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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/00 20060101AFI20240105BHJP
【FI】
A01F12/00 Z
A01F12/00 F
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020188193
(22)【出願日】2020-11-11
(65)【公開番号】P2022077368
(43)【公開日】2022-05-23
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】梅林 竜司
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-110770(JP,A)
【文献】特開2016-021963(JP,A)
【文献】実開昭64-041236(JP,U)
【文献】実開昭58-073441(JP,U)
【文献】実開昭52-163558(JP,U)
【文献】実公昭57-031948(JP,Y2)
【文献】特開2003-143923(JP,A)
【文献】特開2019-103462(JP,A)
【文献】米国特許第04465081(US,A)
【文献】特開2011-087516(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0044137(KR,A)
【文献】特開平09-074889(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場の作物を刈り取って機体後方に向けて搬送する刈取部と、
回転駆動する扱胴、及び、前記扱胴を収容する扱室を有し、前記刈取部によって刈り取られた作物が投入されて、投入された作物を前記扱胴によって脱穀処理する脱穀装置と、が備えられ、
前記扱胴の支軸のうちの前後一方側の端部は、前記脱穀装置の前後一方側の壁部を貫通しており、かつ、前記支軸のうち前記壁部よりも装置外へ突出する部分に、駆動源からの動力を伝達する無端回動体が巻き回された駆動輪体が備えられ、
前記壁部に取り付けられ、前記駆動輪体を覆うカバー部が備えられ、
前記カバー部に、前記駆動輪体を下方から覆う底部が備えられ、
前記カバー部に覆われた領域のうち、前記駆動輪体の下部と前記底部との間の空間に対して、前記下部が回転する方向における上手側に位置する箇所に、前記空間に対向し、かつ、前記上手側に位置する箇所の空間を左右に仕切る壁部材が備えられ
前記壁部材の下端部は、前記底部の近傍まで延ばされているコンバイン。
【請求項2】
圃場の作物を刈り取って機体後方に向けて搬送する刈取部と、
回転駆動する扱胴、及び、前記扱胴を収容する扱室を有し、前記刈取部によって刈り取られた作物が投入されて、投入された作物を前記扱胴によって脱穀処理する脱穀装置と、が備えられ、
前記扱胴の支軸のうちの前後一方側の端部は、前記脱穀装置の前後一方側の壁部を貫通しており、かつ、前記支軸のうち前記壁部よりも装置外へ突出する部分に、駆動源からの動力を伝達する無端回動体が巻き回された駆動輪体が備えられ、
前記壁部に取り付けられ、前記駆動輪体を覆うカバー部が備えられ、
前記カバー部に、前記駆動輪体を下方から覆う底部が備えられ、
前記カバー部に覆われた領域のうち、前記駆動輪体の下部と前記底部との間の空間に対して、前記下部が回転する方向における上手側に位置する箇所に、前記空間に対向する状態で、壁部材が備えられ、
前記底部のうち、前記壁部材に対して前記駆動輪体の位置する側と反対側の部分に、前記壁部と前記カバー部との間の空間に進入した異物の落下を許容する開口部が形成されているコンバイン。
【請求項3】
前記開口部に、前記開口部から前記空間への異物の進入を規制する規制部材が備えられ、
前記開口部は、前記規制部材によって複数の開口に仕切られている請求項に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記壁部材の上部は、前記駆動輪体の上部の外周形状に沿うように曲げられている請求項1から3の何れか一項に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記壁部材の上端部は、前記駆動輪体の上部が回転する方向において、前記駆動輪体の頂上点の上方よりも上手側の位置まで延ばされている請求項1から4の何れか一項に記載のコンバイン。
【請求項6】
前記壁部材の上端部は、前記駆動輪体の上部が回転する方向において、前記駆動輪体の頂上点の上方よりも下手側の位置で止められている請求項1から4の何れか一項に記載のコンバイン。
【請求項7】
前記壁部材は、前記駆動輪体のうちの前記無端回動体が巻き回された巻回領域と対向する状態で設けられ、
前記壁部材の上端部は、前記駆動輪体の上部が回転する方向において、前記巻回領域の上手側端部よりも上手側の位置まで延ばされている請求項1からの何れか一項に記載のコンバイン。
【請求項8】
前記壁部材は、前記駆動輪体のうちの前記無端回動体が巻き回された巻回領域と対向する状態で設けられ、
前記壁部材の上端部は、前記駆動輪体の上部が回転する方向において、前記巻回領域の上手側端部よりも下手側の位置で止められている請求項1からの何れか一項に記載のコンバイン。
【請求項9】
前記壁部材の下端部は前記底部に当接し、かつ、前記壁部材は前記下端部から上に延びている請求項1からの何れか一項に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示された脱穀装置では、扱室に扱胴が収容され、扱胴の支軸(文献では「扱胴軸」)の前端部が壁部(文献では「前壁」)を貫通している。支軸のうち壁部よりも装置外へ突出する部分に、無端回動体(文献では「伝動ベルト」)が巻き回された駆動輪体(文献では「入力プーリ」)が備えられ、駆動輪体を覆う状態で、カバー部が壁部に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-110770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたカバー部は、駆動輪体の全体を覆っており、カバー部の内部空間に異物が進入する虞が軽減されている。しかし、壁部と前記カバー部との間の隙間からの塵埃等の進入を完全に防止し切れずに、進入した塵埃等がカバー部の底部に徐々に堆積する場合が考えられる。駆動輪体が回転すると、駆動輪体の周囲の空間に、駆動輪体の回転方向に沿って空気の流れが多少なりとも発生するため、塵埃等は浮遊しながら駆動輪体の回転方向上手側から回転方向下手側へ流される。駆動輪体から遠く離れるほど、空気の流れは減衰するため、浮遊した塵埃等は、カバー部の底部のうち、駆動輪体に対して離れた部分に堆積しがちである。そして、駆動輪体に対して離れた部分から徐々に塵埃等の堆積が進行して、駆動輪体の下部付近の空間に塵埃等が堆積すると、例えば駆動輪体と無端回動体との間に異物が巻き込まれる等の要因によって、駆動輪体の回転駆動に支障を及ぼす虞がある。
【0005】
本発明は、無端回動体が巻き回された駆動輪体の周囲に塵埃等が堆積し難いコンバインを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコンバインでは、圃場の作物を刈り取って機体後方に向けて搬送する刈取部と、回転駆動する扱胴、及び、前記扱胴を収容する扱室を有し、前記刈取部によって刈り取られた作物が投入されて、投入された作物を前記扱胴によって脱穀処理する脱穀装置と、が備えられ、前記扱胴の支軸のうちの前後一方側の端部は、前記脱穀装置の前後一方側の壁部を貫通しており、かつ、前記支軸のうち前記壁部よりも装置外へ突出する部分に、駆動源からの動力を伝達する無端回動体が巻き回された駆動輪体が備えられ、前記壁部に取り付けられ、前記駆動輪体を覆うカバー部が備えられ、前記カバー部に、前記駆動輪体を下方から覆う底部が備えられ、前記カバー部に覆われた領域のうち、前記駆動輪体の下部と前記底部との間の空間に対して、前記下部が回転する方向における上手側に位置する箇所に、前記空間に対向し、かつ、前記上手側に位置する箇所の空間を左右に仕切る壁部材が備えられ、前記壁部材の下端部は、前記底部の近傍まで延ばされていることを特徴とする。
【0007】
本発明によると、壁部材が、駆動輪体の下部と底部との間の空間のうち、駆動輪体の下部における回転方向上手側の空間と対向する状態で設けられている。駆動輪体が回転すると、駆動輪体の周囲の空間に、駆動輪体の回転方向に沿って空気の流れが多少なりとも発生する。このため、異物が駆動輪体の回転方向上手側から回転方向下手側へ流されると、壁部材に対して駆動輪体の位置する側と反対側の空間に異物が案内される。その後、異物と駆動輪体とが壁部材によって隔てられ、異物が駆動輪体の下部と底部との間の空間に入り込む虞が軽減される。これにより、駆動輪体の下部付近の空間に異物が堆積する虞が軽減され、無端回動体が巻き回された駆動輪体の周囲に異物が堆積し難いコンバインが実現される。
【0008】
本発明において、前記壁部材の上部は、前記駆動輪体の上部の外周形状に沿うように曲げられていると好適である。
【0009】
本構成であれば、壁部材の上部が駆動輪体の上部の外周形状に沿うことによって、壁部材を出来るだけ駆動輪体に近付ける構成が可能となる。これにより、壁部材と駆動輪体との間の空間が狭くなって、壁部材に対して駆動輪体の位置する側と反対側の空間に異物が案内され易くなる。
【0010】
本発明において、前記壁部材の上端部は、前記駆動輪体の上部が回転する方向において、前記駆動輪体の頂上点の上方よりも上手側の位置まで延ばされていると好適である。
【0011】
本構成によると、壁部材が駆動輪体の上方を出来るだけ多く覆うように構成されている。これにより、異物が駆動輪体に降り掛かる虞が軽減され、異物が駆動輪体の下部と底部との間の空間に入り込む虞が一層軽減される。
【0012】
本発明において、前記壁部材の上端部は、前記駆動輪体の上部が回転する方向において、前記駆動輪体の頂上点の上方よりも下手側の位置で止められていると好適である。
【0013】
本構成によって、壁部材の構成がコンパクトで簡素なものとなる。
【0014】
本発明において、前記壁部材は、前記駆動輪体のうちの前記無端回動体が巻き回された巻回領域と対向する状態で設けられ、前記壁部材の上端部は、前記駆動輪体の上部が回転する方向において、前記巻回領域の上手側端部よりも上手側の位置まで延ばされていると好適である。
【0015】
本構成であれば、巻回領域の上手側端部の上方が壁部材によって覆われるため、駆動輪体と無端回動体との間に異物が巻き込まれる虞が軽減される。
【0016】
本発明において、前記壁部材は、前記駆動輪体のうちの前記無端回動体が巻き回された巻回領域と対向する状態で設けられ、前記壁部材の上端部は、前記駆動輪体の上部が回転する方向において、前記巻回領域の上手側端部よりも下手側の位置で止められていると好適である。
【0017】
本構成によって、壁部材の構成がコンパクトで簡素なものとなる。
【0018】
本発明において、前記壁部材の下端部は前記底部に当接し、かつ、前記壁部材は前記下端部から上に延びていると好適である。
【0019】
本構成であれば、壁部材は底部から立ち上げられている。このため、底部のうち、壁部材に対して駆動輪体の位置する側と反対側の部分に異物が堆積する場合であっても、壁部材と底部との間に隙間が存在する構成と比較して、異物が駆動輪体の下部と底部との間の空間に入り込む虞が軽減される。
【0020】
本発明において、圃場の作物を刈り取って機体後方に向けて搬送する刈取部と、回転駆動する扱胴、及び、前記扱胴を収容する扱室を有し、前記刈取部によって刈り取られた作物が投入されて、投入された作物を前記扱胴によって脱穀処理する脱穀装置と、が備えられ、前記扱胴の支軸のうちの前後一方側の端部は、前記脱穀装置の前後一方側の壁部を貫通しており、かつ、前記支軸のうち前記壁部よりも装置外へ突出する部分に、駆動源からの動力を伝達する無端回動体が巻き回された駆動輪体が備えられ、前記壁部に取り付けられ、前記駆動輪体を覆うカバー部が備えられ、前記カバー部に、前記駆動輪体を下方から覆う底部が備えられ、前記カバー部に覆われた領域のうち、前記駆動輪体の下部と前記底部との間の空間に対して、前記下部が回転する方向における上手側に位置する箇所に、前記空間に対向する状態で、壁部材が備えられ、前記底部のうち、前記壁部材に対して前記駆動輪体の位置する側と反対側の部分に、前記壁部と前記カバー部との間の空間に進入した異物の落下を許容する開口部が形成されていると好適である。
【0021】
本構成であれば、底部のうち、壁部材に対して駆動輪体の位置する側と反対側の部分に異物が堆積することが無い。このため、底部のうち、壁部材に対して駆動輪体の位置する側と反対側の部分に堆積した異物が、壁部材を乗り越えて駆動輪体の位置する側に落下する虞が防止される。
【0022】
本発明において、前記開口部に、前記開口部から前記空間への異物の進入を規制する規制部材が備えられ、前記開口部は、前記規制部材によって複数の開口に仕切られていると好適である。
【0023】
本構成であれば、開口部に規制部材が設けられるため、異物がカバー部の内部空間に一層堆積し難くなる。また、本構成によると、規制部材は開口部を複数の開口に仕切るため、開口部における一つ一つの開口を小さくする構成が可能となる。これにより、開口部からカバー部の内部空間へ異物が入り込み難くなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】コンバインの全体側面図である。
図2】脱穀装置の前壁部に備えられた回転体、カバー部、壁部材を示す正面図である。
図3】脱穀装置の前壁部に備えられた回転体、壁部材を示す正面図である。
図4】脱穀装置の前壁部に備えられた回転体、カバー部、壁部材、開口部を示す図2のIV-IV線断面図である。
図5】回転体及び壁部材を示す図2のV-V線断面図である。
図6】脱穀装置の前壁部に備えられた回転体、カバー部、壁部材、開口部を示す底面図である。
図7】別実施形態として、脱穀装置の前壁部に備えられた回転体、カバー部、壁部材を示す正面図である。
図8】別実施形態として、脱穀装置の前壁部に備えられた回転体、カバー部、壁部材を示す正面図である。
図9】別実施形態として、脱穀装置の前壁部に備えられた回転体、カバー部、壁部材を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一例である実施形態を、コンバインに基づいて説明する。なお、以下の説明では、コンバインの走行機体1に関し、図1に示される矢印「F」の方向を「機体前方」、矢印「B」の方向を「機体後方」とする。また、図1における紙面手前側の方向を「機体左方」、紙面奥側の方向を「機体右方」とする。図2に示される矢印「L」の方向を「機体左方」、矢印「R」の方向を「機体右方」とする。
【0026】
〔コンバインの全体について〕
図1に示されるように、コンバインの走行機体1は機体フレーム2を備え、機体フレーム2は角パイプ材などの複数の鋼材の連結によって構成されている。機体フレーム2の下部に左右一対のクローラ式走行装置3が装備されている。走行機体1の前部の右横側部分に、運転部5が備えられている。運転部5の搭乗空間はキャビンによって覆われている。運転部5の下方にエンジンEが配置されている。エンジンEは本発明の『駆動源』である。走行機体1の前部に、刈取部4が昇降可能に設けられている。刈取部4は、走行機体1の前方において複数の植付条の稲や麦の植立穀稈(圃場の作物)を引き起こしながら刈り取るとともに、刈り取られた刈取穀稈を機体後方に向けて搬送する。機体フレーム2の後部に、脱穀装置6及び穀粒貯留タンク8が横並び状態で支持されている。脱穀装置6は、刈取部4の後方に配置され、穀粒貯留タンク8は、運転部5の後方に配置されている。脱穀装置6は、回転駆動する扱胴12、及び、扱胴12を収容する扱室13を有する。脱穀装置6の左側部にフィードチェーン7が設けられ、フィードチェーン7は刈取部4によって刈り取られた刈取穀稈を後方へ挟持搬送する。刈取部4によって刈り取られた刈取穀稈は、フィードチェーン7によって脱穀装置6へ投入される。脱穀装置6において、投入された刈取穀稈の脱穀処理が扱胴12によって行われ、脱穀処理によって得られた穀粒と塵埃とを選別する選別処理が行われる。穀粒貯留タンク8は、脱穀装置6から搬送された穀粒を貯留する。穀粒貯留タンク8の後部に、穀粒貯留タンク8から穀粒を取り出す穀粒排出装置9が接続されている。
【0027】
〔ベルトを覆うカバー部について〕
図2に示されるように、脱穀装置6の左側部に、刈取穀稈が通過する扱口が形成されている。脱穀装置6の前壁部41(図3及び図5参照)のうち、カバー体45によって覆われた部分の下方空間に扱室13(図4図6参照)への入口部42が形成されている。圃場の植立穀稈は刈取部4によって刈り取られ、刈取穀稈としてフィードチェーン7によって後方に挟持搬送される。そして刈取穀稈は、入口部42から扱室13へ投入される。フィードチェーン7は、刈取部4からの刈取穀稈を、刈取穀稈の穂先を扱室13に投入した状態で搬送する。
【0028】
図2図6に示されるように、扱胴12の支軸は脱穀装置6の前壁部41を貫通し、扱胴12の支軸の前端部は、脱穀装置6の前壁部41よりも前側へ突出する。扱胴12の支軸の前端部に、扱胴12に動力を入力する回転体43が備えられている。回転体43はプーリであって、本発明の『駆動輪体』である。回転体43にベルト44が巻き回されている。ベルト44は、本発明の『無端回動体』であって、エンジンEからの動力を伝達する。図3では、回転体43のうちベルト44が巻き回された領域が、巻回領域43Rとして示されている。図2及び図3に示されるように、回転体43及び扱胴12は、回転軸芯Y1を軸芯に、図3の紙面において時計回り(矢印R1で示された方向)に回転する。
【0029】
図3に示されるように、ベルト44は図3の紙面時計回りに回動し、ベルト44と回転体43とが始端部43s(上手側端部)で当接し始める。また、ベルト44と回転体43とが終端部43f(下手側端部)で離れる。回転体43の周方向において、巻回領域43Rが始端部43sと終端部43fとに亘っている。ベルト44における始端部43sよりも回動方向上手側部分と、ベルト44における終端部43fよりも回動方向下手側部分と、の夫々は、回転体43の接線方向に沿って延びる。詳細に関しては後述するが、回転体43の機体左方に壁部材62が設けられている。壁部材62は、巻回領域43Rと対向する状態で設けられている。
【0030】
回転体43の回転駆動と連動して、扱胴12が回転駆動して刈取穀稈を脱穀処理する。フィードチェーン7によって後方に挟持搬送される刈取穀稈が、扱室13内で扱胴12の回転による打撃、梳き込み作用を受けて脱穀処理される。脱穀装置6の前壁部41に、回転体43及びベルト44を覆う状態で、カバー体45が取り付けられている。また、入口部42を覆う弾性変形可能なシート部材49が設けられている。シート部材49は、例えば可撓性を有するゴム製の部材であり、カバー体45の下部にボルト固定されている。シート部材49は、カバー体45の下部から垂下されて入口部42を前方から覆う。シート部材49は、押さえ部材47によってカバー体45に固定されている。カバー体45の機体左側方は横カバー体6aによって覆われ、横カバー体6aはフィードチェーン7の上方に設けられている。
【0031】
カバー体45の上部を支持するための左右一対のステー51,51(図4及び図5参照)が前壁部41から機体前側に向けて突出し、左右一対のステー51,51に亘って支持フレーム52が横架する。図2では、左右一対のステー45S,45Sに対して紙面奥側に左右一対のステー51,51が存在する。また、図2及び図4に示されるように、カバー体45のバックル45Bと係合する係合部53が、前壁部41の右端部から機体前側に突出する状態で設けられている。
【0032】
カバー体45に、支持フレーム52と係合するための一対のカバーフック45H,45Hが備えられている。カバー体45の上端部における左右夫々の箇所に、平板状の一対のステー45S,45Sが溶接固定されている。更に、一対のステー45S,45Sの夫々にカバーフック45H,45Hの夫々が溶接固定されている。
【0033】
支持フレーム52の左右両端部に一対の係合孔が穿孔され、この一対の係合孔と、一対のカバーフック45H,45Hと、が対向する。一対のカバーフック45H,45Hが、当該一対の係合孔に鉤掛けられることによって、一対のカバーフック45H,45Hと支持フレーム52とが係合する。
【0034】
作業者がバックル45Bと係合部53との係合を解除して、カバー体45を機体前側へ揺動させ、その後に、カバー体45を上方向にスライドさせることによって、カバーフック45Hが支持フレーム52から外れる。これにより、作業者はカバー体45を機体から取り外せる。また、作業者がカバー体45を支持フレーム52に対して下方向にスライドさせてカバーフック45H,45Hを支持フレーム52における一対の係合孔に鉤掛ける。その後に、作業者が、カバー体45を機体後側へ揺動させて、バックル45Bと係合部53とを係合させる。これにより、作業者はカバー体45を機体に装着させることができる。
【0035】
カバー体45の前壁部分は、上下に延びる平面状に形成され、この部分をカバー体45の鉛直面部45aと称する。カバー体45の下部に左傾斜面部45c及び右傾斜面部45dが形成されている。左傾斜面部45c及び右傾斜面部45dの夫々は、機体側面視において、下側ほど機体後側に位置するように傾斜する。左傾斜面部45cは、機体前後方向視において、機体左側(図2の紙面右側)ほど上側に位置するように、左上がり形状に形成されている。右傾斜面部45dは、機体前後方向視において、機体右側(図2の紙面左側)ほど上側に位置するように、右上がり形状に形成されている。左傾斜面部45cの上端部が、右傾斜面部45dの上端部よりも上側に位置する。このように、カバー体45は、機体横方向において下側ほど幅狭となるように下窄まり形状に形成されている。
【0036】
押さえ部材47は、前後方向視において左傾斜面部45c及び右傾斜面部45dの傾斜形状に沿うV字状に形成されている。押さえ部材47に溶接ボルト47Bが取り付けられている。また、鉛直面部45aの下縁部分に複数の挿通孔が穿孔され、鉛直面部45aの下縁部分における複数の挿通孔は、溶接ボルト47Bと対応する位置に穿孔されている。シート部材49の上端部が、押さえ部材47によってカバー体45の下部に押さえ付け固定されている。シート部材49と押さえ部材47とは、カバー体45の下部に、溶接ボルト47B及びナットによって共締め固定されている。シート部材49は、押さえ部材47と、鉛直面部45aの下部と、に挟持される。
【0037】
刈取穀稈がフィードチェーン7によって後方へ挟持搬送され、入口部42から扱室13へ投入されると、シート部材49が刈取穀稈と接触し、シート部材49の下部は後方寄りに弾性変形する。図4及び図5に示されるように、左傾斜面部45cと右傾斜面部45dとの夫々が下側ほど機体後側に位置するように傾斜する。つまり、シート部材49の下部は後方へ向かって弾性変形する場合であっても、左傾斜面部45c及び右傾斜面部45dの前方にシート部材49の弾性変形を許容する空間が設けられている。このため、左傾斜面部45c及び右傾斜面部45dとシート部材49とが接触し難くなり、左傾斜面部45c及び右傾斜面部45dとシート部材49との接触に起因するシート部材49の摩耗が抑制される。
【0038】
左傾斜面部45c及び右傾斜面部45dと前壁部41とに亘って板状の底部48が備えられている。底部48は回転体43を下方から覆う。底部48は、前後方向視において、前後方向視において左傾斜面部45c及び右傾斜面部45dの傾斜形状に沿うV字状に形成されている。底部48に左面部48a及び右面部48bが形成されている。左面部48aは、機体前後方向視において、機体左側(図2の紙面右側)ほど上側に位置するように、左上がり形状に形成されている。右面部48bは、機体前後方向視において、機体右側(図2の紙面左側)ほど上側に位置するように、右上がり形状に形成されている。左面部48aの上端部が、右面部48bの上端部よりも上側に位置する。カバー体45及び底部48は、本発明の『カバー部』であって、前壁部41に取り付けられて回転体43を覆う。
【0039】
〔壁部材について〕
図2図6に示されるように、回転体43の機体左方に壁部材62が設けられている。壁部材62は、カバー体45及び底部48に覆われた領域のうち、回転体43の下部と底部48との間の空間S1に対して、回転体43の下部が回転する方向における上手側箇所に、空間S1に対向する状態で備えられている。回転体43と壁部材62との間に空間S2が設けられ、空間S2は空間S1と連通する。
【0040】
壁部材62はプレス加工等で折り曲げ形成された平板部材である。壁部材62に鉛直板部62aと傾斜板部62bとが形成されている。鉛直板部62aは壁部材62の下部に形成されている。傾斜板部62bは壁部材62の上部に形成され、平面視において上側ほど回転体43の位置する側へ近付くように傾斜する。つまり、壁部材62は、回転体43の上部の外周形状に沿うように曲げられている。本実施形態では、壁部材62の上端部は、回転体43の上部が回転する方向において、回転体43の頂上点43tの上方よりも下手側の位置で止められている。また、壁部材62の上端部は、回転体43の上部が回転する方向において、巻回領域43Rの始端部43s(上手側端部)よりも下手側の位置で止められている。
【0041】
図5に示されるように、傾斜板部62bのうち、機体前側に位置する側の部分に凹入部62cが形成されている。換言すると、傾斜板部62bの機体前後方向における前端縁部は、鉛直板部62aの機体前後方向における前端縁部よりも機体後側に位置する。この構成によって、傾斜板部62bと係合部53との干渉が回避されている。
【0042】
図3に示されるように、壁部材62は脱穀装置6の前壁部41にボルト固定されている。壁部材62に第一支持板部62eと第二支持板部62fとが形成されている。第一支持板部62eは、鉛直板部62aの機体後端縁部からL字状に屈曲し、前壁部41の面部分に沿っている。また、第二支持板部62fは、傾斜板部62bの機体後端縁部からL字状に屈曲し、前壁部41の面部分に沿っている。第一支持板部62eと第二支持板部62fとの夫々にボルト用の挿通孔が穿孔されている。また、前壁部41に、ボルト締結用の二つの締結孔が穿孔されている。
【0043】
図2及び図5に示されるように、前壁部41にステー63が支持されている。ステー63はL字状に折り曲げ形成された平板部材であって、ステー63の後面部分が前壁部41に溶接固定されている。ステー63の延出部分は前壁部41の前方へ延びる。鉛直板部62aの下部にボルト挿通用の二つの挿通孔が穿孔されている。また、ステー63の延出部分に、ボルト締結用の二つの締結孔が穿孔されている。
【0044】
作業者は、前壁部41における夫々の締結孔と、第一支持板部62eと第二支持板部62fとの夫々の挿通孔と、を重ね合わせて前壁部41の締結孔にボルトを締結する。また、作業者は、ステー63における夫々の締結孔と、鉛直板部62aの下部における夫々の挿通孔と、を重ね合わせてステー63の締結孔にボルトを締結する。これにより、壁部材62は、前壁部41とステー63とに支持される。鉛直板部62aがステー63に支持されているため、壁部材62が前壁部41の面部分のみに片持支持される構成と比較して、壁部材62の剛性が高められている。また、鉛直板部62aと傾斜板部62bとの間が折り曲げ形成されているため、壁部材62が面一な板状である構成と比較して、壁部材62の剛性が高められている。
【0045】
図5に示されるように、機体前後方向において、鉛直板部62aの幅は底部48の幅よりも大きく、鉛直板部62aの前端縁部は左傾斜面部45cの前上部まで延ばされている。このため、脱穀装置6の前壁部41に対してカバー体45が装着された状態で、鉛直板部62aの前下縁部と左傾斜面部45cとが当接し、鉛直板部62aの下縁部と底部48とが当接する。このことから、壁部材62は底部48から立ち上げられている。
【0046】
図3に示されるように、回転体43と壁部材62との間の空間S2、及び、回転体43と底部48との間の空間S1は、壁部材62よりも機体左側の空間S3よりも狭い。ベルト44が回動すると、ベルト44の周囲には多少なりともベルト44の回動方向に沿って空気の流れが発生する。このため、空間S1,S2の夫々に塵埃等が入り込んでも、ベルト44の周囲の空気の流れに伴って塵埃等は浮遊し続け、空間S1,S2に塵埃等は堆積する可能性は殆ど無い。
【0047】
〔カバー部の開口部について〕
図4及び図6に示されるように、V字状に形成された底部48のうち、左面部48aに開口部60が形成されている。底部48のうちL11で示された部分、即ち壁部材62に対して回転体43の位置する側と反対側の部分が機体後方に凹入し、この凹入部分が開口部60である。開口部60は、脱穀装置6の幅方向において機体左側に偏倚している。また、開口部60は、平面視において底部48のうち回転体43との重複部分よりも機体左側部分に形成されている。開口部60は、空間S3に進入した異物の落下を許容する。
【0048】
開口部60に規制部材61が備えられ、規制部材61は開口部60から空間S3への異物の進入を規制する。規制部材61は、基部61Aと本体部61Bとを有する。基部61Aは平板状に形成され、二つの溶接ボルト61m,61mが基部61Aに溶接固定されている。本体部61Bは、C字状に曲げ形成された棒状部材であって、本体部61Bにおける一対の終端部が基部61Aに溶接固定されている。
【0049】
カバー体45の左傾斜面部45cに、規制部材61の取付用の二つの取付孔が穿孔されている。作業者は、左傾斜面部45cにおける二つの取付孔に、二つの溶接ボルト61m,61mを挿通させ、左傾斜面部45cに基部61Aを押し当てた状態で、二つのナット61n,61nを溶接ボルト61m,61mに締結する。これにより、規制部材61はカバー体45に支持される。左傾斜面部45cに穿孔された二つの取付孔のうち、一方は丸孔に形成され、他方は長孔に形成されている。このため、二つの溶接ボルト61m,61mの間隔と、左傾斜面部45cにおける二つの取付孔の間隔と、の寸法誤差が当該長孔によって許容され、作業者は規制部材61をカバー体45に容易に取り付けられる。
【0050】
規制部材61がカバー体45に取り付けられ、かつ、脱穀装置6の前壁部41に対してカバー体45が装着された状態で、規制部材61の本体部61Bは開口部60の中央領域に位置する。本体部61BはC字状に構成されているため、開口部60は規制部材61の本体部61Bによって二つの開口60aに仕切られる。これにより、開口部60において本体部61Bの隙間に形成された一つ一つの開口60aが小さくなり、例えば藁屑等の異物が開口部60からカバー体45の内部空間へ入り込み難くなる。また、空間S1,S2と空間S3とが壁部材62によって隔てられているため、たとえ異物が開口部60からカバー体45の内部空間へ入り込んだとしても、当該異物は空間S3にとどまって、空間S1,S2に入り込み難い。
【0051】
塵埃等の多くは、ベルト44の回動方向に沿う空気の流れによって空間S3に案内され、底部48のうち、回転体43から離れた空間S3側の部分に堆積しがちであるが、空間S3の下方に開口部60が形成される構成によって、空間S3に塵埃等が溜まる虞は殆んど無い。加えて、カバー体45及び底部48によって覆われた内部空間における塵埃等の殆どは開口部60から下方へ落下する。また、たとえ塵埃等が底部48における開口部60の周囲に塊状に溜まる場合であっても、壁部材62が存在するため、当該塊状の塵埃等は回転体43へ移動しない。
【0052】
〔別実施形態〕
本発明は、上述の実施形態に例示された構成に限定されるものではなく、以下、本発明の代表的な別実施形態を例示する。
【0053】
(1)上述の実施形態では、壁部材62は鉛直板部62aと傾斜板部62bとによって構成されているが、この実施形態に限定されない。例えば、図7及び図8に示されるように、壁部材62は、鉛直板部62oと第一傾斜板部62pと第二傾斜板部62qとによって構成されても良い。第一傾斜板部62pは、平面視において上側ほど回転体43の位置する側へ近付くように傾斜し、第二傾斜板部62qは、第一傾斜板部62pよりも更に傾斜する。第二傾斜板部62qは、ベルト44のうち始端部43sよりも回転方向上手側部分に沿って延びる。第二傾斜板部62qの延出先端部は、上述の実施形態に示される傾斜板部62bの延出先端部よりも更に始端部43sに近づけられている。このことから、図7及び図8に示される壁部材62の構成であれば、上述の実施形態と比較して、空間S1,S2に塵埃等が入り込み難い。
【0054】
図7に示される例では、壁部材62の上端部は、回転体43の上部が回転する方向において、巻回領域43Rの始端部43s(上手側端部)よりも下手側の位置で止められている。また、図7に示される例では、壁部材62の上端部は、回転体43の上部が回転する方向において、回転体43の頂上点43tの上方よりも下手側の位置で止められている。この構成によって、壁部材62の構成がコンパクトかつ簡素なものになる。
【0055】
図8に示される例では、壁部材62の上端部は、回転体43の上部が回転する方向において、巻回領域43Rの始端部43s(上手側端部)よりも上手側の位置まで延ばされている。また、図8に示される例では、壁部材62の上端部は、回転体43の上部が回転する方向において、回転体43の頂上点43tの上方よりも上手側の位置まで延ばされている。この構成によって、回転体43の上部が壁部材62によってしっかりと覆われ、空間S1,S2に塵埃が入り込み難くなる。
【0056】
図7及び図8に示される例以外にも、例えば、壁部材62の上端部は、回転体43の上部が回転する方向において、巻回領域43Rの始端部43s(上手側端部)よりも上手側の位置まで延ばされ、かつ、回転体43の頂上点43tの上方よりも下手側の位置で止められても良い。また、壁部材62の上端部は、回転体43の上部が回転する方向において、回転体43の頂上点43tの上方よりも上手側の位置まで延ばされ、かつ、巻回領域43Rの始端部43s(上手側端部)よりも下手側の位置で止められても良い。
【0057】
(2)上述の実施形態では、壁部材62の上部は、回転体43の上部の外周形状に沿うように曲げられているが、この実施形態に限定されない。例えば、図9に示される例では、ベルト44が回転体43に対して機体左方へ延び、回転体43が図9の紙面において時計回りに回転する。また、ベルト44の上手側部分が下向きに回動し、ベルト44の下手側部分が上向きに回動する。壁部材62の上部は、ベルト44の上手側部分の延びる方向に沿って延び、上側ほど回転体43から離れる構成であっても良い。図9に示される例においても、壁部材62は、空間S1に対向する状態で備えられている。
【0058】
(3)上述の実施形態では、回転体43及びカバー体45が前壁部41の前方に設けられているが、この実施形態に限定されない。例えば、扱胴12の支軸のうちの後端部は、脱穀装置6の後壁部(不図示)を貫通し、当該支軸のうち後壁部よりも後側の部分に回転体43及びベルト44が備えられても良い。そして、脱穀装置6の後壁部に、回転体43及びベルト44を覆う状態で、カバー体45が取り付けられても良い。
【0059】
(4)上述の実施形態では、入力プーリの回転体43にベルト44が巻き回されているが、ベルト44はチェーンであっても良く、回転体43はスプロケットであっても良い。
【0060】
(5)上述の実施形態では、規制部材61の本体部61Bが棒状に構成されているが、本体部61Bは網状(メッシュ状)に構成されても良いし、本体部61Bはパンチングメタルで構成されても良い。換言すると、複数の開口60aが網状(メッシュ状)に形成されても良いし、複数の開口60aが多孔質に形成されても良い。また、本体部61Bが網状(メッシュ状)の場合、網状(メッシュ状)の目が細かく形成されても良いし、本体部61Bがパンチングメタルの場合、パンチングメタルの目が細かく形成されても良い。つまいり、開口部60は、規制部材61によって複数の開口に仕切られて良い。
【0061】
(6)上述の実施形態では、開口部60に一つの規制部材61が備えられているが、開口部60に二つ以上の規制部材61が備えられても良い。
【0062】
(7)上述の実施形態では、脱穀装置6は、フィードチェーン7によって挟持搬送された刈取穀稈の穂先側部分を脱穀処理する構成であるが、この実施形態に限定されない。例えば、脱穀装置6は、刈取穀稈の全稈を扱室13に投入する構成であっても良い。
【0063】
(8)上述の実施形態では、規制部材61の前方に、入口部42を覆う弾性変形可能なシート部材49が設けられているが、シート部材49が設けられない構成であっても良い。
【0064】
(9)上述の実施形態では、底部48のうち、壁部材62に対して回転体43の位置する側と反対側の部分(空間S3の下方部分)に開口部60が形成されているが、この実施形態に限定されない。例えば、底部48のうち、平面視で回転体43と重複する部分に開口部60が形成される構成であっても良い。
【0065】
なお、上述の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能である。また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、コンバイン(例えば、普通型コンバイン、自脱型コンバイン)に利用可能である。
【符号の説明】
【0067】
4 :刈取部
6 :脱穀装置
12 :扱胴
13 :扱室
41 :前壁部(壁部)
43 :回転体(駆動輪体)
43R :巻回領域
43s :始端部(巻回領域の上手側端部)
43f :終端部(巻回領域の下手側端部)
43t :駆動輪体の頂上点
44 :ベルト(無端回動体)
45 :カバー体(カバー部)
48 :底部(カバー部)
60 :開口部
60a :開口
61 :規制部材
62 :壁部材
S1 :駆動輪体の下部と底部との間の空間
Y1 :回転軸芯
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9