(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】ラベル付き容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65B 53/00 20060101AFI20240105BHJP
B65D 23/00 20060101ALI20240105BHJP
G09F 3/04 20060101ALN20240105BHJP
【FI】
B65B53/00 D
B65D23/00 H
G09F3/04 C
(21)【出願番号】P 2019221459
(22)【出願日】2019-12-06
【審査請求日】2022-11-10
(73)【特許権者】
【識別番号】313004403
【氏名又は名称】株式会社フジシール
(74)【代理人】
【識別番号】110001748
【氏名又は名称】弁理士法人まこと国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷島 大介
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第19716079(DE,A1)
【文献】特開2017-036080(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102010001190(DE,A1)
【文献】特開昭57-017722(JP,A)
【文献】特開平03-240633(JP,A)
【文献】特開2007-238167(JP,A)
【文献】特開2013-136402(JP,A)
【文献】特表2013-500217(JP,A)
【文献】特開2015-140203(JP,A)
【文献】特開2017-165461(JP,A)
【文献】特開2018-140807(JP,A)
【文献】米国特許第06098381(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0300739(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 53/00
B65C 3/00
B65D 23/00
G09F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉された収納空間を内部に有する柔軟な容器本体を有するスクイズ容器と前記容器本体に熱収縮装着されたシュリンクフィルムとを有するラベル付き容器の製造方法において、
外側から押圧して前記容器本体の内圧を高める加圧工程、
熱収縮前のシュリンクフィルムを前記容器本体に外装する外装工程、
前記容器本体内の内圧を高めた状態で、前記外装されたシュリンクフィルムを加熱して、前記シュリンクフィルムを熱収縮させる加熱装着工程、
前記加熱装着工程の後に、前記押圧を解除して前記高めた容器本体の内圧を下げる加圧解除工程、を有し、
前記加圧工程が、前記容器本体の一部分を凹ませることを含み、
前記加圧解除工程が、前記容器本体の凹みを解消することを含む、ラベル付き容器の製造方法。
【請求項2】
前記加圧工程において、前記容器本体のうち、前記シュリンクフィルムが装着される被装着部位以外の部位を外側から押圧する、請求項1に記載のラベル付き容器の製造方法。
【請求項3】
密閉された収納空間を内部に有する柔軟な容器本体を有するスクイズ容器と前記容器本体に熱収縮装着されたシュリンクフィルムとを有するラベル付き容器の製造方法において、
外側から押圧して前記容器本体の内圧を高める加圧工程、
熱収縮前のシュリンクフィルムを前記容器本体に外装する外装工程、
前記容器本体内の内圧を高めた状態で、前記外装されたシュリンクフィルムを加熱して、前記シュリンクフィルムを熱収縮させる加熱装着工程、
前記加熱装着工程の後に、前記押圧を解除して前記高めた容器本体の内圧を下げる加圧解除工程、を有し、
前記加圧工程において、前記容器本体のうち、前記シュリンクフィルムが装着される被装着部位以外の部位を外側から押圧することにより、前記被装着部位以外の部位からシュリンクフィルムの筒端部に重なる範囲まで凹ませる、ラベル付き容器の製造方法。
【請求項4】
前記加圧工程において、前記容器本体の一部分を外側から押圧して、前記容器本体のうち前記シュリンクフィルムが装着される被装着部位の少なくとも一部分を膨張させる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のラベル付き容器の製造方法。
【請求項5】
前記
外装工程が、前記加圧工程よりも先に行われ、
前記加圧工程が、前記容器本体に外装されたシュリンクフィルムの外側から前記容器本体を押圧することを含む、請求項1に記載のラベル付き容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクイズ容器にシュリンクフィルムが装着されているラベル付き容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、いわゆるペットボトルなどの飲料容器に、シュリンクフィルムが装着されている。シュリンクフィルムは、熱収縮性フィルムを筒状に形成したものであり、筒状シュリンク或いは熱収縮性筒状ラベルとも呼ばれる。
シュリンクフィルムは、容器の外側に被せた後、加熱することによって熱収縮し、容器の外形に沿って装着される。
特許文献1には、マヨネーズなどを入れたスクイズ容器の胴部にシュリンクフィルムを装着することが開示されている。
また、特許文献2には、シュリンクフィルムを容器にぴったりとフィットさせて装着するために、容器本体内を減圧して容器本体の胴部にへこみを形成し、そのへこみを維持した状態でシュリンクフィルムを熱収縮装着した後、減圧を解除して容器本体の胴部を元に復元させる容器の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-123190号公報
【文献】特開2013-136402号公報
【発明の概要】
【0004】
ところで、スクイズ容器は柔軟であるため、シュリンクフィルムの収縮力によって、容器本体が変形して皺(筋状の凹み)が生じ、その皺を覆うような状態でシュリンクフィルムが装着されることがある。
このように容器本体に皺が生じた状態でシュリンクフィルムが装着されているラベル付き容器は、外観が悪く、また、それを手で持ったときに、容器本体の皺に対応するシュリンクフィルム部分に違和感を覚える。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、スクイズ容器に皺を生じさせることなく、スクイズ容器にシュリンクフィルムが綺麗に装着されているラベル付き容器の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の形態は、密閉された収納空間を内部に有する柔軟な容器本体を有するスクイズ容器と前記容器本体に熱収縮装着されたシュリンクフィルムとを有するラベル付き容器の製造方法において、外側から押圧して前記容器本体の内圧を高める加圧工程、熱収縮前のシュリンクフィルムを前記容器本体に外装する外装工程、前記容器本体内の内圧を高めた状態で、前記外装されたシュリンクフィルムを加熱して、前記シュリンクフィルムを熱収縮させる加熱装着工程、前記加熱装着工程の後に、前記押圧を解除して前記高めた容器本体の内圧を下げる加圧解除工程、を有し、前記加圧工程が、前記容器本体の一部分を凹ませることを含み、前記加圧解除工程が、前記容器本体の凹みを解消することを含む。好ましくは、前記加圧工程において、前記容器本体のうち、前記シュリンクフィルムが装着される被装着部位以外の部位を外側から押圧する。好ましくは、前記外装工程が、前記加圧工程よりも先に行われ、前記加圧工程が、前記容器本体に外装されたシュリンクフィルムの外側から前記容器本体を押圧することを含む。
本発明の第2の形態は、密閉された収納空間を内部に有する柔軟な容器本体を有するスクイズ容器と前記容器本体に熱収縮装着されたシュリンクフィルムとを有するラベル付き容器の製造方法において、外側から押圧して前記容器本体の内圧を高める加圧工程、熱収縮前のシュリンクフィルムを前記容器本体に外装する外装工程、前記容器本体内の内圧を高めた状態で、前記外装されたシュリンクフィルムを加熱して、前記シュリンクフィルムを熱収縮させる加熱装着工程、前記加熱装着工程の後に、前記押圧を解除して前記高めた容器本体の内圧を下げる加圧解除工程、を有し、前記加圧工程において、前記容器本体のうち、前記シュリンクフィルムが装着される被装着部位以外の部位を外側から押圧することにより、前記被装着部位以外の部位からシュリンクフィルムの筒端部に重なる範囲まで凹ませる。
【0007】
本発明の好ましいラベル付き容器の製造方法は、前記加圧工程において、前記容器本体の一部分を外側から押圧して、前記容器本体のうち前記シュリンクフィルムが装着される被装着部位の少なくとも一部分を膨張させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のラベル付き容器の製造方法によれば、シュリンクフィルムを熱収縮装着する際にスクイズ容器に皺を生じることを防止できる。このため、本発明によれば、柔軟なスクイズ容器にシュリンクフィルムが綺麗に装着されているラベル付き容器を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係るラベル付き容器の正面図。
【
図4】(a)は、スクイズ容器の正面図、(b)は、
図4のIVb-IVb線で切断した断面図。
【
図7】治具にて押圧する前の容器本体を示す左側面図。
【
図8】治具にて容器本体の一部分を押圧した状態を示し、(a)は、その側面図、(b)は、その正面図。
【
図9】
図8(b)のIX-IX線で切断した断面図。
【
図10】容器本体にシュリンクフィルムを外装した状態を示す断面図。
【
図11】シュリンクフィルムを熱収縮させた後の状態を示す断面図。
【
図12】
図11のXII-XII線で切断し且つ拡大した端面図。
【
図13】第2実施形態の加圧工程において、治具にて容器本体の一部分を押圧した状態を示す正面図。
【
図15】第3実施形態のスクイズ容器を示し、(a)は、その正面図、(b)は、その左側面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
「~」で表される数値範囲は、「~」の前後の数値を下限値及び上限値として含む数値範囲を意味する。複数の下限値と複数の上限値が別個に記載されている場合、任意の下限値と任意の上限値を選択し、「~」で結んだ範囲とすることができるものとする。
また、各図における構成の寸法、厚み、縮尺比などは、実際のものとは異なっていることに留意されたい。
【0011】
[第1実施形態]
<ラベル付き容器>
図1は、ラベル付き容器1を正面側から見た図であり、
図2は、側面側から見た図であり、
図3は、その断面図である。
図1乃至
図3において、ラベル付き容器1は、柔軟な容器本体3を有するスクイズ容器2と、前記容器本体3の外側に熱収縮装着されたシュリンクフィルム5と、を有する。
シュリンクフィルム5は、熱収縮によって容器本体3に装着されている。熱収縮装着されたシュリンクフィルム5は、容器本体3の外側に密着されている。シュリンクフィルム5は、容器本体3の胴部32の全体に装着されていてもよいが、例えば、上方部を除く容器本体3の胴部32に装着されている。スクイズ容器2のうち、シュリンクフィルム5が装着されている部位が被装着部位である。
スクイズ容器2は、密閉された収納空間を有する柔軟な容器本体3を有する。前記収納空間には、内容物6が入れられている。かかるラベル付き容器1は、収納空間に内容物6が入った状態で、容器本体3の収納空間が密閉されている。
なお、内容物が入れられていない状態のラベル付き容器1でもよい(図示せず)。かかるラベル付き容器1は、収納空間に空気が満たされた状態で、容器本体3の収納空間が密閉されている。
ここで、本発明の製造対象の1つは、前記内容物6が充填されたラベル付き容器1であり、もう1つは、内容物が充填されていない状態のラベル付き容器1である。
以下、スクイズ容器及び(熱収縮前の)シュリンクフィルムについて説明した後、本発明のラベル付き容器の製造方法について詳述する。
【0012】
<スクイズ容器>
図4は、スクイズ容器2の正面図及び断面図である。
スクイズ容器2は、容器本体3内に入れた内容物6を人力で絞り出すことができる容器をいう。
スクイズ容器2は、柔軟な容器本体3を有する。ここで、本明細書において、柔軟とは、健常者(例えば、25kg程度の握力を有する人)の指の力で容易に変形させることができる程度に柔軟性を有することをいう。
スクイズ容器2は、通常、内部に収納空間と前記収納空間に連通する注出口とを有する柔軟な容器本体3と、前記容器本体3の注出口を塞ぐ蓋材4と、を有する。
【0013】
蓋材4は、注出口を塞ぐように、容器本体3にネジ作用によって着脱可能に取り付けられている。なお、蓋材4は、
図4に示すような、ネジ作用で容器本体3に取り付けられるものに限定されず、例えば、凹凸嵌合などによって容器本体3に着脱可能に取り付けられるものでもよい。
また、
図5に示すように、孔部41aを有し且つ容器本体3に取り付けられる取付部41と、前記孔部41aを塞ぐ閉塞部42aを有し且つ前記取付部41にヒンジ43を介して連結された栓部42と、を有する蓋材4であってもよい。かかる蓋材4の栓部42は、ヒンジ43を介して取付部41に対して開閉できる。
図5に示すような蓋材4にあっては、取付部41がネジ作用などで容器本体3に着脱可能に取り付けられていてもよく、或いは、取付部41が容器本体3に固定的(着脱不能)に取り付けられていてもよい。なお、
図5のスクイズ容器2は、内容物を入れていない状態で表している。
蓋材4は、合成樹脂、金属などによって形成されている。蓋材4は、柔軟であってもよいが、図示例の蓋材4は、硬質である。
【0014】
容器本体3の注出口を蓋材4で閉塞することにより、容器本体3の収納空間が密閉されている。容器本体3内の収納空間には、内容物6が入れられていてもよく、或いは、内容物が入れられていなくてもよい。内容物6が入れられている場合、及び、内容物が入れられていない場合のいずれの場合でも、密閉された収納空間内は、実質的に常圧である。常圧は、圧力を増減していない状態をいう。通常、密閉された収納空間内の圧力は、その収納空間を密閉した時の大気圧と略等しい。なお、実質的に常圧とは、商品の性質上必然的に又は不可抗力的に収納空間内の圧力が増減されている状態を含む意味である。例えば、容器本体内に内容物を入れて密閉した後、内容物の変化(温度変化、気化など)によって収納空間内の圧力が増減する場合があるが、このような商品の性質上必然的に又は不可抗力的に収納空間内の圧力が増減する場合も、前記常圧に含まれる。
図示例では、内容物6を入れた状態のスクイズ容器2を表している。
【0015】
内容物6は、特に限定されず、マヨネーズやトマトケチャップなどの半固体状調味料、醤油などの液状調味料、塩などの固体状調味料などの各種調味料;ゼリーなどの半固体状食品などの食品;ジュースなどの飲料;練り歯磨き粉などの半固体状洗浄剤、シャンプーなどの液状洗浄剤、洗濯石けんなどの固体状洗浄剤などのサニタリー品;などが挙げられる。
【0016】
容器本体3は、内部に収納空間を有する中空状であり、自立面となる底部31と、胴部32と、注出口を画成(包囲)する首部33と、を有する。蓋材4は、首部33に取り付けられている。
容器本体3は、その全てが柔軟であってもよく、或いは、一部分に柔軟でない部分を含んでいてもよい。柔軟でない部分を含んでいる容器本体3において、少なくとも胴部32は柔軟である。図示例の容器本体3においては、胴部32及び底部31は、柔軟であり(好ましくは胴部32は底部31よりも柔軟性に優れる)、首部33は、柔軟でない。
特に、胴部32は、その正面及び背面の中央部位を人力で押すと、正面及び背面の内面同士が引っ付くほどに柔軟である。
【0017】
容器本体3の形状は、特に限定されない。
容器本体3は、直胴状に形成されていてもよく、或いは、非直胴状に形成されていてもよい。直胴状は、容器本体3の軸方向(自立可能な容器本体3の場合には、自立させた状態で上下方向)において周長が変わらない形状をいい、非直胴状は、容器本体3の軸方向において周長の異なる部位を有する形状をいう。直胴状としては、代表的には、円筒状、多角筒状などの筒状が挙げられる。
図示例の容器本体3は、非直胴状である。
具体的には、容器本体3の胴部32は、最も大きな周長を有する最大径部322と、最大径部322の上方及び下方に形成され且つ最大径部322よりも窄んだ上方狭窄部321及び下方狭窄部323と、を有する。非直胴状の容器本体3の被装着部位は、前記最大径部322を含むことが好ましく、さらに、上方狭窄部321、最大径部322及び下方狭窄部323を含むことがより好ましい。この場合、最大径部322の周長が、被装着部位の最大周長に相当する。
【0018】
容器本体3の胴部32の最大径部322の外形(最大径部322を水平方向(軸方向と直交する方向)で切断した断面の外形)は、特に限定されず、図示例では略楕円形状とされている。なお、最大径部322の外形は、これに限られず、略円形状、略長方形状などの略多角形状などであってもよい。これらの形状のうち、略円形状以外は、長軸と短軸を有する形状である。
本発明において、「略」は、本発明の属する技術分野において許容される範囲を意味する。例えば、前記略楕円形状や略円形状の「略」は、周の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、周の一部が若干直線又は斜線とされた形状などが含まれる。また、前記略長方形状などの略多角形状の「略」は、角部が面取りされている形状、辺の一部が僅かに膨らむ又は窪んでいる形状、辺が若干湾曲している形状などが含まれる。
【0019】
前記下方狭窄部323は、最大径部322から底部31に繋がる部位である。下方狭窄部323は、最大径部322から底部31に向かうに従って、その周長が漸減している。なお、底部31の形状(容器本体3を底側から見たときの底部31の形状)も、略楕円形状とされている。
前記上方狭窄部321は、最大径部322から首部33に繋がる部位である。上方狭窄部321は、最大径部322から首部33に向かうに従って、その周長が漸減している。首部33の外形(首部33を水平方向で切断した断面の外形)は、特に限定されず、図示例では略円形状とされている。従って、上方狭窄部321の外形は、首部33から最大径部322に向かうに従って略円形から略楕円形に徐々に変化している。
【0020】
胴部32及び底部31の肉厚は、柔軟性を有する範囲で適宜設定され、例えば、胴部32の肉厚は、10μm~1000μmであり、好ましくは50μm~500μmであり、より好ましくは80μm~400μmであり、底部31の肉厚は、50μm~2000μmである。ただし、前記胴部32及び底部31の肉厚は、均等でない場合には、その最小値を意味する。
容器本体3の材質は特に限定されず、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂などの熱可塑性樹脂を用いることができる。容器本体3の層構造は、単一層でもよいし、複層でもよい。例えば、容器本体3は、ポリエチレン系などの樹脂層と、バリア層と、を含む複層構造である。
成形法の観点では、容器本体3は、ブロー成形品、射出成形品などから構成できる。
図示例の容器本体3は、ブロー成形品であるが、射出成形品を用いることもできる。ブロー成形品からなる容器本体3は、一般に、その胴部の径が大きくなるにつれて胴部の厚みが小さくなる。かかる容器本体3は、最大径部322又は/及びその近傍が最も薄肉となっており、スクイズ性の観点で好ましい。
【0021】
<シュリンクフィルム>
本欄では、熱収縮前(スクイズ容器2に熱収縮装着する前)のシュリンクフィルムを説明する。熱収縮前のシュリンクフィルムと熱収縮後のシュリンクフィルムを区別するため、熱収縮前のシュリンクフィルムの符号を5Aとする。
シュリンクフィルム5Aは、熱収縮性を有するフィルム(以下、熱収縮性フィルムという)を筒状に形成した筒状体である。
熱収縮前のシュリンクフィルム5Aは、
図6に示すように、軸方向上側及び下側に開放された筒端部51,52を有し、全体として筒状に拡げることができる。
前記熱収縮性は、所定温度(例えば、70℃~100℃)に加熱されることによって収縮する性質をいう。
熱収縮性フィルムは、熱収縮性を有することを条件として、自己伸縮性を有してもよく、或いは、自己伸縮性を有さないものでもよい。自己伸縮性は、引っ張り力を加えることによって伸張し、その後、引っ張り力を解除することによってほぼ元の状態に復元する性質をいう。
【0022】
前記熱収縮性フィルムとしては、熱収縮性を有する合成樹脂フィルム、不織布、発泡樹脂フィルム、これらの積層フィルムなどが挙げられる。なお、前記積層フィルムは、その積層物全体として熱収縮性を有することを条件として、熱収縮性を有さない層と熱収縮性を有する層の積層物であってもよい。好ましくは、熱収縮性フィルムとして、合成樹脂フィルム又は合成樹脂積層フィルムが用いられる。
前記合成樹脂フィルム又は合成樹脂積層フィルムの材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系;ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系;ポリスチレン、スチレン-ブタジエン共重合体などのポリスチレン系;ポリアミド系;塩化ビニル系などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。前記熱収縮性を有する合成樹脂フィルムは、1つの樹脂層で構成されていてもよく、又、異種若しくは同種の異なる複数の樹脂層から構成されていてもよい。
また、熱収縮性フィルムとして、バイオマス由来の合成樹脂フィルム(例えば、バイオポリエチレン、バイオマスポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、これらと異種若しくは同種のフィルムとの積層フィルムなど)を使用してもよい。
【0023】
前記熱収縮性フィルムとしては、少なくとも第1方向に主として熱収縮するフィルムが用いられ、さらに、第2方向にも若干熱収縮又は熱伸長するフィルムを用いてもよい。前記第1方向は、フィルムの面内における1つの方向を意味し、第2方向は、前記面内において前記第1方向と直交する方向である。かかる熱収縮性フィルムとしては、第1方向に主として延伸された1軸延伸又は2軸延伸フィルムを用いることができる。
前記熱収縮性フィルムの第1方向(熱収縮方向)における85℃での熱収縮率は、特に限定されないが、好ましくは20%以上であり、より好ましくは、30%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。なお、前記第1方向における85℃での熱収縮率は、大きいほど好ましいが、それにも自ずと限界があるため、前記第1方向における熱収縮率は、理論上、100%未満である。前記熱収縮性フィルムが第2方向に熱変化するフィルムである場合、その第2方向における85℃での熱収縮率は、例えば、-3~15%であり、好ましくは0~10%である。前記熱収縮率のマイナスは、熱伸長を意味する。
熱収縮率は、加熱前(標準状態下で24時間保存)のフィルムの長さ(元の長さ)と、85℃温水中に10秒間浸漬して取り出した後のフィルムの長さ(浸漬後の長さ)と、をそれぞれ標準状態下で計測し、下記式に代入して求められる。なお、各フィルムの長さは、標準状態下で計測する。標準状態は、23℃、1気圧、50%RHをいう。
熱収縮率(%)=[{(第1方向(又は第2方向)の元の長さ)-(第1方向(又は第2方向)の浸漬後の長さ)}/(第1方向(又は第2方向)の元の長さ)]×100。
【0024】
容器本体3が変形し難くなるため、収縮力が比較的低い熱収縮性フィルム(シュリンクフィルム5A)を用いることが好ましい。収縮力が比較的低い熱収縮性フィルムとしては、例えば、一軸又は二軸延伸したポリスチレン系フィルム及びオレフィン系フィルムなどが挙げられる。
熱収縮性フィルム(シュリンクフィルム5A)の第1方向における85℃での収縮力は、例えば、0.5N~8Nであり、好ましくは、1N~4Nである。
収縮力の測定は、熱収縮性フィルムの第1方向長さを200mm、第2方向長さを15mmとする試験片を作製し、この試験片の第1方向の両端部を応力測定器((株)島津製作所製、製品名:オートグラフ)のチャックに保持し(チャック間距離100mm)、85℃の温水中に10秒間浸漬した間に生じる収縮力の最大値によって求められる。
【0025】
内容物6を充填したスクイズ容器2にシュリンクフィルム5Aを熱収縮装着する場合、内容物6に熱が加わり難くするために、比較的低温で熱収縮する熱収縮性フィルム(シュリンクフィルム5A)を用いることが好ましい。かかる観点から、内容物6を入れたスクイズ容器2にシュリンクフィルム5Aを熱収縮装着する場合、第1方向における70℃での熱収縮率が20%以上の熱収縮性フィルムを用いることが好ましく、さらに、70℃での熱収縮率が30%以上の熱収縮性フィルムを用いることがより好ましい。
70℃での熱収縮率は、上記熱収縮率の測定法における「85℃温水」を「70℃温水」に変更して求めることができる。
【0026】
熱収縮性フィルムは、透明(無色透明又は有色透明)又は不透明の何れでもよいが、好ましくは、透明なフィルムが用いられ、より好ましくは無色透明なフィルムが用いられる。
前記熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されないが、例えば、8μm~100μm、更に、20μm~80μmである。
なお、熱収縮性フィルムには、必要に応じて、任意の文字などが表れたデザイン印刷層(図示せず)が設けられていてもよい。デザイン印刷層は、熱収縮性フィルムの表面又は/及び裏面に設けられるが、傷付き防止の観点から、熱収縮性フィルムの裏面側に設けられる。ただし、熱収縮性フィルムが不透明である場合には、デザイン印刷層は、表面側に設けられる。
さらに、熱収縮性フィルムには、必要に応じて、任意の機能層(図示せず)が設けられていてもよい。前記機能層としては、表面保護層、滑り層などが挙げられる。
【0027】
前記熱収縮性フィルムの第1方向(主たる熱収縮方向)が周方向となるように、そのフィルムを筒状に丸め、熱収縮性フィルムの第1側端部を第2側端部に重ね合わせて接着して接合部53を形成することにより、筒状のシュリンクフィルム5Aが構成されている。
前記第1側端部と第2側端部の接着方法は、特に限定されず、溶剤を用いた溶着、接着剤を用いた接着、熱溶着などが挙げられる。
容器装着前のシュリンクフィルム5Aの周長は、例えば、被装着部位の最大周長×1倍を超え同最大周長×1.5倍以下であり、好ましくは同×1.01倍~同×1.3倍であり、より好ましくは同×1.02倍~同×1.15倍である。
【0028】
<ラベル付き容器の製造方法>
本発明においては、スクイズ容器2の柔軟な容器本体3を外側から押圧し、容器本体3内の内圧を高めた上で、シュリンクフィルム5を加熱して熱収縮装着することを特徴とする。
本発明のラベル付き容器1の製造方法は、密閉された収納空間を有する容器本体3を有するスクイズ容器2及び(熱収縮前の)シュリンクフィルム5Aを準備する準備工程、外側から押圧して容器本体3の内圧を高める加圧工程、熱収縮前のシュリンクフィルム5Aを前記容器本体3に外装する外装工程、前記容器本体3内の内圧を高めた状態で、前記外装されたシュリンクフィルム5Aを加熱して、前記シュリンクフィルム5を熱収縮させる加熱装着工程、加熱装着工程の後に、前記押圧を解除して高めた容器本体3の内圧を下げる加圧解除工程、を有する。本発明の製法は、必要に応じて、これらの工程以外に他の工程を有していてもよい。
前記加圧工程と外装工程は、いずれを先に行ってもよく、或いは、ほぼ同時に行ってもよい。例えば、準備工程、加圧工程、外装工程、加熱装着工程の順で行なってもよく、或いは、準備工程、外装工程、加圧工程、加熱装着工程の順で行なってもよい。なお、加圧解除工程は、加熱装着工程の後に行なわれる。
上記各工程を1つの製造ラインで一連に行ってもよいし、或いは、前記各工程から選ばれる1つ又は2つ以上の工程を、1つのラインで行い、且つ残る工程を他の1つ又は2つ以上のラインで行ってもよい。また、前記各工程の全てを一の実施者が行ってもよいし、或いは、前記各工程から選ばれる1つ又は2つ以上の工程を一の実施者が行い、且つ残る工程を他の実施者が行ってもよい。
【0029】
また、準備工程におけるスクイズ容器2は、容器本体3内の収納空間に内容物6を入れた状態でもよく、或いは、内容物を入れていない状態でもよい。
内容物を入れずに収納空間が密閉されているスクイズ容器2に、シュリンクフィルム5Aを熱収縮装着した場合、得られたラベル付き容器1の蓋材4を開封し、その収納空間に内容物6を充填した後、蓋材4を再封することによって、商品が完成する。
好ましくは、収納空間に内容物6を入れたスクイズ容器2に、シュリンクフィルム5を熱収縮装着する。
以下、この好ましい形態を説明する。
【0030】
<<準備工程>>
準備工程では、収納空間が密閉されたスクイズ容器2(好ましくは、収納空間に内容物6を入れて密閉したスクイズ容器2)を準備する。
収納空間が密閉されたスクイズ容器2については、上記<スクイズ容器>を参照されたい。
他方、熱収縮前のシュリンクフィルム5Aを準備する。熱収縮前のシュリンクフィルム5Aについては、上記<シュリンクフィルム>を参照されたい。
なお、
図6では、筒状に拡げた状態のシュリンクフィルム5Aを表しているが、通常、シュリンクフィルム5Aは、筒状連続体の形態で提供される。すなわち、長尺帯状の熱収縮性フィルムの第1側端部と第2側端部を接着して接合部を形成することにより、長尺状の筒状連続体(この筒状連続体は、概念的には、複数のシュリンクフィルムが長手方向に連続的に繋がったものである)を形成する。この筒状連続体は、扁平状に折り畳まれており、この連続体を切断することによって、1つの扁平状のシュリンクフィルムが得られる。この扁平状のシュリンクフィルムを拡げると、
図6に示すようなシュリンクフィルム5Aとなる。
【0031】
<<加圧工程>>
加圧工程では、収納空間が密閉された容器本体3に外側から押圧力を加える。密閉された容器本体3に押圧力が加えられると、容器本体3の内圧が高められる。
例えば、前記容器本体3を外側から押圧することによって、容器本体3の内圧を高める。
機械的にラベル付き容器1を製造する場合、容器本体3を押圧する治具8を用いる。
図7を参照して、治具8は、例えば、対向して一対設けられている。治具8は、アーム部81と、アーム部81の一部分(例えば、下端部など)に突設された押圧部82と、を有する。アーム部81は、図示しない駆動装置に接続されている。押圧部82は、容器本体3に力を作用させる部分である。押圧部82は、図示のように、アーム部81に形成された突起状の部分からなる。ただし、押圧部82は、突起状に限られず、例えば、平坦状であってもよい。
一対の治具8は、駆動装置(図示せず)によって、スクイズ容器2に対して近づく及び遠ざかる動作を行なうことができ、さらに、スクイズ容器2の上下方向に移動できる。
治具8は、金属、合成樹脂などによって形成される。
【0032】
密閉された容器本体3を一対の治具8にて掴むように治具8を移動させ(それぞれの治具8の移動方向を
図7の太矢印で示す)、容器本体3の一部分を治具8の押圧部82にて押圧する。押圧した後の状態を
図8及び
図9に示す。
押圧する箇所は、容器本体3の一部分であれば特に限定されないが、被装着部位以外の部位であることが好ましく、さらに、柔軟性に優れていることから、被装着部位以外の部位であって胴部32の一部分であることがより好ましい。以下、被装着部位以外の部位を「他の部位」という。
【0033】
図8及び
図9では、上方部324を除く胴部32にシュリンクフィルム5Aが装着される場合を図示している(この場合、容器本体3の胴部32のうち、その上方部324を除く胴部32が被装着部位であり、蓋材4及び胴部32の上方部324が他の部位である)。より詳しくは、首部33の下方近傍部であって胴部32の上方部324を治具8で押圧している。
容器本体3の正面及び背面を一対の治具8にて押圧してもよく、或いは、容器本体3の右側面及び左側面を一対の治具8にて押圧してもよい。容器本体3の正面及び背面は側面よりも幅広であり、図示例のように、幅広である正面及び背面を押圧する場合には、それよりも幅狭の左右側面を押圧する場合よりも、押し込み量が少なくても容器本体3の内圧を高めることができる。このように比較的少ない押し込み量で内圧を高めることができる正面及び背面の押圧は、後述する加圧解除工程にて押圧を解除したときに、凹みが戻り易いという利点があるので好ましい。
また、治具8は、一対であるが、3つ以上の治具8を用いて押圧してもよく、或いは、1つの治具8とこの治具8とは反対側に配置された支持具とを用い、治具8と支持具で容器本体3を挟み込むようにして押圧してもよい。
【0034】
容器本体3を外側から押圧すると、容器本体3の内圧が高まる。上述のように、容器本体3内は常圧であるが、容器本体3の一部分を外側から押圧することにより、容器本体3内が加圧されて昇圧する。
特に、
図8及び
図9に示すように、容器本体3の一部分を外側から押圧し、被装着部位の少なくとも一部分を膨らませることが好ましい(被装着部位の一部分を膨らませる又は被装着部位を全体的に膨らませることが好ましい)。被装着部位の少なくとも一部分が膨らむほどに容器本体3を押圧することにより、容器本体3の内圧が十分に高まり、シュリンクフィルム5Aの収縮力によって容器本体3に皺が生じることを確実に防止できる。
図8(a)の二点鎖線は、押圧前の容器本体3の外形(常圧のときの容器本体3の外形)を示す。なお、同図(a)では、判りやすくするために、容器本体3の被装着部位を大きく膨張させて表しているが、実際上、被装着部位の膨張は僅かであることに留意されたい。
【0035】
さらに、図示のように、押圧箇所において容器本体3に凹み3aが生じるほどに、押圧することが好ましい。特に、容器本体3の一部分である他の部位を外側から押圧し、その他の部位(押圧箇所)からその部位に連続する被装着部位まで凹ませることがより好ましい。
具体的には、図示のように、容器本体3の一部分である他の部位を外側から押圧し、その他の部位を凹ませて変形させることにより、その凹み3aに対応して被装着部位が変形し、被装着部位の一部分(特に、最大径部322付近)が膨らみ、その周長が若干大きくなる。また、前記他の部位を比較的強く押圧することにより、前記他の部位の凹み3aが前記他の部位に連続する被装着部位にまで及ぶようになる。なお、この他の部位に連続する被装着部位は、後述するシュリンクフィルム5Aの上側の筒端部51に重なる範囲を含んでいる。
【0036】
容器本体3に対する押圧力は、容器本体3が破損する或いは内容物6が漏れ出るなどの支障が出ない程度で行なえばよい。通常、健常者(例えば、25kg程度の握力を有する人)の指の力と同程度又はそれ以上で容器本体3の一部分を押圧すると、上述のように容器本体3の内圧を高めることができ且つ凹み3aを生じさせることができる。
【0037】
<<外装工程>>
外装工程では、容器本体3の被装着部位に熱収縮前のシュリンクフィルム5Aを外装する。
上述のように、加圧工程を行なった容器本体3にあっては、加圧した状態である容器本体3の内圧を高めた状態(好ましくは、内圧を高めた状態であって、被装着部位の少なくとも一部分を膨らませた状態及び/又は凹み3aを生じさせた状態)を維持し、その容器本体3の外側にシュリンクフィルム5Aを外装する。
図10は、加圧状態の容器本体3の被装着部位の外側に、熱収縮前のシュリンクフィルム5Aを外装した状態を示す断面図である。
図10に示すように、筒状に拡げたシュリンクフィルム5Aを、例えば容器本体3の下方側から容器本体3に外装する。この際、シュリンクフィルム5Aの上側の筒端部51が治具8に重ならないようにして、シュリンクフィルム5Aを位置決めして外装する。
上述のように、凹み3aが他の部位に連続する被装着部位にまで及ぶように、容器本体3を押圧しているので、その凹み3aは、外装されたシュリンクフィルム5Aの上側の筒端部51に重なる範囲にまで及んでいる。
【0038】
<<加熱装着工程>>
加熱装着工程では、容器本体3内の内圧を高めた状態で、外装されたシュリンクフィルム5Aを加熱する。シュリンクフィルム5Aを加熱すると、シュリンクフィルム5Aが、周方向に縮み、容器本体3の被装着部位に装着される。
図11は、外装されたシュリンクフィルム5Aを熱収縮させた後の状態を示す断面図である。
図12は、シュリンクフィルム5Aの上側の筒端部51を通る箇所で水平方向に切断し且つ拡大した端面図である。なお、端面図は、切断面のみの形状を表し、切断面より奥側の形状を表していない図である。
シュリンクフィルム5Aに対する加熱温度は、適宜設定でき、シュリンクフィルム5Aの表面を基準にして、例えば、60℃~120℃であり、好ましくは70℃~110℃である。加熱手段も特に限定されず、例えば、60℃~250℃程度のスチーム、100℃~250℃程度の温風などが挙げられる。
シュリンクフィルム5Aを加熱すると、
図11及び
図12に示すように、シュリンクフィルム5が縮径し、容器本体3の胴部32の外形に沿って密着する。
ただし、上述のように、凹み3aがシュリンクフィルム5Aの上側の筒端部51に重なる範囲にまで及んでいる本実施形態にあっては、
図11及び
図12に示すように、熱収縮したシュリンクフィルム5Aの筒端部51のうち、その凹み3aに対応する箇所5aは、断面視で直線状(凹み3aの周縁を結んだ直線状)になる。従って、その凹み3aに対応するシュリンクフィルム5の箇所5aは、凹み3aに沿って密着せず、凹み3aとの間に隙間を生じている。
【0039】
<<加圧解除工程>>
加熱装着工程では、押圧を解除して、容器本体3の内圧を下げる。
シュリンクフィルム5が容器本体3の被装着部位に装着された後(加熱装着工程の後)、治具8を容器本体3から外すことにより、押圧によって高められていた容器本体3の内圧が、押圧前の状態に戻る。
治具8を容器本体3から外して容器本体3に対する押圧を解除することにより、容器本体3の凹み3aが解消して、容器本体3が元の形状に復元する。押圧状態のときに容器本体3が膨張している場合には、前記押圧の解除により、その膨張も解消し、膨張箇所が元の形状に復元する。
前述のように、シュリンクフィルム5の筒端部51は凹み3aに沿って密着していないので、容器本体3の凹み3aが元の形状に復元すると、その復元した部分がシュリンクフィルム5を外側に押し出すようにしながら密着する。
容器本体3の首部33の近傍の周長は比較的小さく、シュリンクフィルム5を熱収縮させた際に、シュリンクフィルム5の筒端部51が容器本体3に密着せずに若干浮き上がるおそれがあるが、前述のように、シュリンクフィルム5の筒端部51に重なる範囲にまで容器本体3を凹ませた上でシュリンクフィルム5を熱収縮装着することにより、筒端部51が容器本体3に密着したラベル付き容器1が得られるようになる。
このようにして、
図1乃至
図3に示すようなラベル付き容器1が得られる。
【0040】
本発明の製造方法によれば、容器本体3の内圧を高めた状態で、シュリンクフィルム5を加熱して熱収縮させるので、シュリンクフィルム5の収縮力によって容器本体3が変形し難く、シュリンクフィルム5を装着した際にスクイズ容器2の容器本体3に皺が発生することを防止できる。
このため、本発明の製造方法によれば、柔軟なスクイズ容器2にシュリンクフィルム5が綺麗に装着されているラベル付き容器1を得ることができる。
【0041】
以下、本発明の別の実施形態を説明するが、その説明に於いては、主として上述の第1実施形態と異なる構成及び効果について説明し、同様の構成などについては、用語又は符号をそのまま援用し、その構成の説明を省略する場合がある。
【0042】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、加圧工程において、容器本体3の胴部32を押圧しているが、例えば、
図13及び
図14に示すように、容器本体3の底部31を外側から内側に向かって押圧してもよい。
この場合、容器本体3の蓋材4に支持具9を当てつつ容器本体3の底部31に治具8を当て、支持具9と治具8で挟み込むようして容器本体3を押圧することにより、底部31が変形して容器本体3の内圧を高めることができる。
本実施形態でも、被装着部位が若干膨らむ程度の押圧力で容器本体3の底部31を押圧することが好ましい。
事後、上記第1実施形態と同様にして、加熱装着工程を行なうことにより、ラベル付き容器1を得ることができる。
【0043】
また、上記第1実施形態では、加圧工程において、容器本体3を直接的に押圧しているが、熱収縮前のシュリンクフィルム5Aの表面側から容器本体3を押圧してもよい。この場合、外装工程を加圧工程よりも先に行う。すなわち、シュリンクフィルム5Aが外装された容器本体3(加圧前の容器本体3)を得た後、そのシュリンクフィルム5Aの外側から治具などを用いて容器本体3の一部分を押圧してもよい。
【0044】
[第3実施形態]
上記各実施形態では、スクイズ容器2の形状として、マヨネーズなどの半固体状調味料を入れる容器として汎用的されている形状を図示したが、例えば、
図15に示すように、スクイズ容器2が、柔軟なチューブ状の容器本体3と、蓋材4と、を有するものなどでもよい。このようなチューブ状の容器本体3を有するスクイズ容器2は、練り歯磨き粉や靴磨きクリームなどの半固体状洗浄剤などを入れる容器として汎用されている。
その他、本発明の製造方法は、柔軟な容器本体3を有するスクイズ容器2に広く適用でき、例えば、スパウト付きパウチ容器などのパウチ容器(パウチ容器も柔軟な容器本体を有し、スクイズ容器の一種である)にシュリンクフィルムを装着する際に適用することもできる。
【符号の説明】
【0045】
1 ラベル付き容器
2 スクイズ容器
3 容器本体
3a 容器本体に生じさせる凹み
5,5A シュリンクフィルム
51,52 シュリンクフィルムの筒端部
8 治具