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特許7413257少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20240105BHJP
【FI】
A61B5/055 380
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020523275
(86)(22)【出願日】2018-10-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 EP2018079318
(87)【国際公開番号】W WO2019081656
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】17198719.1
(32)【優先日】2017-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520012194
【氏名又は名称】アムラ・メディカル・エービー
【氏名又は名称原語表記】AMRA Medical AB
【住所又は居所原語表記】Badhusgatan 5,582 22 Linkoeping,Sweden
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ボルガ、マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】ダールクビスト・ラインハルト、オロフ
(72)【発明者】
【氏名】リンゲ、ジェニファー
【審査官】後藤 昌夫
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-500675(JP,A)
【文献】特開2010-207272(JP,A)
【文献】特開2010-122901(JP,A)
【文献】特開2006-043360(JP,A)
【文献】特開2009-261435(JP,A)
【文献】国際公開第2009/122649(WO,A1)
【文献】国際公開第01/015600(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
A61B 6/00-6/14
A61B 5/05-5/0538
A61B 5/24-5/398
A61B 5/00-5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価のための基準を提供する方法(100)であって、前記方法は、
前記個人の身体の以下のパラメータ値:
内臓脂肪の量(VF)、
皮下脂肪の量(AF)、
少なくとも1つの組織区画の体積(TV)、
少なくとも1つの組織区画に浸潤した脂肪の濃度(FT)、
少なくとも1つの器官に浸潤した脂肪の濃度(OF)、および
骨髄中の脂肪の濃度
のグループから少なくとも2つを取得すること(102)と、
前記個人の2次元以上の表現を提供することにより、前記少なくとも2つの取得されたパラメータ値の組み合わせを使用して、前記個人の身体組成プロファイル(BCP)を決定すること(104)と、
前記個人の前記BCPを、
複数の類似した2次元以上のBCPを発見するための他の個人のデータベース内に記憶されたBCP(BCP、BCP、BCP)、又は
他の個人の2次元以上のBCPから抽出された、前記個人の前記2次元以上のBCPを構成するパラメータの所定のパラメータ記述(PD~PD)、ここで、各パラメータ記述は、前記個人のBCPの少なくとも2つのパラメータの各々について少なくとも1つのパラメータ区間を含む、
と比較すること(106)と、
記憶されたBCPのデータベースから、BCPのグループを選択することと、ここで、前記個人のBCPのパラメータ値から所定の範囲内の2つ以上のパラメータのパラメータ値を有することによって、前記グループのBCPは、前記個人のBCPと類似し、各所定の範囲は、前記個人のBCPのそれぞれのパラメータ値の近くに前記個人のBCPのそれぞれのパラメータ値に対して個別に設定され、又は
前記所定のパラメータ記述からパラメータ記述を選択することと、ここで、前記個人のBCPの少なくとも2つのパラメータ値の値は全て、前記パラメータ記述の少なくとも2つのパラメータのパラメータ区間内に入る、
前記個人のBCPを、前記BCPの選択されたグループ又は前記選択されたパラメータ記述の前記パラメータ値、および、前記BCPの選択されたグループ又は前記選択されたパラメータ記述に関連する表現型変数データ、に関連付けることと、
を行うステップを含む、方法。
【請求項2】
少なくとも1つの組織区画の体積(TV)および少なくとも1つの組織区画における脂肪浸潤(FT)の前記値は、同じ少なくとも1つの組織区画について取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記BCPを決定する前記ステップは、前記個人の体重を前記少なくとも1つの組織区画の前記体積で割って計算することによって、組織区画比(MR)を決定することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記BCPを決定する前記ステップは、皮下脂肪の量と内臓脂肪の前記量との和を、皮下脂肪の前記量と、内臓脂肪の前記量と、前記少なくとも1つの組織区画の前記体積との和で割って計算することによって、脂肪率(FR)を決定することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも2つのパラメータ値に加えて、前記個人の身長及び/又は体重が取得され、前記BCPの前記決定に使用される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
比較する前記ステップ(106)は、少なくとも1つの表現型変数の前記個人の特徴を、所定の表現型変数特徴を有するグループに分類するステップを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法(100)を実行するように構成されたコンピュータプログラム製品。
【請求項8】
請求項7に記載のコンピュータプログラム製品を含む、読み取り可能なコンピュータ媒体。
【請求項9】
少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価のための基準を提供するためのシステム(10)であって、前記システムは、
内臓脂肪の量、
皮下脂肪の量、
少なくとも1つの組織区画の体積、
少なくとも1つの組織区画に浸潤した脂肪の濃度、
少なくとも1つの器官に浸潤した脂肪の濃度、および
骨髄中の脂肪の濃度
のグループから前記個人の身体の少なくとも2つのパラメータ値を取得又は受信するように構成された入力ユニット(12)と、
前記少なくとも2つのパラメータ値の組み合わせに基づいて、前記個人の身体組成プロファイル(BCP)を決定するように構成された決定ユニット(14)と、
前記個人の前記身体組成プロファイルを、
複数の類似した2次元以上のBCPを発見するための他の個人のデータベース内に記憶されたBCP(BCP、BCP、BCP)、又は
他の個人の2次元以上のBCPから抽出された、前記個人の前記BCPを構成するパラメータの所定のパラメータ記述(PD~PD)、ここで、各パラメータ記述は、前記個人のBCPの少なくとも2つのパラメータの各々について少なくとも1つのパラメータ区間を含む、
と比較するように構成された比較ユニット(16)と
を含み、
前記システム(10)は、
前記データベース中の前記BCPから、BCPのグループを選択するように、ここで、前記個人のBCPのパラメータ値から所定の範囲内の2つ以上のパラメータのパラメータ値を有することによって、前記グループのBCPは、前記個人のBCPと類似し、各所定の範囲は、前記個人のBCPのそれぞれのパラメータ値の近くに前記個人のBCPのそれぞれのパラメータ値に対して個別に設定され、又は
前記所定のパラメータ記述からパラメータ記述を選択するように、ここで、前記個人のBCPの少なくとも2つのパラメータの値は全て、前記パラメータ記述の少なくとも2つのパラメータのパラメータ区間内に入る、
前記個人のBCPを、前記BCPの選択されたグループ又は前記選択されたパラメータ記述の前記パラメータ値、および、前記BCPの選択されたグループ又は前記選択されたパラメータ記述に関連する表現型変数データに、関連付けるように
構成されたユニットをさらに含む、
システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価のための基準を提供する方法に関し、特に、個人の身体組成パラメータ値を使用するそのような方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表現型変数の個人の特徴は、健康状態、すなわち特定の疾患又は症候群の発症の可能性又はリスクに関して予防的に行動できるようにするために評価することが興味深い。これは、例えば、2型糖尿病、心血管疾患(CVD)、高血圧、狭心症、脳卒中又は心臓発作に対する個人の傾向に関連し得る。
【0003】
いくつかの傾向決定の測定値として、入力パラメータとして個人の身長および体重を用いたBMI(肥満度指数)を使用することが一般的である。しかしながら、BMIのような身体測定値は、特に個人レベルで、体脂肪分布および関連する代謝リスクの予測因子として不十分であることは確立された事実である。
【0004】
したがって、表現型変数の個人の特徴を評価するためのより正確な基準が必要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、既知の方法と比較して、少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価のための基準を提供するための改善された方法を提供することである。
【0006】
本発明は、添付の独立請求項によって定義され、実施形態は、添付の従属請求項、以下の説明、および図面に記載される。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価のための基準を提供する方法が提供される。この方法は、個人の身体の以下のパラメータ値:内臓脂肪の量、皮下脂肪の量、少なくとも1つの組織区画の体積、少なくとも1つの組織区画に浸潤した脂肪の濃度、少なくとも1つの器官に浸潤した脂肪の濃度、および骨髄中の脂肪の濃度、のグループから少なくとも2つを取得することと、少なくとも2つの取得されたパラメータ値の組み合わせを使用して、個人の身体組成プロファイル(BCP)を決定することと、個人のBCPを、他の個人の以前に記憶されたBCPに基づくパラメータ値と比較することと、を行うステップを含む。
【0008】
少なくとも1つの表現型変数の特徴は、少なくとも1つの表現型変数のパラメータ記述又は非パラメータ記述であり得る。表現型変数は、例えば、HBA1c、血圧、年齢、又は健康状態であり得る。
【0009】
本発明による方法の比較の結果は、BCPが、以前に記憶されたBCPベースのパラメータ値に関連付けられるか又は分類されることであり得る。このような関連付け又は分類に基づいて、少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価は、以前に記憶されたBCPに基づくパラメータ値に関連付けられた表現型変数データに基づいて行われ得る。表現型変数データは、例えば、複数のBCPの個人についての収集データ及び/又はそれらの医療データであり得る。表現型変数データは、表現型変数の平均値および分散を提供し得る。
【0010】
少なくとも1つの表現型変数の特徴は、一実施形態では、特定の健康状態に対する傾向として提供され得る。したがって、本発明は、特定の健康状態に対する個人の傾向の評価の基準を提供する方法に関し得る。
【0011】
特定の健康状態に対する傾向は、特定の疾患又は症候群の傾向であり得る。特定の健康状態に対する個人の傾向を評価することは、遡及的に収集されたデータに基づいて特定の健康状態に対する個人の傾向を決定することを意味し得る。遡及的に収集されたデータは、一例として、以前に記憶されたBCPの特定の量又は割合の個人が高血圧であったことを示し得る。
【0012】
少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価は、個人の将来の疾患のリスクの決定を含むことも意味し得る。このような決定のために、以前に記憶されたBCPにおいて表される個人のための予想データが使用され得る。
【0013】
本発明によって提供される身体組成プロファイリングは、個人の又はグループの脂肪蓄積パターン、脂肪および筋肉分布、並びに脂肪組織区画間のバランスの迅速かつ同時の評価を可能にし得る。それによって、多変数空間に記述された異なる表現型が区別され得る。決定されたBCPは、異所性脂肪区画を強調するための容易に解釈される多変数表現、および少なくとも1つの表現型変数の特徴を評価することによる対象の傾向又はリスクプロファイルの迅速な評価を提供し得る。
【0014】
パラメータ値は、個人の身体の以前の部分的又は全身MRIスキャンによって提供され得る。結果として得られるMRIスキャンの画像からパラメータ値を抽出するために、異なる方法が使用され得る。MRIスキャンは、水分及び脂肪分離画像を提供し得る。個人のBCPであるBCPは、2つ以上の取得されたパラメータ値を組み合わせることによって形成され得る。組み合わせられたパラメータ値は、BCPを構成する2次元以上の表現を提供し得、これは2次元以上の方法で視覚化され得る。
【0015】
パラメータ値は、表現型変数の個人の特徴に影響を及ぼし得る1つ以上の因子の予測因子として使用され得る。
【0016】
内臓脂肪の量は、個人の身体内に存在する内臓脂肪の質量又は体積を表すパラメータ値を提供し得る。
【0017】
皮下脂肪の量は、腹部領域又は大腿部などの個人の身体の特定の領域における皮下脂肪の質量又は体積を表すパラメータ値を提供し得る。個人の身体の腹部領域は、大腿骨頭の頂部から椎骨T9の頂部までの腹部の部分として定義され得る。
【0018】
少なくとも1つの組織区画の体積は、個人の身体内の筋肉などの特定の組織区画の体積を表すパラメータ値を提供し得る。組織区画は、所定のものであり得る。このような所定の組織区画は、左又は右の前大腿筋、左又は右の後大腿筋のグループにおける筋肉のうちの1つであり得る。
【0019】
少なくとも1つの組織区画に浸潤した脂肪の濃度は、脂肪で構成された組織区画の質量又は体積のパーセンテージ又は比率を表すパラメータ値を提供し得る。組織区画は、所定の筋肉などの筋肉であり得る。このような所定の組織区画は、左又は右の前大腿筋、左又は右の後大腿筋のグループにおける筋肉のうちの1つであり得る。
【0020】
少なくとも1つの器官に浸潤した脂肪の濃度は、脂肪で構成された器官の質量又は体積のパーセンテージ又は比率を表すパラメータ値を提供し得る。器官は、所定の器官であり得る。このような所定の器官は、例えば、肝臓、心臓、又は膵臓であり得る。
【0021】
骨髄中の脂肪の濃度は、脂肪で構成された個人の身体中の骨髄のパーセンテージ又は比率を表すパラメータ値を提供し得る。
【0022】
BCPは、以前のBCPに基づくパラメータ値と比較される。このデータは、複数の記憶されたBCP内のパラメータ値、又は他の個人の以前に記憶されたBCP内のパラメータ値から抽出されたパラメータ記述(区間など)であり得る。
【0023】
一実施形態では、少なくとも1つの組織区画の体積及び少なくとも1つの組織区画における脂肪浸潤の値は、同じ少なくとも1つの組織区画について取得され得る。
【0024】
筋肉などの所定の組織区画が、体積および脂肪浸潤値に対して使用され得る。両方のパラメータ値に対して同じ組織区画を使用することによって、組み合わせられた値の特定の情報が決定され得る。体積又は脂肪浸潤値はそれぞれ、組織区画の状態の完全なビューを与えないことがある。筋肉の体積が大きいと、例えば、脂肪浸潤がより大きくなり得る。それによって、同じ組織区画についての体積および脂肪浸潤値の両方が関連するという結論が下され得る。所定の組織区画は、例えば大腿筋であり得る。
【0025】
別の実施形態では、BCPを決定するステップは、個人の体重を少なくとも1つの組織区画の体積で割って計算することによって、組織区画比を決定することを含み得る。
【0026】
組織区画比は、筋肉の体積が計算に使用される場合、筋肉比であり得る。筋肉比は、体積当たりの質量の比率、例えば1リットル当たりのキログラムを表し得る。
【0027】
さらなる実施形態では、BCPを決定するステップは、皮下脂肪の量と内臓脂肪の量との和を、皮下脂肪の量と、内臓脂肪の量と、少なくとも1つの組織区画の体積との和で割って計算することによって、脂肪率を決定することを含み得る。脂肪率FRは、更に、次式:FR=(AF+VF)/(AF+VF+TV)で表すことができ、ここで、AFは皮下脂肪の量であり、VFは内臓脂肪の量であり、TVは少なくとも1つの組織区画の体積である。
【0028】
少なくとも1つの組織区画は、大腿筋などの所定の筋肉であり得る。脂肪率は、所定の組織区画の体積と個人の身体内の脂肪との組み合わせに対する脂肪の量のパーセンテージを表し得る。それによって、脂肪率は、個人の身体内の組織区画体積の量に対する脂肪の量の指標を提供し得る。組織区画体積は、個人の大腿筋体積であり得る。
【0029】
一実施形態では、少なくとも2つのパラメータ値に加えて、個人の身長及び/又は体重が取得され、BCPの決定に使用され得る。
【0030】
個人の身長及び/又は体重は、BCPを決定するために少なくとも2つのパラメータ値と組み合わせて使用され得る。BCPの追加の次元及び特定の健康状態に対する個人の傾向の評価が提供され得る。
【0031】
さらなる実施形態では、個人のBCPを比較するステップは、個人のBCPを、以下のいずれか:複数の類似したBCPを発見するための他の個人のデータベース内のBCP、又は他の個人のBCPから抽出された、個人のBCPを構成するパラメータ値の所定のパラメータ記述、と比較することを含み得る。
【0032】
個人のBCPと、以前に記憶されたBCPに基づくパラメータ値などのデータとの比較が、2つの異なる方法で実行され得る。第1の選択肢として、一組の類似したBCPを発見するために、BCPが他の個人のデータベース内のBCPと比較される。類似したBCPは、BCPと少なくとも同じパラメータを含むBCPであってもよく、BCPのパラメータ値と記憶されたBCPとは類似する。類似することにより、記憶されたBCPの各パラメータ値が、対応するBCPパラメータ値の所定の範囲内にあることを意味し得る。所定の範囲は、データベースの特徴に基づいて評価ごとに設定されてもよい。所定の範囲は、個々の比較ごとに選択可能であってもよい。
【0033】
あるいは、BCPは、BCPにおけるパラメータ値の所定のパラメータ記述と比較され得る。パラメータ記述は、少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価のために使用され得るデータに関連し得る。比較の結果は、パラメータ記述に対するBCPの関係に依存する。BCPを比較するステップは、少なくとも2つのパラメータの組み合わせのパラメータ記述を見ることを含み得る。既知のパラメータ記述は、決定されたBCPに含まれる各パラメータに別々に関連してもよく、又は決定されたBCPにおけるパラメータの組み合わせに関連してもよい。BCPを既知の又は所定のパラメータ記述と比較することにより、パラメータ記述に関連するデータは、表現型変数の現在の個人の特徴を評価するために使用され得る。
【0034】
一実施形態では、個人のBCPをデータベース内のBCPと比較するステップは、記憶されたBCPのデータベースから、記憶されたBCPのグループを選択するステップを含み得、グループのBCPは、個人のBCPと類似したBCPを有する。
【0035】
それによって、BCPのグループが選択されてもよく、それらは全て、BCPの範囲内で類似し得る。BCPを決定するために使用されるパラメータ値の各々について、ある範囲が個人の値の近くに設定され得、記憶されたBCPのパラメータ値は、それが前記範囲内にある場合、BCPの対応するパラメータ値と類似するものとして決定され得る。範囲は、所定のものであってもよく、それがどのパラメータに関連するかに依存してもよい。次いで、グループ中のBCPに関連する既知のデータが、少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価のために使用され得る。このような既知のデータは、グループ内のBCPの個人の病歴又は結果であり得る。
【0036】
別の実施形態では、パラメータ記述は、BCPの少なくとも2つのパラメータ値の各々について少なくとも1つのパラメータ区間を含み得、比較するステップは、個人のパラメータ値の各々を少なくとも1つのパラメータ区間と比較することを含み得る。
【0037】
パラメータ記述における所定のパラメータ区間は、他の個人のBCPに基づいて所定のものであり得る。BCPの個人に関連付けられたデータは、比較において関心のあるパラメータ区間を決定するために使用されている可能性がある。BCPにおけるパラメータ値の各々は、そのパラメータ値に関するパラメータ区間と比較される。BCPの全てのパラメータ値についての比較は、表現型変数の個人の特徴の評価のための基準を提供するように組み合わせられ得る。
【0038】
さらなる実施形態では、比較するステップは、少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴を、所定の表現型変数特徴を有するグループに分類するステップを含み得る。
【0039】
BCPがBCPの選択されたグループと、又はパラメータ記述と比較されるとき、その比較は、所定の表現型変数特徴を有する表現型変数の個人の特徴を分類するために行われ得る。比較は、所定のカテゴリを選択するための情報を提供し得る。
【0040】
本発明の第2の態様によれば、上記の実施形態のいずれかに記載の方法を実行するように構成された、コンピュータプログラム製品が提供される。
【0041】
本発明の第3の態様によれば、上記に記載のコンピュータプログラム製品を含む読み取り可能なコンピュータ媒体が提供される。
【0042】
本発明の第4の態様によれば、少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価のための基準を提供するシステムが提供される。システムは、内臓脂肪の量、皮下脂肪の量、少なくとも1つの組織区画の体積、少なくとも1つの組織区画に浸潤した脂肪の濃度、少なくとも1つの器官に浸潤した脂肪の濃度、および骨髄中の脂肪の濃度、のグループから個人の身体の少なくとも2つのパラメータ値を受信又は取得するように構成された入力ユニットを含む。システムは、少なくとも2つのパラメータ値の組み合わせに基づいて個人の身体組成プロファイルを決定するように構成された決定ユニットと、個人の身体組成プロファイルを、他の個人の以前に記憶された身体組成プロファイルに基づくデータと比較するように構成された比較ユニットとを更に含む。システムは、実施形態において、上記の方法の実施形態について説明したように対応して構成されたユニットを更に含み得る。
【0043】
本発明は、添付図面を参照して以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1図1は、本発明の実施形態による方法のフローチャートを示す。
図2図2は、本発明の実施形態によるシステムの概略ブロック図を示す。
図3A図3Aは、本発明の実施形態によるBCP図を示す。
図3B図3Bは、本発明の実施形態によるBCP図を示す。
図3C図3Cは、本発明の実施形態によるBCP図を示す。
図4A図4Aは、本発明の実施形態によるBCP図を示す。
図4B図4Bは、本発明の実施形態によるBCP図を示す。
図5図5は、本発明の実施形態によるBCP図を示す。
図6図6は、本発明の実施形態による比較のステップを示す。
図7図7は、本発明の実施形態を使用して提供される例示的なBCPを示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明は、本発明の好ましい実施形態が示される添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。図面において、同様の番号は同様の要素を指す。
【0046】
図1は、本発明の実施形態による、少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価のための基準を提供する方法100のフローチャートを示す。方法100は、個人の身体の少なくとも2つのパラメータ値を取得するステップ102を含む。パラメータ値は、内臓脂肪の量、皮下脂肪の量、少なくとも1つの組織区画の体積、少なくとも1つの組織区画に浸潤した脂肪の濃度、および骨髄中の脂肪の濃度、のグループからの少なくとも2つであり得る。
【0047】
方法100は、少なくとも2つのパラメータ値の組み合わせを使用して、個人の身体組成プロファイルBCPを決定するステップ104を更に含む。2つ以上のパラメータ値は、組み合わせて、個人の身体の表現を提供するために使用される。
【0048】
更に、方法100は、BCPを、他の個人の以前に記憶されたBCPに基づくデータと比較するステップ106を含む。
【0049】
図2は、少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価のための基準を提供するために使用されるように構成されたシステム10を示す。システム10は、個人の身体の少なくとも2つのパラメータ値を受信又は取得するように構成された入力ユニット12を含む。パラメータ値は、入力ユニット12に手動で入力されてもよく、又はパラメータ値が記憶されている記憶ユニットから、もしくはパラメータ値を入力ユニット12に提供するように構成された取得手段から、入力ユニット12によって自動的に受信されてもよい。システム10は、入力ユニット12からパラメータ値を受信し、少なくとも2つの受信したパラメータ値の組み合わせを使用して、個人のBCPを決定するように構成された決定ユニット14を更に含む。更に、システム10は、決定ユニット14から決定されたBCPを受信し、BCPを他の個人の以前に記憶されたBCPに基づくデータと比較するように構成された比較ユニット16を含む。以前に記憶されたBCPは、記憶ユニット18に記憶される。比較ユニット16は、記憶ユニット18と通信可能に接続されている。記憶ユニット18は、BCP及び/又は記憶されたBCPから生成されたデータ(パラメータ値)を含む記憶されたデータベースであり得る。システム10は、一実施形態では、プロセッサユニット11によって提供され、プロセッサユニット11は、入力ユニット12、決定ユニット14、および比較ユニット16の全てに相当する。プロセッサは、記憶ユニット18と通信可能に接続される。
【0050】
図3A~Cは、図中に視覚化された2つ、3つ、又は4つのパラメータ値を含むBCPの実施形態を示す。図3Aは、BCPが、2つのパラメータ値:内臓脂肪の量VF、および少なくとも1つの組織区画に浸潤した脂肪の濃度FTを使用して決定される実施形態を示す。図は、BCPを視覚化するために使用される。図3Bは、BCPが、3つのパラメータ値:内臓脂肪の量VF、少なくとも1つの組織区画に浸潤した脂肪の濃度FT、および少なくとも1つの組織区画の体積TVを使用して決定される実施形態を示す。FTおよびTVにおける組織区画は、好ましくは同一である。図3Cは、BCPが4つのパラメータ値:内臓脂肪の量VF、少なくとも1つの組織区画に浸潤した脂肪の濃度FT、少なくとも1つの組織区画の体積TV、および腹部皮下脂肪の量AFを使用して決定される実施形態を示す。
【0051】
1つの好ましい実施形態では、図4に示すように、BCPを決定するために6つのパラメータ値が使用される。BCP内のパラメータ値は、取得されたパラメータ値及び/又は個人の身体の体重と身長のうちの1つ又は複数から計算されたパラメータ値を含み得る。図示の実施形態では、6つのパラメータ値は、以下のものによって得られる:
個人の体重を筋肉の体積で割った計算によって提供される筋肉比MR。少なくとも1つの筋肉は、例えば、前大腿筋であってもよい;
器官に浸潤した脂肪の濃度、OF;このような器官は、例えば肝臓である;
腹部皮下脂肪の量と内臓脂肪の量との和を、腹部皮下脂肪の量と、内臓脂肪の量と、筋肉の体積との和で割った計算によって得られる脂肪率、FR。このような筋肉は、例えば、前大腿筋の筋肉であってもよい;
内臓脂肪の量、VF;
腹部皮下脂肪の量、AF;および
筋肉に浸潤した脂肪の濃度、FT。このような筋肉は、例えば、前大腿筋であってもよい。
【0052】
上記の実施形態における腹部皮下脂肪は、別の実施形態では、身体の別の領域における皮下脂肪に置き換えられてもよい。
【0053】
図4Aは、パラメータ値の組み合わせを使用して決定されたBCPを示す。別の個人のための別のBCPが、同じパラメータを使用して図4Bに示されているが、これらの値の組み合わせは、異なるBCPを提供する。例えば、図4Aに表される個人は、図4BのBCPによって表される個人と比較して、肝臓に浸潤したより高いレベルの脂肪、およびより高い量の内臓脂肪を示す。
【0054】
図5は、上述の6つのパラメータを用いて決定されたBCPを示す。BCPは、図示の実施形態では、3つのBCP:BCP、BCP、およびBCPと比較される。3つのBCPは、データベース内の複数のBCPから選択される。選択されたBCPは、BCPと少なくとも同じパラメータの値を含むBCPである。選択されたBCPは、BCPと比較されたときに使用されない追加のパラメータ値を含み得る。データベース内の複数のBCPから、BCPの対応するパラメータ値に類似したパラメータ値を有するBCPが選択される。各選択されたBCPのパラメータ値は、BCPの対応するパラメータ値の範囲内にあるとき、類似したものとして分類される。この場合、その範囲は所定のものであってもよく、パラメータごとに個別であってもよい。所定の範囲は、BCPのパラメータ値のプラスおよびマイナスの数値差として設定されてもよく、又はパラメータ値のプラスおよびマイナスのパーセンテージとして設定されてもよい。
【0055】
データベース内の各BCPは、別の個人について以前に決定されたBCPである。このような個人ごとに、データベースはまた、経時的な健康データ、病歴および表現型変数などの、個人についてのデータDを含み、図示の実施形態では、D~Dとして提供される。記憶されたBCPとBCPが比較され、BCPの選択がBCPに類似すると決定されたとき、選択されたBCPに関連する個人についてのデータDは、BCPの個人についての少なくとも1つの表現型変数の特徴を評価するために使用されることができる。表現型変数のこのような特徴は、2型糖尿病を発症する傾向、将来の心血管事象の傾向、代謝的に健康である傾向、又は特定の型の癌を発症する傾向などの、特定の健康状態に対する傾向であり得る。
【0056】
選択された複数のBCP、BCP~BCPに関連付けられたデータD~Dは、例えば、選択されたBCPの個人が心血管疾患を有していたかどうかについての情報を提供し得る。選択されたBCPの全てに関連するデータに依存して、BCPの個人についての将来の心血管疾患の傾向の評価を行うことができる。見込みデータが使用される場合、将来の疾患のリスクが更に決定され得る。
【0057】
図6は、ここではパラメータ記述PD~PDによって例示される、BCPにおけるパラメータのパラメータ記述PDと、BCPが比較される実施形態を示す。各パラメータ記述PDは、BCP内のパラメータの各々についてのパラメータ区間を含んでいる。パラメータ記述は、本願のBCPの一部ではないパラメータについての追加のパラメータ区間を含んでもよい。利用可能なパラメータ記述PDとBCPを比較するとき、BCP内の各パラメータ値は、各パラメータ記述PD内のパラメータ区間と比較される。最終的に、BCPの全てのパラメータ値が同じパラメータ記述PD内のそれぞれのパラメータ区間内に入るとき、パラメータ記述PDが見出される。それにより、BCPはそのパラメータ記述に分類される。
【0058】
各パラメータ記述PDは、ここではデータD~Dによって例示されるデータDとともに記憶される。データは、その特定のパラメータ記述に分類された個人についての少なくとも1つの表現型変数の特徴に関連する。BCPのPDへの分類は、データDが、BCPの個人についての少なくとも1つの表現型変数の特徴の評価に使用され得ることを提供する。このような特徴は、2型糖尿病を発症する傾向又は将来の心血管事象の傾向などの特定の健康状態の傾向であり得る。
【0059】
パラメータ記述及びそれぞれのデータは、以前に決定されたBCP及びその個人の医療データに基づいて予め生成される。各パラメータ記述およびそのパラメータ区間は、複数のBCPおよび個人の病歴に基づいて決定されていてもよい。
【0060】
パラメータ記述PDのデータDは、例えば、BCPがそれに分類された個人が、参照BCPref又は参照パラメータ記述PDrefと比較して、将来的に2型糖尿病を発症する傾向が50%増加していることを提供し得る。
【0061】
個人のBCPの決定は、代謝の健康状態のさらなる理解に効果的に使用されることができるツールとして使用され得る。例示的な研究において、4つの主要な知見がなされた。第1に、低異所性脂肪、特に内臓脂肪および組織区画に浸潤した脂肪は、代謝の健康状態と正の関連があり、代謝性疾患(冠動脈心疾患CHD、および2型糖尿病T2D)を有する対象の間で有意に高い値が見出された。
【0062】
第2に、CHD及びT2Dを特徴とした対象は、BCP変数に対して異なる関連性を示した。肝臓PDFF(プロトン密度脂肪画分)は、全てのグループ比較に関して及び多変数統計モデリングにおいて、T2Dと正の関連性を有することが見出されたが、一方、肝臓PDFFとCHDとの関連性は、性別、年齢、及びBMIに関してマッチングした後のグループ比較において有意ではなく、多変数統計モデリングを適用したときに負であった。
【0063】
第3に、これらの関連性は、性別、年齢、BMI、ライフスタイル因子、及びスタチン治療について多変数統計モデルを調整した後も有意なままであった。
【0064】
最後に、同じ性別、年齢、及びBMIグループ内で、疾患確率(CHD及びT2D)の異なる組み合わせを示す、様々な異なる個人のBCPが見出された。まとめると、これらの知見は、BCPには、性別、年齢、ライフスタイル、又はBMIによって測定された全身性脂肪率によって説明され得るものよりも多くの情報があることを示唆する。それらはまた、異なるBCP表現型、又は脂肪蓄積における特異的不均衡が、異なる疾患にリンクすることを示す。
【0065】
身体組成プロファイリングを使用する調査は、BMIを使用して達成されるものよりも、代謝の健康状態の説明を個別に考慮する必要性を示した:正常体重集団と比較して疾患確率が低い肥満対象の発見は、健康な肥満に関する文献に加わる。これは、膨張したBCPを有する正常体重の対象(図7、右上の対象)と、より星形の形状のBCPを有する肥満の男性(図7、左下の対象)との比較によって更に強化された。この比較は、肥満と比較した正常体重対象については3倍高いCHDについての予測確率をもたらし、T2Dについては2倍高く、そして代謝的に疾患がないことについては約0.5倍低い。更に、正常体重、過体重、および肥満と定義される対象の中で、異なるBCPが見出され、そのうちのいくつかが代謝の健康状態に、他のものがCHD又はT2Dのみに関連し、それらは併存疾患関連を示す。代謝的に疾患がないことについての高い予測確率を示す個人(図7、第1列)は、参照の星形で表される代謝的に疾患がないグループにより類似したBCPを有していた(図4B参照)。CHDについて高い予測確率を示すが、T2Dについては低い予測確率を示す個人(図7、第2列)は、高いVATおよびMFIを特徴とするが、肝臓脂肪は低いようであった。T2Dについて高い予測確率を示すが、CHDについては低い予測確率を示す個人(図7、第3列)は、高いVATおよび肝臓脂肪を特徴とするが、MFIは低い。そして最後に、併存疾患関連を示す個人(図7の4列目)は、高いVAT、肝臓脂肪、およびMFIを特徴とする。BCPによって定義され、異なる健康状態傾向に関連する特定の表現型の認定により、より対象化された有効な疾患治療を開発することができるだろう。更に、患者の代謝疾患状態の個別に考慮された記述により、より個別に考慮された介入計画の可能性がある。
【0066】
図7では、例示的な研究における個人のMRIスキャンが示されており、スキャン図は、内臓脂肪組織及び腹部脂肪組織を示すようにセグメント化されている。6つのパラメータ値を有するBCPが更に示されている。さらなる情報が、CHD=冠状動脈性心疾患;FR=脂肪率;MDF=代謝疾患なし;MFI=筋肉脂肪浸潤;PDFF=プロトン密度脂肪画分(器官に浸潤した脂肪の濃度);T2D=2型糖尿病;TAATi=全腹部脂肪組織指数(腹部皮下脂肪);VATi=内臓脂肪組織指数(内臓脂肪);WMR=体重対筋肉比(筋肉比)によって与えられる。
【0067】
図面および明細書では、本発明の好ましい実施形態および実施例が開示されており、特定の用語が使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、限定の目的はなく、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に記載されている。

以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価のための基準を提供する方法(100)であって、前記方法は、
前記個人の身体の以下のパラメータ値:
内臓脂肪の量(VF)、
皮下脂肪の量(AF)、
少なくとも1つの組織区画の体積(TV)、
少なくとも1つの組織区画に浸潤した脂肪の濃度(FT)、
少なくとも1つの器官に浸潤した脂肪の濃度(OF)、および
骨髄中の脂肪の濃度
のグループから少なくとも2つを取得すること(102)と、
前記少なくとも2つの取得されたパラメータ値の組み合わせを使用して、前記個人の身体組成プロファイル(BCP)を決定すること(104)と、
前記個人の前記BCPを、他の個人の以前に記憶されたBCPに基づくパラメータ値と比較すること(106)と
を行うステップを含む、方法。
[2] 少なくとも1つの組織区画の体積(TV)および少なくとも1つの組織区画における脂肪浸潤(FT)の前記値は、同じ少なくとも1つの組織区画について取得される、[1]に記載の方法。
[3] 前記BCPを決定する前記ステップは、前記個人の体重を前記少なくとも1つの組織区画の前記体積で割って計算することによって、組織区画比(MR)を決定することを含む、[1]又は[2]に記載の方法。
[4] 前記BCPを決定する前記ステップは、皮下脂肪の量と内臓脂肪の前記量との和を、皮下脂肪の前記量と、内臓脂肪の前記量と、前記少なくとも1つの組織区画の前記体積との和で割って計算することによって、脂肪率(FR)を決定することを含む、[1]~[3]のいずれか一項に記載の方法。
[5] 前記少なくとも2つのパラメータ値に加えて、前記個人の身長及び/又は体重が取得され、前記BCPの前記決定に使用される、[1]~[4]のいずれか一項に記載の方法。
[6] 前記個人の前記BCPを比較する前記ステップ(106)は、前記個人の前記BCPを、以下のいずれか:
複数の類似したBCPを発見するための他の個人のデータベース内のBCP(BCP 、BCP 、BCP )、又は
他の個人のBCPから抽出された、前記個人の前記BCPを構成する前記パラメータ値の所定のパラメータ記述(PD ~PD
と比較することを含む、[1]~[5]のいずれか一項に記載の方法。
[7] 前記個人の前記BCPをデータベース内のBCP(BCP 、BCP 、BCP )と比較する前記ステップは、記憶されたBCPのデータベースから、記憶されたBCPのグループを選択する前記ステップを含み、前記グループのBCPは、前記個人のBCPと類似したBCPを有する、[6]に記載の方法。
[8] 前記パラメータ記述(PD ~PD )は、前記BCPの前記少なくとも2つのパラメータ値の各々について少なくとも1つのパラメータ区間を含み、比較する前記ステップ(106)は、前記個人の前記パラメータ値の各々を前記少なくとも1つのパラメータ区間と比較することを含む、[6]又は[7]に記載の方法。
[9] 比較する前記ステップ(106)は、少なくとも1つの表現型変数の前記個人の特徴を、所定の表現型変数特徴を有するグループに分類するステップを含む、[1]~[8]のいずれか一項に記載の方法。
[10] [1]~[9]のいずれか一項に記載の方法(100)を実行するように構成されたコンピュータプログラム製品。
[11] [10]に記載のコンピュータプログラム製品を含む、読み取り可能なコンピュータ媒体。
[12] 少なくとも1つの表現型変数の個人の特徴の評価のための基準を提供するためのシステム(10)であって、前記システムは、
内臓脂肪の量、
皮下脂肪の量、
少なくとも1つの組織区画の体積、
少なくとも1つの組織区画に浸潤した脂肪の濃度、
少なくとも1つの器官に浸潤した脂肪の濃度、および
骨髄中の脂肪の濃度
のグループから前記個人の身体の少なくとも2つのパラメータ値を取得又は受信するように構成された入力ユニット(12)と、
前記少なくとも2つのパラメータ値の組み合わせに基づいて、前記個人の身体組成プロファイル(BCP )を決定するように構成された決定ユニット(14)と、
前記個人の前記身体組成プロファイルを、他の個人の以前に記憶された身体組成プロファイルに基づくデータと比較するように構成された比較ユニット(16)と
を含む、システム。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7