(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】真空掃除機の除塵ユニットの配置及びかかる配置を有する真空掃除機
(51)【国際特許分類】
A47L 9/20 20060101AFI20240105BHJP
【FI】
A47L9/20 521K
A47L9/20 E
(21)【出願番号】P 2021572878
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(86)【国際出願番号】 EP2020066087
(87)【国際公開番号】W WO2020254167
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-12-08
(32)【優先日】2019-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Hilti Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100,9494 Schaan,Liechtenstein
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンスルマイヤー, クサーヴァー
【審査官】伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-128565(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0226130(US,A1)
【文献】実開昭47-016272(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0106933(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02749193(EP,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01629762(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空吸引装置の除塵ユニット(1)の配置構造において、
前記除塵ユニット(1)は前記真空吸引装置の真空室(2)の中にあり、前記真空室(2)はタービン(3)と第一のフィルタ(4)及び第二のフィルタ(5)により画定され、前記除塵ユニット(1)は、前記除塵ユニット(1)を前記真空室(2)の中で、一度に1つのフィルタ(4又は5)を吸引流から隔離でき、前記除塵ユニット(1)の振動運動を前記隔離されたフィルタ(4又は5)に伝えることができるような方法で位置付けるように設計される変位モジュール(6)を含むことを特徴とする真空吸引装置の除塵ユニット(1)の配置構造。
【請求項2】
前記除塵ユニット(1)は、それらの回転運動によって前記振動運動を生じさせるように設計される2つの偏心器(7及び8)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の配置構造。
【請求項3】
前記除塵ユニット(1)は、前記偏心器(7及び8)を保持する偏心ユニット(9)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の配置構造。
【請求項4】
前記偏心器(7及び8)は、同じ方向への回転運動を行うように設計されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の配置構造。
【請求項5】
前記除塵ユニット(1)は第一のタペット(10)と第二のタペット(11)を有し、これらは前記除塵ユニット(1)の横方向の終端を形成し、前記第一のタペット(10)は前記第一のフィルタ(4)の入口(12)を密閉するように設計され、前記第二のタペット(11)は前記第二のフィルタ(5)の入口(13)を密閉するように設計されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の配置構造。
【請求項6】
前記第一のフィルタ(4)の
前記入口(12)は、当該入口(12)を形成する側面コンポーネント(16、17)を含み、前記第二のフィルタ(5)の
前記入口(13)は、当該入口(13)を形成する側面コンポーネント(16、17)を含むことを特徴とする、請求項5に記載の配置構造。
【請求項7】
線形ソリューションの場合、前記除塵ユニット(1)は前記フィルタ(4及び5)間に配置されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の配置構造。
【請求項8】
前記線形ソリューションの場合、前記タペット(10及び11)は、前記偏心ユニット(9)に平行に配置されることを特徴とする、請求項3を直接的もしくは間接的に引用する請求項5をさらに引用する請求項7に記載の配置構造、又は、請求項3を間接的に引用する請求項6をさらに引用する請求項7に記載の配置構造。
【請求項9】
前記線形ソリューションの場合、前記フィルタ(4及び5)は相互に平行に配置されることを特徴とする、請求項7又は8に記載の配置構造。
【請求項10】
回転ソリューションの場合、前記除塵ユニット(1)は前記フィルタ(4及び5)の上方に配置されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の配置構造。
【請求項11】
前記回転ソリューションの場合、前記タペット(10及び11)は前記除塵ユニット(1)の前記偏心ユニット(9)に関して傾けて配置されることを特徴とする、請求項3を直接的もしくは間接的に引用する請求項5をさらに引用する請求項10に記載の配置構造、又は請求項3を間接的に引用する請求項6をさらに引用する請求項10に記載の配置構造。
【請求項12】
前記回転ソリューションの場合、前記フィルタ(4及び5)は相互に関して傾斜させて配置されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の配置構造。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の除塵ユニット(1)の配置を含む真空吸引装置。
【請求項14】
真空吸引装置内の第一のフィルタ(4)及び第二のフィルタ(5)の除塵方法において、以下のステップ:
a)除塵ユニット(1)を含む真空吸引装置であって、前記除塵ユニット(1)が当初は真空室(2)内の中間位置に配置され、それによって前記真空吸引装置の動作中に吸引流の空気が前記フィルタ(4、5)によってクリーニングされるような真空吸引装置の提供と、
b)前記真空吸引装置の前記真空室(2)内での、第一又は第二の除塵位置がとられるようにする前記除塵ユニット(1)の移動と、
c)前記除塵ユニット(1)と前記第一のフィルタ(4)の入口(12)又は前記第二のフィルタ(5)の入口(13)との間の嵌合と、
d)前記除塵ユニット(1)から前記第一のフィルタ(4)又は前記第二のフィルタ(5)への振動運動の伝達であって、前記第一のフィルタ(4)又は前記第二のフィルタ(5)は前記振動運動により除塵される伝達と、
e)前記中間位置への、又はそれぞれ他方の除塵位置への前記除塵ユニット(1)の移動と、を含む除塵方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空吸引装置の除塵ユニットの配置に関する。この場合、除塵ユニットは真空吸引装置の真空室内にあり、変位モジュールによって真空室内の様々な位置に移動させることができ、タービン及び少なくとも2つのフィルタで形成される。その結果、除塵ユニットは、真空室内に、一度に1つのフィルタを吸引流から隔離でき、除塵ユニットの振動運動を隔離されたフィルタに伝えることができるような方法で位置付けることができる。他の態様では、本発明は提案される除塵ユニット配置を含む真空吸引装置に関し、またフィルタの除塵方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術では、例えば建設現場で集塵に使用される真空吸引装置を開示している。このような真空吸引装置は、好ましくは建設現場用真空吸引装置と呼ばれる。塵埃を集める際、建設現場用真空吸引装置の中ではタービンによって真空が作られ、吸引流によって真空が塵埃を吸引して集塵容器内に収集し、これは多くの場合、建設現場用真空吸引装置の下側領域に配置され、塵埃はその中に、集塵容器が空にされるまでとどまる。真空吸引装置のモータを集められた塵埃による汚れや機械的損傷から保護するために、真空吸引装置はフィルタを有するが、これは動作の過程で塵埃で詰まるかもしれない。特に、いわゆるフィルタケークが形成されるかもしれず、これは高密に圧縮され、フィルタのろ材にしっかりと付着する。真空吸引装置のフィルタを定期的にクリーニングすることにより、このような望ましくないフィルタの詰まりを回避しなければならないことが知られている。真空吸引装置のフィルタの定期的クリーニングは好ましくは、本発明に関してフィルタ除塵と呼ばれる。
【0003】
先行技術から知られている従来の真空吸引装置の場合、除塵は通常、吸引流の流れる方向に行われ、逆流のプロセス中に短時間のみ逆転される。逆流は特に圧力勾配に基づき、フラップの突然の開放又は真空吸引装置の開放によって圧力が均一となり、それが逆流につながる。このフィルタ除塵方法の不利点は、吸引システム内へのブローバックがあり、それが真空吸引装置の抽出性能を損なう可能性があることである。2つのフィルタを有する真空吸引装置はこのブローバックの問題を軽減できるが、それを完全に補償できるわけではない。
【0004】
既知のフィルタ除塵方法の別の不利点は、フィルタリングされていない周囲空気が洗浄空気として使用されることが多いことである。この場合、周囲空気に含まれる可能性のある汚染物質によってコンポーネント又は真空吸引装置に長期的な損傷が及ぶ、ということがあるかもしれず、これは塵埃及び又は汚染物質をフィルタ除塵に関わるコンポーネント上に堆積させる。
【0005】
他の既知のフィルタ除塵方法は、振動を利用してノッキング運動を発生させるものであり、それによってフィルタが除塵される。この振動除塵は逆流方式と比べて、真空吸引装置がこれを圧力及び動作点に関係なく実行できるという利点を有する。真空吸引装置が振動により除塵される場合、フィルタを吸引流から隔離することには除塵の結果にプラスの影響があり得る。これは特に、それによってスクリーニング効果、又は空気流の生成が回避されるからである。しかしながら、1つのフィルタを有する真空吸引装置の場合、隔離は吸引プロセスの望ましくない中断の原因となる。複数のフィルタを有する真空吸引装置では、不利な点として、隔離弁及びそれに対応する別のアクチュエータを各フィルタについて提供しなければならず、それによって真空吸引装置の構造は複雑で故障しやすいものとなる。
【0006】
2つのフィルタが使用される場合、真空吸引装置は並行吸引を利用でき、真空吸引装置のフィルタを交互に除塵できることは確かである。しかしながら、振動方式には、真空吸引装置のコンポーネントが高い衝撃負荷にさらされるという不利な点が伴い、この衝撃負荷はまた、不利な点として、単軸衝撃負荷の形態をとる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、上述の先行技術の不利点と欠点を克服し、真空吸引装置のための除塵ユニットの配置を提供し、真空吸引装置を用いて吸引プロセスを実行して、それと同時に少なくとも1つのフィルタの除塵を行うことを可能にすることである。特に、本発明では、除塵動作中の吸引力に関する性能の損失を回避することと、多軸フィルタクリーニングを可能にすることが意図されている。それに加えて、提供される真空吸引装置は、保守作業をほとんど必要とせず、故障を最小限にするために、できるだけ少ないコンポーネントを含むことが意図されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
目的は、特許請求の範囲の独立項の主旨により達成される。独立項の主旨の有利な実施形態は従属項に見られる。
【0009】
目的は、真空吸引装置内の除塵ユニットの配置により達成される。この配置は、除塵ユニットが真空吸引装置の真空室の中にあり、真空室はタービンと第一のフィルタ及び第二のフィルタにより画定され、除塵ユニットは除塵ユニットを真空室の中で、一度に1つのフィルタを吸引流から隔離でき、除塵ユニットの振動運動を隔離されたフィルタに伝えることができるような方法で位置付けるように設計される変位モジュールを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の目的のために、振動は好ましくは2つの偏心器によって生成され、これは本発明の好ましい構成によれば、好ましくは同じ方向に、相互に関して実質的に180度のオフセットで回転することが好ましい。その結果、長さ方向軸に生じる遠心力が相互に補償し合うことができ、他方で、横軸の遠心力は相互に補い合い、回転力を形成し、有利な点として、これを除塵力として使用できる。換言すれば、横軸への2つの偏心器の遠心力の重畳によって生じる力をフィルタの除塵の目的に使用できる。本発明の目的のために、偏心器の、好ましくは同じ方向への回転運動が除塵ユニットの並進直線移動を生じさせる効果を有することが好ましく、それは本発明の目的のために、好ましくは前後運動又は左右運動とも呼ばれる。特に、本発明の目的のために、左右運動は振動運動の形態をとり、これを除塵ユニットからフィルタへと伝えることができ、それによってフィルタは振動により除塵される。好ましくは、振動運動は、周波数及び振幅値により特徴付けられ、これらは真空吸引装置又はその形状若しくはその寸法を説明するパラメータに応じて選択し、設定できる。
【0011】
本発明は有利な点として、先行技術の不利点を克服する除塵機構を提供する。特に、本発明は、単純な振動の代わりに、真空吸引装置内のフィルタの除塵の役割を果たす振動運動を生成する除塵ユニットを提供できる。その結果、フィルタの多軸クリーニングが可能となり、これは、本発明に特有の利点である。好ましくは、真空吸引装置内の除塵ユニットの提案される配置は、保守作業をほとんど必要とせず、故障しにくい、特に単純な配置の形態をとる。特に、対応する除塵配置を有する真空吸引装置の製造コストは従来の真空吸引装置の製造コストと比較して格段に削減できる。本発明は、フィルタ除塵のために、本来の慣例的な振動の代わりに本発明に関しては振動が利用されるという点で先行技術とは異なる。特に、当業者にとって驚きであったのは、振動が真空吸引装置内で生成され、それが、有効且つ効率的なフィルタクリーニングを実現できるような方法でフィルタに伝えられ、特に2つのフィルタを有する真空吸引装置についてもこれが当てはまることである。当業者は、真空吸引装置内の複数のフィルタの効果的なフィルタ除塵のために、複数の除塵装置を提供しなければならないと以前は想定していた。本発明はしたがって、2つのフィルタの効率的な除塵に除塵ユニットが1つだけ提供されるという利点を有する。
【0012】
本発明の別の利点は、提案された配置により、フィルタ素子の多軸除塵運動を可能にできることである。しかしながら、本発明の幾つかの応用分野においては、フィルタ素子の単軸移動が除塵に使用されることも好ましいかもしれない。
【0013】
それに加えて、本発明に関してフィルタクリーニングが行われる振動運動は、先行技術で知られている振動と比較して、材料に対して特に穏やかであることが分かった。本発明の別の利点は、フィルタ除塵を圧力に関係なく実行できることである。驚くべき点として、特に不快なノッキングノイズを生じさせずに済む提案の配置により特に低ノイズの除塵技術を提供できる。
【0014】
特に、本発明の目的のために、真空吸引装置が、真空吸引装置のそれぞれのコンポーネントの提供を2倍にする必要がないような形態の変位モジュールとそのような形態の除塵ユニットを含むことが好ましい。特に、変位モジュールと除塵ユニットを各フィルタのために提供することが本発明により回避できる。そのため、提案される発明に関して、特に1つのみの変位モジュールが2つのフィルタのために提供される。それに加えて、同じく1つのみの除塵ユニットが2つのフィルタのために提供される。その結果、真空吸引装置の特に単純な構造が可能となる。
【0015】
好ましくは、除塵ユニットは、真空吸引装置の真空室内で移動可能に形成され、それによって変位モジュールによってそれを移動させることができる。これらは例えば、想像上の、好ましくは実質的に水平に延びる軸に沿った垂直移動(「線形ソリューション」)又は回転点の周囲での回転運動(「回転型ソリューション」)であってよい。特に、変位モジュールと共に除塵ユニットの回転可能構成によって本発明の技術的利点の幾つかがもたらされる。
【0016】
本発明の目的のために、除塵ユニットは2つの偏心器を含み、これらはそれらの回転運動によって振動運動を生成するように設計されることが好ましい。好ましくは、偏心器は、同じ方向への回転運動を実行するように設計される。換言すれば、2つの偏心器は同じ回転方向に回転し、これは図中、矢印で示される。本発明の目的のために最も特に好ましいのは、偏心器が相互に関して180°、すなわち半回転のオフセットで回転することである。2つの偏心器の回転運動に関するこのオフセットは好ましくは、偏心器の遠心力が相互に打ち消し合う、又は遠心力が相互に補償し合うという効果を有する。換言すれば、変換器の回転運動は、回転する偏心器の水平の遠心力を補償する効果を有することができ、及びその逆もある。これによって好ましくは、垂直のトルクが生じ、これは除塵ユニットの振動運動をもたらす。本発明の目的のために、2つの偏心器間に、好ましくは2つの偏心器を駆動するように設計された駆動装置が配置されるかもしれないことが望ましい。
【0017】
フィルタが真空吸引装置の真空室内に実質的に想像上の水平線又は直線に沿って配置される場合(「線形ソリューション」)、水平面はそれゆえフィルタによって画定でき、これは除塵ユニットの運動に平行であってよい。このような運動は好ましくは、本発明の目的のために「垂直運動」又は「横方向運動」と呼ばれる。特に、本発明の目的のために、除塵ユニットがこのような垂直運動を行うことができることが好ましく、垂直運動は好ましくは変位モジュールによってもたらされる。真空室内の除塵ユニットの垂直運動は好ましくは、真空吸引装置のフィルタ間で生じる。除塵ユニットの垂直運動は好ましくは、特に垂直方向に作用するトルクによって引き起こされ、これは除塵ユニット内の遠心力の補償効果によって生成される。特に、本発明の目的のために、除塵ユニットの垂直運動は変位モジュールによってもたらされることが好ましい。特に、本発明の目的のために、除塵ユニットの偏心器の回転運動がフィルタの回転運動に変換されることが好ましい。本発明の目的のために、除塵ユニットの偏心ユニットは、好ましくは真空吸引装置の振動モジュールとも呼ばれてよい。
【0018】
変位モジュールは、例えばアクチュエータによって形成されてよく、これは好ましくは電磁石を含む。電磁石は好ましくは両側から作動されてよい。例えば、除塵装置は変位モジュールによって横方向に前後に移動されてよい。本発明の目的のために、除塵装置のこれらの運動は好ましくは、垂直運動と呼ばれる。さらに、変位モジュールはばね要素を含んでいてよく、これは除塵ユニットに復元力を付与し、それによって、有利な点として、除塵ユニットの垂直運動が支援される。
【0019】
本発明の目的のために、除塵ユニットは第一及び第二のタペットを有することが好ましく、第一のタペットは第一のフィルタの入口を密閉するように設計され、第二のタペットは第二のフィルタの入口を密閉するように設計される。その結果、タペットの提供と除塵ユニットの運動との組合せにより、有利な点として、フィルタを真空室から分離できる。特に、フィルタと真空室の分離によって、フィルタを吸引流から隔離することができ、吸引流は好ましくは、真空室を通って流れる。吸引流は好ましくは、真空吸引装置のタービンによって生成できる真空によって引き起こされる。吸引流によって、真空吸引装置は好ましくは、例えばパワードリル又はコアドリルを用いた作業中に生じる、又は生成される塵埃を収集するように設計される。このようにして、有利な点として、塵埃が使用者の気道に入ることが回避される。
【0020】
それに加えて、除塵ユニットのタペットは、除塵ユニットの振動運動をフィルタに伝えるように設計される。これは好ましくは、除塵ユニットの除塵効果を実現する。好ましくは、フィルタは振動運動によって振とうされ、それによって塵埃、又は形成されている可能性のあるフィルタケークが振り落とされる。この振とう運動は、塵埃又はフィルタケークが真空吸引装置の下側領域内の集塵容器の中に落ちるという効果を有する可能性がある。振動運動の伝達は好ましくは、タペットとフィルタの入口との間の嵌合によって生じる。2つのタペットは好ましくは、除塵ユニットの横方向の終端を形成し、タペットは除塵ユニットの振動運動をフィルタに伝え、そのために好ましくはタペットとフィルタとの間の嵌合が利用される。
【0021】
本発明の目的のために、線形ソリューションの場合、除塵ユニットは実質的にフィルタ間に配置されることが好ましい。本発明の目的のために、線形ソリューションは好ましくは、タービンと共に真空吸引装置の真空室を画定するフィルタが水平に延びる想像線又は直線に実質的に沿って配置されることを特徴とする。換言すれば、フィルタは想像線を画定してよく、これは好ましくは、真空吸引装置がその上に設置される下面に実質的に平行に延びる。線形ソリューションの場合、真空吸引装置のフィルタは好ましくは、真空室の対向する側又は側壁に配置され、特にフィルタを実質的に相互に平行に配置することが可能である。好ましくは平行に配置されるフィルタは好ましくは、真空室の下側領域に配置され、真空装置のタービンは真空室の上側終端を形成する。本発明に関して、「上側」及び「下側」という用語は当業者にとっては不明瞭な概念ではない。真空吸引装置の、又は真空室の下側領域は好ましくは、それが真空吸引装置又は真空室の上側領域より下面に近い位置に配置されることを特徴とし、上側領域は、真空吸引装置がその上に設置される下面から、より遠い距離にある。
【0022】
フィルタは好ましくは、それぞれの入口領域において、真空吸引装置の真空室へと開放する。本発明の目的のために、これらの入口領域は好ましくは、フィルタ入口と呼ばれる。本発明の目的のために、真空装置の第一のフィルタ又は第一のフィルタ入口は除塵ユニットの第一のタペットと嵌合状態を形成し、それによって除塵ユニットの振動を第一のフィルタに伝達できることが好ましい。同様に、真空吸引装置の第二のフィルタ又は第二のフィルタ入口は、除塵ユニットの第二のタペットと嵌合状態となってよく、それによって除塵ユニットの振動を第二のフィルタに伝えることができる。さらに、嵌合は、それぞれのフィルタが真空室に関して密閉され、室内の吸引流から分離される効果を有する。本発明の目的のために、この分離は好ましくは隔離とも呼ばれる。好ましくは、真空吸引装置の動作中のある時点t1において、フィルタのいずれか一方が真空室から分離され、他方で、時点t2で、他方のフィルタが真空室から分離されてよい。最も特に好ましくは、本発明の目的のために、分離又は隔離されたフィルタは各々について、分離フェーズ中に除塵される。換言すれば、本発明の目的のために、隔離されたフィルタは各々について、それが吸引流から隔離されている間に除塵されることが好ましい。また、両方のフィルタが真空室及び吸引流に接続される時点tiもあってよい。この場合、両方のフィルタが真空室内にある真空にさらされ、両方のフィルタが真空吸引装置内の空気流のクリーニングを継続できる。例えば、例えば時点tiを含む期間ΔtBewにおいて、除塵ユニットは真空室内で片側から反対側へと移動してよく、除塵ユニットのタペットは好ましくは、期間ΔtBew中にはフィルタの入口と接触しない。換言すれば、本発明の目的のために、期間ΔtBew中に、除塵ユニットの垂直移動が真空吸引装置の真空室内で起こることが好ましい。特に、真空吸引装置の動作中、動作又は除塵サイクルがあることが好ましくは、その中ではまず、期間Δt1中に第一のフィルタが除塵される。この期間Δt1では、好ましくは除塵ユニットの第一のタペットと、本発明の目的のために好ましくは「第一のフィルタ入口」とも呼ばれる第一のフィルタの入口との間に嵌合状態がある。期間Δt1中に、好ましくは第一のフィルタが除塵され、他方で、第二のフィルタは吸引流のフィルタリングに利用できる。その後、期間ΔtBew中に、除塵ユニットは垂直運動で真空室の片側の第一のフィルタから、好ましくは真空室の反対側に配置される第二のフィルタへと移動する。期間ΔtBew中、フィルタの除塵は行われず、真空吸引装置のフィルタは両方ともフィルタリングのために利用できる。それに期間Δt2が続き、その中では除塵ユニットの第二のタペットは第二のフィルタ入口、すなわち第二のフィルタの入口と嵌合状態となり、それによって第二のフィルタが吸引流から分離される。この期間Δt2において、好ましくは第二のフィルタは除塵され、他方で、第一のフィルタは吸引流のフィルタリングに利用できる。フィルタの除塵は、特に除塵ユニットからそれぞれ除塵されるべきフィルタへと振動運動が伝えられることによって生じる。
【0023】
除塵ユニットのタペットは好ましくは、平ら又は平坦な下面を有し、それによってこれらは除塵ユニットの偏心ユニットと対面する。線形ソリューションの場合、実質的に平らな下面と偏心ユニットの側壁とは好ましくは実質的に相互に平行に形成される。換言すれば、タペットの下面はすべての点においてそれらが対面する除塵ユニットの偏心ユニットの側壁から実質的に等しい距離にある。除塵ユニットの偏心ユニットは好ましくは、除塵ユニットのうち、好ましくは2つの偏心器を有する領域である。タペットは偏心ユニット又は除塵ユニットと反対に面する側において丸みのある外形を有し、これは例えば円の円周の一部に対応してよい。
【0024】
本発明の目的のために、回転ソリューションの場合、除塵ユニットは実質的にフィルタの上方に配置されることが好ましい。換言すれば、本発明の目的のために、線形ソリューションの場合、除塵モジュールはフィルタ間に配置され、それに対して回転ソリューションの場合、除塵ユニットはフィルタの上方又はそれより高い位置に配置されることが好ましい。回転ソリューションは好ましくは、真空吸引装置のフィルタが真空室の両側に配置されることを特徴とし、フィルタは特に真空室の下側領域に配置され、他方で、真空吸引装置のタービンは好ましくは真空室の上端を形成する。好ましくは、真空吸引装置のフィルタは斜めに配置され、フィルタは下側領域において、上側領域より相互からより短い距離にある。換言すれば、本発明の好ましい例示的実施形態において、フィルタは、好ましくは真空吸引装置がその上に置かれる下面に実質的に平行に形成される想像上の水平面と傾斜角度アルファ及びベータを形成してよい。傾斜角アルファは好ましくは、真空吸引装置内の第二のフィルタの斜めの位置を説明し、それに対して角度ベータは真空吸引装置内の第一のフィルタの斜めの位置を説明する。好ましくは、第一のフィルタ及び第二のフィルタの傾斜角度は以下の関係ベータ=180°-アルファにより相互に関連付けることができる。本発明の目的のために、傾斜角度アルファ及びベータは二次的な角度であり、相互に相補的で180°を形成することが好ましい。本発明の目的のために、フィルタはそれぞれ、真空吸引装置内で水平面と鋭角を形成することが特に好ましい。
【0025】
回転ソリューションに関して、除塵ユニットは接続手段によって変位モジュールに、また2つのフィルタ入口のいずれか一方にも接続されることが好ましい。本発明の好ましい例示的実施形態において、除塵ユニットは例えば変位モジュールによって第二のフィルタの入口に接続されてよい。接続手段は例えば、除塵ユニットが変位モジュールによって移動されるときにその周囲で回転できる回転点を含んでいてよい。除塵ユニットのこの回転運動により、タペットはフィルタ入口と嵌合し、これを密閉して、振動運動をフィルタに伝えることができる。
【0026】
フィルタの入口領域は好ましくは、それぞれについて、2つの側面コンポーネントにより形成され、これらは真空室の方向にフィルタの隅又は縁点から相互に向かって斜めに下方に延びる。この場合、第一及び第二のフィルタの相互に対面する2つの側面コンポーネントは、実質的に相互に平行に、又は実質的に仮想水平面に垂直に配置されてよい。第一及び第二のフィルタの相互に対面するこれらの側面コンポーネントは好ましくは、本発明の目的のために、フィルタ入口の内側側面コンポーネントと呼ばれてよく、その一方で、それぞれフィルタ又はフィルタ口領域の他方の側面コンポーネントは好ましくは、外側側面コンポーネントと呼ばれる。フィルタの側面コンポーネントは、防振支持によって相互に接続されてよい。換言すれば、本発明の目的のために、フィルタ素子の側面コンポーネントは、真空室の側面又は境界壁に関する遷移領域の中で、フィルタの防振支持のための手段を含むことが好ましい。
【0027】
本発明の好ましい例示的実施形態において、変位モジュールは特に第二のフィルタの内側側面コンポーネントに接続される。回転ソリューションに関して、変位モジュールは好ましくは、真空吸引装置の真空室内の除塵ユニットの傾斜又は回転運動をもたらすように設計される。回転運動は、例えば回転点の周囲で生じてよい。例えば、除塵モジュールは除塵ユニットの第一のタペットが真空吸引装置の第一のフィルタの入口と嵌合状態になるように傾斜され、又は回転されてよい。その結果、除塵ユニットにより生成された振動運動を第一のフィルタに伝えることができ、それによって第一のフィルタの除塵が行われる。これは例えば、期間Δt1中に行われてよい。この期間Δt1において、第一のフィルタは好ましくは真空室及びそこを流れる吸引流から隔離され、それによってこの期間Δt1では第一のフィルタは吸引流の空気のクリーニングに寄与できない。同様に、回転ソリューションの場合、除塵ユニットは、第二のタペットが第二のフィルタ入口と嵌合状態になるまで傾斜され、又は回転されてよい。その結果、期間Δt2中、除塵ユニットにより生成される振動運動を第二のフィルタに伝えることができ、それによって第二のフィルタの除塵が行われる。この期間Δt2において、第二のフィルタは好ましくは真空室及びその中の吸引流から隔離される、すなわち本発明の目的のために、好ましくは隔離される。その結果、期間Δt2において、第二のフィルタは吸引流の空気のクリーニングに寄与できない。好ましくは、期間ΔtBewにおいて、フィルタ除塵は行われず、それは、この期間中、除塵ユニットは第一の除塵位置から第二の除塵位置に移転又は移動されるからである。これは好ましくは、除塵ユニットの垂直運動又は回転運動によって行われる。「第一の除塵位置」という用語は好ましくは、除塵ユニット又はその第一のタペットが第一のフィルタの入口と嵌合している状態を説明する。この第一の除塵位置は、特に期間Δt1中にとられてよく、その間に第一のフィルタが除塵される。同様に、「第二の除塵位置」という用語は、好ましくは、除塵ユニット又はその第二のタペットが第二のフィルタの入口と嵌合している状態を説明するために使用されてよい。この第二の除塵位置は特に期間Δt2中にとられてよく、その間に第二のフィルタが除塵される。
【0028】
本発明の目的のために、特に回転ソリューションに関してであるが、タペットは除塵ユニットの偏心ユニットに関して傾けて配置されてよいことが好ましい。本発明のこの例示的実施形態において、タペットの、偏心ユニットと対面する下面は偏心ユニットの側壁に平行に延びない。タペットを傾けることによって、タペットとフィルタ入口との間のよりよい嵌合が可能となり、それによってこのようにしてフィルタを真空室から特に密閉して隔離し、又は有効に分離することにより、集塵に必要な真空室内の真空を損なわずにフィルタの除塵を行うことができる。好ましくは1つのみの除塵モジュールを有する真空吸引装置の中で2つのフィルタの交互動作を提供し、それが好ましくは真空吸引装置の吸引流から一方又は他方を交互に隔離するように設計されることは、本発明に特有の利点を示す。
【0029】
本発明の目的のために、真空室を画定する3つのコンポーネント、具体的にはタービン、第一のフィルタ、及び第二のフィルタは、境界又は側壁によって相互に接続され、それによって好ましくは真空吸引装置のタービンにより生成される真空に耐えるように設計された中空の空間がこれらのコンポーネントと側壁によって形成されることが好ましい。
【0030】
第二の態様において、本発明は先行する請求項のいずれか1つにおいて請求される除塵ユニットの配置を含む真空吸引装置に関する。提案される真空吸引装置は、特に移動可能に構成された除塵ユニットを有し、これは真空吸引装置の吸引室内の様々な地点間で前後に移動でき、それによって異なる時点tにおいていずれか一方のフィルタが除塵され(例えば、「第一の除塵位置」)、若しくは他方のフィルタが除塵され(例えば、「第二の除塵位置」)、又は何れのフィルタも除塵されない(「中間位置」)。
【0031】
別の態様において、本発明は真空吸引装置のフィルタの除塵方法に関し、この方法では振動運動が除塵ユニットによってフィルタへと伝えられる。除塵配置について述べた定義、技術的効果、及び利点は真空吸引装置及び除塵方法にも同様に当てはまる。特に、除塵ユニットが真空吸引装置の真空室内の様々な位置をとることのできる除塵方法が提案され、第一又は第二の除塵位置において振動運動を真空吸引装置の第一又は第二のフィルタに伝えることができ、中間位置では何れのフィルタの除塵も行われず、フィルタは両方とも真空吸引装置の真空室内の吸引流の空気のクリーニングに利用できる。好ましくは、第一又は第二の除塵位置において、除塵ユニットは真空吸引装置の第一又は第二のフィルタと接触する。特に、それぞれの場合に、除塵ユニットの第一のタペットと第一のフィルタの入口との間に嵌合状態が形成されてよく、又は除塵ユニットの第二のタペットと真空吸引装置の第二のフィルタの入口との間に嵌合状態が形成されてよい。本発明の目的のために、振動運動を嵌合によって除塵ユニットからフィルタに伝えることができることが好ましい。振動運動は好ましくは、偏心ユニットによって形成され、これは好ましくは2つの偏心器を含んでいてよい。これらの偏心器は回転して振動を発生させ、偏心器は好ましくは同じ方向に、ただし相互に関して実質的に180度のオフセットで回転する。提案される除塵方法は好ましくは、以下のステップによって説明できる:
a)除塵ユニットを含む真空吸引装置であって、除塵ユニットが当初は真空室内の中間位置に配置され、それによって真空吸引装置の動作中に吸引流の空気がフィルタによってクリーニングされるような真空吸引装置の提供と、
b)真空吸引装置の真空室内での、第一又は第二の除塵位置がとられるようにする除塵ユニットの移動と、
c)除塵ユニットと第一又は第二のフィルタの入口との間の嵌合と、
d)除塵ユニットから第一又は第二のフィルタへの振動運動の伝達であって、第一又は第二のフィルタは振動運動により除塵される伝達と、
e)それぞれ中間位置への、又は他方の除塵位置への除塵ユニットの移動。
【0032】
本発明により、動作時間全体を通じて塵埃を真空吸引装置によって最適に収集できることが有利に保証され得、従来の真空吸引装置の場合のように、真空吸引装置のフィルタが除塵される時間に吸引性能が損なわれることはない。これは、除塵ユニットが中間位置にあることと、両方のフィルタが吸引流内の空気のクリーニングに利用できることとのいずれかによって実現される。代替的に、除塵ユニットは2つの除塵位置の一方にあってよく、そこでは2つのフィルタの一方がそれぞれの場合に除塵される。好ましくは、一方のフィルタの除塵中、他方のフィルタはそれぞれの場合に吸引流の空気のフィルタリングに使用でき、それによって有利な点として、真空吸引装置による集塵は真空吸引機器のフィルタの除塵と同時に行うことができ、吸引力及び/又は集塵に不利な影響を与えかねない吸引の大きな損失が発生しない。本発明の他の驚くべき利点は、提案される方法において、例えば2つのフィルタが除塵される場合でも、1つの除塵ユニットだけを提供すればよいことである。当業者は以前、例えば2つのフィルタを使用する場合は除塵ユニットも2つ提供しなければならないと想定していた。本発明のこれらの利点は、特に移動可能に形成される除塵ユニットにより実現され、これは、好ましくは変位モジュールにより駆動されるが、真空吸引装置の真空室内で移動し、真空吸引装置内の様々な機能位置をとることができる。真空室は好ましくは、真空吸引装置のタービン及び少なくとも2つのフィルタによって形成され、除塵ユニットは好ましくは、それが真空室内の中間位置にあって、フィルタの全部が真空室に流体伝導式に接続されるような方法か、又は除塵ユニットが2つの除塵位置の一方にあってよく、その各々において2つのフィルタの一方が吸引流から隔離されて、フィルタの吸引流からの隔離中にフィルタの除塵を実行できるような方法のいずれかで、移動可能に形成される。このフィルタ除塵は好ましくは、振動運動を使って行われ、例えば振動運動を除塵ユニットのタペットによってフィルタに伝えることができる。
【0033】
好ましくは、第一のフィルタは第一の除塵位置で除塵され、真空吸引装置の第二のフィルタは除塵ユニットの第二の除塵位置で除塵される。本発明の目的のために、第一のフィルタの除塵が行われた後に除塵ユニットは第一の除塵位置から中間位置又は第二の除塵位置へと移動できることが好ましい。本発明の目的のために、フィルタの除塵が行われた後に、除塵ユニットは直接他方の除塵位置へと移動することが好ましいかもしれない。除塵ユニットが第一から第二の除塵ユニットに移動する時間は好ましくは、本発明の目的のために、ΔtBewと呼ばれてよい。しかしながら、除塵ユニットが中間位置にとどまり、後のある時点で第二の除塵位置だけをとることも好ましいかもしれない。本発明の目的のために、除塵ユニットの制御は、フィルタの除塵要求に対応した方法で行われることが好ましいかもしれない。しかしながら、時間制御又は別のパラメータに基づく制御が用いられることも好ましいかもしれない。
【0034】
本発明の目的のために、振動運動の伝達が除塵ユニットとフィルタのフィルタ抽出チャネル又はフィルタ入口との間の嵌合によって行われることが最も特に好ましい。この嵌合は、特に除塵ユニットのタペットによって、及びフィルタ入口によって形成されてよい。好ましくは、第二のフィルタの除塵は、除塵ユニットが変位モジュールによって第二の除塵位置に移動される方法ステップe)の実行後に行われてよい。ステップe)はその後、例えば真空吸引装置の動作が終了するまで繰り返すことができる。本発明の目的のために、フィルタ入口は吸引チャネル又は抽出チャネルと呼ばれてもよいことが好ましい。
【0035】
本発明の他の利点は、図面の以下の説明から明らかとなるであろう。本発明の各種の例示的な実施形態が図面に示されている。図面、説明、及び特許請求の範囲は様々な特徴の組合せを含んでいる。当業者であれば、好都合に、特徴を個々に考え、これらを組み合わせて有益な別の実施形態も形成することができるであろう。
【0036】
図中、同じ及び同様の構成要素は同じ参照符号で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の好ましい実施形、特に線形ソリューションによる除塵ユニットとフィルタの配置の図を示す。
【
図2】除塵ユニットの第一のフィルタが除塵される第一の除塵位置の描写を示す。
【
図3】除塵ユニットの第二のフィルタが除塵される第二の除塵位置の描写を示す。
【
図4】本発明の好ましい実施形態、特に回転ソリューションによる除塵ユニット及びフィルタの配置の図を示す。
【
図5】除塵ユニットの第一のフィルタが除塵される第一の除塵位置の描写を示す。
【
図6】考え得る偏心器の位置と配置の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
例示的実施形態
図1は、真空吸引装置(図示せず)内の除塵ユニット(1)の配置の好ましい構成を示す。具体的には、
図1は、第一のフィルタ(4)と第二のフィルタ(5)を示し、これらはタービン(3)と共に真空吸引装置内部の真空室(2)を取り囲む。
図1に示される本発明の例示的な実施形態において、フィルタ(4及び5)は線形ソリューションで配置され、これは好ましくは、フィルタ(4及び5)が真空室(2)の下側領域に相互に実質的に平行に配置されることを特徴とする。真空室(2)内には、好ましくは回転可能に構成された除塵ユニット(1)が配置され、これは偏心ユニット(9)と、第一のタペット(10)及び第二のタペット(12)も含む。それに加えて、真空室(2)は側壁により取り囲まれ、これはタービン(3)とフィルタ(4及び5)を相互に接続する。偏心ユニット(9)は好ましくは2つの偏心器(7及び8)を有し、これらは好ましくは同じ方向に、ただし相互に関して180°のオフセットで回転できる。好ましくは2つの偏心器(7及び8)のこの相互にずれた回転によって偏心器(7及び8)の回転運動により生じる遠心力は相互に補償し合うことができる。偏心器(7及び8)の回転運動は有利な点として、トルクを発生させる効果を有し、それによってそこで振動運動を生成できる。これらの振動運動はタペット(10及び11)によって真空吸引装置のフィルタ(4及び5)に伝達でき、それによってフィルタ(4及び5)の除塵が行われる。特に、タペット(10及び11)は、フィルタ(4及び5)の入口(12及び13)を真空室(2)に関して閉鎖するように設計される。この気密又は圧密終端は好ましくは、本発明の目的のためにフィルタ(4及び5)の真空吸引装置の真空室(2)内の吸引流からの隔離と呼ばれる。好ましくは第一のタペット(10)は第一のフィルタ入口(12)を閉じることができ、他方で第二のタペット(11)は第二のフィルタ入口(13)を閉じるように設計される。
図1に示される除塵ユニット(1)の配置において、除塵ユニット(1)は中間位置にあり、ここでは両方のフィルタ(4及び5)が吸引流の空気のクリーニングに利用でき、何れのフィルタの除塵も行われない。除塵ユニット(1)は、変位モジュール(6)によって中間位置から第一の除塵位置(
図2参照)へと、又は第二の除塵位置(
図3参照)へと移動できる。この目的のために、除塵ユニット(1)の垂直運動(「線形ソリューション」)又は回転運動(「回転ソリューション」)が変位モジュール(6)によってもたらされる。
【0039】
図1にはまた、防振支持(14)も示されており、これは好ましくはフィルタ(4及び5)を真空室内に固定するために使用できる。偏心器(7及び8)間に駆動装置(15)が配置されてよく、それによって2つの偏心器(7及び8)を駆動できる。
【0040】
図2は、第一の除塵位置にある除塵ユニット(1)を示し、このとき第一のフィルタ(4)が除塵される。この位置において、第一のタペット(10)は第一のフィルタ(4)の入口(12)を閉じ、それゆえそれを真空室(2)から分離する。この隔離は好ましくは嵌合によって実現される。第一のフィルタ(4)が真空室(2)内の吸引流から第一のタペット(10)によって隔離されている期間中、有利な点として、第一のフィルタ(4)の除塵を実行でき、第一のフィルタ(4)はこの期間中、真空室(2)内の吸引流の空気のクリーニングには利用できない。特に、除塵ユニット(1)は1つの位置から他の位置へと変位モジュール(6)によって移動される。この位置変更は好ましくは、除塵ユニット(1)の垂直運動又は回転運動により起こされる。
【0041】
第一の除塵位置において、偏心器(7及び8)の回転運動により生成される振動運動は、タペット(10及び11)によってフィルタ(4及び5)に伝達でき、フィルタ(4及び5)が除塵される。タペット(10及び11)は丸みの付いた前面を有していてよく、それぞれフィルタ(4又は5)又はフィルタ入口(12又は13)と対面する。偏心ユニット(9)と対面する側において、タペット(10及び11)は好ましくは平坦な下面を有し、これは偏心ユニット(9)の側壁に実質的に平行に配置される。
【0042】
図3は、第二の除塵位置にある除塵ユニット(1)を示し、このとき第二のフィルタ(5)が除塵される。この位置において、第二のタペット(11)は第二のフィルタ(5)の入口(13)を閉じ、それゆえそれを真空室(2)から分離する。第二のフィルタ(5)が真空室(2)内の吸引流から第二のタペット(11)によって隔離されている期間中、好ましくは第二のフィルタ(5)の除塵を行うことができ、第二のフィルタ(5)はこの期間中、真空室(2)内の吸引流の空気のクリーニングに利用できない。
【0043】
図4は、いわゆる回転ソリューションによる除塵ユニット(1)とフィルタ(4及び5)の提案される配置の好ましい実施形態の描写を示す。回転ソリューションに関して、除塵ユニット(1)は、回転点(18)の周囲での回転運動を行うように設計される。この場合、この運動は好ましくは、真空吸引装置の変位モジュール(6)によってもたらされる。
図4に示される本発明の例示的実施形態において、除塵ユニット(1)は第二のフィルタ(5)に変位モジュール(6)及び接続手段(18)によって接続される。特に、除塵ユニット(1)は第二のフィルタ(5)の内側側面コンポーネント(16)に接続される。好ましくは、フィルタ(4及び5)の入口(12及び13)は側面コンポーネント(16及び17)によって形成される。これらの側面コンポーネント(16)は、相互に対向して存在し、実質的に相互に平行に形成されてよい。フィルタ入口(12、13)のそれぞれのもう一方の側面コンポーネント(17)は好ましくは、本発明の目的のために、外側側面コンポーネント(17)と呼ばれてよい。回転ソリューションでは、フィルタ(4及び5)は真空吸引装置内で相互に関して斜めに配置されてよい。例えば、第二のフィルタ(5)は想像上の水平面と傾斜角度アルファをなしてよく、他方で第一のフィルタは想像上の水平面と傾斜句角度ベータをなしてよく、傾斜角度は好ましくは、<<ベータ=180°-アルファ>>の関係によって相互に関連付けられる。
【0044】
図4は、真空吸引装置の真空室(1)の中の除塵ユニット(1)の中間位置を示し、そこでは両方のフィルタ(4及び5)が真空室(2)に関して開放している。吸引流はその結果、両方のフィルタ(4及び5)を通って流れることができ、有利な点として、フィルタ(4及び5)によりクリーニングできる。
【0045】
図5は、第一の除塵位置における除塵ユニット(1)を示し、そこでは第一のフィルタ(4)が除塵され、回転ソリューションにより、フィルタ(4及び5)は好ましくは、相互に関して斜めに配置される。この場合の第一のタペット(10)は第一のフィルタ入口(12)を閉じ、この隔離は好ましくは、嵌合によって実現される。この目的のために、接続は好ましくは第一のタペット(10)と、第一のフィルタ(4)の入口(12)を形成する側面コンポーネント(16及び17)との間に形成される。
【0046】
図6は、真空吸引装置の真空室(2)内の考え得る偏心器の位置と配置の概略図を示す。具体的には、
図6は、除塵ユニット(1)の偏心ユニット(9)の偏心器(7、8)がとり得る4つの一般的な位置を示す。部分
図1(左上)は、「長さ方向軸が外向き」の偏心器(7、8)の構成を示し、この場合、偏心器(7、8)の遠心力(20)は好ましくは同じ軸で外側に向かい、それによってこれらは、有利な点として、相互に補償し合うか、又は相互に打ち消し合う。部分
図2(左下)は、「横方向軸が時計回り方向」の偏心器(7、8)の構成を示し、この場合、偏心器(7、8)の遠心力(20)は有利な点として、時計回り方向へのトルク(19)を生成し、又は発生させ、このトルク(19)は好ましくは、本発明の目的のために回転力又は除塵力とも呼ばれる。部分
図3(右上)は、「長さ方向軸が内向き」の偏心器(7、8)の構成を示し、この場合、偏心器(7、8)の遠心力(20)は好ましくは、同じ軸で内側に向かい、それによってこれらは再び、有利な点として、相互に補償し合う。部分
図4(右下)は、「横方向軸が反時計回り」の偏心器(7、8)の構成を示し、この場合、偏心器(7、8)の遠心力(20)は相互に関して、反時計回り方向へのトルク(19)が生成され、又は発生されるような方法で配置され、トルク(19)は振動運動を生成するため、及び真空吸引装置のフィルタ(4、5)の除塵のために使用できる。
【符号の説明】
【0047】
1 除塵ユニット
2 真空室
3 タービン
4 第一のフィルタ
5 第二のフィルタ
6 変位モジュール
7 第一の偏心器
8 第二の偏心器
9 偏心ユニット
10 第一のタペット
11 第二のタペット
12 第一のフィルタ入口
13 第二のフィルタ入口
14 防振支持
15 偏心器の駆動装置
16 内側側面コンポーネント
17 外側側面コンポーネント
18 接続手段/回転点
19 トルク
20 遠心力
アルファ 第二のフィルタの傾斜角度
ベータ 第一のフィルタの傾斜角度