(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】制御方法、ウェアラブルデバイス及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G10L 15/28 20130101AFI20240105BHJP
G10L 15/22 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
G10L15/28 500
G10L15/22 453
(21)【出願番号】P 2021571636
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2020090980
(87)【国際公開番号】W WO2020248778
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-12-01
(31)【優先権主張番号】201910496570.7
(32)【優先日】2019-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、シン
【審査官】菊池 智紀
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0113673(US,A1)
【文献】特開2002-358089(JP,A)
【文献】特開2002-091466(JP,A)
【文献】特開2016-127300(JP,A)
【文献】特開2005-084253(JP,A)
【文献】特開2014-018234(JP,A)
【文献】特開2017-032992(JP,A)
【文献】特表2016-540250(JP,A)
【文献】特表2016-516343(JP,A)
【文献】特表2019-502964(JP,A)
【文献】国際公開第2018/061743(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10L 15/00-15/34,25/00-25/93
G06F 3/16
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェアラブルデバイスの制御方法であって、前記ウェアラブルデバイスは音響電気素子と振動センサを含み、前記制御方法は、
前記音響電気素子によって収集された音声情報と前記振動センサよって収集された振動情報を取得するステップと、
前記音声情報に基づいて音声命令を決定するステップと、
前記音声情報と前記振動情報に基づいて前記音声命令のアイデンティティ情報を決定するステップと、
前記アイデンティティ情報に基づいて前記音声命令を実行するか、または前記音声命令を無視するステップと、を含み、
音声命令のアイデンティティ情報を決定するステップは、
前記音声情報と前記振動情報との時間差を決定するステップであって、前記時間差は、前記音声情報の開始時刻と前記振動情報の開始時刻、または、前記音声情報の終了時刻と前記振動情報の終了時刻に基づいて決定されるステップと、
前記時間差に基づいて前記アイデンティティ情報を決定するステップと、を含む
ことを特徴とするウェアラブルデバイスの制御方法。
【請求項2】
前記アイデンティティ情報は着用者と非着用者を含み、前記時間差は開始時間差を含み、前記音声命令のアイデンティティ情報を決定するステップは、
前記音声情報の開始時刻と前記振動情報の開始時刻に基づいて前記開始時間差を決定するステップを含み、
前記開始時間差が予め設定された時間閾値以下である場合、前記音声命令の前記アイデンティティ情報が前記着用者であると決定するステップと、
前記開始時間差が前記予め設定された時間閾値より大きい場合、前記音声命令の前記アイデンティティ情報が前記非着用者であると決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェアラブルデバイスの制御方法。
【請求項3】
前記アイデンティティ情報は着用者と非着用者を含み、前記時間差は終了時間差を含み、前記音声命令のアイデンティティ情報を決定するステップは、
前記音声情報の終了時刻と前記振動情報の終了時刻に基づいて前記終了時間差を決定するステップを含み、
前記終了時間差が予め設定された時間閾値以下である場合、前記音声命令の前記アイデンティティ情報が前記着用者であると決定するステップと、
前記終了時間差が前記予め設定された時間閾値より大きい場合、前記音声命令の前記アイデンティティ情報が前記非着用者であると決定するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェアラブルデバイスの制御方法。
【請求項4】
前記アイデンティティ情報は着用者と非着用者を含み、前記アイデンティティ情報に基づいて前記音声命令を実行するか、または前記音声命令を無視するステップは、
前記音声命令の前記アイデンティティ情報が前記着用者である場合、前記音声命令を実行するステップと、
前記音声命令の前記アイデンティティ情報が前記非着用者である場合、前記音声命令を無視するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェアラブルデバイスの制御方法。
【請求項5】
予め設定された時間内で前記音声情報のみを収集した、または、前記振動情報のみを収集した場合、前記ウェアラブルデバイスを制御して予め設定された時間内に収集された前記音声情報を無視するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェアラブルデバイスの制御方法。
【請求項6】
前記ウェアラブルデバイスは、前記音響電気素子により形成される音響電気素子アレイを含み、
前記音響電気素子アレイは、前記音響電気素子の球面の交点を取得することにより、前記音声命令の音源を位置決めるステップであって、各球面は、各音響電気素子の位置を原点として、前記音源から各音響電気素子までの距離を半径として描くように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェアラブルデバイスの制御方法。
【請求項7】
前記音響電気素子は複数であり、前記制御方法は、更に
前記音声情報を得るために、複数の前記音響電気素子の出力情報に対して残響除去処理を行うステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のウェアラブルデバイスの制御方法。
【請求項8】
ウェアラブルデバイスであって、
外筐、
前記外筐に設けられ、音声情報を収集するように構成される音響電気素子、
振動情報を収集するように構成される振動センサ、及び
前記音響電気素子及び前記振動センサに接続されるように構成されるプロセッサ、を含み、
前記プロセッサは、前記音声情報と前記振動情報を取得し、前記音声情報に基づいて音声命令を決定し、前記音声情報と前記振動情報に基づいて前記音声命令のアイデンティティ情報を決定し、及び前記アイデンティティ情報に基づいて前記音声命令を実行するか、前記音声命令を無視制御し、
前記プロセッサは、更に、前記音声情報と前記振動情報との時間差を更に決定することであって、前記時間差は、前記音声情報の開始時刻と前記振動情報の開始時刻、または、前記音声情報の終了時刻と前記振動情報の終了時刻に基づいて決定され、及び前記時間差に基づいて前記音声命令の前記アイデンティティ情報を決定する、
ことを特徴とするウェアラブルデバイス。
【請求項9】
前記アイデンティティ情報は着用者と非着用者を更に含み、前記時間差は開始時間差を含み、前記プロセッサは、前記音声情報の開始時刻と前記振動情報の開始時刻に基づいて前記開始時間差を決定し、及び前記開始時間差が予め設定された時間閾値以下である場合、前記音声命令の前記アイデンティティ情報が前記着用者であると決定し、及び前記開始時間差が前記予め設定された時間閾値より大きい場合、前記音声命令の前記アイデンティティ情報が前記非着用者であると決定する、
ことを特徴とする請求項8に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項10】
前記アイデンティティ情報は着用者と非着用者を更に含み、前記時間差は終了時間差を含み、前記プロセッサは、前記音声情報の終了時刻と前記振動情報の終了時刻に基づいて前記終了時間差を決定し、及び前記終了時間差が予め設定された時間閾値以下である場合、前記音声命令の前記アイデンティティ情報が前記着用者であると決定し、及び前記終了時間
差が前記予め設定された時間閾値より大きい場合、前記音声命令の前記アイデンティティ情報が前記非着用者であると決定する、
ことを特徴とする請求項8に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項11】
前記アイデンティティ情報は着用者と非着用者を更に含み、前記プロセッサは、前記アイデンティティ情報が前記着用者である場合、前記音声命令の前記音声命令を実行し、及び前記アイデンティティ情報が前記非着用者である場合、前記音声命令の前記音声命令を無視する、
ことを特徴とする請求項8に記載のウェアラブルデバイス。
【請求項12】
コンピュータ実行可能な命令を含む不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータ実行可能な命令が1つまたは複数のプロセッサによって実行される場合、前記プロセッサが請求
項1~7のいずれかの一項に記載のウェアラブルデバイスの制御方法を実行する、
ことを特徴とする不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権情報]
本出願は、2019年6月10日に中国国家知識産権局に提出された、特許出願番号が201910496570.7である中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本出願は電子技術分野に関し、特に制御方法、ウェアラブルデバイス及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術は音声によってウェアラブルデバイスと対話することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は制御方法、ウェアラブルデバイス及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施形態はウェアラブルデバイスの制御方法を提供する。前記ウェアラブルデバイスは音響電気素子と振動センサを含み、前記制御方法は、
前記音響電気素子によって収集された音声情報と前記振動センサよって収集された振動情報を取得するステップと、
前記音声情報と前記振動情報に基づいて音声命令の発信者のアイデンティティ情報を決定するステップであって、前記音声命令が前記音声情報によって決定されるステップと、
前記アイデンティティ情報に基づいて前記ウェアラブルデバイスを制御して前記音声命令を実行するか、または前記音声命令を無視するステップと、を含む。
【0006】
本出願の実施形態のウェアラブルデバイスは外筐、プロセッサ、音響電気素子及び振動センサを含み、前記音響電気素子は前記外筐に設けられ、前記プロセッサは前記音響電気素子及び前記振動センサに接続され、前記プロセッサは前記音響電気素子によって収集された音声情報と前記振動センサよって収集された振動情報を取得する。及び前記音声情報と前記振動情報に基づいて音声命令の発信者のアイデンティティ情報を決定し、前記音声命令が前記音声情報によって決定される。及び前記アイデンティティ情報に基づいて前記ウェアラブルデバイスを制御して前記音声命令を実行するか、前記音声命令を無視する。
【0007】
コンピュータ実行可能な命令を含む不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であり、前記コンピュータ実行可能な命令が1つ上記のプロセッサによって実行される場合、プロセッサが上記に記載されウェアラブルデバイスの制御方法を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本出願の上記及び/又は付加的な様態及び利点は、以下図面と合わせて、実施例に対する説明によって明らかになり且つ理解しやすくなる。
【
図1】本出願の実施形態に係るウェアラブルデバイスの概略斜視図である。
【
図2】本出願の別の実施形態に係るウェアラブルデバイスの概略平面図である。
【
図3】本出願の実施形態に係るウェアラブルデバイスの一部の構造の概略平面図である。
【
図4】本出願の実施形態に係るウェアラブルデバイスの調整プロセスの概略図である。
【
図5】本出願の実施形態に係るウェアラブルデバイスの調整プロセスの別の概略図である。
【
図6】本出願の別の実施形態に係るウェアラブルデバイスの一部の構造の概略平面図である。
【
図7】本出願の別の実施形態に係るウェアラブルデバイスの一部の構造の概略平面図である。
【
図8】本出願の実施形態に係るウェアラブルデバイスの制御方法のフローチャートである。
【
図9】本出願の実施形態に係るウェアラブルデバイスの制御方法のシーン概略図である。
【
図10】本出願の実施形態に係るウェアラブルデバイスの制御装置のモジュール概略図である。
【
図11】本出願の別の実施形態に係るウェアラブルデバイスの制御方法のフローチャートである。
【
図12】本出願の別の実施形態に係るウェアラブルデバイスの制御方法のフローチャートである。
【
図13】本出願の別の実施形態に係るウェアラブルデバイスの制御方法のフローチャートである。
【
図14】本出願の実施形態のウェアラブルデバイスに係る制御方法の振動情報と音声情報の概略図である。
【
図15】本出願の別の実施形態に係るウェアラブルデバイスの制御方法のフローチャートである。
【
図16】本出願の別の実施形態に係るウェアラブルデバイスの制御方法のフローチャートである。
【
図17】本出願の別の実施形態に係るウェアラブルデバイスの制御方法のフローチャートである。
【
図18】本出願の別の実施形態に係るウェアラブルデバイスの制御方法のフローチャートである。
【
図19】本出願の実施形態に係るウェアラブルデバイスの制御方法の別のシーン概略図である。
【
図20】本出願の実施形態に係るウェアラブルデバイスの別のモジュール概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本出願の実施例について詳細に説明し、前記実施例の例は添付図面に示され、ここで、最初から最後まで同じまたは同様の符号は同じまたは同様の要素、または同じまたは同様の機能を有する素子を示す。以下、添付図面を参照して説明する実施例は例示的であり、本素出願を説明するためのものであり、本出願に対する制限としては理解してはいけない。
【0010】
図1と
図2を参照すると、本出願の実施形態のウェアラブルデバイス100は外筐20、支持部品30、ディスプレイ40、光屈折部品50、及び調整機構60を含む。
【0011】
外筐20はウェアラブルデバイス100の外部部品であり、ウェアラブルデバイス100の内部部品を保護し且つ固定する役割を果たす。外筐20によって内部部品を囲むことにより、外部要因がこれらの内部部品に直接的な損傷を与えることを回避することができる。
【0012】
具体的には、本実施例では、外筐20はディスプレイ40、光屈折部品50、及び調整機構60のうちの少なくとも1つを収納し且つ固定することができる。
図2の例では、外筐20には収納溝22が形成され、ディスプレイ40と光屈折部品50は収納溝22の中に収納されている。調整機構60は部分的に外筐20から露出している。
【0013】
外筐20は外筐前壁21、外筐上壁24、外筐底壁26、及び外筐側壁28をさらに含む。外筐底壁26の中部は外筐上壁24に向かって切り欠き262が形成される。または、外筐20は略「B」字状である。ユーザがウェアラブルデバイス100を装着する時、ウェアラブルデバイス100は切り欠き262によってユーザの鼻筋に置かれることができ、このように、ウェアラブルデバイス100の安定性を保証することができるし、ユーザ装着の快適性も保証することができる。調整機構60は、部分的に外筐側壁28から露出して、ユーザが光屈折部品50を調整する。
【0014】
また、外筐20はコンピュータ化数値制御(Computerized Numerical Control、CNC)工作機械によってアルミニウム合金を加工して形成されてもよく、ポリカーボネート(Polycarbonate、PC)またはPCとアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンプラスチック(Acrylonitrile Butadiene Styrene plastic、ABS)を用いて射出成形されてもよい。ここで、筐体20の具体的な製造方式と具体的な材料を限定しない。
【0015】
支持部品30はウェアラブルデバイス100を支持する。ユーザがウェアラブルデバイス100を装着する時、ウェアラブルデバイス100は支持部品30によってユーザの頭部に固定されることができる。
図2の例では、支持部品30は第1の支持フレーム32、第2の支持フレーム34と弾性バンド36を含む。
【0016】
第1の支持フレーム32と第2の支持フレーム34は切り欠き262に関して対称的に設けられる。具体的には、第1の支持フレーム32と第2の支持フレーム34は回転可能に外筐20のエッジに設けられ、ユーザがウェアラブルデバイス100を使用する必要がない場合、第1の支持フレーム32と第2の支持フレーム34を外筐20に接近して折り畳むことができて、収納を容易にする。ユーザがウェアラブルデバイス100を使用する必要がある時、第1の支持フレーム32と第2の支持フレーム34を展開させることができて、第1の支持フレーム32と第2の支持フレーム34の支持の機能を実現する。
【0017】
第1の支持フレーム32は、外筐20から離れた一端には第1の折り曲げ部322が形成され、第1の折り曲げ部322は外筐底壁26に向かって折り曲げられる。このように、ユーザがウェアラブルデバイス100を装着する時、第1の折り曲げ部322はユーザの耳に置かれることができ、これによってウェアラブルデバイス100が滑り落ちにくくなる。
【0018】
同様に、第2の支持フレーム34は、外筐20から離れた一端には第2の折り曲げ部342が形成され、第2の折り曲げ部342は外筐底壁26に向かって折り曲げられる。第2の折り曲げ部342の解釈と説明は、冗長性を回避するために、第1の折り曲げ部322を参照してもよく、ここでは説明を省略する。
【0019】
弾性バンド36は着脱可能に第1の支持フレーム32と第2の支持フレーム34に接続される。このように、ユーザはウェアラブルデバイス100を装着して激しい活動をする時、弾性バンド36によってウェアラブルデバイス100をさらに固定することができ、ウェアラブルデバイス100が激しい活動において緩んだり落下したりすることを防止する。他の例では、弾性バンド36は省略されてもよい。
【0020】
本実施例では、ディスプレイ40はOLEDディスプレイスクリーンを含む。OLEDディスプレイスクリーンはバックライトを必要とせず、ウェアラブルデバイス100の軽量化に有利である。また、OLEDスクリーンの視角は大きく、消費電力が低く、消費電力の節約に有利である。
【0021】
もちろん、ディスプレイ40はLEDディスプレイまたはMicro LEDディスプレイを採用してもよい。これらのディスプレイは一例に過ぎず、本出願の実施例はこれに限定されない。
【0022】
図3を併せて参照すると、光屈折部品50はディスプレイ40側に設けられる。光屈折部品50は光屈折キャビティ52、透光液体54、第1の膜層56、第2の膜層58と側壁59を含む。
【0023】
透光液体54は光屈折キャビティ52内に設けられる。調整機構60は透光液体54の量を調整して光屈折部品50の形態を調整する。具体的には、第2の膜層58は第1の膜層56に対して設けられ、側壁59は第1の膜層56と第2の膜層58に接続され、第1の膜層56、第2の膜層58と側壁59は囲んで光屈折キャビティ52を構成し、調整機構60は透光液体54の量を調整して第1の膜層56及び/又は第2の膜層58の形状を変化させる。
【0024】
このように、光屈折部品50の光屈折機能の実現を実現する。具体的には、「第1の膜層56及び/又は第2の膜層58の形状を変化させる」は3つの場合を含む。第1の場、第1の膜層56の形状を変化させて第2の膜層58の形状を変化させないことである。第2の場、第1の膜層56の形状を変化させずに第2の膜層58の形状を変化させることである。第3の場、第1の膜層56の形状を変化させて第2の膜層58の形状を変化させることである。なお、説明を容易にするために、本実施例では、第1の場合を例として説明する。
【0025】
第1の膜層56は弾性を有してもよい。なお、光屈折キャビティ52内の透光液体54の量が変化する場合、光屈折キャビティ52内の圧力の強さも変化し、これによって光屈折部品50の形態が変化する。
【0026】
一例では、調整機構60は光屈折キャビティ52内の透光液体54の量を減少させ、光屈折キャビティ52内の圧力の強さを減少させ、光屈折キャビティ52外の圧力の強さと光屈折キャビティ52内の圧力の強さの圧力差が増加し、光屈折キャビティ52はさらに凹む。
【0027】
別の例では、調整機構60は光屈折キャビティ52内の透光液体54の量を増加させ、光屈折キャビティ52内の圧力の強さを増加させ、光屈折キャビティ52外の圧力の強さは光屈折キャビティ52内の圧力の強さの圧力差が減少し、光屈折キャビティ52はさらに突出している。
【0028】
このように、透光液体54の量を調整することによって光屈折部品50の形態を調整することを実現する。
【0029】
調整機構60は光屈折部品50に接続される。調整機構60は光屈折部品50の形態を調整して光屈折部品50の光屈折度を調整する。具体的には、調整機構60はキャビティ62、スライド部品64、駆動部品66、調整キャビティ68及びスイッチ61を含む。
【0030】
スライド部品64はキャビティ62の中にスライド可能に設けられ、駆動部品66はスライド部品64に接続され、キャビティ62とスライド64とは共に調整キャビティ68を限定し、調整キャビティ68は側壁59によって光屈折キャビティ52を連通し、駆動部品66は、スライド部品64がキャビティ62に対してスライドするように駆動して調整キャビティ68の容積を調整することによって光屈折キャビティ52内の透光液体54の量を調整する。
【0031】
このように、スライド部品64によって調整キャビティ68の容積を調整することにより、光屈折キャビティ52内の透光液体54の量を調整することを実現する。一例では、
図4を参照すると、スライド部品64は側壁59から離れる方向へスライドし、調整キャビティ68の容積が増加し、調整キャビティ68内の圧力の強さが減少し、光屈折キャビティ52内の透光液体54は調整キャビティ68に入り、第1の膜層56は一層内部に凹む。
【0032】
別の例では、
図5を参照すると、スライド部品64は側壁59に向かう方向へスライドし、調整キャビティ68の容積が減少し、調整キャビティ68内の圧力の強さが増加し、調整キャビティ68内の透光液体54は光屈折キャビティ52に入り、第1の膜層56は一層外へ突出している。
【0033】
側壁59には流動通路591が形成され、流動通路591は調整キャビティ68と光屈折キャビティ52を連通する。調整機構60は流動通路591に設けられたスイッチ61を含み、スイッチ61は流動通路591の開閉状態を制御する。
【0034】
本実施例では、スイッチ61の数量は2つであり、2つのスイッチ61はいずれも一方向スイッチであり、そのうちの1つのスイッチ61は、透光液体54を調整キャビティ68から光屈折キャビティ52に流すように制御し、別の个スイッチ61は、透光液体54を光屈折キャビティ52から調整キャビティ68に流すように制御する。
【0035】
このように、スイッチ61によって透光液体54の調整キャビティ68と光屈折キャビティ52との間の流しを実現して、側壁59両側の圧力の強さのバランスを保持する。前に説明されたように、調整キャビティ68容積の変化は、調整キャビティ68内の圧力の強さの変化を引き起こし、これによって調整キャビティ68と光屈折キャビティ52との間の透光液体54の流動を引き起こす。スイッチ61は流動通路591の開閉状態を制御することにより、調整キャビティ68と光屈折キャビティ52との間の透光液体54の流動が実現できるか否かを制御し、これによって光屈折部品50の形態の調整を制御する。
【0036】
一例では、
図4を参照すると、透光液体54を光屈折キャビティ52から調整キャビティ68に流すように制御するスイッチ61をオンにして、スライド部品64は側壁59から離れる方向へスライドし、調整キャビティ68の容積が増加し、調整キャビティ68内の圧力の強さが減少し、光屈折キャビティ52内の透光液体は54スイッチ61によって調整キャビティ68に入り、第1の膜層56は一層内部に凹む。
【0037】
別の例では、透光液体54を光屈折キャビティ52から調整キャビティ68に流すように制御するスイッチ61をオフにして、スライド部品64は側壁59から離れる方向へスライドしても、調整キャビティ68の容積が増加し、調整キャビティ68内の圧力の強さが減少し、光屈折キャビティ52内の透光液体54が調整キャビティ68に入ることができず、第1の膜層56の形態は変化しない。
【0038】
別の例では、
図5を参照すると、透光液体54を調整キャビティ68から光屈折キャビティ52に流すように制御するスイッチ61をオンにして、スライド部品64は側壁59に向かう方向へスライドし、調整キャビティ68の容積が減少し、調整キャビティ68内の圧力の強さが増加し、調整キャビティ68内の透光液体54はスイッチ61によって光屈折キャビティ52に入り、第1の膜層56は一層外へ突出している。
【0039】
別の例では、透光液体54を調整キャビティ68から光屈折キャビティ52に流すように制御するスイッチ61をオフにして、スライド部品64は側壁59に向かう方向へスライドしても、調整キャビティ68の容積が減少し、調整キャビティ68内の圧力の強さが増加し、調整キャビティ68内の透光液体54は光屈折キャビティ52に入ることができず、第1の膜層56の形態は変化しない。
【0040】
駆動部材66は、複数の構造及び原理に基づいて、スライド部品64を駆動する機能を実現することができる。
【0041】
図1、
図2、
図3、
図4と
図5の例では、駆動部品66はノブ662と親ねじ664を含み、親ねじ664はノブ662とスライド部品64に接続され、ノブ662は親ねじ664を回転するように駆動することにより、スライド部品64をキャビティ62に対してスライドするように動かす。
【0042】
このように、ノブ662と親ねじ664によってスライド部品64を駆動することを実現する。親ねじ664とノブ662の嵌合によってノブ662の回転運動を親ねじ664の直線運動に変換することができ、ユーザがノブ662を回転させると、親ねじ664はスライド部品64をキャビティ62に対してスライドするように動かし、これによって調整キャビティ68容積の変化を引き起こし、さらに光屈折キャビティ52内の透光液体54の量を調整する。ノブ662は外筐20から露出しており、ユーザが回しやすいようにする。
【0043】
具体的には、ノブ662にはねじ山部が形成され、親ねじ664にはノブ662と嵌合するねじ山部が形成され、ノブ662は親ねじ664に螺合される。
【0044】
ノブ662を回転させる同時に、スイッチ61は対応してオンにすることができる。このように、透光液体54が流れることができ、側壁59両側の圧力の強さのバランスを保証する。
【0045】
一例では、ノブ662は時計回りに回転し、スライド部品64は側壁59から離れる方向へスライドすると、透光液体54を光屈折キャビティ52から調整キャビティ68に流すように制御するスイッチ61をオンにする。別の例では、ノブ662は反時計回りに回転し、スライド部品64は側壁59に向かう方向へスライドすると、透光液体54を調整キャビティ68から光屈折キャビティ52に流すように制御するスイッチ61をオンにする。
【0046】
なお、本実施形態では、ノブ662の回転角度と、光屈折部品50の光屈折度数を関連させないため、ユーザはノブ662を視覚体験が最適な位置に回転させてもよい。もちろん、他の実施形態では、ノブ662の回転角度と光屈折部品50の光屈折度数を関連させてもよい。ここで、ノブ662の回転角度と光屈折部品50の光屈折度数が関連するか否かを限定しない。
【0047】
図6を参照すると、駆動部品66はギア666、及びギア666に噛み合うラック668を含み、ラック668はギア666とスライド部品64に接続され、ギア666はラック668を移動するように駆動することにより、スライド部品64をキャビティ62に対してスライドするように動かす。
【0048】
このように、ギア666及びラック668を介してスライド部品64を駆動することを実現する。ギア666とラック668との嵌合によってギア666の回転運動をラック668直線運動に変換することができ、ユーザがギア666を回転させると、ラック668はスライド部品64がキャビティ62に対してスライドするように動かし、これによって調整キャビティ68容積の変化を引き起こし、さらに光屈折キャビティ52内の透光液体54の量を調整する。ギア666は外筐20から露出しており、ユーザが回しやすいようにする。
【0049】
同様に、ギア666が回転する同時に、スイッチ61は対応してオンにすることができる。このように、透光液体54が流れることができ、側壁59両側の圧力の強さのバランスを保証する。
【0050】
一例では、ギア666が時計回りに回転することによってラック668がギア666に噛み合い、ラック668の長さが短くになり、スライド部品64を引っ張って側壁59から離れる方向へ移動すると、透光液体54を光屈折キャビティ52から調整キャビティ68に流すように制御するスイッチ61をオンにする。
【0051】
別の例では、ギア666が反時計回り方向に回転することによってギア666に噛み合うラック668はギア666から離脱し、ラック668の長さが長くなり、スライド部品64を押して側壁59に向かう方向へ移動すると、透光液体54を調整キャビティ68から光屈折キャビティ52に流すように制御するスイッチ61をオンにする。
【0052】
同様に、本実施形態では、ギア666の回転角度と光屈折部品50の光屈折度数を関連させないため、ユーザはギア666を視覚的に最も良い位置に回転させてもよい。もちろん、他の実施形態では、ギア666の回転角度と光屈折部品50の光屈折度数を関連させてもよい。ここで、ギア666の回転角度と光屈折部品50の光屈折度数が関連するか否かを限定すしない。
【0053】
図7を参照すると、駆動部品66は駆動モーター669を含み、駆動モーター669のモーターシャフト6691はスライド部品64に接続され、駆動モーター669はスライド部品64をキャビティ62に対してスライドするように駆動する。
【0054】
このように、駆動モーター668によってスライド部品64を駆動することを実現する。具体的には、駆動モーター669はリニアモーターであってもよい。リニアモーターの構造はシンプルであり、中間変換機構を必要とせず直線運動を直接生成し、運動慣性量を低減して動的応答性能と位置決め精度を向上させることができる。駆動モーター668によってスライド部品64を駆動するにより、スライド部品64の駆動に対して編集可能性があり得る。例えば、事前の較正により、駆動モーター668と光屈折の度数とを関連させることができる。ユーザは光屈折の度数を直接入力することができ、駆動モーター668は自動的に動作して駆動スライド部品64が対応する位置にスライドする。
【0055】
さらに、駆動部品66は入力部6692をさらに含み、入力部6692はボタン、ノブまたはタッチスクリーンなどの装置を含むがこれらに限定されない。
図7の例では、入力部6692はボタンであり、2つのボタンはそれぞれキャビティ62の対向する両側に設けられる。ユーザが押しやすいようにするために、ボタンは外筐20から露出することができる。ボタンは、外力で押す回数や時間によって、駆動モーター669の動作時間を制御することができ、これによってスライド部品64のスライド距離を制御することができる。
【0056】
同様に、駆動モーター669が動作する同時に、スイッチ61は対応してオンにすることができる。このように、透光液体54が流れることができ、側壁59両側の圧力の強さのバランスを保証する。
【0057】
一例では、ユーザは2つのボタンのうちの1つのボタンを押し、駆動モーターシャフト6691は伸び、モーターシャフト6691はスライド部品64を側壁59に向かう方向へ移動するように押し、透光液体54を調整キャビティ68から光屈折キャビティ52に流すように制御するスイッチ61をオンにする。
【0058】
別の例では、ユーザ2つのボタンのうちの別のボタンを押し、駆動モーターシャフト6691が短くになり、モーターシャフト6691はスライド部品64が側壁59から離れる方向へ移動するように引き動かすと、透光液体54を光屈折キャビティ52から調整キャビティ68に流すように制御するスイッチ61をオンにする。
【0059】
なお、光屈折部品50の構造は、光屈折キャビティ52、透光液体54、第1の膜層56、第2の膜層58及び側壁59を含むだけでなく、光屈折部品50が光屈折度の変化の効果を実現できることを保証すればよい。例えば、他の方式では、光屈折部品50は、複数のレンズと駆動部品を含み、駆動部品は各レンズを収納位置から光屈折位置に移動するように駆動する。このように、複数のレンズの組み合わせにより、光屈折部品50の光屈折度を変化させることができる。もちろん、駆動部品は、光屈折位置に移動する各レンズを光屈折光軸において移動するように駆動することができ、これによって光屈折部材50の光屈折度を変化させることもできる。
【0060】
従って、上記に記載された光屈折部品の形態は光屈折部品の形状と状態を含み、上記光屈折キャビティ52、透光液体54、第1の膜層56、第2の膜層58及び側壁59の構造方式は第1の膜層56及び/又は第2の膜層58の形状を変化させることによって光屈折度の変化を実現する。上記複数のレンズと駆動部品の構造方式は、レンズの状態を変化させることによって光屈折度の変化を実現する。
【0061】
以上により、本出願の実施形態は、ディスプレイ40、光屈折部品50、及び調整機構60を含むウェアラブルデバイス100を提供する。光屈折部品50はディスプレイ40側に設けられる。調整機構60は光屈折部品50に接続され、調整機構60は光屈折部品50の形態を調整して光屈折部品50の光屈折度を調整する。
【0062】
本出願の実施形態のウェアラブルデバイス100は、調整機構60が光屈折部品50の形態を調整して、光屈折部品50の光屈折度を調整することにより、屈折異常のユーザがディスプレイ40に表示された図像をはっきりと見ることができ、ユーザの体験の向上に有利である。
【0063】
また、本出願の実施形態のウェアラブルデバイス100の中で、光屈折部品50と調整機構60は、光屈折率を線形的に矯正することができて、異なる光屈折率の人が柔軟に装着できるようにする。同時に、光屈折部品50と調整機構60の体積はより小さく、ウェアラブルデバイス100の装着体験に影響を与えない。ユーザが多くのレンズを買う必要がなくて、価格を下げることができる。
【0064】
関連技術は音声によってウェアラブルデバイスと対話することができる。しかしながら、音声環境が複雑である場合、このように対話することによってウェアラブルデバイスが誤ってトリガーされることは発生しやすい。また、関連技術は、通常、声紋技術によって音声オペレーターを認識するため、オペレーターは事前に声紋を入力する必要があり、また、使用する時に、声紋を入力したことがある他の人がいてはならず、そうではないと、誤ったトリガーが引き起こされるか、認識できなくなる場合もある。このように、操作が頻繁で、ユーザの体験の向上に不利である。
【0065】
図8と
図9を参照すると、本出願の実施形態はウェアラブルデバイス100の制御方法を提供する。ウェアラブルデバイス100は音響電気素子110と振動センサ120を含む。
【0066】
制御方法は、
ステップS12、音響電気素子110よって収集された音声情報と振動センサ120よって収集された振動情報を取得するステップと、
ステップS14、音声情報と振動情報に基づいて音声命令の発信者のアイデンティティ情報を決定するステップであって、音声命令が音声情報によって決定されるステップと、
ステップS16、アイデンティティ情報に基づいてウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を実行するか、又は音声命令を無視するステップと、を含む。
【0067】
図10を参照すると、本出願の実施形態はウェアラブルデバイス100の制御装置10を提供する。ウェアラブルデバイス100は音響電気素子110と振動センサ120を含み、制御装置10は、取得モジュール12、決定モジュール14及び制御モジュール16を含み、取得モジュール12は、音響電気素子110よって収集された音声情報と振動センサ120よって収集された振動情報を取得する。決定モジュール14は、音声情報と振動情報に基づいて音声命令の発信者のアイデンティティ情報を決定し、音声命令が音声情報によって決定される。制御モジュール16は、アイデンティティ情報に基づいてウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を実行するか、又は音声命令を無視する。
【0068】
本出願の実施形態はウェアラブルデバイス100を提供する。ウェアラブルデバイスは、外筐20、プロセッサ101、音響電気素子110及び振動センサ120を含み、音響電気素子110は外筐20に設けられ、プロセッサ101は音響電気素子110及び振動センサ120に接続され、プロセッサ101は、音響電気素子110よって収集された音声情報と振動センサ120よって収集された振動情報を取得し、音声情報と振動情報に基づいて音声命令の発信者のアイデンティティ情報を決定し、音声命令が音声情報によって決定され、アイデンティティ情報に基づいてウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を実行するか、又は音声命令を無視する。
【0069】
本出願の実施形態のウェアラブルデバイス100の制御方法、制御装置10とウェアラブルデバイス100は、音声情報と振動情報に基づいて音声命令の発信者のアイデンティティ情報を決定し、これによってウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を実行するか、又は無視し、ウェアラブルデバイス100が誤ってトリガーされるのを回避することができ、ウェアラブルデバイス100に対する制御をより正確にする。
【0070】
具体的には、ウェアラブルデバイス100は、電子メガネ、電子服、電子ブレスレット、電子ネックレス、電子タトゥー、腕時計、カナルタイプイヤホン、ペンダント、ヘッドセットなどの電子装置であってもよい。ウェアラブルデバイス100は、電子装置またはスマート腕時計のヘッドセットデバイス(head mount display、HMD)であってもよい。ここで、ウェアラブルデバイス100の具体的な形態に限定するものではない。
【0071】
なお、説明を容易にするために、本出願の実施形態は、ウェアラブルデバイス100が電子メガネであることを例として本出願の実施形態のウェアラブルデバイス100の制御方法に対して説明する。ウェアラブルデバイス100の具体的な形態を限定することを表すものではない。
【0072】
音響電気素子110の数量は3つであり、外筐20は外筐前壁21を含み、3つの音響電気素子110はそれぞれ外筐前壁21の第1のプリセット位置211、第2のプリセット位置212と第3のプリセット位置213に設けられる。
【0073】
外筐20は外筐側壁28と外筐上壁24を含み、外筐側壁28の数量は2つであり、2つの外筐側壁28はそれぞれ外筐上壁24の反対側に設けられ、第1のプリセット位置211は外筐上壁24とそのうちの1つの外筐側壁28に近く、第2のプリセット位置212は外筐上壁24ともう1つの外筐側壁28に近い。
【0074】
外筐20は外筐上壁24と外筐底壁26を含み、外筐上壁24と外筐底壁26はそれぞれ外筐前壁21の反対側に設けられ、外筐底壁26の中部は外筐上壁24に向かって切り欠き262が形成され、第3のプリセット位置213は切り欠き262に近い。
【0075】
このように、3つの音響電気素子110の分布をより分散させることができ、ウェアラブルデバイス100の外形を美しくするだけでなく、後続で音響電気素子110の出力情報の残響を除去して音声情報を得る時、残響除去効果を向上させることができる。
【0076】
図1の例では、音響電気素子110はマイクである。音響電気素子110の数量は3つであり、3つの音響電気素子110はそれぞれ第1のプリセット位置211、第2のプリセット位置212と第3のプリセット位置213に設けられる。
【0077】
他の例では、音響電気素子110の数量は1つ、2つ、4つ、6つまたは他の数量であってもよい。音響電気素子110は第1の支持フレーム32、第2の支持フレーム34またはウェアラブルデバイス100の他の位置に設けられてもよい。ここで音響電気素子110の具体的な数量及び設けられた具体的な位置に対して限定しない。
【0078】
ウェアラブルデバイス100は外筐20に接続される支持部品30を含み、支持部品30は第1の支持フレーム32と第2の支持フレーム34を含み、振動センサ120は第1の支持フレーム32及び/又は第2の支持フレーム34に設けられる。
【0079】
さらに、第1の支持フレーム32は、外筐20から離れた一端には第1の折り曲げ部322が形成され、第2の支持フレーム34は、外筐20から離れた一端には第2の折り曲げ部342が形成され、外筐20は外筐底壁26を含み、第1の折り曲げ部322と第2の折り曲げ部342は外筐底壁26に向かって折り曲げられ、振動センサ120は第1の折り曲げ部322及び/又は第2の折り曲げ部342に設けられる。
【0080】
図1の例では、振動センサ120はジャイロである。振動センサ120の数量は1つであり、振動センサ120はウェアラブルデバイス100の第1の支持フレーム32の第1の折り曲げ部322に設けられる。
【0081】
別の例では、振動センサ120の数量は2つであり、そのうちの1つの振動センサ120は第1の折り曲げ部322に設けられ、もう1つの振動センサ120は第2の折り曲げ部342に設けられる。
【0082】
もちろん、他の例では、振動センサ120の数量は1つであり、振動センサ120は第2の折り曲げ部342に設けられてもよい。
【0083】
ユーザが話している時、声帯の振動は顔の筋肉の同期微小振動を引き起こす。従って、振動センサ120を支持部品30のユーザ頭部と接触する部分、例えば第1の折り曲げ部322及び第2の折り曲げ部342に設けることによって、振動センサ120がより多くて正確な振動情報を収集することができ、これによって振動情報に基づくウェアラブルデバイス100に対する制御はより正確になる。
【0084】
他の例では、振動センサ120の数量は3つの、4つ、5つまたは他の数量であってもよい。振動センサ120はウェアラブルデバイス100の他の位置に設けても良い。ここで振動センサ120の具体的な数量及び設けられた具体的な位置に対して限定しない。
【0085】
なお、ここで「音声命令」は、ウェアラブルデバイス100によって認識可能であり、ウェアラブルデバイス100を制御可能な情報を指すことができる。ここで「音声情報」は音声命令を抽出する情報を指すことができる。「音声情報」は音声情報の開始時刻、音声情報の終了時刻、声紋情報などを含むことができる。
【0086】
ここで「振動情報」は、振動情報の開始時刻、振動情報の終了時刻、振動の周波数、振幅などを含むことができる。
【0087】
ここで「アイデンティティ情報」は発信者の固有アイデンティティ(例えば、身分証番号が一意に決定されたアイデンティティ)を指すことができ、発信者が、職位、行為、状態などの要素によって有するアイデンティティ(例えば、ウェアラブルデバイス100の持ち主、ウェアラブルデバイス100の持ち主ではない、ウェアラブルデバイス100の着用者、ウェアラブルデバイス100の着用者ではない)を指すことができる。
【0088】
ここで、音声情報、振動情報、アイデンティティ情報の具体的な形態及び具体的な内容に対して限定しない。
【0089】
一例では、音声命令が「起動パスワードを123456に変更する」というものであり、音声情報の声紋情報により、音声命令の発信者は、ウェアラブルデバイス100の持ち主であると決定でき、振動情報に基づいて、当該音声命令がウェアラブルデバイス100の着用者によって発信されるものであると決定でき、すなわち、音声情報と振動情報に基づいて当該音声命令の発信者のアイデンティティ情報が「持ち主」、「着用者」であると決定することができる。この時、当該ウェアラブルデバイス100を制御して、起動パスワードを「123456」に変更することができる。このようにして、複数のウェアラブルデバイス100を有するユーザが、着用しているウェアラブルデバイス100の起動パスワードを改正する必要がある時、着用していない他のウェアラブルデバイス100の起動パスワードを誤って改正することを防止することができる。
【0090】
別の例では、音声命令が「起動パスワードを123456に変更する」であり、音声情報の声紋情報に基づいて音声命令の発信者がウェアラブルデバイス100の持ち主ではないと決定でき、振動情報に基づいて、当該音声命令がウェアラブルデバイス100の着用者によって発信されるものであると決定でき、すなわち、音声情報と振動情報に基づいて当該音声命令の発信者のアイデンティティ情報が「持ち主ではない」、「着用者」であると決定することができる。この時、当該ウェアラブルデバイス100を制御して当該音声命令を無視することができる。このようにウェアラブルデバイス100が持ち主ではないユーザによって着用される時、持ち主ではないユーザによって起動パスワードが改ざんされることを防止することができる。
【0091】
図11を参照すると、いくつかの実施形態では、アイデンティティ情報は着用者と非着用者を含み、ステップS16は、
ステップS162、アイデンティティ情報が着用者である場合、ウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を実行するステップと、
ステップS164、アイデンティティ情報が非着用者である場合、ウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を無視するステップと、を含む。
【0092】
それに対応して、制御モジュール16は、アイデンティティ情報が着用者である場合、ウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を実行し、及びアイデンティティ情報が非着用者である場合、ウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を無視する。
【0093】
それに対応して、プロセッサ101は、アイデンティティ情報が着用者である場合、ウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を実行し、及びアイデンティティ情報が非着用者である場合、ウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を無視する。
【0094】
このように、アイデンティティ情報に基づいてウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を実行するか、または音声命令を無視することを実現する。ウェアラブルデバイス100がより騒がしい環境にある場合、音声命令の発信者が着用者であるか非着用者であるかを区別しないと、ウェアラブルデバイス100が環境における他の音声によって誤ってトリガーされやすい。本実施形態では、音声命令の発信者が着用者であると決定する場合に、ウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を実行することにより、ウェアラブルデバイス100の環境に対する適応性を向上させ、ウェアラブルデバイス100が騒々しい環境においても正常に動作できるようにする。
【0095】
一例では、3つのユーザはそれぞれ3つのウェアラブルデバイス100を着用し、音声によってそれぞれ着用されるウェアラブルデバイス100を制御する。第1のユーザは第1のウェアラブルデバイス100を着用し、「文書Aを開く」という音声命令を発信する。第2のユーザは第2のウェアラブルデバイス100を着用し、「文書Bを開く」という音声命令を発信する。第3のユーザは第3のウェアラブルデバイス100を着用し、「文書Cを開く」という音声命令を発信する。
【0096】
第1のウェアラブルデバイス100にとっては、音声情報と振動情報によって「文書Aを開く」という音声命令の発信者が着用者であり、すなわち第1のユーザであり、「文書Bを開く」と「文書Cを開く」という音声命令の発信者が着用者であると決定することができる。この時、第1のウェアラブルデバイス100は「文書Aを開く」という音声命令を実行し、「文書Bを開く」と「文書Cを開く」という音声命令を無視する。
【0097】
第2のウェアラブルデバイス100にとっては、音声情報と振動情報によって「文書Bを開く」という音声命令の発信者が着用者であり、すなわち第2のユーザであり、「文書Aを開く」と「文書Cを開く」という音声命令の発信者が着用者であると決定することができる。この時、第2のウェアラブルデバイス100は「文書Bを開く」という音声命令を実行し、「文書Aを開く」と「文書Cを開く」という音声命令を無視する。
【0098】
第3のウェアラブルデバイス100にとっては、音声情報と振動情報によって「文書Cを開く」という音声命令の発信者が着用者であり、すなわち第3のユーザであり、「文書Bを開く」と「文書Aを開く」という音声命令の発信者が着用者であると決定することができる。この時、第3のウェアラブルデバイス100は「文書Cを開く」という音声命令を実行し、「文書Bを開く」と「文書Aを開く」という音声命令を無視する。
【0099】
このように、環境では「文書Aを開く」、「文書Bを開く」、「文書Cを開く」という音声命令があふれていても、ウェアラブルデバイス100着用者に対応する音声命令を正確に実行することもできる。
【0100】
図12を参照すると、いくつかの実施形態では、ステップS14は、
ステップS142、音声情報と振動情報との時間差を決定するステップと、
ステップS144、時間差によってアイデンティティ情報を決定するステップと、を含むことができる。
【0101】
それに対応して、決定モジュール14は音声情報と振動情報との時間差を決定し、及び時間差によってアイデンティティ情報を決定する。
【0102】
それに対応して、プロセッサ101は音声情報と振動情報との時間差を決定し、及び時間差によってアイデンティティ情報を決定する。
【0103】
このように、音声情報と振動情報に基づいて音声命令の発信者のアイデンティティ情報を決定することを実現する。音声の発生時刻と声帯の振動開始時刻は同じであり、音声の伝播と振動の伝播には時間がかかる。従って、音声情報と振動情報との時間差に基づいて音声命令の発信者のアイデンティティ情報を決定することができる。
【0104】
図14と
図15を参照すると、いくつかの実施形態では、アイデンティティ情報は着用者と非着用者を含み、時間差は開始時間差T1を含み、ステップS142は、
ステップS1422、音声情報の開始時刻t2と振動情報の開始時刻t1に基づいて開始時間差T1を決定するステップを含み、
ステップS144は、
ステップS1442、開始時間差T1が予め設定された時間閾値以下である場合、アイデンティティ情報が着用者であると決定するステップと、
ステップS1444、開始時間差T1が時間閾値より大きい場合、アイデンティティ情報が非着用者であると決定するステップと、を含む。
【0105】
それに対応して、決定モジュール14は音声情報の開始時刻t2と振動情報の開始時刻t1に基づいて開始時間差T1を決定し、及び開始時間差T1が予め設定された時間閾値以下である場合、アイデンティティ情報が着用者であると決定し、及び開始時間差T1が時間閾値より大きい場合、アイデンティティ情報が非着用者であると決定する。
【0106】
それに対応して、プロセッサ101は音声情報の開始時刻t2と振動情報の開始時刻t1に基づいて開始時間差T1を決定し、及び開始時間差T1が予め設定された時間閾値以下である場合、アイデンティティ情報が着用者であると決定し、及び開始時間差T1が時間閾値より大きい場合、アイデンティティ情報が非着用者であると決定する。
【0107】
このように、開始時間差T1に基づいてアイデンティティ情報を決定することを実現する。具体的には、時間閾値は実験によって事前に得られ、ウェアラブルデバイス100の中に記憶されることができる。
【0108】
振動センサ120よって収集された振動情報は、声帯振動による顔の筋肉の同期微小振動に由来し、従って、振動情報120は、ウェアラブルデバイス100の着用者の情報を反映しており、振動情報の開始時刻t1は、着用者が発声を開始する時刻として推定されることができる。
【0109】
また、音声は空気を介して伝播することができ、音響電気要素110が収集した音声情報は、着用者の情報を反映してもよく、非着用者の情報を反映してもよい。したがって、振動情報の開始時刻t1と音声情報の開始時刻t2の開始時間差T1が予め設定された時間閾値以下である場合、振動と音声が同時に開始されると推定することができ、これによって音声情報により決定された音声命令が、着用者によって発信されたものであると決定する。開始時間差T1が時間閾値より大きい場合、振動と音声が同時に開始されず、音声が近くの発生源によって発信されていると推定することができ、これによって音声情報により決定された音声命令が、非着用者によって発信されたものであると決定する。
【0110】
一例では、時間閾値は2sである。振動情報の開始時刻t1は0時ちょうどで、音声情報の開始時刻t2は0時の1秒後で、開始時間差T1は1sであり、時間閾値より小さく、音声命令の発信者のアイデンティティ情報が着用者であると決定する。
【0111】
別の例では、時間閾値は2sである。振動情報の開始時刻t1は0時ちょうどであり、音声情報の開始時刻t2は0時の3秒後で、開始時間差T1は3sであり、時間閾値より大きく、音声が近くの発生源によって発信されたものであると決定することができ、これによって音声命令の発信者のアイデンティティ情報が非着用者であると決定する。
【0112】
図15と
図14を参照すると、いくつかの実施形態では、アイデンティティ情報は着用者と非着用者を含み、時間差は終了時間差T2を含み、ステップS142は、
ステップS1424、音声情報の終了時刻t3と振動情報の終了時刻t4に基づいて終了時間差T2を決定するステップ含み、
ステップS144は、
ステップS1446、終了時間差T2が予め設定された時間閾値以下である場合、アイデンティティ情報が着用者であると決定するステップと、
ステップS1448、終了時間差T2が時間閾値より大きい場合、アイデンティティ情報が非着用者であると決定するステップと、を含む。
【0113】
それに対応して、決定モジュール14は、音声情報の終了時刻t3と振動情報の終了時刻t4に基づいて終了時間差T2を決定し、及び終了時間差T2が予め設定された時間閾値以下である場合、アイデンティティ情報が着用者であると決定し、及び終了時間差T2が時間閾値より大きい場合、アイデンティティ情報が非着用者であると決定する。
【0114】
それに対応して、プロセッサ101は、音声情報の終了時刻t3と振動情報の終了時刻t4に基づいて終了時間差T2を決定し、及び終了時間差T2が予め設定された時間閾値以下である場合、アイデンティティ情報が着用者であると決定し、及び終了時間差T2が時間閾値より大きい場合、アイデンティティ情報が非着用者であると決定する。
【0115】
このように、終了時間差T2に基づいてアイデンティティ情報を決定することを実現する。終了時間差T2に基づいてアイデンティティ情報を決定する原理と説明は上記開始時間差T1に基づいてアイデンティティ情報を決定する部分を参照することができ、冗長性を回避するために、ここでは説明を省略する。
【0116】
一例では、時間閾値は2sである。振動情報の終了時刻t4は0時ちょうどであり、音声情報の終了時刻t3は0時の1後で、終了時間差T2は1sであり、時間閾値より小さく、音声命令の発信者のアイデンティティ情報が着用者であると決定する。
【0117】
別の例では、時間閾値は2sである。振動情報の終了時刻t4は0時ちょうどであり、音声情報の終了時刻t3は0時の3秒後で、終了時間差T2は3sであり、時間閾値より大きく、音声命令の発信者のアイデンティティ情報が非着用者であると決定する。
【0118】
図16を参照すると、いくつかの実施形態では、制御方法は、
ステップS18、予め設定された時間内で音声情報を収集したが振動情報を収集していない場合、ウェアラブルデバイス100を制御して音声情報を無視するステップを含む。
【0119】
それに対応して、制御モジュール16は、予め設定された時間内で音声情報を収集したが振動情報を収集していない場合、ウェアラブルデバイス100を制御して音声情報を無視する。
【0120】
それに対応して、プロセッサ101は、予め設定された時間内で音声情報を収集したが振動情報を収集していない場合、ウェアラブルデバイス100を制御して音声情報を無視する。
【0121】
このように、予め設定された時間内で音声情報を収集したが振動情報を収集していない場合、ウェアラブルデバイス100に対する制御を実現する。ユーザは電子メガネを装着する時、自分が出す音声以外に、テレビの音声、放送の音声、非着用者の音声などのような環境内の他の音声も、音響電気素子110を介して音声情報を収集してしまう可能性があるが、振動情報を収集していないことによってユーザが音声を出さないと推定することができる。従って、予め設定された時間内で音声情報を収集したが振動情報を収集していない場合、ウェアラブルデバイス100を制御して音声情報を無視し、ウェアラブルデバイス100が誤ってトリガーされることを防止することができる。
【0122】
一例では、予め設定された時間は10sであり、テレビが音声を出して音響電気素子110がその音声情報を収集したが、10s内で振動情報を収集しておらず、この時に着用者が音声命令を出さなかったと推定でき、音声情報を無視してもよい。
【0123】
図18を参照すると、いくつかの実施形態では、制御方法は、
ステップS19、予め設定された時間内で音声情報を収集しておらず振動情報を収集した場合、ウェアラブルデバイス100を制御して振動情報を無視するステップを含む。
【0124】
それに対応して、制御モジュール16は、予め設定された時間内で音声情報を収集しておらず振動情報を収集した場合、ウェアラブルデバイス100を制御して振動情報を無視する。
【0125】
それに対応して、プロセッサ101は予め設定された時間内で音声情報を収集しておらず振動情報を収集した場合、ウェアラブルデバイス100を制御して振動情報を無視する。
【0126】
このように、予め設定された時間内で音声情報を収集しておらず振動情報を収集した場合、ウェアラブルデバイス100に対する制御を実現する。ユーザが電子メガネを装着している時、声帯振動以外に、咀嚼、血管の鼓動、衝撃を受けることによって、振動センサ120が振動情報を収集する可能性がある。これらの場合では、音響電気素子110は出力情報がなくて、または音響電気素子110の出力情報を処理しても抽出音声命令を抽出できる音声情報を取得することができない。従って、予め設定された時間内で音声情報を収集しておらず振動情報を収集した場合、ウェアラブルデバイス100を制御して振動情報を無視する。
【0127】
一例では、予め設定された時間は10sであり、ユーザの血管の鼓動によって振動センサ120が振動情報を収集したが、10s内で音響電気素子110は出力情報を出力しておらず、音声情報も収集していない場合、着用者が音声命令を発信していないと推定でき、音声情報は無視してもよい。
【0128】
別の例では、予め設定された時間は10sであり、ユーザが咀嚼する動作によって振動センサ120が振動情報を収集し、10s内で音響電気素子110出力情報を出力したが、出力情報によって音声命令を抽出できる音声情報を取得できず、すなわち音声情報を収集していないことになり、この時、着用者が音声命令を発信しなかったと推定でき、音声情報は無視してもよい。
【0129】
図18を参照すると、いくつかの実施形態では、音響電気素子110の数量は複数であり、制御方法は、
ステップS11、音声情報を得るために複数の音響電気素子110の出力情報に対して残響除去処理を行うステップを含む。
【0130】
それに対応して、取得モジュール12は、音声情報を得るために複数の音響電気素子110の出力情報に対して残響除去処理を行う。
【0131】
それに対応して、プロセッサ101は音声情報を得るために複数の音響電気素子110の出力情報に対して残響除去処理を行う。
【0132】
このように、音響電気素子110の出力情報から音声情報を得ることを実現する。具体的には、複数の音響電気素子110がアレイを形成し、音声情報を得るために専用のアルゴリズムによって出力情報に対して残響除去することができる。例えば、ブラインド音声強化に基づく方法(Blind signal enhancement approach)、ビーム形成に基づく方法(Beamforming based approach)、または逆フィルタリングに基づく方法(An inverse filtering approach)など。このように、クリーン信号の復元が可能で、音声情報から音声命令を抽出する認識効果を向上させた。
【0133】
また、複数の音響電気素子110はアレイを形成し、発生源の位置決めを実現することができる。音声命令の発信者が非装着者である場合、音声命令のソースと位置をさらに決定する。具体的には、音響電気素子110のアレイによって収集された情報に基づいて、発生源の角度と距離を算出することができる、これによって発生源の追跡と後続の音声に対する指向性のピックアップを実現する。
【0134】
図19を参照すると、音響電気素子110はマイクであり、マイクの数量は3つであり、3つのマイクの位置座標はそれぞれo1、o2とo3と表記されている。発信者は発生源200とし、ウェアラブルデバイス100は発生源200からの音声命令を受信する。
【0135】
3つのマイクの位置が異なるため、発生源200によって発信された音響波が各マイクに届く時間は異なる。発生源200によって発信された音響波が各マイクに届く時間がt1、t2とt3であると仮定すると、発生源200からマイクまでの距離はそれぞれvt1、vt2とvt3である。vは空気で音声が伝播する速度である。
【0136】
そして、それぞれ3つのマイクを原点として、発生源200から対応するマイクまでの距離を半径として球面を描く。すなわち、o1を原点として、vt1を半径として、最初の球面を描く。o2を原点として、vt2を半径として、第2の球面を描く。o3を原点として、vt3を半径として、第3の球面を描く。
【0137】
最後に3つの球面の交点を算出し、3つの球面の交点は音源200の位置である。この方法はアルゴリズムによって実現できる。
【0138】
図20を参照すると、本出願の実施形態はウェアラブルデバイス100を提供する。ウェアラブルデバイス100はプロセッサ101とメモリ102を含む。メモリ102には1つまたは複数のプログラムが記憶され、プログラムはプロセッサ101によって実行される場合、上記任意の実施形態のウェアラブルデバイス100の制御方法を実現する。
【0139】
例えば、音響電気素子110よって収集された音声情報と振動センサ120よって収集された振動情報を取得するステップS12と、音声情報と振動情報に基づいて音声命令の発信者のアイデンティティ情報を決定するステップS14であって、音声命令が音声情報によって決定されるステップS14と、アイデンティティ情報に基づいてウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を実行するか、または音声命令を無視するステップS16と、を実行する。
【0140】
本出願の実施形態はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ実行可能な命令を含む不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、コンピュータ実行可能な命令は1つまたは複数のプロセッサ101によって実行される場合、プロセッサ101が上記任意の一実施形態の制御方法を実行する。
【0141】
本出願の実施形態のウェアラブルデバイス100とコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、音声情報と振動情報に基づいて音声命令の発信者のアイデンティティ情報を決定し、これによってウェアラブルデバイス100を制御して音声命令を実行または無視し、ウェアラブルデバイス100が誤ってトリガーされることを回避することができ、ウェアラブルデバイス100に対する制御をより正確にする
【0142】
図20は一実施例におけるウェアラブルデバイス100の内部モジュール概略図である。ウェアラブルデバイス100は、システムパス109によって接続されたプロセッサ101、メモリ102(例えば不揮発性の記憶媒体である)、内蔵メモリ103、表示装置104と入力装置105を含む。
【0143】
プロセッサ101は、コンピューティング及び制御能力を提供してもよく、ウェアラブルデバイス100全体の運行をサポートする。ウェアラブルデバイス100の内蔵メモリ103はメモリ102におけるコンピュータ読み取り可能な命令の運行のために環境を提供する。ウェアラブルデバイス100の表示装置104はウェアラブルデバイス100に設けられたディスプレイ40であってもよく、入力装置105はウェアラブルデバイス100に設けられた音響電気素子110と振動センサ120であってもよく、ウェアラブルデバイス100に設けられたボタン、トラックボールまたはタッチパッドであってもよく、外接接続のキーボード、タッチパッドまたはマウスなどであってもよい。当該ウェアラブルデバイス100は、スマートブレスレット、スマートウォッチ、スマートヘルメット、電子メガネなどであってもよい。
【0144】
当業者であれば、図面に示す構造は、本出願の技術案に関する一部の構造の概略図に過ぎず、本出願の技術案に応用されウェアラブルデバイス100を限定するものではない。具体的にはウェアラブルデバイス100は図示しているものよりも多くまたは少ない部品、またはいくつかの部品の組み合わせ、または異なる部品の構成を有してもよいことを理解されたい。
【0145】
なお、上記実施例の方法を実現する全部または一部の流れは、関連するハードウェアをコンピュータプログラムによって命令することによって実行され得ることは、当業者であれば理解することができ、そのプログラムは不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されてもよく、実行される時、上記各方法の実施例のような流れを含むことができる。ここで、その記憶媒体は、磁気ディスク、光ディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)などであってもよい。
【0146】
以上の実施例は、本出願のいくつかの実施形態のみを示しており、その説明はより具体的で詳細であるが、本出願範囲を制限するものとして理解すべきではない。なお、当業者にとっては、本出願の構想を逸脱することなく、いくつかの変形や改善が可能であり、これらは本出願の保護範囲に属する。したがって、本願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲を基準とする