(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】低プロファイルの単一およびデュアル血管アクセス装置
(51)【国際特許分類】
A61M 37/00 20060101AFI20240105BHJP
A61M 39/02 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
A61M37/00 560
A61M39/02 100
A61M39/02 112
A61M39/02 114
(21)【出願番号】P 2020551990
(86)(22)【出願日】2019-04-12
(86)【国際出願番号】 US2019027301
(87)【国際公開番号】W WO2019200304
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-03-11
(32)【優先日】2018-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591018693
【氏名又は名称】シー・アール・バード・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】1 Becton Drive Franklin Lakes NEW JERSEY 07417 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】ヒョードル、ブレンダ エル.エフ.
(72)【発明者】
【氏名】スタッツ、ジェイソン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ランドール、マイケル アダム
(72)【発明者】
【氏名】バン リアー、チャド シー.
(72)【発明者】
【氏名】コックス、ジェレミー ビー.
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2001/0056266(US,A1)
【文献】特表平08-501008(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0078751(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0196704(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 37/00
A61M 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低プロファイルアクセスポートであって、
本体であって、
第1のセットの受け入れカップと、
第1のセットの入口ポートであって、前記第1のセットの受け入れカップの各受け入れカップは、前記第1のセットの入口ポートの1つの入口ポートと流体連通しており、各受け入れカップは、衝突針を前記入口ポートに向けて方向付けるように凹面状に成形されている、前記第1のセットの入口ポートと、
前記第1のセットの入口ポートの各入口ポートと流体連通する第1の導管であって、前記第1の導管は、前記第1のセットの入口ポートからポートステムの第1の出口まで延在する、前記第1の導管と、を含む前記本体と、
前記第1の出口と流体連通するカテーテルと、を備え、
前記本体は、第2のセットの受け入れカップおよび第2のセットの入口ポートと、前記第2のセットの受け入れカップの各受け入れカップは、前記第2のセットの入口ポートの1つの入口ポートと流体連通しており、前記第2のセットの入口ポートの各入口ポートと流体連通する第2の導管とをさらに含み、前記第2の導管は、前記第2のセットの入口ポートから前記ポートステムの第2の出口まで延在する、低プロファイルアクセスポート。
【請求項2】
前記第1のセットの受け入れカップは、前記第2のセットの受け入れカップの近位にある、請求項1に記載の低プロファイルアクセスポート。
【請求項3】
前記第1のセットの受け入れカップの各受け入れカップの周辺部は平面内にあり、各受け入れカップの周辺部の平面が互いに角度付けられている、請求項1または2に記載の低プロファイルアクセスポート。
【請求項4】
前記第1のセットの受け入れカップの各受け入れカップの周辺部は平面内にあり、各受け入れカップの周辺部の平面が互いに対して共平面である、請求項1または2に記載の低プロファイルアクセスポート。
【請求項5】
前記第1のセットの受け入れカップの各受け入れカップの周辺部は切開部を含み、隣接する受け入れカップ間の前記切開部は、前記隣接する受け入れカップの間の連通を提供する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の低プロファイルアクセスポート。
【請求項6】
透析カテーテル組立体であって、
第1のルーメンおよび第2のルーメンを有するカテーテルと、
前記カテーテルの近位端と連通している遠位端を有する分岐ハブと、
前記分岐ハブの近位端に接続された第1の延長脚部および第2の延長脚部と、前記第1の延長脚部は前記第1のルーメンと流体連通し、前記第2の延長脚部は前記第2のルーメンと流体連通しており、
前記透析カテーテル組立体の埋め込み後に皮膚表面にほぼ平行な第1の周辺部を形成する第1の受け入れカップを含む第1のポートと、前記第1のポートは、前記第1の受け入れカップと流体連通する第1の出口を含み、前記第1の出口は、前記第1の延長脚部と流体連通しており、
前記第1のポートから
、該第1のポートに対して相対移動可能に分離された第2のポートと、を備え、前記第2のポートは、前記透析カテーテル組立体の埋め込み後に皮膚表面にほぼ平行な第2の周辺部を形成する第2の受け入れカップを含み、前記第2のポートは、前記第2の受け入れカップと流体連通する第2の出口を含み、前記第2の出口は、前記第2の延長脚部と流体連通している、透析カテーテル組立体。
【請求項7】
前記第1の受け入れカップは、前記第1の周辺部を覆う第1の隔壁を含み、前記第2の受け入れカップは、前記第2の周辺部を覆う第2の隔壁を含み、前記第1の隔壁および前記第2の隔壁は、前記第1のポートおよび前記第2のポートに対する連続的な外側プロファイルを提供する、請求項6に記載の透析カテーテル組立体。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
簡単に要約すると、本発明の各実施形態は、患者の身体内の皮下埋め込み用の低プロファイルアクセスポートに関する。このアクセスポートは、カテーテル支持針が難なくポートにアクセスすることを可能にする比較的大きい皮下ターゲットを提供する受け入れカップを備える。さらに、アクセスポートは、逆流を防止しつつ、ポートを通じた加圧流体の注入を許容するための弁/シール組立体を備える。
【0002】
本発明の一態様では、患者が入浴し、シャワーを浴びることを可能にしながら、即時の皮下透析アクセスを可能にする装置が提供される。このような装置は、体外に配置された従来のトンネル型透析カテーテルと比較して、洗浄およびメンテナンスに関連するコストと時間を削減する。
【0003】
本発明の一態様では、皮膚の外傷を最小限にしつつ、長期透析を可能にする装置が提供される。典型的な注入またはアフェレーシスのポートインターフェイスは、ポートにアクセスするたびに、臨床医はほぼ同じ部位にアクセスすることが強制される。透析は、通常、週に複数回必要である。複数の針挿入部位を可能にし、それにより皮膚上の単一の部位への外傷を低減する、埋め込み型透析ポートの実施形態が提供される。
本発明の一態様では、低プロファイルアクセスポートは、近位端に入口ポートを有する導管と、受け入れカップとを含む本体を備える。受け入れカップは、カテーテル支持針を導管の中に入口ポートを介して方向付けるように凹面状である。受け入れカップは、針が衝突することを容易にするために、患者内の皮下に埋め込まれたときに、皮膚表面にほぼ向かって方向付けられる。導管に配置された弁/シール組立体は、流体の逆流を防止しつつ、カテーテルの通過を可能にする。
【0004】
本発明の一態様では、患者の皮下埋め込み用の低プロファイルアクセスポートが開示され、かつ近位端に入口ポートを有する導管と、受け入れカップとを含む本体を備える。受け入れカップは、カテーテル支持針を導管の中に入口ポートを介して方向付けるように漏斗形状である。導管は、本体によって形成され、入口ポートからステムによって形成される出口まで延在する。導管内の屈曲部は、針の前進を防止しつつ、屈曲部を通り越してカテーテルが前進することを可能にする。弁/シール組立体は、導管内に配置され、かつ流体の逆流を防止しつつ、カテーテルの貫通を可能にする。本体は、X線撮影によってアクセスポートの特定を可能にするように構成される放射線不透過性の指標を備える。
【0005】
本発明の一態様では、低プロファイルアクセスポートが開示され、かつ第1のセットの受け入れカップと、第1のセットの入口ポートとを含む本体を備え、第1のセットの受け入れカップの各受け入れカップは、第1のセットの入口ポートの1つの入口ポートと流体連通し、各受け入れカップは、衝突針を入口ポートに向けるように凹面状に形成されている。第1の導管は第1セットの入口ポートの各入口ポートと流体連通し、第1の導管は、第1セットの入口ポートからポートステムの第1の出口まで延在し、カテーテルが第1の出口と流体連通する。
【0006】
いくつかの実施形態では、第2のセットの受け入れカップは、第2のセットの入口ポートの1つの入口ポートと流体連通し、第2の導管は、第2のセットの入口ポートの各入口ポートと流体連通し、第2の導管は、第2のセットの入口ポートからポートステムの第2の出口まで延在する。第1のセットの受け入れカップは、第2のセットの受け入れカップの近位にある。第1のセットの受け入れカップの各受け入れカップの周辺部は平面内にあり、各受け入れカップの周辺部の平面は、互いに角度付けられている。第1のセットの受け入れカップの各受け入れカップの周辺部は平面内にあり、各受け入れカップの周辺部の平面は、互いに対して共平面である。第1のセットの受け入れカップの各受け入れカップの周辺部は切開部を含み、隣接する受け入れカップ間の切開部は、隣接する受け入れカップ間の連通を提供する。
【0007】
本発明の一態様では、透析カテーテル組立体が開示され、第1のルーメンおよび第2のルーメンを有するカテーテルと、カテーテルの近位端と連通する遠位端を有する分岐ハブと、分岐ハブの遠位端に接続された第1の延長脚部および第2の延長脚部ハブとを備える。第1の延長脚部は第1のルーメンと流体連通し、第2の延長脚は第2のルーメンと流体連通している。第1のポートは、透析カテーテル組立体の埋め込み後、皮膚表面にほぼ平行な第1の周辺部を形成する第1の受け取りカップを含み、第1のポートは、第1の受け入れカップと流体連通する第1の出口を含み、第1の出口は、第1の延長脚部と流体連通している。第2のポートは、第1のポートから分離され、第2のポートは、透析カテーテル組立体の埋め込み後に皮膚表面にほぼ平行な第2の周辺部を形成する第2の受け入れカップを含み、第2のポートは、第2の受け入れカップと流体連通する第2の出口を含み、第2の出口は、第2の延長脚部と流体連通している。
【0008】
いくつかの実施形態では、第1の受け入れカップは、第1の周辺部を覆う第1の隔壁を含み、第2の受け入れカップは、第2の周辺部を覆う第2の隔壁を含み、第1の隔壁および第2の隔壁は、第1のポートおよび第2のポートに対する連続的な外側プロファイルを提供する。
【0009】
本発明の一態様では、皮下透析ポートが開示され、第1のルーメンおよび第2のルーメンを有するカテーテルと、カテーテルの近位端と連通する遠位端を有する分岐ハブとを備える。第1の細長いアームおよび第2の細長いアームが分岐ハブの遠位端に接続され、第1の細長いアームは第1のルーメンと流体連通し、第2の細長いアームは第2のルーメンと流体連通し、第1の細長いアームおよび第2の細長いアームの各々は、上壁に針貫通可能な部分を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の細長いアームおよび第2の細長いアームの下壁は、第1および第2の細長いアームが患者の体の輪郭に適合することを可能にする柔軟な材料から形成される。第1の細長いアームおよび第2の細長いアームはそれぞれ、近位端に配置された端部キャップを含み、各端部キャップは、触診特徴部および指標のうちの少なくとも1つを含み、指標は、適切な撮像モダリティ下で観察可能である。触診特徴部および指標の少なくとも1つは、ユーザに対して流れの方向を示す。針貫通可能な部分は、自己密封シリコーン材料(self-sealing silicone material)を含む。第1の細長いアームの下壁および第2の細長いアームは、針貫通不能な材料で形成される。
【0011】
本発明の一態様では、皮下埋め込み用の血管アクセス装置が開示され、第1のルーメンおよび第2のルーメンを有するカテーテルと、第1の細長いチャンバおよび第2の細長いチャンバを形成する細長い本体とを備え、第1の細長いチャンバは第1のルーメンと流体連通し、第2の細長いチャンバは第2のルーメンと流体連通している。針が貫通可能な隔壁が、細長い本体の上面の開口部を覆うように配置され、開口部は、第1の細長いチャンバおよび第2の細長いチャンバへのアクセスを提供する。針貫通不能なガイドが、開口部および針貫通可能な隔壁の上方に配置され、針貫通不能なガイドは、第1の細長いチャンバの上方に配置された複数の第1の開口部と、第2の細長いチャンバの上方に配置された複数の第2の開口部とを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、細長い本体は、長さおよび幅を有し、長さは幅の2倍を超える。第1の細長いチャンバおよび第2の細長いチャンバは、細長い本体の長手方向軸に対して横並び配置で延在する。第1の細長いチャンバおよび第2の細長いチャンバは、第1の細長いチャンバが第2の細長いチャンバの近位にあるように、細長い本体の長手方向軸に対してタンデム配置となっている。針貫通不能なガイドは、針通可能な隔壁内に少なくとも部分的に配置される。針貫通不能なガイドは、針貫通可能な隔壁を貫通しない。複数の第1の開口部は、複数の第2の開口部と平行である。
【0013】
本発明の一態様では、近位端にある第1の受け入れカップと、遠位端にある第1のノズルとを含む第1の導管とを備えたポート組立体が開示され、第1の弁組立体は、第1の受け入れカップと第1のノズルとの間に配置される。第2の導管が近位端にある第2の受け入れカップと、遠位端にある第2のノズルを含み、第2の弁組立体が、第2の受け入れカップと第2のノズルとの間に配置される。外側シェルが第1の導管および第2の導管を囲み、外側シェルは、第1の受け入れカップおよび第2の受け入れカップを囲む近位部分と、第1のノズルおよび第2のノズルを囲む遠位部分とを含み、近位部分、遠位部分、第1の導管、および第2の導管は、圧入係合により接続されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、外側シェルの遠位部が、ステム組立体を受け入れるように構成された遠位の受け入れスロットを含む。ステム組立体は、遠位の受け入れスロットの挿入のために構成された近位端を有するハウジングを含み、ステム組立体は、圧入係合によい外側シェルの遠位部分に接続される。ステム組立体は、ハウジングの遠位端から延在する第1のステムおよび第2のステムを含み、第1のステムは第1の受け入れカップと流体連通し、第2のステムは第2の受け入れカップと流体連通する。ポート組立体は、第1のステム上に挿入するように構成された第1のルーメンと、第2のステム上に挿入するように構成された第2のルーメンとを含むカテーテルと、ステム組立体をカテーテルに結合するように構成されたロック部材とを含む。ステム組立体は、上部にある第1のスロットと下部にある第2のスロットとを含み、ロック部材は、第1のスロットにスナップ嵌合するように構成された第1の突出部と、第2のスロットにスナップ嵌合するように構成された第2の突出部とを含む。外側シェル、ハウジング、およびロック部材は、滑らかで連続的な外面表面を共に提供する。
【0015】
上記の観点で、本明細書の実施形態は、概して、患者の身体内の皮下埋め込みのための本明細書でアクセスポートとも呼ばれる血管アクセス装置に向けられている。埋め込まれたアクセスポートは、末梢静脈内(「PIV」)カテーテルをアクセスポートと流体連通させるようにするために、PIVカテーテルなどのカテーテル支持針によって経皮的にアクセス可能である。アクセスポートの流体出口は、一実施形態では、患者の血管系の中への流体の注入および/または患者の血管系からの流体の除去がPIVカテーテルを介して行うことができるように、患者の血管系内に配置された留置カテーテルに動作可能に接続される。
【0016】
本発明の各実施形態のこれらおよび他の特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲からより完全に明らかになるか、または以下に記載される本発明の実施形態の実施によって知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示のより具体的な説明は、添付の図面に示されるその特定の各実施形態を参照することによって行われる。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態を示すものにすぎず、従って、本発明の範囲の限定とみなされるべきではないことを理解されたい。本発明の例示実施形態は、下記添付図面を用いることによって、さらに具体的かつ詳細に記載および説明される。
【
図1A】一実施形態によるアクセスポートの様々な図を示す。
【
図1B-1C】一実施形態によるアクセスポートの様々な図を示す。
【
図1D】一実施形態によるアクセスポートの様々な図を示す。
【
図1E】一実施形態によるアクセスポートの様々な図を示す。
【
図2】
図1A-1Eのアクセスポートの断面図である。
【
図3A】一実施形態による低プロファイルアクセスポートの様々な図である。
【
図3B】一実施形態による低プロファイルアクセスポートの様々な図である。
【
図3C】一実施形態による低プロファイルアクセスポートの様々な図である。
【
図4】一実施形態による低プロファイルアクセスポートの上面図である。
【
図5】一実施形態による低プロファイルアクセスポートの斜視図である。
【
図6】一実施形態による低プロファイルアクセスポートの斜視図である。
【
図7A】一実施形態によるアクセスポートの様々な図である。
【
図7B】一実施形態によるアクセスポートの様々な図である。
【
図8A】一実施形態によるアクセスポートの様々な図である。
【
図8B】一実施形態によるアクセスポートの様々な図である。
【
図9A-9C】一実施形態による低プロファイル血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図9D-9G】一実施形態による低プロファイル血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図12A-12C】一実施形態によるシールの様々な図を示す。
【
図13A-13C】一実施形態による弁の様々な図を示す。
【
図14A-14B】
図9A-9Gのアクセス装置へのカテーテルの挿入の様々な段階を示す。
【
図14C-14D】
図9A-9Gのアクセス装置へのカテーテルの挿入の様々な段階を示す。
【
図15A-15B】一実施形態による、
図9A-9Gのアクセス装置と共に使用するためのガイド装置の種々の図を示す。
【
図16A-16B】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図16C-16E】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図16F-16G】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図22A-22B】一実施形態による、低プロファイルの血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図22C】一実施形態による、低プロファイルの血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図24】
図22A-22Cの血管アクセスポートの一部の部分的透視図である。
【
図25A-25B】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図25C-25D】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図25E】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図26A-26B】一実施形態による低プロファイル血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図26C-26D】一実施形態による低プロファイル血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図27】一実施形態による弁/シール構成の断面図である。
【
図28】一実施形態による弁/シール構成の断面図である。
【
図29】一実施形態による弁/シール構成の断面図である。
【
図30】一実施形態による弁/シール構成の断面図である。
【
図31】一実施形態による血管アクセス装置の一部の斜視図である。
【
図32A】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の斜視図を示す。
【
図32B】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の斜視図を示す。
【
図33】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の斜視図を示す。
【
図34A】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の斜視図を示す。
【
図34B】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の斜視図を示す。
【
図35A-35C】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図35D-35I】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図35J】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の様々な図を示す。
【
図36A】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の斜視図を示す。
【
図36B】一実施形態による低プロファイルの血管アクセス装置の分解図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、同様の構成には同様の参照符号が付与される図面が参照される。この図面は、本発明の例示的な各実施形態の図式の概略的な図であり、限定ではなく、必ずしも原寸に比例して描かれてもいないことを理解されたい。
【0019】
明確するために、「近位」という用語は、本明細書で説明する装置を使用する臨床医に比較的より近い方向を指し、「遠位」という用語は、臨床医から比較的遠い方向を指すことを理解されたい。例えば、患者の身体内に配置されるカテーテルの端部はカテーテルの遠位端とみなされ、一方、本体の外側に残るカテーテルの端部はカテーテルの近位端である。また、特許請求の範囲を含んで、本明細書で使用される「含む」、「有する」、および「有する」という用語は、「備える」という用語と同じ意味を有するものとする。
【0020】
本発明の各実施形態は、概して、患者の身体内の皮下埋め込み用アクセスポートに関する。埋め込まれたアクセスポートは、末梢静脈内(「PIV」)カテーテルをアクセスポートと流体連通させるようにするために、PIVカテーテルなどのカテーテル支持針によって経皮的にアクセス可能である。アクセスポートの流体出口は、一実施形態では、患者の血管系の中への流体の注入および/または患者の血管系からの流体の除去、例えば、透析または同様の体外治療をPIVカテーテルを介して行うことができるように、患者の血管系内に配置された留置カテーテルに動作可能に接続される。
【0021】
一実施形態によれば、アクセスポートは、患者の皮下組織内への配置を容易に行うことができるように低プロファイル形状となっている。さらに、アクセスポートは、PIVカテーテルまたは他の適切なカテーテル支持針が難なくポートにアクセスすることを可能にするために、比較的大きい皮下ターゲットを提供するように構成されている。さらに、アクセスポートは、約2068kPa(300psi)の圧力において毎秒約5ml等の比較的高い流量でアクセスポートを通じた流体の注入(本明細書では「高圧注入」とも呼ばれる)を許容するための弁/シール組立体を含む。本明細書で説明するアクセスポートの可能な用途には、患者への薬剤やその他の流体の投与、フェレーシス/アフェレーシス/透析、または患者の血管系への流体の注入または患者の血管系からの流体の除去を可能にする類似の体外治療、流体吸引などが含まれる。
【0022】
一実施形態による、10で全体的に示されるアクセスポートの様々な詳細を示す
図1A~
図1Eを最初に参照する。図示するように、ポート10は、本実施形態において第1の部分12Aおよび第2の部分12B(
図1E)によって形成される本体12を含む。本実施形態では、ポート本体12は、チタンなどの金属で構成され、従って、第2の部分12Bは、本体を形成するために第1の部分12Aとの係合状態に圧入されるが、ポート本体は、金属、熱可塑性材料、セラミックスなどを含む様々な他の材料で構成することができることが理解される。
【0023】
本実施形態では、以下でさらに説明するように、ポート本体12は、ポート10と動作可能に接続するようにカテーテル支持針(
図2)を受け入れかつ方向付けるためのほぼ凹面状の受け入れカップ14を形成している。詳細には、受け入れカップ14のほぼ凹面状は、受け入れカップ14に衝突するカテーテル支持針(
図2)を、ポート本体12によって形成される導管18のための開口部として機能する入口ポート16に向けて方向付けるように構成されている。受け入れカップ14の開放している浅い特質は、それがほぼ上向きであり(即ち、患者の皮膚表面に向かっており)、その結果、患者の皮膚の下で皮下に埋め込まれるときに、それが皮膚表面にほぼ平行である(即ち、皮膚が安静時、または指圧または指操作によって変形していないとき、受け入れカップが皮膚表面にほぼ平行である)こと、および
図2に示すように、皮膚の中に導入されるときに、受け入れカップが、大きな簡単にアクセス可能な針用のターゲットを示すことを可能にする。
図2はさらに、ポート10が比較的低いプロファイル高さで形成されていることを示し、これにより、埋め込み後にポートにアクセスするために比較的短い針の長さを使用することが可能になる。ポート10、ポート本体12、漏斗(funnel)14、それらの一部などは、適切な生体適合性材料で構築できることが理解されよう。さらに、ポート10またはその一部は、例えば、チタンなどの金属を含むことができる。本明細書でさらに詳細に説明するように、そのような金属は、生体適合性、放射線不透過性、および/または衝突針からの穴開け(gouging)に対する耐性を有するものとすることができる。一例として、ポート10、ポート本体12、漏斗14、チタンを含むそれらの一部は、機械加工することができ、粉末チタンを射出成形することによって形成することができ、または他の適切な方法によって製造することができる。
【0024】
触診特徴部26は、ポート本体12に備えられており、患者の皮膚の下に埋め込まれた後、臨床医が指の触診によりポート10を特定および/または識別するのを支援する。詳細には、本実施形態では、触診特徴部26は、受け入れカップ14の近位端の近くに配置された突起26Aと、受け入れカップの遠位部分の上方に配置され、遠位部分に沿って湾曲する隆条部26Bとを備える。
図1Bは、触診特徴部が、受け入れカップ14の位置および/または配向を特定するために臨床医による特徴部の触診を支援するように、ポート10によって形成された一般的な上部平面上に延在することを示す。本明細書中に図示および説明されているものに加えて、様々な他のサイズ、構成、個数などの触診特徴部が、ポート上に含まれてもよいことに留意されたい。
【0025】
案内溝28は、受け入れカップ14上に形成され、導管18の入口ポート16と長手方向に整列されている。案内溝28は、受け入れカップ14の表面の隣接した部分に対する窪みとして形成され、案内溝に針が衝突すると、カテーテル支持針の遠位先端を入口ポート16に向かって案内する案内経路を与えるように受け入れカップの近位部分から受け入れカップ表面に沿って遠位に延在する。これは、針が挿入中に受け入れカップ14上を滑って外れる機会を減少させる。これらおよび他の同様の特徴は、形状および構成が異なっているが、本明細書中に開示される他のポートに含ませることもできることに留意されたい。
【0026】
図1Eで最もよく分かるように、ポート本体12は、カテーテルをポート10と流体連通させるために経皮的に挿入されたカテーテルが内部を通過することができる経路として導管18をさらに形成している。図示するように、導管18は、入口ポート16を介して受け入れカップ14に連通している。導管18の第1の導管部分18Aは、入口ポート16から
図1Eに示す斜視図から斜め下向きの方向に屈曲部30にまで遠位に延び、導管の第2の導管部分18Bは、わずかに上向きに角度を付けて、所定の角度θ
1で方向を変化させている。一実施形態における角度配向θ
1は約37度であるが、他の実施形態では、一実施形態における37度未満の角度を含んで、これとは異なり得ることに留意されたい。角度θ
1の大きさは、一実施形態では、ポート導管中に挿入されるカテーテルおよび/または針のサイズ、導管自体のサイズなどを含む様々な因子に依存する。
【0027】
次に、導管18は、ポート本体の弁ハウジング20によって形成された空洞20Aにまで、かつ空洞20Aを貫通するように延在する。導管18は、ポート10のステム(stem)24の遠位開口端にまで延在する。導管18は、後で分かるように、カテーテル40(
図2)が内部を通過することができるようにサイズが設定されている。
【0028】
上述のように、弁ハウジング20は、導管が通過し、かつ弁/シール組立体22を収容する空洞20Aを形成する。弁/シール組立体22は、カテーテル40が通過可能な中央穴を形成するシール要素、またはシール32と、第1のスリット弁34Aと、第2のスリット弁34Bとを備える。
図1Eに示されるように、シール32および弁34A、34Bは、一実施形態では共にサンドイッチ状に重ねられ、空洞20A内の所定の場所に固定される。スリット弁34A、34Bのスリットは、本実施形態では、約90度だけ互いから回転方向にオフセットされるが、他の関係も可能である。
【0029】
弁/シール組立体22のシール32および弁34A、34Bは協働して、カテーテル40(
図2)の液密な通過を可能にしつつ、弁/シール組立体を通過する流体の逆流を防止する。実際には、一実施形態では、本明細書中に開示されたシールは、カテーテルがシールを通過するように配置されているときに、カテーテルの外部部分の周りの流体の流れを防止し、弁は、カテーテルがそれを通過していないときに、流体の流れを防止するのに適している。従って、カテーテル40がそれを通過するように挿入されていないとき、弁/シール組立体22は、空気または流体の通過を防止するようにシールする。本実施形態では、シール32および弁34A、34Bは、シリコーンで構成されるが、他の適切に柔軟な材料が用いられてもよい。
【0030】
本実施形態のポート10は、ポート本体12を覆う外側被覆(overmolded)部分36を含む。外側被覆部分36は、シリコーンまたは他の適切に柔軟な材料で構成され、かつポート10のために比較的柔らかい表面を与えるとともに、ポートの埋め込み後の患者の不快を減少させるように、図示のように本体12を囲む。外側被覆部分36は、ポート10を患者の組織に縫合するために、
図1Cに最もよく示される2つの所定の縫合位置38を含むが、必要に応じて、縫合は、外側被覆部分の他の部分を通過してもよい。外側被覆部分36は、埋め込み後に組織のポケット内のその位置にポート10のための安定した表面を与えるように比較的平坦な底部表面36Aをさらに形成している。対照的に、
図3Cに示すポートは、わずかに丸みを帯びたプロファイルを有する底部表面を含む。
【0031】
図2は、一実施形態による、針42上に配置されたカテーテル40の挿入に関する詳細を示す。触診特徴部26の皮膚を通じた触診によってポート10の位置を突き止めた後、臨床医は、図示するように、カテーテル支持針42を使用して、皮膚表面44を突き刺し、その遠位先端42Aが受け入れカップ14の一部に衝突するまで針を挿入する。受け入れカップ14の向きは皮膚表面と略平行であるため、針42は、比較的急峻な挿入角度θ
2で受け入れカップに衝突することができ、これにより、身体内への針の挿入が容易となることに留意されたい。実際には、一実施形態では、患者の皮膚をほぼ直交して通過して挿入される針が、アクセスポートの受け入れカップに衝突することができる。
【0032】
針42は、遠位先端42Aが案内溝28内に受け取られるまで操作され、これにより、遠位先端を溝に沿って入口ポート16に案内することが可能になる。次いで、針42は、針42が屈曲部30によって停止されるまで、入口ポート16を通過して導管18の第1の部分18Aの中に挿入される。次いで、針42は、少しの距離近位に後退させることができ、カテーテル40は、針の上を前進して、屈曲部30を通り過ぎてカテーテルが屈曲し、導管18の第2の部分18Bの中に前進する。カテーテルの前進は続き、カテーテル40の遠位端40Aが、シール32の穴の中にそしてこの穴を通り過ぎて前進し、弁/シール組立体40のスリット弁34A、34Bの両スリットを通過する。カテーテル40の遠位端40Aが弁/シール組立体22を通り越して遠位に延びると、さらなる前進が停止し、ステム24を通じた注入および/または吸引を含むカテーテル40およびポート10を通じた流体の移送を開始することができる。流体の移送が完了すると、カテーテル40は、弁/シール組立体22および導管を通じて近位に後退することができ、次いで、皮膚の表面44を通じて患者の外へ後退することができる。
【0033】
図3A~
図3Cは、別の実施形態によるアクセスポート110の詳細を示す。本明細書中に図示および説明されるポート10と他のポートの間には様々な類似点が存在することに留意されたい。従って、以下、唯一選択されたポートの態様を説明する。図示のように、ポート110は、
図3Cで最もよく分かるように、第1の本体部分112Aおよび第2の本体部分112Bを含む本体112を含む。本実施形態では、本体112は、本実施形態におけるアセチル樹脂などの熱可塑性材料で構成される。従って、第1および第2の本体部分112A、112Bは、本実施形態において本体12を形成するために互いに超音波溶接される。前述の通り、受け入れカップ114は、本体112に備えられ、入口ポート116を介して導管118に動作可能に接続される。また、様々な材料がポート本体、受け入れカップ、導管などを形成するために使用することができることに留意されたい。
【0034】
弁/シール組立体122は、弁ハウジング120によって形成される空洞120A内に配置され、本実施形態では、これは、第1の本体部分112Aによって形成されている。弁/シール組立体122は、カテーテル通過用の中央穴を有する近位シール132と、他方に対して90度のオフセットで配置されたスリットをそれぞれ有する2つのスリット弁134A、134Bと、本明細書中でスフィンクタ(sphincter)シールとも呼ばれる中央穴を有する遠位シール135とを含む。
【0035】
遠位シール135は、シール中央穴の周りに配置された円錐台状の部分135Aをその遠位面上に含む。部分135Aは、カテーテルが弁/シール組立体を通過して延在するときに、カテーテルの外面の周りに括約筋様のシールを提供するように構成される。円錐台状の部分135Aは、円錐台状の部分に衝突するあらゆる逆流流体によって、シールがカテーテルの外面の周りにさらに緊密に係合してそれ自体を固定するように配置され、それにより高圧注入の場合など高い流体圧力時に、カテーテル外面を通過する逆流が防止される。説明したように、他の弁/シールの組み合わせも、弁/シール組立体内に含むことができる。
【0036】
本実施形態では、受け入れカップ114および弁/シール組立体122の近位の導管118の一部は両方とも、針貫通不能ライニングを含み、針貫通不能ライニングは、針の遠位端が針貫通不能ライニングに衝突したときに表面に穴を開けるのを防止する。これは、針によって掘られる材料の斑点の望ましくない生成を防止する。ガラス、セラミック、金属などを含む様々な適切な材料が、針貫通不能な材料に用いられ得る。一実施形態では、ポート110の構成要素は、ポートがMRIの安全性が考慮されるように全て非金属製であり、これによってポートは、ポートが内部に埋め込まれるときに、患者のMRI画像の撮影時に望ましくないアーティファクトを生じさせない。
【0037】
図4は、別の実施形態によるポート110の追加の特徴を示す。図示するように、本実施形態では、受け入れカップ18は、ポート110の特徴を示すための放射線不透過性の指標128を含む。ここで、放射線不透過性の指標128は、タングステン、三酸化ビスマスなどの放射線不透過性材料によって形成される「C」および「T」を含み、ポート埋め込み後にX線撮影技術によって見えるようになる。例えば、放射線不透過性材料は、硬化の前にポート本体の空洞に注入される最初は流動性の材料である、ポート本体に含まれインサート成形されるインサート等として形成することができる。ポート本体が金属製である実施形態では、放射線不透過性の指標は、X線画像内ではっきり見えるX線認識できるコントラストをもたらすように、エッチング、型彫り、または指標と周囲のポート本体材料との間で相対的な厚さの差をもたらすその他の方法によって形成することができる。
【0038】
本実施形態では、CT放射線不透過性の指標128は、ポートがそこを通る流体の高圧注入が可能であることを観察者に示す。この特徴に加えて、他の特徴が、当業者に理解されるような様々な他のタイプの指標によって示されてもよい。
【0039】
さらに、本実施形態では、
図4のポート110の平面図は、受け入れカップ114を囲む領域内のポート本体112が概して三角形形状を形成することを示し、三角形形状は、埋め込み後に臨床医によって触診され得、受け入れカップの位置だけでなく、ポートの特定の特徴、例えば、それが高圧注入に使用され得ることなども示すことができる。当然ながら、受け入れカップは、他の実施形態において三角形以外の形状に形成されてもよい。
【0040】
図4はさらに、受け入れカップ114の周辺部に分布しているものが、3つの触診特徴部126、即ち、ポート本体112に形成された対応する穴に配置された3つの縫合プラグ126Aであることを示している。縫合プラグ126Aは、本実施形態では隆起したシリコーン隆起部を含み、かつ患者への針挿入前に臨床医によって触診されたときに、埋め込み後の受け入れカップ114の位置を特定するのに役に立つ。他の実施形態では、様々な他の触診特徴部を、ポートに備えることができる。
【0041】
図5は、凹面状の受け入れカップ214と、受け入れカップに対してわずかに中心から外れて配置された入口ポート216とを形成する本体212を含む一実施形態による低プロファイルポート210の詳細を示す。ステム224は、流体出口として含まれる。
【0042】
図6は、追加の表面特徴を形成する本体212が、受け入れカップ214の遠位にある隆起した触診特徴部226を含む、別の実施形態による低プロファイルポート210を示す。従って、
図5および6の観点では、ポートは、血管アクセスを提供するための低プロファイルの解決策を提供するために、様々な形状および構成で構成することができることが理解される。受け入れカップの形状、設計、および構成は、本明細書中に明示的に図示および説明されるものから変更することができることにも留意されたい。
【0043】
図7Aおよび7Bは、ポート本体312の各々が、横方向に面し、かつ導管318に通じる入口ポート316を含む受け入れカップ314を形成する、一実施形態による低プロファイルデュアル本体アクセスポート310の様々な詳細を示す。導管318は、弁ハウジング320に配置された弁/シール組立体322へ遠位に延び、本実施形態では、弁ハウジング320は、本体312の一部によって形成される。導管318は、ポート324を貫通するように延在する。柔軟な外側被覆部分324は、ポート310の各本体312の部分を覆うとともに、本体を互いに動作可能に結合する。本体312は、金属、熱可塑性材料などを含む任意の適切な材料で構成することができる。
【0044】
図8Aおよび8Bは、ポート本体412がデュアル流体経路を形成する、一実施形態による低プロファイルデュアル本体アクセスポート410の様々な詳細を示す。各流体経路は、本体412によって形成され、かつ
図8Aおよび8Bに示される斜視図からほぼ上向きに面する受け入れカップ414を含む。入口ポート416は、各受け入れカップ414に備えられ、かつ導管418への開口部を形成する。各導管418は、弁ハウジング420に配置された弁/シール組立体422へ遠位に延在し、本実施形態では、弁ハウジング420は、本体412の一部によって形成される。導管418は、ポート424を貫通するように延在する。本体412は、金属、熱可塑性材料などを含む任意の適切な材料で構成することができる。
【0045】
次に、患者の身体内の皮下埋め込み用の(本明細書ではアクセスポートとも呼ばれる)血管アクセス装置に概して関する各実施形態の様々な詳細を示す
図9A~
図30を参照する。説明される埋め込まれたアクセスポートは、末梢静脈内(「PIV」)カテーテルをアクセスポートと流体連通させるようにするために、PIVカテーテルなどのカテーテル支持針によって経皮的にアクセス可能である。アクセスポートの流体出口は、一実施形態では、患者の血管系の中への流体の注入および/または患者の血管系からの流体の除去がPIVカテーテルを介して行うことができるように、患者の血管系内に配置された留置カテーテルに動作可能に接続される。
【0046】
一実施形態によれば、アクセスポートは、患者の皮下組織内への配置を容易に行うことができるように比較的低プロファイルに形成されている。さらに、アクセスポートは、PIVカテーテルまたは他の適切なカテーテル支持針が難なくポートにアクセスすることを可能にするために、比較的大きい皮下ターゲットを提供するように構成されている。さらに、アクセスポートは、アクセスポートを通じた流体の高圧注入を許容するために弁/シール組立体を含む。前述の通り、本明細書中に記載されたアクセスポート用に可能な応用には、薬剤および他の流体の患者への投与、フェレーシス/アフェレーシス、流体吸引などが挙げられる。
【0047】
一実施形態による、510で全体的に指定される血管アクセス装置(「アクセスポート」または「ポート」も)の様々な詳細を示す
図9A~
図9Gを最初に参照する。図示するように、ポート510は、本実施形態において第1の部分512Aおよび第2の部分512B(
図9E)によって形成される本体512を含む。本実施形態では、ポート本体512は、チタンなどの金属で構成され、従って、第2の部分512Bは、本体を形成するために第1の部分512Aとの係合状態に圧入されるが、ポート本体は、金属、熱可塑性材料、セラミックスなどを含む様々な他の材料で構成することができることが理解される。
【0048】
本実施形態では、以下でさらに説明するように、ポート本体の第1の部分512Aは、ポート510と動作可能に接続するように、カテーテル支持針(
図14A)を受け入れかつ方向付けるためのほぼ漏斗形状の受け入れカップ514を形成している。詳細には、受け入れカップ514のほぼ漏斗形状は、それに衝突するカテーテル支持針(
図14A)を、ポート本体512によって形成される導管518のための開口として機能する入口ポート516に向けて方向付けるように構成されている。
図14A~
図14Dに示すように、患者の皮膚表面に向かって角度が付けられた受け入れカップ514の開放している浅い特質は、皮膚の中に導入されたときに、受け入れカップが、大きな容易にアクセス可能な針用のターゲットを示すことを可能にする。
図9Bおよび
図9Cはさらに、ポート510が比較的低いプロファイル高さを形成することを示し、これにより、埋め込み後にポートにアクセスするために比較的短い針の長さを使用することが可能になる。本明細書中の他の実施形態と同様に、触診特徴部は、臨床医が患者の皮膚下の埋め込み後に指触法によってポート510の位置を特定し、かつ/またはそれを識別するのを支援するために、ポート本体512に備えることができることに留意されたい。さらに、別の実施形態では、
図1Aのアクセスポート10に示されるものと同様に、受け入れカップ514上に案内溝を導管518の入口ポート516と長手方向に整列するように形成することができる。
【0049】
図9A~
図9Gとともに、
図10および
図11も参照する。
図11において最もよく分かるように、ポート本体512は、カテーテルをポート510およびそのステム524に取り付けられた留置カテーテルと流体連通させるようにするために、経皮的に挿入されたカテーテルが通過することができる経路としての導管518を形成している。図示するように、導管518は、入口ポート516を介して受け入れカップ514と流体連通している。導管518の第1の導管部分518Aは、入口ポート516から
図11に示される斜視図から斜め下向きの方向に屈曲部530にまで遠位に延び、導管の第2の導管部分518Bは、(
図11において示される斜視図から)ほぼ水平に第1の導管部分に対して所定の角度で延在する。一実施形態における屈曲部530での所定の角度は約34度であるが、他の実施形態では、一実施形態における34度未満または34度を超える角度を含んで、これから変更することができることに留意されたい。屈曲部530での所定の角度の大きさは、一実施形態では、ポートの導管中に挿入されるカテーテルおよび/または針のサイズ、導管自体のサイズなどを含む様々な因子に依存する。
【0050】
次に、導管518は、ポート本体12の弁ハウジング520によって形成された空洞520Aにまで、かつ空洞520Aを貫通するように延在し、第3の導管部分518Cは、ポート510のステム524の遠位開口端にまで延在する。本実施形態では、導管518は、後で分かるように、カテーテル40(
図14A)が、所定の点まで内部を通過することができるようにサイズが設定されている。
【0051】
上述したように、本体512の第1および第2の部分512A、512Bの部分によって形成される弁ハウジング520は、導管518が通過し、かつ弁/シール組立体522を収容する空洞520Aを形成する。弁/シール組立体522は、カテーテル40(
図14A)が通過可能な中央穴532A(
図12A~
図12C)を形成するシール要素またはシール532と、2つの交差するスリット534A(
図13A~
図13C)を含むスリット弁534とを含む。
図11に示すように、一実施形態では、シール532および弁534は共にサンドイッチ状に重ねられ、シール532は弁534の近位に配置され、空洞520A内の所定の位置に固定される。本実施形態では、スリット弁534のスリット534Aは、約90度だけ互いから直交するようにオフセットされるが、他の関係も可能である。弁534は、シール532から弁へのカテーテル40の通過の位置変化を容易にするための中央窪み535を含むことに留意されたい。
【0052】
弁/シール組立体522のシール532および弁534は協働して、カテーテル40(
図14A)の液密な通過を可能にしつつ、弁/シール組立体を通過する流体の逆流を防止する。実際には、一実施形態では、本明細書中に開示されたシールは、カテーテルがシール532を通過するように配置されているときに、カテーテルの外部部分の周囲の流体の流れを防止しつつ、弁534は、カテーテルがそれを通過していないときに、流体の流れを防止するのに適している。従って、カテーテル40がそれを通過して挿入されていないとき、弁/シール組立体522は、導管518を通る空気または流体の通過を防止するようにシールする。本実施形態では、シール532および弁534は、ダウコーニング社(Dow Corning Corporation)から入手可能なSILASTIC(登録商標)Q7-4850液体シリコーンゴムなどのシリコーンで構成されるが、他の適切に柔軟な材料を使用することができる。一実施形態では、潤滑性を高めるとともに部品寿命を延ばすために、ヌシルテクノロジー社(NuSil Technology)のMed400シリコーンオイルなどのシリコーンオイルが、シール532および弁534に含まれる。別の実施形態では、シリコーンオイルは、シリコーンに注入される。
【0053】
本実施形態におけるポート510は、ポート本体512の大部分を覆う外側被覆部分536を含む。外側被覆部分536は、SILASTIC(登録商標)Q7-4850液体シリコーンゴムなどのシリコーン、または他の適切に柔軟な材料で構成され、ポート510のために比較的柔らかい表面を与えるとともに、患者の身体内のポートの埋め込み後の患者の不快を減少させるように、図示するように本体512を囲む。外側被覆部分536は、一実施形態では、ポート510を患者の組織に縫合するために、
図9Fで最もよく示される所定の縫合位置538を含むが、必要に応じて、縫合は、外側被覆部分の他の部分を通過してもよい。外側被覆部分536は、患者の身体の中への埋め込み後に組織ポケット内のその位置にポート510のための安定した表面を与えるように比較的平坦な底部表面536Aをさらに形成する。
【0054】
図9Cおよび
図9Gは、第1の本体部分512Aが、外側被覆部分536と本体512との間の相対的移動を防止するアンカーとして機能する固定用隆条部537を形成することを示す。固定用隆条部537は、形状、個数、構成などの変更が可能である。一実施形態における外側被覆部分536は、本体512の上に成形工程で成形されることに留意されたい。別の実施形態では、次いで、外側被覆部分536が、Med A接着剤などを介して本体512に接着取り付けで別々に形成される。従って、これらおよび他の構成が考えられる。
【0055】
図14A~
図14Dは、一実施形態による、(既に、患者の身体の中に皮下埋め込みされている)ポート510への針42上に配置されたカテーテル40の挿入に関連した詳細を示す。(適宜、外側被覆部分536の上部および/または受け入れカップ514などの触診特徴部の皮膚を通した触診によって)ポート510の位置を特定した後、臨床医は、
図14Aに示すように、カテーテル支持針42を使用して、皮膚表面を突き刺し、その遠位先端42Bが受け入れカップ514の一部に衝突するまで針を挿入する。受け入れカップ514の向きが皮膚表面にほぼ向かって角度付けられているため、針42は、比較的急峻な挿入角で受け入れカップに衝突することができ、これにより、本体の中への針の挿入が容易になることに留意されたい。実際には、一実施形態では、患者の皮膚をほぼ直交して通過して挿入される針が、アクセスポートの受け入れカップに衝突することができる。別の実施形態では、針42の挿入角は、IVカテーテルのための現在の挿入角と同様に、比較的浅いものとすることができる。
【0056】
針42は、針の遠位先端42Bが入口ポート516に案内されるまで、臨床医によって操作され、かつ受け入れカップ514に衝突することによって案内される。次に、針42は、
図14Bに示すように、針42が屈曲部530によって止められるまで、入口ポート516を通過して導管518の第1の部分518Aに挿入される。次に、
図14Cに示すように、針42は、近位方向にわずかに後退することができ、カテーテル40が針の上を前進し、それによってカテーテルが屈曲し、屈曲部530を通過して導管518の第2の部分518Bに前進する。カテーテルの前進は続き、それによってカテーテル40の遠位端40Bが、シール532の穴532Aの中に前進し、そしてこの穴および弁/シール組立体522のスリット弁534の両スリット534Aを通過する。第2の導管部分518Bの長さは、カテーテル40の遠位部分の断面形状が、導管屈曲部530を通じてのその通過の結果として、断面形状に課された長円形形状からほぼ丸い形状に戻ることを可能にするのに十分であることに留意されたい。
【0057】
カテーテル40の遠位端40Bが弁/シール組立体522を越えて遠位に延在すると、
図14Dに示すとともに
図11に詳細に示すように、さらなる前進は、ステム524によって形成される第3の導管部分518Cに含まれる環状停止面539に対するカテーテル遠位端の衝突によって、防止される。一実施形態では、停止面539は、環状肩部として形成され、16ゲージカテーテルが通ることを可能にしつつ、14ゲージカテーテルなどの一サイズのカテーテルの前進を停止するようにサイズが設定されている。別の実施形態では、停止面は、導管518内に含まれておらず、従って、必要に応じて、カテーテル40がステム524の遠位端を完全に通り越して前進することが可能となる。ポートの導管は、14ゲージ、16ゲージ、18ゲージなどを含む様々なカテーテルゲージサイズのうちの1つまたは複数を受け入れるように構成することができることに留意されたい。
【0058】
カテーテル40が
図14Dに示されるように配置されると、針42は、完全に除去され得、カテーテル40およびポート510を通じた流体移送は、ステム524に取り付けられた留置カテーテルを通じた注入および/または吸引を含み開始することができる(一実施形態では、針42は、カテーテル挿入手順の別の段階で取り除くことができることに留意されたい)。必要に応じて、カテーテル40のドレッシングも行われ得る。流体の移送が完了すると、カテーテル40は、弁/シール組立体522および導管518を通じて近位に後退することができ、次いで、皮膚の表面を通じて患者の外へ後退することができる。
【0059】
図9Fは、本実施形態では、受け入れカップ514が、ポート510の特性を示すために放射線不透過性の指標528を含むことを示している。ここで、放射線不透過性の指標528は、ポート埋め込み後にX線撮影技術によって見えるように、第1の本体部分512Aを形成するチタン材料の中に窪みまたは凹所として形成される「IVCT」の英数字からなる指示を含む。「IVCT」の指示は、ポート510が高圧注入用に構成され、さらに末梢IVカテーテルを内部に受け入れるように構成されていることを示す。
【0060】
別の実施形態では、放射線不透過性の指標528は、硬化等の前にポート本体の空洞の中に注入される最初は流動性のある材料など、ポート本体内に含まれるインサート成形されるインサートとして形成することができる放射線不透過性材料を使用することによって含まれることができる。ポート本体が金属製である実施形態では、放射線不透過性の指標は、
図1Fと同様に、X線画像内ではっきり見えるX線認識できるコントラストをもたらすように、金属射出成形、機械加工、エッチング、型彫り、または指標と周囲のポート本体の材料との間に相対的な厚さの差をもたらすその他の方法で形成することができる。
【0061】
上記の指示に加えて、他の特徴を、当業者によって理解されるような様々な他のタイプの放射線不透過性の指標によって示すことができる。
本明細書で説明する他の実施形態と同様に、一実施形態では、受け入れカップの周辺部(または他の適切な位置)は、外側被覆部分536に3つの隆起した隆起部などの触診特徴部を含み、患者に針を挿入する前に臨床医が触診特徴部を触診したときに、受け入れカップ514の埋め込み後の位置を特定するのを支援する。他の実施形態では、様々な他の触診特徴部は、受け入れカップ自体の上に配置することなどを含んでポートに含ませることができる。
【0062】
図15Aおよび
図15Bは、必要に応じて、受け入れカップ514に衝突するように皮膚を通過する針42を案内するのを支援するために、
図9A~
図9Gに示されたポート510の埋め込まれた位置の上で患者の皮膚に配置することができるガイド装置550の詳細を示す。図示するように、ガイド装置550は、ポートの上の皮膚上でガイド装置が押圧されるときに皮下の埋め込まれたポート510の一部が存在することとなる空洞554を形成する本体552を含む。切欠き556が、部分的に隆条部558と境界をなして本体552上に備えられる。切欠き556は、針42が皮膚を通じてポート510の中に挿入されるように切欠き556を介して通過することを可能にする。マーカーライン560は、必要に応じて、臨床医が受け入れカップ514と衝突するための適切な向きおよび位置に針42を配置するのを支援するために、隆条部548上に含まれる。ガイド装置の形状、サイズ、および他の構成は、本明細書中に図示および説明されているものから変更されてもよいことに留意されたい。
【0063】
次に、
図25A~
図25Eを参照すると、
図25A~
図25Eは、一実施形態による、810で全体的に示されるデュアルルーメン血管アクセス装置の様々な詳細を示す。図示するように、ポート810は、本実施形態において、2つの同様の形状の部分(単一の第1の部分812Aおよび単一の第2の部分812B)によって形成される本体812を含む(
図25C)。本実施形態では、ポート本体の第1および第2の部分812A、812Bは、チタンなどの金属で構成され、従って、第2の部分は、本体を形成するために第1の部分との係合状態に圧入されるが、ポート本体は、金属、熱可塑性材料、セラミックスなどを含む様々な他の材料で構成されてもよく、接着剤、超音波または他の溶接、締まり嵌合等などの他の結合方法を含み得ることを理解されたい。
【0064】
本実施形態では、ポート本体の両方の第1の部分812Aは、すでに上述したのと同様の方法でポート810と動作可能に接続するようにカテーテル支持針42(
図14A)を受け入れ、かつ方向付けるためのほぼ漏斗形状の受け入れカップ814を形成する。詳細には、各受け入れカップ814のほぼ漏斗形状は、それに衝突するカテーテル支持針42を、ポート本体812によって形成される個々の導管818のための開口として機能する入口ポート816に向けて方向付けるように構成されている。患者の皮膚表面に向かって角度が付けられた各受け入れカップ814の開放しているかつ浅い特質は、皮膚の中に導入され、皮下に埋め込まれたアクセスポート810の方に向けられるときに、受け入れカップが、大きな容易にアクセス可能な針用のターゲットを示すことを可能にする。
図25Bは、アクセスポート810が比較的低いプロファイル高さを形成することをさらに示し、これにより、埋め込み後に皮下アクセスポートにアクセスするために比較的短い針の長さを使用することが可能になる。
【0065】
既に述べたように、一実施形態では、臨床医が患者の皮膚下の埋め込み後に指触法によってポート810を特定し、かつ/またはそれを識別するのを支援するために、触診特徴部をポート本体812に備えることができることに留意されたい。様々なサイズ、構成、個数などの触診特徴部が、ポート上に含まれてもよいことに留意されたい。別の実施形態では、
図1A~
図2の実施形態に関連して説明したように、受け入れカップ814上に案内溝を導管818の入口ポート816と長手方向に整列するように形成することができる。案内溝は、受け入れカップ814の表面の隣接した部分に対する窪みとして形成され、案内溝に針が衝突すると、カテーテル支持針の遠位先端を入口ポート816に向かって案内する案内経路を与えるように受け入れカップの近位部分から受け入れカップ表面に沿って遠位に延在する。これは、針が挿入中に受け入れカップ814上を滑って外れる機会を減少させる。これらおよび他の同様の特徴は、形状および構成が異なっているが、本明細書中に開示される他のポートに含むこともできることに留意されたい。
【0066】
一実施形態では、受け入れカップ814は、隔壁840によって覆われている。隔壁840は、その下にある受け入れカップ814へのアクセスを可能にするために複数の針の突き刺しを受け入れることができる自己密封針貫通可能な隔壁である。従って、隔壁840は、シリコーンなどの適切な針貫通可能な材料から作製することができる。隔壁840は、外面842と、外面842の反対側にあり、かつ受け入れカップ814にほぼ面する内面844とを含む。外面842または内面844のいずれかは、平坦またはわずかに凸状とすることができる。一実施形態では、内面844はほぼ平坦であり、一方、外面842は、外側被覆部分836の丸みを帯びた外面と整列し、かつポート810に連続的なプロファイルを提供するように凸状である。有利には、隔壁840は、ポート810に対して凸状に丸みを帯びたプロファイルを完成させ、これにより、組織ポケット内への装置のスムーズな埋め込みが可能となり、患者の身体内へのポート埋め込み後の患者の不快感が低減される。さらに、隔壁840は、装置に入る針の経路を妨害する可能性のある、受け入れカップ814および関連する導管818への組織の内部成長を防止することができる。従って、隔壁840は、そのような障害物を除去するために、または装置810を時期尚早に交換するために必要な追加の手術を防止する。隔壁840はまた、本明細書に開示される任意の実施形態に適用され得ることが理解されるであろう。
【0067】
図25Dで最もよく分かるように、ポート本体812は、2つの導管818をさらに形成し、各導管は、経皮的に挿入されるカテーテルを部分的に挿入して、カテーテルを、ポート810と、ポートのステム824の2つの流体出口824Aに動作可能に取り付けられた留置デュアルルーメンカテーテルの両方と流体連通状態にすることができる経路として機能する。図示するように、各ポート本体の第1の部分812Aの導管818は、入口ポート816を介して個々の受け入れカップ814と流体連通している。導管818の第1の導管部分818Aは、入口ポート816から
図25Dに示される斜視図から斜め下向き方向に導管屈曲部830まで遠位に延在し、導管の第2の導管部分818Bは、第1の導管部分に対して所定の角度で延在する。一実施形態における屈曲部830での所定の角度は約34度であるが、他の実施形態では、一実施形態における34度未満または34度を超える角度を含んで、これから変更することができることに留意されたい。屈曲部830での所定の角度の大きさは、一実施形態では、ポートの導管中に挿入されるカテーテルおよび/または針のサイズ、導管自体のサイズなどを含む様々な因子に依存する。導管屈曲部830は、針42が導管818に沿って屈曲部830を通り越して前進するのを防止する針停止要素として機能することにも留意されたい。
【0068】
図25Dから分かるように、各ポート本体の第1の部分812Aの第2の導管部分818Bは、ポート本体の第1の部分と第2の部分812Bの圧入接合によって形成された空洞820Aまで遠位に延在する。2つの第3の導管部分818Cは、ポート本体812の第2の部分812Bによって形成され、部分的にアーチ形に曲がった流体経路内の各空洞820Aから遠位に配置されたステム824の流体出口824Aまで延在する。本実施形態では、導管818は、カテーテル40(
図14A)が内部を通過して空洞820Aを通り越すことが可能となるようにサイズが設定されている。
【0069】
上述したように、ポート本体812の個々の第1の部分812Aと第2の部分812Bとの接合によってそれぞれ形成される空洞820Aは、導管818が通過し、弁/シール組立体822が収容される空間をそれぞれ形成する。本実施形態では、
図25Cおよび
図25Dで最もよく分かるように、弁/シール組立体822は、カテーテル40(
図14A、
図14D)が通過できる中央穴832Aを形成するシール要素またはシール832と、カテーテルも通過する2つの直交するように交差するスリット834Aを含むスリット弁834とを含む。一実施形態では、
図25Dに示されるように、シール832およびスリット弁834は、共にサンドイッチ状に重ねられ、シールはスリット弁の近位に配置され、かつ対応するサイズの空洞820A内の所定の位置に固定される。
【0070】
上述のように、本実施形態では、スリット弁834のスリット834Aは、約90度だけ互いに直交するようにオフセットされるが、互いに共にサンドイッチ状に重ねられた2つの単一のスリット弁の使用を含んで、他の関係も可能である。本実施形態では、スリット弁834は、シール832から弁へのカテーテル40の通過の位置変化を容易にするために、(例えば、
図13Aなどに示すように、先の実施形態にあるように)中央窪みを含むことに留意されたい。他の実施形態では、2つ以上のシールおよび/またはスリット弁が、弁/シール組立体に用いられてもよい。
【0071】
先の実施形態と同様に、弁/シール組立体822のシール832およびスリット弁834は、協働して、カテーテル40(例えば、
図14Aを参照)の液密な通過を可能にしつつ、弁/シール組立体を通過する流体の逆流を防止する。実際には、一実施形態では、本明細書中に開示されたシールは、カテーテルがシール832を通過するように配置されているときに、カテーテルの外部部分の周りの流体の流れを防止し、弁834は、カテーテルがそれを通過していないときに、流体の流れを防止するのに適している。従って、カテーテル40がそれを通過するように挿入されていないとき、弁/シール組立体822は、導管818を通じての空気または流体の通過を防止するようにシールする。本実施形態では、シール832および弁834は、ダウコーニング社から入手可能なSILASTIC(登録商標)Q7-4850液体シリコーンゴムなどのシリコーンで構成されるが、他の適切に柔軟な材料を使用することができる。一実施形態では、潤滑性を高めるとともに部品寿命を延ばすために、ヌシルテクノロジー社のMed400シリコーンオイルなどのシリコーンオイルが、シール832および弁834に含まれる。別の実施形態では、シリコーンオイルは、シリコーンに注入される。
【0072】
本実施形態では、ポート810は、2つの第1の部分818Aの各々の大部分を含むポート本体812の一部を覆う外側被覆部分836を含む。外側被覆部分836は、SILASTIC(登録商標)Q7-4850液体シリコーンゴムなどのシリコーン、または他の適切に柔軟な材料で構成され、ポート810のために比較的柔らかい表面を与えるとともに、患者の身体内のポートの埋め込み後の患者の不快を減少させるように、
図25Aおよび
図25Bに示すように本体812の一分を囲む。外側被覆部分836は、臨床医が外側被覆部分の様々な部分のうちの1つまたは複数を通じて縫合することをさらに可能にし、それによってポート810が皮下の患者組織ポケット内に固定されることを可能にする。外側被覆部分836は、患者の身体の中への埋め込み後に、組織ポケット内のその位置にポート810のための安定した表面を与えるように比較的平坦な底部表面836Aをさらに形成する。
【0073】
図25Bは、第1の本体部分812Aがそれぞれ、外側被覆部分836と本体812との間の相対移動を防止するアンカーとして機能する固定用隆条部837を形成することを示す。固定用隆条部837は、形状、個数、構成などの変更が可能である。一実施形態における外側被覆部分836は、本体812の上に成形工程で成形されることに留意されたい。別の実施形態では、外側被覆部分836は、Med A接着剤などを介して本体812に接着取り付けで別々に形成される。従って、これらおよび他の構成が考えられる。
【0074】
図25Eは、受け入れカップ814の下面が、患者の身体内への埋め込み後にポート810がX線撮影で特定されることを可能にするように構成された放射線不透過性の指標828を含むことを示す。本実施形態では、各指標828は、ポート810が末梢IVカテーテルを受け入れるのに適していること、およびポートが内部を通過する流体の高圧注入が可能であることを示す文字「IV」および「CT」を含む。当然ながら、文字、数字、シンボルなどを含む様々な他の指標が用いられてもよい。
【0075】
図26A~
図26Dは、別の実施形態によるポート810の様々な詳細を示しており、ポート本体812は、ポート本体812の各第1の部分812Aの両方の受け入れカップ814に切開部(cutout)870を形成することによって可能になる、
図25A~25Eに示される実施形態よりも比較的スリムなプロファイルを形成している。これにより、各受け入れカップ814が互いに比較的近くに存在することが可能になる。これらの受け入れカップ814は、溶接、接着によって切開部870に沿って互いに結合し、単一の部品などとして溶接カップを共に形成することができる。
【0076】
一実施形態では、受け入れカップ814は、他の構成において方向付けすることができることが理解される。
図31は、この例を示し、外側被覆部分836が存在せず、従って、2つの第1の部分812Aおよび第2の部分812Bを含むポート810の部分分解図が示されている。図示するように、受け入れカップ814は、受け入れカップの対応する一方の周辺部814Aが、他方の受け入れカップの周辺部814Bがある別の平面890Bに平行でない仮想平面890A内に存在するように、互いに対して角度付けられている。これは、受け入れカップ814が単一の仮想平面内にほぼ存在する
図25Aに示されるような別の実施形態とは対照的である。
図31の構成により、
図31に示すように、受け入れカップ814が互いに離れるように角度が付けられる(第2の本体部分812Bから(明確にするために)切り離されて示される第1の本体部分812Aは、
図31に示すのとほぼ同じ向きで、第2の本体部分812Bに接続されることになることに留意されたい)。望ましくは、これは、アクセスポート810に関して高さプロファイルがわずかに低くなり、一実施形態において、内部に挿入される針42が、患者の皮膚に比較的より近い位置に存在するという結果をもたらす。受け入れカップは、本明細書中に図示および説明されているものに加えて、様々な異なる構成で角度付けられてもよいことに留意されたい。
【0077】
次に、
図16A~
図21Bを参照すると、一実施形態による、610で全体的に示されるデュアルルーメン血管アクセス装置の詳細を示す。図示するように、ポート610は、本実施形態において第1の部分612A、およびこの第1の部分内に部分的に受け入れられる比較的小さい第2の部分612Bによって形成される本体612を含む。本実施形態では、ポート本体の第1および第2の部分612A、612Bは、チタンなどの金属などで構成され、従って、第2の部分は、本体を形成するために第1の部分との係合状態に圧入されるが、ポート本体は、金属、熱可塑性材料、セラミックスなどを含む様々な他の材料で構成されてもよく、接着剤、超音波または他の溶接、締まり嵌合等などの他の結合方法を含み得ることを理解されたい。
【0078】
本実施形態では、ポート本体の第1の部分612Aは、既に上述したのと同様の方法でポート610と動作可能に接続するようにカテーテル支持針42(
図14A)を受け入れ、かつ方向付けるための2つのほぼ漏斗形状の受け入れカップ614を形成する。本実施形態では、受け入れカップ614は、ポート610の長手方向軸に沿ってほぼ整列するように配置されるが、横並び、離間、交互配置などを含む受け入れカップのための他の配置構成が可能である。
【0079】
詳細には、各受け入れカップ614のほぼ漏斗形状は、それに衝突するカテーテル支持針42を、ポート本体612によって形成される2つの導管618(各受け入れカップに対して1つの導管)の個々の1つのための開口として機能する入口ポート616に向けて方向付けるように構成されている。患者の皮膚表面に向かって角度が付けられた各受け入れカップ614の開放しかつ浅い特質は、皮膚の中に導入され、皮下に埋め込まれたアクセスポート610の方に向けられるときに、受け入れカップが、大きな容易にアクセス可能な針用のターゲットを示すことを可能にする。
図16Cおよび16Fはさらに、アクセスポート610が比較的低いプロファイル高さを形成することを示し、これにより、埋め込み後に皮下アクセスポートにアクセスするために比較的短い針の長さを使用することが可能になる。
【0080】
ポート本体612は、長手方向に整列した受け入れカップ614の間に挿入された隆起表面としてここでは構成された触診特徴部637をさらに形成する。上述したように、触診特徴部637は、臨床医が、患者の皮膚下の埋め込み後に指触法によってポート610の位置を特定するおよび/またはそれを識別するのを支援するためにポート本体612に備えられる。様々なサイズ、構成、個数などの触診特徴部が、ポート上に含まれてもよいことに留意されたい。別の実施形態では、各受け入れカップ614上に案内溝を、先の実施形態にあるように、導管618の入口ポート616と長手方向に整列するように形成することができる。
【0081】
図17A、
図17B、および
図19で最もよく分かるように、ポート本体612は、上記した2つの導管618をさらに形成し、各導管は、経皮的に挿入されるカテーテルを部分的に挿入して、カテーテルを、ポート610と、ポートのステム624の2つの流体出口624Aに動作可能に取り付けられた留置デュアルルーメンカテーテルの両方と流体連通状態にすることができる経路として機能する。図示するように、ポート本体の第1の部分612Aの2つの導管618は、対応する入口ポート616を介してそれらの個々の受け入れカップ614と流体連通している。各導管618の第1の導管部分618Aは、個々の入口ポート616から
図17Aに示される斜視図から斜め下向き方向に導管屈曲部630(
図19)まで遠位に延在し、第1の導管部分は、導管屈曲部の近位の第1の導管部分に対して所定の角度で遠位に延在する。屈曲部630における所定の角度の大きさは、一実施形態では、ポートの導管中に挿入されるカテーテルおよび/または針のサイズ、ポートおよび導管自体のサイズなどを含む様々な因子に依存する。導管屈曲部630は、針42が導管618に沿って屈曲部630を通り越して前進するのを防止する針停止要素として機能することにも留意されたい。
【0082】
図18および
図19で最もよく分かるように、2つの受け入れカップ614の比較的遠位の第1の部分618Aは、ポート本体612の第1の部分612Aの遠位部分によって形成され、かつその遠位部分に近接する空洞620Aにまで延在する。2つの受け入れカップ614の比較的近位の第1の部分618Aは、ポート本体612の第1の部分612Aの遠位部分によって形成されるが、遠位部分から比較的より近位に離れている空洞620Aにまで延在する(
図18および
図19)。
図17Aおよび
図17Bから分かるように、第2の導管部分618Bは、ポート本体612の第2の部分612Aによってこの後者の導管618に対して形成され、かつ個々の空洞620Aからポート本体の第2の部分612Aよって形成される第3の導管部分618Cと結合するまで遠位に延在し、第3の導管部分618Cは、流体出口624Aの個々の1つで終端するまで第2の部分およびステム624を通って延在する(
図20)。
【0083】
比較的より遠位の受け入れカップ614用の導管618は、
図20に示すように、空洞620Aからポート本体612の第2の部分612Aによって形成される第3の導管部分618Cまで延在し、第3の導管部分618Cは、流体出口624Aの個々の1つで終端するまで第2の部分およびステム624を通って延在する。このようにして、
図21Aおよび21Bに示すように、流体経路は、入口ポート616からステム流体出口624Aまでの各受け入れカップ614に対して形成される。本実施形態では、導管618は、カテーテル40(
図14A)が内部を通過して空洞620Aを通り越すことが可能となるようにサイズが設定されている。
【0084】
説明したように、空洞620Aは、導管618の様々な部分によって形成される流体経路にそれぞれ配置され、それぞれが導管618が通過し、かつ弁/シール組立体622が収容される空間を形成する。本実施形態では、
図17A~
図18で最もよく分かるように、各弁/シール組立体622は、カテーテル40(
図14A、
図14D)が通過できる中央穴632A(
図21B)を形成するシール要素またはシール632と、隣接して配置された2つのスリット弁634と含み、各スリット弁は、カテーテルも通過する単一のスリット634Aを含む(弁は、スリットが互いに直交するように配置されている)。
図17Aおよび17Bに示されるように、シール632およびスリット弁634は、一実施形態では共にサンドイッチ状に重ねられ、シールはスリット弁の近位に配置され、かつ対応するサイズの空洞620A内の所定の位置に固定される。別の実施形態では、先の実施形態にあるように、弁/シール組立体は、単一のシールと、単一のデュアルスリット弁とを備える。
【0085】
本実施形態では、シール632および弁634は、ダウコーニング社から入手可能なSILASTIC(登録商標)Q7-4850液体シリコーンゴムなどのシリコーンで構成されるが、他の適切に柔軟な材料を使用することができる。一実施形態では、潤滑性を高めるとともに部品寿命を延ばすために、ヌシルテクノロジー社のMed400シリコーンオイルなどのシリコーンオイルが、シール632および弁634に含まれる。別の実施形態では、シリコーンオイルは、シリコーンに注入される。また、他の実施形態とともに述べたように、他のシール/弁の構成を、ポート610に用いることもできる。
【0086】
次に、
図22A~
図24を参照すると、
図22A~
図24は、一実施形態による、710で全体的に示されるデュアルルーメン血管アクセス装置の様々な詳細を示す。図示するように、ポート710は、本実施形態において、ポート本体の外側部分の大部分を形成する第1の部分712Aおよびこの第1の部分に嵌め合わせ可能である第2の部分712Bによって形成される本体712を備える。本実施形態では、ポート本体の第1および第2の部分712A、712Bは、チタンなどの金属で構成され、従って、第2の部分は、本体212を形成するために第1の部分との係合状態に圧入されるが、ポート本体は、金属、熱可塑性材料、セラミックスなどを含む様々な他の材料で構成されてもよく、接着剤、超音波または他の溶接、締まり嵌合等などの他の結合方法を含み得ることを理解されたい。
【0087】
本実施形態では、ポート本体の第1の部分712Aは、既に上述したのと同様の方法で、ポート710と動作可能に接続するようにカテーテル支持針42(
図14A)を受け入れ、かつ方向付けるための離間配置で横に並んだ2つのほぼ凹面状の受け入れカップ714を形成する。詳細には、各受け入れカップ714のほぼ凹面状の形状は、それに衝突するカテーテル支持針42を、ポート本体712によって形成される個々の導管718のための開口として機能する入口ポート716に向けて方向付けるように構成されている。
【0088】
患者の皮膚表面に向かって角度が付けられた各受け入れカップ714の開放しかつ浅い特質は、皮膚の中に導入され、皮下に埋め込まれたアクセスポート710の方に向けられるときに、受け入れカップが、大きな容易にアクセス可能な針用のターゲットを示すことを可能にする。
図22Aおよび
図22Bはさらに、アクセスポート710が比較的低いプロファイル高さを形成することを示し、これにより、埋め込み後の皮下アクセスポートにアクセスするために比較的短い針の長さを使用することが可能になる。
図22Cは、ポート本体712の底部の詳細を示す。本実施形態および他の実施形態において、受け入れカップは、漏斗形状、凹面状、半球状などを含む様々な表面を形成することができることに留意されたい。
【0089】
ポート本体712は、ここでは、臨床医が患者の皮膚下の埋め込み後に指触法によってポート710を特定および/または識別するのを支援するために、受け入れカップ714から遠位に延在する隆条部として実施される複数の触診特徴部737を含む。様々なサイズ、構成、個数などの触診特徴部が、ポート上に含まれてもよいことに留意されたい。
【0090】
図23および
図24で最もよく分かるように、ポート本体712は2つの導管718をさらに形成し、各導管は、ポート710と、ポートのステム724の2つの流体出口724Aに動作可能に取り付けられた留置デュアルルーメンカテーテルとの両方に流体連通する状態にカテーテルを配置するように経皮的に挿入されるカテーテルを部分的に挿入することができる経路として機能する。図示するように、ポート本体の第1の部分712Aの2つの導管718の各々は、入口ポート716を介して個々の受け入れカップ714と流体連通しており、かつポート本体の第1の部分712Aと第2の部分712Bの接合によって協働で形成される空洞に配置された弁/シール組立体722へ遠位に延在する。本明細書中の他の実施形態と同様に、各導管718は、弁/シール組立体が配置される空洞に連なる前、個々の入口ポート716から
図23に示す斜視図から斜め下向き方向に導管屈曲部まで遠位に延在する。導管屈曲部は、針42が導管718に沿って屈曲部を通り越して前進するのを防止する針停止要素として望ましくは機能することができることに留意されたい。導管は、弁/シール組立体722を通り越してポート本体の第2の部分712Bを通過してステム724の流体出口まで遠位に延在する。本実施形態では、導管718は、カテーテル40(
図14A)が内部を通過して弁/シール組立体722を通り越すことが可能となるようにサイズが設定されている。
【0091】
説明したように、ポート本体712の個々の第1の部分712Aと第2の部分712Bとの接合部によってそれぞれ形成される空洞は、導管718が通過し、弁/シール組立体722が収容される空間をそれぞれ形成する。本実施形態では、
図23および
図24で最もよく分かるように、2つの弁/シール組立体722の各々は、カテーテル40(
図14A、
図14D)が通過できる中央穴を形成するシール要素またはシール732と、2つのスリット弁734とを含み、各スリット弁は、単一のスリットを含み、かつカテーテルも通過するスリットが互いにほぼ直交するように互いに隣接して配置される。
図23および
図24に示すように、シール732およびスリット弁734は、一実施形態では共にサンドイッチ状に重ねられ、シールはスリット弁の近位に配置され、かつ対応するサイズの空洞内の所定の位置に固定される。
【0092】
上述したように、本実施形態では、スリット弁734のスリットは、約90度だけ互いに直交するようにオフセットされるが、2つの直交スリットを含む単一スリット弁を使用することを含んで、他の関係も可能である。従って、本明細書中のこのおよび他の弁/シール組立体の実施形態に対するこれらおよび他の修正が考えられる。
【0093】
先の実施形態と同様に、弁/シール組立体722のシール732およびスリット弁734は、協働して、カテーテル40(例えば、
図14Aを参照)の液密な通過を可能にしつつ、弁/シール組立体を通過する流体の逆流を防止する。実際には、一実施形態では、本明細書中に開示されたシールは、カテーテルがシール732を通過するように配置されているときに、カテーテルの外部部分の周りの流体の流れを防止し、弁734は、カテーテルがそれを通過していないときに、流体の流れを防止するのに適している。従って、カテーテル40がそれを通じて挿入されていないとき、弁/シール組立体722は、導管718を通る空気または流体の通過を防止するようにシールする。本実施形態では、シール732および弁734は、ダウコーニング社から入手可能なSILASTIC(登録商標)Q7-4850液体シリコーンゴムなどのシリコーンで構成されるが、他の適切に柔軟な材料を使用することができる。一実施形態では、潤滑性を高めるとともに部品寿命を延ばすために、ヌシルテクノロジー社のMed400シリコーンオイルなどのシリコーンオイルが、シール732および弁734に含まれる。別の実施形態では、シリコーンオイルは、シリコーンに注入される。
【0094】
本明細書では明示的に示されていないが、ポート710は、本明細書の他の実施形態と同様に、患者の身体の中への埋め込み後にポートがX線撮影で特定されることを可能にするように構成された放射線不透過性の指標を含むことができる。一実施形態では、指標は、ポート710が末梢IVカテーテルを受け入れるのに適していること、およびポートが内部を通過する流体の高圧注入が可能であることを示す文字「IV」および「CT」を含む。当然ながら、文字、数字、シンボルなどを含む様々な他の指標が用いられてもよい。
【0095】
本明細書では、シングルポート構成およびデュアルポート構成について説明してきたが、3つ以上の受け入れカップを含むポートが考えられることが理解されよう。本明細書中に記載された受け入れカップのいくつかは、漏斗形状として記載され、一方、他の受け入れカップは、凹面状として本明細書中に記載されていることにも留意されたい。受け入れカップは、特定の実施形態によるこれらの受け入れカップの形状の一方、他方、または両方の態様を相互交換可能に含むことができることに留意されたい。
【0096】
図27~
図30は、例示的な実施形態による、弁/シール組立体の様々な可能な構成の詳細を示す。
図27では、シール32は、弁34の窪み35と同様であるが窪み35よりも比較的急峻である中央窪み380を含む。
図28では、シール32と、シール32と弁34との間に介在された第2のシール382である2つのシールが含まれている。第2のシール382は、シール32の穴32Aと比べて小さい直径を有する中央穴382Aを含む。
図29は、同様の構成を含むが、穴382Aは、穴32Aとサイズが同じである。
図28および
図29の両方において、小さな中央窪み35が弁34に含まれている。
【0097】
図30では、シール32は、比較的小さな直径の中央穴32Aを含み、弁34は、比較的大きな中央窪み35を含む。
図27~
図30に示される弁/シール組立体は、紙面の上部から紙面の下部に向かう対応する方向にカテーテルがシールおよび弁を突き刺すように図において方向付けられていることに留意されたい。
【0098】
次に、
図32A~
図32Bを参照すると、
図32A~
図32Bは、一実施形態による、910で全体的に指定されるマルチルーメン血管アクセス装置の様々な詳細を示す。図示するように、ポート910は、本実施形態において、第1の部分912Aと、第1の部分912A内に部分的に受け入れられる比較的小さい第2の部分912Bとによって形成される本体912を含む。本実施形態では、ポート本体の第1および第2の部分912A、912Bは、チタンなどの金属で構成され、従って、第2の部分は、本体912を形成するために第1の部分と係合状態に圧入される。しかしながら、本明細書で説明するように、ポート本体は、金属、熱可塑性プラスチック、セラミックなどを含む様々な他の適切な材料で構成することができ、かつスナップ嵌合、接着剤、超音波または他の溶接、締まり嵌合等を含む他の接合方法を含むことができることが理解されよう。
【0099】
本実施形態では、ポート本体の第1の部分912Aは、既に上述したのと同様の方法でポート910と動作可能に接続するようにカテーテル支持針42(
図14A)を受け入れ、かつ方向付けるための複数のほぼ漏斗形状の受け入れカップ914を形成する。本実施形態の受け入れカップ914は、第1のセットの受け入れカップ914Aおよび第2のセットの受け入れカップ914Bがポート910の長手方向軸に沿ってほぼ整列されるように、セットまたはグループで配置され、第1のセット914Aは、第2のセットの受け入れカップ914Bの近位にあるが、横並び、離間、交互配置などを含む受け入れカップに関する他の配置構成が可能である。
図32Bに示すように、各セットの受け入れカップ914A、914Bは、3つの個別の受け入れカップ914を含むが、各セット914A、914B内により多いまたはより少ない数の受け入れカップ914が考えられ、かつ本発明の範囲内に含まれることが理解されよう。
【0100】
一実施形態では、ポート本体912は、
図25Aに示されているものと同様の個別に形成された受け入れカップ914を含む各セットの受け入れカップ914A、914Bを含む。一実施形態では、
図32Aに示すように、セット914A、914B内の各受け入れカップ914は、切開部970に沿って互いに接合することができる。これにより、各受け入れカップ914が互いに比較的近くに存在することが可能となり、各受け入れ本体914が個々に形成される実施形態のプロファイルよりも比較的スリムなプロファイルを有するポート本体912を提供することが可能となる。各セット914A、914Bの受け入れカップ914は、溶接、接着剤を介して切開部970に沿って互いに接合されて、共に溶接カップを単一の部品のように形成することができる。一実施形態では、各セットの受け入れカップ914A、914Bは、単一の一体型部品として形成される。一実施形態では、ポート本体の第2の部分912Bは、単一の一体型部品として形成される。
【0101】
各受け入れカップ914のほぼ漏斗形状の形状は、それに衝突するカテーテル支持針42を、各カップ914の対応する入口ポート916に向けて方向付けるように構成されている。次に、各セットの受け入れカップ914A、914Bは、単一の導管918、即ち、導管918A、918Bとそれぞれ連通する。本明細書で説明されるように、導管918A、918Bは、次に、ポートステム924の対応するステム流体出口924A、924Bと連通する。さらに、本明細書に記載されているように、導管918の各々は、弁/シール組立体922を含むこともできる。従って、所与の導管、例えば、918Aまたは918Bには、対応するセットの受け入れカップ914A、914B内のいずれかの受け入れカップによってアクセスすることができる。
図32Bには、適切な内部入口ポート916/導管918のルーティングの一実施形態が開示されている。
【0102】
有利には、これにより、ユーザは、複数の針入口点を介して導管918にアクセスすることができる。従って、ポート910は、透析患者、または血管系からの流体の注入および除去を必要とする同様の体外治療を受けている患者の皮膚下への埋め込みに適している。所与の導管918にアクセスするために、患者の皮膚の単一の部位を針で連続的に貫通させる必要がないように、複数の針入口点を複数の透析治療の過程に亘って交互に使用かつ選択することができる。
【0103】
一実施形態では、セット内の各受け入れカップ914は、それらが共に整列するように、同様の平面に沿って配向することができる。一実施形態では、本明細書に記載されるように(
図31)、セット内の各受け入れカップ914は、第1の受け入れカップ914の周辺部990が、他の受け入れカップ914の周辺部によって形成される平面(例えば、第2の受け入れカップ914によって形成される平面990B)に平行でない仮想平面990A内に存在するように、互いに対して角度付けられている。このような構成により、セット914A、914B内の各受け入れカップ914は、互いに離れるように角度付けられる。望ましくは、これは、アクセスポート910に関して高さプロファイルがわずかに低くなり、内部に挿入される針42が、患者の皮膚に比較的より近い位置に存在するという結果をもたらす。さらに、角度付けられた受け入れカップ914は、ポート910にアクセスするためのより大きな皮膚表面を提供する。従って、患者の皮膚の単一の部位を針で連続的に貫通させる必要がなく、以前の部位を治癒することができるように、より多くの針のアクセスポイントを使用して繰り返しアクセスを実現することができる。受け入れカップは、本明細書中に図示および説明されているものに加えて、様々な異なる構成で角度付けられてもよいことに留意されたい。
【0104】
それぞれ3つの受け入れカップからなる2つのセットが示されているが、任意の数の受け入れカップまたはその任意の数のセットが本発明の範囲内に含まれることが理解されよう。従って、一実施形態では、1つのセットの受け取りカップを採血用に構成し、他のセットを血液を戻すために構成することができる。
【0105】
次に、
図33を参照すると、
図33は、皮下カテーテル組立体の実施形態を示す。カテーテル組立体は、カテーテル50、分岐ハブ60、延長脚部70(延長脚部70A、70Bなど)、およびポート10を含む。カテーテル50は、デュアルルーメン透析カテーテルなどのマルチルーメンカテーテルとすることができ、各ルーメンは延長脚部70A、70Bと流体的に接続されている。ポート10は、延長脚部70の近位端と流体的に接続され、かつ透析針またはラージゲージのオーバーザニードル型静脈内カテーテルを受け入れるように構成することができる。従って、第1のポート10Aは、流体を除去するためにアクセスすることができ、第2のポート10Bは、流体を戻すためにアクセスすることができる。各ポート10は、本明細書に開示されるような触診特徴部、指標、案内溝、放射線不透過性マーカー、または他の実施形態の他の機能を含むことができる。
【0106】
有利には、延長脚部70の長さおよび可撓性は、互いに対するポート10A、10Bの位置決めにおけるある量の変動を可能にする。従って、装置全体を再配置する必要なしに、患者の皮膚のアクセス部位を変更するようにポートを配置することができる。さらに、個々のポート10は、装置全体を交換する必要なしに、必要に応じて交換することができる。本明細書に開示されるポートの代替の実施形態が、ポート10の代わりに使用され得ることが理解されるであろう。さらに、異なる数のルーメンおよびゲージサイズを有するカテーテルが使用され得、かつ本発明の範囲内に含まれる。
【0107】
ここで
図34A~
図34Bを参照すると、
図34A~
図34Bは、一実施形態による、1010で全体的に示されるマルチルーメン血管アクセス装置の様々な詳細を示す。ポート1010は、患者の皮膚下に外科的に埋め込まれるように構成され、患者の血管系内に配置された留置マルチルーメンカテーテル1002と流体接続されるポート本体1012を含む。ポート本体1012は、2つの細長い柔軟なアーム1014A、1014Bを含み、その各々は、その中にルーメン1020A、1020Bを形成し、分岐ハブ1016を介して、留置マルチルーメンカテーテル1002のルーメンと流体接続される。アーム1014は、その中に配置されたルーメン1020を含んで、長手方向軸に沿って分岐ハブ1016の近位端から近位に延在する。
図34A~
図34Bは、長手方向軸に沿って横並びで延在する2つのアームを示すが、他の数のアーム1014およびその構成が企図される。例えば、少なくとも1つのアーム1014は、長手方向軸に対してある角度で延在することができる。アーム1014A、1014Bの各々の近位端は、端部キャップ1018A、1018Bで終端している。端部キャップ1018は、アームの材料と同じまたは異なる材料で形成することができ、接着剤、溶接、結合、または類似の適切な技術を使用してアームに取り付けることができる。一実施形態では、キャップは、アーム1014と一体に形成される。ポート1010またはその一部は、本明細書で説明されるように、任意の適切な生体適合性材料で形成される。
【0108】
ポート1010またはその一部は、触診特徴部1026を含むことができる。例えば、分岐ハブ1016、端部キャップ1018、またはそれらの組み合わせは、本明細書で説明されるように、ポート本体1012、アーム1014などの位置および/または配向を示すことができる触診特徴部を含むことができる。さらに、ポート1010、その一部、またはそれに含まれる指標は、放射線不透過性であるチタンなどの金属から構成することができ、従って、本明細書で説明されるように、適切な撮像モダリティを使用してポート1010を特定し識別することができる。例えば、端部キャップ1018、アーム1014、分岐ハブ1016、またはそれらの組み合わせは、適切な撮像モダリティ(例えば、X線、CAT、PET、MRI、超音波など)を使用して、皮下埋め込み後に、ポート1010の位置および/または配向を示すための放射線不透過性材料から構成することができる。留意すべきことに、分岐ハブ1016および端部キャップ1018は、ユーザに流れの方向を示すために、異なる形状の触診特徴部1026/放射線不透過性指標を含むことができる。針42を流れ方向に対して鈍角で挿入することができる。針42はまた、ポート1010の長手方向軸に対してほぼ直交して挿入され得ることが理解されるであろう。
【0109】
アーム1014の一部は、シリコーンなどの自己密封針貫通可能な材料を含むことができる。自己密封針貫通可能な材料は、アーム1014の上壁1022に配置することができる。さらに、アームの下壁1024は、針貫通不能な材料(例えば、プラスチック、金属など)を含むことができる。上壁1022および下壁1024は、縦断軸に対して形成され得る。上記したように、アーム1014は柔軟であり、これにより、アームが皮下に埋め込まれる患者の身体の特定の輪郭にアームを適合させることができる。従って、下壁1024の材料は針貫通不能であるが、その材料はまた、患者の身体に適合するのに十分に柔軟である。一実施形態では、ルーメン1020の内面の一部は、本明細書で説明されるような、針が突き刺されたときに針の遠位端がルーメンの内面に穴を開けるのを防止する針貫通不能な材料を含む。これは、針によって掘られる材料の斑点の望ましくない生成を防止する。
【0110】
皮膚を介した触診または撮像によりポート1010を特定した後、臨床医は、カテーテル支持針42を使用して、皮膚表面44およびポートアーム1014の上壁を突き刺し、ポートアーム1014は針貫通可能な材料を含む。針42は、その遠位先端42Aが針貫通不能な材料で形成されたアーム1014の下壁1024に衝突するまで挿入される。
【0111】
次に、針42は、少しの距離近位に後退させることができ、カテーテル40が針の上を前進して、カテーテルが屈曲して、アーム1014のルーメン1020内を前進する。カテーテル40の遠位端40Aがアームルーメン1020と流体連通すると、さらなる前進が停止し、ステム24を通じた注入および/または吸引を含む、カテーテル40およびポート1010を通じた流体の移送を開始することができる。流体の移送が完了すると、カテーテル40を近位方向に引き抜き、次に、皮膚の表面44を通って患者の外に引き出すことができる。
【0112】
有利なことに、ポート1010は、低プロファイルを維持しながら臨床医がポートにアクセスできる比較的広い領域を提供する。これにより、アーム1014に沿って異なる位置に針を挿入することによって、臨床医は、複数の透析治療の過程中に異なる位置で透析装置にアクセスすることができる。
【0113】
ここで、
図35A~
図35Jを参照すると、
図35A~
図35Jは、一実施形態による、1110で全体的に示される血管アクセス透析装置の様々な詳細を示す。ポート1110は、患者の皮膚下に外科的に埋め込まれるように構成され、患者の血管系内に配置された留置マルチルーメンカテーテル1002と遠位端で流体接続されたポート本体1112を含む。ポート本体1112は、第1および第2の細長いチャンバ1114A、1114Bなどの細長いチャンバ1114を形成している。各チャンバは、チャンバ1114からステム1124の流体出口まで延在する、ポート本体1112に形成された導管1118を介して、留置カテーテル1002のルーメンと流体連通する。
【0114】
各細長いチャンバ1114は、横並びの配置で長手方向に延在することができる。一実施形態では、
図35Fに示すように、本明細書でより詳細に説明されるように、各細長いチャンバ1114は、一方が他方よりも近位になるようにタンデムに配置することができる。各チャンバ1114の下面は、下面に衝突する針を導管1118の入口1116に方向付けるように、細長い漏斗形状として形成することができる。一実施形態では、チャンバは、長手方向軸に沿って延在するほぼ平坦な、または水平な下面を形成する。一実施形態では、チャンバは、
図35Cに示されるようにU字形の断面形状を形成する。
【0115】
各チャンバ1114は、シリコーンなどの自己密封針貫通材料で形成された隔壁1140を含む。ポート1110は、隔壁1140の上方または下方のいずれかに配置された針ガイド1142を含む。針ガイド1142は、針貫通不能な材料から形成することができる。一実施形態では、針ガイド1142は、ポート本体1112の部品とは別個の部品として形成するか、またはポート本体1112と一体に形成することができる。一実施形態では、針ガイド1142は、隔壁1140の部品とは別個の部品として形成され、かつ隔壁1140の上方または下方のいずれかに配置される。一実施形態では、隔壁1140は、針ガイドが隔壁1140内に配置されるように、針ガイド1142上に外側被覆される。一実施形態では、針ガイド1142は、隔壁を長手方向に二等分し、かつ隔壁を複数の別個のアクセス領域または開口部に横方向に分割するレールを含む。
【0116】
針ガイド1142は、臨床医が異なる位置で隔壁を貫通するように案内することができ、それにより、繰り返しの針の貫通が単一の部位に集中することを回避することができる。細長いウェル1114および関連する隔壁は、スリムな全体的なプロファイルを維持しながら、ポートにアクセスするためのより大きな領域を提供する。針ガイド1142は、異なる位置でポートにアクセスするように臨床医を案内することができ、それにより、組織の治癒を促進することができる。例えば、透析は2~3日ごとに行われ、臨床医は、針ガイド1142の近位端に近接する第1の位置1144Aで装置にアクセスすることができる。後続の透析治療中に、臨床医は、針ガイド1142を使用して、位置1144Bなどの第1の位置1144Aから次第に遠位の位置に後続のアクセスポイントまたは開口部を方向付けるようにすることができる。従って、後続のアクセスポイントは、最遠位の位置が1144Nに到達するまで、遠位に移動することができる。その時点で、第1のアクセスポイント1144Aに隣接する皮膚は、治癒する機会が与えられ、臨床医は、第1のアクセスポイント1144Aに再度アクセスすることができる。さらに、ウェル1114および関連する隔壁1140の幅は、隔壁が毎回正確に同じ位置の通過を受けないように、所与の位置1144内での針のアクセスにいくらかの変動を可能にすることができ、その結果、隔壁の寿命を向上させることができる。
【0117】
一実施形態では、
図35D~
図35Iに示すように、各細長いチャンバ1114は、第1のチャンバ1114Aが第2のチャンバ1114Bよりも近位になるようにタンデムに配置することができる。そのような例では、最も近位のチャンバ1114Aは、ポート本体1112によって形成された導管1118Aを含むことができ、導管1118Aはより遠位のチャンバ1114Bを越えて延在し、かつステム1124と流体的に接続される。
図35Fは、ポート1110の第1の垂直断面図を示し、第1のチャンバ1114Aは、ポート1110の第1の側を通って延在し、かつステム1124において第1の流体出口1124Aと接続する第1の導管1118Aを含む。
図35Eは、ポート1110の第2の垂直断面図を示し、第2のチャンバ1114Bは、ポート1110の第2の側を通って延在し、かつステム1124において第2の流体出口1124Bと接続する第2の導管1118Bを含む。例示的な実施形態では、
図35Hは、内部チャンバ1114/導管1118のルーティングの水平断面図を示す。有利には、タンデム構成は、より広い隔壁1140を可能にし、所与の位置での注入部位における多くの変化を提供する。このように、隔壁上の特定の注入部位は、針の突き刺しを繰り返しても劣化しないため、隔壁の寿命を促進する。
【0118】
本明細書で説明されるように、ポート本体1112は、適切な生体適合性材料で形成することができることが理解されよう。本明細書で説明するように、ポート本体1112は、針貫通不能な材料で形成することができ、任意選択で、各チャンバ1114は、その内面をライニングする針貫通不能材料を含むことができる。図示のように、ポート1110は、ポート本体1112に単一の一体型部品として形成された2つのウェル1114を含むが、任意の数のウェルがポート1110に形成され、かつ本発明の範囲に含まれることが理解されよう。一実施形態では、ポート1110は、ポート本体1110内に形成された単一のチャンバ1114を含むことができる。一実施形態では、ポート1110は、それぞれマルチルーメンカテーテルのルーメン、または分岐カテーテルの延長脚部に接続された別個の構造として形成されたウェル1114を含むことができる。一実施形態では、各チャンバは、異なる目的のために異なる特性で構成することができる。例えば、第1のチャンバは採血用に構成され、第2のチャンバは血液を戻すために構成され得るか、またはそれらは可逆的に分離可能であり得る。他の実施形態と同様に、一方の側を採血用に使用し、他方の側を血液を戻すために使用することができる。
【0119】
ここで、一実施形態による、留置カテーテル組立体1200の詳細を示す
図36A~
図37Eを参照する。カテーテル組立体1200は、ロック部材1260によってカテーテル1250に流体接続されたポート1210を含む。
図36Bは、ポート1210、ロック部材1260、およびカテーテル1250の近位端を含んだ、カテーテル組立体1200の分解図を示す。ポート1210は、同様の形状の第1の導管1212Aおよび第2の導管1212Bによって形成される本体1212を含む。第1および第2の導管1212A、1212Bの各々の遠位端は、外側シェル1236の遠位部1236Bと係合する。外側シェル1236の遠位端は、ステム組立体1224の近位端と係合する遠位の受け入れスロット1238を含む。ステム組立体1224は、その遠位端で第1および第2のステム1224A、Bを受け入れるように構成されたハウジング1224Cを含む。
【0120】
第1および第2の導管1212A、B、外側シェルの一部1236A、B、およびステム組立体1224の各々は、互いに係合するように圧入することができる。さらに、第1および第2の導管1212A、1212Bは、チタンなどの金属から構成することができる。本書で説明するように、ポート本体1212またはその一部は、金属、熱可塑性プラスチック、セラミックなどを含む様々な材料で構成することができ、かつスナップ嵌合、接着剤、超音波または他の溶接、締まり嵌合等を含む他の接合方法を含むことができることが理解されよう。一実施形態では、ポート1210は、ポート本体1212の一部の上に外側被覆される外側シェル1236の一部をさらに含む。例えば、外側シェル1236の近位部1236Aは、本明細書で説明されるようなシリコーンまたは同様の適切な材料などの柔軟な材料で形成され、ポート本体1212上に外側被覆される。
【0121】
図37A~
図37Bは、カテーテル組立体1200のポート1210のさらなる詳細を示す。第1および第2の導管1212A、1212Bの各々は、本明細書で既に説明したのと同様の方法でポート1210と動作可能に接続するようにカテーテル支持針42(
図14A)を受け入れ、かつ方向付けるためのほぼ漏斗形状の受け入れカップ1214を形成する。詳細には、各受け入れカップ1214のほぼ漏斗形状は、それに衝突するカテーテル支持針42を、個々の導管1212のための開口として機能する入口ポート1216に向けて方向付けるように構成されている。患者の皮膚表面に向かって角度が付けられた各受け入れカップ1214の開放しかつ浅い特質は、皮膚の中に導入され、皮下に埋め込まれたアクセスポート1210の方に向けられるときに、受け入れカップが、大きな容易にアクセス可能な針用のターゲットを示すことを可能にする。
【0122】
第1および第2の導管1212A、1212Bの各々は、弁/シール組立体1222A、1222Bなどの弁/シール組立体1222をさらに含む。各弁/シール組立体1222は、弁/シールハウジング1220内に配置されたシール1232および弁1234を含む。各弁シールハウジング1220は、個々の第1および第2の導管1212A、1212Bの遠位端に配置され、かつノズル1221(例えば、ノズル1221A、B)とともに所定の位置に固定されている。ノズル1221の遠位端は、外側シェルの遠位部1236Bの近位端内に受け入れられている。従って、個々の弁/シール組立体1220、ノズル1221、およびステム1224を含むポート本体1212は、入口ポート1216A、1216Bからステム1224A、1224Bの個々の出口まで延在するルーメン1218A、1218Bを形成する。本明細書に記載される他の実施形態の特徴(例えば、触診、指標、隔壁、案内溝、弁、シールなどの特徴)が、ポート1210に含まれることができることに留意されたい。
【0123】
図38A~
図38Bは、例示的なマルチルーメンカテーテル1250の詳細を示す。カテーテル1250は、近位端から遠位端まで延在する細長い管を含み、かつ少なくとも1つのルーメンを形成することができる。
図38Bはデュアルルーメンカテーテルを示しているが、より多いまたはより少ないルーメンを有するカテーテルが本発明の範囲内に含まれることが企図されることが理解されよう。近位端1252は、ステム組立体1224と流体連通するように構成されている。一実施形態では、第1のステム1224Aは第1のルーメン1254Aと連通し、第2のステム1224Bは第2のルーメン1254Bと連通する。
【0124】
カテーテル1250は、ロック部材1260と協働する近位端に近接して配置された環状カラー1256を含み、これは、本明細書でより詳細に説明される。カテーテル1250は、カフ1258をも含む。カフ1258は、例えば、ダクロン(DACRON(商標))、または類似の適切な材料から作製され得る。カフ1258は、身体内への埋め込み時にカテーテルをさらに固定するための内方成長カフ(ingrowth cuff)として機能する。
【0125】
図39A~
図39Cを参照すると、カテーテル組立体1200は、カテーテル1250を覆うように嵌合し、かつポート本体1212と係合して、カテーテル1250をそこに固定するロック部材1260をさらに含む。留意すべきことに、
図39Cは、ステム組立体ハウジング1224C、ロック部材1260、およびカテーテル1250を示し、明確にするために第1および第2のステム1224A、Bが削除されている。ロック部材1260は、ロック部材1260の近位端から遠位端まで延在するチャネル1262を含み、かつチャネル1262を通して配置されるカテーテルを受け入れるように構成される。チャネル1262の周囲は、カテーテル1250の周囲に緊密に適合するようにサイズが設定されている。ロック部材1260は、チャネル1262の遠位端に向かって配置され、かつ半径方向内側に延在する環状アバットメント(annular abutment)1264を含む。環状アバットメント1264は、カテーテルの環状カラー1256に当接し、かつロック部材1260に対するカテーテルの長手方向の遠位移動を阻止する。
【0126】
ロック部材1260は、近位方向に延在してロック部材1260の上面および下面をそれぞれ形成する上部および下部1266、1268を含む。上部および下部1266、1268は、ロック部材1260の左側および右側に開口部をさらに形成する。開口部は、遠位端から遠位端の近位の点まで近位に延在し、かつステム組立体ハウジング1224Cの一部を受け入れるように構成される。
【0127】
ロック部材1260は、ロック部材1260の遠位端に配置され、かつ横方向内向きに延在する突出部1272をさらに含む。突出部1272A、1272Bは、上部1266の遠位端から横方向下向きに延在し、突出部1272C、1272Dは、下部1268の遠位端から横方向上向きに延在する。突出部1272は、ポートハウジング1224Cの上面および下面に配置されたスロット1274と協働して、各突出部1272A~Dが対応するスロット1274A~Dと係合する。
【0128】
ロック部材1260は、上部および下部1266、1268がわずかに撓むことができるように弾性材料を含む。従って、ロック部材1260がハウジング1224Cと係合するように遠位方向に付勢されると、上部および下部1266、1268は外側に撓み、ハウジング1224Cがコネクタの上部および下部1266、1268によって形成される空間内に受け入れられることができるようになる。さらに、突出部1272は、ハウジング1224Cの遠位部分上での摺動を容易にし、かつスロット1274と係合するための面取りを含むことができる。従って、ロック部材は、ハウジング1224Cに緊密に係合することができ、かつカテーテル1250をステム1224と整列させることができる。
【0129】
有利には、カテーテル組立体1200は、個々の構成要素を所定の位置に圧入またはスナップ嵌めすることができるモジュール構造を提供するが、他の取り付け方法も考えられる。従って、これにより、関連するコストが改善されるとともに、製造および組み立てが容易になる。さらに、モジュール構造で形成されているため、製造プロセスへの干渉を最小限にして、異なる仕様に適合するように個々の部品を修正および変更することができる。例えば、ポート本体1212は、本体導管1212A、1212B、ノズル1221、弁組立体1222などを交換することによって、異なるゲージの針、カテーテルなどを受け入れるように構成することができる。同様に、カテーテル1250およびステム組立体1224は、異なるゲージ、厚さ、物理的特性(例えば、材料、デュロメータ)、ルーメン特性、先端特性などの異なる特性を有するカテーテルと容易に交換することができる。
【0130】
ポート1210、ロック部材1260、およびカテーテル1250は、カテーテルシステム1200に対してほぼ滑らかな外側プロファイルを形成するように協働することもできる。これは、有利には、組織ポケット内への埋め込みを容易にし、かつ埋め込み後の患者の不快感を軽減する。さらに、滑らかな外側プロファイルは、そこに配置された任意の触診特徴をより顕著にし、従って臨床医がより容易に識別できるようになる。
【0131】
本発明の実施形態は、本開示の要旨から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化されてもよい。説明された実施形態は、全ての点において単に例示的であり、限定ではないとみなされるべきである。従って、実施形態の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内に入る全ての変更は、その範囲内に含まれるべきである。
以下に、上記実施形態から把握できる技術思想を付記として記載する。
[付記1]低プロファイルアクセスポートであって、
本体であって、
第1のセットの受け入れカップと、
第1のセットの入口ポートであって、前記第1のセットの受け入れカップの各受け入れカップは、前記第1のセットの入口ポートの1つの入口ポートと流体連通しており、各受け入れカップは、衝突針を前記入口ポートに向けて方向付けるように凹面状に成形されている、前記第1のセットの入口ポートと、
前記第1のセットの入口ポートの各入口ポートと流体連通する第1の導管であって、前記第1の導管は、前記第1のセットの入口ポートからポートステムの第1の出口まで延在する、前記第1の導管と、を含む前記本体と、
前記第1の出口と流体連通するカテーテルと、を備える低プロファイルアクセスポート。
[付記2]前記本体は、第2のセットの受け入れカップおよび第2のセットの入口ポートと、前記第2のセットの受け入れカップの各受け入れカップは、前記第2のセットの入口ポートの1つの入口ポートと流体連通しており、前記第2のセットの入口ポートの各入口ポートと流体連通する第2の導管とをさらに含み、前記第2の導管は、前記第2のセットの入口ポートから前記ポートステムの第2の出口まで延在する、付記1に記載の低プロファイルアクセスポート。
[付記3]前記第1のセットの受け入れカップは、前記第2のセットの受け入れカップの近位にある、付記2に記載の低プロファイルアクセスポート。
[付記4]前記第1のセットの受け入れカップの各受け入れカップの周辺部は平面内にあり、各受け入れカップの周辺部の平面が互いに角度付けられている、付記1乃至3のいずれか一項に記載の低プロファイルアクセスポート。
[付記5]前記第1のセットの受け入れカップの各受け入れカップの周辺部は平面内にあり、各受け入れカップの周辺部の平面が互いに対して共平面である、付記1乃至3のいずれか一項に記載の低プロファイルアクセスポート。
[付記6]前記第1のセットの受け入れカップの各受け入れカップの周辺部は切開部を含み、隣接する受け入れカップ間の前記切開部は、前記隣接する受け入れカップの間の連通を提供する、付記1乃至5のいずれか一項に記載の低プロファイルアクセスポート。
[付記7]透析カテーテル組立体であって、
第1のルーメンおよび第2のルーメンを有するカテーテルと、
前記カテーテルの近位端と連通している遠位端を有する分岐ハブと、
前記分岐ハブの近位端に接続された第1の延長脚部および第2の延長脚部と、前記第1の延長脚部は前記第1のルーメンと流体連通し、前記第2の延長脚部は前記第2のルーメンと流体連通しており、
前記透析カテーテル組立体の埋め込み後に皮膚表面にほぼ平行な第1の周辺部を形成する第1の受け入れカップを含む第1のポートと、前記第1のポートは、前記第1の受け入れカップと流体連通する第1の出口を含み、前記第1の出口は、前記第1の延長脚部と流体連通しており、
前記第1のポートから分離された第2のポートと、を備え、前記第2のポートは、前記透析カテーテル組立体の埋め込み後に皮膚表面にほぼ平行な第2の周辺部を形成する第2の受け入れカップを含み、前記第2のポートは、前記第2の受け入れカップと流体連通する第2の出口を含み、前記第2の出口は、前記第2の延長脚部と流体連通している、透析カテーテル組立体。
[付記8]前記第1の受け入れカップは、前記第1の周辺部を覆う第1の隔壁を含み、前記第2の受け入れカップは、前記第2の周辺部を覆う第2の隔壁を含み、前記第1の隔壁および前記第2の隔壁は、前記第1のポートおよび前記第2のポートに対する連続的な外側プロファイルを提供する、付記7に記載の透析カテーテル組立体。
[付記9]皮下透析ポートであって、
第1のルーメンおよび第2のルーメンを有するカテーテルと、
前記カテーテルの近位端と連通している遠位端を有する分岐ハブと、
前記分岐ハブの前記遠位端に接続された第1の細長いアームおよび第2の細長いアームと、を備え、前記第1の細長いアームは前記第1のルーメンと流体連通し、前記第2の細長いアームは前記第2のルーメンと流体連通し、前記第1の細長いアームおよび前記第2の細長いアームの各々は、上壁に針貫通可能な部分を含む、皮下透析ポート。
[付記10]前記第1の細長いアームおよび前記第2の細長いアームの下壁は、前記第1および第2の細長いアームが患者の体の輪郭に適合することを可能にする柔軟な材料から形成される、付記9に記載の皮下透析ポート。
[付記11]前記第1の細長いアームおよび前記第2の細長いアームはそれぞれ、近位端に配置された端部キャップを含み、各端部キャップは、触診特徴部および指標のうちの少なくとも1つを含み、前記指標は、適切な撮像モダリティ下で観察可能である、付記9及び10のうちのいずれか一項に記載の皮下透析ポート。
[付記12]前記触診特徴部および前記指標のうちの少なくとも1つが、ユーザに対して流れの方向を示す、付記11に記載の皮下透析ポート。
[付記13]前記針貫通可能な部分は、自己密封シリコーン材料を含む、付記9乃至12のいずれか一項に記載の皮下透析ポート。
[付記14]前記第1の細長いアームおよび前記第2の細長いアームの下壁が、針貫通不能な材料で形成される、付記9乃至13のいずれか一項に記載の皮下透析ポート。
[付記15]皮下埋め込み用の血管アクセス装置であって、
第1のルーメンおよび第2のルーメンを有するカテーテルと、
第1の細長いチャンバおよび第2の細長いチャンバを形成する細長い本体と、前記第1の細長いチャンバは前記第1のルーメンと流体連通し、前記第2の細長いチャンバは前記第2のルーメンと流体連通しており、
前記細長い本体の上面の開口部を覆うように配置された針貫通可能な隔壁と、前記開口部は、前記第1の細長いチャンバおよび前記第2の細長いチャンバへのアクセスを提供しており、
前記開口部および前記針貫通可能な隔壁の上方に配置された針貫通不能なガイドと、を備え、前記針貫通不能なガイドは、前記第1の細長いチャンバの上方に配置された複数の第1の開口部と、前記第2の細長いチャンバの上方に配置された複数の第2の開口部とを含む、皮下埋め込み用の血管アクセス装置。
[付記16]前記細長い本体は、長さおよび幅を有し、前記長さは、前記幅の2倍を超える、付記15に記載の血管アクセス装置。
[付記17]前記第1の細長いチャンバおよび前記第2の細長いチャンバは、前記細長い本体の長手方向軸に対して横並び配置で延在する、付記15及び16のいずれか一項に記載の血管アクセス装置。
[付記18]前記第1の細長いチャンバおよび前記第2の細長いチャンバは、前記第1の細長いチャンバが前記第2の細長いチャンバの近位にあるように、前記細長い本体の長手方向軸に対してタンデム配置となっている、付記15及び16のいずれか一項に記載の血管アクセス装置。
[付記19]前記針貫通不能なガイドは、前記針貫通可能な隔壁内に少なくとも部分的に配置される、付記15乃至18のいずれか一項に記載の血管アクセス装置。
[付記20]前記針貫通不能なガイドは、前記針貫通可能な隔壁を貫通しない、付記15乃至18のいずれか一項に記載の血管アクセス装置。
[付記21]前記複数の第1の開口部が前記複数の第2の開口部と平行である、付記15乃至20のいずれか一項に記載の血管アクセス装置。
[付記22]ポート組立体であって、
近位端にある第1の受け入れカップと、遠位端にある第1のノズルとを含む第1の導管と、第1の弁組立体が、前記第1の受け入れカップと前記第1のノズルとの間に配置されており、
近位端にある第2の受け入れカップと、遠位端にある第2のノズルとを含む第2の導管と、第2の弁組立体が、前記第2の受け入れカップと前記第2のノズルとの間に配置されており、
前記第1の導管および前記第2の導管を囲む外側シェルと、を備え、前記外側シェルは、前記第1の受け入れカップおよび前記第2の受け入れカップを囲む近位部分と、前記第1のノズルおよび前記第2のノズルを囲む遠位部分とを含み、前記近位部分、前記遠位部分、前記第1の導管、および前記第2の導管は、圧入係合により接続されている、ポート組立体。
[付記23]前記外側シェルの前記遠位部分が、ステム組立体を受け入れするように構成された遠位の受け入れスロットを含む、付記22に記載のポート組立体。
[付記24]前記ステム組立体は、前記遠位の受け入れスロットへの挿入のために構成された近位端を有するハウジングを含み、前記ステム組立体は、圧入係合により前記外側シェルの前記遠位部分に接続される、付記23に記載のポート組立体。
[付記25]前記ステム組立体は、前記ハウジングの遠位端から延在する第1のステムおよび第2のステムを含み、前記第1のステムは、前記第1の受け入れカップと流体連通し、前記第2のステムは、前記第2の受け入れカップと流体連通している、付記24および25のいずれか一項に記載のポート組立体。
[付記26]前記第1のステム上に挿入するように構成された第1のルーメンと、前記第2のステム上に挿入するように構成された第2のルーメンとを含むカテーテルと、前記ステム組立体を前記カテーテルに結合するように構成されたロック部材とをさらに備える、付記25に記載のポート組立体。
[付記27]前記ステム組立体が、上部にある第1のスロットと、下部にある第2のスロットとを含み、前記ロック部材が前記第1のスロットにスナップ嵌合するように構成された第1の突出部と、前記第2のスロットにスナップ嵌合するように構成された第2の突出部とを含む、付記26に記載のポート組立体。
[付記28]前記外側シェル、前記ハウジング、および前記ロック部材は、滑らかで連続的な外側表面を共に提供する、付記27に記載のポート組立体。