(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】自動販売機
(51)【国際特許分類】
G07F 11/00 20060101AFI20240105BHJP
G07F 9/10 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
G07F11/00 A
G07F9/10 F
(21)【出願番号】P 2021514098
(86)(22)【出願日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 US2019048793
(87)【国際公開番号】W WO2020055601
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-08-26
(32)【優先日】2018-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591235706
【氏名又は名称】ペプシコ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】エマド・ジャファ
(72)【発明者】
【氏名】チュク・チー・ラウ
(72)【発明者】
【氏名】シュエジュン・リー
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・セロック
(72)【発明者】
【氏名】ワイ・ティン・チャン
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル・ルーク・ジョンストン
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・トーマス・ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】ユアン・モリソン
(72)【発明者】
【氏名】エリック・デイビッド・ウィリアムズ
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-340384(JP,A)
【文献】特開平04-313187(JP,A)
【文献】特開平03-025595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 9/00 - 11/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動販売機であって、
第1の支持壁と、第2の支持壁と、前記第1の支持壁と前記第2の支持壁との間に水平に延在する販売製品の列を陳列するように構成された細長い製品区画と、を含むU字形ハウジングと、
前記製品区画に連結され、販売製品を受け取るためにユーザによってアクセス可能な販売ポートと、を含み、
前記製品区画は上面及び底面を含み、前記底面及び前記支持壁は、前記製品区画の下方に空隙を画定する、自動販売機。
【請求項2】
前記製品区画の前記底面は、床から少なくとも
122cm垂直に変位されている、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
前記製品区画は、販売製品の単一の列を陳列するように構成されている、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項4】
前記製品区画は販売製品を保管する、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項5】
前記空隙は、前記製品区画の下方に配置される構造体に適したサイズである、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項6】
前記構造体はガソリンスタンドのガソリンノズルを含む、請求項5に記載の自動販売機。
【請求項7】
前記販売ポートは開口部を含み、前記開口部の側面に販売製品が配置されていない、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項8】
前記第1の支持壁及び前記第2の支持壁及び前記製品区画は一体型ハウジングを形成する、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項9】
前記第1の支持壁及び前記第2の支持壁は前記製品区画に取り外し可能に連結されている、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項10】
前記
販売製品は包装製品を含む、請求項1に記載の自動販売機。
【請求項11】
製品販売機であって、
床から垂直に延在
し、第1の支持壁と第2の支持壁を有する支持構造体と、
前記支持構造体から水平に延在する、販売製品を保管するように構成された製品区画であって、前記製品区画は、前記製品区画の高さを画定する上面及び底面を含む、製品区画と、
前記製品区画に連結され、販売製品を受け取るためにユーザによってアクセス可能な販売ポートと、を含み、
前記製品区画は、前記床と前記製品区画の前記底面との間
及び前記第1の支持壁と前記第2の支持壁との間に空間が配置されるように、前記製品区画は
、前記第1の支持壁と前記第2の支持壁との間に、前記支持構造体によって垂直に上昇されて支持され、
前記製品区画の前記高さは、前記床と前記製品区画の前記底面との間の距離よりも小さい、製品販売機。
【請求項12】
前記製品区画内に配置されたロボット器具を更に含む、請求項11に記載の製品販売機。
【請求項13】
前記ロボット器具は、前記製品区画のx軸方向に沿って横方向に移動するように構成されている、請求項12に記載の製品販売機。
【請求項14】
前記ロボット器具は、前記x軸方向にのみ移動する、請求項13に記載の製品販売機。
【請求項15】
1つ以上の販売製品を保持するように構成された複数の製品カートリッジを更に含む、請求項12に記載の製品販売機。
【請求項16】
ロボット器具と、
1つ以上の販売製品を保持するように構成された製品カートリッジと、
販売開口部と、を更に含み、
前記ロボット器具は、
前記販売製品を前記製品カートリッジから前記販売開口部に移動させるように構成されている、請求項11に記載の製品販売機。
【請求項17】
前記販売ポートの前記高さは自動で調節可能である、請求項11に記載の製品販売機。
【請求項18】
前記空間の後ろに配置された背面壁を更に含む、請求項11に記載の製品販売機。
【請求項19】
製品を保管及び販売するための自動販売機であって、
製品を保管するための製品区画であって、前記製品区画は第1の支持壁と第2の支持壁を有する支持構造体によって床から垂直に上昇されており、前記製品区画の底面と前記第1の支持壁と前記第2の支持壁との間に空間が形成されている、製品区画と、
前記製品区画に相互接続されるが、空間的に分離された販売ポートと、
第1の端部及び第2の端部を有する通路であって、前記第1の端部は前記製品区画内の開口部に連結され、前記第2の端部は前記販売ポート内の開口部に連結される、通路と、を含み、
販売動作中、前記製品区画内の製品は、前記製品区画から前記通路を通って前記販売ポート内へ自動的に移動される、自動販売機。
【請求項20】
前記販売ポート及び前記製品区画は、少なくとも61cm空間的に分離されている、請求項19に記載の自動販売機。
【請求項21】
前記製品区画内に配置された第1のロボット器具を更に含む、請求項19に記載の自動販売機。
【請求項22】
前記通路内に配置された第2のロボット器具を更に含む、請求項21に記載の自動販売機。
【請求項23】
前記販売ポート及び前記製品区画は別個の空間にある、請求項19に記載の自動販売機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
記載される実施形態は、一般に、自動販売機などの製品販売機に関する。具体的には、実施形態は、垂直に変位された製品区画を有する自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
自動販売機は、消費者が、要求に応じて、食品、飲料、又は他の消耗品などの様々な製品を購入することを可能にする。販売用の同様の製品を提供するいくつかの小売環境(例えば、コンビニエンスストア又はキオスクなど)の代替として、自動販売機は多くの利点を有する。例えば、一部の自動販売機は、売買を完了するための従業員の存在を必要とせず、それによって、運用コストが下がり、自動販売機が商品を消費者に販売するための安価な手段となっている。更に、一部の自動販売機は、迅速かつ効率的な売買を可能にし、消費者の購入体験を向上させる。
【発明の概要】
【0003】
本発明のいくつかの実施形態は、限られた空間若しくは限られた床空間を有する場所、又は従来自動販売機によって占有されていない消費者にとって便利な場所で使用することができる自動販売機を提供する。自動販売機により、消費者が販売ポートから製品を便利に選択、購入、及び受理することが可能になる一方で、製品は、じゃまにならない区画内に保管される。
【0004】
例えば、実施形態は、製品を保管及び販売するための自動販売機を含み、自動販売機は、U字形ハウジング、製品区画、及び販売ポートを含む。U字形ハウジングは、第1の支持壁及び第2の支持壁を含む。製品区画は細長いものであり、販売製品の列を陳列する。製品区画は、第1の支持壁と第2の支持壁との間で水平に延在する。製品区画は上面及び底面を含み、底面と支持壁との間の空間は、製品区画の下方に空隙を画定する。販売ポートは製品区画に連結され、ユーザは、販売製品を受け取るために販売ポートにアクセスすることができる。
【0005】
実施形態はまた、製品販売機を含み、製品販売機は、支持構造体、製品区画、及び販売ポートを含む。支持構造体は、床から垂直に延在する。製品区画は販売製品を保管し、支持構造体から水平に延在する。製品区画は、製品区画の高さを画定する上面及び底面を含む。製品区画は、床と製品区画の底面との間に空間が存在し、製品区画の高さが床と製品区画の底面との間の距離よりも小さくなるように、垂直に上げられ、支持構造体によって支持される。販売ポートは製品区画に連結され、ユーザは、販売製品を受け取るために販売ポートにアクセスすることができる。
【0006】
実施形態はまた、製品を保管及び販売するための自動販売機を含み、自動販売機は、製品を保管するための製品区画、販売ポート、及び通路を含む。販売ポートは、製品区画に相互接続されるが、空間的に分離される。通路は、第1の端部及び第2の端部を有し得る。通路の第1の端部は製品区画内の開口部に連結され、通路の第2の端部は販売ポート内の開口部に連結される。販売動作中、製品区画内の製品は、製品区画から通路を通って販売ポート内へ自動的に移動される。ユーザは、販売製品を受け取るために、販売ポートにアクセスすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付図面は、本発明に組み込まれ、本明細書の一部を形成し、本発明の実施形態を例示し、本説明と一緒に、更に本発明の原理を説明し、かつ当業者(複数可)が本発明を作製し、使用することを可能にする役割を果たす。
【0008】
【
図1】いくつかの実施形態による、自動販売機の斜視図である。
【0009】
【0010】
【
図3】使用され得る環境における
図1の自動販売機の正面斜視図である。
【0011】
【
図4】使用され得る環境における
図1の自動販売機の正面斜視図である。
【0012】
【
図5】いくつかの実施形態による、自動販売機の部分斜視図である。
【0013】
【0014】
【
図7】いくつかの実施形態による、自動販売機の部分斜視図である。
【0015】
【
図8】いくつかの実施形態による、自動販売機の正面斜視図である。
【0016】
【
図9A】いくつかの実施形態による、自動販売機の正面斜視図である。
【0017】
【0018】
【
図10】いくつかの実施形態による、自動販売機の正面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以降、添付図面に例示されるような本発明の実施形態を参照して、本発明(複数可)を詳細に説明する。「一実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、「例示的な実施形態(an exemplary embodiment)」などの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得るが、全ての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むわけではないことを示す。更に、このような句は、必ずしも同じ実施形態を言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態と関連して記載される場合、明確に記載されているかどうかに関わりなく、他の実施形態と関連するこのような特徴、構造、又は特性への影響は、当業者の知見内であるものとする。
【0020】
いくつかの自動販売機の自己完結型の性質は、消費者の利便性を最大限にする位置に機械を選択的に配置することを可能にし得る。実際に、一部の自動販売機の利益は、消費者交通量の多い場所を含み得る、消費者にとって利便性のある場所において、又はその近くに自動販売機を配置することと大きく相関している可能性がある。しかしながら、一部の自動販売機は、大量の利用可能なスペース、特に大量の利用可能な床空間を有する位置への機械の配置を制限する設計及び機能性を有し得る。
【0021】
いくつかの実施形態は、機械のみに専用でなければならない床空間の量を低減することによって、自動販売機などの製品販売機の配置に柔軟性を提供し得る。このようにして、いくつかの実施形態は、縮小された販売設置面積を有する自動販売機を提供することができる。本明細書に記載される自動販売機は、販売動作中に消費者が販売製品を受け取る販売ポートと相互接続されるが空間的に分離された、製品(例えば、食品及び/又は飲料)を保管、陳列、及び/又は販売するための製品区画を含んでもよい。この構成は、消費者がアクセス可能な便利な場所に販売ポートを配置することを可能にし得る一方で、製品区画は、空間的に分離され、じゃまにならないようになっている。
【0022】
本明細書に記載される自動販売機は、製品を保管及び販売するための製品区画、製品区画を上昇位置で支持する支持構造体、例えば他の構造体が製品区画の下方の空間を占有できるような製品区画の空の空間、及びユーザが販売動作中に販売製品を受け取るための、製品区画に連結され、製品区画の下に配置された販売ポートを含んでもよい。いくつかの実施形態による自動販売機は、例えば、ガソリンスタンドのノズル近く(例えば、
図3を参照)のような、従来自動販売機によって占有され得ない空間で使用されてもよい。
【0023】
本明細書に記載される自動販売機は、製品を保管及び販売するための製品区画、製品区画を上昇位置で支持する支持構造体、人間が製品区画の下を歩くことができるような製品区画の下方の十分な高さ及び幅の空の空間、及びユーザが販売動作中に販売製品を受け取るための、製品区画に連結され、製品区画の下に配置された販売ポートを含んでもよい。いくつかの実施形態による自動販売機は、例えば、狭い廊下(例えば、
図4を参照)のような、従来自動販売機によって占有され得ない空間で使用されてもよい。
【0024】
本明細書に記載される自動販売機は、製品(例えば、食品又は飲料)を保管及び販売するための製品区画を含んでもよく、製品区画は、例えば、壁の後ろに、部分的に又は完全に壁内に、若しくは販売動作中に消費者が販売製品を受け取る販売ポートと相互接続されるが空間的に分離された離れた場所に配置される。
【0025】
ここで、実施形態を、図を参照してより詳細に説明する。
図1~
図2を参照すると、自動販売機10は、製品区画100、製品保管システム110、支持構造体120、販売ポート130、及び製品送達システム140を含んでもよい。
【0026】
製品区画100は、消費者に販売される1つ以上の製品200を保管、陳列、及び/又は販売するように構成されている。製品200は、製品保管システム110内に保管され、腐敗しやすい製品及び腐敗しにくい製品を含んでもよい。製品200は、チップス、キャンディバー、ソフトドリンク、水、炭酸水、ジュース、アルコール飲料、スポーツ飲料、又は他の予め作製された包装商品を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0027】
製品区画100は、上面101、底面102、及び側面104を含んでもよい。上面101と底面102との間の距離は、製品区画100の高さ103を画定してもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、支持構造体120は、自動販売機10が便利に配置され、縮小された設置面積を有し得るように、製品区画100を上昇位置で支持するように構成される。
図1~
図2に示されるように、支持構造体120は、それぞれが第1の端部123及び第2の端部124を含んでもよい1つ以上の支持壁121を含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持構造体120は、概ねU字形であってもよく、製品区画100に相互接続された2つの支持壁121を含んでもよい。支持壁121は、互いに実質的に平行であってもよく、支持壁121の第1の端部123は、製品区画100の対向する側面104上に配置されてもよい。支持壁121は、床410に対して実質的に垂直であってもよく、支持壁121の第2の端部124は、床410と連通していてもよい。
【0029】
支持構造体120は、製品区画100が床410の垂直上方に配置され、空隙126(例えば、空又は非占有空間)が製品区画100の下に配置されるように、製品区画100を支持してもよい。空隙126は、1つ以上の支持壁121と製品区画100の底面102の下との間の領域に配置されてもよい。説明を容易にするために床410は床と呼ばれるが、支持構造体120が配置され得る別の表面、例えば地面、歩道、又は駐車場などであってもよいことが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、製品区画100の高さ103は、空隙126の高さを画定し得る、床410と製品区画100の底面102との間の距離よりも小さくてもよい。このように、製品区画100の高さ103と空隙126の高さとの比は、1未満であってもよい。いくつかの実施形態では、製品区画100の高さ103と空隙126の高さとの比は、0.5未満であってもよい。いくつかの実施形態では、製品区画100の高さ103と空隙126の高さとの比は、0.2未満であってもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、空隙126は、構造体420が空隙126内に又は部分的に内部に配置され得るように、十分な大きさであってよく、十分な高さ、面積、及び/又は容積を有してもよい。構造体420は、例えば、燃料販売機(例えば、ガソリンスタンドのノズル)、棚、小売ディスプレイ、又はドアであってもよい。構造体420は、例えば、広告構造体、消費者サービスのためのエリア、より小さい自動販売機、飲用ファウンテン、ソーダファウンテン、又は自転車ラックであってもよい。いくつかの実施形態では、空隙126は、人間が空隙126内に又は空隙126を通って直立し得るような寸法を有してもよい。いくつかの実施形態では、製品区画100の底面102は、床410から少なくとも4フィート垂直に変位されてもよい。いくつかの実施形態では、製品区画100の底面102は、床410から6フィートを超えて垂直に変位されてもよい。いくつかの実施形態では、製品区画100の底面102は、床410から6.5フィート~8フィート(両端を含む)の距離を垂直に変位されてもよい。いくつかの実施形態では、2つの実質的に平行な支持壁121は、少なくとも2フィート横方向に変位されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、製品区画100は、細長い直方体形状を含む。いくつかの実施形態では、製品区画100は、例えば、立方体、管状、円筒状、又は円錐台状を含む他の形状を含んでもよく、任意の軸を中心に対称又は非対称であってもよい。製品区画100は、製品区画100の上面101、底面102、又は側面104に配置されたドア107を含んでもよい。ドア107は、製品区画100の内部108へのアクセスを提供することができ、製品200は製品保管システム110に保管される。
【0032】
図5~
図6に示されるように、製品保管システム110は、製品200を保管及び整理するために使用されてもよく、1つ以上の製品容器114を含んでもよい。いくつかの実施形態では、製品200は、製品容器114内の列111内に配置されてもよい。製品200の複数の列111は、互いに隣接して位置付けされ、製品200の列112を形成してもよい。
図2に示されるように、製品区画100は、製品200の12個の列111によって形成された単一の水平列112を含んでもよい。しかしながら、製品区画100は、任意の数の列111によって形成された任意の配置(例えば、水平、垂直、及び/又は斜め)の任意の数の列112を含んでもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、製品容器114は、例えば製品200が配置される1つ以上の製品アクチュエータ119を含んでもよい。製品アクチュエータ119は、販売動作中に製品200を変位させるための機構であってもよい。一実施形態では、製品アクチュエータ119は、回転されると製品200を直線的に変位させるコイルを含む。他の実施形態では、製品アクチュエータ119は、製品200を直線的に変位させるコンベヤシステム、又は製品200を押したり引いたりする油圧、空気圧、又は電気アクチュエータを含んでもよい。
【0034】
例えば、
図9A及び
図9Bに示されるように、製品区画100の1つ以上の側面104は、1つ以上の陳列窓106を含んでもよく、それによって消費者は製品区画100を見ることができる。陳列窓106の数及び/又は位置は、製品200の列112の数及び/又は位置に対応しても、対応しなくてもよい。いくつかの実施形態では、製品区画100の1つ以上の側面104は、透明材料(例えば、ガラス又はプラスチック)で作製されてもよく、それによって消費者は製品区画100を見ることができる。いくつかの実施形態では、陳列窓106は、窓内に陳列される製品200のサイズを拡大するためのレンズ又は他の構成要素を含んでもよい。製品区画200は、ユーザから離れた垂直高さで上昇し得るため、製品200を拡大することは、消費者が製品選択をより遠い距離から見ることを容易にし得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、製品保管システム110の位置は、製品区画100に堅固に相互接続されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、製品保管システム110の位置は、例えば、
図7に示されるように、製品保管システム110への製品200の追加を容易にするために調節可能であってもよい(又は製品保管システム110は製品区画100から取り外し可能であってもよい)。同様に、製品保管システム110の製品容器114のそれぞれは、個別に調節可能又は製品区画100から取り外し可能であってもよい。例えば、一実施形態では、製品容器114は、装填を容易にするために傾斜又は下降されてもよい。ドア107は、製品容器114の調節又は除去を可能にするように開放されてもよい。
【0036】
図7に示されるように、いくつかの実施形態では、製品容器114の第1の端部116は、ヒンジ115を介して製品区画100に回転可能に相互接続されてもよく、製品容器114の第2の端部117(又は製品容器114の長さに沿った点)は、製品容器114が製品区画100内の実質的に水平な位置で支持されるように、付勢部材118を介して製品区画100に相互接続されてもよい。次に、製品容器114の第2の端部117に接線力430が適用され得、それによって製品容器114は、ヒンジ115を中心として回転する。付勢部材118は、例えば、ガス支柱、ガスばね、コイルばね、若しくは他の線形又は非線形付勢機構であってもよい。付勢部材118はまた、第1の端部116に位置してもよく、例えばねじりばねであってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、ヒンジ115及び付勢部材118は、製品容器114の端部116、117の一方又は両方を動作可能に上昇又は下降させるための別の手段と交換されてもよい。例えば、1つ又は複数の油圧、空気圧、又は電気アクチュエータを使用して、製品容器114の第1若しくは第2の端部116、117のうちの1つを上昇若しくは下降させるか、又は製品容器114の第1及び第2の端部116、117の両方を同時に上昇若しくは下降させることができる。いくつかの実施形態では、製品容器114は手動で上昇又は下降され、例えばピン又は他の係止機構などの様々な方法で定位置に固定されてもよい。
【0038】
製品容器114はまた、製品容器114内に配置する前に製品200(例えば、製品200の列111)で充填され得る製品カートリッジ210を受容するように構成されてもよい。
【0039】
製品区画100は、製品200を冷却する又は製品200を一定の温度で維持するための冷却システムを含んでもよい。冷却システムは、例えば、空調システム、ヒートポンプ、冷蔵又は冷凍庫システム、蒸発冷却器、若しくは他の温度低減システムであってもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、製品区画100は、製品保管システム110内に配置された製品200の量及び種類を監視するための在庫追跡システムを含んでもよい。在庫追跡システムは、製品保管システム110内の製品200の量及び種類に関する情報を遠隔位置に伝達(例えば、無線で)することができる。
【0041】
図1~
図2には2つの実質的に平行な支持壁121を有するように示されているが、支持構造体120は、2つより多い又は少ない支持壁121を含んでもよい。いくつかの実施形態では、支持構造体120は、2つの実質的に平行な支持壁121と、製品区画100の3つの隣接する側面104上に配置された背面支持壁122とを含んでもよい。空隙126は、壁121、122と製品区画100の底面102の下との間の領域に形成されてもよい(例えば、
図8を参照)。同様に、支持構造体120は、製品区画100の隣接する側面104上に配置された2つの支持壁121を含んでもよく、又は1つの支持壁121のみを含んでもよい。支持壁121はまた、例えば、フレーム、マウント、又は1つ以上の脚、柱、アーチ、又はビームなどの、製品区画100を支持するための別の手段と置き換えられてもよい。
【0042】
図10に示されるように、いくつかの実施形態では、支持構造体120は、製品区画100を上昇位置で支持するように構成された建物壁125を含んでもよく、製品区画100は、建物壁125の間に延在する。1つ以上の陳列窓106を有する1つ以上の側面104は、建物壁125に対して実質的に垂直であってもよい。空隙126は、建物壁125と製品区画100の底面102の下との間の領域に形成されてもよい。
【0043】
一部の実施形態では、単一の建物壁125は、製品区画100を上昇位置で支持してもよく、1つ以上の陳列窓106を有する側面104は、建物壁125に対して実質的に平行であってもよい。一部の実施形態では、単一の建物壁125は、製品区画100を上昇位置で支持してもよく、1つ以上の陳列窓106を有する1つ以上の側面104は、建物壁125に対して実質的に垂直であってもよい。一部の実施形態では、製品区画100は、建物壁125内に部分的に配置され、それによって支持されてもよく、1つ以上の陳列窓106を有する側面104は、建物壁125に対して実質的に平行であってもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、支持構造体120は、例えばボルトで、製品区画100に取り外し可能に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、支持構造体120は、例えば溶接部又は接着剤で、製品区画100に恒久的に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、支持構造体120及び製品区画100は、一体型ハウジングを形成してもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、販売ポート130は、販売開口部131及びユーザインターフェース132を含んでもよい。販売開口部131は、消費者が販売製品を受け取る開口部であってもよい。例えば、
図1~
図2に示されるように、販売開口部131は、概ね正方形の形状を含んでもよいが、例えば円形又は矩形を含む他の形状をとってもよい。ユーザインターフェース132は、消費者入力を受信するための手段(例えば、電気機械ボタン)、消費者と通信するための手段(例えば、視覚的ディスプレイ)、及び/又は入力を受信し、かつ消費者と通信するための組み合わせた手段(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)を含み得る。ユーザインターフェース132は、ボタン、視覚的表示、及び/又はタッチスクリーンの組み合わせを含み得る。ユーザインターフェース132は、製品区画100内の製品200に関する情報を表示してもよい。ユーザインターフェース132は、消費者からの支払いを受諾するための1つ以上の手段(例えば、紙幣識別機、コインスロット、又はクレジットカードリーダ)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、消費者は、販売製品200を選択し購入するために、モバイル通信機器(例えば、スマートフォン)上のアプリケーションを使用してもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、販売ポート130は、空隙126内に配置され得る。いくつかの実施形態では、販売ポート130は、空隙126の外側に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、販売ポート130は、支持壁121に結合され得る。いくつかの実施形態では、販売ポート130は、製品区画100の上方、下方、又は側面に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、販売ポート130は、製品区画100とは異なる空間に配置されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、販売開口部131及びユーザインターフェース132は、ハウジング133内に配置されてもよい。ハウジング133は、完全に又は部分的に中空であってもよい。ハウジング133の位置は、製品区画100に対して固定されてもよく、又は以下に更に記載されるように手動又は自動で調節可能であってもよい。
【0048】
販売ポート130は、通路136を介して製品区画100に相互接続されてもよい。製品200が製品区画100から通路136を通ってハウジング133内へ移動することができ、消費者が販売ポート130から製品200を受け取ることができるように、通路136の第1の端部137は製品区画100内の区画開口部109に配置されてもよく、通路136の第2の端部138はハウジング133内のハウジング開口部134に配置されてもよい。
図1~
図2には実質的に真っ直ぐであるように示されているが、通路136は多くの形態をとることができ、1つ以上の屈曲部、湾曲部、及び/又は移行部を含んでもよく、他の構造、例えば壁を通過してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、通路136は、通路136の第1の端部137と第2の端部138との間の距離が調節可能であり、したがって、販売ポート130の位置が製品区画100に対して可変であるように、伸縮式であってもよい。同様に、いくつかの実施形態では、通路136は、通路136の第1の端部137と第2の端部138との間の距離が調節可能であり、したがって、販売ポート130の位置が製品区画100に対して可変であるように、可撓性又は折りたたみ可能であってもよい。いくつかの実施形態では、販売ポート130は、製品区画100から少なくとも1フィート(例えば、2~10フィート)空間的に分離されてもよい。いくつかの実施形態では、自動販売機10は、接近する消費者の高さを測定し、(例えば、アクチュエータを使用して)ハウジング133の位置を調節する1つ以上のセンサ135(例えば、
図6を参照)を含んでもよく、これにより、販売開口部131及びユーザインターフェース132は、消費者にとって快適かつ便利な高さにある。
【0050】
いくつかの実施形態では、自動販売機10は、製品区画100の様々な側面104上に配置された2つ以上の販売ポート130を含んでもよく、それにより、自動販売機10は、製品200をいくつかの場所で消費者に販売することができる(例えば、
図9A~
図9Bを参照)。
【0051】
図5に示されるように、製品送達システム140は、第1のロボット器具142及び第2のロボット器具144を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のロボット器具142及び/又は第2のロボット器具144は、製品200を自動的に持ち上げる、保持する、及び/又は輸送するように構成されたロボットアームを含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のロボット器具142及び/又は第2のロボット器具144は、製品200を保持するように構成されたカップ、容器、クランプ、吸引システム、又は爪を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のロボット器具142及び/又は第2のロボット器具144は、製品200を自動的に受け取り、輸送するように構成されたロボット追跡システム、線形アクチュエータ、コンベヤ、及び/又は別の構成要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第1のロボット器具142は、製品区画100内に配置されてもよく、製品区画100の水平軸(例えば、x軸方向)に沿って横方向に移動してもよい。いくつかの実施形態では、第2のロボット器具144は、通路136内に配置されてもよく、通路136内の縦軸(例えば、y軸方向)に沿って長手方向に移動してもよい。
図5には2つのロボット器具142、144を有するものとして示されているが、製品送達システム140は他の形態をとることができ、2つより多い又は2つより少ないロボット器具を含んでもよい。いくつかの実施形態では、製品送達システム140は、製品200を製品区画100から販売ポート130に重力を使用して移動させるための1つ以上のシュート、送り台、又は通路を含んでもよい。
【0052】
いくつかの実施形態による販売動作の間、消費者は、消費者の高さに自動的に調節することができる販売ポート130に近づくことができる。次に、消費者は、例えば、ユーザインターフェース132又はモバイル通信機器上のアプリケーションを使用して、販売製品200を選択し、支払いを提供することができる。次に、第1のロボット器具142は、第1の製品ホルダ143が、選択された製品200を製品容器114から受け取るように位置付けられてもよい。次に製品アクチュエータ119は、製品200を第1の製品ホルダ143内に移動させてもよく、あるいは、第1の製品ホルダ143は、製品200を製品容器114から取り出してもよい。次に、第1のロボット器具142は、製品区画100を通って第2のロボット器具144に向かって水平に移動してもよく、第2の製品ホルダ145は、製品200を第1の製品ホルダ143から受け取ってもよい。次に、第2のロボット器具144は、通路136を通って販売ポート130に向かって垂直に移動してもよい。最後に、第2の製品ホルダ145は、製品200を販売ポート130に放出することができ、消費者は製品200を販売開口部131から受け取ってもよい。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態による販売動作中、消費者は、例えば、ユーザインターフェース132又はモバイル通信機器上のアプリケーションを使用して、販売製品200を選択し、支払いを提供することができる。次に、第1のロボット器具142は、第1の製品ホルダ143が、選択された製品200を製品容器114から受け取るように位置付けられてもよい。次に製品アクチュエータ119は、製品200を第1の製品ホルダ143内に移動させてもよく、あるいは、第1の製品ホルダ143は、製品200を製品容器114から取り出してもよい。次に、第1のロボット器具142は、製品区画100を通って第2のロボット器具144に向かって移動してもよく、第2の製品ホルダ145は、製品200を第1の製品ホルダ143から受け取ってもよい。次に、第2のロボット器具144は、通路136を通って販売ポート130に向かって移動してもよい。最後に、第2の製品ホルダ145は、製品200を販売ポート130に放出することができ、消費者は製品200を販売開口部131から受け取ってもよい。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態による販売動作中、消費者は、例えば、ユーザインターフェース132又はモバイル通信機器上のアプリケーションを使用して、販売製品200を選択し、支払いを提供することができる。次に、第1のロボット器具142は、第1の製品ホルダ143が、選択された製品200を製品容器114から受け取るように位置付けられてもよい。次に製品アクチュエータ119は、製品200を第1の製品ホルダ143内に移動させてもよく、あるいは、第1の製品ホルダ143は、製品200を製品容器114から取り出してもよい。次に、第1のロボット器具142は、製品区画100を通って通路136に向かって移動してもよい。次に、第1の製品ホルダ143は、製品200を通路136内に放出することができ、重力は、製品200を通路136を通して販売ポート130内へ移動させ、消費者は販売開口部131から製品200を受け取ってもよい。
【0055】
本発明のいくつかの実施形態による販売動作中、消費者は、例えば、ユーザインターフェース132又はモバイル通信機器上のアプリケーションを使用して、販売製品200を選択し、支払いを提供することができる。次に、製品アクチュエータ119は、製品200を製品容器114から移動させることができ、重力は、製品200を通路136を通して販売ポート130内へ移動させ、消費者は販売開口部131から製品200を受け取ってもよい。
【0056】
「発明の概要」及び「要約」のセクションではなく、「発明を実施するための形態」のセクションは、「特許請求の範囲」を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約」のセクションは、本発明者(ら)によって想到されるような、本発明の1つ以上であるが全てではない例示的な実施形態を示し得るが、本発明(複数可)及び添付の特許請求の範囲をいかようにも限定することを意図するものではない。
【0057】
特定実施形態の前述の説明により、本発明(複数可)の一般的な性質が完全に明らかになり、他者が、当業者の知識を適用することによって、過度の試行錯誤をすることなく、本発明の一般的な概念を逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に修正及び/又は適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書で提示した教示及び指導に基づいて、開示された実施形態の等価物の意味及び範囲内にあることが意図される。本明細書の表現法又は用語法は、説明を目的とするものであって、限定するものではないことを理解されたく、それ故、本明細書の用語法又は表現法は、教示及び指導の観点から当業者によって解釈されるべきである。
【0058】
本発明(複数可)の幅及び範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、下記「特許請求の範囲」及びこれらの等価物に従ってのみ規定されるべきである。