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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/04 20230101AFI20240105BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20240105BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20240105BHJP
   H01L 23/31 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
H01L23/30 F
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020156329
(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公開番号】P2022049992
(43)【公開日】2022-03-30
【審査請求日】2022-06-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】長内 俊英
【審査官】山口 祐一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-056531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/04
H01L 23/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、
前記発光素子に光結合された受光素子と、
前記受光素子に電気的に接続されたスイッチング素子と、
前記受光素子の裏面側および前記スイッチング素子の裏面側に設けられた第1樹脂層と、
前記第1樹脂層の表面側に、前記発光素子、前記受光素子および前記スイッチング素子を封じた第2樹脂層と、
前記第1樹脂層の裏面側に設けられ、前記発光素子に電気的に接続された入力側端子と、
前記第1樹脂層の裏面側において、前記入力側端子から離間して設けられ、前記スイッチング素子に電気的に接続された出力側端子と、
を備え、
前記発光素子は、前記受光素子の表面側に接合され、
前記第1樹脂層の上面視において、前記出力側端子の一部と前記受光素子が重なる半導体装置。
【請求項2】
前記受光素子は、前記第1樹脂層の上面視において、前記入力側端子の一部に重なる請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1樹脂層の表面側に設けられ、前記発光素子に金属ワイヤを介して電気的に接続されたボンディングパッドと、
前記第1樹脂層を前記裏面から前記表面に向かう第1方向に貫通し、前記ボンディングパッドと前記入力側端子とを電気的に接続した第1ビアコンタクトと、
前記第1樹脂層と前記スイッチング素子との間に設けられ、前記スイッチング素子に電気的に接続された第1マウントパッドと、
前記第1樹脂層を前記第1方向に貫通し、前記スイッチング素子と前記出力側端子を電気的に接続した第2ビアコンタクトと、
をさらに備えた請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1樹脂層は、前記第1方向の厚さが50マイクロメートル以下である請求項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第1樹脂層と前記受光素子との間に設けられた第2マウントパッドをさらに備えた請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記受光素子上に前記発光素子を封じた第3樹脂層をさらに備え、
前記第2樹脂層は、前記第3樹脂層を覆う請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記スイッチング素子は、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極を有するMOSトランジスタであり、
前記受光素子は、前記ソース電極と前記ゲート電極との間に電気的に接続され、前記出力側端子は、前記ドレイン電極に電気的に接続される請求項1~のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記発光素子は、第1電極と第2電極とを有し、
前記スイッチング素子は、前記第1樹脂層上に複数設けられ、
前記入力側端子および前記出力側端子は、それぞれ複数設けられ、
前記複数の入力側端子のうちの、第1入力側端子は、前記第1電極に接続され、第2入力側端子は、前記第2電極に電気的に接続され、
前記複数の出力側端子のうちの、第1出力側端子は、前記複数のスイッチング素子のうちの第1スイッチング素子に電気的に接続され、第2出力側端子は、第2スイッチング素子に電気的に接続され、
前記第1樹脂層の上面視において、前記複数の出力側端子の少なくともいずれか1つの一部と、前記受光素子と、が重なる請求項1~7のいずれか1つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスエポキシ基板上に樹脂封止された半導体チップを有する半導体装置がある。このような半導体装置では、半導体チップを外部回路に接続する端子は、ガラスエポキシ基板の裏面に設けられる。このため、ガラスエポキシ基板内に、半導体チップと端子とを電気的に接続する中間配線が設けられる。一方、半導体チップを高速で動作させるためには、半導体チップと端子とを電気的に接続する中間配線を短くすることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-56531号公報
【文献】特開2010-34103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、半導体チップの高周波透過特性を高める半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、発光素子と、前記発光素子に光結合された受光素子と、前記受光素子に電気的に接続されたスイッチング素子と、前記受光素子の裏面側および前記スイッチング素子の裏面側に設けられた第1樹脂層と、前記第1樹脂層の表面側に、前記発光素子、前記受光素子および前記スイッチング素子を封じた第2樹脂層と、前記第1樹脂層の裏面側に設けられ、前記発光素子に電気的に接続された入力側端子と、前記第1樹脂層の裏面側において、前記入力側端子から離間して設けられ、前記スイッチング素子に電気的に接続された出力側端子と、を備える。前記発光素子は、前記受光素子の表面側に接合され、前記第1樹脂層の上面視において、前記出力側端子の一部と前記受光素子が重なる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係る半導体装置を示す模式断面図である。
図2】第1実施形態に係る半導体装置を示す模式図である。
図3】第1実施形態に係る半導体装置の入力側端子および出力側端子を示す模式平面図である。
図4】第1実施形態の変形例に係る半導体装置を示す模式断面図である。
図5】第1実施形態の別の変形例に係る半導体装置を示す模式断面図である。
図6】第2実施形態に係る半導体装置を示す模式断面図である。
図7】第2実施形態に係る半導体装置を示す模式平面図である。
図8】第2実施形態に係る半導体装置の製造過程を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施の形態について図面を参照しながら説明する。図面中の同一部分には、同一番号を付してその詳しい説明は適宜省略し、異なる部分について説明する。なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
【0008】
さらに、各図中に示すX軸、Y軸およびZ軸を用いて各部分の配置および構成を説明する。X軸、Y軸、Z軸は、相互に直交し、それぞれX方向、Y方向、Z方向を表す。また、Z方向を上方、その反対方向を下方として説明する場合がある。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体装置1を示す模式断面図である。半導体装置1は、例えば、フォトリレーである。
【0010】
半導体装置1は、発光素子20と、受光素子30と、スイッチング素子40と、を含む。発光素子20は、例えば、発光ダイオードである。受光素子30は、例えば、シリコン基板上に設けられた複数のフォトダイオードを含む。スイッチング素子40は、例えば、MOSトランジスタである。
【0011】
図1に示すように、発光素子20は、受光素子30上にマウントされる。発光素子20は、受光素子30の表面上に、例えば、透明接着層を介して接合される。発光素子20は、例えば、裏面側に光を放出し、裏面を受光素子30に向けてマウントされる。
【0012】
受光素子30およびスイッチング素子40は、樹脂層10上にマウントされる。樹脂層10は、受光素子30の裏面側およびスイッチング素子40の裏面側に設けられる。樹脂層10は、例えば、ポリイミド層である。樹脂層10の裏面から表面に向かう方向(Z方向)における厚さは、例えば、50マイクロメートル以下である。
【0013】
樹脂層10の表面上には、マウントパッド11と、ボンディングパッド13と、マウントパッド15とが設けられる。マウントパッド11、ボンディングパッド13およびマウントパッド15は、相互に離間して配置される。マウントパッド11は、例えば、ボンディングパッド13とマウントパッド15との間に設けられる。マウントパッド11、ボンディングパッド13およびマウントパッド15は、例えば、銅を含む。
【0014】
発光素子20は、金属ワイヤMWを介して、ボンディングパッド13に電気的に接続される。受光素子30は、例えば、ダイアタッチフィルム等の接着層(図示しない)を介して、マウントパッド11上にマウントされる。スイッチング素子40は、例えば、導電性ペースト(図示しない)を介して、マウントパッド15上にマウントされる。
【0015】
マウントパッド11は、樹脂層10と受光素子30との間に設けられる。マウントパッド15は、樹脂層10とスイッチング素子40との間に設けられる。
【0016】
発光素子20は、受光素子30上に樹脂層55により封じられる。樹脂層55は、例えば、シリコーンを含む。樹脂層55は、例えば、ポッティング法を用いて、受光素子30上に形成される。
【0017】
受光素子30およびスイッチング素子40は、樹脂層10の上に樹脂層50により封じられる。樹脂層50は、樹脂層55を覆うように設けられる。樹脂層50は、例えば、ポリイミド層またはエポキシ樹脂である。
【0018】
樹脂層10の裏面上には、入力側端子17と、出力側端子19とが設けられる。入力側端子17および出力側端子19は、相互に離間して設けられる。入力側端子17は、樹脂層10の一部を介してボンディングパッド13に向き合う。出力側端子19は、樹脂層10の別の一部を介してマウントパッド15に向き合う。
【0019】
樹脂層10は、ボンディングパッド13と入力側端子17との間に設けられたビアコンタクトVc1と、マウントパッド15と出力側端子19との間に設けられたビアコンタクトVc2と、を含む。入力側端子17は、樹脂層10をZ方向に貫くビアコンタクトVc1を介して、ボンディングパッド13に電気的に接続される。出力側端子19は、樹脂層10をZ方向に貫くビアコンタクトVc2を介して、マウントパッド15に電気的に接続される。
【0020】
発光素子20は、金属ワイヤMW、ボンディングパッド13およびビアコンタクトVc1を介して入力側端子17に電気的に接続される。また、スイッチング素子40は、マウントパッド15およびビアコンタクトVc2を介して出力側端子19に電気的に接続される。
【0021】
ビアコンタクトVc1およびVc2は、例えば、樹脂層10のZ方向の厚さと同じZ方向の長さを有する。樹脂層10の厚さは、50μm以下であり、ボンディングパッド13と入力側端子17との間は、ビアコンタクトVc1の長さで電気的に接続される。また、スイッチング素子40と出力側端子19との間も、ビアコンタクトVc2の長さで電気的に接続される。これにより、樹脂層10中の配線長に起因する寄生インダクタンスを低減し、半導体装置1を高速で動作させることができる。
【0022】
さらに、入力側端子17は、Z方向に見て、受光素子30と重なる部分を含む。すなわち、樹脂層10は、入力側端子17の一部と、受光素子30と、の間に位置する部分を含む。
【0023】
例えば、発光素子20および受光素子30に金属ワイヤMWを超音波ボンディングする際に、樹脂層10により超音波が吸収され、ボンディングに必要な超音波の強度が得られない場合がある。このため、ボンディング強度が不十分となり、半導体装置1の信頼性が低下する場合がある。
【0024】
本実施形態では、入力側端子17の一部と受光素子30とを重複させ、入力側端子17から受光素子30へ効率良く超音波が伝わるように構成される。これにより、金属ワイヤMWのボンディング強度を高くすることが可能となり、半導体装置1の信頼性を向上させることができる。
【0025】
図2は、第1実施形態に係る半導体装置1を示す模式図である。図2は、樹脂層10の表面上のレイアウトを示す平面図および等価回路図である。
【0026】
図2に示すように、半導体装置1は、ボンディングパッド13aおよび13b、スイッチング素子40aおよび40bを含む。ボンディングパッド13aおよび13bは、入力側端子17aおよび17b(図3(a)参照)にそれぞれ電気的に接続される。スイッチング素子40aおよび40bは、出力側端子19aおよび19b(図2(b)参照)にそれぞれ電気的に接続される。なお、本明細書では、ボンディングパッド13aおよび13bを総称して、ボンディングパッド13と説明する場合がある。他の構成要素についても同様である。
【0027】
発光素子20は、第1電極23と、第2電極25と、を有する。第1電極23は、例えば、p電極である。第2電極25は、例えば、n電極である。第1電極23は、金属ワイヤMW1を介して、ボンディングパッド13aに電気的に接続される。第2電極25は、金属ワイヤMW2を介して、ボンディングパッド13bに電気的に接続される。
【0028】
受光素子30は、例えば、カソード端子31aおよび31bと、アノード端子33aおよび33bと、を有する。また、スイッチング素子40aは、例えば、ソース電極41aおよびゲート電極43aを有する。スイッチング素子40bは、例えば、ソース電極41bおよびゲート電極43bを有する。
【0029】
スイッチング素子40aおよび40bは、樹脂層10上において、Y方向に並ぶ。受光素子30において、カソード端子31aおよびアノード端子33aは、Y方向の一方の端に設けられ、カソード端子31bおよびアノード端子33bは、Y方向の他方の端に設けられる。
【0030】
受光素子30のカソード端子31aは、金属ワイヤMW3を介して、第1スイッチング素子40aのソース電極41aに電気的に接続される。受光素子30のアノード端子33aは、金属ワイヤMW4を介して、第1スイッチング素子40aのゲート電極43aに電気的に接続される。
【0031】
受光素子30のカソード端子31bは、金属ワイヤMW5を介して、第2スイッチング素子40bのソース電極41bに電気的に接続される。受光素子30のアノード端子33bは、金属ワイヤMW6を介して、第2スイッチング素子40bのゲート電極43bに電気的に接続される。
【0032】
第1スイッチング素子40aのソース電極41aは、金属ワイヤMW7を介して、第2スイッチング素子40bのソース電極41bに電気的に接続される。
【0033】
半導体装置1では、入力側端子17aおよび17b(図3(a)参照)からボンディングパッド13aおよび13b、金属ワイヤMW1およびMW2を介して、発光素子20に、例えば、電流信号を入力する。発光素子20は、受光素子30に向けて入力された電流信号に対応する光信号を放射する。
【0034】
受光素子30は、例えば、フォトダイオードアレイ30aおよび制御回路30bを含む。フォトダイオードアレイ30aは、発光素子20の光信号を受け、制御回路30bに電圧信号を出力する。制御回路30bは、カソード端子31aおよびアノード端子33aを介して、第1スイッチング素子40aのゲート・ソース間に電圧信号を出力する。また、制御回路30bは、カソード端子31bおよびアノード端子33bを介して、第2スイッチング素子40bのゲート・ソース間に電圧信号を出力する。
【0035】
フォトダイオードアレイ30aは、発光素子20から放射される光信号を受けて、第1スイッチング素子40aおよび第2スイッチング素子40bのそれぞれのゲート・ソース間に所定の電圧を印加し、第1スイッチング素子40aおよび第2スイッチング素子40bをターンオンさせる。これにより、出力側端子19aと出力側端子19bとの間は、電気的に導通する。
【0036】
本実施形態では、入力側端子17aとボンディングパッド13aとの間および入力側端子17bとボンディングパッド13bとの間の寄生インダクタンスを低減することができる。また、第1スイッチング素子40aと出力端子19aとの間および第2スイッチング素子40bと出力端子19bとの間の寄生インダクタンスを低減することができる。これにより、高周波変調された入力信号に対応する信号を第1スイッチング素子40aおよび第2スイッチング素子40bを介して出力することができる。
【0037】
図3(a)および(b)は、第1実施形態に係る半導体装置1の入力側端子および出力側端子を示す模式平面図である。図3(a)および(b)は、樹脂層10の裏面上に設けられた入力側端子17a、17b、出力側端子19aおよび19bを示している。また、図中に示す破線は、受光素子30の位置を表している。
【0038】
図3(a)に示すように、入力側端子17aおよび17bは、それぞれ、Z方向に見て、受光素子30と重なる部分を含む。これにより、発光素子20および受光素子30と、入力端子17の一部と、が樹脂層10を介してつながる。このため、金属ワイヤMW(図2(a)参照)のボンディング時において、例えば、ボンディングボールに供給される超音波が発光素子20の表面の各電極(図2参照)および受光素子30の各端子(図2参照)に伝わり、その振動により金属ワイヤを強固に圧着できる。
【0039】
図3(b)に示す例では、入力側端子17bは、Z方向に見て、受光素子30に重なる部分を含む。一方、入力側端子17aは、Z方向に見て、受光素子30に重ならないように設けられる。このように、入力側端子17aおよび17bのいずれか一方が、受光素子30に重なるように設けられても良い。
【0040】
図4(a)および(b)は、第1実施形態の変形例に係る半導体装置2を示す模式断面図である。図4(a)は、半導体装置2の模式断面図である。図4(b)は、樹脂層10の裏面上に設けられた入力側端子17a、17b、出力側端子19aおよび19bを示している。また、図中に示す破線は、受光素子30の位置を表している。
【0041】
図4(a)に示すように、半導体装置2では、入力側端子17および出力側端子19は、それぞれ、樹脂層10の裏面に沿って受光素子30の下方に延在するように設けられる。すなわち、樹脂層10は、入力側端子17と受光素子30との間に位置する部分と、出力側端子19と受光素子30との間に位置する別の部分と、を含む。
【0042】
図4(b)に示すように、入力側端子17aおよび17bは、それぞれ、Z方向に見て、受光素子30に重なるように設けられる。また、出力側端子19aおよび19bは、それぞれ、Z方向に見て、受光素子30と重なるように設けられる。
【0043】
なお、入力側端子17aおよび17bのいずれか一方が、Z方向に見て、受光素子30と重なるように設けられてもよい(図3(b)参照)。また、出力側端子19aおよび19bのいずれか一方が、Z方向に見て、受光素子30と重なるように設けられてもよい。
【0044】
図5(a)および(b)は、第1実施形態の別の変形例に係る半導体装置3を示す模式断面図である。図5(a)は、半導体装置3の模式断面図である。図5(b)は、樹脂層10の裏面上に設けられた入力側端子17a、17b、出力側端子19aおよび19bを示している。また、図中に示す破線は、受光素子30の位置を表している。
【0045】
図5(a)に示すように、半導体装置3では、出力側端子19が樹脂層10の裏面に沿って受光素子30の下方に延在するように設けられる。すなわち、樹脂層10は、出力側端子19と受光素子30との間に位置する部分を含む。
【0046】
図5(b)に示すように、入力側端子17aおよび17bは、Z方向に見て、受光素子30と重ならないように設けられる。出力側端子19aおよび19bは、それぞれ、Z方向に見て、受光素子30と重なるように設けられる。なお、出力側端子19aおよび19bのいずれか一方が、受光素子30と重なるように設けられてもよい。
【0047】
(第2実施形態)
図6は、第2実施形態に係る半導体装置4を示す模式断面図である。半導体装置4は、樹脂層10、入力側端子17および出力側端子19に代えて、樹脂層60、入力パッド70および出力パッド80を含む。
【0048】
樹脂層60は、入力パッド70と出力パッド80との間に設けられる。樹脂層60、入力パッド70および出力パッド80は、例えば、100μm以下のZ方向の厚さを有する。また、樹脂層60のZ方向の厚さは、入力パッド70および出力パッド80のそれぞれのZ方向の厚さよりも厚いことが好ましい。樹脂層60は、例えば、ポリイミド層である。入力パッド70および出力パッド80は、例えば、銅を含む金属板である。
【0049】
この例では、受光素子30は、例えば、図示しない接着層を介して、樹脂層60上にマウントされる。受光素子30は、例えば、マウントパッド63上にマウントされても良い。発光素子20は、受光素子30の表面上に、例えば、発光素子20から放射される光に対して透明な接着層(図示しない)を介して接合される。発光素子20は、例えば、金属ワイヤMWを介して、入力パッド70に電気的に接続される。
【0050】
スイッチング素子40は、出力パッド80上に、例えば、導電性ペースト(図示しない)を介してマウントされる。スイッチング素子40は、例えば、別の金属ワイヤMWを介して、受光素子30に電気的に接続される。
【0051】
発光素子20は、受光素子30の表面側に樹脂層55により封じられる。また、受光素子30およびスイッチング素子40は、樹脂層60上および出力パッド80上に樹脂層50により封じられる。樹脂層50は、樹脂層55を覆う。
【0052】
この例では、発光素子20につながる金属ワイヤMWを、入力パッド70に直接ボンディングする。また、スイッチング素子40を出力パッド80に直接マウントする。これにより、スイッチング素子40を通過する高周波信号の減衰を低減できる。
【0053】
図7(a)および(b)は、第2実施形態に係る半導体装置4を示す模式平面図である。図7(a)は、半導体装置4の表面側のレイアウトを示す平面図である。図7(b)は、半導体装置4の裏面側のレイアウトを示す平面図である。
【0054】
図7(a)に示すように、半導体装置4は、入力パッド70aおよび70b、スイッチング素子40aおよび40b、出力パッド80aおよび80bを含む。スイッチング素子40aおよび40bは、出力パッド80aおよび80bの上にそれぞれマウントされる。樹脂層60は、入力パッド70aと入力パッド70bの間、および、出力パッド80aと出力パッド80bとの間にも延在するように設けられる。
【0055】
発光素子20の第1電極23は、金属ワイヤMW1を介して、入力パッド70aに電気的に接続される。発光素子20の第2電極25は、金属ワイヤMW2を介して、入力パッド70bに電気的に接続される。
【0056】
受光素子30のカソード端子31aは、金属ワイヤMW3を介して、第1スイッチング素子40aのソース電極41aに電気的に接続される。受光素子30のアノード端子33aは、金属ワイヤMW4を介して、第1スイッチング素子40aのゲート電極43aに電気的に接続される。
【0057】
受光素子30のカソード端子31bは、金属ワイヤMW5を介して、第2スイッチング素子40bのソース電極41bに電気的に接続される。受光素子30のアノード端子33bは、金属ワイヤMW6を介して、第2スイッチング素子40bのゲート電極43bに電気的に接続される。
【0058】
第1スイッチング素子40aのソース電極41aは、金属ワイヤMW7を介して、第2スイッチング素子40bのソース電極41bに電気的に接続される。
【0059】
図7(b)に示すように、入力パッド70a、70b、出力パッド80aおよび80bは、裏面側において、樹脂層60から露出される。
【0060】
次に、図8(a)~(e)を参照して、半導体装置4の製造方法を説明する。図8(a)~(e)は、第2実施形態に係る半導体装置4の製造過程を示す模式断面図である。
【0061】
図8(a)に示すように、支持板100の上に、入力パッド70および出力パッド80を相互に離間させて配置する。出力パッド80は、例えば、表面側に溝SGを有する。入力パッド70および出力パッド80は、例えば、接着シート(図示しない)を介して、支持板上に固定される。支持板100は、例えば、ステンレス板である。
【0062】
図8(b)に示すように、入力パッド70と出力パッド80との間、入力パッド70aと70bとの間、および、出力パッド80aと80bとの間のスペースに樹脂層60を形成する。樹脂層60は、支持板100の表面側に、例えば、ポリイミドなどの樹脂を成形した後、入力パッド70と出力パッド80との間を充填した部分を残して、入力パッド70および出力パッド80の上に形成された樹脂を研削することにより形成される。樹脂層60は、例えば、トランスファー成形もしくはコンプレッション成形により形成される。また、樹脂層60は、例えば、ディスペンサを用いて、入力パッド70と出力パッド80との間のスペースに充填されても良い。
【0063】
図8(c)に示すように、樹脂層60の上に受光素子30をマウントし、出力パッド80の上にスイッチング素子40をマウントする。受光素子30は、例えば、その裏面側に貼り付けられたダイアタッチフィルム(図示しない)を介してマウントされる。スイッチング素子40は、例えば、出力パッド80の表面に塗布された導電性ペースト45を介してマウントされる。溝SGは、例えば、導電性ペースト45がスイッチング素子40の外側に広がることを防ぐ。
【0064】
さらに、発光素子20は、例えば、放射光に対して透明な接着剤(図示しない)を介して受光素子30上に接合される。続いて、金属ワイヤMWにより、発光素子20と入力パッド70とを電気的に接続し、受光素子30とスイッチング素子40とを電気的に接続する。
【0065】
図8(d)に示すように、樹脂層55により、発光素子20を受光素子30上に封じる。樹脂層55は、例えば、ディスペンサを用いて、受光素子30上にポッティングされる。
【0066】
その後、発光素子20、受光素子30およびスイッチング素子40を覆う樹脂層50を成形する。出力パッド80に溝SGを設けることにより、導電性ペースト45がスイッチング素子40の外側に広ることを防ぐ。これにより、樹脂層50と出力パッド80との間に導電性ペースト45が介在することを回避し、樹脂層50と出力パッド80との間の密着性を向上させることができる。
【0067】
図8(e)に示すように、樹脂層50を硬化させた後、支持板100を剥離する。半導体装置4の裏面側には、入力パッド70および出力パッド80が露出される(図7(b)参照)。
【0068】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0069】
(付記1)
発光素子と、
前記発光素子に光結合された受光素子と、
前記受光素子に電気的に接続されたスイッチング素子と、
前記発光素子に電気的に接続された第1金属板と、
前記受光素子の裏面側に接続された第1樹脂層と、
前記スイッチング素子の裏面側に電気的に接続された第2金属板と、
前記発光素子、前記受光素子および前記スイッチング素子を封じた第2樹脂層と、
を備え、
前記発光素子は、前記受光素子の表面側に接合され、
前記第1樹脂層は、前記第1金属板と前記第2金属板との間に設けられ、
前記第2樹脂層は、前記第1金属板、前記第1樹脂層および前記第2金属板のそれぞれの表面側において、前記発光素子、前記受光素子および前記スイッチング素子を覆い、
前記第1樹脂層の裏面側に、前記第1金属板および前記第2金属板のそれぞれの裏面を露出させた半導体装置。
【0070】
(付記2)
前記受光素子上において、前記発光素子を覆う第3樹脂をさらに備え、
前記第3樹脂は、前記第2樹脂と前記受光素子との間に設けられる付記1記載の半導体装置。
【0071】
(付記3)
第2金属板は、前記スイッチング素子側の表面に設けられた溝を有する付記1または2に記載の半導体装置。
【0072】
(付記4)
前記第1樹脂層の裏面から表面に向かう方向における前記第1樹脂層の厚さは、前記第1金属板および前記第2金属板の前記方向の厚さよりも厚い付記1~3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0073】
1、2、3、4…半導体装置、 10、50、55、60…樹脂層、 11、63…マウントパッド、 13、13a、13b…ボンディングパッド、 15…マウントパッド、 17、17a、17b…入力側端子、 19、19a、19b…出力側端子、 20…発光素子、 23…第1電極、 25…第2電極、 30…受光素子、 30a、30b…フォトダイオード、 31a、31b…アノード端子、 33a、33b…カソード端子、 40、40a、40b…スイッチング素子、 41a、41b…ソース電極、 43a、43b…ゲート電極、 45…導電性ペースト、 70、70a、70b…入力パッド、 80、80a、80b…出力パッド、 100…支持板、 MW、MW1~MW7…金属ワイヤ、 SG…溝、 Vc1、Vc2…ビアコンタクト
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8