IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社コーエーテクモゲームスの特許一覧

特許7413023ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置
<>
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図1
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図2
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図3
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図4
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図5
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図6
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図7
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図8
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図9
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図10
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図11
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図12
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図13
  • 特許-ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/67 20140101AFI20240105BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20240105BHJP
   A63F 13/795 20140101ALI20240105BHJP
   A63F 13/798 20140101ALI20240105BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20240105BHJP
【FI】
A63F13/67
A63F13/69
A63F13/795
A63F13/798
A63F13/79
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020000214
(22)【出願日】2020-01-06
(65)【公開番号】P2021108742
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 智稔
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-165562(JP,A)
【文献】特開2012-034822(JP,A)
【文献】任天堂公式ガイドブック カルドセプト,株式会社小学館,2012年10月23日,40-41,50-51ページ
【文献】ファイナルファンタジー エクスプローラーズ,週刊ファミ通,株式会社KADOKAWA,2014年12月18日,第30巻 第1号,111,124ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を、
複数のプレイヤのうちの少なくとも1人のプレイヤによる入力に基づいて、前記複数のプレイヤの対戦におけるハンデを設定するハンデ設定処理部、
前記ハンデに基づいて、前記複数のプレイヤによる対戦を実行する対戦実行処理部、
前記対戦に勝利したプレイヤが獲得する報酬を、前記ハンデの内容に基づいて変化するように設定する報酬設定処理部、
として機能させ
前記情報処理装置を、
前記複数のプレイヤの各々のステータス情報を取得する情報取得処理部、
取得した前記ステータス情報に基づいて、前記複数のプレイヤの格の上下を判定する格判定処理部、
前記複数のプレイヤの中で少なくとも1人のプレイヤよりも前記格が上であると判定された格上プレイヤに対して前記ハンデの入力画面を提示し、前記ハンデの入力を受け付けるハンデ受付処理部、
としてさらに機能させ、
前記ハンデ設定処理部は、
前記格上プレイヤによる入力に基づいて前記ハンデを設定する、
ゲームプログラム。
【請求項2】
前記報酬設定処理部は、
前記ハンデの内容が前記対戦に勝利したプレイヤに不利であるほど前記報酬が向上するように設定する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記情報処理装置を、
前記格上プレイヤにより入力された前記ハンデを、前記格上プレイヤよりも前記格が下であると判定された少なくとも1人の格下プレイヤに提示し、前記少なくとも1人の格下プレイヤにより承諾されたか否かを判定する承諾判定処理部、
としてさらに機能させ、
前記ハンデ設定処理部は、
前記少なくとも1人の格下プレイヤにより承諾された場合に、前記格上プレイヤによる入力に基づいて前記ハンデを設定する、
請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
前記格判定処理部は、
前記格の上下と共に、前記格上プレイヤと当該格上プレイヤよりも前記格が下であると判定された少なくとも1人の格下プレイヤとの格差を判定し、
前記情報処理装置を、
前記格差を提示する格差提示処理部、
としてさらに機能させる、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項5】
前記ハンデ設定処理部は、
前記格上プレイヤによる入力に基づいて、前記格差が前記ハンデの設定前よりも減少して0に近づくように前記ハンデを設定し、
前記報酬設定処理部は、
前記格上プレイヤが前記対戦に勝利した場合に獲得する前記報酬を、前記格差が0に近いほど向上するように設定する、
請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記ハンデ設定処理部は、
前記格上プレイヤによる入力に基づいて、前記格差が0よりも減少してマイナスとなるように前記ハンデを設定し、
前記報酬設定処理部は、
前記格上プレイヤが前記対戦に勝利した場合に獲得する前記報酬を、前記格差が前記マイナス側に小さいほど向上するように設定する、
請求項に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
複数のプレイヤのうちの少なくとも1人のプレイヤによる入力に基づいて、前記複数のプレイヤの対戦におけるハンデを設定するステップと、
前記ハンデに基づいて、前記複数のプレイヤによる対戦を実行するステップと、
前記対戦に勝利したプレイヤが獲得する報酬を、前記ハンデの内容に基づいて変化するように設定するステップと、
を有し、
前記ゲーム処理方法は、
前記複数のプレイヤの各々のステータス情報を取得するステップと、
取得した前記ステータス情報に基づいて、前記複数のプレイヤの格の上下を判定するステップと、
前記複数のプレイヤの中で少なくとも1人のプレイヤよりも前記格が上であると判定された格上プレイヤに対して前記ハンデの入力画面を提示し、前記ハンデの入力を受け付けるステップと、
をさらに有し、
前記ハンデを設定するステップは、
前記格上プレイヤによる入力に基づいて前記ハンデを設定する
ゲーム処理方法。
【請求項8】
複数のプレイヤのうちの少なくとも1人のプレイヤによる入力に基づいて、前記複数のプレイヤの対戦におけるハンデを設定するハンデ設定処理部と、
前記ハンデに基づいて、前記複数のプレイヤによる対戦を実行する対戦実行処理部と、
前記対戦に勝利したプレイヤが獲得する報酬を、前記ハンデの内容に基づいて変化するように設定する報酬設定処理部と、
を有し、
前記複数のプレイヤの各々のステータス情報を取得する情報取得処理部と、
取得した前記ステータス情報に基づいて、前記複数のプレイヤの格の上下を判定する格判定処理部と、
前記複数のプレイヤの中で少なくとも1人のプレイヤよりも前記格が上であると判定された格上プレイヤに対して前記ハンデの入力画面を提示し、前記ハンデの入力を受け付けるハンデ受付処理部と、
をさらに有し、
前記ハンデ設定処理部は、
前記格上プレイヤによる入力に基づいて前記ハンデを設定する
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを利用して複数のプレイヤがゲームをプレイするいわゆるオンラインゲームにおいて、複数のプレイヤが対戦する対戦ゲームが知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、マッチングされた複数のプレイヤ間の対戦成績に基づいて、格上側プレイヤと格下側プレイヤを決定し、格下側プレイヤの操作により格上側プレイヤが不利となるハンデを選択し、格上側プレイヤのゲーム装置の表示部に格下側プレイヤにより選択されたハンデを表示させ、格上側プレイヤの操作により選択されたハンデを受け入れるか否かを決定するようにしたゲームシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2009-165562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術のゲームシステムは、格下側プレイヤにとってはメリットが大きいものの、格上側プレイヤにとってはメリットが少なく、ゲームの活性化につながりにくいという課題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、対戦ゲームを活性化することができるゲームプログラム、ゲーム処理方法、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のゲームプログラムは、情報処理装置を、複数のプレイヤのうちの少なくとも1人のプレイヤによる入力に基づいて、前記複数のプレイヤの対戦におけるハンデを設定するハンデ設定処理部、前記ハンデに基づいて、前記複数のプレイヤによる対戦を実行する対戦実行処理部、前記対戦に勝利したプレイヤが獲得する報酬を、前記ハンデの内容に基づいて変化するように設定する報酬設定処理部、として機能させる。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のゲーム処理方法は、情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、複数のプレイヤのうちの少なくとも1人のプレイヤによる入力に基づいて、前記複数のプレイヤの対戦におけるハンデを設定するステップと、前記ハンデに基づいて、前記複数のプレイヤによる対戦を実行するステップと、前記対戦に勝利したプレイヤが獲得する報酬を、前記ハンデの内容に基づいて変化するように設定するステップと、を有する。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、複数のプレイヤのうちの少なくとも1人のプレイヤによる入力に基づいて、前記複数のプレイヤの対戦におけるハンデを設定するハンデ設定処理部と、前記ハンデに基づいて、前記複数のプレイヤによる対戦を実行する対戦実行処理部と、前記対戦に勝利したプレイヤが獲得する報酬を、前記ハンデの内容に基づいて変化するように設定する報酬設定処理部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゲームプログラム等によれば、対戦ゲームを活性化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を表すシステム構成図である。
図2】サーバ装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
図3】報酬設定テーブルの一例を表す図である。
図4】ハンデ入力画面の一例を表す図である。
図5】装備設定画面の一例を表す図である。
図6】装備設定画面における格差表示の変動の一例を表す図である。
図7】アイテム設定画面の一例を表す図である。
図8】アイテム設定画面における格差表示の変動の一例を表す図である。
図9】スキル設定画面の一例を表す図である。
図10】スキル設定画面における格差表示の変動の一例を表す図である。
図11】ハンデ承諾画面の一例を表す図である。
図12】サーバ装置のCPUによって実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
図13】格下プレイヤがハンデを設定する変形例における、マッチング画面の一例を表す図である。
図14】情報処理装置のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<1.ゲームシステムの全体構成>
まず、図1を用いて、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、複数のプレイヤによって操作される複数の端末装置3(図1では3つを例示)と、サーバ装置5を有する。各端末装置3とサーバ装置5は、例えばLANやインターネット等のネットワークNWを介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークNWは無線又は有線のいずれでもよい。また、図1ではサーバ装置5が単一のコンピュータで構成されている場合を例示しているが、複数のコンピュータで構成されてもよい。
【0014】
端末装置3は、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯電話機等である。但し、これらに限定されるものではなく、例えば、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、据え置き型のゲーム機等としてもよい。端末装置3は、各種の表示及びプレイヤによる各種の入力操作が行われるタッチパネル7を有する。プレイヤは、指やペン等によりタッチパネル7に接触することで入力操作を行う。なお、端末装置3は、タッチパネル7以外に、ボタンやスイッチ、レバー、ジョイスティック等の入力部を備えてもよい。また、スピーカー等の音声出力部を備えてもよい。
【0015】
サーバ装置5(情報処理装置の一例)は、いわゆるサーバコンピュータである。サーバ装置5は、ゲームサービスを受ける各プレイヤの端末装置3からのネットワークNWを介したアクセスを受け付けて、各プレイヤのゲーム情報を記録装置に蓄積して管理し、各プレイヤにネットワークNWを介したオンラインゲームサービスを提供する。
【0016】
サーバ装置5によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲームプログラム(アプリケーションソフトウェアともいう)がサーバ装置5に実装されており、端末装置3でゲームを実行するのではなく、端末装置3でのプレイヤの操作入力に応じてサーバ装置5でゲームを実行し、その実行結果を各プレイヤの端末装置3に送信する形態がある。例えば、各プレイヤの端末装置3に搭載されたウェブブラウザによってゲームをプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ装置5が提供してもよい。また、サーバ装置5でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式等で端末装置3に送信する、いわゆるクラウドゲームをサーバ装置5が提供してもよい。あるいは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)においてウェブブラウザ上で動作するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)などの動作環境を基に作成されるアプリケーションソフトウェアによって実行される、いわゆるソーシャルゲームをサーバ装置5が提供してもよい。なお、端末装置3にゲームプログラムの一部をインストールし、サーバ装置5だけでなく端末装置3においても部分的にゲーム処理が実行されるようにしてもよい。
【0017】
<2.サーバ装置の機能的構成>
次に、図2を用いて、サーバ装置5の機能的構成の一例について説明する。
【0018】
図2に示すように、サーバ装置5は、ステータスデータベース9と、ハンデ設定処理部11と、対戦実行処理部13と、報酬設定処理部15と、情報取得処理部17と、格判定処理部19と、ハンデ受付処理部21と、承諾判定処理部23と、格差提示処理部25とを有する。
【0019】
ステータスデータベース9には、ゲームに参加する各プレイヤのステータス情報が登録されている。「ステータス情報」は、プレイヤ(プレイヤが操作するキャラクタを含む)の状態を表す情報であり、例えば各種の能力値(体力、魔力、知力、素速さ、攻撃力、守備力、経験値等)、装備、保有スキル、保有アイテム、ゲームの進捗度(例えばステージ、レベル、章、チャプタ等)等の情報を含む。なお、装備、スキル、アイテム、進捗度等のステータスは、その特性や内容が数値化されており、当該数値と共に登録されている。例えば、装備、スキル、アイテムは強力であるほど数値が高く、進捗度は進んでいるほど数値が高くなるように設定されている。
【0020】
ハンデ設定処理部11は、複数のプレイヤのうちの少なくとも1人のプレイヤによる入力に基づいて、複数のプレイヤの対戦におけるハンデを設定する。「複数のプレイヤ」は、1対1で対戦する2人のプレイヤでもよいし、例えばバトルロイヤル等で対戦する3人以上のプレイヤでもよい。「ハンデ」とは、複数のプレイヤの実力差を調整するために、実力が格上であるプレイヤに対して課す不利な条件(ハンディキャップ)のことをいう。ハンデの要素には、例えば特定の装備を外すことや他の装備への交換、特定のアイテムやスキルの使用禁止、特定の属性のアイテムやスキルの使用禁止、特定のゲーム進捗度(例えば実力が格下であるプレイヤのゲーム進捗度)の時点までに使用または獲得できるアイテムやスキルへの限定等が含まれる。なお、これら以外の要素を含めてもよい。また、ハンデ設定処理部11が設定するハンデは1つに限るものではなく、複数パターンのハンデを設定してもよい。
【0021】
なお、上記装備は、例えば武器(剣、槍、弓等)、防具(盾、兜、鎧等)、アクセサリ等を含む。また、上記アイテムは、道具、器具、機器、薬品、飲食物、その他各種効能を有する物品等を含む。また、例えば植物や動物等の生物、例えばドラゴンやモンスター等の仮想的な生物も含む。また、これらのアイテムに付与することが可能な特殊効果(例えばエンチャント効果、属性効果、スキル等をアイテム化したもの)や、例えばパーティを組んだり協力してプレイすることが可能な仲間キャラクタ(キャラクタカードを含む)等も含む。
【0022】
対戦実行処理部13は、上記ハンデ設定処理部11により設定されたハンデに基づいて、複数のプレイヤによる対戦を実行する。「対戦」は、例えば格闘、スポーツ、レース、麻雀、将棋、クイズ等、様々なジャンルにおけるプレイヤ(プレイヤが操作するキャラクタを含む)の技術や能力の優劣を競う競技ゲームにおいて実行される対戦を含む。
【0023】
報酬設定処理部15は、対戦に勝利したプレイヤが獲得する報酬を、上記ハンデ設定処理部11により設定されたハンデの内容に基づいて変化するように設定する。「報酬」は、仮想通貨(例えばコイン、ポイント、石、ジュエル等)、アイテム、ステータス(例えば能力値、経験値、名声値等)等を含む。例えば、報酬設定処理部15は、ハンデの内容が対戦に勝利したプレイヤに不利であるほど報酬が向上するように設定する。「報酬が向上」とは、報酬の量を増加させたり、報酬の種類や質を向上させることを含む。
【0024】
図3に、報酬設定処理部15による報酬設定テーブルの一例を示す。図3に示す例では、対戦に勝利したプレイヤは例えば仮想通貨(ゴールド)及び経験値(ポイント)を獲得する。また、図3に示す「格上プレイヤ」は、後述する格判定処理部19により、複数のプレイヤの中で少なくとも1人のプレイヤよりも格が上であると判定されたプレイヤであり、「格下プレイヤ」は上記格上プレイヤよりも格が下であると判定されたプレイヤである。また、図3に示す「格差」は、後述する格判定処理部19により判定された格上プレイヤと格下プレイヤとの格差である。
【0025】
「格」は、例えば能力、装備、使用可能なスキル、使用可能なアイテム、ゲームの進捗度等を含み、「格差」は、例えば能力の差、装備の差、使用可能なスキルの差、使用可能なアイテムの差、ゲームの進捗度の差等を含む。格上プレイヤの「格」は、上記ハンデ設定処理部11により設定されるハンデの内容に応じて変動することから、「格差」も、設定されるハンデの内容に応じて変動する。格差がプラス(+)の場合には、格上プレイヤが格下プレイヤよりも格が上であるが、格差がマイナス(-)の場合には、格が逆転して格上プレイヤが格下プレイヤよりも格が下となる。
【0026】
図3に示すように、報酬設定処理部15は、格上プレイヤが対戦に勝利した場合に獲得する報酬(この例では仮想通貨及び経験値)を、格差がプラス側で減少して0に近づくほど増量するように設定すると共に、格差が0よりも減少してマイナス側に小さくなるほどさらに増量するように設定する。つまり、ハンデの設定により不利となる格上プレイヤにとっては、不利の度合いが大きいほど勝利することが難しくなるが、その分だけ獲得する報酬が向上することになる。
【0027】
また、報酬設定処理部15は、格下プレイヤが対戦に勝利した場合に獲得する報酬(この例では仮想通貨及び経験値)を、格差がプラス側で減少して0に近づくほど減量するように設定すると共に、格差が0よりも減少してマイナス側に小さくなるほどさらに減量するように設定する。つまり、ハンデの設定により有利となる格下プレイヤにとっては、有利の度合いが大きいほど勝利することが易しくなるが、その分だけ獲得する報酬が低下することになる。
【0028】
なお、図3に示す報酬設定テーブルとは異なる態様で報酬を変化させてもよい。例えば図3に示す例では格差の増減に伴って報酬を指数関数的に増減させたが、例えば格差の増減に比例するように報酬を増減させてもよい。また、例えば格差が正の範囲と負の範囲とで報酬の増減の度合いを変化させてもよい。
【0029】
情報取得処理部17は、複数のプレイヤの各々のステータス情報をステータスデータベース9から取得する。
【0030】
格判定処理部19は、上記情報取得処理部17により取得したステータス情報に基づいて、複数のプレイヤの格の上下を判定する。例えば、プレイヤの各種の能力値と、前述のように数値化された装備、スキル、アイテム、進捗度等の特性や内容の値とに基づいて、所定の演算(例えば加算)により当該プレイヤの実力値を算出し、当該実力値が大きい方を格が上であると判定し、実力値が小さい方を格が下であると判定する。なお、上記以外の手法により格の上下を判定してもよい。
【0031】
また、格判定処理部19は、上記格の上下と共に、格上プレイヤと当該格上プレイヤよりも格が下であると判定された少なくとも1人の格下プレイヤとの格差を判定する。例えば、格上プレイヤの上記実力値と格下プレイヤの上記実力値との差分値を格差として算出する。なお、上記以外の手法により格差を判定してもよい。
【0032】
ハンデ受付処理部21は、複数のプレイヤの中で少なくとも1人のプレイヤよりも格が上であると判定された格上プレイヤに対してハンデの入力画面を提示し、ハンデの入力を受け付ける。格上プレイヤは、複数のプレイヤのうち最も格が上であると判定されたプレイヤでもよいし、複数のプレイヤが3人以上である場合は、少なくとも1人の格下プレイヤが存在すれば格が上から2番目以下と判定されたプレイヤでもよい。前述のハンデ設定処理部11は、上記格上プレイヤによる入力に基づいてハンデを設定する。
【0033】
承諾判定処理部23は、格上プレイヤにより入力されたハンデを、格上プレイヤよりも格が下であると判定された少なくとも1人の格下プレイヤに提示し、少なくとも1人の格下プレイヤにより承諾されたか否かを判定する。「提示」は、例えば格下プレイヤの端末装置3のタッチパネル7に表示することを含む。また、提示する格下プレイヤは、例えば最も格が下であると判定された1人のプレイヤでもよいし、ハンデを入力した格上プレイヤよりも格が下であると判定されたプレイヤの全員又は一部でもよい。なお、格上プレイヤにより入力された複数パターンのハンデを提示し、格下プレイヤがいずれか1つを選択することにより承諾してもよい。前述のハンデ設定処理部11は、少なくとも1人の格下プレイヤにより承諾された場合に、格上プレイヤによる入力に基づいてハンデを設定する。
【0034】
格差提示処理部25は、上記格判定処理部19により判定された格差を提示する。「提示」は、格上プレイヤと格下プレイヤの両方に対して行ってもよいし、ハンデを入力する格上プレイヤに対してのみ行ってもよい。また「提示」は、例えば端末装置3のタッチパネル7に表示することを含む。表示の態様は特に限定されるものではないが、例えば上述のように格差が格上プレイヤと格下プレイヤの実力値の差分値として算出された場合には、当該差分値をそのまま数値として表示してもよい。また、例えばステータスバーやゲージ等(棒グラフや円グラフ状のものを含む)によって表示してもよい。
【0035】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU501(図14参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。さらに、以上説明した各処理部は、全部がサーバ装置5側に実装される場合に限定されるものではなく、その一部又は全部が端末装置3側に実装されてもよい。
【0036】
<3.ゲーム画面>
次に、図4図11を用いて、本実施形態に係るゲーム画面の一例について説明する。
【0037】
図4に、ハンデ入力画面の一例を示す。図4に示す例では、プレイヤAとプレイヤBの2人のプレイヤが対戦する場合において、プレイヤAが格上と判定されており、ハンデ入力画面はプレイヤAの端末装置3に表示される。ハンデ入力画面には、例えば自分自身であるプレイヤAと対戦相手であるプレイヤBの各種のステータス情報が表示されている。また、プレイヤBとの格差を示す格差表示部27が表示されている。図4に示す例では、プレイヤAの実力値がプレイヤBの実力値よりも例えば87だけ多い(+87)ことが表示されている。
【0038】
また、ハンデ入力画面には、ハンデの種類を選択するための選択ボタンが表示されている。図4に示す例では、例えば装備のハンデを設定するための「装備」ボタン29、アイテムのハンデを設定するための「アイテム」ボタン31、スキルのハンデを設定するための「スキル」ボタン33が表示されている。
【0039】
図5に、装備設定画面の一例を示す。装備設定画面は、図4に示すハンデ入力画面において例えば「装備」ボタン29が操作された場合に表示される。図5に示す例では、装備設定画面に、格差表示部27と、装備品リスト35と、装備ハンデの設定を決定するか否かを指示するための「はい」ボタン37及び「いいえ」ボタン39とが表示されている。
【0040】
装備品リスト35は、プレイヤAが現在装備中である装備品を一覧表示する。装備品リスト35には、装備品ごとに、装備を外すための「外す」ボタン41と、他の装備品に交換するための「交換」ボタン43が表示されている。プレイヤAは、特定の装備品の「外す」ボタン41を操作することで装備を外すことができる。またプレイヤAは、特定の装備品の「交換」ボタン43を操作することで、所有しているが装備していない未装備品リスト(図示省略)を表示させ、特定の未装備品を選択して装備品を交換することができる。なお、装備を外した場合には「外す」ボタン41が「装備」ボタンとなり(図6参照)、プレイヤAは「交換」ボタン43を操作して特定の未装備品を選択した上で「装備」ボタン41を操作することで、再び装備することができる。
【0041】
プレイヤAにより装備品の着脱や交換が行われると、格差表示部27の表示内容はリアルタイムに更新される。例えば図6に示す例では、「剣W」をレベルの低い「剣X」に交換すると共に、「兜H」の装備を外すことで、プレイヤBとの格差が例えば「+87」から「+46」に減少している。プレイヤAは、このようにして格差を確認しつつ、装備品の着脱や交換を何度でもやり直すことができる。
【0042】
プレイヤAにより「はい」ボタン37が操作された場合には、装備ハンデの設定が決定される。一方、プレイヤAにより「いいえ」ボタン39が操作された場合には、装備ハンデの設定はキャンセルされる。
【0043】
図7に、アイテム設定画面の一例を示す。アイテム設定画面は、図4に示すハンデ入力画面において例えば「アイテム」ボタン31が操作された場合に表示される。図7に示す例では、アイテム設定画面に、格差表示部27と、保有アイテムリスト45と、アイテムの使用回数の上限を入力するための入力部47と、使用を禁止するアイテムを属性から選択するための選択ボタン49と、使用を禁止するアイテムをゲームの進捗度から選択するための選択ボタン51と、アイテムハンデの設定を決定するか否かを指示するための「はい」ボタン53及び「いいえ」ボタン55とが表示されている。
【0044】
保有アイテムリスト45は、プレイヤAが現在保有しているアイテムを一覧表示する。保有アイテムリスト45には、アイテムごとに、使用を禁止するための「使用禁止」ボタン57が表示されている。プレイヤAは、特定のアイテムの「使用禁止」ボタン57を操作することで、対戦中に使用禁止とする1又は複数のアイテムを個別に設定することができる。なお、選択されたアイテムを使用禁止とする代わりに、選択されたアイテムのみを使用可能としてもよい。
【0045】
またプレイヤAは、入力部47によりアイテムの使用回数の上限を設定することができる。例えば上限を「5」回に設定した場合には、使用するアイテムの種類に関わらず使用回数の累計が5回に到達した後は、全てのアイテムを使用できなくなる。なお、図7に示す例では、入力部47はプルダウンメニューとして構成されているが、これ以外の入力方式(例えば別の入力ウィンドウの表示、アップダウンボタン等による数値入力ボックス、スライドバー等)としてもよい。
【0046】
またプレイヤAは、選択ボタン49を操作することで、アイテムの属性の選択画面(図示省略)を表示させ、特定の属性(例えば火、水、風、氷、雷、光、闇等)を選択して、当該属性に所属するアイテムの使用を禁止することができる。例えば「火」の属性が選択された場合には、例えば火の剣や火の鎧等、火の属性に所属する全てのアイテムの使用が禁止される。なお、選択された属性のアイテムを使用禁止とする代わりに、選択された属性のアイテムのみを使用可能としてもよい。
【0047】
またプレイヤAは、選択ボタン51を操作することで、ゲームの進捗度の選択画面(図示省略)を表示させ、特定のゲーム進捗度(例えばステージ、レベル、章、チャプタ等)を選択して、使用可能なアイテムを当該ゲーム進捗度の時点までに使用または獲得できるアイテムに制限することができる。例えば、「ステージ3」が選択された場合には、対戦中に使用可能なアイテムがステージ3までに使用または獲得できるアイテムに制限される。なお、例えば「相手プレイヤの進捗度」等のボタンを設けておき、プレイヤBのゲーム進捗度を選択できるようにしてもよい。
【0048】
プレイヤAによりアイテムの使用制限や回数制限が行われると、格差表示部27の表示内容はリアルタイムに更新される。例えば図8に示す例では、アイテムA,C,D,Eの使用を禁止することで、プレイヤBとの格差が例えば「+46」から「+15」に減少している。なお、図8では操作された「使用禁止」ボタン57をハッチングで示している。プレイヤAは、このようにして格差を確認しつつ、アイテムの使用制限や回数制限を何度でもやり直すことができる。
【0049】
なお、上記以外のアイテムに関するハンデを設定可能としてもよい。例えば、使用を禁止あるいは使用を可能とするアイテムをアイテムの種類(例えば薬、動物、仲間キャラクタ等)から選択できるようにしてもよい。また、例えば使用可能なアイテムの種類の数を制限したり(例えば1種類のみ使用可能)、使用可能なアイテムの個数を制限してもよい(例えば10個のみ使用可能)。
【0050】
プレイヤAにより「はい」ボタン53が操作された場合には、アイテムハンデの設定が決定される。一方、プレイヤAにより「いいえ」ボタン55が操作された場合には、アイテムハンデの設定はキャンセルされる。
【0051】
図9に、スキル設定画面の一例を示す。スキル設定画面は、図4に示すハンデ入力画面において例えば「スキル」ボタン33が操作された場合に表示される。図9に示す例では、スキル設定画面に、格差表示部27と、保有スキルリスト59と、スキル使用時の消費魔力の上限を入力するための入力部61と、使用を禁止するスキルを属性から選択するための選択ボタン63と、使用を禁止するスキルをゲームの進捗度から選択するための選択ボタン65と、スキルハンデの設定を決定するか否かを指示するための「はい」ボタン67及び「いいえ」ボタン69とが表示されている。
【0052】
保有スキルリスト59は、プレイヤAが現在保有しているスキルを一覧表示する。保有スキルリスト59には、スキルごとに、使用を禁止するための「使用禁止」ボタン71が表示されている。プレイヤAは、特定のスキルの「使用禁止」ボタン71を操作することで、対戦中に使用禁止とする1又は複数のスキルを個別に設定することができる。なお、選択されたスキルを使用禁止とする代わりに、選択されたスキルのみを使用可能としてもよい。
【0053】
またプレイヤAは、入力部61によりスキルを使用する際に消費する魔力の上限を設定することができる。例えば上限を「50」ポイント以下に設定した場合には、消費魔力の累計が50ポイントを超える場合にはスキルを使用(発動)できなくなる。なお、図9に示す例では、入力部61はプルダウンメニューとして構成されているが、これ以外の入力方式としてもよい。
【0054】
またプレイヤAは、選択ボタン63を操作することで、スキルの属性の選択画面(図示省略)を表示させ、特定の属性(例えば火、水、風、氷、雷、光、闇等)を選択して、当該属性に所属するスキルの使用を禁止することができる。例えば「水」の属性が選択された場合には、例えば水を使った攻撃や水の精霊の召還等、水の属性に所属する全てのスキルの使用が禁止される。なお、選択された属性のスキルを使用禁止とする代わりに、選択された属性のスキルのみを使用可能としてもよい。
【0055】
またプレイヤAは、選択ボタン65を操作することで、ゲームの進捗度の選択画面(図示省略)を表示させ、特定のゲーム進捗度(例えばステージ、レベル、章、チャプタ等)を選択して、使用可能なスキルを当該ゲーム進捗度の時点までに使用または獲得できるスキルに制限することができる。例えば、「レベル20」が選択された場合には、対戦中に使用可能なスキルがレベル20までに使用または獲得できるスキルに制限される。なお、例えば「相手プレイヤの進捗度」等のボタンを設けておき、プレイヤBのゲーム進捗度を選択できるようにしてもよい。
【0056】
プレイヤAによりスキルの使用制限や消費魔力の制限が行われると、格差表示部27の表示内容はリアルタイムに更新される。例えば図10に示す例では、消費魔力の上限を50ポイント以下に制限することで、プレイヤBとの格差が例えば「+15」から「-10」に減少し、プレイヤAとプレイヤBの格差が逆転している。プレイヤAは、このようにして格差を確認しつつ、スキルの使用制限や消費魔力の制限を何度でもやり直すことができる。
【0057】
なお、上記以外のスキルに関するハンデを設定可能としてもよい。例えば、上記ではスキル使用時に魔力を消費する場合を一例として説明したが、魔力以外のステータス(例えば体力、経験値等)を消費する場合には、当該ステータスの上限を制限してもよい。また、使用を禁止あるいは使用を可能とするスキルをスキルの種類(例えば攻撃系、防御系、ステータス変動系等)から選択できるようにしてもよい。また、例えば使用可能なスキルの種類の数を制限したり(例えば1種類のみ使用可能)、スキルの使用回数を制限してもよい(例えば10回のみ使用可能)。
【0058】
プレイヤAにより「はい」ボタン67が操作された場合には、スキルハンデの設定が決定される。一方、プレイヤAにより「いいえ」ボタン69が操作された場合には、スキルハンデの設定はキャンセルされる。
【0059】
図11に、ハンデ承諾画面の一例を示す。ハンデ承諾画面は、格上プレイヤ(この例ではプレイヤA)によるハンデの設定が完了した場合に格下プレイヤ(この例ではプレイヤB)の端末装置3に表示される。図11に示す例では、ハンデ承諾画面に、ハンデ内容提示部73と、提示されたハンデを承諾するか否かを指示するための「はい」ボタン75及び「いいえ」ボタン77とが表示されている。
【0060】
ハンデ内容提示部73には、プレイヤAにより設定されたハンデの内容として、例えば剣Wを剣Xに交換、兜Hの装備を外す、アイテムA,C,D,Eの使用禁止、スキルの消費魔力の上限を50ポイント以下に制限することが表示されている。なお、上述した格差表示部27と同じように、ハンデ承諾画面にAとの格差を表示してもよい。
【0061】
プレイヤBにより「はい」ボタン75が操作された場合には、ハンデの内容が決定されてプレイヤAとの対戦が実行される。一方、プレイヤBにより「いいえ」ボタン77が操作された場合には、プレイヤAとの対戦はキャンセルされる。
【0062】
<4.情報処理装置の処理手順>
次に、図12を用いて、サーバ装置5のCPU501によって実行される処理手順の一例を説明する。
【0063】
ステップS5では、サーバ装置5は、対戦を開始するか否かを判定する。例えばマッチング処理により、待機中のプレイヤに対して所定の条件を満たす対戦相手のプレイヤが参戦したか否か、あるいは、所定の条件を満たすプレイヤが所定の人数に達したか否か、等を判定する。対戦を開始しない場合には(ステップS5:NO)、本フローを終了する。一方、対戦を開始する場合には(ステップS5:YES)、次のステップS10に移る。
【0064】
ステップS10では、サーバ装置5は、情報取得処理部17により、対戦に参加する複数のプレイヤの各々のステータス情報をステータスデータベース9から取得する。
【0065】
ステップS15では、サーバ装置5は、格判定処理部19により、上記ステップS10で取得したステータス情報に基づいて、対戦に参加する複数のプレイヤの格の上下を判定すると共に、格上プレイヤと格下プレイヤとの格差を判定する。例えば、最も格が上である格上プレイヤと最も格が下である格下プレイヤとの格差を判定する。なお、格下プレイヤが複数存在する場合には、最も格が上である格上プレイヤと各々の格下プレイヤとの格差を個別に判定してもよい。
【0066】
ステップS20では、サーバ装置5は、上記ステップS15で判定した格上プレイヤに対してハンデ入力画面(図4参照)を提示する。例えば、最も格が上である格上プレイヤの端末装置3のタッチパネル7にハンデ入力画面を表示する。なお、格下プレイヤが複数存在する場合には、ハンデ入力画面において、最も格下と判定された格下プレイヤのステータス情報を表示してもよいし、全ての格下プレイヤのステータス情報をそれぞれ表示してもよい。また、格上プレイヤが選択した格下プレイヤのステータス情報を表示してもよい。
【0067】
ステップS25では、サーバ装置5は、格差提示処理部25により、上記ステップS20で表示したハンデ入力画面において格下プレイヤとの格差を提示する。なお、格下プレイヤが複数存在する場合には、最も格下と判定された格下プレイヤとの格差を提示してもよいし、全ての格下プレイヤとの格差をそれぞれ提示してもよい。また、格上プレイヤが選択した格下プレイヤとの格差を提示してもよい。
【0068】
ステップS30では、サーバ装置5は、上記ステップS20で表示したハンデ入力画面においてハンデの入力が終了したか否かを判定する。ハンデの入力が終了していない場合には(ステップS30:NO)、上記ステップS20に戻る。一方、ハンデの入力が終了した場合には(ステップS30:YES)、次のステップS35に移る。
【0069】
ステップS35では、サーバ装置5は、承諾判定処理部23により、格上プレイヤにより入力されたハンデを格下プレイヤに提示する(図11参照)。この際、格上プレイヤが設定した複数パターンのハンデを提示し、格下プレイヤがいずれか1つを選択することにより承諾してもよい。なお、格下プレイヤが複数存在する場合には、全ての格下プレイヤに対してそれぞれハンデを提示してもよいし、最も格下と判定された格下プレイヤに対してハンデを提示してもよい。また、格上プレイヤが選択した格下プレイヤに対してハンデを提示してもよい。
【0070】
ステップS40では、サーバ装置5は、承諾判定処理部23により、上記ステップS35でハンデを提示した格下プレイヤによりハンデが承諾されたか否かを判定する。ハンデが承諾されなかった場合には(ステップS40:NO)、本フローを終了する。一方、ハンデが承諾された場合には(ステップS40:YES)、次のステップS45に移る。
【0071】
ステップS45では、サーバ装置5は、ハンデ設定処理部11により、格上プレイヤによる入力に基づいて対戦におけるハンデを設定する。
【0072】
ステップS50では、サーバ装置5は、報酬設定処理部15により、対戦に勝利したプレイヤが獲得する報酬を、上記ステップS45で設定したハンデの内容に基づいて設定する。具体的には、設定したハンデに応じて変動した格差と前述の図3に示す報酬設定テーブルとに基づいて報酬を設定する。なお、格下プレイヤが複数存在する場合には、格上プレイヤと各格下プレイヤとの間の報酬がそれぞれの格差に基づいて個別に設定される。
【0073】
ステップS55では、サーバ装置5は、対戦実行処理部13により、上記ステップS45で設定したハンデに基づいて、複数のプレイヤによる対戦を実行する。
【0074】
ステップS60では、サーバ装置5は、対戦の勝敗が決定したか否かを判定する。勝敗が決定していない場合には(ステップS60:NO)、上記ステップS55に戻る。一方、勝敗が決定した場合には(ステップS60:YES)、次のステップS65に移る。
【0075】
ステップS65では、サーバ装置5は、上記ステップS50で設定した報酬内容に基づいて、勝利したプレイヤに対して報酬を付与する。その後、本フローチャートを終了する。
【0076】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよい。
【0077】
<5.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態のゲームプログラムは、サーバ装置5を、複数のプレイヤのうちの少なくとも1人のプレイヤによる入力に基づいて、複数のプレイヤの対戦におけるハンデを設定するハンデ設定処理部11、ハンデに基づいて、複数のプレイヤによる対戦を実行する対戦実行処理部13、対戦に勝利したプレイヤが獲得する報酬を、ハンデの内容に基づいて変化するように設定する報酬設定処理部15、として機能させる。
【0078】
本実施形態によれば、複数のプレイヤが対戦するゲームにおいて、設定したハンデの内容に応じて勝利者プレイヤが獲得する報酬を変化させる。これにより、例えばハンデの設定により不利となるプレイヤ(格上プレイヤ)が勝利した場合に獲得する報酬を、不利の度合いが大きいほど向上させたり、例えばハンデの設定により有利となるプレイヤ(格下プレイヤ)が勝利した場合に獲得する報酬を、有利の度合いが小さいほど向上させたりすることが可能となる。このようにすることで、対戦ゲームにおいて格上プレイヤ及び格下プレイヤの双方に対してハンデ戦を行うメリットを生じさせることができるので、対戦ゲームを活性化することができる。
【0079】
また、一般にオンラインの対戦ゲームでは、同等の格(例えば能力、スキル、装備、所持アイテム、ポイント、レベル、ランク、パラメータ値、経験値、ゲームの進捗度等)を有するプレイヤが規定の人数に到達するまで待機するマッチング処理が行われる。このため、例えばハンデを設けない対戦ゲームでは、待機時間が長時間となったり、対戦相手がコンピュータに切り替わったりする場合がある。本実施形態においてはハンデを設定することで異なる格のプレイヤ同士が対戦することができるので、マッチング時間を短縮できると共に、コンピュータではない生身のプレイヤとの対戦を確保できる。
【0080】
また、マッチング処理が行われる場合、例えば格が高いプレイヤにとっては、同等の格を有するプレイヤが少ないことからマッチングされる対戦相手の顔ぶれに変化が少なくなり、面白みが低下する場合がある。本実施形態においてはハンデを設定することで様々なプレイヤと対戦することができるので、ゲームの面白みを増すことができる。
【0081】
また、一般にプレイヤのレベルが高くなり強力な装備、アイテム、スキル等を獲得すると、弱い装備、アイテム、スキル等については使用しなくなり、不要になるのが通常である。本実施形態によればそのような弱い装備、アイテム、スキル等についても使用する機会を作ることができるので、ゲームの面白みをさらに増すことができる。
【0082】
また、本実施形態では特に、報酬設定処理部15は、ハンデの内容が対戦に勝利したプレイヤに不利であるほど報酬が向上するように設定する。
【0083】
これにより、例えばハンデの設定により不利となるプレイヤ(格上プレイヤ)が勝利した場合に獲得する報酬を、不利の度合いが大きいほど向上させたり、例えばハンデの設定により有利となるプレイヤ(格下プレイヤ)が勝利した場合に獲得する報酬を、有利の度合いが小さいほど(すなわち不利の度合いが大きいほど)向上させることができる。したがって、対戦ゲームにおいて格上プレイヤ及び格下プレイヤの双方に対してハンデ戦を行うメリットを生じさせることができるので、対戦ゲームを活性化することができる。
【0084】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、サーバ装置5を、複数のプレイヤの各々のステータス情報を取得する情報取得処理部17、取得したステータス情報に基づいて、複数のプレイヤの格の上下を判定する格判定処理部19、複数のプレイヤの中で少なくとも1人のプレイヤよりも格が上であると判定された格上プレイヤに対してハンデの入力画面を提示し、ハンデの入力を受け付けるハンデ受付処理部21、としてさらに機能させ、ハンデ設定処理部11は、格上プレイヤによる入力に基づいてハンデを設定する。
【0085】
本実施形態では、対戦する複数のプレイヤの格の上下を判定し、少なくとも1人のプレイヤよりも格が上であると判定された格上プレイヤ(例えば最も格が上であるプレイヤ)がハンデを入力して設定できるようにする。これにより、格上プレイヤは、例えば強力なアイテムやスキル等を使用禁止にしてもなお、それほど強力ではないアイテムやスキル等を組み合わせることによって相手に勝利できるというプレイヤとしての実力や技量を示すことが可能となる。したがって、格上プレイヤが例えば使用禁止とする要素を選択できるようにすることで、どの要素まで使用禁止としても勝利できるかという戦略を考える面白さが増え、ゲームの戦略性を高めることができる。また、格下プレイヤにとっては、格上プレイヤの戦い方を見て戦術を学ぶことができるというメリットがある。
【0086】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、サーバ装置5を、格上プレイヤにより入力されたハンデを、格上プレイヤよりも格が下であると判定された少なくとも1人の格下プレイヤに提示し、少なくとも1人の格下プレイヤにより承諾されたか否かを判定する承諾判定処理部23としてさらに機能させ、ハンデ設定処理部11は、少なくとも1人の格下プレイヤにより承諾された場合に、格上プレイヤによる入力に基づいてハンデを設定する。
【0087】
これにより、ハンデの内容について格下プレイヤの承諾を得た上で対戦を実行することができる。
【0088】
また、本実施形態では特に、格判定処理部19は、格の上下と共に、格上プレイヤと当該格上プレイヤよりも格が下であると判定された少なくとも1人の格下プレイヤとの格差を判定し、ゲームプログラムは、サーバ装置5を、格差を提示する格差提示処理部25としてさらに機能させる。
【0089】
これにより、格上プレイヤは定量化された格差を見ながらハンデを入力することで、ハンデを適切な内容に設定することができる。
【0090】
また、本実施形態では特に、ハンデ設定処理部11は、格上プレイヤによる入力に基づいて、格差がハンデの設定前よりも減少して0に近づくようにハンデを設定し、報酬設定処理部15は、格上プレイヤが対戦に勝利した場合に獲得する報酬を、格差が0に近いほど向上するように設定する。
【0091】
これにより、格上プレイヤと格下プレイヤとの格差が小さくなるようにハンデを設定することができる。また、格上プレイヤにとっては、ハンデの設定により格差が減少して0に近づくほど勝利することが難しくなるが、その分だけ獲得する報酬が向上するので、格上プレイヤに対してハンデ戦を行うメリットを生じさせることができ、対戦ゲームを活性化することができる。
【0092】
また、本実施形態では特に、ハンデ設定処理部11は、格上プレイヤによる入力に基づいて、格差が0よりも減少してマイナスとなるようにハンデを設定し、報酬設定処理部15は、格上プレイヤが対戦に勝利した場合に獲得する報酬を格差がマイナス側に小さいほど向上するように設定する。
【0093】
これにより、格上プレイヤと格下プレイヤとの格差が逆転する(ハンデが大きくなることにより却って格上プレイヤの方が不利となる)ようにハンデを設定することができる。また、格上プレイヤにとっては、ハンデの設定により格差が0よりも減少してマイナス側に小さくなるほど勝利することが困難となるが、その分だけ獲得する報酬が向上するので、格上プレイヤに対してハンデ戦を行う更なるメリットを生じさせることができ、対戦ゲームを活性化することができる。
【0094】
また、格上プレイヤにとっては、格下プレイヤとの格差が逆転してもなお相手に勝利できるというプレイヤとしての実力や技量を示すことが可能となる。したがって、どの程度まで格差を小さくしても勝利できるかという戦略を考える面白さが増え、ゲームの戦略性を高めることができる。
【0095】
<6.変形例>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0096】
上記実施形態では格上プレイヤがハンデを設定するようにしたが、例えば格下プレイヤがハンデを設定してもよい。図13に、本変形例におけるマッチング画面の一例を示す。図13に示す例では、プレイヤCが要求するハンデを公示して対戦相手を募集しており、プレイヤC以外の他のプレイヤの端末装置3に当該マッチング画面が表示される。マッチング画面には、ハンデ要求内容提示部79と、提示されたハンデを承諾して対戦するか否かを指示するための「はい」ボタン81及び「いいえ」ボタン83とが表示されている。
【0097】
ハンデ要求内容提示部79には、プレイヤCが要求するハンデの内容が表示されている。図13に示す例では、アクセサリの装備を外すことと、水属性のアイテム及び水属性のスキルの使用を禁止することが、要求されている。つまりこの例では、プレイヤCは例えば火属性のアイテムやスキルを使用して対戦するプレイスタイルであり、火属性が弱点とする水属性のアイテムやスキルの使用を禁止すると共に、火属性に対する耐久力を向上するアクセサリ等の装備を禁止することにより、格上のプレイヤに対して不利となる条件を設定している。
【0098】
なお、報酬設定処理部15により、対戦に勝利したプレイヤが獲得する報酬がハンデの内容に基づいて変化するように設定される点等は、前述の実施形態と同様である。
【0099】
他のプレイヤにより「はい」ボタン81が操作された場合には、提示されたハンデ内容に基づいてプレイヤCとの対戦が開始される。一方、他のプレイヤにより「いいえ」ボタン83が操作された場合には、プレイヤCとの対戦はキャンセルされる。
【0100】
なお、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0101】
<7.サーバ装置のハードウェア構成>
次に、図14を用いて、上記で説明したCPU501が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現するサーバ装置5のハードウェア構成の一例について説明する。なお、端末装置3が同様のハードウェア構成を有してもよい。
【0102】
図14に示すように、サーバ装置5は、例えば、CPU501と、ROM503と、RAM505と、GPU506と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路507と、入力装置513と、出力装置515と、記録装置517と、ドライブ519と、接続ポート521と、通信装置523を有する。これらの構成は、バス509や入出力インターフェース511等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0103】
ゲームプログラムは、例えば、ROM503やRAM505、ハードディスク等の記録装置517等に記録しておくことができる。
【0104】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体525に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体525は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体525に記録されたゲームプログラムは、ドライブ519により読み出されて、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0105】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置523がこのプログラムを受信する。そして、通信装置523が受信したプログラムは、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0106】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器527に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート521を介し転送され、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0107】
そして、CPU501が、上記記録装置517に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述のハンデ設定処理部11、対戦実行処理部13、報酬設定処理部15等による処理が実現される。この際、CPU501は、例えば、上記記録装置517からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM505に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU501は、例えば、プログラムを通信装置523やドライブ519、接続ポート521を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置517に記録せずに直接実行してもよい。
【0108】
また、CPU501は、各端末装置3からネットワークNWを介して入力される信号に加えて、必要に応じて、例えばマウス、キーボード、マイク等の入力装置513から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0109】
GPU506は、CPU501からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0110】
そして、CPU501及びGPU506は、上記の処理を実行した結果を、ネットワークNWを介して各端末装置3に出力すると共に、必要に応じて、例えばスピーカーやヘッドフォン等の音声出力部(図示せず)を含む、出力装置515から出力する。さらにCPU501及びGPU506は、必要に応じてこの処理結果を通信装置523や接続ポート521を介し送信してもよく、上記記録装置517や記録媒体525に記録させてもよい。
【符号の説明】
【0111】
3 端末装置
5 サーバ装置(情報処理装置)
9 ステータスデータベース
11 ハンデ設定処理部
13 対戦実行処理部
15 報酬設定処理部
17 情報取得処理部
19 格判定処理部
21 ハンデ受付処理部
23 承諾判定処理部
25 格差提示処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14