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特許7413591ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-04
(45)【発行日】2024-01-15
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20240105BHJP
【FI】
A63F13/69 510
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2023120663
(22)【出願日】2023-07-25
【審査請求日】2023-07-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522184361
【氏名又は名称】株式会社アカツキゲームス
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須河 史朗
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-029986(JP,A)
【文献】特許第7008849(JP,B1)
【文献】特開2022-168327(JP,A)
【文献】国際公開第2013/154068(WO,A1)
【文献】特開2022-136282(JP,A)
【文献】特開2020-074966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を、
プレイヤの要求に基づいて、複数のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき前記複数のコンテンツから所定数のコンテンツを選択し、選択した前記所定数のコンテンツを前記プレイヤに付与する第1抽選を実行する第1抽選部、及び
前記第1抽選を実行する場合、複数の特定のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき前記複数の特定のコンテンツから所定数の特定のコンテンツを選択し、選択した前記所定数の特定のコンテンツを前記プレイヤに付与する第2抽選を実行する権利を前記プレイヤに付与する第2抽選部、
として機能させるためのゲームプログラムであって、
前記プレイヤの要求に基づいて、予め設定された第1数量の仮想価値を消費して前記当選確率に基づき前記複数のコンテンツから前記所定数未満のコンテンツを選択し、選択した前記所定数未満のコンテンツを前記プレイヤに付与する第3抽選を実行する第3抽選部、
としてさらに機能させ、
前記第1抽選部は、
前記プレイヤの要求に基づいて、前記第1数量に前記所定数を乗じた数量になるように予め設定された第2数量の仮想価値を消費して前記第1抽選を実行し、
前記第2抽選部は、
前記第1抽選を実行する場合、前記権利を付与し、前記第3抽選を実行する場合、前記権利を付与せず
所定の有限の期間において、前記第1抽選を実行するための前記プレイヤの要求がある場合又は前記第1抽選を実行する場合、前記権利を前記プレイヤに付与し、
前記情報処理装置を、
前記第3抽選を実行する場合、前記期間を延長する期間延長部、
としてさらに機能させるゲームプログラム
【請求項2】
前記第2抽選部は、
前記権利を前記第1抽選の実行後に直ちに消費して前記第2抽選を実行する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記第2抽選部は、
前記権利として、前記プレイヤが使用することで任意のタイミングで前記第2抽選を実行する仮想アイテムを前記プレイヤに付与する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
プレイヤの要求に基づいて、複数のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき前記複数のコンテンツから所定数のコンテンツを選択し、選択した前記所定数のコンテンツを前記プレイヤに付与する第1抽選を実行するステップと、
前記第1抽選を実行する場合、複数の特定のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき前記複数の特定のコンテンツから所定数の特定のコンテンツを選択し、選択した前記所定数の特定のコンテンツを前記プレイヤに付与する第2抽選を実行する権利を前記プレイヤに付与するステップと、
を有する、ゲーム処理方法であって、
前記プレイヤの要求に基づいて、予め設定された第1数量の仮想価値を消費して前記当選確率に基づき前記複数のコンテンツから前記所定数未満のコンテンツを選択し、選択した前記所定数未満のコンテンツを前記プレイヤに付与する第3抽選を実行するステップ、
をさらに有し、
前記第1抽選を実行するステップは、
前記プレイヤの要求に基づいて、前記第1数量に前記所定数を乗じた数量になるように予め設定された第2数量の仮想価値を消費して前記第1抽選を実行し、
前記権利を前記プレイヤに付与するステップは、
前記第1抽選を実行する場合、前記権利を付与し、前記第3抽選を実行する場合、前記権利を付与せず
所定の有限の期間において、前記第1抽選を実行するための前記プレイヤの要求がある場合又は前記第1抽選を実行する場合、前記権利を前記プレイヤに付与し、
前記第3抽選を実行する場合、前記期間を延長するステップ、
をさらに有するゲーム処理方法
【請求項5】
プレイヤの要求に基づいて、複数のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき前記複数のコンテンツから所定数のコンテンツを選択し、選択した前記所定数のコンテンツを前記プレイヤに付与する第1抽選を実行する第1抽選部と、
前記第1抽選を実行する場合、複数の特定のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき前記複数の特定のコンテンツから所定数の特定のコンテンツを選択し、選択した前記所定数の特定のコンテンツを前記プレイヤに付与する第2抽選を実行する権利を前記プレイヤに付与する第2抽選部と、
を有する、情報処理装置であって、
前記プレイヤの要求に基づいて、予め設定された第1数量の仮想価値を消費して前記当選確率に基づき前記複数のコンテンツから前記所定数未満のコンテンツを選択し、選択した前記所定数未満のコンテンツを前記プレイヤに付与する第3抽選を実行する第3抽選部、
をさらに有し、
前記第1抽選部は、
前記プレイヤの要求に基づいて、前記第1数量に前記所定数を乗じた数量になるように予め設定された第2数量の仮想価値を消費して前記第1抽選を実行し、
前記第2抽選部は、
前記第1抽選を実行する場合、前記権利を付与し、前記第3抽選を実行する場合、前記権利を付与せず
所定の有限の期間において、前記第1抽選を実行するための前記プレイヤの要求がある場合又は前記第1抽選を実行する場合、前記権利を前記プレイヤに付与し、
前記第3抽選を実行する場合、前記期間を延長する期間延長部、
をさらに有する情報処理装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、ゲーム処理方法、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークに接続された端末機器によりプレイされるいわゆるオンラインゲームにおいて、ゲーム上で使用できるキャラクタやアイテム等のコンテンツが、偶然性を利用してコンテンツの種類が決まる方法によってユーザに提供される、いわゆる「ガチャ」と呼ばれる抽選ゲームが知られている。
【0003】
このようなガチャの一例として、例えば特許文献1には、プレイヤがガチャを実行するほどゲーム的価値(レアリティ)の高いコンテンツの当選確率が上昇する、いわゆるステップアップガチャが記載されている。このステップアップガチャでは、ガチャが実行される度に回数が1ずつ増加し、回数が上限に達する度に周回数が1ずつ増加する。レアリティの高いコンテンツの当選確率が、周回数の増加に応じて上昇するように設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-29986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、レアリティの高いコンテンツを入手するためにガチャを多数回実行することが必要となる可能性がある。このため、プレイヤがガチャを実行しようとする意欲を低下させる可能性があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、プレイヤがガチャを実行しようとする意欲を高めてガチャの実行を促進することができるゲームプログラム、ゲーム処理方法、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のゲームプログラムは、情報処理装置を、プレイヤの要求に基づいて、複数のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき前記複数のコンテンツから所定数のコンテンツを選択し、選択した前記所定数のコンテンツを前記プレイヤに付与する第1抽選を実行する第1抽選部、及び前記第1抽選を実行する場合、複数の特定のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき前記複数の特定のコンテンツから所定数の特定のコンテンツを選択し、選択した前記所定数の特定のコンテンツを前記プレイヤに付与する第2抽選を実行する権利を前記プレイヤに付与する第2抽選部、として機能させる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明のゲーム処理方法は、情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、プレイヤの要求に基づいて、複数のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき前記複数のコンテンツから所定数のコンテンツを選択し、選択した前記所定数のコンテンツを前記プレイヤに付与する第1抽選を実行するステップと、前記第1抽選を実行する場合、複数の特定のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき前記複数の特定のコンテンツから所定数の特定のコンテンツを選択し、選択した前記所定数の特定のコンテンツを前記プレイヤに付与する第2抽選を実行する権利を前記プレイヤに付与するステップと、を有する。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、プレイヤの要求に基づいて、複数のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき前記複数のコンテンツから所定数のコンテンツを選択し、選択した前記所定数のコンテンツを前記プレイヤに付与する第1抽選を実行する第1抽選部と、前記第1抽選を実行する場合、複数の特定のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき前記複数の特定のコンテンツから所定数の特定のコンテンツを選択し、選択した前記所定数の特定のコンテンツを前記プレイヤに付与する第2抽選を実行する権利を前記プレイヤに付与する第2抽選部と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゲームプログラム、ゲーム処理方法、及び情報処理装置によれば、プレイヤがガチャを実行しようとする意欲を高めてガチャの実行を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を表す図である。
図2】サーバ装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
図3】ステップアップガチャの開始時にタッチパネルに表示される第1ガチャのゲーム画面の一例を表す図である。
図4】第1ガチャの当選確率の一例を表す図である。
図5】第1ガチャの実行結果を表す画面の一例を表す図である。
図6】第1ガチャの実行後にタッチパネルに表示される第2ガチャのゲーム画面の一例を表す図である。
図7】第2ガチャの当選確率の一例を表す図である。
図8】第2ガチャの実行結果を表す画面の一例を表す図である。
図9】サーバのCPUによって実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
図10】第1ガチャを実行可能な期間を延長可能とする変形例に係るサーバ装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
図11】第1ガチャを実行可能な期間を延長可能とする変形例に係る第1ガチャのゲーム画面の一例を表す図である。
図12】第3ガチャのゲーム画面の一例を表す図である。
図13】情報処理装置のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<1.ゲームシステムの全体構成>
図1を用いて、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、複数のプレイヤによって操作される複数の端末装置3(図1では1つのみ図示)と、サーバ装置5を有する。各端末装置3とサーバ装置5は、例えばLANやインターネット等のネットワークNWを介して通信可能に接続されている。なお、ネットワークNWは無線又は有線のいずれでもよい。また、図1ではサーバ装置5が単一のコンピュータで構成されているが、複数のコンピュータで構成されてもよい。
【0014】
端末装置3は、例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、携帯型ゲーム機等である。但し、これらに限定されるものではなく、例えば、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、据え置き型のゲーム機等としてもよい。端末装置3は、各種の表示及びプレイヤによる各種の入力操作が行われるタッチパネル7を有する。プレイヤは、指やペン等によりタッチパネル7に接触することで所望の操作入力を行う。
【0015】
タッチパネル7の検出方式は、特に限定されるものではないが、例えば抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式等、種々の検出手法を採用することが可能である。なお、端末装置3は、タッチパネル7以外に、ボタンやスイッチ、レバー、ジョイスティック等の入力部を備えてもよい。また、端末装置3は、スピーカー等の音声出力部を備える。
【0016】
サーバ装置5(情報処理装置の一例)は、いわゆるサーバコンピュータである。サーバ装置5は、ゲームサービスを受ける各プレイヤの端末装置3からのネットワークNWを介したアクセスを受け付けて、各プレイヤのゲーム情報を記録装置に蓄積して管理し、各プレイヤの端末装置3にネットワークNWを介したオンラインゲームサービスを提供する。
【0017】
サーバ装置5によるゲームサービスの提供の形態としては、ゲームプログラム(アプリケーションソフトウェアともいう)がサーバ装置5に実装されており、端末装置3でゲームを実行するのではなく、端末装置3でのプレイヤの操作入力に応じてサーバ装置5でゲームを実行し、その実行結果を各プレイヤの端末装置3に送信する形態がある。例えば、各プレイヤの端末装置3に搭載されたウェブブラウザによってゲームをプレイできる、いわゆるブラウザゲームをサーバ装置5が提供してもよい。また、サーバ装置5でゲームを実行した結果のゲーム映像を、例えばストリーミング形式等で端末装置3に送信する、いわゆるクラウドゲームをサーバ装置5が提供してもよい。あるいは、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)においてウェブブラウザ上で動作するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)などの動作環境を基に作成されるアプリケーションソフトウェアによって実行される、いわゆるソーシャルゲームをサーバ装置5が提供してもよい。なお、端末装置3にゲームプログラムの一部をインストールし、サーバ装置5だけでなく端末装置3においても部分的にゲーム処理が実行されるようにしてもよい。
【0018】
<2.サーバの機能的構成>
次に、図2を用いて、サーバ装置5の機能的構成の一例について説明する。
【0019】
なお、以下では、例えばゲーム上で使用できるキャラクタ(キャラクタカード等を含む)やアイテム等のコンテンツが、偶然性を利用してコンテンツの種類が決定される方法によってプレイヤに提供される抽選ゲームのことを「ガチャ」という。ガチャは、それ自体が単独のゲームとして実行されてもよいし、例えばロールプレイングゲーム、シミュレーションゲーム、アクションゲーム等、様々なジャンルのゲーム上にて実行されてもよい。
【0020】
図2に示すように、サーバ装置5は、コンテンツデータベース9と、第1抽選部11と、期間判定部13と、抽選判定部15と、第2抽選部17とを有する。
【0021】
コンテンツデータベース9には、サーバ装置5で実行されるガチャで提供されるコンテンツのラインナップ、当選確率、必要対価等の情報が記録されている。「コンテンツ」とは、各種のゲーム上で使用可能なゲームキャラクタ(キャラクタカード等を含む)やアイテム(例えば武器、防具、装具、仮想通貨、各種効能を備えた物品、道具等)等である。なお、コンテンツは、ゲーム内での価値に応じた種別に分類されていてもよい。
【0022】
本実施形態では、複数のステップからなるガチャが実行される。一のステップでガチャが実行された後に、予め設定された順序で次のステップに移行し、移行したステップでガチャが実行される。このようなガチャをステップアップガチャともいう。本実施形態のガチャは、例えば2つのステップから構成されており、第1ステップから始めて第2ステップに移行する。なお、ステップ数は3以上としてもよい。
【0023】
ガチャで提供されるコンテンツのラインナップ、当選確率、必要対価等の情報は、ステップごとに設定されており、コンテンツデータベース9には各ステップに対応した当選確率がそれぞれ記録されている。なお、各ステップの上記情報は、ステップごとに独立した別々のテーブルとして管理されてもよいし、共通のテーブルとしてステップごとに変動させるように管理されてもよい。
【0024】
「当選確率」には、抽選対象となる複数のコンテンツが分類される複数の種別のそれぞれに設定された種別当選確率、及び各種別に分類されたコンテンツごとに設定されたコンテンツ当選確率が含まれている。「種別」とは、各コンテンツをゲーム内での価値(レアリティ、能力、効能値等)に応じて分類するために設定された種別である。種別の種類は特に限定されるものではないが、本実施形態では例えば「★1(ノーマル)」、「★2(レア)」、「★3(スーパーレア)」の3種類の種別に分類される場合を一例として説明する。一の種別に分類された各コンテンツのコンテンツ当選確率の合計は対応する一の種別の種別当選確率と一致し、全種別の種別当選確率の合計は100%となる(後述の図4図7参照)。
【0025】
「必要対価」とは、各ステップのガチャを実行するために必要な、プレイヤに対して要求する対価である。「対価」とは、例えばゲーム上で獲得又は消費可能な仮想価値(ポイント、仮想通貨、消費アイテム等)であり、所定の単位を基準とした数値や数量等で表される。仮想価値は、例えばプレイヤが所定のクエストやミッションをクリアした報酬として獲得するものやオンラインゲームの運営側から配布されるもの等の無償で取得されるものであってもよいし、またはプレイヤによる所定の購入手続きを経て有償で取得されるものであってもよい。必要対価は、所定数量の有償又は無償の仮想価値であってもよいし、0(仮想価値の消費不要)であってもよい。
【0026】
第1抽選部11は、プレイヤの要求に基づいて、ステップアップガチャにおける第1ステップのガチャである第1ガチャ(第1抽選の一例)を実行する。この際、第1抽選部11は、予め設定された数量の仮想価値を消費して第1ガチャを実行する。消費される仮想価値は、有償の仮想価値でもよいし無償の仮想価値でもよい。第1ガチャでは、複数のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき複数のコンテンツから所定数のコンテンツが選択され、選択された所定数のコンテンツがプレイヤに付与される。第1ガチャは、プレイヤの一度の要求に応じて複数回のガチャを連続して実行する、いわゆる連発ガチャでもよいし、プレイヤの一度の要求に応じて1回のガチャを実行する単発ガチャでもよい。連発数は特に限定されるものではなく、例えば5連、10連、20連等としてもよい。「所定数」は1以上の数であり、単発ガチャであれば1、5連ガチャであれば5、10連ガチャであれば10、20連ガチャであれば20である。本実施形態では、第1ガチャがプレイヤに対して所定額の課金がなされる有償の10連ガチャである場合を一例として説明する。第1抽選部11は、第1ガチャで選択した複数のコンテンツを、第1ガチャを実行したプレイヤに関連付けることで、第1ガチャの当選コンテンツをプレイヤに付与する。
【0027】
期間判定部13は、プレイヤによる第1ガチャの実行要求が所定の有限の期間内であるか否かを判定する。「所定の有限の期間」は、例えばプレイヤが本実施形態のガチャの実行画面に最初にアクセスしてからの期間である。ガチャの実行画面に最初にアクセスしたタイミングはプレイヤによって異なるため、期間判定部13はプレイヤごとに所定の有限の期間内であるか否かを判定する。期間の長さは特に限定されるものではないが、例えば時間数、日数、週数、月数等によって設定されてもよい。本実施形態では、所定の期間が72時間である場合を一例として説明する。第1抽選部11は、期間判定部13によりプレイヤの第1ガチャの要求が所定の期間内であると判定された場合に第1ガチャの実行を許容し、プレイヤの第1ガチャの要求が所定の期間外であると判定された場合には第1ガチャを実行しない。
【0028】
抽選判定部15は、プレイヤが行った第1ガチャの実行要求がそのプレイヤによる初回の実行要求であるか否かを判定する。抽選判定部15は、プレイヤごとに第1ガチャの実行要求が初回であるか否かを判定する。第1抽選部11は、抽選判定部15により第1ガチャの実行要求が初回であると判定された場合に第1ガチャの実行を許容し、第1ガチャの実行要求が初回でないと判定された場合には第1ガチャを実行しない。つまり、1人のプレイヤに対して1回に限り第1ガチャの実行が許容される。
【0029】
第2抽選部17は、第1ガチャの実行後に、プレイヤの要求に基づいて、ステップアップガチャにおける第2ステップのガチャである第2ガチャ(第2抽選の一例)を実行する。この際、第2抽選部17は、上述した仮想価値を消費せずに第2ガチャを実行する。すなわち、第2ガチャはプレイヤに対して課金がなされない無償のガチャである。なお、第2ガチャを有償のガチャとしてもよい。第2ガチャでは、複数の特定のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき複数の特定のコンテンツから所定数の特定のコンテンツが選択され、選択された所定数の特定のコンテンツがプレイヤに付与される第2ガチャを実行する権利がプレイヤに付与される。すなわち、第2抽選部17は、所定の有限の期間において、第1ガチャを実行するためのプレイヤの要求がある場合又は第1抽選部11により第1ガチャを実行する場合、第2ガチャを実行する権利をプレイヤに付与する。
【0030】
「特定のコンテンツ」は、第2ガチャの当選コンテンツとして予め定められたコンテンツであり、典型的にはゲーム内での価値が比較的高い種別に分類されたコンテンツである。本実施形態では、最も価値の高い「★3(スーパーレア)」の種別に分類されたコンテンツである場合を一例として説明する。なお、「特定のコンテンツ」は、第1ガチャのコンテンツのラインナップに含まれるコンテンツとしてもよいし、第1ガチャのコンテンツのラインナップには含まれない第2ガチャ専用のコンテンツとしてもよい。本実施形態では、特定のコンテンツが第1ガチャのコンテンツのラインナップに含まれる「★3(スーパーレア)」の種別に分類されたコンテンツである場合を一例として説明する。
【0031】
「複数の特定のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率」は、例えば上記「特定のコンテンツ」が第1ガチャよりも高い確率で当選するように設定された当選確率である。本実施形態では、「★3(スーパーレア)」の種別に分類された各コンテンツのコンテンツ当選確率の合計、すなわち「★3(スーパーレア)」の種別当選確率が100%となるように設定されている。つまり、第2ガチャでは「★3(スーパーレア)」の種別に分類されたコンテンツのいずれかが確定的に選択される。
【0032】
第2ガチャは、プレイヤの一度の要求に応じて1回のガチャを実行するいわゆる単発ガチャでもよいし、上述した連発ガチャでもよい。「所定数の特定のコンテンツ」は単発ガチャの場合には1つの特定のコンテンツとなり、連発ガチャの場合には連発数と一致する複数の特定のコンテンツとなる。本実施形態では、第2ガチャが単発ガチャである場合を一例として説明する。
【0033】
第2抽選部17は、第1ガチャの実行後のプレイヤの要求に基づいて、プレイヤに付与した第2ガチャを実行する権利を第1ガチャの実行後に直ちに消費して第2ガチャを実行してもよい。この場合、プレイヤの要求操作により第1ガチャが実行された後に、プレイヤの次の要求操作により連続して第2ガチャが実行される。なお、第1ガチャの実行後に、プレイヤが操作をすることなく第2ガチャを実行してもよい。また、第1ガチャの実行後の画面又は次の画面で第2ガチャを実行してもよい。また、第2抽選部17は、第2ガチャを実行する権利として、プレイヤが使用することで任意のタイミングで第2ガチャを実行する仮想アイテム(例えばガチャチケット等)をプレイヤに付与してもよい。この場合、プレイヤは任意のタイミングで仮想アイテムを使用して第2ガチャを実行することができる。プレイヤは、例えば実行するガチャを選択するためのガチャ選択画面や、第2ガチャ実行後のゲーム画面等で仮想アイテムを使用することができる。第2抽選部17は、第2ガチャで選択した所定数の特定のコンテンツを、第2ガチャを実行したプレイヤに関連付けることで、第2ガチャの当選コンテンツをプレイヤに付与する。
【0034】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU501(図13参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。さらに、以上説明した各処理部は、全部がサーバ装置5側に実装される場合に限定されるものではなく、その一部又は全部が端末装置3側に実装されてもよい。
【0035】
<3.ステップアップガチャの内容>
次に、図3図8を用いて、本実施形態に係るステップアップガチャの内容の一例について説明する。
【0036】
(3-1.第1ガチャのゲーム画面)
図3に、ステップアップガチャの開始時にタッチパネル7に表示される第1ガチャのゲーム画面の一例を示す。図3に示す例では、ゲーム画面19に、ガチャ実行ボタン21及びガチャ終了ボタン23が表示されるとともに、各種の情報が表示されている。
【0037】
ゲーム画面19の上部には、ステップアップガチャのタイトル(この例では「72時間限定★3キャラ確定ガチャ」)が表示され、その下方にはいずれのステップのガチャであるかを表すステップ表示部25が表示されている。図3に示す例では、第1ステップのガチャであることが表示されている。
【0038】
ステップ表示部25の下方には、第1ステップで実行される第1ガチャ(図3に示す例では10連ガチャ)を実行するか否かをプレイヤに確認するメッセージ及び必要対価(図3に示す例では「有償石3000」)等の情報を表示する情報表示部27と、ガチャ実行ボタン21及びガチャ終了ボタン23が表示されている。
【0039】
ゲーム画面19の下部には、第1ガチャのコンテンツの各種別について種別当選確率が表示されている。図3に示す例では、コンテンツは例えば3種類の種別「★1(ノーマル)」、「★2(レア)」、「★3(スーパーレア)」に分類されている。この例では「★1(ノーマル)」の種別当選確率が80%で最も高く、すなわち最も価値が低く設定されている。また、「★3(スーパーレア)」の種別当選確率が5%で最も低く、すなわち最も価値が高く設定されている。また、「★2(レア)」の当選確率が15%であり、すなわち「★1(ノーマル)」と「★3(スーパーレア)」の中間の価値に設定されている。
【0040】
なお、プレイヤにより所定の操作が行われた場合には、ゲーム画面19とは別に、第1ガチャにより提供される全てのコンテンツのラインナップと、各コンテンツのコンテンツ当選確率が個別に表示される(図4(a)~図4(c)参照)。
【0041】
また、コンテンツの種別の数は3種類に限定されるものではなく、例えば2種類でもよいし、4種類以上としてもよい。また、種別の名称も上記に限定されるものではなく、例えば「ウルトラレア」、「レジェンド」、「五つ星」等、その他の名称を用いてもよい。
【0042】
(3-2.第1ガチャの当選確率)
図4(a)~図4(c)に、第1ガチャのコンテンツの当選確率の一例を示す。図4(a)は「★1(ノーマル)」に分類された全てのコンテンツについてのコンテンツ当選確率を個別に示している。図4(a)に示す例では、40個のコンテンツN-1~N-40についてコンテンツ当選確率が個別に表示されている。個別表示された全コンテンツのコンテンツ当選確率の合計は、「★1(ノーマル)」の種別当選確率(この例では80%)と等しくなるように設定されている。なお、この例では各コンテンツのコンテンツ当選確率が均等となるように設定されているが(80%/40=2%)、各コンテンツで異ならせてもよい。
【0043】
また、図4(b)は「★2(レア)」に分類された全てのコンテンツについてのコンテンツ当選確率を個別に示している。図4(b)に示す例では、10個のコンテンツR-1~R-10についてコンテンツ当選確率が個別に表示されている。個別表示された全コンテンツのコンテンツ当選確率の合計は、「★2(レア)」の種別当選確率(この例では15%)と等しくなるように設定されている。なお、この例では各コンテンツのコンテンツ当選確率が均等となるように設定されているが(15%/10=1.5%)、各コンテンツで異ならせてもよい。
【0044】
また、図4(c)は「★3(スーパーレア)」に分類された全てのコンテンツについてのコンテンツ当選確率を個別に示している。図4(c)に示す例では、5個のコンテンツSR-1~SR-5についてコンテンツ当選確率が個別に表示されている。個別表示された全コンテンツのコンテンツ当選確率の合計は、「★3(スーパーレア)」の種別当選確率(この例では5%)と等しくなるように設定されている。なお、この例では各コンテンツのコンテンツ当選確率が均等となるように設定されているが(5%/5=1%)、各コンテンツで異ならせてもよい。
【0045】
図3に戻り、プレイヤによりガチャ実行ボタン21が操作された場合には、自動的に必要対価の支払い(プレイヤのその時点における所持対価の自動減額)が実行され、上記当選確率に基づく10連ガチャが実行される。一方、プレイヤによりガチャ終了ボタン23が操作された場合には、第1ガチャを実行せずにステップアップガチャを終了する。
【0046】
図5に、第1ガチャの実行結果を表す画面の一例を示す。図5に示すように、10連ガチャの実行により10個のコンテンツがプレイヤに付与されている。図5に示す例では、例えば「★1(ノーマル)」の7個のコンテンツN-33,N-40,N-5,N-2,N-16,N-18,N-29と、「★2(レア)」の3個のコンテンツR-7,R-3,R-5とが付与されている。なお、第2ガチャは第1ガチャの実行結果に関わらず実行される。例えば、第1ガチャにおいて最高レアリティである「★3(スーパーレア)」のコンテンツが少なくとも1個当選した場合でも、第2ガチャは実行される。また、第2ガチャのラインナップ、当選確率、必要対価は第1ガチャの実行結果により変動しない。例えば、第1ガチャにおいて最高レアリティである「★3(スーパーレア)」のコンテンツが少なくとも1個当選した場合でも、第2ガチャは予め設定されたラインナップ、当選確率、必要対価により実行される。
【0047】
(3-3.第2ガチャのゲーム画面)
図6に、第1ガチャの実行後にタッチパネル7に表示される第2ガチャのゲーム画面29の一例を示す。
【0048】
図6に示す例では、ステップ表示部31により第2ステップのガチャであることが表示されている。また、情報表示部33には、第2ステップで実行される第2ガチャ(図6に示す例では「ボーナスガチャ」と表示)を実行するか否かをプレイヤに確認するメッセージと、必要対価が無料であることが表示されている。
【0049】
ゲーム画面29の下部には、第2ガチャのコンテンツの各種別について種別当選確率が表示されている。図6に示す例では、「★3(スーパーレア)」の種別当選確率は100%であり、それ以外の「★1(ノーマル)」及び「★2(レア)」の種別当選確率はそれぞれ0%である。なお、「★3(スーパーレア)」が確定的に選択されることが表示されていれば、当選確率の表示を省略してもよい。
【0050】
(3-4.第2ガチャの当選確率)
図7に、第2ガチャのコンテンツの当選確率の一例を示す。図7に示す例では、5個のコンテンツSR-1~SR-5についてコンテンツ当選確率が個別に表示されている。個別表示された全コンテンツのコンテンツ当選確率の合計は、「★3(スーパーレア)」の種別当選確率(この例では100%)と等しくなるように設定されている。なお、この例では各コンテンツのコンテンツ当選確率が均等となるように設定されているが(100%/5=20%)、各コンテンツで異ならせてもよい。
【0051】
なお、図7に示す例では、第2ガチャのコンテンツのラインナップが第1ガチャのコンテンツのラインナップに含まれる「★3(スーパーレア)」を抽出したものである場合を図示しているが、これに限られず、その一部又は全部を、第1ガチャのコンテンツには含まれない第2ガチャ専用のコンテンツに置き換えてもよい。また、第1ガチャと第2ガチャのコンテンツのラインナップを完全に共通として、ラインナップを変更せずに当選確率のみを変動させてもよい。
【0052】
図6に戻り、プレイヤによりガチャ実行ボタン21が操作された場合には、上記当選確率に基づく第2ガチャが実行される。一方、プレイヤによりガチャ終了ボタン23が操作された場合には、第2ガチャを実行せずにステップアップガチャを終了する。
【0053】
図8に、第2ガチャの実行結果を表す画面の一例を示す。図8に示すように、単発ガチャである第2ガチャの実行により1個のコンテンツがプレイヤに付与されている。図8に示す例では、例えば「★3(スーパーレア)」のコンテンツSR-5が付与されている。なお、この例では「★3(スーパーレア)」の種別は確定されているが、その中のどのコンテンツが当選するか分からない。このため、他の例として、特定の指定されたコンテンツ(例えばSR-1等)が確定的に選択されるようにしてもよい。また、第2ガチャは単発に限らず連発でもよい。この場合、例えば「★3(スーパーレア)」の複数個のコンテンツがプレイヤに付与されてもよいし、例えば少なくとも1個の「★3(スーパーレア)」のコンテンツとそれ以外の種別のコンテンツとを組み合わせてプレイヤに付与してもよい。
【0054】
<4.サーバの処理手順>
次に、図9を用いて、サーバ装置5のCPU501によって実行される処理手順の一例について説明する。サーバ装置5は、図9に示す処理をプレイヤ(端末装置3)ごとに個別に実行する。
【0055】
ステップS5では、サーバ装置5は、プレイヤが本実施形態のステップアップガチャのゲーム画面にアクセスしたことに基づき、ステップアップガチャの第1ステップのガチャである第1ガチャのゲーム画面を端末装置3のタッチパネル7に表示する。
【0056】
ステップS10では、サーバ装置5は、プレイヤにより第1ガチャである10連ガチャの実行要求がなされたか否か、具体的にはゲーム画面19においてガチャ実行ボタン21が押されたか否かを判定する。サーバ装置5は、プレイヤにより10連ガチャの実行要求がなされなかった場合には(ステップS10:NO)、本フローチャートを終了する。一方、10連ガチャの実行要求がなされた場合には(ステップS10:YES)、次のステップS15に移行する。
【0057】
ステップS15では、サーバ装置5は、期間判定部13により、プレイヤによる第1ガチャの実行要求が所定の期間内であるか否かを判定する。具体的には、期間判定部13は、上記ステップS5においてプレイヤに対して最初にステップアップガチャのゲーム画面を表示した時点から期間のカウントを開始し、上記ステップS10(YES判定)で受け付けたプレイヤによる要求が所定の期間内であるか否かを判定する。サーバ装置5は、第1ガチャの実行要求が所定の期間外である場合には(ステップS15:NO)、本フローチャートを終了する。一方、サーバ装置5は、第1ガチャの実行要求が所定の期間内である場合には(ステップS15:YES)、次のステップS20に移行する。
【0058】
ステップS20では、サーバ装置5は、抽選判定部15により、プレイヤが行った第1ガチャの実行要求がそのプレイヤによる初回の実行要求であるか否かを判定する。第1ガチャの実行要求が初回でない場合には(ステップS20:NO)、本フローチャートを終了する。一方、第1ガチャの実行要求が初回である場合には(ステップS20:YES)、次のステップS25に移行する。
【0059】
ステップS25では、サーバ装置5は、第1抽選部11により、所定数量の有償の仮想価値を消費して10連ガチャを実行する。
【0060】
ステップS30では、サーバ装置5は、第1抽選部11により、上記ステップS25で実行した10連ガチャの結果である10個の当選コンテンツをプレイヤに付与する。
【0061】
ステップS35では、サーバ装置5は、ステップアップガチャの第2ステップのガチャである第2ガチャのゲーム画面を端末装置3のタッチパネル7に表示する。
【0062】
ステップS40では、サーバ装置5は、プレイヤにより第2ガチャであるボーナスガチャの実行要求がなされたか否か、具体的にはゲーム画面29においてガチャ実行ボタン21が押されたか否かを判定する。サーバ装置5は、プレイヤによりボーナスガチャの実行要求がなされなかった場合には(ステップS40:NO)、本フローチャートを終了する。一方、ボーナスガチャの実行要求がなされた場合には(ステップS40:YES)、次のステップS45に移行する。
【0063】
ステップS45では、サーバ装置5は、第2抽選部17により、仮想価値を消費せずに無料で単発のボーナスガチャを実行する。
【0064】
ステップS50では、サーバ装置5は、第2抽選部17により、上記ステップS45で実行したボーナスガチャの結果である1個の当選コンテンツをプレイヤに付与する。以上により、本フローチャートを終了する。
【0065】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除・変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよい。例えば、上記ステップS35を上記ステップS45の後に移動し、10連ガチャの結果をボーナスガチャの実行前に表示するのではなく、10連ガチャ及びボーナスガチャの実行後に10連ガチャの結果及びボーナスガチャの結果を併せて表示してもよい。この際、前述の図5及び図8に示すように10連ガチャの結果とボーナスガチャの結果を分けて表示してもよいし、10連ガチャの結果とボーナスガチャの結果を分けずに一緒に表示してもよい。
【0066】
<5.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態では、プレイヤの要求に基づいて、予め設定された当選確率に基づき複数のコンテンツから所定数のコンテンツを選択してプレイヤに付与する第1ガチャが実行された後に、予め設定された当選確率に基づき複数の特定のコンテンツから所定数の特定のコンテンツを選択してプレイヤに付与する第2ガチャを実行する権利がプレイヤに付与される。これにより、プレイヤは第1ガチャを実行しさえすれば第2ガチャにより特定のコンテンツを確定的に入手することができる。したがって、プレイヤがガチャを実行しようとする意欲を高めることができ、ガチャの実行を促進することができる。
【0067】
また、本実施形態では特に、第1ガチャの実行後のプレイヤの要求に基づいて、プレイヤに付与した第2ガチャを実行する権利を第1ガチャの実行後に直ちに消費して第2ガチャを実行する。これにより、プレイヤは第1ガチャにより当選したコンテンツと第2ガチャにより当選した特定のコンテンツを一度に獲得することができる。
【0068】
また、本実施形態では特に、第2ガチャを実行する権利として、プレイヤが使用することで任意のタイミングで第2ガチャを実行可能な仮想アイテム(例えばガチャチケット等)をプレイヤに付与してもよい。この場合、プレイヤは任意のタイミングで第2ガチャを実行して特定のコンテンツを獲得することができる。例えば、特定のコンテンツが有効期限付きのコンテンツであるような場合に、当該有効期限を考慮して特定のコンテンツを獲得する時期を調整することが可能となる。
【0069】
<6.変形例等>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0070】
(1)第1ガチャを実行可能な期間を延長可能とする場合
前述の第1ガチャ及び第2ガチャとは別のガチャを実行することにより、第1ガチャを実行可能な期間を延長できるようにしてもよい。本変形例の詳細について図10図12を用いて説明する。
【0071】
図10に、本変形例に係るサーバ装置5の機能的構成の一例を示す。なお、図10において前述の図2と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。図10に示すように、サーバ装置5は、前述の第1抽選部11、期間判定部13、抽選判定部15、第2抽選部17に加えて、第3抽選部35と、期間延長部37とを有する。
【0072】
第3抽選部35は、プレイヤの要求に基づいて、予め設定された数量の仮想価値を消費して所定の当選確率に基づき複数のコンテンツから所定数未満のコンテンツを選択し、選択した所定数未満のコンテンツをプレイヤに付与する第3ガチャ(第3抽選の一例)を実行する。消費される仮想価値は、有償の仮想価値でもよいし無償の仮想価値でもよい。なお、第3ガチャの実行に必要な仮想価値の数量(第1数量の一例)は、第1ガチャの実行に必要な仮想価値の数量(第2数量の一例)よりも少なくなるように設定されている。すなわち、第1抽選部11は、プレイヤの要求に基づいて、第3ガチャの実行に必要な仮想価値の数量よりも多くなるように予め設定された数量の仮想価値を消費して第1ガチャを実行する。なお、第3ガチャの実行に必要な仮想価値の数量は、後述する延長期間の長さに応じて定められてもよいし、0を含んでもよい。
【0073】
「複数のコンテンツ」は、第1ガチャのコンテンツのラインナップと共通としてもよいし、その一部又は全部を第1ガチャのコンテンツのラインナップには含まれない第3ガチャ専用のコンテンツとしてもよい。「所定の当選確率」は第1ガチャと共通の当選確率としてもよいし、第1ガチャとは異なる当選確率としてもよい。「所定数」は2以上の数である。すなわち、第3ガチャは、単発ガチャでもよいし連発ガチャでもよい。例えば、第1ガチャが10連ガチャで第3ガチャが5連ガチャでもよい。本実施形態では、第3ガチャがプレイヤに対して所定額の課金がなされる有償の単発ガチャである場合を一例として説明する。第3抽選部35は、第3ガチャで選択した所定数未満のコンテンツを、第3ガチャを実行したプレイヤに関連付けることで、第3ガチャの当選コンテンツをプレイヤに付与する。なお、第2抽選部17は、第1ガチャを実行する場合には第1ガチャの実行に引き続いて第2ガチャを実行する権利をプレイヤに付与するが、第3ガチャを実行する場合には第3ガチャの実行に引き続いて第2ガチャを実行する権利をプレイヤに付与しない。
【0074】
期間延長部37は、第3ガチャが実行された場合には第1ガチャを実行可能な前述の「所定の有限の期間」を延長する。第3ガチャが複数回実行された場合には、第3ガチャが実行される度に「所定の有限の期間」を延長する。延長期間の長さは特に限定されるものではないが、例えば「所定の有限の期間」の単位に応じて時間数、日数、週数、月数等によって設定されてもよい。本実施形態では、第3ガチャの1回の実行につき期間が10時間延長される場合を一例として説明する。
【0075】
図11に、本変形例に係る第1ガチャのゲーム画面の一例を示す。なお、図11において前述の図3と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。図11に示すように、ゲーム画面19には、前述のステップ表示部25、情報表示部27、ガチャ実行ボタン21、ガチャ終了ボタン23、当選確率の表示に加えて、残り時間表示部39と、延長ボタン41とが表示されている。
【0076】
残り時間表示部39には、第1ガチャを実行可能な残りの期間が表示されている。図11に示す例では、第1ガチャを実行可能な期間が72時間であり、残り時間が12時間である場合が示されている。プレイヤは残り時間表示部39を参照し、残り時間を延長したい場合には延長ボタン41を操作する。プレイヤにより延長ボタン41が操作された場合には、図12に示す第3ガチャのゲーム画面43が表示される。
【0077】
図12に示すように、ゲーム画面43の上部には、第3ガチャのタイトル(この例では「期間延長ガチャ」)が表示され、その下方には延長期間の長さを表す延長期間表示部45が表示されている。図12に示す例では、第3ガチャの1回の実行につき10時間延長されることが表示されている。
【0078】
延長期間表示部45の下方には、第3ガチャを実行するか否かをプレイヤに確認するメッセージ、必要対価(図12に示す例では「有償石300」)、第3ガチャを実行しても第2ステップに移行しないこと等の情報を表す情報表示部47と、ガチャ実行ボタン49及びガチャ終了ボタン51が表示されている。
【0079】
ゲーム画面43の下部には、第3ガチャのコンテンツの各種別について種別当選確率が表示されている。図12に示す例では、前述の図3に示す第1ガチャと共通の当選確率となっているが、第1ガチャと異なる当選確率としてもよい。
【0080】
プレイヤによりガチャ実行ボタン49が操作された場合には、自動的に必要対価の支払いが実行されて上記当選確率に基づく第3ガチャが実行されると共に、残り時間が10時間延長される。プレイヤは、第3ガチャを1回だけ実行して期間を10時間延長してもよいし、第3ガチャを複数回連続して実行することにより一度に数十時間(10時間×回数)延長してもよい。一方、プレイヤによりガチャ終了ボタン51が操作された場合には、第3ガチャを実行せずにステップアップガチャのゲーム画面19に戻る。
【0081】
以上説明した変形例によれば、第3ガチャを実行しても第1ガチャを実行しない限り第2ガチャを実行することはできないため、プレイヤに対し、少ない数量の有償の仮想価値を消費して第3ガチャを実行するよりも、多い数量の有償の仮想価値を消費して第1ガチャを実行することを促すことができる。これにより、プレイヤがより多くの課金額を負担するように促すことができる。また、例えばプレイヤが第1ガチャの課金負担を迷っているような場合に、とりあえず第1ガチャよりも課金額が安い第3ガチャの課金を負担することによって期間を延長し、第2ガチャの実行機会を失わないように延命することが可能となる。
【0082】
(2)その他
以上では、第1ガチャを実行可能な有限の期間が設定されている場合について説明したが、必ずしも期間は設定されなくてもよい。期間に関わらず、プレイヤが所定の課金負担を行って第1ガチャを実行した場合には第2ガチャを実行可能としてもよい。例えば、最初は期間が設定されており、プレイヤが所定の課金を負担した場合に期間を無効としてもよい。
【0083】
また以上では、プレイヤによる実行要求が初回である場合にのみ第1ガチャ及び第2ガチャを実行可能としたが、実行できる回数をプレイヤごとに1回に限定しなくともよく、2回以上実行可能としてもよい。例えば、最初は1回に限定されており、プレイヤが所定の課金を負担した場合に2回目以降の第1ガチャ及び第2ガチャを開放してもよい。
【0084】
また以上では、ステップアップガチャが2つのステップから構成されている場合について説明したが、3つ以上のステップから構成されてもよい。例えば、第1ステップで有償の3連ガチャ、第2ステップで有償の5連ガチャ、第3ステップで無償のボーナスガチャ、等の構成としてもよい。
【0085】
なお、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0086】
<7.サーバのハードウェア構成>
次に、図13を用いて、上記で説明したCPU501が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現するサーバ装置5のハードウェア構成の一例について説明する。なお、端末装置3が同様のハードウェア構成を有してもよい。
【0087】
図13に示すように、サーバ装置5は、例えば、CPU501と、ROM503と、RAM505と、GPU506と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路507と、入力装置513と、出力装置515と、記録装置517と、ドライブ519と、接続ポート521と、通信装置523を有する。これらの構成は、バス509や入出力インターフェース511等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0088】
ゲームプログラムは、例えば、ROM503やRAM505、ハードディスク等の記録装置517等に記録しておくことができる。
【0089】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体525に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体525は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体525に記録されたゲームプログラムは、ドライブ519により読み出されて、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0090】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置523がこのプログラムを受信する。そして、通信装置523が受信したプログラムは、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0091】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器527に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート521を介し転送され、入出力インターフェース511やバス509等を介し上記記録装置517に記録されてもよい。
【0092】
そして、CPU501が、上記記録装置517に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述の第1抽選部11、期間判定部13、抽選判定部15、第2抽選部17等による処理が実現される。この際、CPU501は、例えば、上記記録装置517からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM505に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU501は、例えば、プログラムを通信装置523やドライブ519、接続ポート521を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置517に記録せずに直接実行してもよい。
【0093】
また、CPU501は、各端末装置3のタッチパネル7からネットワークNWを介して入力される信号に加えて、必要に応じて、例えばマウス、キーボード、マイク等の入力装置513から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0094】
GPU506は、CPU501からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0095】
そして、CPU501及びGPU506は、上記の処理を実行した結果を、ネットワークNWを介して各端末装置3のタッチパネル7に出力すると共に、必要に応じて、例えばスピーカーやヘッドフォン等の音声出力部(図示せず)を含む、出力装置515から出力する。さらにCPU501及びGPU506は、必要に応じてこの処理結果を通信装置523や接続ポート521を介し送信してもよく、上記記録装置517や記録媒体525に記録させてもよい。
【符号の説明】
【0096】
5 サーバ装置(情報処理装置)
11 第1抽選部
13 期間判定部
15 抽選判定部
17 第2抽選部
35 第3抽選部
37 期間延長部
N-1~N-40 コンテンツ
R-1~R-10 コンテンツ
SR-1~SR-5 コンテンツ、特定のコンテンツ
【要約】
【課題】プレイヤがガチャを実行しようとする意欲を高めてガチャの実行を促進する。
【解決手段】サーバ装置5を、プレイヤの要求に基づいて、複数のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき複数のコンテンツから所定数のコンテンツを選択し、選択した所定数のコンテンツをプレイヤに付与する第1ガチャを実行する第1抽選部11、及び第1ガチャを実行する場合、複数の特定のコンテンツの各々に対して予め設定された当選確率に基づき複数の特定のコンテンツから所定数の特定のコンテンツを選択し、選択した所定数の特定のコンテンツをプレイヤに付与する第2ガチャを実行する権利をプレイヤに付与する第2抽選部17、として機能させる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13