(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】美容装置ヘッド、美容装置および美容装置ヘッドを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/04 20060101AFI20240105BHJP
A61N 1/36 20060101ALI20240105BHJP
A61H 23/02 20060101ALI20240105BHJP
A61F 7/00 20060101ALI20240105BHJP
A45D 44/22 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
A61N1/04
A61N1/36
A61H23/02 386
A61H23/02 360
A61H23/02 341
A61F7/00 310J
A45D44/22 Z
(21)【出願番号】P 2019201704
(22)【出願日】2019-11-06
【審査請求日】2022-08-12
(31)【優先権主張番号】10-2018-0136761
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】アモーレパシフィック コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】100, Hangang-daero, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】キム ハンス
(72)【発明者】
【氏名】クォン ミンギョン
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョンイン
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-187732(JP,A)
【文献】米国特許第04226246(US,A)
【文献】実開平04-070045(JP,U)
【文献】特開2012-090896(JP,A)
【文献】特開2016-120270(JP,A)
【文献】特開2017-119209(JP,A)
【文献】特開平11-349786(JP,A)
【文献】特表2013-512129(JP,A)
【文献】特表2017-504404(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0093106(US,A1)
【文献】国際公開第2006/131997(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/04
A61N 1/36
A61H 23/02
A61F 7/00
A45D 44/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波振動と、電流、プラズマ、高周波およびガルバニックイオンの中の一つ以上と、を発生させる本体に、着脱可能または着脱不能に結合される美容装置ヘッドであって、
非導電性成形原料を含
み、前記本体に接触するように配置され、前記本体が発生させた超音波振動をユーザーの皮膚に伝達する第1伝達部と、
導電性物質を含み、前記第1伝達部の
外表面の少なくとも一部を覆うように形成されてい
て、前記本体に電気的に接続され、電流、プラズマ、高周波およびガルバニックイオンの中の、前記本体が発生させた前記一つ以上をユーザーの皮膚に伝達する第2伝達部とを含
み、
前記第2伝達部は格子状パターンを有し、前記第2伝達部の前記格子状パターンに囲まれた前記第1伝達部の外表面の中心間の間隔は、ヘッドの中心(X)から離れるほど大きくなる、美容装置ヘッド。
【請求項2】
超音波振動を発生させ、かつ、冷温機能を有する本体に、着脱可能または着脱不能に結合される美容装置ヘッドであって、
非導電性成形原料を含み、前記本体に接触するように配置され、前記本体が発生させた超音波振動をユーザーの皮膚に伝達する第1伝達部と、
導電性物質を含み、前記第1伝達部の外表面の少なくとも一部を覆うように形成されていて、前記本体に接触するように配置され、前記本体とユーザーの皮膚との間で熱を伝達する第2伝達部とを含み、
前記第2伝達部は格子状パターンを有し、前記第2伝達部の前記格子状パターンに囲まれた前記第1伝達部の外表面の中心間の間隔は、ヘッドの中心(X)から離れるほど大きくなる、美容装置ヘッド。
【請求項3】
前記非導電性成形原料は、ジルコニア粉末、宝石パウダー、プラスチック粉末の中から一つ以上選択される粉末を含む、請求項1に記載の美容装置ヘッド。
【請求項4】
前記導電性物質は、金、銀、スズ、亜鉛、STSおよびアルミニウムの中から一つ以上選択される、請求項1に記載の美容装置ヘッド。
【請求項5】
前記第2伝達部の厚さは1.0μm~100.0μmである、請求項
1に記載の美容装置ヘッド。
【請求項6】
前記第2伝達部は、前記第1伝達部の前記外表面の50%以上80%以下を覆うように形成される、請求項
1に記載の美容装置ヘッド。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか一項に記載の美容装置ヘッドと、
前記本体とを含
み、
前記本体は、ユーザーが把持できるように形成されている、美容装置。
【請求項8】
請求項1に記載の美容装置ヘッドを製造するための方法において、
前記非導電性成形原料と、バインダー粉末と、着色剤粉末とをブレンダー(blender)で混合して前記第1伝達部を製造するための混合原料を準備する段階と、
モールドに前記混合原料を供給する段階と、
前記混合原料の粉末粒子を相互結合させるように前記モールドを加圧して前記第1伝達部を成形する段階と、
前記混合原料の粉末粒子の間において拡散による化学的結合をするように、前記第1伝達部を熱処理して焼結させる段階と、
前記第1伝達部を研磨機で研磨する段階と、
前記第1伝達部の
外表面の少なくとも一部を覆うように、導電性を有する前記第2伝達部によりコーティングする段階とを含
み、
前記第2伝達部の前記格子状パターンに囲まれた前記第1伝達部の外表面の中心間の間隔は、ヘッドの中心(X)から離れるほど大きくなる、美容装置ヘッドを製造するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容装置ヘッド、美容装置および美容装置ヘッドを製造するための方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、生活レベルが向上するにつれ、皮膚管理への関心が増大している。このような関心を反映して一般家庭で容易に皮膚管理をするための様々な美容装置が発売されている。例えば、美容装置には、皮膚に超音波振動を伝達する超音波美容装置、ガルバニック電流を印加するガルバニック美容装置、プラズマを印加するプラズマ美容装置、冷温マッサージ機などと、様々な美容装置がある。
【0003】
超音波美容装置は、超音波キャビテーション(ultrasonic cavitation)のメカニズムによる衝撃波で皮膚の中に浸透し、皮膚の分泌物を皮膚の外に排出させて、超音波の稼働による摩擦熱で筋肉の硬直をほぐし、温熱および振動作用により皮膚の脂肪を分解するようにする装置である。ガルバニック美容装置は、ガルバニックイオン(Galvanic ion)を発生させ、皮膚に残存している老廃物の除去、または、化粧水を皮膚の奥深くまで浸透させて吸収されるようにする美容装置である。プラズマ美容装置は、プラズマを皮膚に印加し、人体の皮膚または毛穴の中の細菌を撲滅して、有機物や異物を除去する装置である。冷温マッサージ機は、熱電素子を利用して高温と低温を同時に発生させ、冷温マッサージを可能にする皮膚美容装置である。
【0004】
このような従来の皮膚美容装置のヘッドは、チタン(Ti)またはステンレス鋼(STS)などの金属材料を用いてプレス加工により製作されており、プレス加工で製作された美容装置のヘッドは、平面状にしか製作できないため、様々な形状の美容装置ヘッドを製作するのに多く制約されていた。
【0005】
また、このような従来の皮膚美容装置のヘッドは相対的に低い温度を示す冷たい金属材質からなっており、皮膚に接触すると、違和感をもたらすことがあり、人体に優しい製品になり難しいという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国特許出願公開第10-2017-0057921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の実施例は、前記のような問題を解決するために提案されたものであり、形状自由化による様々なデザインを実現できる美容装置ヘッド、美容装置および美容装置ヘッドを製造するための方法を提供することとする。
【0008】
また、本発明の実施例は、超音波美容装置、ガルバニック美容装置、プラズマ美容装置、冷温マッサージ機などに適用可能な美容装置ヘッド、美容装置および美容装置ヘッドを製造するための方法を提供することとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例による美容装置ヘッドは、非導電性成形原料を含む粉末状の混合原料により成形されている第1伝達部と、導電性物質を含み、第1伝達部の少なくとも一部を覆うように形成されている第2伝達部とを含み得る。
【0010】
本発明の一実施例による美容装置ヘッドの非導電性成形原料は、ジルコニア粉末、宝石パウダー、プラスチック粉末の中から一つ以上選択される粉末を含み得る。
【0011】
本発明の一実施例による美容装置ヘッドの導電性物質は、金、銀、スズ、亜鉛、STS、およびアルミニウムの中から一つ以上選択され得る。
【0012】
本発明の一実施例による美容装置ヘッドの第2伝達部は、第1伝達部の外表面の少なくとも一部を覆うように形成され得る。
【0013】
本発明の一実施例による美容装置ヘッドの第2伝達部は、第1伝達部の内表面の少なくとも一部を覆うように形成され得る。
【0014】
本発明の一実施例による美容装置ヘッドの第2伝達部の厚さは、1.0μm~100.0μmであり得る。
【0015】
本発明の一実施例による美容装置ヘッドの第2伝達部は、第1伝達部の外表面の50%以上80%以下を覆うように形成され得る。
【0016】
本発明の一実施例による美容装置ヘッドの第2伝達部は、格子状のパターン形状を有し得る。
【0017】
本発明の一実施例による美容装置ヘッドの第2伝達部の格子状パターンに囲まれた第1伝達部の外表面の中心間の間隔は、ヘッドの中心(X)から離れるほど大きくなり得る。
【0018】
本発明の一実施例による美容装置ヘッドの第2伝達部は、ヘッドの中心(X)を基準に回転する螺旋状を有し得る。
【0019】
本発明の一実施例による美容装置は、美容装置ヘッドと、ユーザーが把持できるように形成された本体とを含み、本体は第2伝達部に電流を印加させるための電流発生部を含み得る。
【0020】
本発明の一実施例による美容装置において、本体は超音波発振回路の電力供給を受け超音波振動を発生させる振動部を含み、超音波振動は第1伝達部によってユーザーの皮膚に伝達され得る。
【0021】
本発明の一実施例による美容装置ヘッドを製造するための方法は、非導電性成形原料と、バインダー粉末と、着色剤粉末とをブレンダー(blender)で混合して、第1伝達部を製造するための混合原料を準備する段階と、モールドに混合原料を供給する段階と、混合原料の粉末粒子を相互結合させるようにモールドを加圧して第1伝達部を成形する段階と、混合原料の粉末粒子の間で拡散による化学的結合をするように、第1伝達部を熱処理して焼結させる段階と、第1伝達部を研磨機で研磨する段階と、第1伝達部の少なくとも一部を覆うように導電性を有する第2伝達部によりコーティングする段階と、を含み得る。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施例による美容装置ヘッドおよびその製造方法は、形状自由化による多様なデザインを実現することができる。
【0023】
本発明の実施例による美容装置ヘッドおよびその製造方法は、超音波美容装置、ガルバニック美容装置、プラズマ美容装置、冷温マッサージ機に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例による美容装置ヘッドを含む美容装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1における美容装置ヘッドの側断面図および正面図である。
【
図3】
図3は、本発明の他の実施例による美容装置ヘッドの側断面図および正面図である。
【
図4】
図4は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッドの側断面図および正面図である。
【
図5】
図5は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッドの側断面図および正面図である。
【
図6】
図6は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッドの側断面図および正面図である。
【
図7】
図7は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッドの側断面図および正面図である。
【
図8】
図8は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッドの側断面図である。
【
図9】
図9は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッドの側断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の一実施例による美容装置ヘッドおよび本体を含む美容装置の内部を示す断面図である。
【
図11】
図11は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッドおよび本体を含む美容装置の内部を示す断面図である。
【
図12】
図12は、本発明の一実施例による美容装置ヘッドの製造方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、本発明の具体的な実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、本発明を説明するに当たって、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にし得ると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0026】
図1は、本発明の一実施例による美容装置ヘッドを含む美容装置の斜視図であり、
図2~
図9は、美容装置ヘッドの形状に対する様々な実施例を示す。
【0027】
図1および
図2を参照すると、本発明の一実施例による美容装置は、本体100および美容装置ヘッド200を含み得る。
【0028】
本体100は、ユーザーが把持して操作できるように流線型のデザインを有し得る。本体100は、美容装置ヘッド200と結合され得る。
【0029】
また、本体100は、後述する超音波発生部、プラズマ発生部、高周波発生部、ガルバニックイオン発生部、電流発生部の中の一つ以上を含み得る。また、本体100は、前述の超音波発生部、プラズマ発生部、高周波発生部、ガルバニックイオン発生部、電流発生部中の一つ以上を動作させられるスイッチ(図示せず)を含み得る。
【0030】
また、本体100は、バッテリー120により駆動され、バッテリー120は充電して再使用可能なものが提供され得る(
図10および
図11を参照)。一例として、本体100は、ドッキング部300に据え置きで保管され、この際、ドッキング部300はバッテリー120を充電できる機能が備えられる。例えば、ドッキング部300は、外部電源(例えば、AC220V)を直流電源(例えば、DC5V)に変換できるように、充電機能および据え置き機能を担え得る。また、ドッキング部300は、本体100を挟んで据え置かせるためのドッキング溝部310を備えられる。なお、ドッキング溝部310は、本体100の下部に対応する溝大きさを有し得る。
【0031】
美容装置ヘッド200は、非導電性成形原料を含む粉末状の混合原料から成形されている第1伝達部210と、第1伝達部210の内表面211または外表面212の少なくとも一部を覆うように形成されている第2伝達部220とを含み得る。なお、第1伝達部210の外表面212とは、美容装置ヘッド200が本体100に結合された後、本体100の外側に位置する部分のことを指す。また、第1伝達部210の内表面211とは、第1伝達部210の表面全体において、外表面212以外の部分、すなわち、美容装置ヘッド200が本体100に結合された後、本体100のケースによって囲まれ外部に露出されない部分のことを指す。
【0032】
第1伝達部210は非導電性物質からなっており、後述のように、本体100に超音波発生部を搭載する場合、第1伝達部210により超音波振動をユーザーの皮膚に伝達することができる。
【0033】
また、第1伝達部210は、非導電性物質を成形原料として、粉末射出のような射出成形により形成され得る。非導電性成形原料は、ジルコニア粉末、宝石パウダー、プラスチック粉末のいずれかであり得、これらの1つ以上の組み合わせでもあり得る。なお、宝石パウダーは、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド、トパーズ、水晶、アメジスト、珊瑚、真珠、オパール、オニキス、ダイオプサイド、ラピスラズリ、ロードクロサイト、ロードナイト、ルベライト、マラカイト、トルマリン、スピネル、シトリン、アパタイト、アイオライトのいずれか、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0034】
第1伝達部210に使用されるジルコニアは、優れた強度、低い熱伝導性、人体に優しい特性を有する。したがって、ジルコニアを美容装置ヘッドの一部として使用すると、美容装置ヘッドの強度を確保することができる。
【0035】
また、第1伝達部210は、後述する射出成形法を用いて形成されるので、第1伝達部210はユーザーが所望する形状を有するように製作され得る。したがって、本発明の一実施例による第1伝達部210は、従来の金属プレス加工により作られた美容装置ヘッドに比べて、様々な形状を有し得る。
【0036】
また、第1伝達部210を製作した後、第1伝達部210の表面を研磨して、第1伝達部210の表面を約0.04μm~約0.15μm範囲の平均表面粗さ(Ra)を有するようにし得る。このような範囲の表面粗さ(Ra)を有することにより、第1伝達部210と第2伝達部220との密着性を高めて、第2伝達部220が第1伝達部210から剥離されることを防止できる。
【0037】
また、後述する
図3~
図9の実施例のように、第1伝達部210の一部がユーザーの皮膚に直接接触する場合、このような平均粗さ(Ra)を有することにより、ユーザーに優しい触覚が感じられるようにし得る。
【0038】
また、第1伝達部210は、本体100と結合できる結合部214を含み得る。一例示として、結合部214を第1伝達部210の縁に沿って形成された溝で採用し、溝は螺旋状をなすようにして、第1伝達部210を本体100に対して回転させ、結合または分離させることができる。したがって、後述のように、多様な形状の美容装置ヘッド200を本体100に結合または分離させることができる。
【0039】
第2伝達部220は、第1伝達部210の内表面211または外表面212の少なくとも一部を覆うように形成され、第2伝達部220は導電性物質からなり得る。例えば、導電性物質は、金、銀、スズ、亜鉛、STSおよびアルミニウムの中の一つ以上から選択され得る。なお、第1伝達部210の表面は、内表面211と外表面212とからなるものと定義し得る。
【0040】
このように、第2伝達部220を導電性物質により形成して、電流が流れるようにすることにより、本発明の一実施例による美容装置ヘッド200は、プラズマ美容装置、高周波美容装置、ガルバニックイオン装置、冷温熱機能を有する美容装置などに適用することができる。
【0041】
また、第2伝達部220が第1伝達部210の少なくとも一部を覆うようにすることにより、美容装置ヘッド200の強度を向上させられる。
【0042】
また、第2伝達部220により、第1伝達部210の少なくとも一部を覆うようにする様々な実施例については、後述の
図2~
図9を参照して説明する。
【0043】
図2~
図7は、美容装置ヘッド200の形状に関する様々な実施例を示す。
図2~
図7を参照すると、第1伝達部210の外表面212は様々な形状を有することができ、外表面212に対応する形状により第2伝達部220が第1伝達部210の外表面212の少なくとも一部を覆うことができる。
【0044】
図2(a)は、本発明の一実施例による美容装置ヘッド200の側断面図であり、
図2(b)は、美容装置ヘッド200の正面図である。
図2(a)および
図2(b)を参照すると、第2伝達部220は第1伝達部210の外表面212を全て覆うように提供され得る。
【0045】
第2伝達部220の厚さ(D)は、1.0μm~100.0μm範囲であり得る。
【0046】
第2伝達部220の厚さが1.0μm以下の場合、メッキおよび塗装、蒸着の厚さが薄いため工程不良率が高く、電気伝導度が低くなるという問題点が発生し得る。
【0047】
また、第2伝達部220の厚さ(D)が1.0μm以下の場合、第2伝達部220に電流が安定して流れないという問題点が発生し得る。
【0048】
第2伝達部220の厚さが100.0μm以上の場合は、後述のように、超音波振動を第1伝達部210によってユーザーに伝達すると、第2伝達部220が第1伝達部210を覆っているので、ユーザーに超音波振動伝達効果が抑制され得る。
【0049】
図3(a)は、本発明の他の実施例による美容装置ヘッド200の側断面図であり、
図3(b)は、本発明の他の実施例による美容装置ヘッド200の正面図である。
【0050】
図3(a)を参照すると、第2伝達部220は第1伝達部210の外表面212の一部を覆う。第1伝達部210の外表面212は凸部216を含む。凸部216の形状は、後述する射出成形の型の形状に対応して形成され得る。また、凸部216の厚さは、
図2において前述した第2伝達部220の厚さ1.0μm~100.0μm範囲と同一であり得る。
【0051】
第2伝達部220は、凸部216の外表面216aを除く第1伝達部210の外表面212を覆うことができ、第2伝達部220の厚さは、凸部216の厚さと同一である。このように、凸部216の厚さと第2伝達部220の厚さとを同一にして、ユーザーの皮膚に接触する美容装置ヘッド200を滑らかに実現し得る。つまり、凸部216の外表面216aと第2伝達部220の外表面222とは連続する平面、すなわち段差のない平面を形成し得る。
【0052】
図3(b)を参照すると、美容装置ヘッド200を正面から見たとき、凸部216の形状は円形であり得る。ただし、その形状は制限されるものではなく、四角形、三角形など多様な形状であり得る。
【0053】
図3(b)に示すように、美容装置ヘッド200を正面から見たとき、凸部216と第2伝達部220との表面積比は1:1~4の間にあり得る。すなわち、第2伝達部220は、第1伝達部210の外表面212の50%以上80%以下を覆うように形成され得る。このような範囲は、ユーザーの皮膚状態に応じて、すなわち、超音波振動がさらに多く必要な皮膚の状態であるのか、高周波、プラズマ、ガルバニックイオン、冷温マッサージなどがさらに必要な皮膚状態であるのかによって、その比率が決定され得る。
【0054】
図4(a)は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッド200の側断面図であり、
図4(b)は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッド200の正面図である。
【0055】
図4を参照すると、第1伝達部210の外表面212に凹部218を形成し、第2伝達部220が凹部218に提供され得る。
【0056】
また、
図4に示す美容装置ヘッド200のまた他の実施例は、
図3に示す美容装置ヘッド200に比べ、
図3の凸部216の代わりに凹部218を形成したことに主な相違がある。
【0057】
図3において、凸部216の外表面216aと第2伝達部220の外表面222とは、連続する平面(段差のない平面)を形成するように提供されたものと同様、
図4の実施例においては、第1伝達部210の外表面212と第2伝達部220の外表面222とが連続する平面、すなわち、段差のない平面を形成するように提供され得る。
【0058】
また、
図10において後述するように、第1伝達部210に電流伝達部161と第2伝達部220とを連結するための通路217を形成し得る(
図10もともに参照)。例えば、通路217は、第1伝達部210の内表面211の中心を貫通するように形成されてもよく、第1伝達部210の結合部214と連結するように形成されても良い。ただし、通路217は、本体100から第2伝達部220に電流が流れることができる導線が通過できる大きさであれば良く、その形状や模様が制限されるものではない。
【0059】
図5(a)は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッド200の側断面図であり、
図5(b)は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッド200の正面図である。
【0060】
図5(a)を参照すると、第1伝達部210に複数の溝219aを形成し得る。また、
図5(b)のように美容装置ヘッドを正面から見たとき、複数の溝219aを格子状のパターン形状を有するように配列し、複数の溝219aに導電性物質を有する第2伝達部220を提供し得る。つまり、第2伝達部220は、格子状のパターン形状を有する。このような配列を有することにより、導電性の第2伝達部220が交差し、交差する第2伝達部220の間に第1伝達部210が提供されることにより、第1伝達部210による超音波振動と第2伝達部220による微弱電流または熱伝達などがユーザーの皮膚側に均一に行える。また、第1伝達部210の外表面212間の間隔t1、t2、t3、つまり、第2伝達部220の格子状パターンに囲まれた第1伝達部210の外表面212の中心間の間隔t1、t2、t3は一定に提供され得る。
【0061】
図6(a)は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッド200の側断面図であり、
図6(b)は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッド200の正面図である。
【0062】
図6の実施例は、
図5の実施例に比べ、第2伝達部220の格子状パターンに囲まれた第1伝達部210の外表面212の中心間の間隔t1、t2、t3は、ヘッドの中心(X)から離れるほど大きくなることを示す。
【0063】
例えば、ヘッドの中心(X)を通る線(B-B’)を横切る第1伝達部210の外表面212の中心間の間隔t1は5mm、次に隣接する間隔であるt2は10mm、その次に隣接する間隔t3は15mm、さらにその次に隣接する間隔t4は20mmのような配列を有し得る。このような間隔は、ヘッドの大きさ、ユーザーの皮膚に伝達しようとする超音波振動、微弱電流、および熱伝達の程度などを考慮して選択され得る。
【0064】
なお、間隔tは、格子状の第2伝達部220の外表面222に囲まれているそれぞれの第1伝達部210の外表面212の中心間を連結した距離で表せる。
【0065】
図6に示す実施例によると、第2伝達部220の外表面222をヘッドの中心Xに集中させ、第1伝達部210の外表面212をヘッドの縁に集中させることができるので、ヘッドの中心Xに微弱電流または温熱効果を集中させ、縁の方に超音波振動を集中させられる。
【0066】
また、
図6においては、第1伝達部210の外表面212の中心間の間隔t1、t2、t3が線B-B’を基準に、縁の方へ行くほど大きくなることを示すが、逆に、第1伝達部210の外表面212間の間隔t1、t2、t3が線B-B’を基準に縁の方へ行くほど近くなるように配置することもできる。
【0067】
図7(a)は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッド200の側断面図であり、
図7(b)は、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッド200の正面図である。
【0068】
図7(a)を参照すると、第1伝達部210に溝219bを形成し得る。
【0069】
また、
図7(b)のように美容装置ヘッドを正面から見たとき、溝219bをヘッドの中心Xを基準に、縁の方に向かって螺旋状を有するように配列し、複数の溝219aに導電性物質を有する第2伝達部220を提供し得る。つまり、第2伝達部220は、ヘッドの中心Xを基準に回転する螺旋状を有する。このような配列を有することにより、第1伝達部210による超音波振動と第2伝達部220による微弱電流または熱伝達などとが、ユーザーの皮膚側に均一に行える。
【0070】
図8および
図9は、それぞれ、本発明のまた他の実施例による美容装置ヘッド200の側断面図である。
【0071】
図8および
図9の実施例は、
図2~
図7の実施例とは異なり、第2伝達部220が第1伝達部210の内表面211を覆うように形成された実施例を示す。この際、第2伝達部220は、第1伝達部210の内表面211の少なくとも一部を覆うことができる。例えば、第2伝達部220は、第1伝達部210の内表面211の全部または一部を覆うことができる。また、第2伝達部220が、第1伝達部210の内表面211を覆う形状は、前述の
図2~
図7の形状を有し得るので、詳細な説明は省略する。
【0072】
図8は、第1伝達部210の外表面212を半球状に形成し、内表面211を平面状に形成したものである。
【0073】
図9は、第1伝達部210の厚さを一定に形成し、第1伝達部210の内表面211が半球状をなすように形成したものである。
【0074】
このように、第2伝達部220を第1伝達部210の内側に形成するようにすることにより、第2伝達部220に電流を流すようにして第2伝達部220から熱を発生させられる。この場合、第2伝達部220で生成された熱は、第1伝達部210を通過してユーザーの皮膚に伝達され得る。また、この場合、第1伝達部210を人体に優しいジルコニアで形成し、第1伝達部210の外表面212がユーザーの皮膚に直接触れるようにすることにより、ユーザーが抵抗なく使用することができる。
【0075】
図10は、本発明の一実施例による凹部218を有する美容装置ヘッド200と本体100とを結合した美容装置10を示す。なお、美容装置ヘッド200は、
図4に示す凹部218を有する美容装置ヘッド200を例示するが、美容装置10は、
図8および
図9に示す美容装置ヘッド200を含むこともできる。
【0076】
本体100は、ハンドピース構造で射出成形されたケース110と、電流を発生させる電流発生部160と、発生した電流を第2伝達部220に伝達する電流伝達部161と、電流伝達部161を支持する支持部150とを含み得る。
【0077】
電流発生部160から電流伝達部161への電流の伝達は、第2電線163により行われ、電流伝達部161から第2伝達部220への電流の伝達は、通路217に追加の電線を設けて行われる。
【0078】
電流伝達部161は、ケース110に固定されている支持部150により支持され得る。また、電流伝達部161は、第2伝達部220と電気的に接続することさえできれば、その位置は限定されない。
【0079】
電流伝達部161は、美容装置ヘッド200が本体100に着脱式で結合される場合、本体100の電流発生部160と第2伝達部220との間の電気的接触を容易にする。
【0080】
また、電流発生部160と第2伝達部220との間に電線を設け、電流伝達部161は選択的に提供され得る。つまり、電流伝達部161はあらず、電流発生部160で生成された微弱電流を、電線により直接第2伝達部220に伝達することもできる。
【0081】
図11(a)は、本発明の一実施例による凸部216を有する美容装置ヘッド200と本体100とを結合した美容装置10を示し、
図11(b)は、
図11(a)のA-A’の断面図である。
【0082】
図11による実施例は、
図10の実施例に比べ、超音波発振回路130と、振動部140とをさらに含む。
【0083】
図11を参照すると、美容装置10は、美容装置ヘッド200および本体100を含む。なお、美容装置ヘッド200は、
図3に示す凸部216を有する美容装置ヘッド200を例示するが、美容装置10は、
図2、
図5~
図7に示す美容装置ヘッド200を含むこともできる。
【0084】
超音波発振回路130は、本体100の内部に搭載され得る。超音波発振回路130は、電源を利用して振動部140を加振させるが、その加振周波数は、接触部位の皮膚の血液循環を増加させたり、皮膚の内部組織の温度を上昇させたり、皮膚の脂肪分解を活性化させたり、皮膚の血液およびリンパ液の流れを促進させられる範囲内で定められるので、特定周波数の値に限定されない。
【0085】
振動部140は、超音波発振回路130の電力供給を受けて超音波振動を発生させるように、本体100の内部に配置され得る。具体的に、振動部140は、ケース110に固定されている支持部150によって支持され得る。
【0086】
振動部140は、第1電線132を介して超音波発振回路130に電気的に接続され得、超音波発振回路130から印加される電力、信号によって振動して超音波を発生させられる。
【0087】
第1伝達部210は、振動部140と物理的に接触し、ケース110および支持部150によって支持され得る。
【0088】
第1伝達部210は、ケース110と着脱可能である。例えば、ケース110は、第1伝達部210の溝状の結合部214と結合するように、凸部114を備えられる。
【0089】
また、結合部214を第1伝達部210の周囲に沿って形成された溝で採用し、溝は螺旋状に形成する場合、第1伝達部210を回転させて振動部140側に移動させられる。この場合、第1伝達部210と振動部140とを強固に接触させられる。このように、第1伝達部210と振動部140とを強固に接触させて、振動部140からの振動を第1伝達部210によりユーザーの皮膚に伝達することができる。
【0090】
また、本体100は、超音波発振回路130および振動部140とともに、電流を発生させる電流発生部160を含み得る。電流発生部160から第2伝達部220への電流の伝達は、第2電線163により行われる。この際、選択的に電流伝達部161を電流発生部160と第2伝達部220との間に配置することもできる。
【0091】
電流伝達部161は、第2伝達部220および電流発生部160を電気的に接続する役割を果たすことさえできれば、その位置は限定されない。例えば、電流伝達部161は、ケースの凸部114の全面に形成されても良く、支持部150の上部に形成されても良い。
【0092】
このように、本体100は、第2伝達部220に電流を印加させるための電流発生部160と、第1伝達部210に超音波振動を伝達する振動部140および超音波発振回路130とを同時に有し得る。
【0093】
また、本体100は、超音波発振回路130と電流発生部160とに接続するバッテリー120を含み得る。なお、バッテリー120は、外部から入ってくる電源からエネルギーを充電した後、放電の際に超音波発振回路130および電流発生部160に電源を供給する役割を果たせる。なお、外部電源からバッテリー120は充電回路(図示せず)によって接続され得る。
【0094】
また、前述の電流発生部160または電流伝達部161を、プラズマ発生部、高周波を発生させる高周波発生部、ガルバニックイオンを発生させるイオン発生部、冷温機能を果たす熱電素子により構成し得る。たとえば、冷温マッサージ機能を果たせる冷温マッサージ美容装置を実現しようとする場合は、電流伝達部161を熱電素子により形成し、電流発生部160によって制御される電流方向に応じて放熱または吸熱するように構成し得る。
【0095】
また、本発明の一実施例による美容装置は、冷温マッサージ機能を果たすとともに、ガルバニックイオンや微弱電流を流すようにし得る。具体的には、第2伝達部220を導電性物質で提供し、第2伝達部220を介してガルバニックイオンまたは微弱電流を流すように提供し得る。
【0096】
本発明の一実施例による美容装置ヘッドを使用する場合、従来のSTSやチタン(Titanium)を使用する美容装置ヘッドに比べ、ヘッド実現の自由度を高められる。
図12は、
図2~
図9に示す美容装置ヘッド200の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【0097】
図12を参照すると、本発明の一実施例による製造方法は、第1伝達部210の製造用混合原料として、着色剤粉末と、バインダー粉末と、非導電性成形原料とをブレンダーで混合して混合原料を準備する段階(S100)を含み得る。
【0098】
混合原料準備段階(S100)により、着色剤粉末と、バインダー粉末と、非導電性成形原料とを混合して混合原料が作られる。混合原料の成分含有量または、それに対する重量パーセント(wt%)は、色相および材質によって異なり得る。第1伝達部210が外部に露出される、
図3~
図9のような美容装置ヘッドの場合、第1伝達部210の色は、ユーザーの好みに応じて調節され得る。例えば、第1伝達部210がホワイトカラーまたはブラックカラーに製造することができ、ホワイトカラーの場合は、非導電性成形原料がジルコニア(ZrO
2)であり得る。ジルコニアの固有の色は白色なので、別途の着色剤粉末は不要であり得る。例えば、非導電性成形原料がジルコニア粉末であると、ホワイトカラーの混合原料は、非導電性成形原料が86.9wt%およびバインダー粉末が13.1wt%であり得る。また、非導電性成形原料がジルコニア粉末の場合、ブラックカラーの混合原料は、非導電性成形原料が83.9wt%およびバインダー粉末が13.1wt%、ブラックピグメント(black pigment)である着色剤粉末が3wt%であり得る。
【0099】
また、原料の準備段階(S100)においては、添加物として遠赤外線を放出する機能性素材がさらに含まれてもよく、この場合、混合原料の成分含有量は調整され得る。
【0100】
また、混合原料は、ジェットミキサーにより粉砕され得る。その結果、粉砕された混合原料は、300~320メッシュ(mesh)に対応する粒度分布を有し得る。
【0101】
この際、混合原料の300~320メッシュの値は、後述する第1伝達部210の成形段階(S300)および焼結段階(S400)において、最適の第1伝達部210を製作するための臨界的な値であり得る。すなわち、前記メッシュ値未満の粒度分布では、半製品状の第1伝達部210の取り扱いが難しくなり得、前記メッシュ値を超える粒度分布では、第1伝達部210の成形および焼結品質が低下され得るので、前記メッシュ値は臨界的な意味を有し得る。
【0102】
また、本実施例の製造方法は、第1伝達部210の外表面の形状を有するモールドに混合原料を供給する(S200)。
【0103】
第1伝達部210の外表面の形状は、モールドの内部形状に対応するように射出し得る。
【0104】
混合原料の供給段階(S200)の後、混合原料の粉末粒子を相互結合させるようにモールドを加圧して第1伝達部を成形する段階(S300)を経る。
【0105】
第1伝達部210を成形する段階(S300)は、モールドの加圧により混合原料の粉末粒子を相互結合させて第1伝達部210を作る一連の工程であり得る。
【0106】
第1伝達部成形する段階(S300)は、混合された粉末状の混合原料が、モールドに対応した半製品状に作られる工程である。つまり、混合原料の粉末粒子が十分に結合して、次の工程である第1伝達部210を焼結させる段階(S400)の処理に支障のない程度に、半製品状の第1伝達部210に対して機械的強度を与える過程であり得る。
【0107】
モールドは、プレート金型状の成形型、成形型を作動または支持するための油圧回路、およびアクチュエータなどを含む成形装置の通称であり得る。
【0108】
第1伝達部210を焼結させる段階(S400)は、第1伝達部210を成形する段階(S300)によって作られた半製品状の第1伝達部210を熱処理して、混合原料の粉末粒子相互間の拡散による化学的結合により、超音波伝達に必要な機械的強度および耐久性が前記第1伝達部210に形成される工程であり得る。
【0109】
第1伝達部210を焼結させる段階(S400)の後、第1伝達部210を研磨する段階(S500)を経る。
【0110】
第1伝達部210を研磨する段階(S500)を経た第1伝達部210の角部位は、0.2~0.3R(曲率)程度のラウンド部位に作られる。したがって、加振に伴う超音波振動や外部から加わる衝撃などの力が第1伝達部210に伝達されても、第1伝達部210の角部位などが局部的に破損しないようになり得るという利点がある。
【0111】
第1伝達部210を研磨する段階(S500)以降は、第1伝達部210の外表面212の少なくとも一部を導電性の第2伝達部によりコーティングする段階(S600)を含む。
【0112】
なお、コーティングとは、メッキ、塗装、蒸着などの後加工を含み得る。したがって、第2伝達部220は、第1伝達部210の製作後、第1伝達部210の表面にメッキ、塗装、蒸着などの後加工により形成され得る。
【0113】
また、
図3~
図7のように、第1伝達部210のうち、第2伝達部220に覆われない部分に対しては(後加工のない部分)、マスキングTape、またはマスキング治具(Masking Jig)を用いてマスキングを行える。また、工程の後、第1伝達部210と第2伝達部220との連結部の間に滑らかでない部分がある場合(ムラがある場合)、さらにレーザーを用いてムラのある部分を後処理することもできる。このように、第1伝達部210を覆う導電性を有する第2伝達部220を形成することにより、導電性である第2伝達部220によって超音波、高周波、ガルバニックイオン、プラズマの放出や温度調節が可能な美容装置ヘッドが実現され得る。
【0114】
第2伝達部によりコーティングする段階(S600)後、ユーザーの皮膚に接触する第2伝達部220または第1伝達部210の一部を滑らかにするために、さらに2次研磨工程を含むこともできる。
【0115】
以下では、前記のような美容装置ヘッド、美容装置および美容装置ヘッドを製造するための方法の作用および効果について説明する。
【0116】
ジルコニアは、優れた強度、低い熱伝導性を有する特性を有している。したがって、本発明の一実施例によるジルコニアを美容装置ヘッドの一部として使用すると、美容装置ヘッドの強度を確保することができる。
【0117】
また、本発明の一実施例によると、第2伝達部220により第1伝達部210を覆うようすることによって、美容装置ヘッド200の強度を向上させられる。
【0118】
また、本発明の一実施例によると、第1伝達部210は、射出成形工法を用いて形成されるので、第1伝達部210は製作者が所望する形状を有するように製作され得る。したがって、第1伝達部210は、従来の金属プレス加工により作られた美容装置ヘッドに比べ、多様な形状を有し得る。
【0119】
また、本発明の一実施例によると、第1伝達部210を製作した後、第1伝達部210の表面を研磨して、第1伝達部210の表面を約0.04μm~約0.15μm範囲の平均表面粗さ(Ra)を有するようにすることができる。このような範囲の表面粗さ(Ra)を有することにより、第1伝達部210と第2伝達部220との密着性を高めて、第2伝達部220が第1伝達部210から剥離されることを防止することができる。
【0120】
また、本発明の一実施例によると、第1伝達部210の凸部216の厚さと第2伝達部220の厚さを同一にして、ユーザーの皮膚に接触する美容装置ヘッド200を滑らかに実現することができる。
【0121】
また、本発明の一実施例によると、第2伝達部220は、格子状のパターン形状および中心を基準に回転する螺旋状を有し得る。このような配列を有することにより、第1伝達部210による超音波振動と、第2伝達部220による電流および熱伝達などとが、ユーザーの皮膚側に均一に行われるので、皮膚を効果的に管理することができる。
【0122】
また、本発明の一実施例によると、第1伝達部210と振動部140とを強固に接触させて、振動部140からの振動を、第1伝達部210を介してユーザーの皮膚に伝達することができる。
【0123】
また、本発明の一実施例によると、第2伝達部220を第1伝達部210の内側に形成することができる。この場合、第2伝達部220に熱を発生させ、発生した熱を、第1伝達部210を通過するようにすることにより、ユーザーの皮膚に熱を伝達し、すなわち、ユーザーの皮膚に冷温マッサージを行える。
【0124】
また、本発明の一実施例によると、第1伝達部210を人体に優しいジルコニアで形成し、第1伝達部210の外表面212がユーザーの皮膚に直接接触するようにすることによって、ユーザーが抵抗なく使用することができる。
【0125】
また、本発明の一実施例によると、本体100は、第2伝達部220に電流を印加させるための電流発生部160と、第1伝達部210に超音波振動を伝達する振動部140および超音波発振回路130とを同時に有し得る。この場合、第1伝達部210を介して超音波振動をユーザーの皮膚に伝達し、第2伝達部220を介して微弱電流や、様々な温度範囲の熱などを皮膚に伝達し得るので、皮膚を効果的に管理することができる。
【0126】
一方、本実施例では、美容装置ヘッドが、導電性物質が非導電性物質の内側または外側において少なくとも一部を覆うか、または少なくとも一部の表面に配置される形状で提供されることを例に挙げて説明したが、本発明の思想はこれに限定されない。
【0127】
以上、本発明の実施例による美容装置ヘッド、美容装置および美容装置ヘッドを製造するための方法を具体的な実施例として説明したが、これは例示に過ぎないものであり、本発明はこれに限定されないものであり、本明細書に開示された基礎思想に従う最も広い範囲を有するものと解釈されるべきである。
【0128】
当業者は、開示された実施例を組み合わせ、置換して摘示されていない形状のパターンを実施し得るが、これもまた本発明の範囲を逸脱しないものである。加えて、当業者は、本明細書に基づいて開示されている実施形態を容易に変更または変形することができ、これらの変更または変形も本発明の権利範囲に属することは明らかである。
【符号の説明】
【0129】
10:美容装置
100:本体
110:ケース
120:バッテリー
130:超音波発振回路
140:振動部
150:支持部
160:電流発生部
161:電流伝達部
200:美容装置ヘッド
210:第1伝達部
211:第1伝達部の内表面
212:第1伝達部の外表面
220:第2伝達部
222:第2伝達部の外表面