(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】保管システムおよび保管方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240105BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20240105BHJP
B65D 21/032 20060101ALI20240105BHJP
B65D 25/02 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
B65G1/137 A
B65D21/032
B65D25/02 C
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022210088
(22)【出願日】2022-12-27
(62)【分割の表示】P 2021158914の分割
【原出願日】2017-10-19
【審査請求日】2023-01-18
(32)【優先日】2016-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】515134368
【氏名又は名称】オカド・イノベーション・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ポール・クラーク
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュウ・ジョン・イングラム-テッド
(72)【発明者】
【氏名】ラース・スバーカー・トゥーレ・リンボ
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-525490(JP,A)
【文献】実開平06-010276(JP,U)
【文献】特開平05-058587(JP,A)
【文献】特開昭63-258389(JP,A)
【文献】特表平09-511325(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0156501(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
B65G 1/137
B65D 21/032
B65D 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管システムであって、
複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、実質的に水平な平面における、平行なレール
または軌道の第1のセッ
ト、および、前記第1のセットに対して横断するように延在する平行なレール
または軌道の第2のセッ
トと、
前記レール
または軌道の下方に位置付けられる
1つ以上の積み重ねで配置された複数の保管コンテナ
と、積み重
ねはグリッド空間の据付面積内に位置付けられ、
前記複数の保管コンテナの各保管コンテナは、前記1つ以上の積み重ねの所定の積み重ねに前記保管コンテナを通してサービスを経路決定するためのサービス経路決定手段を備え、
保管コンテナの前記
1つ以上の積み重
ねの上方で
前記レールまたは軌道上を横方向に移動するように配置され
る積込取扱デバイ
スと、前記積込取扱デバイ
スは、
1つ以上の
保管コンテ
ナまたはその部品を
前記所定の積み重ね
の上から持ち上げるように配置される持上デバイ
スを備え、
を備え、
使用する際、前記所定の積み重ねの上から前記1つ以上の保管コンテナが持ち上げられるとき、前記1つ以上の保管コンテナへのサービスが前記積込取扱デバイス中のサービス源によって維持可能であるように、前記持上デバイスは、持ち上げられる1つ以上の保管コンテナの前記サービス経路決定手段に接続するように適合された解除可能な接続手段を備える、保管システム。
【請求項2】
前記サービス経路決定手段は、各保管コンテナの側面に搭載される管、ケーブル、ワイヤ、のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の保管システム。
【請求項3】
前記サービス経路決定手段は、各保管コンテナの側表面の成形品を備える、請求項1に記載の保管システム。
【請求項4】
各保管コンテナの前記サービス経路決定手段は、
前記積込取扱デバイスのサービス源から前記サービスを受け入れるように前記持上デバイスの解除可能な接続手段に接続するように適合された第1のコネクタと、
前記1つ以上の積み重ねの所定の積み重ねの下方の保管コンテナの前記第1のコネクタに接続するように適合された第2のコネクタとを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項5】
前記第2のコネクタは、前記保管システムの所定の積み重ねの底における一次サービス源に接続するようにも適合され、前記積込取扱デバイス中のサービス源は、二次サービス源である、請求項4に記載の保管システム。
【請求項6】
前記持ち上げられる1つ以上の保管コンテナへの接続のために、前記サービスを前記積込取扱デバイスに運ぶように前記積込取扱デバイスに接続可能な頭上供給管をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項7】
前記サービスが、前記積込取扱デバイスを介して、前記持ち上げられる1つ以上の保管コンテナに送信可能であるように、前記積込取扱デバイスが解除可能に取り付けられる頭上ソケットをさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項8】
前記積込取扱デバイス
には、代替のサービス供給手段に接続する
手段が設けられ、前記代替のサービス供給手段は前記保管システムの一部を形成する、請求項1
から3のいずれか一項に記載の
保管システム。
【請求項9】
前記代替のサービス供給手段は、隣接する積み重ねにおいて最も上方の保管コンテナによって前記1つ以上の保管コンテナが持ち上げられる積み重ねに提供される、請求項8に記載の保管システム。
【請求項10】
保管コンテナの1つ以上のスタックの上方の前記レール又は軌道において横方向に移動するように、
前記1つ以上の保管コンテナを持ち上げるように配置された前記積込取扱デバイスに隣接する集団を形成するように、
使用する際、前記積み重ねの上から前記1つ以上の保管コンテナが持ち上げられるとき、前記サービスを前記積込取扱デバイスへと提供するように
配置されたさらなる積込取扱デバイスを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項11】
前記サービスは、動力、データ、信号、栄養物、水、流体、ガス、放射、光、加熱、冷却、または他のサービスのうちの少なくとも1つを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項12】
前記持上デバイスは、前記積込取扱デバイス中の前記サービス源から前記持ち上げられる1つ以上の保管コンテナに前記サービスを提供するための供給管ケーブルを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の保管システム。
【請求項13】
前記供給管ケーブルは、前記積込取扱デバイス中の複数の対応するサービス源から、前記持ち上げられる1つ以上の保管コンテナに複数のサービスを提供するように構成されている、請求項12に記載の保管システム。
【請求項14】
サービスを保管システム内の移動可能保管コンテナに提供する方法であって、
複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、実質的に水平な平面における、平行なレールまたは軌道の第1のセット、および、前記第1のセットに対して横断するように延在する平行なレールまたは軌道の第2のセットと、
前記レールまたは軌道の下方に位置付けられる1つ以上の積み重ねで配置された複数の保管コンテナと、各積み重ねはグリッド空間の据付面積内に位置付けられ、
保管コンテナの1つ以上の積み重ねの上方で前記レールまたは軌道上を横方向に移動するように配置される積込取扱デバイスと、前記積込取扱デバイスは、1つ以上の保管コンテナまたはその部品を所定の積み重ねの上から持ち上げるように配置される持上デバイスを備え、
を備え、前記方法は、
前記複数の保管コンテナの各保管コンテナに、前記1つ以上の積み重ねの所定の積み重ねに前記保管コンテナを通してサービスを経路決定するためのサービス経路決定手段を設けることと、
前記1つ以上の保管コンテナのサービス経路決定手段に接続し、前記積込取扱デバイス中のサービス源から前記移動可能保管コンテナに前記サービスを提供するように適合された、解除可能な接続手段を前記持上デバイスに設けることと、
前記所定の積み重ねから持ち上げられる前記移動可能保管コンテナの上方に前記積込取扱デバイスを位置付けることと、
前記積込取扱デバイスから前記持上デバイスを下げることと、
前記解除可能な接続手段によって、前記持上デバイスを前記移動可能コンテナの前記サービス経路決定手段に解除可能に接続することと、
前記積込取扱デバイスにおける前記サービス源から、前記サービスを前記移動可能コンテナに供給することと、
前記サービスが前記解除可能な接続手段を介して供給される間、前記所定の積み重ねから前記移動可能コンテナを持ち上げることとを含む、方法。
【請求項15】
前記持ち上げられる移動可能保管コンテナに提供するために、前記サービスを前記積込取扱デバイスに運ぶように前記積込取扱デバイスに頭上供給管を接続することさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記サービスが、前記積込取扱デバイスを介して、前記持ち上げられる移動可能保管コンテナに送信可能であるように、前記積込取扱デバイスを頭上ソケットに解除可能に取り付けることをさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記積込取扱デバイスを、前記保管システムの一部を形成する代替のサービス供給手段に接続することをさらに備える、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記代替のサービス供給手段は、隣接する積み重ねにおいて最も上方の保管コンテナによって前記移動可能保管コンテナが持ち上げられる積み重ねに提供される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記持ち上げられる移動可能保管コンテナを持ち上げるように配置された前記積込取扱デバイスに隣接する集団を形成するように、前記レール又は軌道上のさらなる積込取扱デバイスを移動させることと、
使用する際、前記積み重ねの上から前記移動可能保管コンテナが持ち上げられるとき、サービスを前記積込取扱デバイスへと提供することとをさらに備える、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記サービスは、動力、データ、信号、栄養物、水、流体、ガス、放射、光、加熱、冷却、または他のサービスのうちの少なくとも1つを備える、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記積込取扱デバイス中の前記サービス源から前記移動可能保管コンテナに前記サービスを提供するように供給管ケーブルを前記持上デバイスに設けることをさらに備える、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記供給管ケーブルを介して、前記積込取扱デバイス中の複数の対応するサービス源から、持ち上げられる移動可能保管コンテナに複数のサービスを提供することをさらに備える、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は保管システムに関する。より詳細には、排他的ではないが、本発明は、積み重ねにおける保管容器またはコンテナと、コンテナを取り上げ、移動、取り去り、または置き換えするために積み重ねの上方で動作するロボットとを有する保管システムに関する。
【0002】
本出願は、2016年10月19日に出願された英国特許出願番号GB1617727.1からの優先権を主張し、その全体の内容は本明細書により参照によって組み込まれている。
【0003】
本出願は、すべて2016年4月15日に出願され、2015年4月15日の優先日を有する英国特許公開番号GB2541766、GB2540651、GB2541055、GB2541765、およびGB2540838に関し、すべてのこれらの出願の内容は本明細書により参照によって組み込まれている。
【背景技術】
【0004】
一部の商業活動および産業活動は、多数の異なる製品の保管および回収を可能にするシステムを要求する。複数の製品ラインにおける品物の保管および回収のための1つの公知の種類のシステムは、保管コンテナまたはコンテナを互いの上に積み重ねで配置することを伴い、積み重ねは横列で配置される。保管コンテナまたはコンテナは上方からアクセスされ、横列同士の間の通路の必要性を排除し、より多くのコンテナを所与の空間に保管させることができる。
【0005】
公知の保管および回収のシステムでは、コンテナは静的であり、単に物品を保持するために存在する。所与のコンテナのIDが分かっており、例えばバーコード付けによって、その内容物にリンクされ得るが、システムにおけるコンテナは、能動的な構成部品または内臓インテリジェンスを有していない。
【0006】
輸送コンテナシステムでは、コンテナは、例えば、内容物を冷却するコンテナ、例えば果物の熟成を監視するためにといった、ガス監視システムを備えるコンテナ、個々のコンテナを港において追跡および追尾させることができる位置特定手段を備える容器に対して、監視システムおよび制御システムを備える。
【0007】
縦列および横列で積み重ねられたコンテナを取り扱うための方法が、数十年にわたってよく知られている。このようなシステムは、例えばBertelへの米国特許第2,701,065号に記載されているように、このようなコンテナの保管と関連する保管体積を縮小するために横列で配置されるが、要求される場合に特定のコンテナへのアクセスをなおも提供する、コンテナの自立した積み重ねを備える。所与のコンテナへのアクセスが、所与のコンテナを積み重ね、所与のコンテナを積み重ねから取り去るために使用できる比較的複雑な巻上機構を提供することで可能にされる。しかしながら、このようなシステムのコストは多くの状況において非実用的であり、このようなシステムは、大きな輸送コンテナの保管および取り扱いについて主に商業化されている。
【0008】
コンテナの自立した積み重ねを用い、特定の容器を回収および保管するための機構を提供する考え方は、例えばCimcorpへのEP0767113Bに記載されているように、さらに発展されている。‘113は、コンテナの積み重ねの周りで下降させられる長方形の管の形態でロボット積込取扱装置を使用して積み重ねられた複数のコンテナを取り去るための機構であって、コンテナを積み重ねにおける任意のレベルにおいて掴むことができるように構成されている機構を開示している。この方法では、いくつかのコンテナが積み重ねから一回で持ち上げられ得る。移動可能な管は、いくつかの容器をある積み重ねの最上部から別の積み重ねの最上部へと移動させるために、または、容器を積み重ねから外部の場所へと、もしくは、外部の場所から積み重ねへと移動させるために、使用され得る。このようなシステムは、単一の積み重ねにおけるコンテナのすべてが同じ製品(単一製品の積み重ねとして知られている)を含む場合、特に有用であり得る。
【0009】
‘113に記載されているシステムでは、管の高さは、コンテナの最も大きい積み重ねの高さと少なくとも同じ高さである必要があり、そのため、容器の最も高い積み重ねは、単一の動作で抜き出すことができる。したがって、倉庫などの包囲された空間で使用されるとき、積み重ねの最大高さは、積込取扱装置の管を受け入れる必要性によって制限される。
【0010】
内容が本明細書において参照により組み込まれているEP1037828B1(Autostore)は、コンテナの積み重ねがフレーム構造内に配置されるシステムを記載している。この種類のシステムが、添付の図面の
図1~
図4において概略的に示されている。ロボット積込取扱デバイスが、積み重ねの上方のほとんどの表面における軌道のシステムにおいて、積み重ねの周りで制御可能に移動させられ得る。
【0011】
ロボット積込取扱デバイスの他の形態が、例えばノルウェー特許番号317366においてさらに記載されており、その内容は本明細書において参照により組み込まれている。
【0012】
図3aは、ロボット取上システムにおける使用に適する積込取扱デバイスの1つの形態
の概略的な斜視図であり、図
3b、3cは、
図3aの積込取扱デバイスの
内部を示すために切断されている状態の概略的
な斜視図である。
【0013】
積込取扱デバイスのさらなる発展は、各々のロボット積込取扱装置が1つのグリッド空間を取り扱うだけであり、そのため積込取扱装置のより高い密度を可能にし、延いては、所与の大きさのシステムのより大きい処理能力を可能にする英国特許出願番号1314313.6(Ocado Innovation Ltd)に記載されている。
【0014】
このような公知の保管システムでは、多数のコンテナが密に積み重ねられる。コンテナの内容物は、品質低下する可能性があり、照明、加熱、もしくは冷却を要求する可能性があり、または、公知のシステムによって現在提供されていない監視もしくは制御のある形態を必要とする可能性がある。
【発明の概要】
【0015】
本発明によれば、保管システムであって、複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成する、実質的に水平な平面における、平行なレールもしくは軌道の第1のセット、および、第1のセットに対して横断するように延在する平行なレールもしくは軌道の第2のセットと、積み重ねで配置され、レールの下方に位置付けられる複数の保管コンテナと、各々の積み重ねはグリッド空間の据付面積内に位置付けられる、グリッドに配置され、積み重ねの上方でレールにおいて横方向に移動するように配置される少なくとも1つの積込取扱デバイスと、積込取扱デバイスは、1つもしくは複数のコンテナまたはその部品を積み重ねから持ち上げるように配置される持上デバイスを備える、を備え、複数個のコンテナは、そのコンテナまたは各々のコンテナにサービスを提供し、それによって積み重ね内の個々のコンテナに追加の機能を実施させることができるようにするためのサービス手段を備え、持上デバイスは、積込取扱デバイスを、持ち上げられるコンテナに接続するための解除可能に接続する手段を備え、電気的に接続する手段は、保管システム内で積み重ねから持ち上げられるときにコンテナへの動力、データ、信号、または他のサービスを維持するように作用する、保管システムが提供される。
【0016】
本発明によれば、保管システム内のコンテナへのサービスを維持する方法であって、システムから取り去られるコンテナの上方に積込取扱デバイスを位置決めするステップと、持上手段を積込取扱デバイスから下降させるステップと、前記持上手段は、コンテナに解除可能に接続する接続手段を備え、コンテナを保管システムから持ち上げるステップと、積込取扱デバイスを介したコンテナへの動力、データ、信号、または他のサービスの接続を維持するステップとを含む方法がさらに提供される。
【0017】
有利には、本発明の一形態によれば、保管システム内の個々のコンテナには、物品に加えて、または、物品の代わりに、サービスが提供されてもよく、例えば保管システムの直立部を介して供給される動力の除去による容器内に保管されたデータまたは情報の損失なしで、なおもシステムから取り去られ得る。
【0018】
さらに、保管システム内の個々のコンテナは、物品を含まなくてもよいが、他のコンテナへの提供のために、または、システムの状態を監視もしくは制御するためにサービスを含んでもよく、この方法では、コンテナに含まれるデータの完全性が保護される。
【0019】
この方法では、個々のコンテナに提供されたサービスに依存して、内容物は、連続的に動力供給され得ると共に、システム内のコンテナの制御もしくは監視、または、システム内の記憶手段もしくは処理手段内に保存されるシステムに関するデータが維持されるようにコンテナ同士の間のデータ流れが維持され得る。
【0020】
さらに、コンテナへの動力およびデータの接続が、コンテナを持ち上げて運ぶ積込取扱デバイスへの電気的接続および/またはデータ接続のおかげで維持されるため、例えば温度、水分、照明、または他のパラメータといった、容器内のサービスおよび状態が維持され得る。制御機能は、容器におけるローカル制御システム、または、信号をコンテナにおけるアクチュエータに送る中央システムのいずれかによって提供され得る。さらに、制御および監視は、隣接しないコンテナ同士の間で、ワイヤレスまたは他の手段を介してのピアツーピア通信について達成され得る。送信されたデータは、保管システム全体を状態監視するために、容器の状態、容器の内容物についての情報を提供し得るか、または、隣接するコンテナについての情報を提供し得る。さらに、この方法では、コンテナは、容器の特定の内容物によって要求されるように、加熱または冷却され得る。これらのサービス、データ、および制御能力のすべてが、どんな理由であっても、積み重ねからのコンテナの取り去りにおいて維持される。
【0021】
この方法では、本発明は、先行技術の問題を克服し、信頼性を高め、コンテナがサービス、記憶手段、または処理手段を備える大きな容器を取り扱う保管システムの全体のコストを低減させるシステムおよび方法を提供する。
【0022】
ここで、本発明は、添付の概略的な図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】保管システムにおけるコンテナの複数の積み重ねを収容するためのフレーム構造の概略的な斜視図。
【
図2】
図1のフレーム構造の一部の概略的な平面図。
【
図3a】
図1および
図2のフレーム構造との使用のためのロボット積込取扱デバイスの一形態
の概略的な斜視図。
【
図3b】
図1および
図2のフレーム構造との使用のためのロボット積込取扱デバイスの一形態の
内部を示すために切断されている状態の概略的な斜視図。
【
図3c】
図1および図2のフレーム構造との使用のためのロボット積込取扱デバイスの一形態の内部を示すために切断されている状態の概略的な斜視図。
【
図4】
図3a、
図3b、および
図3cにおいて示された種類の積込取扱装置デバイスを複数備え、本発明の一形態によるロボットサービスデバイスと一緒に、
図1および
図2のフレーム構造に設置された、公知の保管システムの概略的な斜視図。
【
図5a】コンテナの少なくとも1つの側面に位置付けられた経路決定手段を介して供給される接続手段を介して接続されたサービスおよびユーティリティを備えるコンテナの一形態のある側の見え方を示す概略的な斜視図。
【
図5b】コンテナの少なくとも1つの側面に位置付けられた経路決定手段を介して供給される接続手段を介して接続されたサービスおよびユーティリティを備えるコンテナの一形態の反対側の見え方を示す概略的な斜視図。
【
図6a】照明手段および流体供給手段を備えるコンテナの別の形態の概略的な斜視図。
【
図6b】照明手段および流体供給手段を備えるコンテナの別の形態の概略的な斜視図。
【
図7a】
図5aのコンテナにおける接続器手段の拡大図。
【
図7b】
図5bのコンテナにおける経路決定手段の拡大図。
【
図8a】コンテナまたはその一部において照明手段を備えるコンテナの概略的な斜視図。
【
図8b】コンテナまたはその一部において照明手段を備えるコンテナの概略的な斜視図。
【
図8c】コンテナまたはその一部において照明手段を備えるコンテナの概略的な斜視図。
【
図9】コンテナが積み重ねにおいて積み重ねられるときに協働するコンテナにおける接続器を示す、
図6aおよび
図6bのコンテナの積み重ねの概略的な斜視図。
【
図10】コンテナが保管および回収のシステムの一形態の骨組み内に位置付けられ、接続器が保管および回収のシステムの基礎に位置付けられる供給手段にさらに接続する、
図9のコンテナの積み重ねの概略的な斜視図。
【
図11】保管および回収のシステムの基礎と、積み重ね内の最も下のコンテナとの間の接続の概略的な斜視図。
【
図12】流体供給手段を備え、流体貯留部をさらに備えるコンテナの概略的な斜視図。
【
図13】コンテナの少なくとも1つの側に位置付けられた接続手段を介して接続可能な所与のサービスを各々が備える複数のより小さいコンテナを備えるコンテナの概略的な斜視図。
【
図14】コンテナを、積込取扱デバイスの内部または表面に位置付けられた動力供給部へと電気的に接続するための手段を備える解除可能な接続手段を備える持上手段を備える、本発明の一形態による積込取扱デバイスの概略的な斜視図。
【
図15】コンテナを積込取扱デバイスに電気的に接続するための電気的に接続する手段の一形態をより詳細に示す、
図14の持上手段の拡大した概略的な斜視図。
【
図16】コンテナの各々が直ぐ上方および/または下方でコンテナに電気的に接続されており、各々の積み重ねの最下部におけるコンテナが保管システム内に位置付けられる動力源に電気的接続され、コンテナ同士の間の前記接続、または、コンテナとシステムの基礎との間の前記接続は、積込取扱デバイスの持上デバイスが接続されるときに解除可能である、保管システムの直立部の中における状況における複数個の積み重ね可能なコンテナを示す保管システムの一部分の概略的な斜視図。
【
図17】持上デバイスが所定位置にあり、保管システム内のコンテナの積み重ねのうちの1つの最も上のコンテナに接続されており、動力および/または信号の接続がデイジーチェーン状のケーブルを介して積込取扱デバイスへと提供されている、本発明の一形態による持上デバイスを示す、
図16のシステムの一部分の概略的な斜視図。
【
図18】持ち上げられており、適切なケーブルを介して積込取扱デバイスに電気的に接続されているコンテナを、コンテナの積み重ねから持ち上げる本発明の一形態による持上デバイスを示す、
図16および
図17のシステムの一部分の概略的な斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1および
図2に示しているように、容器10として知られている積み重ね可能なコンテナが、積み重ね12を形成するために互いの上に積み重ねられている。積み重ね12は、倉庫または製造の環境においてフレーム構造14に配置されている。
図1はフレーム構造14の概略的な斜視図であり、
図2は、フレーム構造14内に配置された容器10の単一の積み重ね12を示す上から下を見た図である。各々の容器10は、典型的には、複数の製品品物または物品(図示せず)を保持しており、容器10内の製品品物は、同一であり得る、または、用途に応じて異なる製品の種類のものであり得る。
【0025】
フレーム構造14は、実質的に水平の部材18、20を支持する複数の直立部材16を備える。実質的に平行で実質的に水平の部材18の第1のセットが、直立部材16に支持された複数の水平なグリッド構造を形成するために、実質的に平行で実質的に水平の部材20の第2のセットに対して垂直に配置されている。部材16、18、20は、典型的には金属から製造される。容器10はフレーム構造14の部材16、18、20の間で積み重ねられ、そのためフレーム構造14は、容器10の積み重ね12の水平移動を防ぎ、容器10の鉛直方向移動を案内する。
【0026】
フレーム構造14の最上部は、積み重ね12の最上部にわたってグリッドパターンで配置されたレール22を備える。追加で
図3および
図4を参照すると、レール22は複数のロボット積込取扱デバイス30を支持している。平行なレール22の第1のセット22aは、フレーム構造14の最上部にわたる第1の方向(X)における積込取扱デバイス30の移動を案内し、第1のセット22aに対して垂直に配置された平行なレール22の第2のセット22bは、第1の方向に対して垂直な第2の方向(Y)において積込取扱デバイス30の移動を案内する。この方法では、レール22は、X-Y平面における2つの次元において積込取扱デバイス30の移動を許容し、そのため積込取扱デバイス30は積み重ね12のいずれかの上方の位置へと移動させられ得る。
【0027】
各々の積込取扱デバイス30は、積み重ね12の上方で、フレーム構造14のレール22において、XおよびYの方向において進むように配置される車両32を備える。車両32の前部における一対の車輪34と、車両32の後部における一対の車輪34とから成る車輪34の第1のセットが、レール22の第1のセット22aの2つの隣接するレールと係合するように配置されている。同様に、車両32の各々の側における一対の車輪36から成る車輪36の第2のセットが、レール22の第2のセット22bの2つの隣接するレールと係合するように配置されている。車輪34、36の各々のセットは持ち上げおよび下降させることができ、そのため車輪34の第1のセットまたは車輪36の第2のセットのいずれかが、どの時点においてもレール22a、22bのそれぞれのセットと係合させられる。
【0028】
車輪34の第1のセットがレールの第1のセット22aと係合させられ、車輪36の第2のセットがレール22から明らかに持ち上げられるとき、車輪34は、積込取扱デバイス30をX方向において移動させるために、車両32に収容された駆動機構(図示せず)を用いて駆動され得る。積込取扱デバイス30をY方向において移動させるためには、車輪34の第1のセットがレール22から明らかに持ち上げられ、車輪36の第2のセットがレールの第2のセット22bとの係合へと下降させられる。そのため、駆動機構は、Y方向への移動を達成するために、車輪36の第2のセットを駆動するために使用され得る。
【0029】
この方法では、1つまたは複数のロボット積込取扱デバイス30が、中央取上システム(図示せず)の制御の下で、フレーム構造14における積み重ね12の上面の周りで移動できる。各々のロボット積込取扱デバイス30には、要求される製品にアクセスするために、積み重ね12から1つまたは複数の容器またはコンテナを持ち上げ出すための手段が提供されている。この方法では、複数の製品が、どの時点においても、グリッドおよび積み重ねにおける複数の場所からアクセスされ得る。
【0030】
要求されるコンテナ10が積み重ね12の最上部にない場合、各々の積込取扱デバイスは単一のコンテナ10を運ぶことだけでき、そのため複数の積込取扱デバイスが目標のコンテナ10にアクセスするために協働する必要があることは、理解されるでしょう。
【0031】
図4は、前述したような典型的な保管システムを示しており、システムは、コンテナ10を積み重ね12から回収し、コンテナ10を積み重ね12へと置き換えるように協働するために、積み重ね12において活動する複数の積込取扱デバイス30を有する。目標のコンテナ10の追跡において積み重ね12から取り去られて欲しくないコンテナ10は、空いている位置における積み重ね12へと戻して置かれる。
【0032】
図1および
図4は、保管システム内の積み重ね12における容器10を示している。任意の所与の保管システムにおいて多数の容器またはコンテナがあり得ることと、積み重ね12における容器またはコンテナの中に多くの異なる物品が保管され得ることとは理解されるものであり、各々の容器またはコンテナは、単一の積み重ね12内において異なる物品を収容してもよく、または、同様の物品は、所与の積み重ねにおける容器またはコンテナ10に保管されてもよく、または、複数の異なる在庫の品物または物品が個々のコンテナ10に保管されてもよい。前述のシステムがオンラインショッピングEコマースソリューションにおける食料品店で保管および回収するように考えられている一方で、他の使用が考えられることと、小包および手紙などの他の品物がコンテナ10において保管され得ることとは、理解されるでしょう。
【0033】
好ましくは、本発明の第1の実施形態では、容器またはコンテナは記憶手段または処理手段などを備える。容器またはコンテナのすべてが記憶手段または処理手段を備え得ることは、理解されるでしょう。代替で、容器またはコンテナの一部分だけが記憶手段または処理手段を備えてもよい。記憶手段または処理手段は、数学機能または計算機能に適した計算手段または任意の他の手段を備え得る。
【0034】
図5aおよび
図5bは適切なコンテナの1つの形態であるコンテナ10を示しており、コンテナ10は、隣接するコンテナ10との間に干渉嵌合を形成する協働面によって、積み重ねで保持させることができる。
図5aおよび
図5bのコンテナ10は、コンテナがコンテナ10の積み重ね12を形成するために協働することになる協働面において、接続手段40を追加的に備える。
図5aおよび
図5bに示した接続手段40は、コンテナ10の上の縁に位置付けられた押し込み式オス接続器40を備える。コンテナの下の縁はメス接続器を備える。2つのコンテナは、成形品としてコンテナ10の一部を形成できる、または、コンテナ10の側の表面に搭載される管、ケーブル、ワイヤ、または他の経路決定手段であり得る経路決定手段によってつなげられる。接続器手段および経路決定手段のこの形態が、使用され得る接続器および経路決定手段の単なる1つの形態であり、解除可能な接続器の任意の適切な形態は、積み重ね12に出入りするコンテナの移動において要求されるように、掛止めまたは接続と掛止め解除または接続解除とができることは理解されよう。
【0035】
例えば、接続手段40は、コンテナ10の協働面に沈着された導電層を備えてもよく、または、2つ以上のコンテナ10の間で動力、データ、または他の信号を運ぶことができる接点または任意の他の接続手段として、バネの装填された接点またはバネを備えてもよい。例えば磁気誘導またはRF誘導および光学的方法といった、動力送信の非接触式の方法が使用されてもよい。さらに、接続手段40は、積み重ねにおける2つ以上の協働するコンテナ10の間で信号またはデータを運ぶことができる炭素添加ゴム接点を備えてもよい。
【0036】
コンテナが、干渉手段によって、または、成形された協働面を有する隣接するコンテナ10によって、積み重ね12において保持され得る一方で、コンテナ10は、適切な掛止め手段(図示せず)を介して一体に掛かり止めされ得る。掛止め手段は、2つ以上のコンテナ10を積み重ね12において一体に解除可能に掛止めするように作用できる。掛止め手段は、積込取扱手段が個々のコンテナ10または一体に掛かり止めされた複数のコンテナ10を持ち上げ得る順番で遠隔操作できなければならない。任意の形態の遠隔で掛止めおよび掛止め解除する手段が使用できる。例えば、電磁的な掛止め手段、または、機能を実施するのに適した任意の他の手段。
【0037】
図5aおよび
図5bは、例えば加熱手段56、冷却手段58、データロギング手段44、通信手段46、および/または、
図6aおよび
図6bにおける照明手段60に、動力を供給するための動力供給手段42を備える個々の容器10をさらに示している。動力が積み重ね12における隣接するコンテナ10へと送信される場合、容器10は、そのサービスまたは各々のサービスへの動力を制御し、積み重ね12における他のコンテナ10への動力を制御するために、動力制御手段43をさらに備える。動力制御および制御手段を備えるコンテナ10が、加熱器56、冷却器58、照明60、または動力を要求する任意の他のサービスに動力を与え得ることは、理解されるでしょう。動力を要求するあらゆるものが動力供給手段42を利用できる。動力供給手段は、電池を備え得る、または、外部動力源からの動力を、保管システムの基礎から、もしくは、グリッドの直立部16を介して、コンテナ10における接続手段52を通じて送信するための手段を備え得る。
【0038】
さらに、動力、データ、または任意の他の信号が、倉庫の床に位置付けられた動力および/またはデータの接続器を介して、積み重ね12におけるコンテナ10へと供給され得る。動力は、コンテナ10の協働面において接点52を介して積み重ね12まで送信され得る。また、サービスは、床からコンテナ10の積み重ね12を上へ流してもよく、例えば、冷却流体または加熱流体がこの手法で利用され得る。
【0039】
図5aおよび
図5bは、少なくともデータロギング手段44と、記録されたデータを遠隔中央データロギングデバイスへと送信するための通信手段46とを備える個々の容器10をさらに示している。データロギング手段44は、例えば温度、例えば腐敗した果物の結果としての何らかのガス排出、および湿度といった容器10における状態を監視するのに適したセンサを備える。データロギング手段44および通信手段46は、個々のコンテナ10の内容物および状態を監視させることができる。
【0040】
さらに、システムにおける積み重ね12においての特定のコンテナ10についての情報を知ることで、全体としての保管システムの状態を監視させることができる。容器またはコンテナ10はそれ自体匿名であり得るが、固有のIDが保管システムにおける各々の容器またはコンテナ10に割り当てられ得る。この方法では、各々の容器またはコンテナ10の場所(および、関連して、その内容物)が、通信手段を介してシステムによって追跡可能および特定可能であり得る。この方法では、容器またはコンテナ10のトポロジが、下方にコンテナ10がないという知識を有する任意の積み重ねにおける直に隣接する容器またはコンテナ10および最も下の容器またはコンテナ10のIDの知識を各々の容器またはコンテナ10が有する結果として構築され得る。
【0041】
例えば、WiFi、Bluetooth(登録商標)、3線シリアル、SigFox、または、その内容が本明細書により参照によって組み込まれているOcado Innovation Limitedへの英国特許出願番号GB1509793.4において記載されているものなどの他のプロプライエタリシステム(proprietary systems)といった、任意の通信の種類および方法が使用され得ることは、理解されるでしょう。任意の他の適切な通信手段またはプロトコルが使用され得ることは、理解されるでしょう。
【0042】
図5aおよび
図5bは、積み重ね12からの個々のコンテナ10をさらに示しており、コンテナ10は、加熱手段56および/または冷却手段58と、容器10における温度を監視するための温度監視手段50とを備える。加熱手段56は、例えば高温空気といった直接的な手段、もしくは、例えば放熱器手段といった間接的な手段を介して、高温流体の流れを備え得るか、または、電気ヒータもしくは電磁誘導ヒータをさらに備え得る。
【0043】
冷却手段58は、ペルチェ冷却器を備え得るか、または、例えば低温空気といった直接的な手段、もしくは、例えば圧縮機駆動される氷スラリーを含む、放熱器手段といった間接的な手段を介して、低温流体の流れを備え得る。
【0044】
これらの方法では、個々のコンテナ10の温度は、個々の容器10の内容物に応じて監視、制御、および変化させられ得る。容器の内容物が冷却または凍結される必要がある場合、保管システムにおける積み重ね12の一部分を空間の加熱器および冷却器によって所定の温度で維持させるように要求するのではなく、個々の容器が、冷却については5℃で維持される温度を有し、冷凍についてはより低い温度を有することができる。
【0045】
これらは単に例であり、加熱器または冷却器が所望の効果を達成するために使用され得る任意の適切な形態であることが理解されよう。容器またはコンテナ10は、各々の容器またはコンテナ10が上方に位置付けられた容器またはコンテナ10によって例えば気密の様態で封止されるように、設計および配置され得る。各々の積み重ね12における最も上の容器またはコンテナ10には、最も上の容器またはコンテナ10を封止するために、図示されていない蓋が設けられ得る。この様態で容器またはコンテナ10を封止することで、個々の容器またはコンテナの内部の温度を、適切な加熱手段または冷却手段によってより容易に制御させることができる。
【0046】
図6aおよび
図6bは、照明手段60と流体供給手段72とを備える容器またはコンテナ10の代替の形態を示している。同じ接続器40および17は、照明手段60への動力を、または、例えば流体供給手段72への水を、経路決定するために使用できる。
【0047】
図7aおよび
図7bは、オス接続器40、および、容器またはコンテナ10の表面または内部に位置付けられたメス接続器17の拡大図を示している。
図7aおよび
図7bは、コンテナ10の積み重ね12における隣接する容器またはコンテナ10同士の間の接続を形成できる接続手段の単なる一例を詳細に示している。
【0048】
図8は、積み重ね12からの個々の容器またはコンテナ10の3つの例を示しており、容器またはコンテナ10は照明手段を備える。照明手段60は、下方の容器10を照らすために容器の底に設けられ得る。代替で、照明手段60は、適切な電球、LED、または任意の他の適切な照明の形態を含む蓋62を備えてもよい。蓋62は、容器10に取り外し可能に取り付けでき、積み重ね12からの容器10の取り去りの間に折り畳んでおくことができる。ここでも、照明手段60への動力供給部は、コンテナ10に位置付けられた接続器手段40および17を介して供給される。
【0049】
図9は、
図8で示した容器またはコンテナ10の積み重ね12を示している。容器またはコンテナ10は流体供給手段と照明手段60とを備える。接続器40および17は、各々の容器またはコンテナ10と、直ぐ上方および下方の容器またはコンテナ10とを接続するために、一体的に協働する。この方法では、照明手段60に動力供給するための動力、または、個々のコンテナ10の内容物を灌漑するための水などのサービスが、積み重ね12における容器を通じて経路決定され得る。
【0050】
図10は、複数の容器またはコンテナ10が位置付けられている保管システムの骨組み14の一部分を示しており、容器またはコンテナ10は、ワイヤ、ケーブル、管、または任意の他の適切な手段17によって、システムの骨組み14を通じて上向きにサービスを運ぶ。
図10においてより詳細に見られるように、積み重ね12における最も下の容器またはコンテナ10は、接続器72を介して保管システムの基礎を通じて経路決定された供給手段に接続する。基礎における供給手段は、
図10に示したようなシステムの仮の基礎76に位置付けられ得るが、保管システムを備える建物の床の下で経路決定されてもよい、または、他の手段を介して経路決定されてもよいことが理解されよう。
【0051】
図11は、容器またはコンテナ10の積み重ね12と、システムの基礎76における供給手段との間の接続手段をより詳細に示している。これが適切な接続手段の単なる1つの例であることと、容器またはコンテナ10を動力、データ、電気、照明、遠隔通信、または任意の他の供給もしくはサービスに解除可能に接続する任意の接続器システムが考えられ得ることとは、理解されるでしょう。
【0052】
図12は、積み重ね12からの本発明による個々の容器またはコンテナ10のなおも別の形態を示しており、容器またはコンテナ10は、流体供給手段72を備え、流体貯留部74をさらに備える。容器またはコンテナ10の内容物は、容器またはコンテナ10へと供給される水を要求できる。したがって、容器またはコンテナ10には、液体またはガスで充填され得る貯留部54が供給される。貯留部74を満たすために、容器またはコンテナ10は、ロボット積込取扱デバイスによって積み重ね12から取り去られ、要求されるように、貯留部が最も上にされ得るシステムにおける場所へと持って行かれ得る。代替で、要求される流体は、グリッドシステムの直立部16を介して特定のコンテナ10へと経路決定され得る。
【0053】
図13は、容器またはコンテナ100が複数のより小さい容器またはコンテナ110を備える本発明のさらなる実施形態を示しており、より小さい容器またはコンテナ110の各々は、容器またはコンテナ10の少なくとも1つの側に位置付けられた接続手段17、40を介して接続可能な所与のサービスを備える。
【0054】
使用中、図を参照して前述した保管システムは、積み重ね12に配置された多数の容器またはコンテナ10を備える。一例では、保管システムは、システム内に分散された異なる分類の容器またはコンテナ10を備える。例えば、空の容器またはコンテナ10、保管される物品を含む容器またはコンテナ10、動力供給部、通信手段、データ伝送手段、またはデータ保存手段などのサービスを含む容器またはコンテナ、加熱ができる容器またはコンテナ10、冷却ができる容器またはコンテナ10、液体および/または光を要求する物品を備える容器またはコンテナ10があり得る。容器またはコンテナ10の一部または全部が、先に言及されたサービスまたはデバイスのうちの1つまたは複数を含んでもよいことは、理解されるでしょう。例えば、貯留部54を伴う容器またはコンテナ10には照明手段60が設けられてもよい。
【0055】
積み重ね12内の容器またはコンテナ10にデータロギング手段および状態監視手段を設けることは、そうでない場合に特定の容器またはコンテナ10が取り去られて検査されない場合には可能とはならない、システムの状態およびトポグラフィのマップを作成させることができる。さらに、複数個の容器またはコンテナ10内にカメラ手段を含むことで、グリッドの状態および/または他の容器またはコンテナ10を検査するために、コンテナをシステムの周りで移動させることができる。
【0056】
さらに、直立部16を介してかまたは容器同士の接点を介してかのいずれかで、特定の個々の容器またはコンテナ10にサービスを提供することは、システムを分割することを用いて、異なる要件を伴う物品をグリッドの別々の区域へと分離することなく、異なる要件を有する物品を同じ保管システム内で保管させることができる。
【0057】
また、容器またはコンテナ10同士の間の接続と、コンテナ10と積み重ね12との間の通信とは、例えば可及的な災害からの復旧において助けとなる、停電の場合において助けとなるリアルタイムでの保管システムの知識基盤を作成する。取って代わるものは、すべてのコンテナを空にし、積み重ねを再構築することであり、これは非効率的でありコストが掛かる。
【0058】
先に記載したシステムは多くの異なる使用を有する。前述の記載は、以下の状況の一部において使用され得るサービスの特定の制御および監視の詳細を提供している。本発明の態様による、高性能な容器またはコンテナ10のシステムのための用途の一部の非限定的な例は、限定されることはないが、以下のものを含み得る。
【0059】
温度感知手段を備える容器またはコンテナ10が、保管システムの冷却区域、冷凍区域、または環境区域における温度を監視するために使用されてもよい。例えば、システムの環境部分における温度の上昇は、チョコレートの溶解または引火物の引火をもたらす可能性がある。これは、より暖かい気候における夏季の月において特に問題となり得る。
【0060】
カメラ手段を備える容器またはコンテナ10は、グリッドの状態と、積み重ね12における他の容器またはコンテナ10とを監視するために使用されてもよい。ロボット積込取扱デバイス30は、要求されるように、システム、他の容器もしくはコンテナ10、または積み重ね12の一部分を検査するために、容器またはコンテナ10を保管システムの周りで移動させるために使用されてもよい。これは、システムにおける漏れ、または、システム、グリッド、または容器もしくはコンテナの完全性に問題があった場合に関係する可能性がある。
【0061】
各々の個々のコンテナ10内の容器またはコンテナ10の特定手段が、容器もしくはコンテナ10同士または積み重ね12同士の間の通信手段と共に、ピアツーピアIDが可能である、保管システムのトポロジのプロフィールを作り出すために使用されてもよい。積み重ねを制御するシステムの最悪の失陥の場合、トポロジ情報が災害復旧の状況を作り出すために使用され得る。
【0062】
個々の容器またはコンテナ10には、個々の容器またはコンテナ10または全体としてのシステムの検査を支援するために、監視およびカメラの手段と併せての使用のために、照明手段60が設けられてもよい。さらに、容器またはコンテナ10の内容物は、特定の波長または波長の範囲の照明から恩恵を受ける可能性がある。例えば、未熟な果物が適切な照明を使用することとされる可能性がある。また、栽培の目的のために容器またはコンテナ10を使用することが可能であり得る。
【0063】
保管の容器またはコンテナ10には、ガス、煙、火、または熱を検出するためにセンサが設けられてもよく、センサは火を消すためにスプリンクラーシステムを作動させる。
【0064】
保管システムが、例えば、その内容が本明細書において参照により組み込まれている英国特許公開番号GB2540838に記載されているように、機械化された駐車場で車を保管するために使用される場合、火または煙を検出するセンサがスプリンクラーを作動させることができ、通信手段が、中央監視システムと直接的に通信するために、または、緊急サービスへと直接的に通信するために、設けられ得る。
【0065】
ガス感知手段を備える容器またはコンテナ10が、システムの冷却部分における果物の状態を監視するために使用されてもよい。熟している果物はガスを放出し、そのためこれらの特定のガスを監視することは、保管における果物の熟し過ぎの指標を提供できる。これが検出される場合、容器内に冷却手段を有するコンテナ10は、内容物の熟し過ぎを防止するために冷却され得る。
【0066】
容器またはコンテナ10が小包などの代わりの物品を保管するために使用される場合、容器またはコンテナ10は、その先の流通の前に保管において小包の重量を監視するために、秤などの計量手段を含み得る。
【0067】
ある形態のサービスを備えるすべての容器またはコンテナ10が、動力接続、データ接続、または信号接続を容器またはコンテナ10内のサービスまたはデバイスへと運ばせることを要求することになることは、先の記載から明らかとなる。前述したように、容器またはコンテナ10同士の間、または、積み重ねの最も下の容器またはコンテナ10との間の電気接続40が、干渉接続などの任意の適切な形態のもの、または、容器またはコンテナ10とシステムの基礎またはシステム内の直立部との間で、要求される動力、データ、または信号を運ぶことができる他の適切な解除可能な接続器であり得る。
【0068】
本発明の一実施形態では、容器またはコンテナ10は、ルータ、計算機、またはサーバ(図示せず)などのインテリジェンス手段を備える。インテリジェンス手段は、システムにおける容器またはコンテナ10にわたって、ピアツーピア通信を介して通信できる。さらに、通信は、空気通信を通じた非接触光を介して行われてもよく、しかしながら、コンテナ10同士の間の通信のための任意の他の適切な手段が検討および使用されてもよい。
【0069】
インテリジェンス手段は、前述した手段など、適切な動力供給手段および動力制御手段によって動力供給および制御され得る。
【0070】
容器またはコンテナ10の近接性を利用することで、容器またはコンテナ10に位置付けられたインテリジェンス手段同士の間に比較的短い通信距離を有するシステムを提供する。比較的短い距離はインテリジェンス手段同士の間の待ち時間を短縮し、システムは迅速で力強い動作が可能である。
【0071】
このようなシステムは大きな冷却を要求し得る。このような冷却手段は、前述したように、または、システムの基礎から骨組み14の直立部16を上へと通された冷却手段を介して、提供され得る。
【0072】
容器またはコンテナ10が骨組み14内の積み重ね12からの取り去りを要求する場合、容器またはコンテナ10が、積み重ね12の最上部から、積み重ね12内から、または、積み重ね12の最下部から取り去られるとき、データ、信号、動力などの損失が起こり得ることは、理解されるでしょう。これは、前述したような理由のためであり、容器またはコンテナ10は、それらの動力を、積み重ね12の基礎から、および、保管システムの下から、基礎における接続器70と積み重ね12内の接続器40とを介して取る。容器またはコンテナ10は、修復の理由のため、再分配の理由のため、所与の容器またはコンテナ10内のシステムまたはサービスを変更させることができるようにするために、および、多くの他の理由のため、積み重ね12からの取り去りを要求できる。
【0073】
保管システムの周りでの容器またはコンテナ10の移動を容易にするために、または、任意の所与の容器またはコンテナ10の取り去りを完全に可能にするために、取り去りまたは移動の過程にあり、延いては骨組み14を介して提供される任意のサービスから、または、前述したような保管システムの基礎からの接続解除の過程にあるとき、動力、データ、信号、または任意の他のサービスを個々の容器またはコンテナ10へと提供することが必要であり得る。
【0074】
図14に示しているように、本発明の一形態によれば、積込取扱デバイス30は持上手段39を備え、持上手段39は解除可能な接続手段40をさらに備え、接続手段40は、容器またはコンテナ10を、積込取扱デバイス30の内部または表面に位置付けられた動力供給部または他のサービス(図示せず)へと電気的または別のやり方で接続するための手段を備える。
【0075】
積込取扱デバイス30の持上デバイス39には、ケーブル80と、容器またはコンテナ10に解除可能に接続するのに適した接続手段40とが設けられている。ケーブル80は、解除可能な連結手段40を介したコンテナ10までの積込取扱デバイス30における動力、データ、または信号の供給源に接続する供給管の機能を実施する。
図14および
図15は、接続が取り得る一形態を示している。しかしながら、動力、信号、またはサービスを適切として運ぶことができる任意の形態の適切な接続器40が使用され得ることは、理解されるでしょう。ケーブル80は、要求されるサービスを運ぶことができる任意の適切な形態のケーブルであり得る。さらに、ケーブル80が、例えば、動力源を容器またはコンテナ10に接続すること、および、積込取扱デバイス内で担持されるデータ保存デバイスへとデータ信号を運ぶことといった、複数の機能を実施できることは、理解されるでしょう。
【0076】
さらに、積込取扱デバイス30は、容器またはコンテナ10をシステムから取り去ることなく容器またはコンテナ10からデータをダウンロードするための手段に利用され得る。
【0077】
図15は、コンテナを積込取扱デバイス30に電気的に接続するための電気的に接続する手段40の一形態をより詳細に示す、
図14の持上手段の拡大した概略的な斜視図である。
【0078】
この方法では、メイクビフォアブレークシステム(make before break system)が、システム内の積み重ね12からの容器またはコンテナ10の取り去りを可能にするために提供される。
【0079】
図16から
図18は、メイクビフォアブレーク接続システム(make before break connection system)の使用を実演している。
図16は、保管システムの直立部14の中における状況における複数個の積み重ね可能な容器またはコンテナ10を示す保管システムの一部分を示しており、容器またはコンテナ10の各々が、必要に応じて直ぐ上方および/または下方で容器またはコンテナ10に少なくとも電気的に接続されており、各々の積み重ね12の最下部における容器またはコンテナ10が保管システム内に位置付けられる動力源(図示せず)に電気的接続され、容器またはコンテナ10同士の間の前記接続、または、容器またはコンテナ10とシステムの基礎との間の前記接続は、積込取扱デバイス30の持上デバイス39が接続されるときに解除可能である。持上デバイス39が、容器またはコンテナ10に接続し、容器またはコンテナ10が下方で電気的に接続する容器またはコンテナ10から接続解除される前に、積込取扱デバイス30の動力源と容器またはコンテナ10との間の接続を確立することに留意することは、重要である。
【0080】
使用中、取り去られる容器またはコンテナ10と、積込取扱デバイス30との間の接続は、容器またはコンテナ10が積み重ね12から移動される前に検証されることになる。この検証は、例えば積込取扱デバイス30の動力供給部における負荷を監視することによって、または、任意の他の適切な手段によって、実施され得る。
【0081】
図17は、保管システム内の容器またはコンテナ10の積み重ね12のうちの1つの最も上の容器またはコンテナ10に位置決めおよび接続されている持上デバイス39を示しており、動力、データ、および/または信号の接続が、デイジーチェーン状のケーブル80を介して積込取扱デバイス30へと提供されている。前述したように、ケーブル80が任意の適切な形態をとることができ、図に示したケーブル80の形態に限定される必要のないことは、理解されるでしょう。任意の適切な形態のケーブル80が、積込取扱デバイス30と容器またはコンテナ10との間で要求される動力、データ、または信号を運ぶことができるように使用されることは、十分である。使用中、積込取扱デバイス30は、取り去られる容器またはコンテナ10の上方に位置決めさせられる。持上デバイス39は、適切なモータと、積込取扱デバイス30から下げられたテープ手段38とを介して下降させられる。持上デバイス39は、目的の容器またはコンテナ10と解除可能に係合する。容器またはコンテナ10と積込取扱デバイス30との間の接続が確立されると、容器またはコンテナ10は積込取扱デバイス30へと持ち上げられる。
【0082】
容器またはコンテナ10が積み重ね12における直ぐ下方の容器またはコンテナ10に機械的に接続される場合、ある形態の連動解除信号が機械的な接続を分離するために要求され得ることが理解されよう。容器またはコンテナ10同士の間の電気的接続が干渉または摩擦の接続だけである先の例では、積込取扱デバイス30の持上デバイス39が容器またはコンテナ10を力だけで互いから接続解除するのに十分となる。しかしながら、他の自動的に引き起こされる接続解除手段が要求されてもよい。
【0083】
図18は、容器またはコンテナ10の積み重ね12から容器またはコンテナ10を持ち上げる本発明の一形態による持上デバイス39を示しており、容器またはコンテナ10は持ち上げられ、前述したような適切なケーブル80を介して積込取扱デバイス30に電気的に接続される。
【0084】
使用中、インテリジェンス手段、計算機、またはサーバを備える各々の容器またはコンテナ10は、光チャネルを介して、少なくともその6個の隣接物と接続され得る。例えば、若干透明な鏡を使用することで、各々の計算機は、例えば波長分割多重方式を使用して、何らかの他のやり取りを妨げることなく、このチャネルへと送信または受信できる。この方法では、各々のノードは、システムにおける一つ置きのノードへの、光の速さの正確に定められた待ち時間での接続を有する。
【0085】
例えば、このような通信手段は、空気を通るレーザーに基づく送信を備え得る。しかしながら、例えば、隣接するものと接触するように延びる光ファイバ触手によるサービスまたは計算機の接続といった、他の通信手段が提供されてもよい。
【0086】
例えば、強力なインテリジェンス手段を各々が備える100,000個のコンテナ10について、14,000平方フィートの空間での60×60個で28個の高さの積み重ねにおいて機械に組み込まれてもよい。または、100万個のコンテナが、125,000平方フィートの建物での200×160個で33個の高さの積み重ねとされる。
【0087】
この瞬間的な定められたノードからノードへの接続性から便益を得られる多くの用途があることは、理解されるでしょう。例えば、航空機設計、気象予測または気候モデル、金融取引計算、タンパク質合成計算、および、生物全体との化学反応のシミュレーションのための流動シミュレーションなどが、このような大きく密に詰め込まれたインテリジェンス手段から有利に便益を得ることができる。しかしながら、これらの例が単なる例のために提供されており、限定ではないことは、理解されるでしょう。
【0088】
個々の容器またはコンテナ10に、1つのサービス、サービスの選択、または上述のすべてのサービスが提供されてもよいことは、さらに理解されるでしょう。さらに、列記されたサービスは限定として解釈されるべきではない。容器またはコンテナ10へと運ばれるかまたは送信されることが可能な任意の形態のサービスが検討され得る。
【0089】
さらに、本発明の実施形態が、容器またはコンテナ10がすべて実質的に同一の大きさおよび形のものである詳細なシステムで、先に記載されて図において示されているが、これが必ずしもそうであるとは限らないことは、理解されるでしょう。本明細書において参照により組み込まれている2015年4月15日に出願された英国特許出願番号1506364.7からの優先権を主張する英国特許公開番号GB2528573に記載されているように、このようなシステムが、複数の大きさのコンテナ10を持ち上げて移動させることができる異なる大きさの積込取扱デバイス30の使用によって、複数の大きさの容器またはコンテナ10を取り扱うように構成され得ることは、理解されるでしょう。
【0090】
その上、前述されて添付の図において詳解された実施形態は、保管システムが、骨組み14内に配置された積み重ね12において容器またはコンテナ10を自由な様態で備えることを仮定している。システムが、例えば温度によって定められるより小さい副区域へと、適切な位置決め手段によって区分化されてもよいことは、理解されるでしょう。この方法では、例えば、環境部分、冷却部分、および冷凍部分を有することが可能である。例えば、区分化が保管システムの区域を他の区域から隔離させることができるといった、区分化が追加の利点を有し得ることも、理解されるでしょう。これは、例えば火災があり、消火手段が火災を消すために所与の領域で使用される場合に、必要であり得る。さらに、システムが代替の使用のために使用される場合に、システムの異なる部分に異なる気体の雰囲気を有することに利点があり得る。これは、システムを区分化することによって達成され得る。例えばグリッドの下に配置されるローラーシャッタといった、区分化手段が一時的に遠隔で展開可能であり得ることは、理解されるでしょう。
【0091】
積込取扱デバイス30が、システムの骨組み14を通じて提供される固定された供給部から取り去られるように、動力、データ、信号、または、容器またはコンテナ10によって要求される他のサービスを維持するために十分な動力または他の資源を運ぶことは、前述の例において理解されるでしょう。
【0092】
しかしながら、積込取扱デバイス30に要求されるサービスが十分になくてもよいことは、理解されるでしょう。この場合、動力、データ、冷却、および、取り去られる容器またはコンテナ10によって要求される任意の他のサービスなどのサービスを維持するために、積込取扱デバイス30には、代替の手段を介して、このような要求されたサービスが提供されてもよい。これらの手段は、限定されることはないが、例えば、積込取扱デバイスに接続され、積込取扱デバイスへの接続のおかげでシステムの周りで輸送され、取り去られる容器またはコンテナ10への接続のために、要求されたサービスを積込取扱デバイスへと運ぶことができる頭上供給管を含み得る。代替で、このようなサービスが積込取扱デバイス30を介して取り去られる容器またはコンテナ10に送信されるように、頭上ソケットが、積込取扱デバイスが解除可能に付着できる保管システムの上方に位置付けられて設けられてもよい。
【0093】
さらに、積込取扱デバイス30に、骨組み14を介して提供されるサービスへの接続、または、隣接する積み重ね12における最も上方の容器またはコンテナ10への接続のための手段が設けられてもよい。この方法では、要求されるサービスは、容器またはコンテナ10が積み重ね12から取り去られるときに積込取扱デバイス30に近接して利用可能である保管システムの構成部品を通じて提供される。
【0094】
その上、システムにおいて動作する追加の積込取扱デバイス30が、要求されるサービスを、サービスを要求する容器またはコンテナ10の積み重ね12を保持している積込取扱デバイス30へと提供するために、目標の容器またはコンテナ10を持ち上げる積込取扱デバイス30に隣接する集団を形成できることは、理解されるでしょう。
【0095】
その積込取扱デバイスまたは各々の積込取扱デバイスが、積み重ね12からの1つの容器またはコンテナ10に接続、持ち上げ、および取り去りするように構成され得ることは、前述のことから理解されるでしょう。しかしながら、積込取扱デバイス30が、単一の移動で2つ以上の容器またはコンテナ10に接続、持ち上げ、および取り去りするように構成され得ることは、理解されるでしょう。
【0096】
先に記載した実施形態において、容器またはコンテナ10という用語が、保管システム内の積み重ね12において積み重ね可能な保管コンテナ10を意味するために使用されていることは、理解されるでしょう。しかしながら、保管の容器またはコンテナ10は、容器またはコンテナ10の構造内にさらなる収容手段を備えてもよい。収容手段は、収容手段と、容器またはコンテナ10と、積込取扱デバイス30との間での動力、信号、またはデータの伝送を許容するために、任意の適切な手段によって容器またはコンテナに接続され得る。これは、特に、容器またはコンテナがインテリジェンス手段または計算手段を担持するように、および、冷却を要求するように、要求される場合であり得る。
【0097】
先に明示的に記載されていない多くの変形および改良が、添付の請求項に定められているような本発明の範囲から逸脱することなく、可能でもある。
ここに、出願当初の特許請求の範囲の記載事項を付記する。
[1] 保管システムであって、
複数のグリッド空間を備えるグリッドパターンを形成するために、実質的に水平な平面における、平行なレール22もしくは軌道の第1のセット22a、および、前記第1のセットに対して横断するように延在する平行なレール22もしくは軌道の第2のセット22bと、
積み重ねで配置され、前記レール22の下方に位置付けられる複数の保管コンテナ10と、各々の積み重ね12はグリッド空間の据付面積内に位置付けられ、
前記グリッドに配置され、前記積み重ね12の上方で前記レール22において横方向に移動するように配置される少なくとも1つの積込取扱デバイス30と、前記積込取扱デバイス30は、1つもしくは複数のコンテナ10またはその部品を積み重ね12から持ち上げるように配置される持上デバイス39を備え、
を備え、
複数個の前記コンテナ10は、前記コンテナ10または各々のコンテナ10にサービスを提供し、それによって前記積み重ね12内の個々のコンテナ10に追加の機能を実施させることができるようにするためのサービス手段を備え、前記持上デバイス39は、積込取扱デバイス30を、持ち上げられる前記コンテナに接続するための解除可能に接続する手段40を備え、前記解除可能な接続手段40は、コンテナ10が前記保管システム内で積み重ね12から持ち上げられるときにコンテナ10への動力、データ、信号、または他のサービスを維持するように作用する、保管システム。
[2] 前記持上デバイスは、コンテナ10からの蓋62、コンテナ10、または複数のコンテナ10を持ち上げるための手段を備える、[1]に記載の保管システム。
[3] 前記コンテナ10のうちの一部は動力供給手段42を備える、[1]に記載の保管システム。
[4] 前記コンテナのうちの一部は動力制御手段43を備える、[1]または[2]に記載の保管システム。
[5] 前記コンテナ10のうちの一部は、センサ手段と、前記センサ手段の出力を監視するためのデータロギング手段44とを備える、[1]から[4]のいずれか一項に記載の保管システム。
[6] 前記コンテナ10のうちの一部は、隣接するコンテナ10または中央通信管理者と通信するための通信手段46を備える、[1]から[5]のいずれか一項に記載の保管システム。
[7] 前記コンテナ10のうちの一部または全部は、前記コンテナ10の内容物の温度を加熱および制御するための加熱手段47を備える、[1]から[6]のいずれか一項に記載の保管システム。
[8] 前記コンテナのうちの一部または全部は、前記コンテナ10の内容物の温度を冷却および制御するための冷却手段48を備える、[1]から[7]のいずれか一項に記載の保管システム。
[9] 前記コンテナ10のうちの一部または全部は貯留部54を備え、前記貯留部54は前記コンテナ10における流体溜めとして作用する、[1]から[8]のいずれか一項に記載の保管システム。
[10] 前記コンテナのうちの一部または全部は照明手段60を備える、[1]から[9]のいずれか一項に記載の保管システム。
[11] 前記照明手段60は、積み重ね12における前記コンテナ10または各々のコンテナ10に取り外し可能に取り付けられる蓋62を備える、[10]に記載の保管システム。
[12] 積み重ね12における個々のコンテナ10には固有のIDが提供され、前記IDは適切なセンサおよび監視手段によって追尾可能および追跡可能である、[1]から[11]のいずれか一項に記載の保管システム。
[13] 前記コンテナ10は、下方にコンテナ10がないという知識を有する任意の積み重ね12における直に隣接する前記コンテナ10および最も下の前記コンテナ10の前記IDの知識を各々のコンテナが有する結果として前記コンテナのトポロジが構築され得るように、インテリジェンス手段を備える、[1]から[12]のいずれか一項に記載の保管システム。
[14] 前記コンテナ10は、前記システム内でのコンテナ10同士の間のピアツーピア通信を可能にするように配置される通信手段46を備える、[1]から[13]のいずれか一項に記載の保管システム。
[15] 前記コンテナ10は計算手段を備え、前記計算手段は、データ集約的な計算がシステムの外部に位置付けられた制御手段の制御の下で実施できるように、コンテナ10同士の間での通信が可能である、[1]から[14]のいずれか一項に記載の保管システム。
[16] 前記持上デバイス39は適切な接続手段を介して前記コンテナ10に接続し、前記接続手段40は、コンテナ10と積込取扱デバイス30との間で動力および/または信号を運ぶように適合され、前記動力および前記信号の接続は、積込取扱デバイス30とコンテナ10との間で行われ、コンテナ10が前記積み重ね12から取り去られる前に適切な検証手段によって検証される、[1]から[15]のいずれか一項に記載の保管システム。
[17] [1]から[16]のいずれか一項に記載の保管システムを備え、複数の別々の計算手段をさらに備え、前記計算手段の各々はコンテナ10に位置付けられ、前記複数のコンテナ10は、[1]から[16]のいずれか一項に記載の保管システムに保管され、前記計算手段には、別々の計算手段の間の通信を可能にし、それによって、データ集約的な計算を中央ユーティリティの制御の下で実行させることができるように、通信手段が設けられる、スーパーコンピュータ。
[18] 前記計算手段の間の前記通信はワイヤレス通信手段を備える、[17]に記載のスーパーコンピュータ。
[19] 保管システム内のコンテナ10へのサービスを維持する方法であって、前記保管システムは、骨組み14内の積み重ね12に保管される複数のコンテナ10を備え、前記骨組み14には、前記積み重ね12の上方に位置付けられた軌道と、前記軌道において動作可能である積込取扱デバイスとが設けられ、前記システムから取り去られるコンテナ10の上方に積込取扱デバイス30を位置決めするステップと、持上手段39を前記積込取扱デバイス30から下降させるステップと、前記持上手段39は、前記コンテナ10に解除可能に接続する接続手段40を備え、前記コンテナ10を前記保管システムから持ち上げるステップと、前記積込取扱デバイス30を介した前記コンテナ10への動力、データ、信号、または他のサービスの接続を維持するステップとを含む方法。
[20] 前記サービスは、前記コンテナ10の内容物によって要求される動力、データ、信号、ガス、流体、栄養物、放射、光、または任意の他のサービスを含み得る、[19]に記載の方法。
[21] 前記積込取扱デバイス30を代替のサービス供給手段に接続するステップをさらに含み、前記代替のサービス供給手段は前記保管システムの一部を形成する、[19]または[20]に記載の方法。
[22] 前記サービスを前記代替の供給から前記コンテナ10へと適切な接続手段を介して伝達するステップをさらに含む、[21]に記載の方法。