(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】産業におけるタイム・ラグ特定方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/063 20230101AFI20240105BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240105BHJP
【FI】
G06Q10/063
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2022532627
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(86)【国際出願番号】 IN2020050751
(87)【国際公開番号】W WO2021152606
(87)【国際公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-07-26
(31)【優先権主張番号】202021004042
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】510337621
【氏名又は名称】タタ コンサルタンシー サービシズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TATA Consultancy Services Limited
【住所又は居所原語表記】Nirmal Building,9th Floor,Nariman Point,Mumbai 400021,Maharashtra,India.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クマール、ラジャン
(72)【発明者】
【氏名】パリハール、マネンドラ シン
(72)【発明者】
【氏名】クマール、ヴィヴェク
(72)【発明者】
【氏名】ランカナ、ヴェンカタラマナ
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-195308(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0201397(US,A1)
【文献】特開2013-109762(JP,A)
【文献】特開2019-192107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業におけるタイム・ラグ特定のためのプロセッサ実施方法であって、
1つ又は複数のソースから入力として複数のデータを受信することであって、前記複数のデータは、複数の入力パラメータを備え、前記1つ又は複数のソースのそれぞれは、複数のプラントを備え、前記複数のプラントのそれぞれが複数のユニットを備え
、前記1つ又は複数のソースからの複数の受信データは、ソース、プラント、又はユニットごとの原材料の質-組成、工程パラメータ、製品品質、生産量、設備条件、及び流出物を含む複数のパラメータを備える、受信すること(802)と、
前記複数の受信データを前処理すること(804)と、
複数のドメイン知識及び複数のデータに基づく技法に基づき
、前処理済みデータの中にグループの存在を特定すること(806)と、
複数の特徴選択技法を使用して、前記ドメイン知識に基づき、複数のグループ化
された前記前処理済みデータから一連のパラメータを選択することであって、前記選択した一連のパラメータが数値データとして表される、選択すること(808)と、
ユーザ要件に基づき選択される複数のタイム・ラグ特定技法のうち
の1つに基づき、前記選択した一連のパラメータの中から少なくとも1つのタイム・ラグ・パラメータを特定することであって、前記複数のタイム・ラグ特定技法が、個別タイム・ラグ特定技法、グループ単位タイム・ラグ特定技法、及びグループ単位/個別タイム・ラグ特定技法であ
り、タイム・ラグ特定とは、1つ又は複数のパラメータの特定、及び特定対象のパラメータが複数の重要業績評価指標(KPI)に及ぼす時間遅延又は遅延パフォーマンス若しくは機能上の影響の特定のことであり、前記特定対象のパラメータが、処理時間、反応時間、あるユニットから他のユニットへの移行ラグ、センサの応答時間、構内における原材料の滞留時間を含む複数のパラメータを備える、特定すること(810)と、
表示モジュールに前記特定されたタイム・ラグ・パラメータを表示することであって、前記特定されたラグ・パラメータが前記産業におけるタイム・ラグ特定を表す、表示すること(812)と、を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の受信データの前処理のステップは、それぞれ、マルチレベル外れ値モデル技法に基づき外れ値ノイズを取り去り、クラスタリング分類技法に基づき見失った受信データを元に戻す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前処理済みデータをグループ化することについての前記ドメイン知識が、企業階層及び前記受信データの種類を含むいくつかの基準に基づき、前記企業階層が、プラント単位、ユニット単位、設備単位、センサの場所及び任意の他のレベルを備え、前記受信データ
の種類はさらに、原材料、工程パラメータ、及び計器型式を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前処理データをグループ化する前記データに基づく技法が、相関技法、クラスタリング技法、及びいくつかの他の知られているデータを含むいくつかの技法に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記個別タイム・ラグ特定技
法が、さらに、
新たな一連のグループとその対応する一連の説明変数を特定すること(402)と、
前記特定された一連の説明変数のすべてに対する最大タイム・ラグ値
をユーザから受信すること(404)と、
アンサンブル特徴選択技法を使用して、前記新たな一連のグループと前記その対応する一連の説明変数に基づき、一番良いタイム・ラグ・パラメータを特定すること(406)と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アンサンブル特徴選択技法はさらに、
サポート・ベクター回帰(SVR)、ランダム・フォレスト回帰(RF)、線形回帰(LR)、リッジ回帰、Lasso回帰、余分木回帰(ETR)、相互情報回帰(MIR)を含む特徴選択技法に基づき、一連のあり得るタイム・ラグ・パラメータを特定することであって、前記特徴選択技法が、グループにわたる関係に基づき選択される、特定すること(502)と、
対数技法、算術技法を含む平均化技法及びスコア付け技法に基づき、前記特定されたあり得るタイム・ラグ・パラメータのすべてに対して特徴スコアを算出すること(504)と、
前記算出した特徴スコアに基づき前記一連のあり得るタイム・ラグ・パラメータをランク付けして、一番良いタイム・ラグ・パラメータとなること(506)と、を含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
グループ単位タイム・ラグ特定技法
のステップがさらに、
新たな一連のグループとその対応する一連の説明変数を特定すること(602)と、
前記特定された一連の説明変数のすべてに対する最大タイム・ラグ値
をユーザから受信すること(604)と、
前記特定された新たな一連のグループからグループ単位モデルを生成すること(606)と、
二乗平均平方根誤差(RMSE)、平均絶対誤差(MAE)、平均絶対パーセント誤差(MAPE)、R二乗(R
2)、ヒット率を含む技法を使用して、グループ単位精度項を算出すること(608)と、
前記算出したグループ単位精度に基づき、特定された新たな一連のグループの前記グループ単位モデルから一番良いタイム・ラグ・パラメータを特定することであって、前記新たな一連のグループ内のグループのすべてに対して、少なくとも一番良いタイム・ラグ・パラメータが特定される、特定すること(610)と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
グループ単位/個別タイム・ラグ特定技法
のステップはさらに、
新たな一連のグループとその対応する一連の説明変数を特定すること(702)と、
前記特定された一連の説明変数のすべてに対する最大タイム・ラグ値
をユーザから受信すること(704)と、
前記特定された新たな一連のグループからグループ単位/個別モデルを生成すること(706)と、
二乗平均平方根誤差(RMSE)、平均絶対誤差(MAE)、平均絶対パーセント誤差(MAPE)、R二乗(R
2)、ヒット率を含む技法に基づき、グループ単位/個別精度項を算出すること(708)と、
前記算出したグループ単位/個別精度に基づき、特定された新たな一連のグループの前記グループ単位/個別モデルから一番良いタイム・ラグ・パラメータを繰り返し特定することであって、一番良いタイム・ラグ・パラメータが、パフォーマンス精度を含む複数の比較パラメータであるタイム・ラグに基づく2番目に良いタイム・ラグ・パラメータに取って代わられる、特定すること(710)とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
産業におけるタイム・ラグ特定のためのシステムであって、
1つ又は複数のソースから入力として複数のデータを受信するために構成された入力モジュール(202)であって、前記複数のデータは、複数の入力パラメータを備え、前記1つ又は複数のソースのそれぞれは、複数のプラントを備え、前記複数のプラントのそれぞれが複数のユニットを備え
、前記1つ又は複数のソースからの複数の受信データは、ソース、プラント、又はユニットごとの原材料の質-組成、工程パラメータ、製品品質、生産量、設備条件、及び流出物を含む複数のパラメータを備える、入力モジュール(202)と、
前記複数の受信データを前処理するために構成された前処理モジュール(204)と、
複数のドメイン知識及び複数のデータに基づく技法に基づき
、複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定するために構成されたグループ化モジュール(208)と、
特徴選択技法を使用して、前記ドメイン知識及び
前記データに基づく技法に基づき
、複数のグループ化
された前記前処理済みデータから一連のパラメータを選択するために構成された特徴選択モジュール(214)であって、前記選択した一連のパラメータが数値データとして表される、特徴選択モジュール(214)と、
ユーザ要件に基づき選択される複数のタイム・ラグ特定技法のうちの少なくとも1つに基づき、前記選択した一連のパラメータの中から少なくとも1つのタイム・ラグ・パラメータを特定するタイム・ラグ特定モジュール(216)であって、前記複数のタイム・ラグ特定技法が、個別タイム・ラグ特定技法、グループ単位タイム・ラグ特定技法、及びグループ単位/個別タイム・ラグ特定技法であ
り、タイム・ラグ特定とは、1つ又は複数のパラメータの特定、及び特定対象のパラメータが複数の重要業績評価指標(KPI)に及ぼす時間遅延又は遅延パフォーマンス若しくは機能上の影響の特定のことであり、前記特定対象のパラメータが、処理時間、反応時間、あるユニットから他のユニットへの移行ラグ、センサの応答時間、構内における原材料の滞留時間を含む複数のパラメータを備える、タイム・ラグ特定モジュール(216)と、
前記特定されたタイム・ラグ・パラメータを表示するように構成された表示モジュール(224)であって、特定されたタイム・ラグ・パラメータが、前記産業におけるタイム・ラグ特定を表す、表示モジュール(224)とを備える、システム。
【請求項10】
複数のドメイン知識が、タイム・ラグが特定される対象の産業の動的に更新されるドメイン知識を共有するために構成されているドメイン知識データベース(206)から得られる、請求項
9に記載のシステム。
【請求項11】
前記グループ化モジュール(208)がさらに、前記ドメイン知識データベース(206)から受信される複数のドメイン知識に基づき、前記複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定するために構成されたドメイン知識グループ化ユニット(210)と、複数のデータに基づく技法に基づき、前記複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定するために構成されたデータに基づく技法ユニット(212)とから構成される、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
産業におけるタイム・ラグ特定のためのコンピュータ可読プログラムを具体化している非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ可読プログラムが、1つ又は複数のハードウェア・プロセッサにより実行されると、
1つ又は複数のソースから入力として複数のデータを受信することであって、前記複数のデータは、複数の入力パラメータを備え、前記1つ又は複数のソースのそれぞれは、複数のプラントを備え、前記複数のプラントのそれぞれが複数のユニットを備え
、前記1つ又は複数のソースからの複数の受信データは、ソース、プラント、又はユニットごとの原材料の質-組成、工程パラメータ、製品品質、生産量、設備条件、及び流出物を含む複数のパラメータを備える、受信することと、
複数の受信データを前処理することと、
複数のドメイン知識及び複数のデータに基づく技法に基づき
、複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定することと、
複数の特徴選択技法を使用して、前記ドメイン知識
及び前記データに基づく技法に基づき
、複数のグループ化
された前記前処理済みデータから一連のパラメータを選択することであって、前記選択した一連のパラメータが数値データとして表される、選択することと、
ユーザ要件に基づき選択される複数のタイム・ラグ特定技法のうちの少なくとも1つに基づき、前記選択した一連のパラメータの中から少なくとも1つのタイム・ラグ・パラメータを特定することであって、前記複数のタイム・ラグ特定技法が、個別タイム・ラグ特定技法、グループ単位タイム・ラグ特定技法、及びグループ単位/個別タイム・ラグ特定技法であ
り、タイム・ラグ特定とは、1つ又は複数のパラメータの特定、及び特定対象のパラメータが複数の重要業績評価指標(KPI)に及ぼす時間遅延又は遅延パフォーマンス若しくは機能上の影響の特定のことであり、前記特定対象のパラメータが、処理時間、反応時間、あるユニットから他のユニットへの移行ラグ、センサの応答時間、構内における原材料の滞留時間を含む複数のパラメータを備える、特定することと、
表示モジュールに前記特定されたタイム・ラグ・パラメータを表示することであって、前記特定されたラグ・パラメータが前記産業におけるタイム・ラグ特定を表す、表示することと、をもたらす、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年1月29日に出願されたインド仮特許出願第202021004042号からの優先権を主張する、2020年8月28日に出願された国際出願第PCT/IN2020/050751号の日本国への国内移行出願である。
【0002】
本明細書の開示は、概して、産業におけるタイム・ラグ特定の分野に関するものであり、より具体的には、1つ又は複数のパラメータの特定、及び特定対象のパラメータが産業における複数の重要業績評価指標(KPI:Key Performance Indicator)に及ぼすタイム・ラグ又は遅延パフォーマンス若しくは機能上の影響の特定に関するものである。
【背景技術】
【0003】
様々な産業/製造ユニットにおけるシステムは、その産業/製造ユニットに最大限の機能上の効率を与える重要業績評価指標(KPI)の特定&モニタリングに基づき望ましい効率域で働くように設計されている。KPIとしては、生産性、具体的なエネルギー消費、燃料消費、製品品質、緊急作業、故障間の平均時間が挙げられるがこれらに限らない。
【0004】
産業/製造ユニットが、さらに複数の工程を含む1つ又は複数のソースで構成されていることから、KPIの望ましい使用域は、複数の要因/パラメータで決まってくるものであり、複数の工程のそれぞれは、複数のユニットを含む。このようなユニット及び工程は、瞬時にKPIに影響を及ぼすことも及ぼさないこともあり、いくつかのパラメータは、タイム・ラグと言われてもよい遅延の影響をKPIの働きに及ぼす可能性があり、タイム・ラグとしては、処理時間、反応時間、あるユニットから他のユニットへの移行ラグ、センサの応答時間、構内における原材料の滞留時間などのようなパラメータが挙げられる。したがって、望ましい効率域で働く産業では、タイム・ラグ&KPIにタイム・ラグ作用をもたらす可能性のあるパラメータを特定することが重要である。
【0005】
タイム・ラグ特定の既存の技法では、同じプラント/ユニットからのパラメータを1回しか巧みに扱うことができず、様々なプラント&ユニットからの様々な標本抽出頻度及びタイムスタンプの変数/パラメータを巧みに扱うことにおいてそれほど有効ではない場合がある。また、既存のタイム・ラグ特定は、ドメイン知識のうちの1つ、又は様々な機械学習モデル若しくは統計モデルを使用して産業データから発展したデータ駆動式技法の物理ベースのモデルに基づいて行われる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例は、従来型システムにおいて本発明者らが認識する上に述べた技術的課題の1つ又は複数に解決策として技術上の改善を提示する。例えば、ある実施例では、産業におけるタイム・ラグ特定のための方法及びシステムが提供される。本開示では、産業をリアルタイムで絶えずモニタして、複数のソース(工程/ユニット/プラント)から少なくとも1つ又は複数のパラメータ、及び特定対象のパラメータが複数の重要業績評価指標(KPI)に及ぼす時間遅延、又は遅延パフォーマンス若しくは機能上の影響を特定することを提案する。提案するタイム・ラグ特定は、個別タイム・ラグ特定技法、グループ単位タイム・ラグ特定技法、及びグループ単位/個別タイム・ラグ特定技法を含む提案された複数のタイム・ラグ特定技法からの1つのタイム・ラグ特定を使いて行われる。また、タイム・ラグ特定は、ドメイン知識ととともにデータ駆動式技法にも基づいて行われる。
【0007】
別の態様において、産業におけるタイム・ラグ特定のための方法が提供される。この方法は、1つ又は複数のソースから入力として複数のデータを受信することであって、複数のデータは、複数の入力パラメータを含み、1つ又は複数のソースのそれぞれは、複数のプラントを含み、複数のプラントのそれぞれが複数のユニットを含む、受信することを含む。方法はさらに、複数の受信データを前処理することを含む。方法はさらに、複数のドメイン知識及び複数のデータに基づく技法に基づき、複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定することを含む。方法はさらに、複数の特徴選択技法を使用して、ドメイン知識に基づき複数のグループ化データから一連のパラメータを選択することであって、選択した一連のパラメータが数値データとして表される、選択することを含む。方法はさらに、ユーザ要件に基づき選択される複数のタイム・ラグ特定技法のうちの少なくとも1つに基づき、選択した一連のパラメータの中から少なくとも1つのタイム・ラグ・パラメータを特定することであって、複数のタイム・ラグ特定技法が、個別タイム・ラグ特定技法、グループ単位タイム・ラグ特定技法、及びグループ単位/個別タイム・ラグ特定技法である、特定することを含む。方法はさらに、表示モジュールに特定されたタイム・ラグ・パラメータを表示することであって、特定されたラグ・パラメータがその産業におけるタイム・ラグ特定を表す、表示することを含む。
【0008】
別の態様において、産業におけるタイム・ラグ特定のためのシステムを提供する。このシステムは、1つ又は複数のソースから入力として複数のデータを受信するように構成された入力モジュールであって、複数のデータは、複数の入力パラメーを含み、1つ又は複数のソースのそれぞれは、複数のプラントを含み、複数のプラントのそれぞれは複数のユニットを含む、入力モジュールを含む。システムにはさらに、複数の受信データを前処理するように構成された前処理モジュールを含む。システムはさらに、複数のドメイン知識及び複数のデータに基づく技法に基づき、複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定するために構成されたグループ化モジュールを含む。システムはさらに、特徴選択技法を使用して、ドメイン知識及びデータに基づく技法に基づき、複数のグループ化データから一連のパラメータを選択するために構成された特徴選択モジュールであって、選択した一連のパラメータが数値データとして表される、特徴選択モジュールを含む。システムはさらに、ユーザ要件に基づき選択される複数のタイム・ラグ特定技法のうちの少なくとも1つに基づき、選択した一連のパラメータの中から少なくとも1つのタイム・ラグ・パラメータを特定するタイム・ラグ特定モジュールであって、複数のタイム・ラグ特定技法が、個別タイム・ラグ特定技法、グループ単位タイム・ラグ特定技法、及びグループ単位/個別タイム・ラグ特定技法である、タイム・ラグ特定モジュールを含む。システムにはさらに、表示モジュールに特定されたタイム・ラグ・パラメータを表示するために構成された表示モジュールであって、特定されたタイム・ラグ・パラメータが、その産業におけるタイム・ラグ特定を表す、表示モジュールを含む。
【0009】
また別の態様において、産業におけるタイム・ラグ特定のための非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。このプログラムは、1つ又は複数のソースから入力として複数のデータを受信することであって、複数のデータは、複数の入力パラメータを含み、1つ又は複数のソースのそれぞれは、複数のプラントを含み、複数のプラントのそれぞれは複数のユニットを含む、受信することを含む。プログラムはさらに、複数の受信データを前処理することを含む。プログラムはさらに、複数のドメイン知識及び複数のデータに基づく技法に基づき、複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定することを含む。プログラムはさらに、複数の特徴選択技法を使用して、ドメイン知識に基づき、複数のグループ化データから一連のパラメータを選択することであって、選択した一連のパラメータが数値データとして表される、選択することを含む。プログラムはさらに、ユーザ要件に基づき選択される複数のタイム・ラグ特定技法のうちの少なくとも1つに基づき、選択した一連のパラメータから少なくとも1つのタイム・ラグ・パラメータを特定することであって、複数のタイム・ラグ特定技法が、個別タイム・ラグ特定技法、グループ単位タイム・ラグ特定技法、及びグループ単位/個別タイム・ラグ特定技法である、特定することを含む。プログラムはさらに、表示モジュールに特定されたタイム・ラグ・パラメータを表示することであって、特定されたラグ・パラメータが、その産業におけるタイム・ラグ特定を表す、表示することを含む。
【0010】
これまでの概要も以下の詳細な説明も例示であり、説明に役立つに過ぎないものであり、請求項に記載されるように本発明を限定するものでない、ということが理解されるべきである。
【0011】
本開示に組み込まれ、本開示の一部を成す添付図面は、例示的な実施例を表し、明細書とともに、本開示の原理を説明するのに役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示のいくつかの実施例による、複数の入力ソースとともに産業におけるタイム・ラグ特定システム(タイム・ラグ特定装置)の例示的なブロック図を示す。
【
図2】本開示のいくつかの実施例による、
図1のシステム(タイム・ラグ特定装置)に収められた様々なモジュールの機能ブロック図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施例による、複数のドメイン知識及び複数のデータに基づく技法に基づき、前処理済みデータを対象にグループを特定するユースケース例である。
【
図4】本開示のいくつかの実施例による、個別タイム・ラグ特定技法のステップのための例示的な流れ図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施例による、個別タイム・ラグ特定技法のステップのための例示的な流れ図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施例による、アンサンブル特徴選択技法のステップのための例示的な流れ図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施例による、グループ単位/個別タイム・ラグ特定技法のステップのための例示的な流れ図である。
【
図8A】本開示のいくつかの実施例による、産業におけるタイム・ラグ特定(タイム・ラグ特定装置)のための例示的な流れ図である。
【
図8B】本開示のいくつかの実施例による、産業におけるタイム・ラグ特定(タイム・ラグ特定装置)のための例示的な流れ図である。
【
図9】表示モジュールに特定されたタイム・ラグ・パラメータを表示するためのユースケース例図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付図面を参照しながら例示的な実施例について述べる。図では、参照番号の最左数字がその参照番号が最初に現れる図を識別する。便宜上、同じ部分又は似た部分を参照するのに、図面すべてにわたり同じ参照番号が使用される。本明細書では本開示の原理の実例及び特徴が述べられているが、本開示の実施例の趣旨及び範囲から逸脱しない限り、修正形態、適合形態、及び他の実装形態も可能である。以下の発明を実施するための形態が単に例示として見なされ、実際の範囲及び趣旨が以下の特許請求の範囲で示されることが意図される。
【0014】
産業におけるタイム・ラグ特定に対して本開示の提案が与えられる。本開示は、産業をリアルタイムで絶えずモニタして、複数のソース(工程/ユニット/プラント)から少なくとも1つ又は複数のパラメータを特定し、及び特定対象のパラメータが複数の重要業績評価指標(KPI)に及ぼすタイム・ラグ又は遅延パフォーマンス若しくは機能上の影響を特定し、何も時間遅延をもたらさないパラメータも特定され、モニタされる。重要業績評価指標(KPI)は、パフォーマンスの目的を満たすことに対してシステム/工程/産業プラント/組織の成功を評価するのに使用される定量化可能な手段である。産業/製造ユニットが、さらに複数の工程を含む1つ又は複数のソースから構成されているので、望ましいKPI使用域は、複数の要因/パラメータで決まってくるものであり、複数の工程のそれぞれが複数のユニットを含む。これらのユニット及び工程は、瞬時にKPIに影響を及ぼすことも及ぼさないこともあり、いくつかのパラメータは、タイム・ラグと称されてもよいKPIの働きに遅延の影響を及ぼす可能性がある。提案されるタイム・ラグ特定は、個別タイム・ラグ特定技法、グループ単位タイム・ラグ特定技法、及びグループ単位/個別タイム・ラグ特定技法を含む提案された複数のタイム・ラグ特定技法から1つのタイム・ラグ特定を使用して行われる。また、タイム・ラグ特定は、ドメイン知識ととともにデータ駆動式技法にも基づき行われる。特定されたタイム・ラグは、工程及び製造業における異常の予測及び見通し又は検出に使用される。
【0015】
ここで図面、より具体的には
図1~
図9を参照すると、同様の参照文字が、好ましい実施例を表す図全部にわたり対応する特徴を一貫して示し、これらの実施例は、以下の例示的なシステム及び/又は方法の文脈において説明される。
【0016】
図1は、例示的な一実施例による、複数の入力ソースとともに産業におけるタイム・ラグ特定のためのシステム100のブロック図である。
【0017】
システム100は、タイム・ラグ特定の特定用のタイム・ラグ特定装置(102)を含む。タイム・ラグ特定とは、1つ又は複数のパラメータの特定、及び特定対象のパラメータが、複数の重要業績評価指標(KPI)に及ぼすタイム・ラグ又は遅延パフォーマンス若しくは機能上の影響の特定のことであり、特定対象のパラメータは、処理時間、反応時間、あるユニットから他のユニットへの移行ラグ、センサの応答時間、構内における原材料の滞留時間を含む複数のパラメータから構成される。タイム・ラグ特定装置(102)は、1つ又は複数のソースから入力として複数のデータを受信し、複数のデータは、複数の入力パラメータを含み、1つ又は複数のソースのそれぞれは、
図1ではプラント-1(104)、プラント-2(106)、プラント-3(108)と表される複数のプラントを含む。また、複数の工程のそれぞれは、工程-1(104)ではP1_ユニット-1(110)、P1_ユニット-1(112)、PN_ユニット-1(114)、工程-2(106)ではP2_ユニット-1(116)、P2_ユニット-2(118)、PN_ユニット-N(120)、工程-N(108)ではPN_ユニット-N(122)、PN_ユニット-N(124)で表される複数のユニットを含む。
【0018】
一実施例において、溶鉱炉のユースケース例を考えてみると、原材料の質や組成、工程パラメータ、製品品質、生産量、流出物などのようなデータを、原材料寝かせ・配合、コークス・プラント、焼結プラント、ペレット・プラントなどを含む複数のプラントから入力として受信する。さらに、上記プラントは、コークス・プラントを6個、焼結プラントを3個、ペレット・プラントを2個含む複数のユニットを含む。
【0019】
図1に関連する
図2は、本開示の一実施例による、
図1のシステム100のタイム・ラグ特定装置(102)の様々なモジュールのブロック図である。本開示の一実施例において、システム(100)は、1つ又は複数のソースから入力として複数のデータを受信するように構成された入力モジュール(202)を含み、複数のデータは、複数の入力パラメータを含み、1つ又は複数のソースのそれぞれは、複数のプラントを含み、複数のプラントのそれぞれは、複数のユニットを含む。システム100のタイム・ラグ特定装置(102)はさらに、複数の受信データを前処理するために構成された前処理モジュール(204)を含む。システム100のタイム・ラグ特定装置(102)はさらに、タイム・ラグが特定される対象となる産業の動的に更新されるドメイン知識を共有するように構成されているドメイン知識データベース(206)から得られる複数のドメイン知識を備える。システム100のタイム・ラグ特定装置(102)はさらに、複数のドメイン知識及び複数のデータに基づく技法に基づき、複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定するために構成されたグループ化モジュール(208)を含み、グループ化モジュール(208)はさらに、ドメイン知識データベース(206)から受信される複数のドメイン知識に基づき複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定するために構成されたドメイン知識グループ化ユニット(210)と、複数のデータに基づく技法に基づき、複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定するために構成されたデータに基づく技法ユニット(212)とから構成される。システム100のタイム・ラグ特定装置(102)はさらに、特徴選択技法を使用して、ドメイン知識及びデータに基づく技法に基づき、複数のグループ化データから一連のパラメータを選択するように構成された特徴選択モジュール(214)を含み、選択した一連のパラメータは、数値データとして表される。システム100のタイム・ラグ特定装置(102)はさらに、ユーザ要件に基づき選択される複数のタイム・ラグ特定技法のうちの少なくとも1つに基づき、選択した一連のパラメータの中から少なくとも1つのタイム・ラグ・パラメータを特定するタイム・ラグ特定モジュール(216)を含み、複数のタイム・ラグ特定技法は、個別タイム・ラグ特定技法、グループ単位タイム・ラグ特定技法、グループ単位/個別タイム・ラグ特定技法である。タイム・ラグ特定モジュール(216)はさらに、個別タイム・ラグ特定のために構成された個別タイム・ラグ特定ユニット(218)と、グループ単位タイム・ラグ特定のために構成されたグループ単位タイム・ラグ特定ユニット(220)と、グループ単位/個別タイム・ラグ特定のために構成されたグループ単位/個別タイム・ラグ特定ユニット(222)とから構成される。システム100のタイム・ラグ特定装置(102)はさらに、表示モジュールに特定されたタイム・ラグ・パラメータを表示するために構成された表示モジュール(224)を含み、特定されたタイム・ラグ・パラメータは、その産業におけるタイム・ラグ特定を表す。システム100のタイム・ラグ特定装置(102)の様々なモジュールは、実行されると本明細書でこれまで述べた方法を行う、ソフトウェア・プログラムの論理的自己完結部、自己完結ハードウェア・コンポーネント、及び/又は、ハードウェア・コンポーネントのそれぞれにソフトウェア・プログラムの論理的自己完結部が埋め込まれた自己完結ハードウェア・コンポーネントのうちの少なくとも1つとして実装されている。
【0020】
本開示の一実施例によれば、システム100のタイム・ラグ特定装置(102)は、1つ又は複数のソースから入力として複数のデータを受信するために構成された入力モジュール(202)を含み、複数のデータは、複数の入力パラメータを含み、1つ又は複数のソースのそれぞれは、複数のプラントを含み、複数のプラントのそれぞれは、
図1に示す通り、複数のユニットを含む。1つ又は複数のソースからの受信データは、ソース、プラント、又はユニットごとの原材料の質-組成、工程パラメータ、製品品質、生産量、設備条件、及び流出物を含む複数のパラメーを含む。
【0021】
本開示の一実施例によれば、システム100のタイム・ラグ特定装置(102)はさらに、複数の受信入力データ、及び複数のリアルタイム入力データを前処理するために構成されている前処理モジュール(204)を含む。前処理の一実施例ステップは、それぞれ、マルチレベル外れ値モデルに基づき外れ値を取り除き、クラスタリング分類に基づき見失った入力データを元に戻すことを含む。
【0022】
ある実施例において、前処理は、製造工程に関わる入力データを前処理するために繰り返すことを含む。それぞれの繰り返しは、マルチレベル外れ値モデルを使用して、入力データから外れ値を取り除き、フィルタ掛け済みデータを得る。フィルタ掛け済みデータを複数のカテゴリに分類して、様々なパラメータの発生頻度に基づき、見失ったデータを特定する。事前規定の基準に基づき様々なデータ・クラスタにクラスタ化される帰属データを得るのに、複数のカテゴリに基づき見失ったデータが選択的に帰属される。繰り返しのたびに、その時の繰り返しに伴う帰属データが、前回の繰り返しに伴うのと同じデータ・クラスタにクラスタ化されているかどうか判断される。前回の繰り返しにおけるデータ・クラスタとその時の繰り返しにおけるデータ・クラスタとが、同様になり、終には前処理済み入力データとなるまで、様々な繰り返しが行われる。
【0023】
本開示の一実施例によれば、システム100のタイム・ラグ特定装置(102)はさらに、タイム・ラグ特定装置と、動的に更新されるドメイン知識を共有するために構成されているドメイン知識データベース(206)を含む。ドメイン知識データベース(206)は、タイム・ラグが特定される対象となる産業の包括的ドメイン知識により動的に更新される。ドメイン知識データベース(206)は、複数の産業のドメイン知識、特定技法でもたらされ、確認される最大タイム・ラグ回数などに基づき特定され得るあり得るグループに関する包括的詳細から構成される。
【0024】
本開示の一実施例によれば、システム100のタイム・ラグ特定装置(102)はさらに、複数のドメイン知識及び複数のデータに基づく技法に基づき、複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定するために構成されたグループ化モジュール(208)を含む。グループ化モジュール(208)はさらに、ドメイン知識データベース(206)から受信される複数のドメイン知識に基づき、複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定するために構成されたドメイン知識グループ化ユニット(210)と、複数のデータに基づく技法に基づき、複数の前処理済みデータの中にグループがあるかどうか特定するように構成されたデータに基づく技法ユニット(212)とから構成される。
【0025】
一実施例において、ドメイン知識グループ化ユニット(210)において行われる前処理済みデータのグループ化に関するドメイン知識は、企業階層や受信データの種類を含むいくつかの基準に基づき、企業階層としては、プラント単位、ユニット単位、装置単位、センサの場所及び任意の他のレベルを含み、受信データの種類は、原材料、工程パラメータ、及び計器型式を含む。また、原材料はさらに、組成、供給、質&状態を含み、工程パラメータはさらに、温度、圧力、及び流量を含む。
【0026】
一実施例において、データに基づく技法ユニット(212)において行われる前処理済みデータのグループ化のためのデータに基づく技法は、相関技法、クラスタリング技法、及びいくつかの他の知られているデータに基づく技法を含むいくつかの技法に基づいている。
【0027】
表1は、複数のドメイン知識及び複数のデータに基づく技法に基づき、前処理済みデータを対象としてグループを特定するユースケース例を示す。
【表1】
【0028】
表2は、複数のドメイン知識及び複数のデータに基づく技法に基づき、前処理済みデータを対象としてグループを特定する別のユースケース例を示す。
【表2】
【0029】
本開示の一実施例によれば、システム100のタイム・ラグ特定装置(102)はさらに、特徴選択技法を使用して、ドメイン知識及びデータに基づく技法に基づき、複数のグループ化データから一連のパラメータを選択するように構成された特徴選択モジュール(214)を含み、選択した一連のパラメータは、数値データとして表される。特徴選択は、ランク付けと統合が後に続く、相関技法、統計技法、及び機械学習技法を含む複数の技法に基づき実施される。特徴選択は、サポート・ベクター回帰(SVR)、ランダム・フォレスト回帰(RF)、線形回帰(LR)、リッジ回帰、Lasso回帰、余分木回帰(ETR)、相互情報回帰(MIR)を含むがこれらに限るわけではない複数の技法を使用して行われる。また、一連のパラメータを選択する様々な技法から得られた個々のスコアに基づき、全体的なスコアが算出される。
【0030】
一実施例において、特徴選択を実施するための「場所」に基づきグループ化された例示的なパラメータ-「ガス温度」を考えてみる。サポート・ベクター回帰(SVR)、ランダム・フォレスト回帰(RF)、線形回帰(LR)、リッジ回帰、Lasso回帰、余分木回帰(ETR)、相互情報回帰(MIR)のうちの少なくとも1つを含む特徴選択技法が適用され、下表に示すようなスコアを技法ごとに生成する。
【表3】
【0031】
最後に、最高の結果を考えると、最高ラグ技法に最大限の重さを与えることによって、個々のスコアに基づき全体的なスコアが算出される。上の実例では、ガス温度のタイム・ラグは、最高ラグ技法で繰り返される最大値を考えると、「0」になると推定される。
【0032】
本開示の一実施例によれば、システム100のタイム・ラグ特定装置(102)はさらに、ユーザ要件に基づき選択される複数のタイム・ラグ特定技法のうちの少なくとも1つに基づき、選択した一連のパラメータから少なくとも1つのタイム・ラグ・パラメータを特定するタイム・ラグ特定モジュール(216)を含み、複数のタイム・ラグ特定技法は、個別タイム・ラグ特定技法、グループ単位タイム・ラグ特定技法、及びグループ単位/個別タイム・ラグ特定技法である。タイム・ラグ特定モジュール(216)はさらに、個別タイム・ラグ特定のために構成された個別タイム・ラグ特定ユニット(218)と、クループ単位タイム・ラグ特定のために構成されたグループ単位タイム・ラグ特定ユニット(220)とグループ単位/個別タイム・ラグ特定のために構成されたグループ単位/個別タイム・ラグ特定ユニット(222)とから構成される。
【0033】
一実施例において、タイム・ラグ特定モジュール(216)はさらに、個別タイム・ラグ特定のために構成された個別タイム・ラグ特定ユニット(218)から構成される。個別タイム・ラグ特定技法のステップを流れ図として
図4に描く。
【0034】
ステップ402では、新たな一連のグループとその対応する一連の説明変数が特定される。特定された新たな一連のグループは、(G1、G2...Gn)として表され、特定された説明変数は、(Vi1、Vi2...ViGn)で表され、ここで、Giは、任意のグループ「i」における変数の総数である。一実施例において、新たな一連のグループは、タイム・ラグをさらに特定するループを使用して順番に1つずつ特定/選択される。
【0035】
次のステップ404では、特定された一連の説明変数のすべてに対する最大タイム・ラグ値をユーザから受信する。最大タイム・ラグ値は、lagmaxで表される。
【0036】
次のステップ406では、アンサンブル特徴選択技法を使用して、新たな一連のグループとその対応する一連の説明変数に基づき、一番良いタイム・ラグ・パラメータが特定される。グループの中では、説明変数を1つずつ選択し、1~lagmaxのラグが作り出される。また、lagmax+1の作り出された特徴のある各変数で個々に、以下に説明する複数の技法を使用してアンサンブル特徴選択が行われる。
【0037】
一実施例において、アンサンブル特徴選択技法のステップを流れ図として
図5に描く。
【0038】
ステップ502では、サポート・ベクター回帰(SVR)、ランダム・フォレスト回帰(RF)、線形回帰(LR)、リッジ回帰、Lasso回帰、余分木回帰(ETR)、相互情報回帰(MIR)を含む特徴選択技法に基づき、一連のあり得るタイム・ラグ・パラメータが特定され、特徴選択技法は、グループ間の関係に基づき選択される。一実施例において、共通スコアに基づき、グループごとに、一連のあり得るタイム・ラグ・パラメータが特定される。
【0039】
次のステップ504では、対数技法、算術技法を含む平均化技法及びスコア付け技法に基づき、特定されたあり得るタイム・ラグ・パラメータのすべてに対して特徴スコアが算出される。特徴選択技法に基づき、特定されたあり得るタイム・ラグ・パラメータのすべてに対して特徴スコアが算出される(ステップ502)。また、特徴スコアの対数和を算出して、もたらされた各タイム・ラグに対応する最終スコアを得る。
【0040】
次のステップ506では、算出した特徴スコアに基づき、一連のあり得るタイム・ラグ・パラメータをランク付けして、一番良いタイム・ラグ・パラメータとなる。一実施例において、最高スコア付け特徴スコアが一番良いタイム・ラグとして選ばれる簡単並べ替え工程を含むよく知られたランク付けアルゴリズムに基づき、特徴スコアがランク付けされる。
【0041】
一実施例において、タイム・ラグ特定モジュール(216)はさらに、グループ単位タイム・ラグ特定のために構成されたグループ単位タイム・ラグ特定ユニット(220)から構成される。グループ単位タイム・ラグ特定は、グループすべてに対して別個に行われる。
【0042】
一実施例において、個別タイム・ラグ特定のためのユースケース例を、「場所」に基づきグループ化されたパラメータ実例-「圧力」を考えて説明する。サポート・ベクター回帰(SVR)、ランダム・フォレスト回帰(RF)、線形回帰(LR)、リッジ回帰、Lasso回帰、余分木回帰(ETR)、相互情報回帰(MIR)のうちの少なくとも1つを含む特徴選択技法を適用し、下表に表すようなスコアを技法ごとに生成する。
【表4】
【0043】
最後に、最高の結果を考えると、個別スコアに基づき全体的なスコアが算出される。上の実例では、圧力のタイム・ラグは、「0」になると推定される。また、同じ工程をいくつかのパラメータに対して行って、下表に示すようなタイム・ラグを推定する。
【表5】
【0044】
グループ単位タイム・ラグ特定技法のステップを流れ図として
図6に描く。
【0045】
ステップ602では、新たな一連のグループとその対応する一連の説明変数が特定される。特定された新たな一連のグループは、(G1、G2...Gn)と表わされ、特定された説明変数は、(Vi1、Vi2...ViGn)と表され、ここで、Giは、任意のグループ「i」における変数の総数である。また、グループの中に1つしか変数がない場合、唯一の変数は、それ自体、要素が1つだけのグループと見なされ、一番良いタイム・ラグが、複数の変数があるグループと同様に特定される。グループとその中の変数は、グループ化手法に基づき選択され、それにより、ループ内でのラグ特定のために1つずつ取り出される。
【0046】
次のステップ604では、特定された一連の説明変数すべてに対して、最大タイム・ラグ値をユーザから受信する。最大タイム・ラグ値は、lagmaxと表される。
【0047】
次のステップ606では、特定された新たな一連のグループから、グループ単位モデルが特定される。グループすべてに対して、グループ単位タイム・ラグ特定が別個に行われる。したがって、グループを、初めにすべての変数の場合で考え、ラグが0~lagmaxでもたらされ、グループ単位モデルとされる予測モデルをビルドする。サポート・ベクター・マシン及びランダム・フォレストを含む機械学習技法又は統計技法を使用して、タイム・ラグすべてに対して、グループ単位モデルが別個にビルドされる。最初に、タイム・ラグに対応する基底グループ単位モデルが、始めに、一番良いモデルと仮に考えてビルドされる。
【0048】
次のステップ608では、二乗平均平方根誤差(RMSE)、平均絶対誤差(MAE)、平均絶対パーセント誤差(MAPE)、R二乗(R
2)、ヒット率を含む技法を使用して、グループ単位精度項が算出される。
一実施例において、実値や予測値を含む個々の定義に従って、グループ単位精度項が算出される。また、タイム・ラグ・パラメータごとにモデルがビルドされるのでタイム・ラグ・パラメータが作り出されるたびにグループ単位精度項が算出される。グループ単位精度項を算出するための二乗平均平方根誤差(RMSE)の実例を以下に示す。
【数1】
【0049】
次のステップ610では、算出したグループ単位精度に基づき、特定された新たな一連のグループのグループ単位モデルから一番良いタイム・ラグ・パラメータが特定され、新たな一連のグループ内のグループすべてに対して少なくとも一番良いタイム・ラグ・パラメータが見極けられる。0タイム・ラグに対応して最初にビルドされた基底グループ単位モデルを、その他のラグごとに2番目のグループ単位モデルと繰り返し比較し、パフォーマンスがより良いグループ単位モデルに取り替える。そのグループが得られるタイム・ラグに対応する一番良いグループ単位モデルにおける繰り返しの終わりに、ラグ特定工程は、次のグループに移る。すべてのグループに対してこれまでのステップを繰り返し、すべてのグループとその変数に対してタイム・ラグを別個に得る。
【0050】
一実施例において、グループ単位タイム・ラグ特定のユースケース例を下表に基づき示す。上で説明した通り、グループが作り出され、グループ単位モデルが特定され、下表6に示すようなグループ単位精度項が算出される。
【表6】
【0051】
また、算出したグループ単位精度に基づき、特定された新たな一連のグループのグループ単位モデルから一番良いタイム・ラグ・パラメータが特定され、下表7に示すような少なくとも一番良いタイム・ラグバラメータが新たな一連のグループ内のすべてのグループに対して特定される。
【表7】
【0052】
一実施例において、タイム・ラグ特定モジュール(216)がさらに、グループ単位/個別タイム・ラグ特定のために構成されたグループ単位/個別タイム・ラグ特定ユニット(222)から構成される。グループ単位/個別タイム・ラグ特定技法のステップを
図7に流れ図として描く。
【0053】
ステップ702では、新たな一連のグループとその対応する一連の説明変数が特定される。特定された新たな一連のグループは、(G1、G2...Gn)と表わされ、特定された説明変数は、(Vi1、Vi2...ViGn)と表わされ、ここで、Giは、任意のグループ「i」における変数の総数である。また、グループの中に1つしか変数がない場合、唯一の変数は、それ自体、1つだけの要素しかないグループと見なされ、一番良いタイム・ラグが、複数の変数があるグループと同様に特定される。グループとその中の変数は、グループ化手法に基づき選択され、それにより、ループでのラグ特定のために1つずつ取り出される。
【0054】
次のステップ704では、特定された一連の説明変数すべてに対して、ユーザから最大タイム・ラグ値が受信される。最大タイム・ラグ値は、lagmaxと表される。
【0055】
次のステップ706では、特定された新たな一連のグループから、グループ単位/個別モデルが生成される。グループとその個々の変数のすべてに対して、グループ単位/個別タイム・ラグ特定が別個に行われる。したがって、グループを、初めにすべての変数の場合で考え、ラグが0~lagmaxでもたらされ、グループ単位//個別モデルとされる予測モデルをビルドする。サポート・ベクター・マシン及びランダム・フォレストを含むよく知られている機械学習技法又は統計技法を使用して、タイム・ラグすべてに対して、グループ単位/個別モデルが別個にビルドされる。まず、タイム・ラグに対応する基底グループ単位モデルが始めに、仮に一番良いモデルと考えてビルドされる。
【0056】
次のステップ708では、二乗平均平方根誤差(RMSE)、平均絶対誤差(MAE)、平均絶対パーセント誤差(MAPE)、R二乗(R
2)、ヒット率を含む技法に基づき、グループ単位/個別精度項が算出される。一実施例において、実値や予測値を含む個々の定義に従って、グループ単位/個別精度項が算出される。また、タイム・ラグ・パラメータごとにモデルがビルドされるのでタイム・ラグ・パラメータが作り出されるたびにグループ単位/個別精度項が算出される。グループ単位/個別精度項を算出するための二乗平均平方根誤差(RMSE)技法法の実例を以下に示す。
【数2】
【0057】
次のステップ710では、算出したグループ単位/個別精度に基づき、特定された新たな一連のグループのグループ単位/個別モデルから一番良いタイム・ラグ・パラメータが繰り返し特定され、この場合、パフォーマンス精度を含む複数の比較パラメータであるタイム・ラグに基づく2番目に良いタイム・ラグ・パラメータが一番良いタイム・ラグ・パラメータに取って代わる。タイム・ラグに対応して最初にビルドされた基底グループ単位/個別モデル(仮に一番良いと考えられる)が、その他のラグとともにその他のグループに対して2番目のグループ単位/個別モデルと繰り返し比較され、パフォーマンスがより良いグループ単位/個別モデルに取って代わられる。この繰り返し(グループ内での、また他のグループとの比較)の終わりに、そのグループに対してタイム・ラグに対応する一番良いグループ単位/個別モデルが得られ、タイム・ラグ特定工程が次のグループに移る。グループすべてに対してこれまでのステップを繰り返し、すべてのグループとその変数に対して別個にタイム・ラグを得る。RMSE、MAE、MAPEなどに基づき測定されるモデル・パフォーマンス・スコアに基づき、一番良いタイム・ラグが特定される。そのグループとその説明変数に対して、最も低い誤差スコアが最も良いタイム・ラグに対応するであろう。
【0058】
一実施例において、グループ単位/個別タイム・ラグ特定のユースケース例を下表に基づき示す。これまで説明した通り、グループが作り出され、グループ単位/個別モデルが特定され、下表8に示すようなグループ単位/個別精度項が算出される。
【表8】
【0059】
また、算出したグループ単位/個別精度に基づき、特定された新たな一連のグループのグループ単位/個別モデルから、一番良いタイム・ラグ・パラメータが繰り返し特定され、下表9に示すようなパフォーマンス精度を含む複数の比較パラメータであるタイム・ラグに基づく2番目に良いタイム・ラグ・パラメータが一番良いタイム・ラグ・パラメータに取って代わる。
【表9】
【0060】
本開示の一実施例によれば、システム100のタイム・ラグ特定装置(102)がさらに、表示モジュールに特定されたタイム・ラグ・パラメータを表示するように構成された表示モジュール(224)を含み、この特定されたタイム・ラグ・パラメータは、その産業におけるタイム・ラグ特定を表す。一実施例において、
図9は、表示モジュール(224)のユースケース実例を示し、この表の左側には、グループのそれぞれを対象に特定されたタイム・ラグを示し、表の右側には、強調表示のグループの場合の個々のパラメータに対して特定されたラグを示す。
【0061】
図1及び
図2に関連して
図8A及び
図8Bは、本開示の一実施例による、産業における
図1のシステム100を使用するタイム・ラグ特定のための方法を示す例示的な流れ図である。ここで、本開示の方法のステップについて、
図1及び
図2に描写のシステム100のタイム・ラグ特定装置(102)及びモジュール(202~224)の構成要素と
図8A及び
図8Bに描写の流れ図を参照しながら説明する。
【0062】
ステップ802では、入力モジュール(202)において1つ又は複数のソースから入力として複数のデータを受信することを含み、複数のデータは、複数の入力パラメータを含み、1つの又は複数のソースのそれぞれは、複数のプラントを含み、複数のプラントのそれぞれは、
図1に示す通り、複数のユニットを含む。1つ又は複数のソースからの受信データは、ソース、プラント、又はユニットごとの原材料の質-組成、工程パラメータ、製品品質、生産量、設備条件、及び流出物を含む複数のパラメータを含む。
【0063】
次のステップ804では、前処理モジュール(204)において、受信した複数の入力データ及び複数のリアルタイム入力データを前処理することを含む。一実施例において、前処理のステップは、それぞれ、マルチレベル外れ値モデルに基づき外れ値を取り除き、クラスタリング分類に基づき見失った入力データを元に戻すことを含む。
【0064】
次のステップ806では、グループ化モジュール(208)において、複数のドメイン知識及び複数のデータに基づく技法に基づき、複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定することを含む。グループ化モジュール(208)はさらに、ドメイン知識データベース(206)から受信される複数のドメイン知識に基づき、複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定するために構成されたドメイン知識グループ化ユニット(210)と、複数のデータに基づく技法に基づき、複数の前処理済みデータの中にグループの存在を特定するために構成されたデータに基づく技法ユニット(212)とから構成される。
【0065】
次のステップ308では、特徴選択モジュール(214)において、複数の特徴選択技法を使用して、ドメイン知識に基づき、複数のグループ化データから一連のパラメータを選択し、選択した一連のパラメータは、数値データとして表される。
【0066】
次のステップ310では、タイム・ラグ特定モジュール(216)において、ユーザ要件に基づき選択される複数のタイム・ラグ特定技法のうちの少なくとも1つに基づき、選択した一連のパラメータの中から少なくとも1つのタイム・ラグ・パラメータを特定することを含み、複数のタイム・ラグ特定技法は、個別タイム・ラグ特定技法、グループ単位タイム・ラグ特定技法、及びグループ単位/個別タイム・ラグ特定技法である。タイム・ラグ特定モジュール(216)はさらに、個別タイム・ラグ特定のために構成された個別タイム・ラグ特定ユニット(218)と、グループ単位タイム・ラグ特定のために構成されたグループ単位タイム・ラグ特定ユニット(220)と、グループ単位/個別タイム・ラグ特定のために構成されたグループ単位/個別タイム・ラグ特定ユニット(222)とから構成される。
【0067】
次のステップ312では、表示モジュール(224)に特定されたタイム・ラグ・パラメータを表示することを含み、特定されたラグ・パラメータは、その産業におけるタイム・ラグ特定を表す。
【0068】
本明細書は、当業者であれば実施例を作成し、それを使用することができるように、主題を記載している。本主題の実施例の範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者であれば気が付く他の修正形態を含み得る。このような他の修正形態は、特許請求の範囲の文字通りの言葉とは違わない同様の要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文字通りの言葉とはそれほど違わない同等の要素を含む場合、特許請求の範囲にあるものとする。
【0069】
したがって、産業におけるタイム・ラグ特定のための方法及びシステムが提供される。本開示では、産業をリアルタイムで絶えずモニタして、複数の重要業績評価指標(KPI)に時間遅延又は遅延パフォーマンス若しくは機能上の影響を及ぼす少なくとも1つ又は複数のパラメータを複数のソース(工程/ユニット/プラント)から特定することを提案する。提案するタイム・ラグ特定は、個別タイム・ラグ技法、グループ単位タイム・ラグ特定技法、及びグループ単位/個別タイム・ラグ特定技法を含む提案する複数のタイム・ラグ特定技法から1つのタイム・ラグ特定を使用して行われる。また、タイム・ラグ特定は、ドメイン知識とともにデータ駆動式技法にも基づき行われる。
【0070】
この保護の範囲は、このようなプログラムにまで及び、またさらにメッセージが入っているコンピュータ可読手段にも及び、このようなコンピュータ可読記憶手段は、プログラムがサーバ、モバイルデバイス、又は如何なる適切なプログラマブルデバイス上でも展開する際のこの方法の1つ又は複数のステップの実施のプログラム-コード手段を含む、ということが理解されるべきである。ハードウェア・デバイスは、サーバやパーソナル・コンピュータなどのような種類を問わないコンピュータ、又はそのあらゆる組合せも含む、プログラム可能である種類を問わないデバイスであってもよい。このデバイスは、例えば、例えば特定用途向け集積回路(ASCI:Application-Specific Integrated Circuit)、フィールド-プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)のようなハードウェア手段、又はハードウェア手段とソフトウェア手段との組合せ、例えばASICやFPGA、又は少なくとも1つのマイクロプロセッサや、内部にソフトウェア・モジュールがある少なくとも1つのメモリ、である場合がある手段も含んでもよい。このように、手段には、ハードウェア手段もソフトウェア手段も含めることができる。本明細書に記載の方法実施例は、ハードウェア及びソフトウェアにおいて実施され得る。デバイスは、ソフトウェア手段も含むことができる。代替として、この実施例が、例えば複数のCPUを使用して、様々なハードウェア・デバイスにおいて実施されてもよい。
【0071】
本明細書における実施例は、ハードウェア要素及びソフトウェア要素を含む場合がある。ソフトウェアにおいて実施される実施例は、ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含むが、これらに限るわけではない。本明細書に記載の様々なモジュールによって果たされる機能は、他のモジュールや他のモジュールの組合せにおいて実施されてもよい。この説明の便宜上、コンピュータ使用可能媒体又はコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、命令実行装置、又は命令実行デバイスが使用するか、又はそれに接続されたプログラムを備える、格納する、やり取りする、伝える、又は移すことができる如何なる装置でもあり得る。
【0072】
表した例示的な実施例を説明するのに、説明に役立つステップを提示しているが、現在進行中の技術的展開が、特定の機能が果たされるように変わってくる、ということが分かるであろう。本明細書では、図示の目的で、このような実例を提示しているが、限定するものではない。また、本明細書では、説明の便宜上、機能構築ブロックの境界を任意に定めている。具体的な機能とその関係が適宜果たされる限り、代わりの境界を定めることができる。当業者であれば、本明細書に含まれる教示に基づき、代替形態(本明細書に記載の形態の均等物、拡張形態、変形形態、導出形態などを含む)が明らかであろう。このような代替形態は、本開示の実施例の範囲及び趣旨の中にある。また、「comprising(備える)」、「having(有する)」、「containing(入っている)」、及び「including(含む)」の語、またその他の同様の形態は、意味が同等であり、これらの語のいずれか1つに続く1つ又は複数の項目を、このような1つ又は複数の項目の包括的羅列にするつもりはなく、挙げた1つ又は複数の項目だけに限るつもりはない、というオープン・エンドとする。また、本明細書や添付の特許請求の範囲で使用する際、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上はっきりそうではないことが分からない限り、複数形基準も含むことに留意されたい。
【0073】
また、本開示と合致している実施例を実施する際に、1つ又は複数のコンピュータ可読記憶媒体を利用する場合がある。コンピュータ可読記憶媒体とは、プロセッサが読み取れる情報やデータが格納され得る型式を問わない物理メモリのことである。このように、コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサに本明細書に記載の実施例に合致しているステップや段階を行わせる命令を含む、1つ又は複数のプロセッサによる実行の命令を格納することができる。「コンピュータ可読媒体」という用語は、有形の製品を含み、搬送波や過渡信号を除外し、すなわち非一過性のものであるということが理解されるべきである。実例は、ランダム・アクセス・メモリ(RAM:Randam Access Memory)、読み取り専用メモリ(ROM:Read Only Memory)、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ハードドライブ、CD ROM、DVD、フラッシュ・ドライブ、ディスク、その他あらゆる知られている物理記憶媒体を含む。
【0074】
本開示及び実例は、単に例示と見なされるものであり、本開示の実施例の実際の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。