにトナー補給量を補正する。そして、補給制御部26は、求められた補給量がトナーホッパの補給スクリュの1回転分の補給量以上になると、必要な回転回数分だけ補給スクリュを回転させて、トナーを現像装置5に補給する。
【0045】
補給制御部26は、所定の頻度(例えば、所定枚数の画像出力ごと)で所定の潜像コントラストの所定のサイズ(例えば、15mm角)の制御用トナー像の一例であるパッチ画像を感光ドラム2に形成し、これを中間転写ベルト7に転写させる。このパッチ画像の画像濃度(反射濃度)を、中間転写ベルト7上で、濃度検知手段の一例としての光学センサ80(
図1及び
図2参照)によって測定させる。光学センサ80は、パッチ画像の濃度に関する値を検知する。また、制御部20は、パッチ画像を形成して光学センサ80によりパッチ画像の画像濃度に関する値を検知する検知モードを実行可能である。
【0046】
そして、測定された画像濃度と基準の画像濃度とを比較して、画像濃度のずれを小さくするようにT/Dの目標値を変更する(パッチ検知制御)。これにより、パッチ画像の形成に使用されたトナー量からトナー帯電量を予測して、トナー帯電量の変動に起因する画像濃度の変動に対応することができる。トナー帯電量の変動に起因するトナー受け部材71へのトナーの堆積量の変動については、後述する。
【0047】
[トナーの飛散]
ここで、トナーの飛散について説明する。トナーの飛散の主な要因は、供給スリーブ61と現像スリーブ60との対向部分Ar2で行われる電界によるトナーの受け渡しと、供給スリーブ61と現像スリーブ60との回転により生じる気流である。ここでは、電界によるトナーの飛散と、気流によるトナーの飛散とについて、それぞれ説明する。
【0048】
まず、電界によるトナーの飛散について説明する。現像剤は、供給スリーブ61の内部に配置されたマグネットローラ61aによって担持され、供給スリーブ61上に磁気穂を形成し、供給スリーブ61と現像スリーブ60との対向部分Ar2まで搬送される。供給スリーブ61と現像スリーブ60とは、それぞれ供給バイアスと現像バイアスとを印加され、その対向部分Ar2では供給バイアスと現像バイアスとの電位差により電界が生じる。対向部分Ar2に搬送された現像剤において、電界によりキャリアからトナーが遊離する。遊離したトナーは、供給バイアスと現像バイアスとの直流電圧及び交流電圧により生じる電界に追従し、供給スリーブ61と現像スリーブ60との間を往復しながら、供給スリーブ61から現像スリーブ60に向けて飛翔する。電界に追従していたトナーのうち、電界の影響を受ける範囲外に移動したものが現像装置5内に飛散する。また、トナー帯電量が低い遊離したトナーは、電界に追従しにくい傾向があるため、遊離したトナーのうち、キャリアや現像スリーブ60から離れた位置で浮遊しているトナーは、現像装置5内に飛散することになる。このため、トナー帯電量が低いトナーが多いほど、飛散するトナーの量は多くなる。
【0049】
次に、気流によるトナーの飛散について説明する。供給スリーブ61と現像スリーブ60は、対向部分Ar2で反対方向に進むように回転をしている。そのため、供給スリーブ61と現像スリーブ60の回転によって発生する気流は、供給スリーブ61に沿って進んだ後に、現像スリーブ60との対向部分Ar2で現像スリーブ60に沿って進むように方向転換する。この際に気流に回転力が働くため、供給スリーブ61と現像スリーブ60の対向部分Ar2よりも現像スリーブ60の回転方向下流側の部分に気流渦が発生する。供給バイアスと現像バイアスにより生じる電界に追従して供給スリーブ61と現像スリーブ60の間を往復運動するトナーが気流渦に入ると、電界の影響を受ける範囲外へ移動して、現像装置5内に飛散することがある。このため、供給スリーブ61と現像スリーブ60が対向する対向部分Ar2の周辺では、トナーの飛散が発生し易い。
【0050】
[トナー帯電量とトナー堆積量]
ここで、
図7に、供給スリーブ61と現像スリーブ60との駆動時において、トナー帯電量と、トナー受け部材71に堆積したトナーの量との関係を示す。ここでは、所定の時間、画像形成動作を実施し、そのときにトナー受け部材71に付着したトナーの付着面積と濃度の積分値とからトナーの堆積量を測定した。
図7に示すように、トナー帯電量が小さいほど、トナーの堆積量が多くなる。これは、トナー帯電量が小さいほど、トナーとキャリアに働くクーロン力が小さくなるために、トナーがキャリアから飛翔し易くなるためである。これにより、トナー帯電量の小さいトナーが現像装置5内を飛散し、供給スリーブ61と現像スリーブ60との対向部分Ar2の近傍で発生した気流に乗り、対向部分Ar2から移動し、移動したトナーの一部がトナー受け部材71に堆積する。
【0051】
[回収モードの実行間隔]
制御部20は、振動機構72を作動させてトナー受け部材71のトナーをふるい落とす回収モードを実行する際に、回収モードの実行間隔として、例えば、一定の印字枚数毎にすることができる。しかしながら、例えば、画像比率の高い印刷が連続して行われるなどしてトナー帯電量が小さくなった場合は、トナーの堆積が早くなる。このとき、一定の印字枚数毎に振動モードを実行する構成では、トナー受け部材71を振動させる間隔がトナーの堆積する早さに対して、振動機構72を作動させる間隔が長くなり実行頻度が少なくなる。このため、現像装置5の内壁にトナーの堆積と凝集が進み、凝集したトナーが現像スリーブ60へ付着し、感光ドラム2上へ凝集したトナーが供給されることで、画像不良を生じる虞がある。一方、画像比率の低い印刷が連続して行われるなどしてトナー帯電量が大きくなった場合は、トナーの堆積が遅くなる。このとき、上述した一定の印字枚数毎に振動モードを実行する構成では、トナー受け部材71を振動させる間隔がトナーの堆積する早さに対して短くなり実行頻度が多くなるため、生産性が低下してしまう虞がある。そこで、本実施形態では、トナー受け部材71を振動させ堆積トナーを回収する回収モードの実行間隔を、トナー帯電量に相関するパッチ画像の画像濃度(反射濃度)に基づいて適正化するようにしている。これにより、生産性を必要以上に落とすことなく、トナーの堆積を抑制することができる。
【0052】
本実施形態における回収モードの実行手順について、
図8に示すフローチャートに沿って詳細に説明する。制御部20は、所定の条件を具備した際に、中間転写ベルト7上にパッチ画像を形成する(ステップS1)。ここでの所定の条件とは、例えば、所定枚数の画像形成を行ったときとする。制御部20は、中間転写ベルト7上のパッチ画像の画像濃度Dp(反射濃度)を光学センサ80により検知する(ステップS2)。制御部20は、検知したパッチ画像の画像濃度Dpに基づいて、画像制御部153内にあるテーブルを参照して、積算係数αを取得する(ステップS3)。ここで、
図9に示すように、積算係数αは、検知したパッチ画像の画像濃度Dpがターゲット濃度Dtより低い場合に略一定の値となり、画像濃度Dpがターゲット濃度Dtより高いほど、大きな値になるように設定されている。即ち、積算係数αは、検知された画像濃度Dpに応じてトナーが堆積する早さを重みづけする係数である。
【0053】
制御部20は、検知したパッチ画像の画像濃度Dpとターゲット濃度Dtとの差分と積算係数αとに基づいて、累積積算値P1を算出する(ステップS4)。累積積算値P1は、トナー受け部材71上でのトナーの堆積具合を示す数値であり、次式により算出されるものとする。
P=α×(画像濃度Dp-ターゲット濃度Dt)×画像形成枚数
P1=ΣP
【0054】
制御部20は、累積積算値P1が閾値P0を超えたか否かを判断する(ステップS5)。ここで、閾値P0は、トナー受け部材71に堆積したトナーが現像スリーブ60に付着し、画像不良が発生した際の累積積算値P1を基に、画像不良発生時の累積積算値P1を0.8倍した値としている。トナー受け部材71上のトナーの堆積具合を閾値P0で判断することで、画像不良が発生する前に、回収モードを実施できる。制御部20は、累積積算値P1が閾値P0を超えていないと判断した場合は(ステップS5のNO)、処理を終了する。
【0055】
制御部20は、累積積算値P1が閾値P0を超えたと判断した場合は(ステップS5のYES)、画像形成前の前回転時か画像形成後の後回転後に回収モードを実行する(ステップS6)。即ち、制御部20は、前回の回収モードの実行後において、検知モードを実行して検知された画像濃度Dpに関する値Pの累積値である累積積算値P1が第1所定値である閾値P0を超えた場合に、回収モードを実行する。ここで、画像濃度Dpはトナー帯電量に相関する値であるので、制御部20は、前回の回収モードの実行後において、トナー帯電量に関する値Pの累積値である累積積算値P1が第1所定値である閾値P0を超えた場合に、回収モードを実行する。尚、本実施形態では、制御部20は、画像形成前の前回転時か画像形成後の後回転後に回収モードを実行するようにしているが、これには限られず、紙間に実行するようにしてもよい。制御部20は、回収モードの実行後、累積積算値P1をリセットし(ステップS7)、処理を終了する。
【0056】
ここで、制御部20は、検知モードで検知された画像濃度Dpに関する値Pの累積値である累積積算値P1が閾値P0を超えた場合に回収モードを実行するので、画像濃度Dpが高い場合の方が低い場合よりも早く閾値P0を超える。即ち、制御部20は、画像濃度Dpが第1濃度である場合に、回収モードの実行間隔を供給スリーブ61が駆動される第1時間であるようにする。この場合に、制御部20は、画像濃度Dpが第1濃度より高い第2濃度である場合に、回収モードの実行間隔を供給スリーブ61が駆動される第1時間より短い第2時間であるようにする。
【0057】
上述したように本実施形態の画像形成装置1によれば、制御部20は、前回の回収モードの実行後において、検知モードにより検知した画像濃度Dpに関する累積積算値P1が閾値P0を超えた場合に、回収モードを実行する。即ち、制御部20は、前回の回収モードの実行後において、トナー帯電量に関する値Pの累積値である累積積算値P1が第1所定値である閾値P0を超えた場合に、回収モードを実行する。例えば、制御部20は、検知モードで検知された画像濃度Dpが第1濃度より高い第2濃度である場合に、回収モードの実行間隔を供給スリーブ61が駆動される第1時間より短い第2時間であるようにしている。これにより、一定の画像形成枚数ごとに回収モードを実行する場合に比べて、回収モードの実行間隔が長すぎたり短すぎたりすることを抑制し、累積積算値P1に基づいて回収モードの実行間隔を適正化することができる。また、連続印刷における画像比率を変更する等によりトナー帯電量が変動する場合でも、生産性の低下を抑えつつ、トナー受け部材71に堆積したトナーが現像スリーブ60へ付着することを抑えることができ、画像不良を抑制できる。
【0058】
即ち、本実施形態の画像形成装置1によれば、トナー帯電量に応じて、回収モードの実行間隔を変更する。トナー帯電量が低い場合には、制御部20は、堆積するトナーの量が許容量を超える前に回収モードを実行することができ、トナー受け部材71に堆積したトナーが現像スリーブ60に付着することを抑え、画像不良が発生することを抑制できる。また、トナー帯電量が高い場合には、回収モードの実行間隔を長く設けることができるため、生産性の低下を抑えながら、画像不良を抑制できる。
【0059】
また、本実施形態の画像形成装置1によれば、制御部20は、検知モードで検知された画像濃度Dpに重みづけをすることで、画像濃度Dpに応じて回収モードの実行間隔を変更している。具体的には、画像濃度Dpが高いほど、重みづけを大きくするようにしている。このため、トナーの飛散量は、画像濃度Dpに対して単純に比例的に増加するのではなく、画像濃度Dpが高いほど、比例的な増加を超えて増加することに対応することができる。これにより、画像濃度Dpに重みづけをせずに、画像濃度Dpに対して単純に比例的に対応して回収モードの実行間隔を変更する場合に比べて、より高精度に回収モードの実行間隔を適正化することができる。
【0060】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を、
図10を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、制御部20は、検知モードで検知されたパッチ画像の画像濃度Dpが閾値D0を超えた場合には、第1搬送スクリュ54及び第2搬送スクリュ55を空回転させてから回収モードを実行する点で、第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の画像形成装置1の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
【0061】
トナー帯電量に応じて回収モードの実行間隔を決定する場合、トナー帯電量が所定の下限値より小さくなると、トナー飛散量が多くなりすぎてしまう可能性がある。この場合、トナー帯電量に応じて回収モードの実行間隔を決定しても、トナー受け部材71へのトナーの堆積を十分に抑えられず、凝集したトナーが感光ドラム2上へ供給されることで、画像不良を生じる虞がある。
【0062】
そこで、本実施形態では、制御部20は、検知モードを実行して検知されたパッチ画像の画像濃度Dpが第2所定値である閾値D0を超えた場合には、累積積算値P1が閾値P0を超えていない場合でも、回収モードを実行するようにしている。また、本実施形態では、制御部20は、検知モードで検知されたパッチ画像の画像濃度Dpが閾値D0を超えた場合には、第1搬送スクリュ54及び第2搬送スクリュ55を空回転させてから回収モードを実行するようにしている。更に、本実施形態では、制御部20は、検知されたパッチ画像の画像濃度Dpが閾値D0以下である場合には、画像形成直後の非画像形成時に第1搬送スクリュ54及び第2搬送スクリュ55を駆動する駆動時間を第1時間とする。このとき、パッチ画像の画像濃度Dpが閾値D0を超えた場合には、第1搬送スクリュ54及び第2搬送スクリュ55を駆動する駆動時間を第1時間より長い第2時間とし、第2時間の経過後に回収モードを実行する。
【0063】
[回収モードの実行間隔]
本実施形態における回収モードの実行手順について、
図10に示すフローチャートに沿って詳細に説明する。制御部20は、所定の条件を具備した際に、中間転写ベルト7上にパッチ画像を形成する(ステップS1)。制御部20は、中間転写ベルト7上のパッチ画像の画像濃度Dp(反射濃度)を光学センサ80により検知する(ステップS2)。
【0064】
制御部20は、検知したパッチ画像の画像濃度Dpが閾値D0を超えているか否かを判断する(ステップS10)。ここでの閾値D0は、画像濃度Dpがそれより高いとトナー飛散量が多くなりすぎて画像不良を生じる虞がある値として設定している。制御部20は、検知したパッチ画像の画像濃度Dpが閾値D0を超えていないと判断した場合は(ステップS10のNO)、検知したパッチ画像の画像濃度Dpに基づいて、積算係数αを取得する(ステップS3)。その後、ステップS3以降については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
【0065】
制御部20は、検知したパッチ画像の画像濃度Dpが閾値D0を超えたと判断した場合は(ステップS10のYES)、現像装置5を空回転する(ステップS11)。ここでの空回転とは、例えば、供給スリーブ61及び現像スリーブ60を停止させた状態で、第1搬送スクリュ54及び第2搬送スクリュ55を回転させる。また、空回転の実行時間は、トナー帯電量が所望の値になるまでの所定の時間とする。これにより、現像剤を撹拌して、トナー帯電量を上昇させることができる。
【0066】
ここで、制御部20は、トナー帯電量が通常である場合、即ち、画像濃度Dpが閾値D0以下である場合には、画像形成直後の非画像形成時に第1搬送スクリュ54及び第2搬送スクリュ55を駆動する駆動時間を第1時間としている。即ち、この第1時間は、トナー帯電量が通常である場合の紙間の時間や後回転時の時間に相当する。これに対し、制御部20は、トナー帯電量が小さすぎる場合、即ち、画像濃度Dpが閾値D0未満である場合には、画像形成直後の非画像形成時に第1搬送スクリュ54及び第2搬送スクリュ55を駆動する駆動時間を第1時間より長い第2時間とする。即ち、第1搬送スクリュ54及び第2搬送スクリュ55を駆動する駆動時間をトナー帯電量が通常である場合よりも(第2時間-第1時間)だけ長くして、その長くした分をステップS11での空回転の実行時間とする。
【0067】
制御部20は、空回転の実行後に回収モードを実行する(ステップS6)。これにより、空回転によりトナー受け部材71に堆積したトナー、並びに空回転前にトナー受け部材71に堆積したトナーを回収することができる。その後、ステップS6以降については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
【0068】
上述したように本実施形態の画像形成装置1によれば、制御部20は、前回の回収モードの実行後において、検知モードにより検知した画像濃度Dpに関する累積積算値P1が閾値P0を超えた場合に、回収モードを実行する。これにより、一定の画像形成枚数ごとに回収モードを実行する場合に比べて、回収モードの実行間隔が長すぎたり短すぎたりすることを抑制し、累積積算値P1に基づいて回収モードの実行間隔を適正化することができる。また、連続印刷における画像比率を変更する等によりトナー帯電量が変動する場合でも、生産性の低下を抑えつつ、トナー受け部材71に堆積したトナーが現像スリーブ60へ付着することを抑えることができ、画像不良を抑制できる。
【0069】
また、本実施形態の画像形成装置1によれば、制御部20は、検知したパッチ画像の画像濃度Dpが閾値D0を超えたと判断した場合は、現像装置5を空回転しトナー帯電量を所定量以上に上げる。そして、その直後に回収モードを実行し、空回転時に飛散したトナー、並びに空回転前にトナー受け部材71に堆積したトナーを回収する。よって、トナー帯電量が低すぎる場合は現像装置5を空回転しトナー帯電量を所定以上に上げ、回収モードの実行でのトナー回収により、トナー帯電量が著しく下がるときでも、生産性を必要以上に落とすことなく、トナーの堆積を抑制し画像不良を抑制できる。
【0070】
尚、上述した本実施形態の画像形成装置1では、制御部20は、検知したパッチ画像の画像濃度Dpが閾値D0を超えたと判断した場合は、現像装置5を空回転した直後に回収モードを実行した場合について説明したが、これには限られない。例えば、制御部20は、検知したパッチ画像の画像濃度Dpが閾値D0を超えたと判断した場合は、現像装置5を空回転し、その直後に回収モードを実行せずに、ステップS1に戻って再びパッチ画像を形成するようにしてもよい。
【0071】
また、上述した本実施形態の画像形成装置1では、制御部20は、検知したパッチ画像の画像濃度Dpが閾値D0を超えたと判断した場合は、現像装置5を空回転してから回収モードを実行した場合について説明したが、これには限られない。例えば、制御部20は、検知したパッチ画像の画像濃度Dpが閾値D0を超えたと判断した場合は、現像装置5を空回転することなく、回収モードを実行するようにしてもよい。
【0072】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態を、
図11を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、画像形成した画像比率に基づいて回収モードの実行間隔を適正化する点で、第1の実施形態と構成を異にしている。但し、それ以外の画像形成装置1の構成については、第1の実施形態と同様であるので、符号を同じくして詳細な説明を省略する。
【0073】
トナー帯電量に応じて回収モードの実行間隔を決定する手法として、パッチ画像の画像濃度を利用しない場合であっても、通常の画像を形成した画像比率を所定枚数毎に取得することでトナー帯電量を予測して、回収モードの実行間隔を決定することができる。即ち、画像比率が高くなるほどトナーの入れ替わりが促進され、空回転が十分にされていないため、トナー帯電量は小さくなるので、画像比率を取得することでトナー帯電量を予測して、回収モードの実行間隔を決定することができる。そこで、本実施形態では、制御部20は、通常の画像を形成した画像比率を所定枚数ごとに取得することで、パッチ画像の画像濃度を利用することなく、回収モードの実行間隔を決定するようにしている。即ち、制御部20は、形成したトナー画像の画像比率に関する値Qを取得する取得モードを実行可能である。そして、制御部20は、前回の回収モードの実行後において、取得モードを実行して取得された画像比率に関する値Qの累積値である累積積算値Q1が第3所定値である閾値Q0を超えた場合に、回収モードを実行する。
【0074】
[回収モードの実行間隔]
本実施形態における回収モードの実行手順について、
図11に示すフローチャートに沿って詳細に説明する。制御部20は、画像形成時に、画像形成した画像比率を取得し、累積する(ステップS21)。制御部20は、所定枚数、例えば100枚ごとに累積した画像比率に基づいて、画像制御部153内にあるテーブルを参照して、積算係数αを取得する(ステップS22)。ここで、積算係数αは、例えば、取得された画像比率に応じてトナーが堆積する早さを重みづけする係数とすることができる。
【0075】
制御部20は、取得した画像比率とターゲット画像比率との差分と積算係数αとに基づいて、累積積算値Q1を算出する(ステップS23)。累積積算値Q1は、トナー受け部材71上でのトナーの堆積具合を示す数値であり、所定の数式により算出されるものとする。制御部20は、累積積算値Q1が閾値Q0を超えたか否かを判断する(ステップS24)。ここで、閾値Q0は、トナー受け部材71に堆積したトナーが現像スリーブ60に付着し、画像不良が発生した際の累積積算値Q1を基に、画像不良発生時の累積積算値Q1を0.8倍した値としている。トナー受け部材71上のトナーの堆積具合を閾値Q0で判断することで、画像不良が発生する前に、回収モードを実施できる。制御部20は、累積積算値Q1が閾値Q0を超えていないと判断した場合は(ステップS24のNO)、処理を終了する。
【0076】
制御部20は、累積積算値Q1が閾値Q0を超えたと判断した場合は(ステップS24のYES)、例えば、画像形成ジョブ中の紙間において回収モードを実行する(ステップS25)。即ち、制御部20は、前回の回収モードの実行後において、取得モードを実行して取得された画像比率に関する値Qの累積値である累積積算値Q1が第3所定値である閾値Q0を超えた場合に、回収モードを実行する。ここで、画像比率はトナー帯電量に相関する値であるので、制御部20は、前回の回収モードの実行後において、トナー帯電量に関する値Qの累積値である累積積算値Q1が第3所定値である閾値Q0を超えた場合に、回収モードを実行する。尚、本実施形態では、制御部20は、紙間に回収モードを実行するようにしているが、これには限られず、画像形成前の前回転時や画像形成後の後回転後に実行するようにしてもよい。制御部20は、回収モードの実行後、累積積算値Q1をリセットし(ステップS26)、処理を終了する。
【0077】
ここで、制御部20は、取得モードで取得された画像比率に関する値Qの累積値である累積積算値Q1が閾値Q0を超えた場合に回収モードを実行するので、画像比率が高い場合の方が低い場合よりも早く閾値Q0を超える。即ち、制御部20は、画像比率が第1比率である場合に、回収モードの実行間隔を供給スリーブ61が駆動される第1時間であるようにする。この場合に、制御部20は、画像比率が第1比率より高い第2比率である場合に、回収モードの実行間隔を供給スリーブ61が駆動される第1時間より短い第2時間であるようにする。
【0078】
上述したように本実施形態の画像形成装置1によれば、制御部20は、前回の回収モードの実行後において、取得モードにより取得した画像比率に関する累積積算値Q1が閾値Q0を超えた場合に、回収モードを実行する。即ち、制御部20は、前回の回収モードの実行後において、トナー帯電量に関する値Qの累積値である累積積算値Q1が第3所定値である閾値Q0を超えた場合に、回収モードを実行する。これにより、一定の画像形成枚数ごとに回収モードを実行する場合に比べて、回収モードの実行間隔が長すぎたり短すぎたりすることを抑制し、累積積算値Q1に基づいて回収モードの実行間隔を適正化することができる。また、連続印刷における画像比率を変更する等によりトナー帯電量が変動する場合でも、生産性の低下を抑えつつ、トナー受け部材71に堆積したトナーが現像スリーブ60へ付着することを抑えることができ、画像不良を抑制できる。
【符号の説明】
【0079】
1…画像形成装置、2…感光ドラム(像担持体)、5…現像装置、20…制御部、50…現像容器、54…第1搬送スクリュ(撹拌部材)、55…第2搬送スクリュ(撹拌部材)、60…現像スリーブ、61…供給スリーブ、71…トナー受け部材、72…振動機構(振動手段)、80…光学センサ(濃度検知手段)、Ar1…現像領域(対向領域)。