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特許7413561ロボットによるロール交換システムに使用される機械的高速ロール交換システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】ロボットによるロール交換システムに使用される機械的高速ロール交換システム
(51)【国際特許分類】
   B21B 31/08 20060101AFI20240105BHJP
   B21B 13/00 20060101ALI20240105BHJP
   B21B 1/16 20060101ALI20240105BHJP
【FI】
B21B31/08 A
B21B13/00 B
B21B1/16 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022552964
(86)(22)【出願日】2021-03-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 US2021020393
(87)【国際公開番号】W WO2021178358
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-10-26
(31)【優先権主張番号】16/808,763
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】316012658
【氏名又は名称】プライメタルズ テクノロジーズ ユーエスエー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Primetals Technologies USA LLC
【住所又は居所原語表記】5895 Windward Parkway,Alpharetta,Georgia 30005,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・シェン
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・パルフレマン
【審査官】中西 哲也
(56)【参考文献】
【文献】実開平06-061302(JP,U)
【文献】特開昭63-049312(JP,A)
【文献】実開平07-003805(JP,U)
【文献】特開平02-006005(JP,A)
【文献】特開2004-034157(JP,A)
【文献】特開2008-100281(JP,A)
【文献】実開昭60-157005(JP,U)
【文献】特開2000-061510(JP,A)
【文献】特開昭53-037169(JP,A)
【文献】特開昭64-027708(JP,A)
【文献】特開平07-323308(JP,A)
【文献】米国特許第05177867(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール取り付けシステムであって、
ロールと連結されるように構成されたロールアセンブリであって、前記ロールの取り付け又は取り外しのための先細スリーブを用いて、前記ロールを配置するように構成されているロールアセンブリと、
前記ロールアセンブリと連結されるように構成されたロール組合せ工具であって、前記ロールの取り付け又は取り外しのために、前記ロールアセンブリにトルクを供給するように構成されているロール組合せ工具と、
含み、
前記ロールアセンブリは、前記ロール組合せ工具の対応スプラインと接続するように構成されたトルク遮断リングを含み、
前記ロールと前記ロールアセンブリとがスプライン嵌合されるように構成された、ロール取り付けシステム。
【請求項2】
前記先細スリーブが、6°から12°の間のテーパ角を含んでいる、請求項に記載のロール取り付けシステム。
【請求項3】
前記ロールアセンブリが、前記先細スリーブ連結されたロック/アンロックナットを含んでいる、請求項に記載のロール取り付けシステム。
【請求項4】
前記ロールが、前記先細スリーブ上に配置されている、請求項に記載のロール取り付けシステム。
【請求項5】
ロール取り付けシステムの運用を行うための方法であって、
前記ロールを供給するステップ、
前記ロールをロールアセンブリ内に配置するステップであって、前記ロールアセンブリは、前記ロールを、前記ロールの取り付け又は取り外しのための先細スリーブを用いて配置するように構成されている、配置するステップ、
前記ロールと前記ロールアセンブリとをスプライン嵌合するステップ、
及び、
前記ロールアセンブリを、ロール組合せ工具の対応スプラインと前記ロールアセンブリのトルク遮断リングとを接続することによって、前記ロール組合せ工具と連結するステップであって、前記ロール組合せ工具は、前記ロールの取り付け又は取り外しのために、前記ロールアセンブリにトルクを供給するように構成されている、連結するステップ、
を含む方法。
【請求項6】
前記先細スリーブが、6°から12°の間のテーパ角を含んでいる、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記ロールアセンブリが、前記先細スリーブ連結されたロック/アンロックナットを含んでいる、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記ロールが、前記先細スリーブ上に配置されている、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、片持ち圧延機スタンドを用いた線材圧延の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のところ、質に関わる問題から、又は、圧延機がロールの摩耗ゆえに、又は、異なる寸法の製品を製造するために、ロール交換を必要とする場合、操作者が手動でロールを交換している。手動でのスタンド毎の平均交換時間は、20分の範囲であり、最も熟練した操作者は、12分以内にスタンドを1つ交換できる。ロールは、スリーブと合わせると約31kgの重さになることもあり、ロールの取り付け及び取り外しに用いられる高圧油圧工具は、さらに重い場合がある。重量は、吊り上げの許容範囲を超えることもあり、クレーン又は遠隔操縦機から取り付けを行わねばならず、これによってさらに、ロール交換のプロセスが複雑になる。自明のことながら、引入災害によって負傷する危険があり、機械上でロールを交換する間に、高温の装置によって火傷を負う危険がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一態様によると、ロール取り付けシステムが提供される。当該ロール取り付けシステムは、1つ以上のロールに連結されたロールアセンブリを含んでおり、当該ロールアセンブリは、1つ以上のロールの取り付け又は取り外しのための先細のアセンブリを用いて、1つ以上のロールを配置するように構成されている。ロール取り付けシステムは、ロールアセンブリに連結されたトルクアセンブリも含んでおり、トルクアセンブリは、1つ以上のロールの取り付け又は取り外しのために、ロールアセンブリにトルクを供給するように構成されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の別の態様によると、ロール取り付けシステムの運用を行うための方法が供給されている。当該方法は、ロールアセンブリ内への1つまたは複数のロールの配置を含んでいる。ロールアセンブリは、1つ以上のロールの取り付け又は取り外しのための先細のアセンブリを用いて、1つ以上のロールを配置するように構成されている。トルクアセンブリは、1つ以上のロールの取り付け又は取り外しのために、ロールアセンブリにトルクを供給するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】いくつかの態様に従う、ロールアセンブリを伴わないロールハウジングを異なる視点で示す概略図である。
図1B】いくつかの態様に従う、ロールアセンブリを伴わないロールハウジングを異なる視点で示す概略図である。
図2A】いくつかの態様に従う、ロール取り付けシステムで用いられるロールアセンブリの概略図である。
図2B】いくつかの態様に従う、ロール取り付けシステムで用いられるロールアセンブリの概略図である。
図3A】いくつかの態様に従う、ロール取り付けシステムで用いられるロールアセンブリが取り付けられたロールハウジングの概略図である。
図3B】いくつかの態様に従う、ロール取り付けシステムで用いられるロールアセンブリが取り付けられたロールハウジングの概略図である。
図4A】いくつかの態様に従う、取り付けられるロールアセンブリを伴うロールハウジング、及び、ロール取り付けシステムによって取り付けられた2つのロールアセンブリを伴うロールハウジングの概略図である。
図4B】いくつかの態様に従う、取り付けられるロールアセンブリを伴うロールハウジング、及び、ロール取り付けシステムによって取り付けられた2つのロールアセンブリを伴うロールハウジングの概略図である。
図5A】いくつかの態様に従う、ロール取り付けシステム内のロールアセンブリの取り付け又は取り外しに用いられるロール組み合わせ工具の概略図である。
図5B】いくつかの態様に従う、ロール取り付けシステム内のロールアセンブリの取り付け又は取り外しに用いられるロール組み合わせ工具の概略図である。
図6A】いくつかの態様に従う、ロール取り付けシステム内のロールアセンブリを共に示す、ロール組み合わせ工具の概略図である。
図6B】いくつかの態様に従う、ロール取り付けシステム内のロールアセンブリを共に示す、ロール組み合わせ工具の概略図である。
図7】いくつかの態様に従う、取り付けられた1つのロールアセンブリを伴うロールハウジング、及び、ロール取り付けシステム内のロールアセンブリと共に示されるロール組み合わせ工具の概略図である。
図8A】いくつかの態様に従う、取り付けられた1つのロールアセンブリを伴うロールハウジング、及び、ロール取り付けシステム内のロールアセンブリと共に示されるロール組み合わせ工具の概略図である。
図8B】いくつかの態様に従う、取り付けられた1つのロールアセンブリを伴うロールハウジング、及び、ロール取り付けシステム内のロールアセンブリと共に示されるロール組み合わせ工具の概略図である。
図9】いくつかの態様に従う、ロールハウジングの1つの可能な一般的配置を、ロボット上のロール取り付けシステムと共に示す概略図である。
図10】いくつかの態様に従う、ロールハウジングの1つの可能な一般的配置を、ロボット上のロール取り付けシステムと共に示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、ロボット又は他の方法によって支援されるロール交換システムで用いるための機械的ロール交換システムについて記載している。本開示は、片持ち圧延機スタンド上での機械的なロール交換に関連する問題を解決する。高圧油圧機器の使用は除外されており、これによって、ツーリングシステムの重量及び複雑さは減少する。加えて、複数の工具(例えばロールハンドリング、ロール取り付け及びロール取り外し工具)が必要とされない態様もある。新しいロール取り付け及び取り外しシステムを、エンドエフェクタとして、市販の遠隔操縦機又は6軸ロボットに統合することが可能なので、手動でのロールの取り外し及び取り付けは、もはや必要ない。ロール交換は、自動的に達成され得る。いくつかの態様では、新型のロール取り付け装置が、部分的な故障による問題を取り除き、圧延機スタンドの負荷容量を増大させる。
【0007】
ロール取り付けシステムは、ロール、バネ、先細スリーブ、先細スリーブ取り外し及びトルク遮断リング、並びに、ロック/アンロックナットを含んでいる。ロールをシステムを用いて取り付けるために、以下に記載するロールアセンブリは、遠隔操縦機又はロボットによって、付属するロール取り付けシステムを用いて、ピニオンに提供される。正しく配置されると、ロール取り付けシステムは、トルク駆動によって、ロールとピニオンとの間で先細スリーブを押すために、ロック及びアンロックナットを正しい方向において駆動し、これによって、先細スリーブは膨張して、ロールを位置に留めるために正しい量の力を生成する。加えられるトルクは、先細スリーブ取り外し及びトルク遮断リングによって遮断され、先細スリーブ取り外し及びトルク遮断リングは、ロールアセンブリの不可欠の一部であり、トルク荷重が運用の間にロール取り付けシステムを介してロボットアームに伝達されることを回避するために、ロール取り付けシステムと連動する。
【0008】
図1Aは、ロールハウジング構造110の主な構成要素およびロールピニオン120を共に示した、ロールハウジング100の概略的な斜視図である。ハウジング構造は、前板101とフリンガ102とを含んでいる。
【0009】
図1Bは、ロールハウジング内のロールピニオン120の内部配置を示す、ロールハウジング100の概略的な横断面図である。ロールピニオンの重要な特徴は、先細領域121及びネジ付き領域122である。
【0010】
図2Aは、高温の金属ワークピースを成形するための溝付きロール201、バネ202、先細スリーブ204、先細スリーブ取り外し及びトルク遮断リング206、ロック/アンロックナット208という、主要な構成要素と共に示した、ロールアセンブリ200の概略的な斜視図である。先細スリーブ取り外し及びトルク遮断リング206は、組み合わせ工具と係合するためのスプライン領域を含んでいる。ロック/アンロックナット208は、ナット208にトルクを供給するために、組み合わせ工具と係合するための凹状の空洞を含んでいる。
【0011】
図2Bは、アセンブリの内部配置を示す、ロールアセンブリ200の概略的な横断面図である。配置の重要な特徴は、先細スリーブ204とロール201との間におけるバネ202を含んでおり、バネ202は、先細スリーブ204がロールピニオンと、ロールピニオンのテーパ角に一致する先細スリーブ204上のテーパと、ロールピニオン上の対応スプラインと係合する先細スリーブ204上のスプラインと、特殊な工具内の対応スプラインと係合する先細スリーブ取り外し及びトルク遮断リング206上のスプラインと、ロールピニオンの端部における対応ネジ山に係合するロック/アンロックナット208上の雌ネジと、完全に係合する前に、ロール201をロールハウジング上のフリンガに当てるように作用する。
【0012】
いくつかの態様では、先細スリーブが、ロールの取り外しの間に使われる力をより少なくするために、6°から12°の範囲におけるテーパ角を含んでいる。この先細スリーブは、より大きなシステムの不可欠な構成要素であり、独立した部分ではない。
【0013】
別の態様は、先細スリーブの構成を著しく改善したものである。新しいスリーブは、ロールピニオンと嵌合する表面上に急角度を有している。急角度の結果、スリーブ及びピニオン上の滑り摩耗は小さくなる。急角度が生じる理由は主に、新しいシステムが、ロックナットによって加えられるスリーブへの一定の軸力を維持することにある。角度の浅い本システムは、ロール取り付け工具によってピニオンに押し付けられるスリーブに依存しており、スリーブを膨張させ、従って径方向においてロールに押し付け、スタンドにトルク伝達能力を提供するために、結果として生じる摩擦に依存している。取り付けに用いられる力を制限する必要がある。なぜなら、ロール交換の間に、同じスリーブをピニオンから引き抜く必要があるからである。
【0014】
取り外しプロセスの間は、大きな取り外し力を用いることによって先細スリーブの「耳」を破損する高い危険が存在する。現在のスリーブは、バヨネット型の構造を有しているので、取り外し工具に係合する耳は、スリーブの周囲の180°よりも小さい。急角度を有する新しいスリーブは、(ロックナットによって加えられる)より大きい力で取り付け可能であり、このより大きな力は、取り付けの後も一定して加えられる。なぜなら、ロックナットが位置に留まったままだからである。取り外す際、取り外し力が加えられる先細スリーブの一部は、スリーブ外周の連続的なリングであるので、力は分配され、破損の危険は著しく減少する。また、より大きな力を先細スリーブに加えることができるので、スタンドのトルク容量は、ロールに対するスリーブの膨張が増大することによって増大する。
【0015】
図3Aは、ロールピニオン120のそれぞれに取り付けられたロールアセンブリ302を伴う、ロールハウジング300の概略的な斜視図であり、どのようにロール内の溝が位置合わせされ、金属ワークピースがロールの間を通過する際に、溝の形状に成形されるかを示している。
【0016】
図3Bは、ロールピニオン120のそれぞれに取り付けられたロールアセンブリ302を伴う、ロールハウジング300の概略的な横断面図であり、ロールハウジング及びロールアセンブリの内部配置を示している。図3Bにおいて明らかである重要な特徴は、ロールとハウジング300上のフリンガとの接触であり、ロールとフリンガとはバネ202によって接触させられており、先細スリーブ204をロールピニオン120の先細領域と係合させている。
【0017】
図4Aは、ロールハウジング400の概略的な斜視図であり、ロールピニオン402の回転軸は、圧延機で一般的に用いられる水平から総じて45°に方向付けられており、ロールアセンブリは取り付けられていないが、ロールピニオン402の内の1つと同軸に方向付けられた1つのロールアセンブリ404が、ロールアセンブリ404をロールピニオン402に取り付ける直前の状態で共に示されている。
【0018】
図4Bは、ロールハウジング400の概略的な斜視図であり、ロールピニオン402の回転軸は、圧延機で一般的に用いられる水平から総じて45°に方向付けられており、ロールアセンブリ404がロールピニオン402に取り付けられている。
【0019】
図5Aは、ロール組み合わせ工具500の概略的な斜視図であり、ロールアセンブリの取り付け及びロールピニオンからの取り外しに用いられるロールアセンブリは示されていない。ロール組み合わせ工具500は、ロールアセンブリに連結されたロールアセンブリホルダ502を含んでいる。ロール組み合わせ工具500は、トルクを供給するために、パワーレンチ504を含んでいる。パワーレンチ504は、図2に係るロック/アンロックナット208に係合している。ロール組み合わせ工具500は、ロック/アンロックナット208が先細スリーブ204をピニオンに押し付ける間、又は、ロールの取り外しの際に、先細スリーブ204をピニオンから解く間のトルクからロボットアーム又は遠隔操縦機を絶縁するために、トルクを先細スリーブ取り外し及びトルク遮断リング206に供給すべく、パワーレンチ504を回転させる手段を含んでいる。ロールアセンブリは、対応するロールピニオン上に取り付けられるように構成されている。
【0020】
ロール保持機構506は、工具ホルダ502に取り付けられており、ロールアセンブリがロール組み合わせ工具500によって持ち上げられる場合に、ロールアセンブリに支援を提供するために用いられる。先細スリーブ保持機構508は、組み合わせ工具502に取り付けられており、ロールアセンブリがロール組み合わせ工具500によって持ち上げられる場合に、先細スリーブ204に支援を提供するために用いられる。ロック/アンロックナット208は、ロールシャフトに導入される際に、先細スリーブ204をピニオンに押し付けるように構成されている。管状又は他の構造510は、ロール工具ホルダ502に連結されている。管状又は他の構造510は、取り付けフランジ512に連結されている。取り付けフランジ512は、ロボットアーム又は同様のものに接続され得る。
【0021】
図5Bは、ロール組み合わせ工具500の概略的な横断面図であり、ロールアセンブリの取り付け及びロールピニオンからの取り外しに用いられるロールアセンブリは伴っておらず、ロボットと接続するための取り付けフランジ512、先細スリーブ保持機構508、ロール保持機構506及びパワーレンチ504を示している。
【0022】
図6Aは、図5Aから図5Bに示したような、ロールアセンブリの取り付け及びロールピニオンからの取り外しに用いられるロール組み合わせ工具600を、ロールアセンブリ602と共に示した概略的な斜視図である。
【0023】
図6Bは、ロールアセンブリの取り付け及びロールピニオンからの取り外しに用いられるロール組み合わせ工具600の横断面を、ロールアセンブリ602と共に概略的に示した図である。ロール組み合わせ工具600は、ロボットアーム又は同様のものに接続するための取り付けフランジ604を含んでいる。先細スリーブ保持機構606は、ロールアセンブリ602内で先細スリーブ608と接触している。ロール保持機構610は、ロールアセンブリ602内でロールを支持し、パワーレンチ612は、ロールアセンブリ602内でロック及びアンロックナット614に係合している。
【0024】
図7は、ロールハウジング700の概略的な斜視図であり、ロールピニオン704及び710の回転軸は、圧延機で一般的に用いられる水平から総じて45°に方向付けられており、1つのロールアセンブリ702がロールピニオン704に取り付けられており、ロール組み合わせ工具706は、ロールピニオンの内の1つと同軸に方向付けられたロールアセンブリ708を保持しており、ロールアセンブリ708がロールピニオン710上に取り付けられる直前の状態を示している。ロール組み合わせ工具706は、図5Aから図5B及び図6Aから図6Bに示されたロール組み合わせ工具500及び600と類似している。
【0025】
図8Aは、ロールハウジング800の概略図であり、ロールピニオン802及び804の回転軸は、圧延機で一般的に用いられる水平から総じて45°に方向付けられており、ロール組み合わせ工具808は、ロールピニオンの内の1つ804と同軸に配置されたロールアセンブリ810を保持しており、ロールアセンブリ810がロールピニオン804上に取り付けられる際の、又は、ロールアセンブリ810をロールピニオン804から取り外す準備ができた、状態を示している。ロール組み合わせ工具808は、ロボットアーム又は持ち上げ工具に接続するための取り付けフランジ812を含んでいる。ロール組み合わせ工具808も、図5Aから図5B及び図6Aから図6Bに示されたロール組み合わせ工具500及び600と類似している。
【0026】
図8Bは、ロールハウジング800の概略的な横断面図であり、ロールピニオン802及び804の回転軸は、圧延機で一般的に用いられる水平から総じて45°に方向付けられており、ロール組み合わせ工具808は、ロールピニオンの内の1つ804と同軸に配置されたロールアセンブリ810を保持しており、ロールアセンブリ810がロールピニオン804上に取り付けられる際の、又は、ロールアセンブリ810をロールピニオン804から取り外す準備ができた、状態を示している。
【0027】
図9は、圧延機のロールハウジング900の概略的な斜視図であり、ロールピニオン902及び904の回転軸は、圧延機で一般的に用いられる水平から総じて45°に方向付けられており、ロール組み合わせ工具906によって、1つのロールアセンブリ908が保持されており、いくつかの態様と一致して、ロールアセンブリ908を、ロボットアーム又は持ち上げ工具912に接続された取り付けフランジ910を用いて、対象とするロールピニオン904に取り付ける前の状態を示している。ロール組み合わせ工具906も、図5Aから図5B及び図6Aから図6Bに示されたロール組み合わせ工具500及び600と類似している。
【0028】
図10は、圧延機のロールハウジング1000の概略的な斜視図の別の描写であり、ロールピニオン1002及び1004の回転軸は、圧延機で一般的に用いられる水平から総じて45°に方向付けられており、ロール組み合わせ工具1008によって、ロールアセンブリ1006が保持されており、いくつかの態様と一致して、ロールアセンブリ1006を、対象とするロールピニオン1004に取り付ける前の状態を示している。ロール組み合わせ工具1008も、図5Aから図5B及び図6Aから図6Bに示されたロール組み合わせ工具500及び600と類似している。
【0029】
完全に自動化されたシステムを得るために、ロール取り付けシステムは、新しいピニオンの圧延機スタンドへの取り付けを必要とするが、存在するピニオン及び在庫の予備のいずれのピニオンも、改造又はリメイクされ、使用され得る。本発明の運用に関して、既存の圧延機の目録に変更はないが、ロールの目録及びスケジューリングに加えた変更をロボットシステムに伝えるために、ロールの目録を改善し、RFIDタグの介在によるスケジューリングを改善することができる。
【0030】
本発明は、既存のロールの操作、取り付け及び取り外しを、新しいロール取り付けシステムを用いて容易にしている。新しいロール取り付けシステムは、大きな寸法及び重量を伴う取り付け及び取り外しを容易にする先細スリーブアセンブリを用いる。いくつかの態様において、先細スリーブアセンブリが維持できる最大の力は、98.8メートルトンである。ロールアセンブリのトルク容量は、先細スリーブに加わる力が大きくなるので、増大する。先細スリーブのテーパ角が大きくなることによって、先細スリーブアセンブリの耐用年数は増大する。なぜなら、間における滑り摩耗が減少するからである。さらに、本発明は、油圧機器の使用を必ずしも必要としない。
【0031】
本発明を、いくつかの好ましい態様に関連して示し、記載してきたが、本発明の意図と範囲を離れることなく、その形状及び詳細に様々な変更、省略及び付加を行うことができる。
【符号の説明】
【0032】
100 ロールハウジング
101 前板
102 フリンガ
110 ロールハウジング構造
120 ロールピニオン
121 先細領域
122 ネジ付き領域
200 ロールアセンブリ
201 ロール
202 バネ
204 先細スリーブ
206 先細スリーブ取り外し及びトルク遮断リング
208 ロック/アンロックナット
300 ロールハウジング
302 ロールアセンブリ
400 ロールハウジング
402 ロールピニオン
404 ロールアセンブリ
500 ロール組み合わせ工具
502 ロールアセンブリホルダ、工具ホルダ、ロール工具ホルダ
504 パワーレンチ
506 ロール保持機構
508 先細スリーブ保持機構
510 管状又は他の構造
512 取り付けフランジ
600 ロール組み合わせ工具
602 ロールアセンブリ
604 取り付けフランジ
606 先細スリーブ保持機構
608 先細スリーブ
610 ロール保持機構
612 パワーレンチ
614 ロック及びアンロックナット
700 ロールハウジング
702 ロールアセンブリ
704、710 ロールピニオン
706 ロール組み合わせ工具
708 ロールアセンブリ
800 ロールハウジング
802、804 ロールピニオン
808 ロール組み合わせ工具
810 ロールアセンブリ
812 取り付けフランジ
900 ロールハウジング
902、904 ロールピニオン
906 ロール組み合わせ工具
908 ロールアセンブリ
910 取り付けフランジ
912 持ち上げ工具
1000 ロールハウジング
1002、1004 ロールピニオン
1006 ロールアセンブリ
1008 ロール組み合わせ工具
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10