(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
A61F 7/10 20060101AFI20240105BHJP
A61F 7/00 20060101ALI20240105BHJP
F04D 29/58 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
A61F7/10 351
A61F7/00 331Z
A61F7/10 352A
A61F7/00 331E
F04D29/58 M
(21)【出願番号】P 2022530498
(86)(22)【出願日】2021-06-02
(86)【国際出願番号】 JP2021020951
(87)【国際公開番号】W WO2021251229
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】P 2020100245
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021025193
(32)【優先日】2021-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】318001706
【氏名又は名称】京セラインダストリアルツールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】岡田 厚人
(72)【発明者】
【氏名】菅田 嘉隆
(72)【発明者】
【氏名】古賀 薫
(72)【発明者】
【氏名】中村 和也
(72)【発明者】
【氏名】濱本 凌介
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06189327(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0064574(US,A1)
【文献】登録実用新案第3220810(JP,U)
【文献】特表2018-507987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 7/10
A61F 7/00
F04D 29/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の首を冷却する冷却装置であって、
第1吸気口
、第2吸気口及び第1排気口を有し、前記首に取り付けられるハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられ、前記首に接触する冷却部と、
前記ハウジング内に収容され、前記第1吸気口
及び前記第2吸気口から前記ハウジング内に空気を取り込む第1ファンと
を備え、
前記第1ファンによって前記第1吸気口から前記ハウジング内に取り込まれた第1空気は、前記第1排気口から排出されて前記首を冷却するとともに、前記冷却部を冷却
し、
前記第1ファンによって前記第2吸気口から前記ハウジング内に取り込まれた第2空気は、前記第1排気口から排出されて前記首を冷却するとともに、前記冷却部を冷却し、
前記第1ファンは、
羽根構造と、
前記羽根構造を回転させるモータと
を有し、
前記モータは、
モータ本体部と、
前記モータ本体部の外側に延びるモータ軸と
を有し、
前記羽根構造は、
前記第1吸気口から前記ハウジング内に空気を取り込む第1羽根部と、
前記第2吸気口から前記ハウジング内に空気を取り込む第2羽根部と
を有し、
前記第1羽根部は、前記モータ軸の回転方向において前記モータ本体部を取り囲む複数の第1の羽根を有し、
前記第2羽根部は、前記回転方向において、前記モータ軸における前記モータ本体部の外側に位置する部分を取り囲む複数の第2の羽根を有し、
前記第1羽根部の高さは、前記第2羽根部の高さよりも大きい、冷却装置。
【請求項2】
請求項1に記載の冷却装置であって、
前記冷却部は、ペルチェ素子を含む、冷却装置。
【請求項3】
請求項2に記載の冷却装置であって、
前記冷却部は、前記ペルチェ素子の発熱面に取り付けられた放熱器を含む、冷却装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の冷却装置であって、
前記ハウジングは、第
3吸気口及び第2排気口を有し、
前記ハウジング内に収容され、前記第
3吸気口から前記ハウジング内に空気を取り込む第2ファンを備え、
前記第1空気は、前記第1排気口から排出されて前記首の一方側面を冷却し、
前記第2ファンによって前記第
3吸気口から前記ハウジング内に取り込まれた第
3空気は、前記第2排気口から排出されて前記首の他方側面を冷却する、冷却装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の冷却装置であって、
前記ハウジングは、前記冷却部を冷却した前記第1空気を排出する第3排気口を有する、冷却装置。
【請求項6】
請求項5に記載の冷却装置であって、
前記ハウジングは、前記ハウジングの通風路を仕切る仕切り部であって、前記ハウジング内の前記第1空気を前記第3排気口に案内する仕切り部を有する、冷却装置。
【請求項7】
請求項5及び請求項6のいずれか一つに記載の冷却装置であって、
前記第1排気口の排気風量は、前記第3排気口の排気風量よりも大きい、冷却装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の冷却装置であって、
前記第1排気口は、
前記ハウジングの第1の面に設けられた少なくとも一つの第1排気穴と、
前記ハウジングの第2の面に設けられた少なくとも一つの第2排気穴と
を含む、冷却装置。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一つに記載の冷却装置であって、
前記冷却部は、前記首に接触する冷却板を含み、
前記冷却板は、前記第1空気を排出する第4排気口を有し、
前記第4排気口から排気された前記第1空気は前記首を冷却する、冷却装置。
【請求項10】
請求項9に記載の冷却装置であって、
前記ハウジングは、前記冷却板に対向し、かつ前記ハウジング内の前記第1空気を前記第4排気口に案内する第1案内部を有する、冷却装置。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか一つに記載の冷却装置であって、
前記冷却部は、前記首に接触する冷却板を含み、
前記ハウジングは、前記冷却部の周囲に、前記第1空気を排出する第5排気口を有し、
前記第5排気口から排気された前記第1空気は前記首を冷却する、冷却装置。
【請求項12】
請求項11に記載の冷却装置であって、
前記ハウジングは、前記冷却板に対向し、かつ前記ハウジング内の前記第1空気を前記第5排気口に案内する第2案内部を有する、冷却装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一つに記載の冷却装置であって、
前記冷却部は、前記首に接触する冷却板を含み、
前記冷却板における前記首と対向する面は、複数の溝を有する、冷却装置。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか一つに記載の冷却装置であって、
前記ハウジングが前記首に取り付けられた状態では、前記第1吸気口は、前記人の足元側に向く、冷却装置。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか一つに記載の冷却装置であって、
前記ハウジングは、
前記首の後ろ側から、前記首の一方側面側を通って前記人の前側に延びる第1部分と
前記首の後ろ側から、前記首の他方側面側を通って前記人の前側に延びる第2部分とを有し、
前記第1部分と前記第2部分の開き具合を調整するためのヒンジ構造を備える、冷却装置。
【請求項16】
請求項15に記載の冷却装置であって、
前記第1部分と前記第2部分が閉じる方向に前記第1部分及び前記第2部分を付勢する付勢部材を備える、冷却装置。
【請求項17】
請求項16に記載の冷却装置であって、
前記第1部分と前記第2部分の最大閉じ量を調節するための調節構造を備える、冷却装置。
【請求項18】
請求項15から請求項17のいずれか一つに記載の冷却装置であって、
前記ハウジング内に位置し、前記ヒンジ構造内を通る配線を備え、
前記ヒンジ構造は、
ヒンジ軸と、
前記ヒンジ軸に取り付けられ、互いに連結される、前記ハウジングに含まれる第1及び第2連結部と
を有し、
前記第1連結部は、前記ヒンジ軸の軸方向に沿った方向と交差する開口を有し、
前記配線は前記開口を通る、冷却装置。
【請求項19】
請求項18に記載の冷却装置であって、
前記開口には、前記配線と前記ヒンジ軸が通り、
前記配線は前記ヒンジ軸の外側に位置する、冷却装置。
【請求項20】
請求項1から請求項19のいずれか一つに記載の冷却装置であって、
前記ハウジングは、
前記冷却部が取り付けられ、前記首の周囲に位置する周囲部分と、
前記周囲部分の長手方向の両端から前記人の前側に延びる一対の前側部分と
を有し、
前記一対の前側部分の少なくとも一部は、前記周囲部分よりも軟質な材料で構成されている、冷却装置。
【請求項21】
人の首を冷却する冷却装置であって、
第1吸気口、第2吸気口及び第1排気口を有し、前記首に取り付けられるハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられ、前記首に接触する冷却部と、
前記ハウジング内に収容され、前記第1吸気口及び前記第2吸気口から前記ハウジング内に空気を取り込む第1ファンと
を備え、
前記第1ファンによって前記第1吸気口から前記ハウジング内に取り込まれた第1空気は、前記第1排気口から排出されて前記首を冷却するとともに、前記冷却部を冷却し、
前記第1ファンによって前記第
2吸気口から前記ハウジング内に取り込まれた第
2空気は、前記第1排気口から排出されて前記首を冷却するとともに、前記冷却部を冷却し、
前記第1吸気口についての前記ハウジングの外表面での開口面積は、前記第
2吸気口の当該外表面での開口面積よりも小さく、
前記第1ファンは、
前記第1吸気口から前記ハウジング内に空気を取り込む第1羽根部と、
前記第
2吸気口から前記ハウジング内に空気を取り込む第2羽根部と
を有し、
前記第1羽根部の高さは、前記第2羽根部の高さよりも大きい、冷却装置。
【請求項22】
人の首を冷却する冷却装置であって、
第1吸気口及び第1排気口を有し、前記首に取り付けられるハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられ、前記首に接触する冷却部と、
前記ハウジング内に収容され、前記第1吸気口から前記ハウジング内に空気を取り込む第1ファンと
を備え、
前記第1ファンによって前記第1吸気口から前記ハウジング内に取り込まれた第1空気は、前記第1排気口から排出されて前記首を冷却するとともに、前記冷却部を冷却し、
前記第1ファンは、前記第1吸気口から前記ハウジング内に空気を取り込む第1羽根部を有し、
前記第1羽根部は、前記第1ファンの回転軸のまわりに位置する複数の第1の羽根を有し、
前記
複数の第1の羽根は、
複数の第1主羽根と、
前記複数の第1主羽根の間に位置し、前記複数の第1主羽根よりも長さが短い第1中間羽根と
を有し、
前記第1中間羽根の高さは、前記複数の第1主羽根の高さよりも小さい、冷却装置。
【請求項23】
請求項
22に記載の冷却装置であって、
前記ハウジングは、第
2吸気口を有し、
前記第1ファンによって前記第
2吸気口から前記ハウジング内に取り込まれた第
2空気は、前記第1排気口から排出されて前記首を冷却するとともに、前記冷却部を冷却し、
前記第1ファンは、
前記第
2吸気口から前記ハウジング内に空気を取り込む第2羽根部と、
前記第1及び第2羽根部を回転させるモータと
を有し、
前記モータは、
モータ本体部と、
前記モータ本体部の外側に延びるモータ軸と
を有し、
前記複数の第1の羽根は、前記モータ軸の回転方向において前記モータ本体部を取り囲み、
前記第2羽根部は、前記回転方向において、前記モータ軸における前記モータ本体部の外側に位置する部分を取り囲む複数の第2の羽根を有し、
前記
複数の第2の羽根は、
複数の第2主羽根と、
前記複数の第2主羽根の間に位置し、前記複数の第2主羽根よりも短い第2中間羽根と
を有し、
前記第2中間羽根の高さは、前記複数の第2主羽根の高さよりも小さく、
前記複数の第1主羽根の高さと前記第1中間羽根の高さの差は、前記複数の第2主羽根の高さと前記第2中間羽根の高さの差よりも大きい、冷却装置。
【請求項24】
請求項
22に記載の冷却装置であって、
前記ハウジングは、第
2吸気口を有し、
前記第1ファンによって前記第
2吸気口から前記ハウジング内に取り込まれた第
2空気は、前記第1排気口から排出されて前記首を冷却するとともに、前記冷却部を冷却し、
前記第1吸気口についての前記ハウジングの外表面での開口面積は、前記第
2吸気口の当該外表面での開口面積よりも小さく、
前記第1ファンは、前記第
2吸気口から前記ハウジング内に空気を取り込む第2羽根部を有し、
前記第2羽根部は、前記回転軸のまわりに位置する複数の第2の羽根を有し、
前記
複数の第2の羽根は、
複数の第2主羽根と、
前記複数の第2主羽根の間に位置し、前記複数の第2主羽根よりも短い第2中間羽根と
を有し、
前記第2中間羽根の高さは、前記複数の第2主羽根の高さよりも小さく、
前記複数の第1主羽根の高さと前記第1中間羽根の高さの差は、前記複数の第2主羽根の高さと前記第2中間羽根の高さの差よりも大きい、冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人の首を冷却する冷却装置に関する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
冷却装置が開示される。一の実施の形態では、冷却装置は、人の首を冷却する冷却装置である。冷却装置は、首に取り付けられるハウジングと、ハウジングに取り付けられた冷却部と、ハウジング内に収容された第1ファンとを備える。ハウジングは第1吸気口及び第1排気口を有する。冷却部は首に接触する。第1ファンは、第1吸気口からハウジング内に空気を取り込む。第1ファンによって第1吸気口からハウジング内に取り込まれた第1空気は、第1排気口から排気されて首を冷却するとともに、冷却部を冷却する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図2】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図3】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図4】冷却装置が人の首に取り付けられている様子の一例を示す概略図である。
【
図5】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図6】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図8】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図9】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図10】冷却装置の外観の一例を示す概略図である。
【
図11】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図12】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図13】冷却装置の外観の一例を示す概略図である。
【
図14】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図15】冷却装置の外観の一例を示す概略図である。
【
図16】冷却装置の外観の一例を示す概略図である。
【
図17】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図18】冷却装置の外観の一例を示す概略図である。
【
図19】冷却装置の外観の一例を示す概略図である。
【
図20】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図21】冷却装置が人の首に取り付けられている様子の一例を示す概略図である。
【
図22】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図23】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図24】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図25】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図26】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図27】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図28】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図29】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図30】冷却装置の外観の一例を示す概略図である。
【
図31】冷却装置の外観の一例を示す概略図である。
【
図32】冷却装置の外観の一例を示す概略図である。
【
図33】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図34】冷却装置の外観の一例を示す概略図である。
【
図35】冷却装置の外観の一例を示す概略図である。
【
図36】冷却装置の内部の様子の一例を示す概略図である。
【
図37】冷却装置の内部の様子の一例を示す概略図である。
【
図38】冷却装置の内部の様子の一例を示す概略図である。
【
図39】冷却装置の内部の様子の一例を示す概略図である。
【
図46】冷却装置の外観の一例を示す概略図である。
【
図47】冷却装置の断面構造の一例を示す概略図である。
【
図50】冷却装置の外観の一例を示す概略図である。
【
図61】冷却板の断面構造の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下に、人の首を冷却する冷却装置1の具体例を図面を参照しつつ説明する。
【0007】
実施の形態1.
図1は本実施の形態に係る冷却装置1(冷却装置1Aともいう)の外観の一例を示す概略正面図である。
図2は、
図1の矢視A-Aの断面構造の一例を示す概略図である。
図3は、
図2の矢視B-Bの断面構造の一例を示す概略図である。冷却装置1Aは、例えば、人の首(言い換えれば頚部)を冷却する冷却装置であって、人の首に取り付けられる。
【0008】
図4は、冷却装置1Aが人500の首501に取り付けられている様子の一例を示す概略図である。
図4に示されるように、冷却装置1Aは、例えば、首501に掛けられた状態で使用される。
【0009】
以後、冷却装置1を説明する場合に右側と言えば、冷却装置1が首501に取り付けられた状態での人500の右手側(
図4の左側)を意味する。また、冷却装置1を説明する場合に左側と言えば、冷却装置1が首501に取り付けられた状態での人500の左手側(
図4の右側)を意味する。
【0010】
図1~4に示されるように、冷却装置1Aは、ハウジング2と、ハウジング2に取り付けられた冷却部3とを備える。ハウジング2は、例えば樹脂で構成されており、首501に取り付けられる。ハウジング2は、例えば、略U字状に曲がる、両端が閉塞した筒状部材で構成されている。略U字状のハウジング2は、その底部が首501の後ろ側に位置するように、当該首501に掛けられる。
【0011】
ハウジング2は、首501の周囲に位置する周囲部分20を有する。周囲部分20は、例えば、首501の外周面に応じて湾曲した筒状を成している。周囲部分20は、例えば、首501の右の側面側から後ろ側を通って左の側面側まで延びており、首501の背面と両側面とに対向する。周囲部分20は、首501の背面と対向する後ろ側部分200と、首501の両側面にそれぞれ対向する一対の側方部分201とを有する。
【0012】
ハウジング2は、周囲部分20の長手方向の両端から人500の胴体502の前側に延びる一対の前側部分21を有する。一対の前側部分21は、一対の側方部分201の一端からそれぞれ延びている。ここで、人の胴体は、胸部と腹部とで構成されている。胴体は体幹とも呼ばれる。一対の前側部分21は、周囲部分20の両端から、例えば、胴体502に含まれる胸部の前側まで延びている。各前側部分21は胴体502に沿って湾曲している。
【0013】
また、ハウジング2は、首501の後ろ側から、首501の右の側面側を通って人500の前側に延びる右側部分25と、首501の後ろ側から、首501の左の側面側を通って人500の前側に延びる左側部分26とを備えるとも言える。右側部分25と左側部分26とは、首501の後ろ側で繋がっている。右側部分25及び左側部分26のそれぞれは、例えば、首501の後ろ側から胴体502の胸部の前側まで延びている。右側部分25は略U字状のハウジング2の片側半分を構成し、左側部分26はハウジング2の残りの片側半分を構成している。右側部分25及び左側部分26のそれぞれは、人500の体に沿って曲がっている。
【0014】
ハウジング2は、例えば、両端が閉塞した、略U字状の細長い偏平筒状体が捻じれた形状を有している。右側部分25は、その先端から首501の後ろ側にかけて外側に90度ねじれている。同様に、左側部分26は、その先端から首501の後ろ側にかけて外側に90度ねじれている。ハウジング2は、一方の前側部分21の先端から周囲部分20の後ろ側部分200にかけて外側に90度捻じれており、他方の前側部分21の先端から後ろ側部分200にかけても外側に90度捻じれている。
【0015】
ハウジング2の外表面は、ハウジング2の長手方向に延びる第1主面121及び第2主面122を有する。第1主面121及び第2主面122は、互いに対向しつつねじれるようにハウジング2の長手方向に沿って延びている。また、ハウジング2の外表面は、第1主面121と第2主面122とを繋ぐ周端面123を有する。周端面123は、第1主面121及び第2主面122の外縁を取り囲んでいる。周端面123は、ハウジング2の長手方向に延びる第1端面123a及び第2端面123bを有する。第1端面123a及び第2端面123bは、互いに対向しつつねじれるようにハウジング2の長手方向に沿って延びている。周端面123は、第1端面123aの長手方向の一端と第2端面123bの長手方向の一端とを繋ぐ凸湾曲状の第3端面123cを有する。周端面123は、第1端面123aの長手方向の他端と第2端面123bの長手方向の他端とを繋ぐ凸湾曲状の第4端面123dとを有する。
【0016】
第1主面121は、前側部分21では、人500の前側を向いている。第1主面121は、前側部分21から周囲部分20にかけて徐々に外側にねじれている。第1主面121は、周囲部分20では、首501の外周面に沿った形状を成しており、人500の外側に向いている。
【0017】
第2主面122は、前側部分21では、人500の胴体502側を向いている。第2主面122は、前側部分21から周囲部分20にかけて徐々に外側にねじれている。第2主面122は、周囲部分20では、首501の外周面に沿った形状を成しており、首501側に向いている。第2主面122は、首501と対向する対向面を含んでいる。
【0018】
第1端面123aは、前側部分21の吸気部210及びその付近では、左右方向かつ人500の体の内側を向いている。第1端面123aは、前側部分21から周囲部分20にかけて徐々に外側にねじれている。第1端面123aは、周囲部分20では、人500の頭側を向いている。
【0019】
第2端面123bは、前側部分21の吸気部210及びその付近では、左右方向かつ人500の体の外側を向いている。第2端面123bは、前側部分21から周囲部分20にかけて徐々に外側にねじれている。第2端面123bは、周囲部分20では、人500の体の下側を向いている。
【0020】
第1主面121と第1端面123aとの境界の角部は面取りされており、当該角部に面取り面125が形成されている。面取り面は傾斜面とも言える。また、第1主面121と第2端面123bとの境界の角部は面取りされており、当該角部に面取り面126が形成されている。
【0021】
第2主面122と第1端面123aとの境界の角部は面取りされており、当該角部に面取り面127が形成されている(
図2参照)。また、第2主面122と第2端面123bとの境界の角部は面取りされており、当該角部に面取り面128が形成されている(
図2参照)。
【0022】
一対の前側部分21のそれぞれは、ハウジング2の外側の空気をハウジング2内に取り込む吸気部210を有する。吸気部210は、例えば、前側部分21の先端部に位置する。ハウジング2の右側部分25及び左側部分26のそれぞれの先端部には吸気部210が設けられている。
【0023】
吸気部210の表面には、ハウジング2の外側の空気をハウジング2内に取り込む吸気口211が設けられている。吸気口211は、例えば、複数の吸気穴211aを有する。吸気口211は、例えば、吸気部210の前面に設けられている。吸気口211は、第1主面121のうち、吸気部210に位置する領域に設けられている。吸気口211は、例えば人500の前側を向いている。吸気口211は一つの吸気穴211aを有してもよい。
【0024】
図5は、
図1の矢視C-Cの断面構造の一例を示す概略図である。各吸気部210には、吸気口211からハウジング2内に空気を取り込むファン4が収容されている。ファン4は、例えば軸流ファンである。ファン4は、羽根部40と、当該羽根部40を回転させるモータ41とを備える。モータ41は吸気部210内に固定されている。モータ41が備えるモータ軸410の端部は、羽根部40に固定されている。モータ軸410が回転すると、それに応じて羽根部40が回転する。羽根部40が回転すると、吸気口211の複数の吸気穴211aから空気がハウジング2内に取り込まれる。ハウジング2の内部空間は、吸気口211からハウジング2内に取り込まれた空気が流れる通風路を構成する。
【0025】
図1及び4に示されるように、吸気部210には、冷却装置1Aに電力(言い換えれば電源)を供給するためのコネクタ5が設けられている。コネクタ5には、電源ケーブル6が接続される。電源ケーブル6は、例えばバッテリに接続されている。バッテリで生成された電力は、電源ケーブル6及びコネクタ5を通じて冷却装置1Aに供給される。モータ41は、冷却装置1Aに供給される電力に基づいて羽根部40を回転させる。
【0026】
ファン4は、軸流ファン以外であってもよい。ファン4は、例えば遠心ファンであってもよい。
図6は、遠心ファンであるファン4が吸気部210に設けられている様子の一例を示す概略断面図である。ファン4が軸流ファンである場合と遠心ファンである場合とでは、羽根部40の構造が異なる。
【0027】
以後、右側部分25の吸気部210及び吸気口211をそれぞれ右側吸気部210及び右側吸気口211と呼ぶことがある。また、左側部分26の吸気部210及び吸気口211をそれぞれ左側吸気部210及び左側吸気口211と呼ぶことがある。また、右側吸気部210内のファン4を右側ファン4と呼び、左側吸気部210内のファン4を左側ファン4と呼ぶことがある。
【0028】
冷却部3は、首501に接触し、首501を冷却することが可能である。冷却部3は、例えば、首501の後ろ側(言い換えれば背面)に接触し、当該後ろ側を冷却する。冷却部3は、例えば、首501に接触する冷却板30と、冷却板30を冷却するペルチェ素子31と、ペルチェ素子31で生じる熱を放熱する放熱器32とを備える。冷却部3の構成はこの限りではない。
【0029】
冷却板30は、熱伝導性が高い材料で構成されている。冷却板30は、例えば、アルミニウム等の熱伝導性が高い金属で構成されている。冷却板30は、ハウジング2から露出しており、首501と接触する。冷却板30は、首501の外周面に応じて湾曲している。冷却板30は、例えば、ハウジング2の周囲部分20の首501側の面(言い換えれば、首501との対向面)に固定されている。冷却板30は、例えば、周囲部分20の後ろ側部分200の首501側の面に固定されている。冷却板30は、第2主面122のうち、後ろ側部分200に位置する領域に固定されている。冷却板30は、後ろ側部分200に対して、例えばネジ止めされてもよいし、他の方法で固定されてもよい。冷却板30は、周囲部分20の側方部分201に固定されてもよい。
【0030】
ペルチェ素子31は、ペルチェ効果を利用した半導体素子であって、吸熱面31a及び発熱面31bを有する。ペルチェ素子の吸熱面及び発熱面は、それぞれ、冷却面及び放熱面とも呼ばれる。ペルチェ素子31は、電源ケーブル6及びコネクタ5を通じて冷却装置1Aに供給される電力に基づいて動作する。
【0031】
ペルチェ素子31の吸熱面31aは、冷却板30における首501と接触する面とは反対側の面に固定される。ハウジング2の後ろ側部分200における首501との対向部分は開口部200aを有する。冷却板30は、開口部200aを塞ぐように後ろ側部分200に固定される。ペルチェ素子31は、例えば、開口部200a内に配置される。ペルチェ素子31の吸熱面31aは、冷却板30における首501と対向する主面30aとは反対側の主面30bのうち、開口部200aから露出する領域に対して固定される。吸熱面31aは、冷却板30に対して、例えば熱伝導性の高い接合材で接合される。接合材は、金属材料で構成されてもよいし、熱伝導グリースで構成されてもよいし、他の材料で構成されてもよい。ペルチェ素子31の吸熱面31aが冷却板30に取り付けられることによって、冷却板30が冷却される。冷却板30が冷却されることによって、冷却板30に接触する首501が冷却される。
【0032】
放熱器32は、例えば、複数の板状の放熱フィンを備える。放熱器32は、例えば、熱伝導性の高い材料で構成される。放熱器32は、例えば、アルミニウム等の熱伝導性が高い金属で構成される。放熱器32は、ペルチェ素子31の発熱面31bに取り付けられる。放熱器32は、発熱面31bに対して、例えば熱伝導性の高い接合材で接合される。接合材は、金属材料で構成されてもよいし、熱伝導グリースで構成されてもよいし、他の材料で構成されてもよい。ペルチェ素子31で発生する熱は、放熱器32によって放熱される。これにより、ペルチェ素子31の冷却性能が向上する。
【0033】
ハウジング2には、2つの吸気口211にそれぞれ対応する2つの排気口220が設けられている。右側吸気口211に対応する排気口220を右側排気口220と呼び、左側吸気口211に対応する排気口220を左側排気口220と呼ぶことがある。
【0034】
右側排気口220及び左側排気口220は、右側部分25及び左側部分26にそれぞれ設けられている。排気口220は、例えば、側方部分201から前側部分21の側方部分201側の端部にかけて第1端面123aに設けられている。これにより、
図4に示されるように、各排気口220は首501の近傍に位置する。ハウジング2の長手方向(言い換えれば延在方向)において、排気口220は、それに対応する吸気口211と冷却部3との間に位置する。排気口220は、一つの排気穴で構成されてもよい。
【0035】
ファン4によって吸気口211からハウジング2内に取り込まれた空気は、ファン4の働きによって、当該吸気口211に対応する排気口220から排出されて首501を冷却する。本例では、排気口220から排出された空気は、首501に当たるだけでなく、例えば人500の下顎にも当たりそれを冷却する。右側排気口220から排出された空気は、概ね、首501の右の側面と下顎の右側部分を冷却する。一方で、左側排気口220から排出された空気は、概ね、首501の左の側面と下顎の左側部分を冷却する。
【0036】
本例では、ファン4によって吸気口211からハウジング2内に取り込まれた空気は、排気口220から排出されて首501を冷却するとともに、冷却部3を冷却する。冷却部3が冷却されることによって、冷却部3の冷却性能を向上することができる。そして、ハウジング2には、
図3に示されるように、冷却部3を冷却したハウジング2内の空気をハウジング2外に排出する排気口230が設けられている。
【0037】
排気口230は、例えば一つの排気穴で構成されている。排気口230は複数の排気穴で構成されてもよい。排気口230は、例えば、第1主面121のうち、ハウジング2の後ろ側部分200に含まれる領域に設けられている。排気口230は、後ろ側部分200の外側の主面(言い換えれば、首501と対向する主面とは反対側の主面)に設けられていると言える。排気口230は、ペルチェ素子31及び放熱器32の近くに位置する。具体的には、排気口230は、ペルチェ素子31及び放熱器32よりも少し左側に位置する。本例では、ハウジング2の長手方向において、ペルチェ素子31及び放熱器32は、右側吸気口211と排気口230との間に位置する。また、ハウジング2の長手方向において、ペルチェ素子31及び放熱器32は、右側排気口220と排気口230との間に位置する。
【0038】
右側吸気口211からハウジング2内に取り込まれた空気(右側取り込み空気ともいう)は、右側ファン4の働きにより、排気口230に向かって流れる。そして、右側取り込み空気の一部は、右側排気口220から排出され、右側取り込み空気の残りは冷却部3を冷却する。右側取り込み空気は、放熱器32の複数の放熱フィンの間を通って、放熱器32を冷却する。
図3の矢印505は、右側取り込み空気が排気口230に向かって流れる様子を示している。放熱器32の板状の各放熱フィンは、右側取り込み空気が流れる方向と平行になるように設けられている。これにより、右側取り込み空気が複数の放熱フィンの間を流れやすくなる。冷却部3を冷却した右側取り込み空気は、排気口230から暖かい空気としてハウジング2外に排出される。
【0039】
このように、放熱器32が右側取り込み空気で冷却されることによって、放熱器32の放熱性能が向上する。これにより、ペルチェ素子31で発生した熱をより放熱することができる。その結果、冷却部3の冷却性能が向上する。
【0040】
図3に示されるように、ハウジング2は、ハウジング2の通風路(言い換えれば、ハウジング2の内部空間)を仕切る仕切り部240を備えている。この仕切り部240は、右側取り込み空気を排気口230に案内する役割を有する。仕切り部240は、ハウジング2の通風路を、その長手方向に沿って2つに区分する。具体的には、仕切り部240は、ハウジング2の通風路を、概ね、右側部分25の先端から排気口230の左側の端までの第1通風路251と、排気口230の左側の端から左側部分26の先端までの第2通風路252とに区分する。仕切り部240は、例えば、湾曲した板状部である。仕切り部240は、排気口230と対向する部分を有しており、排気口230の左側の端からペルチェ素子31に向かって首501側に凸となるように延びている。
【0041】
右側取り込み空気は、第1通風路251を流れて、その一部は右側排気口220から排出され、残りは排気口230から排出される。一方で、左側吸気口211からハウジング2内に取り込まれた空気(左側取り込み空気ともいう)は、第2通風路252を流れて、左側排気口220から排出される。
【0042】
このように、ハウジング2は、冷却部3を冷却した右側取り込み空気を排気口230に案内する仕切り部240を有することから、冷却部3を冷却した後の右側取り込み空気を効率よくハウジング2の外側に排出することができる。
【0043】
また、ハウジング2が仕切り部240を有することにより、冷却部3を冷却する右側取り込み空気の流れが、左側取り込み空気によって阻害されにくくなる。これにより、右側取り込み空気によって冷却部3をより適切に冷却することできる。なお、ハウジング2は仕切り部240を備えなくてもよい。
【0044】
本例では、
図2及び3に示されるように、ハウジング2は、その内表面と放熱器32との間の空間内に右側取り込み空気が流れにくくするための壁部260を有する。ハウジング2の内表面には、例えば複数の壁部260が立設されている。複数の壁部260は、ハウジング2の長手方向に沿って、言い換えれば、右側取り込み空気が流れる方向に沿って、並べられている。各壁部260は、例えば略U字状の板状部であって、ハウジング2の周方向(言い換えれば、ハウジング2の長手方向を取り囲む方向)に沿って放熱器32を取り囲んでいる。各壁部260は、放熱器32の周囲に位置する。壁部260の数は3個以外であってもよい。例えば、ハウジング2は一つの壁部260を備えてもよい。また、ハウジング2は壁部260を備えなくてもよい。
【0045】
このように、放熱器32の周囲に、右側取り込み空気が流れる方向に対して対向する壁部260が設けられることにより、右側取り込み空気を効率よく放熱器32に当てることができる。よって、右側取り込み空気によって放熱器32を効率よく冷却することができる。
【0046】
以上のように、冷却装置1Aは、冷却部3によって首501を冷却できるとともに、ファン4によってハウジング2内に取り込まれた空気によって首501を冷却できる。よって、冷却装置1Aの冷却性能が向上する。
【0047】
さらに、冷却装置1Aでは、ファン4によってハウジング2内に取り込まれた空気は冷却部3を冷却することから、冷却部3の発熱を抑制することができる。これにより、ファン4によってハウジング2内に取り込まれた空気によって、首501を冷却できるとともに、冷却部3の冷却性能を向上することができる。よって、効率よく冷却装置1Aの冷却性能を向上することができる。
【0048】
なお、首501において冷却部3が冷却する領域は上記の例に限られない。例えば、冷却部3は、首501の右後ろ側あるいは左後ろ側を冷却してもよい。また、冷却部3は首501の側面を冷却してもよい。また、ハウジング2は、左側吸気部210及び左側排気口220を備えなくてもよい。
【0049】
また、右側排気口220の排気風量は、排気口230の排気風量よりも大きくなるように設定されてもよい。これにより、右側排気口220から排出される空気によって首501をより冷却することができる。排気口の排気風量は、当該排気口から単位時間あたりに排出される空気の量を意味する。右側排気口220が有する排気穴の数及び大きさの少なくとも一方を変更することによって、右側排気口220の排気風量を調節することができる。また、排気口230を構成する排気穴の大きさを変更することによって、排気口230の排気風量を調節することができる。
【0050】
実施の形態2.
図7は本実施の形態に係る冷却装置1(冷却装置1Bともいう)の外観の一例を示す概略正面図である。
図8は、
図7の矢視D-Dの断面構造の一例を示す概略図である。
図9は、
図8の矢視E-Eの断面構造の一例を示す概略図である。
【0051】
図7~9に示されるように、冷却装置1Bでは、冷却板30は排気口300及び301を有する。排気口300は、例えば複数の排気穴300aを有する。排気口301は、例えば複数の排気穴301aを有する。排気口300が有する排気穴300aの数は1つであってもよい。排気口301が有する排気穴301aの数は1つであってもよい。
【0052】
排気口300は、第1通風路251と連通しており、第1通風路251を流れる右側取り込み空気を排出する。排気口300は、ペルチェ素子31及び放熱器32の近傍に位置する。具体的には、排気口300は、ペルチェ素子31及び放熱器32よりも少し右側に位置する。排気口300から排出された右側取り込み空気は首501を冷却する。本例では、排気口300から排出された右側取り込み空気は、概ね、首501の背面の右側部分を冷却する。
【0053】
排気口301は、第2通風路252と連通しており、第2通風路252を流れる左側取り込み空気を排出する。排気口301は、ペルチェ素子31及び放熱器32の近傍に位置する。具体的には、排気口301は、ペルチェ素子31及び放熱器32よりも少し左側に位置する。排気口301から排出された左側取り込み空気は首501を冷却する。本例では、排気口301から排出された左側取り込み空気は、概ね、首501の背面の左側部分を冷却する。
【0054】
このように、冷却装置1Bでは、冷却板30に排気口300及び301が設けられていることから、冷却板30で冷やされた空気が排気口300及び301から排出される。よって、首501をより冷却することができ、冷却装置1Bの冷却性能が向上する。
【0055】
また、本例では、
図9に示されるように、ハウジング2は、ハウジング2内の右側取り込み空気を排気口300に案内する案内部270を有する。
図9の矢印510は、ハウジング2内の右側取り込み空気が排気口300に向かって流れる様子を示している。案内部270は、例えば板状であって、冷却板30と対向している。案内部270は、例えば、ペルチェ素子31の右側の端から、冷却板30と対向するように右側に延びており、排気口300と対向する部分を有する。冷却板30と対向する案内部270が設けられることによって、右側取り込み空気は、冷却板30の近くを流れた後に排気口300から排出される。これにより、排気口300からは、より冷やされた空気が排出される。よって、冷却装置1Bの冷却性能がさらに向上する。ハウジング2は案内部270を備えなくてもよい。
【0056】
また、ハウジング2は、ハウジング2内の左側取り込み空気を排気口301に案内する板状の案内部271を有する。
図9の矢印511は、ハウジング2内の左側取り込み空気が排気口301に向かって流れる様子を示している。案内部271は、例えば板状であって、冷却板30と対向している。案内部271は、例えば、ペルチェ素子31の左側の端から、冷却板30と対向するように左側に延びており、排気口301と対向する部分を有する。本例では、仕切り部240の一部が案内部271の一部を構成している。冷却板30と対向する案内部271が設けられることによって、左側取り込み空気は冷却板30の近くを流れた後に排気口301から排出される。これにより、排気口301からは、より冷やされた空気が排出される。よって、冷却装置1Bの冷却性能がさらに向上する。ハウジング2は案内部271を備えなくてもよい。
【0057】
また、本例では、
図7及び8に示されるように、右側排気口220が備える複数の排気穴221は、第1端面123aに設けられた複数の排気穴221aと、面取り面127に設けられた複数の排気穴221bとを含んでいる。ハウジング2の長手方向において、右側排気口220の排気穴221aは、右側排気口220の排気穴211bよりも右側吸気口211側に位置する。本例のように、右側排気口220が、互いに異なる面に設けられた複数の排気穴221を有することによって、右側排気口220から排出される空気が首501に当たる領域を広くすることができる。よって、冷却装置1Bは、首501のより広い範囲を冷却することができる。
【0058】
同様に、左側排気口220が備える複数の排気穴221は、第1端面123aに設けられた複数の排気穴221aと、面取り面127に設けられた複数の排気穴221bとを含んでいる。ハウジング2の長手方向において、左側排気口220の排気穴221aは、左側排気口220の排気穴211bよりも左側吸気口211側に位置する。本例のように、左側排気口220が、互いに異なる面に設けられた複数の排気穴221を有することによって、左側排気口220から排出される空気が首501に当たる領域を広くすることができる。よって、冷却装置1Bは、首501のより広い範囲を冷却することができる。
【0059】
なお、冷却装置1Bは、排気口300及び301の一方を備えていなくてもよい。また、右側排気口220が備える排気穴221aの数は1つであってもよい。また、右側排気口220が備える排気穴221bの数は1つであってもよい。また、左側排気口220が備える排気穴221aの数は1つであってもよい。また、左側排気口220が備える排気穴221bの数は1つであってもよい。
【0060】
また、冷却装置1Bの右側排気口220及び左側排気口220の少なくとも一方は、上述の冷却装置1Aと同様に、第1端面123aに設けられた少なくとも一つの排気穴221だけを備えてもよい。また、冷却装置1Bの右側排気口220及び左側排気口220の少なくとも一方は、面取り面127に設けられた少なくとも一つの排気穴221だけを備えてもよい。また、冷却装置1Bの右側排気口220及び左側排気口220の少なくとも一方は、第1端面123a及び面取り面127以外の面に設けられた少なくとも一つの排気穴221を備えてもよい。例えば、右側排気口220及び左側排気口220の少なくとも一方は、第2主面122に設けられた少なくとも一つの排気穴221を備えてもよい。
【0061】
実施の形態3.
図10は本実施の形態に係る冷却装置1(冷却装置1Cともいう)の外観の一例を示す概略正面図である。
図11は、
図10の矢視F-Fの断面構造の一例を示す概略図である。
図12は、
図11の矢視G-Gの断面構造の一例を示す概略図である。
【0062】
図10及び11に示されるように、冷却装置1Cのハウジング2は、冷却板30の周囲に排気口280及び281を有する。排気口280及び281は、第2主面122のうち、後ろ側部分200に含まれる領域に設けられている。排気口280及び281は、後ろ側部分200の首501との対向部分に設けられている。
【0063】
排気口280は、例えば複数の排気穴280aを有する。本例では、排気口280は、2つの排気穴280aを有する。2つの排気穴280aは、冷却板30を間に挟むように、首501の長さ方向に沿って並んでいる。排気口280が有する排気穴280aの数は1つであってもよい。
【0064】
排気口281は、例えば複数の排気穴281aを有する。本例では、排気口281は、2つの排気穴281aを有する。2つの排気穴281aは、冷却板30を間に挟むように、首501の長さ方向に沿って並んでいる。排気口281が有する排気穴281aの数は1つであってもよい。
【0065】
排気口280は、第1通風路251と連通しており、第1通風路251を流れる右側取り込み空気を排出する。排気口280は、ペルチェ素子31及び放熱器32の近傍に位置する。具体的には、排気口280は、ペルチェ素子31及び放熱器32よりも少し右側に位置する。排気口280から排出された右側取り込み空気は首501を冷却する。本例では、排気口280から排出された右側取り込み空気は、概ね、首501の背面の右側部分を冷却する。
【0066】
排気口281は、第2通風路252と連通しており、第2通風路252を流れる左側取り込み空気を排出する。排気口281は、ペルチェ素子31及び放熱器32の近傍に位置する。具体的には、排気口281は、ペルチェ素子31及び放熱器32よりも少し左側に位置する。排気口281から排出された左側取り込み空気は首501を冷却する。本例では、排気口281から排出された左側取り込み空気は、概ね、首501の背面の左側部分を冷却する。
【0067】
このように、冷却装置1Cでは、冷却板30の周囲に排気口280及び281が設けられている。これにより、冷却板30で冷やされた空気が排気口280及び281から排出される。よって、首501をより冷却することができ、冷却装置1Cの冷却性能が向上する。
【0068】
また、本例では、
図12に示されるように、ハウジング2は、ハウジング2内の右側取り込み空気を排気口280に案内する案内部290を有する。
図12の矢印520は、ハウジング2内の右側取り込み空気が排気口280に向かって流れる様子を示している。案内部290は、例えば板状であって、冷却板30及び排気口280と対向している。案内部290は、例えば、ペルチェ素子31の右側の端から、冷却板30及び排気口280と対向するように右側に延びている。冷却板30と対向する案内部290が設けられることによって、右側取り込み空気は冷却板30の近くを流れた後に排気口280から排出される。これにより、排気口280からは、より冷やされた空気が排出される。よって、冷却装置1Cの冷却性能がさらに向上する。ハウジング2は案内部290を備えなくてもよい。
【0069】
また、ハウジング2は、ハウジング2内の左側取り込み空気を排気口281に案内する板状の案内部291を有する。
図12の矢印521は、ハウジング2内の左側取り込み空気が排気口281に向かって流れる様子を示している。案内部291は、例えば板状であって、冷却板30及び排気口281と対向している。案内部291は、例えば、ペルチェ素子31の左側の端から、冷却板30及び排気口281と対向するように左側に延びている。本例では、仕切り部240の一部が案内部291の一部を構成している。冷却板30と対向する案内部291が設けられることによって、左側取り込み空気は冷却板30の近くを流れた後に排気口281から排出される。これにより、排気口281からは、より冷やされた空気が排出される。よって、冷却装置1Cの冷却性能がさらに向上する。ハウジング2は案内部291を備えなくてもよい。
【0070】
なお、冷却装置1Cは、排気口280及び281の一方を備えていなくてもよい。また、排気口280及び281の位置は上記の例に限られない。例えば、排気口280は、冷却板30の右側に位置してもよい。また、排気口281は、冷却板30の左側に位置してもよい。
【0071】
また、上述の実施の形態2と同様に、冷却装置1Cの排気口220が備える複数の排気穴221は、第1端面123aに設けられた複数の排気穴221aと、面取り面127に設けられた複数の排気穴221bとを含んでいるが、実施の形態2で説明したように、排気口220の構成はこの限りではない。
【0072】
また、上述の冷却装置1A及び1Bに対して排気口280を設けてもよい。この場合、冷却装置1A及び1Bに対して案内部290を設けてもよい。また、冷却装置1A及び1Bに対して排気口281を設けてもよい。この場合、冷却装置1A及び1Bに対して案内部291を設けてもよい。
【0073】
冷却装置1Bに対して排気口280及び案内部290を設ける場合には、案内部290が、冷却装置1Bの案内部270として機能してもよい。つまり、案内部290が、ハウジング2内の右側取り込み空気を排気口300及び排気口280に案内してもよい。また、冷却装置1Bに対して排気口281及び案内部291を設ける場合には、案内部291が、冷却装置1Bの案内部271として機能してもよい。
【0074】
実施の形態4.
図13は本実施の形態に係る冷却装置1(冷却装置1Dともいう)の一部の外観の一例を示す概略正面図である。
図14は、冷却装置1Dの一部の断面構造の一例を示す概略図である。
図14は、冷却装置1Dについての上述の
図3に相当する図である。
【0075】
図13及び14に示されるように、冷却装置1Dでは、冷却板30に複数の溝303が形成されている。複数の溝303は、冷却板30における首501と対向する主面30aに設けられている。複数の溝303は、ハウジング2の長手方向に沿って間隔を空けて配置されている。各溝303は、その長手方向が、首501の長さ方向に沿うように配置されている。複数の溝303の幅は、例えば同じに設定されている。冷却板30の主面30aのうち、溝303が形成されている領域は、首501と接触しにくくなる。
【0076】
このように、冷却板30における首501と対向する主面30aが複数の溝303を有する場合には、冷却板30と首501との接触具合を簡単に調節することができる。よって、冷却部3による首501の冷却具合を簡単に調節することができる。
【0077】
例えば、複数の溝303の数を変更することによって、冷却板30と首501との接触面積を変更することができる。例えば、複数の溝303の数を多くすることによって、冷却板30と首501との接触面積を小さくすることができる。冷却板30と首501との接触面積が変化すると、冷却部3の冷却性能が変化する。よって、複数の溝303の数を変更することによって、冷却部3の冷却性能を簡単に調節できる。例えば、複数の溝303の数を変更することによって、冷却部3が首501を冷やしすぎないようにできる。
【0078】
また、溝303の配置間隔を一定にするのではなく変化させることによって、冷却部3による首501の冷却具合を簡単に調節することができる。
図13及び14の例では、溝303の配置間隔は、ペルチェ素子31から離れるほど小さくなっている。これにより、冷却板30を溝303の配列方向に沿って見た場合、冷却板30と首501との接触面積は、ペルチェ素子31から離れるほど小さくなっている。よって、溝303の配置間隔が一定の場合と比較して、冷却部3による首501の冷却具合が変化する。なお、溝303の配置間隔は、本例とは逆に、ペルチェ素子31から離れるほど大きくしてもよい。また、溝303の配置間隔は一定であってもよい。また、複数の溝303の幅は一定なくてもよい。
【0079】
本例では、上述の実施の形態2と同様に、冷却装置1Dの排気口220が備える複数の排気穴221は、第1端面123aに設けられた複数の排気穴221aと、面取り面127に設けられた複数の排気穴221bとを含んでいるが、実施の形態2で説明したように、排気口220の構成はこの限りではない。また、上述の冷却装置1A,1B,1Cの冷却板30に複数の溝303を設けてもよい。
【0080】
実施の形態5.
図15は本実施の形態に係る冷却装置1(冷却装置1Eともいう)の外観の一例を示す概略正面図である。冷却装置1Eは、上述の冷却装置1Bの構造を一部変更したものである。
図15では、左側部分26の吸気部210において冷却装置1Eの断面構造が示されている。
【0081】
冷却装置1Eでは、ハウジング2の第3端面123c及び第4端面123dのそれぞれは例えば平坦である。冷却装置1Eでは、第3端面123c及び第4端面123dのそれぞれに吸気口211が設けられている。これにより、吸気口211は人500の足元側を向く。言い換えれば、吸気口211は、人500の体の下側を向く。冷却装置1Eの右側ファン4及び左側ファン4のそれぞれは例えば軸流ファンである。冷却装置1Eの他の構造については冷却装置1Bと同様である。
【0082】
上述の冷却装置1A,1B,1C,1Dでは、吸気口211が人500の前側を向いている。そのため、人500の髪の毛が長い場合には、髪の毛が吸気口211に入る可能性がある。
【0083】
これに対して、本例の冷却装置1Eでは、吸気口211が人500の足元側を向いていることから、人500の髪の毛が吸気口211に入る可能性を低減することができる。
【0084】
なお、上述の冷却装置1A,1C,1Dについても、吸気口211が人500の足元側を向くように変更してもよい。
【0085】
実施の形態6.
図16は本実施の形態に係る冷却装置1(冷却装置1Fともいう)の外観の一例を示す概略正面図である。
図17は、
図16の矢視H-Hの断面構造の一例を示す概略図である。冷却装置1Fは、上述の冷却装置1Bの構造を一部変更したものである。冷却装置1Fは、上述のハウジング2の替わりにハウジング2Fを備える。
【0086】
図16に示されるように、ハウジング2Fは、首501の周囲に位置する上述の周囲部分20を備える。さらに、ハウジング2Fは、周囲部分20の長手方向の両端から人500の胴体502の前側に延びる一対の前側部分600を有する。一対の前側部分600は、一対の側方部分201の一端からそれぞれ延びている。一対の前側部分600は、周囲部分20の両端から、例えば、胴体502に含まれる胸部の前側まで延びている。
【0087】
一対の前側部分600のそれぞれは、上述の吸気部210を有する。吸気部210は、例えば、前側部分600の先端部に位置する。各吸気部210には上述のファン4が収容されている。
【0088】
ハウジング2Fは、上述の排気口220の替わりに排気口720を備える。本例では、周囲部分20の一対の側方部分201に2つの排気口720がそれぞれ設けられている。右側の側方部分201に設けられた排気口720は右側吸気口211に対応し、左側の側方部分201に設けられた排気口720は左側吸気口211に対応している。各排気口720は複数の排気穴721を備える。排気口720は一つの排気穴721だけを備えてもよい。ファン4によって吸気口211からハウジング2F内に取り込まれた空気は、ファン4の働きによって、当該吸気口211に対応する排気口720から排出されて首501を冷却する。本例では、排気口720から排出された空気は、首501に当たるだけでなく、例えば人500の下顎にも当たりそれを冷却する。
【0089】
本例では、一対の前側部分600の少なくとも一部は、周囲部分20よりも軟質な材料で構成されている。例えば、各前側部分600では、吸気部210を除く部分601が、周囲部分20よりも軟質な材料で構成されている。部分601は、吸気部210と周囲部分20とを接続する接続部分601であると言える。接続部分601は、吸気口211からハウジング2F内に取り込まれた空気を、排気口720及び冷却部3まで送る通風路を構成している。本例では、周囲部分20及び各吸気部210は例えば樹脂で構成され、各接続部分601は例えば筒状の布で構成されている。本例では、接続部分601は吸気部210よりも軟質な材料で構成されている。接続部分601の一端はリング状の止め具630で周囲部分20に固定されており、接続部分601の他端はリング状の止め具631で吸気部210に固定されている。
【0090】
このように、本例では、一対の前側部分600の少なくとも一部が、周囲部分20よりも軟質な材料で構成されている。これにより、冷却装置1Fを小さくしてカバンあるいは収容ケース等に収容しやすくなる。上記の例では、各接続部分601を折り曲げることによって、冷却装置1Fを小さくしてカバン等に収容しやすくなる。
【0091】
なお、一対の前側部分600において、周囲部分20よりも軟質な材料で構成される部分は、上記の例に限られない。例えば、一対の前側部分600の一方だけに、周囲部分20よりも軟質な材料で構成される部分を設けてもよい。また、前側部分600における、周囲部分20側の端部だけを、周囲部分20よりも軟質な材料で構成してもよい。また、周囲部分20よりも軟質な材料は、布以外であってもよい。
【0092】
また、上述の冷却装置1A,1C,1D,1Eについても、一対の前側部分の少なくとも一部が、周囲部分20よりも軟質な材料で構成されてもよい。
【0093】
実施の形態7.
図18は本実施の形態に係る冷却装置1(冷却装置1Gともいう)の外観の一例を示す概略正面図である。
図19は冷却装置1Gを左側から見た場合の冷却装置1Gの外観の一例を示す概略側面図である。
図20は、
図19の矢視I-Iの断面構造の一例を示す概略図である。
図21は、冷却装置1Gが人500の首501に取り付けられている様子の一例を示す概略図である。
【0094】
冷却装置1Gは、上述の冷却装置1Bの構造を一部変更したものである。冷却装置1Gは、上述のハウジング2の替わりにハウジング2Gを備える。
図18~21に示されるように、ハウジング2Gは、略U字状を成しており、首501の周囲に位置する上述の周囲部分20を備える。さらに、ハウジング2Gは、周囲部分20の長手方向の両端から人500の胴体502の前側に延びる一対の前側部分650を有する。一対の前側部分650は、一対の側方部分201の一端からそれぞれ延びている。
図21に示されるように、一対の前側部分650は、周囲部分20の両端から、例えば、胴体502に含まれる胸部の前側まで延びている。各前側部分650は胴体502に沿って湾曲している。本例では、冷却装置1Gに電力を供給するためのコネクタ5は、例えば、右側の前側部分650の先端部に設けられている。
【0095】
ハウジング2Gは、上述の吸気部210の替わりに吸気部660を備える。本例では、周囲部分20の一対の側方部分201は、2つの吸気部660をそれぞれ有している。吸気部660の表面には、ハウジング2Gの外側の空気をハウジング2G内に取り込む吸気口661が設けられている。吸気口661は、例えば、複数の吸気穴661aを有する。吸気口661は、例えば、側方部分201の外側の主面(言い換えれば、首501と対向する主面とは反対側の主面)に設けられている。
【0096】
各吸気部660には、吸気口661からハウジング2G内に空気を取り込む上述のファン4が収容されている。ファン4のモータ41は吸気部660内に固定されている。ファン4の羽根部40が回転すると、吸気口661の複数の吸気穴661aから空気がハウジング2G内に取り込まれる。
【0097】
ハウジング2Gは、上述の排気口220の替わりに排気口750を備える。本例では、一対の前側部分650に2つの排気口750がそれぞれ設けられている。右側の前側部分650に設けられた排気口750は、右側の側方部分201に設けられた吸気口611に対応し、左側の前側部分650に設けられた排気口750は、左側の側方部分201に設けられた吸気口611に対応する。各排気口750は、例えば複数の排気穴751を有する。複数の排気穴751は、例えば、前側部分650の長手方向に沿って並んでいる。複数の排気穴751は、例えば、前側部分650において、周囲部分20側の端部から、その反対側の端部(言い換えれば先端部)にかけて設けられている。ハウジング2Gの長手方向において、吸気口661は、それに対応する排気口750と冷却部3との間に位置する。排気口750は、一つの排気穴で構成されてもよい。
【0098】
ファン4によって吸気口661からハウジング2G内に取り込まれた空気は、ファン4の働きによって、当該吸気口661に対応する排気口750から排出されて首501を冷却する。本例では、排気口750から排出された空気は、首501に当たるだけでなく、例えば人500の下顎にも当たりそれを冷却する。
【0099】
また、ファン4によって吸気口661からハウジング2G内に取り込まれた空気は冷却部3を冷却する。そして、冷却部3を冷却した空気は、周囲部分20に設けられた排気口230からハウジング2G外に排出される。また、右側の吸気口661からハウジング2G内に取り込まれた空気は、冷却板30に設けられた排気口300から排出される。そして、左側の吸気口661からハウジング2G内に取り込まれた空気は、冷却板30に設けられた排気口301から排出される。
【0100】
このように、ハウジング2Gの長手方向において、吸気口661が、排気口750と冷却部3との間に位置する場合であっても、吸気口661からハウジング2G内に取り込まれた空気は、排気口750から排出されて首501を冷却するとともに、冷却部3を冷却することができる。
【0101】
なお、上述の冷却装置1A,1C,1D,1E,1Fについても、ハウジングの長手方向において、吸気口が排気口と冷却部3の間に位置してもよい。
【0102】
実施の形態8.
図22は、本実施の形態に係る冷却装置(冷却装置1Hともいう)の一部の断面構造の一例を示す概略図である。
図22は、冷却装置1Hについての上述の
図3に相当する図である。
図23は、
図22の矢視J-Jの断面構造の一例を示す概略図である。
図24は、
図22の矢視K-Kの断面構造の一例を示す概略図である。冷却装置1Hは、上述の冷却装置1Aの構造を一部変更したものである。
【0103】
冷却装置1Hは、例えば複数の冷却部3を備える。具体的には、冷却装置1Hは2つの冷却部3を備える。2つの冷却部3は、2つの吸気口211にそれぞれ対応する。また、冷却装置1Hは、右側部分25と左側部分26の開き具合を調整するためのヒンジ構造800を備える。本例では、排気口220は、
図23に示されるように、例えば面取り面127に設けられている。
【0104】
右側部分25に設けられた右側吸気口211に対応する冷却部3は、右側部分25に取り付けられている。左側部分26に設けられた左側吸気口211に対応する冷却部3は、左側部分26に取り付けられている。以後、右側部分25に取り付けられた冷却部3を右側冷却部3と呼び、左側部分26に取り付けられた冷却部3を左側冷却部3と呼ぶことがある。また、右側冷却部3が備える冷却板30、ペルチェ素子31及び放熱器32を、それぞれ、右側冷却板30、右側ペルチェ素子31及び右側放熱器32と呼ぶことがある。また、左側冷却部3が備える冷却板30、ペルチェ素子31及び放熱器32を、それぞれ、左側冷却板30、左側ペルチェ素子31及び左側放熱器32と呼ぶことがある。
【0105】
右側冷却部3は、例えば、首501の右後ろ側に接触し、当該右後ろ側を冷却することが可能である。右側冷却板30は、例えば、ハウジング2の右側部分25のうち、首501の周囲に位置する部分(言い換えれば、周囲部分20に含まれる部分)の首501側の面(言い換えれば、首501との対向面)に固定されている。
【0106】
左側冷却部3は、例えば、首501の左後ろ側に接触し、当該左後ろ側を冷却することが可能である。左側冷却板30は、例えば、ハウジング2の左側部分26のうち、首501の周囲に位置する部分(言い換えれば、周囲部分20に含まれる部分)の首501側の面(言い換えれば、首501との対向面)に固定されている。
【0107】
本例では、ハウジング2は2つの開口部200aを備える。一方の開口部200aは、右側部分25のうち、首501の周囲に位置する部分に設けられている。他方の開口部200aは、左側部分26のうち、首501の周囲に位置する部分に設けられている。以後、右側部分25に設けられた開口部200aを右側開口部200aと呼び、左側部分26に設けられた開口部200aを左側開口部200aと呼ぶことがある。
【0108】
右側冷却板30は、右側開口部200aを塞ぐように右側部分25に固定されている。右側ペルチェ素子31は、例えば、右側開口部200a内に配置され、右側冷却板30に固定されている。左側冷却板30は、左側開口部200aを塞ぐように左側部分26に固定されている。左側ペルチェ素子31は、例えば、左側開口部200a内に配置されて、左側冷却板30に固定されている。
【0109】
右側ファン4によって右側吸気口211からハウジング2内に取り込まれた空気は、右側排気口220から排出されて首501を冷却するとともに、右側冷却部3を冷却する。また、左側ファン4によって左側吸気口211からハウジング2内に取り込まれた空気は、左側排気口220から排出されて首501を冷却するとともに、左側冷却部3を冷却する。本例では、ハウジング2は2つの排気口230を備える。2つの排気口230は、右側部分25及び左側部分26にそれぞれ設けられている。右側部分25に設けられた排気口230を右側排気口230と呼び、左側部分26に設けられた排気口230を左側排気口230と呼ぶことがある。
【0110】
右側排気口230は、右側ペルチェ素子31及び右側放熱器32の近くに位置する。具体的には、右側排気口230は、右側ペルチェ素子31及び右側放熱器32よりも少し左側に位置する。右側冷却部3を冷却したハウジング2内の空気は、右側排気口230からハウジング2外に排出される。左側排気口230は、左側ペルチェ素子31及び左側放熱器32の近くに位置する。具体的には、左側排気口230は、左側ペルチェ素子31及び左側放熱器32よりも少し右側に位置する。左側冷却部3を冷却したハウジング2内の空気は、左側排気口230からハウジング2外に排出される。
【0111】
また、ハウジング2は2つの仕切り部240を備える。2つの仕切り部240は、右側部分25及び左側部分26にそれぞれ設けられている。右側部分25に設けられた仕切り部240を右側仕切り部240と呼び、左側部分26に設けられた仕切り部240を左側仕切り部240と呼ぶことがある。
【0112】
右側仕切り部240は、右側冷却部3を冷却した右側取り込み空気を右側排気口230に案内する。右側仕切り部240は、右側取り込み空気が流れる右側通風路255を規定する。左側仕切り部240は、左側冷却部3を冷却した左側取り込み空気を左側排気口230に案内する。左側仕切り部240は、左側取り込み空気が流れる左側通風路256を規定する。
【0113】
また、ハウジング2は、その内表面と右側放熱器32との間の空間内に右側取り込み空気が流れにくくするための複数の壁部260を有する。さらに、ハウジング2は、その内表面と左側放熱器32との間の空間内に右側取り込み空気が流れにくくするための複数の壁部260を有する。
【0114】
本例では、各冷却部3は、落下等の際にハウジング2にかかる衝撃がペルチェ素子31に伝わりにくくするための緩衝材35を備える。緩衝材35は、例えば、U字状に曲げられたシート状のスポンジで構成されている。緩衝材35は、ハウジング2の周方向に沿って放熱器32を覆っている。これにより、放熱器32が備える複数の放熱フィンの間を通る空気の流れを緩衝材35が阻害することを抑制することができる。冷却部3が緩衝材35を備えることによって、ハウジング2の内表面が、ペルチェ素子31に固定された放熱器32に当たりにくくなる。そのため、ペルチェ素子31に衝撃が伝わりにくくなる。よって、落下等によってペルチェ素子31が破損する可能性が低減する。なお、2つの冷却部3の少なくとも一方は緩衝材35を備えなくてもよい。
【0115】
ヒンジ構造800は、例えば、右側部分25と左側部分26との境界部分に設けられている。本例では、右側部分25と左側部分26とは別体となっている。右側部分25及び左側部分26は、互いに連結される連結部25a及び26aをそれぞれ備えている。冷却装置1Hはヒンジ軸801を備えている。連結部25a及び26aはヒンジ軸801に取り付けられている。連結部25a及び26aとヒンジ軸801とでヒンジ構造800が構成されている。右側部分25及び左側部分26は、それらの先端部が互いに離れたり近づいたりするように、ヒンジ軸801を軸として相対的に回動することが可能である。右側部分25及び左側部分26のそれぞれは、ヒンジ軸801の周りに回動することが可能である。ユーザは、右側部分25及び左側部分26をヒンジ軸801を軸として相対的に回動させることによって、右側部分25及び左側部分26の開き具合を調整することができる。ヒンジ軸801は回動軸であるとも言える。
【0116】
また、冷却装置1Hは、右側部分25と左側部分26が閉じる方向に右側部分25及び左側部分26を付勢する付勢部材850を備える。付勢部材850は、例えば、ねじりコイルばねである。付勢部材850は、ハウジング2の周囲部分20内に設けられている。付勢部材850は、右側部分25及び左側部分26に跨るようにヒンジ軸801に取り付けられている。付勢部材850は、右側部分25及び左側部分26の先端部が互いに近づくように右側部分25及び左側部分26を付勢する。右側部分25及び左側部分26に加わる付勢力は、右側部分25及び左側部分26の開き具合が大きくなるにつれて大きくなる。
【0117】
ユーザは、冷却装置1Hを首501に取り付ける場合には、例えば、右側部分25及び左側部分26を両手でそれぞれ持ち、その後、右側部分25と左側部分26が開くように、両手を使って、付勢部材850による付勢力に抗して右側部分25と左側部分26を相対的に外側に回動させる。そして、ユーザは、首501の太さに合わせて右側部分25及び左側部分26を開いた状態で、ハウジング2を首501に取り付ける。その後、ユーザが右側部分25及び左側部分26から両手を離すと、付勢部材850による付勢力によって、右側部分25と左側部分26が閉じようとして、首501が右側部分25と左側部分26で挟み込まれる。これにより、冷却装置1Hが首501から外れにくくなる。
【0118】
なお、右側部分25の先端部と左側部分26の先端部とが当たる状態において、右側部分25及び左側部分26に付勢力が加わっていてもよいし、加わっていなくてもよい。後者の場合、右側部分25及び左側部分26を、それらの先端部が互いに当たる状態から開けていくと、付勢部材850の付勢力が右側部分25及び左側部分26に加わり始めて、右側部分25及び左側部分26に閉じようとする力が加わる。
【0119】
このように、冷却装置1Hは、右側部分25と左側部分26の開き具合を調整するためのヒンジ構造800を備える。これにより、ユーザは、右側部分25と左側部分26の開き具合を首501の太さに応じて調整することができる。よって、ハウジング2を首501に取り付け易くなる。
【0120】
また、冷却装置1Hは、右側部分25及び左側部分26が閉じる方向に右側部分25及び左側部分26を付勢する付勢部材850を備えることから、右側部分25及び左側部分26で首501を挟み込むことができる。よって、簡単に冷却装置1Hが首501から外れにくくできる。
【0121】
また、冷却装置1Hは複数の冷却部3を備えることから、冷却装置1Hの冷却性能が向上する。
【0122】
なお、冷却装置1Hは付勢部材850を備えなくてもよい。また、冷却装置1Hと同様に、上述の冷却装置1A,1B,1C,1D,1E,1F,1Gに対しても、ヒンジ構造800及び付勢部材850のうちの少なくともヒンジ構造800を設けてもよい。また、冷却装置1A,1B,1C,1D,1E,1F,1Gは、複数の冷却部3を備えてもよい。また、冷却装置1A,1B,1C,1D,1E,1F,1Gの冷却部3は、緩衝材35を備えてもよい。
【0123】
また、冷却装置1Hは、1つの冷却部3を備えてもよい。
図25は、この場合の冷却装置1Hの一部の断面構造の一例を示す概略図である。
図25の例では、冷却部3は、上述の冷却装置1A等と同様に、周囲部分20の後ろ側部分200に取り付けられている。また、
図25の例では、冷却装置1Hは、ヒンジ構造800の替わりに、右側部分25及び左側部分26の開き具体を調整するためのヒンジ構造810を備える。ヒンジ構造810は、2つのヒンジ部820及び830を有する。ヒンジ部820は右側部分25に設けられ、ヒンジ部830は左側部分26に設けられている。
【0124】
本例のハウジング2では、周囲部分20の後ろ側部分200と、後ろ側部分200からハウジング2の右側の先端までの部分27と、後ろ側部分200からハウジング2の左側の先端までの部分28とが別体となっている。部分27は右側部分25に含まれ、部分28は左側部分26に含まれる。ヒンジ部820は、部分27を後ろ側部分200に対して相対的に回動可能とする。ヒンジ部830は、部分28を後ろ側部分200に対し相対的に回動可能とする。以後、部分27を右側回動部分27と呼び、部分28を左側回動部分28と呼ぶことがある。
【0125】
右側回動部分27と後ろ側部分200は、互いに連結される連結部27a及び200bをそれぞれ備えている。冷却装置1Hはヒンジ軸821を備えている。連結部27a及び200bはヒンジ軸821に取り付けられている。連結部27a及び200bとヒンジ軸821とでヒンジ部820が構成されている。右側回動部分27は、ヒンジ軸821を軸として外側及び内側に回動可能である。
【0126】
左側回動部分28と後ろ側部分200は、互いに連結される連結部28a及び200cをそれぞれ備えている。冷却装置1Hはヒンジ軸831を備えている。連結部28a及び200cはヒンジ軸821に取り付けられている。連結部28a及び200cとヒンジ軸831とでヒンジ部830が構成されている。左側回動部分28は、ヒンジ軸831を軸として外側及び内側に回動可能である。
【0127】
ユーザは、右側回動部分27及び左側回動部分28を回動させることによって、右側部分25及び左側部分26の開き具合を調整することができる。
【0128】
本例では、冷却装置1Hは、右側回動部分27が左側に回動するように右側回動部分27を付勢する付勢部材851を備える。また、本例では、冷却装置1Hは、左側回動部分29が右側に回動するように左側回動部分29を付勢する付勢部材852を備える。付勢部材851及び852は、例えば、ねじりコイルばねである。付勢部材851及び852は、ねじりコイルばね以外であってもよい。
【0129】
付勢部材851は、右側部分25内に設けられている。付勢部材851は、右側回動部分27及び後ろ側部分200に跨るようにヒンジ軸821に取り付けられている。付勢部材851は、右側回動部分27が左側に回動する方向に右側回動部分27を付勢する。
【0130】
付勢部材852は、左側部分26内に設けられている。付勢部材852は、左側回動部分28及び後ろ側部分200に跨るようにヒンジ軸831に取り付けられている。付勢部材852は、左側回動部分28が右側に回動する方向に左側回動部分28を付勢する。
【0131】
ユーザは、
図25に示される冷却装置1Hを首501に取り付ける場合には、例えば、右側回動部分27及び左側回動部分28を両手でそれぞれ持ち、その後、右側部分25と左側部分26が開くように、両手を使って、付勢部材851及び852による付勢力に抗して右側回動部分27及び左側回動部分28を外側に回動させる。そして、ユーザは、首501の太さに合わせて右側部分25及び左側部分26を開いた状態で、ハウジング2を首501に取り付ける。その後、ユーザが右側回動部分27及び左側回動部分28から両手を離すと、付勢部材851及び852による付勢力によって、右側部分25と左側部分26が閉じようとして、首501が右側部分25と左側部分26で挟み込まれる。これにより、冷却装置1Hが首501から外れにくくなる。
【0132】
図25に示される冷却装置1Hは、右側部分25と左側部分26の開き具合を調整するためのヒンジ構造810を備えることから、ユーザは、右側部分25と左側部分26の開き具合を首501の太さに応じて調整することができる。よって、ハウジング2を首501に取り付け易くなる。
【0133】
なお、
図25の例では、冷却部3は、緩衝材35を備えていないが、緩衝材35を備えてもよい。また、
図25に示される冷却装置1Hは付勢部材851及び852の少なくとも一方を備えなくてもよい。
【0134】
実施の形態9.
図26は、本実施の形態に係る冷却装置1(冷却装置1Iともいう)の一部の断面構造の一例を示す概略図である。
図27は、冷却装置1Iが首501に取り付けられている様子の一例を示す概略断面図である。
図27では首501が二点鎖線で示されている。
図26には、首501に取り付けられていない状態の冷却装置1Iの一例が示されている。
【0135】
冷却装置1Iは、上述の冷却装置1Hの構造を一部変更したものである。冷却装置1Iが備えるハウジング2は、周囲部分20の後ろ側部分200から、人500の後ろ側に突出する筒状の突出部295を有する。本例では、右側部分25及び左側部分26のそれぞれが突出部295を有する。以後、右側部分25が備える突出部295を右側突出部295と呼び、左側部分26が備える突出部295を左側突出部295と呼ぶことがある。
【0136】
右側突出部295の内部空間は、右側通風路255に連通している。右側突出部295は、後ろ側部分200の右側の端部から人500の後ろ側に延びている。右側突出部295は、後ろ側部分200の外側の主面から人500の後ろ側に延びている。右側突出部295の先端は開口している。右側突出部295の先端には、右側通風路255を流れる、右側冷却部3を冷却した右側取り込み空気が排出される排気口230が設けられている。
【0137】
左側突出部295の内部空間は、左側通風路256に連通している。左側突出部295は、後ろ側部分200の左側の端部から人500の後ろ側に延びている。左側突出部295は、後ろ側部分200の外側の主面から人500の後ろ側に延びている。左側突出部295の先端は開口している。左側突出部295の先端には、左側通風路256を流れる、左側冷却部3を冷却した左側取り込み空気が排出される排気口230が設けられている。
【0138】
このように、冷却装置1Gでは、周囲部分20から人500の後ろ側に突出する突出部295の先端に排気口230が設けられている。これにより、排気口230の位置が首501から遠くなる。よって、排気口230から排出される暖かい空気が首501にかかる可能性が低減する。その結果、冷却装置1Iの冷却性能が向上する。また、排気口230から排気される空気が人500の髪の毛にかかる可能性が低減する。よって、暖かい空気が髪の毛にかかることにより人500が不快に感じる可能性を低減することができる。
【0139】
冷却装置1Iは、右側部分25と左側部分26の最大閉じ量を調節するための調節構造900を備える。調節構造900は、右側部分25と左側部分26の最大閉じ位置を調節するための構造であると言える。また、調節構造900は、右側部分25と左側部分26の最小開き量を調節するための構造であると言える。また、調節構造900は、右側部分25と左側部分26の最小開き位置を調節するための構造であると言える。ユーザは、調節構造900を操作することによって、右側部分25と左側部分26の最大閉じ量を調節することができる。以後、単に最大閉じ量と言えば、右側部分25と左側部分26の最大閉じ量を意味する。
【0140】
調節構造900は、調節ネジ910と、調節ネジ910が螺合するナット920とを備える。調節ネジ910は、頭部911と、ネジ山が設けられた軸部912とを有する。軸部912がナット920に螺合する。軸部912はネジ部とも言える。
【0141】
ハウジング2は、調節ネジ910を保持する板状の保持部296及び297を備える。保持部296及び297はヒンジ構造800の近くに位置する。保持部296及び297は、互いに対向するように、周囲部分20の後ろ側部分200から人500の後ろ側に突出している。保持部296は、右側突出部295よりも左側に位置する。保持部296は、右側部分25のうち、後ろ側部分200に含まれる部分から、人500の後ろ側に突出している。保持部297は、左側突出部295よりも右側に位置する。保持部297は、左側部分26のうち、後ろ側部分200に含まれる部分から、人500の後ろ側に突出している。
【0142】
保持部296は、その厚み方向に貫通し、調節ネジ910の軸部912が通る貫通穴296aを有する。軸部912は貫通穴296aに遊嵌している。また、保持部297は、その厚み方向に貫通し、軸部912が通る貫通穴297aを有する。貫通穴297aにはナット920が配置されている。貫通穴297aは貫通穴296aと対向している。軸部912は、貫通穴296a及び貫通穴297aに順に通されて、貫通穴297a内のナット920に螺合する。以後、軸部912の先のナット920からの突出距離が大きくなるように調節ネジ910を回すことを、調節ネジ910を締めるという。また、軸部912の先のナット920からの突出距離が小さくなるように調節ネジ910を回すことを、調節ネジ910を緩めるという。
【0143】
本例では、例えば、調節ネジ910と、ナット920と、保持部296及び297とで、調節構造900が構成されている。ユーザは、調節ネジ910を操作することによって最大閉じ量を調節することができる。
【0144】
本例では、付勢部材850の付勢力に抗する外力が冷却装置1Iに加わっていない場合、付勢部材850の付勢力によって調節ネジ910の頭部911の座面に保持部296が当接する。頭部911の座面に保持部296が当接している状態では、右側部分25と左側部分26はこれ以上閉じることができない。したがって、付勢部材850の付勢力に抗する外力が冷却装置1Iに加わっていない場合には、右側部分25及び左側部分26の閉じ量は最大閉じ量となる。そして、調節ネジ910が締められると、右側部分25が左側部分26に対して相対的に右側(言い換えれば外側)に回動して、最大閉じ量が小さくなる。したがって、ユーザは、調節ネジ910を締めることによって最大閉じ量を小さくすることができる。つまり、ユーザは、調節ネジ910を締めることによって、右側部分25と左側部分26があまり閉まらないようにできる。一方で、調節ネジ910が緩められると、付勢部材850の付勢力によって右側部分25が左側部分26に対して相対的に左側(言い換えれば内側)に回動して最大閉じ量が大きくなる。したがって、ユーザは、調節ネジ910を緩めることによって最大閉じ量を大きくすることができる。
【0145】
付勢部材850の付勢力に抗する外力が冷却装置1Iに加えられて、右側部分25と左側部分26の閉じ量が最大閉じ量よりも小さくなる場合、保持部296は頭部911の座面から離れることになる。したがって、付勢部材850の付勢力に抗する外力が冷却装置1Iに加えられている場合には、保持部296は頭部911の座面から離れている。
【0146】
図28は、首501に取り付けられた冷却装置1Iの右側部分25と左側部分26が首501を挟み込んでいない様子の一例を示す概略断面図である。首501に取り付けられた冷却装置1Iの右側部分25と左側部分26が首501を挟み込んでいる場合には、付勢部材850の付勢力に抗する外力が冷却装置1Iに加えられていることから、
図27に示されるように、保持部296は頭部911の座面から離れている。一方で、首501に取り付けられた冷却装置1Iの右側部分25と左側部分26が首501を挟み込んでいない場合には、付勢力に抗する外力が冷却装置1Iに加えられていないことから、
図28に示されるように、保持部296は頭部911の座面に当接している。
【0147】
このように、冷却装置1Iは、右側部分25と左側部分26の最大閉じ量を調節するための調節構造900を備えている。これにより、ユーザは、好みに応じて、ハウジング2が首501を締め付けるようにしたり(
図27参照)、ハウジング2が首501を締め付けないようにしたりできる(
図28参照)。よって、冷却装置1Iの利便性が向上する。
【0148】
また、冷却装置1Iは、右側部分25と左側部分26の開き量(言い換えれば開き位置)を制限する制限構造950を備えている。ハウジング2は、突起部960と、右側部分25と左側部分26が開いた場合に突起部960と当接する当接面970とを備える。本例では、制限構造950は、例えば突起部960及び当接面970で構成されている。
【0149】
突起部960及び当接面970は、右側部分25と左側部分26の境界部分に位置する。突起部960は、周囲部分20の後ろ側部分200から人500の後ろ側に突出している。突起部960は、保持部296よりも左側に位置する。突起部960は、右側部分25のうち、後ろ側部分200に含まれる部分から、人500の後ろ側に突出している。
【0150】
当接面970は、保持部297よりも右側に位置する。当接面970は、左側部分26のうち、後ろ側部分200に含まれる部分に設けられている。付勢力に抗する外力が冷却装置1Iに加えられていない場合には、当接面970は突起部960と離れて位置する。
【0151】
冷却装置1Iでは、付勢力に抗する外力が冷却装置1Iに加えられて右側部分25と左側部分26の開き量が大きくなると、突起部960が当接面970に当接して、右側部分25と左側部分26の開き量がそれ以上大きくならないようになる。
図29は、突起部960が当接面970に当接している様子の一例を示す概略断面図である。
図29では、右側部分25と左側部分26の開き量が最大開き量となっている。
【0152】
このように、冷却装置1Iは、右側部分25と左側部分26の開き量を制限する制限構造950を備えていることから、右側部分25と左側部分26が開きすぎて調節構造900が損傷する可能性を低減することができる。例えば、右側部分25と左側部分26が開きすぎて保持部296及び297が損傷する可能性を低減することができる。
【0153】
なお、冷却装置1Iは、2つの突出部295のうちの少なくとも一方を備えなくてもよい。また、冷却装置1Iは制限構造950を備えなくてもよい。また、冷却装置1Iと同様に、上述の冷却装置1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1Hに対しても、突出部295を設けてもよい。また、冷却装置1A,1B,1C,1D,1E,1F,1Gは、ヒンジ構造800、付勢部材850、調節構造900及び制限構造950のうち少なくともヒンジ構造800、付勢部材850及び調節構造900を備えてもよい。
【0154】
実施の形態10.
図30及び31は、本実施の形態に係る冷却装置1(冷却装置1Jともいう)の外観の一例を示す概略斜視図である。
図32は、
図30に示される冷却装置1Jを
図30の上側から見た様子の一例を示す概略図である。
図33は、
図32に示される矢視L-Lの断面構造の一例を示す概略図である。
図34は、
図32に示される冷却装置1Jを
図32の上側から見た様子の一例を示す概略図である。
図35は、
図32に示される冷却装置1Jを
図32の下側から見た様子の一例を示す概略図である。冷却装置1Jは、上述の
図22に示される冷却装置1Hの構造を一部変更したものである。
【0155】
冷却装置1Jは、冷却装置1Hと同様に、例えば、ハウジング2の右側部分25に取り付けられた冷却部3(つまり右側冷却部3)と、ハウジング2の左側部分26に取り付けられた冷却部3(つまり左側冷却部3)とを備える。また、冷却装置1Jは、上述のヒンジ構造800の替わりに、右側部分25と左側部分26の開き具合を調整するためのヒンジ構造860を備える。ヒンジ構造860の機能は、ヒンジ構造800の機能と同じである。
【0156】
図1等に示される上述のハウジング2は、両端が閉塞した、略U字状の細長い偏平筒状体が捻じれた形状を有していたが、冷却装置1Jのハウジング2は、捻じれていない当該偏平筒状体となっている。ハウジング2の外表面が備える第1主面121及び第2主面122は、互いに対向しつつ、ねじれずにハウジング2の長手方向に沿って延びている。第1主面121は人500の外側に向いており、第2主面122は、第1主面121とは反対側を向いている。第2主面122は、略U字状のハウジング2で囲まれた空間側に向いている。以後、本実施の形態では、冷却装置1Jの構造を説明する場合に、第1主面121側を装置外側と呼び、第2主面122側を装置内側と呼ぶことがある。また、本実施の形態では、第1主面121及び第2主面122を外側主面121及び内側主面122とそれぞれ呼ぶことがある。
【0157】
ハウジング2の外表面における、第1主面121と第2主面122とを繋ぐ周端面123(周側面123ともいう)は、ハウジング2の長手方向に延びる第1端面123a及び第2端面123bを有する。第1端面123a及び第2端面123bは、互いに対向しつつ、ねじれずにハウジング2の長手方向に沿って延びている。第2端面123bは人500側に向き、第1端面123aは人500の前側に向く。周端面123は、第1端面123aの長手方向の一端と第2端面123bの長手方向の一端とを繋ぐ凸湾曲状の第3端面123cを有する。周端面123は、第1端面123aの長手方向の他端と第2端面123bの長手方向の他端とを繋ぐ凸湾曲状の第4端面123dとを有する。以後、本実施の形態では、冷却装置1Jの構造を説明する場合に、第1端面123a側を装置上側と呼び、第2端面123b側を装置下側と呼ぶことがある。また、本実施の形態では、第1端面123a及び第2端面123bをそれぞれ上側端面123a及び下側端面123bと呼ぶことがある。
【0158】
本例のハウジング2では、首501の周囲に位置する周囲部分20は、首501の後ろ側から首501の右の側面側に延びる右側周囲部分20Rと、首501の後ろ側から首501の左の側面側に延びる左側周囲部分20Lとに分かれている。ヒンジ構造860は、右側周囲部分20Rと左側周囲部分20Lの境界部分に設けられている。
【0159】
本例では、右側の前側部分21と、左側の前側部分21と、右側周囲部分20Rと、左側周囲部分20Lとは、別体となっている。右側の前側部分21は右側周囲部分20Rと接続され、左側の前側部分21は左側周囲部分20Lと接続されている。
【0160】
各前側部分21は、例えば左右方向に2つに分かれることが可能である。各前側部分21は、装置外側の外側ケース21aと、装置内側の内側ケース21bとが組み合わされることによって構成されている。
【0161】
右側周囲部分20R及び左側周囲部分20Lのそれぞれは、例えば首501の高さ方向に2つに分かれることが可能である。右側周囲部分20Rは、装置上側の右側上ケース20Raと装置下側の右側下ケース20Rbとが組み合わされることによって構成されている。左側周囲部分20Lは、装置上側の左側上ケース20Laと装置下側の左側下ケース20Lbとが組み合わされることによって構成されている。
【0162】
本例では、ハウジング2の右側部分25及び左側部分26のそれぞれの先端部に設けられた吸気部210には、吸気口211の替わりに吸気口212及び213が設けられている。吸気口212は外側主面121に設けられ、吸気口213は内側主面122に設けられている。吸気口212は人500の外側に向いており、吸気口213は吸気口212とは反対側に向いている。吸気口212は装置外側に向いており、吸気口213は装置内側に向いている。吸気部210内に設けられたファン4が回転すると、吸気口212からハウジング2内に空気が取り込まれるとともに、吸気口213からハウジング2内に空気が取り込まれる。
【0163】
また、本例のハウジング2では、上述の排気口220の替わりに排気口760及び770が設けられている。本例では、一対の前側部分21のそれぞれに、排気口760及び770が設けられている。排気口760は、ハウジング2の上側端面123aにおいて装置内側寄りに設けられている。排気口770は、ハウジング2の内側主面122において装置上側寄りに設けられている。排気口760は、例えば、ハウジング2の長手方向に沿って並ぶ複数の排気穴761を備える。排気口770は、例えば、ハウジング2の長手方向に沿って並ぶ複数の排気穴771を備える。排気口760は一つの排気穴761だけを備えてもよいし、排気口770は一つの排気穴771だけを備えてもよい。以後、右側の前側部分21に設けられた排気口760及び770をそれぞれ右側排気口760及び770と呼ぶことがある。また、左側の前側部分21に設けられた排気口760及び770をそれぞれ左側排気口760及び770と呼ぶことがある。
【0164】
右側ファン4によって右側吸気部210の吸気口212及び213からハウジング2内に取り込まれた空気は、右側ファン4の働きによって、右側排気口760及び770から排出されて首501を冷却する。同様に、左側ファン4によって左側吸気部210の吸気口212及び213からハウジング2内に取り込まれた空気は、左側ファン4の働きによって、左側排気口760及び770から排出されて首501を冷却する。本例では、排気口760及び770から排出された空気は、首501に当たるだけでなく、例えば人500の下顎にも当たりそれを冷却する。本実施の形態において、右側取り込み空気と言えば、右側ファン4によって右側吸気部210の吸気口212及び213からハウジング2内に取り込まれた空気を意味する。また、実施の形態において、左側取り込み空気と言えば、左側ファン4によって左側吸気部210の吸気口212及び213からハウジング2内に取り込まれた空気を意味する。
【0165】
本例のハウジング2では、
図31及び34に示されるように、上述の排気口230の替わり排気口235が設けられている。例えば、右側周囲部分20R及び左側周囲部分20Lのそれぞれに排気口235が設けられている。排気口235は、例えば、ハウジング2の長手方向に沿って並ぶ複数の排気穴236を備える。各排気穴236の大きさは、排気穴236から人の指がハウジング2内に入らないような大きさとなっている。なお、排気口235は一つの排気穴236だけを備えてもよい。以後、右側周囲部分20Rに設けられた排気口235を右側排気口235と呼び、左側周囲部分20Lに設けられた排気口235を左側排気口235と呼ぶことがある。
【0166】
図36は、ハウジング2の内部の様子の一例を示す概略図である。
図36には、
図32に示される構造において、各前側部分21の内側ケース21bと、右側周囲部分20Rの右側上ケース20Raと、左側周囲部分20Lの左側上ケース20Laとが、ハウジング2から取り外された様子の一例が示されている。
【0167】
図36に示されるように、右側排気口235は、ハウジング2の長手方向において、右側冷却部3のペルチェ素子31及び放熱器32と、ヒンジ構造860との間に位置する。左側排気口235は、ハウジング2の長手方向において、左側冷却部3のペルチェ素子31及び放熱器32と、ヒンジ構造860との間に位置する。
【0168】
右側取り込み空気は、右側冷却部3を冷却し、その後、右側排気口235からハウジング2外に排出される。左側取り込み空気は、左側冷却部3を冷却し、その後、左側排気口235からハウジング2外に排出される。
【0169】
図36に示されるように、冷却装置1Jは、冷却装置1Hと同様に、右側部分25に設けられた右側仕切り部240と、左側部分26に設けられた左側仕切り部240とを備える。右側仕切り部240は、右側冷却部3を冷却した右側取り込み空気を右側排気口235に案内する。右側仕切り部240は、右側取り込み空気が流れる右側通風路255を規定する。左側仕切り部240は、左側冷却部3を冷却した左側取り込み空気を左側排気口235に案内する。左側仕切り部240は、左側取り込み空気が流れる左側通風路256を規定する。なお、
図36と後述の
図39では、排気口235及び仕切り部240の装置下側の半分が示されている。
【0170】
図37は、
図36に示される構造のうち右側ファン4(右側ファン4aともいう)の周辺を拡大して示す概略図である。
図38は、
図36に示される構造のうち左側ファン4(左側ファン4bともいう)の周辺を拡大して示す概略図である。
図39は、
図36に示される構造のうちヒンジ構造860の周辺を拡大して示す概略図である。
【0171】
冷却装置1Jは、ハウジング2内に収容された複数の配線7を備える。複数の配線7には、右側ファン4aに接続される配線70と、左側ファン4bに接続される配線71とが含まれる。また、複数の配線7には、右側ペルチェ素子31に接続される2つの配線72と、左側ペルチェ素子31に接続される2つの配線73とが含まれる。
図36~39では各配線7が模式的に示されている。
【0172】
配線70及び71のそれぞれは、例えば、複数の配線を含むフラットケーブルである。配線70及び配線71のそれぞれには、例えば、ファン4用のプラス電源を伝達するプラス電源配線と、ファン4用のマイナス電源を伝達するマイナス電源配線と、制御信号を伝達する2つの信号線とが含まれる。2つの信号線は、例えば、ファン4の回転の正転及び逆転を切り替えるための切替信号を伝達する信号線と、ファン4の回転速度を制御するための回転速度制御信号を伝達する信号線とで構成されている。
【0173】
2つの配線72は、右側ペルチェ素子31用のプラス電源を伝達するプラス電源配線と、右側ペルチェ素子31用のマイナス電源を伝達するマイナス電源配線とで構成されている。2つの配線73は、左側ペルチェ素子31用のプラス電源を伝達するプラス電源配線と、左側ペルチェ素子31用のマイナス電源を伝達するマイナス電源配線とで構成されている。
【0174】
図37に示されるように、複数の配線7はハウジング2内に収容された制御基板8から延びている。制御基板8は各ファン4を制御することが可能である。制御基板8は、例えば、左側の前側部分21の外側ケース21aの装置内側の面に固定されている。制御基板8は、ファン4用の電源を生成して配線70及び71に供給する。制御基板8は、右側ファン4の回転の正転及び逆転を切り替えるための切替信号と、右側ファン4の回転速度を制御するための回転速度制御信号とを生成して、それらを配線70に供給する。制御基板8は、左側ファン4の回転の正転及び逆転を切り替えるための切替信号と、左側ファン4の回転速度を制御するための回転速度制御信号とを生成して、それらを配線71に供給する。制御基板8は、ペルチェ素子31用の電源を生成して配線72及び73に供給する。
【0175】
上記と同様に、右側吸気部210には、電源ケーブル6が接続されるコネクタ5が設けられている。コネクタ5は、例えば、吸気部210の外表面のうち装置下側の面(つまり、第2端面123bに含まれる領域)から露出している。制御基板8は、コネクタ5と接続されており、電源ケーブル6が伝達する電力がコネクタ5を通じて供給される。制御基板8は、コネクタ5から供給される電力に基づいて、ファン4用の電源とペルチェ素子31用の電源を生成する。
【0176】
本例では、バッテリとユーザ操作を受け付ける操作部とを有するバッテリ装置が電源ケーブル6に接続される。操作部には例えば複数の操作ボタンが含まれる。ユーザは、操作部を操作することによって、ファン4の回転の正転及び逆転の切り替え指示と、ファン4の回転速度の変更指示とをバッテリ装置に入力することができる。切り替え指示及び変更指示は、電源ケーブル6及びコネクタ5を通じて制御基板8に伝達される。制御基板8は、切り替え指示に応じて切替信号を生成し、変更指示に応じて回転速度制御信号を生成する。
【0177】
複数の配線7のうち、左側ファン4に接続される配線71と、左側ペルチェ素子31に接続される2つの配線73とは、制御基板8が収容された右側部分25からヒンジ構造860を通って左側部分26に延びている。ヒンジ構造860内では、配線71及び2つの配線73は、例えば、ヒンジ構造860が有するヒンジ軸861の外側を通っている。なお、配線7がヒンジ構造860内を通る様子については後で詳細に説明する。
【0178】
本例では、仕切り部240とハウジング2の内表面との間に隙間245が設けられている。具体的には、
図39に示されるように、右側仕切り部240は、右側周囲部分20Rの装置内側の壁部(つまり、内側主面122の一部を含む部分)から装置外側の壁部(つまり、外側主面121の一部を含む部分)の近傍まで延びている。右側仕切り部240は、右側周囲部分20Rの装置内側の壁部から、右側排気口235の右側の端の近傍まで延びている。そして、右側仕切り部240の先端と、右側周囲部分20Rの装置外側の壁部の内面との間に隙間245(右側の隙間245ともいう)が存在する。同様に、
図39に示されるように、左側仕切り部240は、左側周囲部分20Lの装置内側の壁部から装置外側の壁部の近傍まで延びている。左側仕切り部240は、左側周囲部分20Lの装置内側の壁部から、左側排気口235の左側の端の近傍まで延びている。そして、左側仕切り部240の先端と、左側周囲部分20Lの装置外側の壁部の内面との間に隙間245(左側の隙間245ともいう)が存在する。右側部分25からヒンジ構造860に向けて延びる配線71及び2つの配線73は、右側の隙間245及び左側の隙間245を順に通って、左側部分26に延びている。
【0179】
<ヒンジ構造例>
図40~44はヒンジ構造860の一例を説明するための概略図である。
図40は装置下側からヒンジ構造860を見た場合の分解斜視図である。
図41は装置上側からヒンジ構造860を見た場合の分解斜視図である。
図42はハウジング2の左側周囲部分20Lの一例を示す概略斜視図である。
図43は左側周囲部分20Lの左側下ケース20Lbと右側周囲部分20Rの右側下ケース20Rbとが組み合わされた様子の一例を示す概略斜視図である。
図44は左側周囲部分20Lと右側周囲部分20Rの右側下ケース20Rbとが組み合わされた様子の一例を示す概略斜視図である。
【0180】
図42及び44では、左側周囲部分20Lのヒンジ構造860側の端部が示されている。
図43では、左側下ケース20Lb及び右側下ケース20Rbのヒンジ構造860側の端部が簡素化して示されている。
図44では、右側下ケース20Rbのヒンジ構造860側の端部が簡素化して示されている。
図33,41,42では、ヒンジ構造860を通る複数の配線7(本例では配線71及び2つの配線73)の一つが模試的に示されている。以後、ヒンジ構造860を通る複数の配線7のそれぞれを特定配線7と呼ぶことがある。
図33では、図面の上側に下側端面123bが示され、図面の下側に上側端面123aが示されている。以下に、
図33と
図40~44とを用いてヒンジ構造860の一例について説明する。以下のヒンジ構造860の説明では、装置上側の面を上面と呼び、装置下側の面を下面と呼ぶ。
【0181】
ヒンジ構造860は、例えば、右側周囲部分20Rと左側周囲部分20Lとの境界部分に設けられている。ヒンジ構造860は、ヒンジ軸861と、ヒンジ軸861に取り付けれ、互いに連結される、ハウジング2に含まれる右側連結部870及び左側連結部880とを備える。右側連結部870は右側周囲部分20Rに含まれ、左側連結部880は左側周囲部分20Lに含まれる。右側連結部870は右側周囲部分20Rの左側端部に位置し、左側連結部880は左側周囲部分20Lの右側端部に位置する。右側周囲部分20Rの左側端部と、左側周囲部分20Lの右側端部とは互いに連結される。
【0182】
上述の冷却装置1Hと同様に、右側部分25及び左側部分26は、それらの先端部が互いに離れたり近づいたりするように、ヒンジ軸861を軸として相対的に回動することが可能である。右側部分25及び左側部分26のそれぞれは、ヒンジ軸861の周りに回動することが可能である。ユーザは、右側部分25及び左側部分26をヒンジ軸861を軸として相対的に回動させることによって、右側部分25及び左側部分26の開き具合を調整することができる。ヒンジ軸861は回動軸であるとも言える。
【0183】
右側連結部870は左側連結部880を装置上下方向に挟み込む。右側連結部870は、右側上ケース20Raに含まれる上側部分870aと、右側下ケース20Rbに含まれる下側部分870bとで構成される。上側部分870aと下側部分870bとは、左側連結部880を装置上下方向に挟み込む。上側部分870aと下側部分870bの間には左側連結部880が位置する。
【0184】
左側連結部880は、左側上ケース20Laに含まれる上側部分880aと、左側下ケース20Lbに含まれる下側部分880bとで構成される。本例では、左側連結部880の上面、言い換えれば上側部分880aの上面は、連結部870で覆われている。そのため、左側連結部880の上面は、ハウジング2の外表面の一部である上側端面123aには含まれない。同様に、左側連結部880の下面、言い換えれば下側部分880bの下面は、連結部870で覆われていることから、ハウジング2の外表面の一部である下側端面123bには含まれない。
【0185】
ヒンジ軸861は、例えば円筒状を成しており、ハウジング2内に位置する。ヒンジ軸861は、例えば、右側連結部870の下側部分870bの底壁の内面から装置上側に突出している。ヒンジ軸861は、左側連結部880を貫通して、右側連結部870の上側部分870aまで達している。ヒンジ軸861は、例えば、下側部分870bと一体成形されている。ヒンジ軸861は下側部分870bの一部であるとも言える。
【0186】
左側連結部880の下面及び上面には、ヒンジ軸861が通る開口が設けられている。
図42等に示されるように、左側連結部880の下面は、左側周囲部分20Lの下面の他の領域よりも一段低くなっている。つまり、左側連結部880の下面は、ハウジング2の下側端面123bよりも一段低くなっている。左側連結部880の下面には、ヒンジ軸861が通る開口881が設けられている。開口881は開口面ともいえる。開口881はヒンジ軸861の軸方向(言い換えれば長手方向)に沿った方向と交差している。
【0187】
開口881は、開口面積が比較的小さい第1開口881a(第1部分開口ともいう)と、第1開口881aに繋がる、開口面積が比較的大きい第2開口881b(第2部分開口ともいう)とで構成されている。第2開口881bは第1開口881aの右側に位置する。第1開口881aは、例えば、左側に膨らむ半円であり、第2開口881bは、例えば、右側に膨らむ半円である。第1開口881aの半径は、例えば、第2開口881bの半径よりも小さい。例えば、第1開口881aの中心と第2開口881bの中心とは一致している。ヒンジ軸861の長手方向に沿った中心線は、例えば、第1開口881a及び第2開口881bの中心を通る。第1開口881aの半径はヒンジ軸861の半径よりも若干大きくなっている。ヒンジ軸861の略左側半分は第1開口881aを通り(
図33及び43参照)、ヒンジ軸861の略右側半分は第2開口881bを通る(
図33参照)。
【0188】
ヒンジ軸861と第1開口881aの縁との間には若干の隙間があり、ヒンジ軸861と第2開口881bの縁との間には比較的大きな隙間がある。第1開口881aは例えば下側部分880bで構成され、第2開口881bは例えば上側部分880aで構成される。中空の左側周囲部分20Lの右側端は上側部分880aで閉塞されている。
【0189】
図41等に示されるように、左側連結部880の上面は、左側周囲部分20Lの上面の他の領域よりも一段低くなっている。つまり、左側連結部880の上面は、ハウジング2の上側端面123aよりも一段低くなっている。そして、左側連結部880の上面は部分的に凹んでおり、当該上面に凹部882が設けられている。凹部882の底面には、ヒンジ軸861が通る開口883が設けられている。開口883は例えば円形である。開口883の半径は、ヒンジ軸861の半径よりも若干大きくなっている。ヒンジ軸861の長手方向に沿った中心線は、例えば、第1開口881a及び第2開口881bの中心と、開口883の中心とを通る。平面視において、開口883の中心は、例えば、第1開口881a及び第2開口881bの中心と一致する。ヒンジ軸861と開口883の縁との間には若干の隙間が存在する。開口883はヒンジ軸861の軸方向(言い換えれば長手方向)に沿った方向と交差している。
【0190】
右側連結部870の下側部分870bは、左側連結部880の下側部分880bに取り付けられる。下側部分870bの下面は、左側周囲部分20Lの左側連結部880以外の部分の下面と面一となっている。右側連結部870の上側部分870aは、左側連結部880の上側部分880aに取り付けられる。上側部分870aの上面は、左側周囲部分20Lの左側連結部880以外の上面と面一となっている。
【0191】
図33及び40に示されるように、上側部分870aの装置上側の壁の内面には、円形突起部871が設けられている。右側連結部870の下側部分870bから延びて左側連結部880を貫通したヒンジ軸861の先端部は、円形突起部871で囲まれた空間に嵌合する。
【0192】
図33及び
図44に示されるように、左側連結部880の上面の凹部882には、右側部分25と左側部分26が閉じる方向に右側部分25及び左側部分26を付勢する付勢部材890が配置されている。付勢部材890は、例えば、ねじりコイルばねである。付勢部材890はヒンジ軸861に取り付けられている。ヒンジ軸861が、付勢部材890の内側の空間に通ることによって、付勢部材890はヒンジ軸861に取り付けられる。
【0193】
付勢部材890を構成するコイルの一端は、左側連結部880の上側部分880aにおける装置内側の側壁に係合している。付勢部材890を構成するコイルの他端は、右側連結部870の上側部分870aに係合している。
図40に示されるように、上側部分870aの装置上側の壁の内面上には、付勢部材890を構成するコイルの他端と係合する係合部872が設けられている。
【0194】
付勢部材890は、右側部分25及び左側部分26の先端部が互いに近づくように右側部分25及び左側部分26を付勢する。右側部分25及び左側部分26に加わる付勢力は、右側部分25及び左側部分26の開き具合が大きくなるにつれて大きくなる。
【0195】
ユーザは、冷却装置1Jを首501に取り付ける場合には、例えば、右側部分25及び左側部分26を両手でそれぞれ持ち、その後、右側部分25と左側部分26が開くように、両手を使って、付勢部材890による付勢力に抗して右側部分25と左側部分26を相対的に装置外側に回動させる。そして、ユーザは、首501の太さに合わせて右側部分25及び左側部分26を開いた状態で、ハウジング2を首501に取り付ける。その後、ユーザが右側部分25及び左側部分26から両手を離すと、付勢部材890による付勢力によって、右側部分25と左側部分26が閉じようとして、首501が右側部分25と左側部分26で挟み込まれる。これにより、冷却装置1Jが首501から外れにくくなる。
【0196】
図33,41,42に示されるように、右側周囲部分20R内を通る各特定配線7は、右側連結部870の下側部分870b内から装置上側に延びて、左側連結部880の下面の開口881を通って左側連結部880内に進入する。このとき、各特定配線7は、開口881の第2開口881bの縁とヒンジ軸861との間の比較的大きな隙間を通る。各特定配線7は、ヒンジ軸861の外側から第2開口881bを通って左側連結部880内に進入する。左側連結部880内に進入した各特定配線7は。左側周囲部分20L内を通って接続先まで到達する。
【0197】
このように、本例では、特定配線7は、ヒンジ軸861の軸方向に沿った方向と交差する開口881を通る。この場合、特定配線7は、ヒンジ構造860内において、概ねヒンジ軸861の軸方向に沿って延在する部分を有することになる。これにより、右側部分25及び左側部分26がヒンジ軸861を軸にして相対的に回動する場合に特定配線7は屈曲しにくくなる。よって、特定配線7が断線しにくくなる。
【0198】
また、本例では、左側周囲部分20Lの右側端が左側連結部880の上側部分880aで閉塞されている。これにより、右側部分25及び左側部分26がヒンジ軸861を軸にして相対的に回動する場合、左側周囲部分20Lの内部がハウジング2の外側から見えにくくなる。よって、冷却装置1Jのデザイン性が向上する。
【0199】
ここで、本例とは異なり、
図45に示されるように、左側周囲部分20Lの右側端に、特定配線7が通る開口885が設けられている場合を考える。この場合、特定配線7は、ヒンジ構造860内でも常にハウジング2の長手方向に沿って延在することになる。よって、右側部分25及び左側部分26がヒンジ軸861を軸にして相対的に回動する場合、特定配線7が屈曲しやすくなる。その結果、特定配線7が断線する可能性がある。さらに、右側部分25及び左側部分26がヒンジ軸861を軸にして相対的に回動する場合、開口885がハウジング2の外側から見えやすくなる。このため、特定配線7等がハウジング2の外側から見えやすくなる。その結果、冷却装置1Jのデザイン性が低下する。
【0200】
本例では、特定配線7は、ヒンジ軸861の軸方向に沿った方向と交差する開口881を通ることから、特定配線7が断線しにくくなり、冷却装置1Jのデザイン性を向上させることが可能となる。
【0201】
また、本例では、特定配線7とヒンジ軸861が同じ開口881を通ることから、左側連結部880の構造を簡素化することができる。
【0202】
なお、特定配線7及びヒンジ軸861が通る開口881は、例えば、円形の一つの開口で構成されてもよい。また、特定配線7は、中空のヒンジ軸861内を通ってもよい。この場合、例えば、ヒンジ軸861の外周面に、特定配線7をヒンジ軸861内に引き込むための引き込み開口と、当該引き込み開口からヒンジ軸861内に引き込まれた特定配線7をヒンジ軸861外に取り出すための取り出し開口とが設けられてもよい。このような場合であっても、特定配線7は、ヒンジ軸861内を通ることによって、開口881を通ることになる。また、左側連結部880の下面に、ヒンジ軸861が通る第1開口と、当該第1開口とは繋がっていない、特定配線7が通る第2開口とが設けられてもよい。
【0203】
上記の例では、特定配線7は、左側連結部880の下面に設けられた開口を通っているが、左側連結部880の上面に設けられた開口を通ってもよい。この場合、特定配線7は、例えば、右側連結部870の上側部分870a内から装置下側に延びて、左側連結部880の上面の開口を通って左側連結部880内に進入する。特定配線7とヒンジ軸861は、左側連結部880の上面に設けられた同じ開口を通ってもよいし、左側連結部880の上面に設けられた別々の開口を通ってもよい。
【0204】
冷却装置1Jは付勢部材890を備えなくてもよい。また、冷却装置1Jと同様に、上述の冷却装置1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1Hに対しても、ヒンジ構造860及び付勢部材890のうちの少なくともヒンジ構造860を設けてもよい。また、冷却装置1Jは、上述の
図25に示される冷却装置1Hと同様に、1つの冷却部3と、2つのヒンジ部を有するヒンジ構造とを備えてもよい。
【0205】
<吸気部及びファンの構造例>
次に吸気部210及びファン4の構造例について説明する。
図46は、冷却装置1Jの左側の前側部分21を装置内側から見た様子を示す概略図である。
図47は
図46の矢視M-Mの断面構造を示す概略図である。
【0206】
本例の各ファン4は、羽根部40の替わりに羽根構造45を有する。本例の各ファン4は、例えば遠心ファンの一種であるシロッコファンである。
図47等に示されるように、羽根構造45は、吸気口212(外側吸気口212ともいう)からハウジング2内に空気を取り込む羽根部46と、吸気口213(内側吸気口213ともいう)からハウジング2内に空気を取り込む羽根部47と、羽根部46及び47の間を仕切る仕切り板48とを備える。
【0207】
図48は、ファン4を羽根部47側から見た様子の一例を示す概略図である。
図49は、ファン4を羽根部46側から見た様子の一例を示す概略図である。仕切り板48は、その一方の主面48aが装置内側に向き、その他方の主面48bが装置外側に向くように配置されている。羽根部47は、羽根部46よりも装置内側に位置する。羽根部47(内側羽根部47ともいう)は仕切り板48の装置内側の主面48a上に設けられている。羽根部46(外側羽根部46ともいう)は仕切り板48の装置外側の主面48b上に設けられている。
【0208】
内側羽根部47は、仕切り板48の周端部480の装置内側の面480b上に環状に立設された複数の羽根470を有する。複数の羽根470は内側羽根部47の回転軸(言い換えればファン4の回転軸)のまわりに位置する。外側羽根部46は仕切り板48の周端部480の装置外側の面480a上に環状に立設された複数の羽根460を有する。複数の羽根460は外側羽根部46の回転軸(言い換えればファン4の回転軸)のまわりに位置する。羽根部46及び47のそれぞれは羽根車とも呼ばれる。仕切り板48において、周端部480よりも内側に位置する、羽根部46及び47が搭載されていない部分485(非搭載部分485ともいう)は、装置内側に膨らんでいる。以後、羽根460を外側羽根460と呼び、羽根470を内側羽根470と呼ぶことがある。また、周端部480の面480a及び480bをそれぞれ立設面480a及び480bと呼ぶことがある。羽根構造45については後で詳細に説明する。
【0209】
モータ41は、例えばブラシレスDCモータである。モータ41が備えるモータ本体部411には、例えば、ステータ及びロータ等が含まれる。モータ軸410は、モータ本体部411内からモータ本体部411外に延びている。モータ本体部411は、羽根構造45の仕切り板48の装置外側の主面48aと対向する。仕切り板48を装置内側の主面48b側から見た平面視では、仕切り板48の裏側にモータ本体部411が位置し、仕切り板48でモータ本体部411が視認できないようになっている。モータ本体部411は仕切り板48の主面48a側に位置する。
【0210】
モータ軸410は装置内側に向かって延びている。モータ軸410におけるモータ本体部411の外側に位置する延出部分410aは、仕切り板48の中心部(言い換えれば非搭載部分485の中心部)に接続されている。仕切り板48の中心部には、モータ軸410が挿入される挿入穴48cが設けられている。モータ軸410の先端部は、例えば、挿入穴48cに圧入されて仕切り板48に固定される。
図48に示されるように、延出部分410aの先の端面410aaは、例えば、仕切り板48の主面48bから露出している。モータ軸410の回転に応じて羽根部46及び47が回転する。回転中の羽根部46は、複数の羽根460の内側に空気を取り込み、取り込んだ空気を径方向外側(言い換えれば遠心方向)に送り出する。羽根部46が取り込んだ空気は、複数の羽根460の間を通って羽根部46の外側に排出される。同様に、回転中の羽根部47は、複数の羽根470の内側に空気を取り込み、取り込んだ空気を径方向外側に送り出す。羽根部47が取り込んだ空気は、複数の羽根470の間を通って羽根部47の外側に排出される。
【0211】
ハウジング2の一部である吸気部210は、内側主面122側に、仕切り板48の非搭載部分485を覆うカバー部2101を有する。カバー部2101は略円板状を成している。カバー部2101の外形は、内側主面122側からの平面視において、例えば円形を成している。カバー部2101はハウジング2の外表面の一部を構成する。カバー部2101は、仕切り板48の主面48bから露出している、モータ軸410の先端の端面410aaを覆っている。これにより、モータ軸410の先端の端面410aaは、装置内側から視認できないようになっている。
【0212】
内側吸気口213は、カバー部2101の周辺に位置する。内側吸気口213は、例えば、環状に並ぶ複数の吸気穴213aで構成されている。複数の吸気穴213aはカバー部2101を取り囲んでいる。吸気穴213aはハウジング2の肉厚部分を貫通する貫通穴とも言える。内側吸気口213からは内側羽根部47が部分的に露出している。内側羽根部47の回転に応じて、内側吸気口213からハウジング2内に空気が取り込まれる。
【0213】
図50は、左側の前側部分21に含まれる左側吸気部210を装置外側から見た様子を拡大して模式的に示す図である。
図47及び50に示されるように、各吸気部210は、外側主面121側に、モータ本体部411が固定される固定部2111を有する。固定部2111は、モータ本体部411の装置外側の面を覆っている。固定部2111の外形は、外側主面121側からの平面視において、例えば円形を成している。
【0214】
モータ本体部411は、例えば、3本の固定ネジ49(
図50参照)によって固定部2111に固定される。固定部2111には3つの貫通穴2111a(
図50参照)が設けられている。3本の固定ネジ49は、3つの貫通穴2111aに対して装置外側からそれぞれ挿入される。固定部2111の3つの貫通穴2111aにそれぞれ挿入された3つの固定ネジ49がモータ本体部411に螺合することによって、モータ本体部411は固定部2111に固定される。
図49に示されるように、モータ本体部411の装置外側の面には、3本の固定ネジ49がそれぞれ螺合するネジ穴412が設けられている。各固定ネジ49の頭は、例えば、固定部2111の装置外側の面から露出している。
【0215】
吸気部210は、固定部2111の周囲に、環状に並ぶ複数の開口部2112を有する。複数の開口部2112は固定部2111の周囲を取り囲んでいる。開口部2112は、ハウジング2の肉厚部分を貫通する貫通穴ともいえる。固定部2111及び複数の開口部2112を外側主面121側から見た様子は、装置内側のカバー部2101及び複数の吸気穴213aを内側主面122側から見た様子とほぼ同様となっている。各開口部2112からは外側羽根部46が部分的に露出している。
【0216】
また、吸気部210は、固定部2111の装置外側の面と、固定部2111の周辺の複数の開口部2112とを覆うカバー部2113を有する。カバー部2113は略円板状を成している。カバー部2113の外形は、外側主面121側からの平面視において、例えば円形を成している。カバー部2113は、例えば、固定部2111とは別体の部品であって、固定部2111に対して嵌合される。カバー部2113はハウジング2の外表面の一部を構成する。複数の開口部2112は、カバー部2113の周端部で覆われている。カバー部2113の周端部は、複数の開口部2112と離れて位置する。固定部2111の装置外側の面から露出している各固定ネジ49の頭はカバー部2113で覆われている。
【0217】
このように、カバー部2113は、複数の開口部2112を覆うことから、装置外側から外側羽根部46が見えにくくなる。これにより、冷却装置1Jのデザイン性が向上する。また、カバー部2113は、固定部2111の装置外側の面から露出している固定ネジ49の頭を覆うことから、固定ネジ49が装置外側から見えにくくなる。これにより、冷却装置1Jのデザイン性が向上する。
【0218】
吸気部210は、カバー部2113の周辺に環状開口2114を有している。環状開口2114はカバー部2113を取り囲んでいる。環状開口2114はハウジング2の外側に向かって開口している。ファン4が回転している状態では、ハウジング2の外側の空気は、環状開口2114を通り、その後、各開口部2112を通ってハウジング2内に取り込まれる。本例では、環状開口2114と、当該環状開口2114から各開口部2112までの通風路と、複数の開口部2112とが、ハウジング2外の空気をハウジング2内に取り込む外側吸気口212を構成している。外側羽根部46の回転に応じて、外側吸気口212からハウジング2内に空気が取り込まれる。
【0219】
本例では、外側吸気口212についてのハウジング2の外表面での開口面積(第1開口面積ともいう)は、内側吸気口213の当該外表面での開口面積(第2開口面積ともいう)よりも小さくなっている。これにより、装置外側からハウジング2内の構造が見えにくくなり、冷却装置1Jのデザイン性が向上する。本例では、第1開口面積は、外側吸気口212の装置外側の開口の面積、つまり環状開口2114の面積となる。第2開口面積は、複数の吸気穴213aの装置内側の開口(つまり、ハウジング2の外表面に現れる開口)の面積の総和となる。
【0220】
<羽根構造例の詳細説明>
図51及び52は羽根構造45を内側羽根部47側から見た様子の一例を示す概略図である。
図53は羽根構造45を外側羽根部46側から見た様子の一例を示す概略図である。
図54は羽根構造45の一例を示す概略側面図である。
図51~53には、羽根構造45の回転方向1000が示されている。例えば、羽根構造45は内側羽根部47側から見て時計回りに回転する。
【0221】
羽根構造45の仕切り板48の周端部480は、例えば、平坦な円環板状を成している。したがって、周端部480の立設面480a及び480bのそれぞれは、平坦な円環状を成している。
【0222】
内側羽根部47が備える各内側羽根470は、板状を成しており、仕切り板48の周端部480の立設面480bに立設されている。各内側羽根470は、回転方向1000とは逆側に凸となるように湾曲している。各内側羽根470は、円環状の立設面480bの外縁から内縁に向かって湾曲しながら延在している。以後、円環状の立設面480bの内縁側を内側羽根470の始点側とし、円環状の立設面480bの外縁側を内側羽根470の終点側とし、内側羽根470の構造を説明する。また、内側羽根470の説明で、単に外縁側と言えば、円環状の立設面480bの外縁側を意味し、単に内縁側と言えば、円環状の立設面480bの内縁側を意味する。
【0223】
各内側羽根470の表面は、例えば、頂面470aと、互いに対向する側面470b及び470cと、終点側端面470dと、始点側端面470eとで構成されている。頂面470aは立設面480bと平行を成している。側面470b、側面470c、終点側端面470d及び始点側端面470eは、立設面480bに立設している。側面470bは、内側羽根470を回転方向1000の逆方向から見た場合に視認できる面であり、側面470cは、内側羽根470を回転方向1000から見た場合に視認できる面である。側面470bは、回転方向1000において側面470cよりも前側に位置する。以後、側面470bを前側側面470bと呼び、側面470cを後ろ側側面470cと呼ぶことがある。
【0224】
内側羽根部47が備える複数の内側羽根470は、上述の
図47及び48等に示されるように、モータ軸410の回転方向において、モータ軸410の延出部分410aを取り囲んでいる。複数の内側羽根470は、長さが比較的大きい複数の主羽根471と、長さが比較的小さい複数の中間羽根472とで構成されている。各中間羽根472は、互いに隣り合う2つの主羽根471の間に位置する。複数の主羽根471の長さは互いに同じであり、複数の中間羽根472の長さは互いに同じである。
図54等に示されるように、複数の主羽根471の高さH1bは互いに同じであり、複数の中間羽根472の高さH2bは互いに同じである。中間羽根472の高さH2bは、例えば、主羽根471の高さH1bよりも小さい。
【0225】
ここで、内側羽根470の長さとは立設面480bに沿った距離である。具体的には、
図52に示されるように内側羽根470を頂面460a側から見た平面視において、内側羽根470の湾曲方向に沿った長さが、内側羽根470の長さである。また、内側羽根470の高さとは立設面480bに垂直な方向に沿った距離である。具体的には、内側羽根470の高さは、立設面480bから頂面470aまでの、立設面480bに垂直な方向に沿った距離である。本例では、各内側羽根470は、仕切り板48の外縁から延在していることから、長さが比較的小さい中間羽根472の最も内縁側の端は、長さが比較的大きい主羽根471の最も内縁側の端よりも外縁側に位置する。
【0226】
外側羽根460は、内側羽根470と似たような構造を有している。各外側羽根460は、板状を成しており、仕切り板48の周端部480の立設面480aに立設されている。各外側羽根460は、回転方向1000とは逆側に凸となるように湾曲している。各外側羽根460は、円環状の立設面480aの外縁から内縁に向かって湾曲しながら延在している。以後、円環状の立設面480aの内縁側を外側羽根460の始点側とし、円環状の立設面480aの外縁側を外側羽根460の終点側として、外側羽根460の構造を説明する。また、外側羽根460の説明で、単に外縁側と言えば、円環状の立設面480aの外縁側を意味し、単に内縁側と言えば、円環状の立設面480aの内縁側を意味する。
【0227】
各外側羽根460の表面は、例えば、頂面460aと、互いに対向する側面460b及び460cと、終点側端面460dと、始点側端面460eとで構成されている。頂面460aは立設面480aと平行を成している。側面460b、側面460c、終点側端面460d及び始点側端面460eは、立設面480aに立設している。側面460bは、外側羽根460を回転方向1000の逆方向から見た場合に視認できる面であり、側面460cは、外側羽根460を回転方向1000から見た場合に視認できる面である。側面460bは、回転方向1000において側面460cよりも前側に位置する。以後、側面460bを前側側面460bと呼び、側面460cを後ろ側側面460cと呼ぶことがある。
【0228】
外側羽根部46が備える複数の外側羽根460は、上述の
図47及び49等に示されるように、モータ軸410の回転方向において、モータ本体部411を取り囲んでいる。モータ本体部411は、複数の外側羽根460の内側に位置する。複数の外側羽根460は、長さが比較的大きい複数の主羽根461と、長さが比較的小さい複数の中間羽根462とで構成されている。各中間羽根462は、互いに隣り合う2つの主羽根461の間に位置する。複数の主羽根461の長さは互いに同じであり、複数の中間羽根462の長さは互いに同じである。複数の主羽根461の高さH1aは互いに同じであり、複数の中間羽根462の高さH2aは互いに同じである。中間羽根462の高さH2aは、例えば主羽根461の高さH1aよりも小さい。本例では、各外側羽根460は、仕切り板48の外縁から延在していることから、長さが比較的小さい中間羽根462の最も内縁側の端は、長さが比較的大きい主羽根461の最も内縁側の端よりも外縁側に位置する。なお、外側羽根460の長さ及び高さの定義は、内側羽根470と同じである。
【0229】
このように、本例では、内側羽根部47が中間羽根472を有することから、内側羽根部47の回転時のNZ音を低減することができる。同様に、外側羽根部46が中間羽根462を有することから、外側羽根部46の回転時のNZ音を低減することができる。
【0230】
また、本例に係る内側羽根部47では、中間羽根472の高さH2bが主羽根471の高さH1bよりも小さくなっている。これにより、主羽根471の間に空気が流れやすくなり、内側羽根部47の風量を大きくすることができる。同様に、中間羽根462の高さH2aが主羽根461の高さH1aよりも小さくなっていることから、主羽根461の間に空気が流れやすくなる。これにより、外側羽根部46の風量を大きくすることができる。なお、中間羽根472の高さH2bは主羽根471の高さH1bと同じであってもよい。また、中間羽根462の高さH2aは主羽根461の高さH1aと同じであってもよい。
【0231】
上述のように、複数の外側羽根460は、モータ軸410の回転方向において、モータ本体部411を取り囲んでいる。そのため、外側羽根部46が取り込む空気の流れがモータ本体部411で阻害されて外側羽根部46の風量が低下する。また、本例では、デザイン性の向上のために、外側吸気口212の第1開口面積が、内側吸気口213の第2開口面積よりも小さくなっている。このため、外側羽根部46は空気を取り込みにくくなり、外側羽根部46の風量が低下する。
【0232】
そこで、本例では、外側羽根部46の高さを内側羽根部47の高さよりも大きくして、外側羽根部46の風量を大きくしている。外側羽根部46の風量は、外側羽根部46の高さが大きくなると大きくなり、内側羽根部47の風量は内側羽根部47の高さが大きくなると大きくなる。外側羽根460の高さが外側羽根部46の高さとなり、内側羽根470の高さが内側羽根部47の高さとなる。本例のように、外側羽根部46が、高さの異なる複数種類の羽根を備える場合には、当該複数種類の羽根のうち高さが最大の羽根の高さが、外側羽根部46の高さとなる。本例では、主羽根461の高さH1aが外側羽根部46の高さとなる。内側羽根部47の高さについても同様である。
【0233】
このように、外側羽根部46の高さを大きくすることによって、外側羽根部46が取り込む空気の流れがモータ本体部411で阻害される場合であっても、外側羽根部46の風量を大きくすることができる。また、外側吸気口212の第1開口面積が小さい場合であっても、外側羽根部46の風量を大きくすることができる。
【0234】
また、本例では、
図54等に示されるように、外側羽根部46での主羽根461の高さH1aと中間羽根462の高さH2aの差Daは、内側羽根部47での主羽根471の高さH1bと中間羽根462の高さH2bの差Dbよりも大きくなっている。このように、主羽根461の高さH1aと中間羽根462の高さH2aの差Daを大きくすることによって、外側羽根部46が取り込む空気の流れがモータ本体部411で阻害される場合であっても、外側羽根部46の風量を大きくすることができる。また、外側吸気口212の第1開口面積が小さい場合であっても、外側羽根部46の風量を大きくすることができる。なお、差Daは差Dbと同じであってもよいし、差Daは差Dbよりも小さくてもよい。
【0235】
また、本例では、外側羽根460の長さが内側羽根470の長さよりも小さくなっている。具体的には、外側羽根部46の主羽根461の長さが内側羽根部47の主羽根471の長さよりも小さくなっている。また、外側羽根部46の中間羽根462の長さが内側羽根部47の中間羽根472の長さよりも小さくなっている。
【0236】
図52には、内側羽根部47が有する複数の主羽根471の最も内縁側の端を通る円1100bが示されている。
図53には、外側羽根部46が有する複数の主羽根461の最も内縁側の端を通る円1100bが示されている。本例では、主羽根461の長さが主羽根471の長さよりも小さくなっていることから、円1100aの直径は円110bの直径よりも大きくなる。
【0237】
このように、外側羽根460の長さを内側羽根470の長さよりも小さくすることによって、複数の外側羽根460の内側に配置されたモータ本体部411と外側羽根460との間の距離を大きくすることができる。よって、外側羽根部46が取り込む空気が流れやすくなり、外側羽根部46の風量が大きくなる。一方で、内側羽根470の長さが大きいことから、内側羽根部47の風量を大きくすることもできる。なお、外側羽根460の長さは、内側羽根470の長さと同じであってもよいし、内側羽根470の長さよりも大きくてもよい。
【0238】
本例では、内側羽根470及び外側羽根460の始点側角度及び終点側角度が適切に設定されている。これにより、内側羽根470及び外側羽根460の両方の羽根形状が適切となり、内側羽根470及び外側羽根460の両方の性能が向上する。
【0239】
内側羽根部47では、主羽根471の終点側角度と中間羽根472の終点側角度が互いに同じとなっている。一方で、主羽根471の始点側角度と中間羽根472の始点側角度は互いに異なっている。同様に、外側羽根部46では、主羽根461の終点側角度と中間羽根462の終点側角度が互いに同じとなっており、主羽根461の始点側角度と中間羽根462の始点側角度が互いに異なっている。
【0240】
また、本例では、内側羽根470の終点側角度と外側羽根460の終点側角度とが互いに同じとなっている。具体的には、主羽根471の終点側角度と主羽根461の終点側角度とが互いに同じであり、中間羽根472の終点側角度と中間羽根462の終点側角度とが互いに同じである。また、内側羽根470の始点側角度と外側羽根460の始点側角度とが互いに同じとなっている。具体的には、主羽根471の始点側角度と主羽根461の始点側角度とが互いに同じであり、中間羽根472の始点側角度と中間羽根462の始点側角度とが互いに同じである。
【0241】
図55は内側羽根470の終点側角度α及び始点側角度βを説明するための概略図である。
図55には、
図52に示される構造の一部が拡大して示されている。以下に、
図55を用いて内側羽根470の終点側角度α及び始点側角度βについて説明するが、外側羽根460の終点側角度及び始点側角度も同様である。
【0242】
図55に示されるように、終点側角度αは、基準線L1と基準線L2とが成す角度である。基準線L1及びL2のそれぞれは、羽根構造45を内側羽根部47側から見た平面視(第1平面視ともいう)において規定される直線である。言い換えれば、基準線L1及びL2のそれぞれは、内側羽根部47を装置内側から見た平面視において規定される直線である。終点側角度αは、内側羽根部47での空気の出口角度ともいえる。
【0243】
ここで、内側羽根470の頂面470aと前側側面470bとの境界線を稜線475とする。稜線475は凹曲線となっている。基準線L1は、第1平面視において稜線475の終点側端475aに引いた接線の一部であって、第1平面視において終点側端475aから羽根構造45の外側に延びる直線である。基準線L2は、第1平面視において、仕切り板48の主面48aの中心48aa(言い換えれば、第1平面視での羽根構造45の中心)から終点側端475aを通って羽根構造45の外側に延びる直線である。
【0244】
始点側角度βは、基準線L3と基準線L4とが成す角度である。基準線L3及びL4のそれぞれは、第1平面視において規定される直線である。基準線L3は、第1平面視において稜線475の始点側端475bに引いた接線の一部であって、第1平面視において始点側端475bから内縁側に延びる直線である。基準線L4は、第1平面視において、仕切り板48の主面48aの中心48aaから始点側端475bまで延びる直線である。始点側角度βは、内側羽根部47での空気の入口角度ともいえる。
【0245】
なお、
図55には、主羽根471の終点側角度α及び始点側角度βが示されているが、中間羽根472の終点側角度α及び始点側角度βについても基準線L1~L4が使用されて同様に定義される。
【0246】
このように、本例では、内側羽根470と外側羽根460の間では、始点側角度及び終点側角度が同じとなっている。さらに、上述のように、外側羽根460の長さは、内側羽根470の長さよりも小さくなっている。これらのため、外側羽根460の曲がり具合は、内側羽根470の曲がり具合よりも大きくなっている。具体的には、装置外側の主羽根461の曲がり具合は、装置内側の主羽根471の曲がり具合よりも大きくなっており、装置外側の中間羽根462の曲がり具合は、装置内側の中間羽根472の曲がり具合よりも大きくなっている。
【0247】
また、本例では、内側羽根470に定められる矩形4700の縦横比が、外側羽根460に定められる矩形4600の縦横比よりも大きくなっている。具体的には、主羽根471に定められる矩形4700の縦横比が、主羽根461に定められる矩形4600の縦横比よりも大きくなっており、中間羽根472に定められる矩形4700の縦横比が、中間羽根462に定められる矩形4600の縦横比よりも大きくなっている。ここで、矩形の長辺及び短辺の長さをそれぞれLa及びLbとすると、当該矩形の縦横比は、Lb/Laで表される。つまり、矩形の縦横比は、短辺の長さLbを長辺の長さLaで除算した値である。以下に、矩形4600及び4700について説明する。
【0248】
図56に示されるように、矩形4700は、第1平面視において、稜線475の終点側端475aと始点側端475bとを結ぶ直線を一方の長辺とし、他方の長辺が稜線475に外接する矩形である。
図56では、主羽根471に設定された矩形4700が示されているが、中間羽根472に設定される矩形4700も、第1平面視において、中間羽根472の稜線475の終点側端475aと始点側端475bとを結ぶ直線を一方の長辺とし、他方の長辺が当該稜線475に外接する矩形となる。
図56に示される矩形4700の縦横比は、例えば0.181である。
【0249】
図57に示されるように、矩形4600は、羽根構造45を外側羽根部46側から見た平面視(第2平面視ともいう)において、稜線465の終点側端465aと始点側端465bとを結ぶ直線を一方の長辺とし、他方の長辺が稜線465に外接する矩形である。稜線465は、外側羽根460の頂面460aと前側側面460bとの境界線である。
図57では、主羽根461に設定された矩形4600が示されているが、中間羽根462に設定される矩形4600も、第2平面視において、中間羽根462の稜線465の終点側端465aと始点側端465bとを結ぶ直線を一方の長辺とし、他方の長辺が当該稜線465に外接する矩形となる。
図57に示される矩形4600の縦横比は、例えば0.198である。
【0250】
このように、本例では、内側羽根470に定められる矩形4700の縦横比が、外側羽根460に定められる矩形4600の縦横比よりも大きくなっていることから、外側羽根460の長さを内側羽根470の長さよりも小さくしつつ、内側羽根470と外側羽根460の間で、始点側角度及び終点側角度を同じにすることができる。これにより、外側羽根460及び内側羽根470の両方において羽根形状を適切にすることができる。
【0251】
なお、内側羽根470の始点側角度と外側羽根460の始点側角度は同じでなくてもよい。この場合、内側羽根470の始点側角度と外側羽根460の始点側角度の差は±10度以内であってもよい。また、内側羽根470の終点側角度と外側羽根460の終点側角度は同じでなくてもよい。この場合、内側羽根470の終点側角度と外側羽根460の終点側角度の差は±10度以内であってもよい。
【0252】
内側羽根部47は中間羽根472を備えなくてもよい。また、外側羽根部46は中間羽根462を備えなくてもよい。
【0253】
羽根構造45は、内側羽根部47を備えなくてもよい。この場合、吸気部210では内側吸気口213が不要となる。羽根構造45は、外側羽根部46を備えなくてもよい。この場合、吸気部210では外側吸気口212が不要となる。
【0254】
上記の例では、外側吸気口212の第1開口面積は、内側吸気口213の第2開口面積よりも小さくなっているが、第2開口面積と同じであってもよいし、第2開口面積よりも小さくてもよい。また、上記の例では、複数の外側羽根460の内側にモータ本体部411が配置されているが、モータ本体部411が仕切り板48よりも装置内側に配置されて複数の内側羽根470の内側にモータ本体部411が配置されてもよい。
【0255】
<冷却板の構造例>
次に、本例に係る冷却装置1Jが備える冷却板30(冷却板30Jともいう)の構造例について説明する。
図58は、冷却板30Jを、ペルチェ素子31が取り付けられる主面30b側から見た様子の一例を示す概略斜視図である。
図59は、冷却板30Jを、首501と対向する主面30a側から見た様子の一例を示す概略斜視図である。
図60は、冷却板30Jを主面30a側から見た様子の一例を示す概略平面図である。
図61は、
図60の矢視N-Nでの断面構造の一例を示す概略図である。
【0256】
図58~61に示されるように、冷却板30Jは、例えば、概ね、長方形の板状を成している。冷却板30Jの短手方向の両端部は、角部325がR状になるように主面30b側に曲げられている。これにより、冷却板30Jは、主板部310と、主板部310の両側縁に沿ってそれぞれ延存する一対の側壁部320とを備える。一対の側壁部320は、主板部310の短手方向の両端部において主面30b側にそれぞれ立設する。主板部310と側壁部320とで形成される角部325はR面取りされている。
【0257】
冷却板30Jは、上述の
図30及び32等に示されるように、その長手方向が概ねハウジング2の延在方向に沿うようにハウジング2に固定される。一対の側壁部320の一方は装置上側に位置し、一対の側壁部320の他方は装置下側に位置する。主板部310及び角部325の大部分は、ハウジング2の内側主面122から露出している。角部325がR面取りされていることによって、首501が冷却板30Jに接触したときに人500が不快に感じにくくなる。
【0258】
主板部310は、ペルチェ素子31が搭載される素子搭載部分311を有する。素子搭載部分311は、主板部310の長手方向の中央部に位置する。また、主板部310は、その長手方向の両端部にそれぞれ位置し、ハウジング2に固定される固定部312及び313を備える。また、主板部310は、素子搭載部分311と固定部312との間に位置し、それらを接続する傾斜部314を有する。そして、主板部310は、素子搭載部分311と固定部313との間に位置し、それらを接続する傾斜部315を有する。傾斜部314及び315は、ハウジング2の内側主面122の湾曲に応じて傾斜している。
【0259】
傾斜部314及び315の主面30b側の面には、ペルチェ素子31の位置決め用の一対の位置決め凸部314b及び315bがそれぞれ設けられている。一対の位置決め凸部314b及び315bは、例えば、傾斜部314及び315の主面30a側の面にプレス加工で凹部314a及び315bをそれぞれ設けることで形成される。位置決め凸部314b及び315bのそれぞれは、例えば、主板部310の短手方向に沿って延びる細長い形状を有している。位置決め凸部314b及び315bは、例えば、主板部310の長手方向で互いに対向している。ペルチェ素子31は、位置決め凸部314b及び315bの間に配置される。
【0260】
このように、冷却板30Jは、位置決め凸部314b及び315bを有することから、冷却板30Jに対するペルチェ素子31の位置決めが容易となる。具体的には、冷却板30Jに対するペルチェ素子31のハウジング2の延在方向での位置決めが容易となる。なお、傾斜部314及び315の主面30a側の面に凹部314a及び315aが形成されていなくてもよい。
【0261】
以上のように、冷却装置1は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0262】
1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1I,1J 冷却装置
2,2F,2G ハウジング
3 冷却部
4 ファン
7,71,73 配線
20 周囲部分
21,600,650 前側部分
25 右側部分
26 左側部分
30,30J 冷却板
31 ペルチェ素子
32 放熱器
41 モータ
45 羽根構造
46,47 羽根部
460,470 羽根
461,471 主羽根
462,472 中間羽根
123a 第1端面
127 面取り面
211,212,213,661 吸気口
220,230,280,281,300,301,720,750,760,770 排気口
221,721,751 排気穴
240 仕切り部
270,271,290,291 案内部
303 溝
410 モータ軸
411 モータ本体部
800,860 ヒンジ構造
861 ヒンジ軸
870,880 連結部
881 開口
900 調節構造