(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置の本体ユニット、エアロゾル生成装置、及び、非燃焼式吸引器
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240105BHJP
A24F 40/10 20200101ALI20240105BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240105BHJP
A24F 40/30 20200101ALI20240105BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/10
A24F40/20
A24F40/30
(21)【出願番号】P 2022534576
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(86)【国際出願番号】 JP2020026787
(87)【国際公開番号】W WO2022009360
(87)【国際公開日】2022-01-13
【審査請求日】2022-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】春山 俊司
(72)【発明者】
【氏名】横溝 猛
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-506894(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0233705(US,A1)
【文献】特表2019-526241(JP,A)
【文献】特許第6532076(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジを収容するカートリッジ収容部と、
前記カートリッジ収容部の外側の少なくとも一部を囲う外装ケースと、
前記外装ケースに収容されたホルダーと、を備え、
前記ホルダーは、
前記外装ケースの内部に設けられた部品
のうちの少なくとも
基板を保持するメインプレートと、
前記メインプレートと一体で形成され、前記カートリッジ収容部の端部を受ける受け部と、を有する、エアロゾル生成装置の本体ユニット。
【請求項2】
前記受け部には、前記カートリッジ収容部の内部に突電極を挿入するための挿入孔が形成されている、請求項1に記載のエアロゾル生成装置の本体ユニット。
【請求項3】
前記受け部は、前記メインプレートの短手方向の端部において、前記メインプレートの長手方向に沿って平行に延びる有底筒状に形成されている、請求項1または2に記載のエアロゾル生成装置の本体ユニット。
【請求項4】
前記ホルダーは、前記メインプレートの端部から前記メインプレートの板面に交差する方向に延びると共に、前記外装ケースの外面に沿って設けられた部品の少なくとも一つを保持するサブプレートを有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置の本体ユニット。
【請求項5】
前記サブプレートは、前記メインプレートの板面に直交する方向に延びている、請求項4に記載のエアロゾル生成装置の本体ユニット。
【請求項6】
前記サブプレートは、前記メインプレートの板面に直交する方向において両側に延びている、請求項5に記載のエアロゾル生成装置の本体ユニット。
【請求項7】
前記ホルダーは、前記サブプレートとして、
前記メインプレートの端部の第1端辺に設けられた第1サブプレートと、
前記メインプレートの端部の前記第1端辺に隣接する第2端辺に設けられた第2サブプレートと、を有し、
前記第1サブプレートと前記第2サブプレートとが、互いに接続されている、請求項4~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置の本体ユニット。
【請求項8】
前記第1サブプレートと前記第2サブプレートとが、鈍角で接続されている、請求項7に記載のエアロゾル生成装置の本体ユニット。
【請求項9】
前記サブプレートには、表示デバイスが保持されている、請求項4~8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置の本体ユニット。
【請求項10】
前記サブプレートには、入力デバイスが保持されている、請求項4~9のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置の本体ユニット。
【請求項11】
前記メインプレートは、
第1部品を保持する第1板面と、
前記第1板面と反対側で、前記第1部品と異なる第2部品を保持する第2板面と、を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル生成装置の本体ユニット。
【請求項12】
前記第1部品及び前記第2部品のいずれか一方は、電源であり、
前記第1部品及び前記第2部品の他方は、前記電源と電気的に接続された
前記基板を含む電子部品である、請求項11に記載のエアロゾル生成装置の本体ユニット。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の本体ユニットと、
エアロゾル源を収容すると共に、前記本体ユニットの前記カートリッジ収容部に対し挿抜可能に挿入されたカートリッジと、を備える、エアロゾル生成装置。
【請求項14】
請求項13に記載のエアロゾル生成装置と、
前記エアロゾル生成装置の吸口部に装着された香味源容器と、を備える、非燃焼式吸引器。
【請求項15】
固体エアロゾル源を収容する固体エアロゾル源収容部と、
前記固体エアロゾル源収容部の外側の少なくとも一部を囲う外装ケースと、
前記外装ケースに収容されたホルダーと、を備え、
前記ホルダーは、
前記外装ケースの内部に設けられた部品
のうちの少なくとも
基板を保持するメインプレートと、
前記メインプレートと一体で形成され、前記固体エアロゾル源収容部の端部を受ける受け部と、を有する、エアロゾル生成装置の本体ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置の本体ユニット、エアロゾル生成装置、及び、非燃焼式吸引器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エアロゾルを吸引し、香味を味わう非燃焼式吸引器が知られている。この種の非燃焼式吸引器としては、例えば、エアロゾル源を収容するカートリッジと、カートリッジを挿抜可能に収容するエアロゾル生成装置の本体ユニットと、本体ユニットで霧化させたエアロゾルに香味を付与する香味源容器と、を備えたものがある。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、本体ユニット(パワーコンポーネント)の外装ケース(フレーム)に、カートリッジ(タンク)を収容するカートリッジ収容部(スロット)を備えるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来技術では、構成部品のアセンブリ(組み込み性)に改善の余地があった。
【0006】
本発明は、アセンブリの容易化を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るエアロゾル生成装置の本体ユニットは、カートリッジを収容するカートリッジ収容部と、前記カートリッジ収容部の外側の少なくとも一部を囲う外装ケースと、前記外装ケースに収容されたホルダーと、を備え、前記ホルダーは、前記外装ケースの内部に設けられた部品の少なくとも一つを保持するメインプレートと、前記メインプレートと一体で形成され、前記カートリッジ収容部の端部を受ける受け部と、を有する。
本態様によれば、ホルダーに外装ケースの内部の部品とカートリッジ収容部の両方が組み付けられるので、組み込みが容易になる。
【0008】
上記エアロゾル生成装置の本体ユニットにおいては、前記受け部には、前記カートリッジ収容部の内部に突電極を挿入するための挿入孔が形成されていてもよい。
本態様によれば、カートリッジ収容部の内部に、容易に突電極を配置できる。
【0009】
上記エアロゾル生成装置の本体ユニットにおいては、前記受け部は、前記メインプレートの短手方向の端部において、前記メインプレートの長手方向に沿って平行に延びる有底筒状に形成されていてもよい。
本態様によれば、メインプレートとカートリッジ収容部が長手方向に平行に配置されるので、本体ユニットの全長を短くできる。
【0010】
上記エアロゾル生成装置の本体ユニットにおいては、前記ホルダーは、前記メインプレートの端部から前記メインプレートの板面に交差する方向に延びると共に、前記外装ケースの外面に沿って設けられた部品の少なくとも一つを保持するサブプレートを有してもよい。
本態様によれば、ホルダーの剛性を高めることができる。
【0011】
上記エアロゾル生成装置の本体ユニットにおいては、前記サブプレートは、前記メインプレートの板面に直交する方向に延びていてもよい。
本態様によれば、ホルダーの断面がL字(ないしT字)になり、ホルダーの剛性を高めることができる。
【0012】
上記エアロゾル生成装置の本体ユニットにおいては、前記サブプレートは、前記メインプレートの板面に直交する方向において両側に延びていてもよい。
本態様によれば、ホルダーの断面がT字になり、ホルダーの剛性を高めることができる。
【0013】
上記エアロゾル生成装置の本体ユニットにおいては、前記ホルダーは、前記サブプレートとして、前記メインプレートの端部の第1端辺に設けられた第1サブプレートと、前記メインプレートの端部の前記第1端辺に隣接する第2端辺に設けられた第2サブプレートと、を有し、前記第1サブプレートと前記第2サブプレートとが、互いに接続されていてもよい。
本態様によれば、第1サブプレートと第2サブプレートとが接続されているので、ホルダーの剛性を高めることができる。
【0014】
上記エアロゾル生成装置の本体ユニットにおいては、前記第1サブプレートと前記第2サブプレートとが、鈍角で接続されていてもよい。
本態様によれば、外装ケースが丸みを帯びたコーナー部や斜めになったコーナー部を有する場合であっても、そのコーナー部に部品を配置し易くなる。
【0015】
上記エアロゾル生成装置の本体ユニットにおいては、前記サブプレートには、表示デバイスが保持されていてもよい。
本態様によれば、サブプレートに表示デバイスを保持させることで、省スペース化できる。
【0016】
上記エアロゾル生成装置の本体ユニットにおいては、前記サブプレートには、入力デバイスが保持されていてもよい。
本態様によれば、サブプレートに入力デバイスを保持させることで、省スペース化できる。
【0017】
上記エアロゾル生成装置の本体ユニットにおいては、前記メインプレートは、第1部品を保持する第1板面と、前記第1板面と反対側で、前記第1部品と異なる第2部品を保持する第2板面と、を有してもよい。
本態様によれば、メインプレートの表と裏に部品が保持されるので、省スペース化できる。
【0018】
上記エアロゾル生成装置の本体ユニットにおいては、前記第1部品及び前記第2部品のいずれか一方は、電源であり、前記第1部品及び前記第2部品の他方は、前記電源と電気的に接続された電子部品であってもよい。
本態様によれば、メインプレートの表と裏に電源と電子部品を別々に保持することで、電源の大容量化と、電子部品の設置スペースの確保を両立できる。
【0019】
本発明の一態様に係るエアロゾル生成装置は、先に記載の本体ユニットと、エアロゾル源を収容すると共に、前記本体ユニットの前記カートリッジ収容部に対し挿抜可能に挿入されたカートリッジと、を備える。
本態様によれば、ホルダーに様々な部品が組み込まれた本体ユニットを備えるため、装置の生産性を高めることができる。
【0020】
本発明の一態様に係る非燃焼式吸引器は、先に記載のエアロゾル生成装置と、前記エアロゾル生成装置の吸口部に装着された香味源容器と、を備える。
本態様によれば、エアロゾルに香味を添加することができる。
【0021】
本発明の一態様に係るエアロゾル生成装置の本体ユニットは、固体エアロゾル源を収容する固体エアロゾル源収容部と、前記固体エアロゾル源収容部の外側の少なくとも一部を囲う外装ケースと、前記外装ケースに収容されたホルダーと、を備え、前記ホルダーは、前記外装ケースの内部に設けられた部品の少なくとも一つを保持するメインプレートと、前記メインプレートと一体で形成され、前記固体エアロゾル源収容部の端部を受ける受け部と、を有する。
本態様によれば、外装ケースの内部の部品と、固体エアロゾル源収容部がホルダーに組み付けられるので、組み込みが容易になる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一態様によれば、アセンブリの容易化ができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】一実施形態に係る吸引器の左側斜視図である。
【
図2】一実施形態に係る吸引器の右側斜視図である。
【
図5】一実施形態に係る吸引器を底面側から視た分解斜視図である。
【
図7】一実施形態に係る本体ユニットの分解斜視図である。
【
図8】一実施形態に係る本体ユニットから第1ケースを取り外した状態を示す正面図である。
【
図9】一実施形態に係る本体ユニットから第2ケースを取り外した状態を示す背面図である。
【
図10】一実施形態に係るホルダーの第1板面側の斜視図である。
【
図11】一実施形態に係るホルダーの第2板面側の斜視図である。
【
図13】一実施形態に係るバイブレータの取付構造を示す斜視図である。
【
図14】一実施形態に係るディスプレイカバーの取付構造を示す斜視図である。
【
図15】一実施形態に係るホルダーの平面図である。
【
図17】一実施形態に係るカートリッジ収容部の正面図である。
【
図18】一実施形態に係るカートリッジ収容部の右側面図である。
【
図19】一実施形態に係るカートリッジ収容部の左側面図である。
【
図21】一実施形態に係る吸口部の右側面図である。
【
図23】一実施形態に係るメイン基板の斜視図である。
【
図24】一実施形態に係るメイン基板の突電極から突電極カバーを取り外した状態を示す斜視図である。
【
図26】一実施形態に係るカバー部材を径方向外側から視た図である。
【
図27】一実施形態に係るカバー部材を径方向内側から視た図である。
【
図28】一実施形態に係るカバー部材の斜視図である。
【
図30】一実施形態に係るセンサホルダーを径方向外側から視た図である。
【
図31】一実施形態に係るセンサホルダーを径方向内側から視た図である。
【
図32】一実施形態に係るセンサホルダーの斜視図である。
【
図33】一実施形態に係る本体ユニットの組立方法を示す斜視図である。
【
図34】一実施形態に係る第1ケースの内側の構成を示す背面図である。
【
図35】一実施形態に係る第2ケースの内側の構成を示す正面図である。
【
図36】一実施形態に係る吸口部を取り外した状態の本体ユニットの正面図である。
【
図37】一実施形態に係るカートリッジ収容部にカートリッジを収容する様子を示す説明図である。
【
図38】一実施形態に係るカートリッジ収容部に吸口部を装着する様子を示す説明図である。
【
図39】一実施形態に係る吸口接続部の変形例を示す斜視図である。
【
図40】一実施形態に係るカートリッジ収容部の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態に係る非燃焼式吸引器(以下、単に吸引器という。)を図面に基づいて説明する。
【0025】
[吸引器]
図1は、一実施形態に係る吸引器1の左側斜視図である。
図2は、一実施形態に係る吸引器1の右側斜視図である。
図3は、一実施形態に係る吸引器1の正面図である。
図4は、一実施形態に係る吸引器1の平面図である。
図5は、一実施形態に係る吸引器1を底面側から視た分解斜視図である。
吸引器1は、いわゆる非燃焼式吸引器であり、加熱により霧化されたエアロゾルを、香味源を通して吸引することで、香味を得るものである。
【0026】
図5に示すように、吸引器1は、本体ユニット2と、カートリッジ3(霧化ユニットとも言う)と、香味源容器4と、を備えている。カートリッジ3は、本体ユニット2のカートリッジ収容部10に挿抜可能に収容されている。香味源容器4は、本体ユニット2の吸口部11(マウスピースとも言う)に、着脱可能に装着されている。
【0027】
本体ユニット2は、外装ケース12を備えている。外装ケース12は、全体的に丸みを帯びた扁平の箱状に形成されている。外装ケース12は、一対の主面部12Aと、周壁部12Bと、を有する。ここで、「一対の」主面部12Aとは、一方の主面部(第1主面部12A1)と他方の主面部(第2主面部12A2)とが対向して配置されているという意味であり、第1主面部12A1と第2主面部12A2が細部の形状まで一致している意味に限定されない。
【0028】
一対の主面部12Aは、外装ケース12を6つの四角形で囲まれた六面体と擬制したときに、当該六面体のうち対向する一組の面(本実施形態では最も面積の広い面)を形成する部分を言う。また、周壁部12Bは、当該一対の主面部12Aを除く六面体の残りの4面を形成する部分を言う。周壁部12Bは、対向して配置された一対の主面部12Aの周縁同士を接続している部分とも言う。
【0029】
外装ケース12は、
図1に示すように、本体ケース13と、ディスプレイカバー14と、を備えている。本体ケース13は、第1ケース13Aと、第2ケース13Bとを組み合わせて形成されている。第1ケース13Aは、第1主面部12A1と、第1主面部12A1の周縁に設けられた第1周壁部12B1と、を有する。また、第2ケース13Bは、第2主面部12A2と、第2主面部12A2の周縁に設けられた第2周壁部12B2と、を有する。
【0030】
第1ケース13Aの第1周壁部12B1と、第2ケース13Bの第2周壁部12B2と、ディスプレイカバー14は、周壁部12Bを形成している。周壁部12Bには、第1ケース13Aの第1周壁部12B1と第2ケース13Bの第2周壁部12B2の合わせ面が形成されている。この周壁部12Bには、4つのコーナー部12C(角部)が形成されている。
【0031】
4つのコーナー部12Cは、入力デバイス15(押しボタン)が配置された第1コーナー部12C1と、カートリッジ収容部10が配置された第2コーナー部12C2と、第1コーナー部12C1の対角線上に配置された第3コーナー部12C3と、第2コーナー部12C2の対角線上に配置された第4コーナー部12C4と、を有する。
【0032】
図3に示すように、周壁部12Bには、第1コーナー部12C1と第2コーナー部12C2との間に、後述する隆起部12Dが形成されている。一方、周壁部12Bの第3コーナー部12C3と第4コーナー部12C4との間には、平坦面が形成されている。つまり、隆起部12Dと反対側の周壁部12Bは、フラットになっている。なお、隆起部12Dは、
図1及び
図2に示すように、ディスプレイカバー14に対して相対的に高くなった本体ケース13の表面部分を言う。
【0033】
周壁部12Bは、一対の主面部12Aに連続する外表面12b1と、外表面12b1に対し窪んだ凹部12b2と、を有する。外表面12b1の一部は、隆起部12Dを形成している。凹部12b2は、ディスプレイカバー14によって形成されている。ディスプレイカバー14には、入力デバイス15を配置する貫通孔14aが形成されている。つまり、入力デバイス15は、凹部12b2に配置されている。入力デバイス15は、外表面12b1以下の位置に配置されていても構わない。つまり、入力デバイス15の少なくとも一部が、外表面12b1以下の位置に配置されていればよい。好ましくは、入力デバイス15の全部が、外表面12b1以下の位置に配置されているとよい。言い換えると、入力デバイス15の接触検知部分(ボタン表面)が、外表面12b1に届かない位置に配置されているとよい。
【0034】
図2に示すように、周壁部12Bの第2コーナー部12C2と第3コーナー部12C3との間には、窓部16が設けられている。窓部16からは、カートリッジ収容部10の内部に収容されたカートリッジ3のエアロゾル源の液残量を確認できる。窓部16は、本体ケース13に設けられた開口部13aと、開口部13aを覆うカバー部材17と、で形成されている。
【0035】
カバー部材17と開口部13aとの間隙には、外気を外装ケース12の内部に取り入れる空気インレット18が形成されている。また、本体ケース13の内側には、空気インレット18とカートリッジ収容部10の内部とを流体連通させる空気孔19がカバー部材17に形成されている(後述する
図29参照)。
【0036】
図5に示すように、周壁部12Bの第3コーナー部12C3と第4コーナー部12C4との間には、充電端子20が設けられている。本体ケース13には、充電端子20を露出させる開口部13bが形成されている。開口部13bは、本体ケース13のうち、第1ケース13A側に形成されている。
【0037】
なお、以下の説明において、上述した一対の主面部12A(第1主面部12A1,第2主面部12A2)のうち、第1主面部12A1が配置される側を前側、第2主面部12A2が配置される側を後側と言う。また、
図4に示す平面視で、入力デバイス15が配置される側を左側、カートリッジ収容部10及び窓部16が配置される側を右側と言う。
【0038】
カートリッジ収容部10は、
図3に示すように、外装ケース12から突出したカートリッジ挿抜口10aを有している。つまり、カートリッジ挿抜口10aを含むカートリッジ収容部10の一部が、外装ケース12から突出している。カートリッジ収容部10が突出する側を上側、カートリッジ収容部10が突出する側と反対側を下側と言う。
【0039】
また、図面において、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。X軸方向は、吸引器1の前後方向(厚み方向とも言う)であり、Y軸方向は、吸引器1の左右方向(幅方向とも言う)であり、Z軸方向は、吸引器1の上下方向(高さ方向とも言う)である。
【0040】
さらに、カートリッジ収容部10の主軸Oを基準に各部材の位置関係について説明することがある。主軸Oは、カートリッジ挿抜口10aの中心を通るカートリッジ収容部10の中心軸である。主軸Oが延びる方向を主軸方向(上述したZ軸方向)と言い、主軸Oと直交する方向を径方向と言い、主軸Oを周回する方向を周方向と言う。
【0041】
<カートリッジ>
カートリッジ3は、液体のエアロゾル源を貯留するとともに、この液体のエアロゾル源を霧化する。カートリッジ3は、
図5に示すように、円柱状に形成され、上述したカートリッジ挿抜口10aからカートリッジ収容部10の内部に収容される。
【0042】
図6は、
図4に示す矢視A-A断面図である。
図6に示すように、カートリッジ3は、タンク21と、ガスケット22と、メッシュ体23と、霧化容器24と、加熱部25と、ヒーターホルダー26と、を備えている。タンク21は、エアロゾル源を貯留している。タンク21は、透光性を有し、エアロゾル源の液残量を確認することができる。
【0043】
ここで「透光性」とは、光が通過する物質の性質において、透過率が極めて高く、物質を通してその向こう側が透けて見える「透明」、及び、「透明」と同様に光が透過する性質を有しているが、透過する光が拡散されるため、または透過率が低いために、「透明」と違ってその材質を通して向こう側の形状等を明確には認識できない状態を含む。つまり、磨りガラスや乳白色プラスティック等であっても、透光性を有する。
【0044】
タンク21は、有頂筒状に形成されている。タンク21の頂壁21aには、貫通孔21bが形成されている。頂壁21aには、貫通孔21bに接続された流路管21c(内周壁とも言う)が垂設されている。流路管21cは、霧化されたエアロゾルの流路となる。流路管21cは、タンク21の外周壁21dと複数のリブ21eを介して接続されている。リブ21eは、主軸方向からみて放射状となるように、周方向に等間隔で配置されている(後述する
図29参照)。
【0045】
図6に示すように、タンク21の外周壁21dは、流路管21cの下端よりも下側(-Z側)に延在している。外周壁21dの下端部近傍には、係合孔21fが2つ形成されている。2つの係合孔21fは、タンク21にヒーターホルダー26を固定するためのものである。2つの係合孔21fは、主軸Oを挟んで、外周壁21dの両側に対向配置されている。なお、カートリッジ3がカートリッジ収容部10に収容された状態において、カートリッジ3の中心軸は、カートリッジ収容部10の主軸Oと一致している。
【0046】
ガスケット22は、タンク21の外周壁21dと流路管21cとの間に形成された環状空間(液体収容室21g)の底部を覆う環状の板部材である。ガスケット22は、メッシュ体23の位置決めを行うとともに、メッシュ体23の姿勢を保持する。ガスケット22には、開口部22aが複数形成されている。開口部22aは、周方向に等間隔で配置されている。メッシュ体23は、このガスケット22の開口部22aを介して液体収容室21gに接し、湿潤している。
【0047】
メッシュ体23は、多孔状で吸液性を有する部材である。メッシュ体23は、例えばコットン系繊維材やガラス系繊維などにより形成されている。メッシュ体23もガスケット22とほぼ同一の環状に形成されている。すなわち、メッシュ体23の径方向中央には、流路管21cが挿入可能とされている。メッシュ体23によって、ガスケット22の開口部22aが閉塞され、タンク21の内部に液体収容室21gが形成される。液体収容室21gには、液体のエアロゾル源が貯留されている。
【0048】
霧化容器24は、弾性を有する部材、例えばシリコーン樹脂等の樹脂材料により形成されている。霧化容器24は、有底筒状に形成されている。霧化容器24の周壁24aの上端開口縁は、主軸方向でメッシュ体23の外周縁に接している。つまり、メッシュ体23は、ガスケット22と霧化容器24との間に挟まれている。霧化容器24の周壁24aの外面には、タンク21の外周壁21dの内面に嵌合する嵌合部24bが形成されている。
【0049】
霧化容器24の周壁24aの内側には、霧化室24cが形成されている。霧化室24cは、タンク21の流路管21cに連通している。霧化容器24の底壁24dには、開口部24eが形成されている。霧化室24cには、加熱部25が配置されている。
加熱部25は、液体のエアロゾル源を霧化するためのものである。加熱部25は、メッシュ体23に接続されたウィック25aと、ウィック25aを加熱する電熱線25bと、を備えている。
【0050】
ウィック25aは、多孔状で吸液性を有する略円柱状の部材である。ウィック25aは、略U字状に湾曲変形している。より詳しくは、ウィック25aは、主軸方向に延びる2つの主軸方向延出部と、2つの主軸方向延出部同士を接続する径方向延出部と、を有する。2つの主軸方向延出部は、X軸方向(
図6において前後方向)に重なって配置され、それぞれがメッシュ体23に接続されている。これにより、メッシュ体23に吸収されたエアロゾル源がウィック25aに吸い上げられる。
【0051】
電熱線25bは、ウィック25aの径方向延出部の周囲に螺旋状に巻かれている。電熱線25bの両端部は、主軸方向に沿ってヒーターホルダー26側に向かって延出されている。電熱線25bの両端部は、ヒーターホルダー26の底壁26dの下面に設けられた2つの平面電極26hとそれぞれ電気的に接続されている。2つの平面電極26hを介して電熱線25bが通電すると、ウィック25aが加熱される。ウィック25aが加熱されると、ウィック25aに吸収されたエアロゾル源が霧化される。
【0052】
ヒーターホルダー26は、有底筒状に形成されている。ヒーターホルダー26の周壁26aは、霧化容器24の周壁24aの外側且つタンク21の外周壁21dの内側に挿入される。周壁26aの上端開口縁は、霧化容器24の嵌合部24bに主軸方向で当接する。周壁26aの上端には、タンク21の外周壁21dの2つの係合孔21fに係合する、2つの係合片26bが形成されている。タンク21とヒーターホルダー26との間には、主軸方向において、ガスケット22、メッシュ体23、及び、霧化容器24の順に組み込まれている。
【0053】
ヒーターホルダー26の周壁26aの下側は、タンク21から露出している。この周壁26aの下側は、タンク21の外周壁21dとほぼ同じ外径を有する。また、この周壁26aの下側には、径方向に貫通する2つの吸気孔26cが形成されている。2つの吸気孔26cは、主軸Oを挟んで、周壁26aの両側に対向配置されている。2つの吸気孔26cは、カートリッジ3の外部(カートリッジ収容部10の内部)と霧化室24cとを連通させる。なお、ヒーターホルダー26の底壁26dにも、主軸方向に貫通する吸気孔26eが形成されているが無くても構わない。吸気孔26eも、カートリッジ3の外部(カートリッジ収容部10の内部)と霧化室24cとを連通させる。
【0054】
ヒーターホルダー26の底壁26dには、板状の隔離壁26fが主軸方向に立設している。また、隔離壁26fは、径方向に延在しており、その両端部は周壁26aの内面に接続されている。底壁26dには、主軸方向に貫通する2つのスリット26gが形成されている。2つのスリット26gは、隔離壁26fを挟んで配置されている。2つのスリット26gには、2つの平面電極26hの折り曲げ部分が挿し込まれている。隔離壁26fは、2つの平面電極26h及び2つの平面電極26hに接続された電熱線25bの両端部の短絡を防止する。
【0055】
図5に戻り、ヒーターホルダー26の底壁26dには、3つの係合溝部26iが形成されている。3つの係合溝部26iは、周方向に等間隔(周方向に120°間隔)で配置されている。係合溝部26iは、径方向外側と主軸方向下側が開口するように形成されている。係合溝部26iは、径方向から視て等脚台形状に形成され、主軸方向下側に向かうに従って周方向の幅が漸次広がるテーパ状の脚(斜面)を有する。なお、係合溝部25iの数は、2以上であればよく、3つに限定されない。例えば、係合溝部25iは、6つであっても構わない。
【0056】
<香味源容器>
香味源容器4は、香味源を収容しており、カートリッジ3で霧化したエアロゾルに香味を添加する。香味源を構成する原料片としては、刻みたばこ、たばこ原料を粒状に形成した成形体を用いることができる。また、香味源は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、漢方、ハーブ等)によって構成されてもよい。また、香味源には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。さらに、香味源は、植物由来の担持体(セルロース等)やその他の担持体(無機物の担持体を含む)に、香料を担持させたものであっても構わない。香味源容器4は、本体ユニット2の吸口部11に装着される。
【0057】
図6に示すように、香味源容器4は、有底筒状の容器本体27と、容器本体27の開口部を覆うフィルター28と、を備えている。容器本体27の周壁27aは、吸口部11の周壁11a1の内側に挿入される。容器本体27の周壁27aの上側は、吸口部11の周壁11a1から露出している。この周壁27aの上側は、吸口部11の周壁11a1とほぼ同じ外径を有する。周壁27aの外面には、吸口部11の周壁11a1の上端開口縁に当接する段差27bが形成されている。
【0058】
容器本体27の周壁27aの内側には、香味源収容室27cが形成されている。容器本体27の底壁27dには、主軸方向に貫通する微細孔27eが複数形成されている。
フィルター28は、例えば不織布から形成されている。フィルター28は、容器本体27の周壁27aの内側に配置されている。フィルター28によって、容器本体27の開口部が閉塞され、香味源容器4の内部に香味源収容室27cが形成される。香味源収容室27cには、上述した香味源が収容されている。
【0059】
<本体ユニット>
図7は、一実施形態に係る本体ユニット2の分解斜視図である。
図8は、一実施形態に係る本体ユニット2から第1ケース13Aを取り外した状態を示す正面図である。
図9は、一実施形態に係る本体ユニット2から第2ケース13Bを取り外した状態を示す背面図である。
図7に示すように、本体ユニット2は、上述したカートリッジ収容部10と、吸口部11と、外装ケース12と、入力デバイス15の他に、ホルダー30と、メイン基板31と、サブ基板32と、表示デバイス33と、センサ34と、センサホルダー35と、バイブレータ36と、電源37と、を備えている。
【0060】
電源37は、Z軸方向を長手方向とする略直方体状に形成されている。電源37は、配線を介して充電端子20が設けられたメイン基板31と電気的に接続されている。電源37は、蓄電池(二次電池)であり、充電端子20を介して充電可能である。なお、電源37は、充放電可能な二次電池に限らず、スーパーキャパシタなどであってもよい。また、電源37は、一次電池であっても構わない。なお、電源37が一次電池である場合は、充電端子20は不要である。
【0061】
ホルダー30は、メインプレート41と、サブプレート42と、を有する。メインプレート41は、+X側を向く第1板面41aと、その反対側(-X側)を向く第2板面41bと、を有する。メインプレート41は、Z軸方向を長手方向、Y軸方向を短手方向、X軸方向を厚み方向とする略長板状に形成されている。サブプレート42は、メインプレート41の端部から、メインプレート41の板面(第1板面41a,第2板面41b)に交差する方向(本実施形態ではメインプレート41の厚み方向(X軸方向))に延びている。
【0062】
メインプレート41の第1板面41a側には、メイン基板31と、サブ基板32が保持されている。メインプレート41の長手方向上側(+Z側)には、開口部41cが形成されている。開口部41cには、トレイ44が係合する。サブ基板32は、接着シート32aを介してトレイ44に接着され、トレイ44を介してメインプレート41に保持されている。一方、メインプレート41の第2板面41b側(-X側)には、電源37が保持されている。電源37は、接着シート46を介してメインプレート41に保持されている。
【0063】
サブプレート42は、表示デバイス33を保持する第1サブプレート42Aと、入力デバイス15を保持する第2サブプレート42Bと、を有する。表示デバイス33は、有機ELディスプレイまたは液晶ディスプレイなどである。表示デバイス33は、ディスプレイカバー14の下側(-Z側)に配置されている。ディスプレイカバー14は、透光性を有し、表示デバイス33の表示面を確認することができる。表示デバイス33は、表示デバイス本体33aと、表示デバイスホルダー33bと、クッション材33cと、を有する。
【0064】
表示デバイスホルダー33bは、表示デバイス本体33aを支持すると共に、第1サブプレート42Aを前後方向(X軸方向)で抱え込むように把持している。また、表示デバイスホルダー33bは、表示デバイス本体33aと接着シート45を介して接着されている。クッション材33cは、表示デバイス本体33aの表示面を囲う枠状のスポンジ体であり、ディスプレイカバー14と表示デバイス本体33aとの間に配置されている。
【0065】
入力デバイス15は、押しボタンである。入力デバイス15は、スイッチボタン15aと、スイッチ基板15bと、スイッチホルダー15cと、を有する。スイッチ基板15bは、第2サブプレート42Bに保持されている。スイッチボタン15aは、スイッチ基板15b上に配置されている。スイッチボタン15aは、スイッチホルダー15cを介してディスプレイカバー14側に組み付けられている(後述する
図14参照)。なお、入力デバイスは、タッチパネルであっても構わない。つまり、入力デバイス15は、接触検知部であればよい。
【0066】
また、ホルダー30は、カートリッジ収容部10の端部を受ける受け部43を有する。受け部43は、メインプレート41の短手方向(Y軸方向)の端部において、メインプレート41の長手方向(Z軸方向)に沿って平行に延びる有底筒状に形成されている。
カートリッジ収容部10の周面には、接着シート47を介してカバー部材17が接着されている。また、カートリッジ収容部10の周面には、接着シート48を介してセンサホルダー35が接着されている。
【0067】
センサホルダー35は、センサ34を保持している。センサ34は、ユーザの吸引を検知する所謂パフセンサである。センサ34としては、例えば、圧力を検出する圧力センサ、空気の流れを検知する気流センサ、温度を検知する温度センサなどを例示できる。
メイン基板31には、上述した充電端子20と、受け部43を介してカートリッジ収容部10の内部(詳しくは、カートリッジ収容部10と受け部43によって形成される内部空間)に挿入される突電極50が設けられている。なお、バイブレータ36は、メイン基板31やサブ基板32には保持されておらず、第1ケース13A側に保持されている(後述する
図13参照)。
【0068】
第1ケース13A、第2ケース13B、及びバイブレータ36を除く本体ユニット2の構成部品は、ホルダー30を中心に組み付けられている。ホルダー30は、前後方向(X軸方向)に貫通する2つの貫通孔30aを有している。2つの貫通孔30aには、2つのねじ40が挿通する。2つのねじ40は、ホルダー30を第1ケース13Aに固定する。つまり、ホルダー30は、第1ケース13A側にねじ止めされている(
図9参照)。
【0069】
<ホルダー>
図10は、一実施形態に係るホルダー30の第1板面41a側の斜視図である。
図11は、一実施形態に係るホルダー30の第2板面41b側の斜視図である。
図10及び
図11に示すように、ホルダー30は、上述したメインプレート41と、サブプレート42と、受け部43の他に、第1リブ42Cと、第2リブ42Dと、ケース嵌合部42Eと、を備えている。
【0070】
第1リブ42C及び第2リブ42Dは、サブプレート42と同様に、メインプレート41の端部からメインプレート41の板面(第1板面41a,第2板面41b)に交差する方向(本実施形態ではメインプレート41の厚み方向(X軸方向))に延びている。第1リブ42C及び第2リブ42Dは、メインプレート41の長手方向(Z軸方向)に平行に延びると共に、メインプレート41の短手方向(Y軸方向)で対向配置されている。なお、サブプレート42は、メインプレート41の端部からメインプレート41の板面に交差する方向に延びる「メインプレート交差部」という意味では、第1リブ42C及び第2リブ42Dと共通しているが、入力デバイス15や表示デバイス33などの部品を保持している点で、第1リブ42C及び第2リブ42Dと相違している。
【0071】
図10に示すように、メインプレート41には、第1板面41aの周縁に沿って複数の基板支持片41dが形成されている。基板支持片41dは、メイン基板31(
図7参照)の周縁を支持し、第1板面41aとの間に空間を形成する。これにより、ホルダー30は、両面に電子部品が取り付けられたメイン基板31を保持することができる。
【0072】
第1板面41aを取り囲む第1リブ42C(図示しないが第2リブ42Dも同様)には、基板支持片41dに支持されたメイン基板31を厚み方向(X軸方向)で挟み込む挟持片42aが形成されている。また、第2リブ42Dの近傍にも、第1リブ42Cと同様の配置で、基板支持片41dが形成されている。なお、受け部43の底壁43bにも、メイン基板31を支持する基板支持片43eと、メイン基板31を厚み方向(X軸方向)で挟み込む挟持片43fと、が形成されている。
【0073】
第1板面41aの長手方向上側(+Z側)には、上述したトレイ44をメインプレート41の開口部41c(
図7参照)に係合させる2つの係合爪41fが形成されている。2つの係合爪41fは、開口部41cの周縁部においてメインプレート41の長手方向(Z軸方向)に対向配置されている。なお、トレイ44は、X軸方向から視ると、Z軸方向に延びる矩形状に形成されている。
【0074】
図12は、
図3に示す矢視B-B断面図である。
図12は、2つの係合爪41f及びトレイ44を通る断面を示している。
図12に示すように、2つの係合爪41fは、トレイ44の長手方向上側(+Z側)と下側(-Z側)の周縁部に係合している。なお、2つの係合爪41fに係合していないトレイ44の短手方向右側(+Y側)と左側(-Y側)の周縁部は、第1板面41a上に載っている。
【0075】
トレイ44は、バイブレータ36の厚みからX軸方向に逃げるため、メインプレート41の第1板面41aに対して-X側に窪んでいる。トレイ44の窪んだ部分には、サブ基板32が配置されている。サブ基板32は、バイブレータ36の図示しない接続端子と電気的に接続されている。また、サブ基板32には、バイブレータ36の偏心錘36aとの干渉を避ける開口部32bが形成されている。なお、
図12に示すように、サブ基板32とバイブレータ36とを接触させる必要はなく、バイブレータ36の図示しない接続端子のみがサブ基板32に電気的に接続されていればよい。
【0076】
メイン基板31は、サブ基板32(トレイ44)の一部とX軸方向で重なるようにZ軸方向に延びている。つまり、メイン基板31の一部は、サブ基板32の一部とZ軸方向においてオーバーラップして配置されている。メイン基板31とサブ基板32との重なる部分には、接続端子32cが設けられている。接続端子32cは、メイン基板31とサブ基板32とを電気的に接続している。
【0077】
図13は、一実施形態に係るバイブレータ36の取付構造を示す斜視図である。
図13に示すように、第1ケース13Aには、バイブレータ36を取り付けるための取付部13Dが形成されている。取付部13Dは、第1ケース13Aにおける第1主面部12A1において、第2主面部12A2と対向する対向面13a1に形成されている。対向面13a1は、外装ケース12の内側(-X側)を向く内壁面である。
【0078】
取付部13Dは、バイブレータ36の本体部(モータ部)を囲う取付壁13d1と、取付壁13d1の一部を切り欠き、バイブレータ36の回転軸を通す切欠部13d2と、を有する。取付壁13d1は、バイブレータ36の本体部のY軸方向両側及びZ軸方向両側の四方を囲っている。切欠部13d2は、取付壁13d1の-Z側の壁部に形成されている。偏心錘36aは、取付壁13d1の外側に配置されている。
【0079】
バイブレータ36の本体部は、取付壁13d1の内側に嵌合している。なお、バイブレータ36の本体部と第1ケース13Aとの間には、接着シートや接着剤を介在させても構わない。なお、バイブレータ36の振動を第1ケース13Aに伝え易くするため、バイブレータ36の本体部の一部または全部を直に第1ケース13Aに接触させても構わない。
【0080】
図10に戻り、サブプレート42は、メインプレート41の板面(第1板面41a,第2板面41b)に直交する方向(X軸方向)に延びている。本実施形態のサブプレート42は、メインプレート41の板面に直交する方向において両側(+X側及び-X側)に延びている(
図12参照)。これにより、ホルダー30の断面がT字状になり、ホルダー30の剛性を高めることができる。
【0081】
図10に示すように、サブプレート42は、メインプレート41の端部の第1端辺41h1に設けられた第1サブプレート42Aと、メインプレート41の端部の第1端辺41h1に隣接する第2端辺41h2に設けられた第2サブプレート42Bと、を有する。第1端辺41h1は、メインプレート41の長手方向上側(+Z側)の端部において、X-Y平面に対し平行に延びている。
【0082】
第2端辺41h2は、第1端辺41h1の左側(-Y側)の端部から、X-Y平面に対し、Z軸回りに略45°傾いている。第2端辺41h2の左側(-Y側)の端部は、第2端辺41h2の右側(+Y側)の端部よりも、メインプレート41の長手方向下側(-Z側)に位置している。第2端辺41h2は、
図1に示す丸みを帯びた第1コーナー部12C1に干渉しないように斜めに延びた切欠部とも言える。
【0083】
第1端辺41h1に設けられた第1サブプレート42Aと、第2端辺41h2に設けられた第2サブプレート42Bは、
図11に示すように、互いに接続されている。断面がT字状の第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bとが互いに接続されることで、ホルダー30の剛性をより高めることができる。第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bは、鈍角で接続されている。これにより、丸みを帯びた第1コーナー部12C1に対向するように第2サブプレート42Bを斜めにし、入力デバイス15を保持できる。
【0084】
なお、第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bがなす角度は、メインプレート41における第1端辺41h1と第2端辺41h2とがなす角度である。つまり、第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bは、略135°の鈍角で接続されている。なお、第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bは、90°より大きく180°より小さい範囲内で接続されていれば、略135°で接続される構成に限られない。
【0085】
図11に示すように、第1サブプレート42Aには、位置決め凸部42a1が形成されている。位置決め凸部42a1は、上述した枠状の表示デバイスホルダー33b(
図7参照)を位置決めする突起部である。
図12に示すように、位置決め凸部42a1は、表示デバイスホルダー33bと同一平面(X-Y平面)を形成している。これにより、表示デバイス本体33aを接着する接着シート45が貼り易くなる。
【0086】
また、
図11に示すように、第1サブプレート42Aには、サブプレート延出部42a2が形成されている。サブプレート延出部42a2は、第1サブプレート42Aの、第2サブプレート42Bと接続される側の端部と反対側の端部に配置されている。サブプレート延出部42a2は、第2リブ42Dよりも+Y側に延出している。このサブプレート延出部42a2には、
図8に示すように、ディスプレイカバー14の係合爪14b1が係合する。
【0087】
図11に示すように、第2サブプレート42Bには、配線溝42b1と、基板保持片42b2と、が形成されている。基板保持片42b2は、上述したスイッチ基板15b(
図7参照)の4つの角部を保持する4つのL字状の突起部である。配線溝42b1は、スイッチ基板15bとメイン基板31とを接続する配線を通す溝である。配線溝42b1は、4つの基板保持片42b2で囲まれた領域を横断するように形成されている。
【0088】
また、第2サブプレート42Bにも、サブプレート延出部42b3が形成されている。サブプレート延出部42b3は、第2サブプレート42Bの、第1サブプレート42Aと接続される側の端部と反対側の端部に配置されている。サブプレート延出部42b3は、第1リブ42Cよりも-Y側に延出している。このサブプレート延出部42b3には、
図8に示すように、ディスプレイカバー14のもう一つの係合爪14b2が係合する。
【0089】
図14は、一実施形態に係るディスプレイカバー14の取付構造を示す斜視図である。
図14に示すように、ディスプレイカバー14は、上側(+Z側)に凸状の湾曲形状を有している。ディスプレイカバー14の右側(+Y側)の端部には、上述した係合爪14b1が配置されている。係合爪14b1と反対側の、ディスプレイカバー14の左側(-Y側)の端部には、上述した係合爪14b2が配置されている。
【0090】
係合爪14b1は、第1サブプレート42Aのサブプレート延出部42a2に係合する。また、係合爪14b2は、第2サブプレート42Bのサブプレート延出部42b3に係合する。組み付け状態のディスプレイカバー14は、
図8に示すように、第1サブプレート42A及び第2サブプレート42Bの端から端まで跨るような状態で、ホルダー30に係合している。
【0091】
図14に示すように、ディスプレイカバー14には、入力デバイス15のスイッチボタン15aが配置される貫通孔14aが形成されている。スイッチボタン15aは、スイッチ基板15bに当接するベース部15a1と、ベース部15a1から突出した円柱状のボタン部15a2と、を有する。ボタン部15a2は、貫通孔14aを挿通して配置される。
【0092】
ボタン部15a2は、例えば、硬質の樹脂素材などから形成されている。ボタン部15a2の内部には、図示しない弾性体(バネ等)が備えられており、ボタン部15a2を離すと元の位置に戻るようになっている。なお、ボタン部15a2は、押圧により弾性変形可能な弾性体であっても構わない。その場合、弾性体の内部に、押圧により変位可能な剛体(スイッチ基板15bの押し込みを補助する柱体など)が含まれていてもよい。ボタン部15a2の周面には、挿入孔15a3が形成されている。挿入孔15a3は、ボタン部15a2の根本部分(ボタン部15a2のベース部15a1との接続部近傍)に形成されている。
【0093】
スイッチホルダー15cは、ボタン部15a2に外嵌可能な環状に形成されている。スイッチホルダー15cは、ボタン部15a2の押し込みに応じて変形可能な柔軟性のある材料から形成されている。なお、スイッチホルダー15cが、弾性変形可能な材料から形成されていても構わない。スイッチホルダー15cの内径側には、ボタン部15a2の挿入孔15a3に挿入可能な内径側突起片15c1が形成されている。また、スイッチホルダー15cの外径側には、X軸方向両側に突出する2つの外径側突起片15c2が形成されている。内径側突起片15c1と2つの外径側突起片15c2は、スイッチホルダー15cの中心軸回りにおいて位相が90°ずれている。スイッチホルダー15cは、スイッチボタン15aのベース部15a1を覆っている。このため、ディスプレイカバー14側からベース部15a1が見えないようにすることができる。
【0094】
ディスプレイカバー14の貫通孔14aの近傍のX軸方向両側には、側壁14cが垂設されている。側壁14cには、スイッチホルダー15cの2つの外径側突起片15c2が挿入可能な2つの挿入孔14c1が形成されている。スイッチホルダー15c及びスイッチボタン15a、つまり入力デバイス15のスイッチ基板15bを除く構成部品は、ディスプレイカバー14側に組み付けられている。スイッチホルダー15c及びスイッチボタン15aが組み付けられたディスプレイカバー14が、ホルダー30に係合すると、スイッチボタン15aがスイッチ基板15b上に載置され、入力デバイス15が組み上がる。
【0095】
図11に戻り、ホルダー30の第1リブ42Cは、メインプレート41の-Y側の端部に沿って長手方向(Z軸方向)に延びている。第1リブ42Cの長手方向上側(+Z側)の端部は、第2サブプレート42Bと接続されている。メインプレート41と合わせて断面がT字状になる第1リブ42Cが第2サブプレート42Bに接続されることで、ホルダー30の剛性をより高めることができる。第1リブ42Cのメインプレート41と反対側(-Y側)を向く側面には、ケース嵌合部42Eが突設されている。
【0096】
ケース嵌合部42Eには、第1嵌合孔42e1と、第2嵌合孔42e2と、が形成されている。第1嵌合孔42e1及び第2嵌合孔42e2は、-Y側に開口している。第1嵌合孔42e1は、ケース嵌合部42Eの+X側に配置されている。第1嵌合孔42e1には、上述した第1ケース13Aが爪嵌合する。第2嵌合孔42e2は、ケース嵌合部42Eの-X側に配置されている。第2嵌合孔42e2には、上述した第2ケース13Bが爪嵌合する。
【0097】
ケース嵌合部42Eは、第1リブ42Cの長手方向に離間して2つ形成されている。第1リブ42Cの長手方向下側(-Z側)に配置されたケース嵌合部42Eには、第1嵌合孔42e1及び第2嵌合孔42e2が1組形成されている。第1リブ42Cの長手方向上側(+Z側)に配置されたケース嵌合部42Eには、第1嵌合孔42e1及び第2嵌合孔42e2が長手方向に離間して複数組形成されている。なお、+Z側に配置されたケース嵌合部42Eには、ホルダー30をねじ止めするための貫通孔30aが形成されている。
【0098】
+Z側に配置されたケース嵌合部42Eには、第1嵌合孔42e1と第2嵌合孔42e2との間を直線状に仕切る被挟持片42e3が突設されている。被挟持片42e3は、第1ケース13Aの第1周壁部12B1と、第2ケース13Bの第2周壁部12B2との間に挟み込まれる。なお、被挟持片42e3は、
図1に示すように、外装ケース12の周壁部12Bの外表面12b1には露出しない。つまり、第1周壁部12B1と第2周壁部12B2の内側には、被挟持片42e3を挟み込む段差が形成されている。
【0099】
図11に示すように、ホルダー30の第2リブ42Dは、メインプレート41の+Y側の端部に沿って長手方向(Z軸方向)に延びている。第2リブ42Dの長手方向上側(+Z側)の端部は、第1サブプレート42Aと接続されている。メインプレート41と合わせて断面がT字状になる第2リブ42Dが第1サブプレート42Aに接続されることで、ホルダー30の剛性をより高めることができる。
【0100】
第2リブ42Dは、メインプレート41と反対側(+Y側)に向かってL字状に屈曲した分岐部42D1を有する。分岐部42D1は、受け部43の周壁43aと接続されている。これにより、メインプレート41と受け部43との接続部分の剛性を高めることができる。なお、メインプレート41と受け部43との接続部分には、
図10に示すように、ホルダー30をねじ止めするための貫通孔30aが形成されている。
【0101】
第2リブ42Dには、階段状の切欠部42dが形成されている。切欠部42dは、第1切欠部42d1と、第2切欠部42d2と、を有する。第1切欠部42d1は、第2リブ42Dの+X側の端部から-X側の端部に向かって、メインプレート41の手前まで形成されている。第2切欠部42d2は、第1切欠部42d1の-Z側に配置されている。第2切欠部42d2は、第2リブ42Dの+X側の端部から-X側の端部に向かって、メインプレート41の背面側(第2板面41bを超える位置)まで形成されている(
図11参照)。
【0102】
第1切欠部42d1は、メイン基板31に設けられた後述する光源52(後述する
図29参照)の光路との干渉を避けるために形成されている。光源52は、例えばLEDライトなどである。第2切欠部42d2は、
図29に示すように、カートリッジ収容部10に取り付けられたセンサホルダー35及びセンサホルダー35に保持されたセンサ34との干渉を避けるために形成されている。
【0103】
図15は、一実施形態に係るホルダー30の平面図である。
図16は、
図15に示す矢視C-C断面図である。
図15に示すように、ホルダー30の受け部43は、有底筒状に形成されている。受け部43の底壁43bには、カートリッジ収容部10の内部に2つの突電極50(
図7参照)を配置するための2つの挿入孔43cが形成されている。
【0104】
2つの挿入孔43cは、主軸Oを挟んでY軸方向に離間して配置されている。2つの挿入孔43cは、底壁43bを主軸方向(Z軸方向)に貫通している。
図10に示すように、底壁43bの下面側(-Z側)には、環状壁43dが突設されている。環状壁43dは、2つの挿入孔43cの周囲を取り囲んでいる。環状壁43dは、底面視で、Y軸方向に延びる2本の平行線の両端を円弧で繋いだ長孔状に形成されている。
【0105】
図16に示すように、受け部43の周壁43aの内側には、カートリッジ収容部10と主軸方向(Z軸方向)で当接する段差43g(環状の受け面)が形成されている。段差43gより下側(-Z側)の周壁43aは、段差43gの上側(+Z側)よりも縮径している。
図15に示すように、段差43gより下側の周壁43aは、内径D1を有する。内径D1は、カートリッジ収容部10の内径に対応する。
【0106】
受け部43の底壁43bの上面側(+Z側)には、上述したカートリッジ3の係合溝部26i(
図5参照)に係合する係合突部43hが形成されている。係合溝部26iと係合突部43hは、カートリッジ3を周方向及び径方向において位置決めする位置決め機構90を構成している。係合突部43hは、周方向に等間隔(周方向に120°間隔)で3つ形成されている。なお、係合突部43hの数は、係合溝部26iの同数に限られない。係合突部43hの数は、係合溝部26iと同数以下であっても構わない。
【0107】
図16に示すように、係合突部43hは、主軸方向上側(+Z側)に突出した曲面形状を有する。つまり、係合突部43hは、周方向における幅が、主軸方向上側に向かうに従って小さくなっている。なお、係合突部43hは、周方向における幅が、主軸方向上側に向かうに従って小さくなっていれば、係合溝部26iと同様の等脚台形状、あるいは二等辺三角形などであっても構わない。また、係合突部43hは、直角三角形のような非対称形状であっても構わない。例えば、係合突部43hが直角三角形である場合、吸口部11をカートリッジ収容部10に接続する際に、吸口部11の回転方向に対向する側が、直角側であるとよい。これにより、吸口部11をカートリッジ収容部10に接続する際に、カートリッジ収容部10が係合突部43hを乗り越え難くなる。
【0108】
図15に示すように、カートリッジ収容部10の内部に収容されるカートリッジ3の外径D2は、カートリッジ収容部10の内径D1よりも小さい。カートリッジ収容部10の内径D1(つまり受け部43の段差43gから下側の内径D1)とカートリッジ3の外径D2との間で生じる隙間は、カートリッジ収容部10の内径D1の2.6%より大きいとよい。これにより、カートリッジ収容部10とカートリッジ3とのクリアランスが大きくなり、後述するカートリッジ3のセット時に係合突部43hを係合溝部26iに誘い込みやすくなる。ここで言うカートリッジ収容部10とカートリッジ3との間で生じる隙間は、カートリッジ収容部10の内径D1とカートリッジ3の外径D2の差分により算出される。例えば、内径D1が11.8mm、外径D2が11.5mmの場合、隙間は0.3mmである。この隙間は、内径D1の2.54%に相当し、この場合は上記条件から除外される。
【0109】
より好ましくは、カートリッジ収容部10の内径D1とカートリッジ3の外径D2との間で生じる隙間は、カートリッジ収容部10の内径D1の7.0%より大きいとよい。これにより、カートリッジ収容部10とカートリッジ3とのクリアランスがより大きくなり、後述するカートリッジ3のセット時に係合突部43hを係合溝部26iにより誘い込みやすくなる。例えば、内径D1が12.4mm、外径D2が11.5mmの場合、隙間は0.9mmである。この隙間は、内径D1の7.26%に相当し、この場合は上記条件に該当する。
【0110】
係合突部43hの径方向の寸法D3は、カートリッジ収容部10とカートリッジ3との間で生じる隙間よりも大きい方が好ましい。なお、上記2つの条件を、係合突部43hの径方向の寸法D3で定義すると、次のようになる。係合突部43hは、径方向において、カートリッジ収容部10の内周壁(つまり段差43gより下側の周壁43aの内周壁)からカートリッジ収容部10の内側に向かって、カートリッジ収容部10の内径D1の2.6%より大きい寸法D3で延在しているとよい。より好ましくは、係合突部43hは、径方向において、カートリッジ収容部10の内周壁からカートリッジ収容部10の内側に向かって、カートリッジ収容部10の内径D1の7.0%より大きい寸法D3で延在しているとよい。
【0111】
図15に示すように、受け部43の段差43g上には、カートリッジ収容部10の周方向の位置決めをする係合突部43iが形成されている。係合突部43iは、受け部43の周壁43aの前側(+X側)の内壁面に1つ形成されている。係合突部43iは、受け部43の段差43gよりも径方向内側には突出しておらず、段差43gより下側の周壁43aと同じ程度の突出度合いで形成されている。
図16に示すように、係合突部43iは、係合突部43hと同様に、主軸方向上側(+Z側)に突出した曲面形状を有する。つまり、係合突部43iは、周方向における幅が、主軸方向上側に向かうに従って小さくなっている。
【0112】
<カートリッジ収容部>
図17は、一実施形態に係るカートリッジ収容部10の正面図である。
図18は、一実施形態に係るカートリッジ収容部10の右側面図である。
図19は、一実施形態に係るカートリッジ収容部10の左側面図である。
図20は、
図18に示す矢視D-D断面図である。
図17に示すように、カートリッジ収容部10は、円筒状の筒状部材であり、主軸方向(Z軸方向)に延在している。カートリッジ収容部10は、外装ケース12やホルダー30などが樹脂製なのに対し、金属製の筒状部材から形成されている。
【0113】
カートリッジ収容部10の主軸方向上側(+Z側)の端部には、カートリッジ挿抜口10aが形成されている。一方、カートリッジ収容部10の主軸方向下側(-Z側)の端部には、上述した係合突部43iに係合する係合溝部10bが形成されている。係合溝部10bは、カートリッジ収容部10の下端部の前側(+X側)に1つ形成されている。
【0114】
図18に示すように、カートリッジ収容部10の周面の右側(+Y側)には、貫通孔10cと、2つの空気連通孔10eが形成されている。貫通孔10cには、カバー部材17(
図7参照)に設けられた後述するカートリッジ収容部側突起17Cが挿入される(後述する
図29参照)。2つの空気連通孔10eは、カバー部材17に設けられた2つの空気孔19に連通する(後述する
図29参照)。
【0115】
貫通孔10cは、
図18に示すように、主軸方向(Z軸方向)に延びる長孔である。貫通孔10cの-X側の端縁には、矩形溝10c1が形成されている。矩形溝10c1は、カートリッジ収容部10に対するカバー部材17の組み付けの間違いを防止するため、貫通孔10cの形状をX軸方向において非対称にする。2つの空気連通孔10eは、貫通孔10cをX軸方向で挟んで配置されている。空気連通孔10eは、後述する
図29に示すように、空気孔19よりも大きく形成されている。これにより、空気孔19と空気連通孔10eとの非連通や、流路面積が狭くなるような位置ずれを防止することができる。つまり、本体ユニット2の組立時に、空気孔19が塞がれ難くなる。
【0116】
図19に示すように、カートリッジ収容部10の周面の左側(-Y側)にも、もう一つの貫通孔10dが形成されている。貫通孔10dには、センサホルダー35(
図7参照)に設けられた後述するカートリッジ収容部側突起35Dが挿入される(後述する
図29参照)。貫通孔10dは、主軸方向(Z軸方向)に延びる長孔である。貫通孔10dは、カートリッジ収容部10の左斜め前側(+X側)に配置されており、後述する
図29に示すように、右側(+Y側)の貫通孔10cに対しては、主軸Oを中心とする点対称の位置関係に無い。
【0117】
図20に示すように、カートリッジ収容部10において、貫通孔10c及び貫通孔10dよりも主軸方向上側(+Z側)には、インサートリング10Aが圧入により内嵌している。インサートリング10Aは、樹脂製の筒状部材である。インサートリング10Aには、カートリッジ挿抜口10aに吸口部11(
図5参照)を接続するための吸口接続部10Bが形成されている。なお、カートリッジ収容部10の主軸方向上側(+Z側)の内壁面には、インサートリング10Aの内嵌によって内径が小さくならないように、窪み10fが形成されている。
【0118】
吸口接続部10Bは、インサートリング10Aの周方向に等間隔(180°)で2つ形成されている。吸口接続部10Bは、インサートリング10Aに形成された溝(切り欠き)である。吸口接続部10Bは、第1溝部10b1と、第2溝部10b2と、第3溝部10b3と、を有する。第1溝部10b1は、主軸方向上側(+Z側)に向かうに従って、周方向における幅が大きくなっている。第2溝部10b2は、第1溝部10b1の下端から一定の幅で主軸方向下側(-Z側)に延びている。第3溝部10b3は、第2溝部10b2の下端から周方向に90°屈曲し、一定の幅でインサートリング10Aを略1/4周回している。
【0119】
<吸口部>
図21は、一実施形態に係る吸口部11の右側面図である。
図22は、
図21に示す矢視E-E断面図である。
図21に示すように、吸口部11は、上述したカートリッジ収容部10の吸口接続部10Bに係合する突起部11b1を有している。吸口部11は、樹脂製の吸口部本体11Aと、
図22に示すように、突起部11b1が2つ形成された金属製の筒体11Bと、を備えている。
【0120】
吸口部本体11Aは、
図22に示すように、有底筒状に形成されている。吸口部本体11Aの周壁11a1の内側には、上述した香味源容器4(
図6参照)が挿入される。周壁11a1の外面には、径方向外側に延出したフランジ部11a2が環状に設けられている。フランジ部11a2は、
図6に示すように、カートリッジ収容部10の上端開口縁(カートリッジ挿抜口10aの開口縁)に主軸方向(Z軸方向)で当接する。
【0121】
吸口部本体11Aの底壁11a3には、主軸方向に貫通する貫通孔11a4が形成されている。貫通孔11a4には、カートリッジ当接部60が内嵌している(
図6参照)。カートリッジ当接部60は、例えば、シリコーン樹脂等の樹脂材料により形成された弾性体である。カートリッジ当接部60は、第1リング部60aと、円筒部60bと、第2リング部60cと、を備えている。
【0122】
第1リング部60aは、吸口部本体11Aの底壁11a3より主軸方向上側(+Z側)に配置されている。第1リング部60aは、貫通孔11a4よりも外径が大きく、吸口部本体11Aの周壁11a1の内壁面まで延びている。第1リング部60aは、周壁11a1の内側で、香味源容器4の底壁27dと当接する。第1リング部60aの香味源容器4の底壁27dとの対向面側は、平坦面であってもよいし、底壁27dの脚部形状に合わせて溝が形成されていてもよい。第1リング部60aは、香味源容器4の周方向の滑り止めや香味源容器4の微細孔27eのシールチャンバーとなる。なお、第1リング部60aは、香味源容器4の底壁27dと当接しなくても構わない。その場合、段差27bにおける香味源容器4と吸口部11との接触部分で、外気導入を阻止するシール部を形成することができる。円筒部60bは、底壁11a3の貫通孔11a4を挿通して配置されている。円筒部60bは、第1リング部60aの内径側と第2リング部60cの内径側とを主軸方向において接続している。
【0123】
第2リング部60cは、吸口部本体11Aの底壁11a3より主軸方向下側(-Z側)に配置されている。第2リング部60cは、貫通孔11a4よりも外径が大きく、筒体11Bの内壁面まで延びている。第2リング部60cには、カートリッジ3に向かって主軸方向下側に突出する環状突起61が形成されている。環状突起61によって、カートリッジ3に対する第2リング部60cの接触が平面接触でなくなり、カートリッジ3に対する接触圧が増え、後述する周方向における摩擦力及び主軸方向における押圧力が発現し易くなる。
【0124】
第1リング部60a、円筒部60b、及び、第2リング部60cの中心には、連通孔62が形成されている。連通孔62は、上述したカートリッジ3のタンク21の貫通孔21bと、香味源容器4の微細孔27eとを連通させている。第2リング部60cの環状突起61は、二重環状に形成されている。この環状突起61が、カートリッジ3の貫通孔21bの周囲のタンク21の頂壁21aに当接することで、気密性の高い二重シールを形成することができる。
【0125】
図22に戻り、筒体11Bは、吸口部本体11Aのフランジ部11a2よりも下側の周壁11a1に、圧入により外嵌している。筒体11Bの周面には、2つの突起部11b1が周方向に等間隔(180°)で配置されている。筒体11Bは、吸口部本体11Aの周壁11a1よりも主軸方向下側(-Z側)に延びている。筒体11Bによって囲まれた底壁11a3より下側の空間には、上述した第2リング部60c配置がされる。なお、
図6に示すように、筒体11Bの内径は、カートリッジ3の外径よりも大きい。これにより、後述する
図37に示すような状態で、吸口部11がカートリッジ3に向かって強く押し込まれ、第2リング部60cが主軸方向に潰れるように弾性変形しても、筒体11Bがカートリッジ3に干渉しないようになっている。
【0126】
<メイン基板>
図23は、一実施形態に係るメイン基板31の斜視図である。
図24は、一実施形態に係るメイン基板31の突電極50から突電極カバー51を取り外した状態を示す斜視図である。
図23に示すように、メイン基板31は、Y-Z平面に沿って延びる板形状を有し、前側(+X側)を向く第1板面31aと、後側(-X側)を向く第2板面31bと、を有する。メイン基板31の第2板面31bには、上述したカートリッジ収容部10と受け部43によって形成される内部空間であるカートリッジ収容室に挿入される突電極50と、カートリッジ収容部10の内部を照らす光源52と、が配置されている。なお、突電極50は、カートリッジ収容室において、カートリッジ収容部10の内部まで到達してもよいし、受け部43の内部までしか到達していなくても構わない。また、受け部43がフラットな板形状である場合には、突電極50は、カートリッジ収容部10の内部まで容易に到達できる。
【0127】
ここで「メイン基板」とは、外装ケース12の内部に収容された基板のなかで最も大きな基板を言う。メイン基板31は、上述したサブ基板32や入力デバイス15のスイッチ基板15bなどに比べて大きい。なお、外装ケース12の内部に基板が1枚しか収容されていない場合は、その基板は「メイン基板」である。また、外装ケース12の内部に同じ大きさの基板が2枚収容されている場合は、CPUやマイコンなどの電子制御の演算部が設けられた基板を「メイン基板」とする。
【0128】
メイン基板31は、主軸方向(Z軸方向)に延びる第1部分31Aと、第1部分31Aと交差する方向に延びる第2部分31Bと、を有する。第2部分31Bは、第1部分31Aが延びる方向と直交するY軸方向に延びている。つまり、メイン基板31は、X軸方向から視てL字状に形成されている。なお、第2部分31Bは、
図10に示す受け部43の下側(-Z側)まで延出できれば、第1部分31Aに対して必ずしも直角に曲がっている必要は無い。つまり、メイン基板31の形状は、L字状に限られない。
【0129】
第1部分31Aは、
図10に示すホルダー30のメインプレート41に重なる部分である。第1部分31Aは、メインプレート41上において基板支持片41d及び挟持片42aに保持される。第1部分31Aは、メインプレート41に沿って主軸方向に延びている。つまり、第1部分31Aは、カートリッジ収容部10と平行に延びている。光源52は、第1部分31Aのカートリッジ収容部10側(+Y側)に配置されている(
図23参照)。
【0130】
第2部分31Bは、
図10に示すホルダー30のメインプレート41上から受け部43側(+Y側)に延出した部分である。第2部分31Bは、受け部43の底壁43bの基板支持片43e及び挟持片43fに保持される。第2部分31Bは、受け部43(つまり、カートリッジ収容部10の端部)と主軸方向(Z軸方向)で対向して配置される。言い換えると、第2部分31Bは、受け部43と主軸方向で並んで配置される。突電極50は、第2部分31Bの受け部43と対向する側(+Z側)に配置されている(
図23参照)。
【0131】
図24に示すように、突電極50は、メイン基板31の第2板面31bに設けられた台座部50Aに支持されている。台座部50Aは、突電極50をメイン基板31の板面(第1板面31a、第2板面31b、つまりY-Z平面)と平行になるように支持している。すなわち、台座部50Aに支持された突電極50の+と-の2つの端子は、Y-Z平面に沿って平行に延びている。
【0132】
メイン基板31には、突電極50が設けられる部分を覆う突電極カバー51が設けられている。突電極50が設けられる部分は、台座部50Aを含む。詳しくは、突電極50が設けられる部分は、台座部50A、突電極50の根本部分、及び、第2板面31bにおける台座部50Aの周辺領域が含まれる。突電極カバー51は、第2板面31bと対向する側が開口した略箱状に形成されている。突電極カバー51は、台座部50Aの-X側に配置されたカバー端壁51aと、台座部50AのY軸方向両側及びZ軸方向両側の四方を囲うカバー周壁51bと、を有している。
【0133】
カバー周壁51bの+Z側の壁部には、突電極50が貫通して配置される貫通孔51cが2つ形成されている。なお、突電極50の先端部分は、突電極50の根本部分に収容された図示しないバネ部材によって、+Z側に付勢されており、Z軸方向に変位自在とされている。つまり、突電極50は、カートリッジ3に向かって延びており、カートリッジ3が挿入された際には-Z方向に変位する。その状態においても突電極50は、+Z方向に付勢されているのでカートリッジ3との接触を確実とすることができる。貫通孔51cの内壁面は、突電極50の先端部分の変位を拘束しない部分、本実施形態では、例えば突電極50の根本部分の外周に密着している。
【0134】
図25は、
図9に示す矢視F-F断面図である。
図25に示すように、突電極カバー51は、挿入孔43cが形成されたホルダー30の受け部43に当接している。挿入孔43cには、突電極50が挿入される。突電極カバー51のカバー周壁51bの+Z側の壁部は、受け部43の底壁43bの環状壁43dに主軸方向で当接している。突電極カバー51は、シリコーン樹脂から形成されている。カバー周壁51bの+Z側の壁部は、環状壁43dとの当接により弾性変形している。
【0135】
受け部43の底壁43bには、基板当接部43jが設けられている。基板当接部43jは、環状壁43dの+X側に配置されている。基板当接部43jは、受け部43の底壁43bから-Z側に突出して設けられ、メイン基板31と主軸方向で当接している。基板当接部43jは、
図10に示すように、底壁43bに設けられた基板支持片43e及び挟持片43fとの間に配置され、Y軸方向に直線状に延びている。
【0136】
図25に示すように、環状壁43dは、基板当接部43jよりも-Z側に延びている。環状壁43dによる突電極カバー51の弾性変形は、基板当接部43jとメイン基板31との当接によって一定量に制限される。つまり、基板当接部43jによって、環状壁43dと突電極カバー51との接触圧を管理することができる。したがって、環状壁43dに突電極カバー51を過度に押し付けることなく、環状壁43dと突電極カバー51との間のシール性を確保できる。
【0137】
突電極カバー51は、突電極50と共に、メイン基板31に設けられている。つまり、突電極カバー51は、メイン基板31以外の構造体(例えば、外装ケース12など)に保持されていない。また、
図25に示すように、突電極カバー51は、外装ケース12に対し非接触状態で組み込まれている。これにより、突電極カバー51が外装ケース12に接触して変形したり、位置ずれして、シース性が損なわれないようにすることができる。
【0138】
<カバー部材>
図26は、一実施形態に係るカバー部材17を径方向外側から視た図である。
図27は、一実施形態に係るカバー部材17を径方向内側から視た図である。
図28は、一実施形態に係るカバー部材17の斜視図である。
図26に示すように、カバー部材17は、径方向外側、つまり本体ケース13を向く右側(+Y側)に、本体ケース側突起17Aを備えている。本体ケース側突起17Aは、
図2に示すように、本体ケース13の開口部13aに挿入される。カバー部材17は、透光性を有しており、本体ケース側突起17Aを通して、カートリッジ収容部10に収容されたカートリッジ3のエアロゾル源の液残量を確認することができる。
【0139】
本体ケース側突起17Aは、本体ケース13の開口部13aと同じく、主軸方向(Z軸方向)に延びる長孔状に形成されている。本体ケース側突起17Aは、開口部13aよりも僅かに小さい。本体ケース側突起17Aと開口部13aとの間隙には、空気インレット18が形成されている。なお、本体ケース側突起17Aの一部は、開口部13aの内壁面と接触していても構わない。空気インレット18は、ユーザの吸引により、外装ケース12の内部に外気を取り込む吸気流路の入口である。
【0140】
空気インレット18は、本体ケース13の開口部13aの開口縁(本体ケース側突起17Aの周縁とも言う)に沿って環状に形成されている。空気インレット18の大きさは、ユーザの指で完全には塞がれない大きさであるとよい。例えば、空気インレット18の主軸方向(Z軸方向)における寸法は、一般成人の平均の親指の第1指間接幅以上(例えば2.0cm以上)あるとよい。また、空気インレット18の主軸方向に平行に延びる2本のスリットのX軸方向の間隔が、一般成人の平均の親指の第1指間接幅以上あってもよい。
なお、空気インレット18は、ユーザの指で塞がれない大きさであれば、主軸方向に平行に延びる1本ないし2本のスリットだけであっても構わない。つまり、空気インレット18は、本体ケース13の開口部13aの開口縁に沿ってスリット状に形成されていても構わない。
【0141】
図28に示すように、カバー部材17は、本体ケース側突起17Aを支持する板部17Bを有する。板部17Bは、本体ケース13の内側に重なるように配置される。板部17Bは、本体ケース13とカートリッジ収容部10との間に介在する。板部17Bのカートリッジ収容部10側(-Y側)は、カートリッジ収容部10の周面に沿って湾曲している。また、板部17Bの本体ケース13側(+Y側)は、周壁部12B(
図2参照)の内壁面に沿って湾曲している。板部17Bのカートリッジ収容部10側(-Y側)と本体ケース13側(+Y側)は、湾曲形状(曲率など)が異なっている。
【0142】
さらに、板部17Bの本体ケース13側の主軸方向上側(+Z)は、周壁部12Bの第2コーナー部12C2の内壁面に沿って湾曲している。つまり、板部17Bは、主軸方向上側(+Z)に向かうに従って、厚みが減少している。板部17Bには、上述した空気孔19と、空気溝70と、ケース嵌合孔17b1と、が形成されている。空気孔19は、本体ケース側突起17AをX軸方向で挟んで2つ形成されている。
【0143】
図29は、
図3に示す矢視G-G断面図である。
図29に示すように、空気孔19は、カバー部材17と本体ケース13とが重なる箇所に配置されている。つまり、空気孔19は、本体ケース13の内側に配置され、且つ、本体ケース13に覆われている。したがって、空気孔19は、本体ケース13の外側から視認することはできない。また、空気孔19は、本体ケース13を取り除かない限り、指で直接塞ぐこともできない。
【0144】
空気孔19は、空気インレット18とカートリッジ収容部10の内部とを流体連通させる。空気孔19は、外装ケース12の内部に外気を取り込む吸気流路の主流路である。本実施形態の空気孔19は、カートリッジ収容部10に形成された空気連通孔10eに連通し、空気インレット18とカートリッジ収容部10の内部とを短距離で流体連通させる。なお、空気連通孔10eが形成されていない場合、空気孔19から外装ケース12の内部に取り込まれた空気は、カートリッジ収容部10のあらゆる隙間を通って、カートリッジ収容部10の内部に流入する。
【0145】
図26に戻り、ケース嵌合孔17b1は、板部17Bにおいて空気孔19の上側と下側に2つずつ、本体ケース側突起17AをX軸方向で挟んで2組形成されている。計4つのケース嵌合孔17b1には、本体ケース13が爪嵌合する。具体的に、本体ケース側突起17Aの+X側に配置された2つのケース嵌合孔17b1には、第1ケース13Aの嵌合爪13E(後述する
図34参照)が爪嵌合する。また、本体ケース側突起17Aの-X側に配置された2つのケース嵌合孔17b1には、第2ケース13Bの嵌合爪13I(後述する
図35参照)が爪嵌合する。
【0146】
空気溝70は、空気インレット18と空気孔19との間を接続する空間を形成する。
図28に示すように、空気溝70は、環状溝部71と、2つの段差溝部72と、を有する。環状溝部71は、板部17Bにおける本体ケース側突起17Aの周囲に環状に形成されている。環状溝部71は、板部17Bの本体ケース13側(+Y)の外面よりも-Y側に窪んでいる。環状溝部71の幅は、
図29に示すように、空気インレット18の幅(内周縁から外周縁までの距離)よりも大きいとよい。
【0147】
2つの段差溝部72は、環状溝部71の+X側の端縁と、-X側の端縁に形成されている。段差溝部72は、環状溝部71よりも低い底面を有する。つまり、段差溝部72は、環状溝部71よりも-Y側に窪んでいる。この段差溝部72の底面には、空気孔19が形成されている。段差溝部72の底面は、空気孔19の開口面積よりも広く形成されている。
【0148】
図27に示すように、カバー部材17は、板部17Bのカートリッジ収容部10側(-Y側)に、カートリッジ収容部側突起17Cを有する。カートリッジ収容部側突起17Cは、カートリッジ収容部10の周面に形成された貫通孔10c(
図18参照)に挿入される。カートリッジ収容部側突起17Cは、カートリッジ収容部10の貫通孔10cと同じく、主軸方向(Z軸方向)に延びる長孔状に形成されている。
【0149】
また、
図27に示すように、カバー部材17は、板部17Bのカートリッジ収容部10側(-Y側)に、カバー位置決め突起17Dを有する。カバー位置決め突起17Dは、カートリッジ収容部側突起17Cの-X側に配置されている。カバー位置決め突起17Dは、X軸方向に延びる矩形状の突起である。カバー位置決め突起17Dは、
図18に示すカートリッジ収容部10の矩形溝10c1に挿入される。これにより、カートリッジ収容部10に対するカバー部材17の組み付けの間違いを防止できる。
【0150】
<センサホルダー>
図30は、一実施形態に係るセンサホルダー35を径方向外側から視た図である。
図31は、一実施形態に係るセンサホルダー35を径方向内側から視た図である。
図32は、一実施形態に係るセンサホルダー35の斜視図である。
図32に示すように、センサホルダー35は、カートリッジ収容部10の周面に沿った形状の湾曲板部35Aを有する。湾曲板部35Aは、
図29に示すように、カートリッジ収容部10の周面に、接着シート48を介して気密に接している。湾曲板部35Aは、カートリッジ収容部10とホルダー30との間の狭い隙間に配置されている。
【0151】
センサホルダー35には、湾曲板部35Aのカートリッジ収容部10と反対側の外面に、
図29に示すように、ホルダー30側に突出するホルダー側突起35Bが設けられている。ホルダー側突起35Bは、筒状に形成されている。ホルダー側突起35Bの内側には、センサ34が保持されている。ホルダー側突起35B(及びセンサ34)は、ホルダー30の第2リブ42Dの第2切欠部42d2に挿入されるように配置されている。
【0152】
ホルダー側突起35Bには、カートリッジ収容部10の内部とセンサ34との間を接続する空気流路80が形成されている。空気流路80は、センサ34から湾曲板部35Aの内壁面まで径方向に延びている。空気流路80のカートリッジ収容部10側には、センサ34を保持する保持部35Cが設けられている。保持部35Cは、センサ34よりも径方向内側において、
図31に示すように、空気流路80の内壁面に一対で対向配置されている。保持部35Cにセンサ34が当接することで、センサ34のカートリッジ収容部10内部への落下が防止される。
【0153】
センサ34は、カートリッジ収容部10側が、検出部となっている。検出部は、例えば、圧力変動に応じて変形するダイアフラムの挙動を、静電容量の変化として検出する。検出部は、防水通気性部材81で覆われている。防水通気性部材81は、防水性と、通気性を併せ持つ素材から形成されている。防水通気性部材81の素材には、水滴は通さないが、空気であれば通れる大きさの無数の微細孔が形成されている。この防水通気性部材81は、カートリッジ収容部10の内部とセンサ34との間の空間を仕切る。つまり、防水通気性部材81は、カートリッジ収容部10の内部からセンサ34へは液体を通さず、空気だけを通す。
【0154】
図32に示すように、湾曲板部35Aのカートリッジ収容部10側の内壁面には、カートリッジ収容部10側に突出したカートリッジ収容部側突起35Dが設けられている。カートリッジ収容部側突起35Dは、
図31に示すように、径方向内側から視て略C字状に形成されている。カートリッジ収容部側突起35Dは、カートリッジ収容部10の周面に形成された貫通孔10d(
図19参照)に挿入される。
【0155】
センサホルダー35は、透光性を有し、
図6に示す光源52の光をカートリッジ収容部10の内部に導く導光部材を兼ねている。このセンサホルダー35は、例えば、ポリカーボネート樹脂から形成されている。ポリカーボネート樹脂は、センサ34を保持するセンサホルダー35に、適当な硬さと、導光部材を兼ねるための良好な透光性を付加する。センサホルダー35の透光性としては、透過する光が拡散されるような、透明よりも透過率が低いものが好ましい。
【0156】
センサホルダー35は、
図6に示すように、光源52とカートリッジ収容部10との間に介在している。光源52は、センサ34と重ならないように、カートリッジ収容部10の主軸方向(Z軸方向)においてセンサ34よりも上側(+Z側)に配置されている。光源52は、カートリッジ収容部10の主軸方向において、カートリッジ挿抜口10aと反対側に配置されている。なお、「カートリッジ挿抜口と反対側」とは、カートリッジ収容部10の主軸方向における寸法をLとしたときに、カートリッジ挿抜口10aと反対側の端部からL/2の範囲内の領域を言う。
【0157】
光源52は、窓部16と少なくとも一部と重なって配置されている。つまり、Y軸方向から視て、窓部16と光源52とが重なって配置されている。なお、窓部16と光源52との間には、カートリッジ3のタンク21が配置されている。光源52は、タンク21の内部の液体収容室21gの少なくとも下半分を照らしている。なお、窓部16と光源52との間には、カバー部材17、カートリッジ収容部10の貫通孔10c、タンク21、カートリッジ収容部10の貫通孔10d、センサホルダー35、ホルダー30の第2リブ42Dの第1切欠部42d1が配置されている。
【0158】
<本体ユニットの組立方法>
図33は、一実施形態に係る本体ユニット2の組立方法を示す斜視図である。
図34は、一実施形態に係る第1ケース13Aの内側の構成を示す背面図である。
図35は、一実施形態に係る第2ケース13Bの内側の構成を示す正面図である。
図33に示すように、本体ユニット2は、ホルダー30を中心に各種構成部品を組み込んだホルダーユニット100を、バイブレータ36を取り付けた第1ケース13Aにねじ止めし、次に、第1ケース13Aと第2ケース13Bと組み合わせ、最後に溶着処理を施すことで組み立てられる。この溶着には、超音波溶着が好適である。
【0159】
ホルダーユニット100には、第1ケース13A、第2ケース13B、及びバイブレータ36を除く本体ユニット2の構成部品が含まれる。具体的に、ホルダーユニット100は、ホルダー30と、カートリッジ収容部10と、吸口部11と、ディスプレイカバー14と、入力デバイス15と、メイン基板31と、サブ基板32と、表示デバイス33と、センサ34と、センサホルダー35と、電源37と、を含む。なお、吸口部11は、本体ユニット2の組立時には、カートリッジ収容部10から取り外していても構わない。
【0160】
図34に示すように、第1ケース13Aの第1主面部12A1には、第2ケース13Bと対向する対向面13a1に、上述したバイブレータ36の取付部13Dと、ホルダー30をねじ止めする2つのボス部13Cと、ホルダー30の第1リブ42Cと第2リブ42Dに当接する複数のケース側突起部13Gと、ホルダー30の受け部43に当接する溝部13Hと、が形成されている。
【0161】
2つのボス部13Cには、ねじ孔が形成されている。2つのボス部13Cには、ホルダー30の2つの貫通孔30aを通った2本のねじ40(
図33参照)が螺合する。ケース側突起部13Gは、第1リブ42Cに当接するものであり、
図34に示すように、対向面13a1において取付部13Dよりも-Y側に配置され、主軸方向(Z軸方向)に点在している。
【0162】
第2リブ42Dに当接するケース側突起部13Gは、対向面13b1において取付部13Dよりも+Y側に配置され、主軸方向(Z軸方向)に点在している。なお、主軸方向下側(-Z側)の端に配置されたケース側突起部13G1は、第2リブ42Dの分岐部42D1に対応して、L字状に屈曲している。溝部13Hは、受け部43の周面に沿って+X側に窪んでいる。
【0163】
第1ケース13Aの第1周壁部12B1の内壁面には、左右両側に設けられた嵌合爪13Eと、下側に設けられた嵌合爪13Fと、が設けられている。第1周壁部12B1の+Y側に設けられた2つの嵌合爪13Eは、上述したカバー部材17のケース嵌合孔17b1(
図26、
図28参照)に爪嵌合する。
【0164】
また、第1周壁部12B1の-Y側に設けられた3つの嵌合爪13Eは、上述したホルダー30の第1嵌合孔42e1(
図11、
図29参照)に爪嵌合する。また、第1周壁部12B1の-Z側に設けられた2つの嵌合爪13Fは、後述する第2ケース13Bの爪受け部13K(
図35参照)に爪嵌合する。
【0165】
図35に示すように、第2ケース13Bの第2主面部12A2には、第1ケース13Aと対向する対向面13b1に、ホルダー30の第1リブ42Cと第2リブ42Dに当接する複数のケース側突起部13Jと、ホルダー30の受け部43に当接する溝部13Lと、が形成されている。
【0166】
第1リブ42Cに当接するケース側突起部13Jは、対向面13b1の-Y側において、主軸方向(Z軸方向)に点在している。第2リブ42Dに当接するケース側突起部13Jは、対向面13b1のY軸方向略中央部において、主軸方向(Z軸方向)に直線状に延在している。溝部13Lは、受け部43の周面に沿って-X側に窪んでいる。
【0167】
第2ケース13Bの第2周壁部12B2の内壁面には、左右両側に設けられた嵌合爪13Iと、下側に設けられた爪受け部13Kと、が設けられている。第2周壁部12B2の+Y側に設けられた2つの嵌合爪13Iは、上述したカバー部材17のケース嵌合孔17b1(
図26、
図28参照)に爪嵌合する。
【0168】
また、第2周壁部12B2の-Y側に設けられた3つの嵌合爪13Iは、上述したホルダー30の第2嵌合孔42e2(
図11、
図29参照)に爪嵌合する。また、第2周壁部12B2の-Z側に設けられた2つの爪受け部13Kは、上述した第1ケース13Aの嵌合爪13F(
図34参照)が爪嵌合する。
【0169】
本体ユニット2は、第1ケース13Aの第1周壁部12B1と第2ケース13Bの第2周壁部12B2とを接続する第1接続部91と、第1主面部12A1と第2主面部12A2のいずれか一方の対向面13a1,13b1に、ホルダー30を接続する第2接続部92と、第1主面部12A1と第2主面部12A2の他方の対向面13a1,13b1に、ホルダー30を接続する第3接続部93と、を有する。
【0170】
第1接続部91は、上述した第1ケース13Aの嵌合爪13F(
図34参照)と、第2ケース13Bの爪受け部13K(
図35参照)との爪嵌合を含む。このように、第1接続部91の接続方式は、爪嵌合を含んでいる。
【0171】
第2接続部92は、上述した第1ケース13Aの第1主面部12A1の対向面13a1(一方の対向面)に設けられたボス部13C(
図34参照)に対するホルダー30のねじ止め(
図33参照)を含む。このように、第2接続部92の接続方式は、ねじ止めを含んでいる。
【0172】
第3接続部93は、上述した第2ケース13Bの第2主面部12A2の対向面13b1(他方の対向面)に設けられたケース側突起部13J(
図35参照)と、ホルダー30に設けられた第1リブ42C,第2リブ42Dとの溶着(
図29参照)を含む。このように、第3接続部93の接続方式は、溶着を含んでいる。なお、受け部43の周面も、第2ケース13Bの溝部13L(
図35参照)に溶着されている。
【0173】
さらに、本実施形態では、第1リブ42C,第2リブ42Dが、第1ケース13Aの第1主面部12A1の対向面13a1(一方の対向面)に設けられたケース側突起部13Gとも溶着(
図29参照)されている。このように、第2接続部92の接続方式は、溶着も含んでいる。なお、受け部43の周面も、第1ケース13Aの溝部13H(
図34参照)に溶着されている。
【0174】
また、本実施形態では、第1ケース13Aの第1周壁部12B1の-Y側に設けられた嵌合爪13E(
図34参照)が、ホルダー30に設けられた第1嵌合孔42e1(
図11参照)に爪嵌合する。このように、第2接続部92の接続方式は、爪嵌合も含んでいる。
【0175】
また、本実施形態では、第2ケース13Bの第2周壁部12B2の-Y側に設けられた嵌合爪13E(
図35参照)が、ホルダー30に設けられた第2嵌合孔42e2(
図11参照)に爪嵌合する。このように、第3接続部93の接続方式は、爪嵌合も含んでいる。
【0176】
つまり、第1接続部91の接続方式は、爪嵌合の1種類である。第2接続部92の接続方式は、爪嵌合、ねじ止め、溶着の3種類である。第3接続部93の接続方式は、爪嵌合、溶着の2種類である。したがって、第1接続部91、第2接続部92、第3接続部93は、接続方式の数が異なっている。
【0177】
このように、本体ユニット2の3つの接続部(第1接続部91、第2接続部92、第3接続部93)の接続方式の数が同一でないようにすることで、ユーザによる分解が困難になる。なお、3つの接続部の接続方式の数が同一であっても、接続方式の種類が異なっていれば、ユーザによる分解を困難にすることができる。例えば、第1接続部91の接続方式は爪嵌合の1種類のみ、第2接続部92の接続方式はねじ止めの1種類のみ、第3接続部93の接続方式は溶着の1種類のみであっても構わない。
【0178】
また、3つの接続部のうち2つの接続部の接続方式の数、種類が同一であっても、残り1つの接続部の接続方式の数若しくは種類が異なっていれば、ユーザによる分解を困難にすることができる。つまり、3つの接続部のうちの少なくとも一つが、接続方式の数が異なっていればよい。また、3つの接続部のうちの少なくとも一つが、接続方式の種類が異なるものを含んでいても構わない。
【0179】
さらに、本実施形態の本体ユニット2は、カバー部材17を介して、第1ケース13Aの第1周壁部12B1と、第2ケース13Bの第2周壁部12B2とを接続する第4接続部94を有する。第4接続部94は、上述したカバー部材17に設けられたケース嵌合孔17b1(
図26参照)と、第1ケース13Aの第1周壁部12B1の+Y側に設けられた嵌合爪13E(
図34参照)及び第2ケース13Bの第2周壁部12B2の+Y側に設けられた嵌合爪13E(
図35参照)と、の爪嵌合を含む。このように、第4接続部94の接続方式は、爪嵌合を含んでいる。
【0180】
<本体ユニットの外観>
図36は、一実施形態に係る吸口部11を取り外した状態の本体ユニット2の正面図である。
図36に示すように、本体ユニット2は、外装ケース12から突出したカートリッジ挿抜口10aを有するカートリッジ収容部10を備えている。つまり、カートリッジ挿抜口10aを含むカートリッジ収容部10の一部が、外装ケース12から突出しており、カートリッジ3を挿抜する場所が視認し易くなっている。
【0181】
外装ケース12から突出したカートリッジ収容部10の一部には、カートリッジ挿抜口10aに吸口部11を接続するための吸口接続部10B(
図6、
図20参照)が含まれる。つまり、吸口接続部10Bの少なくとも一部が、外装ケース12から突出している。これにより、吸口接続部10Bの第1溝部10b1などが、カートリッジ挿抜口10aから視認し易くなる。
【0182】
外装ケース12には、主軸方向上側(+Z側)に、隆起部12Dが設けられている。カートリッジ収容部10は、隆起部12Dの変形過渡部分12D1から主軸方向上側に突出している。変形過渡部分12D1とは、第2コーナー部12C2から隆起部12Dの頂部Pに至るまでの部分である。変形過渡部分12D1は、第2コーナー部12C2から隆起部12Dの頂部Pに至るまで、外装ケース12のZ軸方向の寸法が増加している部分とも言える。また、変形過渡部分12D1は、主軸方向に対して斜めになった部分とも言える。なお、変形過渡部分12D1は、
図36に示すような曲面に限らず、斜面であっても構わない。
【0183】
変形過渡部分12D1によって、カートリッジ収容部10に、外装ケース12から大きく露出する部分(+Y側)と、小さく露出する部分(-Y側)が形成される。カートリッジ収容部10の大きく露出する部分においては、カートリッジ収容部10の視認性を確保することができる。カートリッジ収容部10の小さく露出する部分においては、外装ケース12によりカートリッジ収容部10を保護する面積を確保することができる。また、外装ケース12の縁と、カートリッジ収容部10の周面との接触長が長くなるため、仮に両者を接着する際には、接続強度を確保し易くなる。
【0184】
図36に示すように、カートリッジ挿抜口10aは、カートリッジ収容部10が延びる主軸方向(Z軸方向)において、隆起部12Dの頂部P以下の位置に配置されている。つまり、カートリッジ挿抜口10aは、隆起部12Dの頂部Pに対して主軸方向下側(-Z側)に下がっている。隆起部12Dは、例えば、本体ユニット2が上下逆さまになって落下などした際に、カートリッジ挿抜口10aよりも先に地面などと接触し、カートリッジ挿抜口10aを保護する。
【0185】
隆起部12Dは、変形過渡部分12D1と頂部Pを挟んだ逆側(-Y側)に、入力デバイス15が配置された変形過渡部分12D2を有している。入力デバイス15は、カートリッジ収容部10が延びる主軸方向(Z軸方向)において、隆起部12Dの頂部P以下の位置に配置されている。隆起部12Dは、例えば、本体ユニット2が上下逆さまになって落下などした際に、入力デバイス15よりも先に地面などと接触し、入力デバイス15の誤作動を防止する。
【0186】
入力デバイス15は、カートリッジ挿抜口10aの中心を通るカートリッジ収容部10の主軸Oに対し、鋭角方向を向いて配置されている。詳しくは、主軸Oと、第1コーナー部12C1(入力デバイス15)と第3コーナー部12C3を結ぶ対角線O1とが交わる角度θが90°未満である。この構成によれば、ユーザが、カートリッジ挿抜口10aに装着された吸口部11を咥えたままで、入力デバイス15に指をかけ易くなる。
【0187】
本体ユニット2は、外装ケース12から一部突出したカートリッジ収容部10の引き抜き対策として、カートリッジ収容部10の移動を制限する移動制限部材(カバー部材17、センサホルダー35)を備えている。移動制限部材は、少なくとも外装ケース12から抜出する抜出方向のカートリッジ収容部10の移動を制限する。ここで、「抜出方向」とは、主軸方向(Z軸方向)のうち、上側(+Z側)に向かう一方向を意味する。
【0188】
図6に示すように、外装ケース12は、開口部13aが形成された本体ケース13を有する。カバー部材17(移動制限部材)は、開口部13aに挿入された本体ケース側突起17Aを有する。本体ケース側突起17Aは、少なくとも抜出方向において、外装ケース12に係止し、カートリッジ収容部10の移動を制限する。
【0189】
また、カバー部材17は、カートリッジ収容部10の貫通孔10cに挿入されるカートリッジ収容部側突起17Cを有する。カートリッジ収容部側突起17Cは、ユーザの引き抜きより、仮にカートリッジ収容部10の周面に対するカバー部材17の接着が剥がれた場合であっても、カートリッジ収容部10に引っ掛かり、外装ケース12からのカートリッジ収容部10の抜出を防止する。
【0190】
また、カバー部材17は、カートリッジ収容部10と外装ケース12との間に介在する板部17Bを有する。板部17Bは、カートリッジ収容部10の抜出方向に向かうに従って、厚みが減少している(
図28参照)。板部17Bは、カートリッジ収容部10と外装ケース12との間の楔空間(詳しくは、外装ケース12の第2コーナー部12C2の丸みを帯びた内壁面が、カートリッジ収容部10の周面に徐々に近接する空間)に挿入される。つまり、板部17Bが楔となって、外装ケース12からのカートリッジ収容部10の抜出を防止する。
【0191】
図29に示すように、外装ケース12に固定されたホルダー30には、第2リブ42Dには第2切欠部42d2が形成されている。センサホルダー35(移動制限部材)は、第2切欠部42d2に挿入されたホルダー側突起35Bを有する。ホルダー側突起35Bは、少なくとも抜出方向において、ホルダー30に係止し、カートリッジ収容部10の移動を制限する。
【0192】
また、センサホルダー35は、カートリッジ収容部10の貫通孔10dに挿入されるカートリッジ収容部側突起35Dを有する。カートリッジ収容部側突起35Dは、ユーザの引き抜きより、仮にカートリッジ収容部10の周面に対するセンサホルダー35の接着が剥がれた場合であっても、カートリッジ収容部10に引っ掛かり、外装ケース12からのカートリッジ収容部10の抜出を防止する。
【0193】
<吸引器の組立方法>
図37は、一実施形態に係るカートリッジ収容部10にカートリッジ3を収容する様子を示す説明図である。
図38は、一実施形態に係るカートリッジ収容部10に吸口部11を装着する様子を示す説明図である。
図37に示すように、吸引器1を組み立てるにあたっては、本体ユニット2のカートリッジ収容部10にカートリッジ3を収容する。カートリッジ3は、
図5に示すように、平面電極26hを本体ユニット2側に向けた状態で、外装ケース12から突出したカートリッジ収容部10のカートリッジ挿抜口10aから挿入する。
【0194】
カートリッジ3は、カートリッジ収容部10よりも短いため、挿入時に自由落下する。このとき、カートリッジ3の周囲には、カートリッジ3の回転方向の運動を阻害するものがなく、且つ、カートリッジ3もそれなりの勢いで落下しているため、位置決め機構90の係合突部43hと、カートリッジ3の係合溝部26iとの周方向位置が一致しない場合であっても、係合突部43hとの衝突によりカートリッジ3がバウンドして回転したり、また、係合突部43hの曲面に沿ってカートリッジ3が滑り落ちたりすることで、係合突部43hが係合溝部26i内に進入する。
【0195】
ここで、本実施形態では、カートリッジ収容部10の内径D1とカートリッジ3の外径D2との間で生じる隙間は、カートリッジ収容部10の内径の2.6%より大きくなっている。このため、カートリッジ収容部10とカートリッジ3とのクリアランスが大きく、係合突部43hを係合溝部26iに誘い込みやすい。すなわち、カートリッジ3の挿入時に、係合突部43hと係合溝部26iの周方向位置が一致しなくても、カートリッジ3が正規の位置に組み付けられる。これにより、カートリッジ3の平面電極26hが突電極50に接触する。
【0196】
なお、上述したカートリッジ3の挿入時において、カートリッジ3が正規の位置に組み付けられない場合もある。この場合には、カートリッジ3が係合突部43hに乗り上げた状態(以下、単に「乗り上げ状態」という。)となる。カートリッジ3の乗り上げ状態では、カートリッジ3の主軸方向下側(-Z側)の移動が規制される。そのため、平面電極26hと突電極50とが主軸方向で離間し、カートリッジ3と本体ユニット2との導通が確保されない。
【0197】
カートリッジ3が乗り上げ状態のままで、カートリッジ収容部10に吸口部11を装着すると、吸口部11の装着が完了する前に、カートリッジ当接部60がカートリッジ3に当接する。具体的には、吸口部11の突起部11b1が、吸口接続部10Bの第1溝部10b1または第2溝部10b2を通過している間に、カートリッジ当接部60がカートリッジ3に当接する。そうすると、カートリッジ当接部60が主軸方向に圧縮され、カートリッジ3が係合突部43hに押し付けられる。係合突部43hは、曲面形状を有しているため、係合突部43hの中心と係合溝部26iの中心の周方向位置が一致しなくても、係合突部43hの先端に係合溝部26iがかかれば、係合突部43hの曲面に沿ってカートリッジ3が斜めに滑り落ち、カートリッジ3が正規の位置に組み付けられる。
【0198】
さらに、上記カートリッジ3が押し付けによっても、まだカートリッジ3が乗り上げ状態である場合は、、
図38に示すように、カートリッジ当接部60がカートリッジ3に当接した状態で、吸口部11を回転させる。そうすると、突起部11b1が吸口接続部10Bの第3溝部10b3を通過している間に、カートリッジ3が共回りする。カートリッジ3は、カートリッジ当接部60との間で発生する摩擦力によって回転する。カートリッジ3の回転によって、係合突部43hの先端(頂点)が係合溝部26iに対向すると、係合突部43hの曲面に沿ってカートリッジ3が滑り落ち、係合突部43hが係合溝部26i内に進入する。以上のように、本実施形態では、カートリッジ3の自由落下、カートリッジ3の押し付け、カートリッジ3の回転の3段階でカートリッジ3を正規の位置に組み付けることができる。
【0199】
吸口部11を最後まで回転させ、吸口部11をカートリッジ収容部10に装着すると、カートリッジ当接部60が主軸方向に圧縮された状態となり、平面電極26hが突電極50に押さえ付けられると共に、カートリッジ3が位置決めされる。このように、吸口部11の装着により、カートリッジ3の位置決め、さらにはカートリッジ3と本体ユニット2との電気的導通が行なわれる。加えて、カートリッジ当接部60の環状突起61が主軸方向に圧縮されることで、カートリッジ3と吸口部11との隙間がシールされる。
以上により、吸引器1の組み立てが完了する。なお、
図37及び
図38に示すように、吸口部11に予め香味源容器4を挿入していてもよいが、そうでない場合、吸口部11をカートリッジ収容部10に装着した後、吸口部11に香味源容器4を挿入することで、吸引器1の組み立てが完了する。
【0200】
<吸引器の使用方法>
上述した吸引器1を使用する際、ユーザは、先ず、
図1に示す入力デバイス15を押下する。この際、例えば、入力デバイス15を複数回押下することで、本体ユニット2が起動するようにプログラムされていても構わない。
【0201】
続いて、ユーザは、吸口部11または香味源容器4を咥えた状態で吸引する。すると、カートリッジ収容部10の内部の空気が流動し、
図29に示すセンサ34がパフを検知する。センサ34がパフを検知すると、
図6に示すカートリッジ3の電熱線25bに対する通電が行われ、電熱線25bが発熱する。電熱線25bが発熱すると、ウィック25aに含浸された液体のエアロゾル源が加熱されて霧化する。霧化したエアロゾルは、吸引により取り込まれた空気(外気)と共に吸い上げられる。
【0202】
空気(外気)は、
図29に示すように、本体ケース13とカバー部材17との隙間の空気インレット18から取り込まれる。空気インレット18から取り込まれた空気は、空気溝70の環状溝部71、段差溝部72、空気孔19、空気連通孔10eを介してカートリッジ収容部10の内部に流入する。カートリッジ収容部10の内部に流入した空気は、
図6に示すように、カートリッジ3の吸気孔26c、開口部24eを介して霧化室24cに流入する。
【0203】
霧化されたエアロゾルは、霧化室24cに充満しており、霧化室24cに流入した空気と共に、流路管21c、貫通孔21b、カートリッジ当接部60の連通孔62を介して、吸口部11側に吸い上げられる。その後、霧化されたエアロゾルと空気との混合気体は、吸口部11に装着された香味源容器4を通じてユーザの口内に進入する。これにより、ユーザは、香味を味わうことができる。
【0204】
<変形例>
本実施形態では、以下のような変形例を採用し得る。なお、以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
【0205】
図39は、一実施形態に係る吸口接続部10Bの変形例を示す斜視図である。
図40は、一実施形態に係るカートリッジ収容部10の変形例を示す斜視図である。
図41は、
図39に示す矢視H-H断面図である。
図39に示す吸口接続部10Bは、上述した第1溝部10b1、第2溝部10b2、第3溝部10b3に加え、嵌合孔10b4を有している。
【0206】
嵌合孔10b4は、第3溝部10b3の延長線上に配置されている。嵌合孔10b4と第3溝部10b3は、離間して形成されている。つまり、嵌合孔10b4と第3溝部10b3との間には、インサートリング10Aの一部10A1が介在している。吸口部11の突起部11b1は、吸口接続部10Bへの装着の際、第3溝部10b3の終端からインサートリング10Aの一部10A1を乗り越えて、嵌合孔10b4に嵌合する。これにより、吸口部11が吸口接続部10Bにホールドされる。
【0207】
図40に示すように、カートリッジ収容部10には、突起部11b1がインサートリング10Aの一部10A1を乗り越える際に、インサートリング10Aが弾性変形により径方向外側に逃げるための逃げ溝10gが形成されている。逃げ溝10gは、インサートリング10Aを配置する窪み10fよりも径方向外側に窪んでいる。逃げ溝10gは、インサートリング10Aに設けられた2つの吸口接続部10Bに対応して2つ設けられている。2つの逃げ溝10gは、カートリッジ収容部10の内壁面の径方向両側に対向配置されている。
【0208】
逃げ溝10gには、位置決め突起10hが形成されている。位置決め突起10hには、
図39に示すインサートリング10Aの位置決め溝部10Cが係合する。位置決め溝部10Cは、主軸方向下側(-Z側)に向かうに従って周方向の幅が漸次広がるテーパ状の斜面10C1を有する。この位置決め溝部10Cが、
図40に示す位置決め突起10hと係合することで、インサートリング10Aの嵌合孔10b4を、逃げ溝10gに位置合わせすることができる。
【0209】
図41に示すように、吸口部11の突起部11b1は、インサートリング10Aを径方向外側に撓ませた状態で、嵌合孔10b4に嵌合している。これにより、吸口部11を吸口接続部10Bにガタつくことなくホールドすることができる。逃げ溝10gによるインサートリング10Aとカートリッジ収容部10との隙間S1は、吸口部11の突起部11b1が、インサートリング10Aの一部10A1を乗り越えることができるだけの寸法があればよい。また、吸口部11を吸口接続部10Bにガタつくことなくホールドするために、
図41において二点鎖線で示す、撓んでいない状態のインサートリング10Aと、吸口部11の筒体11Bとの隙間S2は、筒体11Bに対する突起部11b1の突出量T1より小さいとよい。
なお、隙間S1は、突出量T1と隙間S2との差分T2よりも大きい。また、隙間S1は、突起部11b1をホールドした状態のインサートリング10Aのたわみ量T3よりも大きい。
【0210】
[作用効果]
上述した本実施形態の本体ユニット2は、外装ケース12と、外装ケース12の内部に設けられたホルダー30と、を備え、ホルダー30は、外装ケース12の内部に設けられた部品の少なくとも一部を保持するメインプレート41と、メインプレート41の端部からメインプレート41の板面(第1板面41a,第2板面41b)に交差する方向に延びると共に、外装ケース12の外面に沿って設けられた部品(入力デバイス15、表示デバイス33)の少なくとも一つを保持するサブプレート42と、を有する。
この構成によれば、外装ケース12の内部に設けられた部品と、外装ケース12の外面に沿って設けられた部品が、一つのホルダー30に保持される。また、ホルダー30は、メインプレート41と、メインプレート41に交差する方向に延びるサブプレート42と、を備えており、ホルダー30の剛性を高めつつ、装置内部の省スペース化を実現できる。
【0211】
また、本実施形態においては、サブプレート42は、メインプレート41の板面に直交する方向の少なくとも一方側に延びている。
この構成によれば、ホルダー30の断面が少なくともL字になり、ホルダー30の剛性を高めることができる。
【0212】
また、本実施形態においては、サブプレート42は、メインプレート41の板面に直交する方向において両側に延びている。
この構成によれば、ホルダー30の断面がT字になり、ホルダー30の剛性を高めることができる。
【0213】
また、本実施形態においては、ホルダー30は、サブプレート42として、メインプレート41の端部の第1端辺41h1に設けられた第1サブプレート42Aと、メインプレート41の端部の第1端辺41h1に隣接する第2端辺41h2に設けられた第2サブプレート42Bと、を有し、第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bとが、互いに接続されている。
この構成によれば、第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bとが接続されているので、ホルダー30の剛性を高めることができる。
【0214】
また、本実施形態においては、第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bとが、鈍角で接続されている。
この構成によれば、外装ケース12が丸みを帯びたコーナー部12Cや斜めになったコーナー部12Cを有する場合であっても、そのコーナー部12Cに部品を配置し易くなる。
【0215】
また、本実施形態においては、サブプレート42には、表示デバイス33が保持されている。
この構成によれば、サブプレート42に表示デバイス33を保持させることで、省スペース化できる。
【0216】
また、本実施形態においては、表示デバイス33は、有機ELディスプレイまたは液晶ディスプレイである。
この構成によれば、有機ELディスプレイまたは液晶ディスプレイを省スペースで設置できる。
【0217】
また、本実施形態においては、サブプレート42には、入力デバイス15が保持されている。
この構成によれば、サブプレート42に入力デバイス15を保持させることで、省スペース化できる。
【0218】
また、本実施形態においては、入力デバイス15は、押しボタンである。
この構成によれば、押しボタンを省スペースで設置できる。また、ホルダー30は剛性が高いため、押しボタンにかかる負荷をホルダー30が受けることができる。
【0219】
また、本実施形態においては、メインプレート41は、第1部品(メイン基板31、サブ基板32)を保持する第1板面41aと、第1板面41aと反対側で、第1部品と異なる第2部品(電源37)を保持する第2板面41bと、を有する。
この構成によれば、メインプレート41の表と裏に部品が保持されるので、省スペース化できる。
【0220】
また、本実施形態においては、第1部品及び第2部品のいずれか一方(第2部品)は、電源37であり、第1部品及び第2部品の他方(第1部品)は、電源37と電気的に接続された電子部品第1部品(メイン基板31、サブ基板32)である。
この構成によれば、メインプレート41の表と裏に電源37と電子部品を別々に保持することで、電源37の大容量化と、電子部品の設置スペースの確保を両立できる。
【0221】
また、本実施形態においては、外装ケース12に少なくとも一部が覆われたカートリッジ収容部10を備える。
この構成によれば、カートリッジ収容部10を外装ケース12で保護することができる。
【0222】
また、本実施形態においては、ホルダー30は、メインプレート41と一体で形成され、カートリッジ収容部10の端部を受ける受け部43を有する。
この構成によれば、さらにカートリッジ収容部10がホルダー30に組み付けられるので、組み込みが容易になる。
【0223】
また、本実施形態においては、受け部43には、カートリッジ収容部10の内部に突電極50を挿入するための挿入孔43cが形成されている。
この構成によれば、カートリッジ収容部10の内部に、容易に突電極50を配置できる。
【0224】
本実施形態のエアロゾル生成装置は、先に記載の本体ユニット2と、エアロゾル源を収容すると共に、本体ユニット2のカートリッジ収容部10に対し挿抜可能に挿入されたカートリッジ3と、を備える。
この構成によれば、部品を省スペースで組み込んだ本体ユニット2を備えるため、装置全体として小型化を図ることができる。
【0225】
本実施形態の吸引器1は、先に記載のエアロゾル生成装置と、エアロゾル生成装置の吸口部11に装着された香味源容器4と、を備える。
この構成によれば、エアロゾルに香味を添加することができる。
【0226】
また、本実施形態では、次のような作用効果も得られる。
【0227】
上述した本実施形態の本体ユニット2は、一対の主面部12Aの間を接続する周壁部12Bを有する外装ケース12と、周壁部12Bに配置された入力デバイス15と、を備え、周壁部12Bは、一対の主面部12Aに連続する外表面12b1と、外表面12b1に対し窪んだ凹部12b2と、を有し、入力デバイス15は、凹部12b2に配置されている。
この構成によれば、周壁部12Bの凹部12b2に入力デバイス15が配置されているため、入力デバイス15に意図せずに触れ難くなり、入力デバイス15の誤作動を防止できる。
【0228】
また、本実施形態においては、入力デバイス15は、周壁部12Bのうち、外装ケース12のコーナー部12Cに配置されている。
この構成によれば、入力デバイス15を操作し易くなる。
【0229】
また、本実施形態においては、外装ケース12の内部に設けられたホルダー30を備え、ホルダー30は、コーナー部12Cに対向するサブプレート42(第2サブプレート42B)を有し、サブプレート42に、入力デバイス15が保持されている。
この構成によれば、入力デバイス15をコーナー部12Cに配置し易くなる。
【0230】
また、本実施形態においては、ホルダー30は、外装ケース12の内部に設けられた部品の少なくとも一部を保持するメインプレート41を備え、サブプレート42は、メインプレート41の端部からメインプレート41の板面に交差する方向に延びている。
この構成によれば、メインプレート41とサブプレート42が交差して接続されるため、ホルダー30の剛性を高めることができる。
【0231】
また、本実施形態においては、サブプレート42は、メインプレート41の板面に直交する方向の少なくとも一方側に延びている。
この構成によれば、ホルダー30の断面が少なくともL字になり、ホルダー30の剛性を高めることができる。
【0232】
また、本実施形態においては、サブプレート42は、メインプレート41の板面に直交する方向において両側に延びている。
この構成によれば、ホルダー30の断面がT字になり、ホルダー30の剛性を高めることができる。
【0233】
また、本実施形態においては、ホルダー30は、サブプレート42として、メインプレート41の端部の第1端辺41h1に設けられた第1サブプレート42Aと、メインプレート41の端部の第1端辺41h1に隣接する第2端辺41h2に設けられた第2サブプレート42Bと、を有し、第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bとが、互いに接続されている。
この構成によれば、第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bとが接続されているので、ホルダー30の剛性を高めることができる。
【0234】
また、本実施形態においては、第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bとが、鈍角で接続されている。
この構成によれば、外装ケース12が丸みを帯びたコーナー部12Cや斜めになったコーナー部12Cを有する場合であっても、そのコーナー部12Cに入力デバイス15を配置し易くなる。
【0235】
また、本実施形態においては、入力デバイス15は、押しボタンである。
この構成によれば、押しボタンの誤作動を防止できる。
【0236】
また、本実施形態においては、外装ケース12に少なくとも一部が覆われたカートリッジ収容部10を備える。
この構成によれば、カートリッジ収容部10を外装ケース12で保護することができる。
【0237】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10は、周壁部12Bのうち、入力デバイス15が配置された外装ケース12の第1コーナー部12C1に対し、最も近い第2コーナー部12C2に配置されている。
この構成によれば、カートリッジ収容部10と入力デバイス15が近くに配置されるため、操作性の向上を図れる。
【0238】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10は、吸口部11を取り付け可能なカートリッジ挿抜口10aを有し、入力デバイス15は、カートリッジ挿抜口10aの中心を通るカートリッジ収容部10の主軸Oに対し、鋭角方向を向いて配置されている。
この構成によれば、ユーザが吸口部11を咥えたままで、入力デバイス15を操作し易くなる。
【0239】
本実施形態のエアロゾル生成装置は、先に記載の本体ユニット2と、エアロゾル源を収容すると共に、本体ユニット2のカートリッジ収容部10に対し挿抜可能に挿入されたカートリッジ3と、を備える。
この構成によれば、入力デバイス15の誤作動を防止できる本体ユニット2を備えるため、装置の安全性を高めることができる。
【0240】
本実施形態の吸引器1は、先に記載のエアロゾル生成装置と、エアロゾル生成装置の吸口部11に装着された香味源容器4と、を備える。
この構成によれば、エアロゾルに香味を添加することができる。
【0241】
また、本実施形態では、次のような作用効果も得られる。
【0242】
上述した本実施形態の本体ユニット2は、カートリッジ3を収容するカートリッジ収容部10と、カートリッジ収容部10の外側の少なくとも一部を囲う外装ケース12と、外装ケース12に収容されたホルダー30と、を備え、ホルダー30は、外装ケース12の内部に設けられた部品の少なくとも一つを保持するメインプレート41と、メインプレート41と一体で形成され、カートリッジ収容部10の端部を受ける受け部43と、を有する。
この構成によれば、ホルダー30に外装ケース12の内部の部品とカートリッジ収容部10の両方が組み付けられるので、組み込みが容易になる。
【0243】
また、本実施形態においては、受け部43には、カートリッジ収容部10の内部に突電極50を挿入するための挿入孔43cが形成されている。
この構成によれば、カートリッジ収容部10の内部に、容易に突電極50を配置できる。
【0244】
また、本実施形態においては、受け部43は、メインプレート41の短手方向(Y軸方向)の端部において、メインプレート41の長手方向(Z軸方向)に沿って平行に延びる有底筒状に形成されている。
この構成によれば、メインプレート41とカートリッジ収容部10が長手方向に平行に配置されるので、本体ユニット2の全長を短くできる。
【0245】
また、本実施形態においては、ホルダー30は、メインプレート41の端部からメインプレート41の板面に交差する方向に延びると共に、外装ケース12の外面に沿って設けられた部品の少なくとも一つを保持するサブプレート42を有する。
この構成によれば、ホルダー30の剛性を高めることができる。
【0246】
また、本実施形態においては、サブプレート42は、メインプレート41の板面に直交する方向の少なくとも一方側に延びている。
この構成によれば、ホルダー30の断面が少なくともL字になり、ホルダー30の剛性を高めることができる。
【0247】
また、本実施形態においては、サブプレート42は、メインプレート41の板面に直交する方向において両側に延びている。
この構成によれば、ホルダー30の断面がT字になり、ホルダー30の剛性を高めることができる。
【0248】
また、本実施形態においては、ホルダー30は、サブプレート42として、メインプレート41の端部の第1端辺41h1に設けられた第1サブプレート42Aと、メインプレート41の端部の第1端辺41h1に隣接する第2端辺41h2に設けられた第2サブプレート42Bと、を有し、第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bとが、互いに接続されている。
この構成によれば、第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bとが接続されているので、ホルダー30の剛性を高めることができる。
【0249】
また、本実施形態においては、第1サブプレート42Aと第2サブプレート42Bとが、鈍角で接続されている。
この構成によれば、外装ケース12が丸みを帯びたコーナー部12Cや斜めになったコーナー部12Cを有する場合であっても、そのコーナー部12Cに部品を配置し易くなる。
【0250】
また、本実施形態においては、サブプレート42には、表示デバイス33が保持されている。
この構成によれば、サブプレート42に表示デバイス33を保持させることで、省スペース化できる。
【0251】
また、本実施形態においては、サブプレート42には、入力デバイス15が保持されている。
この構成によれば、サブプレート42に入力デバイス15を保持させることで、省スペース化できる。
【0252】
また、本実施形態においては、メインプレート41は、第1部品を保持する第1板面41aと、第1板面41aと反対側で、第1部品と異なる第2部品を保持する第2板面41bと、を有する。
この構成によれば、メインプレート41の表と裏に部品が保持されるので、省スペース化できる。
【0253】
また、本実施形態においては、第1部品及び第2部品のいずれか一方は、電源37であり、第1部品及び第2部品の他方は、電源37と電気的に接続された電子部品である。
この構成によれば、メインプレート41の表と裏に電源37と電子部品を別々に保持することで、電源37の大容量化と、電子部品の設置スペースの確保を両立できる。
【0254】
本実施形態のエアロゾル生成装置は、先に記載の本体ユニット2と、エアロゾル源を収容すると共に、本体ユニット2のカートリッジ収容部10に対し挿抜可能に挿入されたカートリッジ3と、を備える。
この構成によれば、ホルダー30に様々な部品が組み込まれた本体ユニット2を備えるため、装置の生産性を高めることができる。
【0255】
本実施形態の吸引器1は、先に記載のエアロゾル生成装置と、エアロゾル生成装置の吸口部11に装着された香味源容器4と、を備える。
この構成によれば、エアロゾルに香味を添加することができる。
【0256】
また、本実施形態では、次のような作用効果も得られる。
【0257】
上述した本実施形態の本体ユニット2は、カートリッジ3を収容するカートリッジ収容部10と、カートリッジ収容部10の外側の少なくとも一部を囲う外装ケース12と、を備え、外装ケース12は、窓部16が設けられた本体ケース13を含み、窓部16以外の場所からカートリッジ収容部10の内部を照らす光源52を備える。
この構成によれば、外光を取り入れる貫通窓が無くても液残量が確認できる。
なお、「窓部」には、カバー部材17がない単なる開口部13aが含まれる。
【0258】
また、本実施形態においては、光源52とカートリッジ収容部10との間に、導光部材を備える。
この構成によれば、カートリッジ収容部10の内部を明るく照らすことができる。
【0259】
また、本実施形態においては、ユーザの吸引を検知するセンサ34と、センサ34を保持するセンサホルダー35と、を備え、センサホルダー35が、導光部材を兼ねる。
この構成によれば、センサホルダー35が導光部材も兼ねているため、部品点数を減らし、省スペース化を図れる。
【0260】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10は、カートリッジ挿抜口10aを有し、光源52は、カートリッジ挿抜口10aの中心を通るカートリッジ収容部10の主軸方向において、カートリッジ挿抜口10aと反対側に配置されている。
この構成によれば、カートリッジ収容部10の底部(反カートリッジ挿抜口側)を照らすことができ、液残量を確認し易くなる。
【0261】
また、本実施形態においては、光源52は、窓部16と少なくとも一部と重なって配置されている。
この構成によれば、光源52と窓部16が少なくとも一部重なっているので、液残量を確認し易くなる。
【0262】
また、本実施形態においては、窓部16は、本体ケース13に設けられた開口部13aと、開口部13aを覆うカバー部材17と、で形成されている。
この構成によれば、カバー部材17によって、カートリッジ収容部10の内部に異物が侵入しないようにすることができる。
【0263】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10は、周面に貫通孔10cが形成された筒状部材であり、カバー部材17は、貫通孔10cに挿入されるカートリッジ収容部側突起17Cを有する。
この構成によれば、カートリッジ収容部10とカバー部材17(窓部16)との位置ずれを防止することができる。
【0264】
また、本実施形態においては、カバー部材17は、本体ケース13の開口部13aに挿入される本体ケース側突起17Aを有する。
この構成によれば、カバー部材17が、本体ケース13に対するカートリッジ収容部10の抜け止めとなる。
【0265】
本実施形態のエアロゾル生成装置は、先に記載の本体ユニット2と、エアロゾル源を収容すると共に、本体ユニット2のカートリッジ収容部10に対し挿抜可能に挿入されたカートリッジ3と、を備える。
この構成によれば、カートリッジ収容部10の内部を照らすことができる本体ユニット2を備えるため、液残量が容易に確認できる。
【0266】
本実施形態の吸引器1は、先に記載のエアロゾル生成装置と、エアロゾル生成装置の吸口部11に装着された香味源容器4と、を備える。
この構成によれば、エアロゾルに香味を添加することができる。
【0267】
また、本実施形態では、次のような作用効果も得られる。
【0268】
上述した本実施形態の本体ユニット2は、カートリッジ3を収容するカートリッジ収容部10と、カートリッジ収容部10の外側の少なくとも一部を囲う外装ケース12と、を備え、外装ケース12は、開口部13aが形成された本体ケース13と、開口部13aに設けられたカバー部材17と、を備え、カバー部材17と開口部13aとの間隙に空気インレット18が形成され、カバー部材17と本体ケース13とが重なる箇所に、空気インレット18とカートリッジ収容部10の内部とを流体連通させる空気孔19が形成されている。
この構成によれば、空気孔19が指で塞がれ、パフ(吸引)が困難になることを防止できる。
なお、カバー部材17、が本体ケース13の外側に配置されて重なっていても構わない。この場合、本体ケース13側に空気孔19が形成される。
【0269】
また、本実施形態においては、空気インレット18は、本体ケース13の開口部13aの開口縁に沿って環状に形成されている。
この構成によれば、空気インレット18の全部が指で塞がれ難くなり、例え空気インレット18の一部が指で塞がれてもパフが可能となる。
【0270】
また、本実施形態においては、空気インレット18は、本体ケース13の開口部13aの開口縁に沿ってスリット状に形成されている。
この構成によれば、空気インレット18の全部が指で塞がれ難くなり、例え空気インレット18の一部が指で塞がれてもパフが可能となる。
【0271】
また、本実施形態においては、本体ケース13及びカバー部材17の少なくともいずれか一方に、空気インレット18と空気孔19との間を接続する空気溝70が形成されている。
この構成によれば、空気インレット18と空気孔19との間の流体抵抗を低くし、パフを容易にすることができる。
【0272】
また、本実施形態においては、カバー部材17は、本体ケース13の開口部13aに挿入される本体ケース側突起17Aと、本体ケース側突起17Aを支持すると共に、本体ケース13の内側に重なる板部17Bと、を有し、空気溝70は、板部17Bにおける本体ケース側突起17Aの周囲に環状に形成された環状溝部71を有する。
この構成によれば、本体ケース側突起17Aの全周から空気を空気孔19に導くことができる。また、本体ケース側突起17Aによって、本体ケース13とカバー部材17との位置ずれを防止することができる。
【0273】
また、本実施形態においては、空気溝70は、環状溝部71と接続され、環状溝部71よりも低い底面を有する段差溝部72を有し、空気孔19は、段差溝部72に形成されている。
この構成によれば、空気孔19が段差溝部72に形成されているため、環状溝部71よりも本体ケース13に対する空間を広くあけることができ、空気孔19に空気が入り易くすることができる。
【0274】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10は、筒状部材であり、筒状部材の周面を貫通し、空気孔19と連通する空気連通孔10eが形成されている。
この構成によれば、空気孔19から空気連通孔10eを介し、カートリッジ収容部10の内部に直接的に空気を取り込むことができ、吸気流路を短くし、パフを容易にすることができる。
【0275】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10の周面には、空気連通孔10eと異なる位置に、貫通孔10cが形成され、カバー部材17は、貫通孔10cに挿入されるカートリッジ収容部側突起17Cを有する。
この構成によれば、カートリッジ収容部10とカバー部材17との位置ずれを防止することができる。
【0276】
また、本実施形態においては、カバー部材17は、透光性を有する。
この構成によれば、カバー部材17(窓部16)を介して、カートリッジ収容部10の内部の液残量等を確認できる。
【0277】
本実施形態のエアロゾル生成装置は、先に記載の本体ユニット2と、エアロゾル源を収容すると共に、本体ユニット2のカートリッジ収容部10に対し挿抜可能に挿入されたカートリッジ3と、を備える。
この構成によれば、空気孔19が指で塞がれることを防止できる本体ユニット2を備えるため、パフ(吸引)が困難になることを防止できる。
【0278】
本実施形態の吸引器1は、先に記載のエアロゾル生成装置と、エアロゾル生成装置の吸口部11に装着された香味源容器4と、を備える。
この構成によれば、エアロゾルに香味を添加することができる。
【0279】
また、本実施形態では、次のような作用効果も得られる。
【0280】
上述した本実施形態の本体ユニット2は、カートリッジ3を収容するカートリッジ収容部10と、カートリッジ収容部10の外側の少なくとも一部を囲う外装ケース12と、カートリッジ収容部10の周辺に配置され、外装ケース12に係止し、少なくとも外装ケース12から抜出する抜出方向のカートリッジ収容部10の移動を制限する移動制限部材(カバー部材17、センサホルダー35)と、を備える。
この構成によれば、カートリッジ収容部10の周辺に配置された部材を利用して、外装ケース12からのカートリッジ収容部10の抜出を防止できる。カートリッジ収容部10にねじなどの固定具を要しないので小型化できる。
【0281】
また、本実施形態においては、外装ケース12は、開口部13aが形成された本体ケース13を有し、移動制限部材は、開口部13aに挿入された本体ケース側突起17Aを有する。
この構成によれば、本体ケース13に形成された開口部13aに、移動制限部材の本体ケース側突起17Aが挿入されることで、外装ケース12からのカートリッジ収容部10の抜出を防止できる。
【0282】
また、本実施形態においては、移動制限部材として、透光性を有し、開口部13aを覆うカバー部材17を備える。
この構成によれば、移動制限部材が液残量等を確認するカバー部材17(窓部16)も兼ねているため、部品点数を減らし、省スペース化を図れる。
【0283】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10は、周面に貫通孔10cが形成された筒状部材であり、移動制限部材は、貫通孔10cに挿入されるカートリッジ収容部側突起17Cを有する。
この構成によれば、カートリッジ収容部10に形成された貫通孔10cに、移動制限部材のカートリッジ収容部側突起17Cが挿入されることで、外装ケース12からのカートリッジ収容部10の抜出を防止できる。
【0284】
また、本実施形態においては、外装ケース12に固定されたホルダー30を備え、ホルダー30には、切欠部42dが形成されており、移動制限部材は、切欠部42dに係止されるホルダー側突起35Bを有する。
この構成によれば、ホルダー30に形成された切欠部42dに、移動制限部材のホルダー側突起35Bが挿入されることで、外装ケース12からのカートリッジ収容部10の抜出を防止できる。
【0285】
また、本実施形態においては、ユーザの吸引を検知するセンサ34と、センサ34を保持するセンサホルダー35と、を備え、移動制限部材として、センサホルダー35を備える。
この構成によれば、移動制限部材がユーザの吸引を検知するセンサ34を保持するセンサホルダー35も兼ねているため、部品点数を減らし、省スペース化を図れる。
【0286】
また、本実施形態においては、移動制限部材は、カートリッジ収容部10と外装ケース12との間に介在する板部17Bを有し、板部17Bは、カートリッジ収容部10の抜出方向に向かうに従って、厚みが減少している。
この構成によれば、移動制限部材の板部17Bが楔となって、外装ケース12からのカートリッジ収容部10の抜出を防止できる。
【0287】
また、本実施形態においては、外装ケース12側には、カートリッジ収容部10の反抜出方向側の端部を受ける受け部43が設けられ、カートリッジ収容部10の端部及び受け部43のいずれか一方に設けられ、他方に向かって突出した係合突部43iと、カートリッジ収容部10の端部及び受け部43の他方に設けられ、係合突部43iが挿入されることでカートリッジ収容部10の回転を規制する係合溝部10bと、を備える。
この構成によれば、外装ケース12に対するカートリッジ収容部10の周方向の位置決めが容易になる。
【0288】
本実施形態のエアロゾル生成装置は、先に記載の本体ユニット2と、エアロゾル源を収容すると共に、本体ユニット2のカートリッジ収容部10に対し挿抜可能に挿入されたカートリッジ3と、を備える。
この構成によれば、ねじなどの固定具を要しないで外装ケース12からのカートリッジ収容部10の抜出を防止できる本体ユニット2を備えるため、装置全体を小型化できる。
【0289】
本実施形態の吸引器1は、先に記載のエアロゾル生成装置と、エアロゾル生成装置の吸口部11に装着された香味源容器4と、を備える。
この構成によれば、エアロゾルに香味を添加することができる。
【0290】
また、本実施形態では、次のような作用効果も得られる。
【0291】
上述した本実施形態の本体ユニット2は、カートリッジを収容するカートリッジ収容部10と、カートリッジ収容部10の外側の少なくとも一部を囲う外装ケース12と、外装ケース12に収容され、ユーザの吸引を検知するセンサ34と、外装ケース12に収容され、センサ34を保持するセンサホルダー35と、を備え、センサホルダー35は、カートリッジ収容部10の周面に沿った形状を有し、カートリッジ収容部10の周面に気密に接している。
この構成によれば、センサホルダー35がカートリッジ収容部10の周面に沿って配置できるため、省スペースで、センサ34及びセンサホルダー35を組み込むことができる。これにより、センサホルダー35以外にセンサ34の空気流路80を別途設けなくて済み、また空気流路80自体も短くて済む。
【0292】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10は、周面に貫通孔10dが形成された筒状部材であり、センサホルダー35は、貫通孔10dに挿入されるカートリッジ収容部側突起35Dを有する。
この構成によれば、カートリッジ収容部10とセンサホルダー35との位置ずれを防止することができる。
【0293】
また、本実施形態においては、センサホルダー35は、カートリッジ収容部10と反対側にホルダー側突起35B(反カートリッジ収容部側突起)を有し、ホルダー側突起35Bに、カートリッジ収容部10の内部とセンサ34との間を接続する空気流路80が形成されている。
この構成によれば、センサ34までの空気流路80を短くすることができる。
【0294】
また、本実施形態においては、センサホルダー35は、空気流路80にセンサ34を保持する保持部35Cを有する。
この構成によれば、センサ34を空気流路80に保持して、空気流路80を短くすることができる。
【0295】
また、本実施形態においては、センサホルダー35は、接着部材(接着シート48)を介して、カートリッジ収容部10の周面に気密に接着されている。
この構成によれば、センサホルダー35とカートリッジ収容部10との密着性が高まる。
【0296】
また、本実施形態においては、センサホルダー35は、カートリッジ収容部10の周面に沿って湾曲した湾曲板部35Aを有する。
この構成によれば、センサホルダー35をカートリッジ収容部10の周辺の狭小な隙間に配置し易くなる。
【0297】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10の内部を照らす光源52を備え、センサホルダー35が、光源52の光をカートリッジ収容部10の内部に導く導光部材を兼ねる。
この構成によれば、センサホルダー35が導光部材も兼ねているため、部品点数を減らし、省スペース化を図れる。
【0298】
また、本実施形態においては、センサホルダー35は、ポリカーボネート樹脂から形成されている。
この構成によれば、導光部材を兼ねるセンサホルダー35に適当な硬さと良好な導光性を付加することができる。
【0299】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10の内部とセンサ34との間の空間を仕切る防水通気性部材81を備える。
この構成によれば、センサ34への液漏れ対策ができる。
【0300】
本実施形態のエアロゾル生成装置は、先に記載の本体ユニット2と、エアロゾル源を収容すると共に、本体ユニット2のカートリッジ収容部10に対し挿抜可能に挿入されたカートリッジ3と、を備える。
この構成によれば、省スペースで、センサ34及びセンサホルダー35を組み込むことができる本体ユニット2を備えるため、装置を小型化できる。
【0301】
本実施形態の吸引器1は、先に記載のエアロゾル生成装置と、エアロゾル生成装置の吸口部11に装着された香味源容器4と、を備える。
この構成によれば、エアロゾルに香味を添加することができる。
【0302】
また、本実施形態では、次のような作用効果も得られる。
【0303】
上述した本実施形態の本体ユニット2は、カートリッジを収容するカートリッジ収容部10と、カートリッジ収容部10の外側の少なくとも一部を囲う外装ケース12と、外装ケース12に収容されたメイン基板31と、を備え、メイン基板31に、カートリッジ収容部10の内部に形成されたカートリッジ収容室に挿入される突電極50が設けられている。
この構成によれば、突電極50がメイン基板31に直付けされるので、突電極50のためにサブ基板を別途用意する必要がなくなり、外装ケース12内部の省スペース化を図れる。
【0304】
また、本実施形態においては、メイン基板31に、突電極50が設けられている部分を覆う突電極カバー51を有する。
この構成によれば、メイン基板31と突電極50との接続部分を保護できる。
【0305】
また、本実施形態においては、突電極50が設けられている部分には、メイン基板31上に配置され、突電極50を支持する台座部50Aが含まれる。
この構成によれば、突電極カバー51が突電極50を支持する台座部50Aを含めて保護できる。
【0306】
また、本実施形態においては、突電極カバー51は、カートリッジ収容部10を保持して突電極50が挿入される挿入孔43cが形成されたホルダー30に当接している。
この構成によれば、突電極カバー51とホルダー30が当接することで、カートリッジ収容部10からの予期せぬ液漏れを阻止することができる。
【0307】
また、本実施形態においては、突電極カバー51に、突電極50が貫通して配置される貫通孔51cが形成されている。
この構成によれば、突電極50を通す必要がある場所以外は突電極カバー51によって覆われるので、カートリッジ収容部10からの予期せぬ液漏れを阻止することができる。
【0308】
また、本実施形態においては、突電極カバー51は、突電極50と共に、メイン基板31に設けられている。
この構成によれば、突電極50と突電極カバー51がメイン基板31に組み付けられているので、本体ユニット2の組み立てが容易になる。
【0309】
また、本実施形態においては、突電極カバー51は、外装ケース12に対し非接触状態で組み込まれている。
この構成によれば、外装ケース12の装着時などに、突電極カバー51が外装ケース12に接触して変形したり、位置ずれしてしまうことを防止できる。
【0310】
また、本実施形態においては、突電極カバー51は、シリコーン樹脂から形成されている。
この構成によれば、突電極カバー51の密着性を高め、液漏れをより確実に阻止できる。
【0311】
また、本実施形態においては、突電極50は、メイン基板31の板面と平行に延びている。
この構成によれば、メイン基板31の板面に対して垂直に突電極50が延びている形態よりも、本体ユニット2の厚みを薄くでき、省スペース化を図れる。
【0312】
また、本実施形態においては、メイン基板31は、カートリッジ収容部10に沿って延びる第1部分31Aと、第1部分31Aと交差する方向に延び、カートリッジ収容部10の端部と対向する第2部分31Bと、を有し、第2部分31Bに、突電極50が設けられている。
この構成によれば、カートリッジ収容部10に沿ってメイン基板31の第1部分31Aが配置されるので、本体ユニット2の全長を短くでき、また、第1部分31Aから第2部分31Bを延ばし突電極50を直付けすることで、カートリッジ収容部10の端部に突電極50を配置し易くなる。
【0313】
本実施形態のエアロゾル生成装置は、先に記載の本体ユニット2と、エアロゾル源を収容すると共に、本体ユニット2のカートリッジ収容部10に対し挿抜可能に挿入されたカートリッジ3と、を備える。
この構成によれば、部品を省スペースで組み込んだ本体ユニット2を備えるため、装置全体として小型化を図ることができる。
【0314】
本実施形態の吸引器1は、先に記載のエアロゾル生成装置と、エアロゾル生成装置の吸口部11に装着された香味源容器4と、を備える。
この構成によれば、エアロゾルに香味を添加することができる。
【0315】
また、本実施形態では、次のような作用効果も得られる。
【0316】
上述した本実施形態の本体ユニット2は、第1主面部12A1と、第1主面部12A1に対向する第2主面部12A2と、を有する外装ケース12と、外装ケース12に収容された収容部品(ホルダー30)と、を備え、外装ケース12は、第1主面部12A1と、第1主面部12A1の周縁に設けられた第1周壁部12B1と、を有する第1ケース13Aと、第2主面部12A2と、第2主面部12A2の周縁に設けられた第2周壁部12B2と、を有する第2ケース13Bと、を備え、第1周壁部12B1と第2周壁部12B2とを接続する第1接続部91と、第1主面部12A1と第2主面部12A2のいずれか一方の対向面13a1に、収容部品を接続する第2接続部92と、第1主面部12A1と第2主面部12A2の他方の対向面13b1に、同一の収容部品を接続する第3接続部93と、を有する。
この構成によれば、外装ケース12の内側で第1主面部12A1と第2主面部12A2とが接続されているため、ユーザによる分解を防ぐことができる。また、外装ケース12の内側で第1主面部12A1と第2主面部12A2とが接続されているため、外装ケース12の外側の第1周壁部12B1及び第2周壁部12B2における強接続が不要となり、第1周壁部12B1及び第2周壁部12B2における厚みを小さくすることができる。
なお、「収容部品」は、ホルダー30に限らず、少なくとも一部が外装ケース12に収容されている部品であればよい。
【0317】
また、本実施形態においては、第1接続部91の接続方式は、爪嵌合を含む。
この構成によれば、外装ケース12の外側が爪嵌合で接続されるため、外装ケース12の仮止め等が可能となり、その後の組み立て工程が容易になる。また、爪嵌合であれば、道具を用いず反復的(可逆的)且つ容易に外装ケース12を組み立てることができる。
【0318】
また、本実施形態においては、第2接続部92及び第3接続部93の少なくともいずれか一方の接続方式は、溶着を含む。
この構成によれば、外装ケース12の内側が溶着によって永続的(非可逆的)に接続されるため、ユーザによる分解を防ぐことができる。仮に、外装ケース12を分解しても、非可逆的接続であるため、ユーザによる再組み立ては困難になる。
【0319】
また、本実施形態においては、第2接続部92及び第3接続部93の他方の接続方式は、ねじ止めを含む。
この構成によれば、収容部品がねじ止めで反復的(可逆的)に外装ケース12に取り付けられるため、組み立てが容易になる。
【0320】
また、本実施形態においては、第1接続部91、第2接続部92、第3接続部93の少なくとも一つは、接続方式の数が異なっている。
この構成によれば、外装ケース12の3つの接続部の接続方式が同一でないため、ユーザによる分解が困難になる。また、仮に外装ケース12を分解しても、外装ケース12の3つの接続部の接続方式が同一でないため、ユーザによる再組み立ては困難になる。
【0321】
また、本実施形態においては、収容部品は、外装ケース12の内部に設けられた部品の少なくとも一部を保持するホルダー30を含む。
この構成によれば、ホルダー30を利用して、外装ケース12の内側で第1主面部12A1と第2主面部12A2とを接続できるため、外装ケース12内部の省スペース化を図れる。
【0322】
また、本実施形態においては、ホルダー30は、メインプレート41と、メインプレート41の板面に交差する方向に延びるメインプレート交差部(第1リブ42C、第2リブ42D、受け部43)と、を有する。
この構成によれば、ホルダー30の部品保持機能を阻害せずに、ホルダー30の剛性を高めつつ、メインプレート交差部を介して第1主面部12A1と第2主面部12A2とを接続できる。
【0323】
また、本実施形態においては、メインプレート交差部は、メインプレート41の板面に直交する方向の少なくとも一方側に延びていてもよい。
この構成によれば、ホルダー30の断面が少なくともL字になり、ホルダー30の剛性を高めることができる。
【0324】
また、本実施形態においては、第1主面部12A1と第2主面部12A2の少なくともいずれか一方の対向面13a1,13b1には、メインプレート交差部が接続されるケース側突起部13G,13Jが形成されている。
この構成によれば、メインプレート交差部を第1主面部12A1と第2主面部12A2のいずれか一方の対向面13a1,13b1まで長く延ばさなくても良くなるため、メインプレート交差部の変形を抑制することができる。
【0325】
本実施形態のエアロゾル生成装置は、先に記載の本体ユニット2と、エアロゾル源を収容すると共に、本体ユニット2のカートリッジ収容部10に対し挿抜可能に挿入されたカートリッジ3と、を備える。
この構成によれば、ユーザによる分解を防ぐことができる本体ユニット2を備えるため、装置全体として安全性を向上できる。
【0326】
本実施形態の吸引器1は、先に記載のエアロゾル生成装置と、エアロゾル生成装置の吸口部11に装着された香味源容器4と、を備える。
この構成によれば、エアロゾルに香味を添加することができる。
【0327】
また、本実施形態では、次のような作用効果も得られる。
【0328】
上述した本実施形態の本体ユニット2は、カートリッジ3を収容するカートリッジ収容部10を備え、カートリッジ収容部10は、本体ユニット2の外装ケース12から突出したカートリッジ挿抜口10aを有する。
この構成によれば、カートリッジを挿抜する場所が視認し易いため、上下が分かりやすく、カートリッジの挿抜が容易になる。
【0329】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10は、カートリッジ挿抜口10aに吸口部11を接続するための吸口接続部10Bを有し、吸口接続部10Bの少なくとも一部が、外装ケース12から突出している。
この構成によれば、吸口部11を接続する場所が視認し易いため、カートリッジ収容部10に対する吸口部11の接続が容易になる。
【0330】
また、本実施形態においては、外装ケース12は、隆起部12Dを有し、カートリッジ収容部10は、隆起部12Dの変形過渡部分12D1から突出している。
この構成によれば、カートリッジ収容部10に、外装ケース12から大きく露出する部分と、小さく露出する部分が形成される。カートリッジ収容部10の大きく露出する部分において視認性を確保しつつ、小さく露出する部分でカートリッジ収容部10を保護する面積を確保することができる。また、外装ケース12の縁と、カートリッジ収容部10の周面との接触長が長くなるため、両者を接着する際には、接続強度を確保し易くなる。
【0331】
また、本実施形態においては、カートリッジ挿抜口10aは、カートリッジ収容部10が延びる主軸方向において、隆起部12Dの頂部P以下の位置に配置されている。
この構成によれば、落下や衝突などの際に、外装ケース12の隆起部12Dがカートリッジ挿抜口10aよりも先に外部と接触し、カートリッジ挿抜口10aの変形を防止することができる。
【0332】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10が突出した隆起部12Dの変形過渡部分12D1と逆側の変形過渡部分12D2に、入力デバイス15が配置され、入力デバイス15は、カートリッジ収容部10が延びる主軸方向において、隆起部12Dの頂部P以下の位置に配置されている。
この構成によれば、落下や衝突などの際に、外装ケース12の隆起部12Dが入力デバイス15よりも先に外部と接触し、入力デバイス15の誤作動を防止することができる。
【0333】
また、本実施形態においては、入力デバイス15は、カートリッジ挿抜口10aの中心を通るカートリッジ収容部10の主軸Oに対し、鋭角方向を向いて配置されている。
この構成によれば、ユーザが吸口部11を咥えたままで、入力デバイス15を操作し易くなる。
【0334】
また、本実施形態においては、外装ケース12に収容されたホルダー30を備え、ホルダー30は、外装ケース12の内部に設けられた部品の少なくとも一つを保持するメインプレート41と、メインプレート41と一体で形成され、カートリッジ収容部10の端部を受ける受け部43と、を有する。
この構成によれば、ホルダー30に外装ケース12の内部の部品とカートリッジ収容部10の両方が組み付けられるので、組み込みが容易になる。
【0335】
また、本実施形態においては、受け部43には、カートリッジ収容部10の内部に突電極50を挿入するための挿入孔43cが形成されている。
この構成によれば、カートリッジ収容部10の内部に、容易に突電極50を配置できる。
【0336】
また、本実施形態においては、受け部43は、メインプレート41の短手方向の端部において、メインプレート41の長手方向に沿って平行に延びる有底筒状に形成されている。
この構成によれば、メインプレート41とカートリッジ収容部10が長手方向に平行に配置されるので、本体ユニット2の全長を短くできる。
【0337】
また、本実施形態においては、ホルダー30は、メインプレート41の端部からメインプレート41の板面に交差する方向に延びると共に、外装ケース12の外面に沿って設けられた部品の少なくとも一つを保持するサブプレート42を有する。
この構成によれば、ホルダー30の剛性を高め、省スペース化できる。
【0338】
本実施形態のエアロゾル生成装置は、先に記載の本体ユニット2と、エアロゾル源を収容すると共に、本体ユニット2のカートリッジ収容部10に対し挿抜可能に挿入されたカートリッジ3と、を備える。
この構成によれば、カートリッジを挿抜する場所が視認し易い本体ユニット2を備えるため、使いやすい。
【0339】
本実施形態の吸引器1は、先に記載のエアロゾル生成装置と、エアロゾル生成装置の吸口部11に装着された香味源容器4と、を備える。
この構成によれば、エアロゾルに香味を添加することができる。
【0340】
また、本実施形態では、次のような作用効果も得られる。
【0341】
上述した本実施形態のエアロゾル生成装置は、エアロゾル源を収容する筒状のカートリッジ3と、カートリッジ3を収容する筒状のカートリッジ収容部10と、カートリッジ3をカートリッジ収容部10に対して位置決めする位置決め機構90と、を有し、位置決め機構90は、カートリッジ3及びカートリッジ収容部10のいずれか一方(カートリッジ収容部10)に設けられ、他方(カートリッジ3)に向かってカートリッジ収容部10の主軸Oが延びる主軸方向に突出すると共に、主軸O回りの周方向における幅が、他方に向かうに従って小さくなる係合突部43hと、カートリッジ3及びカートリッジ収容部10の他方に設けられ、係合突部43hが主軸方向に挿入可能な係合溝部26iと、を備える。
この構成によれば、カートリッジ3の位置が決まる感じか滑らかになる。
なお、係合突部43hが、カートリッジ3側に設けられ、係合溝部26iが、カートリッジ収容部10側に設けられていても構わない。
【0342】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10の内径とカートリッジ3の外径との間で生じる隙間は、カートリッジ収容部10の内径の2.6%より大きい。
この構成によれば、カートリッジ収容部10とカートリッジ3とのクリアランスが大きくなり、係合突部43hを係合溝部26iに誘い込みやすくなる。
【0343】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10の内径とカートリッジの外径との間で生じる隙間は、カートリッジ収容部10の内径の7.0%より大きい。
この構成によれば、カートリッジ収容部10とカートリッジ3とのクリアランスがより大きくなり、係合突部43hを係合溝部26iにより誘い込みやすくなる。
【0344】
また、本実施形態においては、係合突部43h及び係合溝部26iは、主軸Oを中心とする同一半径上に複数形成されている。
この構成によれば、係合突部43hと係合溝部26iとの主軸O回りの相対回転により、係合突部43hが係合溝部26iに挿入される。
【0345】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10に係合し、エアロゾル源が霧化したエアロゾルを吸引する吸引口が形成された吸口部11を備える。
この構成によれば、カートリッジ3が収容されたカートリッジ収容部10からエアロゾルを吸引することができる。
【0346】
また、本実施形態においては、吸口部11は、カートリッジ収容部10に係合する途中で、カートリッジ3に当接するカートリッジ当接部60を有する。
この構成によれば、吸口部11がカートリッジ収容部10に対して係合する途中で、カートリッジ3の位置ずれを抑制することができる。
【0347】
また、本実施形態においては、カートリッジ当接部60は、吸口部11がカートリッジ収容部10に係合した状態で、カートリッジ3を主軸方向に押圧している。
この構成によれば、カートリッジ当接部60による押圧により、カートリッジ3の主軸方向における位置決めを行うことができる。
【0348】
また、本実施形態においては、カートリッジ当接部60は、弾性樹脂材料から形成されている。
この構成によれば、カートリッジ当接部60の弾性変形によって、周方向においてカートリッジ3を連れ回す摩擦力を発現させやすく、また、主軸方向においてカートリッジ3を押圧する押圧力を発現させやすくなる。
【0349】
また、本実施形態においては、カートリッジ当接部60のカートリッジ3に対向する対向面には、環状突起61が形成されている。
この構成によれば、環状突起61によって、カートリッジ3に対するカートリッジ当接部60の接触が平面接触でなくなるため、接触圧が増え、周方向における摩擦力及び主軸方向における押圧力がより発現し易くなる。
【0350】
また、本実施形態においては、カートリッジ収容部10の端部を着脱可能に受ける受け部43を有するホルダー30を備えている。
この構成によれば、カートリッジ収容部10が受け部43に対し着脱可能となり、組み立てやメンテナンスなどが容易になる。
【0351】
本実施形態の吸引器1は、先に記載のエアロゾル生成装置と、エアロゾル生成装置の吸口部11に装着された香味源容器4と、を備える。
この構成によれば、エアロゾルに香味を添加することができる。
【0352】
<その他の変形例>
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は上述した説明によって限定されることはなく、添付の請求の範囲によってのみ限定される。
【0353】
例えば、上述した実施形態では、燃焼を伴わずにエアロゾルを生成するエアロゾル生成装置の一例として、香味源容器4が着脱可能に構成された吸引器1を例に挙げて説明したが、この構成のみに限られない。エアロゾル生成装置の他の例として、電子たばこのように香味源容器4を有さない構成(香味源を収容しないマウスピースのみの構成)としてもよい。この場合には、香味が含まれたエアロゾル源をカートリッジ3内に収容し、エアロゾル生成装置によって香味が含まれたエアロゾルを生成する。
すなわち、上述した実施形態において、香味源容器4を備えず、本体ユニット2と、カートリッジ3と、を備えるものを、エアロゾル生成装置といってもよい。また、香味源容器4及びカートリッジ3を備えず、本体ユニット2のみを備えるものを、エアロゾル生成装置の本体ユニットといってもよい。
なお、エアロゾル源は、液体に限らず、固体であっても構わない。つまり、エアロゾル生成装置の本体ユニットは、固体エアロゾル源を収容する固体エアロゾル源収容部と、前記固体エアロゾル源収容部の外側の少なくとも一部を囲う外装ケースと、前記外装ケースに収容されたホルダーと、を備え、前記ホルダーは、前記外装ケースの内部に設けられた部品の少なくとも一つを保持するメインプレートと、前記メインプレートと一体で形成され、前記固体エアロゾル源収容部の端部を受ける受け部と、を有しても構わない。
【0354】
上述した実施形態では、本体ユニット2が吸口部11と分離可能である場合について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、電源37などがユニット化され、本体ユニット2に対して分離可能であっても構わない。また、吸口部11と香味源容器4が一体としてユニット化されていても構わない。
【0355】
上述した実施形態では、カートリッジ収容部10がカートリッジ3の周囲を取り囲む筒状に形成されている構成について説明したが、この構成のみに限られない。カートリッジ収容部10は、カートリッジ3を保持可能な構成であればよい。つまり、カートリッジ収容部10は、円筒状に限らず、三角筒状、四角筒状、その他の多角筒状、多角筒状以外の異形状であっても構わない。
【0356】
上述した実施形態では、外装ケース12が全体的に丸みを帯びた扁平の箱状に形成された構成について説明したが、この構成のみに限られない。外装ケース12の形状は、直方体やその他の多面体、多面体以外の立体であっても構わない。
【0357】
上述した実施形態では、入力デバイス15の押下により本体ユニット2が起動する構成について説明したが、入力デバイス15を有さないで、センサ34のパフ検知のみで(本体ユニット2が起動する構成であってもよい。
【0358】
上述した実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0359】
(付記1)
外装ケースと、
前記外装ケースの内部に設けられたホルダーと、を備え、
前記ホルダーは、
第1部品を保持する第1板面と、
前記第1板面と反対側で、前記第1部品と異なる第2部品を保持する第2板面と、を有する、エアロゾル生成装置の本体ユニット。
【0360】
(付記2)
一対の主壁部の間を接続する周壁部を有する外装ケースと、
前記周壁部に配置された入力デバイスと、を備え、
前記周壁部は、
前記一対の主壁部の外表面と面一な外表面部と、
前記外表面部に対して窪んだ凹部と、を有し、
前記入力デバイスが、前記凹部に配置されている、エアロゾル生成装置の本体ユニット。
【0361】
(付記3)
カートリッジを収容するカートリッジ収容部と、
前記カートリッジ収容部の少なくとも一部に設けられた窓部と、
前記窓部の少なくとも一部が露出し、前記カートリッジ収容部の少なくとも一部を囲うように設けられた外装ケースと、
前記外装ケースの内部に設けられ、前記カートリッジを照らす光源と、
を備えるエアロゾル生成装置の本体ユニット。
【0362】
(付記4)
カートリッジを収容するカートリッジ収容部と、
前記カートリッジ収容部の外側の少なくとも一部を囲う外装ケースと、を備え、
前記外装ケースの外面には、スリット状の空気インレットが形成され、
前記空気インレットは、前記カートリッジ収容部の内部と、蛇行した空気流路を介して連通している、エアロゾル生成装置の本体ユニット。
【0363】
(付記5)
カートリッジを収容するカートリッジ収容部と、
前記カートリッジ収容部の外側の少なくとも一部を囲うと共に、開口部が形成された外装ケースと、
前記開口部に嵌め込まれた嵌め込み部材と、を備え、
前記嵌め込み部材と前記開口部との間隙に空気インレットが形成され、
前記嵌め込み部材と前記外装ケースとが重なる箇所に、前記空気インレットと前記カートリッジ収容部の内部とを連通させる空気孔が形成されている、エアロゾル生成装置の本体ユニット。
【0364】
(付記6)
カートリッジを収容するカートリッジ収容部と、
前記カートリッジ収容部の外側の少なくとも一部を囲う外装ケースと、
前記外装ケースに嵌め込まれた嵌め込み部材と、を備え、
前記嵌め込み部材は、前記カートリッジ収容部に向かって突出した突起部を有し、
前記カートリッジ収容部は、前記突起部と係合する係合部を有する、エアロゾル生成装置の本体ユニット。
【0365】
(付記7)
外装ケースと、
前記外装ケースに少なくとも一部が囲まれたカートリッジ収容部と、
前記外装ケースの内部に収容されたホルダーと、
前記ホルダーに係止し、少なくとも前記外装ケースから抜出する抜出方向の前記カートリッジ収容部の移動を制限する移動制限部材と、を備える、エアロゾル生成装置の本体ユニット。
【0366】
(付記8)
カートリッジを収容するカートリッジ収容部と、
前記カートリッジ収容部の外側の少なくとも一部を囲う外装ケースと、
前記外装ケースに収容され、ユーザの吸引を検知するセンサと、
前記外装ケースに収容され、前記センサを保持するセンサホルダーと、を備え、
前記センサホルダーは、前記カートリッジ収容部の周面に沿って湾曲し、前記カートリッジ収容部の周面に密着している、エアロゾル生成装置の本体ユニット。
【0367】
(付記9)
カートリッジを挿抜するカートリッジ挿抜口が形成され、前記カートリッジを収容するカートリッジ収容部と、
部品を収容する外装ケースと、を備え、
前記カートリッジ挿抜口を含む前記カートリッジ収容部の一部が前記外装ケースから突出している、エアロゾル生成装置の本体ユニット。
【0368】
(付記10)
カートリッジを収容する筒状のカートリッジ収容部と、
前記カートリッジを前記カートリッジ収容部に対して位置決めする係合突部と、を有し、
前記係合突部は、前記カートリッジ収容部の径方向において、前記カートリッジ収容部の内周壁から前記カートリッジ収容部の内側に向かって、前記カートリッジ収容部の内径の2.6%より大きい寸法で延在している、エアロゾル生成装置の本体ユニット。
【0369】
(付記11)
カートリッジを収容する筒状のカートリッジ収容部と、
前記カートリッジを前記カートリッジ収容部に対して位置決めする係合突部と、を有し、
前記係合突部は、前記カートリッジ収容部の径方向において、前記カートリッジ収容部の内周壁から前記カートリッジ収容部の内側に向かって、前記カートリッジ収容部の内径の7.0%より大きい寸法で延在している、エアロゾル生成装置の本体ユニット。
【0370】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0371】
本発明は、エアロゾル生成装置の本体ユニット、エアロゾル生成装置、及び、非燃焼式吸引器に関し、アセンブリの容易化ができる。
【符号の説明】
【0372】
1…吸引器、2…本体ユニット、3…カートリッジ、4…香味源容器、10…カートリッジ収容部、10a…カートリッジ挿抜口、10A…インサートリング、10A1…一部、10b…係合溝部、10B…吸口接続部、10b1…第1溝部、10b2…第2溝部、10b3…第3溝部、10b4…嵌合孔、10c…貫通孔、10C…溝部、10c1…矩形溝、10C1…斜面、10d…貫通孔、10e…空気連通孔、10g…溝、10h…突起、11…吸口部、11A…吸口部本体、11a1…周壁、11a2…フランジ部、11a3…底壁、11a4…貫通孔、11B…筒体、11b1…突起部、12…外装ケース、12A…主面部、12A1…第1主面部、12A2…第2主面部、12B…周壁部、12b1…外表面、12B1…第1周壁部、12b2…凹部、12B2…第2周壁部、12C…コーナー部、12C1…第1コーナー部、12C2…第2コーナー部、12C3…第3コーナー部、12C4…第4コーナー部、12D…隆起部、12D1…変形過渡部分、12D2…変形過渡部分、13…本体ケース、13a…開口部、13A…第1ケース、13a1…対向面、13b…開口部、13B…第2ケース、13b1…対向面、13C…ボス部、13D…取付部、13d1…取付壁、13d2…切欠部、13E…嵌合爪、13F…嵌合爪、13G…ケース側突起部、13G1…ケース側突起部、13H…溝部、13I…嵌合爪、13J…ケース側突起部、13K…爪受け部、13L…溝部、14…ディスプレイカバー、14a…貫通孔、14b1…係合爪、14b2…係合爪、14c…側壁、14c1…挿入孔、15…入力デバイス、15a…スイッチボタン、15a1…ベース部、15a2…ボタン部、15a3…挿入孔、15b…スイッチ基板、15c…スイッチホルダー、15c1…内径側突起片、15c2…外径側突起片、16…窓部、17…カバー部材、17A…本体ケース側突起、17B…板部、17b1…ケース嵌合孔、17C…カートリッジ収容部側突起、17D…突起、18…空気インレット、19…空気孔、20…充電端子、21…タンク、21a…頂壁、21b…貫通孔、21c…流路管、21d…外周壁、21e…リブ、21f…係合孔、21g…液体収容室、22…ガスケット、22a…開口部、23…メッシュ体、24…霧化容器、24a…周壁、24b…嵌合部、24c…霧化室、24d…底壁、24e…開口部、25…加熱部、25a…ウィック、25b…電熱線、25i…係合溝部、26…ヒーターホルダー、26a…周壁、26b…係合片、26c…吸気孔、26d…底壁、26e…吸気孔、26f…隔離壁、26g…スリット、26h…平面電極、26i…係合溝部、27…容器本体、27a…周壁、27b…段差、27c…香味源収容室、27d…底壁、27e…微細孔、28…フィルター、30…ホルダー、30a…貫通孔、31…メイン基板、31a…第1板面、31A…第1部分、31b…第2板面、31B…第2部分、32…サブ基板、32a…接着シート、32b…開口部、32c…接続端子、33…表示デバイス、33a…表示デバイス本体、33b…表示デバイスホルダー、33c…クッション材、34…センサ、35…センサホルダー、35A…湾曲板部、35B…ホルダー側突起、35C…保持部、35D…カートリッジ収容部側突起、36…バイブレータ、36a…偏心錘、37…電源、41…メインプレート、41a…第1板面、41b…第2板面、41c…開口部、41d…基板支持片、41f…係合爪、41h1…第1端辺、41h2…第2端辺、42…サブプレート、42a…挟持片、42A…第1サブプレート、42a1…凸部、42a2…サブプレート延出部、42B…第2サブプレート、42b1…配線溝、42b2…基板保持片、42b3…サブプレート延出部、42C…第1リブ、42d…切欠部、42D…第2リブ、42d1…第1切欠部、42D1…分岐部、42d2…第2切欠部、42E…ケース嵌合部、42e1…第1嵌合孔、42e2…第2嵌合孔、42e3…被挟持片、43…受け部、43a…周壁、43b…底壁、43c…挿入孔、43d…環状壁、43e…基板支持片、43f…挟持片、43g…段差、43h…係合突部、43i…係合突部、43j…基板当接部、44…トレイ、45…略、45…接着シート、46…接着シート、47…接着シート、48…接着シート、50…突電極、50A…台座部、51…突電極カバー、51a…カバー端壁、51b…カバー周壁、51c…貫通孔、52…光源、60…カートリッジ当接部、60a…第1リング部、60b…円筒部、60c…第2リング部、61…環状突起、62…連通孔、70…空気溝、71…環状溝部、72…段差溝部、80…空気流路、81…防水通気性部材、90…機構、91…第1接続部、92…第2接続部、93…第3接続部、94…第4接続部、100…ホルダーユニット、D1…内径、D2…外径、D3…寸法、D-D…矢視、O…主軸、O1…対角線、P…頂部、S1…隙間、S2…隙間、T1…突出量、T2…差分、T3…たわみ量、θ…角度