(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】決済支援プログラム、及び決済支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/32 20120101AFI20240105BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240105BHJP
G07B 15/00 20110101ALI20240105BHJP
【FI】
G06Q20/32 330
G06Q50/30
G07B15/00 G
(21)【出願番号】P 2020030339
(22)【出願日】2020-02-26
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】長屋 俊輔
【審査官】藤原 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特表2020-505662(JP,A)
【文献】特開2016-130955(JP,A)
【文献】特開2018-032162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済支援サーバ及び入出場管理サーバを備える決済支援システムであって、
前記決済支援サーバは、
通信端末から送信される、要求元識別情報を含む第1の発行要求を受信し、また、前記第1の発行要求の受信後に、前記通信端末から送信される、前記要求元識別情報を含む第2の発行要求を受信する受信部と、
前記第1の発行要求に基づいて、動的条件を有する第1の決済識別情報及び乗車券識別情報を含む第1のサービス利用識別情報を発行し、また、前記第2の発行要求に基づいて、動的条件を有する第2の決済識別情報及び前記乗車券識別情報を含む第2のサービス利用識別情報を発行する発行部と、
前記通信端末に向けて前記第1のサービス利用識別情報を送信し、また、前記通信端末に向けて前記第2のサービス利用識別情報を送信する送信部と、
を備え
、
前記入出場管理サーバは、
前記第1のサービス利用識別情報及び入場情報を含む入場判定依頼と、前記第2のサービス利用識別情報及び出場情報を含む出場判定依頼とを受信する通信部と、
前記入場判定依頼の前記第1のサービス利用識別情報に含まれる前記乗車券識別情報と前記出場判定依頼の前記第2のサービス利用識別情報に含まれる前記乗車券識別情報から、前記入場判定依頼に基づく入場判定と前記出場判定依頼に基づく出場判定とを関連付け、前記入場情報と前記出場情報とに基づき乗車区間を判定し、前記第2の決済識別情報に対して前記乗車区間に対応する運賃の決済を依頼する情報処理部を備える、決済支援
システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の決済識別情報は第1の動的条件を有し、前記乗車券識別情報は第2の動的条件を有する、請求項1の決済支援
システム。
【請求項3】
前記第1及び第2の決済識別情報は有効期間を有し、
前記乗車券識別情報は有効期限を有し、
前記有効期限は、前記有効期間より長い期間を含む、請求項1の決済支援
システム。
【請求項4】
前記第1及び第2のサービス利用識別情報は2次元コードである、請求項1の決済支援
システム。
【請求項5】
前記入場情報は、第1の改札機識別情報を含み、
前記出場情報は、第2の改札機識別情報を含み、
前記情報処理部は、前記第1の改札機識別情報と駅コードとを関連付けたテーブルに基づき、前記第1の改札機識別情報から入場駅を特定し、また、前記第2の改札機識別情報と駅コードとを関連付けたテーブルに基づき、前記第2の改札機識別情報から出場駅を特定する、請求項1の決済支援システム。
【請求項6】
決済支援サーバ、入場改札口に設置される第1の改札機、出場改札口に設置される第2の改札機、及び入出場管理サーバを備える決済支援システムであって、
前記決済支援サーバは、
通信端末から送信される、要求元識別情報を含む第1の発行要求を受信し、また、前記第1の発行要求の受信後に、前記通信端末から送信される、前記要求元識別情報を含む第2の発行要求を受信する受信部と、
前記第1の発行要求に基づいて、動的条件を有する第1の決済識別情報及び乗車券識別情報を含む第1のサービス利用識別情報を発行し、また、前記第2の発行要求に基づいて、動的条件を有する第2の決済識別情報及び前記乗車券識別情報を含む第2のサービス利用識別情報を発行する発行部と、
前記通信端末に向けて前記第1のサービス利用識別情報を送信し、また、前記通信端末に向けて前記第2のサービス利用識別情報を送信する送信部と、
を備え、
前記第1の改札機は、
前記通信端末により表示される前記第1のサービス利用識別情報を読み取る第1の読取り部と、
前記第1のサービス利用識別情報及び入場情報を送信する第1の通信部と、
を備え、
前記第2の改札機は、
前記通信端末により表示される前記第2のサービス利用識別情報を読み取る第2の読取り部と、
前記第2のサービス利用識別情報及び出場情報を送信する第2の通信部と、
を備え、
前記入出場管理サーバは、
前記第1のサービス利用識別情報及び前記入場情報
を含む入場判定依頼と、前記第2のサービス利用識別情報及び前記出場情報
を含む出場判定依頼とを受信する第3の通信部と、
前記入場判定依頼の前記第1のサービス利用識別情報に含まれる前記乗車券識別情報と
前記出場判定依頼の前記第2のサービス利用識別情報に含まれる前記乗車券識別情報
から、前記入場判定依頼に基づく入場判定と前記出場判定依頼に基づく出場判定とを関連付け、前記入場情報と前記出場情報とに基づき乗車区間を判定し、前記第2の決済識別情報に対して前記乗車区間に対応する運賃の決済を依頼する情報処理部と、
を備える、決済支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済支援サーバ、決済支援プログラム、決済支援システム、及びデータ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、QRコード(登録商標)と称される2次元コードによるコード決済が普及し始めている。例えば、スマートフォン等の通信端末は、ユーザ操作に対応してQRコードを表示する。補足すると、通信端末は、ユーザ操作に対応して、決済サーバに対してQRコードの発行を要求する。決済サーバは、この通信端末からの要求を受信し、QRコードを発行し、発行したQRコードを送信する。通信端末は、決済サーバから送信されるQRコードを受信し表示する。
【0003】
例えば、発行されるQRコードは、偽造対策のため、決済用ワンタイムID(有効時間5分程度)を含む動的コードである。店舗側の決済端末は、商品を購入した購入者の通信端末に表示されたQRコードを読み取り、読み取ったQRコードに含まれる決済用ワンタイムIDに対応付けて商品の代金を請求する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
鉄道などの交通機関等の改札システムにおいて、上記したコード決済を導入したいという要望がある。つまり、通信端末に表示されるQRコード(動的コード)を利用した運賃精算システムの実現が望まれている。
【0006】
しかしながら、動的コードを利用する場合、入場時において、ある利用者の通信端末で表示されるQRコードと、入場から一定時間経過後の出場時において、同じ利用者の通信端末で表示されるQRコードとが一致しないため、入出場を対応付けることが難しく、このことが改札システムへのコード決済導入のハードルになっている。
【0007】
本発明の目的は、入出場のような一定の時間経過を含む利用シーンにおける動的コードによるコード決済を支援する決済支援サーバ、決済支援プログラム、決済支援システム、及びデータ構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る決済支援サーバは、受信部と、発行部と、送信部とを備える。前記受信部は、通信端末から送信される、要求元識別情報を含む第1の発行要求を受信し、また、前記第1の発行要求の受信後に、前記通信端末から送信される、前記要求元識別情報を含む第2の発行要求を受信する。前記発行部は、前記第1の発行要求に基づいて、動的条件を有する第1の決済識別情報及び乗車券識別情報を含む第1のサービス利用識別情報を発行し、また、前記第2の発行要求に基づいて、動的条件を有する第2の決済識別情報及び前記乗車券識別情報を含む第2のサービス利用識別情報を発行する。前記送信部は、前記通信端末に向けて前記第1のサービス利用識別情報を送信し、また、前記通信端末に向けて前記第2のサービス利用識別情報を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報管理システムの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る決済サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る決済サーバに格納される2次元コード発行管理テーブルの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る中継サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る運賃計算サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る運賃計算サーバに格納される入出場管理テーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る改札機の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る通信端末の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報管理システムによる決済処理及び改札処理の流れの概要を例示する図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る決済サーバによる2次元コードの発行及び管理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係る通信端末による2次元コードの表示処理の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施形態に係る改札機による改札処理の一例を示すフローチャートである。
【
図13】
図13は、実施形態に係る運賃計算サーバによる運賃計算処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、実施形態に係る情報管理システムの一例を示す図である。
例えば、情報管理システムは、交通機関等に適用され、複数のサーバ及び駅務機器等により構成される。情報管理システムは、スマートフォン等の通信端末に表示されるQRコード等の2次元コードによる決済支援システムであり、2次元コードにより入出場を管理し入出場に基づき運賃を計算する。利用者は、通信端末に表示される2次元コードにより本システムのサービスを利用することができ、決済サーバから発行される2次元コードは、請求先を特定するための情報に関連付けて管理される。請求先を特定するための情報は、利用者識別情報及び端末識別情報の少なくとも一方の情報である。本実施形態では、2次元コードによる決済システムとして説明するが、2次元コードに限定されるものではなく、必要な情報量を確保できれば、バーコードなど情報であってもよい。
【0011】
図1に示すように、情報管理システムは、複数の決済サーバ11、12、中継サーバ2、運賃計算サーバ3、及び改札機4を備え、交通機関を利用する利用者が所持するスマートフォン等の通信端末5を用いてサービス(運賃決済)を受けることができる。
【0012】
決済サーバ11は、決済を支援する決済支援サーバであり、1台のコンピュータ又は複数台のコンピュータを組み合わせて実現することができ、他の機器と直接又は間接的に通信し、他の機器へ情報(2次元コード等)を送信し、また、他の機器からの情報(2次元コード発行要求及び決済依頼等)を受信し記憶(管理)する。例えば、他の機器は、中継サーバ2、及び通信端末5である。決済サーバ12は、決済サーバ11と同様の情報管理サーバであり、説明を省略する。
【0013】
中継サーバ2は、1台のコンピュータ又は複数台のコンピュータを組み合わせて実現することができ、他の機器と直接又は間接的に通信し、他の機器へ情報(決済依頼等)を送信し、また、他の機器からの情報(決済依頼等)を受信し記憶(管理)する。例えば、他の機器は、決済サーバ1及び運賃計算サーバ3である。
【0014】
運賃計算サーバ3は、入出場管理サーバであり、1台のコンピュータ又は複数台のコンピュータを組み合わせて実現することができ、他の機器と直接又は間接的に通信し、他の機器へ情報(入出場の判定結果及び決済依頼等)を送信し、また、他の機器からの情報(入出場の処理依頼等)を受信し記憶(管理)する。例えば、他の機器は、中継サーバ2及び改札機4である。
【0015】
改札機4は、各駅の入場改札口及び出場改札口に設置され、他の機器と直接又は間接的に通信する。例えば、改札機4は、監視盤等の上位機器と通信し、監視盤からの制御信号に基づき動作し、また、監視盤に対して動作状況等を示す信号を出力する。また、改札機4は、運賃計算サーバ3と通信し、入出場の処理依頼を送信し、また、入出場の判定結果等を受信する。また、改札機4は、通信端末5とBluetooth(登録商標)等の無線通信により情報を送受信する。また、改札機4は、通信端末5に表示される2次元コード等の情報を読み取り、読み取った情報を運賃計算サーバ3へ送信する。また、改札機4は、乗車券媒体として利用される非接触式ICカード等と非接触通信により情報を送受信する。
【0016】
通信端末5は、電気通信事業者の回線又はWiFi(Wi-fi Alliance)により、他の機器と直接又は間接的に通信する。また、通信端末5は、Bluetooth等の無線通信により、他の機器と通信することもできる。通信端末5は、2次元コード決済アプリケーションプログラム(以下、決済支援プログラム)を記憶し、決済支援プログラムに基づき2次元コードを表示する。
【0017】
図2は、実施形態に係る決済サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。また、
図3は、実施形態に係る決済サーバに格納される2次元コード発行管理テーブルの一例を示す図である。
【0018】
図2に示すように、決済サーバ11は、プロセッサ111、ROM(read-only memory)112、RAM(random-access memory)113、補助記憶デバイス114、及び通信部115を備える。
【0019】
プロセッサ111は、2次元コード決済に必要な演算及び制御などの2次元コード決済処理を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ111により実行される2次元コード決済処理は、2次元コード発行処理を含む。プロセッサ111は、ROM112又は補助記憶デバイス114などに記憶されたシステムソフトウェア、及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、決済サーバ11の各種の機能を実現するための制御を実行する。プロセッサ111は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、又はDSP(digital signal processor)等である。あるいは、プロセッサ111は、これらを組み合わせたものである。プロセッサ111は、通信端末5からの2次元コード発行要求に基づいて、本サービスを利用するための2次元コード(サービス利用識別情報)を発行する発行部として機能する。
【0020】
ROM112は、データの読み出しに用いられる主記憶装置としての役割を担い、プロセッサ111が各種の処理を行うための上記したプログラムの全部又は一部等を記憶する。RAM113は、データの読み書きに用いられる主記憶装置としての役割を担い、プロセッサ111が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶する。
【0021】
補助記憶デバイス114は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)(登録商標)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)等である。補助記憶デバイス114は、上記のプログラムの全部又は一部等を記憶する。また、補助記憶デバイス114は、プロセッサ111が各種の処理のために使用するデータ、プロセッサ111での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。例えば、補助記憶デバイス114は、2次元コード発行管理テーブルを記憶し、2次元コード管理テーブルは、発行済みの2次元コードに関する情報を記憶する。
【0022】
図3に示すように、2次元コード発行管理テーブルは複数レコードを記憶し、例えば1レコードは、レコード識別情報(レコードID)、利用者識別情報(利用者ID)、通信端末識別情報(通信端末ID)、及び2次元コードを含む。また、2次元コードは、決済識別情報(決済ID)、及び乗車券識別情報(乗車券ID)を含む。言い換えれば、2次元コードのデータ構造は、決済ID及び乗車券IDを含む。
【0023】
レコードIDは、各レコードを識別するためのIDである。利用者IDは、本システムの決済サービス利用者による通信端末5からの登録手続きに基づいて登録されるIDである。端末IDは、通信端末5のIDである。2次元コードに含まれる決済IDは、動的条件(第1の動的条件)を有するIDであり、例えば、第1の動的条件は有効期間(5分などのワンタイム)である。また、2次元コードに含まれる乗車券IDは、動的条件(第2の動的条件)を有するIDであり、例えば、第2の動的条件は、有効期限(当日限り有効又は最終列車の発車時刻まで有効)を有するIDである。乗車券IDの有効期限は、決済IDの有効期間より長い期間を含むものとする。例えば、2次元コードの発行期間を一日のうちの5:00から23:30までとすると、23:30に発行された2次元コードに含まれる乗車券IDであっても乗車券IDの有効期限が当日限り有効であるなら、30分の有効期間を含むことになる。つまり、乗車券IDの有効期限は、決済IDの有効期間(例えば5分)より長い期間を含むことになる。なお、本実施形態では、決済IDの「有効期間」と乗車券IDの「有効期限」を区別して説明するが、乗車券IDの「有効期限」は「有効期間」であってもよく、例えば、乗車券IDの有効期間(二時間などのワンタイム)は、決済IDの有効期間(5分などのワンタイム)よりも長い。2次元コード発行管理テーブルの役割等については後に詳しく説明する。
【0024】
通信部115は、ネットワークなどを介して他の装置と有線又は無線で通信し、他の装置から送信される各種情報を受信し、また、他の装置に各種情報を送信するための部である。例えば、通信部115は、受信部として機能し、通信端末5からの2次元コードの発行要求を受信する。また、通信部115は、送信部として機能し、通信端末5へ向けて2次元コードを送信する。
【0025】
図2に示すように、決済サーバ12は、プロセッサ121、ROM122、RAM123、補助記憶デバイス124、及び通信部125を備える。決済サーバ11及び12は実質同一構成であり、決済サーバ12の説明は省略する。
【0026】
図4は、実施形態に係る中継サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、中継サーバ2は、プロセッサ21、ROM22、RAM23、補助記憶デバイス24、及び通信部25を備える。
【0027】
プロセッサ21は、決済中継に必要な演算及び制御などの決済中継処理を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、ROM112又は補助記憶デバイス114などに記憶されたシステムソフトウェア、及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、中継サーバ2の各種の機能を実現するための制御を実行する。プロセッサ21は、例えば、CPU、MPU、又はDSP等である。あるいは、プロセッサ21は、これらを組み合わせたものである。
【0028】
ROM22は、データの読み出しに用いられる主記憶装置としての役割を担い、プロセッサ21が各種の処理を行うための上記したプログラムの全部又は一部等を記憶する。RAM23は、データの読み書きに用いられる主記憶装置としての役割を担い、プロセッサ21が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶する。
【0029】
補助記憶デバイス24は、例えば、EEPROM、HDD、又はSSD等である。補助記憶デバイス24は、上記のプログラムの全部又は一部等を記憶する。また、補助記憶デバイス24は、プロセッサ21が各種の処理のために使用するデータ、プロセッサ21での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。例えば、補助記憶デバイス24は、決済依頼管理テーブルを記憶し、決済依頼管理テーブルは、運賃計算サーバ3から送信される決済依頼を記憶する。
【0030】
通信部25は、ネットワークなどを介して他の装置と有線又は無線で通信し、他の装置から送信される各種情報を受信し、また、他の装置に各種情報を送信するための部である。例えば、通信部25は、運賃計算サーバ3からの決済依頼を受信する。また、通信部25は、決済サーバ11等へ向けて決済依頼を送信する。
【0031】
図5は、実施形態に係る運賃計算サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。また、
図6は、実施形態に係る運賃計算サーバに格納される入出場管理テーブルの一例を示す図である。
【0032】
図5に示すように、運賃計算サーバ3は、プロセッサ31、ROM32、RAM33、補助記憶デバイス34、及び通信部35を備える。
【0033】
プロセッサ31は、入出場判定及び運賃計算に必要な演算及び制御などの入出場判定処理及び運賃計算処理を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、ROM32又は補助記憶デバイス34などに記憶されたシステムソフトウェア、及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、運賃計算サーバ3の各種の機能を実現するための制御を実行する。プロセッサ31は、例えば、CPU、MPU、又はDSP等である。あるいは、プロセッサ31は、これらを組み合わせたものである。
【0034】
ROM32は、データの読み出しに用いられる主記憶装置としての役割を担い、プロセッサ31が各種の処理を行うための上記したプログラムの全部又は一部等を記憶する。RAM33は、データの読み書きに用いられる主記憶装置としての役割を担い、プロセッサ31が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶する。
【0035】
補助記憶デバイス34は、例えばEEPROM、HDD、又はSSD等である。補助記憶デバイス34は、上記のプログラムの全部又は一部等を記憶する。また、補助記憶デバイス34は、プロセッサ31が各種の処理のために使用するデータ、プロセッサ31での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。例えば、補助記憶デバイス34は、運賃テーブル及び入出場管理テーブルを記憶し、入出場管理テーブルは、入場処理と出場処理で使用される2次元コードの関連付けに関する情報を記憶する。
【0036】
図6に示すように、入出場管理テーブルは複数レコードを記憶し、例えば、改札機4の入場処理により生成される入場レコードは、レコード識別情報(レコードID)、入場情報、及び2次元コードを含む。入場情報は、入場改札処理の日時を示す入場日時、入場改札処理を受けた改札機の設置駅を示す入場駅コードを含む。2次元コードは、決済ID及び乗車券IDを含む。また、改札機4の出場処理により生成される出場レコードは、レコード識別情報(レコードID)、出場情報、及び2次元コードを含む。出場情報は、出場改札処理の日時を示す出場日時、出場改札処理を受けた改札機の設置駅を示す出場駅コードを含む。2次元コードは、決済ID及び乗車券IDを含む。入出場管理テーブルの役割等については後に詳しく説明する。
【0037】
通信部35は、ネットワークなどを介して他の装置と有線又は無線で通信し、他の装置から送信される各種情報を受信し、また、他の装置に各種情報を送信するための部である。例えば、通信部35は、改札機4からの入出場の判定要求を受信する。また、通信部35は、改札機4へ向けて入出場の判定結果を送信する。
【0038】
図7は、実施形態に係る改札機の概略構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、改札機4は、プロセッサ41、ROM42、RAM43、補助記憶デバイス44、通信部45、情報出力部46、入出場制御機構47、2次元コードリーダ48、及び無線リーダライタ49等を備える。
【0039】
プロセッサ41は、通信端末5等から読み取った情報に基づく改札に必要な演算及び制御などの改札処理を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ41は、ROM42又は補助記憶デバイス44などに記憶されたシステムソフトウェア、及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、改札機4の各種の機能を実現するための制御を実行する。プロセッサ41は、例えば、CPU、MPU、又はDSP等である。あるいは、プロセッサ41は、これらを組み合わせたものである。
【0040】
ROM42は、データの読み出しに用いられる主記憶装置としての役割を担い、プロセッサ41が各種の処理を行うための上記したプログラムの全部又は一部等を記憶する。RAM43は、データの読み書きに用いられる主記憶装置としての役割を担い、プロセッサ41が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶する。
【0041】
補助記憶デバイス44は、例えばEEPROM、HDD、又はSSD等である。補助記憶デバイス44は、上記のプログラムの全部又は一部等を記憶する。また、補助記憶デバイス44は、プロセッサ41が各種の処理のために使用するデータ、プロセッサ41での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。
【0042】
通信部45は、ネットワークなどを介して他の装置と有線又は無線で通信し、他の装置から送信される各種情報を受信し、また、他の装置に各種情報を送信するための部である。例えば、通信部45は、通信端末5から読み取った情報に基づく入出場の判定要求を送信する。また、通信部45は、運賃計算サーバ3から入出場の判定結果を受信する。通信端末5から読み取った情報は、通信端末5のディスプレイに表示される2次元コードの情報である。
【0043】
情報出力部46は、ディスプレイ及びスピーカであり、ディスプレイは入出場の判定結果等を表示し、スピーカは入出場の判定結果等を効果音で通知する。入出場制御機構47は、入出場の判定結果に基づき、改札機4に沿う改札通路の通行を封鎖するためのドアの開閉を制御する。
【0044】
2次元コードリーダ48は、交通機関を利用する利用者により提示される2次元コード、つまり通信端末5のディスプレイに表示される2次元コードを光学的に読み取る。無線リーダライタ49は、無線ICカードに記憶される情報を読み取り、また、無線ICカードに書き込む情報を送信する。
【0045】
図8は、実施形態に係る通信端末の概略構成の一例を示すブロック図である。
通信端末5は、プロセッサ、メモリ、及びディスプレイを備えるコンピュータである。
図8に示すように、通信端末5は、プロセッサ51、ROM52、RAM53、補助記憶デバイス54、通信部55、情報入力部56、及び情報出力部57等を備える。
【0046】
プロセッサ51は、決済サーバ1と通信し2次元コードを表示するために必要な演算及び制御などの情報出力処理を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ51は、ROM52又は補助記憶デバイス54などに記憶されたシステムソフトウェア、及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、通信端末5の各種の機能を実現するための制御を実行する。プロセッサ51は、例えば、CPU、MPU、又はDSP等である。あるいは、プロセッサ51は、これらを組み合わせたものである。
【0047】
ROM52は、データの読み出しに用いられる主記憶装置としての役割を担い、プロセッサ51が各種の処理を行うための上記したプログラムの全部又は一部等を記憶する。RAM53は、データの読み書きに用いられる主記憶装置としての役割を担い、プロセッサ51が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶する。
【0048】
補助記憶デバイス54は、例えばEEPROM、HDD、又はSSD等である。補助記憶デバイス54は、上記のプログラムの全部又は一部等を記憶する。補助記憶デバイス54は、決済処理のための決済アプリケーションプログラムを記憶する。また、補助記憶デバイス54は、プロセッサ51が各種の処理のために使用するデータ、プロセッサ51での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。補助記憶デバイス54は、通信端末識別情報(通信端末ID)及び利用者識別情報(利用者ID)を記憶する。決済サーバ1は、2次元コードの発行要求に含まれる通信端末ID及び利用者IDの少なくとも一方に基づき、2次元コードの発行要求元を特定する。通信端末ID及び利用者IDの一方又は両方をコード要求元識別情報(コード要求元ID)と称する。
【0049】
通信部55は、ネットワークなどを介して他の装置と有線又は無線で通信し、他の装置から送信される各種情報を受信し、また、他の装置に各種情報を送信するための部である。例えば、通信部55は、決済サーバ1に対して2次元コードの発行要求を送信する。また、
通信部55は、決済サーバ1から送信される2次元コードを受信する。
【0050】
情報出力部57は、ディスプレイ及びスピーカであり、ディスプレイは決済サーバ1から送信される2次元コードを表示する。情報入力部56は、情報出力部57のディスプレイ等に対向配置されるタッチパネル等であり、各種指示の入力を受け付ける。
【0051】
次に、
図9乃至
図13を参照し、情報管理システムにおける2次元コードによる決済処理及び改札処理について説明する。
図9は、実施形態に係る情報管理システムによる決済処理及び改札処理の流れの概要を例示する図である。また、
図10は、実施形態に係る決済サーバによる2次元コードの発行及び管理の一例を示すフローチャートである。
図11は、実施形態に係る通信端末による2次元コードの表示処理の一例を示すフローチャートである。
図12は、実施形態に係る改札機による改札処理の一例を示すフローチャートである。
図13は、実施形態に係る運賃計算サーバによる運賃計算処理の一例を示すフローチャートである。
【0052】
<利用登録>
最初に、利用登録について説明する。例えば、本システムの決済サービスを利用する利用者は、通信端末5の情報入力部56を介して利用者情報を入力し、通信端末5の通信部55は、入力された利用者情報及び通信端末IDを決済サーバ11等へ送信する。決済サーバ11は、各利用者に割り当てる利用者IDを発行し、利用者情報、利用者ID、及び通信端末IDを関連付けて登録する。利用者情報は、氏名、年齢、住所、eメールアドレス、銀行口座情報、及びクレジットカード情報等を含む。また、通信端末5は、アプリケーション提供サーバへアクセスし、本システムの決済サービスに対応した決済支援プログラムをダウンロードし、補助記憶デバイス54に決済支援プログラムを記憶する。
【0053】
<入場処理>
続いて、入場処理について説明する。入場処理を受けようとする利用者は、通信端末5の情報入力部56を介して決済支援プログラムを選択し、プロセッサ51は、決済支援プログラムを起動する。プロセッサ51が実行する決済支援プログラムに従い、通信部55は、決済サーバ11に対して、コード要求元IDを含む2次元コード発行要求を送信する(ST11)。説明を分かり易くするため、ここで送信される2次元コード発行要求を1回目の2次元コード発行要求(又は第1の2次元コード発行要求)と称する。コード要求元IDは、通信端末ID及び利用者IDの一方又は両方を示す。
【0054】
決済サーバ11の通信部115は、1回目の2次元コード発行要求を受信し、プロセッサ111は、1回目の2次元コード発行要求に基づき1回目の2次元コード(第1の2次元コード)を発行し(ST12)、2次元コード発行管理テーブルTA1により、発行される1回目の2次元コードを管理する。1回目の2次元コード発行要求に含まれるコード要求元IDに関連付けて、1回目の2次元コードが管理される。例えば、1回目の2次元コードは、有効期間付きの決済ID(B11)、及び有効期限付きの乗車券ID(C20)を含む。決済サーバ11の通信部115は、2次元コード発行要求元へ1回目の2次元コードを送信する(ST13)。
【0055】
通信端末5のプロセッサ51が実行する決済支援プログラムに従い、通信部55は1回目の2次元コードを受信し、補助記憶デバイス54は1回目の2次元コードを記憶し、情報出力部57は1回目の2次元コードの画像を含む2次元コード画面を表示する(ST14)。例えば、2次元コード画面は、決済ID(B11)の有効期間及び乗車券ID(C20)の有効期限(又は有効期間)を含む。さらに、2次元コード画面の2次元コードの画像の中央に、交通機関を示す情報(ロゴ又はマークなど)を示すようにしてもよい。利用者は、通信端末5の情報出力部57に表示される2次元コード画面を入場改札口に設けられた改札機4の2次元コードリーダ48へかざす(ST15)。
【0056】
入場改札口に設けられた改札機4の2次元コードリーダ48は、2次元コードを読み取り、通信部45は、2次元コードの読み取り結果を含む入場判定依頼を運賃計算サーバ3へ送信する(ST16)。入場判定依頼は、2次元コードの読み取り結果及び入場情報を含む。入場情報は、入場改札処理の日時を示す入場日時、入場改札処理を受けた改札機の設置駅を示す入場駅コードを含む。なお、入場情報は、入場駅コードに替えて、改札機識別情報を含むようにしてもよい。この場合、運賃計算サーバ3等が、改札機識別情報と駅コードとを関連付けたテーブルを記憶し、改札機識別情報から入場駅を特定することができる。
【0057】
運賃計算サーバ3の通信部35は、入場判定依頼を受信し、プロセッサ31は、入場判定依頼に基づき入場判定処理を実行し、入出場管理テーブルTA2へ入場判定を登録する(ST17)。説明を分かり易くするために、入場判定を入場判定R1と称し、入場判定R1は、入場情報、2次元コード、及び入場許可/不許可を含み、2次元コードは、決済ID(B11)及び乗車券ID(C20)を含む。プロセッサ31は、入場判定依頼に含まれる2次元コードの正当性を判定し、また、入場情報の正当性を判定し、2次元コード及び入場情報の正当性が認められる場合に、入場許可判定を出力する。通信部35は、改札機4に対して入場許可の判定結果を送信する(ST18)。
【0058】
改札機4の通信部45は、入場許可の判定結果を受信し、プロセッサ41は、入場許可の判定結果に基づき入出場制御機構47を制御し(ドアを開放し)、情報出力部46は、入場許可を案内する(ST19)。利用者は、改札機4に沿った通路から駅構内へ入り、列車等に乗車し目的地へ向かうことができる。
【0059】
<出場処理>
続いて、出場処理について説明する。目的地で出場処理を受けようとする利用者は、通信端末5の情報入力部56を介して決済支援プログラムを選択し、プロセッサ51は、決済支援プログラムを起動する。プロセッサ51が実行する決済支援プログラムに従い、通信部55は、決済サーバ11に対して、コード要求元IDを含む2次元コード発行要求を送信する(ST21)。説明を分かり易くするため、ここで送信される2次元コード発行要求を2回目の2次元コード発行要求(又は第2の2次元コード発行要求)と称する。
【0060】
決済サーバ11の通信部115は、2回目の2次元コード発行要求を受信し、プロセッサ111は、2回目の2次元コード発行要求に基づき2回目の2次元コード(第2の2次元コード)を発行し(ST22)、2次元コード発行管理テーブルTA1により、発行される2回目の2次元コードを管理する。2回目の2次元コード発行要求に含まれるコード要求元IDに関連付けて、2回目の2次元コードが管理される。例えば、2回目の2次元コードは、有効期間付きの決済ID(B10)、及び有効期限付きの乗車券ID(C20)を含む。決済サーバ11の通信部115は、2次元コード発行要求元へ2回目の2次元コードを送信する(ST23)。
【0061】
ここで、1回目と2回目の2次元コードに含まれる情報について説明する。決済サーバ11のプロセッサ111は、1回目と2回目の2次元コード発行要求に含まれるコード要求元IDが同一であることから、1回目と2回目の2次元コード発行要求元は同一であると判定する。1回目の2次元コードに含まれる決済ID(B11)の有効期間が切れてから2回目の2次元コード発行要求を受信した場合、有効期間が切れた決済ID(B11)は使われず、2回目の2次元コードは、1回目の2次元コードに含まれる決済ID(B11)とは異なる決済ID(B10)を含む。但し、1回目と2回目の2次元コード発行要求元が同一であることから、1回目と2回目の2次元コードは、同一の乗車券ID(C20)を含む。1回目と2回目の2次元コードが、同一の乗車券ID(C20)を含むことにより、入場処理と出場処理を関連付けることが可能となる。この入場処理と出場処理の関連付けについては、後に詳しく説明する。
【0062】
通信端末5のプロセッサ51が実行する決済支援プログラムに従い、通信部55は2回目の2次元コードを受信し、補助記憶デバイス54は2回目の2次元コードを記憶し、情報出力部57は2回目の2次元コードの画像を含む2次元コード画面を表示する(ST24)。例えば、2次元コード画面は、決済ID(B10)の有効期間及び乗車券ID(C20)の有効期限(又は有効期間)を含む。さらに、2次元コード画面の2次元コードの画像の中央に、交通機関を示す情報(ロゴ又はマークなど)を示すようにしてもよい。利用者は、通信端末5の情報出力部57に表示される2次元コード画面を出場改札口に設けられた改札機4の2次元コードリーダ48へかざす(ST25)。
【0063】
出場改札口に設けられた改札機4の2次元コードリーダ48は、2次元コードを読み取り、通信部45は、2次元コードの読み取り結果を含む出場判定依頼を運賃計算サーバ3へ送信する(ST26)。出場判定依頼は、2次元コードの読み取り結果及び出場情報を含む。出場情報は、出場改札処理の日時を示す出場日時、出場改札処理を受けた改札機の設置駅を示す出場駅コードを含む。なお、出場情報は、出場駅コードに替えて、改札機識別情報を含むようにしてもよい。この場合、運賃計算サーバ3等が、改札機識別情報と駅コードとを関連付けたテーブルを記憶し、改札機識別情報から出場駅を特定することができる。
【0064】
運賃計算サーバ3の通信部35は、出場判定依頼を受信し、プロセッサ31は、出場判定依頼に基づき出場判定処理を実行し、入出場管理テーブルTA2へ出場判定を登録する(ST27)。説明を分かり易くするために、出場判定を出場判定R2と称し、出場判定R2は、出場情報、2次元コード、及び出場許可/不許可を含み、2次元コードは、決済ID(B11)及び乗車券ID(C20)を含む。プロセッサ31は、出場判定依頼に含まれる2次元コードの正当性を判定し、また、出場情報の正当性を判定し、2次元コード及び出場情報の正当性が認められる場合に、出場許可判定を出力する。通信部35は、改札機4に対して出場許可の判定結果を送信する(ST28)。
【0065】
改札機4の通信部45は、出場許可の判定結果を受信し、プロセッサ41は、出場許可の判定結果に基づき入出場制御機構47を制御し(ドアを開放し)、情報出力部46は、出場許可を案内する(ST29)。利用者は、改札機4に沿った通路から駅構外へ出場することができる。
【0066】
ここで、出場判定についてさらに詳しく説明する。運賃計算サーバ3のプロセッサ31は、入出場管理テーブルTA2を参照し、出場判定依頼に含まれる乗車券ID(C20)と同一の乗車券IDを検索する。入場判定R1は、この出場判定依頼に含まれる乗車券ID(C20)と同一の乗車券ID(C20)を含むので、プロセッサ31は、入出場管理テーブルTA2において入場判定R1と出場判定R2とを関連付け、入場判定R1と出場判定R2とに基づき出場を判定し運賃を算出する。つまり、プロセッサ31は、運賃テーブルを参照し、入場判定R1に含まれる入場情報と出場判定R2に含まれる出場情報とに基づき乗車区間を判定し、乗車区間に対応する運賃を判定し、出場判定R2に含まれる決済ID(B10)に対して運賃の決済を依頼する(ST31)。
【0067】
中継サーバ2の通信部25は、決済の依頼を受信し、決済サーバ11に対して決済の依頼を送信する(ST32)。決済サーバ11の通信部115は、決済の依頼を受信し、プロセッサ111は、決済ID(B10)に対して運賃を決済する(ST33)。また、通信部115は、利用者情報に含まれるeメールアドレスに対して、決済結果を通知する(ST34)。
【0068】
上記の通り、決済サーバ11による2次元コード発行処理について説明したが、ここで、
図10のフローチャートを参照し、決済サーバ11の動作についてまとめる。
図10に示すように、決済サーバ11の通信部115は、通信端末5から送信される1回目の2次元コード発行要求を受信し(ST101)、プロセッサ111は、1回目の2次元コード発行要求に基づき1回目の2次元コードを発行し、2次元コード発行管理テーブルTA1により、発行される1回目の2次元コードを管理する(ST102)。1回目の2次元コード発行要求に含まれるコード要求元IDに関連付けて、1回目の2次元コードが管理される。例えば、1回目の2次元コードは、有効期間付きの決済ID(B11)、及び有効期限付きの乗車券ID(C20)を含む。通信部115は、2次元コード発行要求元へ1回目の2次元コードを送信する(ST103)。
【0069】
また、1回目の2次元コードを発行した後、通信部115が、通信端末5から送信される2回目の2次元コード発行要求を受信すると(ST101)、プロセッサ111は、2回目の2次元コード発行要求に基づき2回目の2次元コードを発行し、2次元コード発行管理テーブルTA1により、発行される2回目の2次元コードを管理する(ST102)。2回目の2次元コード発行要求に含まれるコード要求元IDに関連付けて、2回目の2次元コードが管理される。例えば、2回目の2次元コードは、有効期間付きの決済ID(B10)、及び有効期限付きの乗車券ID(C20)を含む。通信部115は、2次元コード発行要求元へ2回目の2次元コードを送信する(ST103)。
【0070】
上記の通り、通信端末5による2次元コード表示処理について説明したが、ここで、
図11のフローチャートを参照し、通信端末5の動作についてまとめる。
図11に示すように、プロセッサ51が実行する決済支援プログラムに従い、通信部55は、決済サーバ11に対して、コード要求元IDを含む1回目の2次元コード発行要求を送信する(ST201)。1回目の2次元コード発行要求を受けた決済サーバ11は、1回目の2次元コードを発行し、通信部55は、この1回目の2次元コードを受信し(ST202)、情報出力部57は、1回目の2次元コードの画像を含む2次元コード画面を表示する(ST203)。同様に、情報出力部57は、2回目の2次元コードの画像を含む2次元コード画面を表示する。
【0071】
上記の通り、改札機4による改札処理について説明したが、ここで、
図12のフローチャートを参照し、改札機4の動作についてまとめる。
図12に示すように、入場改札口に設けられた改札機4の2次元コードリーダ48は、通信端末5において表示される2次元コードを読み取り(ST301)、通信部45は、2次元コードの読み取り結果を含む入場判定依頼を運賃計算サーバ3へ送信する(ST302)。例えば、通信部45は、入場許可の判定結果を受信し(ST303)、プロセッサ41は、入場許可の判定結果に基づき入出場制御機構47を制御し(ドアを開放し)、情報出力部46は、入場許可を案内する(ST304)。
【0072】
また、出場改札口に設けられた改札機4の2次元コードリーダ48は、通信端末5において表示される2次元コードを読み取り(ST301)、通信部45は、2次元コードの読み取り結果を含む出場判定依頼を運賃計算サーバ3へ送信する(ST302)。例えば、通信部45は、出場許可の判定結果を受信し(ST303)、プロセッサ41は、出場許可の判定結果に基づき入出場制御機構47を制御し(ドアを開放し)、情報出力部46は、出場許可を案内する(ST304)。
【0073】
上記の通り、運賃計算サーバ3による運賃計算処理について説明したが、ここで、
図13のフローチャートを参照し、運賃計算サーバ3の動作についてまとめる。
図13に示すように、運賃計算サーバ3の通信部35は、2次元コードの読み取り結果及び入場情報を含む入場判定依頼を受信し(ST401)、プロセッサ31は、入場判定依頼に基づき入場判定処理を実行し(ST402)、入出場管理テーブルTA2へ入場判定を登録する(ST403)。また、通信部35は、2次元コードの読み取り結果及び出場情報を含む出場判定依頼を受信し(ST404)、プロセッサ31は、出場判定依頼に基づき出場判定処理を実行し(ST405)、入出場管理テーブルTA2へ出場判定を登録する(ST406)。
【0074】
プロセッサ31は、入出場管理テーブルTA2を参照し、出場判定に含まれる乗車券ID(C20)と同一の乗車券ID(C20)を含む入場判定とを関連付け(ST407)、入場判定と出場判定とに基づき運賃を算出する(ST408)。つまり、プロセッサ31は、運賃テーブルを参照し、入場判定に含まれる入場情報と出場判定に含まれる出場情報とに基づき乗車区間を判定し、乗車区間に対応する運賃を判定し、出場判定に含まれる決済ID(B10)に対して運賃の決済を依頼する(ST409)。
【0075】
本実施形態によれば、入出場のような一定の時間経過を含む利用シーンにおける動的コードによるコード決済を支援する決済支援サーバ、決済支援プログラム、決済支援システム、及びデータ構造を提供することができる。決済サーバ1は、コード要求元からのコード発行要求に基づき動的条件を有する決済ID及び乗車券IDを含む2次元コードを発行するが、同一のコード要求元からの要求であれば同一の乗車券IDを含む2次元コード(1回目及び2回目の2次元コード)を発行する。通信端末5は、これら2次元コードを表示する。改札機4は、これら2次元コードを読み取り改札処理を実行する。運賃計算サーバ3は、入場改札処理と出場改札処理に2次元コードが利用される場合に、同一の乗車券IDを含む2次元コードが利用された入場改札処理と出場改札処理を関連付けて運賃を計算し決済する。これにより、決済IDの有効期間が5分程度と短くても、入場改札処理と出場改札処理の間隔が決済IDの有効期間より長くても、2次元コードによる運賃計算及び決済を可能とすることができる。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
通信端末から送信される、要求元識別情報を含む第1の発行要求を受信し、また、前記第1の発行要求の受信後に、前記通信端末から送信される、前記要求元識別情報を含む第2の発行要求を受信する受信部と、
前記第1の発行要求に基づいて、動的条件を有する第1の決済識別情報及び乗車券識別情報を含む第1のサービス利用識別情報を発行し、また、前記第2の発行要求に基づいて、動的条件を有する第2の決済識別情報及び前記乗車券識別情報を含む第2のサービス利用識別情報を発行する発行部と、
前記通信端末に向けて前記第1のサービス利用識別情報を送信し、また、前記通信端末に向けて前記第2のサービス利用識別情報を送信する送信部と、
を備える決済支援サーバ。
[C2]
前記第1及び第2の決済識別情報は第1の動的条件を有し、前記乗車券識別情報は第2の動的条件を有する、[C1]の決済支援サーバ。
[C3]
前記第1及び第2の決済識別情報は有効期間を有し、
前記乗車券識別情報は有効期限を有し、
前記有効期限は、前記有効期間より長い期間を含む、[C1]の決済支援サーバ。
[C4]
前記第1及び第2のサービス利用識別情報は2次元コードである、[C1]の決済支援サーバ。
[C5]
決済支援サーバに対して、要求元識別情報を含む第1の発行要求を送信する第1の手順と、
前記第1の発行要求に対応して、前記決済支援サーバから発行される第1のサービス利用識別情報を受信する第2の手順と、
動的条件を有する第1の決済識別情報及び乗車券識別情報を含む前記第1のサービス利用識別情報を表示する第3の手順と、
前記決済支援サーバに対して、前記第1の発行要求の送信後に、前記要求元識別情報を含む第2の発行要求を送信する第4の手順と、
前記第2の発行要求に対応して、前記決済支援サーバから発行される第2のサービス利用識別情報を受信する第5の手順と、
動的条件を有する第2の決済識別情報及び前記乗車券識別情報を含む前記第2のサービス利用識別情報を表示する第6の手順と、をコンピュータに実行させる決済支援プログラム。
[C6]
決済支援サーバ、入場改札口に設置される第1の改札機、出場改札口に設置される第2の改札機、及び入出場管理サーバを備える決済支援システムであって、
前記決済支援サーバは、
通信端末から送信される、要求元識別情報を含む第1の発行要求を受信し、また、前記第1の発行要求の受信後に、前記通信端末から送信される、前記要求元識別情報を含む第2の発行要求を受信する受信部と、
前記第1の発行要求に基づいて、動的条件を有する第1の決済識別情報及び乗車券識別情報を含む第1のサービス利用識別情報を発行し、また、前記第2の発行要求に基づいて、動的条件を有する第2の決済識別情報及び前記乗車券識別情報を含む第2のサービス利用識別情報を発行する発行部と、
前記通信端末に向けて前記第1のサービス利用識別情報を送信し、また、前記通信端末に向けて前記第2のサービス利用識別情報を送信する送信部と、
を備え、
前記第1の改札機は、
前記通信端末により表示される前記第1のサービス利用識別情報を読み取る第1の読取り部と、
前記第1のサービス利用識別情報及び入場情報を送信する第1の通信部と、
を備え、
前記第2の改札機は、
前記通信端末により表示される前記第2のサービス利用識別情報を読み取る第2の読取り部と、
前記第2のサービス利用識別情報及び出場情報を送信する第2の通信部と、
を備え、
前記入出場管理サーバは、
前記第1のサービス利用識別情報及び前記入場情報と、前記第2のサービス利用識別情報及び前記出場情報とを受信する第3の通信部と、
前記第1のサービス利用識別情報に含まれる前記乗車券識別情報と、前記第2のサービス利用識別情報に含まれる前記乗車券識別情報とに基づき、前記入場情報と前記出場情報を関連付ける情報処理部と、
を備える、決済支援システム。
[C7]
前記情報処理部は、前記入場情報及び前記出場情報に基づく運賃を算出する、[C6]の決済支援システム。
[C8]
前記情報処理部は、前記第2のサービス利用識別情報に含まれる前記第2の決済識別情報に対して前記運賃を請求する、[C7]の決済支援システム。
[C9]
プロセッサ、メモリ、及びディスプレイを備えるコンピュータにより表示されるサービス利用識別情報のデータ構造であって、
第1の動的条件を有する決済識別情報と、
第2の動的条件を有する乗車券識別情報と、
を含み、
前記第1の動的条件は、有効期間であり、
前記第2の動的条件は、有効期限であり、
前記有効期限は、前記有効期間より長い期間を含むサービス利用識別情報のデータ構造。
【符号の説明】
【0077】
1…決済サーバ
2…中継サーバ
3…運賃計算サーバ
4…改札機
5…通信端末
11…決済サーバ
12…決済サーバ
21…プロセッサ
24…補助記憶デバイス
25…通信部
31…プロセッサ
34…補助記憶デバイス
35…通信部
41…プロセッサ
44…補助記憶デバイス
45…通信部
46…情報出力部
47…入出場制御機構
49…無線リーダライタ
51…プロセッサ
54…補助記憶デバイス
55…通信部
56…情報入力部
57…情報出力部
111…プロセッサ
114…補助記憶デバイス
115…通信部
121…プロセッサ
124…補助記憶デバイス
125…通信部