(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】層流制限器
(51)【国際特許分類】
F15D 1/02 20060101AFI20240105BHJP
G05D 7/06 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
F15D1/02 E
G05D7/06 Z
(21)【出願番号】P 2022507557
(86)(22)【出願日】2020-08-05
(86)【国際出願番号】 US2020044980
(87)【国際公開番号】W WO2021026216
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-04-01
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518057228
【氏名又は名称】アイコール・システムズ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【氏名又は名称】朴 志恩
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【氏名又は名称】今井 千裕
(72)【発明者】
【氏名】ペンリー、ショーン、ジョゼフ
(72)【発明者】
【氏名】マッキンタイア、ザカリア、エゼキエル
(72)【発明者】
【氏名】ライト、タイラー、ジェイムズ
【審査官】古▲瀬▼ 裕介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0275185(US,A1)
【文献】国際公開第2017/057129(WO,A1)
【文献】特開2006-294678(JP,A)
【文献】特表2005-509514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15D 1/02
F16L 55/027
G01F 1/40
F28F 3/02
F28D 1/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの流れを制限するための流量制限器であって、
第1の端部と、
第2の端部と、
前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる長手方向軸に沿って前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる複数の第1の層と、
前記長手方向軸に沿って前記第1の端部から前記第2の端部まで延びる複数の第2の層と、
前記複数の第1の層および前記複数の第2の層によって区画される前記第1の端部の第1の開口部と、
前記複数の第1の層および前記複数の第2の層によって区画される前記第2の端部の第2の開口部と、
を備え、ここで、流路は、前記複数の第1の層および前記複数の第2の層によって区画され、かつ前記第1の開口部から前記第2の開口部まで延び、前記第1の開口部は、前記複数の第1の層のうちの一つ目の層によって形成される第1のエッジ、前記複数の第1の層のうちの二つ目の層によって形成される第2のエッジ、前記複数の第2の層のうちの一つ目の層によって形成される第3のエッジ、および前記複数の第2の層のうちの前記一つ目の層によって形成される第4のエッジを含む、流量制限器。
【請求項2】
複数の前記第1の開口部、複数の前記第2の開口部、および複数の前記流路を含み、前記複数の流路のそれぞれは、前記複数の第1の開口部のうちの1つから前記複数の第2の開口部のうちの1つまで延びる、請求項1に記載の流量制限器。
【請求項3】
前記複数の第1の層および前記複数の第2の層が抵抗器スタックに配置され、前記抵抗器スタックは、前記複数の第1の層のうちの1つおよび前記複数の第2の層のうちの1つが交互に配置されたものを含む、請求項1に記載の流量制限器。
【請求項4】
前記複数の第1の層の各層が、前記複数の第1の層の他のすべての層から離間して分離されている、請求項1に記載の流量制限器。
【請求項5】
前記複数の第1の層および前記複数の第2の層が抵抗器スタックを形成する、請求項1に記載の流量制限器。
【請求項6】
前記抵抗器スタックは、前記流量制限器の前面および反対側の背面を形成する複数の外層をさらに含む、請求項5に記載の流量制限器。
【請求項7】
複数の第1の層のそれぞれが、(a)第1の側面、前記(a)第1の側面の反対側の(b)第2の側面、(c)第3の側面、前記(c)第3の側面の反対側の(d)第4の側面、(e)前面、および反対側の(f)背面を含み、前記流路は、前記(e)前面に形成された長手方向通路を含む、請求項1に記載の流量制限器。
【請求項8】
前記複数の第2の層のそれぞれが、(A)第1の側面、前記(A)第1の側面の反対側の(B)第2の側面、(C)第3の側面、前記(C)第3の側面の反対側の(D)第4の側面、(E)前面、および反対側の(F)背面を含み、前記流路が、前記(E)前面または前記(F)背面のうちの1つに形成された第1の入口通路および第2の入口通路を含む、請求項7に記載の流量制限器。
【請求項9】
前記第1の入口通路および前記第2の入口通路が、前記(E)前面から前記(F)背面まで延びる、請求項8に記載の流量制限器。
【請求項10】
前記流路が、前記(E)前面または前記(F)背面のうちの1つに形成されたU通路を含み、前記U通路が前記長手方向通路に流体結合されている、請求項8に記載の流量制限器。
【請求項11】
前記長手方向通路が、前記(e)前面から前記(f)背面まで延びる、請求項7に記載の流量制限器。
【請求項12】
前記流路が、前記複数の第1の層のうちの一つ目の層から前記複数の第2の層のうちの一つ目の層まで横切る、請求項1に記載の流動制限器。
【請求項13】
流体を送達するためのマスフロー制御装置であって、
入口通路、出口通路、弁座、および閉鎖部材を含む弁と、
前記入口通路または前記出口通路のうちの1つに配置された流量制限器であって、
第1の端部;
第2の端部;
前記第1の端部から前記第2の端部までに延びる長手方向軸に実質的に平行に延びる複数の層;
前記第1の端部の第1の開口部;
前記第2の端部の第2の開口部;および
前記複数の層によって区画され、かつ前記第1の開口部および前記第2の開口部に流体結合された流路
を備える、流量制限器と、
を含み、前記複数の層は、複数の第1の層および複数の第2の層を含み、前記第1の開口部は、前記複数の第1の層のうちの一つ目の層によって形成される第1のエッジ、前記複数の第1の層のうちの二つ目の層によって形成される第2のエッジ、前記複数の第2の層のうちの一つ目の層によって形成される第3のエッジ、および前記複数の第2の層のうちの前記一つ目の層によって形成される第4のエッジを含む、マスフロー制御装置。
【請求項14】
流量制限器を製造する方法であって、
a)第1のエッジ、前記第1のエッジの反対側の第2のエッジ、第3のエッジ、前記第3のエッジの反対側の第4のエッジ、前面、および前記前面の反対側の背面を有する複数の層ブランクを提供するステップと、
b)前記複数の層ブランクのうちの第1のものの前面に第1の空洞を形成するステップと、
c)前記複数の層ブランクを積み重ねるステップと、
d)前記複数の層ブランクを結合して、第1の未完成端部と反対側の第2の未完成端部を有する抵抗器スタックを形成するステップであって、前記抵抗器スタックの第1の未完成端部が、前記複数の層ブランクの前記第1のエッジによって形成され、前記抵抗器スタックの第2の未完成端部が、前記複数の層ブランクの前記第2のエッジによって形成される、ステップと、
e)前記抵抗器スタックの第1の未完成端部から材料を除去して、前記第1の空洞を露出させ、第1の開口部を形成するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
本出願は、2019年8月5日に出願された米国仮特許出願第62/882,794号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
質量流量制御は、半導体チップ製造における重要な技術の1つである。質量流量を制御するための装置は、半導体製造および他の工業プロセスのためのプロセスガスの既知の流量を供給するために重要である。このようなデバイスは、さまざまなアプリケーションの流体の流れを測定して正確に制御するために使用される。この制御は、正確に校正された層流制限器を使用することで実現できる。
【0003】
チップ製造の技術が向上するにつれて、流れを制御するための装置に対する需要も向上する。半導体製造プロセスでは、より正確な測定、機器コストの削減、過渡応答時間の改善、ガス供給のタイミングの一貫性の向上など、パフォーマンスの向上がますます求められている。ガス供給の一貫性を改善するために、改善された流量制限器が望まれる。
【発明の概要】
【0004】
本技術は、質量流量コントローラまたは他のガス供給装置で使用するための層流制限器を対象としている。これらのガス供給装置の1つまたは複数は、半導体チップ製造、ソーラーパネル製造などの広範囲のプロセスで使用することができる。
【0005】
一実施形態では、本発明は、ガスの流れを制限するための流量制限器である。流量制限器は、第1の端部、第2の端部、および第1の端部から第2の端部まで延びる長手方向軸を有する。複数の第1の層が、長手方向軸に沿って第1の端部から第2の端部まで延びる。複数の第2の層が、長手方向軸に沿って第1の端部から第2の端部まで延びる。第1の端部の第1の開口部は、複数の第1の層および複数の第2の層によって区画される。第2の端部の第2の開口部は、複数の第1の層および複数の第2の層によって区画される。流路は、複数の第1の層および複数の第2の層によって区画され、流路は、第1の開口部から第2の開口部まで延びる。
【0006】
別の実施形態では、本発明は、流体を送達するための質量流量(mass flow)制御装置であり、質量流量制御装置は、入口通路、出口通路、弁座、および閉鎖部材を含む弁を有する。質量流量制御装置はまた、入口通路または出口通路のうちの1つに配置された流量制限器を有する。流量制限器は、第1の端部、第2の端部、および第1の端部から第2の端部まで延びる長手方向軸を有する。複数の層が長手方向軸に実質的に平行に延びる。第1の開口部は第1の端部に配置され、第2の開口部は第2の端部に配置される。流路は、複数の層によって区画され、流路は、第1の開口部および第2の開口部に流体的に結合されている。
【0007】
さらに別の実施形態では、本発明は、流量制限器を製造する方法である。第1に、複数の層ブランクが提供され、層ブランクは、第1のエッジ、第1のエッジの反対側の第2のエッジ、第3のエッジ、第3のエッジの反対側の第4のエッジ、前面、および前面の反対側の背面を有する。第1の空洞は、複数の層ブランクのうちの第1のものの前面に形成される。複数の層ブランクが積み重ねられている。続いて、複数の層ブランクが結合されて、第1の未完成端部と反対側の第2の未完成端部とを有する抵抗器スタックを形成する。抵抗器スタックの第1の未完成端部は、複数の層ブランクの第1のエッジによって形成され、抵抗器スタックの第2の未完成端部は、複数の層ブランクの第2のエッジによって形成される。最後に、材料が層スタックの第1の未完成端部から除去されて、第1の空洞が露出し、第1の開口部が形成される。
【0008】
本技術の適用可能性のさらなる領域は、以下に提供される詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、好ましい実装を示しているが、例示のみを目的としており、技術の範囲を制限することを意図していないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の発明は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるようになるであろう。
【0010】
【
図1】1つまたは複数の層流制限器を利用するプロセスの概略図である。
【0011】
【
図2】
図1のプロセスで利用され得る質量流量コントローラの概略図である。
【0012】
【
図3】
図2の質量流量コントローラで利用され得る層流制限器の第1の実施形態の斜視図である。
【0013】
【
図4】
図3の流量制限器を形成する層の一部を示す斜視図である。
【0014】
【0015】
【0016】
【
図6】
図4の流量制限器の部分の分解斜視図である。
【0017】
【
図7】
図4の流量制限器の部分のVII-VII線に沿った断面図である。
【0018】
【
図8】
図3の流量制限器の第1の層の上面図である。
【0019】
【
図9】
図3の流量制限器の第2の層の上面図である。
【0020】
【
図10】層流制限器の第2の実施形態の斜視図である。
【0021】
【
図11】
図10の流量制限器を形成する層の一部を示す斜視図である。
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【
図14】
図14の流量制限器の部分のXIV-XIV線に沿った断面図である。
【0026】
【0027】
【0028】
【
図17】層流制限器の第3の実施形態の一部の斜視図である。
【0029】
【0030】
【0031】
【
図20】
図17の流量制限器の部分のXX-XX線に沿った断面図である。
【0032】
【0033】
【0034】
【
図23】層流制限器の第4の実施形態の一部の斜視図である。
【0035】
【0036】
【0037】
【
図26】
図23の流量制限器の部分のXXVI-XXVI線に沿った断面図である。
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【
図30】層流制限器の第5の実施形態の斜視図である。
【0042】
【
図31】
図30の流量制限器を形成する層の一部を示す斜視図である。
【0043】
【0044】
【0045】
【
図34】
図31の流量制限器の部分のXXXIV-XXXIVに沿った断面図である。
【0046】
【0047】
【0048】
【
図37】開示された流量制限器を製造する方法を示す複数の層ブランクの分解斜視図である。
【0049】
【0050】
【0051】
【
図40】
図37の発明による仕上げ前の抵抗器スタックの斜視図である。
【0052】
【
図41】
図37の発明による仕上げ後の抵抗器スタックの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明の原理による例示的な実施形態の説明は、書面による説明全体の一部と見なされるべき添付の図面に関連して読むことを意図している。本明細書に開示される本発明の実施形態の説明において、方向または配向への言及は、単に説明の便宜のために意図されており、本発明の範囲を限定することを決して意図されていない。「下の」、「上の」、「水平」、「垂直」、「上」、「下」、「上へ」、「下へ」、「左」、「右」、「上部」、「下部」などの相対的な用語」およびその派生物(例えば、「水平方向」、「下向き」、「上向き」など)は、その時点で説明されている、または議論中の図面に示されている方向を指すと解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明の便宜上のものであり、明示的に示されていない限り、装置を特定の方向に構築または操作する必要はない。「取り付けられた」、「固定された」、「接続された」、「結合された」、「相互接続された」などの用語は、特に明記されていない限り、構造が、介在する構造や、可動式または固定式のアタッチメントまたは関係を介して、直接的または間接的に相互に固定または接続されている関係を指す。さらに、本発明の特徴および利点は、好ましい実施形態を参照することによって示されている。したがって、本発明は、単独でまたは他の特徴の組み合わせで存在し得るいくつかの可能な非限定的な特徴の組み合わせを示すそのような好ましい実施形態に明確に限定されるべきではない。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲によって定められる。
【0054】
本発明は、ガス流を制御するための装置で使用するための層流制限器に関する。いくつかの実施形態では、装置は、ガスの既知の質量流量を半導体または同様のプロセスに送達するための質量流量コントローラとして機能することができる。半導体製造は、ガスの流れを制御する上で高性能を要求する産業の1つである。半導体製造技術が進歩するにつれて、顧客は、供給されるガス流の質量において精度と再現性が向上したフロー制御デバイスの必要性を認識している。最新の半導体プロセスでは、ガスフローの質量を厳密に制御し、応答時間を最小限に抑え、ガスフローを非常に正確にする必要がある。本発明は、供給された流れにおいて改善された精度および再現性を提供する。
【0055】
図1は、1つまたは複数の層流制限器を利用する例示的な処理システム1000の概略図を示している。処理システム1000は、処理チャンバ1300に流体結合された流量を制限するための複数の装置100を利用することができる。流量を制御するための複数の装置100は、1つまたは複数の異なるプロセスガスを処理チャンバ1300に供給するために使用される。半導体などの物品は処理チャンバ1300内で処理され得る。弁1100は、流量を制御するための装置100のそれぞれを処理チャンバ1300から隔離し、流量を制御するための装置100のそれぞれを処理チャンバ1300から選択的に接続または隔離することを可能にして、様々な異なる処理ステップを容易にする。処理チャンバ1300は、流量を制御するための複数の装置100によって供給されるプロセスガスを適用するためのアプリケータを含み得、流量を制御するための複数の装置100によって供給されるガスの選択的または拡散分配を可能にする。さらに、弁1100によって処理チャンバ1300から隔離されて、プロセスガスの排出を可能にするか、または流れを制御するための同じ装置内のプロセスガス間の切り替えを可能にするために流量を制御するための装置100の1つまたは複数のパージを容易にする真空源1200を備える。任意選択で、流量を制御するための装置100は、質量流量コントローラ、フロースプリッタ、または処理システム内のプロセスガスの流れを制御する任意の他の装置であり得る。さらに、弁1100は、必要に応じて、流量を制御するための装置100に統合され得る。
【0056】
処理システム100において実施され得るプロセスは、湿式洗浄、フォトリソグラフィー、イオン注入、乾式エッチング、原子層エッチング、湿式エッチング、プラズマアッシング、急速熱アニーリング、ファーネスアニーリング、熱酸化、化学蒸着、原子層堆積、物理蒸着、分子ビームエピタキシー、レーザーリフトオフ、電気化学堆積、化学機械研磨、ウェーハテスト、または制御された量のプロセスガスを利用するその他のプロセスを含み得る。
【0057】
図2は、処理システム1000で利用され得る流れ100を制御するための1つのタイプの装置である、例示的な質量流量コントローラ101の概略図を示す。質量流量コントローラ101は、入口104に流体結合されたプロセスガスのガス供給を有する。入口は、比例弁120を通って流れるプロセスガスの量を変化させることができる比例弁120に流体結合されている。比例弁120は、P1容積106に通過するプロセスガスの質量流量を計測する。比例弁120は、完全に開閉する必要がないようにプロセスガスの比例制御を提供することができるが、代わりに、プロセスガスの質量流量の制御を可能にする中間状態を有し得る。
【0058】
P1容積106は、比例弁120に流体的に結合され、P1容積106は、比例弁120と流量制限器160との間の質量流量コントローラ101内のすべての体積の合計である。圧力変換器130は、P1ボリューム106内の圧力の測定を可能にするためにP1ボリューム106に結合されている。オン/オフ弁150は、流量制限器160と比例弁120との間に配置され、P1容積106からのプロセスガスの流れを完全に停止するために使用され得る。任意選択で、流量制限器160は、代替構成のオン/オフ弁150および比例弁120の間に配置され得る。最後に、流量制限器160は、質量流量コントローラ101の出口110に流体的に結合されている。処理システムにおいて、出口110は、弁1100に流体的に結合されているか、または処理チャンバ1300に直接結合されている。
【0059】
第1のオン/オフ弁150の内部は、弁座および閉鎖部材である。装置100がプロセスガスを供給しているとき、第1のオン/オフ弁150は開状態にあり、その結果、弁座と閉鎖部材は接触していない。これにより、プロセスガスの流れが可能になり、流体の流れに対する制限が無視できるようになる。第1のオン/オフ弁150が閉状態にあるとき、閉鎖部材および弁座は、ばねによって接触するようにバイアスされ、第1のオン/オフ弁150を通るプロセスガスの流れを停止する。
【0060】
流量制限器160は、比例弁120と組み合わせて、プロセスガスの流量を測定するために使用される。ほとんどの実施形態では、流量制限器160は、流体の流れに既知の制限を提供する。第1の特徴付けられた流量制限器160は、所与のプロセスガスの所望の範囲の質量流量を送達するように、特定の流れインピーダンスを有するように選択され得る。流量制限器160は、流量制限器160の上流および下流の通路よりも流れに対する抵抗が大きい。
【0061】
任意選択で、質量流量コントローラ101は、流量制限器160およびオン/オフ弁150の下流にある1つまたは複数のP2圧力変換器を備える。P2圧力変換器は、流量制限器160全体の圧力差を測定するために使用される。実施形態では、流量制限器160の下流のP2圧力は、処理チャンバに接続された別の装置100から取得することができ、読み取り値は、質量流量コントローラ101に伝達される。
【0062】
任意選択で、温度センサーを使用して、質量流量コントローラ101の精度をさらに高めることができる。それらは、質量流量コントローラ101のベースのP1ボリューム106の近くに取り付けることができる。追加の温度センサーは、比例弁120、圧力変換器130、およびオン/オフ弁150を含む様々な場所に使用することができる。
【0063】
図3~9を参照すると、流量制限器160の第1の実施形態がより詳細に示されている。流量制限器160は、リストリクタースタック170を形成する複数の層として構築される。リストリクタースタック170は、
図3に示すように細長い長方形の形状をとることができる。流量制限器160は、長手方向軸A-Aに沿って第1の端部161から第2の端部161まで延びる。流路を含む複数の層210は、流路を含まない複数の外層220の間に挟まれている。流量制限器160は、複数の層210、220からなる第1の側面163および反対側の第2の側面164を有する。流量制限器160は、前面165および反対側の背面166をさらに備える。外層220は、流路を含む層210の反対側にある流路を囲む。外層220は、流路を含む層210と同じ厚さを有する場合も、そうでない場合もある。層210の選択が
図4に示され、これは、流路の一部および層210の構成を示している。層210のそれぞれは、第1の端部213から第2の端部214まで延びる。流路は
図4で見ることができる。流路の詳細については、以下で詳しく説明する。
【0064】
図5Aおよび5Bに示されるように、層210は、層210の両端213、214に形成された複数の開口部212を備える。代替の実施形態では、開口部212は、反対側の端部にある必要はなく、代わりに、隣接する側に形成され得るか、または単一の端部にのみ形成され得る。開口部212はまた、ガスが、長手方向軸A―Aに垂直な、長方形の層210のより短い方向を横切って流れるように形成され得る。層210はまた、長方形である必要はなく、正方形または他の任意の所望の形状であり得る。さらに、開口部が層210の平面に形成されて、ガスが層210の平面に垂直に流れ、次に角を曲がって層210の平面内を流れることも考えられる。開口部212、層210の形状、および結果として生じる流量制限器160の形状は、結果として生じる流量制限器160を受け入れる流路の形状に応じて、必要に応じて適合させることができる。開口部212の特定の配置、層210の形状、および結果として生じる流量制限器160の形状は、結果として生じる流量制限器160を受け入れる流路の形状に応じて、必要に応じて適合させることができる。流量制限器160は、ガスが層210のいくつかまたはすべての平面に垂直に流れるように形成された開口部212および/または流量制限器160の周りに形成された開口部212を備えた環状構成を有することも考えられる。
【0065】
図6は、層210の分解図を示している。層210は、2つの第1の層230および2つの第2の層260を含む。
図8および9に示されるように、第1の層230は、第1の側231、第2の側面232、第3の側面233、第4の側面234、前面235、および反対側の背面236を有する。第1の層230は、入口通路237、U通路238、および長手方向通路239を含む一連の流路を有する。入口通路およびU通路はそれぞれ、第1の層230の厚さの一部にのみ形成され、一方、長手方向通路239は、第1の層230の厚さ全体を通って延びる。第2の層260も、第1層240の入口通路237およびU通路238に対応する前面265に形成された入口通路267およびU通路268を有する。第1層230および第2層260が、前面235、265が互いに向き合うように積み重ねられる場合、入口通路237、267は、層230、260の第1および第2の側面231、261、232、262の上に開口部212を形成する。
図7に最もよく示されるように、追加の第1の層230および第2の層260と組み合わせて、複数の流路270が形成され、複数の層210の一方の端部213の開口部212から、複数の層210の反対側の第2の端部214まで延びる。
【0066】
図5Aに戻ると、開口部212は、第1のエッジ215、2第2のエッジ216、第3のエッジ217、および第4のエッジ218を有する。第1のエッジ215は、第1の層230によって形成され、第2のエッジ216は第2の層260によって形成され、第3および第4のエッジ217、218は、それぞれ、第1の層230の一部および第2の層260の一部によって形成される。
【0067】
流路270は、所望の流れインピーダンスを達成するために、任意の所望の方法で変更することができる。例えば、流路270の数は、複数の層210の数を増減することによって増減させることができる。さらに、流路270の長さは、通路270がそれ自体で二重に戻る回数を変えること、結果として生じるU通路238、268および長手方向通路239の数を変えることによって、増減させることができる。より多くのまたはより少ない数の流路270が、第1および第2の層230、260の対に形成され得る。通路270もまた増減させることができ、第1および第2の層230、260の厚さを変えることができる。実際、第1および第2の層230、260のすべての対に同じ厚さを使用する必要はない。複数の層210内の各層は、流量制限器160の結果として生じる流れインピーダンスを変更するために個別に変えることができる。
【0068】
流量制限器160は、最初に各層210を個別にまたはアレイでエッチングすることによって製造される。層210は、すべて同じ材料で形成され得るか、または異なる材料で形成され得る。エッチングは、必要な複数の深さを達成するために、単一のステップまたは一連のステップで実行することができる。レーザーアブレーション、マイクロマシニング、または他の既知のプロセスなどの代替プロセスも使用できる。複数の層210が形成されると、それらは、エッチングされていない外層220と組み立てられ、拡散結合によって接合される。この場合も、当技術分野で知られているように、接着剤を用いた従来の接着、溶接、または同様のプロセスなどの代替技術を使用することもできる。得られた層210、220のスタックが結合され、流路270を密封し、流量制限器160を形成する。その後の仕上げステップを実行して、流路(流量制限器160が設けられる場所)の寸法に適合するように流量制限器160の全体的な形状またはサイズを変更することができる。これらのプロセスには、研削、機械加工、レーザー切断、ウォータージェット、またはその他の既知の技術が含まれる場合がある。実際、流量制限器160は、長方形のままである必要はなく、以下でさらに説明するように、円筒形に形成することができる。
【0069】
図10~16では、流量制限器300の第2の実施形態が
図10に最もよく示されている。明示的に記載されていない限り、参照番号は、流量制限器160の第1の実施形態のものと同一である。流量制限器300の第2の実施形態は、長手方向軸A-Aに沿って第1の端部302から第2の端部303まで延び、流路を有する複数の層310、および流路を有しない複数の外層320から形成される。結合後、層310、320は、円筒形のボアへの挿入を容易にする円筒形に後処理され、弁または他のフローデバイスへの流量制限器300の容易な設置を可能にする。
【0070】
図11に示されるように、層310の選択が斜視図で示されている。層310は、第1の端部313から第1の端部313の反対側の第2の端部314まで延びる。
図12Aおよび12Bは、層310の第1の端部313に形成された開口部312を最もよく示している。また見られるように、層310は、2つの第1の層330および2つの第2の層360を含む。
図12Bによく示されるように、開口部312は、第1のエッジ315、第1のエッジ315の反対側の第2のエッジ316、第3のエッジ317、および第3のエッジ317の反対側の第4のエッジ318を有する。第1および第2のエッジ315、316は、第1の層330によって形成される。そして、第3および第4のエッジ317、318は、それぞれ、第2の層360によって形成される。
【0071】
層310の分解図が
図13に示され、制限器300の流路をよりよく示している。
図15および16は、それぞれ、第1の層330および第2の層360を示している。第1の層330は、第1の側面331、第2の側面332、第3の側面333、第4の側面334、前面335、および反対側の背面336を有する。第2の層360は、第1の側面361、第2の側面 362、第3の側面363、第4の側面364、前面365、および反対側の背面366を有する。第1の層330は、層遷移開口部340で終端する一連の長手方向通路339を有する。長手方向通路339および層遷移開口部340は、第1の層330の全体に延びる。第2の層360は、第1および第2の側面361、362から延びるノッチ369を有する。ノッチ369はまた、第2の層360の全体に延びる。
図14に見られるように、開口部312は、層330、360が示されるように交互に積み重ねられるとき、ノッチ369の開放端によって形成される。流路370は、示されるように、層330、360の積み重ねによって形成される。代替の実施形態では、層遷移開口部は、様々な形状で形成され得、チャネルの端部での流路輪郭の有無にかかわらず、または異なる形状の輪郭で形成され得る。
【0072】
この場合も、複数の層330、360が積み重ねられ、外側層320と組み立てられる。次に、これらの層は、拡散結合または同様の技術によって結合される。次に、得られた抵抗器スタックは、
図10に示すように円筒形に研削または機械加工される。この円筒形はまた、流量制限器300をデバイスのボアにシールするシールの取り付けを容易にする環状溝を組み込んで、流量制限器300を通過するガスのみが、通路370を通過しなければならない。他の実施形態では、最終部品は、異なる形状に機械加工され得るか、あるいは、結合された抵抗器スタックによって形成された生の形状のままにされ得る。
【0073】
流量制限器400の第3の実施形態は、
図17-22に示されている。
図17は、流量制限器400の流路を形成する複数の層510の選択を示している。外層は、他の実施形態のものと実質的に同一であるため、この実施形態では示されていない。複数の層410は、第1の端部413から第1の端部413の反対側の第2の端部414まで延びる。
図18に最もよく示されるように、開口部412が第1の端部413および第2の端部414に形成されて、流量制限器400へのガスの出入りを許可する。
図19は、流路をよりよく説明するために、複数の層410の分解図を示している。見られるように、複数の層410は、2つの第1の層430および2つの第2の層460を含む。
【0074】
図21および22は、それぞれ、第1の層430および第2の層460を示している。第1の層430は、第1の側面431、第2の側面432、第3の側面433、第4の側面434、前面435、および反対側の背面436を有する。第2の層460は、第1の側面461、第2の側面462、第3の側面463、第4の側面464、前面465、および反対側の背面466を有する。第1の層430は、真っ直ぐな側面および各端部に半径を有する細長い構成を有する一連の長手方向通路439を有する。第2の層460は、平行な側面を有するU字形から、第2の層460の第1の側面461または第2の側面462に近づくにつれて幅が増加する角度のある側面に移行するノッチ469を有する。ノッチ469は、第1および第2の層が整列されているときに、長手方向通路439と重なる。第2の層460はまた、2つの隣接する長手方向通路439の接続を可能にして、1つの開口部412から他の開口部412までの流路の有効長を増加させるD字形の開口部468を有する。使用できるD字形の開口部の数に制限はない。さらに、開口部468をD形状に制限する必要はなく、それらは、隣接する長手方向通路439間の接続を容易にするための任意の所望の形状であり得る。代替の実施形態では、ノッチ469は、異なる形状にすることができる。例えば、長方形、くさび、または他の形状などの形状を使用することができる。さらに、長手方向通路439は、流れの特性を改善するためにそれらに輪郭を付けることができる。したがって、長手方向通路439は、一定の幅で形成される必要はなく、それらの長さに沿ったいずれかの端部または任意の場所で様々な幅を有することができる。さらに別の実施形態では、第3の層(または複数の層)は、第1の層430と第2の層460との間にインターリーブされ得、その結果、各第1の層430は、1つの第2の層460とのみ接触し、後続のシート間の開口部468は、隣接する第1および第2の層430、460を除く流れ遷移を許可する。
【0075】
図20に最もよく見られるように、開口部412は、層430、460が示されるように交互に積み重ねられるとき、ノッチ469の開放端によって形成される。流路470は、示されるように、層430、460の積み重ねによって形成される。層430、460は、この実施形態では等しい厚さであるが、必要に応じて異なる厚さを有し得る。
【0076】
流量制限器500の第4の実施形態は、
図23-29に示されている。
図23は、流量制限器500の流路を形成する複数の層510の選択を示している。外層は、他の実施形態のものと実質的に同一であるため、この実施形態では示されていない。複数の層510は、第1の端部513から第1の端部513の反対側の第2の端部514まで延びる。
図24に最もよく示されるように、開口部512が第1の端部513および第2の端部514に形成されて流量制限器500へのガスの出入りを許可する。
図25は、流路をよりよく説明するために、複数の層510の分解図を示している。見られるように、複数の層510は、第1の層530、第2の層560、および第3の層580を含む。
【0077】
図27-29は、それぞれ、第1の層530、第2の層560、および第3の層580を示している。第1の層530は、第1の側面531、第2の側面532、第3の側面533、第4の側面534、前面535、および反対側の背面536を有する。第2の層560は、第1の側面561、第2の側面562、第3の側面563、第4の側面564、前面565、および反対側の背面566を有する。第1の層530は、真っ直ぐな側面および各端部に半径を有する細長い構成を有する一連の長手方向通路539を有する。第2の層560は、平行な側面を有するU字形から、第2の層560の第1の側面561または第2の側面562に近づくにつれて幅が増加する角度のある側面に移行するノッチ569を有する。ノッチ569は、第1および第2の層が整列されたとき、長手方向通路539と重なる。第3の層580は、第1の側面581、第2の側面582、第3の側面583、第4の側面584、前面585、および反対側の背面586を有する。
図26に最もよく見られるように、開口部512は、層530、560が示されるように交互に積み重ねられるとき、ノッチ569の開放端によって形成される。流路570は、示されるように、層530、560の積み重ねによって形成される。層530、560は、この実施形態では等しい厚さであるが、必要に応じて異なる厚さを有し得る。第3の層は、流路の密度を減少させるのに有用であり得、流れが流量制限器500の断面積全体により均一に分配されることを確実にする。これは、非常に高い流れインピーダンスの流量制限器を製造するのに特に有用である。
【0078】
流量制限器600の第5の実施形態は、
図30-36に示されている。
図30は、流量制限器600を斜視図で示している。流量制限器600は、第1の端部602から第2の端部603まで延在し、その中に流路を有する層610を取り囲む外層620を有する。層610の選択は、斜視図で
図31に示されている。これらの層610は、第1の端部613から第2の端部614まで延在し、第1および第2の端部613、614に開口部612がある。層610の分解図が
図33に示され、2つの第1の層630および2つの第2の層660を示す。
【0079】
第1の層630および第2の層660は、
図35および
図36に示されている。第1の層630は、第1の側面631、第2の側面632、第3の側面633、第4の側面634、前面635、および反対側の背面636を有する。第2の層660は、第1の側面661、第2の側面662、第3の側面663、第4の側面664、前面665、および反対側の背面666を有する。第1の層630は、U字形部分640または開口部641と係合する細長い構成を有する一連の長手方向通路639を有する。第2の層660には、流路または他の特徴がない。見てわかるように、流量制限器600では、ガスは、もっぱら単層630上に留まり、第1の層630、第2の層630、660の間を移行しない。代わりに、それは、第1の側面631の開口部641を通って入り、下方の長手方向通路639を移動し、U字形部分640に沿って少なくとも2回戻って、第2の側面632の開口部641を通って出る。正確な流路は、ジグザグに変更され得、2つより多いU字形部分640を利用し、U字形部分640を利用せず、または層630上の他の経路を取り得る。しかし、この実施形態では、それは第2の層660を通って流れることは決してない。長手方向通路369、U字形部分640、および開口部641はすべて、第1の層630の厚さ全体を通って延びる。代替構成では、単一シート流(single sheet flow)は、シートの寸法が接着前の組み立て中にそのまま残るように、シートを部分的にのみ通過する流路深さを形成することによって得ることができる。
【0080】
図34に最もよく示されているように、流路670は、示されているように、層630、660の積み重ねによって形成されている。層630、660は、この実施形態では等しい厚さであるが、必要に応じて異なる厚さを有することができる。層630、660は、エッチング化学物質にさらされたときに異なる反応性を有する異なる材料から個別に形成される。第1の層630の材料は、第2の層660の材料よりも反応性が高く、第2の層660を大幅にエッチングすることなく、第1の層630の効果的なエッチングを容易にすることができる。層対は、1つの第1の層630を1つの第2の層660と組み立てることによって形成される。次に、層の対は拡散結合されるので、それらは容易に分離することができない。上で論じたように、他の結合技術を利用することができる。次に、層対は、第2の層660をエッチングすることなく、流路670が第1の層630に形成されるようにエッチングされる。次に、層対は、流路670を有する複数の層610に組み立てられる。外層620も、流路670を有する複数の層610と組み立てられる。最後に、層610、620は、一緒に拡散結合されている。場合により、粉砕などの後処理を使用して、流量制限器600を形成し、それをデバイスの流路への設置に適合させることができる。
【0081】
流路は、流量制限器の一端から流量制限器の他端まで真っ直ぐに延びる必要はなく、または平行な列で二重に戻る必要がないことに留意されたい。代わりに、流路は、ジグザグ、アーク、または完成した流量制限器で所望の流れインピーダンスを達成するために必要な他の経路をとることができると考えられている。複数の層の遷移を行うこともでき、分岐して再結合する流路、2つまたは3つ以上の層を横切る遷移などの使用を可能にする。さらに、流量制限器は、開示された実施形態のハイブリッドを構築することができるように、特定の実施形態の特徴を組み合わせて組み込むことができると考えられる。上記制限器の設計を使用して、高度な層流と高い部品間再現性を実現できる。この高い再現性により、1つまたは複数の層流要素を利用するフロー制御デバイスを製造する際のキャリブレーション要件が軽減される。
【0082】
本発明による流量制限器を形成する方法を示す詳細は、
図37-41に示されている。
図37は、分解図における複数の層ブランク710を示している。各層ブランクは、第1のエッジ711、第1のエッジの反対側の第2のエッジ712、第3のエッジ713、および第3のエッジの反対側の第4のエッジ714を有する。層ブランク710は、前面715と、前面715の反対側にある背面716とをさらに含む。層ブランク710は、
図38および39にさらに示されるように、第1の層730および第2の層760に形成される。第1の層730は、第2の空洞732を第1の層730に形成することによって層ブランク710から改変される。第2の層760は、第1の空洞761および第3の空洞763を第2の層760に形成することによって層ブランク710から改変される。第1、第2、および第3の空洞761、732、763は、それぞれの第1および第2の層730、760の前面715に形成される。好ましくは、空洞761、732、763は、層730、760の厚さを通して形成される。いくつかの実施形態では、空洞761、732、763のいくつかまたはすべては、層730、760の厚さを通して部分的にのみ形成され得る。図示の方法では、空洞761、732、763が前面715から背面716まで形成される。空洞761、732、763は、層ブランク710の第1、第2、第3、および第4のエッジ711、712、713、714から離間されている。
【0083】
空洞761、732、763は、層ブランク710をエッチングすることによって形成される。マイクロマシニング、レーザーアブレーション、または他の既知の技術などの代替プロセスが利用可能である。
図40に示されるように、抵抗器スタック770は、複数の層730、760から形成される。空洞761、732、763の形成に続いて、層730、760は、交互の層に積み重ねられ、層730、760は、第2の空洞762が第1および第3の空洞761、763と重なるように整列状態に保たれる。次に、層730、760が結合されて、単一構成要素として抵抗器スタック770を形成する。層730、760は、拡散接合、溶接、接着、または他の任意の既知の技術によって接合することができる。
【0084】
抵抗器スタック770は、第1および第2の層730、760の第1のエッジ711によって形成される第1の未完成端部771を備える。反対側の第2の未完成端部772は、抵抗器スタック770の第1および第2の層730、760の第2のエッジ712によって形成される。見られるように、空洞は、未完成端部771、772に露出されていない。代替の実施形態では、層730、760のうちの1つだけが空洞を有する必要があり、他の層730、760には空洞がない。これにより、
図30-36に示すような抵抗器を形成できる。さらに他の実施形態では、
図23-27に示されるような3つ以上の異なるタイプの層を利用することができる。層を交互に積み重ねる必要はないが、代わりに単に互いに分離することができる。したがって、変更されていない層ブランク710は、必要に応じて、第1および第2の層とインターリーブされ得る。完成した流量抵抗器に少なくとも1つの流路が形成されている限り、層の任意の組み合わせを作成できる。
【0085】
図41は、仕上げ操作が完了した後の抵抗器スタック770を示している。これらの仕上げ操作は、2つの代替形式のいずれかを取ることができる。第1のプロセスにおいて、未完成端部771、772は、抵抗器スタック770から切り離されて、第1および第3の空洞761、763を露出させる。露出した第1および第3の空洞761、763は、第1および第2の完成した端部773、774に開口部712を形成する。これにより、第1の完成した端部773の開口部712から第2の完成した端部の開口部712まで延びる流路が生じる。必要に応じて、未完成端部771、772を除去する前に、抵抗器スタック770に対して追加の材料除去操作を行うことができる。これは、流路に入る破片の量を最小限に抑え、結果として生じる流量制限が流量制限器によって提供される理論上の流量制限に密接にマッチすることを保証する。さらに、破片が流路に入らないようにすることで、製造の再現性が大幅に向上する。
【0086】
代替の第2のプロセスでは、抵抗器スタック770の未完成端部771、772は、機械加工、フライス盤旋削、鋸引き、研削、放電加工、またはエッチングなどの従来の材料除去プロセスによって除去される。未完成端部771、772が除去されて完成品の端部773、774を形成すると、抵抗器スタック770は脱イオン水ですすがれる。電解研磨プロセスを使用して、残っている金属粒子を溶解し、粗さが非常に低い表面を生成する。次に、脱イオン水が流路にポンプで送られ、電解研磨液が洗い流される。次に、抵抗器スタック770を乾燥させ、続いて硝酸溶液を使用して、残っている遊離の鉄、リン酸塩、および硫酸塩をすべて除去する。これにより、表面が非常にきれいになり、汚染物質がなくなる。
【0087】
本発明は、本発明を実施するための現在好ましいモードを含む特定の例に関して説明されてきたが、当業者は、上記のシステムおよび技術の多数の変形および順列が存在することを理解するであろう。他の実施形態を利用することができ、本発明の範囲から逸脱することなく、構造的および機能的改変を行うことができることを理解されたい。したがって、本発明の精神および範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されているように広く解釈されるべきである。