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特許7412970決済処理の振分方法、情報処理装置、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】決済処理の振分方法、情報処理装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/08 20120101AFI20240105BHJP
【FI】
G06Q20/08 302
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019207958
(22)【出願日】2019-11-18
(65)【公開番号】P2021081908
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】397077955
【氏名又は名称】株式会社三井住友銀行
(73)【特許権者】
【識別番号】595095135
【氏名又は名称】GMOペイメントゲートウェイ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】597111590
【氏名又は名称】株式会社 横浜銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 浩気
(72)【発明者】
【氏名】保田 一光
(72)【発明者】
【氏名】福岡 融
(72)【発明者】
【氏名】畑田 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】目野 和仁
(72)【発明者】
【氏名】吉田 剛士
(72)【発明者】
【氏名】島山 幸晴
(72)【発明者】
【氏名】河原 孝尚
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-210171(JP,A)
【文献】特開2002-049871(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0066745(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の決済サービスを提供する第1の銀行群の銀行について口座引落に関する処理を実行する第1のサーバ装置と、第2の決済サービスを提供する第2の銀行群における決済関連の処理を管理する第2のサーバ装置とに接続されるコンピュータが、
受取人の端末から金額の情報を含む第1の要求を受信することと、
前記第1の要求に応じて、個々の決済を識別するための決済識別情報と前記金額とを含むコード情報を前記受取人の端末に送信することと、
支払人の端末から、前記支払人が指定した銀行に関する情報と前記決済識別情報とを含む第2の要求を受信することと、
前記指定した銀行が前記第1の銀行群に属する場合には、前記支払人の口座からの前記金額の引落に関する処理を、前記指定した銀行に対応する前記第1のサーバ装置に依頼し、前記指定した銀行が前記第2の銀行群に属する場合には、前記支払人の口座からの前記金額の引落に関する処理を前記第2のサーバ装置に依頼することと、
を含む処理を実行する、決済処理の振分方法。
【請求項2】
前記第1の要求は、第1の受取人識別情報をさらに含み、前記第2の要求は、第1の支払人識別情報をさらに含み、
前記第1の要求を受信したときに、前記第1の受取人識別情報を利用して前記受取人を識別すること、及び、前記第2の要求を受信したときに、前記第1の支払人識別情報を利用して前記支払人を識別することと、
前記引落に関する処理を依頼する際に、
前記受取人を識別するために前記第1のサーバ装置又は前記第2のサーバ装置で利用される第2の受取人識別情報と、前記第1の受取人識別情報とを対応付ける受取人データベース、及び、前記支払人を識別するために前記第1のサーバ装置又は前記第2のサーバ装置で利用される第2の支払人識別情報と、前記第1の支払人識別情報とを対応付ける支払人データベースを参照し、前記第1の受取人識別情報を前記第2の受取人識別情報に置換し、前記第1の支払人識別情報を前記第2の支払人識別情報に置換することと、
をさらに含む、
請求項1に記載の決済処理の振分方法。
【請求項3】
前記指定した銀行が、前記第1の銀行群及び前記第2の銀行群の両方に属する銀行である場合、前記コンピュータは、前記引落に関する処理を、前記指定した銀行に対応する前記第1のサーバ装置に依頼する
請求項1又は2に記載の決済処理の振分方法。
【請求項4】
前記指定した銀行が、前記第1の銀行群及び前記第2の銀行群の両方に属する銀行である場合、前記コンピュータは、
前記第1の決済サービスに前記第2の決済サービスより高い優先度が設定されているときには、前記引落に関する処理を、前記指定した銀行に対応する前記第1のサーバ装置に依頼し、前記第2の決済サービスに前記第1の決済サービスより高い優先度が設定されているときには、前記引落に関する処理を前記第2のサーバ装置に依頼する
請求項1又は2に記載の決済処理の振分方法。
【請求項5】
第1の決済サービスを提供する第1の銀行群の銀行について口座引落に関する処理を実行する第1のサーバ装置と、第2の決済サービスを提供する第2の銀行群における決済関連の処理を管理する第2のサーバ装置とに接続される情報処理装置であって、
プロセッサ及びメモリを備え、前記メモリには、前記第1の銀行群に属する銀行の情報と、前記第2の銀行群に属する銀行の情報とが格納され、前記プロセッサは、
受取人の端末から金額の情報を含む第1の要求を受信し、前記第1の要求に応じて、個々の決済を識別するための決済識別情報と前記金額とを含むコード情報を前記受取人の端末に送信し、
支払人の端末から、前記支払人が指定した銀行に関する情報と前記決済識別情報とを含む第2の要求を受信し、前記指定した銀行が前記第1の銀行群に属する場合には、前記支払人の口座からの前記金額の引落に関する処理を、前記指定した銀行に対応する前記第1のサーバ装置に依頼し、前記指定した銀行が前記第2の銀行群に属する場合には、前記支払人の口座からの前記金額の引落に関する処理を前記第2のサーバ装置に依頼する
処理を実行する、情報処理装置。
【請求項6】
第1の決済サービスを提供する第1の銀行群の銀行について口座引落に関する処理を実行する第1のサーバ装置と、第2の決済サービスを提供する第2の銀行群における決済関連の処理を管理する第2のサーバ装置とに接続されるコンピュータに、
受取人の端末から金額の情報を含む第1の要求を受信することと、
前記第1の要求に応じて、個々の決済を識別するための決済識別情報と前記金額とを含むコード情報を前記受取人の端末に送信することと、
支払人の端末から、前記支払人が指定した銀行に関する情報と前記決済識別情報とを含む第2の要求を受信することと、
前記指定した銀行が前記第1の銀行群に属する場合には、前記支払人の口座からの前記金額の引落に関する処理を、前記指定した銀行に対応する前記第1のサーバ装置に依頼し、前記指定した銀行が前記第2の銀行群に属する場合には、前記支払人の口座からの前記金額の引落に関する処理を前記第2のサーバ装置に依頼することと、
を含む処理を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、決済処理の振分方法、情報処理装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、現金以外の支払手段を利用して決済を行う非現金決済が広く利用されるようになってきている。非現金決済の方式としては、クレジットカードを利用する方式、デビットカードを利用する方式、及び電子マネーをチャージしたIC(Integrated Circuit)カードを利用する方式など、様々な方式がある。また、スマートフォンなどの端末機器にインストールした決済用アプリケーションプログラム(以下、決済アプリ)を利用して非現金決済を行う方式も普及しつつある。決済アプリを利用する方式では、ユーザが決済アプリで支払を行うと、予め登録したユーザの銀行口座から利用金額が引き落とされる。
【0003】
決済アプリを利用する方式に関し、下記の特許文献1では、銀行口座と取纏め銀行口座との間の決済をリアルタイムに行う口座振替システムを介し、決済アプリによる取引時に指定口座から代金を即座に引き落とせるようにする仕組みが提案されている。また、下記の特許文献1では、商品の二次元コードを利用して店舗の情報を端末機器に提供する仕組みが提案されている。なお、下記の特許文献2には、銀行口座を登録する際に端末機器に表示される銀行選択画面が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-055669号公報
【文献】特開2019-106095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した決済アプリを利用する方式の場合、常時持ち歩くことが多い端末機器だけあれば支払を行うことができる。そのため、クレジットカードなどのカード類を別途持ち歩く必要がなく、ユーザにとって利便性が高い。しかし、同様の決済サービスが複数存在し、利用する決済サービスや決済に利用する銀行によって決済アプリを使い分ける必要があるなど、利便性向上のために改善すべき点がある。
【0006】
本開示の1つの観点によれば、本開示の目的は、同様の決済サービスを各々提供する複数の銀行群について、それらの違いを意識せず自らの口座を支払に利用できるようにする決済処理の振分方法、情報処理装置、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、第1の決済サービスを提供する第1の銀行群の銀行について口座引落に関する処理を実行する第1のサーバ装置と、第2の決済サービスを提供する第2の銀行群における決済関連の処理を管理する第2のサーバ装置とに接続されるコンピュータが、受取人の端末から金額の情報を含む第1の要求を受信することと、第1の要求に応じて、個々の決済を識別するための決済識別情報と金額とを含むコード情報を受取人の端末に送信することと、支払人の端末から、支払人が指定した銀行に関する情報と決済識別情報とを含む第2の要求を受信することと、指定した銀行が第1の銀行群に属する場合には、支払人の口座からの金額の引落に関する処理を、指定した銀行に対応する第1のサーバ装置に依頼し、指定した銀行が第2の銀行群に属する場合には、支払人の口座からの金額の引落に関する処理を第2のサーバ装置に依頼することと、を含む処理を実行する、決済処理の振分方法が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、同様の決済サービスを各々提供する複数の銀行群について、それらの違いを意識せず自らの口座を支払に利用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るシステムについて説明するためのブロック図である。
図2】本実施形態に係るシステムに含まれる端末及びサーバの機能を実現することが可能なコンピュータのハードウェアについて説明するためのブロック図である。
図3】本実施形態に係る加盟店端末及びユーザ端末の機能について説明するためのブロック図である。
図4】本実施形態に係る加盟店端末及びユーザ端末を利用した決済の流れについて説明するためのシーケンス図である。
図5】本実施形態に係る振分サーバの機能について説明するためのブロック図である。
図6】本実施形態に係る振分サーバが管理する加盟店DBの内容について説明するための図表である。
図7】本実施形態に係る振分サーバが管理するユーザDBの内容について説明するための図表である。
図8】本実施形態に係る決済管理サーバ及び振替GWサーバの機能について説明するためのブロック図である。
図9】本実施形態に係る決済管理サーバが管理する加盟店DBの内容について説明するための図表である。
図10】本実施形態に係る決済管理サーバが管理するユーザDBの内容について説明するための図表である。
図11】本実施形態に係る決済管理サーバが管理する決済管理DBの内容について説明するための図表である。
図12】本実施形態に係る振分サーバが実行する決済処理の流れについて説明するためのフロー図である。
図13】本実施形態に係る決済管理サーバが実行する処理のうち仮決済に関する処理の流れについて説明するためのフロー図である。
図14】本実施形態に係る決済管理サーバが実行する処理のうち分配に関する処理の流れについて説明するためのフロー図である。
図15】本実施形態の一変形例に係る加盟店端末及びユーザ端末を利用した決済の流れについて説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、本明細書及び図面において実質的に同一の機能を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する場合がある。
【0011】
[1.システム]
図1を参照しながら、本実施形態に係るシステムについて説明する。図1は、本実施形態に係るシステムについて説明するためのブロック図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係るシステムは、加盟店端末11と、ユーザ端末12と、振分サーバ20と、X1銀行決済管理サーバ31と、X2銀行決済管理サーバ32と、振替GW(Gateway)サーバ40とを含む。また、本実施形態に係るシステムは、X1銀行システム51と、X2銀行システム52と、Y1銀行システム53と、Y2銀行システム54と、デビット決済サーバ60とを含む。
【0013】
図1の例では、説明を簡単にするため、加盟店端末の数を1、ユーザ端末の数を1、銀行システムの数を4としているが、本実施形態に係る技術を適用可能な端末の数及び銀行システムの数はこれに限定されない。また、以下の説明では、加盟店端末11及びユーザ端末12を単に端末と表記する場合がある。また、X1銀行決済管理サーバ31及びX2銀行決済管理サーバ32を決済管理サーバと表記する場合がある。
【0014】
以下では、説明の都合上、X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、及び振替GWサーバ40を介して提供される決済サービスを「第1の決済サービス」と称し、デビット決済サーバ60を介して提供される決済サービスを「第2の決済サービス」と称する場合がある。また、第1の決済サービスを提供するための要素群を第1のサービスグループ(SVG1)と称し、第2の決済サービスを提供するための要素群を第2のサービスグループ(SVG2)と称する場合がある。
【0015】
図1の例では、X2銀行システム52が第1のサービスグループSVG1に属し、Y1銀行システム53及びY2銀行システム54が第2のサービスグループSVG2に属する。また、X1銀行システム51は、第1のサービスグループSVG1及び第2のサービスグループSVG2の両方に属する。この例において、X1銀行は、第1の決済サービス及び第2の決済サービスの両方を提供し、X2銀行は第1の決済サービスを提供し、Y1銀行及びY2銀行は第2の決済サービスを提供する。
【0016】
加盟店端末11は、ユーザとの間で行った取引の代金(以下、決済金額)を受け取る側の加盟店が利用する端末である。加盟店端末11は、例えば、タブレット端末、POS(Point Of Sale)システム、PC(Personal Computer)、及びスマートフォンなどのコンピュータであってよい。
【0017】
ユーザ端末12は、決済金額を支払う側のユーザが利用する端末である。ユーザ端末12は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC、携帯ゲーム機、及び携帯音楽プレーヤなどのコンピュータであってよい。加盟店端末11及びユーザ端末12は、決済サービスを利用する際、ネットワークNWを介して振分サーバ20にアクセスする。ネットワークNWは、LAN(Local Area Network)及び/又はWAN(Wide Area Network)で構成される有線及び/又は無線のネットワークであってよい。
【0018】
振分サーバ20は、ユーザ端末12からの決済要求をX1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、及びデビット決済サーバ60のいずれかに振り分ける。振分サーバ20は、例えば、PC、ワークステーション、及びサーバ装置などのコンピュータであってよい。振分サーバ20と、X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、及びデビット決済サーバ60の各々とは、外部からのアクセスが制限される専用回線網又は暗号化通信網などのセキュアネットワークを介して接続されうる。
【0019】
X1銀行決済管理サーバ31は、X1銀行システム51で管理されるX1銀行の口座を持つユーザに対して第1の決済サービスを提供する。X2銀行決済管理サーバ32は、X2銀行システム52で管理されるX2銀行の口座を持つユーザに対して第1の決済サービスを提供する。X1銀行決済管理サーバ31及びX2銀行決済管理サーバ32は、例えば、PC、ワークステーション、及びサーバ装置などのコンピュータであってよい。X1銀行決済管理サーバ31及びX2銀行決済管理サーバ32の各々と、振替GWサーバ40とは、外部からのアクセスが制限される専用回線網又は暗号化通信網などのセキュアネットワークを介して接続されうる。
【0020】
X1銀行決済管理サーバ31及びX2銀行決済管理サーバ32の各々は、振替GWサーバ40を介してユーザの口座から決済金額を引き落とす引落処理及び加盟店の口座に決済金額を入金する入金処理を実行する。振替GWサーバ40は、X1銀行及びX2銀行の各々に予め開設された取纏め口座を管理し、取纏め口座を利用して第1の決済サービスにおけるリアルタイム決済を実現しうる。取纏め口座を利用したリアルタイム決済の方法としては、特開2018-055669号公報に記載の方法などがある。振替GWサーバ40と、X1銀行システム51及びX2銀行システム52の各々とは、外部からのアクセスが制限される専用回線網又は暗号化通信網などのセキュアネットワークを介して接続されうる。
【0021】
デビット決済サーバ60は、デビットカード決済の仕組みを利用して決済アプリによる決済を可能にする第2の決済サービスを提供する。デビット決済サーバ60は、例えば、PC、ワークステーション、及びサーバ装置などのコンピュータであってよい。デビットカード決済の仕組みを利用するため、第1の決済サービスを提供する銀行の中にも、第2の決済サービスを提供可能な銀行がある。図1の例では、X1銀行が第1の決済サービス及び第2の決済サービスの両方を提供する。この場合、デビット決済サーバ60は、Y1銀行システム53及びY2銀行システム54の他、X1銀行システム51にも接続される。デビット決済サーバ60と、X1銀行システム51、Y1銀行システム53、及びY2銀行システム54の各々とは、外部からのアクセスが制限される専用回線網又は暗号化通信網などのセキュアネットワークを介して接続されうる。
【0022】
(ハードウェア)
ここで、図2に示したコンピュータ5の例を参照しながら、本実施形態に係るシステムに含まれる端末及びサーバの機能を実現可能なコンピュータのハードウェアについて説明する。図2は、本実施形態に係るシステムに含まれる端末及びサーバの機能を実現することが可能なコンピュータのハードウェアについて説明するためのブロック図である。
【0023】
上記の加盟店端末11、ユーザ端末12、振分サーバ20、X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、振替GWサーバ40、及びデビット決済サーバ60の機能は、図2に示したコンピュータ5の少なくとも一部の要素又はコンピュータ5と実質的に同じ複数のコンピュータを含むコンピュータシステムを利用して実現されうる。なお、図1に例示した各銀行システムについても同様である。
【0024】
図2に示すように、コンピュータ5は、プロセッサ5a、メモリ5b、表示IF(Interface)5c、通信IF5d、及び接続IF5eを有する。
【0025】
プロセッサ5aは、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphic Processing Unit)などの処理回路(processing circuitry)であってよい。メモリ5bは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどのストレージデバイスであってよい。
【0026】
表示IF5cは、LCD(Liquid Crystal Display)、ELD(Electro-Luminescence Display)などのディスプレイデバイスを接続するためのインターフェースである。ディスプレイデバイスの表示制御は、表示IF5cに接続されるプロセッサ5a及び/又は表示IF5cに搭載されたGPUによって実施されうる。
【0027】
通信IF5dは、有線及び/又は無線のネットワークに接続するためのインターフェースである。通信IF5dは、有線LAN、無線LAN、光通信ネットワーク、携帯電話ネットワークなどで構成される通信ネットワーク、上述したセキュアネットワーク、又はデバイス間をダイレクトに接続する専用回線などに接続されうる。
【0028】
接続IF5eは、各種デバイスを接続するためのインターフェースである。接続IF5eは、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)などである。接続IF5eには、キーボード、マウス、タッチパネル、タッチパッドなどの入力インターフェースや、GPS(Global Positioning System)、モーションセンサ、カメラなどが接続されうる。
【0029】
また、接続IF5eには、可搬性の記録媒体5fが接続されうる。記録媒体5fは、磁気記録媒体、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどの非一時的なコンピュータ可読記録媒体(Non-transitory computer readable storage medium)である。上述したプロセッサ5aは、記録媒体5fに格納されたプログラムを読み出してメモリ5bに格納し、メモリ5bから読み出したプログラムに従ってコンピュータ5の動作を制御しうる。コンピュータ5の動作を制御するプログラムは、メモリ5bに予め格納されていてもよいし、通信IF5dを介して外部のサーバ又はシステムからダウンロードされてもよい。
【0030】
(端末の機能)
次に、図3を参照しながら、本実施形態に係る加盟店端末及びユーザ端末の機能について説明する。図3は、本実施形態に係る加盟店端末及びユーザ端末の機能について説明するためのブロック図である。
【0031】
まず、加盟店端末11の機能について説明する。
図3に示すように、加盟店端末11は、記憶手段111と、金額入力手段112と、決済要求手段113と、コード表示手段114と、レシート表示手段115とを有する。記憶手段111の機能は、上述したメモリ5bにより実現されうる。金額入力手段112、決済要求手段113、コード表示手段114、及びレシート表示手段115の機能は、主に上述したプロセッサ5aにより実現されうる。
【0032】
記憶手段111には、加盟店情報111a、デバイス情報111b、及び決済アプリ111cが格納される。
【0033】
加盟店情報111aは、加盟店を識別するための加盟店ID(Identifier)と、加盟店の名称、所在地、及び電話番号などの管理情報とを含んでもよい。加盟店IDは、例えば、決済サービスの利用登録後に振分サーバ20から提供されうる。管理情報には、決済に利用される銀行口座の情報や、振分サーバ20が加盟店の認証に利用するパスワードの情報が含まれてもよい。デバイス情報111bは、加盟店端末11を識別するための端末IDを含む。端末IDは、例えば、決済アプリ111cに対して事前に割り当てられた識別子や、加盟店端末11のMAC(Media Access Control)アドレスなどであってよい。なお、銀行口座の情報やパスワードの情報は、加盟店情報111aに含めず、銀行側のサーバ(X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、デビット決済サーバ60など)で保持してもよい。また、ここで例示する内容は、これらの情報を他のサーバ又はシステムで保持することを妨げるものではない。
【0034】
決済アプリ111cは、プロセッサ5aにより実行されたとき、金額入力手段112、決済要求手段113、コード表示手段114、及びレシート表示手段115の機能を提供する。決済アプリ111cは、ネットワークNWを介して振分サーバ20から提供されてもよいし、外部システム(例えば、アプリストア)から提供されてよいし、加盟店端末11に予めインストールされていてもよい。変形例として、Webブラウザなどを利用して振分サーバ20にアクセスすることで、決済アプリ111cを利用せずに決済アプリ111cと同等の機能が加盟店に提供されるようにしてもよい。
【0035】
金額入力手段112は、決済金額を入力するための入力フォームを表示して加盟店に決済金額の入力を促す。決済要求手段113は、加盟店ID、端末ID、及び決済金額を含むコード発行要求を振分サーバ20に送信してコード情報の発行を要求する。コード表示手段114は、個々の決済を識別するための決済IDを含むコード情報を振分サーバ20から受信してコード情報を画面に表示する。コード情報は、一次元又は二次元のバーコード(例えば、QRコード(登録商標)など)である。
【0036】
コード表示手段114は、ユーザ端末12でコード情報を読み取るように促すメッセージを画面に表示してもよい。ユーザ端末12でコード情報が読み取られると、決済処理に利用される情報がユーザ端末12から振分サーバ20へと送信される。ユーザの口座から決済金額が引き落とされると(後述する仮決済が完了すると)、振分サーバ20から加盟店端末11及びユーザ端末12にレシートの情報が送信される。レシート表示手段115は、振分サーバ20からレシートの情報を受信して画面にレシートを表示する。なお、ここでは、仮決済の完了に応じて加盟店端末11が振分サーバ20からレシートの情報を受信する仕組みを例示したが、加盟店端末11は、対象となる銀行側のサーバ(X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、デビット決済サーバ60など)から直接、仮決済の完了通知を受け取る仕組みにしてもよい。なお、ここで例示する内容は、決済完了の通知方法を限定するものではない。
【0037】
次に、ユーザ端末12の機能について説明する。
図3に示すように、ユーザ端末12は、記憶手段121と、コード読取手段122と、銀行選択手段123と、決済要求手段124と、レシート表示手段125とを有する。記憶手段121の機能は、上述したメモリ5bにより実現されうる。コード読取手段122、銀行選択手段123、決済要求手段124、及びレシート表示手段125の機能は、主に上述したプロセッサ5aにより実現されうる。
【0038】
記憶手段121には、ユーザ情報121a、デバイス情報121b、及び決済アプリ121cが格納される。
【0039】
ユーザ情報121aは、ユーザを識別するためのユーザIDと、ユーザの氏名、住所、及び電話番号などの管理情報とを含む。ユーザIDは、例えば、決済サービスの利用登録後に振分サーバ20から提供されうる。管理情報には、決済に利用される銀行口座の情報や、振分サーバ20がユーザの認証に利用するパスワードの情報が含まれてよい。デバイス情報121bは、ユーザ端末12を識別するための端末IDを含む。端末IDは、例えば、決済アプリ121cに対して事前に割り当てられた識別子や、ユーザ端末12のMACアドレスなどであってよい。
【0040】
決済アプリ121cは、プロセッサ5aにより実行されたとき、コード読取手段122、銀行選択手段123、決済要求手段124、及びレシート表示手段125の機能を提供する。決済アプリ121cは、ネットワークNWを介して振分サーバ20から提供されてもよいし、外部システム(例えば、アプリストア)から提供されてよいし、ユーザ端末12に予めインストールされていてもよい。変形例として、Webブラウザなどを利用して振分サーバ20にアクセスすることで、決済アプリ121cを利用せずに決済アプリ121cと同等の機能がユーザに提供されるようにしてもよい。
【0041】
コード読取手段122は、加盟店端末11の画面に表示されたコード情報を読み取る。例えば、コード読取手段122は、ユーザ端末12のカメラ機能を起動し、コード情報が表示された加盟店端末11の画面を撮像し、コード情報の撮像データを解析してコード情報の内容を取得する。コード情報の内容は、例えば、決済を一意に特定するための決済ID及び決済金額などである。
【0042】
銀行選択手段123は、ユーザが複数の口座を決済用に登録している場合に、それら複数の口座に対応する銀行のリストを表示して決済に利用する銀行を選択させる。決済要求手段124は、選択銀行、ユーザID、端末ID、及びコード情報の内容を含む決済要求を振分サーバ20に送信して決済を要求する。振分サーバ20がパスワード認証を求める場合、決済要求手段124は、ユーザにパスワードの入力を求め、入力されたパスワードを決済要求に含めて振分サーバ20に送信する。レシート表示手段125は、振分サーバ20からレシートの情報を受信して画面にレシートを表示する。
【0043】
(決済の流れ)
次に、図4を参照しながら、本実施形態に係る加盟店端末及びユーザ端末を利用した決済の流れについて説明する。図4は、本実施形態に係る加盟店端末及びユーザ端末を利用した決済の流れについて説明するためのシーケンス図である。
【0044】
(S101)ユーザは、決済アプリ121cを起動して決済に利用する銀行を選択する。また、ユーザは、決済アプリ121cを操作してコード読取画面を表示させる。なお、銀行の選択操作は、コード読取画面の表示操作の後に行われてもよい。
【0045】
(S102)加盟店は、決済アプリ111cを起動して決済金額を入力する。決済金額が入力されると、決済アプリ111cは、加盟店ID、端末ID、及び決済金額を含むコード発行要求を振分サーバ20に送信してコード情報の発行を要求する。振分サーバ20がパスワード認証を求める場合、決済アプリ111cは、加盟店のパスワードをコード発行要求に含めて振分サーバ20へと送信する。
【0046】
(S103)決済アプリ111cは、振分サーバ20からコード情報を受信し、加盟店端末11の画面にコード情報を表示する。決済アプリ111cは、コード情報をユーザに提示するように加盟店を促すメッセージを表示してもよいし、ユーザ端末12でコード情報を読み取るようにユーザを促すメッセージを表示してもよい。
【0047】
(S104)コード情報が表示された加盟店端末11の画面にユーザ端末12を翳すと、決済アプリ121cは、コード情報が表示された加盟店端末11の画面を撮像し、撮像データを解析してコード情報の内容を読み取る。例えば、決済を一意に特定するための決済ID及び決済金額がコード情報に含まれる場合、決済アプリ121cは、決済ID及び決済金額を読み取り、決済金額をユーザ端末12の画面に表示し、決済の内容を承認するか否かの判断を求めるメッセージを画面に表示する。
【0048】
(S105)ユーザが決済の内容を承認する操作を行うと、決済アプリ121cは、コード情報の内容、選択銀行、ユーザID、及び端末IDを含む決済要求を振分サーバ20に送信して決済を要求する。振分サーバ20がパスワード認証を求める場合、決済アプリ121cは、ユーザにパスワードの入力を要求し、入力されたパスワードを決済要求に含めて振分サーバ20へと送信する。
【0049】
(S106、S107)ユーザの口座から決済金額を引き落とす引落処理が完了すると(後述する仮決済が完了すると)、振分サーバ20から完了通知と共にレシートの情報が加盟店端末11及びユーザ端末12に送信される。加盟店端末11及びユーザ端末12は、完了通知及びレシートの情報を受信してレシートを画面に表示する。S106及びS107の処理が完了すると、図4に示した一連の処理は終了する。
【0050】
(振分サーバの機能)
次に、図5を参照しながら、本実施形態に係る振分サーバの機能について説明する。図5は、本実施形態に係る振分サーバの機能について説明するためのブロック図である。
【0051】
図5に示すように、振分サーバ20は、記憶手段201と、端末認証手段202と、コード発行手段203と、要求振分手段204と、レシート発行手段205と、加盟店登録手段206と、ユーザ登録手段207とを有する。なお、端末認証手段202、コード発行手段203、要求振分手段204、レシート発行手段205、及び加盟店登録手段206のうち対象となるサーバを特定して処理を振り分ける機能以外の機能は、振分サーバ20に搭載する代わりに、銀行側のサーバ(X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、デビット決済サーバ60など)に搭載してもよい。また、ここで例示する内容は、これらの機能を他のサーバ又はシステムに搭載することを妨げるものではない。
【0052】
記憶手段201の機能は、上述したメモリ5bにより実現されうる。端末認証手段202、コード発行手段203、要求振分手段204、レシート発行手段205、加盟店登録手段206、及びユーザ登録手段207の機能は、主に上述したプロセッサ5aにより実現されうる。
【0053】
記憶手段201には、加盟店DB201aと、ユーザDB201bと、銀行属性情報201cと、登録事業者情報201dとが格納される。なお、加盟店DB201a、及びユーザDB201bは、振分サーバ20が保持する代わりに、銀行側の各サーバ(X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、デビット決済サーバ60など)が保持してもよい。また、ここで例示する内容は、これらのDBを他のサーバ又はシステムで保持することを妨げるものではない。
【0054】
加盟店DB201aは、振分サーバ20で加盟店及び加盟店端末11を識別するための情報と、銀行側(決済管理サーバ、銀行システム、振替GWサーバ40、及びデビット決済サーバ60)で加盟店及び加盟店端末11を識別するための情報とを含む。そして、加盟店DB201aは、それら2種類の情報を対応付ける。ユーザDB201bは、振分サーバ20でユーザ及びユーザ端末12を識別するための情報と、銀行側でユーザ及びユーザ端末11を識別するための情報とを含む。そして、ユーザDB201bは、それら2種類の情報を対応付ける。
【0055】
銀行属性情報201cは、X1銀行、X2銀行、Y1銀行、Y2銀行が属するサービスグループを特定するための情報を含む。図1の例においては、X1銀行、X2銀行が第1のサービスグループSVG1に属し、X1銀行、Y1銀行、Y2銀行が第2のサービスグループSVG2に属することを示す情報が銀行属性情報201cに含まれる。
【0056】
登録事業者情報201dは、決済アプリ111c、121cを提供する事業者を管理するための情報を含む。例えば、少なくとも1つの銀行と決済サービスの提供契約を結んだ事業者の情報が登録事業者情報201dに登録され、登録事業者情報201dに登録されている事業者の決済アプリで、振分サーバ20を介して提供される全ての決済サービスが利用できるようになる。少なくとも1つの銀行に口座を保有する事業者の情報が登録事業者情報201dに登録され、任意の銀行が提供する決済サービスが、その事業者の決済アプリで利用できるようにしてもよい。
【0057】
ここで、図6の例を参照しながら、本実施形態に係る振分サーバが管理する加盟店DBの内容について説明する。図6は、本実施形態に係る振分サーバが管理する加盟店DBの内容について説明するための図表である。
【0058】
図6に示すように、加盟店DB201aには、加盟店IDと、端末IDと、加盟店情報とが含まれる。
【0059】
加盟店IDの欄には、端末側の加盟店IDと、銀行側の加盟店IDとが対応付けて記載される。端末側の加盟店IDは、振分サーバ20が加盟店を識別するために利用する識別情報である。銀行側の加盟店IDは、X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、及びデビット決済サーバ60を含む銀行側で加盟店を識別するために利用される識別情報である。端末IDの欄には、加盟店端末11の端末IDが記載される。
【0060】
加盟店情報の欄には、登録銀行の情報と、加盟店の管理情報とが記載される。登録銀行の情報は、加盟店の決済用口座に対応する銀行の情報(例えば、銀行名や銀行コードなど)である。管理情報は、加盟店の名称、所在地、パスワードなどの情報を含む。なお、管理情報の内容は実施の態様に応じて適宜変形可能である。
【0061】
次に、図7の例を参照しながら、本実施形態に係る振分サーバが管理するユーザDBの内容について説明する。図7は、本実施形態に係る振分サーバが管理するユーザDBの内容について説明するための図表である。
【0062】
図7に示すように、ユーザDB201bには、ユーザIDと、端末IDと、ユーザ情報とが含まれうる。なお、ユーザ情報は、銀行側のサーバ(X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、デビット決済サーバ60)が管理し、振分サーバ20が保持しないようにしてもよい。また、ここで例示する内容は、ユーザ情報を他のサーバ又はシステムで保持することを妨げるものではない。
【0063】
ユーザIDの欄には、端末側のユーザIDと、銀行側のユーザIDとが対応付けて記載される。端末側のユーザIDは、振分サーバ20がユーザを識別するために利用する識別情報である。銀行側のユーザIDは、X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、及びデビット決済サーバ60を含む銀行側でユーザを識別するために利用される識別情報である。端末IDの欄には、ユーザ端末11の端末IDが記載される。
【0064】
ユーザ情報の欄には、登録銀行の情報と、ユーザの管理情報とが記載される。登録銀行の情報は、ユーザの決済用口座に対応する銀行の情報(例えば、銀行名や銀行コードなど)である。管理情報は、ユーザの氏名、パスワード、連絡先などの情報を含む。なお、管理情報の内容は実施の態様に応じて適宜変形可能である。
【0065】
再び図5を参照する。端末認証手段202は、加盟店端末11から送信されるパスワード、端末側の加盟店ID、及び端末IDのセットと、加盟店DB201aに登録されているパスワード、端末側の加盟店ID、及び端末IDのセットとを照合して認証を行う。また、端末認証手段202は、ユーザ端末12から送信されるパスワード、端末側のユーザID、及び端末IDのセットと、ユーザDB201bに登録されているパスワード、端末側のユーザID、及び端末IDのセットとを照合して認証を行う。
【0066】
コード発行手段203は、加盟店端末11からのコード発行要求に応じて決済IDを発行し、決済IDを含むコード情報を生成して加盟店端末11に送信する。コード情報には、例えば、決済IDの他、コード発行要求から取得される決済金額が含まれてよい。
【0067】
要求振分手段204は、ユーザ端末12から決済要求を受信し、加盟店DB201aを参照して端末側の加盟店IDを銀行側の加盟店IDに置換し、ユーザDB201bを参照して端末側のユーザIDを銀行側のユーザIDに置換する。また、要求振分手段204は、ユーザDB201bを参照してユーザの登録銀行を特定し、特定した登録銀行に対応するサーバ(X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、又はデビット決済サーバ60)に決済処理を依頼する。
【0068】
図7の例では、端末側のユーザIDがFS101の場合、登録銀行がX2銀行であると特定される。この場合、要求振分手段204は、X2銀行決済管理サーバ32に決済処理を要求する。他の例として、登録銀行が第2のサービスグループSVG2に含まれるY1銀行の場合、要求振分手段204は、デビット決済サーバ60に決済処理を要求する。
【0069】
登録銀行が、第1のサービスグループSVG1及び第2のサービスグループSVG2の両方に属するX1銀行の場合、要求振分手段204は、X1銀行決済管理サーバ31に決済処理を要求する。登録銀行がX1銀行で、第2の決済サービスの利用が予め設定されている場合、要求振分手段204は、デビット決済サーバ60に決済処理を要求する。
【0070】
レシート発行手段205は、X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、又はデビット決済サーバ60に要求した決済処理の完了を受けてレシートを発行し、完了通知と共にレシートの情報を加盟店端末11及びユーザ端末12に送信する。レシートには、例えば、決済ID、決済金額、加盟店(受取人)の情報、ユーザ(支払人)の情報、及び決済の日付などが記載される。
【0071】
加盟店登録手段206は、決済サービスを利用する加盟店を登録するための処理を実行する。例えば、加盟店登録手段206は、加盟店の口座情報、及び加盟店が決済に利用する端末の端末IDなどを含む登録要求を受け付ける。また、加盟店登録手段206は、指定された口座の存在を確認して銀行側の加盟店IDを取得する。また、加盟店登録手段206は、端末側の加盟店IDを発行し、端末側の加盟店IDに対応付ける形で、加盟店DB201aに銀行側の加盟店ID、端末ID、登録銀行、及び管理情報を登録する。
【0072】
ユーザ登録手段207は、決済サービスを利用するユーザを登録するための処理を実行する。例えば、ユーザ登録手段207は、ユーザの口座情報、及びユーザが決済に利用する端末の端末IDなどを含む登録要求を受け付ける。また、ユーザ登録手段207は、指定された口座の存在を確認して銀行側のユーザIDを取得する。また、ユーザ登録手段207は、端末側のユーザIDを発行し、端末側のユーザIDに対応付ける形で、ユーザDB201bに銀行側のユーザID、端末ID、登録銀行、及び管理情報を登録する。
【0073】
(決済管理サーバ及び振替GWサーバの機能)
次に、図8を参照しながら、本実施形態に係る決済管理サーバ及び振替GWサーバの機能について説明する。図8は、本実施形態に係る決済管理サーバ及び振替GWサーバの機能について説明するためのブロック図である。なお、説明を簡単にするため、X1銀行決済管理サーバ31と、X2銀行決済管理サーバ32とは実質的に同じ機能を有するとしてX1銀行決済管理サーバ31の機能について説明し、X2銀行決済管理サーバ32の機能については説明を省略する。
【0074】
図8に示すように、X1銀行決済管理サーバ31は、記憶手段311と、仮決済要求手段312と、分配要求手段313とを有する。振替GWサーバ40は、仮決済手段401と、分配手段402とを有する。記憶手段311の機能は、上述したメモリ5bにより実現されうる。仮決済要求手段312、分配要求手段313、仮決済手段401、及び分配手段402の機能は、主に上述したプロセッサ5aにより実現されうる。
【0075】
記憶手段311には、加盟店DB311aと、ユーザDB311bと、決済管理DB311cとが格納される。加盟店DB311aは、X1銀行側(X1銀行決済管理サーバ31、振替GWサーバ40、X1銀行システム51)で加盟店を識別するための情報と、加盟店がX1銀行に保有する決済用口座の情報とを対応付ける。ユーザDB311bは、X1銀行側でユーザを識別するための情報と、ユーザがX1銀行に保有する決済用口座の情報とを対応付ける。決済管理DB311cは、X1銀行決済管理サーバ31を介して行われた決済の内容を管理するためのデータベースである。
【0076】
ここで、図9の例を参照しながら、本実施形態に係る決済管理サーバが管理する加盟店DBの内容について説明する。図9は、本実施形態に係る決済管理サーバが管理する加盟店DBの内容について説明するための図表である。
【0077】
図9に示すように、加盟店DB311aには、X1銀行側で管理する加盟店ID(銀行側の加盟店ID)と、加盟店がX1銀行に開設した口座の口座情報と、分配日と、加盟店情報とが格納される。口座情報には、口座種別、店番号、及び口座番号が含まれる。加盟店情報には、加盟店の名称、所在地、及び連絡先などの情報が含まれる。なお、加盟店情報の内容は、実施の態様に応じて適宜変形可能である。
【0078】
分配日は、振替GWサーバ40が管理する取纏め口座から加盟店口座に入金されるタイミングを示す情報である。振替GWサーバ40を利用したリアルタイム決済の場合、ユーザの決済用口座から取纏め口座に入金されるタイミングと、取纏め口座から加盟店口座に入金されるタイミングとが同期しておらず、各加盟店が設定した分配日になると、取纏め口座から加盟店口座への入金が行われる。そのため、加盟店DB311aには分配日に関する情報が含まれる。本明細書では、取纏め口座への入金に関する処理を「仮決済」と称し、取纏め口座から加盟店口座への入金に関する処理を「分配」と称する。
【0079】
次に、図10の例を参照しながら、本実施形態に係る決済管理サーバが管理するユーザDBの内容について説明する。図10は、本実施形態に係る決済管理サーバが管理するユーザDBの内容について説明するための図表である。
【0080】
図10に示すように、ユーザDB311bには、X1銀行側で管理するユーザID(銀行側のユーザID)と、ユーザがX1銀行に開設した口座の口座情報と、ユーザ情報とが格納される。口座情報には、口座種別、店番号、及び口座番号が含まれる。ユーザ情報には、ユーザの氏名、住所、及び連絡先などの情報が含まれる。なお、ユーザ情報の内容は、実施の態様に応じて適宜変形可能である。
【0081】
次に、図11の例を参照しながら、本実施形態に係る決済管理サーバが管理する決済管理DBの内容について説明する。図11は、本実施形態に係る決済管理サーバが管理する決済管理DBの内容について説明するための図表である。
【0082】
図11に示すように、決済管理DB311cには、個々の決済を識別するための決済IDと、その決済に関わる加盟店及びユーザに対応する加盟店ID及びユーザIDと、仮決済実行日と、決済金額と、分配の状況に関する情報とが格納される。仮決済実行日の欄には、仮決済が実行された日が記載される。なお、仮決済実行日の欄には、仮決済の実行完了時刻が記載されてもよい。分配の欄には、分配の完了(済)又は未了(未)を示す情報と、分配が完了している場合には分配の実行日とが記載される。
【0083】
再び図8を参照する。仮決済要求手段312は、振分サーバ20からの決済要求に応じて、決済ID、加盟店ID、ユーザID、及び決済金額を含むレコードを決済管理DB311cに作成する。また、仮決済要求手段312は、ユーザの決済用口座から決済金額を引き落としてX1銀行の取纏め口座に入金する仮決済の処理を振替GWサーバ40に依頼する。仮決済要求手段312からの依頼を受けると、仮決済手段401は、X1銀行システム51にアクセスして仮決済を実行する。仮決済手段401による仮決済が完了すると、仮決済要求手段312は、決済管理DB311cに仮決済実行日を記載し、振分サーバ20に仮決済の完了を通知する。
【0084】
分配要求手段313は、加盟店DB311aの分配日欄を参照して分配対象の加盟店に対応する加盟店IDを特定する。そして、分配要求手段313は、分配対象の加盟店に支払われるべき決済金額の合計額を計算し、計算した合計額を取纏め口座から加盟店口座へと入金する分配の処理を振替GWサーバ40に依頼する。分配要求手段313からの依頼を受けると、分配手段402は、X1銀行システム51にアクセスして分配を実行する。分配手段402による分配が完了すると、分配要求手段313は、決済管理DB311cの分配欄を更新し、振分サーバ20に分配の完了を通知する。分配の完了通知は、振分サーバ20を介して分配対象の加盟店に送られる。
【0085】
[2.処理の流れ]
次に、図12を参照しながら、本実施形態に係る振分サーバが実行する決済処理の流れについて説明する。図12は、本実施形態に係る振分サーバが実行する決済処理の流れについて説明するためのフロー図である。
【0086】
(S201)振分サーバ20は、加盟店ID、端末ID、パスワード、及び決済金額を含むコード発行要求を加盟店端末11から受信する。
【0087】
(S202)振分サーバ20は、コード発行要求に含まれるパスワード、加盟店ID、及び端末IDのセットと、加盟店DB201aに格納されているパスワード、端末側の加盟店ID、及び端末IDのセットとを照合して認証を行う。認証が成功した場合、振分サーバ20は、決済IDを発行し、決済ID及び決済金額を含むコード情報を生成する。そして、振分サーバ20は、生成されたコード情報を加盟店端末11に送信する。
【0088】
コード情報を受信した加盟店端末11は、決済アプリ111cの画面にコード情報を表示する。加盟店は、画面に表示されたコード情報をユーザに提示し、ユーザ端末12によりコード情報を読み取るように促す。ユーザ端末12でコード情報を読み取ると、決済アプリ121cに決済金額などの情報が表示される。決済を承認するユーザは、パスワードの入力及び利用する銀行を選択し、決済を進めるための操作を行う。この操作に応じて、ユーザ端末12から振分サーバ20へと決済要求が送信される。決済要求は、パスワード、選択銀行の情報、ユーザID、端末ID、及びコード情報の内容を含む。
【0089】
(S203)振分サーバ20は、ユーザ端末12から決済要求を受信する。
【0090】
(S204)振分サーバ20は、決済要求に含まれるパスワード、ユーザID、及び端末IDのセットと、ユーザDB201bに格納されているパスワード、端末側のユーザID、及び端末IDのセットとを照合して認証を行う。認証が成功した場合、振分サーバ20は、銀行属性情報201cを参照して、決済要求で指定された銀行(選択銀行)が属するサービスグループを特定する。
【0091】
(S205)振分サーバ20は、選択銀行が第1のサービスグループSVG1及び第2のサービスグループSVG2の両方に属するか否かを判定する。選択銀行が両方のサービスグループに属する場合、処理はS206へと進む。選択銀行が一方のサービスグループだけに属する場合、処理はS207へと進む。例えば、選択銀行がX1銀行の場合には処理がS206へと進み、それ以外の銀行の場合には処理がS207へと進む。
【0092】
(S206)振分サーバ20は、デビット決済サーバ60ではなく、選択銀行が管理する決済管理サーバを優先的に選択する。但し、ユーザが第2の決済サービスを優先利用するように予め設定されている場合にはデビット決済サーバ60が選択される。S206の処理が完了すると、処理はS208へと進む。
【0093】
(S207)振分サーバ20は、選択銀行に対応するサーバを選択する。例えば、選択銀行がX2銀行の場合にはX2銀行に対応するX2銀行決済管理サーバ32が選択され、選択銀行がY1銀行又はY2銀行の場合にはデビット決済サーバ60が選択される。
【0094】
(S208)振分サーバ20は、加盟店DB201a及びユーザDB201bを参照し、端末側の加盟店ID及び端末側のユーザIDを銀行側の加盟店ID及び銀行側のユーザIDに置換する。また、振分サーバ20は、決済ID、決済金額、銀行側の加盟店ID、及び銀行側のユーザIDを含む決済要求を、S206又はS207で選択されたサーバ(X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、又はデビット決済サーバ60)に送信する。
【0095】
(S209)振分サーバ20は、S206又はS207で選択されたサーバから仮決済の完了通知を受信した場合、レシートを発行し、加盟店端末11及びユーザ端末12にレシートの情報を送信する。なお、仮決済が失敗した場合、振分サーバ20は、決済処理の失敗(未了)を加盟店端末11及びユーザ端末12に通知する。S209の処理が完了すると、図12に示した一連の処理は終了する。
【0096】
なお、上述したS201及びS202の処理は、加盟店端末11と、銀行側のサーバ(X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、デビット決済サーバ60など)との間のやり取りを介して実行されてもよい。また、S203以降の処理のうち、対象となるサーバを選択して処理を振り分ける部分を除いた処理の一部又は全部は、振分サーバ20に代えて、銀行側のサーバ(X1銀行決済管理サーバ31、X2銀行決済管理サーバ32、デビット決済サーバ60など)が実行してもよい。また、ここで例示する内容は、これら処理の一部又は全部を他のサーバ又はシステムで実行することを妨げるものではない。
【0097】
次に、図13を参照しながら、本実施形態に係る決済管理サーバが実行する処理のうち仮決済に関する処理の流れについて説明する。図13は、本実施形態に係る決済管理サーバが実行する処理のうち仮決済に関する処理の流れについて説明するためのフロー図である。なお、図13に示した処理は、主にX1銀行決済管理サーバ31の仮決済要求手段312及び振替GWサーバ40の仮決済手段401により実行される。
【0098】
(S211)X1銀行決済管理サーバ31は、振分サーバ20から決済要求を受信し、その決済要求からユーザIDを取得する。また、X1銀行決済管理サーバ31は、取得されたユーザIDに対応する口座情報をユーザDB311bから抽出する。また、X1銀行決済管理サーバ31は、抽出された口座情報を振替GWサーバ40に提供し、振替GWサーバ40を介して銀行システム51に口座残高を問い合わせる。そして、X1銀行決済管理サーバ31は、取得されたユーザIDに対応するユーザの口座残高を確認する。
【0099】
(S212)X1銀行決済管理サーバ31は、S211で確認された口座残高と、決済要求に含まれる決済金額とを比較し、口座残高が決済金額より多いか否かを判定する。口座残高が決済金額より多い場合、処理はS213へと進む。一方、口座残高が決済金額より多くない場合、処理はS217へと進む。
【0100】
(S213)X1銀行決済管理サーバ31は、決済ID、加盟店ID、ユーザID、及び決済金額を含むレコードを決済管理DB311cに追加する。また、X1銀行決済管理サーバ31は、決済金額及び口座情報を含む振替データを生成する。
【0101】
(S214)X1銀行決済管理サーバ31は、S213で生成した振替データを振替GWサーバ40に送信し、ユーザの口座から取纏め口座への振替を依頼する。この依頼に応じて、振替GWサーバ40は、振替データに基づくユーザ口座から引落処理及び取纏め口座への入金処理を実行し、仮決済の完了をX1銀行決済管理サーバ31に報告する。
【0102】
(S215、S216)X1銀行決済管理サーバ31は、振替GWサーバ40から仮決済の完了報告を受けると決済管理DB311cに仮決済実行日を登録する。また、X1銀行決済管理サーバ31は、振分サーバ20に決済の完了を通知する。S216の処理が完了すると、図13に示した一連の処理は終了する。
【0103】
(S217)X1銀行決済管理サーバ31は、振分サーバ20に残高不足を通知する。S217の処理が完了すると、図13に示した一連の処理は終了する。
【0104】
なお、上述したS211、S212、及びS217の処理は省略されてもよい。例えば、S212の判断が銀行勘定系側のシステムで実施され、そのシステムから決済取引時に判断結果(決済取引の成立又は残高不足)が返されるようにしてもよい。この場合、S212の判断は、S214の処理とS215の処理との間で実施されうる。ここで例示する内容は、これらの処理を他のサーバ又はシステムで実行することを妨げるものではなく、また、処理のタイミングを上記の例に限定するものでもない。
【0105】
次に、図14を参照しながら、本実施形態に係る決済管理サーバが実行する処理のうち分配に関する処理の流れについて説明する。図14は、本実施形態に係る決済管理サーバが実行する処理のうち分配に関する処理の流れについて説明するためのフロー図である。なお、図14に示した処理は、主にX1銀行決済管理サーバ31の分配要求手段313及び振替GWサーバ40の分配手段402により実行される。
【0106】
(S221)X1銀行決済管理サーバ31は、加盟店DB201aを参照し、分配の対象となる加盟店の加盟店IDを抽出する。
【0107】
(S222)X1銀行決済管理サーバ31は、決済管理DB311cを参照し、S221で抽出した加盟店IDに対応する未済の決済IDを抽出する。
【0108】
(S223)X1銀行決済管理サーバ31は、抽出した決済IDに対応する決済金額を取得し、各加盟店に対応する決済金額の合計額を計算する。そして、X1銀行決済管理サーバ31は、加盟店DB311aを参照し、対象となる加盟店の加盟店IDと、その加盟店IDに対応する口座情報及び合計額とを含む振替データを作成する。
【0109】
(S224)X1銀行決済管理サーバ31は、S223で作成した加盟店毎の振替データを振替GWサーバ40に送信する。この振替データを受信した振替GWサーバ40は、取纏め口座から各加盟店に対応する合計額の引落処理を実行し、各加盟店の口座に合計額に相当する金額の入金処理を実行する。分配対象の加盟店に対する入金処理が完了すると、振替GWサーバ40から分配の完了報告がX1銀行決済管理サーバ31に送信される。
【0110】
(S225)X1銀行決済管理サーバ31は、振替GWサーバ40から分配の完了報告を受けると、決済管理DB311cの該当レコードについて分配欄の内容を更新する。また、X1銀行決済管理サーバ31は、分配対象の加盟店に対して分配の完了を通知する。なお、分配の完了は、加盟店端末11の決済アプリ111cを介して通知されてもよいし、電子メールなどの他の通信手段を利用して通知されてもよい。S225の処理が完了すると、図14に示した一連の処理は終了する。
【0111】
[3.変形例]
上記の説明では、所謂MPM(Merchant Presented Mode)方式の決済を想定して説明したが、本実施形態に係る技術は所謂CPM(Consumer Presented Mode)方式の決済にも適用可能である。また、上記の説明では、加盟店端末が振分サーバからコード情報を取得する動的なMPM方式(例えば、動的QRコードを利用する方式)を例示したが、加盟店が提供する固定のコード情報をユーザ端末で読み取る静的なMPM方式(例えば、静的QRコードを利用する方式)に対しても本実施形態に係る技術を適用可能である。
【0112】
以下、本実施形態の一変形例としてCPM方式への適用について述べる。
【0113】
図15を参照しながら、本実施形態の一変形例に係る加盟店端末及びユーザ端末を利用した決済の流れについて説明する。図15は、本実施形態の一変形例に係る加盟店端末及びユーザ端末を利用した決済の流れについて説明するためのシーケンス図である。
【0114】
(S301)ユーザは、決済アプリ121cを起動して決済に利用する銀行を選択する。銀行が選択されると、決済アプリ121cは、ユーザID、及び端末IDを含むコード発行要求を振分サーバ20に送信してコード情報の発行を要求する。振分サーバ20でユーザのパスワード認証を行う場合、決済アプリ121cは、ユーザにパスワードの入力を促し、ユーザが入力したパスワードをコード発行要求に含めて振分サーバ20へと送信する。
【0115】
(S302)決済アプリ121cは、振分サーバ20からコード情報を受信し、ユーザ端末12の画面にコード情報を表示する。ユーザは、画面に表示されたコード情報を加盟店に提示し、加盟店端末11でコード情報を読み取るように促す。コード情報は、一次元又は二次元のバーコード(例えば、QRコードなど)である。
【0116】
(S303)加盟店は、決済アプリ111cを起動して決済金額を入力する。決済金額が入力されると、決済アプリ111cは、コード読取画面を表示する。
【0117】
(S304)加盟店は、加盟店端末11でユーザ端末12の画面に表示されたコード情報を撮像する。なお、コード情報を読み取るためのデバイスが加盟店端末11に接続されている場合、加盟店は、そのデバイスを利用してコード情報を読み取る。決済アプリ111cは、読み取ったコード情報のデータを解析してコード情報の内容を取得する。
【0118】
(S305)決済アプリ111cは、コード情報の内容(決済IDなど)、加盟店ID、及び端末IDを含む決済要求を振分サーバ20に送信して決済を要求する。振分サーバ20で加盟店のパスワード認証を行う場合、決済アプリ111cは、加盟店が入力したパスワードを決済要求に含めて振分サーバ20へと送信する。
【0119】
(S306、S307)決済の処理が完了した場合、振分サーバ20から完了通知と共にレシートの情報が加盟店端末11及びユーザ端末12に送信される。加盟店端末11及びユーザ端末12は、各々完了通知及びレシートの情報を受信してレシートを表示する。S306及びS307の処理が完了すると、図15に示した一連の処理は終了する。
【0120】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属する。
【0121】
例えば、上記の説明では、受取人を加盟店とし、支払人をユーザとする決済を例に説明したが、支払人が店舗、受取人が個人であってもよいし、支払人及び受取人の双方が個人、或いは、支払人及び受取人の双方が店舗であってもよい。また、上記の説明では、決済サービスの利用者を識別する情報としてIDを利用する例を示したが、アクセストークンを利用して利用者を識別する仕組みに変形することができる。この場合、振分サーバ20は、銀行側のアクセストークンと端末側のアクセストークンとを紐付ける情報を保持し、両者を置換する機能を備える。このような変形例についても当然に本実施形態の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0122】
11 加盟店端末
12 ユーザ端末
20 振分サーバ
31 X1銀行決済管理サーバ
32 X2銀行決済管理サーバ
40 振替GWサーバ
51 X1銀行システム
52 X2銀行システム
53 Y1銀行システム
54 Y2銀行システム
60 デビット決済サーバ
111、121、201、311 記憶手段
111a 加盟店情報
111b、121b デバイス情報
111c、121c 決済アプリ
121a ユーザ情報
112 金額入力手段
113 決済要求手段
114 コード表示手段
115 レシート表示手段
122 コード読取手段
123 銀行選択手段
124 決済要求手段
125 レシート表示手段
201a、311a 加盟店DB
201b、311b ユーザDB
201c 銀行属性情報
201d 登録事業者情報
202 端末認証手段
203 コード発行手段
204 要求振分手段
205 レシート発行手段
206 加盟店登録手段
207 ユーザ登録手段
311c 決済管理DB
312 仮決済要求手段
313 分配要求手段
401 仮決済手段
402 分配手段
SVG1 第1のサービスグループ
SVG2 第2のサービスグループ
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
図9
図10
図11
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図13
図14
図15