(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】分離防止ナットアセンブリ及び空調システム
(51)【国際特許分類】
F16L 19/02 20060101AFI20240105BHJP
F16B 39/12 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
F16L19/02
F16B39/12 A
(21)【出願番号】P 2022528221
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(86)【国際出願番号】 CN2020115439
(87)【国際公開番号】W WO2021109674
(87)【国際公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】201922150964.5
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201922153440.1
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201922150254.2
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】楼 峰
(72)【発明者】
【氏名】陳 狄永
(72)【発明者】
【氏名】周 峰
(72)【発明者】
【氏名】馮 光華
(72)【発明者】
【氏名】高 晩生
(72)【発明者】
【氏名】譚 震宇
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102004013570(DE,A1)
【文献】特表2015-535058(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第02964721(FR,A1)
【文献】中国実用新案第205560043(CN,U)
【文献】特開平06-002707(JP,A)
【文献】特開2003-294021(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 19/02
F16B 39/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続パイプ及び第2の接続パイプを固定するための分離防止ナットアセンブリであって、前記分離防止ナットアセンブリは、管継手、接続ナット及び分離防止ナットを含み、前記接続ナットの一端には前記第1の接続パイプ
が挿設され、前記管継手には前記第2の接続パイプが挿嵌され且つ互いに固定され、前記管継手は前記接続ナットの他端に挿設して螺合され、前記分離防止ナットは前記管継手又は前記接続ナットに嵌合して螺合されて
おり、
前記分離防止ナットと前記接続ナットとの螺合強度若しくは前記分離防止ナットと前記管継手との螺合強度が、前記接続ナットと前記管継手との螺合強度より小さく構成されている、又は、前記分離防止ナットの硬度が前記管継手及び前記接続ナットの硬度より小さく構成されている、分離防止ナットアセンブリ。
【請求項2】
前記接続ナットの内壁は収縮口構造を形成しており、
前記第1の接続パイプの一端は前記収縮口構造に対応したフレア部に形成され、前記第1の接続パイプのフレア部が前記接続ナットの前記一端と前記管継手との間で挟持されている、請求項1に記載の分離防止ナットアセンブリ。
【請求項3】
前記分離防止ナットは、前記接続ナットに嵌合され且つ前記接続ナットの前記第1の接続パイプから相対的に離れた一端に螺合されている、請求項1
または2に記載の分離防止ナットアセンブリ。
【請求項4】
前記接続ナットの内面には前記管継手に螺合される雌ねじが形成され、前記接続ナットの外面には前記分離防止ナットに螺合される雄ねじが形成され、前記雌ねじと前記雄ねじとはねじ回転方向が逆である、請求項
3に記載の分離防止ナットアセンブリ。
【請求項5】
前記分離防止ナットと前記接続ナットとのねじ嵌め合い長さは、前記接続ナットと前記管継手のねじ嵌め合い長さよりも小さい、請求項
3に記載の分離防止ナットアセンブリ。
【請求項6】
前記接続ナットの外面には、ねじセグメント及び
前記ねじセグメントから前記分離防止ナットの締め付けるときの進む方向に延びている平滑セグメントが設けられており、且つ前記分離防止ナットと前記ねじセグメントとは螺合され、前記管継手は外面が非円形状である取り付け部を含み、前記分離防止ナットは外六角ナットである、請求項
3に記載の分離防止ナットアセンブリ。
【請求項7】
前記分離防止ナットは、前記管継手に嵌合され且つ前記管継手に螺合されている、請求項1に記載の分離防止ナットアセンブリ。
【請求項8】
前記管継手の前記第1の接続パイプに相対的に近い一端には前記接続ナットに螺合される第1のねじセグメントが形成され、前記管継手の他端には前記分離防止ナットに螺合される第2のねじセグメントが形成され、前記第1のねじセグメントと前記第2のねじセグメントとは、ねじ回転方向が逆である、請求項
7に記載の分離防止ナットアセンブリ。
【請求項9】
第1のねじセグメントの直径は第2のねじセグメントの直径よりも小さい、請求項
8に記載の分離防止ナットアセンブリ。
【請求項10】
前記管継手の前記第1の接続パイプに相対的に近い一端には前記接続ナットに螺合される第1のねじセグメントが形成され、前記管継手の前記第1の接続パイプから相対的に離れた一端には前記分離防止ナットに螺合される第2のねじセグメントが形成され、前記第1のねじセグメントと前記第2のねじセグメントとはねじ回転方向が同じである、請求項
7に記載の分離防止ナットアセンブリ。
【請求項11】
前記管継手の一端には
前記第2のねじセグメントから前記分離防止ナットの締め付けるときの進む方向に延びている止め部が形成され、前記止め部
の外周は前記分離防止ナットに当接されている、請求項
8から
10のいずれか
一項に記載の分離防止ナットアセンブリ。
【請求項12】
前記分離防止ナットと前記管継手とのねじ嵌め合い長さは、前記接続ナットと前記管継手とのねじ嵌め合い長さよりも小さい、請求項
7に記載の分離防止ナットアセンブリ。
【請求項13】
前記接続ナットは外面が非円形状である捻じ込み部を含み、前記分離防止ナットは外六角ナットである、請求項
7に記載の分離防止ナットアセンブリ。
【請求項14】
前記分離防止ナットの内側のねじは前記分離防止ナットの両端に延長し、あるいは、
前記分離防止ナットの内側のねじは前記分離防止ナットの一端のみに延長している、請求項1に記載の分離防止ナットアセンブリ。
【請求項15】
第1の接続パイプ、第2の接続パイプ及び分離防止ナットアセンブリを含む空調システムであって、前記分離防止ナットアセンブリが、請求項1から1
4のいずれか
一項に記載の分離防止ナットアセンブリである、空調システム。
【請求項16】
前記第
2の接続パイプと前記管継手とは溶接により固定され、前記第
1の接続パイプは前記管継手により前記接続ナット内に当接固定されている、請求項1
5に記載の空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
[001] 本出願は、出願日が2019年12月4日の出願番号201922150254.2、出願日が2019年12月4日の201922150964.5、出願日が2019年12月4日の201922153440.1の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は参照によって本出願に組み込まれる。
【0002】
[002] 本出願は冷却設備の技術分野に関し、特に、分離防止ナットアセンブリ及び空調システムに関する。
【背景技術】
【0003】
[003] 現在、可燃性冷媒空調システムの室内側で使用される接続パイプを接続するための構造では、接続ナットにより管継手と接続パイプとを締結接続し、接続パイプの一端は接続ナット内に取り付けられ、取り付ける際に接続ナットにロックモーメントを加えることにより接続ナットを回転させて管継手と密接するようにし、これによって接続パイプと管継手とがロックされるが、反対に、接続ナットを逆方向に回転させると接続パイプと管継手とを分離することができ、可燃性冷媒空調システムの室内側の取り付けニーズを満たすことができない。
【発明の概要】
【0004】
[004] 本出願の様々な実施例によれば、第1の接続パイプ及び第2の接続パイプを固定するための分離防止ナットアセンブリであって、分離防止ナットアセンブリは、管継手、接続ナット及び分離防止ナットを含み、接続ナットの一端は第1の接続パイプに固定され、管継手には第2の接続パイプが挿嵌され且つ互いに固定され、管継手は接続ナットの他端に挿設して螺合され、分離防止ナットは管継手又は接続ナットに嵌合して螺合されている、分離防止ナットアセンブリを提供する。
【0005】
[005] 上述の分離防止ナットアセンブリは、以下の利点を有する。
【0006】
[006] 分離防止ナットアセンブリは、分離防止ナットを接続ナット又は管継手に取り付けることにより、接続ナットと管継手との分離防止作用を実現し、更には第1の接続パイプと第2の接続パイプとの分離防止接続を実現できる。
【0007】
[007] 一実施例において、分離防止ナットは接続ナットに嵌合され且つ接続ナットの第1の接続パイプから相対的に離れた一端に螺合され、接続ナットの内面には管継手に螺合される雌ねじが形成され、接続ナットの外面には分離防止ナットに螺合される雄ねじが形成され、雌ねじと雄ねじとはねじ回転方向が逆である。
【0008】
[008] 一実施例において、分離防止ナットと接続ナットとのねじ嵌め合い長さは、接続ナットと管継手とのねじ嵌め合い長さよりも小さい。
【0009】
[009] 一実施例において、接続ナットの外面にはねじセグメント及び平滑セグメントが設けられており、且つ分離防止ナットとねじセグメントとは螺合され、管継手は外面が非円形状である取り付け部を含み、分離防止ナットは外六角ナットである。
【0010】
[010] 一実施例において、分離防止ナットは、管継手に嵌合され且つ管継手に螺合されている。
【0011】
[011] 一実施例において、管継手の第1の接続パイプに相対的に近い一端には接続ナットに螺合される第1のねじセグメントが形成され、管継手の他端には分離防止ナットに螺合される第2のねじセグメントが形成され、第1のねじセグメントと第2のねじセグメントとはねじ回転方向が逆である。
【0012】
[012] 一実施例において、管継手の第1の接続パイプに相対的に近い一端には接続ナットに螺合される第1のねじセグメントが形成され、管継手の第1の接続パイプから相対的に離れた一端には分離防止ナットに螺合される第2のねじセグメントが形成され、第1のねじセグメントと第2のねじセグメントとはねじ回転方向が同じである。
【0013】
[013] 一実施例において、管継手の一端には径方向に延長して止め部が形成され、止め部は分離防止ナットに当接されている。
【0014】
[014] 一実施例において、分離防止ナットと管継手とのねじ嵌め合い長さは、接続ナットと管継手とのねじ嵌め合い長さよりも小さい。
【0015】
[015] 一実施例において、接続ナットは外面が非円形状である捻じ込み部を含み、分離防止ナットは外六角ナットである。
【0016】
[016] 一実施例において、分離防止ナットの内側のねじは分離防止ナット(30)の両端に延長し、あるいは、
[017] 分離防止ナットの内側のねじは、分離防止ナットの一端のみに延長している。
【0017】
[018] 本出願は、第1の接続パイプ、第2の接続パイプ及び分離防止ナットアセンブリを含み、分離防止ナットアセンブリが上記のいずれかに記載の分離防止ナットアセンブリである、空調システムを更に提供する。
【0018】
[019] 一実施例において、第1の接続パイプと管継手とは溶接により固定され、第2の接続パイプは管継手により接続ナット内に当接固定されている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
[020] ここで開示されたこれらの発明の実施例及び/又は例示をより良好に記述及び説明するために、1つ又は複数の図面を参照してもよい。図面を記述するための追加の細部又は例示は、開示された発明、ここに記述されている実施例及び/又は例示並びにここで理解されるこれらの発明の最適モードのうちのいずれかの範囲を制限するものとしてみなすべきではない。
【0020】
【
図1】[021] 本出願の一実施例における分離防止ナットアセンブリと第1の接続パイプ及び第2の接続パイプとの接続の構造模式図である。
【
図2】[022]
図1に示された分離防止ナットアセンブリにおける接続ナットと分離防止ナットの構造模式図である。
【
図3】[023]
図1に示された分離防止ナットアセンブリにおける分離防止ナットと接続ナットとが締め付けられた状態の断面模式図である。
【
図4】[024]
図1に示された分離防止ナットアセンブリにおける分離防止ナットと接続ナットとが締め付けられていない状態の断面模式図である。
【
図5】[025] 本出願の別の実施例における分離防止ナットアセンブリと第1の接続パイプ及び第2の接続パイプとの接続の構造模式図である。
【
図6】[026]
図5に示された分離防止ナットアセンブリにおける管継手の構造模式図である。
【
図7】[027]
図5に示された分離防止ナットアセンブリにおける分離防止ナットと管継手とが締め付けられていない状態の構造模式図である。
【
図8】[028]
図5に示された分離防止ナットアセンブリの断面模式図である。
【
図9】[029]
図7に示された分離防止ナットアセンブリの断面模式図である。
【
図10】[030] 本出願の別の実施例における分離防止ナットアセンブリと第1の接続パイプ及び第2の接続パイプとの接続の構造模式図である。
【
図11】[031]
図10に示された分離防止ナットアセンブリにおける管継手の構造模式図である。
【
図12】[032]
図10に示された分離防止ナットアセンブリと第1の接続パイプ及び第2の接続パイプとの接続の断面模式図である。
【0021】
[033] 100 分離防止ナットアセンブリ、10 管継手、11 取り付け部、12 当接部、13 第1のねじセグメント、14、14a 第2のねじセグメント、15、15a 止め部、20 接続ナット、21 ねじセグメント、22 平滑セグメント、23 捻じ込み部、30 分離防止ナット、201 第1の接続パイプ、2011 フレア部、202 第2の接続パイプ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[034] 以下、本出願で提供される分離防止ねじアセンブリ及び空調システムを更に説明する。
【0023】
[035] 本出願は、冷媒接続ダクトが人為的に誤って分離されることを防止するように、空調室内機セットに取り付けるために用いられる分離防止ナットアセンブリ100を提供する。
【0024】
[036] もちろん、上述の分離防止ナットアセンブリ100は、例えば冷蔵庫等の分離防止構造の取り付けを必要とする他の設備に用いられることも可能である。
【0025】
[037] 現在、可燃性冷媒空調システムの幅広い適用により、使用者が自ら分離して安全上の問題を引き起こすことを防止するように、空調システムの室内側の中国国家標準の設置では、冷媒ダクトの分離不可能な接続を要求している。可燃性冷媒空調システムに対する冷媒管路システムを更に最適化し、冷媒管路間の分離不可能な接続を実現するために、分離防止ナットアセンブリ100は、分離防止ナット30を更に含み、管継手10と接続ナット20とが分離不可能な接続になるようにする。
【0026】
[038] 分離防止ナットアセンブリ100は、管継手10、接続ナット20及び分離防止ナット30を含み、管継手10は、接続ナット20に螺合すると同時に第1の接続パイプ201を接続ナット20内に固定するために用いられ、接続ナット20は管継手10に連なるために用いられ、分離防止ナット30は管継手10と接続ナット20との接続を更に締結して両者の分離を防止するために用いられる。
【0027】
[039] 分離防止ナットアセンブリ100を、以下の3つの実施例によって説明する。
【0028】
[040] 実施例1:
図1を参照する。
図1は、本出願の一実施例における分離防止ナットアセンブリ100と第1の接続パイプ201及び第2の接続パイプ202との接続の構造模式図である。
【0029】
[041] 接続ナット20の一端は第1の接続パイプ201に挿嵌され、接続ナット20の他端は管継手10に螺合され、第1の接続パイプ201は管継手10によって接続ナット20内に当接される。管継手10と接続ナット20とが最大限に締め付けられるとき、管継手10と第1の接続パイプ201とは互いに当接され、分離防止ナット30は接続ナット20の第1の接続パイプ201から離れた一端に螺合され、第2の接続パイプ202は管継手10の第1の接続パイプ201から離れた一端に固定して挿設される。
【0030】
[042] 分離防止ナット30と接続ナット20とが締め付けられるとき、空調の通常の使用者は、管継手10と接続ナット20との接続を直接分離することができず、これによって空調室内機セットのダクトを分離不可能にするという目的を達成する。
【0031】
[043] 管継手10は略円柱状を呈し、管継手10の第1の接続パイプ201から離れた一端には径方向に延長して取り付け部11が形成され、他端には径方向に収縮して当接部12が形成され、管継手10の外面の当接部12に近い位置には第1のねじセグメント13が設けられている。取り付け部11は工具を用いて管継手10を接続ナット20に螺合させるために用いられ、当接部12は第1の接続パイプ201に当接するために用いられ、ねじセグメント21は接続ナット20に螺合されるために用いられる。
【0032】
[044] 第2の接続パイプ202は取り付け部11内に固定して挿嵌され、具体的な接続方式は、溶接又はカシメ等の固定接続方式によって行ってもよく、第2の接続パイプ202と取り付け部11との封止性を確保する。
【0033】
[045] 一実施例において、工具を用いて管継手10を接続ナット20に捻じ込むことを容易にするために、取り付け部11は略外六角形の角柱である。
【0034】
[046] 他の実施形態において、取り付け部11の形状は、例えば三角柱のような他の非円形構造に設けられてもよく、工具を用いて管継手10を接続ナット20に容易に捻じ込むことを実現できればよいことを理解できる。
【0035】
[047]
図2から
図4を併せて参照する。
図2は、
図1に示された分離防止ナットアセンブリ100における接続ナット20と分離防止ナット30の構造模式図であり、
図3、は
図1に示された分離防止ナットアセンブリ100における分離防止ナット30と接続ナット20とが締め付けられた状態の断面模式図であり、
図4、は
図3に示された分離防止ナットアセンブリ100における分離防止ナット30と接続ナット20とが締め付けられていない状態の断面模式図である。
【0036】
[048] 接続ナット20は略円柱ナットであり、内面には管継手10に接続するためのねじが設けられている。第1の接続パイプ201の接続ナット20に挿嵌するための一端はフレア部2011とされ、このフレア部2011は第1の接続パイプ201が接続ナット20から直接抜き出されることを防止するために用いられ、接続ナット20も、第1の接続パイプ201を収容可能な収容チャンバとして対応して設けられ、且つ収縮口構造を設けることにより第1の接続パイプ201の離脱を防止し、フレア部2011の外面を収縮口の内壁にフィットさせる。これに対応して、当接部12が第1の接続パイプ201に密着し且つ封止できることを確保するように、管継手10の当接部12の収縮形状も、第1の接続パイプ201のフレア部2011に対応して設けられる。
【0037】
[049] 管継手10が第1のねじセグメント13により接続ナット20に底端まで螺合されるとき、第1の接続パイプ201が管継手10と接続ナット20との間に封止して固定されるように、管継手10の当接部12は、第1の接続パイプ201のフレア部2011の内壁に突き当たる。
【0038】
[050] 分離防止ナット30は、外六角ナットであって、接続ナット20の第1の接続パイプ201から離れた一端に嵌接され、これに対応して、接続ナット20の外面には相応的にねじセグメント21が設けられており、ねじセグメント21は分離防止ナット30に接続するために用いられる。接続ナット20にはねじセグメント21に連なり且つ直径が等しい平滑セグメント22が設けられており、平滑セグメント22は、分離防止ナット30が接続ナット20から直接繰り出されることを防止するために用いられる。分離防止ナット30が取り付けられるときに失われにくく、且つ作業者が直接取り付けて接続することが容易になるように、分離防止ナット30は管継手10と接続ナット20との間に設けられ、且つ分離防止ナット30の内部の直径は取り付け部11の外側の直径よりも小さい。
【0039】
[051] 分離防止ナット30と接続ナット20とがねじセグメント21の底端まで締め付けられるとき、分離防止ナット30のねじとねじセグメント21の表面にねじ山つぶれが生じるまで分離防止ナット30を更に締め付けるが、このとき、分離防止ナット30は工具によって更に締め付けられ続けたり又は緩めたりすることが難しくなり、且つ接続ナット20も、更に締め付けられたり又は緩められたりすることができず、これによって分離防止ナット30と接続ナット20との分離防止接続を更に確保できる。
【0040】
[052] 本実施例における分離防止ナット30は外六角ナットであり、このように設けると、一方では作業者が分離防止ナット30を回転させるときより便利で且つ労力を節約し、他方では従来の多数のレンチ工具と合わせて使用可能であり、レンチ工具の選択範囲を広げた。
【0041】
[053] 他の実施形態において、分離防止ナット30は、例えば外形が五角形のナット等のような他の形状のナットを選択してもよく、接続ナット20との接続を容易にすることを実現できればよく、接続ナット20は、例えば接続ナット20の外面に止め部を突設する方式のような他の方式によって分離防止ナット30の直接繰り出しを抑制してもよく、分離防止ナット30が接続ナット20から直接繰り出されることを防止することを実現できればよい。
【0042】
[054] 一実施例において、分離防止ナット30の硬度は管継手10及び接続ナット20の硬度よりも小さく、このように設けると、分離防止ナット30と接続ナット20にねじ山つぶれが生じたとき、分離防止ナット30の内側のねじを破損させるが、管継手10及び接続ナット20におけるねじはいずれも破損されないようにする。
【0043】
[055] 一実施例において、接続ナット20の外面には分離防止ナット30に螺合される雄ねじが形成され、接続ナット20の内面には管継手10に螺合される雌ねじが形成され、雄ねじと雌ねじとは回転方向が逆であり、即ち、分離防止ナット30が接続ナット20に捻じ込まれる締め付け方向と、接続ナット20が管継手10に捻じ込まれる締め付け方向とは逆である。このように設けると、分離防止ナット30は、締め付けられると同時に、接続ナット20と管継手10とが更に締め付けられるようにすることができ、且つ接続ナット20が管継手10から繰り出されることを防止できる。具体的には、接続ナット20の内面は右回りねじとしてもよく、外面は逆に左回りねじにしてもよく、作業者が分離防止ナット30を接続ナット20に捻じ込む締め付け方向F1と管継手10を接続ナット20に捻じ込む締め付け方向F2とはそれぞれ
図1に示すとおりである。しかしながら、作業者が接続ナット20を固定し、且つ工具により管継手10を接続ナット20に捻じ込むとき、締め付け方向と図中のF2の方向とは逆である。
【0044】
[056] 一実施例において、分離防止ナット30と接続ナット20との螺合強度を接続ナット20と管継手10との螺合強度よりも小さくするために、接続ナット20と管継手10との螺合の噛み合い深さを分離防止ナット30と接続ナット20との螺合の噛み合い深さよりも大きくしてもよく、そうすると、管継手10が接続ナット20に捻じ込まれる力が分離防止ナット30が接続ナット20に捻じ込まれる力よりも大きくなる。このように設けると、分離防止ナット30のねじとねじセグメント21の表面にねじ山つぶれが生じたとき、接続ナット20と管継手10との間にねじ山つぶれ現象が起こりにくい。
【0045】
[057] 一実施例において、分離防止ナット30と接続ナット20にねじ山つぶれが生じたとき、分離防止ナット30のロック力によって管継手10と接続ナット20との押付力が大きくなりすぎて第1の接続パイプ201が押し潰れることを防止するために、接続ナット20と管継手10とのねじ嵌め合い長さは、分離防止ナット30と接続ナット20とのねじ嵌め合い長さよりも大きい。あるいは、接続ナット20と管継手10との螺合ねじ山の数を、分離防止ナット30と接続ナット20との螺合ねじ山の数よりも大きくしてもよい。
【0046】
[058] 一実施例において、分離防止ナット30と接続ナット20との接続強度がより良好になるように、分離防止ナット30の内側のねじは分離防止ナット30の両端を貫通している。
【0047】
[059] 一実施例において、加工が便利で時間を節約し、且つ加工コストが低減するように、分離防止ナット30の内側のねじは分離防止ナット30の一端のみを貫通している。
【0048】
[060] 以下、分離防止ナットアセンブリ100と第1の接続パイプ201及び第2の接続パイプ202との接続過程を具体的に述べる。
【0049】
図3から
図4に示されたように、取り付ける際に、まず第1の接続パイプ201のフレア部2011が設けられている一端を接続ナット20内に嵌め込み、且つ接続ナット20の一端から引き出し、レンチで管継手10をF2に沿って接続ナット20の他端に捻じ込めて固定し、その後、管継手10を締め付け且つ第1の接続パイプ201のフレア部2011に当接させて、フレア部2011の壁を管継手10と接続ナット20との間に挟持させ、分離防止ナット30を締め付け方向F1に回転させて、分離防止ナット30が接続ナット20と管継手10とを更に回転させて締め付けられるようにし、且つ第1の接続パイプ201接続パイプが更に押し付けられるようにし、第1の接続パイプ201が押し付けられた後に、分離防止ナット30をロック方向に回転させ続けるが、このとき、分離防止ナット30と接続ナット20との螺合強度が接続ナット20と管継手10との螺合強度よりも小さいため、分離防止ナット30と接続ナット20との間に
ねじ山つぶれ現象が起きるようになり、換言すれば、分離防止ナット30の雌ねじとねじセグメント21の雄ねじとが噛み合うことができなくなり、このとき、ロック方向あるいは緩め方向に分離防止ナット30を回転させても接続ナット20が回転せず、更には平滑セグメント22の外周が滑らかな曲面であるため他の工具によって接続ナット20を回転させて緩めることもできず、接続ナット20が分離不可能であるという要求を実現し、人為的に誤って分離されることによる冷媒の漏れを防止した。
【0050】
[061] 実施例2:
図5から
図7を併せて参照する。
図5は、本出願の別の実施例における分離防止ナットアセンブリ100と第1の接続パイプ201及び第2の接続パイプ202との接続の構造模式図であり、
図6は、
図5に示された分離防止ナットアセンブリ100における管継手10の構造模式図であり、
図7は、
図5に示された分離防止ナットアセンブリ100における分離防止ナット30と管継手10とが締め付けられていない状態の構造模式図である。
【0051】
[062] 接続ナット20の一端は第1の接続パイプ201に挿嵌され、接続ナット20の他端は管継手10に螺合され、第1の接続パイプ201は管継手10によって接続ナット20内に当接される。管継手10と接続ナット20とが最大限に締め付けられるとき、管継手10と第1の接続パイプ201とは互いに当接され、分離防止ナット30は管継手10に螺合され、第2の接続パイプ202は管継手10の第1の接続パイプ201から離れた一端に固定して挿設される。
【0052】
[063] 分離防止ナット30と管継手10とが締め付けられるとき、空調の通常の使用者は、管継手10と接続ナット20との接続を直接分離することができず、これによって空調室内機セットのダクトを分離不可能にするという目的を達成する。
【0053】
[064] 管継手10は略円柱状を呈し、管継手10の第1の接続パイプ201から離れた一端は分離防止ナット30に螺合され、他端には径方向に収縮して当接部12が形成される。当接部12は第1の接続パイプ201に当接するために用いられ、ねじセグメントは接続ナット20に螺合されるために用いられる。管継手10の第1の接続パイプ201に相対的に近い外面は、接続ナット20に螺合される第1のねじセグメント13が形成され、且つ第1のねじセグメント13は当接部12に相対的に近い。
【0054】
[065] 第2の接続パイプ202は管継手10内に固定して挿嵌され、具体的な接続方式は、溶接又はカシメ等の固定接続方式によって行ってもよく、第2の接続パイプ202と管継手10との封止性を確保する。
【0055】
[066] 更に、管継手10と分離防止ナット30及び接続ナット20とが接続された後、使用者が普通の工具で管継手10を直接分離できないように、管継手10の外側には、更に外部に露出した滑らかな曲面セグメント(符号未記載)を1つ含む。
【0056】
[067] 接続ナット20は略円柱状であり、接続ナット20の内面には管継手10を接続するためのねじが設けられている。第1の接続パイプ201の接続ナット20に挿嵌するための一端はフレア部2011とされ、このフレア部2011は第1の接続パイプ201が接続ナット20から直接抜き出されることを防止するために用いられ、接続ナット20も、第1の接続パイプ201を収容可能な収容チャンバとして対応して設けられ、且つ収縮口構造を設けることにより第1の接続パイプ201の離脱を防止し、フレア部2011の外面を収縮口の内壁にフィットさせる。これに対応して、当接部12が第1の接続パイプ201に密着し且つ封止できることを確保するように、管継手10の当接部12の収縮形状も、第1の接続パイプ201のフレア部2011に対応して設けられる。
【0057】
[068] 管継手10が第1のねじセグメント13により接続ナット20に底端まで螺合されるとき、第1の接続パイプ201が管継手10と接続ナット20との間に封止して固定されるように、管継手10の当接部12は、第1の接続パイプ201のフレア部2011の内壁に突き当たる。
【0058】
[069] 接続ナット20には捻じ込み部23が設けられており、捻じ込み部23は、使用者が工具を用いて接続ナット20を管継手10に螺合させるために用いられる。
【0059】
[070] 一実施例において、工具を用いて管継手10を接続ナット20に捻じ込むことを容易にするために、捻じ込み部23は略外六角形の角柱である。
【0060】
[071] 他の実施形態において、捻じ込み部23の形状は、例えば三角柱のような他の非円形構造に設けられてもよく、工具を用いて管継手10を接続ナット20に容易に捻じ込むことを実現できればよいことを理解できる。
【0061】
[072]
図8から
図9を併せて参照する。
図8は、
図5に示された分離防止ナットアセンブリ100の断面模式図であり、
図9は、
図7に示された分離防止ナットアセンブリ100の断面模式図である。
【0062】
[073] 一実施例において、分離防止ナット30は、外六角ナットであって、管継手10に嵌接され、これに対応して、管継手10の第1の接続パイプ201から相対的に離れた外面には、分離防止ナット30に螺合される第2のねじセグメント14が形成される。
【0063】
[074] 本実施例における分離防止ナット30は外六角ナットであり、このように設けると、一方では作業者が分離防止ナット30を回転させるときより便利で且つ労力を節約し、他方では従来の多数のレンチ工具と合わせて使用可能であり、レンチ工具の選択範囲を広げた。
【0064】
[075] 一実施例において、管継手10の第1の接続パイプ201から離れた一端には、径方向に延長して止め部15が形成され、分離防止ナット30に当接されることを防止するために用いられる。作業者が直接工具を用いて分離防止ナット30を容易に取り付けて接続するように、分離防止ナット30は管継手10に嵌合して螺合され、且つ分離防止ナット30の内側の直径は止め部15の外側の直径よりも小さい。
【0065】
[076] 一実施例において、管継手10の止め部15と第1のねじセグメント13との間には第2のねじセグメント14が設けられおり、第2のねじセグメント14は分離防止ナット30を接続するために用いられる。このように設けると、分離防止ナット30が取り付けられるときに失われにくく、且つ作業者が直接取り付けて接続することが容易になるように、分離防止ナット30及び接続ナット20は、管継手10の同じ側に設けられ、且つ分離防止ナット30の内側のサイズは、接続ナット20捻じ込み部23の外部のサイズよりも小さい。
【0066】
[077] 第2のねじセグメント14の直径は、第1のねじセグメント13の直径よりも大きいことが好ましい。
【0067】
[078] 一実施例において、第1のねじセグメント13と第2のねじセグメント14とは、ねじ回転方向が逆であり、即ち、分離防止ナット30が管継手10に捻じ込まれる締め付け方向と、接続ナット20が管継手10に捻じ込まれる締め付け方向とは逆である。このように設けると、分離防止ナット30は、締め付けられると同時に管継手10と接続ナット20とが更に締め付けられるようにすることができる。具体的には、第1のねじセグメント13のねじは右回りねじとしてもよく、第2のねじセグメント14のねじは左回りねじとしてもよく、分離防止ナット30はF1の方向に沿って管継手10に捻じ込まれ、接続ナット20はF2の方向に沿って管継手10に捻じ込まれる。
【0068】
[079] 一実施例において、分離防止ナット30と管継手10とが第2のねじセグメント14まで締め付けられて止め部15に当接するとき、分離防止ナット30のねじと第2のねじセグメント14のねじにねじ山つぶれが生じるまで分離防止ナット30を更に締め付けるが、このとき、分離防止ナット30は工具によって更に締め付けられ続けたり又は緩めたりすることが難しくなり、且つ接続ナット20も、更に締め付けられたり又は緩められたりすることができず、これによって分離防止ナット30と管継手10との分離防止接続を更に確保できる。
【0069】
[080] 他の実施形態において、分離防止ナット30は、例えば外形が五角形のナット等であるような他の形状のナットを選択してもよく、管継手10との接続を容易にすることを実現できればよく、第1のねじセグメント13及び第2のねじセグメント14のねじ回転方向も相互に入れ替えてもよく、分離防止ナット30が管継手10に捻じ込まれるとき管継手10と接続ナット20とが更に締め付けられることを実現できればよいことを理解できる。
【0070】
[081] 一実施例において、分離防止ナット30の硬度は管継手10及び接続ナット20の硬度よりも低く、このように設けると、分離防止ナット30と管継手10にねじ山つぶれが生じたとき、分離防止ナット30の内側のねじを破損させるが、管継手10及び接続ナット20における第1のねじセグメント13のねじはいずれも破損されないようにする。
【0071】
[082] 一実施例において、分離防止ナット30と管継手10との螺合強度を接続ナット20と管継手10との螺合強度よりも小さくするために、接続ナット20と管継手10との螺合の噛み合い深さを、分離防止ナット30と管継手10との螺合の噛み合い深さよりも大きくしてもよく、そうすると管継手10が接続ナット20に捻じ込まれる力が分離防止ナット30が接続ナット20に捻じ込まれる力よりも大きくなり、あるいは、接続ナット20と管継手10とのねじ嵌め合い長さが分離防止ナット30と管継手10とのねじ嵌め合い長さよりも大きくなる。このように設けると、止め部15に当接するまで分離防止ナット30が強力に締め付けられて接続ナット20と管継手10との接続は密接になるが、ねじ山つぶれ現象は起きにくい。
【0072】
[083] 一実施例において、分離防止ナット30と管継手10との接続強度がより良好になるように、分離防止ナット30の内側のねじは分離防止ナット30の両端を貫通している。
【0073】
[084] 一実施例において、加工が便利で時間を節約し、且つ加工コストが低減するように、分離防止ナット30の内側のねじは分離防止ナット30の一端のみを貫通している。
【0074】
[085] 以下、分離防止ナットアセンブリ100と第1の接続パイプ201及び第2の接続パイプ202との接続過程を具体的に述べる。
【0075】
図5から
図9に示されたように、取り付ける際に、まず第1の接続パイプ201のフレア部2011が設けられている一端を接続ナット20内に嵌め込み、且つ接続ナット20の一端から引き出し、分離防止ナット30を管継手10に嵌合し、更に接続ナット20をレンチでF2方向に沿って管継手10の第1のねじセグメント13に捻じ込ませて固定し、その後に、接続ナット20を締め付け且つ管継手10を第1の接続パイプ201のフレア部2011に当接させて、フレア部2011の壁を管継手10と接続ナット20との間に挟持させ、分離防止ナット30を締め付け方向F1に回転させて、分離防止ナット30が管継手10と接続ナット20とを更に回転させて締め付けられるようにし、且つ第1の接続パイプ201が更に押し付けられるようにし、第1の接続パイプ201が押し付けられた後、分離防止ナット30が止め部15に当接するまで分離防止ナット30をロック方向に回転させ続けるが、このとき、分離防止ナット30と管継手10との螺合強度が接続ナット20と管継手10との螺合強度よりも小さいため、分離防止ナット30と管継手10との間に
ねじ山つぶれ現象が起きるようになり、換言すれば、分離防止ナット30の雌ねじと第1のねじセグメント13のねじとが噛み合うことができなくなり、このとき、ロック方向あるいは緩め方向に分離防止ナット30を回転させても管継手10が回転せず、更には管継手10の外周が滑らかな曲面であるため他の工具によって管継手10を回転させて緩めることもできず、管継手10と接続ナット20との間が分離不可能であるという取り付け要求を実現し、この分離防止ナットアセンブリ100の空調システムを適用すれば、相応的に、人為的に誤って分離されることによる空調システムの室内機セットの冷媒の漏れを防止し、更にはこれによる空調システムの安全上の問題を避けることができる。
【0076】
[086] 実施例3:
図10及び
図11を参照する。
図10は、本出願の別の実施例における分離防止ナットアセンブリ100と第1の接続パイプ201及び第2の接続パイプ202との接続の構造模式図であり、
図11は、
図10に示された分離防止ナットアセンブリ100における管継手10の構造模式図である。
【0077】
[087] 接続ナット20の一端は第1の接続パイプ201に挿嵌され、接続ナット20の他端は管継手10に螺合され、第1の接続パイプ201は管継手10によって接続ナット20内に当接される。管継手10と接続ナット20とが最大限に締め付けられるとき、管継手10と第1の接続パイプ201とは互いに当接され、分離防止ナット30は管継手10の第1の接続パイプ201から離れた一端に螺合され、第2の接続パイプ202は管継手10の第1の接続パイプ201から離れた一端に固定して挿設される。
【0078】
[088] 分離防止ナット30と管継手10とが締め付けられるとき、空調の通常の使用者は、管継手10と接続ナット20との接続を直接分離することができず、これによって空調室内機セットのダクトを分離不可能にするという目的を達成する。
【0079】
[089] 管継手10は略円柱状を呈し、管継手10の第1の接続パイプ201から離れた一端は分離防止ナット30に螺合され、他端には径方向に収縮して当接部12が形成される。当接部12は第1の接続パイプ201に当接するために用いられ、ねじセグメントは接続ナット20に螺合されるために用いられる。管継手10の第1の接続パイプ201に相対的に近い外面は、接続ナット20に螺合される第1のねじセグメント13が形成され、且つ第1のねじセグメント13は当接部12に相対的に近い。
【0080】
[090] 第2の接続パイプ202は、管継手10内に固定して挿嵌され、具体的な接続方式は、溶接又はカシメ等の固定接続方式によって行ってもよく、第2の接続パイプ202と管継手10との封止性を確保する。
【0081】
[091] 更に、管継手10と分離防止ナット30及び接続ナット20とが接続された後、使用者が普通の工具で管継手10を直接分離できないように、管継手10の外側には、更に外部に露出した滑らかな曲面セグメント(符号未記載)を1つ含む。
【0082】
[092]
図12を参照する。
図12は、
図10に示された分離防止ナットアセンブリ100と第1の接続パイプ201及び第2の接続パイプ202との接続の断面模式図である。
【0083】
[093] 接続ナット20は略円柱状であり、接続ナット20の内面には管継手10を接続するためのねじが設けられている。第1の接続パイプ201の接続ナット20に挿嵌するための一端はフレア部2011とされ、このフレア部2011は第1の接続パイプ201が接続ナット20から直接抜き出されることを防止するために用いられ、接続ナット20も、第1の接続パイプ201を収容可能な収容チャンバとして対応して設けられ、且つ収縮口構造を設けることにより第1の接続パイプ201の離脱を防止し、フレア部2011の外面を収縮口の内壁にフィットさせる。これに対応して、当接部12が第1の接続パイプ201に密着し且つ封止できることを確保するように、管継手10の当接部12の収縮形状も、第1の接続パイプ201のフレア部2011に対応して設けられる。
【0084】
[094] 管継手10が第1のねじセグメント13により接続ナット20に底端まで螺合されるとき、第1の接続パイプ201が管継手10と接続ナット20との間に封止して固定されるように、管継手10の当接部12は、第1の接続パイプ201のフレア部2011の内壁に突き当たる。
【0085】
[095] 接続ナット20には捻じ込み部23が設けられており、捻じ込み部23は、使用者が工具を用いて接続ナット20を管継手10に螺合させるために用いられる。
【0086】
[096] 一実施例において、工具を用いて管継手10を接続ナット20に捻じ込むことを容易にするために、捻じ込み部23は略外六角形の角柱である。
【0087】
[097] 他の実施形態において、捻じ込み部23の形状は、例えば三角柱のような他の非円形構造に設けられてもよく、工具を用いて管継手10を接続ナット20に容易に捻じ込むことを実現できればよいことを理解できる。
【0088】
[098] 一実施例において、分離防止ナット30は、外六角ナットであって、管継手10の第1の接続パイプ201から相対的に離れた一端に嵌接され、これに対応して、管継手10の第1の接続パイプ201から相対的に離れた外面には、分離防止ナット30に螺合される第2のねじセグメント14aが形成される。
【0089】
[099] 本実施例における分離防止ナット30は六角ナットであり、このように設けると、一方では作業者が分離防止ナット30を回転させるときより便利で且つ労力を節約し、他方では従来の多数のレンチ工具と合わせて使用可能であり、レンチ工具の選択範囲を広げた。
【0090】
[0100] 一実施例において、第1のねじセグメント13と第2のねじセグメント14aとはねじ回転方向が同じであり、即ち、分離防止ナット30が管継手10に捻じ込まれる締め付け方向と、接続ナット20が管継手10に捻じ込まれる締め付け方向とは逆である。このように設けると、分離防止ナット30は、締め付けられると同時に管継手10と接続ナット20とが更に締め付けられるようにすることができる。具体的には、第1のねじセグメント13及び第2のねじセグメント14aのねじはいずれも右回りねじにしてもよく、分離防止ナット30はF1の方向に沿って管継手10に捻じ込まれ、接続ナット20はF2の方向に沿って管継手10に捻じ込まれる。
【0091】
[0101] 一実施例において、管継手10には径方向に延長して止め部15aが形成され、止め部15aは第1のねじセグメント13と第2のねじセグメント14aとの間に位置して、分離防止ナット30に当接することを防止するために用いられる。作業者が工具を用いて分離防止ナット30を直接取り付けて接続することが容易になるように、分離防止ナット30は管継手10の第1の接続パイプ201から相対的に離れた一端に設けられ、且つ分離防止ナット30の内部の直径は止め部15aの外側の直径よりも小さい。
【0092】
[0102] 一実施例において、分離防止ナット30と管継手10とが第2のねじセグメント14aまで締め付けられて止め部15aに当接するとき、分離防止ナット30のねじと第2のねじセグメント14aのねじにねじ山つぶれが生じるまで分離防止ナット30を更に締め付けるが、このとき、分離防止ナット30は、工具によって更に締め付けられ続けたり又は緩めたりすることが難しくなり、且つ接続ナット20も、更に締め付けられたり又は緩められたりすることができず、これによって分離防止ナット30と管継手10との分離防止接続を更に確保できる。
【0093】
[0103] 他の実施形態において、分離防止ナット30は、例えば外形が五角形のナット等のような他の形状のナットを選択してもよく、管継手10との接続を容易にすることを実現できればよいことを理解できる。
【0094】
[0104] 一実施例において、分離防止ナット30の硬度は管継手10及び接続ナット20の硬度よりも低く、このように設けると、分離防止ナット30と管継手10にねじ山つぶれが生じたとき、分離防止ナット30の内側のねじを破損させるが、管継手10及び接続ナット20における第1のねじセグメント13のねじはいずれも破損されないようにする。
【0095】
[0105] 一実施例において、分離防止ナット30と管継手10との螺合強度を接続ナット20と管継手10との螺合強度よりも小さくするために、接続ナット20と管継手10との螺合の噛み合い深さを分離防止ナット30と管継手10との螺合の噛み合い深さよりも大きくしてもよく、そうすると、管継手10が接続ナット20に捻じ込まれる力が分離防止ナット30が接続ナット20に捻じ込まれる力よりも大きくなり、あるいは、接続ナット20と管継手10とのねじ嵌め合い長さが分離防止ナット30と管継手10とのねじ嵌め合い長さよりも大きくなる。このように設けると、止め部15aに当接するまで分離防止ナット30が締め付けられて、接続ナット20と管継手10との接続は密接なるが、ねじ山つぶれ現象は起きにくい。
【0096】
[0106] 一実施例において、分離防止ナット30と管継手10との接続強度がより良好になるように、分離防止ナット30の内側のねじは分離防止ナット30の両端を貫通している。
【0097】
[0107] 別の実施例において、加工が便利で時間を節約し、且つ加工コストが低減するように、分離防止ナット30の内側のねじは分離防止ナット30の一端のみを貫通している。
【0098】
[0108] 以下、分離防止ナットアセンブリ100と第1の接続パイプ201及び第2の接続パイプ202との接続過程を具体的に述べる。
【0099】
図10から
図12に示されたように、取り付ける際に、まず第1の接続パイプ201のフレア部2011が設けられている一端を接続ナット20内に嵌め込み、且つ接続ナット20の一端から引き出し、レンチでF2方向に沿って接続ナット20を管継手10の第1のねじセグメント13に捻じ込ませて固定し、その後に、接続ナット20を締め付け且つ管継手10を第1の接続パイプ201のフレア部2011に当接させて、フレア部2011の壁を管継手10と接続ナット20との間に挟持させ、分離防止ナット30を締め付け方向F1に回転させて、分離防止ナット30が管継手10と接続ナット20とを更に回転させて締め付けられるようにし、且つ第1の接続パイプ201が更に押し付けられるようにし、第1の接続パイプ201が押し付けられた後、分離防止ナット30が止め部15aに当接するまで分離防止ナット30をロック方向に回転させ続けるが、このとき、分離防止ナット30と管継手10との螺合強度が接続ナット20と管継手10との螺合強度よりも小さいために、分離防止ナット30と管継手10との間に
ねじ山つぶれ現象が起きるようになり、換言すれば、分離防止ナット30の雌ねじと第1のねじセグメント13のねじとが噛み合うことができなくなり、このとき、ロック方向あるいは緩め方向に分離防止ナット30を回転させても管継手10が回転せず、更には管継手10の外周が滑らかな曲面であるため他の工具によって管継手10を回転させて緩めることもできず、管継手10と接続ナット20とが分離不可能であるという取り付け要求を実現し、この分離防止ナットアセンブリ100の空調システムを適用すれば、相応的に、人為的に誤って分離されることによる空調システムの室内機セットの冷媒の漏れを防止し、更にはこれによる空調システムの安全上の問題を避けることができる。
【0100】
[0109] 本出願で提供される分離防止ナットアセンブリは、分離防止ナットを接続ナット又は管継手に取り付けることにより、接続ナットと管継手との分離防止作用を実現し、更には第1の接続パイプと第2の接続パイプとの分離防止接続を実現できる。
【0101】
[0110] 本出願は、空調システム(図示せず)を更に提供し、空調システムが正常に稼働できるように、この空調システムは、上述の分離防止ナットアセンブリ100及び分離防止ナットアセンブリ100に接続された空調システムに必要な他の部品、例えば圧縮機、熱交換機、ダクト等を含む。
【0102】
[0111] 上述した実施例の各技術特徴は任意のセットが可能であり、記述を簡潔にするために、上述の実施例における各技術特徴の可能なセットについては全て記述されていないが、これらの技術特徴のセットに矛盾がない限り、いずれも本明細書に記載された範囲とみなされるべきである。
【0103】
[0112] 上述した実施例は単に本出願のいくつかの実施形態を示すものにすぎず、その説明が比較的に具体的且つ詳細ではあるが、そのために出願の特許請求の範囲を制限するものとして理解されるべきではない。当業者にとって、本出願の趣旨を逸脱しないことを前提にいくつかの変形及び改善を行うことができ、いずれも本出願の保護範囲に含まれると指摘しておかなければならない。従って、本出願の特許の保護範囲は添付の特許請求の範囲に準ずるものとすべきである。