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特許7413358急性虚血性イベントを管理するための装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】急性虚血性イベントを管理するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20240105BHJP
   A61M 25/085 20060101ALI20240105BHJP
   A61B 17/3207 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
A61B17/22
A61M25/085 510
A61B17/3207
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021510018
(86)(22)【出願日】2019-08-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 IB2019000942
(87)【国際公開番号】W WO2020039258
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】62/782,217
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/785,566
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/844,559
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/785,543
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/722,648
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515248931
【氏名又は名称】ニューラヴィ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ベイル・デビッド
(72)【発明者】
【氏名】ケイシー・ブレンダン
(72)【発明者】
【氏名】ミルザ・マームード
(72)【発明者】
【氏名】マッカーシー・レイ
(72)【発明者】
【氏名】コノリー・パトリック
【審査官】神ノ田 奈央
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-086267(JP,A)
【文献】国際公開第2017/142874(WO,A2)
【文献】特表2011-507633(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22
A61B 17/3207
A61M 1/00
A61M 25/085
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
虚血性イベントを治療するためのシステムであって、
血塊を有する閉塞した血管に灌流を回復させるための第1の再灌流デバイスと、
前記血塊を有する前記閉塞した血管に灌流を回復させるための第2の再灌流デバイスと、
前記閉塞した血管内の前記血塊に、前記第1の再灌流デバイス及び前記第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを送達するための送達システムと、
前記閉塞した血管の前記血塊を分析して、前記第1の再灌流デバイス及び前記第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを使用する、個別化治療プロトコルを決定する、血塊分析システムと、を備え、
前記第1の再灌流デバイスがステントレトリーバであり、前記第2の再灌流デバイスがピンチレトリーバである、システム。
【請求項2】
記個別化治療プロトコルが、吸引することと、前記第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、前記第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、のうちの少なくとも1つを使用することから選択される1つ以上の技術を含む、求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記血塊分析システムが、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンシステム及び磁気共鳴撮像(MRI)スキャンシステムのうちの少なくとも1つを更に含み、前記血塊分析システムが、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、前記血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記血塊分析システムが、
前記血塊の基準を決定することであって、前記血塊の赤血球含有量を決定することを含む、ことと、
前記基準に基づいて前記血塊を分類して、分類を生成することと、
前記分類に基づいて、前記血塊に関する前記個別化治療プロトコルを決定することと、
を実施するように構成されており、
前記第1の再灌流デバイスが、赤血球に富む血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたステントレトリーバであり、
前記第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富む血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
前記血塊が赤血球に富んでいることを前記分類が実証する場合、記個別化治療プロトコルが、前記血塊の近くに、前記血塊を通して、又は前記血塊の周囲に前記第1の再灌流デバイスを通過させ、次に、前記第1の再灌流デバイスの内腔内に前記血塊を係合させながら前記第1の灌流デバイスを後退させて、前記血管への再灌流を回復させることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記血塊の基準を決定することが、前記血塊のフィブリン濃度を決定することを更に含み、
前記血塊がフィブリンに富むことを前記分類が実証する場合に、前記個別化治療プロトコルが、前記第2の再灌流デバイスを、前記血塊の近くに、前記血塊を通して、又は前記血塊の周りに通過させて、次に、前記血塊を挟持しつつ、前記第2の再灌流デバイスを後退させて、前記血管への再灌流を回復させることを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記血塊分析システムが、
前記血塊の基準を決定することであって、前記血塊のフィブリン濃度を決定することを含む、ことと、
前記基準に基づいて前記血塊を分類して、分類を生成することと、
前記分類に基づいて、前記血塊に関する前記個別化治療プロトコルを決定することと、
を実施するように構成されており、
前記第1の再灌流デバイスが、赤血球に富む血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたステントレトリーバであり、
前記第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富む血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
前記血塊がフィブリンに富むことを前記分類が実証する場合に、前記個別化治療プロトコルが、前記第2の再灌流デバイスを、前記血塊の近くに、前記血塊を通して、又は前記血塊の周りに通過させて、次に、前記血塊を挟持しつつ、前記第2の再灌流デバイスを後退させて、前記血管への再灌流を回復させることを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記血塊分析システムが、前記血塊をin vivoにて分析するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の再灌流デバイスが、赤血球に富む血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたステントレトリーバであり、
前記第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富む血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されているピンチレトリーバである、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年8月24日出願の米国特許仮出願第62/722,648号、2018年12月19日出願の同第62/782,217号、両方とも2018年12月27日出願の同第62/785,543号及び同第62/785,566号、並びに、2019年5月7日出願の同第62/844,559号の優先権を主張するものである。これらの開示全ては参照としてその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、患者を治療し、脳損傷を最小限に抑えるために、超急性時間枠中の脳卒中などの虚血性イベントを緊急で管理することに関する。詳細には、急性虚血性イベントを管理するために脈管構造を通って前進可能な血管内医療システムに関する。
【背景技術】
【0003】
世界保健機関は、毎年15,000,000回の脳卒中が発生すると推定している。全ての脳卒中の約87%は虚血性であり、血塊が脳の区域への血液の流れを閉塞し、脳の酸素及び栄養素が欠乏する。血塊は、解放されずに塞栓の形態で発達して血管を局所的に閉鎖することがあり、この機構は、冠状動脈の閉鎖の形成において一般的である。急性障害物は、主に血塊であるが、他の原因として、脂肪塞栓、心臓腫瘍、心臓又は動脈の結合組織、間違った場所に配置されたデバイス、移動したデバイスなどがあり得る。血栓塞栓症は、血栓の一部又は全てが血管壁から剥離したときに発生する。この血塊は次いで、血流の方向に運ばれる。血塊は、広範な形態及び粘度を含む可能性がある。長い紐状のより軟質の血塊物質は、2又は3で詰まる傾向があり、その結果、複数の血管が相当な長さにわたって同時に閉塞することがある。また、より古い血塊物質は、より軟質のより新しい血塊より圧縮性が低い可能性があり、血圧の作用下で、詰まっている柔軟な血管を膨張させることがある。血塊はまた、血管構造の同じ領域に詰まった場合であっても、長さが大きく変化する。例えば、虚血性脳卒中患者の中大脳動脈を閉塞する血塊は、長さがわずか数ミリメートルから数センチメートルの範囲であり得る。
【0004】
毎年発生する13,000,000件の虚血性脳卒中のうち、患者の3分の1が死亡し、また別の3分の1に障害が残る。これらの患者における死亡率に関連する主な要因の2つは、閉塞の位置及び治療までの時間である。症状発現から治療までの時間に関しては、当該閉塞の静脈内(IV)血栓溶解が症状発現後4.5時間までの患者に使用されるため、実務上できるだけ早くかかる閉塞を治療することが、血流の途絶につながる合併症を回避するために重要である。指針では、ECASS 3(European Cooperative Acute Stroke Study 3)の試験選択/除外基準を満たす患者に対して、3~4.5時間以内に血栓溶解剤をIV投与することを推奨している。位置に関しては、大学病院で診察を受けた任意抽出の急性脳卒中患者の46%で見られる大血管閉塞は、脳卒中の重症度がより高い。加えて、全ての患者が血栓溶解療法を受けられるわけではなく、したがってt-PA(組織プラスミノーゲン活性化因子)に対して禁忌の患者において、又はt-PA治療が有効でなかった場合は、機械的な血栓摘出術が貴重な代替手段である。これらのより近位の血管は、大量の脳組織に血液を送り込んでおり、したがって臨床医は、現行のNIHSS(National Institute of Health Stroke Scale)スコアを大血管閉塞の指標として使用している。
【0005】
これにより、虚血性脳卒中は、血塊が脳血管系内に詰まった場合に生じることがあることが理解される。米国だけでも、約700,000件の急性虚血性脳卒中(AIS)の症例が毎年発生しており、この数は、人口の高齢化と共に増大すると予測されている。虚血性脳卒中におけるこれらの大動脈の閉塞は、重大な障害及び死亡率に関連する。頭蓋内動脈閉塞の血管再生は、脳卒中治療における治療目標である。
【0006】
血管内機械的血管再生(血栓摘出術)は、急性脳卒中における頭蓋内大血管再疎通のために使用されることが増えている方法又は使用である。現在、「ステントリーバ」又は「ステントレトリーバ」と呼ばれるステント様技術を基準とするそのようなデバイスは、急性虚血性脳卒中における再疎通のための第1世代の血栓摘出デバイスに取って代わりつつある。高レベルの性能を提供することができる血塊除去デバイスの設計に関連する重大な課題が存在する。また、デバイスの送達を困難にする複数のアクセス上の難題が存在する。例えば、血塊が詰まっている可能性のある区域内の脈管構造は、傷つきやすく繊細であることが多い。特に、神経血管は、体の他の部分内の同様のサイズの血管より傷つきやすく、多くの場合、周囲の軟組織層に疎に結合されているだけである。これらの血管に過度の張力が加えられると、穿孔及び出血をもたらすおそれがある。処置時のくも膜下出血(SAH)は、血管内血栓摘出術に関連する最も警戒すべき合併症のうちの1つである。
【0007】
高レベルの性能を提供することができる血塊除去デバイスの設計には、更なる重大な難題が伴う。まず、脈管構造は、デバイスの送達を困難にする複数のアクセス上の難題を呈し得る。アクセスが大動脈弓を進むことを伴う場合(冠状動脈又は大脳の閉鎖など)、一部の患者では、大動脈弓の形状のため、ガイドカテーテルを位置決めすることが困難になる。これらの困難な大動脈弓の構成は、II型又はIII型の大動脈弓として分類され、III型大動脈弓が最大の障害を呈する。
【0008】
現在のデバイス及び手法を使用した不十分な血管再生結果の理由は多面的である。血塊の種類、血塊の長さ、血管構造、及び患者の併存疾患などの難題が、重要な役割を担う可能性がある。一部の患者、特に高齢者では、複雑な血管の蛇行が、これらの困難な閉塞に対処する難題を更に悪化させることがある。蛇行は、場合によりデバイスによって血塊に加えられる力線、並びに血管の移動及び変形の可能性のため、単に血塊にアクセスするだけでなく、血塊を取り除くこともより困難にする可能性がある。
【0009】
血塊の種類の変化に関しては、血塊は、それらの組成、成分分布(不均質性)、及び機械的特性において広い範囲を有し得る。この相違は、それだけに限定されるものではないが、血塊の原因、血塊の位置、血塊ができた時期、細胞含量、非細胞含量、赤血球、血小板、及び白血球を含む複数の要因による。非細胞含量としては、フィブリン、血小板、フォン・ヴィレブランド因子(von Willebrand factor、vWF)(すなわち、止血に関与する血液糖タンパク質)、並びにコラーゲンなどの要因を挙げることができる。他の要因としては、血塊中の血清レベル、石灰化堆積物、脂質、血塊形状、血塊サイズ、成分分布の不均質性、並びに病因を挙げることができる。
【0010】
血塊形成に影響を及ぼすこれらのいくつかの要因のため、幅広い種類の血塊が観察されており、例えば、特定の血塊は、長い紐状の変形可能な血塊物質を有する場合があり、そのような血塊物質は、分岐部又は三分岐部で詰まる傾向があり、その結果、複数の血管が相当な長さにわたって同時に閉塞され得る。より成熟して組織化された血塊物質は、より軟質のより新しい血塊より圧縮性が低い可能性が高く、血圧の作用下で、詰まっている柔軟な血管を膨張させることがある。更に、本開示全体を通して理解されるように、高いフィブリン含量(例えば、40%超のフィブリン含量)を有する血塊は、高い摩擦係数を有する(例えば、より堅い、及び/又は血管壁により強く結合される)場合があり、フィブリンに富む血塊の除去を非常に困難にする。より柔軟で剛性が低い場合がある比較的高い赤血球(RBC)含量の血塊と比較して、脈管構造からフィブリンに富む血塊を除去、又は更には取り除くためには、デバイスを複数回通過させることが必要とされ得る。更に、回収デバイスが血塊と相互作用する動作によって(例えば、デバイスが血塊を最初に通過した後)、血塊の特性が大幅に変化することがある。例えば、血塊の圧縮が血塊の脱水を引き起こし、その結果、血塊の硬さ及び摩擦係数が劇的に増大する可能性がある。
【0011】
機械的血栓摘出処置中に除去された個々の血塊を検査することによって、これらの特徴のうちの多くをin vitroで評価することが可能であるが、in vitro試験にはいくつかの明らかな制限がある。何よりも、in vitro試験には時間がかかり、多くの場合はサンプルを破壊する。サンプルをin vitro分析に適したものにするためには、サンプルをたくさんの処理にかけなければならないことがある。急性虚血性脳卒中などの一部の病態にとって重要なことは、治療までの時間が患者の結果にとって決定的な要因であり、in vitro試験は、サンプリング及び分析に時間を要するため、患者にとって最善の治療を判定するための実際的な方法ではない可能性があることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本開示の解決策は、急性虚血性イベントの管理を向上させるために、in vivo測定手法による当該技術分野のこれらの制限及びその他の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本明細書には、上記の必要性に対処することができる、本開示の種々の代表的なデバイス、システム、及び方法又は使用が開示される。いくつかの実施形態では、血管内の血塊まで送達し、血塊の特性を分析するためのカテーテルが開示される。カテーテルは、近位端及び遠位端を有する内腔と、脈管構造内の血塊の部位で血塊組成を分析するための分光学的機構と、を含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用が開示され、これは、血塊の基準を決定することと、基準に基づいて血塊を分類して、分類を生成することと、分類に基づいて、血塊に関する個別化治療プロトコルを決定することであって、個別化治療プロトコルが、吸引することと、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させること、及び第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、のうちの少なくとも1つを使用することから選択される1つ以上の技術を含む、ことと、個別化治療プロトコルに基づいて血塊を処置することと、を含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、血塊を分類する工程は、in vivoで実施される。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1の再灌流デバイスはステントレトリーバであり、また第2の再灌流デバイスはピンチレトリーバである。
【0017】
いくつかの実施形態では、血塊を分類することは、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することと、並びにCTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の再灌流デバイスは、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されたステントレトリーバであり、また第2の再灌流デバイスは、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されたピンチレトリーバである。特定の実施形態では、血塊が赤血球に富んでいることを分類が実証する場合、次に、個別化治療プロトコルは、血塊を通して又は血塊の周囲に第1の再灌流デバイスを通過させ、次に、第1の再灌流デバイスの内腔内に血塊を係合させながら第1の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることを含むことができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の再灌流デバイスは、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されたステントレトリーバであり、また第2の再灌流デバイスは、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されたピンチレトリーバである。特定の実施形態では、血塊がフィブリンに富んでいることを分類が実証する場合、次に、個別化治療プロトコルは、血塊を通して又は血塊の周囲に第2の再灌流デバイスを通過させ、次に、血塊を挟みながら第2の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、血塊が30%以上の赤血球数で構成される場合に、血塊は赤血球が豊富であると分類される。いくつかの実施形態では、血塊が30%以上の白血球数で構成される場合に、血塊は白血球が豊富であると分類される。いくつかの実施形態では、血塊が30%以上のフィブリンで構成される場合に、血塊はフィブリンが豊富であると分類される。
【0022】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定する工程は、血塊の周囲において、血塊と連通した操作中の計算装置により情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、実時間(例えば、瞬時又は分析実行の数分以内)にて決定することを含む。いくつかの実施形態では、本方法又は使用はまた、計算装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して個別化治療プロトコルを受信することと、計算装置により、血塊を伴う血管の灌流を監視することと、計算装置により、血管内で回復されている灌流に応答して警告することと、を含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、計算装置は、血塊に関する情報を解釈して個別化治療プロトコルを決定するための相関データを含む、データベースに連結される。データベースは、計算装置から遠隔であってよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することと、脈管構造内の血塊の部位の第1の位置において、カテーテルに連結された近赤外分光法(NIR)のための器具を使用して、血塊の第1の読み取り値を得ることと、第1の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルは、血塊の化学組成及び/又は血塊の物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定する工程は、スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、実時間にて決定することを、更に含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用はまた、血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてNIRのための器具を使用することにより、血塊の第2の読み取り値を取得することと、第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、第2の読み取り値のスペクトルは、血塊の化学組成及び/又は物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、第1の読み取り値及び第2の読み取り値のスペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置のうち少なくとも1つを瞬時に決定することと、を含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、その近位端部及びその遠位端部において血塊の測定値を取得することと、その近位端部及びその遠位端部における血塊の測定値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルは、血塊の化学組成及び/又は物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定する工程は、脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することと、脈管構造内の血塊の部位において、カテーテルに連結されたラマン分光法(及び/又はスペクトルの可視領域)のための器具を使用して、血塊の第1の読み取り値を得ることと、第1の読み取り値からスペクトルを発生させることと、を含み、スペクトルは、血塊の化学組成及び/又は血塊の物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する。いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定する工程はまた、スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を、実時間にて決定することを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてラマン分光法用の器具を使用することにより、血塊の第2の読み取り値を取得することと、第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、第2の読み取り値のスペクトルは、血塊の化学組成及び/又は物理的特性に関連する、ことと、第1の読み取り値及び第2の読み取り値のスペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置のうち少なくとも1つをリアルタイムに決定することと、を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、血塊の処置工程は、血塊の一部を回収することを含む。本方法又は使用はまた、回収された血塊及び/又は血塊の1つ以上の断片を分析すること、及び回収された血塊の分析又は血塊へのアクセス及び交差の分析に基づいて血塊処置工程を選択すること、を含み得る。しかし、本例は、このように限定されず、また本実施形態の血塊分析は、それぞれの再灌流デバイス(例えば、血清、又は血塊に関連する任意のその他の粒子)と連通した、又は別の方法で連結された、任意の物質を分析することを含む、と想到される。
【0031】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定する工程は、白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することを含む。本方法又は使用は、第1の血塊特性定量的指標及び第2の血塊特性定量的指標を相関データと比較することと、吸引、第1の再灌流デバイス、及び/又は第2の再灌流デバイスから選択される1つ以上の技術を使用することの、選択及び/又は順序を決定することと、を含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、虚血性イベントを治療するためのシステムが開示される。システムは、虚血性イベントを有する被検体の血塊のin vivo分析情報を提供するための手段と、分析情報に基づいて被検体の個別化治療プロトコルの指標を提供するための手段(個別化処置は、吸引を使用すること、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させること、及び/又は第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることから選択される1つ以上の技術を含む)と、個別化治療プロトコルに基づいて血塊を処置するための手段と、を含むことができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、システムの第1の再灌流デバイスは、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたステントレトリーバであり、また第2の再灌流デバイスは、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたピンチレトリーバである。いくつかの実施形態では、血塊が赤血球に富んでいることを指標が実証する場合、次に、個別化処理プロトコルは、血塊を通して又は血塊の周囲に第1の再灌流デバイスを通過させ、次に、第1の再灌流デバイスの内腔内に血塊を係合させながら第1の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させるための手段を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、第1の再灌流デバイスは、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されたステントレトリーバであり、また第2の再灌流デバイスは、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されたピンチレトリーバである。いくつかの実施形態では、血塊がフィブリンに富んでいることを分類が実証する場合、次に、個別化治療プロトコルは、血塊を通して又は血塊の周囲に第2の再灌流デバイスを通過させ、次に、血塊を挟みながら第2の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させるための手段を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、虚血性イベントを治療するためのシステムが開示される。システムは、血塊を有する閉塞した血管に灌流を回復させるための第1の再灌流デバイスを含み得る。システムは、血塊を有する閉塞した血管に灌流を回復させるための第2の再灌流デバイスを含むことができる。システムは、閉塞した血管内の血塊に第1の再灌流デバイス及び第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを送達するための、送達システムを含むことができる。システムは、閉塞した血管の血塊を分析して個別化治療プロトコルを決定するための、血塊分析システムを含むことができる。送達システムは、ガイドカテーテル、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル等のうちの少なくとも1つを含むことができ、これらのそれぞれは、脈管構造を通って血塊の部位へと送達されるように動作可能である。
【0036】
いくつかの実施形態では、分光学的機構は、血塊を貫通することができる光を放出して、分光学的機構の光に曝露された血塊の1つ以上の部分の化学組成及び/又は物理的特性に関連するスペクトルを生成するように構成されている。スペクトルは、血塊の1つ以上の部分の化学組成及び/又は物理的特性に関連する指標を提供するスペクトル帯域を含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、分光学的機構は、カテーテルの遠位端まで又は遠位端に隣接して延在する光ファイバ又はファイババンドルと、遠位端に隣接して又は遠位端において所定の角度で配向された鏡とを含む。光は、光ファイババンドルから放出され、血管壁及び/又は血塊に向かって反射され得る。所定の角度は約45°であってもよい。光は、約90°で鏡から血管壁に向かって反射され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、カテーテルは、360°回転し、血塊を含む血管の360°スキャンを行うことができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、分光学的機構はカテーテルと一体化され、血塊を貫通して近赤外分光法(NIRS)を使用して血塊を分析できる光を放出するように構成されている。分光学的機構は、近赤外領域の電磁スペクトル(780~2500マイクロメートル)を含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、分光学的機構はカテーテルと一体化され、ラマン分光法を用いて血塊組成を分析するように構成されている。
【0041】
いくつかの実施形態では、分光学的機構はカテーテルと一体化され、血塊を貫通して血塊組成を分析することができる光を放出する可視光診断デバイスとして構成されている。
【0042】
いくつかの実施形態では、脈管構造内の虚血性血塊を分析するためのマイクロカテーテルが開示される。マイクロカテーテルは、近位端及び遠位端を有する内腔を含み得る。分光学的検知装置を遠位端に接続することができ、それにより、分光学的検知装置を、マイクロカテーテルの遠位端によって血塊の特性を測定するように構成することができる。遠位端は、透明な窓部分と、窓部分に隣接する不透明な吸収性部分とを含み得る。窓部分は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びペルフルオロ化ポリマーのうちの1つ以上を使用して構築される。
【0043】
いくつかの実施形態では、分光学的検知装置は、近赤外領域の電磁スペクトル(780~2500マイクロメートル)を含み得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用が開示される。本方法又は使用は、脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することを含み得る。カテーテルは、近位端及び遠位端を有する内腔と、遠位端に接続された分光学的検知装置とを含むことができ、分光学的検知装置は、カテーテルの遠位端によって血塊の特性を測定するように構成されている。本方法又は使用は、脈管構造内の血塊の部位の第1の位置で、分光学的検知装置を使用して血塊の第1の測定値を取得することを含み得る。本方法又は使用はまた、第1の測定値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルが血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことを含み得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、基準に基づいて血塊を分類して、分類を生成することを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、カテーテルの遠位端を血塊の遠位側に前進させることと、次に、カテーテルの遠位端を血塊を通して後方に後退させながら、同時にカテーテルを回転させて、血塊によって閉塞されている血管の長さにわたってスペクトルマップを生成することと、を含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、スペクトルに基づいて血塊の異なるスペクトル特性を測定することによって、血塊の1つ以上の物理的特性を確認することを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にて分光学的検知装置を使用して血塊の第2の測定値を取得することと、第2の測定値からスペクトルを発生させることであって、第2の測定値のスペクトルが血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、第1の測定値又は第2の測定値又は複数の測定値を取得する工程は、それぞれの第1の位置又は第2の位置又は複数の位置で血塊を貫通する分光学的検知装置からの光を放出することと、分光学的装置の放出された光に曝露された血塊領域の化学組成及び/又は物理的特性に関連するスペクトルを生成することと、を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、カテーテルを360°回転させることと、血塊の血管の内側を走査して、360°スキャンを生成することとを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、最初に血栓に対して遠位に配置した後、カテーテル先端部を閉塞部を通して後方に引っ張りながら、同時に回転させることを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、最初に血栓に対して近位に配置した後、カテーテル先端部を閉塞部を通して前方に前進させながら、同時に回転させることを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、分光学的検知装置は、マイクロカテーテル内部に配置され、マイクロカテーテルの遠位端まで又は遠位端に隣接して延在する光ファイババンドルと、遠位端に隣接して又は遠位端において所定の角度で配向された鏡とを含む。この点において、第1の測定値又は第2の測定値を取得する工程は、光ファイババンドルから放出されるものを放出させることと、血塊及び/又は血塊の脈管構造の血管壁に向かって光を反射することとを含む。鏡の所定の角度は約45°であってもよい。光は、約90°で鏡から血管壁に向かって反射され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、分光学的検知装置はカテーテルと一体化されてもよく、血塊を貫通して近赤外分光法を使用して血塊を分析できる光を放出するように構成されている。
【0056】
いくつかの実施形態では、分光学的検知装置はカテーテルと一体化されてもよく、血塊を貫通してラマン分光法を使用して血塊を分析できる光を放出するように構成されている。
【0057】
いくつかの実施形態では、分光学的検知装置はカテーテルと一体化された可視光診断デバイスであり、血塊を貫通かつ分析できる光を放出するように構成されている。
【0058】
いくつかの実施形態では、血塊を分類する工程は、血塊組成の組織学的定量化、血塊の機械工学的検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、及び脳血管造影のうち1つ以上を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用はまた、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することにより血塊の基準を決定することと、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定する工程は、血塊の周囲において、血塊と操作可能に連通した計算装置により情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を、リアルタイムに決定することを更に含む。この点に関して、本方法又は使用は、計算装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して個別化治療プロトコルを受信することと、計算装置により、血塊を伴う血管の灌流を監視することと、計算装置により、血管内で回復されている灌流に応答して警告することと、を含み得る。計算装置を、血塊に関する情報を解釈して個別化治療プロトコルを決定するための相関データを含むデータベースに連結することができ、データベースは計算装置から遠隔である。
【0061】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定する工程は、白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、又は血塊弾性のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することを含む。この点において、決定する工程は、白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、又は血塊弾性のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を含み得る。本方法又は使用はまた、第1の血塊特性定量的指標及び第2の血塊特性定量的指標を相関データと比較すること、並びに吸引、第1の再灌流デバイス、及び/又は第2の再灌流デバイスから選択される1つ以上の技術を使用することの、選択及び順序のうち少なくとも1つを決定すること、を含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、血塊を分析するシステムを較正するための方法又は使用が開示される。本方法又は使用は、分光光度計を使用して事前に走査された1つ以上の血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つのデータベースを提供することと、データベース及び参照分析方法又は使用を使用してデータの較正セットを生成することと、データの較正セットを、血塊を分析するシステムの分光学的検知装置のスペクトル特性と相関させることと、を含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、本システムは、近位端及び遠位端を有する内腔と、遠位端に接続された分光学的検知装置であって、カテーテルの遠位端によって血塊の特性を測定するように構成されている分光学的検知装置と、を含む、カテーテルを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための標的血管内に位置する血塊と共に使用するためのシステムが開示される。本システムは、近位端から遠位端まで長手方向に延在するガイドワイヤを含むことができ、遠位端は、血塊及び標的血管に対するその配向を制御するように構成されている。ガイドワイヤは、遠位端上又は遠位端に隣接して配置された1つ以上のセンサを含むことができ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の特性を検知し、検知された特性に基づいて血塊を処置するように構成されている。
【0065】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端は、標的血管の内壁への損傷を防止するように構成されている。
【0066】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの外面上に配置された近赤外(NIR)センサである。
【0067】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである。
【0068】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能なラマン分光センサである。
【0069】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能な1つ以上の光ファイバストランド又はバンドルである。
【0070】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端は、血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端であり、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの外面の周囲に円周方向に配置される。
【0071】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端は平坦な遠位部分であり、この部分は、平面の幾何形状、及び残りの非平坦部分の外径より小さい厚さを有する。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つは、血塊の特性を検知するために平坦な遠位部分上に配置され、1つ以上のセンサのうちの他方は、血管壁の特性を検知するために残りの非平坦部分上に配置される。
【0072】
いくつかの実施形態では、平坦な遠位部分は、パドル幾何形状を有する。
【0073】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端は、血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端であり、標的血管の内壁と血塊との間を通過するとき、標的血管の内壁の輪郭と相補的に、横方向に適合可能である。外部機械的力の適用を受ける圧縮状態にあるとき、ガイドワイヤの遠位端の横方向に最も広い幅は縮小可能である。
【0074】
いくつかの実施形態では、本システムはまた、近位端と遠位端とを備えるマイクロカテーテルを含み、ガイドワイヤは、マイクロカテーテルを通って前進可能である。外部機械的力の適用を受けない非圧縮状態では、ガイドワイヤの血塊を回避する非外傷性の遠位端は、内腔の内径を超える(例えば、2倍大きい、3倍大きいなど)横方向に最も広い幅を有する。
【0075】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用が開示される。本方法又は使用は、脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、ガイドワイヤは、ガイドワイヤの遠位部分に接続されるか又は遠位部分に隣接した1つ以上のセンサを含み、1つ以上のセンサは、脈管構造内の血塊の特性を測定するように構成されている、ことと、脈管構造内の血塊の部位の第1の位置において、1つ以上のセンサを使用して血塊の特性を検知することと、検知された特性から出力を生成することであって、出力は、血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含み得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つを、血塊の特性を検知するために平坦な遠位部分上に配置することと、1つ以上のセンサのうちの他方を、血管壁の特性を検知するために残りの非平坦部分上に位置付けることと、を含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、検知された特性に基づいて血塊を分類し、分類を生成することを含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、出力に基づいて血塊の異なるスペクトル特性を測定することによって、血塊の1つ以上の物理的特性を確認することを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、出力内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にて1つ以上のセンサを使用して血塊の特性を検知することと、第2の位置から出力を発生させることであって、第2の位置の出力が血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、出力並びに、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上に基づいて、血塊を分類することを含む。
【0082】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することにより血塊の基準を決定することと、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することにより、血塊の基準を決定することを含む。
【0084】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための標的血管内に位置する血塊と共に使用するための血管内医療システムが開示される。本システムは、近位端から遠位端まで長手方向に延在するガイドワイヤを含むことができ、ガイドワイヤは複数の温度センサを備え、温度センサのうちの少なくとも1つが遠位端の近位に位置付けられ、センサのうちの他方のうちの1つ以上が、遠位端上又は遠位端に隣接して位置付けられ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の温度を検知し、血塊の特性を識別するように構成されている。
【0085】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、血塊及び標的血管の複数の位置の温度を同時に測定するように構成されている。
【0086】
いくつかの実施形態では、センサは、血塊の領域を測定するために、遠位端に沿った位置に選択的に位置付けられる。
【0087】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサはそれぞれ、血塊の領域を測定するために、遠位端に沿った位置で所定の距離だけ離間されている。
【0088】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端は、送達構成において血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端を有する拡張外辺部を含み、1つ以上のセンサは、拡張外辺部の周囲に配設されている。
【0089】
いくつかの実施形態では、拡張外辺部は、楕円形、湾曲形状、又はパドル幾何形状を有する。
【0090】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端は、送達構成においてその間に空隙を有するループによって画定される拡張外辺部を含み、ループは、遠位方向に延在し、遠位端で接合された2つの細長い区分を含み、1つ以上のセンサは、細長い区分の周囲に配設されている。
【0091】
いくつかの実施形態では、ループ及び空隙は、楕円形、湾曲形状、又はパドル幾何形状を有する。
【0092】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端は、標的血管の内壁と血塊との間を通過するとき、標的血管の内壁の輪郭に相補的に、横方向に適合可能であり、外部機械的力の適用を受ける圧縮状態では、ガイドワイヤの遠位端の横方向に最も広い幅は縮小可能である。
【0093】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用が開示される。本方法又は使用は、脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、複数の温度センサを備え、温度センサのうちの少なくとも1つが遠位端の近位に位置付けられ、センサのうちの他方のうちの1つ以上が、遠位端上又は遠位端に隣接して位置付けられ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の温度を検知し、血塊の特性を識別するように構成されている、ことと、血塊の遠位の第1の位置、血塊内の第2の位置、及び血塊の近位の第3の位置で温度センサを使用して、血塊の特性を検知することと、検知された特性から出力を生成することであって、出力が、血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関する、ことと、を含み得る。
【0094】
いくつかの例では、温度センサを用いて特性を検知する工程は、各位置で同時に行われる。
【0095】
いくつかの例では、本方法又は使用は、血塊の領域を測定するために、遠位端に沿った所定の位置にセンサを選択的に位置付けることを含み得る。
【0096】
いくつかの例では、本方法又は使用は、血塊の領域を測定するために、遠位端に沿った位置で各センサを所定の距離だけ離間することを含み得る。
【0097】
いくつかの例では、ガイドワイヤの遠位端は、送達構成において血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端を有する拡張外辺部を含み、1つ以上のセンサは、拡張外辺部の周囲に配設されている。
【0098】
いくつかの例では、本方法又は使用は、検知された特性に基づいて血塊を分類し、分類を生成することを含み得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、出力に基づいて血塊を処置するための1つ以上のデバイス及び/又は手順工程を選択することを含み得る。
【0100】
いくつかの例では、本方法又は使用は、出力内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、血小板含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、血塊密度、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを含み得る。
【0101】
いくつかの例では、本方法又は使用は、出力並びに、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上に基づいて、血塊を分類することを含み得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用が開示される。本方法又は使用は、脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、複数の温度センサを備え、温度センサのうちの少なくとも1つが遠位端の近位に位置付けられ、センサのうちの他方のうちの1つ以上が、遠位端上又は遠位端に隣接して位置付けられ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の温度を検知し、血塊の特性を識別するように構成されている、ことと、血塊内の複数の位置で温度センサを使用して、血塊の特性を検知することと、検知された特性から出力を生成することであって、出力が、血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関する、ことと、を含み得る。
【0103】
いくつかの例では、本方法又は使用は、血塊の遠位及び/又は近位の位置で血塊の検知特性を分類することを含み得る。
【0104】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用が開示される。本方法又は使用は、血塊の基準を決定することと、基準に基づいて血塊を分類して、分類を生成することと、分類に基づいて、血塊に関する個別化治療プロトコルを決定することであって、個別化治療プロトコルが、吸引すること、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させること、及び第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させること、のうちの少なくとも1つを使用することから選択される1つ以上の技術を含む、ことと、個別化治療プロトコルに基づいて血塊を処置することと、を含み得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、血塊を分類する工程は、例えば、1つ以上のセンサを有するガイドワイヤなどの本明細書に開示されている検知装置のいずれかを使用して行われる。
【0106】
いくつかの実施形態では、第1の再灌流デバイスはステントレトリーバであり、また第2の再灌流デバイスはピンチレトリーバである。
【0107】
いくつかの実施形態では、血塊を分類することは、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上を含む。
【0108】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することと、並びにCTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を含み得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、第1の再灌流デバイスは、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたステントレトリーバであり、また第2の再灌流デバイスは、フィブリンに富んだ及び/若しくは血小板に富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたピンチレトリーバである。特定の実施形態では、血塊が赤血球に富んでいることを分類が実証する場合、次に、個別化治療プロトコルは、血塊を通して又は血塊の周囲に第1の再灌流デバイスを通過させ、次に、第1の再灌流デバイスの内腔内に血塊を係合させながら第1の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることを含むことができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、第1の再灌流デバイスは、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたステントレトリーバであり、また第2の再灌流デバイスは、フィブリンに富んだ及び/若しくは血小板に富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたピンチレトリーバである。特定の実施形態では、血塊がフィブリンに富んでいる及び/又は血小板に富んでいることを分類が実証する場合、次に、個別化治療プロトコルは、血塊を通して又は血塊の周囲に第2の再灌流デバイスを通過させ、次に、血塊を挟みながら第2の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることを含み得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、血塊が30%以上の赤血球数で構成される場合に、血塊は赤血球が豊富であると分類される。いくつかの実施形態では、血塊が30%以上の白血球数で構成される場合に、血塊は白血球が豊富であると分類される。いくつかの実施形態では、血塊が30%以上のフィブリンで構成される場合に、血塊はフィブリンが豊富及び/又は血小板が豊富であると分類される。
【0112】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定する工程は、血塊の周囲において、血塊と連通した操作中の計算装置により情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、実時間(例えば、瞬時又は分析実行の数分以内)にて決定することを含む。いくつかの実施形態では、本方法又は使用はまた、計算装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して個別化治療プロトコルを受信することと、計算装置により、血塊を伴う血管の灌流を監視することと、計算装置により、血管内で回復されている灌流に応答して警告することと、を含み得る。
【0113】
いくつかの実施形態では、計算装置は、血塊に関する情報を解釈して個別化治療プロトコルを決定するための相関データを含む、データベースに連結される。データベースは、計算装置から遠隔であってよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、脈管構造内の血塊の部位にガイドワイヤ、例えば、1つ以上のセンサを有する本明細書に開示されているガイドワイヤを送達することと、脈管構造内の血塊の部位の第1の位置において、ガイドワイヤに連結された近赤外分光法(NIR)のための器具を使用して、血塊の第1の読み取り値を得ることと、第1の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルは、血塊の化学組成及び/又は血塊の物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む。
【0115】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定する工程は、スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、実時間にて決定することを、更に含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用はまた、血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてNIRのための器具を使用することにより、血塊の第2の読み取り値を取得することと、第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、第2の読み取り値のスペクトルは、血塊の化学組成及び/又は物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、第1の読み取り値及び第2の読み取り値のスペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置のうち少なくとも1つを瞬時に決定することと、を含み得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、その近位端部及びその遠位端部において血塊の測定値を取得することと、その近位端部及びその遠位端部における血塊の測定値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルは、血塊の化学組成及び/又は物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定する工程は、脈管構造内の血塊の部位にガイドワイヤ、例えば、1つ以上のセンサを有する本明細書に開示されているガイドワイヤのうち任意のものを送達することと、脈管構造内の血塊の部位において、ガイドワイヤに連結されたラマン分光法(及び/又はスペクトルの可視領域)のための器具を使用して、血塊の第1の読み取り値を得ることと、第1の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルは、血塊の化学組成及び/又は血塊の物理的特性のうちの少なくとも1つに関連することと、を含む。いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定する工程はまた、スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を、実時間にて決定することを含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてラマン分光法用の器具を使用することにより、血塊の第2の読み取り値を取得することと、第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、第2の読み取り値のスペクトルは、血塊の化学組成及び/又は物理的特性に関連する、ことと、第1の読み取り値及び第2の読み取り値のスペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置のうち少なくとも1つをリアルタイムに決定することと、を含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、血塊の処置工程は、血塊の一部を回収することを含む。本方法又は使用はまた、回収された血塊及び/又は血塊の1つ以上の断片を分析すること、及び回収された血塊の分析又は血塊へのアクセス及び交差の分析に基づいて血塊処置工程を選択すること、を含み得る。しかし、本例は、このように限定されず、また本実施形態の血塊分析は、それぞれの再灌流デバイス(例えば、血清、又は血塊に関連する任意のその他の粒子)と連通した、又は別の方法で連結された、任意の物質を分析することを含む、と想到される。
【0121】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定する工程は、白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することを含む。本方法又は使用は、第1の血塊特性定量的指標及び第2の血塊特性定量的指標を相関データと比較すること、並びに吸引、第1の再灌流デバイス、及び/又は第2の再灌流デバイスから選択される1つ以上の技術を使用することの、選択及び/又は順序を決定すること、を含み得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、虚血性イベントを治療するためのシステムが開示される。システムは、虚血性イベントを有する被検体の血塊のin vivo分析情報を提供するための手段と、分析情報に基づいて被検体の個別化治療プロトコルの指標を提供するための手段(個別化処置は、吸引を使用すること、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させること、及び/又は第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることから選択される1つ以上の技術を含む)と、個別化治療プロトコルに基づいて血塊を処置するための手段と、を含むことができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、システムの第1の再灌流デバイスは、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたステントレトリーバであり、また第2の再灌流デバイスは、フィブリンに富んだ及び/若しくは血小板に富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたピンチレトリーバである。いくつかの実施形態では、血塊が赤血球に富んでいることを指標が実証する場合、次に、個別化処理プロトコルは、血塊を通して又は血塊の周囲に第1の再灌流デバイスを通過させ、次に、第1の再灌流デバイスの内腔内に血塊を係合させながら第1の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させるための手段を含む。
【0124】
いくつかの実施形態では、第1の再灌流デバイスは、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたステントレトリーバであり、また第2の再灌流デバイスは、フィブリンに富んだ及び/若しくは血小板に富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたピンチレトリーバである。いくつかの実施形態では、血塊がフィブリンに富んでいる及び/又は血小板に富んでいることを分類が実証する場合、次に、個別化治療プロトコルは、血塊を通して又は血塊の周囲に第2の再灌流デバイスを通過させ、次に、血塊を挟みながら第2の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させるための手段を含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、虚血性イベントを治療するためのシステムが開示される。システムは、血塊を有する閉塞した血管に灌流を回復させるための第1の再灌流デバイスを含み得る。システムは、血塊を有する閉塞した血管に灌流を回復させるための第2の再灌流デバイスを含むことができる。システムは、閉塞した血管内の血塊に第1の再灌流デバイス及び第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを送達するための、送達システムを含むことができる。システムは、閉塞した血管の血塊を分析して個別化治療プロトコルを決定するための、血塊分析システムを含むことができる。送達システムは、ガイドカテーテル、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル等のうちの少なくとも1つを含むことができ、これらのそれぞれは、脈管構造を通って血塊の部位へと送達されるように動作可能である。
【0126】
いくつかの実施形態では、標的血管内に位置する血塊を治療する血管内医療システムのためのガイドワイヤを製造する方法又は使用が開示される。本方法又は使用は、ガイドワイヤの実質上平面の遠位端を形成することと、血塊を検知するための1つ以上のセンサをガイドワイヤ上に位置決めすることと、を含むことができ、遠位端は、遠位端上で実質上平面であり、遠位端の近位にあるガイドワイヤの残りより広く、所定の形状は、ガイドワイヤが血塊へ送達されるとき、ガイドワイヤ先端部が穿通血管に入ることを防止する(例えば、ガイドワイヤ先端部が穿通血管に入る可能性を最小限に抑える)ように構成されている。
【0127】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの遠位端上に位置決めされる。
【0128】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤ上で遠位端の近位に位置決めされる。
【0129】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、血管壁を検知するための1つ以上のセンサをガイドワイヤの残りに位置決めすることを含む。
【0130】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、1つ以上のセンサをガイドワイヤの両側に対称に位置決めすることと、血塊及び血管壁の両方を検知することと、を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、遠位端は、穿通枝を保護し、血塊に対するガイドワイヤの向きを制御するように、実質上平面である。
【0132】
いくつかの実施形態では、遠位端は、1つ以上のセンサを受け取るように実質上平面である。
【0133】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、ガイドワイヤの遠位端内へ所定の形状を切り込むことを含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、センサは、ガイドワイヤの近位端と遠位端との間で近赤外(NIR)信号を伝送するように構成されたNIRセンサである。
【0135】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである。
【0136】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能なラマン分光センサである。
【0137】
いくつかの実施形態では、センサは、ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能な1つ以上の光ファイバストランド又はバンドルである。
【0138】
いくつかの実施形態では、標的血管内に位置する血塊を治療する血管内医療システムのためのガイドワイヤを製造する方法又は使用が開示される。この方法は、ガイドワイヤの実質上平面の遠位端を形成することと、ガイドワイヤの遠位端内へ所定の形状を切り込むことと、を含むことができ、遠位端は、遠位端の近位にあるガイドワイヤの残りより広く、所定の形状は、ガイドワイヤが血塊へ送達されるとき、ガイドワイヤ先端部が穿通血管に入ることを防止するように構成される。
【0139】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの実質上平面の遠位端を形成する工程は、記憶合金のシャフトを提供することと、シャフトの遠位端を平坦化し、又は実質上平面にして、パドル様形状にすることと、を更に含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの実質上平面の遠位端を形成する工程は、シャフトを研削することと、シャフトの遠位端を平坦化し、又は実質上平面にして、パドル様形状にすることと、を更に含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端内へ所定の形状を切り込む工程は、所定の外形に沿って遠位端をレーザ切断することを含む。
【0142】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端内へ所定の形状を切り込む工程は、所定の外形に沿って遠位端に打抜き加工、水噴射、プレス加工、又は放電加工を施すことを含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端内へ所定の形状を切り込む工程は、所定の外形に沿って遠位端に打抜き加工を施すことを含む。
【0144】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、外側ポリマー層又はコーティング又は外装をガイドワイヤに加えることを含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、層又はコーティング又は外装は、放射線不透過性材料を含む。
【0146】
いくつかの実施形態では、層又はコーティング又は外装は、実質上放射線不透過性である。
【0147】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、近位端が遠位端より厚くなるように、ガイドワイヤの一部分をテーパ状にすることを含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、近位端が遠位端より厚くなるように、ガイドワイヤのコアをテーパ状にすることを含む。
【0149】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤのコアの近位端は、遠位端より少なくとも0.004”厚い。
【0150】
いくつかの実施形態では、実質上平面の遠位端の直径は、遠位端の近位にある近位部分の直径より大きい。
【0151】
いくつかの実施形態では、近位部分の直径は、遠位端の直径より少なくとも50%小さい。
【0152】
いくつかの実施形態では、近位部分の直径は、遠位端の直径より少なくとも0.014”小さい。
【0153】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端は、血塊を取り囲むように構成された非外傷性の遠位端である。
【0154】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端は、平面の幾何形状、及び残りの平坦化されていない部分の外径より小さい厚さを含む。
【0155】
いくつかの実施形態では、平坦な遠位部分は、パドル幾何形状を有する。
【0156】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端は、血塊を取り囲むように構成された非外傷性の遠位端であり、標的血管の内壁と血塊との間を通過するとき、標的血管の内壁の外形に対して相補的に横方向に一致し、ガイドワイヤの遠位端は、マイクロカテーテルから配備された後、実質上平面の遠位端の形状へ弾性回復することが可能である。
【0157】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、近位端及び遠位端を備えるマイクロカテーテルを通ってガイドワイヤを前進させることを含む。ガイドワイヤの遠位端は、マイクロカテーテルから配備された後、マイクロカテーテルの管腔の内径の2倍より大きくすることができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、本方法又は使用は、近位端及び遠位端を備えるマイクロカテーテルを通ってガイドワイヤを前進させることを含む。ガイドワイヤの遠位端は、マイクロカテーテルから配備された後、マイクロカテーテルの管腔の内径より大きくすることができる。
【0159】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための使用が開示され、本使用は、血塊の基準を決定することと、基準に基づいて血塊を分類して、分類を生成することと、分類に基づいて、血塊に関する個別化治療プロトコルを決定することであって、個別化治療プロトコルが、吸引すること、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させること、及び第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させること、のうちの少なくとも1つを使用することから選択される1つ以上の技術を含む、ことと、個別化治療プロトコルに基づいて血塊を処置することと、を含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、血塊を分類することは、in vivoで実施される。
【0161】
いくつかの実施形態では、第1の再灌流デバイスはステントレトリーバであり、また第2の再灌流デバイスはピンチレトリーバである。
【0162】
いくつかの実施形態では、血塊を分類することは、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上を含む。
【0163】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することと、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を含む。
【0164】
いくつかの実施形態では、第1の再灌流デバイスは、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたステントレトリーバであり、また第2の再灌流デバイスは、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたピンチレトリーバであり、血塊が赤血球に富んでいることを分類が実証する場合、次に、個別化治療プロトコルは、血塊の近くに、血塊を通して、又は血塊の周囲に第1の再灌流デバイスを通過させることと、次に、第1の再灌流デバイスの内腔内に血塊を係合させながら第1の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることとを含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、第1の再灌流デバイスは、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたステントレトリーバであり、また第2の再灌流デバイスは、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたピンチレトリーバであり、血塊がフィブリンに富んでいることを分類が実証する場合、次に、個別化治療プロトコルは、血塊の近くに、血塊を通して、又は血塊の周囲に第2の再灌流デバイスを通過させることと、次に、血塊をピンチしながら第2の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることとを含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、血塊の周囲において、血塊と操作可能に連通した計算装置により情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を、リアルタイムに決定することを更に含み、本使用は、計算装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して個別化治療プロトコルを受信することと、計算装置により、血塊を伴う血管の灌流を監視することと、計算装置により、血管内で回復されている灌流に応答して警告することと、を更に含む。
【0167】
いくつかの実施形態では、計算装置は、血塊に関する情報を解釈して個別化治療プロトコルを決定するための相関データを含むデータベースに連結され、このときデータベースは、計算装置から遠隔である。
【0168】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することと、脈管構造内の血塊の部位の第1の位置において、カテーテルに連結された近赤外分光法(NIR)のための器具を使用して、血塊の第1の読み取り値を得ることと、第1の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルは、血塊の化学組成及び血塊の物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む。
【0169】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、本使用は、血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてNIRのための器具を使用することにより、血塊の第2の読み取り値を取得することと、第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、第2の読み取り値のスペクトルは、血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、第1の読み取り値及び第2の読み取り値のスペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうち少なくとも1つをリアルタイムに決定することと、を含む。
【0171】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することと、脈管構造内の血塊の部位において、カテーテルに連結されたラマン分光法のための器具を使用して、血塊の第1の読み取り値を得ることと、第1の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルは、血塊の化学組成及び血塊の物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む。
【0172】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、本使用は、血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてラマン分光法用の器具を使用することにより、血塊の第2の読み取り値を取得することと、第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、第2の読み取り値のスペクトルは、血塊の化学組成及び/又は物理的特性に関連する、ことと、第1の読み取り値及び第2の読み取り値のスペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置のうち少なくとも1つにおいて、実時間にて決定することと、を含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、血塊を処置することは、回収された血塊及び/又は血塊の1つ以上の断片を分析することと、回収された血塊の分析又は血塊へのアクセス及び交差の分析に基づいて血塊処置工程を選択することと、を更に含む、血塊の一部を回収することを含む。
【0175】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することを含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、本使用は、第1の血塊特性定量的指標及び第2の血塊特性定量的指標を相関データと比較することと、吸引、第1の再灌流デバイス、及び/又は第2の再灌流デバイスから選択される1つ以上の技術を使用することの、選択及び順序のうち少なくとも1つを決定することと、を含む。
【0177】
いくつかの実施形態では、虚血性イベントを治療するための本開示の任意のシステムの使用が開示され、このシステムは、血塊を有する閉塞した血管に灌流を回復させるための第1の再灌流デバイスと、血塊を有する閉塞した血管に灌流を回復させるための第2の再灌流デバイスと、閉塞した血管内の血塊に第1の再灌流デバイス及び第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを送達するための送達システムと、閉塞した血管の血塊を分析して、第1の再灌流デバイス及び第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを使用する個別化治療プロトコルを決定する、血塊分析システムと、を含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、虚血性イベントを治療するための前述のシステムのいずれかの使用が開示され、システムは、虚血性イベントを有する被検体の血塊のin vivo分析情報を提供するための手段と、分析情報に基づいて被検体の個別化治療プロトコルの指標を提供するための手段(個別化治療は、吸引を使用すること、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させること、及び/又は第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることから選択される1つ以上の技術を含む)と、個別化治療プロトコルに基づいて血塊を処置するための手段と、を含み得る。
【0179】
いくつかの実施形態では、本使用は、血管内の血塊を分析するための前述のカテーテルのいずれかの使用が開示される。
【0180】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための前述のシステムのいずれかの使用が開示され、システムは、脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することであって、カテーテルが、近位端及び遠位端を有する内腔と、遠位端に接続された分光学的検知装置であって、カテーテルの遠位端によって血塊の特性を測定するように構成されている分光学的検知装置と、を含む、ことと、脈管構造内の血塊の部位の第1の位置で、分光学的検知装置を使用して血塊の第1の測定値を取得することと、第1の測定値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルが血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、使用されるカテーテルは、遠位端に隣接する窓部分と、窓部分に隣接する不透明な吸収性部分と、を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、本使用は、カテーテルの遠位端を血塊の遠位側に前進させることと、次に、カテーテルの遠位端を血塊を通して後方に後退させながら、同時にカテーテルを回転させて、血塊によって閉塞されている血管の長さにわたってスペクトルマップを生成することと、を含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、本使用は、スペクトルに基づいて血塊の異なるスペクトル特性を測定することによって、血塊の1つ以上の物理的特性を確認することを含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、本使用は、スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、本使用は、血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にて分光学的検知装置を使用して血塊の第2の測定値を取得することと、第2の測定値からスペクトルを発生させることであって、第2の測定値のスペクトルが血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、本使用は、第1の測定値又は第2の測定値を取得する工程を含み、この工程は、それぞれの第1の位置又は第2の位置で血塊を貫通する分光学的検知装置からの光を放出することと、分光学的装置の放出された光に曝露された血塊の化学組成及び/又は物理的特性のうちの1つに関連するスペクトルを生成することと、を含む。
【0187】
いくつかの実施形態では、本使用は、第1の測定値の又は第2の測定値のスペクトルの情報を含むスペクトル帯域を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、本使用は、カテーテルを360°回転させることと、血塊の血管の内側を走査して、360°スキャンを生成することとを含む。
【0189】
いくつかの実施形態では、本使用は、最初に血栓に対して遠位に配置した後、カテーテル先端部を閉塞部を通して後方に引っ張りながら、同時に回転させることを含む。
【0190】
いくつかの実施形態では、分光学的検知装置は、マイクロカテーテル内部に配置され、マイクロカテーテルの遠位端まで又は遠位端に隣接して延在する光ファイババンドルと、遠位端に隣接して又は遠位端において所定の角度で配向された鏡と、を更に含み、第1の測定値又は第2の測定値を取得する工程は、光ファイババンドルから放出されるものを放出させることと、血塊及び/又は血塊の脈管構造の血管壁に向かって光を反射することとを含む。
【0191】
いくつかの実施形態では、鏡の所定の角度は約45°である。
【0192】
いくつかの実施形態では、光は、約90°で鏡から血管壁に向かって反射される。
【0193】
いくつかの実施形態では、分光学的検知装置はカテーテルと一体化されており、血塊を貫通して近赤外分光法を使用して血塊を分析できる光を放出するように構成されている。
【0194】
いくつかの実施形態では、分光学的検知装置はカテーテルと一体化されており、血塊を貫通してラマン分光法を使用して血塊を分析できる光を放出するように構成されている。
【0195】
いくつかの実施形態では、分光学的検知装置はカテーテルと一体化された可視光診断デバイスであり、血塊を貫通かつ分析できる光を放出するように構成されている。
【0196】
いくつかの実施形態では、本使用は、基準に基づいて血塊を分類して、分類を生成することを含む。
【0197】
いくつかの実施形態では、血塊を分類する工程は、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上を含む。
【0198】
いくつかの実施形態では、血塊を分類する工程は、血塊構成要素の組織学的定量化、血塊の機械工学的検査のうちの1つ以上を含む。
【0199】
いくつかの実施形態では、本使用は、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することにより血塊の基準を決定することと、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を含む。
【0200】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定する工程は、血塊の周囲において、血塊と操作可能に連通した計算装置により情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を、リアルタイムに決定することを更に含み、本使用は、計算装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して個別化治療プロトコルを受信することと、計算装置により、血塊を伴う血管の灌流を監視することと、計算装置により、血管内で回復されている灌流に応答して警告することと、を更に含む。
【0201】
いくつかの実施形態では、計算装置は、血塊に関する情報を解釈して個別化治療プロトコルを決定するための相関データを含むデータベースに連結され、このときデータベースは、計算装置から遠隔である。
【0202】
いくつかの実施形態では、血塊の基準を決定することは、白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することを含む。
【0203】
いくつかの実施形態では、本使用は、第1の血塊特性定量的指標及び第2の血塊特性定量的指標を相関データと比較することと、吸引、第1の再灌流デバイス、及び/又は第2の再灌流デバイスから選択される1つ以上の技術を使用することの、選択及び順序のうち少なくとも1つを決定することと、を更に含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、血塊を分析するシステムを較正するための使用が開示され、この使用は、分光光度計を使用して事前に走査された1つ以上の血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つのデータベースを提供することと、データベース及び参照分析方法を使用してデータの較正セットを生成することと、データの較正セットを、血塊を分析するシステムの分光学的検知装置のスペクトル特性と相関させることと、を含む。
【0205】
いくつかの実施形態では、血塊を分析するシステムは、近位端及び遠位端を有する内腔と、遠位端に接続された分光学的検知装置であって、カテーテルの遠位端によって血塊の特性を測定するように構成されている分光学的検知装置と、を含む、カテーテルを含む。
【0206】
いくつかの実施形態では、分光学的検知装置はカテーテルと一体化されており、血塊を貫通して近赤外分光法(NIRS)を使用して血塊を分析できる光を放出するように構成されている。
【0207】
いくつかの実施形態では、分光学的検知装置は、近赤外領域の電磁スペクトル(780~2500マイクロメートル)を含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、分光学的検知装置はカテーテルと一体化され、ラマン分光法を用いて血塊組成を分析するように構成されている。
【0209】
いくつかの実施形態では、分光学的検知装置はカテーテルと一体化され、血塊を貫通して血塊組成を分析することができる光を放出する可視光診断デバイスとして構成されている。
【0210】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための標的血管内に位置する血塊を有する血管内医療システムの使用が開示され、このシステムは、近位端から遠位端まで長手方向に延在するガイドワイヤを含み、遠位端は、血塊及び標的血管に対するその配向を制御するように構成されており、ガイドワイヤは、遠位端上又は遠位端に隣接して配置された1つ以上のセンサを含み、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の特性を検知し、検知された特性に基づいて血塊を処置するように構成されている。
【0211】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための使用が開示され、この使用は、脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、ガイドワイヤは、ガイドワイヤの遠位部分に接続されるか又は遠位部分に隣接した1つ以上のセンサを含み、1つ以上のセンサは、脈管構造内の血塊の特性を測定するように構成されている、ことと、脈管構造内の血塊の部位の第1の位置において、1つ以上のセンサを使用して血塊の特性を検知することと、検知された特性から出力を生成することであって、出力は、血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む。
【0212】
いくつかの実施形態では、本使用は、出力に基づいて血塊を処置するための1つ以上のデバイス及び/又は手順工程を選択することを含む。
【0213】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位部分は、血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端であり、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの外面の周囲に円周方向に配置、つまり巻かれている。
【0214】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位部分は平坦な遠位部分であり、この部分は、平面の幾何形状、及び残りの非平坦部分の外径より小さい厚さを有する。
【0215】
いくつかの実施形態では、本使用は、1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つを、血塊の特性を検知するために平坦な遠位部分上に配置することと、1つ以上のセンサのうちの他方を、血管壁の特性を検知するために残りの非平坦部分上に位置付けることと、を含む。
【0216】
いくつかの実施形態では、本使用は、検知された特性に基づいて血塊を分類し、分類を生成することを含む。
【0217】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの外面上に配置された近赤外(NIR)センサである。
【0218】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである。
【0219】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである。
【0220】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能なラマン分光センサである。
【0221】
いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサは、ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能な1つ以上の光ファイバストランド又はバンドルである。
【0222】
いくつかの実施形態では、本使用は、出力に基づいて血塊の異なるスペクトル特性を測定することによって、血塊の1つ以上の物理的特性を確認することを含む。
【0223】
いくつかの実施形態では、本使用は、出力内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、血小板含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、血塊密度、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを含む。
【0224】
いくつかの実施形態では、本使用は、血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にて1つ以上のセンサを使用して血塊の特性を検知することと、第2の位置から出力を発生させることであって、第2の位置の出力が血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む。
【0225】
いくつかの実施形態では、本使用は、出力並びに、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、超音波スキャン、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上に基づいて、血塊を分類することを含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、本使用は、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することにより血塊の基準を決定することと、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を含む。
【0227】
いくつかの実施形態では、本使用は、白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することにより、血塊の基準を決定することを含む。
【0228】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための標的血管内に位置する血塊と共に使用するための血管内医療システムの使用が開示され、このシステムは、近位端から遠位端まで長手方向に延在するガイドワイヤを含み、ガイドワイヤは、複数の温度センサを備え、温度センサのうちの少なくとも1つが遠位端の近位に位置付けられ、センサのうちの他方のうちの1つ以上が、遠位端上又は遠位端に隣接して位置付けられ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の温度を検知し、血塊の特性を識別するように構成されている。
【0229】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための使用が開示され、この使用は、脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、複数の温度センサを備え、温度センサのうちの少なくとも1つが遠位端の近位に位置付けられ、センサのうちの他方のうちの1つ以上が、遠位端上又は遠位端に隣接して位置付けられ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の温度を検知し、血塊の特性を識別するように構成されている、ことと、血塊の遠位の第1の位置、血塊内の第2の位置、及び血塊の近位の第3の位置で温度センサのうち少なくとも1つを使用して、血塊の特性を検知することと、検知された特性から出力を生成することであって、出力が、血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関する、ことと、を含む。
【0230】
いくつかの実施形態では、温度センサを用いて特性を検知する工程は、各位置で同時に行われる。
【0231】
いくつかの実施形態では、本使用は、血塊の領域を測定するために、遠位端に沿った所定の位置にセンサを選択的に位置付けることを含む。
【0232】
いくつかの実施形態では、本使用は、血塊の領域を測定するために、遠位端に沿った位置で各センサを所定の距離だけ離間することを含む。
【0233】
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位端は、送達構成において血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端を有する拡張外辺部を含み、1つ以上のセンサは、拡張外辺部の周囲に配設されている。
【0234】
いくつかの実施形態では、本使用は、検知された特性に基づいて血塊を分類し、分類を生成することを含む。
【0235】
いくつかの実施形態では、本使用は、出力内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを含む。
【0236】
いくつかの実施形態では、本使用は、出力並びに、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上に基づいて、血塊を分類することを含む。
【0237】
いくつかの実施形態では、本使用は、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することにより血塊の基準を決定することと、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を含む。
【0238】
いくつかの実施形態では、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための使用が開示され、この使用、脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、複数の温度センサを備え、温度センサのうちの少なくとも1つが遠位端の近位に位置付けられ、センサのうちの他方のうちの1つ以上が、遠位端上又は遠位端に隣接して位置付けられ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の温度を検知し、血塊の特性を識別するように構成されている、ことと、血塊内の複数の位置で温度センサを使用して、血塊の特性を検知することと、検知された特性から出力を生成することであって、出力が、血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関する、ことと、を含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、本使用は、血塊の遠位及び/又は近位の位置で血塊の特性を検知することを含む。
【0240】
上記の目的及び関連する目的の実現のために、特定の例示的な態様について、以下の説明及び添付の図面に関連して本明細書に説明する。しかし、これらの態様は、特許請求の範囲の主題の原理を用いることができる様々な方法のいくつかだけを示しており、特許請求の範囲の主題は、全てのそのような態様及びその均等物を包含することを意図したものである。他の利点及び新規な特徴は、図面に関連して考慮したとき、以下の詳細な説明から明らかになり得る。
【図面の簡単な説明】
【0241】
本開示は、添付の図面を参照して例示のみを目的として与えられる本開示のいくつかの実施形態についての以下の説明から、より明白に理解されよう。
図1】その送達のために動脈系を使用して脳血管内に位置決めされた例示的な血塊回収デバイスによる大腿部からのアクセスを介してカテーテルが挿入された患者を示す。
図2】脳につながる大動脈弓の上の大脳動脈の特定の解剖学的構造を示す。
図3】本開示の例示的なステントレトリーバデバイスの等角図を示す。
図4】本開示の一実施形態によるピンチングレトリーバデバイスの斜視図である。
図5】本開示の一例の概略図である。
図6】本開示の血塊分析手法の一例の概略図である。
図7】非造影CTを使用する血塊分析の一例の概略図である。
図8】脳MRI及び/又は高度MRを使用する血塊分析の一例の概略図である。
図9】造影CTを使用する血塊分析の一例の概略図である。
図10】カテーテル血管造影を使用する血塊分析の一例の概略図である。
図11】カテーテル血管造影を使用する血塊分析の一例の概略図である。
図12】1つ以上の例示的実施形態による、本開示の態様が実施可能な動作環境を示す、システム図である。
図13】血塊及び周囲の脈管構造の特性を検知するためのシステムを示す。
図14】血塊及び周囲の脈管構造の特性を検知するためのシステムを示す。
図15】血塊及び周囲の脈管構造の特性を検知するためのシステムを示す。
図16】血塊及び周囲の脈管構造の特性を検知するためのシステムを示す。
図17】血塊及び周囲の脈管構造の特性を検知するためのシステムを示す。
図18】血塊、閉塞物、若しくは妨害物を横断した後に穿通枝血管内に望ましくなく導入された従来の遠位先端部若しくは端部を有するガイドワイヤを含む、従来の機械的血栓除去システムである。
図19A】断面A-Aに沿った図18のガイドワイヤの図である。
図19B】断面A-Aに沿った図18の別のガイドワイヤの図である。
図20】血塊の特性を検出するためのセンサを有する例示的なガイドワイヤの図である。
図21】血塊の特性を検出するためのセンサを有する例示的なガイドワイヤの図である。
図22A】ガイドワイヤの血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位先端部の例示的な図である。
図22B】断面B-Bに沿って切り取った図22Aの断面図である。
図23】ガイドワイヤの血塊を取り囲むように構成された非外傷性の遠位先端部の例示的な図である。
図24A】血塊及び周囲の脈管構造の温度を検知するためのデバイスを示す。
図24B】血塊及び周囲の脈管構造の温度を検知するためのデバイスを示す。
図25A】血塊及び周囲の脈管構造の温度を検知するためのデバイスを示す。
図25B】血塊及び周囲の脈管構造の温度を検知するためのデバイスを示す。
図26A】血塊及び周囲の脈管構造の温度を検知するためのデバイスを示す。
図26B】本開示の解決策を使用した分析のための血塊の一例の拡大図である。
図27】血塊、閉塞、又は閉鎖を横切る前の本開示のガイドワイヤを含む従来の機械的血栓摘出システムである。
図28】ガイドワイヤの血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位先端部の例示的な図である。
図29】ガイドワイヤの血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位先端部の例示的な図である。
図30A】本開示のガイドワイヤを製造する方法又は使用の一態様の例示的な工程を示す。
図30B】本開示のガイドワイヤを製造する方法又は使用の一態様の例示的な工程を示す。
図31A】本開示の例示的なガイドワイヤを示す。
図31B】断面A-Aに沿って切り取った図31Aの断面図を示す。
図31C】断面B-Bに沿って切り取った図31Aの断面図を示す。
図32】本明細書に記載された1つ以上の実施形態による、本開示の態様が実施可能な一般的な計算システムを示す、コンピュータアーキテクチャ図である。
図33】患者から最近除去された、in vitroにおける血塊又は血塊断片を分析するモバイル装置の、概略概要を示す。
図34】本開示にて分析された血塊の組織病理学的組成の、概要を示す。
図35a】0%の赤血球数を有すると特定された、収縮状態及び非収縮状態における血塊の、応力-ひずみ曲線を示す、グラフを示す。
図35b】40%の赤血球数を有すると特定された、収縮状態及び非収縮状態における血塊の、応力-ひずみ曲線を示す、グラフを示す。
図35c】5%の赤血球数を有すると特定された、収縮状態及び非収縮状態における血塊の、応力-ひずみ曲線を示す、グラフを示す。
図36】組織病理学的分析のために、血管内療法により血塊断片が回収された、第1の研究における患者の臨床的特性を示す、表である。
図37A】第1の研究からのフィブリン及びRBCの分布を示す。
図37B】第1の研究からのフィブリン及びRBCの分布を示す。
図37C】第1の研究からのフィブリン及びRBCの分布を示す。
図37D】第1の研究からのフィブリン及びRBCの分布を示す。
図38】第1の研究における各場合に関する各パスから組み合わされた、血塊断片のRBC、フィブリン、及びWBC組成を示す。
図39】合計1、2、3、又は4~6回のパスからなる場合に関する、組み合わされた血塊断片の第1の研究における、平均組成を示す。バーは、平均組成を表す。個々の標準偏差を使用して間隔を計算した。
図40A】第1の研究における全ての症例からの、パス1、2、3、4、5、6にて回収された106個の血塊断片の、平均RBC、フィブリン、及びWBC組成を示す。
図40B】2回を超えるパスからなる第1の研究の全ての症例からの、パス1、2、3、4、5、6にて回収された血塊断片(n=53である血塊断片)の、平均RBC、フィブリン、及びWBC組成を示す。
図41】第1の試験の全ての症例に関する各パスにて回収された血塊断片の、RBC、フィブリン、及びWBCの割合を示す、棒グラフを示す。
図42】心臓塞栓症、アテローム塞栓症、又は潜在的な病因に従って、各パスからの断片が組み合わされかつグループ化された、全ての血塊のRBC、フィブリン、及びWBC組成を示す。四分位数間領域、ウィスカー、及び正中線をグラフに示す。各病因に関する平均RBC、フィブリン、及びWBC組成を、記号+により表す。
図43】心臓塞栓症、アテローム塞栓症、及び潜在的な病因を伴う患者から、1~6回のパスにおいて回収された断片の、RBCの割合、フィブリンの割合、及びWBCの割合の分析を示す。
図44】本開示の第2の試験中の収縮及び非収縮血塊群の両方の機械的挙動を比較するDMA試験からの、応力-ひずみ曲線を示す。
図45】複数のヘマトクリット値にわたる収縮及び非収縮血塊サンプルのMSB染色を示す。
図46】血塊類似物の色付きSEM画像を示し、フィブリンがより明るい色に、RBCがより暗い色に着色されている。
図47】1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための、本開示の例示的方法又は使用を示す、フロー図を示す。
図48】1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための、本開示の例示的方法又は使用を示す、フロー図を示す。
図49】1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための、本開示の例示的方法又は使用を示す、フロー図を示す。
図50】1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための、本開示の例示的方法又は使用を示す、フロー図を示す。
図51】1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための、本開示の例示的方法又は使用を示す、フロー図を示す。
図52】1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための、本開示の例示的方法又は使用を示す、フロー図を示す。
図53】1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための、本開示の例示的方法又は使用を示す、フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0242】
本開示のいくつかの態様は、急性虚血性イベントをin vivo及び/又はin vitroで分析及び/又は分類し、並びに特定の急性虚血性イベントに対して治療プロトコルを個別化する方法又は使用及びシステムに関する。本開示の例示的な実施形態について、本明細書に詳細に説明するが、他の実施形態も企図されることを理解されたい。したがって、本開示は、以下の説明に記載し図面に示す構成要素の構造及び配置の詳細にその範囲が限定されることを意図したものではない。本開示は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実行又は実施することが可能である。
【0243】
本明細書に論じるように、「遠位」又は「近位」という用語は、以下の説明では、治療する医師又は医療インターベンショナリストに対する位置又は方向に関して使用される。「遠位」又は「遠位に」は、医師若しくはインターベンショナリストから遠い位置又は医師若しくはインターベンショナリストから離れた方向にある位置である。「近位」又は「近位に」又は「近傍」は、医師若しくは医療インターベンショナリストに近い位置又は医師若しくは医療インターベンショナリストに向かう方向にある位置である。「閉塞」、「血塊」、「血栓」又は「障害物」という用語は、互換的に使用される。
【0244】
本明細書に論じるように、「被検体」は、生死にかかわらず、任意の該当するヒト、動物、又は他の有機体、又は他の生物若しくは分子構造又は化学環境とすることができ、被検体の特定の位置にある被検体の特定の構成要素、例えば被検体の特有の組織又は流体(例えば、生きている被検体の身体の特定の区域内のヒト組織)に関係することができ、本明細書では、この特定の位置を「対象区域」又は「対象領域」と呼ぶ。
【0245】
本明細書に論じるように、「センサ」は、本開示の被検体の血塊又は脈管構造又は他の特徴の物理的特性の検出又は測定又は読取り又は記憶又はその他の方法の通信が可能な任意のデバイス又はデバイスの素子とすることができる。
【0246】
本明細書に論じるように、「治療プロトコル」は、閉塞した血管への潅流の再開など、患者内で観察された虚血性イベントを解決するための任意の計画とすることができる。例えば、治療プロトコルとしては、吸引、ステントレトリーバデバイス、ピンチレトリーバデバイス、血栓溶解剤の注入、又は閉塞した血管への潅流を再開するための任意の他の機械、流体、若しくは他の手段を使用することの1つ又は組み合わせを挙げることができる。治療プロトコルは、以下でより詳細に論じるように、特定の患者に対する複数の要因を基準として個別化することができる。
【0247】
「ASPECT」スコアは、10点の定量的トポグラフィCT走査スコアを含むアルベルタ脳卒中プログラム早期コンピュータ断層撮影(CT)スコア(Alberta Stroke Program Early computed tomography (CT) score、ASPECTS)を意味する。
【0248】
本明細書に論じるように、「mRS」は、脳卒中又は他の神経障害の原因を患っている患者の日常活動における障害又は依存の程度を測定するために一般に使用されるスケールである修正ランキンスケール(modified Rankin Scale、mRS)を意味する。mRSスケールは0~6であり、症状のない完全な健康から死亡の範囲に及ぶ。0のmRSスコアでは、観察されている症状はないと理解される。1のmRSスコアは、重大な障害は観察されないと理解され、患者は、何らかの症状はあるが全ての日常活動を実施することが可能である。2のmRSスコアは、わずかな障害があると理解され、患者は支援なく自分で自分の面倒を見ることが可能であるが、以前の活動を全て実施することはできない。3のmRSスコアは、中等度の障害があると理解され、それによって患者は何らかの助けを必要とする可能性があるが、支援なしで歩行することが可能である。4のmRSスコアは、中等度から重度の障害があると理解され、患者は、支援なく自身の身体的な要求に対処すること又は支援なく歩行することができない。5のmRSスコアは、重度の障害があると理解され、患者は、一定の介護及び世話を必要とし、寝たきりで失禁状態にある。6のmRSスコアは、患者が死亡したと理解される。
【0249】
本明細書に論じるように、「コンピュータ断層撮影」又はCTという用語は、異なる角度から得られた多くのX線測定のコンピュータ処理された組み合わせを使用して、走査される物体の特有の区域の断面(断層撮影)画像(仮想「スライス」)を作成し、切断することなく使用者が物体の内側を見ることを可能にする1つ以上の走査を意味する。本開示のそのようなCT走査は、X線CT、並びに陽電子放出断層撮影(positron emission tomography、PET)及び単光子放出コンピュータ断層撮影(single-photon emission computed tomography、SPECT)などの多くの他のタイプのCTを指すことができる。
【0250】
本明細書に論じるように、修正脳虚血治療(modified treatment in cerebral ischemia、mTICI)スコアは、血管内血管再生後の血流再開量を分類する。具体的には、mTICIスコアは、2013年にコンセンサスグループによって元の脳梗塞血栓溶解(Thrombolysis in Cerebral Infarction、TICI)スケールから開発されたものである。推奨は、脳卒中のための血管内治療の使用の増加、及びTICI 2成分の、標的血管領域(mTICI 2a)の半分未満、又は半分超(mTICI 2b)への単純化を、より良好に反映させるための、名称変更を含んだ。分類:等級0:灌流なし、等級1:初期閉塞を通過する順行性再灌流であるが、遠位再灌流が少ない又は遅い、制限された遠位分岐充填である、等級2:等級2a:以前に虚血性領域であった閉塞した標的動脈(例えば、中大脳動脈(MCA)及びその領域の、1つの主要な部分)の、半分未満の順行性再灌流、等級2b:以前に閉塞した標的動脈の虚血性領域(例えば、MCA及びそれらの領域の2つの主要な区分)の、半分を超える順行性再灌流、等級3:全ての遠位分岐において可視化閉塞がない、以前に閉塞した標的動脈の虚血性領域の、完全な順行性再灌流。ほとんどの場合、優れたmTICI 2b又は3の再灌流の速度は、現行の技術を使用して達成することができるが、大きな割合の症例(例えば、約20%以上の症例)においては、血栓除去デバイスのいくつかのパス及び操作にもかかわらず、満足のいく再灌流が達成されない困難な場合が残されたままである。本開示の解決策は、現在の手法で除外される約20%以上を含む全てのタイプの症例に対するシステム及び方法又は使用を提供する。
【0251】
本開示の態様の詳細な説明について、添付の図面を参照して次に提供する。図面は、本開示の一部を形成し、特有の実施形態又は例を例示として示す。図面を参照する際、いくつかの図全体にわたって、同様の数字は同様の要素を表す。一例として、図1は、マイクロカテーテル10を用いて大腿動脈を介する血塊回収デバイス200による患者のカテーテル挿入の概略図を示す。例示的なデバイス200は、症状の発現から特定の時間(例えば、8時間、12時間、24時間など)内に、虚血性脳卒中を受けた患者内の血栓を除去することによって、神経血管内の血流を再開することができる。
【0252】
図2は、特定の例示的な脳血管の概略図を示す。血管100は大動脈である。血管101は腕頭動脈である。血管102は鎖骨下動脈である。血管103は総頸動脈である。血管104は内部頸動脈である。血管105は外部頸動脈である。血管106は中大脳動脈である。血管107は前大脳動脈である。図1からのマイクロカテーテル10が示されており、その遠位端が総頸動脈内にある。本発明のより詳細に示す図面では、アクセス部位の詳細は示されていないが、概してアクセス及び送達は図1及び/又は図2による。加えて、デバイス200は、手首内の血管を通って(径方向に)送達することができ、又は頸動脈にアクセスすることによって直接送達することができる。デバイス200は、内部頸動脈、中大脳動脈のM1及びM2セグメント、椎骨動脈、並びに脳底動脈など、血管内の前方及び後方の神経血管系内で使用されるように設計することができる。デバイス200は、他の神経血管血塊回収システムと同様に、蛍光透視鏡の案内下で血管内を送達することができる。
【0253】
血管閉塞の部位を越えた後、デバイス200のステント様要素を配備して血塊を閉じ込め、血塊を回収することを可能にし、したがって血流を再開する。デバイス200は、関節状の花弁と、大血管閉塞に続発してAISが生じた患者内で血流を再開するために、様々な血塊タイプを実際的に捕捉、保持、及び除去する遠位捕捉区間とを有する2層ステントレトリーバとすることができる。デバイス200は、5×21mm及び5×33mmという2つの長さで入手可能である。
【0254】
図3は、本開示の例示的なステントレトリーバデバイス200の一実施形態を示す。デバイス200は、本明細書に逐語的に記述されているように、それら全体がそれぞれ本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第8,777,976号、同第8,852,205号、同第9,402,707号、同第9,445,829号、及び同第9,642,639号に更に明確に記載されている特徴を含むものとして、理解され得る。デバイス200は、細長いシャフト206を有することができる。シャフト206は、動脈の内部に延在する遠位端と、動脈の外部に延在する近位端とを有することができる。シャフト206はまた、その遠位端に構成された血塊係合部分を有することができ、血塊係合部分は、デバイス200が配備された後に血塊を通って血流の再開を容易にするために、外側の拡大可能な部材202と、内側の拡大可能な部材203とを有する。部材202及び203は、送達のための崩壊構成と、概して血塊の回収、潅流の再開、及び断片化の防止のための拡大構成とを有するように構成することができる。
【0255】
シャフト206は、テーパ状のワイヤシャフトとすることができ、ステンレス鋼、MP35N、ニチノール、又は好適に高い弾性率及び張力強度の他の材料から作ることができる。シャフト206は、その遠位端に隣接して、外側部材及び内側管状部材の近位に、コイル204を有する。コイルは、低摩擦材料でコーティングすることができ、又は外面に位置決めされたポリマーの外装を有することができる。スリーブ205は、コイル204に隣接してシャフト206上に位置決めすることができる。スリーブ205は、ポリマーとすることができ、シャフト206のテーパ状区分の上に位置決めすることができる。
【0256】
外側部材202は、マイクロカテーテルから解放された際、内側管状部材203の直径より大きい直径まで自己拡大するように構成されている。外側部材202の拡大は、血管への潅流を再開する目的で、拡大中に血塊の圧縮及び/又は変位を引き起こす。放射線不透過性のコイル208(白金又は金又はその合金とすることができる)が、部材203の遠位端の上に位置決めされ、外側部材202の遠位カラー209に当たり、接着接合部によってカラー209に連結される。外側部材202の入口開口部は、血塊に利用可能な主要な運動自由度を提供することができ、したがって外側部材202の拡大により、血塊を受取り空間211に入れ、外側部材202は、血塊を受け入れるための複数の入口を有することができる。任意に拡大する遠位支柱210を内側部材203と共に含むことができ、遠位支柱210は、血塊又は血塊断片が出ていくことを防止するための追加の3次元フィルタとして機能する。
【0257】
図4を参照すると、フィブリン及び/又は血小板に富む血塊を除去するように構成することができる本開示の一実施形態による例示的なピンチングレトリーバデバイス300が示されている。デバイス300は、本明細書に逐語的に記載されているかのように全体として参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第16/021,505号により明確に記載されている特徴部を含むものとして理解され得る。デバイス300は、近位ピンチ区分321、遠位区分322、遠位マーカーコイル324、及び放射線不透過性マーカー325を含み得る。近位ピンチ区分321は、螺旋ピッチ-14mm(10~25mmの範囲内)の螺旋状ピッチ、螺旋外径-5mm(4.0~10mmの範囲内)を有する螺旋形状へとヒートセットすることができ、また螺旋は、典型的には360°の湾曲、又は180~720°の範囲の湾曲を形成し得る。遠位バレル部分322の長手方向中心軸は、部分間の均一な(低ひずみ)接続の達成を補助するために、螺旋の中心線からずれていてもよい。
【0258】
デバイス300は、制約された送達構成、展開された血塊係合展開構成、及び少なくとも部分的に制約された血塊挟持構成を伴う拡張可能な構造体を有することができ、それにより、拡張可能な構造体の少なくとも一部分は、拡張された展開構成にて血塊に係合し、かつ展開構成から血塊挟持構成への移動時に血塊を挟持するように構成される。デバイス300の遠位端は、バレル部の近位面に垂直になるように配向された、螺旋状部分を有することができる。本配向では、螺旋状部分をバレル部分に接続する両方の壁体は等しい長さであり、また熱形成マンドレル上の切断パターン配向にかかわらず、同等のレベルのひずみを有する。その他の実施形態では、螺旋状部分は、バレル部分に対して角度をなして配向されてよい。デバイス300は、放射線不透過性マーカー325のずれ、並びにマーカーの長手方向のずれを含み得る。場合によっては、デバイス300の挟持部分の近位端部は、機械的ロックシステムを使用して、シャフト(デバイス200と同様)に取り付けられる。
【0259】
図5を参照すると、方法又は使用500の一実施形態の概略図である。見てわかるように、方法又は使用500の1つの工程は、血塊分析510を含み得る。血塊分析510としては、限定ではないが、患者の病歴、脳卒中の重症度、国立保健研究所の脳卒中重症度(National Institute of Health Stroke Severity、NIHSS)の臨床検査及び/又は神経学的検査などを考慮する、様々な範囲の工程のいくつか又は全てを挙げることができる。血塊分析510の工程としてはまた、血液試験、アルベルタ脳卒中プログラム早期CTスコア(例えば、ASPECTS)などの脳卒中重症度を分析する定量的な方法又は使用を含む非造影コンピュータ断層撮影(CT)走査、及びソフトウェア(e-ASPECTS)を使用するASPECTSの自動査定を挙げることができる。
【0260】
患者の病歴としては、患者の年齢が18歳~85歳であるかどうか、0若しくは1のmRSスコア、0~1のmTICIの流れを伴う内部頸動脈(internal carotid artery、ICA)、M1若しくはM2のMCA、VA、若しくはBAの閉塞(T若しくはL閉塞を含む)の血管造影による確認、MRI基準:視覚的に査定される拡散制限の体積≦50mL、基線CT若しくはCTA源画像上の6~10のASPECTSスコアを含むCT基準、若しくは、大幅に低減されたCBVの体積≦50mL、6カ月未満の可能性が高い平均余命、妊娠若しくは授乳中の女性、造影媒体に対する重度のアレルギーの履歴、治療時に知られているニッケルアレルギー、治療時に知られている現在のコカインの使用、過去3カ月以内に患者に脳卒中が生じたこと、患者が8未満若しくは25超のNIHSSスコアを呈すること、若しくは臨床的に関係する連続昏睡状態にあると医師が査定したこと、3.0超の国際規格化率(International Normalized Ratio、INR)を有するワルファリン抗凝血若しくは任意の新規な抗凝血剤の使用、50,000/μL未満の血小板数、50mg/dL未満のグルコース、任意の知られている出血性若しくは凝固欠陥、3.0超の血清クレアチニン若しくは30未満の糸球体濾過率(Glomerular Filtration Rate、GFR)を有する不安定な腎不全、過去48時間内に直接トロンビン阻害剤を受けた患者、通常の1.5倍未満の部分トロンボプラスチン時間(partial thromboplastin time、PTT)が適格であること、重度高血圧症を呈する患者(SBP>220mmHg及び/若しくはDBP>120mmHg)、大脳血管炎、神経状態の改善、両側脳卒中若しくは複数の領域内の脳卒中を示唆する臨床症状、脳卒中による進行中の発作、進行中の全身感染の形跡、転移を伴うがん、最近の出血を示すCT若しくはMRIの形跡、質量効果若しくは頭蓋内腫瘤(小型髄膜腫を除く)を示す基線CT若しくはMRI、大動脈解離の疑い、推定される敗血性塞栓、若しくは細菌性心内膜炎の疑い、治療を必要とする若しくは閉塞部位へのアクセスを妨げる近位血管内の狭窄症若しくは閉塞、頭蓋外若しくは頭蓋内大脳動脈内の解離の形跡、並びに/又は複数の血管領域(例えば、両側前方循環、若しくは前方/後方循環)内の閉塞などの要因を挙げることができる。
【0261】
工程510はまた、デュアルエネルギーCT走査を含むことができ、それによって1つの通常のX線と、第2のより低電力のX線とを同時に使用して、画像を取得する。2つのX線は、異なる管電位を使用して異なるスペクトルを生成する。工程510はまた、本明細書に逐語的に記載されているかのように全体として参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第16/001,427号に記載されているようなCT走査を使用するアプローチを含み得る。
【0262】
工程510はまた、血塊を評価するための患者の脳のMRI及び/又は高度MR画像を含み得る。高度MR画像は、選択された区域内の水分子の運動自由度、微小血管の保全及び血行力学特性、並びに血塊の化学的構成を評価する高性能の磁気共鳴撮像技法を含むことができる。高度MRとしては、潅流撮像、拡散強調撮像、及びMR分光法、並びに磁気共鳴血管造影、及び/又は磁気共鳴静脈造影を挙げることができる。
【0263】
工程510はまた、T1強調撮像、T2強調撮像、拡散強調撮像(diffusion weighted imaging、DWI)、陽子密度撮像、液体減衰反転回復(fluid attenuated inversion recovery、FLAIR)、短T1反転回復(Short T1 inversion recovery、STIR)、潅流撮像、見かけ上拡散係数マップ(apparent diffusion coefficient、ADC)、グラディエントエコー撮像(gradient echo imaging、GRE)、ガドリニウム後増強走査、及び/又はT2弛緩時間などの高度MRシーケンスを含むことができる。
【0264】
工程510はまた、頸動脈超音波、脳血管造影、心臓超音波検査、血管内超音波(intravascular ultrasound、IVUS)、及び/又は光コヒーレンス断層撮影(optical coherence tomography、OCT)を含むことができる。
【0265】
工程510はまた、特に患者に対する準備を必要としないため、脳の構造を見て1つ以上の血塊を評価するために、1つ以上の血液試験、並びに脳区域を含む患者の非造影及び/又は造影CT走査を含むことができる。
【0266】
工程510はまた、血塊及び対応する脈管構造上の1つ以上の位置で読取りを行ってそれぞれの閉塞の化学的組成及び物理的特性に関係するスペクトルを作成するための近赤外分光法(NIR)及び/又はラマン分光法などの分光学的な技法を含むことができる。この点で、スペクトル帯域内に含まれる情報を解釈して、試験されている物質の性質をほぼ瞬時に分析することができる。特定の実施形態では、工程520、530、及び/又は540に関連して閉塞の部位へ送達される送達システムに付随するマイクロカテーテル内に、NIR及び/又はラマン分光法に関連する装置を含み得る。
【0267】
特定の実施形態では、工程510で、NIR又はラマン分光光度計に接続された光ファイババンドルコアを有するカテーテルを使用して、閉塞をin vivoで走査することができる。カテーテルの遠位端は、45°に設定された鏡を有することができ、光ファイバを介して分光光度計からくる光は、この鏡で血管の壁の方へ90°反射する。散乱及び反射した光は、同じ鏡及び光ファイババンドルを介して再び分光光度計へ透過することができる。透過光のスペクトルを生成することができ、この情報を使用して、光が反射した物質の組成を予測することができる。例えば、電磁スペクトルの近赤外部分内の光吸収から、血塊及び血管のバルク組成に対応する化学的情報を解読することができ、その化学的情報を使用して、血塊内のRBC、水、フィブリンなどの相対組成及び血管内の潜在的なアテロームの存在を測定することができる。この実施形態で検出することができる物理的情報は、光の散乱及び拡散に起因する血塊の小型さ及び組織に関係することができる。
【0268】
工程510はまた、各通過後にステントレトリーバに埋め込まれている可能性のある含量を分析することを含み得る。例えば、特定の実施形態では、第1の通過後、血塊又はその断片をin vitroで分析して、それに関連する基準を判定することができる。例えば、赤血球数、白血球数、血清レベル、フィブリンレベルなどを確立して、血塊を分類することができる。次いで、血塊のサンプルを視覚又は触覚分析にかけて、更なる処置に使用される適切なデバイスの選択を支援することができる。
【0269】
分析段階510の結果、血塊組成の標示を提供することができ、これにより次のように出血性脳卒中の存在の除外を含む定性的な観点と定量的な観点との両方で血塊の分類が可能になることが有利である。かかる情報としては、細胞の構成物質、細胞外の構成物質、構成要素の形態、組織、及び分布、透過性、粘着性、水分量、耐崩壊性、フィブリン架橋密度、繊維の直径、弾性率、歪み、変形(例えば、弾性、塑性、粘弾性)、圧縮性、並びに/又は破壊挙動を挙げることができる。本明細書では、限定ではなく、そのような標示の例示的な表を提供するが、本明細書に開示する実施形態と共に使用するための他の定性的及び/又は定量的標示も企図される。
【0270】
【表1】
【0271】
工程510は、前述の血塊分析実施形態の、1つ又は組み合わせを含むことができる。例えば、工程510は、CTスキャン及びMRIスキャンの基準を分析すること、それぞれにおいて分析されたデータを比較して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血小板濃度、水和レベル、血塊サイズ、血塊形状、脈管構造内の血塊位置等を決定することを含んでよい。工程510に続く分類に応じて、治療プロトコルは、工程520、530、及び/又は540が実行されるかどうかを決定する患者に対して個別化することができ、これは、特に急性虚血性脳卒中の治療との関係において、状況において有効ではない処置を試みる際に利用可能な時間枠からの時間の、不必要な使用を有利に回避する。例えば、赤血球数及び/又はフィブリン濃度が、フィブリンに富む及び/又は血小板に富むと分類される場合、次に、工程540は、フィブリンに富む及び/又は血小板に富む血塊を除去して回収するように動作可能なデバイスのために、実施されてよい。工程510の結果はまた、措置を講じないか、それとも工程520、530、又は/若しくは540のうちの1つ以上を実施するかに関する決定とすることができる。
【0272】
いくつかの実施形態では、方法又は使用500の工程520は、参照により本明細書に組み込まれている国際公開第2015/0189354(A)号に記載されているデバイス及び対応するシステムを含む、本開示の実施形態によるカテーテル及び/又はシリンジ及び/又は1つ以上電気機械的ポンプによる血塊の吸引を含み得る。工程520はまた、血塊分析510の工程からの情報(例えば、分類)を基準として開始することができる。いくつかの実施形態では、工程530は、本開示の実施形態による急性脳卒中における頭蓋内大血管再疎通のために、本開示のステントレトリーバを患者の脈管構造内へ導入することを含むことができる。例示的なステントレトリーバは、デバイス200を含むことができる。工程530はまた、血塊分析510の工程からの情報を基準として開始することができる。
【0273】
工程540は、デバイス300に関して前述したデバイス及び対応するシステムを含むピンチレトリーバを脈管構造内へ導入することを含むことができ、これはまた、血塊分析510によって通知することができる。工程540に関連するピンチレトリーバは、脈管構造を通って血塊の部位へ送達されて、その拡大可能な要素が完全拡大構成から少なくとも部分的に崩壊するときに血塊体の少なくとも一部分をつまむように動作可能とすることができることが理解される。ピンチャデバイスの拡大可能な要素は、血塊の少なくとも一部分に接触しながら、細長い部材の位置を固定して維持し、それによりデバイスのピンチング基礎構造が血塊の少なくとも一部分をつまみ、血塊回収デバイス及びつままれた閉塞血塊を患者から後退させるように構成することができる。工程540はまた、血塊分析工程510からの情報に基づいて、開始され得る。
【0274】
方法又は使用500の工程はそれぞれ、フィードバックループ内で血塊分析510と同時に実施することができ、したがって治療されている血塊に関する情報に応じて、方法又は使用500の工程のいずれかからの情報が実行される。血塊分析510は、図6図11でより詳細に論じる例示的なシステム及び方法又は使用によって実行することができる。しかし、これらの図に示す実施形態は限定することを目的としたものではなく、他の血塊分析手法も本開示に含まれることが企図される。
【0275】
図6を参照すると、方法又は使用500の一実施形態の概略図である。見てわかるように、方法又は使用600の1つの工程は、血管内に存在する血塊の分類610を含み得る。分類610は、方法又は使用500の血塊分析に関連して前述した実施形態の1つ以上を基準として、基準を分析することによって実施することができる。分類610は、1つ以上の所定の分類の中から選択することができる。例えば、血塊の分類は、フィブリン、赤血球、白血球、血清、摩擦などのレベル又は濃度を含むことができる。
【0276】
方法又は使用600の工程620は、分類610で用いられた方法又は使用に応じて、血塊の1つ以上の測定をin vivo及び/又はin vitroで行うことを含み得る。測定620が行われた後、査定630の工程を実施して、組織病理学的関連付け650及び/又は個別化された治療、血管への潅流を再開するためのデバイス選択、並びに対応する結果640の工程を行うことができる。
【0277】
図7を参照すると、特有の血塊分析の実施形態の方法又は使用600の一実施形態の概略図である。見てわかるように、方法又は使用600の1つの工程は、血管内の血塊の非造影CTを実施することを含み得る。非造影CTは、対側血管と比較され、定性的な中大脳動脈高吸収所見(HMCAS)、及び定量的なハンスフィールド単位(household units)(HU)を含む。血塊は赤血球(RBC)に富むか、それともフィブリン及び/又は血小板に富む場合があるため、方法又は使用700のこの分析を基準として、血塊内に存在するのは、RBCに富む構造か、それともフィブリン及び/又は血小板に富む構造かを判定することができる。方法又は使用700の分析をin vivoで行った後、血塊がRBCに富むと判定した場合、本開示のステントレトリーバを使用する血栓摘出術の結果が好ましい可能性が高い。逆に、方法又は使用700の分析をin vivoで行った後、血塊がフィブリン及び/又は血小板に富むと判定した場合、本開示のステントレトリーバを使用する血栓摘出術の結果は好ましくない可能性が高く、その代わりにピンチレトリーバが好ましいことがある。
【0278】
図8を参照すると、特有の血塊分析の実施形態の方法又は使用800の一実施形態の概略図である。見てわかるように、方法又は使用800の1つの工程は、血管内の血塊の脳MRI及び/又は高度MRを実施することを含み得る。脳MRI及び/又は高度MRは、対側血管と比較され、定性的なブルーミングアーチファクト(BA)、T2強調グラディエントエコー(GRE)、MRA、及びsusceptibility vessel signを含む。方法又は使用800のこの分析を基準として、血塊内に存在するのは、赤血球(RBC)に富む構造か、それともフィブリン及び/又は血小板に富む構造かを判定することができる。方法又は使用800の分析をin vivoで行った後、血塊がRBCに富むと判定した場合、本開示のステントレトリーバを使用する血栓摘出術の結果が好ましい可能性が高い。逆に、方法又は使用800の分析をin vivoで行った後、血塊がフィブリン及び/又は血小板に富むと判定した場合、本開示のステントレトリーバを使用する血栓摘出術の結果は好ましくない可能性が高く、その代わりにピンチレトリーバが好ましいことがある。
【0279】
図9を参照すると、特有の血塊分析の実施形態の方法又は使用800の一実施形態の概略図である。見てわかるように、方法又は使用800の1つの工程は、脳の造影CT走査を実施することを含むことができ、それによって走査に応じて、大血管閉塞(LVO)が存在するか否かを判定し、本開示の方法又は使用(useologies)の1つ以上の工程を開始することができる。
【0280】
図10を参照すると、特有の血塊分析の実施形態の方法又は使用1000の一実施形態の概略図である。見てわかるように、方法又は使用1000の1つの工程は、カテーテル血管造影を行って閉塞した血管の内側又は内腔を視覚化することを含み得る。この視覚化を基準として、方法又は使用1000は、血塊が触知できるか、それとも他の物理的特性を呈するかを判定することができる。その結果、それぞれの血管の蛇行及び血塊の視覚化された特徴の結果を含めて、血塊の回収に難題があるかどうかを判定することができる。例えば、血塊の触知性がフィブリン及び/又は血小板を多く含む組成に関係すると判定された場合、これにより、潅流を再開するための正しい治療プロトコルを、1つ以上のレトリーバデバイス(例えば、ステントレトリーバ及び/又はピンチャレトリーバ)の複数回の通過とすることを要求することができる。また、1つのレトリーバが視覚化された血塊のいくつかの部分を回収することができ、他のレトリーバが残りを回収することができることも企図される。
【0281】
図11を参照すると、特有の血塊分析の実施形態の方法又は使用1100の一実施形態の概略図である。見てわかるように、方法又は使用1100の1つの工程は、カテーテル血管造影を行って閉塞した血管の内側又は内腔を視覚化することを含み得る。この視覚化を基準として、方法又は使用1100は、血塊を視覚化し、並びに血塊が触知できるか、それとも他の物理的特性を呈するかを判定することができる。その結果、例えば色又は硬さを基準として、血塊の特徴を判定することができ、これは、血塊の回収に対する難題の程度を表すことができる。例えば、いくつかの実施形態では、血塊の視覚化された硬さ又は白っぽい色は、血塊がRBCに富むのではなくフィブリン及び/又は血小板に富むと分類するべきであることを示すことができる。この分析に応じて、血管への潅流を再開するのに適切な治療プロトコルを選択することができる。
【0282】
図12は、血塊分析段階中に脳MRIが実施される一実施形態の一例を示す。MRIシステム1200は、オペレータコンソール1210に結合されたデータ取得及び表示コンピュータ1250、MRI実時間制御シーケンサ1252、及びMRIサブシステム1254を含む。MRIサブシステム1254は、XYZ磁気勾配コイル及び付随する増幅器1268、静止Z軸磁石1269、デジタルRF送信器1262、デジタルRF受信器1260、送受信スイッチ1264、並びにRFコイル1266を含み得る。MRIサブシステム1254は、撮像すべき被検体P内で磁気共鳴現象を刺激する磁気及び無線周波フィールドを生成するように、例えば本開示の様々な実施形態による磁気共鳴撮像シーケンスを実施するように、制御シーケンサ1252によって実時間で制御することができる。被検体Pの対象区域A(本明細書では「対象領域」と呼ぶこともできる)の造影画像を、ディスプレイ1258上に示すことができる。ディスプレイ1258は、モニタ、プリンタ、若しくはデータ記憶域、又は更には移動デバイスを含む様々な出力インターフェースによって実施することができる。
【0283】
対象区域Aは、被検体Pの血塊に関連する脳の領域に対応する。図12の例示的な実施形態内に示す対象区域は、脳の領域に対応するが、本明細書に提示する本開示の様々な態様を実施する目的で、対象区域は、脳の区域に限定されるものではないことを理解されたい。様々な実施形態では、対象区域は、様々な生理学的な特徴に関連する被検体Pの様々な区域を含むことができることを認識及び理解されたい。
【0284】
様々なタイプの市販の医療撮像システム及び構成要素を含む任意の数及びタイプのコンピュータベースの医療撮像システム又は構成要素を使用して、本開示の特定の態様を実施することができることを理解されたい。例示的な実施形態に関して本明細書に記載するシステムは、図12に示すMRIの実装又は特定のシステムに特に限定されることを意図したものではない。1つ以上の実施形態によって本明細書に記載する1つ以上のデータ取得又はデータ収集工程は、対象区域に対応するデータの撮像などのデータの取得、収集、受取り、又は他の方法の獲得を含むことができる。例として、データ取得又は収集は、オンサイト若しくはオフサイトのデータ取得デバイス又は別のデータ収集、記憶、若しくは処理デバイスからデータを受け取ることで、データ取得デバイスを介してデータを獲得することを含むことができる。同様に、本開示の1つ以上の実施形態によるシステムのデータ取得又はデータ収集デバイスは、データの獲得、収集、又は他の方法の取得を行い、又はシステム内のデータ取得デバイス、オンサイト若しくはオフサイトで位置決めされた独立したデータ取得デバイス、又は別のデータ収集、記憶、若しくは処理デバイスから、データを受け取るように構成された任意のデバイスを含むことができる。
【0285】
図13は、血塊Cと、血管/血管壁VWを含む周囲の脈管構造の特性を検知するための1つの例示的なシステム1を示す。システム1は、カテーテル10と通信する光源Xを含み得る。システム1は、カテーテル10と通信する分光学的機構又は分光計5を含み得る。本開示全体を通して、用語「分光計」又は「分光学的機構」は、物理的現象のスペクトル成分を分離及び/又は測定するために使用される器具を意味することを意図する。いくつかの態様では、本開示の分光計は、波長又は周波数の関数として光の強度を示すことができる。本開示の分光計は、光が連続スペクトル、発光スペクトル、又は吸収スペクトルを含むことができる、光学分散の現象を利用する機構を意味し得、各要素は、観察されるラインのパターン内にスペクトルシグネチャを残すことができるため、スペクトル分析は、分析される対象物(例えば、血塊、患者の脈管構造など)の組成を明らかにすることができる。
【0286】
システム1のカテーテル10は、脈管構造内の血塊Cの部位に送達可能であり得、近位端12、遠位端14、及びそれらの間に配設された内腔16を含む。本開示のシステム1は、血塊除去の前に(例えば、機械的血栓摘出処置によって)血塊C及び周囲脈管構造の特性をin vitroで分析及び評価するのに特に有用である。そのような特性としては、細胞含量、赤血球、血小板及び白血球、フィブリン、フォン・ヴィレブランド因子、コラーゲンなどの非細胞性タンパク質含量、並びに血清、石灰化堆積物、脂質、形状、サイズ、成分分布の不均質性、病因、及び年齢を挙げることができる。
【0287】
前述の特性のうちの1つ以上は、分光計5を使用してシステム1によって検出することができる。例えば、特定の例では、分光計は、近赤外分光法(NIR)及び/又はラマン分光法を利用することができる。NIR及びラマンは両方とも、比較的高速で非破壊的な光ベースの技術であり、この技術は、血塊並びに周囲の組織内に数ミリメートル透過し、光源に暴露されたそれぞれの領域の化学組成及び/又は物理的特性に関連するスペクトルを生成することができる。得られたスペクトル帯域に含まれる情報を解釈し、検査される物質の性質、例えば血塊の化学組成及び/又は物理的特性をほぼ即時に分析することができる。
【0288】
分光計5に接続され、内腔16内に配設された光ファイババンドルコアを使用して、カテーテル10により血塊Cをスキャンすることができる。遠位端14は、分光計5から来る光が血管壁VWに向かって鏡から(例えば、90°の角度で)反射できる所定の角度(例えば、45°)に設定された、鏡を有することができる。散乱光及び反射光は、内腔16の同じ鏡及び光ファイババンドルを介して分光計5に送達し返されると理解される。次いで、透過された光のスペクトルを生成することができ、このスペクトルは、光が反射された物質(例えば、血塊C、血管VWなど)の物質特性及び/又は化学組成を決定するために使用される情報を含み得る。
【0289】
システム1のカテーテル10は、血管VWの内側の回転走査が得られるように(例えば、360°、180°の回転走査又は必要に応じた所望の角度)、スピン、つまり回転可能であってよい。1回の処置の間、遠位端14(例えば、先端部)を血塊Cを通って後方に引くことができ、同時に、血塊Cの遠位に最初に配置された後に同時にスピン、つまり回転させることもできる。そのようにすると、システム1は、閉塞した血管VWの所定の長さにわたってスペクトルマップを生成することができる。
【0290】
前述のように、血塊は、周囲の血液及び血管壁と比較して、異なる組成及び物質特性を有し得る。したがって、それぞれが異なるスペクトル特性を有するため、血塊C及び周囲組織の異なるスペクトル特性並びに組成変化を測定することによって、血塊Cの長さを確認することができる。この点において、血塊組成及び不均質性は、システム1によって測定され得る。例えば、システム1は、血塊Cが血小板に富むか、フィブリンに富むか、赤血球に富むかなどを検出することができる。システム1はまた、血塊の水分量を検出するように構成され得る。内腔16の光ファイババンドルと共に使用される分光計5からのこの検出入力に基づいて、システム1は、血塊Cの除去及び血管VWの再灌流を行うための最も適切な処置を選択する際に使用する、血塊の組成及び/又は特性分析を行うことができる。
【0291】
特定の例では、システム1が正確に機能するために、図23の非限定的な一例で更に説明されるように、較正を必要とする場合がある。例えば、較正データセットは、システム1の器具を使用してベースラインを形成するための既知の特性を有する1つ以上の血塊を分析することによって構築することができる。システム1の較正での使用が企図される参照方法又は使用はまた、組織構造及び水分量測定を含むことができ、それにより、多変量分析を使用して基準値をスペクトル特性と相関させることができる。
【0292】
図14は、カテーテル10の内腔16内に位置付けられ得る、カテーテル30の内腔36内に位置付けられる内腔16内に配設されているように示される、光ファイババンドル18を有するシステム1の1つの例示的な構成を示す。カテーテル30は、遠位端34及び、分光計5(図示せず、ただし近位端32に隣接して位置付けられている)から延在したバンドル18を有する近位端32(図示せず)を含む、NIRカテーテルである。バンドル18は、遠位端34壁に対して所定の角度A(例えば、45°)に配向された鏡35に向かって入射光22を放射することができる。次に、光22は、所定の角度(例えば、90°)で、鏡35から血塊Cに向かって反射される。鏡35は、端部34に対して他の向きで配向されてもよく、又は遠位端34は、走査される患者の所望の領域上、例えば、血塊C及び周囲の血管壁VWの1つ以上の場所に光22を放出するために必要に応じて配置され得ることが企図される。
【0293】
図15は、これまで図14に示されているNIRカテーテル30を備えるシステム1の1つの例示的な構成を示し、バンドル18は、明確に見せるために取り除かれている。見てわかるように、ここで図14のバンドル18から事前に放出されていた光22は、ここでは、血塊C及び/又は周囲の脈管構造VWから散乱及び/又は偏向した光24である。次に、光24を、順番に鏡35、カテーテル30の内腔36を近位に通り、最終的には分光計5へと偏向させ、血塊C及び周囲の脈管構造VWに関連する情報を分析、分類、及び決定するためのスペクトルデータを生成する。
【0294】
図16は、カテーテル10と、これまで図14図15に示されているNIRカテーテル30の両方をここでは含む、システム1の1つの例示的な構成を示す。示されるように、カテーテル30は、カテーテル10の内腔16内で自由に動き、血塊の部位で使用するために内部を並進可能であり得る。示されるように、この例のマイクロカテーテル10は、遠位端34に隣接する窓部分、つまり透明で、不透明ではなく、非吸収性の部分13を含み得る。対照的に、カテーテル10の残りの部分は、カテーテル30のバンドル18からの光が、部分30を通るサンプルの組成及び/又は特性を検知するのに透過できない程度に、不透明で吸収性であってよい。TLIGHTは、吸収されることなく、カテーテル30の鏡35と患者の脈管構造VW及び/又は血塊Cとの間の部分13を通過可能であるものとして概略的に示されている。部分13は、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びペルフルオロ化ポリマーなどの、1つ以上の透明又は実質的に透明な材料を使用して構築することができる。カテーテル30は、780~2500マイクロメートルの範囲であり得る近赤外領域の電磁スペクトルを含み得る。
【0295】
図17は、ラマン分光法を利用する分光計5を用いるシステム1の1つの例示的な構成を示す。ラマン散乱などのシステム1で使用されるラマン分光法は、血塊C及び/又は脈管構造VWを通過する光22の波長を含み得、それにより、バンドル18からの光子26が振動偏光を生成し、レイリー散乱が観察され得ると理解される。この点において、カテーテル30内のバンドル18(容易に明確にするために図示せず)から生じる入射光22の光子26は、光の方向22に対して実質的に垂直になる。次いで、血塊Cからの光子26は光ファイバを通過し、ラマン散乱のためのフィルタに、その後格子を通過して、次に機構145を介して分光計5に入り、1つ以上の領域又は位置における血塊C及び/又は血管VWの情報を決定することができる。格子140からの光を、図14~16と同様に、1つ以上の鏡又は光偏向器を使用して分光計5に戻すことができる。
【0296】
ラマン散乱光は、レイリー及びラマン光子から構成され得ると理解される。更に、レイリー散乱光の光子は、フィルタ135を使用して「同一の」光子を除去することができるように、入射光と同等の特性を有することができ、それにより、残りの光子は、その後スペクトル特性について分析され得るラマン光子である。いくつかの例では、鏡35と同様の鏡が図17のシステムに含まれる。他の例では、別のカテーテルは、図15図16と同様にカテーテル30と共に含まれ得、これにより、カテーテル30がマイクロカテーテル10の内腔16内に配設され得る。
【0297】
図18に示されるように、血栓除去処置若しくは治療の間、医師若しくはインターベンショナリストは、典型的には鼠径部内に位置する動脈内に、又は頸動脈を通る直接アクセスによって、脈管構造を通してガイドワイヤを血管内導入する。特に、閉塞又は血塊3を越えて最初に前進したとき、ガイドワイヤ30は望ましくなく、(i)標的、主要、若しくは1次の動脈15から分岐する穿通枝血管17に入り、場合により血管の損壊及び穿孔を引き起こすこと、並びに/又は(ii)血塊を越えて通ったときに血管組織への損傷又は損壊を引き起こすことがある。マイクロカテーテル10の前に血塊3を越えてガイドワイヤ30を前進させるとき、標的血管組織及び/又は穿通枝血管への損傷を最小化又は防止するために、医師又はインターベンショナリストは、ガイドワイヤ30の遠位端を屈曲させることによって、ガイドワイヤ29を慎重に変化又は変質させることができる。しかし、そのようにガイドワイヤ30の遠位先端部又は遠位端を成形又は変質させることは、医師又はインターベンショナリストが制御するのが困難であり、場合によりその結果、成形又は変質された遠位端又は先端部は、血塊3を越えて若しくは血塊3の周りを進むことができず、及び/又は場合により血塊3を越えて若しくは血塊3の周りを進む(又は進もうとする)とき、標的血管組織に有害な損傷又は損壊を引き起こす。ガイドワイヤ30は、標的とする血塊3、閉鎖、又は閉塞の近位側に面する位置へ、脈管構造を通って前進させられる。ガイドワイヤ30が適切に位置決めされた後、典型的には約1.0mm未満の外径を有するマイクロカテーテル10が、マイクロカテーテル10を通って軸方向に画定された内腔25を通過するガイドワイヤ30を追跡する。
【0298】
これらのタイプの処置に一般に使用されるガイドワイヤは、直径が比較的小さく、したがってマイクロカテーテル10を通って長手方向に延在する内腔25を画定する比較的小さい内径を有する内腔を容易に通過することができる。従来のガイドワイヤ30の外径サイズは、約0.010”~約0.014”の範囲であり、マイクロカテーテル10の内腔25の内径の範囲は、約0.016”~約0.027”である。典型的には、使用されるガイドワイヤ30の外径は0.014”であり、マイクロカテーテル10の内径は0.021”である。特により小さい又はより遠位の血管では、約0.010”の外径を有するより小さいサイズのガイドワイヤ及び約0.016”の内径管腔を有するマイクロカテーテルが使用されることもある。
【0299】
図19Aは、断面A-Aに沿った図18のガイドワイヤ30の図である。具体的には、この図では、ガイドワイヤ30が丸みを帯び、閉塞物3を横切って前進していることがわかる。対照的に、図19Bのガイドワイヤ30’は、以下でより詳細に説明されるように、2つの構成のみの配向が可能な平坦で平らな遠位先端部40’を有する丸いガイドワイヤを示す。
【0300】
これまで図19Aに示されるように、図20は、血塊30の特性を検出するためのセンサ60を有する例示的なガイドワイヤ30の図である。特に、図20は、実質上矩形の6つのセンサを示し、これらのセンサは、ガイドワイヤ30の外面の周りに円周方向に間隔をあけて配置されている。センサ60は、ガイドワイヤ30の遠位先端部40から近位端の方へ近位に延在して示されている(例えば図1を参照)。しかし、図20の解決策は、そのように限定されるものではなく、より少なくてもより多くても、必要又は要求に応じて任意の数のセンサが使用されることが企図される。センサ60はまた、必要又は要求に応じて任意の形状で構成することができる。ガイドワイヤ30は従来のガイドワイヤであり、センサ60は、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能なNIR、ラマン分光、インピーダンスセンサ、又は光ファイバストランド若しくはバンドルを含めて、本開示の範囲内で企図されるもののいずれかとすることができることが理解される。
【0301】
これまで図19Aに示されるように、図21は、血塊30の特性を検出するためのセンサ60’を有する例示的なガイドワイヤ30の図である。特に、図21は、ガイドワイヤ30の外面の周りに円周方向に巻き付けられている及び/又は間隔をあけて配置されているセンサ60’を示す。センサ60’は、センサ60と同様に、遠位先端部40からガイドワイヤ30の近位端(図示せず)の方へ近位に延びることが示されている。しかし、図16の解決策は、そのように限定されるものではなく、より少なくてもより多くても、必要又は要求に応じて任意の数のセンサが使用されることが企図される。センサ60はまた、必要又は要求に応じて任意の形状で構成することができる。
【0302】
図22Aは、ガイドワイヤ30’の血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位先端部40’の例示的な図である。先端部40’は、逐語的に記載されているかのように全体として参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第16/003,527号により詳細に記載されているように、パドル様形状に切り込み又は打抜きされたコアワイヤの平坦な部分とすることができる。見てわかるように、パドル様形状の遠位先端部40’は、弛緩又は非圧縮状態にある(外部からの機械力が加えられていないとき)。ガイドワイヤ30’を所望の幾何形状に事前形成又は事前成形するのではなく、遠位先端部40’は、円形の横断面を有することができ、及び/又は別法として、血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端若しくは遠位先端部(例えば、図示の「平面パドル様形状」40’として)を形成するように、平坦化し、次いで所望の幾何形状に切り込み若しくは打抜きすることができる。
【0303】
これまで図20~21で説明したガイドワイヤ30は丸かったため、血塊3及び任意のセンサ60に対するガイドワイヤ30の向きを制御する容易な方法はない。この問題を解決するために、平面状ガイドワイヤ30’は基本的に、配備前、図22Aの図示の平坦若しくは平面の位置又は崩壊状態でのみ向けられるように構成されている。これは、センサ60が血塊60の特性を誤読し又は誤って感知するように回転又は運動又は他の方法で運動するのではなく、センサ60は使用中に血塊60に向けられるはずであるため、ガイドワイヤ25’に対して特に有利である。例えば、これまでの図20~21のセンサ60は、あるときは血管壁15に面してよく、またあるときは壁15と血塊3との間の中間位置にあってもよい。容易ではなく、かつ検知精度を低下させ得る、得られた信号を振り分け処理するための複雑なアルゴリズムを開発するのではなく、これを解決するために、本明細書で開示される平面状先端部40’を含む平面状ガイドワイヤ30’は、図14Bに示されるように、血塊を横切るときに2つの配向のうちの1つの間で移動するように動作可能であり得る。
【0304】
図22Aを再び参照すると、センサ60をガイドワイヤ30の両側に位置決めすることができ、及び/又は先端部40と位置合わせすることができることが有利である。センサ60によって検出された結果の血塊検知信号は、血塊3又は血管壁15に完全に面するように向けられるため、区別及び処理するのがはるかに容易である。
【0305】
この点において、遠位先端部40’は、薄い支持構造又は基板50を形成するように平坦化することができ、支持構造の厚さは、典型的に約0.0005”~約0.010”の範囲であり、好ましくはこの厚さは、約0.001”~約0.005”の範囲である。先端部40’は、別法として、溶接、はんだ付け、又は接合などによって、同じ指定の厚さ範囲を有する事前形成された平面のパドル様形状の遠位端又は遠位先端部を、別個のコアワイヤの端部に組み立てることによって実現することができる。ともに組み立てられ又はつながれた2つの別個の構成要素は、事前に形成された平面のパドル及びパドルが組み立てられるコアワイヤが異なる材料から作られる応用例に特によく適している。
【0306】
図22Aの断面B-Bに沿って切り取った図22Bの断面図に示すように、支持構造50の外面に、外側カバー又は外層55を設けることができる。外側カバー又は外層55は、1つ以上のカバー、コーティング層、又はフィルムを備えることができる。例えば、外側カバー又は外層55は、潤滑コーティング、例えば親水性材料が、ポリマーの外装の外面に直接設けられるか否かにかかわらず、支持構造又は基材50の外面に直接設けられたポリマーの外装を備えることができる。外装はまた、先端部の蛍光透視鏡による視認性を強化するために、放射線不透過性フィラーを含むことができる。
【0307】
ガイドワイヤ30’は、マイクロカテーテル10の遠位端20を通って後退させる又は引き込むことができる。この点で、ガイドワイヤ30’の遠位先端部40’は、舌を転がすのと同様に、崩壊構成と拡大構成との間を動くことができる(例えば、崩壊構成で、遠位端40’の側縁部は、曲がった又は湾曲させた又は巻き取った状態とすることができ、次いで配備中に拡大パドル様構成へ互いの方に曲がる又は転がることができる)。マイクロカテーテル10の内腔25から出る際、ガイドワイヤのパドル様形状の遠位端又は遠位先端部40”は、その以前の平面の弛緩又は非圧縮状態(外部からの機械力が加えられていないとき)(図22Aに示す)へ自動的に戻される。
【0308】
図23は、ガイドワイヤ30”の血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位先端部40”の例示的な図であり、図23のガイドワイヤ30”がガイドワイヤ30”の平面の平坦化された表面と位置合わせすることができるファイバセンサ60”を含むことを除いて、ガイドワイヤ30’の先端部40’に類似している。
【0309】
他の実施形態では、血塊に沿った位置及びその内部などの、脈管構造内の異なる位置で温度測定値を検知するための温度測定デバイスが開示される。このデバイスは、他の情報の中でも、血塊の種類又は、血塊全体若しくは血塊の内部及び外部領域の組成を特定するように構成され得る。いくつかの例では、デバイスは、血塊の長さに沿って血塊の不均質性を決定するように構成され得る。いくつかの例では、デバイスは、in vivoで血塊の特性決定を行い、例えば、血塊の由来を決定するように構成され得る(例えば、血塊の温度読み取り値に基づく、血塊が心耳又は破裂した動脈硬化巣由来であることを判定できる)。
【0310】
いくつかの例では、温度測定デバイスは、温度差を分析するシステムの一部とすることができ、これは次に、血塊及び周囲領域に対する温度読み取り値を利用して、処置を改善するために血塊に関連する情報を提供することができる。いくつかの実施形態では、デバイスは、血塊内及びその周囲の温度不均一性を検知するための1つ以上のセンサを含み得る。次に、システムは、デバイスにより検知された温度を、物理的及び/又は化学的特性、凝固機構、血塊形成時間などを含む血塊の特性の差と相関させるように構成されている。血塊の温度不均一性、並びに他の血管内温度(例えば、血管壁、血流の制限及び非制限領域内など)を検出することによって、システムは、患者の診断及び治療を改善するために、血塊を更に特徴付けることができる。デバイスによる温度読み取り値もまたシステムによって使用され、血塊を同様に特徴付けるために、血塊内及び血塊を包囲している不安定プラークに相関させ、かつ同定することができる。いくつかの実施形態では、デバイスはまた、血塊の同様の分析のために、血塊及びその周囲領域のpHを測定するように構成されてもよい。
【0311】
温度測定デバイスは、血塊内の複数の点で、血塊の長さに沿って、血塊がある又は血塊に隣接する血管壁の場所で、血塊面の近位で、及び血管の遠位で温度を正確に測定するように構成されているガイドワイヤ又はカテーテルの形態であり得る。いくつかの例では、デバイスの遠位端を用いて、血塊の近位側の位置及び血流が制限されていない領域における参照温度と比較して、これらの温度測定値を取得することができる。近位位置は、デバイスの中間点であってもよく、又は分岐部(例えば、血塊が分岐部から出る血管のうちの1つにある頸動脈分枝部)の近位の点にあってもよい。血塊内の温度は、血流を有する領域内の温度よりも高くなることが意図される。この点において、血塊を特徴付けるために、通常に流れている血液と血塊周囲の領域内の血液との間の温度差を使用することができる。デバイスはまた、血塊の領域内の血管壁の温度を測定するためにも使用され得る。
【0312】
温度測定デバイスは、ガイドワイヤ又はカテーテルに埋め込まれた1つ以上のセンサを含み得る。いくつかの例では、デバイスは、遠位先端部に単一のセンサを有することができ、デバイス先端部を異なる位置に移動させることによって、異なる点で温度を測定することができる。点間の温度差を測定することによって、血塊の比較的小さい領域を、微小熱電対接合部を使用して特徴付けることができる。温度測定デバイスの例を図24A~26Aに示す。
【0313】
具体的には、図24A~Bでは、温度測定デバイスの一例がガイドワイヤ130と共に示されている。ガイドワイヤ130は、非外傷性先端部を有する従来のガイドワイヤであってもよく、血塊3を通って、又はその周りを脈管構造内に延在することができる。図24Aの血塊3は、血塊3の近位面4及び遠位面5を含む、全体にわたってそれらの物理的特性が変化している典型的な血塊の単に例示として、別個の区画を有する例示的な傾斜を有して示されている。図24Bの血塊3は、均一な色を有するものとして示されているが、これは、血塊3が均質であること、又は特定の特性の任意の程度の差を有していることを必ずしも意味するものではない。
【0314】
ガイドワイヤ130は、脈管構造を通って血塊の部位まで並進できるように、実質的に細長いが可撓性であり得る。示される矢印は、血管15内の例示の血流を描写することを意図している。ガイドワイヤ130は、図示されるように、単一の温度センサ160又は複数のセンサ160を含み得る。図24Aでは、ガイドワイヤ130は、血管15の血流が制限されていない領域132内に1つのセンサ160を含むが、領域132の所望の精度を提供するために必要に応じて2つ以上のセンサ160を使用することができる。ガイドワイヤ130の遠位端140上又はその周りに、1つ以上の追加のセンサ160を配置することもできる。センサ160は、選択的に血塊3の位置に対応することができる。図示されるように、端部140及び対応するセンサ160を、端部140が遠位面5の遠位になるまで遠位に並進させ、血塊内並びにその近位及び遠位の両方の温度測定値を取得することができる。
【0315】
図25Aでは、ガイドワイヤ130の遠位端140は、対応するセンサ160のうちの1つ以上が血管壁に隣接して位置付けられるように、血塊の一方の側の側面に沿って並進されている。この点に関して、ガイドワイヤ130は、血塊3及び周囲の脈管構造の特性の更なる分析に使用するために、血管壁の温度を検出することができる。
【0316】
図25Bを参照すると、これまで図22A~24Aで説明した平面状ガイドワイヤと類似する、改変されたガイドワイヤ130’が示されている。この点において、ガイドワイヤ130’は、血塊3の近位及び遠位端140’の周りに位置付けられた1つ以上のセンサ160を含み得る。遠位端140’は、拡大構成にあることが可能な、湾曲した又は拡大された外周部を含み得る。ガイドワイヤ130’は、ガイドワイヤ130’などの近位端からエンドユーザによって作動された、カテーテル(図示せず)から展開された結果として示される拡大構成にあることができる。次に、6つのセンサ160のみが図25Bに示されているが、その拡大した遠位端140’を有する遠位端140’は、複数の温度センサ160を含み得るため、より正確な血塊特性評価のために、より多くの同時温度測定を血塊3全体で行うことができる。
【0317】
図26Aを参照すると、ガイドワイヤ130’と類似する、別の改変されたガイドワイヤ130”が示されている。この点において、ガイドワイヤ130”は、血塊3の近位及び遠位端140”の周りに位置付けられた1つ以上のセンサ160を含み得る。この実施形態における遠位端140”は複数のループ135”を含み得、ループは、拡大構成における対応するループ135”間に形成された間隙又は空間を有する曲線又は拡大した外周を画定する。遠位端140”の各ループ135”は、複数の温度センサ160を含み得るため、血塊3内の複数の位置を含む、より正確な血塊特性評価のために、より多くの同時温度測定を血塊3全体で行うことができる。
【0318】
図26Bは、ガイドワイヤ130/130’によって分析され得る血塊3の一例の拡大図である。例えば、図26Bの血塊3では、不均質な血塊3が物質組成の観点でどのようであり得るかを見ることができる。図示された例では、血塊3は、血塊3内の近位のRBCに富む領域、中心部のフィブリンに富む領域、及び遠位に位置する塞栓物質などの、異なる特性を有する複数の領域を含む。本開示の解決策は、内部の任意の領域を含む、血塊3の異なる物質特性をin vivoで検出し、次いで、患者にとって最適な治療デバイス及び対応する治療プロトコルを分析し決定するために使用することができるため、特に有利である。
【0319】
図27は、本開示のガイドワイヤ230が異なることを除いて、図18に類似の血栓摘出システムを示す。特に、本開示のガイドワイヤ230は、ガイドワイヤ29に伴う問題及び当技術分野の他の問題を解決し、その平坦化された平面の遠位端240は、2つの構成のみに向けられ、図18のガイドワイヤ29の場合のように血管17内へ前進することが防止されるように設計される。
【0320】
図28は、ガイドワイヤ230の血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位先端部240の例示的な図である。先端部240は、逐語的に記載されているかのように全体として参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第16/003,527号により詳細に記載されているように、パドル様形状に切り込み又は打抜きされたコアワイヤの平坦な部分とすることができる。見てわかるように、パドル様形状の遠位先端部240は、弛緩又は非圧縮状態にある(外部からの機械力が加えられていないとき)。ガイドワイヤ230を所望の幾何形状に事前形成又は事前成形するのではなく、遠位先端部240は、円形の横断面を有することができ、及び/又は別法として、血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端若しくは遠位先端部(例えば、図示の「平面パドル様形状」240として)を形成するように、平坦化し、次いで所望の幾何形状に切り込み若しくは打抜きすることができる。
【0321】
ガイドワイヤは丸かったため、血塊3及び任意のセンサ260に対するガイドワイヤ230の向きを制御する容易な方法はなかった。この問題を解決するために、平面状ガイドワイヤ230’は基本的に、配備前、図28の図示の平坦若しくは平面の位置又は崩壊状態でのみ向けられるように構成されている。これは、センサ260が血塊3の特性を誤読し又は誤って検知するように回転又は運動又は他の方法で運動するのではなく、センサ260は使用中に血塊260に向けられるはずであるため、ガイドワイヤ225’に対して特に有利である。例えば、丸いガイドワイヤのセンサは、場合により血管壁と血塊自体との間を動き、どの特性が検知されているかに関して混乱をきたす可能性があるため、実施するのが容易ではなく、検知精度の低減を招く、結果信号を分類及び処理するための複雑なアルゴリズムを開発するのではなく、平面状先端部240を含む本明細書に開示する平面状ガイドワイヤ230は、2つの向き同士の間で動くように動作可能とすることができる。センサ260をガイドワイヤ230の両側に位置決めすることができ、及び/又は先端部240と位置合わせすることができることが有利である。センサ260によって検出された結果の血塊検知信号は、血塊3又は血管壁15に完全に面するように向けられるため、区別及び処理するのがはるかに容易である。
【0322】
ガイドワイヤ230は、マイクロカテーテル10の遠位端20を通って後退させる又は引き込むことができる。この点で、ガイドワイヤ230の遠位先端部240は、舌を転がすのと同様に、崩壊構成と拡大構成との間を動くことができる(例えば、崩壊構成で、遠位端240の側縁部は、曲がった又は湾曲させた又は巻き取った状態とすることができ、次いで配備中に拡大パドル様構成へ互いの方に曲がる又は転がることができる)。マイクロカテーテル10の内腔25から出る際、ガイドワイヤのパドル様形状の遠位端又は遠位先端部240は、その以前の平面の弛緩又は非圧縮状態(外部からの機械力が加えられていないとき)(図28に示す)へ自動的に戻される。
【0323】
図29は、ガイドワイヤ230の血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位先端部240の例示的な図であり、遠位先端部240は、図29のガイドワイヤ230がガイドワイヤ230の平面の平坦化された表面と位置合わせすることができるファイバセンサ260’を含むことを除いて、ガイドワイヤ230の先端部240に類似している。
【0324】
図30Aを参照すると、ガイドワイヤ230を製造する方法又は使用の一態様の例示的な工程が示されている。図示の工程で、記憶材料(例えば、ニチノールなどの形状記憶合金)のガイドワイヤ230のためのシャフト270の遠位端のみが示されている。シャフト270は、例えば0.013”のコアワイヤから成形して図30Aに示す形状を研削することによって、任意の直径を有することができる。
【0325】
図30Bへ進むと、次の工程で、シャフト270の遠位端が、すでに論じた先端部240の平面の形状に平坦化又はプレス加工されたことを見ることができる。先端部240の形状が平坦化又は他の方法でループ状にされることは、ガイドワイヤ230が主要動脈から分岐する小さい穿通枝血管17に入ってそこを損壊することを防止することも可能になるため、特に有利である。図30Bはまた、プレス又は平坦化されたシャフト270を切り込むために使用することができる切り込み線275を示す。いくつかの態様では、切込み工程は、シャフトを図示の形状に切り込むために、レーザ、水噴射、又はワイヤ放電加工(EDM)、プレス加工などによって行うことができる。切り込まれた後、例えばフィラーなどの放射線不透過性材料(例えば、白金合金又は他の放射線不透過性材料から作られる)によって、ポリマー外装を加えることができる。言い方を換えれば、先端部240は、研削、平坦化、次いで切り込みによって作ることができる。次いで、その結果として平坦化された形状の先端部240には、ポリマーの外側カバーによって外装を施すことができる。
【0326】
図31Aを参照すると、近位端238と、平坦又は平面状先端部を含むすでに論じた遠位端240とを有する例示的なガイドワイヤ230が、斜視図に示されている。遠位先端部240は、薄い支持構造又は基板250を形成するように平坦化することができ、支持構造の厚さは、典型的に約0.0005”~約0.010”の範囲であり、好ましくはこの厚さは、約0.001”~約0.006”の範囲である。
【0327】
先端部240は、別法として、溶接、はんだ付け、又は接合などによって、同じ指定の厚さ範囲を有する事前形成された平面のパドル様形状の遠位端又は遠位先端部を、別個のコアワイヤの端部に組み立てることによって実現することができる。ともに組み立てられ又はつながれた2つの別個の構成要素は、事前に形成された平面のパドル及びパドルが組み立てられるコアワイヤが異なる材料から作られる応用例に特によく適している。
【0328】
図31Aの断面A-Aに沿って切り取った図31Bの断面図に示すように、支持構造250の外面に、外側カバー又は外層255を設けることができる。外側カバー又は外層255は、1つ以上のカバー、コーティング層、又はフィルムを備えることができる。例えば、外側カバー又は外層255は、潤滑コーティング、例えば親水性材料が、ポリマーの外装の外面に直接設けられるか否かにかかわらず、支持構造又は基材250の外面に直接設けられたポリマーの外装を備えることができる。外装はまた、先端部の蛍光透視鏡による視認性を強化するために、放射線不透過性フィラーを含むことができる。構造又は基板255の例示的な幅は、0.024”とすることができ、層55の対応する幅は、0.028”とすることができる(例えば、層255の場合、厚さ0.002”)。しかし、層255はより厚くすることもでき、構造又は基板250及び層255はそれぞれ、より大きくても小さくてもよい。
【0329】
図31Aの断面B-Bに沿って切り取った図31Cの断面図に示すように、ガイドワイヤ230の遠位端240の近位にある部分は、平坦化又はプレスされた遠位端240より大きい直径又は厚さを有することができる。例えば、ガイドワイヤ230の近位部分は、0.006”とすることができ、遠位端240に位置又は隣接するガイドワイヤ230の遠位部分は、0.002”とすることができる。この点で、ガイドワイヤ230は、その近位端238から遠位端240へテーパ状にすることができる。ガイドワイヤ230は、対応する平坦化又はプレスされた遠位端240を形成するために、必要又は要求に応じて多かれ少なかれ段階的にテーパ状にすることができる。
【0330】
図32は、血塊分析及び/又は血塊分類及び/又は患者に対する治療プロトコルの個別化を含む、本明細書に記載する1つ以上の実施形態による本開示の態様を実施することが可能な汎用計算システムを示すコンピュータアーキテクチャ図である。コンピュータ3200は、本開示の実施形態に関連する1つ以上の機能を実行するように構成することができる。例えば、コンピュータ3200は、血塊分析及び/又は分類及び/又はそれぞれの患者に対する治療プロトコルの個別化に関係する本明細書に開示する実施形態に関連する撮像を行うために、動作を実行するように構成することができる。コンピュータ3200は、単一の計算装置又は複数の接続された計算装置によって形成された計算システム内で実施することができることを理解されたい。コンピュータ3200は、様々な分散された計算タスクを実行するように構成することができ、処理及び/又は記憶資源は、複数のデバイス間で分散させることができる。図32に示すシステムのデータ取得及び表示コンピュータ3250及び/又はオペレータコンソール3210は、コンピュータ3200の1つ以上のシステム及び構成要素を含み得る。
【0331】
示されるように、コンピュータ3200は、処理ユニット3202(「CPU」)、システムメモリ3204、及びメモリ3204をCPU3202へと連結させるシステムバス3206を含む。コンピュータ3200は、プログラムモジュール1814を格納するための大容量記憶装置1812を更に含む。プログラムモジュール3214は、in vivo及び/又はin vitroにて1つ以上の血塊を分析及び/又は分類する、並びに本明細書で議論される患者の治療を個別化するように、動作可能であってよい。例えば、本開示の図面のいずれかに記載されるように、コンピュータ3200を患者の血塊へと理由付ける。プログラムモジュール3214は、例えば、対象領域の磁気共鳴撮像に対応する画像データを取得及び/又は処理するために、本明細書に記載されるようなデータ取得及び/又は処理機能を実行するための、撮像アプリケーション3218を含んでよい。コンピュータ3200は、本開示の種々の実施形態による磁気共鳴撮像の実施から取得されたデータなどの撮像関連データ3222を含み得るデータを記憶するための、データ格納部3220を含み得る。
【0332】
大容量記憶装置3212は、バス3206に接続された大容量記憶コントローラ(図示せず)を介して、CPU3202に接続される。大容量記憶装置3212及びその関連するコンピュータ記憶媒体は、コンピュータ3200用の不揮発性記憶装置を提供する。本明細書に含まれるコンピュータ記憶媒体の説明は、ハードディスク又はCD-ROMドライブなどの大量記憶装置を指すが、コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ3200によりアクセス可能な任意の利用可能なコンピュータ記憶媒体とすることができることが、当業者により理解されたい。
【0333】
限定ではなく例として、コンピュータ記憶媒体(本明細書では「コンピュータ可読記憶媒体」又は「コンピュータ可読記憶媒体」とも呼ぶ)は、コンピュータ記憶命令、データ構造、プログラムモジュール、又は他のデータなどの情報の記憶のために、任意の方法又は使用又は技術で実施される揮発性及び不揮発性の取り外し可能及び取り外し不可媒体を含み得る。例えば、コンピュータ記憶媒体としては、限定されるものではないが、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ若しくはその他の固体メモリ技術、CD-ROM、デジタル汎用ディスク(DVD)、HD-DVD、BLU-RAY、若しくはその他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶域若しくはその他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用され得、かつコンピュータ1800によりアクセスされ得る任意のその他の媒体が挙げられる。本明細書に記載されるような「コンピュータ記憶媒体」、「コンピュータ可読記憶媒体(medium)」又は「コンピュータ可読記憶媒体(media)」は、一時的信号を含まない。
【0334】
種々の実施形態によれば、コンピュータ3200は、バス3206に接続されたネットワークインターフェースユニット3210を介して、ネットワーク1816を介したその他のローカルコンピュータ又はリモートコンピュータへの接続を使用して、ネットワーク化された環境にて動作することができる。ネットワークインターフェースユニット1810は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域通信ネットワーク(WAN)、インターネット、セルラーネットワーク、無線周波数(RF)ネットワーク、Bluetooth対応ネットワーク、Wi-Fi対応ネットワーク、衛星ベースネットワーク、又は外部装置及び/若しくは外部システムと通信するためのその他の有線及び/若しくは無線ネットワークなどの、1つ以上の好適なネットワーク及び/又は接続への、計算装置の入力及び出力の接続を、促進することができる。
【0335】
コンピュータ3200はまた、多数の入力装置のうちのいずれかから入力を受信して処理するための、入力/出力コントローラ3208を含んでよい。入力デバイスは、キーボード、マウス、スタイラス、タッチスクリーン、マイクロフォン、音声捕捉デバイス、及び画像/ビデオ捕捉デバイスのうちの1つ以上を含み得る。エンドユーザは、入力装置を利用して、コンピュータ3200により実行される種々の機能を管理するために、ユーザインターフェース、例えばグラフィカル・ユーザ・インターフェースと対話することができる。バス3206は、処理ユニット3202が、大容量記憶装置3212又はその他のコンピュータ記憶媒体への/からの、コード及び/又はデータを読み取ることを、可能にし得る。
【0336】
コンピュータ記憶媒体は、半導体、磁気材料、光学素子等を含むがこれらに限定されない、任意の好適な技術を使用して実装される記憶要素の形態の装置を表すことができる。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、フラッシュ、又はその他の種類の技術として特徴付けられるかどうかにかかわらず、メモリ構成要素を表し得る。コンピュータ記憶媒体はまた、ハードドライブ又は別の方法として実装されるかどうかに関わらず、二次記憶装置を表し得る。ハードドライブ実装は固体状態として特徴付けられてよい、又は磁気コード化情報を記憶する媒体に交換することを含んでもよい。撮像アプリケーション3218を含むプログラムモジュール3214は、処理ユニット3202へと装填され、かつ実行された場合に、コンピュータ3200に、本開示の図に示される1つ以上の実施形態に関連付けられた機能を提供させる命令を含んでよい。プログラムモジュール3214はまた、コンピュータ3200が、本説明全体を通して議論される構成要素、フロー、及びデータ構造を使用して、システム全体又は動作環境内に参加することができる種々のツール又は技術を提供してもよい。
【0337】
一般に、プログラムモジュール3214は、処理ユニット3202へと装填され、かつ実行された場合に、処理ユニット3202及びコンピュータ3200全体を、汎用計算システムから専用計算システムへと変換させることができる。処理ユニット3202は、任意の数のトランジスタ又はその他の個別の回路素子から構成されてもよく、これらは、任意の数の状態を個別に又は集合的にとることができる。より具体的には、処理ユニット3202は、プログラムモジュール3214内に含まれる実行可能命令に応答して、有限状態マシンとして動作し得る。これらのコンピュータ実行可能命令は、処理ユニット3202が状態間で遷移するかを特定することによって処理ユニット3202を変換することにより、処理ユニット3202を構成するトランジスタ又はその他の個別のハードウェア要素を変換させることができる。
【0338】
プログラムモジュール3214をコード化することにより、コンピュータ記憶媒体の物理的構造を変換することもできる。物理的構造の特定の変換は、本明細書の異なる実施形態において、種々の要因に依存し得る。このような要因の例としては、コンピュータ記憶媒体を実装するために使用される技術、コンピュータ記憶媒体が一次又は二次記憶媒体として特徴付けられるかどうか等、などが挙げられ得るが、これらに限定されない。例えば、コンピュータ記憶媒体が半導体ベースのメモリとして実装される場合、プログラムモジュール3214は、ソフトウェアがその中にコードされている場合に、半導体メモリの物理的状態を変換させることができる。例えば、プログラムモジュール3214は、トランジスタ、コンデンサ、又は半導体メモリを構成するその他の個別の回路素子の状態を、変換させてもよい。
【0339】
別の例として、コンピュータ記憶媒体は、磁気技術又は光学技術を使用して実装されてよい。このような実装形態では、プログラムモジュール3214は、ソフトウェアがその中にコードされている場合に、磁気媒体又は光学媒体の物理的状態を変換させることができる。これらの変換は、所与の磁気媒体内の特定の位置の磁気特性を変更することを、含んでよい。これらの変換はまた、所与の光学媒体内の特定の位置の物理的特徴又は特性を変更して、それらの位置の光学特性を変更することを含んでもよい。物理的媒体のその他の変換は、本明細書の範囲から逸脱することなく可能であり、前述の実施例は、本議論を容易にするためにのみ提供される。
【0340】
図33は、患者から最近除去された、in vitroにおける血塊3320又は血塊3320の断片を分析するモバイル装置3310の、例示の実施形態の概略概要を示す。モバイル装置3310は、携帯電話、メディアプレーヤ、ポータブルゲーミング装置、タブレットコンピュータ等の、画像を捕捉するように構成された任意の電子装置であってよい。本開示は、任意の単一タイプのモバイル装置に限定されないことに、留意されたい。装置3310は、システム3200などの外部計算装置及び/又はシステムによって無線で接続及び制御することができ、それによってそのような外部システムは、本開示のすでに開示した実施形態のいずれかに応じて、血塊に対する分析及び/又は分類及び/又は治療プロトコルの個別化に関係する命令を実行するように動作可能とすることができる。あるいは、装置3310は、患者及びそれぞれの血塊に対する治療プロトコルの分析及び/又は分類及び/又は個別化をローカルで行うことができる。
【0341】
装置3310は、装置3310上に常駐するアプリケーションを介して、外部計算装置と動作可能に通信することができる。装置3310は、それを分析及び/又は分類するために、血塊3320又は血塊3320の断片の画像又は映像を捕捉するように構成された、内蔵カメラなどの光学システムを含んでよい。
【0342】
装置3310の代表的なアーキテクチャは、コンピュータ命令が処置される中央処理ユニット、通信インターフェースとして機能し、かつディスプレイ上に映像、グラフィック、画像、及びテキストを表示するための機能を提供するディスプレイインターフェース、及びキーボードに通信インターフェースを提供するキーボードインターフェース、並びに装置3310及び/又はそこへと連結された任意の外部計算装置に通信インターフェースを提供するポインティング装置インターフェースを含み得る。アーキテクチャの代表的実施形態は、アンテナに通信インターフェースを提供する、アンテナインターフェースを含むことができる。代表的実施形態は、外部装置又はネットワークに通信インターフェースを提供し得る、ネットワーク接続インターフェースを含んでよい。
【0343】
特定の実施形態では、通信インターフェースとして機能し、かつ搭載カメラからのデジタル画像を捕捉するための機能、及びフィブリン濃度、赤血球濃度、白血球濃度、血清濃度、及びその他の物理的特性を含む、血塊の特定の態様を可視化する能力を提供する、カメラインターフェースが提供されてよい。代表的実施形態によれば、ランダムアクセスメモリ(RAM)が提供されてもよく、コンピュータ命令及びデータは、CPUによる処理のために揮発性メモリ装置に記憶されてよい。アーキテクチャは、基本入力及び出力(I/O)、キーボードからのキー入力の起動、又は受信などの基本システム機能のための、不変の低レベルシステムコード又はデータが不揮発性メモリ装置に記憶される、読み取り専用メモリ(ROM)を含んでよい。代表的実施形態によれば、アーキテクチャは、記憶媒体又はその他の好適なタイプのメモリ(例えば、RAM、ROM、プログラマブル読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、磁気ディスク、光学ディスク、フロッピーディスク、ハードディスク、取り外し可能カートリッジ、フラッシュドライブなど)を含んでよく、これらは、ファイルが、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム(例えば、ウェブブラウザアプリケーション、ウィジェット若しくはガジェットエンジン、及び又は必要に応じてその他のアプリケーションを含む)を含み、かつデータファイルが記憶される。代表的実施形態によれば、アーキテクチャは、適切な交流(AC)又は直流(DC)を電力構成要素へと提供する電源を含んでよい。代表的実施形態によれば、アーキテクチャは、デバイスが電話ネットワークを介して音を送受信することを可能にする、電話サブシステムを含んでよい。構成デバイス及びCPUは、バスを介して互いに通信してよい。
【0344】
開示された解決策の種々の態様は、いくつかの実施例の実施及び対応する結果の以下の説明から、更により完全に理解され得る。いくつかの実験データは、例示の目的で本明細書に提示され、また開示された技術の範囲を任意の方法で限定するものとして解釈されるべきではない、又は任意の代替的若しくは追加的な実施形態を除外するものとして解釈されるべきではない。
【0345】
図34は、本開示にて分析された100の血塊の組織病理学的組成の、概要を示す。各血塊の血塊分析は、最も高い赤血球(RBC)数及び最低~最高のフィブリン数から選別されている。図34は、このような特定された物理的特性に応じて異なる治療プロトコルを必要とする、in vitroで試験された100の血塊にわたる、たった3つの血塊物理的特性における、有意な変動を示す。
【0346】
図35A図35Cは、赤血球数によって分類された3つの別個の血塊に対するひずみ速度を比較するグラフを示す。具体的には、図35Aは、0%の赤血球数を有すると特定された収縮状態及び非収縮状態における血塊のひずみ速度を示すグラフを示し、図35Bは、40%の赤血球数を有すると特定された収縮状態及び非収縮状態における血塊のひずみ速度を示すグラフを示し、また図35Cは、5%の赤血球数を有すると特定された収縮状態及び非収縮状態における血塊のひずみ速度を示すグラフを示す。見てわかるように、分析された血塊内で赤血球数が変動すると、血小板によって活性化される血塊の収縮により、その血塊の対応する硬さが変化し、この血塊によって閉塞した血管への潅流を再開するために必要な治療も変化する。本開示の解決策は、示される赤血球数において患者を治療し、閉塞した血管を有する個人に対する治療プロトコルを分類、分析、及び判定するように構成される。
【0347】
本開示の第1の研究はまた、血栓除去処置中のデバイスの各パスで回収された血塊断片の組成も検査し、図36は、組織学的分析のため血塊断片を血管内療法によって回収した第1の研究における患者の臨床的特性を示す表である。第1の研究は、血塊組成物とパス数との間の関連性を明らかにすること、及びどのようにデバイスの選択を通知し得て、手技を精緻化し、かつ困難な血塊を首尾よく回収する技術の開発を助けることができるか、を探求した。今日までの多くの研究は、AIS患者から回収された血塊の病理学を調べたが、別個のパスで回収された血塊は全体として分析されたが依然として少数であり、それでもいくつかの場合、研究は、個々のパスで回収された血塊の組成を試験した。第1の研究の目的は、複数回のパスにわたって血塊組成を評価し、これを処置因子及び患者因子(例えば、血管造影再疎通果及び/又は脳卒中の病因)と相関させることであった。前述したように、RBCに富む血塊とフィブリンに富む及び/又は血小板に富む血塊による血管閉塞を伴うAIS患者の場合、RBCに富む血塊が、一般に、低減された弾性及び剛性と共に増大した粘度及び変形性を有する故に、異なる再疎通結果を有する。この試験に先立って、動物モデルにおいて、RBCに富む血塊で閉塞した血管が、フィブリンに富む血塊で閉塞した血管内で達成された再疎通の著しく低い割合(37.5%)と比較して、ほぼ100%の再疎通を達成することができる、と理解された。
【0348】
この理解により、第1の研究の機械的血栓除去手順は、複数回の試み又はパスを伴って閉塞血塊を回収し、またその後に、改善された患者の転帰結果の機会を増加させる。機械的血栓除去は、局所的指針に従って、経験された神経放射線学者のチームにより実施された。ほとんどの場合、大腿動脈を介して挿入されたガイドカテーテルを使用して、閉塞物に到達した。各パスの後、装置、引き出された場合は中間カテーテル、及び吸引シリンジを、血塊断片の存在について検査した。処置中、各パスで回収されたフラグメントを、個々の試料容器内で分離した。血塊は、Martius Scarlett Blue stainを使用して病理組織学的に検査し、これにより、赤血球、フィブリン、及び白血球の分化を可能にした。各構成要素により占有される相対面積の定量的分析を、各血塊について実施した。
【0349】
ヒトAIS血塊を分析する従来の研究では、回収された血塊の「パスごと」の組成については報告されていない。例えば、Marderら(2006年)は、25のAIS血塊において組織学的分析を行ったが、回収された血塊の75%がフィブリンに富んだことを示し、また、RBCsから一意的に構成された血塊においてはRBCが優勢であることは稀であることを示した。Marder,上記,p.2086~93。第1の研究の結果は、フィブリンに富んだ血塊が、RBCに富んだ血塊と比較して、より多くの数の再疎通(それぞれ2.8パス対4.5パス)を必要としたことを示した。この現在の研究では、第1の2回のパスで除去された血塊断片を比較した場合と、3回以上のパスと比較した場合とで、全体的な血塊組成に著しい変動があった。図40Aを参照されたい。全体として、血塊組成のパスごとの分析により達成される分化は、組み合わされた「症例ごと」の血塊組成と比較して、血栓除去処置の進行への優れた洞察を提供した。更に、血管造影結果及び脳卒中の病因を含む手順及び臨床データを伴う患者に関連する60人の症例からのデータを含む、当該第1の研究において、「パスごと」の血塊組成を比較した。
【0350】
Acute Stroke Treatment(TOAST)分類システムにおけるOrg10172試験を適用して、(1)アテローム塞栓症、(2)心臓塞栓症、(3)その他の判定された病因、(4)未判定の病因又は潜在的な病因を含む、各患者に関して利用可能な診断情報及び臨床情報に基づいて、疑われるAISの病因を定義した。
【0351】
組織病理学的所見に関して、合計138のパスのうち106個のパスからの血塊物質が組織学的に処置され、かつH&E及びMSBにより染色された。染色は、図37A図37Dに示されるようなフィブリン及びRBCの分布における高いパス間変動及び高いパス内変動を示した。より具体的には、図37A図37Dは、第1の試験における血栓除去により回収された血塊のMSB染色の結果を示す。黄色で染色された赤血球はより明るく、示された血塊のより白色の部分(すなわち、より明るい灰色)が示されたのに対して、赤く染色されたフィブリンは濃い灰色で示され、また白血球の細胞核は紫色で染色され、かつ図37Dの拡大図では黒で示されている。図37Aは、一般にRBCに富む血塊を示し、図37Bは、RBCとフィブリンとの混合物を伴う不均質な血塊を示し、図37Cは、大きいフィブリン及びRBCドメインの領域を伴う血塊を示し、また図37Dは、フィブリンに富む血塊を示す。図37Dの右上にあるキャプチャされた画像は、前述の白血球の紫色に染色された核を示す。
【0352】
パスごとに除去された組み合わされた血塊負荷が、図38に示されている。血栓除去術において除去された血塊のその他の研究と同様に、RBC及びフィブリン組成における広範な分布が、第1の試験において観察された。WBC組成は、全ての症例にわたって一貫して限界域であった。全てのパスから組み合わされた血塊の平均組成は、46.4%±23.1%のRBCs、48.9%±22.0%のフィブリン、及び4.7%±3.1%のWBCであった。合計1、2、3又は4~6回のパスからなる症例では、全てのパスから組み合わされた断片の平均RBC含有量は、図39にて示されるように、それぞれ51.8%±20.6%、46.9%±20.3%、49.1%±13.5%、及び40.8%±22.6%であった。図39は、合計1、2、3、又は4~6回のパスからなる症例に関する、組み合わされた血塊断片の第1の研究における平均組成を、特定的に示す。バーは、平均組成を表す。個々の標準偏差を使用して間隔を計算した。この組み合わされた血塊分析では、血塊を回収するために必要とされるパス回数にかかわらず、4群(それぞれP=0.490、0.487、及び0.658)間のRBC、フィブリン、及WBC組成物において、著しい差はなかった。
【0353】
図40Aは、第1の試験における全ての症例からパス1、2、3、4、5、6で回収された106個の血塊断片の平均RBC、フィブリン、及びWBC組成物を示し、またパス1及び2で回収された物質の平均RBC組成(それぞれ、51.1%±22.1%及び52.7±22.2%)が、組み合わされたパス3、4及び6におけるRBC組成(それぞれ31.2%±13.2%、34.1%±25.5%、22.5%±31.6%、37.7%±21.9%)よりも著しく高い(p≦0.001)ことを示す。組み合わされたパス3、及びパス4~6において回収された血塊断片(それぞれ、63.0%±11.9%、61.6%±25.8%、72.9%±30.7%、及び58.5%±19.8%)と比較した場合に、著しく低い(p≦0.001)フィブリン組成(それぞれ、44.2%±20.9%及び43.0%±21.0%)と関連したパス1及び2において回収された血塊断片を伴って、逆のパターンがフィブリン組成について観察された。パス2で回収されたものと比較した場合に、パス1で回収された血塊断片のRBC及びフィブリン組成は、著しくは異ならなかった(RBC比較;p=0.501、フィブリン比較;p=0.963)。図40Bは、2回を超えるパスからなる第1の研究の全ての症例からの、パス1、2、3、4、5、6にて回収された血塊断片(n=53である血塊断片)の、平均RBC、フィブリン、及びWBC組成を示す。両方のグラフに関して、平均RBC、フィブリン、及びWBC値が、各パスについて表示される。個々の標準偏差を使用して、示される間隔を計算した。
【0354】
1及び2からなる症例が、図40Bに示されるような分析からのみ除外される場合、同様の所見が観察された。これは、複数回のパスからなる複雑な症例において、パス2の後に回収された血塊断片が、第1の2回のパスと比較して著しく高いフィブリン組成を有し、また一般に、WBCに関しては傾向は観察されなかったことを確認している。
【0355】
図41は、第1の試験の60件の症例にわたって各パスで回収された血塊断片の、RBC、フィブリン、及びWBC組成を表す。138回のパスからの32回(23.2%)は、少なくともいくつかの血塊物質を回収するにあたって失敗した。1回又は2回のパスのみが血塊断片を除去するために必要とされる症例の場合、これらの症例の12.2%のみが、血塊物質が除去されなかった試み(5/41パス)を伴う。3~6回のパスを伴うより複雑な症例では、これらの症例の84.2%は、血塊断片が除去されなかった少なくとも1回のパスを含んでいた(16/19パス)。
【0356】
図36にて示されるように、血塊回収装置200などの血塊回収装置は、90%のパス(124パス)に使用され、残りの10%のパス(14パス)で使用されるカテーテル技術による直接吸引を用いた。第1のライン処置として、10件の症例にて直接吸引を使用した。単一パスにおける直接吸引が3件存在し、これらの症例のそれぞれにおいて、血塊物質の回収に成功した。5回の直接吸引の経過後、残りのパス(36%)に関して、技術を血塊回収デバイスへと変換した。更に、直接吸引は、2回のパス(14%)において、血塊物質の回収に失敗した。技術が血塊回収デバイスから直接吸引へと変更された1件の症例のみが存在し、この3回のパス症例では、第1ラインの血塊回収デバイスが通過した後、2回の後続のパスのために直接吸引が適用された。124回の血塊回収デバイスの通過中、30回のパスが血塊物質を回収することに失敗した(24%)。要約すると、直接吸引パスの50%(14パスのうち7回)は、血塊を回収することに失敗した、又は血塊回収デバイスへと変換されたか、のいずれかであり、その一方で、血塊回収デバイスの25%(124パスのうち31回)は、血塊を回収することに失敗した、又は直接吸引へと変換された。
【0357】
血塊回収デバイスを使用して回収された血塊の平均RBC、フィブリン、及びWBC組成は、それぞれ44.1%±22.7%、51.1%±21.7%、及び4.8%±3.2%であった。直接吸引により回収された血塊の平均RBC、フィブリン、及びWBC組成は、それぞれ64.4%±18.1%、31.6%±16.6%、及び4.0%±2.2%であった。血塊回収デバイスに対する直接吸引により回収された断片のRBC及びフィブリン組成における差は、統計的に有意であった(それぞれ、p=0.003及びp=0.002)が、WBC組成に違いはなかった(p=0.265)。両方の技術により回収された血塊の組成分析における最も顕著な差異は、直接吸引に関して、56.4%超のフィブリンを伴う血塊断片が回収されなかった(6.4~56.4%のフィブリン(41.2%~91.8%のRBC)ことであり、その一方で、血塊回収装置により回収された血塊断片の組成の範囲は、試験で見られる血塊組成の全範囲、9.2~92.3%のフィブリン(0.1~89.9%のRBC)を包含している。これらの結果は、デバイス200などの血塊回収デバイスが、広範囲のフィブリン組成を伴う血塊を回収することが可能である一方で、直接吸引は、高フィブリン組成を伴う血塊断片を回収する際にも機能しない場合があることを示唆する。
【0358】
18件の症例(30%)において、ICAのみの閉塞、及びMCAへと拡大するICAの閉塞を伴う(図36を参照のこと)。平均して、ICA関与なし(MCA、ACA及び脳底動脈)である回収された血塊に必要な2.4±1.8回のパスと比較して、これらの血塊を回収するためには2.3±1.3回のパスが必要であった。この差は、統計的に異なるものではなかった(p=0.760)。しかし、同じ群間では、回収された血塊のRBC及びフィブリン組成において、有意な差が見られ、ICAのみの閉塞、並びにICA及びMCAの集合的な閉塞は、ICAを伴わない閉塞物から回収された血塊断片と比較して、著しく高い(p<0.001)RBC組成(非ICA血管内における40.2%±21.8%に対して、ICAを伴う閉塞物における61.3%±19.0%)、及び著しく低い(p<0.001)フィブリン組成(非ICA血管における54.9%±21.0%に対して、ICAにおける34.3%±17.3%)に関連する。
【0359】
更に、38人の患者(63.3%)にrt-PAを投与した。これらの事例のうち、血塊断片を回収するために必要とされる平均パス回数は、rt-PAが投与されなかった場合に、2.7±1.7回のパスと比較して、2.1±1.3回通過した。この差は、統計的に異なるものではなかった(p=0.127)。rt-PAが投与された場合から回収された血塊断片の平均RBC、フィブリン、及びWBC組成は、rt-PAが投与されなかった場合の40.8%±21.4%、54.1%±20.1%、5.1%±3.5%と比較して、51.9%±18.2%、43.2%±17.0%、4.9%±2.6%であった。2つの群間のRBC及びフィブリン組成の差は、統計的に異なった(p=0.048及びp=0.039)が、その一方で、WBC組成における統計的差はなかった(p=0.839)。
【0360】
潜在性、アテローム性、及び心臓性のTOAST分類を用いた、患者から回収された血塊の分析を、図42~43にて示す。具体的には、図42にて示される処置において回収された完全な血栓負荷の組成は、群間の顕著な差を示していない。図42は、心臓塞栓症、アテローム塞栓症、又は潜在的な病因に従って、各パスからの断片が組み合わされかつグループ化された、全ての血塊のRBC、フィブリン、及びWBC組成を示す。四分位数間領域、ウィスカー、及び正中線をグラフに示す。各病因に関する平均RBC、フィブリン、及びWBC組成を、記号+により表す。心臓塞栓症、アテローム塞栓症、及び潜在的脳卒中患者から回収された血栓負荷全体の平均RBC及びフィブリン組成は、それぞれ48.7%±23.1%、54.9%±18.8%、及び44.2%±17.4%のRBCs、及びそれぞれ46.0%±21.9%、40.7%±16.4%、及び50.8%±16.5%のフィブリンであった。一方向ANOVAを使用すると、除去された血栓負荷全体のRBC及びフィブリン組成は、3つの異なる病因群間で有意には異ならなかった(病因間のRBC比較;p=0.286、及び病因間のフィブリン比較;p=0.269)。
【0361】
各パスにおける血栓組成の試験を、図43に示す。図43は、心臓塞栓症、アテローム塞栓症、及び潜在的な病因を伴う患者から、1~6回のパスにおいて回収された断片の、RBCの割合、フィブリンの割合、及びWBCの割合の分析を具体的に示す。各群のパスごとの平均RBC、フィブリン、及びWBC組成をグラフに示す。個々の標準偏差を使用して、示される間隔を計算した。1回目及び2回目のパスにおけるRBCsに対するフィブリンの比は、それぞれ51.2%±23.8%及び44.9%±18.5%(p=0.282)で、心臓塞栓症及び潜在的病因において類似していたが、アテローム塞栓症の病因から1回目及び2回目のパスにおいて回収された血栓は、より高いRBC組成(65.1%)を有する。この差は、潜在的脳卒中の場合(p=0.003)では統計的に有意であるが、同一方向に傾向があり、心臓塞栓症性の病因と比較した場合に、統計的に異なるものではない(p=0.077)。
【0362】
図42図43では、一方向ANOVAを使用して決定されるように、3つの病因群(p=0.479)間のパス3~6で回収された断片のRBC、フィブリン、及びWBC組成において、有意差はなかった。最初の2回のパスと後の全ての病因群間の後のパスとの間で、フィブリン組成における有意な増加が明らかであった。アテローム塞栓症血塊は、後のパスと比較して、パス1及び2におけるRBC優性断片の有意な優先的除去に関連した。更なる分析は、2回を超えるパスを有した症例の30%に着目しただけで、上記の組み合わされた分析と同じ傾向を示している(本分析は、この原稿に提供されていない)
【0363】
最終的な血管造影再灌流速度は、90%のmTICI≧2b、73.3%のmTICI≧2c、及び53.3%のmTICI 3のスコアであった(例えば、図36を参照のこと)。パス1~3における血栓物質の除去は、パス4~6と比較して、より高いパーセンテージの最終mTICI 2cから3のスコアと関連付けられ、合計1、2、3、又は4~6のパスからなる場合、最終mTICI≧2cの速度は、それぞれ78.3%、77.8%、85.7%及び50%であったが、その一方で、最終mTICI≧2bの速度は、87%、88.9%、100%及び91.7%であった。再灌流転帰の全分布を、図36に示す。
【0364】
RBC及びフィブリン組成の平均分率を、2b、2c及び3の最終mTICIを用いた場合について計算した。本分析では、0、1及び2aのmTICIを伴う場合を除外した。最終mTICIスコア(それぞれ、p=0.173及びp=0.182)を伴うRBC組成とフィブリン組成との間に有意な関連はなかったが、mTICIスコアを増加させるRBC含有量の増加に向かう傾向があった。2b以上の最終mTICIを伴う場合に関する、それぞれの平均RBC組成及びフィブリン組成は、以下のとおりである。mTICI2b:37%±15%及び58%±15%、mTICI2c:42%±22%及び52%±19%、mTICI3:54%±19%及び42%±18%。同様に、各パス後のmTICIスコアと、そのパスで回収された断片のRBC及びフィブリン組成(それぞれ、P=0.193、0.229)との間には、有意な相関はなかった。
【0365】
本開示の第2の研究では、血小板収縮血塊類似物(PCC)及び非収縮血塊類似物(NCC)の調製について評価した。血小板に富む血漿(PRP)及び血小板が少ない血漿(PPP)を異なる量の赤血球(RBC)と混合することにより、様々なヘマトクリット値の血液混合物をクエン酸添加したヒツジ血液から調製した。抗凝固剤で反転させた後、これらの血液混合物から血塊を調製した。急性虚血性脳卒中(AIS)症例から回収された塞栓血塊を検査するために以前に使用された機械的試験を実施して、血塊類似物の機械的挙動を測定し、ex vivoの血塊との比較を可能にした。走査電子顕微鏡及び組織学的検査を使用して、血塊類似物の微細構造及び組成を調べた。機械的血栓除去装置と相互作用するときの、血塊の機械的特性とそれらの挙動との間の関連性確認を、in vitroシリコーン動脈流モデルを使用して実施した。
【0366】
第2の試験では、試験用の血塊サンプルを調製するために、ヒツジから新鮮な静脈血を採取した。ヒツジ血液は、凝固試験におけるヒト血液の好適な代替物であることが知られているため選択した。血液を回収し、ACPD(アデニン、クエン酸、リン酸、デキストロース)抗凝固溶液を添加した。次いで、血液を実験室に運び、使用するまで室温で保管した。全ての血塊を、血液採取から5時間以内に調製した。
【0367】
血塊調製を開始するために、血液を180gで10分間遠心分離して、血小板に富む血漿(PRP)の上層を形成した。PRPの単離後、残りの血液混合物を2200gで再度遠心分離して血小板が少ない血漿(PPP)を作製した。PPPを慎重に収集し、確実にバフィーコートが破壊されないようにした。次いで、バフィーコートを廃棄物として除去して、下層のRBCを分離した。(1)PCC及び(2)非収縮血塊(NCC)の2つの群の血塊類似物が生成された。血小板に富む血漿(PRP)を赤血球と管理した比率で混合することにより、異なるヘマトクリット値(H)を有する血液混合物からPCCが形成された。同様に、NCCを、血小板が少ない血漿(PPP)を赤血球と同じ比率で混合することによって作製した。
【0368】
様々な血液混合物を作製した後、2.06%塩化カルシウム溶液を1:9の比で血液成分に添加することによって、凝固を開始した。血塊を37℃のインキュベータ内で一晩成熟させた。収縮確認を実施し、血塊型内の固相及び液相を秤量することによって、重力測定的に評価した。血清の色についても監視し、RBCが血塊に含まれたか、又は凝固後に懸濁液中に残っているかどうかを確認した。得られた円筒形の血塊を適切な高さに切断し、機械的試験の前に30分間PBS中に置いた。
【0369】
第2の試験では、0.00001Nの力分解能及び1nmのひずみ分解能を有する動的機械分析器(DMA、Q800;TA Instruments(New Castle,Delaware))を使用して、血塊類似物の機械的挙動を調べた。試験は、制御された力モードで浸漬圧縮クランプを使用して実施し、サンプルを37℃の生理食塩水中で試験した。円筒形血塊サンプルを、およそ3mmの高さを有するように切断し、キャリパーを使用して直径を測定した。220番手のサンドペーパーを圧縮ディスクに接着して、サンプルが試験中に滑り落ちるのを防止した。最初に、0.5N/分の速度で15Nまでの力傾斜をサンプルにかけた。
【0370】
第2の試験では、フィブリン及び赤血球を染色するための適切な方法としてMSB染色を選択した。インキュベータから取り出した後、血塊の断片を10%緩衝ホルマリン溶液中で固定し、48時間放置した。次いで、サンプルをパラフィンワックスに包埋し、5μmの切片に切断した。切片を脱ろうし、染色に備えて蒸留水で水和させた。
【0371】
Olympus VS120デジタルスライドスキャナを使用して切片を撮影した。対物レンズ、輝度、及び集光レンズの高さ、並びに画像取得ソフトウェアの彩度、輝度、及びコントラスト設定を共通にして、デジタル化画像の均一性を確保した。スライドの5つの無作為に選択された領域から、40倍の倍率で画像を取得した。
【0372】
類似物のサンプルを2.5%グルタルアルデヒドで固定し、100%までの濃度の一連のエタノールで脱水した。血塊類似物の内面が検査できるように、サンプルを液体窒素中で凍結させて破壊した。次いで、サンプルを臨界点乾燥し、取り付け、イリジウムでスパッタコーティングした。
【0373】
第2の研究はまた、ヒト頭蓋内循環に基づく3次元in vitroモデルも含み、これを血栓除去実験に使用した。モデルは、頚動脈及び椎骨動脈の両方を有する完全頭蓋内循環、完全ウィリス動脈輪、並びにM2及びA2に至る遠位循環を有する機能性前後交通動脈からなる。生理食塩水を37℃に加熱し、蠕動ポンプを使用してモデルを通して循環させた。モデルを通る流速は、臨床上の典型的な流速の範囲内に設定された。様々な種類の血塊を適切な大きさに切断し、in vitro循環モデルに導入して、中大脳動脈の大血管閉塞をシミュレートした。3mm×3mm×8mmの寸法に血塊を切断し、頚動脈内に導入し、M1閉塞を促すため標的位置への拍動流下で血管内を移動させた。
【0374】
第2の研究では、吸引カテーテルを用いる接触吸引(ADAPT法)及び中間カテーテル内への局所吸引と組み合わせたステントレトリーバによる回収(Solumbra法)の2種類の回収手技を使用して、血塊類似物を回収した。前者にはACE 64(Penumbra(Alameda,CA,USA))中間カテーテルを使用し、後者にはデバイス200に関して前述したような33×5mmのステントリーバデバイスとACE 64中間カテーテルを使用した。Medium Support 0.014”直線先端ガイドワイヤ(Boston Scientific(Marlborough,USA))及びev3 Rebar(ev3(Irvine,CA,USA))0.021”マイクロカテーテルを使用して、ステントレトリーバを用いる回収のために血塊を超えさせた。接触吸引のみでは、カテーテルをガイドワイヤを通して血塊面まで前進させ、Penumbra吸引ポンプ(Penumbra(Alameda,CA,USA))を使用して吸引した。血塊とデバイスとの相互作用は、回収中の血塊及び装置の挙動を観察することによって調べた。
【0375】
第2の研究の結果を以下のように説明する。血液混合物の重量及び得られた血塊を重量天秤で測定した。収縮による体積減少は、各血塊の重量を、それが由来する元の血液混合物の割合として表すことによって計算した。したがって、NCCの重量は、血液混合物の重量に等しい。しかしながら、PCCは、排除された血清の形態での体積減少により、減量した。NCCの更なる重量評価を行って、NCCを、2200gで10分間2回遠心分離することによって機械的に圧縮した。これらの機械的に収縮された血塊の最終重量もまた、血液混合物のヘマトクリット%と相関し、それによって、凝固開始時に血塊中に捕捉されたRBCが最終血塊体積の制限因子であることが確認された。
【0376】
第2の試験の全ての血塊は、図44に示すように、2つの別個の領域を有する非線形応力-ひずみ挙動を呈した。初期領域では、繊維が物質ネットワーク内で再配列されるにつれて、小さな応力で生じる大きな変形が見られる。しかしながら、負荷が増加すると、適用された力の方向に対して垂直に整列したフィブリン繊維は、整列されると繊維が伸張されるため、応力が急激に増加した。機械的試験は、PCCの圧縮剛性が、全てのヘマトクリット値にわたってNCCよりも高かったことを示した。PCCについては、血塊の剛性とヘマトクリット値との間に非線形相関が存在した。低ひずみレベルでは、5%Hの血塊は、収縮した血塊群の最も硬い血塊であることが見出され、その後、20%H、0%H、及び40%Hがそれぞれ続いた。しかしながら、高ひずみ(>60%)では、20%Hの血塊は最も高い剛性を有し、5%H、0%Hと続き、40%Hの収縮した血塊は全てのひずみレベルで最も低い剛性を有した。NCC群では、全ての血塊は、圧縮剛性においてわずかな差を有する非常に類似した特性を持っていた。
【0377】
血塊類似物の機械的挙動を、吸引血栓除去によって除去されたAISに続発する血栓塞栓と比較した。血塊類似物は、これらのex vivoの塞栓の範囲に及ぶ。両群の血塊類似物は、低レベルのひずみ(例えば、<30%)でのヒト血栓塞栓よりも低い剛性を有することが見出されたが、PCCは、より高いレベルのひずみで同様のレベルの応力に達した。NCCは、全てのひずみレベルにわたって、一桁低いことが見出された。図45に示されるように、同じヘマトクリットレベルでPCC及びNCCを比較するとき、血塊類似物の組織学的検査により、フィブリン及びRBC含有量の差をほとんど示されない。
【0378】
しかしながら、SEM下では、NCC及びPCCのSEM画像を比較している図46に示されるように、両群の微細構造は顕著に異なっていた。具体的には、図46の画像A及びBは、それぞれ5%Hの非収縮及び収縮血塊類似物の内部を示し、白色矢印は圧縮されたフィブリンの領域を示す。図46の画像Cは、40%Hの非収縮物の内部を示す。矢印は、緩いフィブリンメッシュ内に捕捉された典型的な両凹形状のRBCを強調している。図46の画像Dは、40%Hの収縮した血塊類似物の内部に存在する多面細胞を示す。図46の画像E及びFは、血塊の内面及び外面(画像F)と比較している、血塊類似物の外面を覆う大きなフィブリンストランド(画像E)を示すSEM画像であり、矢印は外面を示す。
【0379】
比較的少ない分枝の厚い繊維(179.8nm±80nm)及び薄く高度に分枝した繊維(45.75nm±11.5)の2種類のフィブリン繊維が観察された。前者は、血塊の外部に豊富であり、内部を横断することが観察されたが、後者は内部のみに見られる。血小板がフィブリン網と相互作用することが観察された場合、より厚いフィブリン繊維への付着によるものであった。NCC中の多孔質スポンジと同様に、薄く高度に分枝したフィブリンは、赤血球とより厚いフィブリン繊維との間の空間を占める(画像A及びC)。このスポンジ状フィブリン網は、血塊収縮の作用によって著しく圧縮され(像B及びD)、画像Dの密に充填されたRBCの面上の非常に薄い層として現れる。
【0380】
NCCとPCCとを比較すると、赤血球形状の顕著な変化が明らかであった。典型的な両凹形状のRBCは、NCCにおいて明確に観察されたが、PCCは、いわゆる「多面細胞」と呼ばれる多面体形状のRBCの周囲で圧縮される、圧縮されたフィブリン構造からなる。より厚いフィブリンは、繊維の格子中に多面細胞を捕捉することが見られた。フィブリンがRBCの平坦面から離れると見られる跡により、血小板によって及ぼされ、フィブリンを通って伝達される収縮力がRBC形状の変化に関与していることが確認された。
【0381】
血塊を形成するために使用される血液混合物のヘマトクリット値を変化させることによって、血塊に組み込まれたRBCの割合が変化し、全ての場合において、得られた血清が透明及び淡黄色であるが、40%Hの血塊では血清はわずかにピンク色を有する(ごくわずかな割合のRBCが含まれなかったことを示す)ことを観察することによって、RBCがフィブリン網によって捕捉されていることが確認された。NCCでは、異なる%Hで形成させた血塊を比較するとき、内部微細構造において顕著な差は観察されなかったが、PCCでは、組み込まれたRBCがより少ない血塊は、圧縮されたRBCのより小さい集団を取り囲むフィブリンの大きな継ぎ目を有するのに対し、多数のRBCを有する血塊は、それらの間に交錯するわずかなフィブリンのみを有する圧縮されたRBCから主になる。全ての血塊類似物は、血塊の外部を覆うより厚いフィブリン繊維を含有する繊維層を有することが見出された(画像E及びF)。全ての血塊においてフィブリンのエンベロープが観察され、少数のRBCが見える。PCCでは、内部と比較すると、より高濃度の血小板も血塊の外側で視認可能である。
【0382】
第2の試験では、2種類の方法-(1)吸引カテーテルによる接触吸引、及び(2)中間カテーテル(IC)への局所吸引と組み合わせたステントレトリーバ(例えば、本開示のデバイス200)による回収を使用して、in vitro循環モデルにおける機械的血栓除去もシミュレートした。吸引のみの手法では、0%H又は5%Hで形成したPCCを吸引カテーテル内に完全に吸引することは不可能であったが、その後、カテーテル及び血塊をまとめて血塊の回収に成功し、NCCは、吸引カテーテルを通して完全に吸引することに成功した。組み合わせ法の結果は同様であった。より低いヘマトクリットのPCCは、ステントレトリーバを使用してIC内に完全に回収されず、ステントレトリーバ及びICを用いてまとめて血塊除去することを必要としたが、カテーテルを通してNCC及びステントレトリーバを完全に後退させることは可能であった。回収工程中に断片を失うことは観察されなかったが、回収されたNCCに関しては、体積のかなりの減少が認められた。
【0383】
より高いヘマトクリット値を有する血液から形成されたNCC及びPCCは、吸引のみ又はステントリーバの使用のいずれかによって、中間カテーテル内に完全に回収された。しかしながら、両方の手技を使用してICに入ったとき、40%NCCと比較して、40%HのPCCではかなりより多くの断片化が観察された。両方の血塊タイプは、吸引ポンプの回収チャンバ内に多数の断片の収集をもたらした。
【0384】
第2の試験では、圧縮試験下において、血塊類似物は、血塊物質に関する公開データと同様の非線形応力-ひずみ関係及び機械的挙動を有することが見出された。血小板収縮は、剛性を増加させる効果を有し、ヘマトクリット値の調節と共に、AIS由来の代表的な血栓塞栓の剛性に近付けることが可能であったことが観察された。血小板の収縮は、繊維を締め付け、それにより血塊の剛性を増すことによってフィブリン網を積極的に改造することが見出されているため、PCCのより高い剛性は、それらの微細構造を調べることによって説明することができる。これは、収縮血塊群のSEM画像から明らかである。NCCは、緩いフィブリンメッシュからなることが見出され、その一方で、PCCは、伸張された圧縮フィブリンからなる。緩いフィブリンメッシュは、圧縮フィブリンと比較して圧縮下でより容易に変形される可能性があり、したがって、より低い血塊剛性が得られる。
【0385】
RBCを含有する血塊において、RBCの形状、及び周囲のフィブリンとの相互作用を使用して、血小板による収縮のプロセスによって機械的特性が変化する様子が理解された。血塊収縮前は、RBCは両凹形状を維持し、フィブリン網全体に均一に分散しており、血小板収縮後、RBCは、個々の細胞が多面形状を呈して緊密に圧縮される。赤血球は、圧縮下で体積を変化させる可能性は低いが、毛細血管を何とか通るために必要とされる場合に、高度に変形可能であり、例えば、葉巻形状をとることが可能になった。細胞形状は、血栓収縮中に想定される多面体に変化し、血塊に空間効率のよい密充填構造を付与する。赤血球の密充填により水密の封止部がもたらされ、血塊体積を最大限に減少させるが、この両方が、それぞれ止血及び再灌流に重要である。
【0386】
高ヘマトクリット値の血液混合物から形成された収縮血塊は、全体にわたって均一に分散された赤血球が多数を占めていた。しかしながら、低ヘマトクリット値血液混合物から形成された血塊は、赤血球の、圧縮されたフィブリンによって囲まれているRBCに富むドメインへのグループ化を示した。RBCの局所的集団は、血塊収縮中のフィブリンメッシュからのRBCの移動を促進する機構を意味し得る。RBCを包囲するより厚いフィブリン繊維は、多面細胞の面に跡を残すことが観察され、これらの厚いフィブリン繊維によって、血塊の血小板による収縮が伝播されることを示している。高度に分枝した薄い繊維のフィブリンは、収縮後に有意に圧縮されることが観察され、これは、血清の排出が後続する多孔質材料の圧縮であることを示し、初期血塊形成と最終収縮状態との間の血塊体積減少の大部分を占める。RBCは、両群においてこれら静的に形成された類似物全体にわたって均一に分布していることが見出され、フィブリンに富む層は全ての血塊を包囲している。血小板を含有している血塊については、血小板もまた、外層上で非常に豊富に含まれていることが観察された。
【0387】
機械的試験では、40%Hの血塊は、PCCの最低圧縮剛性を有し、マトリックスを補強するために存在するフィブリンレベルが低いことに起因する可能性が高かった。しかしながら、20%Hの血液から形成された血塊は、0%H及び5%Hの血塊よりも高い圧縮剛性を有した。この傾向は、比較的多量の緊密に捕捉されたRBCと、それらを取り囲む十分な血小板フィブリンとの組み合わせを有する収縮した血塊が、血栓除去中に体積を変化させる可能性が最も低かったことを示唆している。
【0388】
フィブリン及びRBC微細構造のSEM分析は、同じヘマトクリット値を有する血液溶液から形成された異なる血塊が、機械的挙動において非常に変化した理由を明らかに示した。まとめると、組織学的に明らかな差はないものの、機械的特性と微細構造における顕著な差は、外植されたヒト血塊の組織学的検査のみを、血栓除去における血栓の機械的挙動の予測因子として独立して使用すべきではないことを意味する。
【0389】
したがって、第2の研究では、ヒト血栓塞栓の範囲に及ぶ機械的特性を有する反復可能な血塊類似物の選択が、AISのin vitroモデル及び血栓除去のシミュレーションに使用されるように作製されていることが観察された。血小板収縮は、血塊体積及び微細構造に大きく影響し、ひいては血塊の剛性に影響を及ぼす。PCCとNCCとの間に機械的特性と微細構造との有意な差が観察されたが、これらの血塊におけるフィブリン及びRBCの組織学的定量検査では明らかな差を示されなかった。この意味は、外植されたヒト血塊の組織学的検査のみでは、血栓除去術における血塊の機械的挙動を予測すると証明できないということである。
【0390】
図47は、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための、例示的方法又は使用4700を示す。本方法又は使用は、脈管構造内の血塊の部位に本開示のカテーテルを送達する工程4710を含み得る。本方法又は使用はまた、脈管構造内の血塊の部位の第1の位置で、分光学的検知装置を使用して血塊の第1の測定値を取得すること4720を含み得る。本方法又は使用はまた、第1の測定値からスペクトルを発生させる工程4730であって、スペクトルが血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する工程を含み得る。
【0391】
図48は、血塊を分析するシステムを較正するための例示的な方法又は使用4800を示す。本方法又は使用は、分光光度計を使用して事前に走査された1つ以上の血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つのデータベースを提供する工程4810を含み得る。工程4820は、データベース及び参照分析方法又は使用を使用して、データの較正セットを生成することを含み得る。工程4830は、データの較正セットを、血塊を分析するシステムの分光学的検知装置のスペクトル特性と相関させることを含み得る。
【0392】
図49は、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための、本開示の例示的方法又は使用4900を示すフロー図の、一実施形態を示す。方法又は使用4900は、血塊の基準を決定すること4910と、基準に基づいて血塊を分類して、分類を生成すること4920と、分類に基づいて、血塊に関する個別化治療プロトコルを決定すること4930であって、個別化治療プロトコルが、吸引を使用すること、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させること、及び/又は第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることから選択される1つ以上の技術を含む、ことと、個別化治療プロトコルに基づいて血塊を処置すること4940と、を含み得る。
【0393】
図50は、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための、例示的方法又は使用5000を示す。本方法又は使用は、脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達する工程5010であって、ガイドワイヤは、ガイドワイヤの遠位部分に接続されるか又は遠位部分に隣接した1つ以上のセンサを含み、1つ以上のセンサは、脈管構造内の血塊の特性を測定するように構成されている、工程を含み得る。本方法又は使用はまた、脈管構造内の血塊の部位の第1の位置で、1つ以上のセンサを使用して血塊の特性を検知すること5020を含み得る。本方法又は使用はまた、検知された特性から出力を発生させる工程5030であって、出力が血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する工程を含み得る。
【0394】
図51は、1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための、例示的方法又は使用5100を示す。本方法又は使用は、脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達する工程5110であって、ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、複数の温度センサを備え、温度センサのうちの少なくとも1つが遠位端の近位に位置付けられ、センサのうちの他方のうちの1つ以上が、遠位端上又は遠位端に隣接して位置付けられ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の温度を検知し、血塊の特性を識別するように構成されている、工程を含み得る。工程5120は、血塊の遠位の第1の位置、血塊内の第2の位置、及び血塊の近位の第3の位置で温度センサを使用して、血塊の特性を検知することを含み得る。工程5130は、検知された特性から出力を発生させることであって、出力が血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連することを含み得る。
【0395】
図52は、標的血管内に位置する血塊を治療する血管内医療システムのためのガイドワイヤを製造する例示的な方法又は使用5200を示す。本方法又は使用は、ガイドワイヤの実質上平面の遠位端を形成する工程5210を含み得る。本方法又は使用は、血塊を検知するための1つ以上のセンサをガイドワイヤ上に位置決めする工程5220を含むことができ、遠位端は、遠位端上で実質上平面であり、遠位端の近位にあるガイドワイヤの残りより広く、所定の形状は、ガイドワイヤが血塊へ送達されるとき、ガイドワイヤ先端部が穿通血管に入ることを防止するように構成されている。本開示に記載する他の工程も図52の方法又は資料5200で使用されることが企図されることを理解されたい。
【0396】
図53は、標的血管内に位置する血塊を治療する血管内医療システムのためのガイドワイヤを製造する例示的な方法又は使用5300を示す。本方法又は使用5300は、ガイドワイヤの実質上平面の遠位端を形成する工程5310を含み得る。本方法又は使用5300は、ガイドワイヤの遠位端内へ所定の形状を切り込む工程5320を含むことができ、遠位端は、遠位端の近位にあるガイドワイヤの残りより広く、所定の形状は、ガイドワイヤが血塊へ送達されるとき、ガイドワイヤ先端部が穿通血管に入ることを防止するように構成されている。
【0397】
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別途明白に指示しない限り、複数の指示対象も含むことにも留意されたい。範囲は、本明細書では、「約(about)」又は「約(approximately)」の1つの特定の値から「約(about)」又は「約(approximately)」の別の特定の値として表すことができる。そのような範囲を表すとき、他の例示的な実施形態も、1つの特定の値から他の特定の値を含む。
【0398】
「備える(comprising)」又は「含む(containing)」又は「含む(including)」とは、少なくとも指定された化合物、要素、粒子、又は方法又は使用工程が、組成又は物品又は方法又は使用内に存在するが、他の化合物、物質、粒子、方法又は使用工程が、指定されたものと同じ機能を有する場合でも、他のそのような化合物、物質、粒子、方法又は使用工程の存在を除外しないことを意味する。
【0399】
例示的な実施形態について説明する際、話を分かりやすくするために、術語を利用する。各用語は、当業者によって理解されるその最も広い意味を有することが企図されており、類似の目的を実現するために同様に作用する全ての技術的な均等物を含むことが意図される。方法又は使用の1つ以上の工程への言及は、追加の方法若しくは使用工程又は明示的に識別されたそれらの工程間に介在する方法若しくは使用工程の存在を排除しないことも理解されたい。方法又は使用の工程は、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載したものとは異なる順序で実行することができる。同様に、デバイス又はシステムにおける1つ又は2つ以上の構成要素への言及は、追加の構成要素又は明示的に識別されたそれらの構成要素間に介在する構成要素の存在を排除しないことも理解されたい。
【0400】
様々な特許、特許出願、及び公開を含み得るいくつかの参照について、参照リストに引用し、本明細書に提供する開示で論じた。かかる参照の引用及び/又は議論は、本開示の説明を明確にするためだけに提供されるものであり、かかる参照が、本明細書に記載する開示のいずれかの態様に対する「従来技術」であることを認めるものではない。表記に関して、「[n]」は、リスト内の第nの参照に対応する。本明細書で引用及び議論する全ての参照は、各参照が参照により個別に組み込まれた場合と同じ程度に、全体として参照により本明細書に組み込まれている。
【0401】
本明細書に含まれる説明は、解決策を示す例であり、範囲を限定することを意図したものではない。本明細書に記載するように、この解決策は、1つ以上血塊を分析し、分析を基準として治療を個別化するために使用することができるシステム、デバイス、及び/又は方法若しくは使用の多くの変形形態及び修正形態を企図する。変形形態としては、例えば、本明細書に記載する要素及び構成要素の代替の幾何形状、各構成要素若しくは要素に対する多数の材料(例えば、放射線不透過性材料、形状記憶金属など)のいずれかを利用すること、追加の構成要素を利用すること、本明細書に記載する機能を実行するために追加の構成要素を利用すること、又は本明細書に記載されていない機能を実行するために追加の構成要素を利用することを挙げることができるが、それだけに限定されるものではない。これらの修正は、本発明が関連する当業者には明らかであり、以下の特許請求の範囲に含まれることを意図したものである。
【0402】
特有の構成、材料の選択、並びに様々な要素のサイズ及び形状は、開示する技術の原理によって構築されたシステム又は方法又は使用を必要とする特定の設計仕様又は制約に応じて変更することができる。そのような変更は、開示する技術の範囲内に包含されることが意図される。したがって、本明細書に開示する実施形態は、あらゆる観点から限定的ではなく例示的であると考えられる。したがって、上記から、本開示の特定の形態について図示及び説明したが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を加えることができ、その意味及び均等物の範囲内のあらゆる変更は、本開示に包含されることが意図されることが明らかであろう。
【0403】
以下の項目は、本開示の非限定的な実施形態を列挙する。
1.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用であって、
血塊の基準を決定することと、
基準に基づいて血塊を分類して、分類を生成することと、
分類に基づいて、血塊に関する個別化治療プロトコルを決定することであって、個別化治療プロトコルが、吸引することと、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、のうちの少なくとも1つを使用することから選択される1つ以上の技術を含む、ことと、
個別化治療プロトコルに基づいて、血塊を処理することと、を含む、方法又は使用。
2.血塊を分類することがin vivoにて実施される、項目1に記載の方法又は使用。
3.第1の再灌流デバイスがステントレトリーバであり、第2の再灌流デバイスがピンチレトリーバである、項目1に記載の方法又は使用。
4.血塊を分類することが、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上を含む、項目1に記載の方法又は使用。
5.血塊の基準を決定することが、
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することと、
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を含む、項目1に記載の方法又は使用。
6.第1の再灌流デバイスが、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているステントレトリーバであり、第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
血塊が赤血球に富むことを分類が実証する場合に、次に、個別化治療プロトコルが、
第1の再灌流デバイスを、血塊の近くに、血塊を通して、又は血塊の周りに通過させて、次に、血塊を、第1の再灌流デバイスの内腔に係合させつつ、第1の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることを含む、項目1に記載の方法又は使用。
7.第1の再灌流デバイスが、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているステントレトリーバであり、第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
血塊がフィブリンに富むことを分類が実証する場合に、次に、個別化治療プロトコルが、
第2の再灌流デバイスを、血塊の近くに、血塊を通して、又は血塊の周りに通過させて、次に、血塊を挟持しつつ、第2の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることを含む、項目1に記載の方法又は使用。
8.血塊の基準を決定することが、血塊の周囲において、血塊と操作可能に連通した計算装置により情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を、リアルタイムに決定することを更に含み、
方法又は使用が、
計算装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して、個別化治療プロトコルを受信することと、
計算装置により、血塊を伴う血管の灌流を監視することと、
計算装置により、血管内で回復されている灌流に応答して警告することと、を更に含む、項目1に記載の方法又は使用。
9.計算装置が、血塊に関する情報を解釈して個別化治療プロトコルを決定するための相関データを含むデータベースに連結され、
データベースが、計算装置から遠隔である、項目1に記載の方法又は使用。
10.血塊の基準を決定することが、
脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することと、
脈管構造内の血塊の部位の第1の位置において、カテーテルに連結された近赤外分光法(NIR)のための器具を使用することにより、血塊の第1の読み取り値を取得することと、
第1の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルが、血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、第1の読み取り値からスペクトルを発生させることと、を含む、項目1に記載の方法又は使用。
11.血塊の基準を決定することが、スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、項目10に記載の方法又は使用。
12.
血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてNIRのための器具を使用することにより、血塊の第2の読み取り値を取得することと、
第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、第2の読み取り値のスペクトルが、血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、第2の読み取り値からスペクトルを発生させることと、
第1の読み取り値及び第2の読み取り値のスペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することと、を更に含む、項目10に記載の方法又は使用。
13.血塊の基準を決定することが、
脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することと、
脈管構造内の血塊の部位において、カテーテルに連結されたラマン分光法のための器具を使用することにより、血塊の第1の読み取り値を取得することと、
第1の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルが、血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、第1の読み取り値からスペクトルを発生させることと、を含む、項目1に記載の方法又は使用。
14.血塊の基準を決定することが、スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、項目13に記載の方法又は使用。
15.
血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてラマン分光法のための器具を使用することにより、血塊の第2の読み取り値を取得することと、
第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、第2の読み取り値のスペクトルが、血塊の化学組成及び/又は物理的特性に関連する、第2の読み取り値からスペクトルを発生させることと、
第1の読み取り値及び第2の読み取り値のスペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することと、を更に含む、項目13に記載の方法又は使用。
16.血塊を処置することが、血塊の一部を回収することを含み、方法又は使用が、
回収された血塊及び/又は血塊の1つ以上の断片を分析することと、
回収された血塊の分析又は血塊へのアクセス及び交差の分析に基づいて、血塊処置工程を選択することと、を更に含む、項目1に記載の方法又は使用。
17.血塊の基準を決定することが、
白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することを含む、項目1に記載の方法又は使用。
18.
第1の血塊特性定量的指標及び第2の血塊特性定量的指標を相関データと比較することと、吸引、第1の再灌流デバイス、及び/又は第2の再灌流デバイスから選択される1つ以上の技術を使用することの、選択及び順序のうち少なくとも1つを決定することと、を更に含む、項目17に記載の方法又は使用。
19.虚血性イベントを治療するためのシステムであって、
血塊を有する閉塞した血管に灌流を回復させるための第1の再灌流デバイスと、血塊を有する閉塞した血管に灌流を回復させるための第2の再灌流デバイスと、
閉塞した血管内の血塊に、第1の再灌流デバイス及び第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを送達するための送達システムと、
閉塞した血管の血塊を分析して、第1の再灌流デバイス及び第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを使用する、個別化治療プロトコルを決定する、血塊分析システムと、を備える、システム。
20.血塊分析システムが、
血塊の基準を決定することと、
基準に基づいて血塊を分類して、分類を生成することと、
分類に基づいて、血塊に関する個別化治療プロトコルを決定することであって、個別化治療プロトコルが、吸引することと、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、のうちの少なくとも1つを使用することから選択される1つ以上の技術を含む、個別化治療プロトコルを決定することと、
のうちの少なくとも1つを実施するように構成されている、項目19に記載のシステム。
21.血塊分析システムが、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンシステム及び磁気共鳴撮像(MRI)スキャンシステムのうちの少なくとも1つを更に含み、血塊分析システムが、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定するように構成されている、項目20に記載のシステム。
22.第1の再灌流デバイスが、赤血球に富む血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されているステントレトリーバであり、
第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富む血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
血塊が赤血球に富んでいることを分類が実証する場合、次に、個別化治療プロトコルが、血塊の近くに、血塊を通して、又は血塊の周囲に第1の再灌流デバイスを通過させ、次に、第1の再灌流デバイスの内腔内に血塊を係合させながら第1の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることを含む、項目20に記載のシステム。
23.血塊分析システムが、血塊をin vivoにて分析するように構成されている、項目19に記載のシステム。
24.第1の再灌流デバイスがステントレトリーバであり、第2の再灌流デバイスがピンチレトリーバである、項目19に記載のシステム。
25.虚血性イベントを治療するためのシステムであって、
虚血性イベントを有する被検体の血塊の、in vivoでの分析情報を提供するための手段と、
分析情報に基づいて、被検体に関する個別化治療プロトコルの指標を提供するための手段であって、個別化治療が、吸引を使用すること、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させること、及び/又は第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることから選択される、1つ以上の技術を含む、手段と、
個別化治療プロトコルに基づいて、血塊を処置するための手段と、を備える、システム。
26.第1の再灌流デバイスが、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているステントレトリーバであり、第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
血塊が赤血球に富むことを指標が実証する場合に、次に、個別化治療プロトコルが、
第1の再灌流デバイスを、血塊の近くに、血塊を通して、又は血塊の周りに通過させて、次に、血塊を、第1の再灌流デバイスの内腔に係合させつつ、第1の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させる手段を含む、項目25に記載のシステム。
27.第1の再灌流デバイスが、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているステントレトリーバであり、第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
血塊がフィブリンに富むことを分類が実証する場合に、次に、個別化治療プロトコルが、
第2の再灌流デバイスを、血塊の近くに、血塊を通して、又は血塊の周りに通過させて、次に、血塊を挟持しつつ、第2の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させる手段を含む、項目25に記載のシステム。
28血管内の血塊まで送達され、血塊を分析するように構成されているカテーテルであって、
近位端及び遠位端を有する内腔と、
脈管構造内の血塊の部位で血塊組成を分析するための分光学的機構と、を備える、カテーテル。
29.分光学的機構が、血塊を貫通することができる光を放出して、分光学的機構の光に曝露された血塊の1つ以上の部分の化学組成及び/又は物理的特性に関連するスペクトルを生成するように構成されている、項目28に記載のカテーテル。
30.スペクトルが、血塊の1つ以上の部分の化学組成及び/又は物理的特性に関連する指標を提供するスペクトル帯域を含む、項目29に記載のカテーテル。
31.分光学的機構が、
カテーテルの遠位端まで又は遠位端に隣接して延在する光ファイババンドルと、
遠位端に隣接して又は遠位端において所定の角度で配向された鏡と、を更に備え、
光が、光ファイババンドルから放出され、血塊の脈管構造の血管壁に向かって反射される、項目28に記載のカテーテル。
32.所定の角度が約45°である、項目31に記載のカテーテル。
33.光が、約90°で鏡から血管壁に向かって反射される、項目31に記載のカテーテル。
34.カテーテルが、360°回転し、血塊を含む血管の360°スキャンを行うことができる、項目28に記載のカテーテル。
35.分光学的機構がカテーテルと一体化され、血塊を貫通して近赤外分光法(NIRS)を使用して血塊を分析できる光を放出するように構成されている、項目28に記載のカテーテル。
36.分光学的機構が近赤外領域の電磁スペクトル(780~2500マイクロメートル)を含む、項目35に記載のカテーテル。
37.分光学的機構がカテーテルと一体化され、ラマン分光法を用いて血塊組成を分析するように構成されている、項目28に記載のカテーテル。
38.分光学的機構がカテーテルと一体化され、血塊を貫通して血塊組成を分析することができる光を放出する可視光診断デバイスとして構成されている、項目28に記載のカテーテル。
39.脈管構造内の虚血性血塊を分析するためのマイクロカテーテルであって、
近位端及び遠位端を有する内腔と、
遠位端に接続された分光学的検知装置であって、マイクロカテーテルの遠位端によって血塊の特性を測定するように構成されている、分光学的検知装置と、を備える、マイクロカテーテル。
40.遠位端が、透明な窓部分と、
窓部分に隣接する不透明な吸収性部分と、を含む、項目39に記載のマイクロカテーテル。
41.窓部分が、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びペルフルオロ化ポリマーのうちの1つ以上を使用して構築されている、項目40に記載のマイクロカテーテル。
42.分光学的検知装置が近赤外領域の電磁スペクトル(780~2500マイクロメートル)を含む、項目39に記載のマイクロカテーテル。
43.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することであって、カテーテルが、近位端及び遠位端を有する内腔と、
遠位端に接続された分光学的検知装置であって、カテーテルの遠位端によって血塊の特性を測定するように構成されている、分光学的検知装置と、を備える、ことと、脈管構造内の血塊の部位の第1の位置で、分光学的検知装置を使用して血塊の第1の測定値を取得することと、
第1の測定値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルが血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、方法又は使用。
44.カテーテルが、遠位端に隣接する窓部分と、
窓部分に隣接する不透明な吸収性部分と、を更に含む、項目43に記載の方法又は使用。
45.
カテーテルの遠位端を血塊の遠位側に前進させることと、次に、
カテーテルの遠位端を血塊を通して後方に後退させながら、同時にカテーテルを回転させて、血塊によって閉塞されている血管の長さにわたってスペクトルマップを生成することと、を更に含む、項目43に記載の方法又は使用。
46.
スペクトルに基づいて血塊の異なるスペクトル特性を測定することによって、血塊の1つ以上の物理的特性を確認することを更に含む、項目43に記載の方法又は使用。
47.スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、項目43に記載の方法又は使用。
48.
血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にて、分光学的検知装置を使用して血塊の第2の測定値を取得することと、
第2の測定値からスペクトルを発生させることであって、第2の測定値のスペクトルが血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を更に含む、項目43に記載の方法又は使用。
49.第1の測定値又は第2の測定値を取得する工程が、
それぞれ第1の位置又は第2の位置において血塊を貫通する分光学的検知装置からの光を放出することと、
分光学的装置の放出された光に曝露された血塊の化学組成及び物理的特性のうちの1つに関連するスペクトルを生成することと、を含む、項目48に記載の方法又は使用。
50.第1の測定値の又は第2の測定値のスペクトルの情報を含むスペクトル帯域を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、項目48に記載の方法又は使用。
51.カテーテルを360°回転させることと、血塊の血管の内側を走査して、360°スキャンを生成することと、を更に含む、項目43に記載の方法又は使用。
52.最初に血栓に対して遠位に配置した後、カテーテル先端部を閉塞部を通して後方に引っ張りながら、同時に回転させることを更に含む、項目43に記載の方法又は使用。
53.分光学的検知装置が、
マイクロカテーテル内部に配置され、マイクロカテーテルの遠位端まで又は遠位端に隣接して延在する光ファイババンドルと、
遠位端に隣接して又は遠位端において所定の角度で配向された鏡と、を更に備え、
第1の測定値又は第2の測定値を取得する工程が、光ファイババンドルから放出されるものを放出させることと、
血塊及び/又は血塊の脈管構造の血管壁に向かって光を反射することと、を含む、項目43に記載の方法又は使用。
54.鏡の所定の角度が約45°である、項目53に記載の方法又は使用。
55.光が、約90°で鏡から血管壁に向かって反射される、項目53に記載の方法又は使用。
56.分光学的検知装置がカテーテルと一体化され、血塊を貫通して近赤外分光法を使用して血塊を分析できる光を放出するように構成されている、項目43に記載の方法又は使用。
57.分光学的検知装置がカテーテルと一体化され、血塊を貫通してラマン分光法を使用して血塊を分析できる光を放出するように構成されている、項目43に記載の方法又は使用。
58.分光学的検知装置がカテーテルと一体化された可視光診断デバイスであり、血塊を貫通かつ分析できる光を放出するように構成されている、項目43に記載の方法又は使用。
59.
基準に基づいて血塊を分類して、分類を生成することを更に含む、項目43に記載の方法又は使用。
60.血塊を分類する工程が、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上を含む、項目59に記載の方法又は使用。
61.血塊を分類する工程が、血塊構成要素の組織学的定量化、血塊の機械工学的検査のうちの1つ以上を含む、項目59に記載の方法又は使用。
62.CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することにより血塊の基準を決定することと、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を更に含む、項目43に記載の方法又は使用。
63.血塊の基準を決定する工程が、血塊の周囲において、血塊と操作可能に連通した計算装置により情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を、リアルタイムに決定することを更に含み、
方法又は使用が、
計算装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して、個別化治療プロトコルを受信することと、
計算装置により、血塊を伴う血管の灌流を監視することと、計算装置により、血管内で回復されている灌流に応答して警告することと、を更に含む、項目62に記載の方法又は使用。64.計算装置が、血塊に関する情報を解釈して個別化治療プロトコルを決定するための相関データを含むデータベースに連結され、
データベースが、計算装置から遠隔である、項目63に記載の方法又は使用。
65.血塊の基準を決定することが、
白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することを含む、項目43に記載の方法又は使用。
66.
第1の血塊特性定量的指標及び第2の血塊特性定量的指標を相関データと比較することと、吸引、第1の再灌流デバイス、及び/又は第2の再灌流デバイスから選択される1つ以上の技術を使用することの、選択及び順序のうち少なくとも1つを決定することと、を更に含む、項目65に記載の方法又は使用。
67.血塊を分析するシステムを較正する方法又は使用であって、
分光光度計を使用して事前に走査された1つ以上の血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つのデータベースを提供することと、
データベース及び参照分析方法又は使用を使用して、データの較正セットを生成することと、
データの較正セットを、血塊を分析するシステムの分光学的検知装置のスペクトル特性と相関させることと、を含む、方法又は使用。
68.血塊を分析するシステムが、
近位端及び遠位端を有する内腔を含むカテーテルと、遠位端に接続された分光学的検知装置であって、カテーテルの遠位端によって血塊の特性を測定するように構成されている、分光学的検知装置と、を備える、項目67に記載の方法又は使用。
69.分光学的検知装置がカテーテルと一体化され、血塊を貫通して近赤外分光法(NIRS)を使用して血塊を分析できる光を放出するように構成されている、項目68に記載の方法又は使用。
70.分光学的検知装置が近赤外領域の電磁スペクトル(780~2500マイクロメートル)を含む、項目68に記載の方法又は使用。
71.分光学的検知装置がカテーテルと一体化され、ラマン分光法を用いて血塊組成を分析するように構成されている、項目68に記載の方法又は使用。
72.分光学的検知装置がカテーテルと一体化され、血塊を貫通して血塊組成を分析することができる光を放出する可視光診断デバイスとして構成されている、項目68に記載の方法又は使用。
73.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための標的血管内に位置する血塊と共に使用するための血管内医療システムであって、
近位端から遠位端まで長手方向に延在するガイドワイヤを含み、遠位端は、血塊及び標的血管に対するその配向を制御するように構成されており、ガイドワイヤは、遠位端上又は遠位端に隣接して配置された1つ以上のセンサを備え、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の特性を検知し、検知された特性に基づいて血塊を処置するように構成されている、システム。
74.ガイドワイヤの遠位端が、標的血管の内壁への損傷を防止するように構成されている、項目73に記載のシステム。
75.1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである、項目73に記載のシステム。
76.1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能な1つ以上の光ファイバストランド又はバンドルである、項目73に記載のシステム。
77.ガイドワイヤの遠位端が、血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端であり、1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面の周囲に円周方向に配置されている、項目73に記載のシステム。
78.ガイドワイヤの遠位端が、平面の幾何形状と残りの非平坦部分の外径より小さい厚さとを有する平坦な遠位部分である、項目73に記載のシステム。
79.
1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つが、血塊の特性を検知するために平坦な遠位部分上に配置され、
1つ以上のセンサのうちの他方が、血管壁の特性を検知するために残りの非平坦部分上に配置されている、項目78に記載のシステム。
80.平坦な遠位部分がパドル幾何形状を有する、項目78に記載のシステム。
81.ガイドワイヤの遠位端が、血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端であり、標的血管の内壁と血塊との間を通過するとき、標的血管の内壁の輪郭と相補的に、横方向に適合可能であり、
外部機械的力の適用を受ける圧縮状態にあるとき、ガイドワイヤの遠位端の横方向に最も広い幅が縮小可能である、項目73に記載のシステム。
82.近位端と遠位端とを備えるマイクロカテーテルを更に含み、ガイドワイヤは、マイクロカテーテルを通って前進可能であり、
外部機械的力の適用を受けない非圧縮状態では、ガイドワイヤの血塊を回避する非外傷性の遠位端は、内腔の内径を超える横方向に最も広い幅を有する、項目73に記載のシステム。
83.近位端と遠位端とを備えるマイクロカテーテルを更に含み、ガイドワイヤは、マイクロカテーテルを通って前進可能であり、
外部機械的力の適用を受けない非圧縮状態では、ガイドワイヤの血塊を回避する非外傷性の遠位端が、内腔の内径の2倍を超える横方向に最も広い幅を有する、項目73に記載のシステム。
84.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、ガイドワイヤは、ガイドワイヤの遠位部分に接続されるか又は遠位部分に隣接した1つ以上のセンサを含み、1つ以上のセンサは、脈管構造内の血塊の特性を測定するように構成されている、ことと、
脈管構造内の血塊の部位の第1の位置で、1つ以上のセンサを使用して血塊の特性を検知することと、
検知された特性から出力を発生させることであって、出力が血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、方法又は使用。
85.出力に基づいて血塊を処置するための1つ以上の装置及び/又は手順工程を選択することを更に含む、項目84に記載の方法又は使用。
86.ガイドワイヤの遠位部分が、血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端であり、1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面の周囲に円周方向に配置されるか又は巻かれている、項目84に記載の方法又は使用。
87.ガイドワイヤの遠位部分が、平面の幾何形状と残りの非平坦部分の外径より小さい厚さとを有する平坦な遠位部分である、項目84に記載の方法又は使用。
88.
1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つを、血塊の特性を検知するために平坦な遠位部分上に位置付けることと、
1つ以上のセンサのうちの他方を、血管壁の特性を検知するために残りの非平坦部分上に位置付けることと、を更に含む、項目84に記載の方法又は使用。
89.
検知された特性に基づいて血塊を分類して、分類を生成することを更に含む、項目84に記載の方法又は使用。
90.1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面上に配置された近赤外(NIR)センサである、項目84に記載の方法又は使用。
91.1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである、項目84に記載の方法又は使用。
92.1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである、項目84に記載の方法又は使用。
93.1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能なラマン分光センサである、項目84に記載の方法又は使用。
94.1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能な1つ以上の光ファイバストランド又はバンドルである、項目84に記載の方法又は使用。
95.
出力に基づいて血塊の異なるスペクトル特性を測定することによって、血塊の1つ以上の物理的特性を確認することを更に含む、項目84に記載の方法又は使用。
96.出力内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、血小板含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、血塊密度、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、項目84に記載の方法又は使用。
97.
血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にて、1つ以上のセンサを使用して血塊の特性を検知することと、
第2の位置から出力を発生させることであって、第2の位置の出力が血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を更に含む、項目84に記載の方法又は使用。98.出力、並びに、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、超音波スキャン、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上に基づいて血塊を分類することを更に含む、項目84に記載の方法又は使用。
99.
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行すること、並びに、
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定すること、によって、血塊の基準を決定することを更に含む、項目84に記載の方法又は使用。
100.
白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することによって、血塊の基準を決定することを更に含む、項目84に記載の方法又は使用。
101.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための標的血管内に位置する血塊と共に使用するための血管内医療システムであって、
近位端から遠位端まで長手方向に延在するガイドワイヤを含み、ガイドワイヤは複数の温度センサを備え、温度センサのうちの少なくとも1つが遠位端の近位に位置付けられ、センサのうちの他方のうちの1つ以上が、遠位端上又は遠位端に隣接して位置付けられ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の温度を検知し、血塊の特性を識別するように構成されている、システム。
102.1つ以上のセンサが、血塊及び標的血管の複数の位置の温度を同時に測定するように構成されている、項目101に記載のシステム。
103.センサが、血塊の領域を測定するために、遠位端に沿った位置に選択的に位置付けられている、項目101に記載のシステム。
104.1つ以上のセンサがそれぞれ、血塊の領域を測定するために、遠位端に沿った位置で所定の距離だけ離間されている、項目101に記載のシステム。
105.ガイドワイヤの遠位端が、送達構成において血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端を有する拡張外辺部を含み、1つ以上のセンサが、拡張外辺部の周囲に配設されている、項目101に記載のシステム。
106.拡張外辺部が、楕円形、湾曲形状、又はパドル幾何形状を有する、項目105に記載のシステム。
107.ガイドワイヤの遠位端が、送達構成においてその間に空隙を有するループによって画定される拡張外辺部を含み、ループは、遠位方向に延在し、遠位端で接合された2つの細長い区分を含み、1つ以上のセンサが、細長い区分の周囲に配設されている、項目101に記載のシステム。
108.ループ及び空隙が、楕円形、湾曲形状、又はパドル幾何形状を有する、項目107に記載のシステム。
109.ガイドワイヤの遠位端が、標的血管の内壁と血塊との間を通過するとき、標的血管の内壁の輪郭と相補的に、横方向に適合可能であり、
外部機械的力の適用を受ける圧縮状態にあるとき、ガイドワイヤの遠位端の横方向に最も広い幅が縮小可能である、項目101に記載のシステム。
110.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、複数の温度センサを備え、温度センサのうちの少なくとも1つが遠位端の近位に位置付けられ、センサのうちの他方のうちの1つ以上が、遠位端上又は遠位端に隣接して位置付けられ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の温度を検知し、血塊の特性を識別するように構成されている、ことと、
血塊の遠位の第1の位置、血塊内の第2の位置、及び血塊の近位の第3の位置で温度センサのうち少なくとも1つを使用して、血塊の特性を検知することと、
検知された特性から出力を発生させることであって、出力が血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、方法又は使用。
111.温度センサを用いて特性を検知する工程が、各位置で同時に行われる、項目110に記載の方法又は使用。
112.血塊の領域を測定するために、遠位端に沿った所定の位置にセンサを選択的に位置付けることを更に含む、項目110に記載の方法又は使用。
113.
血塊の領域を測定するために、遠位端に沿った位置で各センサを所定の距離だけ離間することを更に含む、項目110に記載の方法又は使用。
114.ガイドワイヤの遠位端が、送達構成において血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端を有する拡張外辺部を含み、1つ以上のセンサが、拡張外辺部の周囲に配設されている、項目110に記載の方法又は使用。
115.検知された特性に基づいて血塊を分類して、分類を生成することを更に含む、項目110に記載の方法又は使用。
116.出力内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、項目110に記載の方法又は使用。
117.出力、並びに、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上に基づいて血塊を分類することを更に含む、項目110に記載の方法又は使用。
118.
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行すること、並びに、
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定すること、によって、血塊の基準を決定することを更に含む、項目110に記載の方法又は使用。
119.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、複数の温度センサを備え、温度センサのうちの少なくとも1つが遠位端の近位に位置付けられ、センサのうちの他方のうちの1つ以上が、遠位端上又は遠位端に隣接して位置付けられ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の温度を検知し、血塊の特性を識別するように構成されている、ことと、
血塊内の複数の位置で温度センサを使用して、血塊の特性を検知することと、
検知された特性から出力を発生させることであって、出力が血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、方法又は使用。
120.
血塊の遠位及び/又は近位の位置で血塊の特性を検知することを更に含む、項目119に記載の方法又は使用。
121.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための使用であって、
血塊の基準を決定することと、
基準に基づいて血塊を分類して、分類を生成することと、
分類に基づいて、血塊に関する個別化治療プロトコルを決定することであって、個別化治療プロトコルが、吸引することと、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、のうちの少なくとも1つを使用することから選択される1つ以上の技術を含む、ことと、
個別化治療プロトコルに基づいて、血塊を処理することと、を含む、使用。
122.血塊を分類することがin vivoにて実施される、項目121に記載の使用。
123.第1の再灌流デバイスがステントレトリーバであり、第2の再灌流デバイスがピンチレトリーバである、項目121に記載の使用。
124.血塊を分類することが、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上を含む、項目121に記載の使用。
125.血塊の基準を決定することが、
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することと、
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を含む、項目121に記載の方法又は使用。
126.第1の再灌流デバイスが、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているステントレトリーバであり、第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
血塊が赤血球に富むことを分類が実証する場合に、次に、個別化治療プロトコルが、
第1の再灌流デバイスを、血塊の近くに、血塊を通して、又は血塊の周りに通過させて、次に、血塊を、第1の再灌流デバイスの内腔に係合させつつ、第1の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることを含む、項目121に記載の使用。
127.第1の再灌流デバイスが、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているステントレトリーバであり、第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
血塊がフィブリンに富むことを分類が実証する場合に、次に、個別化治療プロトコルが、
第2の再灌流デバイスを、血塊の近くに、血塊を通して、又は血塊の周りに通過させて、次に、血塊を挟持しつつ、第2の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることを含む、項目121に記載の使用。
128.血塊の基準を決定することが、血塊の周囲において、血塊と操作可能に連通した計算装置により情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を、リアルタイムに決定することを更に含み、
使用が、
計算装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して、個別化治療プロトコルを受信することと、
計算装置により、血塊を伴う血管の灌流を監視することと、計算装置により、血管内で回復されている灌流に応答して警告することと、を更に含む、項目121に記載の使用。
129.計算装置が、血塊に関する情報を解釈して個別化治療プロトコルを決定するための相関データを含むデータベースに連結され、
データベースが、計算装置から遠隔である、項目121に記載の使用。
130.血塊の基準を決定することが、
脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することと、
脈管構造内の血塊の部位の第1の位置において、カテーテルに連結された近赤外分光法(NIR)のための器具を使用することにより、血塊の第1の読み取り値を取得することと、
第1の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルが、血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、第1の読み取り値からスペクトルを発生させることと、を含む、項目121に記載の使用。
131.血塊の基準を決定することが、スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、項目130に記載の使用。
132.
血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてNIRのための器具を使用することにより、血塊の第2の読み取り値を取得することと、
第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、第2の読み取り値のスペクトルが、血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、第2の読み取り値からスペクトルを発生させることと、
第1の読み取り値及び第2の読み取り値のスペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することと、を更に含む、項目130に記載の使用。
133.血塊の基準を決定することが、
脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することと、
脈管構造内の血塊の部位において、カテーテルに連結されたラマン分光法のための器具を使用することにより、血塊の第1の読み取り値を取得することと、
第1の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルが、血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、第1の読み取り値からスペクトルを発生させることと、を含む、項目121に記載の使用。
134.血塊の基準を決定することが、スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、項目133に記載の使用。
135.
血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてラマン分光法のための器具を使用することにより、血塊の第2の読み取り値を取得することと、
第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、第2の読み取り値のスペクトルが、血塊の化学組成及び/又は物理的特性に関連する、第2の読み取り値からスペクトルを発生させることと、
第1の読み取り値及び第2の読み取り値のスペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することと、を更に含む、項目133に記載の使用。
136.血塊を処置することが、血塊の一部を回収することを含み、
回収された血塊及び/又は血塊の1つ以上の断片を分析することと、
回収された血塊の分析又は血塊へのアクセス及び交差の分析に基づいて、血塊処置工程を選択することと、を更に含む、項目121に記載の使用。
137.血塊の基準を決定することが、
白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することを含む、項目121に記載の使用。
138.
第1の血塊特性定量的指標及び第2の血塊特性定量的指標を相関データと比較することと、吸引、第1の再灌流デバイス、及び/又は第2の再灌流デバイスから選択される1つ以上の技術を使用することの、選択及び順序のうち少なくとも1つを決定することと、を更に含む、項目137に記載の使用。
139.虚血性イベントを治療するための本開示の任意のシステムの使用であって、システムは、
血塊を有する閉塞した血管に灌流を回復させるための第1の再灌流デバイスと、血塊を有する閉塞した血管に灌流を回復させるための第2の再灌流デバイスと、
閉塞した血管内の血塊に、第1の再灌流デバイス及び第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを送達するための送達システムと、
閉塞した血管の血塊を分析して、第1の再灌流デバイス及び第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを使用する、個別化治療プロトコルを決定する、血塊分析システムと、を含む、使用。
140.虚血性イベントを治療するための任意の前述のシステムの使用であって、システムは、
虚血性イベントを有する被検体の血塊の、in vivoでの分析情報を提供するための手段と、
分析情報に基づいて、被検体に関する個別化治療プロトコルの指標を提供するための手段であって、個別化治療が、吸引を使用すること、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させること、及び/又は第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることから選択される、1つ以上の技術を含む、手段と、
個別化治療プロトコルに基づいて、血塊を処置するための手段と、を備える、使用。
141.血管内の血塊を分析するための任意の前述のカテーテルの使用。
142.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための任意の前述のシステムの使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することであって、カテーテルが、近位端及び遠位端を有する内腔と、
遠位端に接続された分光学的検知装置であって、カテーテルの遠位端によって血塊の特性を測定するように構成されている、分光学的検知装置と、を備える、ことと、脈管構造内の血塊の部位の第1の位置で、分光学的検知装置を使用して血塊の第1の測定値を取得することと、
第1の測定値からスペクトルを発生させることであって、スペクトルが血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、使用。
143.カテーテルが、
遠位端に隣接する窓部分と、
窓部分に隣接する不透明な吸収性部分と、を更に含む、項目142に記載の使用。
144.
カテーテルの遠位端を血塊の遠位側に前進させることと、次に、
カテーテルの遠位端を血塊を通して後方に後退させながら、同時にカテーテルを回転させて、血塊によって閉塞されている血管の長さにわたってスペクトルマップを生成することと、を更に含む、項目142に記載の使用。
145.
スペクトルに基づいて血塊の異なるスペクトル特性を測定することによって、血塊の1つ以上の物理的特性を確認することを更に含む、項目142に記載の使用。
146.スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、項目142に記載の使用。
147.
血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にて、分光学的検知装置を使用して血塊の第2の測定値を取得することと、
第2の測定値からスペクトルを発生させることであって、第2の測定値のスペクトルが血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を更に含む、項目142に記載の使用。
148.第1の測定値又は第2の測定値を取得する工程が、
それぞれ第1の位置又は第2の位置において血塊を貫通する分光学的検知装置からの光を放出することと、
分光学的装置の放出された光に曝露された血塊の化学組成及び物理的特性のうちの1つに関連するスペクトルを生成することと、を含む、項目147に記載の使用。
149.第1の測定値又は第2の測定値のスペクトルの情報を含むスペクトル帯域を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、項目147に記載の使用。
150.カテーテルを360°回転させることと、血塊の血管の内側を走査して、360°スキャンを生成することと、を更に含む、項目142に記載の使用。
151.最初に血栓に対して遠位に配置した後、カテーテル先端部を閉塞部を通して後方に引っ張りながら、同時に回転させることを更に含む、項目142に記載の使用。
152.分光学的検知装置が、
マイクロカテーテル内部に配置され、マイクロカテーテルの遠位端まで又は遠位端に隣接して延在する光ファイババンドルと、
遠位端に隣接して又は遠位端において所定の角度で配向された鏡と、を更に備え、
第1の測定値又は第2の測定値を取得する工程が、光ファイババンドルから放出されるものを放出させることと、
血塊及び/又は血塊の脈管構造の血管壁に向かって光を反射することと、を含む、項目142に記載の使用。
153.鏡の所定の角度が約45°である、項目152に記載の使用。
154.光が、約90°で鏡から血管壁に向かって反射される、項目152に記載の使用。
155.分光学的検知装置がカテーテルと一体化され、血塊を貫通して近赤外分光法を使用して血塊を分析できる光を放出するように構成されている、項目142に記載の使用。
156.分光学的検知装置がカテーテルと一体化され、血塊を貫通してラマン分光法を使用して血塊を分析できる光を放出するように構成されている、項目142に記載の使用。
157.分光学的検知装置がカテーテルと一体化された可視光診断デバイスであり、血塊を貫通かつ分析できる光を放出するように構成されている、項目142に記載の使用。
158.
基準に基づいて血塊を分類して、分類を生成することを更に含む、項目142に記載の使用。
159.血塊を分類する工程が、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上を含む、項目158に記載の使用。
160.血塊を分類する工程が、血塊構成要素の組織学的定量化、血塊の機械工学的検査のうちの1つ以上を含む、項目158に記載の使用。
161.CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することにより血塊の基準を決定することと、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を更に含む、項目142に記載の使用。
162.血塊の基準を決定する工程が、血塊の周囲において、血塊と操作可能に連通した計算装置により情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を、リアルタイムに決定することを更に含み、
使用が、
計算装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して、個別化治療プロトコルを受信することと、
計算装置により、血塊を伴う血管の灌流を監視することと、計算装置により、血管内で回復されている灌流に応答して警告することと、を更に含む、項目161に記載の使用。
163.計算装置が、血塊に関する情報を解釈して個別化治療プロトコルを決定するための相関データを含むデータベースに連結され、
データベースが、計算装置から遠隔である、項目162に記載の使用。
164.血塊の基準を決定することが、
白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することを含む、項目142に記載の使用。
165.
第1の血塊特性定量的指標及び第2の血塊特性定量的指標を相関データと比較することと、吸引、第1の再灌流デバイス、及び/又は第2の再灌流デバイスから選択される1つ以上の技術を使用することの、選択及び順序のうち少なくとも1つを決定することと、を更に含む、項目164に記載の使用。
166.血塊を分析するシステムを較正する使用であって、
分光光度計を使用して事前に走査された1つ以上の血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つのデータベースを提供することと、
データベース及び参照分析方法を使用して、データの較正セットを生成することと、
データの較正セットを、血塊を分析するシステムの分光学的検知装置のスペクトル特性と相関させることと、を含む、使用。
167.血塊を分析するシステムが、近位端及び遠位端を有する内腔を含むカテーテルと、
遠位端に接続された分光学的検知装置であって、カテーテルの遠位端によって血塊の特性を測定するように構成されている、分光学的検知装置と、を備える、項目166に記載の使用。
168.分光学的検知装置がカテーテルと一体化され、血塊を貫通して近赤外分光法(NIRS)を使用して血塊を分析できる光を放出するように構成されている、項目167に記載の使用。
169.分光学的検知装置が近赤外領域の電磁スペクトル(780~2500マイクロメートル)を含む、項目167に記載の使用。
170.分光学的検知装置がカテーテルと一体化され、ラマン分光法を用いて血塊組成を分析するように構成されている、項目167に記載の使用。
171.分光学的検知装置がカテーテルと一体化され、血塊を貫通して血塊組成を分析することができる光を放出する可視光診断デバイスとして構成されている、項目167に記載の使用。
172.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための標的血管内に位置する血塊と共に使用するための血管内医療システムの使用であって、システムは、
近位端から遠位端まで長手方向に延在するガイドワイヤを含み、遠位端は、血塊及び標的血管に対するその配向を制御するように構成されており、ガイドワイヤは、遠位端上又は遠位端に隣接して配置された1つ以上のセンサを含み、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の特性を検知し、検知された特性に基づいて血塊を処置するように構成されている、使用。
173.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、ガイドワイヤは、ガイドワイヤの遠位部分に接続されるか又は遠位部分に隣接した1つ以上のセンサを含み、1つ以上のセンサは、脈管構造内の血塊の特性を測定するように構成されている、ことと、
脈管構造内の血塊の部位の第1の位置で、1つ以上のセンサを使用して血塊の特性を検知することと、
検知された特性から出力を発生させることであって、出力が血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、使用。
174.出力に基づいて血塊を処置するための1つ以上の装置及び/又は手順工程を選択することを更に含む、項目173に記載の使用。
175.ガイドワイヤの遠位部分が、血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端であり、1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面の周囲に円周方向に配置されるか又は巻かれている、項目173に記載の使用。
176.ガイドワイヤの遠位部分が、平面の幾何形状と残りの非平坦部分の外径より小さい厚さとを有する平坦な遠位部分である、項目173に記載の使用。
177.
1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つを、血塊の特性を検知するために平坦な遠位部分上に位置付けることと、
1つ以上のセンサのうちの他方を、血管壁の特性を検知するために残りの非平坦部分上に位置付けることと、を更に含む、項目173に記載の使用。
178.
検知された特性に基づいて血塊を分類して、分類を生成することを更に含む、項目173に記載の使用。
179.1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面上に配置された近赤外(NIR)センサである、項目173に記載の使用。
180.1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである、項目173に記載の使用。
181.1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである、項目173に記載の使用。
182.1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能なラマン分光センサである、項目173に記載の使用。
183.1つ以上のセンサが、ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能な1つ以上の光ファイバストランド又はバンドルである、項目173に記載の使用。
184.
出力に基づいて血塊の異なるスペクトル特性を測定することによって、血塊の1つ以上の物理的特性を確認することを更に含む、項目173に記載の使用。
185.出力内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、血小板含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、血塊密度、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、項目173に記載の使用。
186.
血塊及び第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にて、1つ以上のセンサを使用して血塊の特性を検知することと、
第2の位置から出力を発生させることであって、第2の位置の出力が血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を更に含む、項目173に記載の使用。
187.出力、並びに、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、超音波スキャン、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上に基づいて血塊を分類することを更に含む、項目173に記載の使用。
188.
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行すること、並びに、
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定すること、によって、血塊の基準を決定することを更に含む、項目173に記載の使用。
189.
白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することによって、血塊の基準を決定することを更に含む、項目173に記載の使用。
190.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための標的血管内に位置する血塊と共に使用するための血管内医療システムの使用であって、システムは、
近位端から遠位端まで長手方向に延在するガイドワイヤを含み、ガイドワイヤは複数の温度センサを備え、温度センサのうちの少なくとも1つが遠位端の近位に位置付けられ、センサのうちの他方のうちの1つ以上が、遠位端上又は遠位端に隣接して位置付けられ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の温度を検知し、血塊の特性を識別するように構成されている、使用。
191.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、複数の温度センサを備え、温度センサのうちの少なくとも1つが遠位端の近位に位置付けられ、センサのうちの他方のうちの1つ以上が、遠位端上又は遠位端に隣接して位置付けられ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の温度を検知し、血塊の特性を識別するように構成されている、ことと、
血塊の遠位の第1の位置、血塊内の第2の位置、及び血塊の近位の第3の位置で温度センサのうち少なくとも1つを使用して、血塊の特性を検知することと、
検知された特性から出力を発生させることであって、出力が血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、使用。
192.温度センサを用いて特性を検知する工程が、各位置で同時に行われる、項目191に記載の使用。
193.血塊の領域を測定するために、遠位端に沿った所定の位置にセンサを選択的に位置付けることを更に含む、項目191に記載の使用。
194.
血塊の領域を測定するために、遠位端に沿った位置で各センサを所定の距離だけ離間することを更に含む、項目191に記載の使用。
195.ガイドワイヤの遠位端が、送達構成において血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端を有する拡張外辺部を含み、
1つ以上のセンサが、拡張外辺部の周囲に配設されている、項目191に記載の使用。
196.検知された特性に基づいて血塊を分類して、分類を生成することを更に含む、項目191に記載の使用。
197.出力内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、項目191に記載の使用。
198.出力、並びに、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)
スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上に基づいて血塊を分類することを更に含む、項目191に記載の使用。
199.
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行すること、並びに、
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定すること、によって、血塊の基準を決定することを更に含む、項目191に記載の使用。
200.1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、複数の温度センサを備え、温度センサのうちの少なくとも1つが遠位端の近位に位置付けられ、センサのうちの他方のうちの1つ以上が、遠位端上又は遠位端に隣接して位置付けられ、1つ以上のセンサは、in vivoで血塊の温度を検知し、血塊の特性を識別するように構成されている、ことと、
血塊内の複数の位置で温度センサを使用して、血塊の特性を検知することと、
検知された特性から出力を発生させることであって、出力が血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、使用。
201.
血塊の遠位及び/又は近位の位置で血塊の特性を検知することを更に含む、項目200に記載の使用。
【0404】
〔実施の態様〕
(1) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用であって、
血塊の基準を決定することと、
前記基準に基づいて前記血塊を分類して、分類を生成することと、
前記分類に基づいて、前記血塊に関する個別化治療プロトコルを決定することであって、前記個別化治療プロトコルが、吸引することと、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、のうちの少なくとも1つを使用することから選択される1つ以上の技術を含む、ことと、
前記個別化治療プロトコルに基づいて、前記血塊を処置することと、を含む、方法又は使用。
(2) 前記血塊を分類することがin vivoにて実施される、実施態様1に記載の方法又は使用。
(3) 前記第1の再灌流デバイスがステントレトリーバであり、前記第2の再灌流デバイスがピンチレトリーバである、実施態様1に記載の方法又は使用。
(4) 前記血塊を分類することが、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上を含む、実施態様1に記載の方法又は使用。
(5) 前記血塊の基準を決定することが、
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することと、
前記CTスキャン及び前記MRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、前記血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を含む、実施態様1に記載の方法又は使用。
【0405】
(6) 前記第1の再灌流デバイスが、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているステントレトリーバであり、前記第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
前記血塊が赤血球に富むことを前記分類が実証する場合に、次に、前記個別化治療プロトコルが、
前記第1の再灌流デバイスを、前記血塊の近くに、前記血塊を通して、又は前記血塊の周りに通過させて、次に、前記血塊を、前記第1の再灌流デバイスの内腔に係合させつつ、前記第1の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることを含む、実施態様1に記載の方法又は使用。
(7) 前記第1の再灌流デバイスが、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているステントレトリーバであり、前記第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
前記血塊がフィブリンに富むことを前記分類が実証する場合に、次に、前記個別化治療プロトコルが、
前記第2の再灌流デバイスを、前記血塊の近くに、前記血塊を通して、又は前記血塊の周りに通過させて、次に、前記血塊を挟持しつつ、前記第2の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることを含む、実施態様1に記載の方法又は使用。
(8) 前記血塊の基準を決定することが、前記血塊の周囲において、前記血塊と操作可能に連通した計算装置により情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を、リアルタイムに決定することを更に含み、
前記方法又は前記使用が、
前記計算装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して、前記個別化治療プロトコルを受信することと、
前記計算装置により、前記血塊を伴う血管の灌流を監視することと、
前記計算装置により、前記血管内で回復されている灌流に応答して警告することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法又は使用。
(9) 前記計算装置が、前記血塊に関する情報を解釈して前記個別化治療プロトコルを決定するための相関データを含むデータベースに連結され、
前記データベースが、前記計算装置から遠隔である、実施態様1に記載の方法又は使用。
(10) 前記血塊の基準を決定することが、
脈管構造内の前記血塊の部位にカテーテルを送達することと、
前記脈管構造内の前記血塊の前記部位の第1の位置において、前記カテーテルに連結された近赤外分光法(NIR)のための器具を使用することにより、前記血塊の第1の読み取り値を取得することと、
前記第1の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、前記スペクトルが、前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、前記第1の読み取り値からスペクトルを発生させることと、を含む、実施態様1に記載の方法又は使用。
【0406】
(11) 前記血塊の基準を決定することが、前記スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、実施態様10に記載の方法又は使用。
(12) 前記血塊及び前記第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてNIRのための前記器具を使用することにより、前記血塊の第2の読み取り値を取得することと、
前記第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、前記第2の読み取り値の前記スペクトルが、前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、前記第2の読み取り値からスペクトルを発生させることと、
前記第1の読み取り値及び前記第2の読み取り値の前記スペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することと、を更に含む、実施態様10に記載の方法又は使用。
(13) 前記血塊の基準を決定することが、
脈管構造内の前記血塊の部位にカテーテルを送達することと、
前記脈管構造内の前記血塊の前記部位において、前記カテーテルに連結されたラマン分光法のための器具を使用することにより、前記血塊の第1の読み取り値を取得することと、
前記第1の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、前記スペクトルが、前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、前記第1の読み取り値からスペクトルを発生させることと、を含む、実施態様1に記載の方法又は使用。
(14) 前記血塊の基準を決定することが、
前記スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、実施態様13に記載の方法又は使用。
(15) 前記血塊及び前記第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてラマン分光法のための前記器具を使用することにより、前記血塊の第2の読み取り値を取得することと、
前記第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、前記第2の読み取り値の前記スペクトルが、前記血塊の化学組成及び/又は物理的特性に関連する、前記第2の読み取り値からスペクトルを発生させることと、
前記第1の読み取り値及び前記第2の読み取り値の前記スペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することと、を更に含む、実施態様13に記載の方法又は使用。
【0407】
(16) 前記血塊を処置することが、前記血塊の一部を回収することを含み、前記方法又は前記使用が、
回収された前記血塊及び/又は前記血塊の1つ以上の断片を分析することと、
前記回収された血塊の分析又は前記血塊へのアクセス及び交差の分析に基づいて血塊処置工程を選択することと、を更に含む、実施態様1に記載の方法又は使用。
(17) 前記血塊の基準を決定することが、
白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することを含む、実施態様1に記載の方法又は使用。
(18) 前記第1の血塊特性定量的指標及び前記第2の血塊特性定量的指標を相関データと比較することと、吸引、第1の再灌流デバイス、及び/又は第2の再灌流デバイスから選択される1つ以上の技術を使用することの、選択及び順序のうち少なくとも1つを決定することと、を更に含む、実施態様17に記載の方法又は使用。
(19) 虚血性イベントを治療するためのシステムであって、
血塊を有する閉塞した血管に灌流を回復させるための第1の再灌流デバイスと、
前記血塊を有する前記閉塞した血管に灌流を回復させるための第2の再灌流デバイスと、
前記閉塞した血管内の前記血塊に、前記第1の再灌流デバイス及び前記第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを送達するための送達システムと、
前記閉塞した血管の前記血塊を分析して、前記第1の再灌流デバイス及び前記第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを使用する、個別化治療プロトコルを決定する、血塊分析システムと、を備える、システム。
(20) 前記血塊分析システムが、
前記血塊の基準を決定することと、
前記基準に基づいて前記血塊を分類して、分類を生成することと、
前記分類に基づいて、前記血塊に関する前記個別化治療プロトコルを決定することであって、前記個別化治療プロトコルが、吸引することと、前記第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、前記第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、のうちの少なくとも1つを使用することから選択される1つ以上の技術を含む、前記個別化治療プロトコルを決定することと、
のうちの少なくとも1つを実施するように構成されている、実施態様19に記載のシステム。
【0408】
(21) 前記血塊分析システムが、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンシステム及び磁気共鳴撮像(MRI)スキャンシステムのうちの少なくとも1つを更に含み、前記血塊分析システムが、CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、前記血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定するように構成されている、実施態様20に記載のシステム。
(22) 前記第1の再灌流デバイスが、赤血球に富む血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されたステントレトリーバであり、
前記第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富む血塊又は血塊の一部分を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
前記血塊が赤血球に富んでいることを前記分類が実証する場合、次に、前記個別化治療プロトコルが、前記血塊の近くに、前記血塊を通して、又は前記血塊の周囲に前記第1の再灌流デバイスを通過させ、次に、前記第1の再灌流デバイスの内腔内に前記血塊を係合させながら前記第1の灌流デバイスを後退させて、前記血管への再灌流を回復させることを含む、実施態様20に記載のシステム。
(23) 前記血塊分析システムが、前記血塊をin vivoにて分析するように構成されている、実施態様19に記載のシステム。
(24) 前記第1の再灌流デバイスがステントレトリーバであり、前記第2の再灌流デバイスがピンチレトリーバである、実施態様19に記載のシステム。
(25) 虚血性イベントを治療するためのシステムであって、
虚血性イベントを有する被検体の血塊の、in vivoでの分析情報を提供するための手段と、
前記分析情報に基づいて、前記被検体に関する個別化治療プロトコルの指標を提供するための手段であって、前記個別化治療が、吸引を使用すること、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させること、及び/又は第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることから選択される、1つ以上の技術を含む、手段と、
前記個別化治療プロトコルに基づいて、前記血塊を処置するための手段と、を備える、システム。
【0409】
(26) 前記第1の再灌流デバイスが、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているステントレトリーバであり、前記第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
前記血塊が赤血球に富むことを前記指標が実証する場合に、次に、前記個別化治療プロトコルが、
前記第1の再灌流デバイスを、前記血塊の近くに、前記血塊を通して、又は前記血塊の周りに通過させて、次に、前記血塊を、前記第1の再灌流デバイスの内腔に係合させつつ、前記第1の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させる手段を含む、実施態様25に記載のシステム。
(27) 前記第1の再灌流デバイスが、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているステントレトリーバであり、前記第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
前記血塊がフィブリンに富むことを前記分類が実証する場合に、次に、前記個別化治療プロトコルが、
前記第2の再灌流デバイスを、前記血塊の近くに、前記血塊を通して、又は前記血塊の周りに通過させて、次に、前記血塊を挟持しつつ、前記第2の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させる手段を含む、実施態様25に記載のシステム。
(28) 血管内の血塊まで送達され、前記血塊を分析するように構成されているカテーテルであって、
近位端及び遠位端を有する内腔と、
脈管構造内の前記血塊の部位で血塊組成を分析するための分光学的機構と、を備える、カテーテル。
(29) 前記分光学的機構が、前記血塊を貫通することができる光を放出して、前記分光学的機構の光に曝露された前記血塊の1つ以上の部分の化学組成及び/又は物理的特性に関連するスペクトルを生成するように構成されている、実施態様28に記載のカテーテル。
(30) 前記スペクトルが、前記血塊の1つ以上の部分の化学組成及び/又は物理的特性に関連する指標を提供するスペクトル帯域を含む、実施態様29に記載のカテーテル。
【0410】
(31) 前記分光学的機構が、
前記カテーテルの前記遠位端まで又は前記遠位端に隣接して延在する光ファイババンドルと、
前記遠位端に隣接して又は前記遠位端において所定の角度で配向された鏡と、を含み、
光が、前記光ファイババンドルから放出され、前記血塊の前記脈管構造の血管壁に向かって反射される、実施態様28に記載のカテーテル。
(32) 前記所定の角度が約45°である、実施態様31に記載のカテーテル。
(33) 前記光が、約90°で前記鏡から前記血管壁に向かって反射される、実施態様31に記載のカテーテル。
(34) 前記カテーテルが、360°回転し、前記血塊を含む前記血管の360°スキャンを行うことができる、実施態様28に記載のカテーテル。
(35) 前記分光学的機構が前記カテーテルと一体化され、前記血塊を貫通して近赤外分光法(NIRS)を使用して前記血塊を分析できる光を放出するように構成されている、実施態様28に記載のカテーテル。
【0411】
(36) 前記分光学的機構が近赤外領域の電磁スペクトル(780~2500マイクロメートル)を含む、実施態様35に記載のカテーテル。
(37) 前記分光学的機構が前記カテーテルと一体化され、ラマン分光法を用いて前記血塊組成を分析するように構成されている、実施態様28に記載のカテーテル。
(38) 前記分光学的機構が前記カテーテルと一体化され、前記血塊を貫通して前記血塊組成を分析することができる光を放出する可視光診断デバイスとして構成されている、実施態様28に記載のカテーテル。
(39) 脈管構造内の虚血性血塊を分析するためのマイクロカテーテルであって、
近位端及び遠位端を有する内腔と、
前記遠位端に接続された分光学的検知装置であって、前記マイクロカテーテルの前記遠位端によって前記血塊の特性を測定するように構成されている、分光学的検知装置と、を備える、マイクロカテーテル。
(40) 前記遠位端が、
透明な窓部分と、
前記窓部分に隣接する不透明な吸収性部分と、を含む、実施態様39に記載のマイクロカテーテル。
【0412】
(41) 前記窓部分が、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、及びペルフルオロ化ポリマーのうちの1つ以上を使用して構築されている、実施態様40に記載のマイクロカテーテル。
(42) 前記分光学的検知装置が近赤外領域の電磁スペクトル(780~2500マイクロメートル)を含む、実施態様39に記載のマイクロカテーテル。
(43) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することであって、前記カテーテルが、
近位端及び遠位端を有する内腔と、
前記遠位端に接続された分光学的検知装置であって、前記カテーテルの前記遠位端によって前記血塊の特性を測定するように構成されている、分光学的検知装置と、を備える、ことと、
前記脈管構造内の前記血塊の前記部位の第1の位置で、前記分光学的検知装置を使用して前記血塊の第1の測定値を取得することと、
前記第1の測定値からスペクトルを発生させることであって、前記スペクトルが前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、方法又は使用。
(44) 前記カテーテルが、
前記遠位端に隣接する窓部分と、
前記窓部分に隣接する不透明な吸収性部分と、を更に含む、実施態様43に記載の方法又は使用。
(45) 前記カテーテルの前記遠位端を前記血塊の遠位側に前進させることと、次に、
前記カテーテルの前記遠位端を前記血塊を通して後方に後退させながら、同時に前記カテーテルを回転させて、前記血塊によって閉塞されている血管の長さにわたってスペクトルマップを生成することと、を更に含む、実施態様43に記載の方法又は使用。
【0413】
(46) 前記スペクトルに基づいて前記血塊の異なるスペクトル特性を測定することによって、前記血塊の1つ以上の物理的特性を確認することを更に含む、実施態様43に記載の方法又は使用。
(47) 前記スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、実施態様43に記載の方法又は使用。
(48) 前記血塊及び前記第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にて、前記分光学的検知装置を使用して前記血塊の第2の測定値を取得することと、
前記第2の測定値からスペクトルを発生させることであって、前記第2の測定値の前記スペクトルが前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を更に含む、実施態様43に記載の方法又は使用。
(49) 前記第1の測定値又は前記第2の測定値を取得する工程が、
それぞれ前記第1の位置又は前記第2の位置において前記血塊を貫通する前記分光学的検知装置からの光を放出することと、
前記分光学的装置の放出された前記光に曝露された前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの前記1つに関連する前記スペクトルを生成することと、を含む、実施態様48に記載の方法又は使用。
(50) 前記第1の測定値又は前記第2の測定値の前記スペクトルの情報を含むスペクトル帯域を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、実施態様48に記載の方法又は使用。
【0414】
(51) 前記カテーテルを360°回転させることと、前記血塊の血管の内側を走査して、360°スキャンを生成することと、を更に含む、実施態様43に記載の方法又は使用。
(52) 最初に血栓に対して遠位に配置した後、前記カテーテル先端部を閉塞部を通して後方に引っ張りながら、同時に回転させることを更に含む、実施態様43に記載の方法又は使用。
(53) 前記分光学的検知装置が、
前記マイクロカテーテル内部に配置され、前記マイクロカテーテルの前記遠位端まで又は前記遠位端に隣接して延在する光ファイババンドルと、
前記遠位端に隣接して又は前記遠位端において所定の角度で配向された鏡と、を更に備え、
前記第1の測定値又は前記第2の測定値を取得する前記工程が、
前記光ファイババンドルから放出されるものを放出させることと、
前記血塊及び/又は前記血塊の前記脈管構造の血管壁に向かって光を反射することと、を含む、実施態様43に記載の方法又は使用。
(54) 前記鏡の前記所定の角度が約45°である、実施態様53に記載の方法又は使用。
(55) 前記光が、約90°で前記鏡から前記血管壁に向かって反射される、実施態様53に記載の方法又は使用。
【0415】
(56) 前記分光学的検知装置が前記カテーテルと一体化され、前記血塊を貫通して近赤外分光法を使用して前記血塊を分析できる光を放出するように構成されている、実施態様43に記載の方法又は使用。
(57) 前記分光学的検知装置が前記カテーテルと一体化され、前記血塊を貫通してラマン分光法を使用して前記血塊を分析できる光を放出するように構成されている、実施態様43に記載の方法又は使用。
(58) 前記分光学的検知装置が前記カテーテルと一体化された可視光診断デバイスであり、前記血塊を貫通かつ分析できる光を放出するように構成されている、実施態様43に記載の方法又は使用。
(59) 基準に基づいて前記血塊を分類して、分類を生成することを更に含む、実施態様43に記載の方法又は使用。
(60) 前記血塊を分類する前記工程が、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上を含む、実施態様59に記載の方法又は使用。
【0416】
(61) 前記血塊を分類する前記工程が、血塊構成要素の組織学的定量化、前記血塊の機械工学的検査のうちの1つ以上を含む、実施態様59に記載の方法又は使用。
(62) CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することにより前記血塊の基準を決定することと、前記CTスキャン及び前記MRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は前記脈管構造内の血塊位置を含む、前記血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を更に含む、実施態様43に記載の方法又は使用。
(63) 前記血塊の基準を決定する前記工程が、前記血塊の周囲において、前記血塊と操作可能に連通した計算装置により情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は前記脈管構造内の血塊位置を、リアルタイムに決定することを更に含み、
前記方法又は前記使用が、
前記計算装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して、前記個別化治療プロトコルを受信することと、
前記計算装置により、前記血塊を伴う血管の灌流を監視することと、
前記計算装置により、前記血管内で回復されている灌流に応答して警告することと、を更に含む、実施態様62に記載の方法又は使用。
(64) 前記計算装置が、前記血塊に関する情報を解釈して前記個別化治療プロトコルを決定するための相関データを含むデータベースに連結され、
前記データベースが、前記計算装置から遠隔である、実施態様63に記載の方法又は使用。
(65) 前記血塊の基準を決定することが、
白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することを含む、実施態様43に記載の方法又は使用。
【0417】
(66) 前記第1の血塊特性定量的指標及び前記第2の血塊特性定量的指標を相関データと比較することと、吸引、第1の再灌流デバイス、及び/又は第2の再灌流デバイスから選択される1つ以上の技術を使用することの、選択及び順序のうち少なくとも1つを決定することと、を更に含む、実施態様65に記載の方法又は使用。
(67) 血塊を分析するシステムを較正する方法又は使用であって、
分光光度計を使用して事前に走査された1つ以上の血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つのデータベースを提供することと、
前記データベース及び参照分析方法又は使用を使用して、データの較正セットを生成することと、
前記データの較正セットを、前記血塊を分析するシステムの分光学的検知装置のスペクトル特性と相関させることと、を含む、方法又は使用。
(68) 前記血塊を分析するシステムが、
近位端及び遠位端を有する内腔を含むカテーテルと、
前記遠位端に接続された前記分光学的検知装置であって、前記カテーテルの前記遠位端によって前記血塊の特性を測定するように構成されている、前記分光学的検知装置と、を備える、実施態様67に記載の方法又は使用。
(69) 前記分光学的検知装置が前記カテーテルと一体化され、前記血塊を貫通して近赤外分光法(NIRS)を使用して前記血塊を分析できる光を放出するように構成されている、実施態様68に記載の方法又は使用。
(70) 前記分光学的検知装置が近赤外領域の電磁スペクトル(780~2500マイクロメートル)を含む、実施態様68に記載の方法又は使用。
【0418】
(71) 前記分光学的検知装置が前記カテーテルと一体化され、ラマン分光法を用いて血塊組成を分析するように構成されている、実施態様68に記載の方法又は使用。
(72) 前記分光学的検知装置が前記カテーテルと一体化され、前記血塊を貫通して血塊組成を分析することができる光を放出する可視光診断デバイスとして構成されている、実施態様68に記載の方法又は使用。
(73) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための標的血管内に位置する血塊と共に使用するための血管内医療システムであって、
近位端から遠位端まで長手方向に延在するガイドワイヤを含み、前記遠位端は、前記血塊及び前記標的血管に対するその配向を制御するように構成されており、前記ガイドワイヤは、前記遠位端上又は前記遠位端に隣接して配置された1つ以上のセンサを備え、前記1つ以上のセンサは、in vivoで前記血塊の特性を検知し、検知された前記特性に基づいて前記血塊を処置するように構成されている、システム。
(74) 前記ガイドワイヤの前記遠位端が、前記標的血管の内壁への損傷を防止するように構成されている、実施態様73に記載のシステム。
(75) 前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである、実施態様73に記載のシステム。
【0419】
(76) 前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能な1つ以上の光ファイバストランド又はバンドルである、実施態様73に記載のシステム。
(77) 前記ガイドワイヤの前記遠位端が、血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端であり、前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面の周囲に円周方向に配置されている、実施態様73に記載のシステム。
(78) 前記ガイドワイヤの前記遠位端が、平面の幾何形状と残りの非平坦部分の外径より小さい厚さとを有する平坦な遠位部分である、実施態様73に記載のシステム。
(79) 前記1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つが、前記血塊の特性を検知するために前記平坦な遠位部分上に配置され、
前記1つ以上のセンサのうちの他方が、血管壁の特性を検知するために前記残りの非平坦部分上に配置されている、実施態様78に記載のシステム。
(80) 前記平坦な遠位部分がパドル幾何形状を有する、実施態様78に記載のシステム。
【0420】
(81) 前記ガイドワイヤの前記遠位端が、血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端であり、前記標的血管の内壁と前記血塊との間を通過するとき、前記標的血管の前記内壁の輪郭と相補的に、横方向に適合可能であり、
外部機械的力の適用を受ける圧縮状態にあるとき、前記ガイドワイヤの前記遠位端の横方向に最も広い幅が縮小可能である、実施態様73に記載のシステム。
(82) 近位端と遠位端とを備えるマイクロカテーテルを更に含み、前記ガイドワイヤは、前記マイクロカテーテルを通って前進可能であり、
外部機械的力の適用を受けない非圧縮状態では、前記ガイドワイヤの前記血塊を回避する非外傷性の遠位端は、内腔の内径を超える横方向に最も広い幅を有する、実施態様73に記載のシステム。
(83) 近位端と遠位端とを備えるマイクロカテーテルを更に含み、前記ガイドワイヤは、前記マイクロカテーテルを通って前進可能であり、
外部機械的力の適用を受けない非圧縮状態では、前記ガイドワイヤの前記血塊を回避する非外傷性の遠位端が、内腔の内径の2倍を超える横方向に最も広い幅を有する、実施態様73に記載のシステム。
(84) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、前記ガイドワイヤは、前記ガイドワイヤの遠位部分に接続されるか又は前記遠位部分に隣接した1つ以上のセンサを含み、前記1つ以上のセンサは、前記脈管構造内の前記血塊の特性を測定するように構成されている、ことと、
前記脈管構造内の前記血塊の前記部位の第1の位置で、前記1つ以上のセンサを使用して前記血塊の特性を検知することと、
検知された前記特性から出力を発生させることであって、前記出力が前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、方法又は使用。
(85) 前記出力に基づいて前記血塊を処置するための1つ以上の装置及び/又は手順工程を選択することを更に含む、実施態様84に記載の方法又は使用。
【0421】
(86) 前記ガイドワイヤの前記遠位部分が、血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端であり、前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面の周囲に円周方向に配置されるか又は巻かれている、実施態様84に記載の方法又は使用。
(87) 前記ガイドワイヤの前記遠位部分が、平面の幾何形状と残りの非平坦部分の外径より小さい厚さとを有する平坦な遠位部分である、実施態様84に記載の方法又は使用。
(88) 前記1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つを、前記血塊の特性を検知するために平坦な遠位部分上に位置付けることと、
前記1つ以上のセンサのうちの他方を、血管壁の特性を検知するために前記残りの非平坦部分上に位置付けることと、を更に含む、実施態様84に記載の方法又は使用。
(89) 前記検知された特性に基づいて前記血塊を分類して、分類を生成することを更に含む、実施態様84に記載の方法又は使用。
(90) 前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面上に配置された近赤外(NIR)センサである、実施態様84に記載の方法又は使用。
【0422】
(91) 前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである、実施態様84に記載の方法又は使用。
(92) 前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである、実施態様84に記載の方法又は使用。
(93) 前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能なラマン分光センサである、実施態様84に記載の方法又は使用。
(94) 前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能な1つ以上の光ファイバストランド又はバンドルである、実施態様84に記載の方法又は使用。
(95) 前記出力に基づいて前記血塊の異なるスペクトル特性を測定することによって、前記血塊の1つ以上の物理的特性を確認することを更に含む、実施態様84に記載の方法又は使用。
【0423】
(96) 前記出力内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、血小板含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、血塊密度、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、実施態様84に記載の方法又は使用。
(97) 前記血塊及び前記第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にて、前記1つ以上のセンサを使用して前記血塊の特性を検知することと、
前記第2の位置から出力を発生させることであって、前記第2の位置の前記出力が前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を更に含む、実施態様84に記載の方法又は使用。
(98) 前記出力、並びに、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、超音波スキャン、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上に基づいて前記血塊を分類することを更に含む、実施態様84に記載の方法又は使用。
(99) CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行すること、並びに、
前記CTスキャン及び前記MRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は前記脈管構造内の血塊位置を含む、前記血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定すること、
によって、前記血塊の基準を決定することを更に含む、実施態様84に記載の方法又は使用。
(100) 白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することによって、前記血塊の基準を決定することを更に含む、実施態様84に記載の方法又は使用。
【0424】
(101) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための標的血管内に位置する血塊と共に使用するための血管内医療システムであって、
近位端から遠位端まで長手方向に延在するガイドワイヤを含み、前記ガイドワイヤは複数の温度センサを備え、前記温度センサのうちの少なくとも1つが前記遠位端の近位に位置付けられ、前記センサのうちの他方のうちの1つ以上が、前記遠位端上又は前記遠位端に隣接して位置付けられ、前記1つ以上のセンサは、in vivoで前記血塊の温度を検知し、前記血塊の特性を識別するように構成されている、システム。
(102) 前記1つ以上のセンサが、前記血塊及び前記標的血管の複数の位置の温度を同時に測定するように構成されている、実施態様101に記載のシステム。
(103) 前記センサが、前記血塊の領域を測定するために、前記遠位端に沿った位置に選択的に位置付けられている、実施態様101に記載のシステム。
(104) 前記1つ以上のセンサがそれぞれ、前記血塊の領域を測定するために、前記遠位端に沿った位置で所定の距離だけ離間されている、実施態様101に記載のシステム。
(105) 前記ガイドワイヤの前記遠位端が、送達構成において血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端を有する拡張外辺部を含み、前記1つ以上のセンサが、前記拡張外辺部の周囲に配設されている、実施態様101に記載のシステム。
【0425】
(106) 前記拡張外辺部が、楕円形、湾曲形状、又はパドル幾何形状を有する、実施態様105に記載のシステム。
(107) 前記ガイドワイヤの前記遠位端が、送達構成においてその間に空隙を有するループによって画定される拡張外辺部を含み、前記ループは、遠位方向に延在し、前記遠位端で接合された2つの細長い区分を含み、前記1つ以上のセンサが、前記細長い区分の周囲に配設されている、実施態様101に記載のシステム。
(108) 前記ループ及び前記空隙が、楕円形、湾曲形状、又はパドル幾何形状を有する、実施態様107に記載のシステム。
(109) 前記ガイドワイヤの前記遠位端が、前記標的血管の内壁と前記血塊との間を通過するとき、前記標的血管の前記内壁の輪郭と相補的に、横方向に適合可能であり、
外部機械的力の適用を受ける圧縮状態にあるとき、前記ガイドワイヤの前記遠位端の横方向に最も広い幅が縮小可能である、実施態様101に記載のシステム。
(110) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、前記ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、複数の温度センサを備え、前記温度センサのうちの少なくとも1つが前記遠位端の近位に位置付けられ、前記センサのうちの他方のうちの1つ以上が、前記遠位端上又は前記遠位端に隣接して位置付けられ、前記1つ以上のセンサは、in vivoで前記血塊の温度を検知し、前記血塊の特性を識別するように構成されている、ことと、
前記血塊の遠位の第1の位置、前記血塊内の第2の位置、及び前記血塊の近位の第3の位置で前記温度センサのうち少なくとも1つを使用して、前記血塊の特性を検知することと、
検知された前記特性から出力を発生させることであって、前記出力が前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、方法又は使用。
【0426】
(111) 前記温度センサを用いて特性を検知する前記工程が、各位置で同時に行われる、実施態様110に記載の方法又は使用。
(112) 前記血塊の領域を測定するために、前記遠位端に沿った所定の位置に前記センサを選択的に位置付けることを更に含む、実施態様110に記載の方法又は使用。
(113) 前記血塊の領域を測定するために、前記遠位端に沿った位置で各センサを所定の距離だけ離間することを更に含む、実施態様110に記載の方法又は使用。
(114) 前記ガイドワイヤの前記遠位端が、送達構成において血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端を有する拡張外辺部を含み、前記1つ以上のセンサが、前記拡張外辺部の周囲に配設されている、実施態様110に記載の方法又は使用。
(115) 前記検知された特性に基づいて前記血塊を分類して、分類を生成することを更に含む、実施態様110に記載の方法又は使用。
【0427】
(116) 前記出力内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、実施態様110に記載の方法又は使用。
(117) 前記出力、並びに、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上に基づいて前記血塊を分類することを更に含む、実施態様110に記載の方法又は使用。
(118) CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行すること、並びに、
前記CTスキャン及び前記MRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は前記脈管構造内の血塊位置を含む、前記血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定すること、
によって、前記血塊の基準を決定することを更に含む、実施態様110に記載の方法又は使用。
(119) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための方法又は使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、前記ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、複数の温度センサを備え、前記温度センサのうちの少なくとも1つが前記遠位端の近位に位置付けられ、前記センサのうちの他方のうちの1つ以上が、前記遠位端上又は前記遠位端に隣接して位置付けられ、前記1つ以上のセンサは、in vivoで前記血塊の温度を検知し、前記血塊の特性を識別するように構成されている、ことと、
前記血塊内の複数の位置で前記温度センサを使用して、前記血塊の特性を検知することと、
検知された前記特性から出力を発生させることであって、前記出力が前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、方法又は使用。
(120) 前記血塊の遠位及び/又は近位の位置で前記血塊の特性を検知することを更に含む、実施態様119に記載の方法又は使用。
【0428】
(121) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための使用であって、
血塊の基準を決定することと、
前記基準に基づいて前記血塊を分類して、分類を生成することと、
前記分類に基づいて、前記血塊に関する個別化治療プロトコルを決定することであって、前記個別化治療プロトコルが、吸引することと、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることと、のうちの少なくとも1つを使用することから選択される1つ以上の技術を含む、ことと、
前記個別化治療プロトコルに基づいて、前記血塊を処置することと、を含む、使用。
(122) 前記血塊を分類することがin vivoにて実施される、実施態様121に記載の使用。
(123) 前記第1の再灌流デバイスがステントレトリーバであり、前記第2の再灌流デバイスがピンチレトリーバである、実施態様121に記載の使用。
(124) 前記血塊を分類することが、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上を含む、実施態様121に記載の使用。
(125) 前記血塊の基準を決定することが、
CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することと、
前記CTスキャン及び前記MRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を含む、前記血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を含む、実施態様121に記載の使用。
【0429】
(126) 前記第1の再灌流デバイスが、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているステントレトリーバであり、前記第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
前記血塊が赤血球に富むことを前記分類が実証する場合に、次に、前記個別化治療プロトコルが、
前記第1の再灌流デバイスを、前記血塊の近くに、前記血塊を通して、又は前記血塊の周りに通過させて、次に、前記血塊を、前記第1の再灌流デバイスの内腔に係合させつつ、前記第1の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることを含む、実施態様121に記載の使用。
(127) 前記第1の再灌流デバイスが、赤血球に富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているステントレトリーバであり、前記第2の再灌流デバイスが、フィブリンに富んだ血塊又は血塊の一部を除去するように構成されているピンチレトリーバであり、
前記血塊がフィブリンに富むことを前記分類が実証する場合に、次に、前記個別化治療プロトコルが、
前記第2の再灌流デバイスを、前記血塊の近くに、前記血塊を通して、又は前記血塊の周りに通過させて、次に、前記血塊を挟持しつつ、前記第2の灌流デバイスを後退させて、血管への再灌流を回復させることを含む、実施態様121に記載の使用。
(128) 前記血塊の基準を決定することが、前記血塊の周囲において、前記血塊と操作可能に連通した計算装置により情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は脈管構造内の血塊位置を、リアルタイムに決定することを更に含み、
前記使用が、
前記計算装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して、前記個別化治療プロトコルを受信することと、
前記計算装置により、前記血塊を伴う血管の灌流を監視することと、
前記計算装置により、前記血管内で回復されている灌流に応答して警告することと、を更に含む、実施態様121に記載の使用。
(129) 前記計算装置が、前記血塊に関する情報を解釈して前記個別化治療プロトコルを決定するための相関データを含むデータベースに連結され、
前記データベースが、前記計算装置から遠隔である、実施態様121に記載の使用。
(130) 前記血塊の基準を決定することが、
脈管構造内の前記血塊の部位にカテーテルを送達することと、
前記脈管構造内の前記血塊の前記部位の第1の位置において、前記カテーテルに連結された近赤外分光法(NIR)のための器具を使用することにより、前記血塊の第1の読み取り値を取得することと、
前記第1の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、前記スペクトルが、前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、前記第1の読み取り値からスペクトルを発生させることと、を含む、実施態様121に記載の使用。
【0430】
(131) 前記血塊の基準を決定することが、前記スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、実施態様130に記載の使用。
(132) 前記血塊及び前記第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてNIRのための前記器具を使用することにより、前記血塊の第2の読み取り値を取得することと、
前記第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、前記第2の読み取り値の前記スペクトルが、前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、前記第2の読み取り値からスペクトルを発生させることと、
前記第1の読み取り値及び前記第2の読み取り値の前記スペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することと、を更に含む、実施態様130に記載の使用。
(133) 前記血塊の基準を決定することが、
脈管構造内の前記血塊の部位にカテーテルを送達することと、
前記脈管構造内の前記血塊の前記部位において、前記カテーテルに連結されたラマン分光法のための器具を使用することにより、前記血塊の第1の読み取り値を取得することと、
前記第1の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、前記スペクトルが、前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、前記第1の読み取り値からスペクトルを発生させることと、を含む、実施態様121に記載の使用。
(134) 前記血塊の基準を決定することが、前記スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、実施態様133に記載の使用。
(135) 前記血塊及び前記第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にてラマン分光法のための前記器具を使用することにより、前記血塊の第2の読み取り値を取得することと、
前記第2の読み取り値からスペクトルを発生させることであって、前記第2の読み取り値の前記スペクトルが、前記血塊の化学組成及び/又は物理的特性に関連する、前記第2の読み取り値からスペクトルを発生させることと、
前記第1の読み取り値及び前記第2の読み取り値の前記スペクトルに含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することと、を更に含む、実施態様133に記載の使用。
【0431】
(136) 前記血塊を処置することが、前記血塊の一部を回収することを含み、
回収された前記血塊及び/又は前記血塊の1つ以上の断片を分析することと、
前記回収された血塊の分析又は前記血塊へのアクセス及び交差の分析に基づいて、血塊処置工程を選択することと、を更に含む、実施態様121に記載の使用。
(137) 前記血塊の基準を決定することが、
白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することを含む、実施態様121に記載の使用。
(138) 前記第1の血塊特性定量的指標及び前記第2の血塊特性定量的指標を相関データと比較することと、吸引、第1の再灌流デバイス、及び/又は第2の再灌流デバイスから選択される1つ以上の技術を使用することの、選択及び順序のうち少なくとも1つを決定することと、を更に含む、実施態様137に記載の使用。
(139) 虚血性イベントを治療するための本開示の任意のシステムの使用であって、前記システムは、
血塊を有する閉塞した血管に灌流を回復させるための第1の再灌流デバイスと、
前記血塊を有する前記閉塞した血管に灌流を回復させるための第2の再灌流デバイスと、
前記閉塞した血管内の前記血塊に、前記第1の再灌流デバイス及び前記第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを送達するための送達システムと、
前記閉塞した血管の前記血塊を分析して、前記第1の再灌流デバイス及び前記第2の再灌流デバイスのうちの少なくとも1つを使用する、個別化治療プロトコルを決定する、血塊分析システムと、を含む、使用。
(140) 虚血性イベントを治療するための先の実施態様のいずれかに記載のシステムの使用であって、前記システムは、
虚血性イベントを有する被検体の血塊の、in vivoでの分析情報を提供するための手段と、
前記分析情報に基づいて、前記被検体に関する個別化治療プロトコルの指標を提供するための手段であって、前記個別化治療が、吸引を使用すること、第1の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させること、及び/又は第2の再灌流デバイスを使用して灌流を回復させることから選択される、1つ以上の技術を含む、手段と、
前記個別化治療プロトコルに基づいて、前記血塊を処置するための手段と、を備える、使用。
【0432】
(141) 血管内の血塊を分析するための、先の実施態様のいずれかに記載のカテーテルの使用。
(142) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための先の実施態様のいずれかに記載のシステムの使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にカテーテルを送達することであって、前記カテーテルが、
近位端及び遠位端を有する内腔と、
前記遠位端に接続された分光学的検知装置であって、前記カテーテルの前記遠位端によって前記血塊の特性を測定するように構成されている、分光学的検知装置と、を備える、ことと、
前記脈管構造内の前記血塊の前記部位の第1の位置で、前記分光学的検知装置を使用して前記血塊の第1の測定値を取得することと、
前記第1の測定値からスペクトルを発生させることであって、前記スペクトルが前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、使用。
(143) 前記カテーテルが、
前記遠位端に隣接する窓部分と、
前記窓部分に隣接する不透明な吸収性部分と、を更に含む、実施態様142に記載の使用。
(144) 前記カテーテルの前記遠位端を前記血塊の遠位側に前進させることと、次に、
前記カテーテルの前記遠位端を前記血塊を通して後方に後退させながら、同時に前記カテーテルを回転させて、前記血塊によって閉塞されている血管の長さにわたってスペクトルマップを生成することと、を更に含む、実施態様142に記載の使用。
(145) 前記スペクトルに基づいて前記血塊の異なるスペクトル特性を測定することによって、前記血塊の1つ以上の物理的特性を確認することを更に含む、実施態様142に記載の使用。
【0433】
(146) 前記スペクトル内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、実施態様142に記載の使用。
(147) 前記血塊及び前記第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にて、前記分光学的検知装置を使用して前記血塊の第2の測定値を取得することと、
前記第2の測定値からスペクトルを発生させることであって、前記第2の測定値の前記スペクトルが前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を更に含む、実施態様142に記載の使用。
(148) 前記第1の測定値又は前記第2の測定値を取得する前記工程が、
それぞれ前記第1の位置又は前記第2の位置において前記血塊を貫通する前記分光学的検知装置からの光を放出することと、
前記分光学的装置の放出された前記光に曝露された前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの前記1つに関連する前記スペクトルを生成することと、を含む、実施態様147に記載の使用。
(149) 前記第1の測定値又は前記第2の測定値の前記スペクトルの情報を含むスペクトル帯域を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、実施態様147に記載の使用。
(150) 前記カテーテルを360°回転させることと、前記血塊の血管の内側を走査して、360°スキャンを生成することと、を更に含む、実施態様142に記載の使用。
【0434】
(151) 最初に血栓に対して遠位に配置した後、前記カテーテル先端部を閉塞部を通して後方に引っ張りながら、同時に回転させることを更に含む、実施態様142に記載の使用。
(152) 前記分光学的検知装置が、
前記マイクロカテーテル内部に配置され、前記マイクロカテーテルの前記遠位端まで又は前記遠位端に隣接して延在する光ファイババンドルと、
前記遠位端に隣接して又は前記遠位端において所定の角度で配向された鏡と、を更に備え、
前記第1の測定値又は前記第2の測定値を取得する前記工程が、
前記光ファイババンドルから放出されるものを放出させることと、
前記血塊及び/又は前記血塊の前記脈管構造の血管壁に向かって光を反射することと、を含む、実施態様142に記載の使用。
(153) 前記鏡の前記所定の角度が約45°である、実施態様152に記載の使用。
(154) 前記光が、約90°で前記鏡から前記血管壁に向かって反射される、実施態様152に記載の使用。
(155) 前記分光学的検知装置が前記カテーテルと一体化され、前記血塊を貫通して近赤外分光法を使用して前記血塊を分析できる光を放出するように構成されている、実施態様142に記載の使用。
【0435】
(156) 前記分光学的検知装置が前記カテーテルと一体化され、前記血塊を貫通してラマン分光法を使用して前記血塊を分析できる光を放出するように構成されている、実施態様142に記載の使用。
(157) 前記分光学的検知装置が前記カテーテルと一体化された可視光診断デバイスであり、前記血塊を貫通かつ分析できる光を放出するように構成されている、実施態様142に記載の使用。
(158) 基準に基づいて前記血塊を分類して、分類を生成することを更に含む、実施態様142に記載の使用。
(159) 前記血塊を分類する前記工程が、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上を含む、実施態様158に記載の使用。
(160) 前記血塊を分類する前記工程が、血塊構成要素の組織学的定量化、前記血塊の機械工学的検査のうちの1つ以上を含む、実施態様158に記載の使用。
【0436】
(161) CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行することにより前記血塊の基準を決定することと、前記CTスキャン及び前記MRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は前記脈管構造内の血塊位置を含む、前記血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定することと、を更に含む、実施態様142に記載の使用。
(162) 前記血塊の基準を決定する前記工程が、前記血塊の周囲において、前記血塊と操作可能に連通した計算装置により情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は前記脈管構造内の血塊位置を、リアルタイムに決定することを更に含み、
前記使用が、
前記計算装置のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを介して、前記個別化治療プロトコルを受信することと、
前記計算装置により、前記血塊を伴う血管の灌流を監視することと、
前記計算装置により、前記血管内で回復されている灌流に応答して警告することと、を更に含む、実施態様161に記載の使用。
(163) 前記計算装置が、前記血塊に関する情報を解釈して前記個別化治療プロトコルを決定するための相関データを含むデータベースに連結され、
前記データベースが、前記計算装置から遠隔である、実施態様162に記載の使用。
(164) 前記血塊の基準を決定することが、
白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することを含む、実施態様142に記載の使用。
(165) 前記第1の血塊特性定量的指標及び前記第2の血塊特性定量的指標を相関データと比較することと、吸引、第1の再灌流デバイス、及び/又は第2の再灌流デバイスから選択される1つ以上の技術を使用することの、選択及び順序のうち少なくとも1つを決定することと、を更に含む、実施態様164に記載の使用。
【0437】
(166) 血塊を分析するシステムを較正する使用であって、
分光光度計を使用して事前に走査された1つ以上の血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つのデータベースを提供することと、
前記データベース及び参照分析方法を使用して、データの較正セットを生成することと、
前記データの較正セットを、前記血塊を分析するシステムの分光学的検知装置のスペクトル特性と相関させることと、を含む、使用。
(167) 前記血塊を分析するシステムが、
近位端及び遠位端を有する内腔を含むカテーテルと、
前記遠位端に接続された前記分光学的検知装置であって、前記カテーテルの前記遠位端によって前記血塊の特性を測定するように構成されている、前記分光学的検知装置と、を備える、実施態様166に記載の使用。
(168) 前記分光学的検知装置が前記カテーテルと一体化され、前記血塊を貫通して近赤外分光法(NIRS)を使用して前記血塊を分析できる光を放出するように構成されている、実施態様167に記載の使用。
(169) 前記分光学的検知装置が近赤外領域の電磁スペクトル(780~2500マイクロメートル)を含む、実施態様167に記載の使用。
(170) 前記分光学的検知装置が前記カテーテルと一体化され、ラマン分光法を用いて血塊組成を分析するように構成されている、実施態様167に記載の使用。
【0438】
(171) 前記分光学的検知装置が前記カテーテルと一体化され、前記血塊を貫通して血塊組成を分析することができる光を放出する可視光診断デバイスとして構成されている、実施態様167に記載の使用。
(172) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための標的血管内に位置する血塊と共に使用するための血管内医療システムの使用であって、前記システムは、
近位端から遠位端まで長手方向に延在するガイドワイヤを含み、前記遠位端は、前記血塊及び前記標的血管に対するその配向を制御するように構成されており、
前記ガイドワイヤは、前記遠位端上又は前記遠位端に隣接して配置された1つ以上のセンサを含み、前記1つ以上のセンサは、in vivoで前記血塊の特性を検知し、検知された前記特性に基づいて前記血塊を処置するように構成されている、使用。
(173) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、前記ガイドワイヤは、前記ガイドワイヤの遠位部分に接続されるか又は前記遠位部分に隣接した1つ以上のセンサを含み、前記1つ以上のセンサは、前記脈管構造内の前記血塊の特性を測定するように構成されている、ことと、
前記脈管構造内の前記血塊の前記部位の第1の位置で、前記1つ以上のセンサを使用して前記血塊の特性を検知することと、
検知された前記特性から出力を発生させることであって、前記出力が前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、使用。
(174) 前記出力に基づいて前記血塊を処置するための1つ以上の装置及び/又は手順工程を選択することを更に含む、実施態様173に記載の使用。
(175) 前記ガイドワイヤの前記遠位部分が、血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端であり、前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面の周囲に円周方向に配置されるか又は巻かれている、実施態様173に記載の使用。
【0439】
(176) 前記ガイドワイヤの前記遠位部分が、平面の幾何形状と残りの非平坦部分の外径より小さい厚さとを有する平坦な遠位部分である、実施態様173に記載の使用。
(177) 前記1つ以上のセンサのうちの少なくとも1つを、前記血塊の特性を検知するために平坦な遠位部分上に位置付けることと、
前記1つ以上のセンサのうちの他方を、血管壁の特性を検知するために前記残りの非平坦部分上に位置付けることと、を更に含む、実施態様173に記載の使用。
(178) 前記検知された特性に基づいて前記血塊を分類して、分類を生成することを更に含む、実施態様173に記載の使用。
(179) 前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面上に配置された近赤外(NIR)センサである、実施態様173に記載の使用。
(180) 前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである、実施態様173に記載の使用。
【0440】
(181) 前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面上に配置されたインピーダンスセンサである、実施態様173に記載の使用。
(182) 前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能なラマン分光センサである、実施態様173に記載の使用。
(183) 前記1つ以上のセンサが、前記ガイドワイヤの外面上に配置され、特定の範囲の電磁スペクトルを透過及び収集するように動作可能な1つ以上の光ファイバストランド又はバンドルである、実施態様173に記載の使用。
(184) 前記出力に基づいて前記血塊の異なるスペクトル特性を測定することによって、前記血塊の1つ以上の物理的特性を確認することを更に含む、実施態様173に記載の使用。
(185) 前記出力内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、血小板含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、血塊密度、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、実施態様173に記載の使用。
【0441】
(186) 前記血塊及び前記第1の位置の遠位又は近位の第2の位置にて、前記1つ以上のセンサを使用して前記血塊の特性を検知することと、
前記第2の位置から出力を発生させることであって、前記第2の位置の前記出力が前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を更に含む、実施態様173に記載の使用。
(187) 前記出力、並びに、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、超音波スキャン、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上に基づいて前記血塊を分類することを更に含む、実施態様173に記載の使用。
(188) CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行すること、並びに、
前記CTスキャン及び前記MRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は前記脈管構造内の血塊位置を含む、前記血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定すること、
によって、前記血塊の基準を決定することを更に含む、実施態様173に記載の使用。
(189) 白血球濃度、赤血球濃度、血清濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊位置、血塊強度、血塊弾性、血塊形成速度、又は血塊溶解速度のうちの1つ以上から選択される、1つ以上の定量的指標を決定することによって、前記血塊の基準を決定することを更に含む、実施態様173に記載の使用。
(190) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための標的血管内に位置する血塊と共に使用するための血管内医療システムの使用であって、前記システムは、
近位端から遠位端まで長手方向に延在するガイドワイヤを含み、前記ガイドワイヤは複数の温度センサを備え、前記温度センサのうちの少なくとも1つが前記遠位端の近位に位置付けられ、前記センサのうちの他方のうちの1つ以上が、前記遠位端上又は前記遠位端に隣接して位置付けられ、前記1つ以上のセンサは、in vivoで前記血塊の温度を検知し、前記血塊の特性を識別するように構成されている、使用。
【0442】
(191) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、前記ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、複数の温度センサを備え、前記温度センサのうちの少なくとも1つが前記遠位端の近位に位置付けられ、前記センサのうちの他方のうちの1つ以上が、前記遠位端上又は前記遠位端に隣接して位置付けられ、前記1つ以上のセンサは、in vivoで前記血塊の温度を検知し、前記血塊の特性を識別するように構成されている、ことと、
前記血塊の遠位の第1の位置、前記血塊内の第2の位置、及び前記血塊の近位の第3の位置で前記温度センサのうち少なくとも1つを使用して、前記血塊の特性を検知することと、
検知された前記特性から出力を発生させることであって、前記出力が前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、使用。
(192) 前記温度センサを用いて特性を検知する前記工程が、各位置で同時に行われる、実施態様191に記載の使用。
(193) 前記血塊の領域を測定するために、前記遠位端に沿った所定の位置に前記センサを選択的に位置付けることを更に含む、実施態様191に記載の使用。
(194) 前記血塊の領域を測定するために、前記遠位端に沿った位置で各センサを所定の距離だけ離間することを更に含む、実施態様191に記載の使用。
(195) 前記ガイドワイヤの前記遠位端が、送達構成において血塊を回避するように構成された非外傷性の遠位端を有する拡張外辺部を含み、前記1つ以上のセンサが、前記拡張外辺部の周囲に配設されている、実施態様191に記載の使用。
【0443】
(196) 前記検知された特性に基づいて前記血塊を分類して、分類を生成することを更に含む、実施態様191に記載の使用。
(197) 前記出力内に含まれる情報を解釈して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び前記脈管構造内の血塊位置のうちの少なくとも1つを、リアルタイムに決定することを更に含む、実施態様191に記載の使用。
(198) 前記出力、並びに、臨床検査、血液検査、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、頸動脈超音波診断、脳血管造影、及び心エコー図のうちの1つ以上に基づいて前記血塊を分類することを更に含む、実施態様191に記載の使用。
(199) CTスキャン及びMRIスキャンのうちの少なくとも1つを実行すること、並びに、
前記CTスキャン及び前記MRIスキャンのうちの少なくとも1つからの情報を分析して、赤血球含有量濃度、白血球含有量濃度、フィブリン濃度、血塊サイズ、血塊形状、及び/又は前記脈管構造内の血塊位置を含む、前記血塊の物理組成及び/又は化学組成を決定すること、
によって、前記血塊の基準を決定することを更に含む、実施態様191に記載の使用。
(200) 1つ以上の急性虚血性イベントを管理するための使用であって、
脈管構造内の血塊の部位にマイクロカテーテルを通してガイドワイヤを送達することであって、前記ガイドワイヤは、近位端から遠位端まで長手方向に延在し、複数の温度センサを備え、前記温度センサのうちの少なくとも1つが前記遠位端の近位に位置付けられ、前記センサのうちの他方のうちの1つ以上が、前記遠位端上又は前記遠位端に隣接して位置付けられ、前記1つ以上のセンサは、in vivoで前記血塊の温度を検知し、前記血塊の特性を識別するように構成されている、ことと、
前記血塊内の複数の位置で前記温度センサを使用して、前記血塊の特性を検知することと、
検知された前記特性から出力を発生させることであって、前記出力が前記血塊の化学組成及び物理的特性のうちの少なくとも1つに関連する、ことと、を含む、使用。
【0444】
(201) 前記血塊の遠位及び/又は近位の位置で前記血塊の特性を検知することを更に含む、実施態様200に記載の使用。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20
図21
図22A
図22B
図23
図24A
図24B
図25A
図25B
図26A
図26B
図27
図28
図29
図30A
図30B
図31A
図31B
図31C
図32
図33
図34
図35a
図35b
図35c
図36
図37A
図37B
図37C
図37D
図38
図39
図40A
図40B
図41
図42
図43
図44
図45
図46A
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図50
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図53