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特許7413544チャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの構成方法および装置
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  • 特許-チャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの構成方法および装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】チャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの構成方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0456 20170101AFI20240105BHJP
   H04B 7/06 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
H04B7/0456 300
H04B7/06 956
H04B7/06 954
H04B7/06 958
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022540537
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-10
(86)【国際出願番号】 CN2020134269
(87)【国際公開番号】W WO2021135837
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-06-29
(31)【優先権主張番号】201911404709.7
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DATANG MOBILE COMMUNICATIONS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1/F, Building 1, No.5 Shangdi East Road, Haidian District,Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 正宣
(72)【発明者】
【氏名】高 秋彬
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲輝▼
【審査官】阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/080734(WO,A1)
【文献】特開2001-251233(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03337053(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/0456
H04B 7/06
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
IEEE 802.11
15
16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法であって、
ネットワーク側は、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、ビームフォーミングされたチャネル状態情報参考信号(CSI-RS)を端末に別々に送信するステップと、
前記ネットワーク側は、前記端末によって報告されたK0個のアンテナポートおよびビーム結合係数集合を受信するステップと、
前記端末に関しては、前記ネットワーク側は、CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定するステップとを含み、
前記アンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、
前記K0個のアンテナポートは、受信したCSI-RS選択基づいて前記端末によって選択され、また、前記ビーム結合係数集合は、前記K0個のアンテナポートで受信したCSI-RSに基づいて算出され、前記K0はゼロより大きい整数であることを特徴とするチャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法。
【請求項2】
ネットワーク側は、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、端末にビームフォーミングされたCSI-RSを送信する前、
前記ネットワーク側は、前記端末からサウンディング参考信号(SRS)を受信するステップと、
前記ネットワーク側は、前記SRSに基づき、対応するアップリンクチャネル状態情報を計算するステップと、
前記ネットワーク側は、前記アップリンクチャネル状態情報に基づき、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報を決定するステップと、
前記ネットワーク側は、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報に基づき、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを別々に計算するステップとをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のチャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法。
【請求項3】
前記ネットワーク側が、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報に基づき、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを別々に計算するステップは、
前記ネットワーク側は、前記アンテナポートそれぞれに対応する角度情報および前記アンテナポートそれぞれに対応する遅延情報を決定するステップと、
前記ネットワーク側は、空間領域ベースベクトルと周波数領域ベースベクトルのクロネッカー積に基づき、前記いずれかのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを計算するステップとを含み、
前記角度情報は、対応する前記空間領域ベースベクトルを用いた計算により得られ、前記遅延情報は、対応する前記周波数領域ベースベクトルを用いた計算により得られることを特徴とする請求項2に記載のチャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法。
【請求項4】
前記空間領域ベースベクトルおよび/または前記周波数領域ベースベクトルは、固有ベクトル、離散フーリエ変換(DFT)ベクトル、離散コサイン変換(DCT)ベクトル、多項係数およびKarhunen-Loeve変換(Karhunen-Loeve Transform, KLT)ベクトルのうちのいずれかで表されることを特徴とする請求項3に記載のチャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法。
【請求項5】
同じ送信層に関連付けられた異なるアンテナポートを介して前記ネットワーク側によってCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得され、
異なる送信層に関連付けられた異なるアンテナポートを介して前記ネットワーク側によってCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得され、
異なる偏波方向の異なるアンテナポートを介して前記ネットワーク側によってCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得されることを特徴とする請求項2-4のいずれか一項に記載のチャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法。
【請求項6】
端末は、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、ネットワーク側からビームフォーミングされたチャネル状態情報参考信号(CSI-RS)を受信するステップと、
前記端末は、各CSI-RS、選択K0個のアンテナポートおよび前記K0個のアンテナポートが受信したCSI-RSに基づき、前記K0個のアンテナポートに対応するビーム結合係数集合を計算するステップと、
前記端末は、前記ネットワーク側に前記K0個のアンテナポートおよび前記ビーム結合係数集合に関する情報を報告するステップとを含み、
前記K0個のアンテナポートおよび前記ビーム結合係数集合に関する情報は、前記ネットワーク側が、前記K0個のアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク伝送プリコーディングマトリックスを決定するように構成され、
前記アンテナポートでCSI-RSを受信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、
前記K0はゼロより大きい整数であることを特徴とするチャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法。
【請求項7】
前記端末は、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、ネットワーク側からビームフォーミングされた参考信号(CSI-RS)を受信する前に、
前記端末は、前記ネットワーク側にサウンディング参考信号(SRS)を送信し、
前記SRSは、前記ネットワーク側が前記SRSに基づいて対応するアップリンクチャネル状態情報を計算し、前記アップリンクチャネル状態情報に基づき、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報を別々に決定し、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報に基づき、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを計算するように構成されることを特徴とする請求項6に記載のチャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法。
【請求項8】
前記端末が各CSI-RSに基づき、選択K0個のアンテナポートを選択するステップは、
前記端末は、各CSI-RSの受信電力を計算し、最大受信電力のK0個のCSI-RSに対応するアンテナポートを選択し、または、
前記端末は、各CSI-RSに対応するアンテナポートのビーム結合係数を計算し、前記ビーム結合係数の最大電力のK0個のCSI-RSに対応するアンテナポートを選択し、
前記K0は、前記ネットワーク側によって構成されることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のチャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法。
【請求項9】
前記端末が、K0個のアンテナポートを選択し、前記K0個のアンテナポートに対応するビーム結合係数集合を計算するステップは、
前記端末は、前記K0個のアンテナポートを介してCSI-RSを受信し、前記K0個のアンテナポートそれぞれに対応するビーム結合係数を計算し、
前記端末は、取得された各ビーム結合係数集合としてネットワーク側に報告することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のチャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法。
【請求項10】
前記端末は、CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、対応するランクインジケータRIおよびチャネル品質インジケータCQIを計算し、前記RIおよび前記CQIをネットワーク側に報告することを特徴とする請求項9に記載のチャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法。
【請求項11】
ネットワーク側装置であって、
それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、ビームフォーミングされたチャネル状態情報参考信号(CSI-RS)を端末に送信するように構成された送信ユニットと、
前記端末によって報告されたK0個のアンテナポートおよびビーム結合係数集合に関する情報を受信するように構成された受信ユニットと、
前記端末に関しては、CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定するするように構成された処理ユニットとを含み、
アンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、前記それぞれのアンテナポートがCSI-RSを端末に別々に送信する際に使用されるビームは、独立しており、かつ異なり、
前記K0個のアンテナポートは、受信したCSI-RS選択基づいて前記端末によって選択され、また、前記ビーム結合係数集合は、前記K0個のアンテナポートで受信したCSI-RSに基づいて算出され、前記K0はゼロより大きい整数であることを特徴とするネットワーク側装置。
【請求項12】
それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、端末にビームフォーミングされたCSI-RSを送信する前、
前記受信ユニットは、前記端末からサウンディング参考信号(SRS)を受信し、
前記処理ユニットは、前記SRSに基づき、対応するアップリンクチャネル状態情報を計算し、前記アップリンクチャネル状態情報に基づき、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報を決定し、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報に基づき、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを別々に計算するステップとをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のネットワーク側装置。
【請求項13】
端末であって、
それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、ネットワーク側からビームフォーミングされたチャネル状態情報参考信号(CSI-RS)を受信するように構成された受信ユニットと、
各CSI-RSに基づき、K0個のアンテナポートを選択し、また、前記K0個のアンテナポートが受信したCSI-RSに基づき、前記K0個のアンテナポートに対応するビーム結合係数集合を計算するように構成された計算ユニットと、
前記ネットワーク側に前記K0個のアンテナポートおよび前記ビーム結合係数集合に関する情報を送信するように構成された送信ユニットとを含み、
前記アンテナポートでCSI-RSを受信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、
前記K0個のアンテナポートおよび前記ビーム結合係数集合に関する情報は、前記ネットワーク側が、前記K0個のアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定するように構成し、
前記K0はゼロより大きい整数であることを特徴とする端末。
【請求項14】
それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、ネットワーク側からビームフォーミングされた参考信号(CSI-RS)を受信する前に、
前記送信ユニットは、前記ネットワーク側にサウンディング参考信号(SRS)を送信し、
前記SRSは、前記ネットワーク側が前記SRSに基づいて対応するアップリンクチャネル状態情報を計算し、前記アップリンクチャネル状態情報に基づき、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報を別々に決定し、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報に基づき、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを計算するように構成されることを特徴とする請求項13に記載の端末。
【請求項15】
記憶媒体内の命令がプロセッサによって実行され、請求項1から5または請求項6から10のいずれか一項に記載の方法を実行する記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年12月30日に中国特許局に提出し、出願番号が201911404709.7であり、発明名称が「チャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの構成方法および装置」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
【0002】
本発明は、通信技術分野に関し、特にチャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
新しい無線(NR)システムでは、タイプIIコードブックの場合、Rel-15またはRel-16はそれぞれ、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルで角度情報の相反性を使用して、ポート選択コードブックと拡張ポート選択コードブックを定義する。(つまり、アップリンクチャネルの角度情報は、ダウンリンクチャネルの角度情報として機能することができる)。
【0004】
NR Rel-16では、拡張タイプIIコードブックが定義されており、ランク(Rank)=1~4をサポートできる。これは、ポート選択マトリックス(W1と記する)によるポート選択を実現し、Rel-16のタイプIIコードブックと同じモードでポート間の線形結合を実現する。各チャネル状態情報参考信号Channel State Information-Resource Signal,CSI-RS)ポートはビームフォーミングを受け、そのフォーミングされたビームは、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルの角度情報の相互関係によって決定できる。ここで、W1は、以下の通りで表される。
【数1】
【0005】
ここで、Xは、CSI-RSポートの総数であり、Xの値は、NR Rel-16の拡張タイプIIコードブックによってサポートされるアンテナの構成と同じである。Lは、構成可能なCSI-RSポートの数であり、L∈{2、4}。CSI-RSポートの構成状態は次のように表すことができる。
【数2】
【0006】
ここで、
【数3】
は、長さが
【数4】
であるベクトルを表し、iは、CSI-RSポートのシリアル番号を表し、i番目の要素は1であり、他の要素は0であり、mは、選択されたL個のCSI-RSポートのうちの開始CSI-RSポートのシリアル番号を表す。mの値は
【数5】
であり、ブロードバンドでフィードバックする。dは事前設定されたサンプリング間隔を表し、
【数6】
すべてのL個のビーム間のサンプリング間隔を調整し、フィードバックオーバーヘッドに影響を与えるために使用される。また、dの選択は、線形結合のために同じ方向のビームを選択することは避けることを検討されさい。
【0007】
選択されたL個のCSI-RSポートについては、ポート選択コードブックはRel-16のタイプIIコードブック構造を使用して作成される。たとえばRank=1とすると、Rel-16のタイプIIコードブック構造は次のように記述できる。
【数7】
【0008】
Wは、
【数8】
のプリコーディングマトリックス,ここで、Nは、プリコーディングマトリックスインジケーター(Precoding Matrix Indicator,PMI)サブバンドの数を表し、
【数9】
は、周波数領域ベースベクトルを表し、M個の離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform,DFT)ベクトルで構成され、端末は、基地局によって構成されるパラメータMに基づき、M個のDFTベースベクトル集合を決定する。
【0009】
【数10】
選択された2L個のCSI-RSポートビームがそれぞれ対応するN個のPMIサブバンド係数を圧縮した後の線形結合係数を表する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、関連技術において、端末がNR Rel-16の拡張タイプIIポート選択コードブックを採用する場合、各PMIサブバンドの有効なチャネル情報のために特異値分解(Singular Value Decomposition,SVD)計算が必要であり、したがって,計算の複雑さおよび端末のフィードバックオーバーヘッドが増加する。
【0011】
これを考慮して、上記の欠陥を克服するために、新しいプリコーディング方法を設計する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施形態は、端末の計算の複雑さを効果的に低減し、端末のフィードバックオーバーヘッドを低減するために、チャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法を提供する。
【0013】
本発明の実施形態によって提供される特定の解決策は以下の通りである。
【0014】
第1の態様では、チャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法は、
ネットワーク側は、ダウンリンク送信において、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、対応するビームフォーミングされたチャネル状態情報参考信号(CSI-RS)を端末に別々に送信し、ここで、アンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、前記それぞれのアンテナポートがCSI-RSを端末に別々に送信する際に使用されるビームは、独立しており、かつ異なり、
前記ネットワーク側は、前記端末によって報告されたK0個のアンテナポートおよびビーム結合係数集合を受信し、前記K0個のアンテナポートは、受信したCSI-RS選択基づいて前記端末によって選択され、また、前記ビーム結合係数集合は、前記K0個のアンテナポートで受信したCSI-RSに基づいて算出され、前記K0はゼロより大きい整数であり、
前記端末に関しては、前記ネットワーク側は、CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定する。
【0015】
任意選択で、ネットワーク側が、ダウンリンク送信において、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、端末に対応するビームフォーミングされたCSI-RSを送信する前、
前記ネットワーク側は、前記端末からサウンディング参考信号(SRS)を受信するステップと、
前記ネットワーク側は、前記SRSに基づき、対応するアップリンクチャネル状態情報を計算するステップと、
前記ネットワーク側は、前記アップリンクチャネル状態情報に基づき、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報を別々に決定するステップと、
前記ネットワーク側は、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報に基づき、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを別々に計算するステップとを含む。
【0016】
任意選択で、前記ネットワーク側が、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報および遅延情報に基づき、いずれかのアンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームを取得するステップは、
前記ネットワーク側は、前記いずれかのアンテナポートに対応する角度情報および前記いずれかのアンテナポートに対応する遅延情報を決定するステップと、
前記ネットワーク側は、前記空間領域ベースベクトルと前記周波数領域ベースベクトルのクロネッカー積に基づき、前記いずれかのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを計算するステップとを含み、
前記角度情報は、対応する空間領域ベースベクトルを用いた計算により得られ、前記遅延情報は、対応する周波数領域ベースベクトルを用いた計算により得られる。
【0017】
任意選択で、前記空間領域ベースベクトルおよび/または前記周波数領域ベースベクトルは、固有ベクトル、離散フーリエ変換(DFT)ベクトル、離散コサイン変換(DCT)ベクトル、多項係数およびKarhunen-Loeve変換(Karhunen-Loeve Transform, KLT)ベクトルのうちのいずれかの形式で表される。
【0018】
任意選択で、同じ送信層に関連付けられた異なるアンテナポートを介して前記ネットワーク側によってCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得され、
異なる送信層に関連付けられた異なるアンテナポートを介して前記ネットワーク側によってCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得され、
異なる偏波方向の異なるアンテナポートを介して前記ネットワーク側によってCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得される。
【0019】
第2の態様では、チャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックスの決定方法は、
端末は、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、ネットワーク側からビームフォーミングされたチャネル状態情報参考信号(CSI-RS)を別々に受信するステップであって、ここで、アンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、前記それぞれのアンテナポートがCSI-RSを端末に別々に送信する際に使用されるビームは、独立しており、かつ異なる前記受信するステップと、
前記端末は、各CSI-RS、選択K0個のアンテナポートおよび前記K0個のアンテナポートが受信したCSI-RSに基づき、前記K0個のアンテナポートに対応するビーム結合係数集合を計算するステップと、
前記端末は、前記ネットワーク側に前記K0個のアンテナポート和前記ビーム結合係数集合を報告して、前記ネットワーク側に、前記K0個のアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定させるステップとを含む。
【0020】
任意選択で、前記端末は、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、ネットワーク側からビームフォーミングされた参考信号(CSI-RS)を別々に受信する前に、
前記端末は、前記ネットワーク側にサウンディング参考信号(SRS)を送信して、前記ネットワーク側に、前記SRSに基づいて、次の操作を実行させ、
前記SRSに基づいて対応するアップリンクチャネル状態情報を計算し、前記アップリンクチャネル状態情報に基づき、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報を別々に決定し、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報に基づき、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを別々に計算する。
【0021】
任意選択で、前記端末が各CSI-RSに基づき、選択K0個のアンテナポートを選択するステップは、
前記端末は、各CSI-RSの受信電力を計算し、最大受信電力のK0個のCSI-RSに対応するアンテナポートを選択し、または、
前記端末は、各CSI-RSに対応するアンテナポートのビーム結合係数を計算し、前記ビーム結合係数の最大電力のK0個のCSI-RSに対応するアンテナポートを選択するステップを含み、
前記K0は、前記ネットワーク側によって構成されるか、または、前記端末によって報告されるか、または、前記端末と前記ネットワーク側の調整によって構成される。
【0022】
任意選択で、前記端末が、K0個のアンテナポートを選択し、前記K0個のアンテナポートに対応するビーム結合係数集合を計算するステップは、
前記端末は、前記K0個のアンテナポートを介してCSI-RSを受信し、前記K0個のアンテナポートそれぞれに対応するビーム結合係数を別々に計算するステップと、
前記端末は、取得された各ビーム結合係数を定量化した後、ビーム結合係数集合として基地局に報告するステップとを含む。
【0023】
任意選択で、前記端末は、CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、対応するランクインジケータRIおよびチャネル品質インジケータCQIを計算し、前記RIおよび前記CQIをネットワーク側に報告する。
【0024】
第3の態様では、ネットワーク側装置は、
実行可能命令を格納するように構成されたメモリと、
前記メモリに格納された実行可能命令を読み取り、以下の操作を実行するように構成されたプロセッサとを含み、
前記プロセッサは、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、対応するビームフォーミングされたチャネル状態情報参考信号(CSI-RS)を端末に別々に送信し、ここで、アンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、前記それぞれのアンテナポートがCSI-RSを端末に別々に送信する際に使用されるビームは、独立しており、かつ異なり、
前記端末によって報告されたK0個のアンテナポートおよびビーム結合係数集合を受信し、前記K0個のアンテナポートは、受信したCSI-RS選択基づいて前記端末によって選択され、また、前記ビーム結合係数集合は、前記K0個のアンテナポートで受信したCSI-RSに基づいて算出され、前記K0はゼロより大きい整数であり、
前記端末に関しては、CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定する。
【0025】
任意選択で、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、端末に対応するビームフォーミングされたCSI-RSを送信する前、前記プロセッサは、さらに、
前記端末からサウンディング参考信号(SRS)を受信し、
前記SRSに基づき、対応するアップリンクチャネル状態情報を計算し、
前記アップリンクチャネル状態情報に基づき、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報を別々に決定し、
前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報に基づき、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを別々に計算する。
【0026】
任意選択で、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報および遅延情報に基づき、それぞれのアンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームを取得する場合、前記プロセッサは、
それぞれのアンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームを取得する場合、前記角度情報は、対応する空間領域ベースベクトルを用いた計算により得られ、前記遅延情報は、対応する周波数領域ベースベクトルを用いた計算により得られ、
前記空間領域ベースベクトルと前記周波数領域ベースベクトルのクロネッカー積に基づき、前記いずれかのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを計算する。
【0027】
任意選択で、前記空間領域ベースベクトルおよび/または前記周波数領域ベースベクトルは、固有ベクトル、離散フーリエ変換(DFT)ベクトル、離散コサイン変換(DCT)ベクトル、多項係数およびKarhunen-Loeve変換(Karhunen-Loeve Transform, KLT)ベクトルのうちのいずれかの1つである。
【0028】
任意選択で、前記プロセッサは、同じ送信層に関連付けられた異なるアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得され、
前記プロセッサは、異なる送信層に関連付けられた異なるアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得され、
前記プロセッサは、異なる偏波方向の異なるアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得される。
【0029】
第4の態様では、端末は、
実行可能命令を格納するように構成されたメモリと、
前記メモリに格納された実行可能命令を読み取り、以下の操作を実行するように構成されたプロセッサとを含み、
前記プロセッサは、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、ネットワーク側からビームフォーミングされたチャネル状態情報参考信号(CSI-RS)を別々に受信し、ここで、アンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、前記それぞれのアンテナポートがCSI-RSを端末に別々に送信する際に使用されるビームは、独立しており、かつ異なり、
各CSI-RSに基づき、K0個のアンテナポートを選択し、また、前記K0個のアンテナポートが受信したCSI-RSに基づき、前記K0個のアンテナポートに対応するビーム結合係数集合を計算し、
前記ネットワーク側に前記K0個のアンテナポートおよび前記ビーム結合係数集合を送信して、前記ネットワーク側に、前記K0個のアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定させる。
【0030】
任意選択で、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、ネットワーク側からビームフォーミングされたCSI-RSを別々に受信する前、前記プロセッサは、さらに、
前記ネットワーク側にサウンディング参考信号(SRS)を送信して前記ネットワーク側が前記SRSに基づき、次の操作を実行できるようにし、
前記SRSに基づいて対応するアップリンクチャネル状態情報を計算し、前記アップリンクチャネル状態情報に基づき、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報を別々に決定し、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報に基づき、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを別々に計算する。
【0031】
任意選択で、各CSI-RSに基づき、K0個のアンテナポートを選択する場合、前記プロセッサは、
各CSI-RSの受信電力を計算し、最大受信電力のK0個のCSI-RSに対応するアンテナポートを選択し、または、
各CSI-RSに対応するアンテナポートのビーム結合係数を計算し、前記ビーム結合係数の最大電力のK0個のCSI-RSに対応するアンテナポートを選択し、
前記K0は、前記ネットワーク側によって構成されるか、または、前記端末によって報告されるか、または、前記端末と前記ネットワーク側の調整によって構成される。
【0032】
任意選択で、K0個のアンテナポートを選択し、前記K0個のアンテナポートに対応するビーム結合係数集合を計算する場合、前記プロセッサは、
前記K0個のアンテナポートで受信したCSI-RSに基づき、前記K0個のアンテナポートそれぞれに対応するビーム結合係数を別々に計算し、
取得された各ビーム結合係数を定量化した後、ビーム結合係数集合としてネットワーク側に報告する。
【0033】
任意選択で、前記プロセッサは、さらに、
CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、対応するランクインジケータRIおよびチャネル品質インジケータCQIを計算し、前記RIおよび前記CQIをネットワーク側に報告する。
【0034】
第5の態様では、ネットワーク側装置は、
ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、対応するビームフォーミングされたチャネル状態情報参考信号(CSI-RS)を端末に別々に送信するように構成された送信ユニットであって、ここで、アンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、前記それぞれのアンテナポートがCSI-RSを端末に別々に送信する際に使用されるビームは、独立しており、かつ異なる前記送信ユニットと、
前記端末によって報告されたK0個のアンテナポートおよびビーム結合係数集合を受信するように構成された受信ユニットであって、前記K0個のアンテナポートは、受信したCSI-RS選択基づいて前記端末によって選択され、また、前記ビーム結合係数集合は、前記K0個のアンテナポートで受信したCSI-RSに基づいて算出され、前記K0はゼロより大きい整数である前記受信ユニットと、
CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定するするように構成された処理ユニットとを含む。
【0035】
第6の態様では、端末は、
ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、ネットワーク側からビームフォーミングされたチャネル状態情報参考信号(CSI-RS)を別々に受信するように構成された受信ユニットであって、ここで、アンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、前記それぞれのアンテナポートがCSI-RSを端末に別々に送信する際に使用されるビームは、独立しており、かつ異なる前記受信ユニットと、
各CSI-RSに基づき、K0個のアンテナポートを選択し、また、前記K0個のアンテナポートが受信したCSI-RSに基づき、前記K0個のアンテナポートに対応するビーム結合係数集合を計算するように構成された計算ユニットと、
前記ネットワーク側に前記K0個のアンテナポートおよび前記ビーム結合係数集合を送信して、前記ネットワーク側に、前記K0個のアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定させるように構成された送信ユニットとを含む。
【0036】
第7の態様では、記憶媒体が提供され、記憶媒体内の命令は、第1の態様の任意の方法を実行するために、プロセッサによって実行される。
【0037】
第8の態様では、記憶媒体が提供され、記憶媒体内の命令は、第2の態様の任意の方法を実行するために、プロセッサによって実行される。
【発明の効果】
【0038】
本発明の実施形態では、ネットワーク側は、ダウンリンク送信において、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、アップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報および遅延情報に従って計算されたビームを使用することによって、端末にビームフォーミングされたCSI-RSを別々に送信し、前記端末によって報告された前記CSI-RSに基づいて選択されたK0個のアンテナポートおよびビーム結合係数集合を受信し、CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定する。このようにして、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネル間の角度情報相反性および遅延情報の相反性の両方を同時に使用して、フォーミングビームを直接計算できる。各PMIサブの有効なチャネル情報のSVD計算を実行せず、端末の計算の複雑さが大幅に軽減され、端末のフィードバックオーバーヘッドが効果的に削減され、さらにシステム性能も向上する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の実施形態におけるチャネル相反性に基づくプリコーディングマトリックス構成のフローチャートである。
図2】本発明の実施形態におけるネットワーク側装置の物理的アーキテクチャの概略図である。
図3】本発明の実施形態における端末の物理的アーキテクチャの概略図である。
図4】本発明の実施形態におけるネットワーク側装置の基地局の論理アーキテクチャの概略図である。
図5】本発明の実施形態端末の論理アーキテクチャの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
端末の計算の複雑さをさらに減らし、端末のフィードバックオーバーヘッドを減らし、システム性能を改善するために、本発明の実施形態では、ネットワーク側が、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネル間の角度情報の相反性および遅延情報の相反性に基づき、端末によってフィードバックされた少量の補助情報に基づき、当該端末のダウンリンク伝送プリコーディングマトリックスを計算することができる。
【0041】
本発明の好ましい実施は、添付の図面を参照してさらに詳細に説明される。
【0042】
本開示の解決策は、様々な通信システム、例えば、モバイル通信のグローバルシステム(Global System of Mobile communication,GSM)、コード分割マルチアクセス(Code Division Multiple Access,CDMA)システム、広帯域コード分割マルチアクセス(Wideband Code Division Multiple Access,WCDMA(登録商標))システム、一般的なパケット無線サービス(General Packet Radio Service,GPRS)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution,LTE)システム、アドバンスドロングタームエボリューション(Advanced long term evolution,LTE-A)システム、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(Universal Mobile Telecommunication System,UMTS)、新しいラジオ(New Radio,NR)などに適用できることが理解されたい。
【0043】
本発明の実施形態では、端末は、移動局(Mobile Station,MS)、移動端末(Mobile Terminal)、携帯電話(Mobile Telephone)、受話器(handset)、携帯機器(portable equipment)などを含むが、これらに限定されない。ユーザ機器は、無線アクセスネットワーク(RAN)を介して1つまたは複数のコアネットワークと通信することができる。例えば、ユーザ機器は、携帯電話(または「携帯」と呼ばれる)、または無線通信機能を備えたコンピュータなどであり得る。ユーザ機器はまた、携帯電話またはポケット、または、ハンドヘルドまたはコンピュータ内蔵または車載のモバイル機器であり得る。
【0044】
本開示の実施形態では、ネットワーク側装置は、アクセスネットワーク内のエアインターフェース上の1つまたは複数のセクターを介して無線端末と通信するデバイスを指し得るか、またはネットワーク側装置は、アクセスポイント(Access Point,AP)であり得る。ネットワーク側装置はまた、中央ユニット(Central Unit,CU)と、CUによって管理および制御される複数の送信受信ポイント(Transmission Reception Point,TRP)とが共同で構成されるネットワークノードであり得る。
【0045】
ネットワーク側装置は、受信した無線フレームとIPパケットの相互変換を実行し、無線端末とアクセスネットワークの残りの部分との間のルータとして機能するように構成することができる。アクセスネットワークの残りの部分は、インターネットプロトコル(IP)を含むことができる。ネットワーク側装置は、エアインターフェースの属性管理をさらに調整することができる。例えば、ネットワーク側装置は、GSMまたはCDMAの基地局(Base Transceiver Station,BTS)、またはTD-SCDMAの基地局(NodeB)であり得るし、TD-SCDMAまたはWCDMA内の基地局(NodeB)であり、または、LTEの進化的ノードB(eNodeBまたはeNBまたはe-NodeB,evolutional Node B)、または5G NR内の基地局(gNB)、またはおよび他の小さなステーション。これは、本発明の実施形態によって制限されない。
【0046】
以下の実施形態は、例えば、gNBであるネットワーク側装置を取り上げることによって説明される。
【0047】
図1を参照すると、本発明の一実施形態では、ネットワーク側のチャネル相反性に基づいてダウンリンク伝送のプリコーディングマトリックスを構成する詳細な流れは以下のとおりである。
【0048】
17ステップ101:端末は、サウンディング参考信号(Sounding Reference Signal,SRS)をgNBに送信する。
【0049】
ステップ102:gNBは、受信したSRSに基づき、対応するアップリンクチャネル状態情報を計算し、前記アップリンクチャネル状態情報を使用して、端末のアップリンクチャネルの各伝送経路の角度情報および遅延情報を計算する。
【0050】
具体的には、本発明の実施形態では、アップリンクチャネル状態情報は、
【数11】
としてマークされ得る。
【0051】
一般に、各送信層(すなわちランクRank)は、いくつかのアンテナポートに関連付けられ得、1つのアンテナポートは、1つの角度情報および1つの遅延情報に対応する。前記角度情報は、対応する空間領域ベースベクトルを使用することによる計算によって取得され得る。ランクは1以上(Rank≧1)である。
【0052】
アップリンクチャネル状態情報を受信した後、gNBは、アップリンクチャネル状態情報に基づいて、端末のアップリンク送信において、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートで使用される角度情報および遅延情報を別々に決定することができる。
【0053】
ステップ103:gNBは、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、端末に対応するビームフォーミングされたCSI-RSを別々に送信し、ここで、アンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得される。
【0054】
前記それぞれのアンテナポートがCSI-RSを端末に別々に送信する際に使用されるビームは、独立しており、かつ異なる。
【0055】
本発明の実施形態では、仮想的に、gNBは、ビームフォーミングされたK CSI-RSをK個のアンテナポートを介して端末に別々に送信する。
【0056】
ここで、任意選択で、ダウンリンク伝送中、1個のアンテナポートを介して基地局によってCSI-RSを端末に送信する際に使用されるビームは、アップリンク伝送で端末に対応する1つの角度情報および1つの遅延情報に基づいて計算することによって取得される。例えば、まず、1つの角度情報で使用される空間領域ベースベクトルを計算し、1つの遅延情報で使用される周波数領域ベースベクトルを計算する。前記1つの空間領域ベースベクトルおよび1つの周波数領域ベースベクトルのクロネッカー積に基づき、前記送信アンテナポートのビームを取得する。確かに、この導入された計算モードは一例に過ぎず、実際のアプリケーションでCSI-RSを取得する方法はたくさんあるが、ここで、詳細な説明は、繰り返さない。
【0057】
上記モードでビームを取得できる理由は、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルの角度情報と遅延情報が相反し、すなわち、アップリンクチャネル状態情報とダウンリンクチャネル状態情報は、対応する角度情報および遅延情報と等しい。したがって、gNBは、いずれかのアンテナポートを介してアップリンク伝送際の対応する1つの角度情報および1つの遅延情報に基づき、前記いずれかのアンテナポートを介してダウンリンク伝送際のCSI-RSに使用されるビームを計算できる。
【0058】
任意選択で、上記空間領域ベースベクトルおよび/または周波数領域ベースベクトルは、固有ベクトル、DFTベクトル、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform,DCT)ベクトル、多項係数およびKarhunen-Loeve変換(Karhunen-Loeve Transform,KLT)ベクトルのうちのいずれか1つを含む。
【0059】
別の態様では、ステップ103が実行される場合、同じ送信層に関連付けられた異なるアンテナポートを介して基地局によってCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得される。
【0060】
言い換えれば、同じ送信層に関連付けられた異なるアンテナポートに対応する角度情報は同じであってもなくてもよく、同じ送信層に関連付けられた異なるアンテナポートに対応する遅延情報は同じであってもなくてもよい。
【0061】
Rank>1の場合、基地局異なる送信層に関連付けられた異なるアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得される。
【0062】
換言すれば、異なる送信層に関連付けられた異なるアンテナポートに対応する角度情報は同じであってもなくてもよく、異なる送信層に関連付けられた異なるアンテナポートに対応する遅延情報は同じであってもなくてもよい。
【0063】
Rank=1、または、Rank>1の場合、基地局異なる偏波方向の異なるアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得される。
【0064】
換言すれば、異なる偏波方向に関連付けられた異なるアンテナポートに対応する角度情報は同じであってもなくてもよく、なる偏波方向に関連付けられた異なるアンテナポートに対応する遅延情報は同じであってもなくてもよい。
【0065】
一方、ビーム計算は角度情報と遅延情報を組み合わせて実行されるため、端末は遅延情報を計算して遅延情報を基地局にフィードバックする必要がないため、端末のフィードバックオーバーヘッドを効果的に削減し、計算の複雑さを軽減する。
【0066】
ステップ104:端末は、ダウンリンク送信におけるそれぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートによって受信されたCSI-RSに基づき、K0個のアンテナポートを選択し、前記K0個のアンテナポートに対応する各伝送経路のビーム結合係数集合を計算する。
【0067】
任意選択で、端末は、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートによってビームフォーミングされたK個のCSI-RSを受信した後、前記K個のCSI-RSの受信電力を別々に計算し、CSI-RSの最大受信電力のK0個のアンテナポートをgNBに報告する。
【0068】
さらに、端末は、選択したK0個のアンテナポートで受信したCSI-RSに基づいて、前記K0個のアンテナポートに対応する結合係数を別々に計算し、
【数12】
としてマークされ得る。そして、これらのビーム結合係数を定量化した後、ビーム結合係数集合としてgNBに報告する。
【0069】
ステップ105:端末は、gNBに前記K0個のアンテナポートおよび前記ビーム結合係数集合を報告する。
【0070】
任意選択で、前記K0は、基地局によって構成され得るか、または端末によって報告され得るか、または端末と基地局との間の調整によって構成され得る。
【0071】
さらに、ステップ105が実行された後、端末は、選択されたK0個のアンテナポートで受信されたCSI-RSおよびビーム結合係数に基づいて、対応するランクインジケータ(Rank Indication,RI)およびチャネル品質インジケータ(Channel Quality Indicator,CQI)を計算し、計算結果を基地局に報告する。
【0072】
ステップ106:gNBは、前記K0個のアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定する。
【0073】
上記の実施形態は、3つの異なるアプリケーションシーンを採用することによって、以下でさらに詳細に説明される。
【0074】
アプリケーションシーン1:Rank=1、ネットワーク側は、K個のアンテナポートを構成し、異なるアンテナポートは異なるビームを使用して1つ以上のCSI-RSを送信する。
【0075】
具体的には、仮想的に、端末はNr個のアンテナを使用して信号を送受信する。ダウンリンク送信のデータの1つの層は送信層xと呼ばれ、gNBによって使用される空間領域ベースベクトルの数は2L、周波数領域ベースベクトルの数は、Ml, l=0,…2L-1でである。添え字lはL個の空間領域ベースベクトルに対応する。
【0076】
二重分極二次元平面アンテナアレイがgNBに設置され、アンテナアレイは2N1N2個のアンテナポートにマッピングされ、ここで、N1は水平次元のアンテナポートの数を表し、N2は垂直方向のアンテナポートの数を表し、PMIサブバンドの数はN3としてマークされる。
【0077】
したがって、ダウンリンクデータ送信によって使用されるプリコーディングマトリックスは、以下の操作を実行することによって取得することができる。
【0078】
A1:端末はSRSをgNBに送信する。
【0079】
A2:gNBは、SRSに基づき、アップリンクチャネル状態情報
【数13】
を推定および取得する。
【0080】
ここで、
【数14】
は、n番目のPMIサブバンド上の第1の偏波方向のチャネルおよび第2の偏波方向のチャネルを表し、n=1,…,N,基地局は、
【数15】
i=0, N-1,p=0,1で空間領域ベースベクトル
【数16】
を使用して
【数17】
を圧縮した後の電力値を計算する。ここで、
【数18】
は、各PMIサブバンドチャネルのチャネル平均値、すなわち、
【数19】
を表し、ここで、
【数20】
は、i番目の空間領域ベースベクトルを表す。
【0081】
gNBは、空間領域ベースベクトルを使用して
【数21】
を圧縮した後、最大電力値を持ち、直交する2L個の空間領域ベースベクトルを選択して、gNBによって選択された空間領域ベースベクトルマトリックスを
【数22】
としてマークされ得る。
【0082】
A3:n番目のPMIサブバンドについては、gNBはPMIサブバンドの共分散マトリックスに対して固有値分解を実行し、最大固有値に対応する固有ベクトルhを作成し、前記PMIサブバンドに対応するサブバンド結合係数を
【数23】
とする。
【0083】
同様に、N個のPMIサブバンドのそれぞれに対応するサブバンド結合係数が得られ得る、すなわち、すべてのPMIサブバンドに対応するサブバンド結合係数集合は、
【数24】
として表される。
【0084】
A4:同様に、N個のPMIサブバンドのそれぞれに対応するサブバンド結合係数が得られ得る、すなわち、すべてのPMIサブバンドに対応するサブバンド結合係数集合は、
【数25】
として表される。
【0085】
【数26】
を表すように作成される。gNBは、トラバーサルパターンで、次の内容を計算する。周波数領域ベースベクトル
【数27】
を使用して、各サブバンド結合係数マトリックスWのl番目の行の各係数を圧縮した後に対応する圧縮電力が計算され、
【数28】
としてマークされ得る。ここで、fl,jは、j番目の周波数領域ベースベクトルを使用してWのl番目の行の各係数を圧縮し、
【数29】
を表す。候補のN個の周波数領域ベースベクトルから圧縮最大電力のML個の周波数領域ベースベクトルを選択する。
【0086】
同様に、周波数領域の圧縮は、Wのすべてのサブバンド結合係数に対して実行され
【数30】
周波数領域ベースベクトルが取得され得る。
【0087】
A5:gNBは、
【数31】
【数32】
を利用して、K個のアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを計算する。ここで、fl,mは、ML個の周波数領域ベースベクトルから選択されたm番目の周波数領域ベースベクトルを表し、Wのl番目の行の各サブバンド結合係数を圧縮する。
【0088】
A6:端末は、K個のアンテナポートを介して対応するCSI-RSを別々に受信し、それぞれのアンテナポートでCSI-RSの受信電力を別々に計算し、最大受信電力のK0個のアンテナポートを選択し、選択されたK0個のポートをgNBに報告する。
【0089】
ビームフォーミングされたK0個のダウンリンク有効チャネルは次のように表すことができる。
【0090】
【数33】
【0091】
ここで、
【数34】
は、K0個のアンテナポートで受信されたCSI-RSの推定を通じて取得できる。
【0092】
A7:端末は、上記K0個のダウンリンク有効チャネル
【数35】
の共分散マトリックスで固有値分解を実行し、最大固有値に対応する1つ以上の固有ベクトルがK0ビーム結合係数として選択され、
【数36】
としてマークされ得る。そして、端末は、取得されたK0個のビーム結合係数を定量化した後、
【数37】
を取得し、ビーム結合係数集合としてgNBに報告する。
【0093】
さらに、端末は、CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよびビーム結合係数集合に基づき、対応するRIおよびCQIに計算し、gNBに報告することができる。
【0094】
A8:gNBは、端末によって報告されたK0個のアンテナポートおよびビーム結合係数集合を受信し、送信層xで使用されるダウンリンク伝送データのプリコーディングマトリックスを計算し、
【数38】
としてマークされ得る。
【0095】
ここで、
【数39】
は、2つの偏波方向で端末によって選択されたK0個のアンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームを表す。
【0096】
アプリケーションシーン2:Rank=1K個のアンテナポートが関連付けられており、異なる偏波方向の複数のアンテナポートで使用される空間領域ベースベクトルは同じである。
【0097】
具体的には、仮想的には、端末はNr個のアンテナを使用して信号を送受信し、ダウンリンク送信のデータの1つの層は送信層xと呼ばれ、gNBによって使用される空間領域ベースベクトルの数は2L、gNBで使用される周波数領域ベースベクトルはMである。
【0098】
二重分極二次元平面アンテナアレイがgNBに設置され、アンテナアレイが2N1N2アンテナポートにマッピングされ、N1が水平方向次元のアンテナポートの数を表し、N2が垂直方向次元のアンテナポートの数を表す。PMIサブバンドの数はN3としてマークされる。
【0099】
ダウンリンクデータ送信に使用されるプリコーディングマトリックスは、以下の操作を実行することによって取得することができる。
【0100】
B1:端末はSRSをgNBに送信する。
【0101】
B2:gNBは、SRSに基づき、アップリンクチャネル状態情報
【数40】
を推定および取得する。
【0102】
ここで、
【数41】
それぞれは、各PMIサブバンド上の第1の偏波方向のチャネルおよび第2の偏波方向のチャネルを表す。基地局は、トラバーサルパターンで、
【数42】
i=0,N1N2-1を使用して、空間領域ベースベクトル
【数43】

【数44】
を圧縮した後の電力値を計算する。ここで、
【数45】
は2つの偏波方向のそれぞれのPMIサブバンドのチャネル平均値を表し、
【数46】
【数47】
はi番目の空間領域ベースベクトルを表す。
【0103】
空間領域ベースベクトルを使用して圧縮した後、gNBは、2つの偏光方向で、L個の最大電力値を持ち、直交する同じ空間領域ベースベクトルを選択して、gNBによって選択された空間領域ベースベクトルで構成されるマトリックスを取得する。
【0104】
【数48】
としてマークされ得る。
【0105】
ここで、
【数49】
【0106】
B3:n番目のPMIサブバンドに関して、gNBは、前記サブバンドチャネルの共分散マトリックスに対して固有値分解を実行し、最大固有値に対応する固有ベクトルhを作成し、前記PMIサブバンドに対応するサブバンド結合係数は
【数50】
である。
【0107】
同様に、N3個のPMIサブバンドのそれぞれに対応するサブバンド結合係数が得られ得る、すなわち、すべてのPMIサブバンドに対応するサブバンド結合係数集合は、
【数51】
として表される。
【0108】
B4:gNBはトラバーサルパターンで
【数52】
を計算し、候補のN個の周波数領域ベースベクトルから最大電力のM個の周波数領域ベースベクトルを選択して圧縮する。
【0109】
したがって、gNBは、M個の周波数領域ベースベクトルを取得できる。
【0110】
【数53】
としてマークされ得る。
【0111】
B5:gNBは、
【数54】
を利用して、
K個のアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを計算し、端末にビームフォーミングされたCSI-RSを送信する。
【0112】
B6:端末はK個のアンテナポートを介して対応するCSI-RSを別々に受信し、それぞれのアンテナポート上のCSI-RSの受信電力を別々に計算し、最大受信電力のK0個のアンテナポートを選択し、対応するビーム結合係数集合を計算する。前記K0個のアンテナポートおよび前記ビーム結合係数集合をgNBに報告する。
【0113】
特定の実行プロセスは、A6~A7と同じであり、ここでは詳細に説明されていない。
【0114】
B7:gNBは、端末によって報告されたK0個のアンテナポートおよびビーム結合係数集合を受信し、送信層xで使用されるダウンリンク伝送データのプリコーディングマトリックスを計算し、
【数55】
としてマークされ得る。
【0115】
ここで、
【数56】
は、端末によって2つの偏波方向に選択されたK0個のアンテナポート上でCSI-RSを送信する間に使用されるビームを表す。
【0116】
アプリケーションシーン3:Rank=2、K個のアンテナポートが使用される。
【0117】
具体的には、仮想的には、端末はNr個のアンテナを使用して信号を送受信する。ダウンリンク送信のデータの2つの層は、送信層xと送信層yと呼ばれる。各送信層については、gNBは、使用される周波数領域のベースベクトルの数は2Lであり、使用される周波数領域ベースベクトルの数はM′である。
【0118】
二重偏波2次元平面アンテナアレイがgNBに設置され、アンテナアレイは2N1N2アンテナポートにマッピングされ、N1は水平方向元のアンテナポートの数を表し、N2は垂直方向元のアンテナポートの数を表す。PMIサブバンドの数はNとしてマークされる。
【0119】
ダウンリンクデータ送信に使用されるプリコーディングマトリックスは、以下の操作による計算により得ることができる。
【0120】
C1:端末はSRSをgNBに送信する。
【0121】
C2:送信層xに関して、gNBによって使用される空間領域ベースベクトルおよび周波数領域ベースベクトルの計算は、上記のA2-A4または上記のB2-B4と同じであり、ここでは詳細に説明されない。
【0122】
送信層yに関しては、gNBは、送信層xの空間領域ベースベクトルと同じまたは異なる空間領域ベースベクトルを使用し、データを送信するためのビームを計算する。
【0123】
gNBが送信層xと送信層yに同じ空間領域ベースベクトルと異なる周波数領域ベースベクトルを使用する場合、gNBによる送信層yの周波数領域ベースベクトルの選択は、送信層yに対応する各サブバンド結合係数の圧縮である。ここで、送信層yに対応する各サブバンドの結合係数の計算は、上記のA3または上記のB3と同様であり、相違点としてはn番目のPMIサブバンドの場合、gNBは、前記PMIサブバンドの共分散マトリックスに対して固有値分解を実行し、第2の最大固有値に対応する固有ベクトルを
【数2】
とし、そして、
【数3】
で前記PIサブバンドのサブバンド結合係数を計算する。
【0124】
同様に、N個のPMIサブバンドのそれぞれに対応するサブバンド結合係数を計算することができる。
【0125】
C3:送信層xと送信層yに同じ空間領域ベースベクトルと同じ周波数領域ベースベクトルを使用した場合、送信層yに対応するビーム結合係数を計算する際に、端末は、K0個のダウンリンク有効チャネル
【数59】
の共分散マトリックスに対して固有値分解を実行し、第2の最大固有値に対応する固有ベクトルをK0個のビーム結合係数として選択し、
【数60】
としてマークされ得る。
【0126】
C4:送信層xと送信層yに異なる空間領域ベースベクトルまたは異なる周波数領域ベースベクトルを使用する場合、送信層yのビーム結合係数を計算する際に、端末が採用する計算モードは、送信層xの計算モードと同じである。
【0127】
C5:同じ空間領域ベースベクトルと同じ周波数領域ベースベクトルが送信層xと送信層yに使用される場合、gNBによって計算された2つの送信層のプリコーディングマトリックスは次のようにマークされる。
【0128】
【数61】
【0129】
ここで、
【数62】
は、端末によって2つの偏波方向に選択されたK0個のポートによってCSI-RSを送信する際に使用されるビームを表し、
【数63】
は、2つの送信層に対応するビームの結合係数を表す。
【0130】
送信層xと送信層yに異なる空間領域ベースベクトルまたは異なる周波数領域ベースベクトルを使用する場合、2つの送信層のプリコーディングマトリックスをgNBで計算する方法は、送信層xと同じである。つまり、送信層yのプリコーディングマトリックスは次の式で計算される。
【0131】
【数64】
【0132】
同じ発明の思想に基づいて、図2に示めすように、本発明の実施形態によるネットワーク側装置(例えば、gNB、eNBなど)は、
実行可能命令を格納するように構成されたメモリ20と、
前記メモリに格納された実行可能命令を読み取り、以下の操作を実行するように構成されたプロセッサ21とを含む。
【0133】
前記プロセッサ21は、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、端末に対応するビームフォーミングされたCSI-RSを別々に送信し、ここで、アンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、前記それぞれのアンテナポートがCSI-RSを端末に別々に送信する際に使用されるビームは、独立しており、かつ異なり、
前記端末によって報告されたK0個のアンテナポートおよびビーム結合係数集合を受信し、前記K0個のアンテナポートは、受信したCSI-RS選択基づいて前記端末によって選択され、また、前記ビーム結合係数集合は、前記K0個のアンテナポートで受信したCSI-RSに基づいて算出され、前記K0はゼロより大きい整数であり、
前記端末に関しては、CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定する。
【0134】
ここで、図2に示されるように、バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続されたバスおよびブリッジを含み得、具体的には、プロセッサ21によって表される1つまたは複数のプロセッサの様々な回路と、メモリ20によって表される1つまたは複数のメモリとをリンクする。アーキテクチャは、周辺デバイス、電圧安定器、および電力管理回路などのさまざまな他の回路をさらにリンクすることができ、これらは当技術分野で知られており、したがって本明細書ではこれ以上説明しない。バスインターフェースはインターフェースを提供する。送受信機は複数であり得る。送信機と受信機を含む構成要素の構成要素であり、伝送媒体上の他の様々な装置と通信するためのユニットを提供する。プロセッサ21は、バスアーキテクチャおよび一般的な処理を管理する責任があり、メモリ20は、プロセッサ21による操作の実行に使用されるデータを格納する。
【0135】
任意選択で、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、端末に対応するビームフォーミングされたCSI-RSを送信する前、前記プロセッサ21はさらに、
前記端末からSRSを受信し、
前記SRSに基づき、対応するアップリンクチャネル状態情報を計算し、
前記アップリンクチャネル状態情報に基づき、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報を別々に決定し、
前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報に基づき、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを別々に計算する。
【0136】
任意選択で、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報および遅延情報に基づき、それぞれのアンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームを取得する場合、前記プロセッサ21は、
それぞれのアンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームを取得する場合、前記角度情報は、対応する空間領域ベースベクトルを用いた計算により得られ、前記遅延情報は、対応する周波数領域ベースベクトルを用いた計算により得られ、
前記空間領域ベースベクトルと前記周波数領域ベースベクトルのクロネッカー積に基づき、前記いずれかのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを計算する。
【0137】
任意選択で、前記空間領域ベースベクトルおよび/または前記周波数領域ベースベクトルは、固有ベクトル、離散フーリエ変換(DFT)ベクトル、離散コサイン変換(DCT)ベクトル、多項係数、Karhunen-Loeve変換(Karhunen-Loeve Transform, KLT)ベクトルのうち次のいずれかで表される。
【0138】
任意選択で、前記プロセッサ21は、同じ送信層に関連付けられた異なるアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得される。
【0139】
前記プロセッサ21は、異なる送信層に関連付けられた異なるアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得される。
【0140】
前記プロセッサ21は、異なる偏波方向の異なるアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、同じまたは異なる角度情報および同じまたは異なる遅延情報に基づいて計算することで取得される。
【0141】
同じ発明の思想に基づいて、図3に示されるように、本発明の実施形態による端末は、
実行可能命令を格納するように構成されたメモリ30と、
前記メモリに格納された実行可能命令を読み取り、以下の操作を実行するように構成されたプロセッサ31とを含む。
【0142】
前記プロセッサ31は、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、ネットワーク側からビームフォーミングされたCSI-RSを別々に受信し、ここで、アンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、前記それぞれのアンテナポートがCSI-RSを端末に別々に送信する際に使用されるビームは、独立しており、かつ異なる。
【0143】
各CSI-RSに基づき、K0個のアンテナポートを選択し、また、前記K0個のアンテナポートが受信したCSI-RSに基づき、前記K0個のアンテナポートに対応するビーム結合係数集合を計算し、
前記ネットワーク側に前記K0個のアンテナポートおよび前記ビーム結合係数集合を送信して、前記ネットワーク側に、前記K0個のアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定させる。
【0144】
ここで、図3に示されるように、バスアーキテクチャは、任意の数の相互接続されたバスおよびブリッジを含み得、具体的には、プロセッサ31によって表される1つまたは複数のプロセッサの様々な回路と、メモリ30によって表される1つまたは複数のメモリとをリンクする。アーキテクチャは、周辺デバイス、電圧安定器、および電力管理回路などのさまざまな他の回路をさらにリンクすることができ、これらは当技術分野で知られており、したがって本明細書ではこれ以上説明しない。バスインターフェースはインターフェースを提供する。送受信機は、複数の構成要素であり得る。すなわち、送信機と受信機を含み、伝送媒体上の他の様々な装置と通信するためのユニットを提供する。異なるユーザ機器に関しては、ユーザインターフェースはまた、必要なデバイスと外部接続または内部接続することができるインターフェースであり得る。デバイスには、キーパッド、ディスプレイ、スピーカー、マイク、ジョイスティックなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0145】
プロセッサ31は、バスアーキテクチャおよび一般的な処理を管理する責任があり、メモリ30は、プロセッサ31による操作の実行に使用されるデータを格納する。
【0146】
任意選択で、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、ネットワーク側からビームフォーミングされたCSI-RSを別々に受信する前、前記プロセッサ31はさらに、SRSを前記ネットワーク側に送信するように構成される。ネットワーク側は、SRSに基づいて、以下の操作を実行する。
【0147】
前記SRSに基づいて対応するアップリンクチャネル状態情報を計算し、前記アップリンクチャネル状態情報に基づき、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報を別々に決定し、前記端末のアップリンクチャネルの伝送経路の角度情報および遅延情報に基づき、ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームを別々に計算する。
【0148】
任意選択で、各CSI-RSに基づき、K0個のアンテナポートを選択する場合、前記プロセッサ31は、
各CSI-RSの受信電力を計算し、最大受信電力のK0個のCSI-RSに対応するアンテナポートを選択し、または、
各CSI-RSに対応するアンテナポートのビーム結合係数を計算し、前記ビーム結合係数の最大電力のK0個のCSI-RSに対応するアンテナポートを選択し、
前記K0は、前記ネットワーク側によって構成されるか、または、前記端末によって報告されるか、または、前記端末と前記ネットワーク側の調整によって構成される。
【0149】
任意選択で、K0個のアンテナポートを選択し、前記K0個のアンテナポートに対応するビーム結合係数集合を計算する場合、前記プロセッサ31は、
前記K0個のアンテナポートで受信したCSI-RSに基づき、前記K0個のアンテナポートそれぞれに対応するビーム結合係数を別々に計算し、
取得された各ビーム結合係数を定量化した後、ビーム結合係数集合としてネットワーク側に報告する。
【0150】
任意選択で、前記プロセッサ31はさらに、
CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、対応するRIおよびCQIを計算し、前記RIおよび前記CQIをネットワーク側に報告する。
【0151】
同じ発明の思想に基づいて、図4に示されるように、本発明の実施形態によるネットワーク側は、
ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、端末に対応するビームフォーミングされたCSI-RSを別々に送信するように構成された送信ユニット40であって、ここで、アンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、前記それぞれのアンテナポートがCSI-RSを端末に別々に送信する際に使用されるビームは、独立しており、かつ異なる前記送信ユニット40と、
前記端末によって報告されたK0個のアンテナポートおよびビーム結合係数集合を受信するように構成された受信ユニット41であって、前記K0個のアンテナポートは、受信したCSI-RS選択基づいて前記端末によって選択され、また、前記ビーム結合係数集合は、前記K0個のアンテナポートで受信したCSI-RSに基づいて算出され、前記K0はゼロより大きい整数である受信ユニット41と、
前記端末に関しては、CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定するように構成された処理ユニット42とを含む。
【0152】
上記の送信ユニット40、受信ユニット41、および処理ユニット42は、上記の実施形態においてネットワーク側によって実行される任意の方法を実現する。
【0153】
同じ発明の思想に基づいて、図5に示されるように、本発明の実施形態による端末は、
ダウンリンク伝送中、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、基地局からビームフォーミングされたチャネル状態情報参考信号(CSI-RS)を別々に受信するように構成された受信ユニット50と、
各CSI-RSに基づき、K0個のアンテナポートを選択し、また、前記K0個のアンテナポートが受信したCSI-RSに基づき、前記K0個のアンテナポートに対応するビーム結合係数集合を計算するように構成された計算ユニット51と、
前記基地局に前記K0個のアンテナポートおよび前記ビーム結合係数集合を送信し、前記基地局に前記K0個のアンテナポートを介してCSI-RSを送信する際に使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定させるように構成された送信ユニット52とを含む。
【0154】
ここで、アンテナポートでCSI-RSを送信する際に使用されるビームは、前記端末のアップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報と遅延情報に従って取得され、前記それぞれのアンテナポートがCSI-RSを端末に別々に送信する際に使用されるビームは、独立しており、かつ異なる。
【0155】
上記の受信ユニット50、計算ユニット51、および送信ユニット52は、上記の実施形態のいずれかにおいて端末によって実行される任意の方法を実現するために相互に協力する。
【0156】
同じ発明の思想に基づいて、記憶媒体が提供され、前記記憶媒体内の1つまたは複数の命令がプロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサは、上記の基地局によって実行される任意の方法を実行することができる。
【0157】
同じ発明の思想に基づいて、記憶媒体が提供され、前記記憶媒体内の1つまたは複数の命令がプロセッサによって実行されるとき、前記プロセッサは、上記の端末によって実行される任意の方法を実行することができる。
【0158】
要約すると、本発明の実施形態では、ネットワーク側は、ダウンリンク送信において、それぞれの送信層に関連付けられたそれぞれのアンテナポートを介して、アップリンクチャネル状態情報に基づいて決定された角度情報および遅延情報に従って計算されたビームを使用することによって、端末にビームフォーミングされたCSI-RSを別々に送信し、前記端末によって報告された前記CSI-RSに基づいて選択されたK0個のアンテナポートおよびビーム結合係数集合を受信し、CSI-RS送信に前記K0個のアンテナポートによって使用されるビームおよび前記ビーム結合係数集合に基づき、前記端末のダウンリンク送信のプリコーディングマトリックスを決定する。このようにして、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネル間の角度情報相反性および遅延情報の相反性の両方を同時に使用して、フォーミングビームを直接計算できる。各PMIサブの有効なチャネル情報のSVD計算を実行せず、端末の計算の複雑さが大幅に軽減され、端末のフィードバックオーバーヘッドが効果的に削減され、さらにシステム性能も向上する。
【0159】
本分野の技術者として、本発明の実施形態が、方法、システム或いはコンピュータプログラム製品を提供できるため、本発明は完全なハードウェア実施形態、完全なソフトウェア実施形態、またはソフトウェアとハードウェアの両方を結合した実施形態を採用できることがわかるはずである。さらに、本発明は、一つ或いは複数のコンピュータプログラム製品の形式を採用できる。当該製品はコンピュータ使用可能なプログラムコードを含むコンピュータ使用可能な記憶媒体(ディスク記憶装置、CD-ROM、光学記憶装置等を含むがそれとは限らない)において実施する。
【0160】
以上は本発明の実施形態の方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフロー図および/またはブロック図によって、本発明を記述した。理解すべきことは、コンピュータプログラム指令によって、フロー図および/またはブロック図における各フローおよび/またはブロックと、フロー図および/またはブロック図におけるフローおよび/またはブロックの結合を実現できる。プロセッサはこれらのコンピュータプログラム指令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込み式処理装置、或いは他のプログラム可能なデータ処理装置設備の処理装置器に提供でき、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサは、これらのコンピュータプログラム指令を実行し、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0161】
これらのコンピュータプログラム指令は、又、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置を特定方式で動作させるコンピュータ読取記憶装置に記憶できる。これによって、指令を含む装置は当該コンピュータ読取記憶装置内の指令を実行でき、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0162】
これらコンピュータプログラム指令はさらに、コンピュータ或いは他のプログラム可能なデータ処理装置設備に実装もできる。コンピュータプログラム指令が実装されたコンピュータ或いは他のプログラム可能設備は、一連の操作ステップを実行することによって、関連の処理を実現し、コンピュータ或いは他のプログラム可能な設備において実行される指令によって、フロー図における一つ或いは複数のフローおよび/またはブロック図における一つ或いは複数のブロックに指定する機能を実現する。
【0163】
上述した実施形態に記述された技術的な解決手段を改造し、或いはその中の一部の技術要素を置換することもできる。そのような、改造と置換は本発明の各実施形態の技術の範囲から逸脱するとは見なされない。
【0164】
無論、当業者によって、上述した実施形態に記述された技術的な解決手段を改造し、或いはその中の一部の技術要素を置換することもできる。そのような、改造と置換は本発明の各実施形態の技術の範囲から逸脱するとは見なされない。そのような改造と置換は、すべて本発明の請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0165】
20 メモリ
21 プロセッサ
30 メモリ
31 プロセッサ
40 送信ユニット
41 受信ユニット
42 処理ユニット
50 受信ユニット
51 計算ユニット
52 送信ユニット
図1
図2
図3
図4
図5