(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】作業車
(51)【国際特許分類】
F02D 29/00 20060101AFI20240105BHJP
F02D 29/02 20060101ALI20240105BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20240105BHJP
【FI】
F02D29/00 B
F02D29/02 J
F02D29/02 301C
B60K35/00 Z
(21)【出願番号】P 2020207672
(22)【出願日】2020-12-15
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】高橋 圭司
(72)【発明者】
【氏名】後野 剛志
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-144628(JP,A)
【文献】特開2014-028584(JP,A)
【文献】特開2013-050205(JP,A)
【文献】特開2016-021951(JP,A)
【文献】特開2009-287469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 29/00
F02D 29/02
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
運転席が設けられた運転部と、
前記運転席の前方にあるフロントパネルと、
前記エンジンの回転数を変更する第1操作具と、
前記エンジンの回転数を予め記憶された回転数にする指示の受け付け、及び、前記エンジンの回転数を規制する最大回転数の設定を行う第2操作具と、を備え、
前記第2操作具は、前記フロントパネルに設けられ
、
前記運転席から前記フロントパネル側を見て、前記第1操作具と前記第2操作具とは、機体を操舵するステアリングホイールの中心に対して、前記機体の幅方向における互いに同じ方向の側に設けられている作業車。
【請求項2】
前記第2操作具は、前記運転席から前記フロントパネル側を見て、前記ステアリングホイールと重複する位置に配置されている請求項1に記載の作業車。
【請求項3】
前記フロントパネルに現在の前記エンジンの回転数を表示するメータパネルが備えられ、
前記第2操作具は、前記メータパネルに隣接して配置されている請求項1又は2に記載の作業車。
【請求項4】
前記第1操作具は、前記運転席から前記フロントパネル側を見て、
前記ステアリングホイールの内側領域から前記ステアリングホイールの外側領域のうち
前記機体の幅方向一方側に向けて延出されたレバーであり、
前記第2操作具は、前記運転席から前記フロントパネル側を見て、前記フロントパネルのうち前記ステアリングホイールの中心部よりも、前記機体の幅方向一方側に設けられる請求項1から3のいずれか一項に記載の作業車。
【請求項5】
前記第2操作具は、1つのシーソスイッチで構成される請求項1から4のいずれか一項に記載の作業車。
【請求項6】
前記第2操作具の操作に応じて、前記予め記憶された回転数を設定する第1モードと前記最大回転数を設定する第2モードとの切り替えと、前記予め記憶された回転数及び前記最大回転数の夫々の設定とが可能である請求項1から4のいずれか一項に記載の作業車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンを備えた作業車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エンジンを備えた作業車が利用されてきた。このようなエンジンを備えた作業車に関する技術として、例えば下記に出典を示す特許文献1に記載のものがある。
【0003】
特許文献1には、作業車のアクセル制御構造について記載されている。特許文献1に記載される作業車は、アクセルペダルの操作により設定されるエンジン回転数(ペダル設定回転数)と、アクセルレバーの操作により設定されるエンジン回転数(レバー設定回転数)と、上限設定器により設定されたエンジン回転数の上限である上限回転数とが目標回転数設定手段により選定される。目標回転数設定手段は、選定したこれらの回転数を比較し、ペダル設定回転数及びレバー設定回転数が上限回転数よりも低い場合は、ペダル設定回転数とレバー設定回転数のうちの高い側の回転数を目標回転数に設定し、ペダル設定回転数及びレバー設定回転数のうちのいずれか一方が上限回転数よりも高い場合は、上限回転数を目標回転数に設定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の作業車は、アクセルペダルが搭乗運転部の右足元部に設けられ、アクセルレバーは運転座席の右側方に設けられる。また、上限設定器は、ポテンショメータ等により構成される。作業車の運転中にあっては、運転者は作業車の前方を見ながらアクセルペダルやアクセルレバーを操作することが多く、上限設定器も前方を見ながら操作しやすい位置に設けると好適である。しかしながら、特許文献1に記載の技術は、上限設定器が設けられる場所は考慮されていないため、改良の余地がある。
【0006】
そこで、運転者がエンジンの回転数を設定し易い作業車が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る作業車の特徴構成は、エンジンと、運転席が設けられた運転部と、前記運転席の前方にあるフロントパネルと、前記エンジンの回転数を変更する第1操作具と、前記エンジンの回転数を予め記憶された回転数にする指示の受け付け、及び、前記エンジンの回転数を規制する最大回転数の設定を行う第2操作具と、を備え、前記第2操作具は、前記フロントパネルに設けられ、前記運転席から前記フロントパネル側を見て、前記第1操作具と前記第2操作具とは、機体を操舵するステアリングホイールの中心に対して、前記機体の幅方向における互いに同じ方向の側に設けられている点にある。
【0008】
このような特徴構成とすれば、第2操作具がフロントパネルに設けられているので、運転中であっても、第2操作具を容易に操作することができる。したがって、運転者がエンジンの回転数を設定し易くすることが可能となる。
【0009】
また、前記第2操作具は、前記運転席から前記フロントパネル側を見て、前記ステアリングホイールと重複する位置に配置されていると好適である。
【0010】
このような構成とすれば、ステアリングホイールを持った手をフロントパネル側にずらすだけで第2操作具を操作することができる。したがって、運転中であっても容易に操作することが可能となる。
【0011】
また、前記フロントパネルに現在の前記エンジンの回転数を表示するメータパネルが備えられ、前記第2操作具は、前記メータパネルに隣接して配置されていると好適である。
【0012】
メータパネルは運転中にフロントパネルを見る際に、運転に支障がないよう、フロントパネルの中央部に設けられることが多い。そこで、設定スイッチを、メータパネルに隣接して設けることで、設定スイッチを操作していても、運転に支障がないようにすることが可能となる。
【0013】
また、前記第1操作具は、前記運転席から前記フロントパネル側を見て、前記ステアリングホイールの内側領域から前記ステアリングホイールの外側領域のうち前記機体の幅方向一方側に向けて延出されたレバーであり、前記第2操作具は、前記運転席から前記フロントパネル側を見て、前記フロントパネルのうち前記ステアリングホイールの中心部よりも、前記機体の幅方向一方側に設けられると好適である。
【0014】
このような構成とすれば、第1操作具を操作する手と同じ手で第2操作具を操作することが可能となる。したがって、反対側の手はステアリングホイールを保持した状態とすることができるので、第1操作具や第2操作具の操作が操舵操作に対して支障が出ないようにすることができる。
【0015】
また、前記第2操作具は、1つのシーソスイッチで構成されると好適である。
【0016】
このような構成とすれば、容易に第2操作具を操作することができるので、エンジンの回転数を予め記憶された回転数にする指示と当該指示の解除とを簡便に行うことが可能となる。
【0017】
また、前記第2操作具の操作に応じて、前記予め記憶された回転数を設定する第1モードと前記最大回転数を設定する第2モードとの切り替えと、前記予め記憶された回転数及び前記最大回転数の夫々の設定とが可能であると好適である。
【0018】
このような構成とすれば、一つのデバイスで第1モード及び第2モードの選択だけでなく、夫々のモードにおける回転数の設定も行うことができる。したがって、簡便に設定できると共に、デバイスコストの増大を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図3】運転座席からフロントパネル側を見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る作業車は、エンジンの回転数を増大させた場合に、車速のみ増大させることができるように構成される。以下、本実施形態の作業車について説明する。なお、以下では作業車として、トラクタ1を例に挙げて説明する。
【0021】
図1はトラクタ1の側面図であり、
図2はトラクタ1の平面図である。なお、以下の説明では、トラクタ1に関し、
図1及び
図2に示される矢印Fの方向を「前方向」、矢印Bの方向を「後方向」、矢印Uの方向を「上方向」、矢印Dの方向を「下方向」、矢印Lの方向を「左方向」、矢印Rの方向を「右方向」とする。
【0022】
トラクタ1は、機体Aに左右一対の前車輪2と左右一対の後車輪3とを備え、機体Aの前部のエンジンボンネット4の内部にエンジンEを備え、機体Aの後部位置に運転部Cが配置されている。
【0023】
トラクタ1は、エンジンEの駆動力を変速するミッションケース5が機体Aの中央から機体Aの後端に亘る領域に配置される。また、ミッションケース5の後端には、例えばロータリ耕耘装置(図示せず)等に駆動力を伝達するための外部動力取出軸8(PTO軸)が後方に突出する形態で備えられている。
【0024】
運転部Cには、上面にレバーガイド10を有する左右の後輪フェンダー10aの中間位置に、作業者(オペレータ)が着座する運転座席11が備えられ、当該運転座席11の前方に、機体Aを操舵するステアリングホイール12が備えられる。運転座席11の下側にはフロアー13が設けられ、フロアー13には主に道路走行時にエンジンEの回転数を変更する際に利用する主変速ペダル19が備えられる。主変速ペダル19は、前方向側と後方向側との夫々に踏み込むことができるように構成されている。前方向側を踏み込むとエンジンEの回転数が上がると共に、後述する主変速装置31から出力される回転数が増速するように構成される。後方向側を踏み込むと、エンジンEの回転数は所定の回転数(アイドル回転数)で維持され、機体Aが後進するように構成される。主変速ペダル19から足を離すと後述するアクセルレバー18で設定されたエンジンEの回転数になるように構成される。
図2に示されるように、運転座席11の左側の後輪フェンダー10aの上面のレバーガイド10には、レバーガイド10から上方に突出する主変速レバー21と副変速レバー23とが横並びで配置されている。
【0025】
ステアリングホイール12の基端部側に設けられるステアリングポスト12Bの右側から右外方に突出するように、主に圃場作業時にエンジンEの回転数を変更する際に利用するアクセルレバー18が備えられる。アクセルレバー18は、手前に引くとエンジンEの回転数が上がり、前側に押すとエンジンEの回転数が下がるように構成される。また、アクセルレバー18から手を離した場合には、その位置でのエンジンEの回転数に設定される。なお、上述した主変速ペダル19によりエンジンEの回転数の設定も可能であるが、エンジンEの回転数はアクセルレバー18及び主変速ペダル19のうち、早い方の回転数が採用される。
【0026】
運転座席11の右側の後輪フェンダー10aの上面のレバーガイド10には、外部動力取出軸8の回転速度を変更可能なPTO変速レバー41がレバーガイド10から上方に突出して配置されている。このPTO変速レバー41により、外部動力取出軸8の回転速度だけでなく、回転方向も変更可能に構成しても良い。PTO変速レバー41は、レバー式以外の構成(例えばスイッチ等)であっても良い。また、フロアー13には、前方向を見て横並びの状態で(機体Aの幅方向に沿って)、機体Aを停止させることが可能な2つのブレーキペダル20が設けられる。この2つのブレーキペダル20は、左右夫々が独立してあり、左側のブレーキペダル20を踏み込むことでトラクタ1の左側の駆動輪(本実施形態では後車輪3)にブレーキをかけることができ、右側のブレーキペダル20を踏み込むことでトラクタ1の右側の駆動輪にブレーキをかけることができるように構成されている。また、例えば連結装置(図示せず)で2つのブレーキペダル20を繋ぐと、左右両側の駆動輪のブレーキが同時に働くように構成されている。もちろん、駆動輪として前車輪2を利用する場合には、ブレーキペダル20が前車輪2にブレーキが働くように構成することも可能である。
【0027】
図3は運転座席11からフロントパネル81側を見た図である。
図3に示されるように、運転座席11の前方にはフロントパネル81が設けられる。フロントパネル81には、現在のエンジンEの回転数を表示するメータパネル82(表示装置80の一部)が備えられる。
【0028】
また、フロントパネル81には、設定スイッチ(「第2操作具」の一例)35が設けられる。設定スイッチ35は、エンジンEの回転数を予め記憶された回転数にする指示の受け付け、及び、エンジンEの回転数を規制する最大回転数の設定を行うことが可能である。エンジンEの回転数を予め記憶された回転数にする指示とは、アクセルレバー18や主変速ペダル19の操作に応じてエンジンEの回転数を変更するのではなく、エンジンEの回転数を図示しない記憶部に予め記憶しておいた回転数にするための指示である。エンジンEの回転数を規制する最大回転数とは、エンジンEの回転数に対する上限値であって、例えばリミッタで設定される回転数である。設定スイッチ35は、このような指示や設定を行うことができるように構成される。
【0029】
図3に示されるように、設定スイッチ35は、運転座席11からフロントパネル81側を見て、ステアリングホイール12と重複する位置に配置されている。「運転座席11からフロントパネル81側を見て」とは、トラクタ1を運転すべく、オペレータが運転座席11に座った状態で前方を見た状態を意味する。「ステアリングホイール12と重複する位置に配置されている」とは、運転座席11から見て、ステアリングホイール12の奥側(背面側)、すなわちステアリングホイール12よりも機体Aの前方側に設定スイッチ35が位置している状態をいう。したがって、設定スイッチ35は、トラクタ1を運転すべく、オペレータが運転座席11に座った状態で前方を見た状態において、ステアリングホイール12の奥側(背面側)に位置する状態で配置される。
【0030】
また、設定スイッチ35は、メータパネル82に隣接して配置される。メータパネル82は運転中にフロントパネル81を見る際に、運転に支障がないよう、フロントパネル81の中央部に設けられる。そこで、設定スイッチ35も、メータパネル82に隣接して設けることで、オペレータが設定スイッチ35を操作していても、運転に支障がないようにすることが可能となる。
【0031】
本実施形態では、アクセルレバー18は、運転座席11からフロントパネル81側を見て、ステアリングホイール12の内側領域からステアリングホイール12の外側領域のうち機体Aの幅方向一方側に向けて延出されたレバーで構成される。「運転座席11からフロントパネル81側を見て」とは、上述したようにトラクタ1を運転すべく、オペレータが運転座席11に座った状態で前方を見た状態を意味する。「ステアリングホイール12の内側領域」とは、ステアリングホイール12を軸心方向外側から見て、外縁部12Aよりも内側(軸心O側)の領域をいう。
図4は、このような外側領域を説明するための図である。ステアリングホイール12の内側領域は、
図4に示される領域IAが相当する。一方、「ステアリングホイール12の外側領域」とは、ステアリングホイール12を軸心方向外側から見て、外縁部12Aよりも外側(軸心Oとは反対側)の領域をいう。ステアリングホイール12の外側領域は、
図4に示される領域OAが相当する。機体Aの幅方向一方側とは、本実施形態では、機体Aの右方向側である。外側の領域OAのうち、機体Aの右方向側の領域は、
図4において領域ROAが相当する。したがって、アクセルレバー18は、トラクタ1を運転すべく、オペレータが運転座席11に座った状態で前方を見た状態において、ステアリングホイール12を軸心方向外側から見て、外縁部12Aよりも内側の領域IAから外縁部12Aよりも外側の領域OAのうち、機体Aの右方向側の領域ROAに向けて延出されたレバーで構成される。なお、
図4には、外側の領域OAのうち、機体Aの左方向側の領域は、領域LOAとして示される。
【0032】
設定スイッチ35は、運転座席11からフロントパネル81側を見て、フロントパネル81のうちステアリングホイール12の中心部よりも、機体Aの幅方向一方側に設けられる。「運転座席11からフロントパネル81側を見て」とは、上述したようにトラクタ1を運転すべく、オペレータが運転座席11に座った状態で前方を見た状態を意味する。ステアリングホイール12の中心部とは、ステアリングホイール12の軸心Oである。機体Aの軸方向一方側とは、本実施形態では機体Aの右方向側である。ここで、設定スイッチ35は、上述したように運転座席11からフロントパネル81側を見て、ステアリングホイール12と重複する位置に設けられている。したがって、設定スイッチ35は、トラクタ1を運転すべく、オペレータが運転座席11に座った状態で前方を見た状態において、フロントパネル81のうち、ステアリングホイール12の内側領域IAにおける機体Aの右方向側の領域RIAに設けられる。なお、
図4には、ステアリングホイール12の内側領域IAにおける機体Aの左方向側の領域は、領域LIAとして示される。
【0033】
本実施形態では、設定スイッチ35は1つのシーソスイッチで構成される。シーソスイッチとは、スイッチの両端のいずれか一方を押下することで、電気回路の状態を両端の夫々に設定された状態(例えば、接続または遮断)に切り替えることが可能なデバイスであって、ロッカースイッチとも称される。
【0034】
図5には、このようなシーソスイッチを用いて構成された設定スイッチ35が示される。
図5の例では、スイッチの上側US及び下側DSを押下可能に構成され、下側DSが押下された状態を示している。例えば上側US及び下側DSのうち、押下された側を明示すべく少なくとも一部の領域を点灯するようなパイロットランプを設けることも可能である。
【0035】
本実施形態では、このような設定スイッチ35の操作に応じて、第1モードと第2モードとの切り替えが行えるように構成されている。第1モードは、上述したようなエンジンEの回転数を予め設定された回転数で制御する回転数として、予め記憶させておく回転数を設定するモードである。すなわち、エンジンEの回転数を予め設定された回転数で制御する際には、第1モードで設定された回転数となるように制御される。第2モードは、エンジンEの回転数を規制する最大回転数を設定するモードである。すなわち、エンジンEの回転数は、第2モードで設定された回転数より大きくならないように規制される。
【0036】
また、第1モード及び第2モードの夫々において設定する回転数は、設定スイッチ35の押下に応じて増減が可能である。第1モードで設定する回転数とは、エンジンEの回転数として予め記憶しておく回転数であって、第2モードで設定する回転数とは、エンジンEの最大回転数である。この増減は、
図5に示すように例えば、上側USを押下すると増加するようにし、下側DSを押下すると減少するようにすると良い。
図5の例では、上側USに「+」が示され、下側DSに「-」が示される。
【0037】
具体的には、上側USを所定時間(例えば3秒間)、長押しする。これにより、第1モードに入ることが可能となる。この状態で、「+」又は「-」を押下して予め記憶しておきたいエンジンEの回転数を設定する。エンジンEの回転数の設定後、所定時間(例えば4秒間)、放置することで、第1モードから抜け出す。また、下側DSを所定時間(例えば3秒間)、長押しする。これにより、第2モードに入ることが可能となる。この状態で、「+」又は「-」を押下してエンジンEの最大回転数を設定する。エンジンEの最大回転数の設定後、所定時間(例えば4秒間)、放置することで、第2モードから抜け出す。以上のように構成することで、一つのシーソスイッチで複数のモードの設定を行うことが可能となる。
【0038】
また、設定スイッチ35にリセット機能を設けることも可能である。リセット機能を下側DSに設定する場合、下側DSを所定時間(例えば3秒間)押下すると設定した回転数(記憶しておいた回転数)を解除するように構成し、解除後、所定時間(例えば4秒間)、放置することで、リセット機能(リセットモード)から抜け出すことが可能となる。設定スイッチ35をこのように構成することも可能である。
【0039】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、設定スイッチ35は、運転座席11からフロントパネル81側を見て、ステアリングホイール12と重複する位置に配置されているとして説明したが、設定スイッチ35は、運転座席11からフロントパネル81側を見て、ステアリングホイール12と重複する位置に配置されていなくても良い。
【0040】
上記実施形態では、設定スイッチ35は、メータパネル82に隣接して配置されているとして説明したが、設定スイッチ35は、メータパネル82に隣接せずに、所定の間隔を有して配置すること可能である。係る場合であっても、運転座席11のオペレータが運転姿勢にある状態において、手が届く範囲にあれば良い。
【0041】
上記実施形態では、アクセルレバー18は、運転座席11からフロントパネル81側を見て、ステアリングホイール12の内側領域IAからステアリングホイール12の外側領域OAのうち機体Aにおける右側に向けて延出されたレバーであるとして説明した。アクセルレバー18は、運転座席11からフロントパネル81側を見て、ステアリングホイール12の内側領域IAからステアリングホイール12の外側領域OAのうち機体Aにおける左側に向けて延出されたレバーで構成することも可能である。また、アクセルレバー18は、運転座席11からフロントパネル81側を見て、ステアリングホイール12の外側領域OAのうち機体Aにおける幅方向一方側から延出されたレバーで構成することも可能である。
【0042】
上記実施形態では、設定スイッチ35は、運転座席11からフロントパネル81側を見て、フロントパネル81のうちステアリングホイール12の中心部よりも、機体Aにおけるアクセルレバー18が延出する側に設けられるとして説明したが、設定スイッチ35は、運転座席11からフロントパネル81側を見て、フロントパネル81のうちステアリングホイール12の中心部よりも、機体Aにおけるアクセルレバー18が延出する側とは反対側に設けても良い。
【0043】
上記実施形態では、設定スイッチ35は、1つのシーソスイッチで構成されるとして説明したが、設定スイッチ35は複数のシーソスイッチを用いても構成しても良いし、シーソスイッチとは異なるスイッチ、例えばロータリスイッチやトグルスイッチ等を用いて構成することも可能である。また、表示装置80にアイコンとして表示することも可能である。
【0044】
上記実施形態では、設定スイッチ35の操作に応じて、予め記憶された回転数を設定する第1モードと最大回転数を設定する第2モードとの切り替えと、予め記憶された回転数及び最大回転数の夫々の設定とが可能であるとして説明したが、設定スイッチ35は、予め記憶された回転数を設定する第1モードと最大回転数を設定する第2モードとの切り替えを行う機能と、予め記憶された回転数及び最大回転数の夫々の設定を行う機能とを分けて構成する、すなわち、少なくとも何れか一方の機能を有するように構成することも可能である。
【0045】
上記実施形態では、作業機としてトラクタ1を例に挙げて説明したが、作業機はトラクタ1以外の作業機、すなわち田植機、コンバイン、建設機械、芝刈り機、土木作業や森林作業や除雪作業等を行う作業機などであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、エンジンを備えた作業機に用いることが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1:作業車
12:ステアリングホイール
18:アクセルレバー(第1操作具)
35:設定スイッチ(第2操作具)
81:フロントパネル
82:メータパネル
A:機体
C:運転部
E:エンジン