(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-05
(45)【発行日】2024-01-16
(54)【発明の名称】汚染土壌浄化システム及び汚染土壌浄化方法
(51)【国際特許分類】
B09C 1/08 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
B09C1/08
(21)【出願番号】P 2019230771
(22)【出願日】2019-12-20
【審査請求日】2022-10-14
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】舟川 将史
(72)【発明者】
【氏名】清水 孝昭
(72)【発明者】
【氏名】奧田 信康
(72)【発明者】
【氏名】古川 靖英
(72)【発明者】
【氏名】奈良 知幸
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 祐二
(72)【発明者】
【氏名】北村 岳
(72)【発明者】
【氏名】中島 朋宏
【審査官】森 健一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/043508(WO,A1)
【文献】特開2019-030821(JP,A)
【文献】特開2017-127226(JP,A)
【文献】特開平09-117276(JP,A)
【文献】特開2005-046095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B09C 1/00- 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚染土壌を有する地盤へ浄化剤を注入する注入口を備えた注入井戸と、
前記地盤における前記浄化剤又は前記浄化剤のトレーサーの濃度を測定する測定装置と、
前記浄化剤を生成すると共に、前記浄化剤を加温する加温装置が設けられ、前記注入口から前記浄化剤を注入する可搬型の作液装置と、
を有
し、
前記測定装置は複数の前記汚染土壌毎に設けられ、
それぞれの前記測定装置によって測定された前記浄化剤又は前記トレーサーの濃度を取得すると共に、前記濃度が低い前記地盤から順に前記浄化剤を注入するように、それぞれの前記地盤における前記浄化剤の注入時期を決定する管理装置を備えた、
汚染土壌浄化システム。
【請求項2】
前記地盤の地下水の温度を検出する温度検出部を備え、
前記管理装置は、前記地下水の温度が、所定温度以上となるように、前記浄化剤に与える熱量を決定する、
請求項1に記載の汚染土壌浄化システム。
【請求項3】
前記測定装置は、前記注入井戸と離間した位置に設けた観測井戸における前記浄化剤又は前記トレーサーの濃度を測定する、
請求項1
又は2に記載の汚染土壌浄化システム。
【請求項4】
複数の汚染土壌を有する地盤において、浄化剤が注入された部分毎に前記浄化剤又は前記浄化剤のトレーサーの濃度を測定する工程と、
測定された前記浄化剤又は前記トレーサーの濃度に基づき、それぞれの前記地盤に対する前記浄化剤の注入時期を決定する工程と、
前記注入時期に、浄化剤を加温する加温装置が設けられた可搬型の作液装置を移動させて前記作液装置から前記地盤へ浄化剤を注入する工程と、
を備えた汚染土壌浄化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚染土壌浄化システム及び汚染土壌浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、薬剤供給装置によって生成された薬剤を注入井戸から土壌へ注入し、揚水井戸から地下水を揚水する汚染土壌の浄化方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示された汚染土壌の浄化方法では、移送ラインを介して、注入井戸と薬液供給装置が連結されている。また、揚水井戸には、揚水された地下水を処理する油分分離槽や曝気槽が連結されている。このように、汚染土壌を浄化するための様々な設備が原位置に据え付けられている。このため、汚染土壌を浄化している間は、土地活用が難しい。
【0005】
本発明は上記事実を考慮して、土地活用と土壌浄化を両立し易い汚染土壌浄化システム及び汚染土壌浄化方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の汚染土壌浄化システムは、汚染土壌を有する地盤へ浄化剤を注入する注入口を備えた注入井戸と、前記地盤における前記浄化剤又は前記浄化剤のトレーサーの濃度を測定する測定装置と、前記浄化剤を生成すると共に、前記浄化剤を加温する加温装置が設けられ、前記注入口から前記浄化剤を注入する可搬型の作液装置と、を有し、前記測定装置は複数の前記汚染土壌毎に設けられ、それぞれの前記測定装置によって測定された前記浄化剤又は前記トレーサーの濃度を取得すると共に、前記濃度が低い前記地盤から順に前記浄化剤を注入するように、それぞれの前記地盤における前記浄化剤の注入時期を決定する管理装置を備える。
【0007】
請求項1に記載の汚染土壌浄化システムでは、汚染土壌の浄化剤が、可搬型の作液装置によって生成され、注入井戸の注入口へ注入される。これにより、汚染土壌を有する地盤の原位置に作液装置を据付ける必要がない。このため、原位置に作液装置を据付ける場合と比較して、土地を利用できる有効面積が増える。したがって、土地活用と土壌浄化を両立し易い。
【0008】
また、この汚染土壌浄化システムでは、測定装置によって汚染土壌を有する地盤における浄化剤又は浄化剤のトレーサーの濃度を測定する。これにより、汚染土壌を有する地盤へ適切な量の浄化剤を注入できる。
一態様の汚染土壌浄化システムは、前記測定装置は複数の前記汚染土壌毎に設けられ、それぞれの前記測定装置によって測定された前記浄化剤又は前記トレーサーの濃度を取得すると共に、前記濃度が低い前記地盤から順に前記浄化剤を注入するように、それぞれの前記地盤における前記浄化剤の注入時期を決定する管理装置を備える。
【0009】
請求項2の汚染土壌浄化システムは、請求項1に記載の汚染土壌浄化システムにおいて、前記地盤の地下水の温度を検出する温度検出部を備え、前記管理装置は、前記地下水の温度が、所定温度以上となるように、前記浄化剤に与える熱量を決定する。
【0010】
一態様の汚染土壌浄化システムでは、作液装置に、浄化剤を加温する加温装置が設けられている。これにより浄化作用が活性化される。このため早期に汚染土壌の浄化を完了できる。
【0011】
請求項3の汚染土壌浄化システムは、請求項1又は2に記載の汚染土壌浄化システムにおいて、前記測定装置は、前記注入井戸と離間した位置に設けた観測井戸における前記浄化剤又は前記トレーサーの濃度を測定する。
【0012】
請求項3に記載の汚染土壌浄化システムでは、注入井戸と離間した位置に、浄化剤又はトレーサーの濃度を測定するための観測井戸を設けている。これにより、浄化剤が浄化対象とする汚染土壌に浸透しているかどうかを確認することができる。
【0013】
一態様の汚染土壌浄化システムは、前記測定装置は複数の前記汚染土壌毎に設けられ、それぞれの前記測定装置によって測定された前記浄化剤又は前記トレーサーの濃度を取得する管理装置を備えている。
【0014】
一態様の汚染土壌浄化システムでは、複数の汚染土壌における浄化剤又はトレーサーの濃度が、管理装置によって取得される。すなわち、複数の汚染土壌における浄化剤の濃度を、管理装置で一元管理できる。このため、可搬型の作液装置による複数の汚染土壌への浄化剤注入時期を効率的に計画できる。
【0015】
請求項4の汚染土壌浄化方法は、浄化剤が注入された複数の汚染土壌を有する地盤において前記浄化剤又は前記浄化剤のトレーサーの濃度を測定する工程と、測定された前記浄化剤又は前記トレーサーの濃度に基づき、それぞれの前記地盤に対する前記浄化剤の注入時期を決定する工程と、前記注入時期に、浄化剤を加温する加温装置が設けられた可搬型の作液装置を移動させて前記作液装置から前記地盤へ浄化剤を注入する工程と、を備えている。
【0016】
請求項5に記載の汚染土壌浄化方法では、汚染土壌の浄化剤が、可搬型の作液装置によって生成される。これにより、汚染土壌を有する地盤の原位置に作液装置を据付ける必要がない。このため、原位置に作液装置を据付ける場合と比較して、土地を利用できる有効面積が増える。したがって、土地活用と土壌浄化を両立し易い。
【0017】
また、この汚染土壌浄化方法では、複数の汚染土壌において測定された浄化剤又はトレーサーの濃度に基づき、複数の汚染土壌における浄化剤の注入時期が決定される。すなわち、可搬型の作液装置による複数の汚染土壌への浄化剤注入時期を効率的に計画できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、土地活用と土壌浄化を両立し易い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る汚染土壌浄化システムを示す立断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る汚染土壌浄化システムにおける作液槽の一例を示す立面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る汚染土壌浄化システムにおける管理装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る汚染土壌浄化システムにおいて表示装置に表示された画面の一例をしめす平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の第1実施形態に係る汚染土壌浄化システム10(以下、土壌浄化システム10と称す)について、図面を参照しながら説明する。各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。また、各図面において重複する構成及び符号については、説明を省略する場合がある。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において構成を省略する又は異なる構成と入れ替える等、適宜変更を加えて実施することができる。
【0021】
<補選土壌浄化システム>
図1には、本実施形態に係る汚染土壌浄化システム10(以下、「土壌浄化システム10」と称す)が適用された地盤12の一例が示されている。地盤12は、難透水層12Aと、難透水層12Aの上に堆積された帯水層12Bと、を有している。なお、
図1に示される符号Sは、帯水層12Bの地下水位を示している。また、
図1に示される矢印Vは、地下水の流れを示している。
【0022】
帯水層12Bは、難透水層12Aよりも透水性が高く、地下水が流動し易くなっている。この帯水層12Bは、VOC(揮発性有機化合物)等の汚染物質を含む汚染土壌12B1を有している。
【0023】
汚染物質としては、例えば、有機化合物(塗料、印刷インキ、接着剤、洗浄剤、ガソリン、シンナーなどに含まれるトルエン、キシレンや、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,2-ジクロロエチレン、クロロエチレン(塩化ビニルモノマー)などの揮発性有機化合物)、重金属化合物、無機化合物、油類等が挙げられる。
【0024】
なお、本実施形態に係る土壌浄化システム10は、上記の地盤12に限らず、例えば、難透水層12Aが存在しない地盤12等の種々の地盤に適用可能である。
【0025】
土壌浄化システム10には、バイオ方法(バイオスティミュレーション)が採用されている。バイオ方法は、例えば、水素徐放剤や酵母抽出物質等の活性剤(栄養剤)が添加された注入液を注入井戸16から地盤12に注入し、汚染土壌12B1中の汚染物質を分解する微生物(以下、「分解微生物」という)を増殖、活性化させて分解微生物による汚染物質の浄化を促進させる方法である。なお、活性剤は本発明における浄化剤の一例である。
【0026】
また、土壌浄化システム10では、注入液を加温し、加温液を生成する。この加温液は、帯水層12B中の地下水(常温地下水)よりも高温に加温され、帯水層12Bに注入される。これにより、汚染土壌12B1に存在する分解微生物を増殖、活性化させるとともに、汚染土壌12B1から汚染物質が剥離し易い状態にし、汚染土壌12B1の浄化効率を高めている。以下、土壌浄化システム10の各構成要素の構成について説明する。
【0027】
土壌浄化システム10は、建物18が建つ敷地において稼働される。
図1には、1点鎖線Eで敷地境界線の場所が示されている。以下の説明においては、敷地境界線に囲まれた領域を「敷地」と称す。汚染土壌12B1は、少なくとも一部がこの敷地に含まれている。
【0028】
土壌浄化システム10は、既存の建物18が建つ敷地に構築してもよいし、敷地に土壌浄化システム10を構築後、建物18を新築してもよい。土壌浄化システム10及び建物18の構築の前後関係に関わらず、土壌浄化システム10は、建物18を供用しながら(又は建設しながら)稼働される。
【0029】
土壌浄化システム10は、注入井戸16と、観測井戸20と、温度検出部22と、測定装置30と、を備えている。注入井戸16の頂部には注入口16Aが形成されている。注入口16Aには、可搬型の作液装置40から活性剤が注入可能とされている。さらに、土壌浄化システム10は、測定装置30によって測定された活性剤の濃度を取得する管理装置50を備えている。
【0030】
(注入井戸)
注入井戸16は、地盤12を掘削することにより形成されている。また、注入井戸16は、敷地内において建物18の外側に設けられている。さらに、注入井戸16は、敷地内において汚染土壌12B1より上流側(地下水の流れの上流側)に設けられている。
【0031】
注入井戸16は、地盤12の帯水層12Bを貫通し、難透水層12Aに達している。注入井戸16は、地盤12へ活性剤を含んだ加温液を注入する。注入井戸16の注入口16Aには、作液装置40に接続された管体から、活性剤を含んだ加温液が注入される。
【0032】
この注入ポンプを作動することにより、注入井戸16から地盤12に供給された活性剤を含んだ加温液は、帯水層12Bを流動し、12汚染土壌12B1へ拡散する。なお、地下水の流れが速い場合、注入ポンプは必ずしも作動させる必要はない。以下の説明においては、「活性剤を含んだ加温液」を単に「加温液」と称す場合がある。
【0033】
なお、注入井戸16の数や配置、長さは、浄化対象となる汚染土壌12B1の範囲に応じて適宜変更可能である。また、注入井戸16は、必ずしも難透水層12Aに達する必要はない。
【0034】
(観測井戸)
観測井戸20は、地盤12を掘削することにより形成されている。また、観測井戸20は、敷地内において建物18の外側の、注入井戸16と離間した位置に設けられている。さらに、観測井戸20は、敷地内において汚染土壌12B1より下流側(地下水の下流側)に設けられている。なお、観測井戸20は、汚染土壌12B1に設けてもよい。この観測井戸20は、地下水中の汚染物質の濃度や活性剤の濃度等を観測(検出)するための井戸である。
【0035】
観測井戸20の内部には揚水管20Pが設けられており、この揚水管20Pに設けられた図示しないポンプを作動することより、帯水層12Bの地下水が汲み上げられる。汲み上げられた地下水中の活性剤の濃度は、測定装置30によって測定される。また、注入液に蛍光染料等のトレーサー(指標材)を添加した場合、測定装置30は、このトレーサーの濃度を測定することもできる。
【0036】
なお、帯水層12Bの地下水は必ずしも汲み上げる必要はなく、観測井戸20の内部に設けられた濃度測定装置等によって、地下水中の活性剤の濃度を測定することも可能である。
【0037】
(温度検出部)
温度検出部22は、例えば、温度センサ等によって実現される。この温度検出部22は、観測井戸20の近傍の帯水層12Bに埋設され、帯水層12B中の地下水の温度を検出する。また、温度検出部22には、測定装置30が電気的に接続されている。
【0038】
なお、温度検出部22は、帯水層12Bにおいて、汚染土壌12B1に設けることができる。また、温度検出部22は、例えば、観測井戸20内に設けることができる。さらに、温度検出部22を設けず、測定装置30が観測井戸20から揚水された地下水の温度を測定してもよい。
【0039】
(測定装置)
測定装置30は、敷地内に設けられている。なお、本実施形態においては、測定装置30は、建物18の内部に設けられているが、例えば建物18の外部に設けてもよい。測定装置30は、揚水管20Pから汲み上げられた地下水中の活性剤の濃度を測定する。または、測定装置30は、注入液に添加されたトレーサーの濃度を測定する。さらに、測定装置30は、温度検出部22によって検出された地下水の温度を取得する。
【0040】
測定装置30によって活性剤及びトレーサーの濃度のどちらを測定するかは、活性剤の種類に応じて、汚染土壌浄化システム10の管理者が適宜決定する。濃度を測定し難い活性剤を使用する場合、注入液にはトレーサーを添加して、トレーサーの濃度を測定することが好ましい。一方、濃度を測定し易い活性剤を使用する場合、注入液にトレーサーを添加せず、活性剤の濃度を測定することが好ましい。浄化剤として活性剤以外の物質を用いる時も同様である。
【0041】
測定装置30は、図示しない通信装置を備えている。この通信装置によって、測定装置30は、測定された活性剤又はトレーサーの濃度及び取得した地下水の温度を管理装置50へ送信する。
【0042】
なお、測定装置30は、活性剤又はトレーサーの濃度を所定時間毎に継続的に取得する。同様に、温度検出部22も、地下水の温度を所定時間毎に継続的に取得する。測定装置は、これらの濃度データ及び温度データを取得次第、速やかに管理装置50へ送信する。「所定時間」とは、例えば1秒毎であってもよいし、1時間毎であってもよい。
【0043】
(作液装置)
作液装置40は、車載可能な大きさで形成された可搬型の装置である。作液装置40は、作液槽42及びトレーサー槽44を含んで形成されている。
【0044】
なお、「可搬型」とは、作液槽42及びトレーサー槽44が、一台の車に積載可能な大きさで形成されていることを示している。つまり、作液槽42及びトレーサー槽44それ自体が走行用又は運搬用の車輪等を備えている必要はない。
【0045】
また、作液槽42及びトレーサー槽44は、必要な活性剤及びトレーサーの体積に応じて大きさを適宜選択することができる。このため、これらを運搬する車両としても、8トントラック、4トントラック及び2トントラック等、任意の車両を適宜選択することができる。
【0046】
さらに、作液槽42及びトレーサー槽44は、まとめて1台の車両に積載してもよいし、それぞれを別の車両に積載してもよい。
【0047】
またさらに、測定装置30によってトレーサーの濃度を測定しない場合は、トレーサー槽44は省略することもできる。
【0048】
(作液装置-作液槽)
作液槽42には、注入口42A及び排出口42Bが形成されている。また、作液槽42には、フィーダー42Cが接続されている。
【0049】
注入口42Aには、地盤12へ注入する注入液を生成するための水が注入される。注入液を生成するための水としては、敷地において貯蔵された雨水、中水及び上水の少なくとも何れかを使用することが好ましい。
【0050】
雨水及び中水は、建物18内に設置された貯蔵タンク18Aに貯槽されている(
図1参照)。雨水及び中水は、この貯蔵タンク18Aから管体及びポンプを用いて揚水され、注入口42Aを介して作液槽42へ注入される。
【0051】
上水は、建物18に供給される水道水である。上水は、建物18に配設された上水管から、注入口42Aを介して作液槽42へ注入される。
【0052】
なお、注入液を生成するための水としては、敷地において貯蔵された雨水、中水及び上水の他、敷地外の水を利用することもできる。例えば敷地外において注入液を作液する場合は、その作液場所において入手可能な水を使用する。また、作液装置40は、図示しない給水タンクを備えて構成することもできる。給水タンクを用いれば、注入液を形成するための水を任意の場所で確保して運搬できる。
【0053】
フィーダー42Cは、作液槽42に活性剤を供給するための供給口である。フィーダー42Cから供給された活性剤が、注入口42Aから注入された水と混合されて、地盤12へ注入するための注入液が生成される。
【0054】
作液槽42で生成された注入液は、作液槽42内に設けられた加温装置46によって、必要に応じて加温される。これにより、活性剤を含んだ加温液が生成される。
【0055】
加温液は、排出口42Bから排出され、排出口42Bに接続される管体を介して、
図1に示す注入井戸16の注入口16Aへ注入される。排出口42Bに接続される管体には、必要に応じて断熱材が巻かれる。また、作液槽42に設けた図示しないポンプの動力によって、管体から注入井戸16を介して、地盤12へ加温液が注入される。
【0056】
なお、注入液を加温する手段は、作液槽42内に設けられた加温装置46に限らない。例えば注入口42Aを介して作液槽42へ注入される水を、建物18に設けた図示しない加温装置によって加温してもよい。
【0057】
作液槽42へ注入される水を加温する手段としては、例えばヒートポンプを用いることができる。ヒートポンプには、例えば、建物18に設置された空調装置が接続される。これにより、建物18の加温装置には、ヒートポンプを介して空調機の排熱(温排熱)が供給される。この排熱を熱源として、加温装置が注入液を加温し、加温液を生成する。
【0058】
なお、ヒートポンプには、空調機以外の装置(例えば、ガス給湯器等)を接続してもよい。また、加温装置は、例えば、建物18に設置されるコージェネレーションシステムの排熱を熱源としてもよい。この場合、コージェネレーションシステムの排熱によって注入液が加温される。
【0059】
(作液装置-トレーサー槽)
トレーサー槽には、注入液に添加するためのトレーサーが貯蔵されている。トレーサーは、帯水層12Bの地下水における浄化剤(活性剤を含む)の濃度を推定するための物質(指標剤)である。
【0060】
「指標剤」とは帯水層12B内で浄化剤と同様の挙動を示す物質であり、低濃度状態でも、大規模な設備を用いることなく、原位置(例えば建物18内など)で濃度の測定が容易な物質である。指標剤の例としては、蛍光染料、ハロゲンイオン、放射性同位体等が挙げられる。このうち、蛍光染料としてはウラニン、エオシン、ローダミンB、ローダミンWT、ピラニン、アミノG酸、ナフチオン酸ナトリウム、スルホローダミンG等を用いることができる。
【0061】
ここで、「浄化剤又は活性剤と同様の挙動を示す」とは具体的に、地下水に対する指標剤の密度、粘性、吸着・分解特性などが浄化剤又は活性剤と同程度であることを示す。
【0062】
また、「同程度」とは、完全に一致している場合のほか、試験により測定可能な程度の僅かな差が生じる程度を含む。
【0063】
このため、指標剤は、帯水層12Bの地下水における浄化剤の濃度を測定するための物質として用いられる。指標剤の濃度を測定することで、帯水層12Bの地下水における浄化剤の濃度を推定することができる。
【0064】
なお、トレーサーとして蛍光染料を用いる場合は、測定装置30(
図1参照)は蛍光測定器を含んで構成する。蛍光測定器は、地下水に含まれる蛍光染料が発する光の強度を測定することができる。
【0065】
具体的には、蛍光測定器は、光源装置から地下水に励起光を照射したときに、地下水に含まれる蛍光染料が発生する蛍光の光強度を測定できる。測定装置30は、この光強度から蛍光染料の濃度を算出する。
【0066】
なお、本発明における「トレーサーの濃度を測定する」とは、このように蛍光測定器を用いて、トレーサーとしての蛍光染料の濃度を算出することを含む。
【0067】
(管理装置)
図1に示す管理装置50は、敷地外に設けられている。「敷地外」とは、例えば土壌浄化システム10を管理する管理者が勤務する事務所である。また、管理装置50を携帯可能なパソコンに組み込めば、当該パソコンが位置する場所である。
【0068】
図3に示すように、管理装置50は、図示しない通信装置に接続された取得部52を備えている。この取得部52は、複数の敷地(汚染土壌を備えた敷地)にそれぞれ設けられた測定装置30から送信された、それぞれの敷地における活性剤又はトレーサーの濃度及び地下水の温度を取得する。なお、本発明における「複数の汚染土壌」とは、複数の敷地の事を示し、具体例として、後述するサイトA、サイトB、サイトC、サイトD及びサイトE等が挙げられる。
【0069】
管理装置50は、推定部54を備えている。推定部54は、測定装置30からトレーサーの濃度を取得した場合、当該トレーサーの濃度から、活性剤の濃度を推定する。活性剤の濃度は、トレーサーの濃度と、所定の係数と、の積から推定される。
【0070】
また、管理装置50は、記憶部56を備えている。記憶部56には、取得部52で取得された活性剤の濃度、地下水の温度及び推定部54で推定された活性剤の濃度が記憶される。
【0071】
このようにして、管理装置50には、汚染土壌を備えた複数の敷地における活性剤の濃度情報及び地下水の温度情報が集約される。
【0072】
さらに、管理装置50は、出力部58を備えている。出力部58は、モニタ等によって形成された表示装置60に、記憶部56に記憶された情報を出力する。
【0073】
<汚染土壌浄化方法>
図4には、表示装置60における表示画面の一例が示されている。表示画面には、汚染土壌を備えた敷地として、サイトA、サイトB、サイトC、サイトD及びサイトEが示されている。本実施形態に係る汚染土壌浄化システム10を用いて、これらの複数の敷地を浄化する。
【0074】
(活性剤の注入)
サイトA、サイトB、サイトC、サイトD及びサイトEには、それぞれ、上述した注入井戸16、観測井戸20、温度検出部22及び測定装置30(
図1参照)が設けられている。
【0075】
汚染土壌浄化システム10を用いた汚染土壌浄化方法では、これらの敷地それぞれに、作液装置40(
図2参照)を車両で運搬する。
【0076】
そしてそれぞれの敷地において、注入井戸16の注入口16Aから、浄化剤の一例としての活性剤を含んだ加温液又は加温していない注入液を注入する。この加温液又は加温していない注入液には、トレーサーを添加してもよい。
【0077】
(濃度及び温度の測定)
次に、測定装置30が、観測井戸20から汲み上げられた地下水中の活性剤又はトレーサーの濃度を測定し、かつ、温度検出部22が検出した地下水の温度を取得する。また、測定装置30は、測定された濃度データ及び温度データを、管理装置50へ送信する。
【0078】
管理装置50の取得部52は、測定装置30から送信された各情報を取得する。
【0079】
推定部54は、取得部52が取得したトレーサーの濃度データから活性剤の濃度を推定する。
【0080】
記憶部56は、取得部52が取得した活性剤の濃度データ、地下水の温度データ及び推定部54が推定した活性剤の濃度データを記憶する。
【0081】
出力部58は、記憶部56が記憶した活性剤の濃度データ及び地下水の温度データを、
図4に示すように、複数の敷地毎に表示装置60に表示させる。例えば、各敷地の活性剤の濃度データ及び地下水の温度データは次のように表示される。
【0082】
サイトA:活性剤濃度 100mg/L
地下水温度 15℃
サイトB:活性剤濃度 80mg/L
地下水温度 25℃
サイトC:活性剤濃度 200mg/L
地下水温度 32℃
サイトD:活性剤濃度 30mg/L
地下水温度 10℃
サイトE:活性剤濃度 10mg/L
地下水温度 22℃
【0083】
図4においては、各敷地の活性剤の濃度データ及び地下水の温度データは、各敷地の位置を示す情報と共に地図上に表示されている。
【0084】
(注入時期の決定)
汚染土壌浄化システム10の管理者は、表示装置60に表示された活性剤の濃度データに基づき、それぞれの敷地における活性剤の注入時期(すなわち、加温液又は加温していない注入液の注入時期)を決定する。例えば、サイトA、サイトB、サイトC、サイトD及びサイトEにおける活性剤の濃度をそれぞれCA、CB、CC、CD、CEとすると、
CE<CD<CB<CA<CC
である。
【0085】
活性剤の濃度が「高い」状態は、汚染土壌12B1(
図1参照)に存在する分解微生物に供給されている栄養量が多い状態であり、活性剤を追加注入する必要性は相対的に低い。一方、活性剤の濃度が「低い」状態は、汚染土壌12B1に存在する分解微生物に供給されている栄養量が少ない状態であり、活性剤を追加注入する必要性が相対的に高い。
【0086】
このため、汚染土壌浄化システム10の管理者は、活性剤の濃度が「低い」敷地から順に活性剤を注入するように、それぞれの敷地における活性剤の注入時期を決定する。例えばサイトA、サイトB、サイトC、サイトD及びサイトEにおいては、サイトE、サイトD、サイトB、サイトA、サイトCの順に、活性剤を注入するものとする。
【0087】
なお、活性剤の注入時期、換言すると各敷地に作液装置40を循環させるサイクルは、1日単位としてもよいし、1週間単位や1か月単位としてもよい。すなわち、一例として、1日で全ての敷地に活性剤を注入し、翌日、再び全ての敷地に活性剤を注入するサイクルを計画できる。また、別の一例として、数日間かけて同じ敷地に活性剤を注入し、その後、別の敷地に数日間かけて活性剤を注入するサイクルを計画できる。
【0088】
(作液装置の移動)
汚染土壌浄化システム10の管理者は、決定した注入時期に応じて、各敷地へ作液装置40を移動させる。作液装置40は、車両に搭載されて各敷地へ運搬される。作液槽42及びトレーサー槽44は、1台の車両に搭載して運搬することが好ましい。
【0089】
しかし、敷地が接する前面道路を通行可能な車両の大きさが制限されている、等の事情により作液槽42及びトレーサー槽44を1台の車両に搭載できない場合は、作液槽42及びトレーサー槽44を、異なる車両に搭載して運搬することもできる。
【0090】
なお、作液装置40を1台のみ用意して、この1台を浄化対象とする全ての敷地に巡回させることができる。また、作液装置40を複数台設けて、複数の敷地に対して同時に活性剤を注入し、1台当たりの巡回箇所を減らすこともできる。作液装置40を設ける台数は、浄化対象とする敷地の地理的分布や、活性剤の注入作業に要する時間等に応じて、適宜決定される。
【0091】
(活性剤添加量の決定)
汚染土壌浄化システム10の管理者は、それぞれの敷地に活性剤を注入する際に、注入液に対する活性剤の添加量を決定する。注入液に対する活性剤の添加量は、帯水層12Bの活性剤の濃度(地下水中の活性剤の濃度)が所定値以上になるように、敷地毎に個別に決定される。
【0092】
例えば、敷地毎に分解微生物量が異なるため、活性剤の需要量も異なる。分解微生物量が多ければ活性剤の需要量が多いため、活性剤の添加量を多くする。これにより帯水層12Bの活性剤の濃度を高くすることが好ましい。一方、分解微生物量が少なければ活性剤の需要量が少ないため、活性剤の添加量を少なくすることができる。
【0093】
なお、分解微生物量は、活性剤の濃度の経時変化を観察することで推定することができる。所定期間内において活性剤の濃度の減少値が大きい(所定値以上)場合は、当該敷地には分解微生物が多いと推定できる。この場合、活性剤の添加量を多くする。
【0094】
一方、所定期間内において活性剤の濃度の減少値が小さい(所定値未満)場合は、当該敷地には分解微生物が少ないと推定できる。この場合、活性剤の添加量を少なくできる。又は、浄化剤として分解微生物を添加する。
【0095】
(加温液温度の決定)
また、汚染土壌浄化システム10の管理者は、帯水層12Bの温度(地下水の温度)が所定値以上になるように、加温液温度、すなわち注入液に与える熱量を決定する。加温液温度は、敷地毎に個別に決定される。
【0096】
帯水層12Bの温度は、汚染土壌12B1中の分解微生物が増殖、活性化し易い温度(例えば、25℃~60℃、より好ましくは25℃~30℃)になるように、調整することが好ましい。
【0097】
汚染土壌浄化システム10の管理者は、それぞれの敷地に活性剤を注入する際に、それぞれの敷地における帯水層12Bの温度を確認する。そして、帯水層12Bの温度が、分解微生物が増殖、活性化し易い温度である25℃以上となるように、注入液に与える熱量を決定する。
【0098】
確認した帯水層12Bの温度が25℃より低い場合は、例えば帯水層12Bの温度が少なくとも25℃以上となるように、注入液に与える熱量を決定する。
【0099】
また、確認した帯水層12Bの温度が25℃以上30℃未満の場合は、例えば帯水層12Bの温度が25℃以上の状態を維持できるように(温度が下がって25℃未満とならないように)、注入液に与える熱量を決定する。
【0100】
さらに、確認した帯水層12Bの温度が30℃以上の場合は、例えば帯水層12Bの温度が25℃以上の状態を暫く維持できると判断して、注入液を加温しない。
【0101】
<作用及び効果>
本発明の実施形態に係る汚染土壌浄化システム10では、
図1に示すように、汚染土壌12B1の汚染物質を分解する分解微生物を活性化させる活性剤が、可搬型の作液装置40によって生成され、注入井戸16の注入口16Aへ注入される。
【0102】
これにより、汚染土壌12B1を有する地盤12の原位置に作液装置40を据付ける必要がない。このため、原位置に作液装置40を据付ける場合と比較して、土地(敷地)を利用できる有効面積が増える。したがって、土地活用と土壌浄化を両立し易い。
【0103】
また、この汚染土壌浄化システム10では、測定装置30によって、汚染土壌12B1を有する地盤12における活性剤又はトレーサーの濃度を測定する。これにより、地盤12へ適切な量の活性剤を注入できる。
【0104】
また、汚染土壌浄化システム10では、
図2に示すように、作液装置40に、活性剤を加温する加温装置46が設けられている。これにより浄化作用が活性化される。このため早期に汚染土壌12B1の浄化を完了できる。
【0105】
また、汚染土壌浄化システム10では、
図1に示すように、注入井戸16と離間した位置に、活性剤又はトレーサーの濃度を測定するための観測井戸20を設けている。これにより、活性剤が浄化対象とする汚染土壌12B1に浸透しているかどうかを確認することができる。
【0106】
また、汚染土壌浄化システム10では、複数の汚染土壌における活性剤又はトレーサーの濃度が、管理装置50によって取得される。すなわち、複数の汚染土壌毎の活性剤の濃度を、管理装置50で一元管理できる。このため、可搬型の作液装置40による複数の汚染土壌への活性剤注入時期を効率的に計画できる。
【0107】
また、本発明の実施形態に係る汚染土壌浄化方法では、複数の汚染土壌12B1において測定された活性剤又はトレーサーの濃度に基づき、複数の汚染土壌12B1における活性剤の注入時期が決定される。すなわち、可搬型の作液装置40による複数の汚染土壌12B1への活性剤注入時期を効率的に計画できる。
【0108】
また、汚染土壌浄化システム10は、地下水を揚水する揚水井戸を設けていない。これにより、敷地内に揚水井戸を設置するための面積を確保する必要がない。このため、土地活用効果が高い。
【0109】
<変形例>
本実施形態においては、帯水層12Bの温度を検出する温度検出部22及び地盤12への注入液を加温する加温装置46を設けている。また、注入井戸16から地盤12へ、活性剤を含んだ加温液を注入している。すなわち、本実施形態においては帯水層12Bの温度管理を実施しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。
【0110】
例えば温度検出部22及び加温装置46を省略して、帯水層12Bの温度管理を実施しないものとしてもよい。例えば活性剤は常温水に混合して地盤12へ注入してもよい。帯水層12Bの温度管理を実施しなくても、可搬型の作液装置40を用いることにより、土地活用と土壌浄化を両立できる効果を得ることができる。
【0111】
また、本実施形態においては、汚染土壌浄化システム10の管理者が、複数の敷地における活性剤の注入時期を決定しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば管理装置50に複数の敷地における活性剤の注入時期を決定させてもよい。
【0112】
また、活性剤の注入時期だけでなく、活性剤添加量及び加温液温度も、管理装置50に決定させることができる。管理装置50にこれらの決定をさせる場合、管理装置50の記憶部56に、予めこれらの注入時期、活性剤添加量及び加温液温度を導出するためのプログラムを記憶させておく。これにより汚染土壌浄化システム10の管理を省人化させることができる。
【0113】
また、本実施形態においては、測定装置30が地下水に含まれる活性剤の濃度及びトレーサーの濃度を測定するものとしたが本発明の実施形態はこれに限らない。例えばこれらに加えて、測定装置30は、地下水のpH(水素イオン濃度)やORP(酸化還元電位:Oxidation-Reduction-Potential)等を測定してもよい。これらの測定値を管理装置50に送信し、汚染土壌浄化システム10の管理者がこれらの測定値を確認できるようにすることで、土壌浄化に必要な薬剤を注入液に添加することができる。
【0114】
また、本実施形態においては、浄化剤として水素徐放剤や酵母抽出物質等の活性剤(栄養剤)を用いているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば浄化剤として、汚染物質を生物分解するデハロコッコイデス、デハロサルファイド等の分解微生物を用いてもよい。すなわち、汚染土壌12B1の浄化方法であるバイオ方法としては、分解微生物を活性化させる活性剤を注入する実施形態の他、地盤12へ分解微生物自体を注入する実施形態を含むものとする。
【0115】
さらに、浄化剤としては、汚染物質を化学分解する「化学分解剤」等を用いてもよい。化学分解剤の具体例としては、鉄系スラリー等の「還元剤」や、過酸化水素、加硫酸塩、フェントン試薬、過マンガン酸、過炭酸塩などの「酸化剤」が挙げられる。すなわち、本発明に係る土壌浄化システム10においては、汚染土壌12B1の浄化方法はバイオ方法に限定されるものではなく、汚染物質の種類等に応じて適宜適した方法を採用することができる。このように、本発明は様々な態様で実施できる。
【符号の説明】
【0116】
12B1 汚染土壌
12 地盤
16 注入井戸
16A 注入口
20 観測井戸
30 測定装置
40 作液装置
46 加温装置
50 管理装置