(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】撮像制御装置、撮像制御方法、プログラム、及び記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 23/63 20230101AFI20240105BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20240105BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20240105BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20240105BHJP
【FI】
H04N23/63 300
H04N23/60 300
G03B17/18
G03B17/02
(21)【出願番号】P 2020009306
(22)【出願日】2020-01-23
【審査請求日】2023-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】北井 伸平
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-22588(JP,A)
【文献】特開2015-41867(JP,A)
【文献】特開2006-157916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/63
H04N 23/60
G03B 17/18
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段によって撮像されたLV画像に重畳されるOSDの透過度を設定する透過度設定手段と、
撮像手段によって撮像された画像に前記OSDを合成して画像ファイルとして記録するか否かを設定する合成記録設定手段と、
前記合成記録設定手段による設定に関わらず前記透過度設定手段が設定したOSD表示用の透過度に従って前記OSDを前記LV画像に重畳して表示させるように制御し、前記OSDを合成して記録するように前記合成記録設定手段によって設定されている場合においては、特定の操作に応じて、前記OSD表示用の透過度に関わらずOSD記録用の透過度に従って前記OSDを前記LV画像に重畳して表示させるように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする撮像制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記画像ファイルの記録を開始する時に前記合成記録設定手段による設定および前記透過度設定手段による設定が共に有効である場合、前記OSD記録用の透過度に従って前記OSDを前記LV画像に重畳して表示させるための操作方法のガイドを表示させる、ことを特徴とする請求項1に記載の撮像制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記特定の操作がなされている場合のみにおいて、前記OSD記録用の透過度に従って前記OSDを前記LV画像に重畳して表示させるように制御する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記特定の操作がなされた時から一定時間内のみにおいて、前記OSD記録用の透過度に従って前記OSDを前記LV画像に重畳して表示させるように制御する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の撮像制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記OSDの表示を変更する場合であって、前記画像ファイルの記録を開始する時に前記合成記録設定手段による設定および前記透過度設定手段による設定が共に有効であるときは、前記OSD記録用の透過度に従って前記OSDを前記LV画像に重畳して表示させるように制御する、ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項6】
前記透過度設定手段は、前記OSD表示用の透過度および前記OSD記録用の透過度を、複数の透過度の中からユーザの操作に応じて選択された値に設定する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項7】
前記特定の操作は、タッチパネルに表示された前記OSDに対するタッチ操作である、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の撮像制御装置。
【請求項8】
撮像されたLV画像に重畳されるOSDの透過度をユーザの操作に応じて複数の透過度の中から設定することと、
撮像された画像に前記OSDを合成して画像ファイルとして記録するか否かを設定することと、
前記画像ファイルの記録に関する設定に関わらずOSD表示用の透過度に従って前記OSDを前記LV画像に重畳して表示させることと、
前記OSDを合成して前記画像ファイルとして記録するように設定されている場合においては、特定の操作に応じて、前記OSD表示用の透過度に関わらずOSD記録用の透過度に従って前記OSDを前記LV画像に重畳して表示させるように制御することと、を備えることを特徴とする撮像制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1乃至7のいずれか1項に記載された撮像制御装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1乃至7のいずれか1項に記載された撮像制御装置の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像制御装置、撮像制御方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
動画や静止画を撮影するカメラ等の装置のディスプレイに、撮影対象である被写体像に加えて撮影設定等の情報を重ね合わせて表示するオンスクリーン表示(OSD)が、従来から用いられている。
【0003】
近年では、暗いシーンの撮影時におけるオンスクリーン表示の眩しさを軽減するために、ユーザ設定に基づいてOSDを透過させる技術(OSD透過)が提案されている(例えば、特許文献1)。以上の技術においては、液晶ディスプレイ(LCD)、ビューファインダ(VF)、及びシリアルデジタルインタフェース(SDI)等の表示装置、並びに画像を記録する記録媒体のような映像出力先ごとに、OSDの透過度を個別に設定できる。
【0004】
加えて、撮影時においてライブビュー(LV)上に表示されているOSDをLV画像に重畳的に合成して記録する技術(OSD記録)も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
映像出力先ごとにOSD透過度を個別に設定できる技術においては、表示装置に対する表示用のOSD透過度と記録媒体に対する記録用のOSD透過度とが互いに相違することがある。以上の場合、ユーザは、表示用のOSD透過度に従って表示された画面を見ても、記録用のOSD透過度を認識することができない。
【0007】
以上の事情に鑑み、本発明は、記録時に用いられるOSDの透過度をユーザが認識できる撮像制御装置、撮像制御方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の撮像制御装置は、撮像手段によって撮像されたLV画像に重畳されるOSDの透過度をユーザの操作に応じて複数の透過度の中から設定する透過度設定手段と、撮像手段によって撮像された画像に前記OSDを合成して画像ファイルとして記録するか否かを設定する合成記録設定手段と、前記合成記録設定手段による設定に関わらず前記透過度設定手段が設定したOSD表示用の透過度に従って前記OSDを前記LV画像に重畳して表示させるように制御し、前記OSDを合成して記録するように前記合成記録設定手段によって設定されている場合においては、特定の操作に応じて、前記OSD表示用の透過度に関わらずOSD記録用の透過度に従って前記OSDを前記LV画像に重畳して表示させるように制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
記録時に用いられるOSDの透過度をユーザが認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る撮像制御装置の一例としてのデジタルビデオカメラの構成を示すブロック図である。
【
図2A】本発明の実施形態におけるデジタルビデオカメラの動作を示すフローチャートである。
【
図2B】本発明の実施形態におけるデジタルビデオカメラの動作を示すフローチャートである。
【
図2C】本発明の実施形態におけるデジタルビデオカメラの動作を示すフローチャートである。
【
図3】本発明の実施形態における表示画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下に説明される各実施形態は、本発明を実現可能な構成の一例に過ぎない。以下の各実施形態は、本発明が適用される装置の構成や各種の条件に応じて適宜に修正または変更することが可能である。また、以下の各実施形態に含まれる要素の組合せの全てが本発明を実現するに必須であるとは限られず、要素の一部を適宜に省略することが可能である。したがって、本発明の範囲は、以下の各実施形態に記載される構成によって限定されるものではない。また、相互に矛盾のない限りにおいて実施形態内に記載された複数の構成を組み合わせた構成も採用可能である。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る撮像制御装置の一例としてのデジタルビデオカメラ10の構成を示すブロック図である。筐体100は、後述される種々の要素を格納する。
【0013】
鏡筒101は、フォーカスレンズ及び防振レンズを含む撮像レンズ並びに絞り機構を有する。鏡筒101は、筐体100と一体的に構成されてもよいし、筐体100と分離可能であるように構成されてもよい。
【0014】
撮像部102は、鏡筒101が有する撮像レンズによって集光され結像した光学像をアナログの電気信号に変換する撮像センサー及びアナログの電気信号をデジタル信号(映像データ)に変換するA/D変換器を有する。
【0015】
映像処理部103は、撮像部102またはメモリ制御部107からの映像データに対して、リサイズ処理、トリミング処理、色変換処理、歪曲補正処理等の所定の画像処理を実行して、メモリ制御部107を介しメモリ108においてVRAMを生成する。また、映像処理部103は、映像データに対する所定の演算処理を実行して演算結果をシステム制御部109に供給する。以上の演算結果は、露光制御、測距制御、防振制御等の種々の制御処理に用いられる。例えば、映像処理部103による演算である被写体検出の結果に基づいて、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、及び防振処理が実行される。他に、映像処理部103は、映像データに対する演算に基づいてAWB(オートホワイトバランス)処理を実行することができる。
【0016】
CODEC104は、映像処理部103が生成したVRAMを所定の動画圧縮方式(MPEG-2やH.264等)に従ってエンコードする。また、CODEC104は、メモリ制御部107から供給されたエンコード済みの映像データをデコードして新たなVRAMを生成する。以上の新たなVRAMは、映像処理部103によって所定の画像処理が実行され、メモリ制御部107に供給される。
【0017】
映像出力部105は、メモリ制御部107を介してメモリ108から読み出された複数のVRAMを重畳して映像信号を生成する。映像出力部105は、上記の映像信号に対して、システム制御部109が特定したメタデータを付与できる。なお、映像出力部105は、複数の表示部121の各々に対して個別の映像信号を独立的に生成して出力することができる。
【0018】
表示部121は、デジタルビデオカメラ10に接続されている表示装置であって、入力された映像信号を表示する。表示部121は、複数の表示装置を有し得る。表示部121は、液晶パネル、有機ELパネル等の表示部材によって構成されてよい。加えて、表示部121に供給される映像信号が、映像信号を画像ファイルとして記録する外部記録装置に対しても供給されてよい。
【0019】
表示制御部106は、表示部121に対する接続を確立して、表示部121へ映像信号を出力する。デジタルビデオカメラ10と表示部121とは、例えば、SDI(Serial Digital Interface)規格に従って接続可能である。なお、デジタルビデオカメラ10と表示部121とが、他の手法によって有線でまたは無線で接続されてもよい。例えば、デジタルビデオカメラ10と表示部121とがHDMI(登録商標)ケーブルで相互に接続され、映像信号や信号規格情報が送受信されてよい。また、デジタルビデオカメラ10と表示部121とが無線LANによって接続されてよい。
【0020】
メモリ制御部107は、メモリ108に対する各部からのアクセス要求を調停する。
【0021】
メモリ108は、映像処理部103、CODEC104、映像出力部105、及びOSD描画部118が扱うVRAMを格納する。また、メモリ108は、CODEC104から出力されたエンコード済み映像データ、及び記録媒体120から読み出されたエンコード済み映像データを一時的に記憶することができる。メモリ108は、所定時間の動画像及び音声を格納するのに十分な記録容量を有している。
【0022】
システム制御部109は、デジタルビデオカメラ10の全体を統合的に制御する制御手段であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の演算プロセッサーによって構成される。また、システム制御部109は、複数のCPUコアを有していてもよい。複数のCPUコアは、後述されるプログラムに記述されたタスクを分担して処理することができる。
【0023】
不揮発性メモリ113は、電気的に記録及び消去が可能な記録媒体である。不揮発性メモリ113は、システム制御部109に用いられるプログラムやパラメータ等の制御情報が記録される。以上のプログラムは、後述されるフローチャートに示す処理を実行するためのプログラムを含む。
【0024】
システムメモリ116は、揮発性の記録媒体であって、例えばRAM(Random Access Memory)によって構成される。なお、システムメモリ116は、メモリ108と共通であってもよい。以上の場合、メモリ制御部107によってシステムメモリ116としてのメモリ108へのアクセスが調停されるので、高速アクセス可能な小容量メモリ(キャッシュメモリ等)をシステム制御部109に直結して設けてよい。
【0025】
システム制御部109は、不揮発性メモリ113に記録されたプログラム並びに動作用の変数及び定数をシステムメモリ116に展開し実行することによってデジタルビデオカメラ10の各部を制御し、本実施形態の各動作を実現する。システム制御部109は、メモリ108、OSD描画部118、及び映像出力部105による表示動作を制御することができる。
【0026】
モードスイッチ110は、デジタルビデオカメラ10の動作モードを選択するのに用いられるスイッチである。スイッチの位置によって特定された動作モード(カメラモード、再生モード等)が、システム制御部109に通知される。
【0027】
操作部111は、システム制御部109に対して各種の指示を入力するのに用いられる操作手段である。操作部111は、例えば、以下の要素を含む。
-各種設定を行うメニュー画面を表示部121に表示させるメニューボタン
-キャンセルボタン
-十字キー(上方向キー、下方向キー、左方向キー、右方向キー)
-SETボタン
-機能切替ボタン(AF/MF切替ボタン等)
-動画記録の開始・停止の指示を行うRECボタン
-メニュー設定で任意の機能を割当可能なアサインボタン
【0028】
ユーザは、表示部121に表示されたメニュー画面並びに十字キー及びセットボタンを用いて直感的に各種の設定指示を行うことができる。
【0029】
電源スイッチ112は、電源オン状態と電源オフ状態とを切り替えるのに用いられる押しボタンである。
【0030】
電源制御部114は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、及び通電するブロックを切り替えるスイッチ回路を有し、電池が装着されているか否か、装着されている電池の種別、及び電池残量を検出する。電源制御部114は、以上の検出結果及びシステム制御部109からの指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、動作に必要な電圧を必要な期間に亘って各部(記録媒体120等)に対して供給する。
【0031】
電源部115は、一次電池(アルカリ電池、リチウム電池等)、二次電池(NiCd電池、NiMH電池、Li電池等)、及びACアダプタの少なくともいずれかによって構成される。
【0032】
システムタイマー117は、種々の制御に用いられるタイミング生成部であると共に不図示の内蔵時計の時間を計測する計時部である。システム制御部109は、システムタイマー117が生成するタイミングに基づいて各部の動作を制御する。
【0033】
OSD描画部118は、映像データに設定情報を重畳するオンスクリーンディスプレイ機能を提供する。すなわち、OSD描画部118は、デジタルビデオカメラ10の状態及び設定を表現する文字列及びアイコン並びに各種の表示枠及びマーカー(すなわち、OSD)を、メモリ108に格納されているVRAMに対してレンダリングする。以上のオンスクリーンディスプレイ機能に用いられる文字列、アイコン等の表示情報は、不揮発性メモリ113に格納されており、必要に応じてOSD描画部118に読み出される。
【0034】
I/F119は、デジタルビデオカメラ10に接続可能な記録媒体120との接続インタフェースである。
【0035】
記録媒体120は、エンコード済みの映像データ及び映像データに付随するデータを画像ファイルとして記録する記録媒体である。記録媒体120には、メモリ108に格納されたエンコード済み映像データがI/F119を介して供給され記録される。また、記録媒体120に記録されたエンコード済み映像データ及び付随データは、I/F119に読み出されてメモリ108に転送される。記録媒体120は、デジタルビデオカメラ10に着脱可能に装着される媒体(メモリカード、HDD、他のディスク等)であってもよく、デジタルビデオカメラ10に内蔵された媒体(フラッシュメモリ、HDD等)であってもよい。
【0036】
以下、
図2及び
図3を参照して、本発明の実施形態に係るデジタルビデオカメラ10の動作を説明する。
図2Aないし
図2Cは、デジタルビデオカメラ10の動作を示すフローチャートである。
図3は、デジタルビデオカメラ10の表示部121に表示される画面の例を示す説明図である。
【0037】
まず、
図2A及び
図2Bを参照して、本実施形態におけるOSDの表示及び記録の制御動作を説明する。
【0038】
ステップS201において、システム制御部109は、映像出力先OSD透過度(OSD表示用の透過度)の設定をシステムメモリ116から読み出す。映像出力先OSD透過度は、映像出力部105が映像信号を供給すべき出力先におけるOSDの透過度を示す情報であって、表示部121として複数の表示装置が存在する場合には表示装置ごとに設定される情報である。映像出力先OSD透過度は、ユーザの操作に応じて複数の透過度(透過度ゼロ(不透過)を含む)の中から設定される。読み出した映像出力先OSD透過度が「入」(有効)である場合、システム制御部109は、処理をステップS202に遷移させる。他方、読み出した映像出力先OSD透過度が「入」ではない場合、システム制御部109は、処理をステップS203に遷移させる。
【0039】
ステップS202において、システム制御部109(透過度設定手段)は、ステップS201において取得した映像出力先OSD透過度に従って表示部121に表示されるOSDを透過させるようにOSD描画部118を制御する。
【0040】
ステップS203において、システム制御部109(合成記録設定手段)は、OSD記録設定をシステムメモリ116から読み出す。OSD記録設定は、表示部121に表示される映像データ(LV画像)にOSDを重畳して記録すべきか否かを示す情報である。読み出したOSD記録設定が「入」(有効)である場合、システム制御部109は、処理をステップS204に遷移させる。他方、読み出したOSD記録設定が「入」ではない場合、システム制御部109は、処理をステップS209に遷移させる。
【0041】
ステップS204において、システム制御部109(制御手段)は、操作部111のOSD記録用OSD表示ボタンが押下されている(特定の操作がされている)か否かを判定する。OSD記録用OSD表示ボタンが押下されていると判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS205に遷移させる。他方、OSD記録用OSD表示ボタンが押下されていないと判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS206に遷移させる。
【0042】
ステップS205の詳細は、
図2Cを参照して後に詳述する。
【0043】
ステップS206において、システム制御部109は、表示部121におけるOSD表示レベルが切り替えられている(変更されている)か否かを判定する。OSD表示レベルは、表示部121に表示されるOSDの表示内容及び表示形態を示す情報である。OSD表示レベルが切り替えられることによって、表示部121に表示されるOSDの数、大きさ、表示位置等が変化する。OSD表示レベルが切り替えられていると判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS207に遷移させる。他方、OSD表示レベルが切り替えられていないと判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS209に遷移させる。
【0044】
ステップS207において、システム制御部109は、OSD記録用OSD透過度設定(OSD記録用の透過度)をシステムメモリ116から読み出す。OSD記録用OSD透過度設定は、映像データにOSDを重畳して記録する際のOSDの透過度を示す情報である。読み出したOSD記録用OSD透過度設定が「入」(有効)である場合、システム制御部109は、処理をステップS208に遷移させる。他方、読み出したOSD記録用OSD透過度設定が「入」ではない場合、システム制御部109は、処理をステップS209に遷移させる。
【0045】
ステップS208において、システム制御部109は、ステップS208において取得したOSD記録用OSD透過度設定に従って表示部121に表示されるOSDを透過させるようにOSD描画部118を制御する。
【0046】
ステップS209において、システム制御部109は、動画記録の開始が指示されているか否かを判定する。動画記録の開始は、例えば、操作部111のRECボタンが押下されたことを示す信号によってシステム制御部109に指示されてよい。動画記録の開始が指示されていると判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS210に遷移させる。他方、動画記録の開始が指示されていないと判定した場合、システム制御部109は、本フローの処理を終了する。
【0047】
ステップS210において、システム制御部109は、OSD記録設定をシステムメモリ116から読み出す。読み出したOSD記録設定が「入」(有効)である場合、システム制御部109は、処理をステップS211に遷移させる。他方、読み出したOSD記録設定が「入」ではない場合、システム制御部109は、処理をステップS221に遷移させる。
【0048】
ステップS211において、システム制御部109は、OSD記録用OSD透過度設定をシステムメモリ116から読み出す。読み出したOSD記録用OSD透過度設定が「入」(有効)である場合、システム制御部109は、処理をステップS212に遷移させる。他方、読み出したOSD記録用OSD透過度設定が「入」ではない場合、システム制御部109は、処理をステップS214に遷移させる。
【0049】
ステップS212において、システム制御部109は、OSD記録処理によって映像データと共に記録されるべきOSDを表示装置に表示させるための操作方法のガイドを表示部121に表示させるように制御する。
【0050】
ステップS213において、システム制御部109は、OSD記録用OSD透過度設定に従って透過させたOSDをLV画像に合成して(重畳して)メモリ108に記録するように制御する。
【0051】
他方、ステップS214において、システム制御部109は、OSD記録用OSD透過度設定に従って不透過にしたOSDをLV画像に合成して(重畳して)メモリ108に記録するように制御する。
【0052】
ステップS215において、システム制御部109は、操作部111のOSD記録用OSD表示ボタンが押下されている(特定の操作がされている)か否かを判定する。OSD記録用OSD表示ボタンが押下されていると判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS216に遷移させる。他方、OSD記録用OSD表示ボタンが押下されていないと判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS217に遷移させる。
【0053】
ステップS216はステップS205と同様であり、
図2Cを参照して後に詳述する。ステップS217ないしステップS219はステップS206ないしステップS208と同様であるから、説明を省略する。
【0054】
ステップS220において、システム制御部109は、動画記録の終了が指示されているか否かを判定する。動画記録の終了は、例えば、操作部111のRECボタンが押下されたことを示す信号によってシステム制御部109に指示されてよい。動画記録の終了が指示されていると判定した場合、システム制御部109は、本フローの処理を終了する。他方、動画記録の終了が指示されていないと判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS215に戻して以降の処理を繰り返す。
【0055】
次いで、
図2Cを参照して、上述したステップS205,S216におけるOSD記録用OSD表示ボタンが押下されている(すなわち、特定の操作がされている)場合の動作を説明する。
【0056】
ステップS222において、システム制御部109は、OSD記録用OSD透過度設定をシステムメモリ116から読み出す。読み出したOSD記録用OSD透過度設定が「入」(有効)である場合、システム制御部109は、処理をステップS223に遷移させる。他方、読み出したOSD記録用OSD透過度設定が「入」ではない場合、システム制御部109は、処理をステップS232に遷移させる。
【0057】
ステップS223において、システム制御部109は、映像出力先OSD透過度の設定をシステムメモリ116から読み出す。読み出した映像出力先OSD透過度が「入」(有効)である場合、システム制御部109は、処理をステップS224に遷移させる。他方、読み出した映像出力先OSD透過度が「入」ではない場合、システム制御部109は、処理をステップS228に遷移させる。
【0058】
ステップS224において、システム制御部109は、ステップS222において取得したOSD記録用OSD透過度設定に従って表示部121に表示されるOSDを透過させるようにOSD描画部118を制御する。
【0059】
ステップS225において、システム制御部109は、表示部121に表示されているOSDが透過されてから一定時間が経過したか否かを判定する。一定時間が経過したと判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS227へ遷移させる。他方、一定時間が経過していない(一定時間内である)と判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS226に遷移させる。
【0060】
ステップS226において、システム制御部109は、操作部111のOSD記録用OSD表示ボタンが押下されていないか(離されているか)を判定する。OSD記録用OSD表示ボタンが離されていると判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS227に遷移させる。一方、OSD記録用OSD表示ボタンが押下されていると判定した場合、システム制御部109は、本フローの処理を終了する(すなわち、処理をステップS205,S216の次ステップに遷移させる)。
【0061】
ステップS227において、システム制御部109は、ステップS223において取得した映像出力先OSD透過度に従って表示部121に表示されるOSDを透過させるようにOSD描画部118を制御する。その後、システム制御部109は、本フローの処理を終了する(すなわち、処理をステップS205,S216の次ステップに遷移させる)。
【0062】
ステップS228において、システム制御部109は、ステップS222において取得したOSD記録用OSD透過度設定に従って表示部121に表示されるOSDを透過させるようにOSD描画部118を制御する。
【0063】
ステップS229において、システム制御部109は、表示部121に表示されているOSDが透過されてから一定時間が経過したか否かを判定する。一定時間が経過したと判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS231へ遷移させる。他方、一定時間が経過していない(一定時間内である)と判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS230に遷移させる。
【0064】
ステップS230において、システム制御部109は、操作部111のOSD記録用OSD表示ボタンが押下されていないか(離されているか)を判定する。OSD記録用OSD表示ボタンが離されていると判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS231に遷移させる。一方、OSD記録用OSD表示ボタンが押下されていると判定した場合、システム制御部109は、本フローの処理を終了する(すなわち、処理をステップS205,S216の次ステップに遷移させる)。
【0065】
ステップS231において、システム制御部109は、表示部121に表示されるOSDを透過させないようにOSD描画部118を制御する。その後、システム制御部109は、本フローの処理を終了する(すなわち、処理をステップS205,S216の次ステップに遷移させる)。
【0066】
ステップS232において、システム制御部109は、映像出力先OSD透過度の設定をシステムメモリ116から読み出す。読み出した映像出力先OSD透過度が「入」(有効)である場合、システム制御部109は、処理をステップS233に遷移させる。他方、読み出した映像出力先OSD透過度が「入」ではない場合、本フローの処理を終了する(すなわち、処理をステップS205,S216の次ステップに遷移させる)。
【0067】
ステップS233において、システム制御部109は、表示部121に表示されるOSDを透過させないようにOSD描画部118を制御する。
【0068】
ステップS234において、システム制御部109は、表示部121に表示されているOSDが透過されてから一定時間が経過したか否かを判定する。一定時間が経過したと判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS236へ遷移させる。他方、一定時間が経過していない(一定時間内である)と判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS235に遷移させる。
【0069】
ステップS235において、システム制御部109は、操作部111のOSD記録用OSD表示ボタンが押下されていないか(離されているか)を判定する。OSD記録用OSD表示ボタンが離されていると判定した場合、システム制御部109は、処理をステップS236に遷移させる。一方、OSD記録用OSD表示ボタンが押下されていると判定した場合、システム制御部109は、本フローの処理を終了する(すなわち、処理をステップS205,S216の次ステップに遷移させる)。
【0070】
ステップS236において、システム制御部109は、ステップS232において取得した映像出力先OSD透過度に従って表示部121に表示されるOSDを透過させるようにOSD描画部118を制御する。その後、システム制御部109は、本フローの処理を終了する(すなわち、処理をステップS205,S216の次ステップに遷移させる)。
【0071】
図3を参照して、表示部121に表示される画面について説明する。
図3(a)は、OSDを透過させない場合の画面表示の例である。
図3(b)はOSDを透過させた場合の画面表示の例である。
【0072】
図3(a)に示すように、OSDを透過させない場合、表示部121は、被写体像(図示例では3人の人物及び地面等)を覆い隠すように不透過OSDを表示する。
図3(a)に示す不透過OSDを含む画面は、例えば、ステップS231,S233における制御によって表示部121に表示される。
【0073】
他方、
図3(b)に示すように、OSDを透過させる場合、表示部121は、被写体像が完全には覆い隠されないように透過させた透過OSDを表示する。以上のOSDの透過は、表示される被写体像の明るさとOSDの明るさとを近付ける効果をも有する。
図3(b)に示す透過OSDを含む画面は、例えば、ステップS202,S208における制御によって表示部121に表示される。
【0074】
上記したように、本実施形態のデジタルビデオカメラ10は、OSD表示用の透過度とOSD記録用の透過度とが併用される場合において、特定の操作に応じて、OSD表示用の透過度ではなくOSD記録用の透過度に従って表示部121にOSDを表示させる。特定の操作とは、例えば、操作部111に含まれるOSD記録用OSD表示ボタンの押下である。以上の構成によれば、OSD記録用の透過度で表示されたOSDを認識できるので、記録媒体120に記録される完成した画像ファイルによって示される画像をユーザが容易にイメージできる。
【0075】
<他の実施形態>
上記した実施形態においては、操作部111のOSD記録用OSD表示ボタンが押下されているか否かに応じて、表示部121に表示すべきOSDの透過度が制御されている。しかしながら、OSDの透過度を制御するのに任意の操作を用いることができる。例えば、表示部121がタッチパネルで構成され操作部111としても機能できる構成において、表示部121に表示されているOSDへのタッチ操作に基づいて、OSDの透過度が制御されてもよい。
【0076】
なお、システム制御部109が行うものとして説明した上述の各種制御は、1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(例えば、複数のプロセッサーや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0077】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、他の実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0078】
また、上述した実施形態においては、本発明をデジタルビデオカメラ10に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、複数のOSD透過度を選択的に適用可能である撮像制御装置であれば適用可能である。すなわち、本発明は、撮像機能を有するパーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である。
【0079】
また、撮像装置本体に限らず、有線または無線通信を介して撮像装置(ネットワークカメラを含む)と通信し、撮像装置を遠隔で制御する制御装置にも本発明を適用可能である。撮像装置を遠隔で制御する装置としては、例えば、スマートフォンやタブレットPC、デスクトップPCなどの装置がある。制御装置側で行われた操作や制御装置側で行われた処理に基づいて、制御装置側から撮像装置に各種動作や設定を行わせるコマンドを通知することにより、撮像装置を遠隔から制御可能である。また、撮像装置で撮影したライブビュー画像を有線または無線通信を介して受信して制御装置側で表示できるようにしてもよい。
【0080】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0081】
10 デジタルビデオカメラ(撮像制御装置)
103 映像処理部
105 映像出力部
106 表示制御部
107 メモリ制御部
108 メモリ
109 システム制御部
111 操作部
116 システムメモリ
118 OSD描画部
120 記録媒体
121 表示部(表示装置)