(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】波形測定器、及び波形測定器による再演算方法
(51)【国際特許分類】
G01R 13/20 20060101AFI20240105BHJP
G01R 13/34 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
G01R13/20 R
G01R13/34 E
(21)【出願番号】P 2020061715
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2022-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596157780
【氏名又は名称】横河計測株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100188307
【氏名又は名称】太田 昌宏
(74)【代理人】
【識別番号】100164471
【氏名又は名称】岡野 大和
(72)【発明者】
【氏名】中山 悦郎
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-099128(JP,A)
【文献】国際公開第2010/035646(WO,A1)
【文献】特開2013-007616(JP,A)
【文献】特開2007-093523(JP,A)
【文献】特開2014-169914(JP,A)
【文献】特開2012-053055(JP,A)
【文献】特開2015-025807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 13/00-13/42、
23/00-23/20、
31/00-31/01、
31/24-31/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンネル
1の測定値に係るデータを取り込む
第1の入力アンプ
と、チャンネル2の測定値に係るデータを取り込む第2の入力アンプと、
前記
第1の入力アンプと前記第2の入力アンプにより取り込まれた2つのチャンネルの測定値に係るデータに対してリアルタイム演算を行う演算回路と、
サンプリングした前記2つのチャンネルの測定値に係るデータを格納するメモリと、
前記メモリに格納されたデータを前記演算回路に入力し、前記演算回路により前記2つのチャンネルの測定値に係るデータに対する再演算を行うメモリリードコントローラと、
前記再演算により得た演算結果を表示する表示器と、
を備え
、
前記再演算は、入力波形に対する通過帯域周波数を変更してフィルタ演算を行うことである波形測定器。
【請求項2】
請求項1に記載の波形測定器であって、
前記再演算を行う対象は、ユーザにより指定された区間のデータである波形測定器。
【請求項3】
2つのチャンネルの測定値に係るデータを取り込むステップと、
演算回路により前記2つのチャンネルの測定値に係るデータに対してリアルタイム演算を行うステップと、
サンプリングした前記2つのチャンネルの測定値に係るデータをメモリに格納するステップと、
メモリリードコントローラが前記メモリに格納されたデータを前記演算回路に入力して前記2つのチャンネルの測定値に係るデータに対する再演算を行うステップと、
前記再演算により得た演算結果を表示するステップと、
を含
み、
前記再演算は、入力波形に対する通過帯域周波数を変更してフィルタ演算を行うことである波形測定器による再演算方法。
【請求項4】
請求項3に記載の再演算方法であって、
前記再演算を行う対象は、ユーザにより指定された範囲のデータである、波形測定器による再演算方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、波形測定器、及び波形測定器による再演算方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オシロスコープ等の波形測定器では、データ取り込みを行いながら、同時にリアルタイムに取り込んだデータから演算を行い、演算結果を記録及び表示している(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の波形測定器では、リアルタイムで演算処理を行うのみであり演算パラメータを変更して再演算することはできなかった。すなわち、波形測定器の演算機能には改善の余地があった。
【0005】
そこで本開示は、再演算を行うことを可能にし、波形測定器の演算機能を改善できる波形測定器、及び波形測定器による再演算方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの実施形態に係る波形測定器は、
リアルタイム演算を行う演算回路と、
サンプリングしたデータを格納するメモリと、
前記メモリに格納されたデータを前記演算回路に入力し、前記演算回路により再演算を行うメモリリードコントローラと、
前記再演算により得た演算結果を表示する表示器と、
を備える。
【0007】
このように、幾つかの実施形態に係る波形測定器は、メモリリードコントローラがメモリに格納されたデータを演算回路に再度入力し、演算回路に再演算をさせる。そのためかかる波形測定器によれば、リアルタイムに演算を行うだけでなく、再演算を行うことができる。すなわち幾つかの実施形態に係る波形測定器によれば、波形測定器の演算機能を改善することができる。
【0008】
一実施形態において、前記再演算を行う対象は、ユーザにより指定された範囲のデータであってもよい。
【0009】
このように、再演算の対象をユーザにより指定された範囲のデータとすることで、所望の範囲のデータのみ再演算でき、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0010】
幾つかの実施形態に係る波形測定器による再演算方法は、
演算回路によりリアルタイム演算を行うステップと、
サンプリングしたデータをメモリに格納するステップと、
メモリリードコントローラが前記メモリに格納されたデータを前記演算回路に入力して再演算を行うステップと、
前記再演算により得た演算結果を表示するステップと、
を含む。
【0011】
このように、幾つかの実施形態に係る波形測定器による再演算方法は、メモリリードコントローラがメモリに格納されたデータを演算回路に再度入力し、演算回路に再演算をさせる。そのためかかる方法によれば、リアルタイムに演算を行うだけでなく、再演算を行うことができる。すなわち幾つかの実施形態に係る波形測定器の再演算方法によれば、波形測定器の演算機能を改善することができる。
【0012】
一実施形態において、前記再演算を行う対象は、ユーザにより指定された範囲のデータであってもよい。
【0013】
このように、再演算の対象を、ユーザにより指定された範囲のデータとすることで、所望の範囲のデータのみ再演算でき、ユーザの利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示に係る波形測定器及び再演算方法によれば、波形測定器により再演算を行うことを可能にし、波形測定器の演算機能を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】比較例に係る波形測定器のブロック図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る波形測定器を示すブロック図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る波形測定器により表示される波形及び演算結果である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る波形測定器による再演算方法を示すフローチャートである。
【
図5】本開示の一実施形態に係る波形測定器により表示される波形及び再演算結果である。
【
図6】本開示の一実施形態に係る波形測定器による他の再演算結果の概要である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(比較例)
最初に比較例に係る波形測定器について説明し、その問題点について述べる。
【0017】
図1は、比較例に係る波形測定器100のブロック図である。比較例に係る波形測定器100は、入力アンプ101と、入力アンプ111と、A/D変換器102と、A/D変換器112と、メモリライトコントローラ103と、演算回路104と、メモリ105と、表示波形生成回路106と、表示器107とを備える。
【0018】
入力アンプ101は、チャンネル1(以下、CH1ともいう)の測定値に係るデータを取り込み、当該データを正規化する。具体的には入力アンプ101は、CH1の測定値に係るデータに相当するアナログ入力信号を受け付け、アナログ入力信号の振幅がA/D変換器102の入力仕様に対し適切な範囲になるように正規化(調整)する。そして入力アンプ101は、正規化後のアナログ入力信号をA/D変換器102に出力する。
【0019】
入力アンプ111は、チャンネル2(以下、CH2ともいう)の測定値に係るデータを取り込み、当該データを正規化する。具体的には入力アンプ111は、CH2の測定値に係るデータに相当するアナログ入力信号を受け付け、アナログ入力信号の振幅がA/D変換器112の入力仕様に対し適切な範囲になるように正規化(調整)する。そして入力アンプ111は、正規化後のアナログ入力信号をA/D変換器112に出力する。
【0020】
A/D変換器102は、入力アンプ101から受け取った正規化後のアナログ入力信号をデジタルデータに変換して、メモリライトコントローラ103及び演算回路104に出力する。A/D変換器112は、入力アンプ111から受け取った正規化後のアナログ入力信号をデジタルデータに変換して、メモリライトコントローラ103及び演算回路104に出力する。
【0021】
メモリライトコントローラ103は、A/D変換器102及びA/D変換器112から受け取ったデジタルデータを、所定のサンプルレートでメモリ105に書き込む。所定のサンプルレートは、ユーザが設定した時間軸設定に適合するサンプルレートである。
【0022】
演算回路104は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU(central processing unit)若しくはGPU(graphics processing unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(field-programmable gate array)又はASIC(application specific integrated circuit)である。演算回路104は、あらかじめ設定されている演算処理に基づき、A/D変換器102及びA/D変換器112から受け取ったデータに対してリアルタイム演算を行う。演算回路104は、演算結果に係るデータをメモリライトコントローラ103に出力する。メモリライトコントローラ103は、当該演算結果に係るデータをメモリ105に格納する。
【0023】
メモリ105には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM(random access memory)又はROM(read only memory)である。RAMは、例えば、SRAM(static random access memory)又はDRAM(dynamic random access memory)である。ROMは、例えば、EEPROM(electrically erasable programmable read only memory)である。メモリ105は、例えばバッファメモリとして機能するメモリであり、サンプリングしたデータを格納する。
【0024】
表示波形生成回路106は、メモリ105に格納されたデジタルデータ及び演算結果に係るデータに基づき、表示波形に係るデータ(以下、波形表示データともいう)を生成する回路である。当該回路は、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。表示波形生成回路106は、生成した波形表示データを、表示器107により表示する。
【0025】
表示器107には、少なくとも1つの表示出力用インタフェースが含まれる。表示出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイである。ディスプレイは、例えば、LCD(liquid crystal display)又は有機EL(electro luminescence)ディスプレイである。表示器16は、波形測定器100の動作によって得られるデータを表示出力する。表示器107は、ユーザからの入力を受付可能なタッチパネルと一体的に設けられてもよい。表示器107は、表示波形生成回路106の制御に基づき、波形表示データを表示する。
【0026】
ここで比較例に係る波形測定器100は、演算回路104があらかじめ設定されている演算処理に基づき、A/D変換器102及びA/D変換器112から受け取ったデータに対してリアルタイム演算を行う。しかし比較例に係る波形測定器100は、メモリ105に格納されたデータを再度、演算回路104に読み込ませる仕組みがなかったため、演算パラメータを変更して再演算することはできなかった。
【0027】
(本開示の波形測定器)
本開示は上述の問題点に鑑み、再演算を行うことを可能にし、波形測定器の演算機能を改善できる波形測定器及び波形測定器による再演算方法を提供することを目的とする。以下では、本開示の一実施形態に係る波形測定器及び波形測定器による再演算方法について、添付図面を参照して説明する。
【0028】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0029】
図2は、本開示の一実施形態に係る波形測定器200のブロック図である。本開示の一実施形態に係る波形測定器200は例えばデジタルオシロスコープである。本開示の一実施形態に係る波形測定器200は、入力アンプ201と、入力アンプ211と、A/D変換器202と、A/D変換器212と、メモリライトコントローラ203と、演算回路204と、メモリ205と、表示波形生成回路206と、表示器207と、メモリリードコントローラ208とを備える。
【0030】
入力アンプ201は、CH1の測定値に係るデータを取り込み、当該データを正規化する。具体的には入力アンプ201は、CH1の測定値に係るデータに相当するアナログ入力信号を受け付け、アナログ入力信号の振幅がA/D変換器202の入力仕様に対し適切な範囲になるように正規化(調整)する。そして入力アンプ201は、正規化後のアナログ入力信号をA/D変換器202に出力する。
【0031】
入力アンプ211は、CH2の測定値に係るデータを取り込み、当該データを正規化する。具体的には入力アンプ211は、CH2の測定値に係るデータに相当するアナログ入力信号を受け付け、アナログ入力信号の振幅がA/D変換器212の入力仕様に対し適切な範囲になるように正規化(調整)する。そして入力アンプ211は、正規化後のアナログ入力信号をA/D変換器212に出力する。
【0032】
A/D変換器202は、入力アンプ201から受け取った正規化後のアナログ入力信号をデジタルデータに変換して、メモリライトコントローラ203及び演算回路204に出力する。A/D変換器212は、入力アンプ211から受け取った正規化後のアナログ入力信号をデジタルデータに変換して、メモリライトコントローラ203及び演算回路204に出力する。
【0033】
メモリライトコントローラ203は、A/D変換器202及びA/D変換器212から受け取ったデジタルデータを、所定のサンプルレートでメモリ205に書き込む。所定のサンプルレートは、ユーザが設定した時間軸設定に適合するサンプルレートである。
【0034】
演算回路204は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの組み合わせが含まれる。プロセッサは、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。演算回路204は、あらかじめ設定されている演算処理に基づき、A/D変換器202及びA/D変換器212から受け取ったデータに対してリアルタイム演算を行う。演算回路204は、演算結果に係るデータをメモリライトコントローラ203に出力する。メモリライトコントローラ203は、当該演算結果に係るデータをメモリ205に格納する。
【0035】
メモリ205には、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせが含まれる。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。メモリ205は、例えばバッファメモリとして機能するメモリである。
【0036】
表示波形生成回路206は、メモリ105に格納されたデジタルデータ及び演算結果に係るデータに基づき、波形表示データを生成する回路である。当該回路は、CPU若しくはGPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。表示波形生成回路206は、生成した波形表示データを、表示器207により表示する。
【0037】
表示器207には、少なくとも1つの表示出力用インタフェースが含まれる。表示出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。表示器207は、波形測定器200の動作によって得られるデータを表示出力する。表示器207は、ユーザからの入力を受付可能なタッチパネルと一体的に設けられてもよい。表示器207は、表示波形生成回路206の制御に基づき、波形表示データを表示する。
【0038】
図3は、本開示の一実施形態に係る波形測定器200により表示される波形及び演算結果の一例である。
図3に示すように、CH1の測定データ、CH2の測定データ、及び演算結果に係る波形表示データが表示される。ここでは、演算結果の一例として、CH1-CH2、すなわちCH1からCH2を減算した結果が表示されている。
【0039】
図2を再び参照し、メモリリードコントローラ208は、メモリ205に格納されたデジタルデータを読み出し、当該デジタルデータを演算回路204に出力する回路である。メモリリードコントローラ208は、メモリ205に格納されたデジタルデータを順次読み出し、かかるデジタルデータに基づき演算回路204に再演算を実行させる。演算回路204は、再演算により得られた演算結果を、メモリライトコントローラ203に出力する。メモリライトコントローラ203は、再演算により得られた演算結果をメモリ205に格納する。表示器207は、当該再演算により得た演算結果を、表示波形生成回路206の制御により表示する。
【0040】
図4乃至
図6を参照して、本開示の一実施形態に係る波形測定器200の動作を説明する。
図4は、本開示の一実施形態に係る波形測定器200による再演算方法の一例を示すフローチャートである。
【0041】
はじめに、波形測定器200のメモリライトコントローラ203は、A/D変換器202及びA/D変換器212から受け取ったデジタルデータを、所定のサンプルレートでメモリ205に書き込む(ステップS10)。
【0042】
次にメモリリードコントローラ208は、メモリ205に格納されたデジタルデータを読み出し、演算回路204に入力する(ステップS20)。
【0043】
続いて演算回路204は、メモリリードコントローラ208から受け取ったデジタルデータに基づき、再演算を行う(ステップS30)。演算回路204で行う再演算の内容は、適宜ユーザが定める。演算回路204は再演算により得られた演算結果を、メモリライトコントローラ203に出力する。メモリライトコントローラ203は、再演算により得られた演算結果をメモリ205に格納する。
【0044】
続いて表示器207は、上述の再演算により得た演算結果を、表示波形生成回路206の制御により表示する(ステップS40)。そしてプロセスは終了する。
【0045】
図5は、本開示の一実施形態に係る波形測定器200により表示される波形及び再演算結果の一例である。
図5に示すように、CH1の測定データ、CH2の測定データ、及び再演算結果に係る波形表示データが表示される。ここでは、再演算の内容をCH1-1.2*CH2、すなわちCH1からCH2に1.2を乗算する処理として、ユーザが設定したとする。演算回路204は、当該設定と、メモリ205に格納されたデータとに基づき、再演算を行う。
図5に示すように、当該再演算の結果が波形測定器200により表示される。
【0046】
図6は、本開示の一実施形態に係る波形測定器200による他の再演算結果の概要の一例である。ここでは入力波形に対して演算回路204が通過帯域周波数を変更して、フィルタ演算する場合を示す。例えばある周波数f1を通過帯域周波数としてフィルタ演算した結果が演算結果61であるとする。同一の入力波形に対して通過帯域周波数をf2(f2>f1とする)に変更して再演算する場合、再演算の内容をフィルタ演算、通過帯域周波数をf2としてユーザが設定する。演算回路204は、当該設定と、メモリ205に格納されたデータとに基づき、再演算を行う。当該再演算の結果として、再演算結果62が波形測定器200により表示される。同様に、通過帯域周波数をf3、f4等に変更することにより、再演算結果63、64がそれぞれ波形測定器200により表示される。
【0047】
このように、本開示の一実施形態に係る波形測定器200は、メモリリードコントローラ208がメモリ205に格納されたデータを演算回路204に入力し、演算回路204に再演算をさせる。そのため本開示の一実施形態に係る波形測定器200によれば、リアルタイムに演算を行うだけでなく、再演算を行うことができる。すなわち本開示の一実施形態によれば、波形測定器200の演算機能を改善することができる。
【0048】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0049】
例えば演算回路204により再演算するデータの範囲を指定できるようにしてもよい。具体的には再演算をする際に、演算するデータの区間をユーザに指定させてもよい。換言すると、再演算を行う対象は、ユーザにより指定された区間のデータであってもよい。このようにすることで、所望の区間等のデータのみ再演算でき、ユーザの利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0050】
100 波形測定器
101、111 入力アンプ
102、112 A/D変換器
103 メモリライトコントローラ
104 演算回路
105 メモリ
106 表示波形生成回路
107 表示器
200 波形測定器
201、211 入力アンプ
202、212 A/D変換器
203 メモリライトコントローラ
204 演算回路
205 メモリ
205 演算回路
206 メモリリードコントローラ
206 表示波形生成回路
207 表示器
207 表示部
208 メモリリードコントローラ
61~64 演算結果