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特許7413348変化したアルカロイドレベルを有するタバコ植物および製品を産生するためのPMT操作に基づく組成物および方法
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  • 特許-変化したアルカロイドレベルを有するタバコ植物および製品を産生するためのPMT操作に基づく組成物および方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】変化したアルカロイドレベルを有するタバコ植物および製品を産生するためのPMT操作に基づく組成物および方法
(51)【国際特許分類】
   A01H 5/00 20180101AFI20240105BHJP
   A01H 5/12 20180101ALI20240105BHJP
   A01H 6/82 20180101ALI20240105BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240105BHJP
   C12N 15/09 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
A01H5/00 A ZNA
A01H5/12
A01H6/82
C12N15/63 Z
C12N15/09 110
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2021504227
(86)(22)【出願日】2019-07-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 US2019043640
(87)【国際公開番号】W WO2020023864
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】62/703,775
(32)【優先日】2018-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/848,159
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517453405
【氏名又は名称】アルトリア クライアント サーヴィシーズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【弁理士】
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【弁理士】
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【弁理士】
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【弁理士】
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】クディシプディ チェンガルラヤン
(72)【発明者】
【氏名】チー ドン
(72)【発明者】
【氏名】シェン ヤンシン
(72)【発明者】
【氏名】ワレク ウィヴァラ
(72)【発明者】
【氏名】ストリックランド ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】シュ ドンメイ
【審査官】福澤 洋光
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0322451(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0227088(US,A1)
【文献】特開平05-084075(JP,A)
【文献】Naruhiro Hibi et al.,Gene Expression in Tobacco Low-Nicotine Mutants,The Plant Cell,American Society of Plant Physiologists,1994年,Vol.6, No.5,pp.723-735
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00-15/90
A01H 1/00-17/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)プトレシンN-メチルトランスフェラーゼ(PMT)1a(PMT1a)遺伝子における第1のノックアウト変異体対立遺伝子であって、前記PMT1a遺伝子の野生型対立遺伝子が配列番号:12のアミノ酸配列をコードし、かつ前記PMT1a遺伝子における第1のノックアウト変異体対立遺伝子が配列番号:432の配列を含む、前記第1のノックアウト変異体対立遺伝子;
(b)PMT1b遺伝子における第2のノックアウト変異体対立遺伝子;
(c)PMT2遺伝子における第3のノックアウト変異体対立遺伝子;
(d)PMT3遺伝子における第4のノックアウト変異体対立遺伝子;および
(e)PMT4遺伝子における第5のノックアウト変異体対立遺伝子
を含むタバコ植物またはその一部であって、
前記タバコ植物、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、前記第1のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第2のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第3のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第4のノックアウト変異体対立遺伝子、および前記第5のノックアウト変異体対立遺伝子を有しない対照タバコ植物からの葉のニコチンレベルより低いニコチンレベルを含む葉を産生する、前記タバコ植物またはその一部。
【請求項2】
前記PMT1b遺伝子の野生型対立遺伝子が配列番号:11のポリペプチドをコードし、前記PMT2遺伝子の野生型対立遺伝子が配列番号:13のポリペプチドをコードし、前記PMT3遺伝子の野生型対立遺伝子が配列番号:14のポリペプチドをコードし、かつ前記PMT4遺伝子の野生型対立遺伝子が配列番号:15のポリペプチドをコードする、請求項1に記載のタバコ植物またはその一部。
【請求項3】
前記タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、前記1つ以上の変異体対立遺伝子を有しない対照タバコ植物からの葉のニコチンレベルの90%より低いニコチンレベルを含む葉を産生することができる、請求項1または2に記載のタバコ植物またはその一部。
【請求項4】
前記タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、前記対照タバコ植物からの葉の総アルカロイドレベルの90%より低い総アルカロイドレベルを含む葉を産生することができる、請求項1~のいずれか一項に記載のタバコ植物またはその一部。
【請求項5】
前記タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、前記対照タバコ植物からの葉の総アルカロイドレベルの40%より低い総アルカロイドレベルを含む葉を産生することができる、請求項に記載のタバコ植物またはその一部。
【請求項6】
前記第2のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第3のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第4のノックアウト変異体対立遺伝子、または前記第5のノックアウト変異体対立遺伝子の1つ以上が、プロモーター、5’非翻訳領域(UTR、第1のエキソン、第1のイントロン、第2のエキソン、第2のイントロン、第3のエキソン、3’UTR、ターミネーター、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される配列領域における変異を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のタバコ植物またはその一部。
【請求項7】
前記第2のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第3のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第4のノックアウト変異体対立遺伝子、または前記第5のノックアウト変異体対立遺伝子の1つ以上が、ナンセンス変異、ミスセンス変異、フレームシフト変異、スプライス部位変異、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の変異タイプを含む、請求項1~のいずれか一項に記載のタバコ植物またはその一部。
【請求項8】
前記第2のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第3のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第4のノックアウト変異体対立遺伝子、または前記第5のノックアウト変異体対立遺伝子の1つ以上が、以下:
PMTタンパク質切断、非翻訳性PMT遺伝子転写物、非機能性PMTタンパク質、PMT遺伝子における未成熟終止コドン、およびこれらの任意の組み合わせ
のうちの1つ以上をもたらす、請求項1~のいずれか一項に記載のタバコ植物またはその一部。
【請求項9】
前記第2のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第3のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第4のノックアウト変異体対立遺伝子、または前記第5のノックアウト変異体対立遺伝子の1つ以上が対応する野生型PMT遺伝子配列に対して、1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失、挿入、重複、および逆位からなる群から選択される変異を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のタバコ植物またはその一部。
【請求項10】
前記第1のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第2のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第3のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第4のノックアウト変異体対立遺伝子、前記第5のノックアウト変異体対立遺伝子、またはそれらの組み合わせについてホモ接合性である、請求項1~のいずれか一項に記載のタバコ植物またはその一部。
【請求項11】
前記タバコ植物は、乾燥重量で、0.15%未満ニコチンレベルを含む葉を産生することができる、請求項1~10のいずれか一項に記載のタバコ植物またはその一部。
【請求項12】
前記タバコ植物は、乾燥重量で、1%未満総アルカロイドレベルを含む葉を産生することができる、請求項1~11のいずれか一項に記載のタバコ植物またはその一部。
【請求項13】
前記タバコ植物は、2~0.05ppmの総TSNAレベルを含む乾燥葉を産生することができる、請求項1~12のいずれか一項に記載のタバコ植物またはその一部。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のタバコ植物の、集団。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のタバコ植物に由来する、乾燥タバコ材料。
【請求項16】
熱風乾燥タバコ材料、空気乾燥タバコ材料、直火乾燥タバコ材料、および日干乾燥タバコ材料からなる群から選択される、請求項15に記載の乾燥タバコ材料。
【請求項17】
タバコ葉を含み、
前記タバコ葉が、品種LAバーレー21由来の対照乾燥タバコ材料と比較して低減されたカビ感染を示す、
請求項15に記載の乾燥タバコ材料。
【請求項18】
請求項15に記載の乾燥タバコ材料を含む、タバコブレンド。
【請求項19】
前記乾燥タバコ材料が、前記タバコブレンド中、乾燥タバコの少なくとも約10重量%を構成する、請求項18に記載のタバコブレンド。
【請求項20】
前記乾燥タバコ材料が、前記タバコブレンド中、乾燥タバコの少なくとも約10体積%を構成する、請求項18に記載のタバコブレンド。
【請求項21】
請求項15に記載の乾燥タバコ材料を含む、タバコ製品。
【請求項22】
シガレット、シガリロ、非通気式リセスフィルターシガレット(non-ventilated recess filter cigarette)、通気式リセスフィルターシガレット(vented recess filter cigarette)、シガー、嗅ぎタバコ、パイプタバコ(pipe tobacco)、シガータバコ、シガレットタバコ、噛みタバコ、葉タバコ(leaf tobacco)、細断タバコ(shredded tobacco)、および刻みタバコ(cut tobacco)からなる群から選択される、請求項21に記載のタバコ製品。
【請求項23】
無煙タバコ製品である、請求項21に記載のタバコ製品。
【請求項24】
前記無煙タバコ製品は、ルーズリーフ噛みタバコ(loose leaf chewing tobacco)、プラグ噛みタバコ(plug chewing tobacco)、湿性嗅ぎタバコ(moist snuff)、および鼻嗅ぎタバコ(nasal snuff)からなる群から選択される、請求項23に記載のタバコ製品。
【請求項25】
請求項15に記載の乾燥タバコ材料を含む、再構成タバコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表の組み込み
本出願は、2018年7月26日に出願された米国仮出願第62/703,775号、および2019年5月15日に出願された米国仮出願第62/848,159号の利益を主張するものであり、これらの両方は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される。「P34620WO00_SL.txt」という名称のファイルに含まれる配列表は、200,338バイトであり(MS-Windows(登録商標)で測定)、2019年7月25日に作成され、本明細書に添えて電子的に提出されるものであり、参照によりその全体が援用される。
【0002】
分野
本開示は、アルカロイドレベルおよびニコチンレベルを調節するためのタバコの遺伝子操作を提供する。
【背景技術】
【0003】
背景
ニコチンは、主なアルカロイドであり、通常、市販のタバコ栽培品種において総アルカロイドの90~95%超を占める。残りのアルカロイド画分は、主に、ノルニコチン、アナバシン、およびアナタビンの3つの追加のアルカロイドからなる。異なるニコチン生合成遺伝子および転写調節因子を調節することによって、ニコチンレベルが低減したタバコ植物が得られているが、結果は様々で一貫性がない。タバコの葉のニコチンレベルを低減するための新しい技術が必要である。
【発明の概要】
【0004】
概要
本開示は、変化した総アルカロイドレベルおよびニコチンレベルならびに商業的に許容される葉の等級を有するタバコ植物、その育種またはトランスジェニックアプローチを介した開発、ならびにそのタバコ植物からのタバコ製品の製造を提供する。
【0005】
一態様では、本開示は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される少なくとも1種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む、タバコ植物またはその一部を提供し、タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、1つ以上の変異体対立遺伝子を有しない対照タバコ植物からの葉のニコチンレベルより低いニコチンレベルを含む葉を産生することができる。
【0006】
別の態様では、タバコ植物は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される少なくとも2種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む。
【0007】
さらなる態様では、タバコ植物は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される少なくとも3種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む。
【0008】
別の態様では、タバコ植物は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される少なくとも4種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む。
【0009】
さらなる態様では、タバコ植物は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される5種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む。
【0010】
一態様では、本開示は、表8A~表8Eに列挙されるように、単一pmt変異体、二重pmt変異体、三重変異体、四重変異体、および五重変異体からなる群から選択されるタバコ植物を提供する。
【0011】
一態様では、本開示は、表4A~表4Eまたは表10に列挙されるタバコ植物を提供する。別の態様では、本開示は、表4A~表4Eまたは表10における自家受粉または別の植物との交雑のいずれかに由来する表4A~表4Eまたは表10のタバコ植物の子孫植物を提供する。
【0012】
別の態様では、本開示は、単一pmt変異体、二重pmt変異体、三重変異体、四重変異体、または五重変異体をもたらす、表5A~表5Eまたは表12A~表12Eに列挙されるpmt変異体対立遺伝子の様々な組み合わせを含むタバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、配列番号21~200、410~441、474~505、538~569、602~633、および666~697からなる群から選択されるpmt変異体対立遺伝子の配列を含むタバコ植物を提供する。
【0013】
本開示はさらに、乾燥タバコ(cured tobacco)、タバコブレンド(tobacco blend)、開示されるタバコ植物、株、品種、またはハイブリッド由来の植物材料を含むタバコ製品を提供する。
[本発明1001]
PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される少なくとも1種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含むタバコ植物またはその一部であって、前記タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、前記1つ以上の変異体対立遺伝子を有しない対照タバコ植物からの葉のニコチンレベルより低いニコチンレベルを含む葉を産生することができる、前記タバコ植物またはその一部。
[本発明1002]
前記タバコ植物は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される少なくとも2種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む、本発明1001のタバコ植物またはその一部。
[本発明1003]
前記タバコ植物は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される少なくとも3種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む、本発明1001のタバコ植物またはその一部。
[本発明1004]
前記タバコ植物は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される少なくとも4種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む、本発明1001のタバコ植物またはその一部。
[本発明1005]
前記タバコ植物は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される5種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む、本発明1001のタバコ植物またはその一部。
[本発明1006]
前記タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、前記1つ以上の変異体対立遺伝子を有しない対照タバコ植物からの葉のニコチンレベルの90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、または0.25%より低いニコチンレベルを含む葉を産生することができる、本発明1001~1005のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1007]
前記タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、前記対照タバコ植物からの葉の総アルカロイドレベルの90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、または0.25%より低い総アルカロイドレベルを含む葉を産生することができる、本発明1001~1006のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1008]
前記タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、前記対照タバコ植物からの葉の総アルカロイドレベルの40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、または5%より低い総アルカロイドレベルを含む葉を産生することができる、本発明1007のタバコ植物またはその一部。
[本発明1009]
前記1つ以上の変異体対立遺伝子が、プロモーター、5’UTR、第1のエキソン、第1のイントロン、第2のエキソン、第2のイントロン、第3のエキソン、3’UTR、ターミネーター、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される配列領域における変異を含む、本発明1001~1008のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1010]
前記1つ以上の変異体対立遺伝子が、ナンセンス変異、ミスセンス変異、フレームシフト変異、スプライス部位変異、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の変異タイプを含む、本発明1001~1009のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1011]
前記1つ以上の変異体対立遺伝子が、以下:
PMTタンパク質切断、非翻訳性PMT遺伝子転写物、非機能性PMTタンパク質、PMT遺伝子における未成熟終止コドン、およびこれらの任意の組み合わせ
のうちの1つ以上をもたらす、本発明1001~1010のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1012]
前記1つ以上の変異体対立遺伝子が、野生型PMT遺伝子に対して、1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失、挿入、重複、および逆位からなる群から選択される変異を含む、本発明1001~1011のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1013]
前記1つ以上の変異体対立遺伝子が、ホモ接合性、ヘテロ接合性、およびヘテロ対立遺伝子性からなる群から選択される接合状態を含む、本発明1001~1012のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1014]
前記1つ以上の変異体対立遺伝子が、少なくとも1~5種のPMT遺伝子において、ホモ接合性またはヘテロ対立遺伝子性である、本発明1001~1012のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1015]
前記1つ以上の変異体対立遺伝子が、少なくとも4種のPMT遺伝子において、ホモ接合性またはヘテロ対立遺伝子性である、本発明1001~1012のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1016]
前記1つ以上の変異体対立遺伝子が、5種全てのPMT遺伝子において、ホモ接合性またはヘテロ対立遺伝子性である、本発明1001~1012のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1017]
前記少なくとも2種のPMT遺伝子が、PMT1aおよびPMT3である、本発明1001~1016のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1018]
前記タバコ植物は、乾燥重量で、0.15%未満、0.125%未満、0.1%未満、0.08%未満、0.06%未満、0.05%未満、0.04%未満、0.03%未満、0.02%未満、および0.01%未満からなる群から選択されるニコチンレベルを含む葉を産生することができる、前記本発明のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1019]
前記タバコ植物は、乾燥重量で、1%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、および0.2%未満からなる群から選択される総アルカロイドレベルを含む葉を産生することができる、前記本発明のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1020]
前記タバコ植物は、2~0.05、1.9~0.05、1.8~0.05、1.7~0.05、1.6~0.05、1.5~0.05、1.4~0.05、1.3~0.05、1.2~0.05、1.1~0.05、1.0~0.05、0.9~0.05、0.8~0.05、0.7~0.05、0.6~0.05、0.5~0.05、0.4~0.05、0.3~0.05、0.2~0.05、0.15~0.05、または0.1~0.05ppmの総TSNAレベルを含む乾燥葉を産生することができる、前記本発明のいずれかのタバコ植物またはその一部。
[本発明1021]
本発明1001~1020のいずれかのタバコ植物の、集団。
[本発明1022]
本発明1001~1020のいずれかのタバコ植物に由来する、乾燥タバコ材料。
[本発明1023]
熱風乾燥、空気乾燥、直火乾燥、および日干乾燥からなる群から選択される乾燥プロセスによって作製される、本発明1022の乾燥タバコ材料。
[本発明1024]
タバコ葉を含み、
前記タバコ葉が、品種LAバーレー21由来の対照乾燥タバコ材料と比較して低減されたカビ感染を示す、
本発明1022の乾燥タバコ材料。
[本発明1025]
本発明1022の乾燥タバコ材料を含む、タバコブレンド。
[本発明1026]
前記乾燥タバコ材料が、前記タバコブレンド中、乾燥タバコの少なくとも約10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%を構成する、本発明1025のタバコブレンド。
[本発明1027]
前記乾燥タバコ材料が、前記タバコブレンド中、乾燥タバコの少なくとも約10体積%、少なくとも15体積%、少なくとも20体積%、少なくとも25体積%、少なくとも30体積%、少なくとも35体積%、少なくとも40体積%、少なくとも45体積%、少なくとも50体積%、少なくとも55体積%、少なくとも60体積%、少なくとも65体積%、少なくとも70体積%、少なくとも75体積%、少なくとも80体積%、少なくとも85体積%、少なくとも90体積%、または少なくとも95体積%を構成する、本発明1025のタバコブレンド。
[本発明1028]
本発明1022の乾燥タバコ材料を含む、タバコ製品。
[本発明1029]
シガレット、シガリロ、非通気式リセスフィルターシガレット(non-ventilated recess filter cigarette)、通気式リセスフィルターシガレット(vented recess filter cigarette)、シガー、嗅ぎタバコ、パイプタバコ(pipe tobacco)、シガータバコ、シガレットタバコ、噛みタバコ、葉タバコ(leaf tobacco)、細断タバコ(shredded tobacco)、および刻みタバコ(cut tobacco)からなる群から選択される、本発明1028のタバコ製品。
[本発明1030]
無煙タバコ製品である、本発明1028のタバコ製品。
[本発明1031]
前記無煙タバコ製品は、ルーズリーフ噛みタバコ(loose leaf chewing tobacco)、プラグ噛みタバコ(plug chewing tobacco)、湿性嗅ぎタバコ(moist snuff)、および鼻嗅ぎタバコ(nasal snuff)からなる群から選択される、本発明1030のタバコ製品。
[本発明1032]
本発明1022の乾燥タバコ材料を含む、再構成タバコ。
【0014】
配列の簡単な説明
配列番号1~5は、TN90参照ゲノムからのPMT1b、PMT1a、PMT2、PMT3、およびPMT4の例示的なゲノム配列をそれぞれ記載する。
【0015】
配列番号6~10は、TN90からのPMT1b、PMT1a、PMT2、PMT3およびPMT4の例示的なcDNA配列をそれぞれ記載する。
【0016】
配列番号11~15は、TN90からのPMT1b、PMT1a、PMT2、PMT3およびPMT4の例示的なポリペプチド配列をそれぞれ記載する。
【0017】
配列番号16~22は、例示的なガイドRNA配列を示す。
【0018】
配列番号23~200、410~441、474~505、538~569、602~633、および666~697は、例示的な編集されたpmt変異体配列を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】TN90根における5種のPMT遺伝子のRNA発現。
図2】様々な低アルカロイド株:CS15(NLM(Ph Ph)背景における五重pmtノックアウト変異株CS15)、VA359背景におけるPMT RNAiトランスジェニック株)および低ニコチンKY171(「LN KY171」)品種(nic1およびnic2二重変異を有するKY171背景)におけるニコチンレベル。それらのそれぞれの正常アルカロイド対照株:NLM(Ph Ph)、VA359、およびKY171背景と比較したもの。
図3】様々な低アルカロイド株:CS15、PMT RNAi、およびLN KY171における総アルカロイドレベル。それらのそれぞれの正常アルカロイド対照株:NLM(Ph Ph)、VA359、およびKY171背景と比較したもの。
図4】様々な低アルカロイド株:CS15、PMT RNAi、およびLN KY171における葉収量。それらのそれぞれの正常アルカロイド対照株:NLM(Ph Ph)、VA359、およびKY171背景と比較したもの。
図5】様々な低アルカロイド株:CS15、PMT RNAi、およびLN KY171における葉の品質。それらのそれぞれの正常アルカロイド対照株:NLM(Ph Ph)、VA359、およびKY171背景と比較したもの。
図6A】TN90LC(図6A)、LA BU21(図6B)、PR50を下方制御するRNAi構築物を含むTN90(図6C)、PMT遺伝子を下方制御するRNAi構築物を含むTN90(図6D)、および5種全てのPMT遺伝子への編集を含むTN90(図6E)を含む、乾燥タバコ上のカビ増殖を示す写真。
図6B図6Aの説明を参照のこと。
図6C図6Aの説明を参照のこと。
図6D図6Aの説明を参照のこと。
図6E図6Aの説明を参照のこと。
図7図6A図6Eで調査された株において観察されたカビ感染の描写。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
特に定義しない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語は、当業者に一般的に理解される意味と同じ意味を有する。当業者は、本開示の実施に使用され得る多くの方法を認識するであろう。実際、本開示は、記載された方法および材料に決して限定されない。本開示の目的のために、次の用語を以下に定義する。
【0021】
例えば、全ての特許および刊行物を含む、本明細書に引用される任意の参照文献は、それらの全体が参照により援用される。
【0022】
本明細書で使用される場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈から明らかでない限り、複数の参照を含む。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含み得る。
【0023】
「約」という用語が数値範囲と併用される場合、それは、10%で示される数値の上下の境界を延長することによってその範囲を修正する。
【0024】
本明細書で使用される場合、「未満」、「より多い」、「少なくとも」、「せいぜい」、「約(approximately)」、「下回る」、「上回る」、および「約(about)」などの語句は、一連の数値と併用される場合、一連の中の各値を修正する。例えば、「1%、2%、または3%未満」の表現は、「1%未満、2%未満、または3%未満」に等しい。
【0025】
本明細書で使用される場合、タバコ植物は、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)種由来の植物を指す。
【0026】
タバコにおけるニコチン生合成は、S-アデノシル-メチオニンを補因子として使用して、酵素プトレシンN-メチルトランスフェラーゼ(PMT)によって、ポリアミンであるプトレシンを、N-メチルプトレシンへとメチル化することで始まる。これは、前駆体代謝産物が、ニコチン生合成に関与するステップである。PMT酵素は、酵素分類システムの下でEC2.1.1.53として分類される。ニコチアナ・タバカムでは、5種の遺伝子がプトレシンN-メチルトランスフェラーゼをコードし、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4と称される。表1Aに、TN90植物におけるこれらの5種のPMT遺伝子のゲノムDNA配列、cDNA配列、およびタンパク質配列を列挙する。本開示は、PMT遺伝子を編集して、葉の品質を維持しながら、低減したニコチンレベルを有するpmt変異体植物を産生するために使用される組成物および方法を記載する。
【0027】
本明細書で使用される場合、「PMT1b」または「PMT1b遺伝子」は、配列番号11に記載されるTN90の例示的なアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするタバコの遺伝子座を指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「PMT1a」または「PMT1a遺伝子」は、配列番号12に記載されるTN90の例示的なアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするタバコの遺伝子座を指す。
【0029】
本明細書で使用される場合、「PMT2」または「PMT2遺伝子」は、配列番号13に記載されるTN90の例示的なアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするタバコの遺伝子座を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、「PMT3」または「PMT3遺伝子」は、配列番号14に記載されるTN90の例示的なアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするタバコの遺伝子座を指す。
【0031】
本明細書で使用される場合、「PMT4」または「PMT4遺伝子」は、配列番号15に記載されるTN90の例示的なアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするタバコの遺伝子座を指す。
【0032】
本明細書で使用される場合、変異は、遺伝子によってコードされる産物の発現または活性を低減、阻害、または排除するために遺伝子に導入される遺伝子改変を指す。かかる改変は、遺伝子の任意の配列領域、例えば、プロモーター、5’UTR、エキソン、イントロン、3’UTR、またはターミネーター領域にあり得る。一態様では、変異は、特定のタバコ品種または栽培品種に存在する自然多型ではない。本明細書で使用される場合、「変異体対立遺伝子」は、その対立遺伝子座が変異を含む遺伝子座由来の対立遺伝子を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「pmt変異体」は、1種以上のPMT遺伝子に1つ以上の変異を含むタバコ植物を指す。pmt変異体は、単一変異体、二重変異体、三重変異体、四重変異体、または五重変異体であり得る。本明細書で使用される場合、単一、二重、三重、四重、または五重pmt変異体は、それぞれ1種、2種、3種、4種、または5種のPMT遺伝子に改変を有する変異体を指す。pmt変異体はまた、1種以上のPMT遺伝子におけるホモ接合変異体、ヘテロ接合変異体、またはヘテロ対立遺伝子変異体の組み合わせであり得る。
【0034】
本明細書で使用される場合、遺伝子名または遺伝子座名は、大文字で表記され、斜体で、例えば、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4で示される。タンパク質またはポリペプチド名は、斜体にせずに、大文字で、例えば、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4で表記される。変異体名(遺伝子もしくは遺伝子群における一般的な変異を参照するため、または特定の変異体対立遺伝子を参照するため)は、小文字および斜体で、例えば、pmt、pmt1a、pmt1b、pmt2、pmt3、およびpmt4で示される。
【0035】
一態様では、本開示は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される少なくとも1種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む、タバコ植物またはその一部を提供し、タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、1つ以上の変異体対立遺伝子を有しない対照タバコ植物からの葉のニコチンレベルより低いニコチンレベルを含む葉を産生することができる。一態様では、単一pmt変異体タバコ植物が提供される。別の態様では、単一pmt変異体タバコ植物は、類似の成長条件下で成長したときに、単一pmt変異を有しない対照植物のニコチンレベルの1%未満、2%未満、5%未満、8%未満、10%未満、12%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満、90%未満、または95%未満のレベルでニコチンを含む。さらなる態様では、単一pmt変異体タバコ植物は、類似の成長条件下で成長したときに、単一pmt変異体を有しない対照植物のニコチンレベルの1%~5%、5%~10%、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、または90%~95%のレベルでニコチンを含む。
【0036】
別の態様では、タバコ植物は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される少なくとも2種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む。一態様では、二重pmt変異体タバコ植物が提供される。別の態様では、二重pmt変異体タバコ植物は、類似の成長条件下で成長したときに、二重pmt変異を有しない対照植物のニコチンレベルの1%未満、2%未満、5%未満、8%未満、10%未満、12%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満、90%未満、または95%未満のレベルでニコチンを含む。さらなる態様では、二重pmt変異体タバコ植物は、類似の成長条件下で成長したときに、二重pmt変異を有しない対照植物のニコチンレベルの1%~5%、5%~10%、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、または90%~95%のレベルでニコチンを含む。
【0037】
さらなる態様では、タバコ植物は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される少なくとも3種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む。一態様では、三重pmt変異体タバコ植物が提供される。別の態様では、三重pmt変異体タバコ植物は、類似の成長条件下で成長したときに、三重pmt変異を有しない対照植物のニコチンレベルの1%未満、2%未満、5%未満、8%未満、10%未満、12%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満、90%未満、または95%未満のレベルでニコチンを含む。さらなる態様では、三重pmt変異体タバコ植物は、類似の成長条件下で成長したときに、三重pmt変異を有しない対照植物のニコチンレベルの1%~5%、5%~10%、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、または90%~95%のレベルでニコチンを含む。
【0038】
別の態様では、タバコ植物は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される少なくとも4種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む。一態様では、四重pmt変異体タバコ植物が提供される。別の態様では、四重pmt変異体タバコ植物は、類似の成長条件下で成長したときに、四重pmt変異を有しない対照植物のニコチンレベルの1%未満、2%未満、5%未満、8%未満、10%未満、12%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満、90%未満、または95%未満のレベルでニコチンを含む。さらなる態様では、四重pmt変異体タバコ植物は、類似の成長条件下で成長したときに、四重pmt変異を有しない対照植物のニコチンレベルの1%~5%、5%~10%、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、または90%~95%のレベルでニコチンを含む。
【0039】
さらなる態様では、タバコ植物は、PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4からなる群から選択される5種のPMT遺伝子に1つ以上の変異体対立遺伝子を含む。一態様では、五重pmt変異体タバコ植物が提供される。別の態様では、五重pmt変異体タバコ植物は、類似の成長条件下で成長したときに、五重pmt変異を有しない対照植物のニコチンレベルの1%未満、2%未満、5%未満、8%未満、10%未満、12%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、80%未満、90%未満、または95%未満のレベルでニコチンを含む。さらなる態様では、五重pmt変異体タバコ植物は、類似の成長条件下で成長したときに、五重pmt変異を有しない対照植物のニコチンレベルの1%~5%、5%~10%、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、または90%~95%のレベルでニコチンを含む。
【0040】
一態様では、タバコ植物は、表8A~表8Eに列挙される単一pmt変異体、二重pmt変異体、三重変異体、四重変異体、または五重変異体である。別の態様では、タバコ植物は、表5A~表5Eおよび表12A~表12Eに列挙される1つ以上のpmt変異体対立遺伝子を含む。表5A~表5Eおよび表12A~表12Eに列挙されるpmt変異体対立遺伝子の各々および全ての組み合わせもまた、単一pmt変異体、二重pmt変異体、三重変異体、四重変異体、または五重変異体をもたらすように提供される。変異遺伝子座の各々は、ホモ接合性またはヘテロ接合性のいずれかであり得るか、またはヘテロ対立遺伝子性の組み合わせを含み得る。別の態様では、タバコ植物は、表4A~表4Eおよび表10に列挙される各々の別個の株について示されるように、pmt変異体遺伝子型の組み合わせを含む。一態様では、タバコ植物は、配列番号21~200、410~441、474~505、538~569、602~633、および666~697からなる群から選択されるpmt変異体対立遺伝子の配列を含む。別の態様では、本開示は、配列番号21~200、410~441、474~505、538~569、602~633、および666~697からなる群から選択されるpmt変異体対立遺伝子の配列を含む、二重pmt変異体、三重変異体、四重変異体、または五重変異体を提供する。
【0041】
一態様では、タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、対照タバコ植物からの葉のニコチンレベルの90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、または0.25%より低いニコチンレベルを含む葉を産生することができる。別の態様では、タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、対照タバコ植物のニコチンレベルの1%~5%、5%~10%、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、または90%~95%のニコチンレベルを含む葉を産生することができる。
【0042】
別の態様では、タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、対照タバコ植物からの葉の総アルカロイドレベルの90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、または0.25%より低い総アルカロイドレベルを含む葉を産生することができる。別の態様では、タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、対照タバコ植物の総アルカロイドレベルの1%~5%、5%~10%、10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、または90%~95%の総アルカロイドレベルを含む葉を産生することができる。
【0043】
さらなる態様では、タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、対照タバコ植物からの葉の総アルカロイドレベルの40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、または5%より低い総アルカロイドレベルを含む葉を産生することができる。
【0044】
一態様では、変異体pmt対立遺伝子は、プロモーター、5’UTR、第1のエキソン、第1のイントロン、第2のエキソン、第2のイントロン、第3のエキソン、第3のイントロン、第4のエキソン、第4のイントロン、第5のエキソン、第5のイントロン、第6のエキソン、第6のイントロン、第7のエキソン、第7のイントロン、第8のエキソン、3’UTR、ターミネーター、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるPMT配列領域に変異を含む。別の態様では、変異体pmt対立遺伝子は、表1D~表1Hに列挙されるPMTゲノム配列領域に変異を含む。
【0045】
別の態様では、変異体pmt対立遺伝子は、ナンセンス変異、ミスセンス変異、フレームシフト変異、スプライス部位変異、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の変異タイプを含む。一態様では、変異体pmt対立遺伝子は、ヌル対立遺伝子またはノックアウト対立遺伝子である。
【0046】
一態様では、変異体pmt対立遺伝子は、PMTタンパク質切断、翻訳不可能なPMT遺伝子転写物、非機能性PMTタンパク質、PMT遺伝子における未成熟終止コドン、およびこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上をもたらす。
【0047】
別の態様では、変異体pmt対立遺伝子は、野生型PMT遺伝子に対して1つ以上のヌクレオチドの置換、欠失、挿入、重複、および逆位からなる群から選択される変異を含む。
【0048】
一態様では、pmt変異体は、ホモ接合性、ヘテロ接合性、およびヘテロ対立遺伝子性からなる群から選択される接合状態を含む。別の態様では、pmt変異体は、少なくとも1、2、3、4、または5種のPMT遺伝子において、ホモ接合性またはヘテロ対立遺伝子性である。一態様では、pmt変異体は、少なくとも4種のPMT遺伝子において、ホモ接合性またはヘテロ対立遺伝子性である。別の態様では、pmt変異体は、5種全てのPMT遺伝子において、ホモ接合性またはヘテロ対立遺伝子性である。別の態様では、pmt変異体は、PMT1aおよびPMT3に変異を含む。
【0049】
一態様では、タバコ植物は、乾燥重量で、0.15%未満、0.125%未満、0.1%未満、0.08%未満、0.06%未満、0.05%未満、0.04%未満、0.03%未満、0.02%未満、および0.01%未満からなる群から選択されるニコチンレベルを含む葉を産生することができる。
【0050】
別の態様では、タバコ植物は、乾燥重量で、1%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、および0.2%未満からなる群から選択される総アルカロイドレベルを含む葉を産生することができる。
【0051】
さらなる態様では、タバコ植物は、2~0.05、1.9~0.05、1.8~0.05、1.7~0.05、1.6~0.05、1.5~0.05、1.4~0.05、1.3~0.05、1.2~0.05、1.1~0.05、1.0~0.05、0.9~0.05、0.8~0.05、0.7~0.05、0.6~0.05、0.5~0.05、0.4~0.05、0.3~0.05、0.2~0.05、0.15~0.05、または0.1~0.05ppmの総TSNAレベルを含む乾燥葉を産生することができる。
【0052】
一態様では、タバコ植物は、乾燥すると、50以上、55以上、60以上、65以上、70以上、75以上、80以上、85以上、90以上、および95以上からなる群から選択されるUSDA等級指標値を有する葉を産生することができる。別の態様では、タバコ植物は、乾燥すると、類似の条件下で成長および乾燥させたときに、対照植物のものと同等のUSDA等級指標値を有する葉を産生することができ、対照植物は、改変を除いて、タバコ植物と本質的に同一の遺伝的背景を共有する。さらなる態様では、タバコ植物は、乾燥すると、類似の条件下で成長させたときに、対照植物のUSDA等級指標値の少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%のUSDA等級指標値を有する葉を産生することができ、対照植物は、改変を除いてタバコ植物と本質的に同一の遺伝的背景を共有する。さらなる態様では、タバコ植物は、乾燥すると、対照植物のUSDA等級指標値の65%~130%、70%~130%、75%~130%、80%~130%、85%~130%、90%~130%、95%~130%、100%~130%、105%~130%、110%~130%、115%~130%、または120%~130%のUSDA等級指標値を有する葉を産生することができる。さらなる態様では、タバコ植物は、乾燥すると、対照植物のUSDA等級指標値の70%~125%、75%~120%、80%~115%、85%~110%、または90%~100%のUSDA等級指標値を有する葉を産生することができる。
【0053】
一態様では、タバコ植物は、類似の成長条件で成長させたときに、対照植物のニコチンレベルの1%未満、2%未満、5%未満、8%未満、10%未満、12%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、または80%未満のレベルでニコチンを含み、対照植物は、改変を除き、タバコ植物と本質的に同一の遺伝的背景を共有する。
【0054】
さらなる態様では、タバコ植物は、1つ以上のpmt変異体対立遺伝子を含み、MPO、QPT、BBL、A622、アスパラギン酸オキシダーゼ、アグマチンデイミナーゼ(AIC)、アルギナーゼ、ジアミンオキシダーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼ、アルギニンデカルボキシラーゼ、ニコチン取り込みパーミアーゼ(NUP)、およびMATE輸送体からなる群から選択される産物をコードする1つ以上の遺伝子の発現または活性を直接抑制する導入遺伝子または変異をさらに含む。
【0055】
一態様では、タバコ植物は、1つ以上のpmt変異体対立遺伝子を含み、Nic2遺伝子座のERF遺伝子における変異をさらに含む。一態様では、タバコ植物は、ERF189、ERF115、ERF221、ERF104、ERF179、ERF17、およびERF168からなる群から選択される2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、または7つ全ての遺伝子における1つ以上の変異をさらに含む。Shoji et al.,Plant Cell,(10):3390-409(2010);およびKajikawa et al.,,Plant physiol.2017,174:999-1011を参照されたい。一態様では、タバコ植物は、ERF189、ERF115、またはその両方において1つ以上の変異をさらに含む。
【0056】
一態様では、タバコ植物は、1つ以上のqpt変異体対立遺伝子を含み、さらに、Nic1遺伝子座(またはNic1b遺伝子座、WO/2019/140297として公開されている、2019年1月11日に出願されたPCT/US2019/013345にみられる)のERF遺伝子における変異を含む。WO/2018/237107も参照されたい。一態様では、タバコ植物は、ERF101、ERF110、ERFnew、ERF199、ERF19、ERF130、ERF16、ERF29、ERF210、およびERF91L2からなる群から選択される2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、または7つ以上の遺伝子における1つ以上の変異をさらに含む。Kajikawa et al.,,Plant physiol.2017,174:999-1011を参照されたい。一態様では、タバコ植物は、ERFnew、ERF199、ERF19、ERF29、ERF210、およびERF91L2からなる群から選択される1つ以上、2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、または6つ全ての遺伝子における1つ以上の変異をさらに含む。
【0057】
一態様では、本開示は、3%未満、2.75%未満、2.5%未満、2.25%未満、2.0%未満、1.75%未満、1.5%未満、1.25%未満、1%未満、0.9%未満、0.8%未満、0.7%未満、0.6%未満、0.5%未満、0.4%未満、0.3%未満、0.2%未満、0.1%未満、0.05%未満、0.025%未満、0.01%未満、および0.005%未満からなる群から選択されるニコチンレベルまたは総アルカロイドレベルを含むpmt変異体タバコ植物またはその一部をさらに提供し、タバコ植物は、乾燥すると、50以上、55以上、60以上、65以上、70以上、75以上、80以上、85以上、90以上、および95以上のUSDA等級指標値を有する葉を産生することができる。別の態様では、かかるpmt変異体タバコ植物は、0.02%未満のニコチンレベルを含み、乾燥すると、USDA等級指標値が70以上である葉を産生することができる。さらなる態様では、かかるタバコ植物は、0.01%未満のニコチンレベルを含み、乾燥すると、USDA等級指標値が70以上の葉を産生することができる。
【0058】
一態様では、本開示はまた、非トランスジェニック変異を含むタバコ植物またはその一部を提供し、非トランスジェニック変異は、タバコ植物のニコチンレベルまたは総アルカロイドレベルを、類似の成長条件下で成長させたときに、対照植物のニコチンレベルの1%未満、2%未満、5%未満、8%未満、10%未満、12%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、40%未満、50%未満、60%未満、70%未満、または80%未満に低減させ、タバコ植物は、乾燥すると、対照植物のUSDA等級指標値と同等なUSDA等級指標値を有する葉を産生することができ、対照植物は、非トランスジェニック変異を除くタバコ植物と本質的に同一の遺伝的背景を共有する。
【0059】
一態様では、タバコ植物は、ランダム変異誘発および標的変異誘発からなる群から選択されるアプローチによって導入されるpmt変異を含む。別の態様では、pmt変異は、メガヌクレアーゼ、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ、TALEN、およびCRISPRからなる群から選択される標的変異誘発アプローチによって導入される。
【0060】
特に明記しない限り、タバコ植物、品種、栽培品種、または株について、本明細書で言及されるアルカロイドまたはニコチンレベル(または別の葉の化学的性質もしくは特性評価)または葉等級指標値の測定値は、例えば、単一の植物の複数の葉の平均、または単一の品種、栽培品種、もしくは株由来のタバコ植物の集団からの平均測定値を含む平均測定値を指す。
【0061】
特に明記しない限り、タバコ植物のニコチンまたはアルカロイドレベル(または別の葉の化学的性質または特性評価)は、摘花(topping)後の葉数3、4、および5から収集されたプールされた葉試料において、摘花後に測定される。本明細書で使用される場合、2つの植物(例えば、変異体植物と対照植物)からの葉間の比較が言及されるときはいつも、同じまたは同等の着葉位置(複数可)および発生段階(複数可)からの葉が意図され、その比較から、他の因子からではなく、遺伝子型の違いによる効果を実証することができる。例示として、野生型対照植物の葉3は、pmt変異体植物の葉3と比較するための参照点として意図される。一態様では、少なくとも1つのpmt変異を含むタバコ植物を、同じタバコ品種の対照タバコ植物と比較する。
【0062】
タバコ植物のニコチンレベルまたはアルカロイドレベル(または別の葉の化学的性質または特性評価)も、代替的な方法で測定することができる。一態様では、タバコ植物のニコチンレベルまたはアルカロイドレベル(または別の葉の化学的性質または特性評価)は、最高レベルのニコチンまたはアルカロイド(または別の葉の化学的性質または特性評価)を有する葉で、摘花後に測定される。一態様では、タバコ植物のニコチンレベルまたはアルカロイドレベルは、葉数1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30で、摘花後に測定される。別の態様では、タバコ植物のニコチンレベルまたはアルカロイドレベル(または別の葉の化学的性質または特性評価)は、葉数1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、および30からなる群から選択される連続した葉数の2つ以上のプールで、摘花後に測定される。別の態様では、タバコ植物のニコチンレベルまたはアルカロイドレベル(または別の葉の化学的性質または特性評価)は、1~5、6~10、11~15、16~20、21~25、および26~30からなる群から選択される葉数の葉において、摘花後に測定される。別の態様では、タバコ植物のニコチンレベルまたはアルカロイドレベル(または別の葉の化学的性質または特性評価)は、1~5、6~10、11~15、16~20、21~25、および26~30からなる群から選択される葉数の2つ以上の葉のプールにおいて、摘花後に測定される。別の態様では、タバコ植物のニコチンレベルまたはアルカロイドレベル(または別の葉の化学的性質または特性評価)は、1~5、6~10、11~15、16~20、21~25、および26~30からなる群から選択される葉数を3つ以上の葉のプールにおいて、摘花後に測定される。
【0063】
本明細書で使用される場合、葉の番号付けは、タバコの茎上の葉の位置に基づき、摘花後の葉数1が最も若い葉(上部)であり、最高の葉数が最も古い葉(下部)に割り振られる。
【0064】
平均測定値(例えば、アルカロイドレベルもしくはニコチンレベルまたは葉の等級付け)を決定するためのタバコ植物の集団またはタバコの葉の収集物は、任意のサイズ、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、または50であり得る。平均測定値または等級指標値を決定するために、業界で認められている標準プロトコルに従う。
【0065】
本明細書で使用される場合、「摘花」は、タバコ植物が植物の成熟に近く、生殖成長の開始頃に、茎頂分裂組織(SAM)を含む茎頂、花、および最大でいくつかの隣接する葉を含む茎頂を除去することを指す。典型的には、タバコ植物はボタンステージ(button stage)で摘花される(花が現れ始めた直後)。例えば、温室または畑で栽培されたタバコ植物は、植物の50%が少なくとも1つの開花を有するときに摘花することができる。タバコ植物を摘花すると、頂芽優勢が失われ、増加したアルカロイド産生が誘導される。
【0066】
別段の指示がない限り、タバコ植物のニコチンレベルまたはアルカロイドレベル(または別の葉の化学的性質または特性評価)は、摘花の2週間後に測定される。あるいは、他の時点を使用することができる。一態様では、タバコ植物のニコチンレベルまたはアルカロイドレベル(または別の葉の化学的性質または特性評価)は、摘花の約1、2、3、4、または5週間後に測定される。別の態様では、タバコ植物のニコチンレベル、アルカロイドレベル、またはポリアミンレベル(または別の葉の化学的性質もしくは特性評価)は、摘花の約3、5、7、10、12、14、17、19、または21日後に測定される。
【0067】
本明細書で使用される場合、「類似の成長条件」または「同等の成長条件」は、2つ以上の植物遺伝子型間で成長させ、有意義な比較を行うための類似の環境条件および/または農学的慣行を指し、その結果、環境条件も農学的慣行も、2つ以上の植物遺伝子型間で観察されたいかなる違いにも寄与しないか、またはそれを説明しない。環境条件としては、例えば、光、温度、水(湿度)、および栄養素(例えば、窒素およびリン)が挙げられる。農学的慣行としては、例えば、播種(seeding)、摘み取り(clipping)、根切り(undercutting)、移植(transplanting)、摘花(topping)、および脇芽取り(suckering)が挙げられる。Tobacco,Production,Chemistry and Technology,Davis & Nielsen,eds.,Blackwell Publishing,Oxford(1999),pp 70-103の4B章および4C章を参照されたい。
【0068】
「アルカロイド」は、植物において天然に存在し、ヒトおよび動物において薬理学的効果を有する、複雑な窒素含有化合物である。「ニコチン」は、商品化されているシガレットタバコ中の主要な天然アルカロイドであり、ニコチアナ・タバカム中のアルカロイド含有量の約90%を占める。タバコ中の他の主要なアルカロイドとしては、コチニン、ノルニコチン、ミオスミン、ニコチリン、アナバシン、およびアナタビンが挙げられる。微量のタバコアルカロイドとしては、ニコチン-n-オキシド、N-メチルアナタビン、N-メチルアナバシン、シュードオキシニコチン、2,3ジピリジル、および他のものが挙げられる。
【0069】
アルカロイドレベルは、例えば、ガス-液体クロマトグラフィー、高性能液体クロマトグラフィー、放射免疫アッセイ、および酵素結合免疫吸着アッセイに基づく定量によって、当該技術分野で既知の方法によってアッセイすることができる。例えば、ニコチン性アルカロイドレベルは、CORESTA Recommended Method No.7,1987およびISO規格(ISO TC 126N 394 E.に基づいたGC-FIDによって測定することができる。キャピラリーカラムおよびFID検出器を装備したガス-液体クロマトグラフィーを使用する方法については、Hibi et al.,Plant Physiology 100:826-35(1992)を参照されたい。
【0070】
特に断りのない限り、アルカロイドレベルおよびニコチンレベルは、CORESTA法第62号、ガスクロマトグラフィー分析によるタバコおよびタバコ製品中のニコチンの決定、2005年2月、ならびに連邦登録第64巻、第55号、1999年3月23日に公表された(および第74巻、第4号、2009年1月7日に修正された)、無煙タバコ製品中のニコチン、総水分およびpHの分析のための疾病管理予防センターのプロトコルに定義されているものに従う方法を使用して測定される。あるいは、タバコの総アルカロイドは、Skalar Instrument Co(West Chester,PA)によって適応され、Collins et al.,Tobacco Science 13:79-81(1969)に記載されているタバコ試料の分析のために開発されたセグメントフロー比色法を使用して測定することができる。要するに、タバコの試料は、総アルカロイドおよび還元糖の分析の前に、乾燥させ、粉砕し、抽出することができる。次いで、本方法は、脱色のために酢酸/メタノール/水抽出および木炭を使用する。総アルカロイドの決定は、芳香族アミンの存在下での塩化シアンとニコチンアルカロイドとの反応に基づいて、460nmで測定される呈色した複合体を形成する。特に明記しない限り、本明細書に示される総アルカロイドレベルまたはニコチンレベルは、乾燥重量基準である(例えば、総アルカロイドの割合またはニコチンの割合)。
【0071】
一態様では、タバコ植物は、乾燥重量基準で、約0.01%、0.02%、0.05%、0.75%、0.1%、0.15%、0.2%、0.3%、0.35%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4%、5%、6%、7%、8%、および9%からなる群から選択される平均ニコチンレベルまたは総アルカロイドレベルを含む。別の態様では、タバコ植物は、乾燥重量基準で、約0.01%~0.02%、0.02%~0.05%、0.05%~0.75%、0.75%~0.1%、0.1%~0.15%、0.15%~0.2%、0.2%~0.3%、0.3%~0.35%、0.35%~0.4%、0.4%~0.5%、0.5%~0.6%、0.6%~0.7%、0.7%~0.8%、0.8%~0.9%、0.9%~1%、1%~1.1%、1.1%~1.2%、1.2%~1.3%、1.3%~1.4%、1.4%~1.5%、1.5%~1.6%、1.6%~1.7%、1.7%~1.8%、1.8%~1.9%、1.9%~2%、2%~2.1%、2.1%~2.2%、2.2%~2.3%、2.3%~2.4%、2.4%~2.5%、2.5%~2.6%、2.6%~2.7%、2.7%~2.8%、2.8%~2.9%、2.9%~3%、3%~3.1%、3.1%~3.2%、3.2%~3.3%、3.3%~3.4%、3.4%~3.5%、および3.5%~3.6%からなる群から選択される平均ニコチンレベルまたは総アルカロイドレベルを含む。さらなる態様では、タバコ植物は、乾燥重量基準で、約0.01%~0.1%、0.02%~0.2%、0.03%~0.3%、0.04%~0.4%、0.05%~0.5%、0.75%~1%、0.1%~1.5%、0.15%~2%、0.2%~3%、および0.3%~3.5%からなる群から選択される平均ニコチンレベルまたは総アルカロイドレベルを含む。
【0072】
本開示はまた、他のタバコの形質、例えば、葉の等級指標値に対して悪影響を及ぼさない変化したニコチンレベルを有するタバコ植物を提供する。一態様では、低ニコチンまたはニコチンフリーのタバコ品種は、商業的に許容される等級の乾燥タバコを提供する。タバコの等級は、葉の着葉位置、葉のサイズ、葉の色、葉の均一性および完全性、成熟度、質感、弾力性、光沢(葉の強度および着色深度ならびに輝きに関連)、吸湿性(タバコの葉が周囲の湿気を吸収および保持する能力)、ならびに緑色の色合いまたは色被りを含むがこれらに限定されない要因に基づいて評価される。葉の等級は、例えば、米国農務省の農業マーケティングサービスによって公表された公式標準等級を使用して決定することができる(7U.S.C.§511)。例えば、1990年11月5日発効のバーレータバコ(Burley Tobacco)の公式標準等級(米国タイプ31および外国タイプ93)(55F.R.40645)、1989年3月27日発効の熱風乾燥タバコ(Flue-Cured Tobacco)の公式標準等級(米国タイプ11、12、13、14および外国タイプ92)(54F.R.7925)、1965年1月8日発効のペンシルバニア州シードリーフタバコ(Pennsylvania Seedleaf Tobacco)の公式標準等級(米国タイプ41)(29F.R.16854)、1963年12月8日発効のオハイオ州シガーリーフタバコ(Ohio Cigar-Leaf Tobacco)の公式標準等級(米国タイプ42、43、および44)(28F.R.11719および28F.R.11926)、1969年11月20日発効のウィスコンシン州シガーバインダータバコ(Wisconsin Cigar-Binder Tobacco)の公式標準等級(米国タイプ54および55)(34F.R.17061)、1969年11月20日発効のウィスコンシン州シガーバインダータバコ(Wisconsin Cigar-Binder Tobacco)の公式標準等級(米国タイプ54および55)(34F.R.17061)、1971年4月発効のジョージア州・フロリダ州日陰栽培シガーラッパータバコ(Georgia and Florida Shade-Grown Cigar-Wrapper Tobacco)の公式標準等級(米国タイプ62)を参照されたい。USDA等級指標値は、業界で認められている等級指標に従って決定することができる。例えば、Bowman et al,Tobacco Science,32:39-40(1988)、Legacy Tobacco Document Library(Bates Document #523267826-523267833,July 1,1988,Memorandum on the Proposed Burley Tobacco Grade Index)、およびMiller et al.,1990,Tobacco Intern.,192:55-57を参照されたい(前述の参照文献は全て、それらの全体が推論により援用される)。一態様では、USDA等級指標は、連邦等級を受けた0~100の数値表現であり、全ての着葉位置の加重平均である。等級指標が高いほど、品質がより高い。あるいは、葉の等級は、ハイパースペクトルイメージングを介して決定することができる。例えば、WO2011/027315(2011年3月10日に公開され、その全体が推論によって組み込まれる)を参照されたい。
【0073】
一態様では、本明細書に提供されるタバコ植物は、類似の成長条件下で成長させたとき、対照タバコ植物と比較して、同様のレベルの1つ以上のタバコ芳香化合物を含む。別の態様では、本明細書に提供されるタバコ植物は、類似の成長条件下で成長させとき、対照タバコ植物と比較して、3-メチル吉草酸、吉草酸、イソ吉草酸、ラブデノイド、センブレノイド、糖エステル、および還元糖からなる群から選択される、同様のレベルの1つ以上のタバコ芳香化合物を含む。
【0074】
本明細書で使用される場合、タバコ芳香化合物は、タバコの煙の風味(flavor)および芳香に関連する化合物である。これらの化合物には、3-メチル吉草酸、吉草酸、イソ吉草酸、センブレノイドおよびラブデノイド、ジテルペン、ならびに糖エステルが含まれるが、これらに限定されない。タバコ芳香化合物の濃度は、限定されないが、ガスクロマトグラフィー質量分析法(GC-MS)、核磁気共鳴分光法、液体クロマトグラフィー-質量分析法を含む当技術分野における任意の既知の代謝物プロファイリング法によって測定することができる。The Handbook of Plant Metabolomics,edited by Weckwerth and Kahl,(Wiley-Blackwell)(May 28,2013)を参照されたい。
【0075】
本明細書で使用される場合、「還元糖(複数可)」は、遊離または潜在的に遊離したアルデヒド基またはケトン基を有する任意の糖(単糖または多糖)である。グルコースおよびフルクトースは、煙のpHを低減し、「遊離」の非プロトン化ニコチンの量を効果的に低減することによって、シガレットの煙中のニコチン緩衝剤として作用する。糖を還元することは、例えば、ニコチンおよび他のタバコアルカロイドの感覚的影響を改変することによって、煙の風味をバランスよくする。糖含有量とアルカロイド含有量との間の逆の関係は、タバコ品種間、同じ品種内、および栽培条件に起因する同じ植物株内で報告されている。糖レベルの低減は、Skalar Instrument Co(West Chester,PA)によって適応され、Davis,Tobacco Science 20:139-144(1976)に記載されているタバコ試料の分析のために開発されたセグメントフロー比色法を使用して測定することができる。例えば、試料は、炭酸ナトリウム溶液に対して透析される。ネオクプロイン銅を試料に添加し、溶液を加熱する。ネオクプロイン銅キレートは、糖の存在下で還元され、460nmで測定される呈色した複合体をもたらす。
【0076】
一態様では、タバコ植物は、1つ以上のPMT遺伝子座に1つ以上の天然に存在しない変異体対立遺伝子を含み、1つ以上のPMT遺伝子座由来のPMT酵素活性を低減または排除する。一態様では、これらの変異体対立遺伝子は、より低いニコチンレベルをもたらす。変異体pmt対立遺伝子は、ランダム変異誘発または標的変異誘発アプローチを含む当該技術分野で既知の任意の方法によって導入され得る。
【0077】
かかる変異誘発法としては、限定されないが、メチル硫酸エチル(ethyl methylsulfate)(EMS)(Hildering and Verkerk,In,The use of induced mutations in plant breeding.Pergamon press,pp 317-320,1965)、またはUV照射、X線、および高速中性子照射(例えば、Verkerk,Neth.J.Agric.Sci.19:197-203,1971、およびPoehlman,Breeding Field Crops,Van Nostrand Reinhold,New York(3.sup.rd ed),1987を参照されたい)、トランスポゾンタグ化(Fedoroff et al.,1984、米国特許第4,732,856号および同第5,013,658号)、ならびにT-DNA挿入法(Hoekema et al.,1983;U.S.Pat.No.5,149,645)による種子の処理が挙げられる。EMS誘発変異誘発は、ゲノムの鎖長にわたって化学的に誘導されるランダムな点変異からなる。高速中性子変異誘発は、種子を中性子照射に曝露することからなり、二本鎖DNA破壊を通して大きな欠失を引き起こす。トランスポゾンタグ化は、内因性遺伝子内にトランスポゾンを挿入して、遺伝子の発現を低減または排除することを含む。タバコ遺伝子に存在し得る変異の種類として、例えば、点変異、欠失、挿入、重複、および逆位が挙げられる。望ましくは、かかる変異は、タバコ遺伝子のコード領域に存在するが、プロモーター領域、およびイントロン、またはタバコ遺伝子の非翻訳領域における変異も望ましい場合がある。
【0078】
加えて、変性HPLCまたは選択されたPCR産物の選択的エンドヌクレアーゼ消化を使用した、化学的に誘発された変異、TILLING(ゲノムの標的誘導局所破壊)についてスクリーニングするための迅速かつ自動化可能な方法も、本開示に適用される。McCallum et al.(2000)Nat.Biotechnol.18:455-457を参照されたい。遺伝子発現に影響を及ぼす、または遺伝子の機能を妨げる変異は、当該技術分野で周知の方法を使用して決定することができる。遺伝子エキソンにおける挿入変異は、通常、ヌル変異体をもたらす。保存された残基中の変異は、タンパク質の機能を阻害する際に特に効果的であり得る。一態様では、タバコ植物は、本明細書に記載の1種以上のPMT遺伝子にナンセンス(例えば、終止コドン)変異を含む。
【0079】
変異を同定するとき、内因性参照DNA配列は、同じ品種のタバコ由来であるべきであることを理解されたい。例えば、変異を含む改変タバコ植物が品種TN90由来である場合、内因性参照配列は、異なるタバコ品種(例えば、K326)由来の相同配列ではなく、内因性TN90配列でなければならない。同様に、変異を含む改変タバコ細胞がTN90細胞である場合、内因性参照配列は、異なるタバコ品種(例えば、K326)由来のタバコ細胞からの相同配列ではなく、内因性TN90配列でなければならない。
【0080】
一態様では、本開示はまた、商業的に許容される葉の品質を維持しながら、変化したニコチンレベルを有するタバコ株を提供する。この株は、正確なゲノム操作技術、例えば、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、メガヌクレアーゼ、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ、およびクラスター化された規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)/Cas9システム、CRISPR/Cpf1システム、CRISPR/Csm1システム、およびこれらの組み合わせを介して1種以上のPMT遺伝子に変異を導入することによって産生され得る(例えば、米国特許出願公開第2017/0233756号を参照されたい)。例えば、Gaj et al.,Trends in Biotechnology,31(7):397-405(2013)を参照されたい。
【0081】
変異誘発タバコ植物のスクリーニングおよび選択は、当業者に既知の任意の方法を通して行うことができる。スクリーニングおよび選択方法の例としては、限定されないが、サザン分析、ポリヌクレオチドの検出のためのPCR増幅、ノーザンブロット、RNaseプロテクション、プライマー伸長、RNA転写物を検出するためのRT-PCR増幅、サンガー配列決定、次世代配列決定技術(例えばIllumina、PacBio、Ion Torrent、454)、ポリペプチドおよびポリヌクレオチドの酵素活性またはリボザイム活性を検出するための酵素アッセイ、ならびにタンパク質ゲル電気泳動、ウェスタンブロット、免疫沈降、ならびにポリペプチドを検出するための酵素結合免疫アッセイが挙げられる。また、インサイチュハイブリダイゼーション、酵素染色、および免疫染色などの他の技術を使用して、ポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドの存在または発現を検出することもできる。引用された技術を行うための方法は、全て既知である。
【0082】
一態様では、本明細書に提供されるタバコ植物または植物ゲノムは、メガヌクレアーゼ、亜鉛フィンガーヌクレアーゼ(ZFN)、転写活性化因子様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、CRISPR/Cas9ヌクレアーゼ、CRISPR/Cpf1ヌクレアーゼ、またはCRISPR/Csm1ヌクレアーゼからなる群から選択されるヌクレアーゼによって変異または編集される。
【0083】
本明細書で使用される場合、「編集」または「ゲノム編集」は、内因性植物ゲノム核酸配列の少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、もしくは少なくとも10のヌクレオチドの標的変異誘発、または内因性植物ゲノム核酸配列の除去もしくは置換を指す。一態様では、提供される編集された核酸配列は、内因性核酸配列と、少なくとも99.9%、少なくとも99.5%、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも96%、少なくとも95%、少なくとも94%、少なくとも93%、少なくとも92%、少なくとも91%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、または少なくとも75%の配列同一性を有する。一態様では、提供される編集された核酸配列は、配列番号1~10、およびその断片からなる群から選択されるポリヌクレオチドと、少なくとも99.9%、少なくとも99.5%、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも96%、少なくとも95%、少なくとも94%、少なくとも93%、少なくとも92%、少なくとも91%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、または少なくとも75%の配列同一性を有する。別の態様では、提供される編集された核酸配列は、配列番号11~15からなる群から選択されるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと、少なくとも99.9%、少なくとも99.5%、少なくとも99%、少なくとも98%、少なくとも97%、少なくとも96%、少なくとも95%、少なくとも94%、少なくとも93%、少なくとも92%、少なくとも91%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、または少なくとも75%の配列同一性を有する。
【0084】
メガヌクレアーゼ、ZFN、TALEN、CRISPR/Cas9、CRISPR/Csm1およびCRISPR/Cpf1は、ゲノム配列の標的部位で二本鎖DNA切断を誘導し、次いで、それは相同組換え(HR)または非相同末端結合(NHEJ)の自然プロセスによって修復される。次いで、配列改変は切断部位で生じ、NHEJの場合は遺伝子破壊をもたらす欠失もしくは挿入、またはHRによるドナー核酸配列の組み込みを含み得る。一態様では、提供される方法は、提供されるヌクレアーゼを用いて植物ゲノムを編集することを含み、ドナーポリヌクレオチドとのHRを介して、植物ゲノムで、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、または10個超のヌクレオチドを変異させる。一態様では、提供される変異は、ヌクレアーゼを使用したゲノム編集によって引き起こされる。別の態様では、提供される変異は、非相同末端結合または相同組換えによって引き起こされる。
【0085】
微生物において一般的に同定されるメガヌクレアーゼは、標的DNAの部位特異的消化をもたらす高活性および長い認識配列(>14bp)を有する固有の酵素である。天然に存在するメガヌクレアーゼの操作バージョンは、典型的には、延長したDNA認識配列(例えば、14~40bp)を有する。メガヌクレアーゼの操作は、メガヌクレアーゼのDNA認識および切断機能が単一ドメイン内で絡み合うため、ZFNおよびTALENの操作よりも困難であり得る。特有の配列を認識し、改善されたヌクレアーゼ活性を有する新規のメガヌクレアーゼバリアントを作成するために、変異誘発およびハイスループットスクリーニングの特殊な方法が使用されている。
【0086】
ZFNは、FokI制限エンドヌクレアーゼの切断ドメインに融合した操作された亜鉛フィンガーDNA結合ドメインからなる合成タンパク質である。ZFNは、亜鉛フィンガーDNA結合ドメインの改変のために、ほぼあらゆる長さの二本鎖DNAを切断するように設計され得る。ZFNは、標的DNA配列に結合するように操作された亜鉛フィンガーアレイに融合されたFokIエンドヌクレアーゼの非特異的DNA切断ドメインからなる単量体から、二量体を形成する。
【0087】
ZFNのDNA結合ドメインは、典型的には、3~4つの亜鉛フィンガーアレイからなる。標的DNAへの部位特異的結合に寄与する亜鉛フィンガー∞-ヘリックスの開始部に対して-1、+2、+3、および+6位のアミノ酸は、特異的な標的配列に適合するように変更およびカスタマイズすることができる。他のアミノ酸は、異なる配列特異性を有するZFNを生成するためにコンセンサス骨格を形成する。ZFNの標的配列を選択するための規則は、当該技術分野で既知である。
【0088】
FokIヌクレアーゼドメインは、DNAを切断するために二量体化を必要とし、したがって、切断部位の反対側のDNA鎖(5~7bpで分離)に結合するために、それらのC末端領域を有する2つのZFNが必要である。ZFN単量体は、2つのZF結合部位が回文構造である場合、標的部位を切断することができる。本明細書で使用される場合、ZFNという用語は、広義であり、別のZFNの補助なしで二本鎖DNAを切断することができる単量体ZFNを含む。ZFNという用語はまた、同じ部位でDNAを切断するように共に機能するように操作された一対のZFNの1つまたは両方のメンバーを指すように使用される。
【0089】
いかなる科学理論にも制限されることなく、亜鉛フィンガードメインのDNA結合特異性は、原則として様々な方法のうちの1つを使用して再操作され得るため、カスタマイズされたZFNは、理論的に、ほぼ任意の遺伝子配列を標的とするように構築され得る。亜鉛フィンガードメインを操作するための一般に利用可能な方法としては、文脈依存性アセンブリ(Context-dependent Assembly、CoDA)、オリゴマー化プールエンジニアリング(Oligomerized Pool Engineering、OPEN)、およびモジュラーアセンブリ(Modular Assembly)が挙げられる。
【0090】
TALENは、転写活性化因子様エフェクター(TALE)DNA結合ドメインをFokIヌクレアーゼドメインに融合することによって生成される人工制限酵素である。TALEN対の各メンバーが標的部位に隣接するDNA部位に結合すると、FokI単量体は、二量体化し、標的部位で二本鎖DNA切断を引き起こす。本明細書で使用される場合、TALENという用語は、広義であり、別のTALENの補助なしで二本鎖DNAを切断することができる単量体TALENを含む。TALENという用語はまた、同じ部位でDNAを切断するために共に機能する一対のTALENのうちの1つまたは両方のメンバーを指すために使用される。
【0091】
転写活性化因子様エフェクター(TALE)は、実質的に任意のDNA配列に結合するように操作することができる。TALEタンパク質は、Xanthomonas属の様々な植物細菌病原体に由来するDNA結合ドメインである。Xanthomonas病原体は、感染中に宿主植物細胞にTALEを分泌する。TALEは、核に移動し、宿主ゲノムの特定の遺伝子のプロモーター領域における特定のDNA配列のプロモーター領域における特定のDNA配列を認識し、それに結合する。TALEは、33~34アミノ酸の単量体の13~28反復からなる中央DNA結合ドメインを有する。各単量体のアミノ酸は、12位および13位の超可変アミノ酸残基を除いて、高度に保存されている。2つの可変アミノ酸は、反復可変二残基(RVD)と呼ばれる。RVDのアミノ酸対であるNI、NG、HD、およびNNは、それぞれ優先的に、アデニン、チミン、シトシン、およびグアニン/アデニンを認識し、RVDの調節は連続したDNA塩基を認識することができる。アミノ酸配列とDNA認識との間のこの単純な関係は、適切なRVDを含有する反復セグメントの組み合わせを選択することによって、特定のDNA結合ドメインの操作を可能にした。
【0092】
野生型FokI切断ドメインに加えて、変異を有するFokI切断ドメインのバリアントは、切断特異性および切断活性を改善するように設計されている。FokIドメインは二量体として機能し、適切な配向および間隔を有する標的ゲノムの部位に対して特有のDNA結合ドメインを有する2つの構築物を必要とする。TALEN DNA結合ドメインとFokI切断ドメインとの間のアミノ酸残基の数、および2つの個々のTALEN結合部位間の塩基の数の両方は、高レベルの活性を達成するためのパラメータである。
【0093】
TALE結合ドメインのアミノ酸配列とDNA認識との関係は、設計可能なタンパク質を可能にする。DNA Worksなどのソフトウェアプログラムを使用して、TALE構築物を設計することができる。TALE構築物を設計する他の方法は、当業者に既知である。Doyle et al,.Nucleic Acids Research(2012)40:W117-122、Cermak et al.,Nucleic Acids Research(2011).39:e82およびtale-nt.cac.cornell.edu/aboutを参照されたい。
【0094】
CRISPR/Cas9システム、CRISPR/Csm1、またはCRISPR/Cpf1システムは、FokIに基づく方法であるZFNおよびTALENの代替物である。CRISPRシステムは、標的部位におけるDNA配列を認識するための相補的な塩基対形成を使用したRNA誘導性の操作されたヌクレアーゼに基づく。
【0095】
CRISPR/Cas9、CRISPR/Csm1、およびCRISPR/Cpf1システムは、細菌および古細菌の適応免疫系の一部であり、配列依存的な様式で外来DNAを切断することによって、ウイルスなどの侵入核酸からそれらを保護する。免疫は、CRISPR遺伝子座の近位末端の2つの隣接する反復間のスペーサーとして知られる侵入DNAの短い断片の組み込みによって獲得される。スペーサーを含むCRISPRアレイは、侵入DNAとのその後の遭遇中に転写され、約40nt長の小さな干渉CRISPR RNA(crRNA)に処理され、これはトランス活性化CRISPR RNA(tracrRNA)と組み合わせてCas9ヌクレアーゼを活性化および誘導する。これは、侵入DNA中のプロトスペーサーとして知られる相同二本鎖DNA配列を切断する。切断の前提条件は、標的DNAの下流の保存されたプロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)の存在であり、これは通常、配列5-NGG-3を有し、低い頻度でNAGを有する。特異性は、PAMの約12塩基上流の、いわゆる「シード配列」によって提供され、RNAと標的DNAとの間で一致しなければならない。Cpf1およびCsm1は、Cas9と同様な様式で作用するが、Cpf1およびCsm1は、tracrRNAを必要としない。
【0096】
さらに別の態様では、本明細書で提供されるタバコ植物は、1つ以上のpmt変異を含み、ニコチンデメチラーゼをコードする1つ以上の遺伝子座において1つ以上の変異を欠く対照植物と比較して、ニコチンデメチラーゼをコードする1つ以上の遺伝子座(例えば、CYP82E4、CYP82E5、CYP82E10)において、ノルニコチンの低減した量を付与する1つ以上の変異をさらに含む(米国特許第8,319,011号、同第8,124,851号、同第9,187,759号、同第9,228,194号、同第9,228,195号、同第9,247,706号を参照されたい)。一態様では、記載されるタバコ植物は、同等の条件下で成長および乾燥させたときに、対照植物と比較して、低減したニコチンデメチラーゼ活性をさらに含む。
【0097】
一態様では、pmt変異体タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、野生型対照タバコ植物からの葉のアナバシンレベル未満のアナバシンレベルを含む葉を産生することができる変異をさらに含む。別の態様では、pmt変異体タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、野生型対照タバコ植物からの葉のアナバシンレベルの5%、10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%より低いアナバシンレベルを含む葉を産生することができる変異をさらに含む。
【0098】
一態様では、pmt変異体タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、対照タバコ植物からの葉と比較して、2倍以上低減されたアナタビンレベルを含む葉を産生することができるさらなる変異を含む。別の態様では、pmt変異体タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、野生型対照タバコ植物からの葉と比較して、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13倍超低減されたアナタビンレベルを含む葉を産生することができるさらなる変異を含む。一態様では、より低いレベルのアナタビンを提供する変異は、米国出願公開第2014/0283165号および同第2016/0010103号に記載される変異である。別の態様では、pmt変異体は、キノレートホスホリボシルトランスフェラーゼ(QPT)またはキノリネートシンターゼ(QS)遺伝子に変異をさらに含む。さらなる態様では、pmt変異体植物は、QPTまたはQS遺伝子の発現または活性を抑制する導入遺伝子または変異をさらに含む。
【0099】
一態様では、pmt変異体タバコ植物は、同等の条件下で成長させ、かつ加工したときに、野生型対照タバコ植物からの葉のノルニコチンレベルの80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、または35%より低いノルニコチンレベルを提供することができる変異をさらに含む。
【0100】
一態様では、pmt変異体タバコ植物は、2未満、1.9未満、1.8未満、1.7未満、1.6未満、1.5未満、1.4未満、1.3未満、1.2未満、1.1未満、1.0未満、0.9未満、0.8未満、0.7未満、0.6未満、0.5未満、0.4未満、0.3未満、0.2未満、0.15未満、0.1未満、または0.05ppm未満の総N-ニトロソノルニコチン(NNN)レベルを含む乾燥葉を産生することができる。
【0101】
別の態様では、pmt変異体タバコ植物は、2~0.05、1.9~0.05、1.8~0.05、1.7~0.05、1.6~0.05、1.5~0.05、1.4~0.05、1.3~0.05、1.2~0.05、1.1~0.05、1.0~0.05、0.9~0.05、0.8~0.05、0.7~0.05、0.6~0.05、0.5~0.05、0.4~0.05、0.3~0.05、0.2~0.05、0.15~0.05、または0.1~0.05百万分率(ppm)の総NNNレベルを含む乾燥葉を産生することができる。
【0102】
一態様では、pmt変異体タバコ植物は、2未満、1.9未満、1.8未満、1.7未満、1.6未満、1.5未満、1.4未満、1.3未満、1.2未満、1.1未満、1.0未満、0.9未満、0.8未満、0.7未満、0.6未満、0.5未満、0.4未満、0.3未満、0.2未満、0.15未満、0.1未満、または0.05ppm未満の総ニコチン由来ニトロソアミンケトン(NNK)レベルを含む乾燥葉を産生することができる。
【0103】
別の態様では、pmt変異体タバコ植物は、2~0.05、1.9~0.05、1.8~0.05、1.7~0.05、1.6~0.05、1.5~0.05、1.4~0.05、1.3~0.05、1.2~0.05、1.1~0.05、1.0~0.05、0.9~0.05、0.8~0.05、0.7~0.05、0.6~0.05、0.5~0.05、0.4~0.05、0.3~0.05、0.2~0.05、0.15~0.05、または0.1~0.05ppmの総NNKレベルを含む乾燥葉を産生することができる。
【0104】
一態様では、pmt変異体タバコ植物は、1つ以上の増加したレベルの抗酸化物質を提供する変異または導入遺伝子をさらに含む。別の態様では、pmt変異体タバコ植物は、内因性遺伝子における遺伝子改変をさらに含み、遺伝子改変を欠く対照乾燥タバコ葉と比較して、乾燥葉中の1つ以上の増加したレベルの抗酸化物質をさらに含み、内因性遺伝子は、抗酸化物質の生合成酵素、抗酸化物質の調節転写因子、抗酸化物質の輸送体、抗酸化物質の代謝酵素、またはこれらの組み合わせをコードする。さらなる一態様では、pmt変異体タバコ植物は、導入遺伝子をさらに含み、導入遺伝子を欠く対照乾燥タバコ葉と比較して、乾燥葉中の1つ以上の増加したレベルの抗酸化物質をさらに含み、導入遺伝子は、抗酸化物質の生合成酵素、抗酸化物質の調節転写因子、抗酸化物質の輸送体、抗酸化物質の代謝酵素、またはこれらの組み合わせをコードまたは直接調節する。一態様では、pmt変異体タバコ植物は、AtPAP1、NtAN2、NtAN1、NtJAF13、NtMyb3、コリスミ酸ムターゼ、およびアロゲン酸デヒドロターゼ(ADT)からなる群から選択される1つ以上の遺伝子を発現する導入遺伝子またはシスジェニック構築物をさらに含む。別の態様では、pmt変異体タバコ植物は、WIPO公開第2018/067985号または米国公開第2018/0119163号に記載されるように、抗酸化物質を増加させる、または1つ以上のTSNAを減少させるための1つ以上の導入遺伝子または遺伝子改変をさらに含む。
【0105】
一態様では、記載されるタバコ植物は、改変タバコ植物である。本明細書で使用される場合、植物の文脈で改変された」とは、ある特定の目的のために、および自然多型を超えて導入された遺伝子変異(genetic alteration)を含む植物を指す。
【0106】
一態様では、記載されるタバコ植物は、シスジェニック植物である。本明細書で使用される場合、「シスジェネシス」または「シスジェニック」は、全ての成分(例えば、プロモーター、ドナー核酸、選択遺伝子)が植物起源のみを有する(すなわち、非植物起源成分は使用されない)植物、植物細胞、または植物ゲノムの遺伝子改変を指す。一態様では、提供される植物、植物細胞、または植物ゲノムは、シスジェニックである。提供されるシスジェニック植物、植物細胞、および植物ゲノムは、すぐに使用できるタバコ株につながり得る。別の態様では、提供されるタバコ植物は、非タバコ遺伝物質または配列を含まない。
【0107】
本明細書で使用される場合、「遺伝子発現」または遺伝子の発現は、遺伝子産物の転写および/または翻訳を含む、遺伝子産物の生合成または産生を指す。
【0108】
一態様では、提供されるタバコ植物は、1つ以上のpmt変異を含み、ニコチン生合成またはニコチン輸送に関与する1つ以上の遺伝子の低減された発現または活性をさらに含む。ニコチン生合成に関与する遺伝子としては、アルギニンデカルボキシラーゼ(ADC)、メチルプトレシンオキシダーゼ(MPO)、NADHデヒドロゲナーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)、ホスホリボシルアントラニル酸イソメラーゼ(PRAI)、キノリン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(QPT)、およびS-アデノシルメチオニンシンターゼ(SAMS)が含まれるが、これらに限定されない。ニコチン酸誘導体とメチルピロリニウムカチオンとの間の縮合ステップを触媒するニコチンシンターゼは、2つの候補遺伝子(A622およびNBB1)が提案されているが、解明されていない。US2007/0240728A1およびUS2008/0120737A1を参照されたい。A622は、イソフラボンレダクターゼ様タンパク質をコードする。加えて、いくつかの輸送体は、ニコチンの透過に関与し得る。MATEという名前の輸送体遺伝子がクローニングされ、特徴付けられている(Morita et al.,PNAS 106:2447-52(2009))。
【0109】
一態様では、提供されるタバコ植物は、1つ以上のpmt変異を含み、対照タバコ植物と比較して、MPO、QPT、ADC、ODC、PRAI、SAMS、BBL、MATE、A622、およびNBB1からなる群から選択される産物をコードする1つ以上の遺伝子の低減したレベルのmRNA、タンパク質、またはそれらの両方をさらに含む。別の態様では、提供されるタバコ植物は、1つ以上のpmt変異を含み、MPO、QPT、ADC、ODC、PRAI、SAMS、BBL、MATE、A622、およびNBB1からなる群から選択される産物をコードする1つ以上の遺伝子の発現を直接抑制する導入遺伝子をさらに含む。別の態様では、提供されるタバコ植物は、1つ以上のpmt変異を含み、MPO、QPT、ADC、ODC、PRAI、SAMS、BBL、MATE、A622、およびNBB1からなる群から選択される産物をコードする1つ以上の遺伝子の発現または活性を抑制する導入遺伝子または変異をさらに含む。
【0110】
一態様では、提供されるタバコ植物は、熱風乾燥タバコ、空気乾燥タバコ、暗色空気乾燥タバコ、暗色直火乾燥タバコ、ガルパオタバコ、およびオリエンタルタバコからなる群から選択されるタバコの種類に由来する。別の態様では、提供されるタバコ植物は、バーレータバコ、メリーランドタバコ、および暗色タバコからなる群から選択されるタバコの種類に由来する。
【0111】
一態様では、提供されるタバコ植物は、熱風乾燥タバコの背景にあるか、または本明細書に記載の1つ以上の熱風乾燥タバコの特徴を示す。熱風乾燥タバコ(バージニアタバコまたは明色タバコとも呼ばれる)は、世界のタバコ生産量の約40%に相当する。熱風乾燥タバコは、乾燥中に黄金色から深いオレンジ色になるため、しばしば「明色タバコ」と称されることもある。熱風乾燥タバコは、軽くて際立つ芳香および風味(taste)がある。熱風乾燥タバコは、一般的に糖分が多く、油分が少ない。熱風乾燥タバコの主要な栽培国は、アルゼンチン、ブラジル、中国、インド、タンザニア、および米国である。一態様では、提供される低アルカロイドまたは低ニコチンタバコ植物または種子は、CC13、CC27、CC33、CC37、CC65、CC67、CC700、GF318、GL338、GL368、GL939、K346、K399、K326、NC102、NC196、NC291、NC297、NC299、NC471、NC55、NC606、NC71、NC72、NC92、PVH1118、PVH1452、PVH2110、SPEIGHT168、SPEIGHT220、SPEIGHT225、SPEIGHT227、SPEIGHT236、ならびに前述の品種のうちのいずれか1つに本質的に由来する任意の品種からなる群から選択される熱風乾燥タバコの背景にある。別の態様では、提供される低アルカロイドまたは低ニコチンタバコ植物または種子は、コーカー(Coker)48、コーカー176、コーカー371-ゴールド、コーカー319、コーカー347、GL939、K149、K326、K340、K346、K358、K394、K399、K730、NC27NF、NC37NF、NC55、NC60、NC71、NC72、NC82、NC95、NC297、NC606、NC729、NC2326、McNair373、McNair944、Ox207、Ox414NF、リームス(Reams)126、リームス713、リームス744、RG8、RG11、RG13、RG17、RG22、RG81、RGH4、RGH51、SpeightH-20、SpeightG-28、SpeightG-58、SpeightG-70、SpeightG-108、SpeightG-111、SpeightG-117、Speight168、Speight179、SpeightNF-3、Va116、Va182、および前述の品種のうちのいずれか1つに本質的に由来する任意の品種からなる群から選択される熱風乾燥タバコの背景にある。WO2004/041006A1を参照されたい。さらなる態様では、低アルカロイドまたは低ニコチンタバコ植物、種子、ハイブリッド、品種、または株は、K326、K346、およびNC196からなる群から選択される任意の熱風乾燥の背景にある。
【0112】
一態様では、提供されるタバコ植物は、空気乾燥タバコの背景にあるか、または本明細書に記載の1つ以上の空気乾燥タバコの特徴を示す。空気乾燥タバコには、バーレー、メリーランド、および暗色タバコが含まれる。一般的な要因は、乾燥に、人工的な熱源および湿度源を主として用いないことである。バーレータバコは、薄色から濃い茶色で、油分が多く、糖分が少ない。バーレータバコは、小屋で空気乾燥される。バーレーの主要な栽培国はアルゼンチン、ブラジル、イタリア、マラウイ、および米国である。メリーランドタバコは、非常にふわふわとして、良い燃焼特性を有し、ニコチンが少なく、自然な芳香がする。メリーランドの主要な栽培国としては、米国およびイタリアが含まれる。一態様では、提供される低アルカロイドまたは低ニコチンのタバコ植物または種子は、クレー(Clay)402、クレー403、クレー502、Ky14、Ky907、Ky910、Ky8959、NC2、NC3、NC4、NC5、NC2000、TN86、TN90、TN97、R610、R630、R711、R712、NCBH129、Bu21×Ky10、HB04P、Ky14×L8、Kt200、ニュートン(Newton)98、ペディーゴ(Pedigo)561、Pf561、およびVa509からなる群から選択されるバーレータバコの背景にある。さらなる態様では、低アルカロイドまたは低ニコチンのタバコ植物、種子、ハイブリッド、品種、または株は、TN90、KT209、KT206、KT212、およびHB4488からなる群から選択される任意のバーレー背景にある。別の態様では、提供される低アルカロイドまたは低ニコチンのタバコ植物または種子は、Md10、Md40、Md201、Md609、Md872、およびMd341からなる群から選択されるメリーランドタバコの背景にある。
【0113】
一態様では、提供されるタバコ植物は、暗色空気乾燥タバコの背景にあるか、または本明細書に記載される1つ以上の暗色空気乾燥タバコの特徴を示す。暗色空気乾燥タバコは、主にその乾燥プロセスによって他の種類と区別され、暗色空気乾燥タバコに中~濃い褐色および独特の芳香を与える。暗色空気乾燥タバコは、主に噛みタバコおよび嗅ぎタバコに使用される。一態様では、低アルカロイドまたは低ニコチンのタバコ植物または種子は、スマトラ(Sumatra)、ジャティム(Jatim)、ドミニカンクバノ(Dominican Cubano)、ベスキ(Besuki)、ワンサッカー(One sucker)、グリーンリバー(Green River)、バージニアサンキュアード(Virginia sun-cured)、およびパラグアンパサド(Paraguan Passado)からなる群から選択される暗色空気乾燥タバコの背景で提供される。
【0114】
一態様では、提供されるタバコ植物は、暗色直火乾燥タバコの背景にあるか、または本明細書に記載の1つ以上の暗色直火乾燥タバコの特徴を示す。暗色直火乾燥タバコは、一般に、閉鎖乾燥小屋の床で低燃焼の焚火で乾燥する。それらの葉は、糖含有量は低いが、ニコチン含有量は高い。暗色直火乾燥タバコは、パイプブレンド、シガレット、噛みタバコ、嗅ぎタバコ、および強い風味のシガーを作製するために使用される。暗色直火乾燥タバコの主な栽培地域は、米国のテネシー州、ケンタッキー州、およびバージニア州である。一態様では、提供される低アルカロイドまたは低ニコチンのタバコ植物または種子は、ナローリーフマドール(Narrow Leaf Madole)、改良マドール(Improved Madole)、トムロッソンマドール(Tom Rosson Madole)、ニュートンズVHマドール(Newton’s VH Madole)、リトルクリッテンデン(Little Crittenden)、グリーンウッド(Green Wood)、リトルウッド(Little Wood)、スモールストークブラックマンモス(Small Stalk Black Mammoth)、DT508、DT518、DT592、KY171、DF911、DF485、TND94、TND950、VA309、およびVA359からなる群から選択される暗色直火乾燥タバコの背景にある。
【0115】
一態様では、提供されるタバコ植物は、オリエンタルタバコの背景にあるか、または本明細書に記載の1つ以上のオリエンタルタバコの特徴を示す。オリエンタルタバコは、典型的には、トルコ、ギリシャ、ブルガリア、マケドニア、シリア、レバノン、イタリア、ルーマニアなどの東地中海地域で栽培されるという事実から、ギリシャタバコ、アロマタバコ、およびトルコタバコとも称される。今日のオリエンタル品種の特徴である小さな植物および葉のサイズ、ならびにその特有の芳香特性は、過去数世紀にわたって培われた、この植物の土壌の悪さおよびストレスの多い気候条件に対する適応の結果である。一態様では、提供される低アルカロイドまたは低ニコチンタバコ植物または種子は、イズミル(Izmir)、カテリニ(Katerini)、サムスン(Samsun)、バスマ(Basma)およびクルモヴグラト(Krumovgrad)、トラブゾン(Trabzon)、テサリアン(Thesalian)、タショヴァ(Tasova)、シノプ(Sinop)、イズミト(Izmit)、ヘンデック(Hendek)、エディルネ(Edirne)、シェムディンリ(Semdinli)、アドゥヤマン(Adiyanman)、ヤイラダウ(Yayladag)、イスケンデルン(Iskenderun)、デュズジェ(Duzce)、マケドニアン(Macedonian)、マヴラ(Mavra)、プリレプ(Prilep)、バフラ(Bafra)、ブルサ(Bursa)、ブチャク(Bucak)、ビトリス(Bitlis)、バルケシル(Balikesir)および前述の品種のうちのいずれか1つに本質的に由来する任意の品種からなる群から選択されるオリエンタルタバコの背景にある。
【0116】
一態様では、低アルカロイドまたは低ニコチンのタバコ植物、種子、ハイブリッド、品種、または株は、BU64、CC101、CC200、CC27、CC301、CC400、CC500、CC600、CC700、CC800、CC900、コーカー176、コーカー319、コーカー371ゴールド、コーカー48、CU263、DF911、ガルパオタバコ、GL26H、GL350、GL600、GL737、GL939、GL973、HB04P、K149、K326、K346、K358、K394、K399、K730、KDH959、KT200、KT204LC、KY10、KY14、KY160、KY17、KY171、KY907、KY907LC、KTY14xL8LC、リトルクリッテンデン、McNair373、McNair944、msKY14xL8、ナローリーフマドール、NC100、NC102、NC2000、NC291、NC297、NC299、NC3、NC4、NC5、NC6、NC7、NC606、NC71、NC72、NC810、NCBH129、NC2002、ニールスミスマドール(Neal Smith Madole)、OXFORD207、「ペリック(Perique)」タバコ、PVH03、PVH09、PVH19、PVH50、PVH51、R610、R630、R7-11、R7-12、RG17、RG81、RGH51、RGH4、RGH51、RS1410、Speight168、Speight172、Speight179、Speight210、Speight220、Speight225、Speight227、Speight234、SpeightG-28、SpeightG-70、SpeightH-6、SpeightH20、SpeightNF3、TI1406、TI1269、TN86、TN86LC、TN90、TN97、TN97LC、TND94、TND950、TR(トムロッソン)マドール、VA309、もしくはVA359、Maryland609、HB3307PLC、HB4488PLC、KT206LC、KT209LC、KT210LC、KT212LC、R610LC、PVH2310、NC196、KTD14LC、KTD6LC、KTD8LC、PD7302LC、PD7305LC、PD7309LC、PD7318LC、PD7319LC、PD7312LC、シャーレイ(Shirey)LCまたは当該技術分野で既知の標準的なタバコ育種技術による任意の市販タバコ品種に、本質的に由来するか、またはその遺伝的背景にある。
【0117】
前述の暗色空気乾燥、バーレー、メリーランド、暗色直火乾燥、またはオリエンタル種類の全ての特定の品種を、例示の目的としてのみ列挙している。本出願では、任意の追加の暗色空気乾燥、バーレー、メリーランド、暗色直火乾燥、オリエンタル品種も企図される。
【0118】
また、記載されるタバコ植物の集団も提供される。一態様では、タバコ植物の集団は、1エーカー当たり約5,000~約8000、約5,000~約7,600、約5,000~約7,200、約5,000~約6,800、約5,000~約6,400、約5,000~約6,000、約5,000~約5,600、約5,000~約5,200、約5,200~約8,000、約5,600~約8,000、約6,000~約8,000、約6,400~約8,000、約6,800~約8,000、約7,200~約8,000、または約7,600~約8,000の植物の栽植密度を有する。別の態様では、タバコ植物の集団は、低~中程度の肥沃度を有する土壌型である。
【0119】
また、記載されるタバコ植物由来の種子の容器も提供される。本開示のタバコ種子の容器は、任意の数、重量、または体積の種子を含有し得る。例えば、容器は、約100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000以上の種子を含有することができる。あるいは、容器は、約1オンス、5オンス、10オンス、1ポンド、2ポンド、3ポンド、4ポンド、5ポンド、またはそれ以上の種子を含有することができる。タバコ種子の容器は、当該技術分野で入手可能な任意の容器であってもよい。非限定的な例として、容器は、箱、バッグ、パケット、ポーチ、テープロール、チューブ、またはボトルであり得る。
【0120】
記載される低アルカロイドまたは低ニコチンのタバコ植物から作製された乾燥タバコ材料も提供される。さらに、より高いレベルの総アルカロイドまたはニコチンで記載されるタバコ植物から作製された乾燥タバコ材料が提供される。
【0121】
「乾燥」は、老化プロセスであり、水分を低減させ、葉緑素の破壊をもたらして、タバコの葉を黄金色にし、デンプンを糖に変換する。したがって、乾燥タバコは、収穫された緑色の葉と比較して、より高い還元糖含有量およびより低いデンプン含有量を有する。一態様では、提供される緑葉タバコは、従来の手段、例えば、熱風乾燥、納屋乾燥、直火乾燥、空気乾燥、または日干乾燥を使用して乾燥され得る。異なる種類の乾燥方法の説明は、例えば、Tso(1999,Chapter 1 in Tobacco,Production,Chemistry and Technology,Davis & Nielsen,eds.,Blackwell Publishing,Oxford)を参照されたい。乾燥タバコは、通常、木製ドラム(例えば、ホグスヘッド)または段ボール箱内で、数年間(例えば、2~5年)圧縮条件で熟成され、水分量が10%~約25%の範囲である。米国特許第4,516,590号および同第5,372,149号を参照されたい。次いで、乾燥させ、熟成させたタバコをさらに加工することができる。さらなる処理は、様々な温度の蒸気の導入、低温殺菌、および発酵の有無にかかわらず、真空下でタバコを調節することを含む。発酵は、典型的には、最初に含水率が高く、発熱し、乾燥重量が10~20%減少することを特徴とする。例えば、米国特許第4,528,993号、同第4,660,577号、同第4,848,373号、同第5,372,149号、米国公開第2005/0178398号、およびTso(1999,Tobacco,Production,Chemistry and Technologyの第1章、Davis & Nielsen,eds.,Blackwell Publishing,Oxford)を参照されたい。乾燥、熟成、および発酵させたタバコを、さらに加工することができる(例えば、裁断、寸断、膨張、またはブレンドする)。例えば、米国特許第4,528,993号、同第4,660,577号、および同第4,987,907号を参照されたい。一態様では、本開示の乾燥タバコ材料は、日干乾燥される。別の態様では、本開示の乾燥タバコ材料は、熱風乾燥、空気乾燥、または直火乾燥される。
【0122】
乾燥タバコ上のカビの存在は、乾燥葉の品質および市場性(例えば、葉の等級)を著しく低減させ得る。カビの増殖は、約10℃(50°F)~32.2℃(90°F)の温度で高い湿度(例えば、70%を超える相対湿度)が長期間続くと発生し得る一般的な問題である。カビは、より高い温度でより一般的である傾向がある。
【0123】
1種以上のPMT遺伝子、2種以上のPMT遺伝子、3種以上のPMT遺伝子、4種以上のPMT遺伝子、または5種のPMT遺伝子における変異体対立遺伝子を含む、本明細書に提供されるタバコ植物、品種、および株は、低アルカロイドのタバコ品種LAバーレー21(LA BU21)と比較して、低減されたカビ感染を示す。同様に、1種以上のPMT遺伝子、2種以上のPMT遺伝子、3種以上のPMT遺伝子、4種以上のPMT遺伝子、または5種のPMT遺伝子の発現または翻訳を下方制御するRNAi構築物を含む、本明細書に提供されるタバコ植物、品種、および株は、低アルカロイドのタバコ品種LAバーレー21(LA BU21)と比較して、低減されたカビ感染を示す。
【0124】
LA BU21は、幾数回の戻し交配を通して、キューバシガー品種由来の低アルカロイド遺伝子(複数可)をバーレー21に組み込むことによって産生される総アルカロイドが低いタバコ株である(Legg et al.,Crop Science,10:212(1970))。それは、その親であるBarley21の約3.5%(乾燥重量)と比較して、総アルカロイド(乾燥重量)を約0.2%有する。LA BU21は、葉等級が商業的に許容される基準をはるかに下回る。
【0125】
一態様では、pmt1aの変異体対立遺伝子を含む乾燥タバコ葉は、観察可能なカビ感染を含まない。別の態様では、pmt1bの変異体対立遺伝子を含む乾燥タバコ葉は、観察可能なカビ感染を含まない。別の態様では、pmt2の変異体対立遺伝子を含む乾燥タバコ葉は、観察可能なカビ感染を含まない。別の態様では、pmt3の変異体対立遺伝子を含む乾燥タバコ葉は、観察可能なカビ感染を含まない。別の態様では、pmt4の変異体対立遺伝子を含む乾燥タバコ葉は、観察可能なカビ感染を含まない。別の態様では、pmt1aの変異体対立遺伝子、pmt1bの変異体対立遺伝子、pmt2の変異体対立遺伝子、pmt3の変異体対立遺伝子、およびpmt4の変異体対立遺伝子を含む乾燥タバコ葉は、観察可能なカビ感染を含まない。
【0126】
一態様では、pmt1aの変異体対立遺伝子を含む乾燥タバコ葉は、様々なLA BU21由来の対照乾燥タバコ葉と比較して、低減されたカビ感染を含む。別の態様では、pmt1bの変異体対立遺伝子を含む乾燥タバコ葉は、様々なLA BU21由来の対照乾燥タバコ葉と比較して低減されたカビ感染を含む。別の態様では、pmt2の変異体対立遺伝子を含む乾燥タバコ葉は、様々なLA BU21由来の対照乾燥タバコ葉と比較して低減されたカビ感染を含む。別の態様では、pmt3の変異体対立遺伝子を含む乾燥タバコ葉は、様々なLA BU21由来の対照乾燥タバコ葉と比較して低減されたカビ感染を含む。別の態様では、pmt4の変異体対立遺伝子を含む乾燥タバコ葉は、様々なLA BU21由来の対照乾燥タバコ葉と比較して低減されたカビ感染を含む。別の態様では、pmt1aの変異体対立遺伝子、pmt1bの変異体対立遺伝子、pmt2の変異体対立遺伝子、pmt3の変異体対立遺伝子、およびpmt4の変異体対立遺伝子を含む乾燥タバコ葉は、品種LA BU21由来の対照乾燥タバコ葉と比較して、低減されたカビ感染を含む。
【0127】
一態様では、表4A~表4E、表10、または表14のうちのいずれか1つに提供されるタバコ植物、品種、または株由来の乾燥葉は、観察可能なカビ感染を含まない。別の態様では、表4A~表4E、表10、または表14のうちのいずれか1つに提供されるタバコ植物、品種、または株由来の乾燥葉は、品種LA BU21由来の対照乾燥タバコ葉と比較して低減されたカビ感染を含む。
【0128】
一態様では、表5A~表5Eおよび表12A~表12Eのうちのいずれか1つに提供される1つ以上のpmt変異を含むタバコ植物、品種、または株由来の乾燥葉は、観察可能なカビ感染を含まない。別の態様では、表5A~表5Eおよび表12A~表12Eのうちのいずれか1つに提供される1つ以上のpmt変異を含むタバコ植物、品種、または株由来の乾燥葉は、品種LA BU21由来の対照乾燥葉と比較して低減されたカビ感染を含む。
【0129】
一態様では、pmt1aの変異体対立遺伝子を含むタバコ植物、品種、または株由来の乾燥葉は、品種LA BU21由来の対照乾燥葉よりも高い葉等級を含む。一態様では、pmt1bの変異体対立遺伝子を含むタバコ植物、品種、または株由来の乾燥葉は、品種LA BU21由来の対照乾燥葉よりも高い葉等級を含む。一態様では、pmt2の変異体対立遺伝子を含むタバコ植物、品種、または株由来の乾燥葉は、品種LA BU21由来の対照乾燥葉よりも高い葉等級を含む。一態様では、pmt3の変異体対立遺伝子を含むタバコ植物、品種、または株由来の乾燥葉は、品種LA BU21由来の対照乾燥葉よりも高い葉等級を含む。一態様では、pmt4の変異体対立遺伝子を含むタバコ植物、品種、または株由来の乾燥葉は、品種LA BU21由来の対照乾燥葉よりも高い葉等級を含む。別の態様では、pmt1aの変異体対立遺伝子、pmt1bの変異体対立遺伝子、pmt2の変異体対立遺伝子、pmt3の変異体対立遺伝子、およびpmt4の変異体対立遺伝子を含む植物、品種、または株由来の乾燥タバコ葉は、LA BU21の対照乾燥葉よりも高い葉等級を含む。
【0130】
一態様では、表4A~表4E、表10、または表14のうちのいずれか1つに提供されるタバコ植物、品種、または株由来の乾燥葉は、品種LA BU21由来の対照乾燥葉よりも高い葉等級を含む。
【0131】
一態様では、表5A~表5Eおよび表12A~表12Eのうちのいずれか1つに提供される1つ以上のpmt変異を含むタバコ植物、品種、または株由来の乾燥葉は、品種LA BU21由来の対照乾燥葉よりも高い葉の等級を含む。
【0132】
一態様では、「低減されたカビ感染」は、低減された感染葉の面積を指す。別の態様では、「低減されたカビ感染」は、感染葉に生存する低減されたカビ胞子の数を指す。生存胞子の検出および計数の標準的な方法は、当該技術分野で既知であり、かつ利用可能である。
【0133】
一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも1%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも2%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも3%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも4%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも5%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも10%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも15%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも20%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも25%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも30%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも35%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも40%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも50%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも60%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも70%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも75%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも80%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも90%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して少なくとも95%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して100%の感染葉面積の低減を含む。
【0134】
一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して1%~100%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して1%~90%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して1%~80%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して1%~70%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して1%~60%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して1%~50%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して1%~40%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して1%~30%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して1%~20%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して1%~10%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して10%~100%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して20%~100%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して30%~100%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して40%~100%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して50%~100%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して60%~100%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して70%~100%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して80%~100%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して90%~100%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して10%~75%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して25%~75%の感染葉面積の低減を含む。一態様では、低減されたカビ感染は、対照葉と比較して25%~50%の感染葉面積の低減を含む。
【0135】
一態様では、乾燥タバコに感染するカビは、クラドスポリウム属(Cladosporium)、アオカビ属(Penicillium)、アルテルナリア属(Alternaria)、コウジカビ属(Aspergillus)、およびケカビ属(Mucor)からなる群から選択される属のカビである。
【0136】
本開示のタバコ株、品種、またはハイブリッドから得られたタバコ材料を使用して、タバコ製品を作製することができる。本明細書で使用される場合、「タバコ製品」は、ヒトによる使用または消費を意図したタバコから作製された、または由来する任意の製品として定義される。
【0137】
提供されるタバコ製品には、シガレット製品(例えば、シガレットおよびビディシガレット)、シガー製品(例えば、葉巻タバコおよびシガリロ)、パイプタバコ製品、タバコ由来製品、タバコ由来ニコチン製品、無煙タバコ製品(例えば、湿性嗅ぎタバコ(moist snuff)、乾燥嗅ぎタバコ(dry snuff)、および噛みタバコ)、フィルム、チュアブル、タブ、成型部分、ゲル、消耗品ユニット、不溶性マトリックス、中空形状、再構成タバコ、膨張タバコなどが含まれるが、これらに限定されない。例えば、米国特許公開第US2006/0191548号を参照されたい。
【0138】
本明細書で使用される場合、「シガレット」は、「ロッド(rod)」および「フィラー(filler)」を有するタバコ製品を指す。シガレットの「ロッド」には、シガレット紙、フィルター、プラグラップ(濾過材料を含むために使用)、シガレット紙(フィラーを含む)をフィルターに保持するチップペーパー、およびこれらの構成要素を一緒に保持する全ての接着剤が含まれる。「フィラー」は、(1)再構成タバコおよび膨張タバコを含むがこれらに限定されない全てのタバコ、(2)非タバコ置換物(ハーブ、非タバコ植物材料、ならびにシガレット紙内で巻かれたタバコに付随し得る他のスパイスを含むがこれらに限定されない)、(3)ケーシング、(4)調味料、ならびに(5)全ての他の添加物(タバコおよび置換物に混合され、シガレット内に巻かれる)を含む。
【0139】
本明細書で使用される場合、「再構成タバコ」は、タバコダストおよび他のタバコスクラップ材料から作製され、シート形態に加工され、タバコに類似するようにストリップに切断されたタバコフィラーの一部を指す。コスト削減に加えて、再構成タバコは、アンモニアと糖との間の反応を使用した風味発生の加工によりシガレットの味に貢献するため、非常に重要である。
【0140】
本明細書で使用される場合、「膨張タバコ」は、タバコフィラーの一部を指し、タバコが「充填される」ように好適なガスの膨張を通して処理され、密度が低減し、充填容量が増加する。それによって、シガレットに使用されるタバコの重量が低減する。
【0141】
また、本開示の植物由来のタバコ製品は、シガレットおよび他の喫煙物、特に、フィルター要素を含む喫煙物を含み、喫煙可能な材料のロッドは、タバコブレンド内の乾燥タバコを含む。一態様では、本開示のタバコ製品は、シガリロ、非通気式リセスフィルターシガレット(non-ventilated recess filter cigarette)、通気式リセスフィルターシガレット(vented recess filter cigarette)、シガー、嗅ぎタバコ、パイプタバコ(pipe tobacco)、シガータバコ、シガレットタバコ、噛みタバコ、葉タバコ(leaf tobacco)、水タバコ(hookah tobacco)、細断タバコ(shredded tobacco)、および刻みタバコ(cut tobacco)からなる群から選択される。別の態様では、本開示のタバコ製品は、無煙タバコ製品である。無煙タバコ製品は、燃焼せず、限定されないが、噛みタバコ、湿性無煙タバコ(moist smokeless tobacco)、嗅ぎタバコ、乾燥嗅ぎタバコが含まれる。噛みタバコは粗分割されたタバコの葉で、典型的には、大きなポーチのようなパッケージに包装され、プラグやツイストに使用される。湿性無煙タバコは、しっとりして、細かく分割されたタバコであり、ばらの形態またはポーチの形態で提供され、典型的には、丸い缶に包装され、ピンチとしてまたはポーチとして、成人タバコ消費者が頬と歯茎の間に入れて使用する。嗅ぎタバコは熱処理された無煙タバコである。乾燥嗅ぎタバコは、口に入れるか、鼻に使用する、細かく粉砕されたタバコである。さらなる態様では、本開示のタバコ製品は、ルーズリーフ噛みタバコ(loose leaf chewing tobacco)、プラグ噛みタバコ(plug chewing tobacco)、湿性嗅ぎタバコ、および鼻嗅ぎタバコ(nasal snuff)からなる群から選択される。さらに別の態様では、本開示のタバコ製品は、電子加熱シガレット、電子シガレット、電子蒸発装置からなる群から選択される。
【0142】
一態様では、本開示のタバコ製品は、ブレンドタバコ製品であり得る。別の態様では、本開示のタバコ製品は、低ニコチンタバコ製品であり得る。さらなる態様では、本開示のタバコ製品は、約3mg/g未満のレベルでノルニコチンを含み得る。例えば、かかる製品中のノルニコチン含有量は、3.0mg/g、2.5mg/g、2.0mg/g、1.5mg/g、1.0mg/g、750μg/g、500pg/g、250pg/g、100pg/g、75pg/g、50pg/g、25pg/g、10pg/g、7.0pg/g、5.0pg/g、4.0pg/g、2.0pg/g、1.0pg/g、0.5pg/g、0.4pg/g、0.2pg/g、0.1pg/g、0.05pg/g、0.01pg/g、または検出不能であり得る。
【0143】
一態様では、提供される乾燥タバコ材料またはタバコ製品は、乾燥重量基準で、約0.01%、0.02%、0.05%、0.75%、0.1%、0.15%、0.2%、0.3%、0.35%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4%、5%、6%、7%、8%、および9%からなる群から選択される平均ニコチンレベルまたは総アルカロイドレベルを含む。別の態様では、提供される乾燥タバコ材料またはタバコ製品は、乾燥重量基準で、約0.01%~0.02%、0.02%~0.05%、0.05%~0.75%、0.75%~0.1%、0.1%~0.15%、0.15%~0.2%、0.2%~0.3%、0.3%~0.35%、0.35%~0.4%、0.4%~0.5%、0.5%~0.6%、0.6%~0.7%、0.7%~0.8%、0.8%~0.9%、0.9%~1%、1%~1.1%、1.1%~1.2%、1.2%~1.3%、1.3%~1.4%、1.4%~1.5%、1.5%~1.6%、1.6%~1.7%、1.7%~1.8%、1.8%~1.9%、1.9%~2%、2%~2.1%、2.1%~2.2%、2.2%~2.3%、2.3%~2.4%、2.4%~2.5%、2.5%~2.6%、2.6%~2.7%、2.7%~2.8%、2.8%~2.9%、2.9%~3%、3%~3.1%、3.1%~3.2%、3.2%~3.3%、3.3%~3.4%、3.4%~3.5%、および3.5%~3.6%からなる群から選択される平均ニコチンレベルまたは総アルカロイドレベルを含む。さらなる態様では、提供される乾燥タバコ材料またはタバコ製品は、乾燥重量基準で約0.01%~0.1%、0.02%~0.2%、0.03%~0.3%、0.04%~0.4%、0.05%~0.5%、0.75%~1%、0.1%~1.5%、0.15%~2%、0.2%~3%、および0.3%~3.5%からなる群から選択される平均ニコチンレベルまたは総アルカロイドレベルを含む。
【0144】
本開示はまた、タバコ株、栽培品種、または所望のレベルの総アルカロイドまたはニコチン、例えば、低ニコチンまたはニコチンフリーを含む品種を育種するための方法も提供する。育種は、任意の既知の手順を介して実行することができる。望ましい形質または対立遺伝子を、タバコ植物に移入または育種するために、DNAフィンガープリンティング、SNPマッピング、ハプロタイプマッピング、または同様の技術を、マーカー支援選択(MAS)育種プログラムに使用してもよい。例えば、ブリーダーは、F1ハイブリッド植物を使用してFまたは戻し交配世代で分離集団を作成するか、または農学的に望ましい遺伝子型を有する他のドナー植物とF1ハイブリッド植物をさらに交配することができる。Fまたは戻し交配世代における植物は、当該技術分野で既知の技術、または本明細書に列挙された技術のうちの1つを使用して、望ましい農学的形質または望ましい化学的特性についてスクリーニングすることができる。予想される遺伝パターンまたは使用されるMAS技術に応じて、望ましい個々の植物の同定を支援するために、戻し交配の各サイクルの前に選択された植物の自家受粉を行うことができる。反復親(recurrent parent)の所望の表現型を回復するまで、戻し交配または他の育種手順を繰り返すことができる。本開示における反復親は、熱風乾燥品種、バーレー品種、暗色空気乾燥品種、暗色直火乾燥品種、またはオリエンタル品種であり得る。他の育種技術は、例えば、Wernsman,E.A.,and Rufty,R.C.1987Chapter Seventeen.Tobacco.Pages 669-698 Cultivar Development.Crop Species.W.H.Fehr(ed.),MacMillan Publishing Go.,Inc.,New York,N.Y.に見出すことができる(それらの全体が参照により本明細書に援用される)。
【0145】
記載されるタバコ植物を使用した植物育種プログラムの結果としては、有用な株、栽培品種、品種、子孫、近交系、および本開示のハイブリッドが挙げられる。本明細書で使用される場合、「品種」という用語は、それらを同じ種の他の植物から分離する一定の特徴を共有する植物の集団を指す。品種は、いつもではないが、しばしば商業的に販売されている。品種は、1つ以上の特徴的な形質を有する一方で、その品種内の個体間の非常に小さな全体的なバリエーションによってさらに特徴付けられる。「純系(pure line)」品種は、数世代の自家受粉および選択、または組織もしくは細胞培養技術を使用した単一の親からの栄養繁殖によって作成され得る。品種は、本質的に別の株または品種に由来し得る。植物の新品種の保護に関する国際条約(1961年12月2日、1972年11月10日、1978年10月23日、および1991年3月19日にジュネーブで改訂)によって定義されるように、品種は、a)原品種の遺伝子型または遺伝子型の組み合わせから生じる本質的特徴の発現を保持しながら、主に原品種に由来するか、または主に原品種に由来する品種に由来し、b)原品種と明確に区別可能であり、c)派生行為に起因する差異を除き、原品種の遺伝子型または遺伝子型の組み合わせから生じる本質的特徴の発現において原品種に適合する場合、原品種に「本質的に由来する」。本質的に由来する品種は、例えば、天然もしくは誘導変異体、ソマクローナルバリアント、原品種の植物由来のバリアント個体、戻し交配、または形質転換の選択によって得ることができる。第1のタバコ品種および第1の品種が本質的に由来する第2のタバコ品種は、本質的に同一の遺伝的背景を有するとみなされる。品種と区別される「株」は、最も多くの場合、例えば植物研究で非商業的に使用される植物の群を指す。株は、典型的には、1つ以上の目的の形質に関して個体間で全体的な変動はほとんど示さないが、他の形質に関して個体間でいくらかの変動があり得る。
【0146】
一態様では、本開示は、表5A~表5Eおよび表12A~表12Eのうちのいずれか1つに提供される1つ以上のpmt変異を含むタバコ植物、品種、株、または細胞を提供する。
【0147】
別の態様では、本開示は、表4A~表4E、表10、または表14のうちのいずれか1つに提供される任意のタバコ植物、品種、または株に由来するタバコ植物、品種、株、または細胞を提供する。
【0148】
一態様では、本開示は、タバコ株18GH203、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH341、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1678、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1680、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1804、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1898、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH207、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH342、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH343、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH348、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH349、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH355、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH359、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH64、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH682、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH692、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH697、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH922、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH957、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1808、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1810、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1886、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1888、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1889、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH189、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1893、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1901、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1902、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH3、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH125、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH208、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH403、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH414、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH434、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH436、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH437、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH449、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH706、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH709、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH710、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH716、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH729、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH731、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH752、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH756、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH768、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH771、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH776、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH800、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH818、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH10、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH1004、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH1033、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH132、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH134、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH217、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH456、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH457、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH460、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH465、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH71、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH830、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH831、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH836、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH841、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH974、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH981、およびF
もしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH994、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1905、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH128、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH130、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH131、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH133、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH136、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH216、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH227、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH5、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH6、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH65、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH66、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH69、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH72、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH73、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH74、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH78、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH79、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH8、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH9、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1696、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1717、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1719、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1729、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1736、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1737、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1739、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1740、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1835、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1848、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1849、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1912、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1937、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1940、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1943、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1944、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH1051、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH22、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH34、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH473、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH49、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH50、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH848、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH850、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH851、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1699、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1708、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1722、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1724、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1725、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1845、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1846、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1847、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1911、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1912、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1915、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1918、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1928、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1932、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1933、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1936、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH20、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH28、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH31、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH47、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由
来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH51、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH52、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS107、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS106、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS115、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1809-13、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS111、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS112、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1678-60、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS131、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH709-01、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH709-08、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH414-11、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH414-19、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH437-04、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH437-08、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH437-32、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH437-39、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH449-26、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH449-33、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH125-48、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS102、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS103、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1719-30、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1740-36、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1698-22、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1700-13、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1702-17、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1849-01、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1849-48、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株17GH1737-24、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS118、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS133、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS120、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH1108-07、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH2162、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS164、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS163、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS146、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS147、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS150、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS151、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS148、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS149、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS152、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS153、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS143、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH2169、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH2171、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS165、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株CS118、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。一態様では、本開示は、タバコ株18GH2254-7、およびFもしくはFタバコ植物、またはそれらに由来する雄性不稔タバコ植物を提供する。
【0149】
一態様では、本開示は、低ニコチン形質をタバコ品種に遺伝子導入する(introgress)方法であって、(a)低ニコチン形質を含む第1のタバコ品種を、低ニコチン形質を有しない第2のタバコ品種と交配させ、1つ以上の子孫タバコ植物を産生することと、(b)表4A~表4E、表5A~表5E、表10、および表12A~表12Eに列挙されるものから選択されるpmt変異体対立遺伝子について、1つ以上の子孫タバコ植物を遺伝子型決定することと、(c)pmt変異体対立遺伝子を含む子孫タバコ植物を選択することと、を含む、方法を提供する。別の態様では、これらの方法は、選択された子孫タバコ植物を第2のタバコ品種と戻し交配することをさらに含む。さらなる態様では、これらの方法は、(d)選択された子孫植物を、それ自体または第2のタバコ品種と交配させて、1つ以上のさらなる子孫タバコ植物を産生することと、(e)低ニコチン形質を含むさらなる子孫タバコ植物を選択することと、をさらに含む。一態様では、ステップ(e)の選択することは、マーカー支援選択を含む。一態様では、これらの方法は、低ニコチン形質を含む単一遺伝子転換を生成する。一態様では、これらの方法は、pmt変異体対立遺伝子を含む単一遺伝子転換を生成する。一態様では、第2のタバコ品種は、優良品種である。別の態様では、これらの方法の遺伝子型決定ステップは、1つ以上の分子マーカーアッセイを伴う。別の態様では、遺伝子型決定は、単一ヌクレオチド多型(SNP)、DNA配列における挿入または欠失(インデル)、DNA配列の単純配列反復(SSR)、制限断片長多型(RFLP)、およびタグSNPからなる群から選択される多型を含む多型マーカーを含み得る。
【0150】
本明細書で使用される場合、「遺伝子座」は、多型の核酸、形質決定基、遺伝子、またはマーカーが位置する染色体の遺伝子座または領域である。「遺伝子座」は、2つの相同染色体によって共有されて、それらの対応する遺伝子座または領域を指し得る。本明細書で使用される場合、「対立遺伝子」は、遺伝子または特定の遺伝子座における代替的な核酸配列を指す(例えば、他の対立遺伝子とは異なり、同じ遺伝子または同じ遺伝子座についての遺伝子または遺伝子座の核酸配列)。かかる対立遺伝子は、(i)野生型、または(ii)野生型対立遺伝子と比較して1つ以上の変異または編集が変異体対立遺伝子の核酸配列に存在する場合、変異体とみなすことができる。遺伝子の変異体対立遺伝子は、野生型対立遺伝子と比較して、遺伝子の活性または発現レベルが低減または排除され得る。タバコなどの二倍体生物について、第1の対立遺伝子は、1つの染色体上で生じ得、第2の対立遺伝子は、第2の相同染色体上の同じ遺伝子座で生じ得る。植物の1つの染色体上の遺伝子座における1つの対立遺伝子が変異体対立遺伝子であり、かつ植物の相同染色体上の他の対応する対立遺伝子が野生型である場合、その植物は、変異体対立遺伝子についてヘテロ接合性であると記載される。しかしながら、遺伝子座における両方の対立遺伝子が変異体対立遺伝子である場合、その植物は、変異体対立遺伝子についてホモ接合性であると記載される。遺伝子座における変異体対立遺伝子についてホモ接合性の植物は、ヘテロ対立遺伝子性または両対立遺伝子性の場合、同じ変異体対立遺伝子または異なる変異体対立遺伝子を含み得る。
【0151】
本明細書で使用される場合、「遺伝子導入」または「遺伝子導入する」は、ある遺伝子座の所望の対立遺伝子を、ある遺伝的背景由来の別の遺伝子座に伝達することを指す。
【0152】
本明細書で使用される場合、「交配された」または「交配」は、受精(例えば、細胞、種子または植物)を介して子孫を産生することを意味し、植物間の交配(有性)および自家受精(自家受粉)を含む。
【0153】
本明細書で使用される場合、「戻し交配(backcross)」および「戻し交配すること(backcrossing)」は、子孫植物がその親のうちの1つと繰り返し交配し直すプロセスを指す。戻し交配スキームでは、「ドナー」親は、遺伝子導入される所望の遺伝子または遺伝子座を有する親植物を指す。「レシピエント」親(1回以上使用)または「反復」親(2回以上使用)は、遺伝子または遺伝子座が遺伝子導入される親植物を指す。初期交配は、F1世代を生み出す。「BC1」という用語は、反復親の第2の使用を指し、「BC2」は、反復親の第3の使用などを指す。一態様では、戻し交配は、各逐次戻し交配世代の子孫個体を用いて、それ自体が同じ親の遺伝子型へと戻し交配されように、繰り返し行われる。
【0154】
本明細書で使用される場合、「単一遺伝子転換された」または「単一遺伝子転換」は、戻し交配として知られる植物育種技術を使用して、または遺伝子操作を介して開発され、戻し交配技術を介して、または遺伝子操作を介して、単一遺伝子を品種に移入すること加えて、本質的に品種の所望の形態学的特徴および生理学的特徴の全てが回復される植物を指す。
【0155】
本明細書で使用される場合、「優良品種」は、優れた農学的性能のための育種および選択から生じた任意の品種を意味する。
【0156】
本明細書で使用される場合、マーカー支援選択または育種の文脈における「選択すること」または「選択」は、特定の所定の基準に基づいて、通常、集団から、所望の個体を選び取る(pick)または選び出す(choose)行為を指す。
【0157】
本明細書で使用される場合、「形質(trait)」という用語は、遺伝子型に影響を受け得る細胞または生物の1つ以上の検出可能な特徴を指す。表現型は、肉眼で、または当該技術分野で既知の任意の他の評価の手段、例えば、顕微鏡検査、生化学分析、ゲノム分析、特定の耐病性のアッセイなどによって観察可能であり得る。場合によっては、表現型は、単一の遺伝子または遺伝子座、例えば、「単一遺伝子形質」によって直接制御される。他の場合、表現型はいくつかの遺伝子に起因する。
【0158】
本明細書で使用される場合、「マーカーアッセイ」とは、特定の方法、例えば、少なくとも1つの表現型(種子の色、花の色、または他の視覚的に検出可能な形質など)の測定、制限断片長多型(RFLP)、単一塩基伸長、電気泳動、配列整列、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション(ASO)、ランダム増幅多型DNA(RAPD)、マイクロアレイベースの技術、および核酸配列決定技術などを使用して、特定の遺伝子座で多型を検出する方法を意味する。
【0159】
本明細書で使用される場合、「マーカー支援選択」(MAS)は、マーカー遺伝子型に基づいて表現型が選択されるプロセスである。「マーカー支援選択育種」は、植物から1つ以上の核酸を検出することによって、植物(複数可)の所望の形質(複数可)を選択するプロセスを指し、それらの核酸を所望の形質と関連付けて、次いでそれらの1つ以上の核酸を有する植物または生殖質を選択する。
【0160】
本明細書で使用される場合、「多型(polymorphism)」は、集団における1つ以上のバリエーションの存在を意味する。多型は、核酸のヌクレオチド配列におけるバリエーションとして、またはタンパク質のアミノ酸配列におけるバリエーションとして現れ得る。多型には、1つ以上の個体の集団における1つ以上の遺伝子座の核酸配列または核酸特徴のうちの1つ以上のバリエーションの存在が含まれる。バリエーションは、1つ以上のヌクレオチドの塩基変化、1つ以上のヌクレオチドの挿入、または1つ以上のヌクレオチドの欠失を含み得るが、これらに限定されない。多型は、核酸複製におけるランダムなプロセスから、変異誘発を通して、可動ゲノム要素の結果として、コピー数多型から、ならびに減数分裂のプロセス中に(例えば、不等交差、ゲノム重複、ならびに染色体切断および染色体融合)生じ得る。バリエーションは、一般的に発見され得るか、または集団内で低頻度で存在し得るが、前者は、一般的な植物育種においてより大きな有用性を有し、後者は、稀であるが重要な表現型バリエーションと関連し得る。有用な多型としては、単一ヌクレオチド多型(SNP)、DNA配列内の挿入または欠失(Indels)、DNA配列の単純配列反復(SSR)、制限断片長多型(RFLP)、およびタグSNPが挙げることができる。また、遺伝子マーカー、遺伝子、DNA由来配列、RNA由来配列、プロモーター、遺伝子の5’非翻訳領域、遺伝子の3’非翻訳領域、マイクロRNA、siRNA、耐性遺伝子座、サテライトマーカー、導入遺伝子、mRNA、dsmRNA、転写プロファイル、およびメチル化パターンは、多型を含み得る。加えて、前述のコピー数の存在、不在、またはバリエーションも、多型を含み得る。
【0161】
本明細書で使用される場合、「SNP」または「単一ヌクレオチド多型(single nucleotide polymorphism)」は、ゲノム配列中の単一ヌクレオチド(A、T、C、またはG)が変化または可変である場合に生じる配列のバリエーションを意味する。「SNPマーカー」は、SNPがゲノム上の部位にマッピングされるときに存在する。
【0162】
本明細書で使用される場合、「マーカー」または「分子マーカー」または「マーカー遺伝子座」という用語は、ゲノム上の特定の遺伝子座を特徴付けるのに十分に固有な核酸またはアミノ酸配列を示すために使用される。任意の検出可能な多型形質は、それが差異的に遺伝し、目的の表現型形質と連鎖不均衡を示す限り、マーカーとして使用することができる。したがって、各マーカーは、特有のヌクレオチド配列を有するDNAの特定のセグメントの指標である。マップ位置は、互いに対する特定のマーカーの相対位置の尺度を提供する。形質が所与のマーカーに関連付けられると記載されている場合、その配列が形質に影響を与える実際のDNAセグメントは、概して、マーカーと共分離することが理解されるであろう。形質のより正確かつ確実な局在化は、マーカーが形質の両方の側で同定される場合に得ることができる。形質自体の外観を実際に評価することなく(形質の実際の評価は、形質が発現され得る段階で、および/または形質が発現され得る環境条件下で、植物を成長させる必要があるため、困難かつ時間がかかり得る)、交配の子孫におけるマーカー(複数可)の外観を測定することによって、比較的単純な分子試験で形質の存在を検出することができる。
【0163】
本開示の任意のタバコ植物は、例えば、当該技術分野で既知の技術を使用して、遺伝子構築物または導入遺伝子で形質転換することによって、追加の農学的に望ましい形質をさらに含み得ることが理解される。望ましい形質の例としては、限定されないが、除草剤耐性、害虫耐性、耐病性、高収量、高等級指標値、乾燥性、乾燥品質、機械収穫性、保持能、葉の品質、高さ、植物の成熟(例えば、早期成熟、早期から中期の成熟、中期成熟、中基から晩期成熟、もしくは晩期成熟)、茎の大きさ(例えば、小さい、中程度、もしくは大きい茎)、または植物当たりの葉数(例えば、少ない(例えば、5~10葉)、中程度(例えば、11~15葉)、もしくは多い(16~21葉))、または任意の組み合わせである。一態様では、開示される低ニコチンまたはニコチンフリーのタバコ植物または種子は、1つ以上の殺虫性タンパク質、例えば、バチルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)の結晶タンパク質、またはVIP3などのバチルス・セレウス(Bacillus cereus)由来の植物性殺虫性タンパク質を発現する1つ以上の導入遺伝子を含む(例えば、Estruch et al.(1997)Nat.Biotechnol.15:137を参照されたい)。別の態様では、タバコ植物は、落葉病(brown stem rot)に対する耐性(米国特許第5,689,035号)またはシスト線虫(cyst nematode)に対する耐性(米国特許第5,491,081号)を付与する遺伝子導入形質をさらに含む。
【0164】
本開示はまた、変化したニコチンレベルまたは総アルカロイドレベルを含むが、そのようなニコチンレベルの変化を伴わない対応する最初のタバコ植物の収量と同等な収量を有する、pmt変異体タバコ植物を提供する。一態様では、pmt変異体は、約1200~3500、1300~3400、1400~3300、1500~3200、1600~3100、1700~3000、1800~2900、1900~2800、2000~2700、2100~2600、2200~2500、および2300~2400ポンド/エーカーからなる群から選択される収量を提供する。別の態様では、pmt変異体タバコ品種は、約1200~3500、1300~3500、1400~3500、1500~3500、1600~3500、1700~3500、1800~3500、1900~3500、2000~3500、2100~3500、2200~3500、2300~3500、2400~3500、2500~3500、2600~3500、2700~3500、2800~3500、2900~3500、3000~3500、および3100~3500ポンド/エーカーからなる群から選択される収量を提供する。さらなる態様では、pmt変異体タバコ植物は、pmt変異(複数可)を除いて、本質的に同一の遺伝的背景を有する対照植物の収量の65%~130%、70%~130%、75%~130%、80%~130%、85%~130%、90%~130%、95%~130%、100%~130%、105%~130%、110%~130%、115%~130%、または120%~130%の収量を提供する。さらなる態様では、pmt変異体タバコ植物は、pmt変異を除いて、本質的に同一の遺伝的背景を有する対照植物の収量の70%~125%、75%~120%、80%~115%、85%~110%、または90%~100%の収量を提供する。
【0165】
一態様では、開示されるタバコ植物(例えば、低ニコチン、ニコチンフリー、または低アルカロイドタバコ品種)は、収量、成熟および老化、昆虫食害に対する感受性、摘花後のポリアミン含有量、葉緑素レベル、単位葉面積当たりの葉肉細胞数、および乾燥後の最終産物の品質からなる群から選択される形質に実質的に影響を与えることなく、望ましい形質(例えば、低ニコチン、ニコチンフリー、または低アルカロイド)を付与する改変を含む。
【0166】
一態様では、開示されるタバコ植物は、所望の形質(例えば、低ニコチン、ニコチンフリー、または低アルカロイド)を付与する改変を含み、非改変対照植物と実質的に同等の形質をさらに含み、その形質は、収量、成熟および老化、昆虫食害に対する感受性、摘花後のポリアミン含有量、葉緑素レベル、単位葉面積当たりの葉肉細胞数、および乾燥後の最終産物の品質からなる群から選択される。
【0167】
一態様では、開示されるタバコ植物は、所望の形質(例えば、低ニコチン、ニコチンフリー、または低アルカロイド)を付与する改変を含み、非改変対照植物の収量に対して80%超、85%超、90%超、95%超、100%超、105%超、110%超、115%超、120%超、125%超、130%超、135%超、または140%超である収量をさらに含む。一態様では、開示されるタバコ植物は、所望の形質(例えば、低ニコチン、ニコチンフリー、または低アルカロイド)を付与する改変を含み、非改変対照植物の収量に対して70%~140%、75%~135%、80%~130%、85%~125%、90%~120%、95%~115%、または100%~110%の収量をさらに含む。一態様では、開示されるタバコ植物は、所望の形質(例えば、低ニコチン、ニコチンフリー、または低アルカロイド)を付与する改変を含み、非改変対照植物の収量に対して70%~80%、75%~85%、80%~90%、85%~95%、90%~100%、95%~105%、105%~115%、110%~120%、115%~125%、120%~130%、125~135%、または130%~140%である収量をさらに含む。
【0168】
一態様では、開示される低ニコチンまたはニコチンフリーのタバコ品種は、機械収穫のために適合される。別の態様では、開示される低ニコチンまたはニコチンフリーのタバコ品種は、機械的に収穫される。
【0169】
一態様では、提供されるタバコ植物は、ハイブリッド植物である。ハイブリッドは、第1の品種の雌性親植物(例えば、種子親)の自家受粉を防止し、第2の品種の雄性親植物からの花粉を雌性親植物に受精させ、雌性植物でF1ハイブリッド種子を形成することによって産生することができる。雌性植物の自家受粉は、花の発達の初期段階で花を除雄することによって防止することができる。あるいは、雄性不稔の形態を使用して、雌性親植物で花粉形成を防止することができる。例えば、雄性不稔は、雄性不稔(MS)またはトランスジェニック雄性不稔によって産生することができ、導入遺伝子が、小胞子形成および/もしくは花粉形成、または自己不和合性を阻害する。MSを含有する雌性親植物は、特に有用である。雌性親植物がMSである一態様では、雄性の稔性植物から花粉を採取し、MS雌性親植物の柱頭に手動で適用し、得られるF1種子を採取する。
【0170】
植物を使用して、単交配タバコF1ハイブリッドを形成することができる。雄性親植物由来の花粉を、除雄された雌性親植物または雄性不稔の雌性親植物に手動で移して、F1種子を形成する。あるいは、単交配F1ハイブリッドを雌親として使用し、異なる雄親と交配する、三元交配を実行することができる。別の代替として、2つの異なる単交配のF1子孫自体を交配する、二重交配ハイブリッドを作成することができる。二重交配ハイブリッドを形成する場合、自家不和合性を使用すると特に有利であり、雌親の自家受粉を防止することができる。
【0171】
一態様では、低ニコチンまたはニコチンフリーのタバコ品種は、雄性不稔である。別の態様では、低ニコチンまたはニコチンフリーのタバコ品種は、細胞質雄性不稔である。雄性不稔タバコ植物は、当該技術分野で既知の任意の方法によって産生され得る。雄性不稔タバコの産生方法は、Wernsman,E.A.,and Rufty,R.C.1987Chapter Seventeen.Tobacco.Pages 669-698 Cultivar Development.Crop Species.W.H.Fehr(ed.),MacMillan Publishing Go.,Inc.,New York,N.Y.761 pp.に記載されている。
【0172】
一態様では、本開示は、表5A~表5Eおよび表12A~表12Eのうちのいずれか1つに提供される1つ以上のpmt変異を含む雄性不稔タバコ植物、品種、または株を提供する。
【0173】
別の態様では、本開示は、表4A~表4E、表10、または表14のうちのいずれか1つに提供される任意のタバコ植物、品種、または株に由来する雄性不稔タバコ植物、品種、または株を提供する。
【0174】
一態様では、本開示は、雄性不稔株dCS11を提供する。別の態様では、本開示は、雄性不稔株dCS12を提供する。別の態様では、本開示は、雄性不稔株dCS13を提供する。別の態様では、本開示は、雄性不稔株dCS14を提供する。別の態様では、本開示は、雄性不稔株dCS15を提供する。別の態様では、本開示は、雄性不稔株dCS16を提供する。別の態様では、本開示は、雄性不稔株dCS17を提供する。別の態様では、本開示は、雄性不稔株dCS18を提供する。別の態様では、本開示は、雄性不稔株dS697を提供する。
【0175】
さらなる態様では、提供されるタバコ部分としては、限定されないが、葉、茎、根、種子、花、花粉、葯、胚珠、小花柄、果実、成長点、子葉、胚軸、鞘、胚、胚乳、外植片、カルス、組織培養物、苗条、細胞、およびプロトプラストが挙げられる。一態様では、提供されるタバコ部分は、種子を含まない。一態様では、本開示は、タバコ植物の細胞、組織、および生殖物質ではなく、植物の自然生殖を媒介しない器官を提供する。別の態様では、本開示はまた、タバコ植物の細胞、組織、および生殖物質であり、植物の自然生殖を媒介する器官も提供する。別の態様では、本開示は、光合成を介して自身を維持することができないタバコ植物の細胞、組織、および器官を提供する。別の態様では、本開示は、体細胞性のタバコ植物細胞を提供する。体細胞は、生殖系列細胞とは反対に、植物生殖を媒介しない。
【0176】
細胞、組織、および器官は、種子、果実、葉、子葉、胚軸、成長点、胚、胚乳、根、苗条、茎、鞘、花、花序、柄、小花柄、花柱、花床、花弁、萼片、花粉、葯、花糸、子房、胚珠、果皮、篩部、維管束組織に由来し得る。別の態様では、本開示は、タバコ植物の葉緑体を提供する。さらなる態様では、本開示は、表皮細胞、気孔細胞、葉または根毛、貯蔵根、または塊茎を提供する。別の態様では、本開示は、タバコのプロトプラストを提供する。
【0177】
当業者は、タバコ植物が無性生殖や栄養繁殖を介してではなく、種子を介して自然生殖することを理解している。一態様では、本開示は、タバコの胚乳を提供する。別の態様では、本開示は、タバコの胚乳細胞を提供する。さらなる態様では、本開示は、ヒトの介入なしで生殖することができない雄性または雌性不稔タバコ植物を提供する。
【0178】
一態様では、本開示は、配列番号1~10からなる群から選択される配列およびその断片と、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を含む核酸分子を提供する。一態様では、本開示は、配列番号11~15からなる群から選択されるアミノ酸配列と、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の同一性を含むポリペプチドまたはタンパク質を提供する。
【0179】
本明細書で使用される場合、2つのポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列の文脈における「配列同一性」または「同一性」という用語は、指定された比較ウィンドウにわたって最大の対応関係について整列させたときに、2つの配列内の同じ残基を指す。タンパク質に関して配列同一性のパーセンテージが使用される場合、同一でない残基位置は、保存的アミノ酸置換によってしばしば異なり、アミノ酸残基は、類似の化学特性(例えば、電荷または疎水性)を有する他のアミノ酸残基に置換され、したがって、分子の機能特性を変化させないことが認識される。配列が保存的置換で異なる場合、配列同一性のパーセントは、置換の保存的性質を補正するために上向きに調整され得る。
【0180】
本開示は、開示されるタバコ植物からタバコ材料を含むタバコ製品を製造する方法をさらに提供する。一態様では、方法は、タバコ植物から作製された熟成タバコ材料を調節して、その水分含有量を約12.5%~約13.5%から約21%まで増加させることと、調節されたタバコ材料をブレンドして、所望のブレンドを生成することと、を含む。一態様では、タバコ製品の製造方法は、ブレンドをケーシングすることまたは風味付けすることをさらに含む。一般に、ケーシングプロセスの間、ケーシングまたはソース材料をブレンドに添加して、化学組成のバランスを取ることによって、それらの品質を強化し、特定の所望の風味特徴を開発する。ケーシングプロセスのさらなる詳細は、Tobacco Production,Chemistry and Technology,Edited by L.Davis and M.Nielsen,Blackwell Science,1999に見出すことができる。
【0181】
また、提供されるタバコ材料は、限定されないが、熱処理(例えば、調理、トースト)、風味付け、酵素処理、膨張、および/または乾燥を含む方法を使用して処理することができる。発酵タバコおよび非発酵タバコの両方は、これらの技法を使用して処理することができる。好適な加工タバコの例としては、暗色空気乾燥、暗色直火乾燥、バーレー、熱風乾燥、および葉巻芯葉(filler)または巻き葉(wrapper)、ならびに全葉の茎除去作業(whole leaf stemming operation)による製品が挙げられる。一態様では、タバコ繊維は、生重量基準で、最大70%の暗色タバコを含む。例えば、タバコは、米国公開第2004/0118422号または同第2005/0178398号に記載されるように、加熱ステップ、脱水(sweating)ステップ、および/または低温殺菌ステップによって調節され得る。
【0182】
提供されるタバコ材料を、発酵させることができる。発酵は、典型的には、最初に含水率が高く、発熱し、乾燥重量が10~20%減少することを特徴とする。例えば、米国特許第4,528,993号、同第4,660,577号、同第4,848,373号、および同第5,372,149号を参照されたい。発酵は、葉の芳香を改変するうえ、葉の色および質感のいずれかまたは両方を変化させることができる。また、発酵プロセス中に、放出ガスを生成することができ、酸素を取り込むことができ、pHを変化させることができ、保持される水分の量を変化させることができる。例えば、米国公開第2005/0178398号およびTso(1999,Tobacco,Production,Chemistry and Technologyの第1章、Davis & Nielsen,eds.,Blackwell Publishing,Oxford)を参照されたい。乾燥した、または乾燥かつ発酵させたタバコは、経口製品に組み込まれる前に、さらに加工することができる(例えば、切断、膨張、ブレンド、製粉、または粉砕する)。タバコは、場合によっては、コポリマー、および任意選択的に風味剤および他の添加剤と混合する前に、48~50重量%のオーブン揮発物含有量を有する長刻みの発酵乾燥湿性タバコである。
【0183】
一態様では、提供されるタバコ材料は、所望のサイズに加工され得る。一態様では、タバコ繊維を処理して、200マイクロメートル未満の平均繊維サイズを有するようにすることができる。一態様では、タバコ繊維は、75~125マイクロメートルである。別の態様では、タバコ繊維は、75マイクロメートル以下のサイズを有するように加工される。一態様では、タバコ繊維には、幅が、約10カット/インチ~約110カット/インチ、および長さが、約0.1インチ~約1インチに、切断または細断され得る長刻み(long cut)タバコが含まれる。二重カットされたタバコ繊維は、約70%の二重カットされたタバコ繊維が-20メッシュ~80メッシュのメッシュサイズになるように、様々な粒径を有することができる。
【0184】
提供されるタバコ材料は、約10重量%以上、約20重量%以上、約40重量%以上、約15重量%~約25重量%、約20重量%~約30重量%、約30重量%~約50重量%、約45重量%~約65重量%、または約50重量%~約60重量%の総オーブン揮発物含有量を有するように処理することができる。当業者は、「湿性(moist)」タバコは、典型的には、約40重量%~約60重量%(例えば、約45重量%~約55重量%、または約50重量%)のオーブン揮発物含有量を有するタバコを指すことを理解するであろう。本明細書で使用される場合、「オーブン揮発物」は、試料を、事前に温められた強制ドラフトオーブン中、110℃で3.25時間乾燥させた後、試料の減量のパーセンテージを計算することによって決定される。経口製品は、経口製品を作製するために使用されるタバコ繊維のオーブン揮発物含有量とは異なる総オーブン揮発物含有量を有することができる。記載される処理ステップは、オーブン揮発物含有量を低減または増加させることができる。
【0185】
これまで本開示を一般的に説明してきたが、特に指定しない限り、例示として提供され、かつ本開示の限定を意図しない以下の実施例を参照することによって、同様のことがより容易に理解されるであろう。
【実施例
【0186】
実施例1:5種のPMT遺伝子の発現プロファイリング
ニコチン生合成は、酵素プトレシンN-メチルトランスフェラーゼ(PMT)により、ポリアミンであるプトレシンをN-メチルプトレシンに変換することで開始される。これは、前駆体代謝産物が、ニコチン生合成に関与するステップである。PMT(PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4)をコードする遺伝子は、タバコ(ニコチアナ・タバカム)ゲノムに存在する。表1Aは、5種のPMT遺伝子のゲノムDNA配列、cDNA配列、およびタンパク質配列を列挙する。表1Bおよび表1Cは、5種のPMT遺伝子間の配列同一性を提供する。摘花前から収穫までのプールされた発現レベルは、いずれの特定の理論にも制限されることなく、PMT1aおよびPMT3が2種の主要なPMT遺伝子を表すことへの支持を提供する(図1)。
【0187】
(表1A)5種のタバコPMT遺伝子の配列
【0188】
(表1B)Clustal2.1によって決定された5種のタバコPMT遺伝子間のcDNA配列同一性
【0189】
(表1C)Clustal2.1によって決定された5種のタバコPMT遺伝子間のタンパク質配列同一性
【0190】
(表1D)PMT1bゲノム配列(配列番号1)注釈付け
【0191】
(表1E)PMT1bゲノム配列(配列番号2)注釈付け
【0192】
(表1F)PMT2ゲノム配列(配列番号3)注釈付け
【0193】
(表1G)PMT3ゲノム配列(配列番号4)注釈付け
【0194】
(表1H)PMT4ゲノム配列(配列番号5)注釈付け
【0195】
実施例2:PMTゲノム編集とタバコ株の開発
PMTノックアウト変異体は、様々なPMT遺伝子を編集することによって生成される。タバコのプロトプラストは、ポリエチレングリコール(PEG)を使用して、ゲノム編集技術1(GET1)タンパク質またはゲノム編集技術(GET)2タンパク質をコードするプラスミド、および所望の位置でPMT遺伝子を標的とする特定のガイドRNA(gRNA)を用いてトランスフェクトされる。表2は、PMT編集に使用されるgRNA配列を列挙する。いくつかのgRNA(例えば、番号6および7)は、単一のトランスフェクションで複数種のPMT遺伝子を標的とするために、一緒にプールされる。
【0196】
次いで、トランスフェクトされたプロトプラストを、1%アガロースビーズに固定し、組織培養に供する。カルスが直径約1mmまで成長したら、TOM2プレート上に撒く。カルスを、断片分析を使用して、標的位置での挿入または欠失(インデル)についてスクリーニングする。野生型対照と比較したサイズシフトを示す候補をさらなる培養のために選択し、結果としての苗条を、再び断片分析によって試験して、インデルの存在を確認する。根付いた苗条を鉢植えし、標的位置について配列決定して、正確な欠失した配列を決定する。各植物からの若葉を採取し、phirekitを使用してPMT断片についてPCR増幅する。各株についてPMTライブラリをインデックス化し、384株をプールし、Miseqを使用して配列決定する。
【0197】
SNP分析を実行して、正確な編集pmt変異体対立遺伝子の配列と、各PMT遺伝子座における接合状態の両方を決定する。表3は、代表的な編集植物の接合性の情報を提供する。表4A~表4Eは、様々なタバコ品種(例えば、K326、TN90、NLM、オリエンタル)の各編集株におけるインデルの配列情報を提供する。表5A~表5Eは、ゲノム配列の中央に編集部位を有する各pmt変異体対立遺伝子由来の約40のヌクレオチドのゲノム配列を提供する(例えば、欠失または挿入の配列部位の各側の20のヌクレオチド)。
【0198】
(表2)2つのゲノム編集技術で使用されたgRNA配列およびそれらの標的遺伝子。「Y」は、gRNAがそのPMT遺伝子を標的とすることを表し、一方、「-」は、gRNAがそのPMT遺伝子を標的としないことを表す。
【0199】
(表3)GET2を使用したゲノム編集によって生成された様々な背景での選択されたpmt変異体における個々のPMT遺伝子座の接合性。番号1は、単一変異体対立遺伝子についてホモ接合性であることを表す。数字2~5は、2~5個のインデルを有するヘテロ対立遺伝子の組み合わせを表す。ハイフンは、データがないことを示す。詳細な遺伝子型情報を、表4A~表4Dに示す。
【0200】
(表4A)GET2を使用したゲノム編集によって生成されたK326における変異体pmt対立遺伝子。各編集部位(例えば、インデル)の位置は、各PMT遺伝子の対応するcDNA配列上のヌクレオチド番号に対してである。例えば、株17GH1678は、PMT1bの両対立遺伝子変異を有する。2つの対立遺伝子のうちの一方は、PMT1b cDNA配列のヌクレオチド416~419に対応する4つのヌクレオチドの欠失を有する。他方の対立遺伝子は、PMT1b cDNA配列のヌクレオチド418~419に対応する2つのヌクレオチドの欠失を有する。10のヌクレオチドを超える配列について、配列番号が割り当てられ、示されている。
【0201】
(表4B)GET2を使用したゲノム編集によって生成されたTN90の変異体pmt対立遺伝子
【0202】
(表4C)GET2を使用したゲノム編集によって生成されたNLMzの変異体pmt対立遺伝子。NLMzは、3種のニコチンデメチラーゼ遺伝子(CYP82E4、CYP82E5v2、およびCYP82E10)における3つの機能喪失変異を含有するナローリーフマドール品種を指す。
【0203】
(表4D)GET2を使用したゲノム編集によって生成されたオリエンタルタバコの変異体pmt対立遺伝子
【0204】
(表4E)GET1を使用したゲノム編集によって生成されたNLM(Ph Ph)タバコの変異体pmt対立遺伝子
【0205】
(表5A)PMT1b遺伝子で得られた例示的な変異体対立遺伝子のリスト。本明細書および表5B~表5Eに列挙される変異体対立遺伝子の配列は、ゲノム配列の中央に編集部位を有する各編集PMT遺伝子由来の約40のヌクレオチド長のゲノム配列を表す(例えば、欠失または挿入の配列部位の各側の20のヌクレオチド)。これらの変異体対立遺伝子は、表4A~表4Eに列挙されるものに対応する。
【0206】
(表5B)PMT1a遺伝子で得られた例示的な変異体対立遺伝子のリスト
【0207】
(表5C)PMT2遺伝子で得られた例示的な変異体対立遺伝子のリスト
【0208】
(表5D)PMT3遺伝子で得られた例示的な変異体対立遺伝子のリスト
【0209】
(表5E)PMT4遺伝子で得られた例示的な変異体対立遺伝子のリスト
【0210】
実施例3:PMT編集株のアルカロイド分析
対照とともにゲノム編集されたタバコ植物を、75PPM肥料を用いて、温室で、10インチポットで成長させる。開花段階では、植物を摘花し、摘花2週間後、上部から3番目、4番目、および5番目の葉からの葉身試料を収集し、アルカロイドレベルを測定する(表6A~表6Cを参照されたい)。この測定は、CORESTA法第62号、ガスクロマトグラフィー分析によるタバコおよびタバコ製品中のニコチンの決定(2005年2月)に従う方法、ならびに連邦登録第64巻、第55号、1999年3月23日(第74巻、第4号、2009年1月7日修正)に公開された、疾病管理予防センターの無煙タバコ製品中のニコチン、総水分およびpHの分析のためのプロトコルに定義されている方法を使用する。
【0211】
簡潔には、内部標準物を含有する有機溶媒中への液体/液体抽出を使用して、約0.5gのタバコを抽出し、炎イオン化検出(FID)を伴うガスクロマトグラフィー(GC)によって分析する。結果は、そのまま、または乾燥重量基準のいずれかで、重量パーセント(重量%)として報告することができる。乾燥重量基準でデータを報告するには、オーブン揮発物(OV)決定が必要である。特に明記しない限り、本明細書に示される総アルカロイドレベルもしくは個々のアルカロイドレベルまたはニコチンレベルは、乾燥重量基準である(例えば、総アルカロイドのパーセントまたはニコチンのパーセント)。
【0212】
植物はまた、畑に植えられ、収穫され、乾燥タバコ中のアルカロイドおよびTSNAレベルについて試験される。葉の収量と葉の等級の両方も、PMT編集植物について評価する。さらに、個々のPMT遺伝子の異なる変異体の組み合わせが生成され、試験される(例えば、単一変異体、二重変異体、三重変異体、または四重変異体)。
【0213】
実施例4:五重pmtノックアウト変異体を他の低アルカロイドタバコ植物と比較すること
五重pmtノックアウト変異株CS15(NLM(Ph Ph)背景、遺伝子型については、表4Eを参照)を、PMT RNAi導入遺伝子株(VA359背景、米国特許第2015/0322451号に記載)、および低ニコチンKY171(「LN KY171」)品種(nic1およびnic2の二重変異を有するKY171背景)と並べて成長させる。葉を採取し、暗色直火乾燥法を介して乾燥させる。各株を、ニコチンレベルおよび総アルカロイドレベル、葉の収量、ならびに葉の品質について分析する(図2図5)。データは、5種全てのPMT遺伝子を編集することによって、PMT遺伝子の活性を抑制すると、葉の収量または葉の品質を含むことなくニコチンレベルを低減することを示す。
【0214】
実施例5:1種以上のPMT遺伝子において、編集された変異体対立遺伝子を有するタバコ株を得ること
個々のPMT遺伝子またはPMT遺伝子の選択された組み合わせに変異を有するタバコ株は、表3に列挙されるタバコ株から得られる。五重、四重、三重、または二重変異体(それぞれ5種、4種、3種、または2種のPMT遺伝子に変異を有する)を、非変異対照株と交配し、特定のPMT変異の組み合わせについて分離子孫植物を選択すること。表7A~表7Eは、得られる可能性のある変異体の組み合わせを表す。各変異遺伝子は、変異に対してホモ接合性またはヘテロ接合性のいずれかであり得る。表4A~表4Eおよび表10に列挙される変異体対立遺伝子の各々を使用して、単一、二重、三重、五重、または四重変異体を生成することができる。例示的な個々のpmt変異体対立遺伝子を、表9A~表9Eに列挙する。
【0215】
実施例6:pmt変異を他の遺伝子の変異と組み合わせることによる、総アルカロイドのさらなる低減
総アルカロイドおよび/または選択された個々のアルカロイドをさらに低減するために、pmt変異体を、タバコのアルカロイド生合成に関連する追加の遺伝子、例えば、キノレートホスホリボシルトランスフェラーゼ(QPT)またはキノリネートシンターゼ(QS)の変異と組み合わせる。簡潔には、遺伝子編集を使用して、所望のpmt変異体背景(例えば、四重または五重pmt変異体)において選択されたQPTおよび/またはQS遺伝子を変異させる。得られた組み合わせのqpt/pmtまたはqs/pmt変異体では、アルカロイドレベルおよびTSNAレベルを乾燥タバコで試験する。葉の収量と葉の等級の両方も評価する。
【0216】
(表6A)K326のPMT編集株におけるアルカロイドレベル(1グラムの葉の葉身当たりの重量パーセンテージ(乾燥重量)として、ここと表6B、表6C、および表7に示す)
【0217】
(表6B)TN90のPMT編集株におけるアルカロイドレベル
【0218】
(表6C)ナローリーフマドール(NLM)のPMT編集株におけるアルカロイドレベル
【0219】
(表7)様々な品種における五重pmtノックアウト変異体におけるニコチンレベルおよび総アルカロイドレベルの相対変化。ニコチンおよび総アルカロイドの平均パーセントレベルは、表6A~表6Cに示すように、個々の株からのパーセントレベルのデータに基づいて計算される。相対変化は、五重pmt変異体における、その対照と比べたニコチンレベルまたは総アルカロイドレベルを反映する。
【0220】
(表8A)5種のPMT遺伝子の様々な遺伝子型の組み合わせで得られた変異体のリスト:単一遺伝子変異
【0221】
(表8B)5種のPMT遺伝子の様々な遺伝子型の組み合わせで得られた変異体のリスト:二重遺伝子変異
【0222】
(表8C)5種のPMT遺伝子の様々な遺伝子型の組み合わせで得られた変異体のリスト:三重遺伝子の組み合わせ
【0223】
(表8D)5種のPMT遺伝子の様々な遺伝子型の組み合わせで得られた変異体のリスト:四重遺伝子の組み合わせ
【0224】
(表8E)5種のPMT遺伝子の様々な遺伝子型の組み合わせで得られた変異体のリスト:五重遺伝子の組み合わせ
【0225】
実施例7:PMTゲノム編集とタバコ株の開発
さらなるPMTノックアウト変異体は、異なるタバコ株において5種全てのPMT遺伝子(PMT1a、PMT1b、PMT2、PMT3、およびPMT4)を編集することによって生成される。タバコのプロトプラストは、ポリエチレングリコール(PEG)を使用して、ゲノム編集技術(GET2)タンパク質をコードするプラスミドと、所望の位置でPMT遺伝子を標的とする特異的ガイドRNA(gRNA)とを用いてトランスフェクトされる。表9は、PMT編集に使用されるgRNA配列を列挙する。いくつかのgRNA(例えば、番号6および7)は、単一のトランスフェクションで複数種のPMT遺伝子を標的とするために、一緒にプールされる。
【0226】
(表9)実施例7で使用したGET2のためのガイドRNA。「Y」は、gRNAがそのPMT遺伝子を標的とすることができることを示し、一方、「-」は、gRNAがそのPMT遺伝子を標的としないことを示す。
【0227】
次いで、トランスフェクトされたプロトプラストを、1%アガロースビーズに固定し、組織培養に供する。カルスが直径約1mmまで成長したら、TOM2プレート上に撒く。カルスを、断片分析を使用して、標的位置での挿入または欠失(インデル)についてスクリーニングする。野生型対照と比較したサイズシフトを示す候補をさらなる培養のために選択し、結果としての苗条を、再び断片分析によって試験して、インデルの存在を確認する。根付いた苗条を鉢植えし、標的位置について配列決定して、正確な欠失した配列を決定する。各植物からの若葉を採取し、phirekitを使用してPMT断片についてPCR増幅する。各株についてPMTライブラリをインデックス化し、384株をプールし、Miseqを使用して配列決定する。
【0228】
SNP分析を実行して、正確な編集pmt変異体対立遺伝子の配列と、各PMT遺伝子座における接合状態の両方を決定する。表10は、様々なタバコ品種(例えば、バスマ、K326、カテリニ、TN90、イズミル)の各編集された株におけるインデルの配列情報を提供する。
【0229】
(表10)GET2を使用したゲノム編集によって生成された様々な株の変異体pmt対立遺伝子。各編集部位(例えば、インデル)の位置は、各PMT遺伝子の対応するcDNA配列(例えば、PMT1aについて配列番号6、PMT1bについて配列番号7、PMT2について配列番号8、PMT3について配列番号9、PMT4について配列番号10)上のヌクレオチド番号に対するものである。10のヌクレオチドを超える配列について、配列番号が割り当てられ、示されている。
【0230】
表11は、表10に提供されるように、各株内の各遺伝子の各PMTインデルの鎖長(ヌクレオチド単位)を提供する。
【0231】
(表11)表10に提供される選択された株の各インデルの鎖長(ヌクレオチド単位)
【0232】
表12A~表12Eは、ゲノム配列の中央に編集部位を有する各pmt変異体対立遺伝子由来の約90のヌクレオチドのゲノム配列を提供する(例えば、欠失または挿入の配列部位の各側の45のヌクレオチド)。
【0233】
(表12A)PMT1a遺伝子で得られた例示的な変異体対立遺伝子のリスト。本明細書に列挙される変異体対立遺伝子の配列は、ゲノム配列の中央に編集部位を有する各編集PMT1a遺伝子由来の約90のヌクレオチド長のゲノム配列を表す(例えば、欠失した配列部位の各側の45のヌクレオチド)。変異体対立遺伝子は、表10の各株について提供されたインデルに対応する。参照対立遺伝子の配列(配列番号6)の小文字は、変異体対立遺伝子で欠失したヌクレオチドを示す。
【0234】
(表12B)PMT1b遺伝子で得られた例示的な変異体対立遺伝子のリスト。本明細書に列挙される変異体対立遺伝子の配列は、ゲノム配列の中央に編集部位を有する各編集PMT1b遺伝子由来の約90のヌクレオチド長のゲノム配列を表す(例えば、欠失した配列部位の各側の45のヌクレオチド)。変異体対立遺伝子は、表10の各株について提供されたインデルに対応する。参照対立遺伝子の配列(配列番号7)の小文字は、変異体対立遺伝子で欠失したヌクレオチドを示す。
【0235】
(表12C)PMT2遺伝子で得られた例示的な変異体対立遺伝子のリスト。本明細書に列挙される変異体対立遺伝子の配列は、ゲノム配列の中央に編集部位を有する各編集PMT2遺伝子由来の約90のヌクレオチド長のゲノム配列を表す(例えば、欠失した配列部位の各側の45のヌクレオチド)。変異体対立遺伝子は、表10の各株について提供されたインデルに対応する。参照対立遺伝子の配列(配列番号8)の小文字は、変異体対立遺伝子で欠失したヌクレオチドを示す。
【0236】
(表12D)PMT3遺伝子で得られた例示的な変異体対立遺伝子のリスト。本明細書に列挙される変異体対立遺伝子の配列は、ゲノム配列の中央に編集部位を有する各編集PMT3遺伝子由来の約90のヌクレオチド長のゲノム配列を表す(例えば、欠失した配列部位の各側の45のヌクレオチド)。変異体対立遺伝子は、表10の各株について提供されたインデルに対応する。参照対立遺伝子の配列(配列番号9)の小文字は、変異体対立遺伝子で欠失したヌクレオチドを示す。
【0237】
(表12E)PMT4遺伝子で得られた例示的な変異体対立遺伝子のリスト。本明細書に列挙される変異体対立遺伝子の配列は、ゲノム配列の中央に編集部位を有する各編集PMT4遺伝子由来の約90のヌクレオチド長のゲノム配列を表す(例えば、欠失した配列部位の各側の45のヌクレオチド)。変異体対立遺伝子は、表10の各株について提供されたインデルに対応する。参照対立遺伝子の配列(配列番号10)の小文字は、変異体対立遺伝子で欠失したヌクレオチドを示す。
【0238】
実施例8.PMT編集株のアルカロイド分析
実施例7からのホモ接合ゲノム編集タバコ株、ならびに対照株を、畑で成長させる。開花段階では、植物を摘花し、摘花2週間後、植物の上部から3番目、4番目、および5番目の葉からの葉身試料を収集し、アルカロイドレベルを測定する(表13A~表13Cを参照されたい)。この測定は、CORESTA法第62号、ガスクロマトグラフィー分析によるタバコおよびタバコ製品中のニコチンの決定(2005年2月)に従う方法、ならびに連邦登録第64巻、第55号、1999年3月23日(第74巻、第4号、2009年1月7日修正)に公開された、疾病管理予防センターの無煙タバコ製品中のニコチン、総水分およびpHの分析のためのプロトコルに定義されている方法を使用する。
【0239】
内部標準を含有する有機溶媒中への液体/液体抽出を使用して、約0.5gのタバコを抽出し、炎イオン化検出(FID)を用いたガスクロマトグラフィー(GC)によって分析する。結果は、そのまま、または乾燥重量基準のいずれかで、重量パーセント(重量%)として報告することができる。乾燥重量基準でデータを報告するには、オーブン揮発物(OV)決定が必要である。特に明記しない限り、本明細書に示される総アルカロイドレベルもしくは個々のアルカロイドレベルまたはニコチンレベルは、乾燥重量基準である(例えば、総アルカロイドのパーセントまたはニコチンのパーセント)。
【0240】
植物はまた、畑に植えられ、収穫され、乾燥タバコ中のアルカロイドおよびTSNAレベルについて試験される。葉の収量および葉の等級の両方も、PMT編集植物について評価する。
【0241】
(表13A)開花2週間後のK326およびTN90 PMT編集株のニコチン分析
【0242】
(表13B)摘花2週間後のK326およびTN90 PMT編集株のニコチン分析
【0243】
(表13C)開花2週間後のカテリニおよびバスマPMT編集株のニコチン分析
【0244】
実施例9.雄性不稔PMT編集株の開発
PMT編集ハイブリッド株は、実施例7由来の株を使用して開発される。ハイブリッド株は、畑で成長し、雄性不稔株の前駆体として使用される。表14を参照。
【0245】
(表14)PMT編集極低ニコチン雄性不稔株
【0246】
実施例10.PMT編集株は、乾燥中、カビに耐性である
いくつかの低アルカロイドタバコ株から採取されたタバコの葉を、標準的な空気乾燥法に供する。タバコの葉は、乾燥の完了後、カビについて検査される。
【0247】
LA BU21由来のタバコは、TN90 LC、5種全てのPMT遺伝子を下方制御するRNAi構築物を含むTN90品種、アルカロイド生合成遺伝子PR50を下方制御するRNAi構築物を含むTN90品種、およびTN90遺伝的背景内の4つのPMT編集株(CS47、CS59、CS63、およびCS64)よりも多いカビ感染を示す。表15ならびに図6A図6Eおよび図7を参照されたい。
【0248】
(表15)タバコ株ごとのカビ損傷。「G」は、カビほとんどなし/なしを指し、「S」は、若干のカビを指し、「B」は、顕著なカビを指す。カビのパーセンテージは、カビ損傷の各カテゴリーで示されるタバコの空気乾燥スティックの割合を指す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
【配列表】
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