(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】薬剤放出装置
(51)【国際特許分類】
A62C 13/76 20060101AFI20240105BHJP
A62C 27/00 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
A62C13/76 B
A62C27/00 508
(21)【出願番号】P 2020164295
(22)【出願日】2020-09-30
【審査請求日】2022-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】弁理士法人エビス国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100188547
【氏名又は名称】鈴野 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】志賀 法道
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-080707(JP,A)
【文献】特開平11-276614(JP,A)
【文献】実公昭35-028597(JP,Y1)
【文献】特表平08-505562(JP,A)
【文献】特開平11-091574(JP,A)
【文献】実開昭61-103367(JP,U)
【文献】登録実用新案第3067575(JP,U)
【文献】特開2010-268856(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 13/76
A62C 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災用薬剤を収納するタンクと、
圧力供給装置と、
前記タンクの内部に設けられ、前記圧力供給装置による圧力によって前記タンクの内部から外部へ前記火災用薬剤を送出する薬剤送出管と、
前記タンクを立てた際に、前記タンクの上部で側方へ向けて突出して設けられたハンドルと、下部に設けられた車輪と、
を備え、
前記ハンドルの突出する方向に前記タンクを倒した際に、前記車輪と前記ハンドルが前記タンクを支持し、
水平面上で前記車輪と前記ハンドルが前記タンクを支持した状態において、前記タンクの内面の最低部は、前記ハンドルに近い場所よりも前記車輪に近い場所が低くなり、
前記薬剤送出管は、前記タンクを倒した際に重さによって前記タンクの側方内面近傍に先端の取入れ口が近づくことにより、少量となった前記火災用薬剤を前記圧力によって前記取入れ口から取り入れて外部へ送出可能であることを特徴とする薬剤放出装置。
【請求項2】
前記薬剤送出管は、前記タンクを立てた際に上部に位置する基部管と、下部に位置して前記取入れ口を有する先端部管と、前記基部管と前記先端部管を回転自在に接続する回転機構と、を備え、
前記先端部管は曲折部を有し、
前記タンクを倒した際に、前記回転機構の回転により前記取入れ口が下方に移動することを特徴とする
請求項1
に記載された薬剤放出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災用の可搬式薬剤放出装置に関し、主に延焼しやすい建造物(例えば茅葺き屋根の家屋)に対して、近隣で火災が発生した際に、事前に薬剤をその建造物に放出することで、延焼を防止するために使用されるものである。また、直接、火災が発生している建造物等に薬剤を放出して消火装置としても使用可能なものである。
【背景技術】
【0002】
火災現場において、消火剤を火元に向けて放出する消火器などの薬剤放出装置が知られている。なお薬剤放出装置において可搬式としたものもあり、このタイプの薬剤放出装置は、消火剤等の薬剤を封入したタンクを搬送するために上部にハンドルを設け、下部に車輪を設けている。特許文献1の消火装置は可搬式薬剤放出装置の一種であって、搬送時以外は消火剤等の薬剤を封入したタンクを直立させて所定位置に立設される。火災現場等に可搬式薬剤放出装置を搬送する場合は、使用者が、ハンドルにより可搬式薬剤放出装置を傾斜させて、車輪を接地させる。そして、使用者がハンドルを持って押したり牽引したりして、車輪を回転させて可搬式薬剤放出装置を搬送する。使用時には、タンクを直立または傾斜させてホースを伸ばす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されたような可搬式薬剤放出装置は、タンク内部に真っすぐに延びたサイホン管を有しており、タンクを直立された状態で内部の薬剤を放出するのが一般的な使い方である。ところが、タンクを傾斜された状態で、薬剤を放出しようとすると、サイホン管が真っすぐに延びた構成であるため、タンク内の薬剤の全てを放出しきれず、タンク内に残る薬剤量が多くなってしまう。
【0005】
本発明は、消火活動時にタンクを傾斜または寝かせた状態で使用しても、タンクを垂直にして使用したときと同じように薬剤を使いきることができ、タンク内に残る薬剤量を減らすことができる薬剤放出装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、火災用薬剤を収納するタンクと、圧力供給装置と、前記タンクの内部に設けられ、前記圧力供給装置による圧力によって前記タンクの内部から外部へ前記火災用薬剤を送出する薬剤送出管と、を備え、前記薬剤送出管は、前記タンクを倒した際に重さによって前記タンクの側方内面近傍に先端の取入れ口が近づくことにより、少量となった前記火災用薬剤を前記圧力によって前記取入れ口から取り入れて外部へ送出可能であることを特徴とする薬剤放出装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、消火活動時にタンクを傾斜または寝かせた状態で使用しても、タンクを倒した際に重さによってタンクの側方内面近傍に薬剤送出管の先端の取入れ口が近づくので、タンク内に残る薬剤量を減らすことができる。つまりタンクを垂直にして使用したときと同じように薬剤を使いきることができる。このため、タンクを倒した安定した状態で薬剤を放出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】タンク51を立てた際における比較例の可搬式薬剤放出装置5の側面図。
【
図2】タンク51を立てた際における比較例の可搬式薬剤放出装置5の前面図。
【
図3】タンク51を立てた際における比較例の可搬式薬剤放出装置5の側断面図。
【
図4】移動時の比較例の可搬式薬剤放出装置5の側断面図。
【
図5】倒した状態の比較例の可搬式薬剤放出装置5の側断面図。
【
図6】タンク11を立てた際における実施例1の可搬式薬剤放出装置1の側面図。
【
図7】倒した状態の実施例1の可搬式薬剤放出装置1の側断面図。
【
図9】倒した状態における実施例2の可搬式薬剤放出装置2の側断面図。
【
図10】倒した状態における実施例3の可搬式薬剤放出装置3の側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1乃至5は、比較例の可搬式薬剤放出装置5を示す。ここで、比較例とは後述する実施例に対してタンク内のサイホン管からなる薬剤送出管58がタンク51内に真っすぐに設けられたものであり、タンク51を寝かした状態で使用する際の不具合を説明するための例である。
【0010】
図1は、タンク51を立てた際における比較例の可搬式薬剤放出装置5の側面図、
図2は、タンク51を立てた際における比較例の可搬式薬剤放出装置5の前面図、
図3は、タンク51を立てた際における比較例の可搬式薬剤放出装置5の側断面図である。可搬式薬剤放出装置5は、タンク51を立てた際におけるタンク51の下の3箇所に脚部52が設けられ、3つの脚部52により地面9に接して立設する。またタンク51の下部に2つの車輪53が設けられている。2つの車輪53は車軸54により連結され、車軸54はタンク51の外面に固定されている。
図1,2に示すように、タンクを立てた際には車輪53は地面9から浮いた状態になる。
【0011】
立てた際におけるタンク51の上部には、側方へ向けて突出してハンドル55が設けられている。ハンドル55は、タンク51を寝かした状態にするための地面9に接地する支持機構であり、タンク51を移動させる際のハンドルにも使用することができる。ハンドル55は管を折り曲げて形成され、両端がタンク51の上部外面に固定されている。タンク51におけるハンドル55の逆側の方向には加圧ガス容器56が固定され、加圧ガス容器56の上部にガス弁(図示せず)を介してガス供給管57が接続されている。ガス供給管57はタンク51の内部に接続している。また、立設時におけるタンク51の上部の開口部511には、薬剤送出管58が固定されている。薬剤送出管58にはホース6が接続され、ホース6の先端にはノズル(図示せず)が設けられている。
【0012】
図3は、立設時の可搬式薬剤放出装置5の側断面図である。タンク51とハンドル55、車軸54を断面で記載している。タンク51の中には火災用薬剤7が収納されている。
図3は火災用薬剤7の量が少ないが、半分以上放出した状態を示している。薬剤送出管58はタンク51の開口部511から下方に延在しており、立設時において、取入れ口581はタンク51の下部中央に位置し、少ない量となった火災用薬剤7はタンク51の下方に位置する。本願では、タンクの立設時の底部をタンク底部と記載することとする。比較例の可搬式薬剤放出装置5における取入れ口581は、タンク底部512の近傍に位置する。薬剤送出管58は、圧力供給装置である加圧ガス容器56、図示しないガス弁、ガス供給管57による圧力によって、タンク51の内部から外部へ火災用薬剤7を送出する。なお、火災用薬剤7は消火や延焼防止などの作用を持つ火災用の薬剤であり、液状やゲル状、チキソトロピー性を有するもの等を用いることができる。
【0013】
図4は、移動時の可搬式薬剤放出装置5の側断面図である。移動時には可搬式薬剤放出装置5をハンドル55の方向へ傾けることにより車輪53が地面9に接し、脚部52が地面9から離れる。そして、使用者がハンドル55を引くか押すことにより、車輪53を回転させて可搬式薬剤放出装置5を移動させることができる。
【0014】
比較例の可搬式薬剤放出装置5は、移動の後に
図3のようにタンク51を立設した状態で加圧ガス容器56からガスを供給し、火災用薬剤7に圧力を加える。圧力により、火災用薬剤7は取入れ口581から薬剤送出管58へ送り込まれ、ホース6を通ってノズルから放出される。タンク51を立設した状態では、火災用薬剤7が少なくなってもタンク底部512の近傍に溜まるため、タンク底部512の近傍に位置する取入れ口581からほぼ全ての火災用薬剤7を放出することができる。
【0015】
しかし、消火活動の際にはホース6を取り回す必要があり、薬剤送出管58の上部が引かれて可搬式薬剤放出装置5が倒れ易いなど、立設状態での薬剤放出には安定性に欠ける面があった。これに対し、可搬式薬剤放出装置5を倒した状態で火災用薬剤7を放出することが考えられる。
図5は倒した状態の可搬式薬剤放出装置5の側断面図である。このような状態では、火災用薬剤7の量が多いときには放出できるが、
図5のように火災用薬剤7が減少して上面が取入れ口581よりも低くなると、火災用薬剤7を放出することができない。
【実施例1】
【0016】
図6は、タンク11を立てた際における実施例1の可搬式薬剤放出装置1の側面図である。実施例1では、薬剤送出管18の構造が比較例と異なっている。また、支持機構であるハンドル15の図面左方への突出量が比較例よりも大きい。このハンドル15の長さ(高さ)は、車輪13の半径よりも大きく、タンク11を寝かせた状態で使用する際に、タンク11の上部側が底部側よりも上方に位置するようになっている。タンク11の開口部111及びタンク底部112、脚部12、車輪13、車軸14、加圧ガス容器16、ガス供給管17は、比較例と同様である。また比較例と同様に、薬剤送出管18は、圧力供給装置である加圧ガス容器16、図示しないガス弁、ガス供給管17による圧力によってタンク11の内部から外部へ火災用薬剤7を送出する。
【0017】
図7は、タンク11を倒した状態における実施例1の可搬式薬剤放出装置1の側断面図である。薬剤送出管18は比較例と異なり、開口部111に固定される基部管181と、先端に取入れ口184を有する先端部管182と、基部管181と先端部管182を回転自在に接続する回転機構183とを備える。取入れ口184の近傍には、錘188が設けられている。基部管181の中心軸とタンク11の中心軸は同じである。薬剤送出管18における各構成は圧力により押しつぶされない強度を有している。先端部管182は、回転機構183に近い部分に曲折部を有する。
【0018】
タンク11を倒した状態では、可搬式薬剤放出装置1は、ハンドル15と車輪13により地面9に接しているが、実施例1では比較例よりもハンドル15が長い。そのため、水平面上で車輪13とハンドル15がタンク11を支持した状態において、タンク11の内面の最低部は、ハンドル15に近い場所よりも車輪13に近い場所が低くなる。
【0019】
薬剤を放出して薬剤の残りが少なくなると、火災用薬剤7は側方内面近傍で低くなっているタンク底部112の側に集まる。そして、タンク11を倒した際に、錘188と先端部管182の重さによって回転機構183が回転し、タンク11の側方内面近傍に取入れ口184が近づき、
図7のように低い位置になる。そのため、実施例1では、少量となった火災用薬剤7を圧力によって取入れ口184から取り入れて、外部へ送出可能である。
【0020】
火災現場等で使用者が火災用薬剤7を放出する際には、
図7のように可搬式薬剤放出装置1をハンドル15の側に倒して、ハンドル15と車輪13が地面9に接する状態にする。そして、加圧ガス容器16のガス弁(図示せず)を開いてホース6の先端に設けたノズル(図示せず)から火災用薬剤7を放出する。回転機構183の作用により取入れ口184は低い位置にあり、タンク11の中の火災用薬剤7が減ると、取入れ口184があるタンク底部112の近傍に流れる。そのため、少量となっても火災用薬剤7を圧力によって取入れ口184から取り入れて外部へ送出することができる。
【0021】
このように本実施例の薬剤放出装置では、タンク11を倒した状態(寝かせた状態)で使用できるので、安定性がよくホース6を引っ張る際にタンク11が倒れたりする心配をする必要がない。またタンク11を倒した状態であっても、タンク11内の薬剤を無駄なく放出することができる。なお、本実施例の薬剤送出管18に交換するだけで、既存のタンクにも対応することが可能である。
【0022】
<実施例1の変形例>
【0023】
図8は、実施例1の3つの変形例における薬剤送出管18を示す。
図8(a)乃至(c)の各変形例は、全て先端部管182の中心軸に対して取入れ口185乃至187の面が斜めに形成されており、タンク11の内面との間の角度が小さくなっている。なお、錘188の記載は省略している。
図8(a)の取入れ口185はタンク11の内筒面に平行な形状となっている。このようにすることにより、少なくなった火災用薬剤7を実施例1よりも完全に放出することができる。なお、取入れ口184はタンク11の内筒面に平行でなくてもよい。
図8(b)は、
図8(a)と比べて先端部管182の先端の角度がやや大きく、取入れ口186の面が地面9と平行になるように形成されている。取入れ口186の先端の角度はさらに大きくしてもよく、小さくして取入れ口185との間の角度としてもよい。
図8(c)は、丸いタンク底部113に適用した変形例である。
図8(c)では、タンク底部113に沿った取入れ口187となっている。
【実施例2】
【0024】
図9は、倒した状態における実施例2の可搬式薬剤放出装置2の側断面図である。薬剤送出管28は、開口部211に固定される基部管281と、取入れ口284を有する先端部管282と、基部管281と先端部管282を柔軟に接続する蛇腹管283とを備える。基部管281の中心軸とタンク21の中心軸は同じである。薬剤送出管28は、蛇腹管283の部分を含めて圧力により押しつぶされない強度を有している。タンク21の開口部211及びタンク底部212、脚部22、車輪23、車軸24、加圧ガス容器26、ガス供給管27は、実施例1及び比較例と同様である。薬剤送出管28は、圧力供給装置である加圧ガス容器26、図示しないガス弁、ガス供給管27による圧力によってタンク21の内部から外部へ火災用薬剤7を送出する。また、実施例1と同様にハンドル25が車輪23の突出量よりも長いため、倒した状態では、タンク21は開口部211の側が高く、タンク底部212の側が低くなっている。そのため、残りが少なくなると、火災用薬剤7は
図9のようにタンク底部212の側に集まる。また、タンク21を倒すと、先端部管282の重みにより蛇腹管283で曲がり、取入れ口284が
図9のように低い位置になる。
【0025】
火災用薬剤7を放出する際には、
図9のように可搬式薬剤放出装置2をハンドル25の側に倒して、ハンドル25と車輪23が地面9に接する状態にする。そして、加圧ガス容器26のガス弁(図示せず)を開いてホース6の先端に設けたノズル(図示せず)から火災用薬剤7を放出する。先端部管282の重さと蛇腹管283との作用により、取入れ口284は低い位置にある。そして、タンク21の中の火災用薬剤7が減ると、取入れ口284があるタンク底部212の近傍に流れる。そのため、少量となっても火災用薬剤7を圧力によって取入れ口284から取り入れて外部へ送出可能である。
【実施例3】
【0026】
図10は、倒した状態における実施例3の可搬式薬剤放出装置3の側断面図である。薬剤送出管38は全体的に柔軟性を有しており、タンク31を倒した際に、薬剤送出管38の重さによって曲がり、タンク31の側方内面に取入れ口381が近づく。薬剤送出管38は柔軟性を有しているが、圧力により押しつぶされない強度を有している。タンク31の開口部311及びタンク底部312、脚部32、車輪33、車軸34、加圧ガス容器36、ガス供給管37は、実施例1,2及び比較例と同様である。薬剤送出管38は、圧力供給装置である加圧ガス容器36、図示しないガス弁、ガス供給管37による圧力によってタンク31の内部から外部へ火災用薬剤7を送出する。実施例1と同様にハンドル35は長いため、倒した状態では、タンク31は開口部311の側が高く、タンク底部312の側が低くなっており、残りが少なくなると、火災用薬剤7はタンク底部312の側に集まる。
【0027】
火災用薬剤7を放出する際には、
図10のように可搬式薬剤放出装置3をハンドル35の側に倒して、ハンドル35と車輪33が地面9に接する状態にする。そして、加圧ガス容器36のガス弁(図示せず)を開いてホース6の先端に設けたノズル(図示せず)から火災用薬剤7を放出する。薬剤送出管38の柔軟性と重さの作用により取入れ口381は低い位置にあり、タンク31の中の火災用薬剤7が減ると、取入れ口381があるタンク底部312の近傍に流れる。そのため、少量となっても火災用薬剤7を圧力によって取入れ口381から取り入れて外部へ送出可能である。
【0028】
実施例3の薬剤送出管38は柔軟性を有しているが、火災用薬剤7を放出する際に圧力供給装置である加圧ガス容器36等から供給される圧力によりつぶれない強度を有している。薬剤送出管38は、肉厚の柔軟性樹脂等で形成することができる。実施例3において、薬剤送出管38は全体に亘って柔軟性を有しているが、開口部311に近い一定長さだけ柔軟性を有するなど、一部に柔軟性を有していてもよい。
【0029】
実施例1乃至3のハンドル15,25,35は、立設状態でタンク11,21,31から真横の側方へ向けて突出している。しかし、タンク11,21,31から斜め上方へ向けて突出するなど、タンク11,21,31から離れた側方の位置に向けて突出していればよい。
実施例2、3では取入れ口284,381の近傍に錘を設けていないが、実施例1の錘188のように薬剤送出管28,38の取入れ口284,381の近傍に錘を設けてもよい。
各実施例においては、タンクに車輪を設けてタンクを移動できる可搬式タイプの薬剤放出装置で説明をしたが、車輪やハンドルは必須の構成ではなく、車輪のない据え置きタイプの薬剤放出装置に各実施例の薬剤送出管を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 可搬式薬剤放出装置、11 タンク、111 開口部、112 タンク底部、113 タンク底部、12 脚部、13 車輪、14 車軸、15 ハンドル、16 加圧ガス容器、17 ガス供給管、18 薬剤送出管、181 基部管、182 先端部管、183 回転機構、184 取入れ口、185 取入れ口、186 取入れ口、187 取入れ口、188 錘、2 可搬式薬剤放出装置、21 タンク、211 開口部、212 タンク底部、22 脚部、23 車輪、24 車軸、25 ハンドル、26 加圧ガス容器、27 ガス供給管、28 薬剤送出管、281 基部管、282 先端部管、283 蛇腹管、284 取入れ口、3 可搬式薬剤放出装置、31 タンク、311 開口部、312 タンク底部、32 脚部、33 車輪、34 車軸、35 ハンドル、36 加圧ガス容器、37 ガス供給管、38 薬剤送出管、381 取入れ口、5 可搬式薬剤放出装置、51 タンク、511 開口部、512 タンク底部、52 脚部、53 車輪、54 車軸、55 ハンドル、56 加圧ガス容器、57 ガス供給管、58 薬剤送出管、581 取入れ口、6 ホース、7 火災用薬剤、9 地面